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バトルオブフラワーズ④〜(炭水化物は白いのでハイカロリ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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#キマイラフューチャー
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●大変エネルギッシュな馬鹿ども参上
 真っ二つになってしまったキマイラフューチャーの一角。
 ザ・ステージと呼ばれる6つのセクションの内の1つであるザ・フードステージ。
 そこでは無数の怪人が食材の収穫に勤しんでいた。
「「「うおおおおおお!!収穫だああ!!!」」」
「「「刈れ!刈れ!稲を刈れ!米こそ至高だあああ!!!」」」
「「「カロリー!カロリー!カロリー!」」」
 頭が食パン、中華まん、そして茶碗に盛られたご飯の怪人。
 彼らの名前は炭水化物トリオ。糖尿病なんて知ったことじゃねえぜ。炭水化物こそ至高と考える頭炭水化物なハイカロリー怪人だ。
 彼らは五月蠅い雄たけびを上げながら、様々な食材を集めてタワーのように積み上げ続けていた。

●戦争ですわ
「皆さん!戦争の時間ですわ。こう、キマイラフューチャーがぱっくりと割れてえらいこっちゃですわ。」
 わたわたと若干パニックになりつつ、オーキッドシュライン(絢爛なる豪火・f15793)が集まった猟兵達に説明を始める。
「これから皆さんに向かってもらうのはザ・フードステージという戦場ですわ」
 火鏡のグリモアを操作して炎のスクリーンを展開して会場の映像を投影する。
「ここでは『シュウカクフードバトル』という特殊ルールが展開されているみたいですの」
 初めて聞く『シュウカクフードバトル』という言葉に疑問符を浮かべている猟兵達に向けてオーキッドは更に説明を重ねる。
「このステージには田んぼとか畑等が一杯ありまして、怪人たちはそこで様々な食材を一生懸命に収穫していますわ。そして、一定以上の収穫をすると怪人の勝利ということになるみたいなんですの」
 炎のスクリーンに敗北条件を表示しながらオーキッドは続ける。
「だから、集め切る前に怪人を倒して収穫をストップさせないといけないんですけど…このステージでは【収穫中の怪人への攻撃が無効化される】みたいなんですの」
 収穫中の怪人は無敵という情報も炎のスクリーンに追加する。
「では、どうすればいいのかと言いますと…それは料理ですわ!」
 えっ、なんで料理なのかという顔をしている猟兵達にさらにオーキッドは続ける。
「怪人たちが積み上げた食材を使って美味しそうな料理を作れば、怪人たちはきっと釣られて食べに来ますわ」
 まあ…キマイラの怪人だからあり得るのかと思う猟兵達にオーキッドは続ける。
「食事中の怪人は【収穫中ではない】ので、当然攻撃が通りますわ。なので【収穫中の怪人への攻撃無効】が無効化されますわ」
 ご飯を作って食事中に攻撃ですわという文字がスクリーンに映し出される。
「皆さんには存分に料理の腕と戦闘の腕を振るっていただきますわ」
 どこからか取り出したお玉を右手に持ってオーキッドは猟兵達に笑顔で告げる。
「ステージには特設のキッチンスタジオを作っておきましたので、調理器具や機器については心配しないで下さいまし。食材もキマイラフューチャーですので、なんでも揃いますわ。雑に何でも畑で獲れるんでしょう」
 詳しく考えたら負けですわとゴリ押しながらオーキッドは続ける。
「今回の怪人は『炭水化物トリオ』という怪人たちですわ。まあ、炭水化物系が好きなんじゃないかと思いますわ」
 参考にしてくださいましとオーキッドは言う。
「料理が苦手な方は相方の人に作ってもらって、自分は戦闘に専念でもいいかもしれんわ」
 連携は大事という文字も炎のスクリーンに映し出される。
「さて、伝えられることは全て伝えましたし、今から皆さんにはキッチンステージへ行ってもらいますわ。レシピは思いつきましたか?」
 そう言いながらオーキッドは転送の準備を始める。
「それでは、皆さん。ご武運を」
 火鏡のグリモアが紅く煌き猟兵達を転送した。


しろべびさん
 皆さんどうもしろへびさんです。
 戦争ですね、戦争。
 今回はご飯を作ってアンブッシュです。
 シリアスにはならないでしょうきっと。
 ならないよね…。
 楽しく書きたいと思いますのでよかったらご参加ください。
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第1章 集団戦 『炭水化物トリオ』

POW   :    炊きたてごはん怪人・ウェポン
【炊きたてごはん兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    焼きたてパン怪人・ジェノサイド
【焼きたてパン攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    蒸したて中華まん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【蒸したて中華まん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●キッチンイェーガー始まるよー☆
「「「そいや!そいや!そいや!」」」
「「うおおおおおおおお!!収穫だあああ!!!」」
「「ヒャッハー!走れぇ!コンバインンンン!!!!!」」
 脳の血管がはち切れそうなほどのハイテンションで怪人たちが農業用の機械を走らせて黄金色の稲穂や小麦を刈り取っていく。
 刈り取りと同時に脱穀までしてくれる優れものを乗り回し、次々と収穫をしていく怪人たち。
 刈り取った小麦や米を文字通り山のように積み上げた怪人たちは、休憩ということで一息をつくことにした。
「フゥ…いい汗かいたな!」
「ああ、気持ちのいい汗がかけたぜ」
「やっぱり、農業は最高だな」
 首に巻いていたタオルで額の汗を拭うような動きをしながら怪人たちは、爽やかな農業青年っぽい行動をしていた。
 お前たち汗をかくのかよとかそう言った野暮なツッコミは禁止でお願いいたします。
「そういえば休まずに、無我夢中で刈り続けてきたが…良い時間だな。そろそろ腹が空いてきたな」
「そうだな。そろそろ飯の時間か‥‥」
「カロリー…カロリーが足りねぇよぉ‥‥」
 ぐぅ~と鳴く腹の虫により空腹を自覚した怪人たちはなにかを食べようとコンコン出来そうな壁を探して移動を始める。
「ん?何だあれ、新しい店か?」
「何々?キッチンイェーガー?」
 そこには何故かキッチンスタジオが堂々と鎮座していた。
二天堂・たま
キマイラFの戦争も、なんだかキマイラFらしくて面白おかしいものだな。

早速UC:神仙の料理術で最高の食事を出しまくってやろうじゃないか。ふふんっ。
さらにUC:フレンズコールの相棒(ひよこ)達に料理の補助と給仕をしてもらい、ジャンジャン怪人達を誘惑しよう。
大きな声では言えんが、医術と毒使いのスキルを利用して、食事した怪人達を眠くして弱くしておこう。
むしろ食べ過ぎて爆発しそうな気もするな。キマイラFだし。

メニューは炭水化物系が好きらしいからな。
親子丼・中華丼・お好み焼き・焼きそば・ホットサンド・サンドイッチ・ほうとう・塩むすび・いなり寿司あたりか。
中華が弱いな。ワンタンメン・肉まん・小籠包も追加だ。


クリミネル・ルプス
「美味いわー!コレ!!」
サクラとして(もとい食べたいだけとも言う)キッチンイェーガーの飯を美味しそうに食べる。
空腹のモノが最も警戒を緩めるのは満腹になる時。
防御やUCの気配をUC【嗅ぎ分けるモノ】で嗅ぎ分けながら、満腹になり、さぁ、労働だ!となる瞬間に背後からばっさりと(拳で)ヤる(殴る)。
入り口側ではなく、なるべく陰でフルボッコ。



●キッチンイェーガー①(たまとクリミネルの場合)
 ザ・フードステージの一角に特設されたキッチンスタジオ。
 インスタ映えを意識したシステマチックとお洒落さが同居した最新鋭のシステムキッチンに一人の猟兵が転送される。
「キマイラFの戦争も、なんだかキマイラFらしくて面白おかしいものだな」
 艶のある青みがかった灰色でもふもふな毛並みが特徴の猫妖精の二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)は、愉快そうな声を上げる。
「早速【神仙の料理術(ゴッド・シェフ)】で最高の食事を出しまくってやろうじゃないか。ふふんっ」
 事前に聞いていたシュウカクバトルの情報を思い出し、得意気に笑うたま。
 ユーべルコードの域までに達した料理スキルを持つ彼にとっては、怪人たちを料理に夢中にさせて、その隙をついて倒すなんてことはお茶の子さいさいだ。
「さあ、相棒達。お手伝いを頼むよ」
『ぴよぴよっ?ぴぴよぴよっ!』
 ユーべルコード【フレンズコール(チック・ワーカーズ)】で召喚された40cmくらいの大きなひよこ達も参戦をしてイェーガーキッチン開店に向けていそいそと動き出す。
「メニューは、炭水化物系が好きらしいからな。親子丼・中華丼・お好み焼き・焼きそば・ホットサンド・サンドイッチ・ほうとう・塩むすび・いなり寿司あたりか。中華が弱いな。ワンタンメン・肉まん・小籠包も追加だ」
 猫妖精はほっぺに肉球を当てながら作る料理を思い浮かると、必要な工程と材料を頭に組み上げ、段取りよく下拵えを進めていく。
 しばらくの間、包丁がまな板の上の材料を切るタンタンタンという小気味の良い音、ひよこ達が、忙しなく準備をする音がキッチンスタジオの中に響いていた。

「ここがキッチンイェーガーか…」
 怪人達が店に入るとそこは活気に満ち溢れていた。
 青みがかった灰色毛並みの猫妖精が人知を超えた速度で複数の料理を相方と一緒に手早く仕上げ、ひよこ達が次々と配膳をしていく。
「美味いわー!コレ!!」
 それを片っ端等からガツガツと食べ進めるのは、褐色肌に白髪をポニーテールに纏めた人狼娘、クリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)。
 彼女はたまの作る料理を次々と美味しそうにガツガツと食べながら、食べ終わった皿を積み上げていく。
「あ、ウチのことは気にせんでええで」
「「お、おう…そうか」」
 かなりのハイペースで食べ進めるクリミネルを見て一瞬ぎょっとするも、まあ今時の子はこれくらい食べるんだろうと無理矢理納得する食パンと中華まん頭。
「なんて食いっぷりだ…。俺も負けてはいられんな」
「「えっ」」
 男として負けられんとジェンダー発言をしながら、何故か闘志を燃やす茶碗頭。お馬鹿さんのやる気スイッチは変な時にカチンと入るから質が悪い。
「親子丼と塩むすびと中華丼……10人前だ!」
「ぴよっ!?(か、かしこまりました)」
「じゃ、じゃあ俺はサンドイッチとホットサンド3人前で」
「俺は中華まんとワンタンメン4人前で」
 馬鹿の熱意に圧されて、何故か自分も沢山食べないといけない気になり、いつも以上に注文をする中華まん頭と食パン頭。
「ぴよよっ!」
 注文を取り終えた給仕係のひよこは、その内容を伝えるべく奥へと戻って行く。
 こうして人狼vs炭水化物トリオのフードファイトの火蓋が斬って落とされた。
「「「うおおおおおおおお!!!負けるかああああ!!」」」
 ガツガツムシャムシャと次々と料理を口?の中に入れていく怪人達。
 親子丼は玉葱の甘味と出汁の味がしっかりと利いていて卵はふわふわ。鶏肉もほろりと口の中でとろける。
サンドイッチもまたしゃっきしゃきのレタスにジューシーなトマトと桜の燻煙が香るベーコンが挟まれていてこれまた絶品。
 ユーべルコードの域までに昇華した料理の腕は伊達じゃない。
「「「うおおおおおお美味えええ!!止まらねえぜええ!!」」」
 怪人達はペースアップしながらどんどんと食べ進める。
(キマイラFだし、食べ過ぎて爆発しそうな気がするな)
 なんてことを考えつつ、たまがふとダイニングの方へ目を向けると明らかにヤバそうなやつがいた。
 いかにも私爆発しますと言わんばかり発光する頭茶碗飯。
「うおおおおおお!!!まだまだぁ!」
 限界を超えて発光する体を気にも止めず、ただひたすらに箸を動かす頭茶碗飯。
「おい、お前・・・」
「そろそろやばいって」
 明らかにヤバそうな頭茶碗から距離を取りながら止めるように声をかける。
 だが、頭茶碗飯はひたすらに箸を動かし続け…突然ぴたりと動きが止まる。
 次の瞬間…!
「暴飲暴食ダメ絶対!!!」
 至極真っ当なことを言いながら、頭茶碗飯は爆発四散した。
「馬鹿野郎…!」
「無茶しやがって…」
 爆発四散してしまった仲間に黙祷を捧げる食パン&中華まん。
 流石に仲間が過食で爆発四散すればアホな怪人達でも冷静になるのだろう。アドレナリン全開の時は忘れていた満腹感が顔を出し、もう食事は良いかなぁという雰囲気になる。
(空腹のモノが最も警戒を緩めるのは満腹になる時)
 ガツガツとマイペースに料理を食べ進めていたクリミネルの目つきが鋭くなる。
 彼女はただ単にただ飯を食らいにきたわけではない。ずっと隙を伺っていたのだ。
 ユーべルコード【嗅ぎ分けるモノ(パッシブ・フレグランス)】、あらゆるものを嗅ぎ分ける人狼の力で、敵の空気が緩みきり隙だらけになる瞬間を把握していたクリミネルは、ふっと音もなく中華まん頭の後ろに回り込むと腰の回転を利かせた拳を撃ち放つ。
「中華餡!!」
 背後からのアンブッシュを受けた中華まん頭は、顔に大きな風穴を作り、そのまま絶命。その身を塵に変え骸の海に帰って行った。
「貴様、よくも中華まんを‥‥!」
 仲間を倒された怒りに燃え焼きたてパン攻撃をしかけようとする食パン頭。
 しかし…体が思うように動かない。
「あんまり大きな声じゃ言えないけどちょっとした仕込みをしていてね」
 ユーべルコード【神仙の料理術(ゴッド・シェフ)】の力で引き上げられる力は料理だけではない。医食同源という言葉があるように毒使いや医術といったスキルも同様に引き上げる。
 その力を以てすれば、食事をした怪人を眠くして弱くすることなど赤子の手をひねるよりも容易い。
「お、おのれ……」
 体を襲うどうしようもない眠気で足を産まれたての小鹿のようにプルプルさせる怪人に向けて、クリミネルは獰猛な笑みを浮かべる。
「や…やめ…助けて…」
「さて、人気のない所いこうか」
 店の奥側へと食パン頭をずーりずーりと引きずりながら連れていくクリミネル。
「みぎゃああああああああああああああ!!!!」
 何度かの打撃音と怪人の断末魔の悲鳴が響き渡ると店は平静を取り戻した。

 こうしてたまとクリミネルは店にやってきた怪人を料理で弱らせてはフルボッコにして次々と怪人を倒していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
たとえ星が二つに割れようと騎士としてやるべきことは変わりません
システム・フラワーズを開放しキマイラFに安寧を齎す為に戦うまでです

ルールにも見事適応してみせましょう
騎士は戦場も武器も選びません

UCで持ちこむ武器はウォーマシン用の餅つきの「臼と杵」そしてひっくり返す係の支援ロボ(鈍器扱い)!
怪人が収穫したもち米を●世界知識で得た餅の美味しいつきかたと●怪力で大量に生産し振舞います
餅は食べるのに時間が掛かる食べ物。食事に集中している怪人の頭を杵の●怪力フルスイングで●だまし討ちです

騎士のやり方ではないのが心苦しいですね。騎士道を貫くのは大変ですね(杵を振り回して怪人を襲いながらいけしゃあしゃあと)



●餅つきコーナー?
 収穫物収集場の近くに突如現れたイェーガーキッチンの餅つきコーナー。
 巨大なせいろが真っ白な蒸気を上げて大量のもち米(怪人が収穫したものを勝手に利用)を蒸し、米が蒸しあがる良い匂いが充満するその中に白い装甲の機兵が現れる。
「例え星が2つに割れようとも騎士としてやることは変わりません。システム・フラワーズを開放してキマイラFに安寧を齎す為に戦うまでです」
 頭部の甲冑のすき間から緑色のモノアイを輝かせ、生真面目そうにトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は告げる。
「ルールにも見事適応してみせましょう。騎士は戦場も武器も選びません」
 そういうと早速【電子と鋼の武芸百般(システム・マルチウェポンマスタリー)】で持ち込んだウォーマシン用の臼(鈍器)、杵(鈍器)、ひっくり返す用の支援ロボ(鈍器!?)を使って餅つきを開始した。

「なんかすげー音がするんだけど、何やってるんだ?」
「餅つきコーナーって書いてあるぞ」
「パチンパチン言ってるのはそれかぁー」
「気になるし見に行こうぜ」
 規則正しく響く餅が搗かれる音に興味を持った怪人達は次々と餅つきコーナーへと足を運んでいく。
「うわっ…すげぇ…」
「餅つきっていうか、工場見学しているみたいだ」
 約3mのウォーマシンが機兵特有のパワーとスピード、そして正確さで餅を搗き、相方が一定のリズムでムラが出ないように返しをする。
 そうして素早く餅を搗き終わると、餅取り粉の入ったウォーマシンサイズのバットの上に餅を入れて、ころころと丸く成形する。
 それを砂糖醤油につけて海苔を巻いた磯部餅にしたものや、たっぷりのきな粉を塗したきな粉餅や餡子餅にしたものを大きめに切ったキッチンペーパーの上に並べると怪人達に食べてみるように勧める。
「おおー搗き立ての餅か。搗き立ては本当に美味いんだよなぁ」
「おおっ、ずっしりくるこのサイズ感。ボリューミーだな」
「まあ…あの手で丸めればデカくなるか…」
 近くにあった丸椅子に腰かけ大きめの丸餅を両手で持ち上げぱくりと口にする怪人達。
 口がどこにあるとかそういうことはツッコンではいけない。
「モチモチで美味い。やっぱ搗きたては違うなぁー」
「きな粉の甘味の中にちょびっとある塩気がまた甘味を引き立てるんだよなぁー」
「うめぇ・・うめぇ・・・・」
 搗きたての餅に舌鼓を打つ怪人達。肉体労働で疲れた体に美味い餅。最高の組み合わせだ。
 怪人達は美味い餅を食べられてハッピー。トリテレイアも用意した餅を楽しんでもらってハッピー。わぁい平和、ラブ&ピースだね…とは残念ながらならない。
 悲しいけどこれ、戦争なんですよね。

 丸椅子に座り大きめの丸餅をモチモチと頬張る怪人の後ろに音もなくトリテレイアが移動する。
 怪人達は食事に集中しているのか全く気付いていない。
 そんな怪人達の後ろでトリテレイアは手にした機兵用の杵を振りかぶる。
 怪人達が座る丸椅子をピンと見立てると、怪人達はゴルフボールで杵はゴルフクラブ、そしてトリテレイアはゴルファーである。
 なんてこった!ここは餅つきコーナーではなく、ゴルフの打ちっ放しの会場だったんだ!
「騎士のやり方ではないのが心苦しいですね」
 なんて白々しいことを言いながら、手にした機兵の杵を全力でゴルフスイング。
 ばちこーんという鈍い音を立てながら放物線を描き、炭水化物頭の怪人が宙を舞っていく。
 ナイスショット!300ヤードは確実でしょう!
 きりもみ回転をしながら宙を舞う怪人は哀れ空中で爆発四散。キマイラFの青空に汚い花火を打ち上げた。
「騎士道を貫くのは大変ですね」
 なんてことをいけしゃあしゃあと言いながら、ばちこーん、ばちこーんと次々と大きな丸餅の咀嚼に苦しむ怪人達を宙に打ち上げ、汚い花火へと変えていくトリテレイア。
 
 その後、餅つきコーナーからはしばらくの間、ばちこーんという鈍い音と共に汚い花火が打ちあがり続けたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・冬夜
料理か…
まあ仕事の一環としてやってるしそこそこできる方だとは思う
なんで護衛が料理しないといけないのかは疑問だけどな!

キッチンに向かい調理開始

今日のメイン食材はこちら!
地中海のシャレオツ炭水化物、マカロニ!
これをさらに炭水化物の元となる白い粉(小麦粉)とバターを炒めた所にぶち込んで
マカロニグラタンを作っていきます
さらに炭水化物であるパン粉をまぶし、フライパンにたっぷりの油をセットして揚げる
さらに炭水化物であるバンズに挟んで
グラタンコロッケのハンバーガーの完成!
たっぷりのホワイトソース(炭水化物)でどうぞ!

食べた?じゃあ死ね!
『ガジェットショータイム』で
食卓にスチーム・ブルームを召喚し頭を薙ぎ払う



●猟兵クッキング教室 グラコロバーガー編
 最新鋭のシステムキッチンに新たな猟兵が転送される。
「料理か…まあ仕事の一環としてやっているし、そこそこできる方だとは思う」
 撮影スタッフのカメラに向けて料理できるアピールをするのは、黒いジャケットに身を包んだ茶髪の人間の戦場傭兵の黒木・冬夜(玄冬・f06002)。
 何でカメラがあるか…キマイラFだから動画配信するわな。娯楽に餓えた連中がこんな美味しいネタ放っておくはずないもの。
「なんで護衛が料理しないといけないのかは疑問だけどな!」
 せやな。恐らくお願いされて断れなかったんでしょうね。はいかイエスの2択の奴で。
 まあ…護衛対象の食事に毒物が混入されるリスクを考えると護衛が料理を作るのは、合理的ではあるのではないでしょうか。
 カメラに向かって一通り愚痴った所で調理開始です。

「今日のメイン食材はこちら!地中海のシャレオツ炭水化物、マカロニ!」
 小皿に映した乾燥マカロニに手を差しながら、調理工程を説明する冬夜。
「これをさらに炭水化物の元となる白い粉(小麦粉)とバターを炒めた所にぶち込んでマカロニグラタンを作っていきます」
 どうやら市販の缶のホワイトソースを使わず、小麦粉とバターを練ってホワイトソースを作るようです。無駄に手が込んでいますね。(字幕)
 沸騰したお湯に塩と少量のオリーブオイルを入れ、乾燥したマカロニを投入。茹で上がるまでの時間を利用して、ホワイトソースを作る冬夜。
 小麦粉とバターを練り混ぜながら焦げ付かないように炒めて、クッキーのような甘い香りがしてきたら、牛乳で伸ばして塩コショウで味付けをする。
 そこに茹で上がったマカロニを入れて混ぜ合わせる。
「さらに炭水化物であるパン粉をまぶし、フライパンにたっぷりの油をセットして揚げる」
 炭水化物を連呼しながら、パン粉をまぶしてきつね色になるまでじっくりと揚げる冬夜。
 噛んだ瞬間にでてくる熱々のじゅわっとしたホワイトソースが堪りませんね(字幕)
「さらに炭水化物であるバンズに挟んでグラタンコロッケのハンバーガーの完成!」
「うおおおおおお(動画編集で流れる音声)」
 さらに炭水化物を連呼しながら、グラタンコロッケバーガーを披露する冬夜。
「たっぷりのホワイトソース(炭水化物)でどうぞ!」
 親の仇のように炭水化物を連呼しながら、完成したグラタンコロッケバーガーにホワイトソースをかけていく。
 カロリー?んまあ、気にしちゃだめだよね。美味しければいいの(字幕)

「腹減ったなぁ」
「カロリー…カロリーが足りねぇよぉ」
 ぐぅ~と腹の虫を鳴かせながら、物資集積所に米やら小麦を積み上げる怪人達の鼻(?)に何やら美味しそうな匂いが漂ってくる。
「おお、この匂いは!」
「カロリー!カロリー!」
 罠とも知らずにキッチンスタジオに特設された食卓にホイホイと釣られてやってくる怪人達。
「グラタンコロッケバーガーのホワイトソースがけだ。火傷しねえようにして食えよ」
 そう言うと白い小皿に乗せたグラタンコロッケバーガーを配膳する黒夜。妙に手慣れているのは気のせいではないだろう。
「パンとグラタンコロッケが合わないわけなんだよなぁ~」
「ああ~、ハイカロリーが五臓六腑に染み渡るー」
「あちっ、あちち‥‥!」
 美味しそうに熱々のグラタンコロッケバーガーを食べる頭炭水化物達。
「食べた?じゃあ死ね!」
『シュウカクフードバトル』の攻撃無効化条件解除を確認した黒夜は早速【ガジェットショータイム】で食卓にスチーム・ブルームを召喚する。
 そして召喚された箒型魔導蒸気機械を掴むと、炭水化物頭に向けて全力で横薙ぎのフルスイング。
「「「ハイカロリー!!!!」」」
 頭部を破壊された怪人達は爆発四散。
 その身を骸の海へと帰していく。

 こうして黒夜は次々とグラタンコロッケバーガーを食べさせては、怪人の頭をフルスイングしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
アドリブ、連携歓迎

炭水化物、つまりおはぎだな!
なんでも材料が揃うってのは素晴らしい。

もち米とうるち米を炊く。
炊き上がったら半殺し状態にしておく。
そしたら次はあんこだ。
畑から取れた小豆をじっくりと煮て、こしあんを作る。

そこにさっき炊き上げた米を詰めて、完成!
さあ、数はあるぞ。たんとお上がりよ!

……さて、ぶっ飛ばすか!
おはぎを食ってるオブリビオン達を【風林火陰山雷番外 風・林】でささっと片付ける。

飯食うならもっとのんびり食いてぇもんだ。



●猟兵クッキング教室 おはぎ編
「炭水化物、つまりおはぎだな!」
 キッチンスタジオに転送された、赤いマフラーを首に巻いた和装のヤドリガミ、遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は、開口一番そう言った。
 まあ、貴方と言えばおはぎですよねーと、うんうん頷く動画撮影班。
 何で撮影をしているかって…それはここがキマイラFだからだ!
 娯楽に餓えた連中(おばかさん)が、こんな面白そうなことを放っておく筈がないよね。
 という訳で、猟兵クッキング教室は、キマイラFの有志の全面協力で開催します。
 スポンサーについては、動画終了後に纏めて掲載されていただきます(字幕)。
「なんでも材料が揃うってのは素晴らしい」
 無駄に充実している調理道具と食材を確認した景明は、早速調理へと取り掛かった。
 はい、猟兵クッキング教室、おはぎ編開講いたしまーす。

「さて、まずはもち米とうるち米…まあ白米だな。これを混ぜて炊飯器で炊く。もち米とうるち米は吸水率が違うから、水の量には注意な」
 もち米の方が1.2倍くらい水を吸います。そのため、若干水を多めにして炊かないと硬いごはんになります(字幕)
 手慣れた手つきでもち米とうるち米を混ぜたものをとぐと、若干多めの水を入れて炊飯器をスイッチオン。
「んで、炊きあがったのがこれだ」
 スイッチを入れたばかりの炊飯器を机の下において、炊飯済みのジャーを机の上にドンと置く。
 蓋を開けると米の炊けた美味しそうな匂いと共に、艶々の銀シャリが姿を現す。
「炊き上がったら半殺し状態にしておく」
 炊きあがったご飯をすり鉢にいれ、すり棒で米の粒が半分残る程度に搗いていく。
 搗き過ぎるとお餅になってしまうので注意しましょう(字幕)
 半分ついたご飯を大体一口大の大きさになるように取ると、掌を使ってくるくると丸めていく。
「そしたら次はあんこだ。畑で採れた小豆をじっくりと煮て漉し餡を作るぞ」
 30分くらいぐらぐらと煮た茹で水を捨てるしぶ抜きやら、小豆の茹で具合を次々と説明しながら2時間くらいかかる茹で小豆づくりの工程を10分くらいで説明するヤドリガミ。
「茹で上がった小豆を、茶漉しを使って水を少しずつかけながら濾していく」
 茶漉しに水を流しながらゴシゴシと茹でた小豆を茶漉しに当てながら、濾していく。
 そうして出来た小豆の液を何度も濾していく。非常に地味で忍耐がいる作業だ。
「んで、何度か繰り返した小豆の液を手ぬぐいの上にあける」
 何度か濾した小豆の液(事前調理済み)を手ぬぐいを敷いたザルの上にあける。
「後は端と端を持って、中身が出ないようにしてからぎゅっと絞って水分を出す」
 体重をかけながらぎゅっと絞るとどんどん手ぬぐいから水分が抜けていく。
 そうすると中から、普段見る漉し餡よりも若干白みがかった小豆の塊が現れる。
「後はこれに水と砂糖を入れて、焦げないように煮詰めると、漉し餡の完成だ」
 水と砂糖を入れてヘラを使って練りながら煮詰めると、見慣れた黒い漉し餡が現れる。
「で、これがそれを冷ました奴」
 冷蔵庫から冷却済の漉し餡を取り出す景明。
「そこにさっき炊き上げた米を詰めて、完成!」
 先ほど丸めておいた半殺しのご飯に、漉し餡を手慣れた手つきで纏わせる。
 おはぎ職人が無駄に手をかけて作った美味しそうなおはぎがカメラに映る。
 後は怪人に食べさせて、ばっさりと首を狩るだけだ。

「あー‥腹減ったなぁ。何か甘い物食いてぇ」
「分かるわぁー。肉体労働の後は自分へのご褒美で甘い物だな」
 カロリーを気にするOLみたいなことを言いながら、物資収集所の傍で怪人達が腹の虫を鳴らしていた。
「甘い物、ならばおはぎだな!」
 そこに狙いすましたように現れる日本刀のヤドリガミ。
「さあ、数はあるぞ。たんとお上がりよ!」
 風呂敷から重箱を取り出すと、中に一杯詰まった美味しそうなおはぎが現れる。
「ありがてぇ…」
「あー…やっぱり漉し餡だよなぁ」
 重箱に群がりながら、次々とおはぎを口にしていく怪人達。
 シュウカクフードバトルの【収穫中の怪人への攻撃無効】はもう解除されている。
「……さて、ぶっ飛ばすか!」
 自身の本体である『大蛇切 景明』と『黒鉄』の二刀に手をかける。
「風林火陰山雷番外。神速の一撃。臆せぬものだけ前に立て」
 ユーべルコード【風林火陰山雷番外 風・林(フウリンカインザンライバンガイ・フウ・リン)】によって34分の1秒の速さで撃ちだされた不可視の斬撃が食事中の怪人を襲う。
「夜船!?」
「北窓!?」
「牡丹餅!?」
 哀れ、不可視の斬撃に切り刻まれた怪人達は、おはぎの別名を叫びながら爆発四散。

「飯食うならもっとのんびり食いてぇもんだ」
 食事中の怪人達を何度も斬殺しながら、ふとそんなことを思う景明であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エダ・サルファー
えっ!今日は料理しても良いのか!?
ならば見せよう!趣味以外で使うことなど無いと思っていたこの料理の腕前を!

さて、炭水化物系が好きってのなら作るものは決まっている!
そう、カレーだ!
何故なら全ての炭水化物とカレー味は大の仲良しだからな!
ご飯はもちろん、パンも中華まんもカレーとの相性はバッチリ!
というわけで、美味しいご飯を釜で炊いている間に、たっぷりカレーを作っとくのだ!
完成したら、うちわかなんかで煽って、怪人の方へ匂いを送るよ!
さあ、抗えるもんなら抗ってみるが良いわ!
まあ抗えないと思うので、近寄ってきた奴から順にバックドロップの餌食にするよ!
残った料理はスタッフが美味しくいただくから大丈夫!



●キッチンイェーガー カレー編
 最新鋭のシステムキッチンにまた猟兵が転送される。
 赤茶の髪をポニーテールに纏めたドワーフのエダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)だ。
「えっ!今日は料理しても良いのか!?」
 はい、どうぞ。存分に料理の腕を振るってください。これはそういう依頼ですので。
「ならば見せよう!趣味以外で使うことなど無いと思っていたこの料理の腕前を!」
 キマイラF現地民の動画撮影班にやる気満々に自慢の料理の腕をアピールするエダ。
 それでは調理の方お願いいたします。

「さて、炭水化物系が好きってのなら作るものは決まっている!そう、カレーだ!何故なら全ての炭水化物とカレー味は大の仲良しだからな!」
 野菜の下処理をしながら、カメラに向かって今日作る料理の説明をするエダ。
 説明しながらも手は手慣れた手つきでジャガイモと人参の皮を包丁で綺麗に向きつつ面取りをしていく。そしてそれら煮崩れ防止のために電子レンジで軽く加熱。
「ご飯はもちろん、パンも中華まんもカレーとの相性はバッチリ!」
 カレーライスにカレーパン、カレーまんは、定番メニューですしね、たしかにカレーと炭水化物の相性は最高でしょう。
 薄切りにした玉ねぎをじっくり炒めて、飴色玉ねぎを作ると、それを一旦隅によせて、酒でもみ込んだ豚こまを焼くエダ。
 カメラに向かって自信満々で言っていただけあって、手際は見事なものだった。
「美味しいご飯を釜で炊いている間に、たっぷりカレーを作っとくのだ!」
 それに水と予め加熱してある程度火を通しておいた人参とジャガイモを入れてひと煮たちさせて、後はカレールウ加えて味を調えて完成。
 釜炊きのご飯にカレーとか絶対に美味しいやつですね。
「さて、完成したし匂いを怪人の所に送るよ!」
 そういうと巨大なうちわをどこからか取り出し、怪人達が集めた食材を山のように積み上げる物資集積所の方へスパイシーな風を送るエダ。
「さあ、抗えるもんなら抗ってみるが良いわ!」
 ニヤリと笑いながらどんどん風を送っていく。
 果たして怪人達は引っかかるのか‥‥

「やべぇ…めっちゃいい匂いがする」
「カレーかぁ…。ついにオレもカレーパンになる時が来たか…」
「俺もカレーまんデビューかぁ」
 カレーの匂いにまんまと釣られて、キッチンスタジオに向けて歩みを進める怪人達。
 炭水化物である以上、カレーからは逃れられない。まあ是非もないだろう。
「あー…頭の白米にカレーが染み渡るわぁ」
「やっぱカレーは最高だぜ」
「うおおおおおお、今なら火でも吹けそうだぜ」
 トンチキなことを言いながら次々とカレーを口にする怪人達。
 すでに『シュウカクフードバトル』の【収穫中の怪人への攻撃が無効化される】効果は無効化されている。
 そうとも気づかずカレーをかきこむ怪人達の後ろに小さな影が音もなく現れる。
「掴んだ!決める!」
 ユーべルコード【聖職者式脳天逆落とし(セイショクシャシキバックドロップ)】が綺麗に決まり、頭からスタジオの床に叩き付けられる、頭茶碗飯な怪人。
 鈍い音と共に茶碗が2つに割れてご飯が零れる、3カウントを数えるまでもなく完全にノックアウト。
 その身を塵に変えて骸の海へと帰って行った。
 こうして、エダはカレーの匂いに釣られてやってきた怪人に次々と跳躍式バックドロップを決めて、骸の海へと帰して行った。
 
「残った料理はスタッフが美味しくいただくから大丈夫!」
 御馳になりますと喜びの声を上げるキマイラFの住民の撮影班。
 撮影後のご褒美を楽しみにしながら、次々とバックドロップを決めるエダの雄姿をカメラに映し続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シール・スカッドウィル
……炭水化物の暴力。
いや、別にいいんだが。それでどうなろうと知ったことではないし。
まぁ、手軽なところで行くか……何だ、やらないとでも思ったか?
必要になればやる、俺はそういう性質だ。

空間干渉の応用。
敵が攻撃してくる普段なら無理だが、今なら、
「干渉したまま、圧縮……熱の伝播を素早く……インク、ディム、手伝え」
精霊も利用して、極短時間でふっくらと米を炊き、また空間干渉を利用して手に触れずに柔らかく握る。
最後に醤油をかけて、焼く。

簡単な焼きおにぎりの出来上がりだ。
さぁ食え。
食って、

「お前たちも焼けていけ」
無防備な背後から【残響】を頭に叩き込む。

はぁ、これは思ったよりも面倒だな。

アドリブ、連携歓迎



●猟兵キッチン 空間干渉焼きおにぎり編
 最新鋭のシステムキッチンスタジオにまた新たな猟兵が転送される。
 黒衣を身に纏った愛想のなさそうなクールな人間のマジックナイト、シール・スカッドウィル(ディバイダー・f11249)だ。
「……炭水化物の暴力。いや、別にいいんだが。それでどうなろうと知ったことではないし」
 まあ栄養的にはどうかなぁと思うのは確かにその通りですけど、まあ頭が炭水化物の怪人だしきっと大丈夫でしょう。
「まぁ、手軽なところで行くか……何だ、やらないとでも思ったか?」
 ああいえ、クールそうな方ですし、こういうネタネタしたのは大丈夫かなぁとは思いましたがやってくださるなら是非お願いいたします。
「必要になればやる、俺はそういう性質だ」
 成程、それでは調理をお願い致します。

「あー……腹減ったなぁ」
「ここでは何が食えるんだ?」
「焼きおにぎりだ」
 続々と集まってきた怪人達に、今から作る料理のメニューを説明するシール。
 土鍋の中には適量の水と白米が収まっている。
「…今から米を炊くのか?」
「ああ、空間干渉を応用して短時間でふっくらと炊き上げる」
 そういうとユーべルコード【最適化(オプティマイズ)】を発動しながら土鍋に火をかけるシール。
「「「空間干渉!?」」
 米を炊くのに一見関係ないと思われる謎のワード驚愕の声を上げる怪人達。
まあ、そりゃあ驚くわな。
「干渉したまま、圧縮……熱の伝播を素早く……インク、ディム、手伝え」
 活性と停滞を司る精霊を召喚して短時間調理を行うシール。
 土鍋の蓋を開けると、そこにはキラキラと輝く銀シャリが。
「おおおー、スゲー綺麗に炊けている」
「これは腹が減る」
「……何で炊飯器を使わないんだ」
 ほらそこ、無粋なことは言わない!
「次は握る」
 炊きあがった米が宙に舞い、空間干渉により手に触れずに柔らかく握られていく。
「すげぇ……手を使わないでおにぎりを」
「なんて高度な技術の無駄遣いなんだ……」
「それな」
 怪人達が題無駄口を叩いている間にも次々とおにぎりは完成していく。
「最後に醤油をかけて、焼く。」
 醤油をつけた刷毛が宙を舞い、次々とおにぎりの表面に醤油を塗っていく。
 後は魔法によって発生した炎が、おにぎりの表面を焼き、香ばしい醤油が焦げる香りと共に、おにぎりに焼き目を作って行く。
「簡単な焼きおにぎりの出来上がりだ」
 空間干渉で作った焼きおにぎり、これにて完成。
「よく分からない工程だったが、すげぇ旨そうだな」
「超絶技巧を無駄(ぜいたく)に使った焼きおにぎり」
「絶対に簡単じゃねえよ‥‥‥」
「「だよなー」」
 言いたい放題好き勝手なことを言う怪人達。
「「「まあでも、これは動画映えするから良し!!!」」」
 これは再生数が伸びる!と盛り上がる馬鹿ども。
「さあ、食え」
 空間干渉で怪人達の前に焼きおにぎりが運ばれていく。
「おお、表面がカリカリで中はふわふわ」
「この焦げた醤油が堪らない」
「美味い、美味い」
 焼きおにぎりにむしゃぶりつく怪人達。
「食ったな、じゃあお前たちも焼けていけ」
 食事中で無防備な怪人の背後に回るとユーべルコード【残響(エコー)】によって生み出された蒼い浮遊刃が怪人達に叩きこまれると、蒼い炎が次々と怪人を燃やしていく。
 シュウカクフードバトルの加護を失った怪人の体はみるみるうちに焼き尽くされ、その身を塵に変えていく。

「はぁ、これは思ったよりも面倒だな」
 空間干渉で作った焼きおにぎりを振る舞い、何度目かの蒼い浮遊刃を怪人にぶち込んだシールが若干うんざりしたような声を上げる。
 まあ、無駄に手が掛かっていますもんね、空間干渉焼きおにぎり。
 ともあれ、お疲れ様した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィア・ジェノス
ほほう、美味しいご飯を沢山作って?美味しいご飯で釣って?倒す?良いじゃない、そういうの好きよ!ようは料理で殴るようなものね!大得意!というわけで【料理】技能を駆使して、手際よくあれこれ美味しいご飯を作りましょう!

バターたっぷりとろふわ卵がかかったオムライス、ごはんに鰹節を混ぜて中にチーズを入れた焼きおにぎり!食いしん坊大好き爆弾おにぎり!濃厚チーズのリゾットに、オクラと納豆と長芋を混ぜたものをのせたご飯!
とひたすら料理を作っているわ

「美味しいご飯よーいらっしゃーい!」
美味しくご飯を頂いているオブリビオンににっこり微笑みかけて、紅い雷撃でシビレビレ!ちょっと可哀そうだけれど、仕方ないわよね!



●猟兵キッチン シルヴィア編
 ザ・フードステージの一角にあるキッチンスタジオにまた新たな猟兵が転送される。
 銀の髪に蒼い瞳の月を思わせるような清楚な印象を与えるエルフのマジックウィザード、シルヴィア・ジェノス(月の雫・f00384)もまた戦場攻略に来た猟兵の1人だ。
 シルヴィアは『シュウカクフードバトル』の特殊条件を確認すると、目を輝かせて早口で捲し立てる。
「ほほう、美味しいご飯を沢山作って?美味しいご飯で釣って?倒す?良いじゃない、そういうの好きよ!ようは料理で殴るようなものね!大得意!というわけで【料理】技能を駆使して、手際よくあれこれ美味しいご飯を作りましょう!」
 料理のことになると矢鱈とテンションが上がるシルヴィア。先ほどまでの清楚そうな美人な印象はきれいさっぱりと消え失せて、飯の顔をした料理馬鹿、ここに爆誕。
 ここには腹ペコ魔人扱いする怪力自慢も、某居眠りな携帯獣扱いする無愛想な赤髪も、真顔で失礼なことをずけずけと言ってくるデコピン野郎は居ない。(※全て同一人物です)
 材料費も依頼なので無料で使いたい放題。まさにやりたい放題できる。
 しがらみから解き放たれたシルヴィアはその料理の腕を十全に振るうことにした。

「まずは、バターたっぷりのふわとろ卵のオムライス」
 みじん切りにしたピーマン、玉ねぎ、人参と鶏肉で、ちゃちゃっとチキンライスを作るとそれを丸く山になるように器に盛って、オムレツの調理へと取り掛かる。
 卵に生クリームを入れて箸で切るようにしてかき混ぜる。
 卵液をたっぷりのバターを溶かしたフライパンに入れると、すかさずに半熟になるように箸でかき混ぜて、半熟状にする。
 表面が半熟状になった卵を手前側から折りたたむようにして寄せていき、反対側はフライパンのカーブを利用しながら折りたたむ。
 後はひっくり返して、少し焼いて作り上げた半熟オムレツを皿に盛ったチキンライスの上に乗せて、すーっとオムレツの中央に切り込みを入れる。
 それを真ん中からチキンライスを覆うように開いていけば、バターたっぷりのふわとろ卵のオムライスが完成。
 ソースは自家製のデミグラスソースに、生クリームで白い色合いとパセリをちょっと散らして完成。
「後は、ごはんに鰹節を混ぜて中にチーズを入れた焼きおにぎり!食いしん坊大好き爆弾おにぎり!濃厚チーズのリゾットに、オクラと納豆と長芋を混ぜたものをのせたご飯!」
 さあ、じゃんじゃん作るわよーとかつお節ご飯(猫まんま)に賽の目に切ったチーズを混ぜて作った焼きおにぎりやリゾット等大量の料理を作って行くシルヴィア。
 このうちのどれくらいが怪人の胃ではなく、シルヴィアの胃に入るのだろうとかは考えてはいけない。いいね。
 兎も角、大量のご飯料理を作り上げたシルヴィアは、早速怪人達を呼び込むことにした。

「美味しいご飯よーいらっしゃーい!」
 シルヴィアが呼びかけると美味しそうなご飯の気配に誘われた怪人達がぞろぞろとやってくる。
「「「おお、これは旨そうだ」」」
「「すげぇ…なんだこの量は…」」
 ボリューム感に圧倒されながらも次々と食卓に着きながら、料理を食べ進める怪人達。
「あー…バターが利いた卵はどうしてこんなにも美味いのか…」
「納豆、オクラ、長芋。このねばねば同士の相性は最高だよな。かつお節と醤油でご飯をかきこむともう…最高だ」
「濃厚なチーズの香りが堪らん。カロリーはうま味!高カロリー万歳!」
「これだけ美味い料理を毎日食べられる旦那さんや彼氏は最高だよなぁ」
 料理を絶賛しながら次々と食べ進めていく怪人達。
「そう、ありがとうね」
 にこりと花のような微笑を怪人達に向けるシルヴィア。
 次の瞬間、体の内側を雷の蛇がのたうち回り、怪人達を体の内側から焼き尽くす。
 ユーべルコード【紅い雷撃(カミナリバナ)】によって次々と感電死した怪人達はその身を塵に変えて、骸の海へと帰って行く。

「ちょっと可哀そうだけれど、仕方ないわよね!」
 雷の蛇に体の内側から焼かれて息絶える怪人達に少し同情をするも、すぐに気持ちを切り替えて次の怪人達を呼び込むシルヴィア。
 彼女が昼食にありつけるようになるにはもう少しかかりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
お料理ですか得意分野ですね

炭水化物でしたらカレーでも作りましょうか
特に今回はそうですね……キーマカレーにでもしましょうか
UCを発動してアリウスとネロを召喚


戦闘はネロに任せて当機は料理に専念です
大人数相手の料理は得意ですから

アリウスは料理の手伝いをネロは戦闘のために控えておいてもらいましょう
「サフランライスの調理はお願いしますね、アリウス。ネロは待てです」
【料理】の腕を生かして当機はキーマカレーを作りましょう
それを敵にふるまって【時間稼ぎ】している間にネロに敵を狩らせます

大鎌を振るって【範囲攻撃】と背後からの【だまし討ち】で倒していきます
「さ、どんどん狩ってくださいねネロ」


※アドリブ歓迎



●キッチンイェーガー メイド編
 インスタ映えを意識した最新鋭のシステムキッチンにまた一人、猟兵が転送される。
 地面に着くほど長い髪を三つ編みに纏めたメイド服に身を包んだ桃色の瞳を持つ人形、アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)もまた、ザ・フードステージを攻略するべくやってきた猟兵だ。
「お料理ですか得意分野ですね」
 普段から旅団や依頼で料理の腕を振るってきたメイドであるアマータにとってはシュウカクフードバトルの特殊条件を満たすことは赤子の手を捻るように簡単な事だろう。
「炭水化物でしたらカレーでも作りましょうか」
 そんなアマータが選んだメニューはカレー。ご飯にもパンにも、中華まんにも、麺類にもなんでも合う万能メニューだ。
「特に今回はそうですね……キーマカレーにでもしましょうか」
 顎に人差し指を当てながら、しばらく考えていたアマータは、今日作るメニュ-を決めると彼女を補佐する人形たちを銀色のトランクから呼び出す。
「来なさい、登壇の時間です。ネロ、アリウス」
 1体目は大鎌を持った南瓜頭の案山子人形。彼女の弟である『ネロ・フラーテル』
 もう1体は触れたものに姿を変える木製人形である『アリウス・フーパ』
「サフランライスの調理はお願いしますね、アリウス。ネロは待てです」
「……(コクリ)」
『待てってオレは犬かよ』
「では料理の腕を生かして当機はキーマカレーを作りましょう」
 人形たちに指示を出すと早速調理へと移るアマータ。弟からの抗議は当然スルー。
 まあ、力関係のはっきりした姉弟関係なんてこんなものである。頑張れネロ君
 
「……」
 アリウスは指示があった通りにサフランライスの調理を開始した。
 米を研いで規定量の水を注ぎ、赤くて細いスパイス、サフランをそこに入れる。
 すると、サフランから黄色い色素が染み出てくるので、20分くらい待つ。
 色が出たのを確認すると、色のムラが出ないようにしゃもじを使ってしっかりと混ぜて、炊飯器のスイッチを入れる。
 たったこれだけの工程だが、サフランの豊かな色味と香りは、カレーの旨味を1段上の者に引き上げてくれる。
 サフラン自体が少しお高いという点に眼を瞑れば、ぜひともやって頂きたいひと工夫だ。
「では、始めますか」
 冷蔵庫から玉ねぎ、人参、セロリを取り出すと手慣れた手つきでみじん切りにする。
 次にサラダ油を引いたフライパンにおろし大蒜、生姜を入れて香りを出し、木べらをこまめに動かしながら、焦がさないように玉ねぎを透き通るまで炒める。
 玉ねぎに火が通ったのを確認すると、合いびき肉を入れて木べらでほぐしながら炒める。
 それに人参、セロリを加えて火を通し、クミン、コリアンダー、カルダモン、オールスパイス、ターメリック、チリペッパーと言ったスパイス(混合比は秘密)を混ぜてさらに炒める。
 それに水と顆粒のコンソメを入れて沸騰させると、灰汁を取りながら煮詰めていく。
「後は、微調整して完成ですね。アリウス、そちらはどうですか?」
 砂糖と塩で最終調整をしながら、サフランライスの様子を確認するアマータ。
「……(コクリ)」
 アリウスが炊飯器の蓋を開けると豊かな香りと共に綺麗に黄色く染まったご飯が顔を出す。
「上出来ですね。では、お客様(怪人達)を呼びましょう。ネロ、戦闘はお任せしますね」
『へいへい』
 斯くして怪人達を受け入れる準備は完了した。
 後は怪人にキーマカレーを振る舞って、シュウカクフードバトルの特殊条件を解除して倒すだけだ。

「うおおおおおお!カレーだ、カレーの匂いがするぞおお!!」
「あー‥スパイスの香りが五臓六腑に染み渡るぅ~」
「カレー!カレー!カレー!」
 炭水化物頭の怪人達がカレーの匂いに誘われて次々とやってくる。
「いらっしゃいませ、今日のメニューはキーマカレーです」
「ヒャッハーカレーだぁ!1杯くれぇ!」
「オレもオレも!」
「目玉焼きのトッピングとかある?」
「俺も目玉焼き欲しい!」
「構いませんよ。トッピングなしが2、目玉焼きが2ですね」
 目玉焼きを2つ焼きながら、サフランライスを皿に盛り、その上にキーマカレー
を乗せていくアマータ。
 それをアリウスが、食卓へと配膳をしていく。
「スパイスの辛みと野菜のうま味が出ていてうめぇ」
「挽肉たっぷりで具沢山だ」
「サフランライスかぁ~。この色味と香りが本当にカレーに合うんだよなぁ」
 ガツガツガツガツとキーマカレーをかきこむ怪人達。
 食事に集中しているのか、背後に迫る南瓜頭の死神には当然気づいていない。
「けけけ、愚姉のキーマカレーは美味かったか。そりゃあよかったな!」
 くるりくるりと大鎌を構えた南瓜頭の案山子が食卓の上を舞い踊る。
「「「ターメリック!!」」」
 大鎌の一撃で首から上の炭水化物部分をごっそりと刈り取られた怪人達は、断末魔の悲鳴を上げてその身を、骸の海へと帰していく。
 
「さ、どんどん狩ってくださいねネロ」
『弟の荒い愚姉だこと』
 アマータがキーマカレーを作り、それを食べている怪人をネロが背後から大鎌で刈り取るというコンビネーションで次々と怪人達を倒していくアマータとネロの姉弟。
 
 猟兵達の活躍により、収穫活動に勤しむ怪人達はどんどん姿を消していく。
 
『ザ・フードステージ、シュウカクフードバトル』決着まであと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィサラ・ヴァイン
よし、リム(f08099)が手料理を振舞ってくれるって
これで怪人達を誘い出して、私がその間に攻撃を仕掛けるよ…!
…それにしてもリムの手料理…ちょっと位なら味見しても良いよね…(モグモグ)
…こ、これはっ!
シンプルな調理なだけに、味付けにセンスが問われるけど…これは抜群においしいね♪
おかわりもどんどん出来ちゃう。しかも種類も豊富で…いいお嫁さんになれるよ♪
これは食べてる怪人達もリムに惚れちゃうね…あ、何かちょっとイラっとした
【血生まれの群れ】で貪食な生物の群れ…[毒使い]のドラゴンの仔を生み出して、[範囲攻撃]で怪人達全員、食べ尽くしてもらお
逃げる事も許さない[恐怖を与える]事で足を竦ませるよ


リミティア・スカイクラッド
「料理」技能には自信がありますし、レシピの「情報収集」も万全です
炭水化物ばかり摂ってもバランスが悪く健康に良くありません
リムは五目ご飯を作ります

炊飯時に塩や醤油、料理酒にお出汁等で味を調えたご飯に具財を混ぜ込んで炊き上げる
単純な料理ですがそれだけに様々な種類があるのです
たけのこご飯、きのこご飯、かやくご飯、豆ご飯、鶏飯、鯛飯、牡蠣飯――
甘いものがお好きなら栗ご飯やさつまいもご飯もどうぞ

作った料理はまずヴィサラ(f00702)に味見して貰いましょう
怪人の興味を引くような食レポをお願いします
(感想を貰えれば素直に嬉しそうに)

敵が食事に夢中になったら【食】属性の【嵐】の「全力魔法」で薙ぎ払いましょう



●猟兵キッチン きょう…幸せカップル編
 トントントントンと規則正しいリズムで包丁がまな板の上の食材を切る音が響くキッチンスタジオには、2人の猟兵が居る。
 一人は赤いリボンが特徴的な金髪碧眼の人間の魔法使いであるリミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)。
 料理の腕に自信のある彼女は、手慣れた手つきで、下茹でした蒟蒻、油抜きしたお揚げ、戻した乾燥椎茸、人参、お湯をかけて脂落としをした鶏もも肉を細かく切り、牛蒡はささがきにして水に晒していく。
 もう1人は緑色の生きた蛇の髪を持つ赤眼のキマイラ、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)
「リムの手料理楽しみだなぁ」
 彼女はニコニコと机の上に両肘をつき、手の上に顎を乗せながら、料理をしているリミティアを幸せそうに見ている。
 手料理を作るリミティアを眺めているお蔭で大量のリミウムを摂取しているヴィサラの機嫌はとても良い。
 キッチンスタジオ全体にピンク色なラブラブオーラ的な空気が流れている…が、今回彼女達はキマイラFに手料理デートをしに来たのではない。(恐らく)
 リミティアの手料理で怪人達をおびき出し、『シュウカクフードバトル』の特殊条件を満たした上でヴィサラが華麗に怪人達をやっつけるという共同作戦なのだ。

「ねえ、リム。今日は何を作るの?」
「炭水化物ばかり摂っても栄養バランスが悪く健康に良くありません。リムは五目ご飯を作ります」
「五目ご飯かぁ……。楽しみだなぁ♪」
「はい、楽しみにしていてください。ヴィサラ」
ヴィサラと会話をしながらもリミティアによる五目ご飯の調理は着々と進んでいく。
 吸水をさせておいた白米の入った炊飯器の内釜に干し椎茸の戻し汁と出汁、酒、醤油、味醂といった調味料を入れると、内側の目盛りまで水を入れる。
 そこへ先ほど切っておいた食材を入れると、炊飯器のスイッチを入れる。
「これで……あとは炊きあがりを待つだけですね」
 事前にレシピを下調べしてあっただけあり、スムーズに調理を終えるリミティア。
「炊きあがりまでに時間がありますし、もう何品か作りましょうか」
 キッチンスタジオというだけあって無駄に品揃えが良いこの会場にはまだ何台か炊飯器が残っている。もう何品か同時調理することは容易いだろう。
「でも、その前に」
 冷蔵庫から持ち込んできた桜餅を取り出すと、それを小皿の上に置き、緑茶を淹れる。
「桜餅です。どうぞ」
「わぁい♪ありがとうリム!」
「どういたしまして。もう何品か作って炊飯器のスイッチを入れたら、炊けるまで時間がありますので、その間ゆっくりしましょう」
「うん!待ってるね!」
 桜餅と緑茶をヴィサラの前に配膳をしたリミティアは、再び調理へと戻って行く。
 先ほどの五目ご飯を作った時の食材を流用して作った追加の何品は思ったよりも早く仕上がり、リミティアとヴィサラはゆっくりとした時間を過ごすことができた。

 PiPiPiPiと電子音がなり、炊き込みご飯が炊きあがったことを告げる。
 炊飯器の蓋を開けると、炊き込みご飯特有の醤油とお出汁と炊きあがったご飯の混ざりあった匂いが周囲を満たす。
 しゃもじを使って、炊込みご飯をかき混ぜると薄く色づいたご飯に、椎茸、蒟蒻、鶏もも、お揚げ、色鮮やかな人参が綺麗に混ざり合い食欲をそそる色合いをしている。
 底の方を返すと一段と色鮮やかなお焦げもばっちりとできている。
 そして、匂いに釣られてか。怪人達も続々と集まってきていた。
「何か美味しそうな匂いがするが、ここは何を出すんだ?」
 イェーガーキッチンなんて看板に書いてあるから、店と勘違いした怪人がシェフらしい少女に尋ねる。
「炊込みご飯ですね。炊飯時に塩や醤油、料理酒にお出汁等で味を調えたご飯に具財を混ぜ込んで炊き上げる単純な料理ですが、それだけに様々な種類があるのです」
 そう言うと次々と炊飯器をキッチンの奥からカウンターへ運んでくるリミティア。
「筍ご飯、きのこご飯、かやくご飯、豆ご飯、鶏飯、鯛飯、牡蠣飯――甘いものがお好きなら、栗ご飯やさつまいもご飯もどうぞ」
 炊飯器の蓋を次々と開けて、完成した料理を披露するリミティア。
 どれも良くできていてとても美味しそうだ。
「…それにしてもリムの手料理…ちょっと位なら味見しても良いよね…」
「ええ、是非。怪人の興味を引くような食レポをお願いします」
 気持ち鶏肉とお焦げを多めにして、茶碗によそった炊込みご飯をヴィサラに渡すリミティア。
「…こ、これはっ!シンプルな調理なだけに、味付けにセンスが問われるけど…これは抜群においしいね♪おかわりもどんどん出来ちゃう。しかも種類も豊富で…いいお嫁さんになれるよ♪」
 リミティア特製の五目ご飯を食べながら満面の笑みで食レポをするヴィサラ。
「ありがとうます。ヴィサラ」
 頬を少し赤くしながら、会心の出来の五目ご飯を褒めてられて嬉しそうにするリミティア。
「旨そうだな、俺達も食べていいか」
「筍ご飯は季節感があっていいな」
「鯛飯とは贅沢だな」
 ヴィサラの食レポを聞いてさらに食欲が刺激された怪人達も思い思いの炊込みご飯を茶碗によそい、舌鼓を打っていく。
 戦争中という事に眼を瞑れば、ここには確かに敵味方を超えた交流と平和がこの瞬間までは確かに存在していた。
「おー…丁度いい塩加減だ」
「この鼻に抜ける醤油と出汁と米の香りが堪らん」
「これは食べてる怪人達もリムに惚れちゃうね…あ、何かちょっとイラっとした」
 ピシリ…と音を立てて、先ほどまでラブ&ピースな雰囲気が一瞬で崩れ去る。
「「「えっ!?」」」
 あまりにも急な空気の変化についていけない怪人達。
 それはそうだ。自分で地雷を設置して即座に自分で踏み抜くなんて所業、普通は想定できない。
「これから貴方の苦手な物が出てきます。覚悟して下さいね?」
 ユーべルコード【血生まれの群れ(アニメイトブラッド)】で毒使いのドラゴンの仔を呼び出すヴィサラ。
「リムの手料理を食べた…許せない!リムに惚れた…許さない!」
「ひえっ、お、おいあんた。あの子を止めてくれ」
 理不尽なキレ方をするヴィサラに恐怖を覚えた怪人達はリミティアに助けを求めるが…
「ヴィサラからの強い愛と執着を感じます」
 どこか満足げな表情をしているリミティアを見て、絶望する怪人達。
 そうこうしている間に、どんどんとドラゴンの仔は、その猛毒を持って次々と怪人を屠っていく。
 抵抗虚しくキッチンの隅に追い込まれた怪人達にとんでもない追撃が襲う。
「顕現せよ、【食】属性の【嵐】」
 食の属性と嵐を組み合わせたとんでもない魔法を発動するリミティア。
「「「「みぎゃああああああああああああああ!!なんじゃこれえええええ!!」」」
 調味料の嵐が怪人達に襲いかかり、ドラゴンの仔が食べやすいようにしっかりと下味をつける。
「グルルルル!」
 調味料の嵐でビクンビクンとなっていた怪人達に神経毒のブレスが襲いかかり、もはや指一本動かせなくなる。
 そうして動けなくなった獲物を、ドラゴンの仔は美味しそうに1体1体咀嚼していった。


 猟兵達の活躍により怪人達は数を減らしていき、ザ・フードステージの制圧へまた一歩近づいていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月05日


挿絵イラスト