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テレビウム・ロック!~テレビに群がる毛玉たち~

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●キマイラフューチャー
「なになに、なんなの~!?」
 キマイラフューチャーの街角で、絶叫を上げながらちょこちょこと駆けるテレビウム。彼女の名はケモモ。主に動物や動物っぽいキマイラのカワイイ動画を配信している、そう珍しくもないキマイラフューチャーの一般市民・・・だった。しかし今は大量の怪人に狙われ、街中を哀れに逃げ惑っている。
「こうなったらとっておきの動画で和ませ・・・って、今は何も映らないんだっけ。てへ」
 そう一人突っ込みを入れる彼女の顔には、不気味な『鍵』のような映像が映っていた。少し前にこれが映り込んで以来、どういう訳か彼女自身にも画面を変える事が出来ないでいたのである。
「まったくもう、鍵なんて全然可愛くないし、これじゃ誰も見てくれないよ・・・。」
 そう呟く彼女の前に再び怪人が現れ、声を上げる。
「あ、『鍵』の奴!」
「わぁ、また来たぁ!誰か助けて~!」

●グリモアベース
 急な招集を受け、猟兵達は慌ただしくグリモアベースに駆ける。だが息を切らして部屋に飛び込んだ彼らを迎えたのは、のんびりと机の上の猫を撫でながら寛ぐラヴェル・ペーシャ(ダンピールのビーストマスター・f17019)の姿だった。しかも何故か半笑いである。
「あ、お早い集合、どうもありがとうございます。」
 あまりに緊迫感の無い様子に唖然とする猟兵達。それを見て、ラヴェルも咳ばらいをして表情を改める。
「ゴホン、失礼しました。今回の事件はもう起きてしまっていますので、手短に。」
 事件の発生地はキマイラフューチャー。とあるテレビウムの画面が何の前触れもなく『鍵』へと強制的に変えられた上、それを目印にするがごとく怪人が大挙して襲い掛かっているのだという。
 それ自体に笑う要素は何も無い。だが、襲い掛かる怪人が問題だった。その風貌は二足歩行の服を着た猫・・・「猫人間」とでも呼ぶべき姿をしていたのだ。
「俺も映像を見たんですが、とことこ逃げるテレビウムと、それを必死に追いかける猫人間が、なんだか妙に可愛くて・・・。」
 そう話すラヴェルの顔は再び締まりをなくしていく。どうやらこれが、彼の笑顔の原因だったようだ。
 とは言え、当の被害者にしてみれば笑い事では無い。しかもその怪人達も、見た目はともかく、性質は凶暴にして機敏、しかも何やら恨みのこもった攻撃を繰り返しているというのだから、事態はやはり一刻を争うと言って良いだろう。
 果たして、襲い掛かる怪人を倒せば事件は解決するのか。テレビウムの顔に浮かぶ『鍵』の理由は、そして狙われる理由は。いくつもの疑問を抱えながらも、猟兵は目前に迫る戦闘に身を投じるのだった。


ピツ・マウカ
 どうも、ピツ・マウカと申します。今回はキマイラフューチャーズの緊急イベントということで、不安ながら参加させていただきます。
 第一章の敵は猫ちゃんですが、二章・三章の敵も動物系です。
 キマイラフューチャーズの雰囲気的にも、軽めのサクサクっとした話を心掛けますので、サクサクっと軽い感じで参加して頂ければありがたいです。
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第1章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ハレのちハレタ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

木元・祭莉
じょんどう? でっかい鍋みたいなの?(それは寸胴)

えーと、オブリビオンなんだよね?
じゃあ、殴っていいよねー♪(脳筋なうえにアホの子)

やあやあ、我こそは!
着ぐるみイエロー、ここにありー!(ヒマワリ着ぐるみで登場)

高いトコからえいやーっと飛び降りるよー。(「パフォーマンス」)
ひらりと着地し、ケモモちゃんを背に庇ってー。

「ここは任せて、先に行きなよ!」

いっぺん、言ってみたかったんだ。
他にも猟兵来てると思うから、助けてーって呼びながら逃げてね♪

追手が来たら、迷わず突っ込む!
もふもふ比べだったら、おいらだって負けないよー!
敵を十分引き付けてから。

おいらの歌を聞けー!!
『ぼええぇーーー!』(人狼咆哮)



「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
 ケモモが逃げ込んだのは、一本の裏通りだった。脇道も無く、身を隠す障害物も無い。おまけに後ろからは猫人間、改め怪人『ジョン・ドゥ・キャット』達が遠くからだがぐんぐんと距離を詰めており、道を抜けるまで逃げ続ける事は不可能なように思われた。
 だがその時、突如辺りに声が響き渡る。
「やあやあ、我こそは!」
 声の方向、建物の屋上を見れば、そこには逆光の中で仁王立ちするヒマワリ・・・の着ぐるみを着た、木元・祭莉(花咲か子狼・f16554)が立っていた。
「着ぐるみイエロー、ここにありー!えいやーっ!」
 建物からひらりと地上に降り立つ祭莉。そのままケモモを庇うように立ち、背中越しに呼び掛ける。
「ここは任せて、先に行きなよ!」
 他にも猟兵が来てると思うから、助けてーって叫びながら逃げてね♪と付け加えて。思わぬ助けにケモモは少し迷うような素振りを見せるが、すぐにまた走り出す。
「うん、ありがとう!着ぐるみイエロー!」
(決まった・・・。いっぺん、言ってみたかったんだ。)
 祭莉がそれを見送りながらしみじみと噛み締めていると、間もなく大量のジョン・ドゥ・キャット達が路地に姿を現した。怪人達は路地を塞ぐ着ぐるみに若干の動揺を見せるが、すぐに彼を邪魔者に認定したらしい。スピードを少しも緩めず、矢のように突進していく。
「もふもふ比べだったら、おいらだって負けないよー!」
 一方の祭莉も迷わず敵に突っ込んでいった。戦闘向きとは決して言えない、ヒマワリの着ぐるみを着たままで。
「ふざけた格好でふざけた真似をしやがって!覚悟するニャー!」
 怪人達はいっそう怒りを募らせ、爪牙を剥き出して一斉に飛び掛かった。その額には第三の眼が開き、祭莉が次にとる行動を予想する。
 しかし。
(―着ぐるみは立ち止まると、背筋を伸ばし、大きく息を吸い込む。そして―)
「まずい、止ま・・・!」
 だが、もう遅い。あるいは着ぐるみ姿に油断を生じたか、不用意に飛び掛かった怪人達は勢いそのままに祭莉の射程内に飛び込んでしまう。
『ぼええぇーーー!』
「ギニャァァーッ!」
 祭莉の口から怪音波、もとい『人狼咆哮』が放たれる。大気を揺らし肌を震わせるような大音響に至近距離で晒され、怪人の意識は一瞬で奪われる。辛うじて気絶を免れた者も、脳を殴られたような衝撃に戦意を失い、ふらふらと逃げ出していった。

 後に残されたのは倒れ伏す怪人達と祭莉のみ。
「こ、この『ジョン・ドゥ・キャット』が、こんな奴に、やられる、とは・・・。」
「じょんどう?でっかい鍋みたいなの?」
 ・・・それは寸胴。その突っ込みを最後に、最後の一体の意識もぷっつりと途切れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル
【WIZ】
数が居るなら数で勝負。
霊でも爪や牙で攻撃するなら、少なくとも攻撃する瞬間は実体化してるのかもしれない。そこに【極楽鳥花嵐】を撃ち込む事にする。
猫なら回避能力は高そうだ。
『見切り』『第六感』で命中率を上げられないかな?
敵の攻撃は『フェイント』『オーラ防御』で対応。
思った以上に数が多ければ、熱線銃で『早業』『範囲攻撃』で牽制するよ。

もふもふは好きなんだけどね。追い掛け回すとか悪い事する子にはお仕置きが必要だね。


ハルカ・ラグランジュ
あら、こんなに可愛らしいオブリビオンもいるのね。
子供の頃にテレビで見たカートゥーンみたいで素敵よ。

可愛いものを見せてくれてありがとう猫さん達。
お礼に美しいものを見せてあげましょう。

UC「散るが故に」とともにレクイエムを【歌唱】して、一網打尽にするわ。

望んでオブリビオンになった訳ではないでしょう。
せめて骸の海で安らかに眠れるよう祈ってあげるわ。

※アドリブ・連携歓迎



 路地を抜けたケモモは、ようやく開けた場所に出ていた。
「着ぐるみイエロー、一体何者だったんだろ・・・じゃなかった、誰か、助けてぇ~っ!」
 言われた通りに助けを呼びながら走っていると、それを辿っていくつもの足音が近付いてくる。助かった、そう安堵したのも束の間。
「自分で場所を知らせるとはいい度胸ニャー!」
「いやあ~っ!」
 やって来たのは新手の怪人であった。別ルートから回り込んで来たのか、『ジョン・ドゥ・キャット』が次々と押し寄せ、ケモモはあっという間に取り囲まれてしまう。
 震える彼女に、怪人達がじりじりとにじり寄る。だが、彼女の声が呼び寄せたのは彼らだけでは無かった。
「もふもふは好きなんだけどね。」
 突然後ろから聞こえた声に、一斉に振り返る怪人達。そこには眼鏡を掛けた少年、筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)が立っていた。
「追い掛け回すとか、悪い事する子にはお仕置きが必要だね。」
 その自信満々の様子に挑発され、怪人達は包囲の中心をケモモから彼に移動させて口々に威嚇の声を上げる。
「なんニャお前は!」
「邪魔するなら容赦しないニャ。ヒーローごっこも大概にしとくニャ。」
 その威圧もどこ吹く風と、トオルはルーンの記された剣をすらりと抜く。するとその切っ先から極楽鳥花の花びらへと変化し、辺りに広がっていった。
 『極楽鳥花嵐(ストレリチアストーム)』。オレンジ色の花弁の渦が、まるで侵入者を待ち受けるかのように吹き荒れる。その光景に彼の態度が虚勢ではないと察したか、怪人達も前足を地面に付けて戦闘態勢を取ると、彼を毛を逆立てながら唸り声を立て始める。
 すると、その傍らから半透明の影のようなものがいくつも湧き上がり、猫の姿を形作っていく。
「こいつらは殺された猫の怨霊ニャ。そんな花びらなんか当たらんニャ。」
 その言葉通り、無数の花弁はいずれも幽体を突き抜けるばかりでダメージを与えられているようには見えなかった。真っすぐに突き進む怨霊の牙が彼に届かんとした、まさにその時。
 彼はその攻撃を寸前で躱す。するとその意に従って花弁が幽霊に迫り、今度は確実にその半透明の体を貫いたのだった。
「ニャ、ニャんで!」
「霊でも爪や牙で攻撃するなら、少なくとも攻撃する瞬間は実体化してるのかもしれない。・・・と思ったけど、正解だったみたいだね。」
 恐らく当人達も気付かなかった弱点を看破したトオルは、前後左右へ巧みに動き、敵を翻弄しながら攻撃を続けていく。オーラによって防御も固めた彼に、幽霊の攻撃が届く事は無い。
 とは言え、さすがは猫。優れた反射神経と動物的勘で変幻自在に飛び回り、彼の洞察力と第六感による正確な攻撃さえも百発百中とはいかない。戦況は膠着、長期戦の様相を見せつつあった。

「やれーニャ!」
「ローを狙うニャ!そこニャ!」
 そんな中、安全圏で半ば観客と化している猫怪人達の頭上を、突然ひらりと飛び越した女性がいた。
「あら、こんなに可愛らしいオブリビオンもいるのね。子供の頃にテレビで見たカートゥーンみたいで素敵よ。」
 猟兵、ハルカ・ラグランジュ(人間のサウンドソルジャー・f17426)である。彼女はそのまま花の渦を潜り抜け、トオルの隣に並ぶ。
「あ、あなたも猟兵?」
 いきなり飛び込んできた初対面の相手に緊張しつつ、トオルが口を開く。ハルカがそれに答えるように微笑んで武器を取り出すと、奇しくも彼の時と同様に、風に溶けるように無数の花びらへと変化する。二色の花は混ざり合い、美しい光景を作り出していく。
「あいつら、攻撃を仕掛けてくる時しか攻撃が通用しないみたいなんだ。」
「あら、そうなの。それなら、私にいい考えがあるわ。」
 彼女はマイクを取り出すと、軽く息を吸い込んだ。
「望んでオブリビオンになった訳ではないでしょう。せめて骸の海で安らかに眠れるよう祈ってあげるわ。」
 彼女の口から、死者を慰撫し心を安らげる言葉が、哀しげで穏やかな旋律に乗って辺りに響き渡る。
「鎮魂歌か!」
 ぴたりと動きを止める幽霊を見て、トオルは感心したように呟く。何とか召喚は繋ぎ止められているものの、その動きは目に見えて鈍くなっており、最早何の脅威にもならなかった。
「あの歌を止めさせないとまずいニャ・・・。」
「こうなったら突撃しかないニャ。全員で掛かれば何とかなるニャ!」
 あまりの相性の悪さに苛立つ怪人達は、捨て身の攻撃に動き出す。しかしその一歩先の地面を赤い光線が走ったかと思うと、猛烈な熱と共に赤く溶け出した。トオルが戦いの最中、目にも止まらぬ早業で手元の熱線銃を一閃させたのである。
「邪魔はさせないよ」
 その一瞥と眼前の焼け跡は、それ以上の前進を躊躇させるには十分だった。

 ある者は無謀な単独突入で、ある者は無理な召喚を続けた疲労で、怪人達は一体、また一体と倒れていく。全ての怪人が地に伏せるまで、そう時間は要さなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アキクサさま』

POW   :    ぽかぽかの風
【召喚したヒーターの熱風】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    どっちが本物?
【もう一羽のアキクサさま】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    究極の平和主義
全身を【スーパーもふもふモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:橡こりす

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種別『集団戦』のルール
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 戦闘を終えた猟兵は、ケモモの元に集合していた。彼女にケガは無く、それどころか猟兵の戦いに目を奪われ、逃げるのも忘れていたくらいだった。
「助けてくれてありがとう!ねぇ、あのヒラヒラーってなるの、あれってマジックなの!?」
 両手をばたつかせて猟兵に駆け寄るケモモ。ずいと近付けたその顔には、事前の情報通り鍵のマークが浮かんでいた。だが、何かがおかしい。
「あれ?さっきまでこんなの無かったのに・・・。」
 彼らに問いかけられ、ケモモは改めて自分の顔を近くの建物のガラスに映す。するといつの間にか画面はどこかの地図へと変化しており、鍵はその一区画にだけ描かれていた。

「ここ・・・知ってる。」
 彼女によれば、その一角にあるのは自然派リゾート『グレート・グリーン』。様々な動物と触れ合える場所も設けられており、彼女もよく撮影の為に訪れていたのだという。
「ここに顔の原因があるのかな・・・。よし、私、行ってくる!」
 そこに何があるかは分からない。だが、それは紛れもなく何かの手掛かりになるはずだ。それに、彼女がまたオブリビオンに襲われないとも限らない。そう考えた猟兵達は、彼女に同行する事を申し出る。
「本当!?ありがとう!道は知ってるの、こっちだよ!」

 意気揚々と猟兵を先導するケモモ。だがそこへ、新たな刺客が現れる。
「ピヨ?」
 それは桃色の小鳥だった。
「わぁ、可愛い~!」
 さっきまでの決意はどこへやら、いつもの習慣で小鳥に近づくケモモ。しかし。
「ピィピィ!」
「ピチチ!」
「ピヨ!」
「ちょ、ちょっと・・・。うわっ!」
 小鳥はどんどんと群がり、彼女の視界を桃色に染めていく。その重みでバランスを崩し、ケモモは押し倒されてしまった。
「も、もしかして、さっきの猫ちゃんの仲間なの?」
 ケモモは何とか這い出し、小鳥を見つめる。その瞳には、彼女の画面に浮かぶ鍵がはっきりと映り込んでいた。
ハルカ・ラグランジュ
更に可愛い生き物ですって!
カワイイ(ちっちゃいテレビウム)+カワイイ(やさぐれキャッツ)+カワイイ(もふもふバーズ)なんて反則じゃない!?

心が痛むけれど、この子と未来を守るためには戦わなければならないのね。

…いえ、よく考えたらオブリビオンなんだから、倒してもそのうち復活するのよね。
それに、いくら見た目がかわいくても、誘拐の片棒担いでるような生き物に容赦なんてする必要なんてないわね。

風【属性攻撃】を乗せたUC「ウィザード・ミサイル」で吹き飛んでもらうわ。

※アドリブ・連携歓迎



「ピヨッ!」
「ピヨピヨ!」
 桃色の小鳥型オブリビオン『アキクサさま』は、ぽよんぽよんと跳ねながら一行に迫ってくる。その嘴や足にほとんど殺傷力は無さそうだが、圧力で『グレート・グリーン』とは逆方向に押し流そうとしているようだ。そのせいか、そこそこ広い道にも関わらず住人の姿は見当たらない。もっとも、巻き添えの心配が無いという意味では好都合でもあった。

(更に可愛い生き物ですって!カワイイ(ちっちゃいテレビウム)+カワイイ(やさぐれキャッツ)+カワイイ(もふもふバーズ)なんて反則じゃない!?)
 ハルカ・ラグランジュ(人間のサウンドソルジャー・f17426)は、次々と現れる愛くるしい生物にいくらか顔を紅潮させて心の中で呟く。杖を取り出して構えるが、どうしても攻撃を躊躇せずにはいられなかった。

(・・・心が痛むけれど、この子と未来を守るためには戦わなければならないのね。)
 傍らのケモモをちらりと見て覚悟を決め、ハルカは炎の矢『ウィザード・ミサイル』を放つ。ところが、矢はキクサさまの体に触れたものの、ぱふんと気の抜ける音と共に掻き消えてしまった。
 よく見れば、彼らは毛を逆立ててより一層モフモフとした風貌となっていた。一見すると大した違いは無いが、その柔らかそうな体は、矢や魔法をも弾き返す弾力性を備えていたのである。
 それは紛れも無く異能の類。その事実に、ハルカは、眼前の小鳥もまた超常的な存在である事を再認識する。
(よく考えたらオブリビオンなんだから、倒してもそのうち復活するのよね。・・・それに、いくら見た目が可愛くても、誘拐の片棒担いでるような生き物に容赦なんてする必要なんてないわね。)
 思考がそこまで至った時、もう彼女に迷いは無かった。再び数十本の炎の矢を作り出し、猛烈な勢いで射出する。
 先程とは段違いの速度と魔力にも関わらず、矢はやはりアキクサさまの体に吸い込まれるように消えてしまう。しかし。
「ピヨ!?」
「ピィーッ!」
 矢に込められていた風の魔力が旋風を巻き起こし、敵の体を宙に浮かび上がらせる。この状態では身動きが取れないらしく、通路を妨害していたアキクサさま達は遥か上空まで吹き飛ばされ、そのまま見えなくなってしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フェン・ラフカ
家で休もうと思ったらビルの上が騒がしくて顔を出せば件の問題、それが片付いて戻ろうと思ったらまた近くで同様の事件…そしてこれが三件目です。
……良いでしょう、トコトン付き合ってやりますとも。


ショットガンにバードショット弾を装填して、アキクサさまを『範囲攻撃』による面制圧をします。
範囲を逃れるのにはUC【フレイ・カ・グル】で狙って『吹き飛ばし』て、『時間稼ぎ』しましょう。


私はゆっくりと下がりながら移動する事になりますが、ここでの足止めと時間稼ぎはお任せを。
抑えきれない分と彼女を案内は任せました。

『我らが往く道を阻む障害、仇なすモノを射抜く力と成れ』


※アドリブ・連携等歓迎です。



 敵が吹き散らされた後の道をひた走る一行。だが、すぐにその後ろから無数の羽音が聞こえてくる。走りながら振り返れば、アキクサさま達が短い翼を必死に動かして、見た目以上のスピードで一行に迫ってきていた。
「家で休もうと思ったらビルの上が騒がしくて顔を出せば件の問題、それが片付いて戻ろうと思ったらまた近くで同様の事件・・・そしてこれが三件目です。」
 足を止めてうんざりしたように溜息を吐くのは、フェン・ラフカ(射貫き、切り拓く、魔弾使い・f03329)である。キマイラ・フューチャーでは今回のようなテレビウム襲撃事件が立て続けに起こっていたのだが、彼女はその騒動に二度も巻き込まれていたらしい。それも、どうやら意図せずに。
「・・・良いでしょう、トコトン付き合ってやりますとも。」
 不測の連戦ともなれば疲労も大きいはずだが、それでも見過ごせないのは猟兵のサガか。半ば諦めに近い呟きと共に、彼女は拳銃程の大きさのショットガンを取り出して敵を待ち受ける決意を固める。
「ここでの足止めと時間稼ぎはお任せを。抑えきれない分と彼女の案内は任せました。」

 一人残った彼女が銃を構え、十分に引き付けてから引き金を引くと、飛び出したのはバードショット弾。その名の通り、鳥類の狩猟に用いられる弾丸である。一射ごとに小さな弾丸が広範囲にばら撒かれ、迫り来るアキクサさま達を撃ち抜いていく。
「ピチチッ!」
「ピピピー!」
 アキクサさまも負けてはいない。空中で数体がもふもふと膨らんでその射撃面を妨害しては落ち、妨害しては落ちと、数を活かしてぐんぐんと近付いて来る。その数は予想以上に多く、彼女の単発式ショットガンでは捌き切る事が出来なかった。
『仇なすモノを射抜く力と成れ』
 フェンは一射を終えると、装填もせずに打ち漏らした敵に銃口を向け、詠唱する。すると、ショットガンからは輝く魔弾が次々と撃ち出されていく。散弾と違い、一個体のみを狙うその正確な狙撃が迫る敵を順番に弾き飛ばしていき、時間の余裕を作り出した。
 彼女はゆっくりと後退しながら、大量の敵を押し止め続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル
【POW】
熱風攻撃はUC【トリニティ・エンハンス】の〔水の魔力〕で自身の防御力を上げて対処。
「その程度の熱風じゃ僕は倒せないよ」
念の為【オーラ防御】【フェイント】【火炎耐性】で防御及び回避率を上げておく。
そんなに熱いのが好きなら、この熱いのを受け止めてくれるかな?
攻撃が効き難いと敵が焦り始めた頃に熱線銃を撃ち込む。【早業】【スナイパー】で素早さと命中率を出来るだけ上げて。

もふもふは好きなんだけどね…
申し訳ないけど、必要な物だけ手に入れたら倒しちゃうよ。



「もうすぐだよ!そこの角を曲がったら後はまっすぐ!」
 ケモモの案内に従い、一行は『グレート・グリーン』の目前にまで到達していた。だが、曲がり角の先に見えたのはまたしてもアキクサさまの集団であった。

 彼らはピィピィと囀って威嚇を続けていたが、猟兵達に退く気配が無いと見ると、その眼前にヒーターを呼び寄せる。
 無論、一台だけならただ暖かいだけで何の障害にもならないだろう。しかし、それが通路の幅一杯に、しかも壁のように何重にも高くそびえていたなら話は別である。
「あちっ、あちちっ!・・・あれ?」
 焼け付くような熱風に押し戻されていくケモモだったが、急にそれが和らいだのを感じて顔を上げる。するとそこには、一行を熱から庇うようにして立つ筒石・トオルの背中があった。
「その程度の熱風じゃ僕は倒せないよ」
 猛烈な熱を一身に浴びても、彼は汗一つ掻いていない。それどころか、むしろ涼しげな表情ですらある。彼の体に宿った水の魔力が熱を遮断しているのだ。
「ピッ!」
「ピィ、ピィ!」
 ヒーターの陰からその様子を見たアキクサさま達は、ヒーターの背のダイヤルに乗り、歩いてダイヤルを回し始める。するとヒーターの前面に絞りが現れ、その熱がトオルへと集中していく。
 まともに受け続けるのは流石に危険と、トオルは先の戦闘でも見せた動きで敵を幻惑してその熱線を回避しようと試みる。だが以外にも、アキクサさまは正確な狙いで照準を動かし、彼を執拗に追い続けた。
(オーラで守っていてもこの熱さか。念の為に火炎耐性を上げておいて良かった。)
 トオルは何度か直撃を受けるも、入念な準備によってダメージを免れていた。そうする内にヒーターから徐々に煙が上がり始め、アキクサさまの顔に焦りが浮かぶ。逸る一体が様子をよく見ようと身を乗り出した瞬間、トオルが熱戦銃を放つ。
「ピッ!?」
「そんなに熱いのが好きなら、この熱いのを受け止めてくれるかな?」
 モグラ叩きの要領で、照準を合わせようと顔を出す敵を次々と仕留めていくトオル。それと同時に、召喚されたヒーターの壁も少しずつ小さくなっていった。
「もふもふは好きなんだけどね・・・。」
 猫怪人と戦っていた時のセリフをもう一度呟くトオル。だがその射撃はあくまで冷静に、そして迷い無くに敵を撃ち抜いていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『怪人アルパカマッスル』

POW   :    ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ようやく、着いたぁ・・・!」
 敵の猛攻を凌ぎ、何とか草原や木々の広がる『グレート・グリーン』へと辿り着いた猟兵達。ケモモも流石に疲れたのか、息も絶え絶えに近くのベンチにもたれ掛かる。
「ほんとに、ありがと、でも、ここに、何が・・・わぁ!?」
 その時、ケモモの全身が激しい光を放ち始める。目を凝らして彼女の画面を見れば、地図は消えて再び鍵のマークが中央に浮かんでいた。最初と違うのは、その鍵がくるり、くるりと一定のリズムで回っている事と、その下に『LOADING』という無機質な単語が書かれている事である。
「何か、受信してるみたい・・・?これが終わったら、私、どうなっちゃうの?」
 ケモモは動揺しながら疑問を口にするが、その答えを知る者はここにはいない。ともかく、もっと安全な場所へと移動しようとするが、その身体は彼女の意思を離れてその場に留まろうとする。
 不自然な事態の連続。ここに至るまでの妨害を考えれば罠の可能性は低いが、と悩む一行の元へ、ゆっくりと近付く影が一体。

 それはまたしても可愛い生物であった。・・・少なくとも、頭だけは。
「ひあっ!」
 近寄ってきたのは頭部がつぶらな瞳のアルパカ、胴体から下が筋骨隆々としたパンツ一丁の男性の姿をした、『怪人アルパカマッスル』だった。
 彼は余りの衝撃に呼吸を忘れる一同の前方までずんずんと歩いてくると、びしりとポージングを決めた。今にも皮が破れてしまいそうな程筋肉が怒張し、ふわふわのアルパカ頭との間に激しいギャップを生んでいる。
「・・・気持ち悪い・・・。」
 誰とも無く口に出た呟きは、余りにも率直な感想だった。黒目だけの瞳からは感情が読み取れないが、アルパカマッスルにとって不愉快なものであったのは確かだろう。
 何故なら、その言葉を聞いた彼はおもむろにポージングを止めると、ぐるぐると逞しい肩を回しながら一行に迫って来たのだから。
ハルカ・ラグランジュ
ミスマッチも度が過ぎるとここまで不気味になるのね…。
ふわふわか筋肉のどちらかに出来なかったのかしら?

ともあれ、精神衛生上よくないアナタには今すぐ退場してもらうわね。
【全力魔法】【誘導弾】【一斉発射】でUC「ウィザード・ミサイル」を放って、一気に片づけるわ!

次からは服を着てきなさい。
公共の場でブーメランパンツ一枚は見苦しいわよ。

※アドリブ・連携歓迎


筒石・トオル
【WIZ】
アルパカってさぁ、もふもふで可愛いものだよね。なのに何で……あれじゃ『もふもふ』じゃなくて『ムキムキ』じゃん!
近寄られると危険だし、何より気持ち悪い。
なので範囲に入り次第、UC【ヒプノシスリストラクション】を発動。
動きを止めてその間に仲間に攻撃して貰うか、自身で熱線銃で狙い撃つ。
【視力】【スナイパー】【早業】で素早く確実に撃ち抜くよ。
──止めた際の敵のポーズが妙なのには目を瞑りたいところだけどね。



「・・・」
 怪人アルパカマッスルは黒光りする巨体を揺らしながらこちらに歩いてくる。一歩ごとにぴくり、ぴくりと痙攣する大胸筋と腹直筋は連なる山々の如く、ボールが入っているのではないかと思わせる程に上腕二頭筋が盛り上がり、荒々しく起伏に富んだ大腿四頭筋は丸太のようだ。それでいて、攻撃性を感じさせないモコモコの頭に長い睫毛をぱちぱちと上下させる姿は、何とも形容しがたい違和感・・・あるいは不快感を与えていた。

(アルパカってさぁ、もふもふで可愛いものだよね。なのに何で・・・あれじゃ『もふもふ』じゃなくて『ムキムキ』じゃん!)
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、至って真っ当な突込みを心の中で入れていた。敵の戦闘力を警戒しつつ、嫌悪の眼差しをはっきりと向ける。
 その視線を感じ取ったか、アルパカマッスルはトオルを最初の標的に選んだようだ。見た目に似合わぬスピードで猛然と走り出し、つぶらな瞳には怪しい光が宿る。
『光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに』
 しかしトオルの詠唱と同時にその光が点滅し始めたかと思うと、アルパカマッスルはぴたりと足を止めてしまった。よくよく見れば、点滅する光はトオルの眼鏡から放たれており、怪人の目はそれを反射しているだけである。彼の『ヒプノシスリストラクション』が、敵を催眠の底に引きずり込んだのだ。
 アルパカマッスルはとろんと目を半開きにし、動きを止める。意識が混濁しているせいか、片足と両足を上げる妙な格好で静止しており、これはこれで著しく珍妙な姿である。

「ミスマッチも度が過ぎるとここまで不気味になるのね…。ふわふわか筋肉のどちらかに出来なかったのかしら?」
 その光景に、ハルカ・ラグランジュ(人間のサウンドソルジャー・f17426)が小さく呟く。そこに先程の戦闘で見せたような躊躇や同情の響きは全く無い。
「ともあれ、精神衛生上よくないアナタには今すぐ退場してもらうわね。」
 今度は少しも迷わず、杖を取り出して魔力を集中させる。全力を込めた魔力が炎の矢へ変わっていき、動きを止めたアルパカマッスルに狙いを定める。
「次からは服を着てきなさい。公共の場でブーメランパンツ一枚は見苦しいわよ。」
 ハルカが杖を振り下ろすと、数十本の矢が一斉に撃ち出される。同時に、トオルの熱戦銃も正確にアルパカマッスルの心臓を狙う。

「・・・」
 その攻撃は、確かに命中した。にも関わらず、もうもうと立ち込める煙の中で、アルパカマッスルは未だ倒れてはいなかった。発達した筋肉の鎧は、それらの猛攻を受けてもなお致命傷を防いでいたのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フェン・ラフカ
まぁ皆さん待ってください。
確かにこの逞しい体にアルパカ特有の愛らしい顔はミスマッチ過ぎてダメな人はダメかもしれません。
しかし、『気持ち悪い』の一言で片づけてはいけない。
このミスマッチが良いという方が居るのですから。(私は違いますが)

おもむろに【レプリカクラフト】で野球バットを投影して怪人にアイコンタクトを送り、鍛え抜かれた体にフルスイングします。

…このように鍛えた体はまさに鎧!
褒めるに値する肉体なのです!


と、褒めちぎって『時間稼ぎ』をします。

もっとも、相手が乗らず暴れるようであればショットガンのスラグ弾や愛銃でその筋肉の鎧を『鎧砕き』して『吹き飛ばし』ますが。

※アドリブ・連携等歓迎です。



「・・・!!」
 完全に催眠から醒めたアルパカマッスルは、怒りに鼻を膨らませながら全身の筋肉を隆起させ、今度こそ敵を屠らんと力を溜め始める。
「まぁ皆さん待ってください。」
 それを遮ったのは、足止めの役目を果たし、今しがた一同に合流したフェン・ラフカ(射貫き、切り拓く、魔弾使い・f03329)だった。彼女はつかつかとアルパカマッスルに歩み寄り、猟兵達に向き直って演説を始めた。
「確かにこの逞しい体にアルパカ特有の愛らしい顔はミスマッチ過ぎてダメな人はダメかもしれません。しかし、『気持ち悪い』の一言で片づけてはいけない。このミスマッチが良いという方が居るのですから。」
 私は違いますが、と心の中で付け加えて。

 そうして怪人の気を宥めると、おもむろに『レプリカクラフト』で作り上げた野球バットを構え、アルパカマッスルに防御姿勢を取るようアイコンタクトを送る。言われるがままに筋肉を硬化させたのを確認すると、フェンはバットを全力で振り抜いた。無論、怪人の体には傷一つ付かない。
「・・・このように鍛えた体はまさに鎧!褒めるに値する肉体なのです!」
 バットをぽいと投げ捨て、その体を指して褒めちぎるフェン。まんざらでもないのか、アルパカマッスルは彼女に向って再び様々なポージングをし始める。汗を振り散らし、鼻息荒く、顔を度々近付けて。
「うっ・・・。」
 その圧迫感は凄まじく、フェンも耐えかねて思わず顔を背ける。
「・・・ッ!」
 その様子に、アルパカマッスルは彼女の言葉がただのお世辞であった事を察したらしい。
 彼は裏切られた憤怒と悲しみに全身を震わせ、凄まじい勢いで拳をフェンに振り下ろす。けれどもそれより一瞬早く、彼女のショットガンが火を噴いた。巨大なスラグ弾が腹を抉り、その衝撃にアルパカマッスルの身体も後ろに弾き飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

豊原・フィリス
あらぁ……マッスルでとってもぉつよそうねぇ
「わたしがぁお相手するわぁ」

進路を『見切り』アルパカマッスルを『誘惑』し
『おびき寄せ』る事でテレビウムを『かばう』
「逞しい腕ねぇ、さわっていいかなぁ?」

『コミュ力』で『言いくるめ』て『手をつなぐ』事で拘束し『時間稼ぎ』
隙を見て【巨乳激甚撃】でおっぱい『属性攻撃』の『鎧無視攻撃』
「筋肉の剛に対して、おっぱいの柔よ」

アドリブ・絡みok 『』内技能



 恐るべき事に、それでもアルパカマッスルはよろめきながら立ち上がる。その無尽蔵の体力に猟兵達の顔も心なし青ざめ、誰もが激闘を覚悟した、その時。
「わたしがぁお相手するわぁ」
 語尾を伸ばした特徴的な口調で、ふらりと豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)がその進路に立ちはだかる。
 すると、アルパカマッスルの様子が明らかに変化した。下着同然に肌を見せる彼女に、今までの怒りも忘れてふらふらと引き寄せられていく。
「逞しい腕ねぇ、さわっていいかなぁ?」
 一同が呆気に取られる中、フィリスはぺらぺらとおだてながら巧みにボディタッチを試みる。アルパカマッスルは緊張に体を固くしながらもそれを受け入れ、ぎこちなくポージングを披露していく。フィリスは大袈裟に驚きながらさらに体を近付け・・・自らの豊満な胸を押し付けたのだ。
「!!!」
 その柔らかさに、アルパカマッスルの体はびくんと跳ねる。恐らく彼の生涯で、今まで感じた事の無い感触だったのだろう。白い毛皮の上からでも分かるほど顔が赤くなり、そして。
「ッ!」
 頭部がアルパカでも、脳はマッチョだったということか。大量の鼻血を噴きながら、ゆっくりと倒れてるアルパカマッスル。あまりにも呆気ない結末に、他の猟兵達は全身の力が抜けるのを感じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月29日


挿絵イラスト