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テレビウム・ロック! ザザールのせわしない一日

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●キマイラフューチャー とある街
「ええー!?ちょ、これ、何?」
 テレビウムの少年、ザザールの顔面に鍵の映像が映っていた。別に視界が塞がれるとかそう言う不便なことはないのだが、なんだか落ち着かない。顔の映像を変えてみても鍵だけは残る。
「うーん…何なんだろう?」
 キマイラの友人に話してもよく分からず、とりあえず、この状態をSNSに拡散して情報を集めようということにはなったのだが…。
「こういう状態になっているのって僕だけじゃないのかな?」
 集まってくる情報で、顔に鍵の出たテレビウムは自分だけではないのだが、解決策は見つからない。情報が見つかるまで待つしかないかなーと、ブラブラしていたその時、
「見つけたぞ」
「え?」
 突然そんな声をかけられたザザールが振り向くと、そこには大量の仮面。
「鍵だ」
「見つけたぞ」
「捕まえろ」
 浮いている仮面というのは、ヒーローマスクがいるこの世界では珍しくはないのだが、雰囲気がぜんぜんヒーローではない。
「ひああああああああ!」
 とりあえずザザールは逃げ出した。

●グリモアベーズ
「ちぃーっす! 突然っすけど、緊急事態っすよー」
 狐面のヒーローマスク、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)がものすごいチャラい感じで猟兵達に事態を告げる。
「テレビウムがオブリビオンに追いかけられてむっちゃピンチでヤバイんすよ」
 リカルドの予知では、テレビウムの少年、ザザールが大量の仮面型オブリビオンに追いかけられている姿が見つかったらしい。
「で、ザザールってテレビウムなんすけど、なんか変なんすよね。顔に鍵の映像が出てるんすよ。わざわざ鍵の映像を出してるって言うより、顔に鍵の画像が張り付いているような…まあ、うまく説明できないんすけど」
 もしかしたら、狙われている理由になにか関係があるかもしれない。
「なので、何か分かったら自分にも教えて欲しいっすよ。それじゃ、よろしく頼んだっすよ」
 そう言ってリカルドは猟兵達を現地へ送り出すのだった。


麦門冬
 こんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。デレビウムがピンチです。助けましょう。
 すべての章で敵が襲ってきます。撃退しましょう。

 以下、どうでもいい補足事項。

●ザザール・サンドストーム(12)
 テレビウムの少年。得意技は顔の画面を砂嵐画面に変える『顔砂嵐』。音とか砂嵐の流れ具合が素晴らしいのだが、どのあたりが素晴らしいかは彼の一族以外にはなかなか理解してもらえない。

●敵
 ザザールを狙ってきます。どんな理由で狙ってきているかは不明です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『邪悪な仮面』

POW   :    怪光線
レベル×5本の【闇】属性の【光線】を放つ。
SPD   :    闇影の鎖
【自身の影】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    暗黒の力
予め【邪悪なオーラを纏う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:夜月蓮華

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

朱雀・慧華
鍵かぁ…何かの復活に必要とかかな
とりあえずそこの仮面軍団ちょっとストーップ!

UC【具現化される夢】を発動
インクが青空柄状態の七色空絵筆で素早く盾を描き
実体化した盾で敵の行動を防いでから

夜の闇も素敵だけど
光の良さも教えてあげるね!

次に青空の絵の具で描くのは眩い太陽
本物ほどの熱量を出せるわけじゃないけど
実体化した光り輝く太陽の絵を
仮面達にぶつけちゃうよ

影を打ち払いつつ物理ダメージ狙いだけど
光の目眩しで隙が出来たら更に沢山の太陽を描き
光の一斉照射後おっきいロケットを描いてトドメのどっかーん!

あ、絵の具はそのうち消えるからお気遣いなく!

質問は不利になるものはダメージ気にせず無視で
簡単なものだけ従うね


メイスン・ドットハック
【WIZ】
とりあえず僕の後ろに下がっておくことじゃのー
あの不気味な仮面はすべて、撃ち落としてやるとしようかのー

ユーベルコード「蜂のように舞い、華のように散る」を発動
スピードに勝る電脳爆弾電脳蜂を使い、邪悪なオーラを纏っている最中の仮面や、動きが単調になっている仮面から狙って、爆破させていく
爆弾蜂単体でどうにもならない時は、5体1隊編成で行動させ、爆発力を上げる
ザザールに近づく輩は、自身の電脳魔術のバーチャルミサイルで撃ち落とす(誘導弾、一斉射撃、破壊工作)
また空中で起爆する電脳機雷を設置しておき、接近対策とする(罠使い、破壊工作)

数は多いようじゃけど、こっちも爆弾は大量じゃけー、覚悟せいのー


ジャスパー・ジャンブルジョルト
事情は判らねえが、ちっちゃくて無力なテレビウム(自分もちっちゃいという事実は無視)を集団でいじめるような奴らを許しちゃおけねえ。
目には目を! 歯には歯を! 仮面には仮面を!(意味もなくドミノマスクを装着)
仮面の剣士JJ、参上!
聖剣〈ぴあの〉を召喚して俺を操らせ、仮面どもを斬って斬って斬りまくーる。敵の影なんか、するっと躱しちゃうぜ。仮に命中してルールを定められても大丈夫! 俺に守れないルールはない!(根拠なし)

●戦闘後
動き回りすぎて疲れたー。近くの壁をコンコンして、消費したカロリーを補充しようっと。なにがでるかな~♪


他の猟兵の引き立て役や敵の噛ませ犬役など、お好きなように扱ってください。



●邪悪な仮面から守り抜け!
「ひああああああああ!」
「待て」
「逃げると痛い目にあうぞ」
 目から怪光線を出しながらザザールを追いかける邪悪な仮面達。
「だ、誰か助けてー!」
「大人しくしろ!」
 ザザールに怪光線が当たろうとしたその時、
「とりあえずそこの仮面軍団ちょっとストーップ!」
 ザザールの周りに空飛ぶ盾が飛び込んできて、怪光線を遮る。
「何者だ!」
 仮面がそう叫び、盾が飛んできたほうを見てみると、二人の猟兵が。
「暴力とか見過ごしておけないよ!」
「ああ、事情は判らねえが、ちっちゃくて無力なテレビウムを集団でいじめるような奴らを許しちゃおけねえな」
 朱雀・慧華(純真天使・f17361)とジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)の二人だ。ちなみにケットシーのジャスパーは10歳の慧華よりも小さく、テレビウムのザザールともどっこいどっこいに見えるが、
「目には目を! 歯には歯を! 仮面には仮面を! 仮面の剣士JJ、参上!」
 意味もなくドミノマスクを装着するジャスパーことJJにツッコミを入れるタイミングは流されてゆく。
「とりあえず僕の後ろに下がっておくことじゃのー」
「あ、ありがとうございます!」
 そんな彼らにあっけにとられている仮面達の隙を突き、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)はザザール少年を手招きし、自分の背後に隠す。
「しまった!」
「こうなれば、邪魔者もろとも!」
 仮面達はザザールを匿うメイスンめがけて突っ込んでゆく。
「夜の闇も素敵だけど、光の良さも教えてあげるね!」
 先程の盾を出した時の要領で慧華は七色空描筆を振るい、【具現化される夢】で太陽を描く。描かれた太陽は本物のソレ程は熱量はないにしても、敵が飛ばそうとした【闇影の鎖】を打ち消し、目を眩ませるのには十分だった。
「ハイ、更にドーン!」
 そして更に太陽を書き続け、その太陽を敵に突っ込ませる。
「なかなか頼りになる嬢ちゃんじゃねえか。なら、俺も行くかね。我が手に出でよ、聖剣! 我が身に宿れ、剣聖!」
 JJも負けじと【JUSTICE JUGGLE】によって精霊(多分)の宿る、薔薇の装飾のレイピアが呼び出される。
「見よ、この剣さばき!」
 レイピア【ぴあの】が持ち手であるJJの身体を巧みに操り、太陽にひるんだ仮面達をズバズバと切り裂いてゆく。
「影なんかも、するっと躱しちゃうぜ」
 実際のところ、レイピアの方がJJの方を操っているので、剣さばきと言うよりは猫さばきといったほうが正しいのだろうが。

「手強いぞこいつら」
「回り込め」
 仮面達の一部はこのままだと不利であると悟り、空高くへ飛翔。そして太陽を回り込んでテレビウム少年の確保へと動く。
「その小僧をよこせ」
 その身に【暗黒の力】による邪悪なオーラを纏った仮面達がザザールとメイスンに襲いかかる。
「ひあっ!」
「あの不気味な仮面はすべて、撃ち落としてやるとしようかのー」
 慌てるザザールとは対照的に、メイスンは落ち着き払った様子で電脳空間を展開してポチポチと操作する。
「数は多いようじゃけど、こっちも爆弾は大量じゃけー、覚悟せいのー」
 メイスンの前に出現したのは【蜂のように舞い、華のように散る】によって生み出された電脳爆弾蜂だ。普通のスズメバチよりも大きい機械の蜂達は上空の仮面達へと殺到する。
「ぐわー」
 オーラを纏っている最中は攻撃の動きが単調になることが仇となり、次々と自爆攻撃を受ける。オーラの力で耐えようとしても、編隊を組んで襲いかかってくるのでひとたまりもない。
「だが、敵の数も減れば、隙間も生まれる」
 仲間の犠牲より、減った爆弾蜂の隙間を縫って、生き残った仮面がメイスンに襲いかかる。
「僕が接近を許すわけないけーの」
 メイスンが電脳空間をう操作すると、電脳空間から現実空間へと干渉が起こり、空中に機雷が設置される。
「何だと」
 突然出現した機雷に『爆弾蜂の誘導で隙間を通らされていた』仮面には避ける手立てはなく…、
「ぐわー」
 迂回しようとしていた仮面達は全滅したのだった。

「おー、向こうさんも派手にやってるね」
 上の方での爆発音にJJが少しのんきな反応をしていると、
「隙あり」
 生き残っている仮面達が慧華とJJの、それぞれ太陽との間に割り込むような位置へと回り込む。
「あっ!」
「しまった!」
 太陽を背にされたことで、二人の体に仮面の影が生まれる。
「この時を待っていた!我々の目的はテレビウムだ。貴様らに手出しをするのはやめよう。だから、『我々に攻撃をするな』」
 仮面の発したルールが二人を蝕む。自分を攻撃しない相手を攻撃しないことはルールとしては簡単に守れる。その分、破ったらダメージは大きいだろう。
「むぅ」
 敵にぶつけようとしたロケットの絵を下げる慧華。だが、この男は違った。。
「俺に守れないルールはない!」
 などと言いつつ、仮面をレイピアで両断するJJ。
「貴様、言っているそばからルールを」
「『俺は』守ってるぜ?」
「!?」
 そう、攻撃しているのはJJ自身ではなく、JJを操っているレイピアの方なのだ。JJが攻撃をする気がなくてもレイピアの【ぴあの】が攻撃し続ける。つまり、正確に言うとJJにはこのルールを守ることが不可能なのだ。守ることが不可能なルールに対してはダメージは僅かなものでしかない。
「だから、斬って斬って斬りまくーる!」
 そうやって仮面の残りを倒しまくるJJ。だが、わずかでもダメージは入っているわけで…、
「あの、ぴあのさん?そろそろこのくらいにしておこうか?ほら、味方の援護ももうすぐ来るだろうし、このくらい数減ったら無理倒さずともに”ゃああああ!」
 メイスンの支援も入って全滅させるのは早まったものの、その間、ボロボロになりつつも攻撃が止められない止まらないJJであった。

「動き回りすぎて疲れたー」
 戦闘終了後、疲労のカロリー補給にと近くの壁をコンコンとするジャスパー。出てきたのは人形焼だったが、
「げ!よりによってネズミの形かよ!」
 とは言いつつも、食べ物は粗末にできないので、渋い顔で甘味を補給する。
「み、みなさんありがとうございます!」
 ひとまず落ち着いたのか、テレビウムの少年ザザールは猟兵達にペコリ頭を下げ、礼を言う。
「鍵かぁ…何かの復活に必要とかかな?」
 慧華がザザールの顔に浮かんだ鍵を覗き込む。その時、

 ザ、ザザー

「ひあああ!」
 突然、ザザールの顔にノイズが走ったかと思うと、顔の鍵がくるくると回転する。そして、一つの方向を指し示す。
「これは?」
「僕にさっぱり…。でも、なんだかこの方向にいかないといけない気が…」
 慧華の問いにザザールが自信なさげに答える。
「なら、決まりじゃのー」
「ああ、ここまで来たら乗りかかった船だ」
 このまま放っておいても、再びザザールはオブリビオンに襲われるかもしれない。鍵の謎を解くべく、猟兵達はザザールと共に鍵の指し示す方向へと歩き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第2の刺客
「えーっと、何となくもうすぐ目的地に着く気がします」
 ザザールの鍵が指し示す方向へと共に向かう猟兵達。だが、そんな猟兵に声がかかる。
「所詮、肉体を与えもらえなかった下級戦闘員でござるな。猟兵が出てきては荷が重かったでござるか」
 先程の宙に浮く仮面の仲間だろうか?仮面をつけたキマイラの忍者達が猟兵達の前に出現する。
「ひああああああああ!」
「そこの小僧をおいてゆくでござるよ」
 中にはショベルカーなどの工事機械と合体している忍者もいる。向こうは戦う気満々だ。
 ザザールをおいてくという選択肢は最初からない。ならば、やることは決まっている。
メイスン・ドットハック
【SPD】
鍵の謎とか色々と疑問に思うことは多いけど、まずは敵じゃのー
重機?仮面?そんなものは、纏めて薙ぎ払えばよかろうなのじゃー!

ユーベルコード「星の海を制覇せし船」を発動
大型宇宙戦艦『暁』を召喚し、ザザールと共に艦内に転移
仮面による追尾を逃れると共に、ビーム機銃、レーザー砲、広域破壊ミサイルなどの攻撃能力のある艦内装備のすべてを駆使して敵を駆逐する
それでも艦内に侵入してくる不埒な敵には、電脳魔術で作ったトラップ(電流、ワイヤー爆破など)でお出迎えする(罠使い、破壊工作、地形の利用)
自分が作りだした戦艦なので、多少破壊しても問題なし
ザザールの安全は第一に、モニターで猟兵の奮戦を観戦して貰う


朱雀・慧華
なるほど、これはつまり…
モテる男はツライねってやつ?

ニンジャすごーい!なんで合体してるの?
やっぱり本体は仮面なの?
与えられなかったってことは体くれた人がいるのー?

敵の集中を乱す+なにか情報を得られないか話しかけながら
ティアマトの杖を使用し
【破魔】を宿した光の【全力魔法】で目くらましを兼ねた攻撃

私はまだ弱いから
なるべく足引っ張らないように危なくなったら深入りせず退がるね
ただし背中は絶対向けない

敵が弱い奴から倒す方針で狙われたら
逆に私の方に敵が固まったのを利用して【プリンは至高のおやつ】発動!
おっきいプリンでまとめて押しつぶし(または中に閉じ込め)ちゃう!

おっきいプリンに潰されるって幸せだよね!


ジャスパー・ジャンブルジョルト
機械と合体だと? こりゃまた男子の魂を揺さぶりまくる敵だな。
よーし、向こうが合体で来るなら、こっちは変形で受けてたとう。さっき食った人形焼きのカロリーを消費して、ツィターを火炎放射器に変えるぜ。ガシャン、ジャキーン!(変形の効果音を自分で口にする)
ザザールを守るようにして立ち、襲い来る敵を炎で牽制だ。おらおら、近寄れるもんなら近寄ってみろ! ブォォォー!(炎が噴き出る音を略)
敵が少なくなったら、攻勢に転じるぜ。オブリビオンは消毒だぁー!
ドカーン! ボカーン!(敵が一体倒される度に爆発音を口にする。たとえ爆発していなくても)

他の猟兵の引き立て役や敵の噛ませ犬役など、お好きなように扱ってください。



●襲撃する傀儡達
 ザザールを助けた3人の猟兵達の前に現れたのは仮面をかぶったキマイラ忍者の集団だ。
「なるほど、これはつまり…モテる男はツライねってやつ?」
「そ、そうなんですか?」
 慧華の言葉に疑問で返してしまうザザール。ちなみに、慧華の方が年下ではあるが、猟兵なので敬語だ。
「鍵の謎とか色々と疑問に思うことは多いけど、まずは敵じゃのー。重機?仮面?そんなものは、纏めて薙ぎ払えばよかろうなのじゃー!」
 電脳空間を操作し、メイスンが召喚するのは大型宇宙戦艦『暁』だ。ビーム・レーザー砲、広域破壊ミサイルなど様々な装備を備えた宇宙戦艦。これほどのものを呼び出せるメイスンの猟兵としての実力の高さもうかがい知れる。
「ところで、さっきの仮面達を『体を与えてもらえなかった』って言ってたけど、あの体って誰かからもらったものなのかな?」
「ん”!?」
 慧華の疑問にメイスンは少し固まる。もし、慧華の予想通り、忍者達の肉体が与えられたものとして、仮にそれがキマイラフューチャーの住人のものであったとしたら…。
「うん、とりあえず僕はザザールを安全な場所に連れてくけーの。後は任せたけー」
「ひああああああ!」
 とりあえず、面倒事は任せたと、メイスンが中に現れたコンソールを操作する。すると、ぱわわわわっと宇宙船からトラクタービームが飛んできてメイスンとザザールを宇宙船の中へと引き入れていく。
「ええー!」
「あ、ずりぃ! 俺も乗りたかったのに!」
 あっけにとられる慧華とどこか悔しがるジャスパー。とりあえず、ザザールの安全はこれで確保できただろうか。
「じゃあ、これからどうしよっか…」
「決まってるだろ。お前さんの予想が正しいなら、あの仮面が本体ってことだから、ぶっ壊してやらねえとな。 ガシャン、ジャキーン!」
 慧華の言葉に応えつつ、独特な形をした琴【猫の爪研ぎ】を【JOYFUL JET】によって火炎放射器へと変形させるジャスパー。ちなみに変形音は彼が口にしているのだ。
「機械と合体だと? こりゃまた男子の魂を揺さぶりまくる敵だな。よーし、向こうが合体で来るなら、こっちは変形で受けてたとう! 宇宙船ばっか見てるんじゃねえぞこの野郎!」
「私も行くよ!」
 そう言って二人は忍者達のもとへ駆け出すのだった。

 一方でキマイラ忍者『紫御殿』達は
「ゲェー!何でござるかあれは!」
「ちょ!サイズ感が半端なく違うでござるよ!最初の怪人が小さい段階で巨大ロボ出しちゃうくらい卑怯でござるよ!」
 突然現れた宇宙戦艦に対して口々に文句を言っていた。
「でも、あの宇宙船と拙者達が合体できたら最強でござらねえ?」
 何気なしに言った一人の言葉で空気が変わる。
「お前、天才じゃござらんか?」
「鬼才、現るでござる」
「これは偏差値高いでござるな」
 ものすごくやる気の出た忍者達は重機と合体した忍者達の中で、クレーンと【仮面合身の術】で合体した忍者が宇宙戦艦に向けてアームを伸ばし、狙いを定める。
「お前達、行くでござるよ!」
 他の忍者達が【仮面狼群の術】で仮面をつけた狼達を召喚し、クレーンのアームの上を走らせる。このままクレーンをジャンプ台にして宇宙戦艦へ飛び移る作戦か。
「おらおら、近寄れるもんなら近寄ってみろ! ブォォォー!」
「ちょっと侵入されるのは困るけーの」
 だが、それを阻止しようとジャスパーが火炎放射器で忍者達の動きを牽制し、メイスンがビーム機銃やレーザー砲で狼達を撃ち落とす。ちなみに、ジャスパーの火炎放射器の音は本人の口から出ている。
「ちぃ、宇宙戦艦忍者という浪漫の、邪魔するでないでござるよ!」
 ショベルカーと合体した忍者がジャスパーの前に立ちはだかる。するとそこに、
「ニンジャすごーい! なんで合体してるの?」
 感心した様子で慧華が声をかけてきた。
「すごいでござるか?いやー、照れるでござるな」
 お伊達に弱かったのか、照れるショベル忍者。
「やっぱり本体は仮面なの? さっきの仮面達は与えられなかったってことは体くれた人がいるのー?」
「もちろん、いるでござるよー。拙者達の上司は、スイーツの力で虜になった者達を自分の傀儡にして、拙者達の身体として与えてくれるんでござるよ。またそのスイーツが美味しいのなんの。やっぱ材料が人々の欲望だけあって…おっと、話しているだけでヨダレが…しまった!両手がショベルだからヨダレが拭けないでござるよ!」
「そっかー、ありがと、ね!」
「グワー!」
 手にした【ティアマトの杖】から強烈な光魔法を発し、忍者達の目を眩ませる。
(やっぱりキマイラ達をの体を乗っ取っていると、この人達の更に上の人がいるわけね)
 とりあえず、情報収集は上々といったところか。
(なら、後は無理して前に出る必要はないかな)
 このメンツの中で実力が一番低いと自覚しているのもあり、慧華は忍者たちがひるんだ隙に後退する。敵に実力を見破られ、自分が集中攻撃を受けるのではないかとも懸念したが、
「ブォォォー! オブリビオンは消毒だぁー!」
「く、こいつチョコマカと!」
「なんて鬱陶しい猫でござるか!」
 ジャスパーがいい具合にクレーン忍者を攻撃することで、それを防衛するためにも忍者達がジャスパーに攻撃をし、いい具合に引きつけてくれている。
(というか、これだけ固まっていれば、アレを撃つチャンス!)
 慧華は意を決してクレーン忍者のあたりを指さしてユーベルコードを発動させる。
「おっきいプリンに潰されるって幸せだよね!」
 突如、空から巨大なプリンが降ってくる。慧華の【プリンは至高のおやつ】の力である。
「グワー!」
「な、何でござるかこれは!」
「甘い、うまいでござるよ!」
「にゃ、にゃんじゃこりゃあ!」
 突然のプリンに押しつぶされ、忍者達は大混乱である。というか、ギリギリ難を逃れたジャスパーもびっくりである。
「プハッ!」
 そんな中、プリンの中を掘り進んだのか、ショベル忍者がプリンから顔を出す。
「突然のことでびっくりしたでござるが、所詮はプリン。掘り進んでしまえばどうという」
「ドカーン!」
 続いて上半身を抜け出そうとした忍者の顔面に向かってジャスパーが火炎放射器を叩きつける。ちなみに衝撃音はジャスパーの(以下略
「グワー!」
 突然の鈍器攻撃に仮面を叩き割られ、そのままぐったりと動かなくなるショベル忍者。合体しているショベルカーもボロボロと外れてゆくので、肉体となっているキマイラが仮面の呪縛から開放されたのかもしれない。
「プハッ!一体どうなっているでござ」
「ボカーン!」
「グワー!」
「プハッ!やっと出てこれたでござ」
「ドドーン!」
「グワー!」
 プリンから抜け出し、顔を出してきた忍者達を次々とジャスパーはもぐらたたきの要領で叩いてゆく。
 程なくして、埋まっていた忍者は全部出てきたようで、そこにはプリンに埋まっている忍者姿のキマイラ達と割られた仮面が散乱していた。
「これで一丁上がりだな。あ、このプリンうまっ!」
 などと言いながら、ジャスパーはプリンをもぐもぐ食べている。楽器を火炎放射器に変えるこのユーベルコードは、その力と引き換えに満腹感を代償として、お腹がとても減るのだ。正直、この後の体重が気になってしまうところである。
「とりあえず、埋まってる人達を助けましょうか」
 プリンに埋まったキマイラ達を慧華が引っ張り出そうとしたその時、
「くくく、甘いでござるな。プリンだけに」
「!?」
 突然の声にジャスパーと慧華は声の方向を見ると、割れた仮面が喋っていた。
「あの宇宙船には我々の仲間が既に侵入した。程なくして、我々の目的は達成する」
 よく見ると、クレーンのアームの先からワイヤーが伸びており、その先にはその先ではフックが宇宙戦艦に引っかかっていた。
「仲間の船に無様に倒されるといいで…ござ…るよ…」
 そう言って仮面は塵となって消える。
「ち、まずったな。あ、プリンはうまいな」
「向こうがなんとかしてくれるといいけど」
 そう言って二人は宇宙戦艦を見上げる。

 時間は少し前に戻り、
「ひあああああ!敵が来ましたよ!」
 戦闘の様子をモニターで見ていたザザールから悲鳴が上がる。ついでに顔面に浮かんでいる鍵も狂った方位磁針のようにぐるぐる回る。
 メイスンの迎撃をかいくぐって仮面の狼達が戦艦に穴を開け、クレーン忍者がフック付きのワイヤーをそこに掛けると、ワイヤーの上を走って忍者達が侵入してきたのだ。
「自分が作りだした戦艦じゃけー、多少破壊されても問題ないけーの」
(ちゅーか、ザザールの鍵のほうが問題じゃけーの)
 戦艦の中に連れてきた時点で、方向を示すための何かを遮断してしまったらしく、ザザールの顔の鍵が一定の方向に向かなくなってしまったのだ。どうやら、戦艦内に保護した状態で目的地へ行くのは無理そうだ。
「まー、敵に関してはこの様子じゃと、問題ないとは思うのがのー」
 戦艦と合体して取り込もうとした忍者達に対して、電流トラップを発動させて行動不能にさせるメイスン。
「グワー!」
「アババババ!」
 ミサイルでキマイラ達の肉体ごと粉々にするわけにはいかなかったので、あえて戦艦内に引き入れて、トラップで始末することを選んだのだ。
「ハッカーの根城を乗っ取ろうなんて、考えがプリンより甘いけーの。お、外の方も戦闘が終わったようじゃのー」
 モニターを確認すると、プリンに埋まった忍者達の姿があった。
「よし、合流するとするかのー」
「あ、はい!」
 そう言うとメイスンは行動不能にした忍者達と一緒にザザールを連れて戦艦から降りて慧華とジャスパーの二人と合流するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ダークプルティア『ダーク・シュトレン』』

POW   :    集まれ甘き闇の菓子!ダーク・シュトレンレッカー!
戦闘中に食べた【人々の欲望から作り出した菓子】の量と質に応じて【自身のダークティアパワーを増大させ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    甘き闇に溺れちゃえ!シュトレン・ダークフルス!
【闇に染まった大量のクリーム状特大ビーム】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    甘き闇をあげる!ダーク・グーテンアペティート!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分の菓子を食べさせる事で怪人や戦闘員】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:すねいる

👑7
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシズホ・トヒソズマです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最後の刺客
 忍者達の仮面は全て破壊した。これで、仮面にとらわれていたキマイラ達は開放されただろう。彼らが一通り無事なのを確認すると、猟兵達はザザールの鍵が示す方向へと猟兵達は進んでゆく。
「戦艦のモニターから見ていたのですが、皆さんすごかったです!怪人に襲われたのは怖かったですけど、猟兵の方々に助けてもらえたなんて、友達に自慢できちゃいそうです」
 猟兵達の奮戦を見ていたザザールは少し興奮気味に話す。
「あとは、これだけの体験をして、僕も少し度胸がついてきたかもしれないです。もう、ちょっとやそっとのことでは驚いたりはひあああああああ!」
 そんな事を言っていた矢先に突然ザザールの体が浮き上がり光りだす。場所は何の変哲もない広場のようだが、ここが目的地のようだ。
「ぼぼ、僕の身体どうなっちゃったんでしょう!?あと、なんかここから動いちゃいけないような気がします!」
 顔の画面の鍵は、動き出し、画面の中に鍵穴が現れたと思うと、そこに差し込まれる。そして、その映像の下に「15:00」と数字が現れ、1秒ごとに数字が減ってゆく。どうやらこのまま15分待てということだろうか。
 このまま待っているだけならばよかったが、そうはいかなかった。
「どうやら、あの子達はテレビウムの確保に失敗したようね」
 声がした方向を見ると、仮面をつけたキマイラ達を引き連れた、黒い戦闘スーツを来た仮面の少女だった。
「みなさんこんにちは。私の名前はダーク・シュトレン。『暗黒面』の幹部をさせてもらっているわ。部下達が世話になったようね」
 少女、ダーク・シュトレンはそう丁寧に自己紹介する。
「まあ、これから長い付き合いなるだろうからこのくらいわね。あなた達も私達『暗黒面』の仲間になるのだから」
 どうやら忍者の仮面達にキマイラの肉体を与えていたのは彼女で間違いなさそうだ。ザザールを守らなければいけないが、それだけでなく、この怪人の少女を見逃す訳にはいかない。
 猟兵達はダーク・シュトレンを倒すため、そしてザザールを守り抜くために戦闘態勢に入るのだった。
メイスン・ドットハック
【WIZ】
なるほどのー、キマイラを操らせておった奴の元締めかのー
そもそも暗黒面とか厨二病みたいな組織は御免じゃけーのー

ユーベルコード「紫色の賢者の石」を発動
宝石地龍ヴァフニールは、巨躯を活かしてザザールを守護
近づく敵は敵の能力でキマイラを操っていた場合、弱めの電撃ブレスで気絶狙い、死体の場合は両腕や尻尾で叩き潰して撃退を狙う
宝石獣カーヴァンクルは、飛行能力を活かしてダーク・シュトレインの上空に布陣
電脳魔術のミサイルやレーザーカノンなどで空爆を敢行
敵の攻撃は上空を飛翔してうまく回避するように心がける

自身はザザールと共にヴァフニールの後ろで安全を確保して、攻撃を喰らわないように心がける


朱雀・慧華
敵をやっつけつつ15分安全を確保しなきゃいけないんだね

初手から【UC:夢見る少女の不思議な世界】を発動
敵を私の意思で浮遊させることで行動の妨害しちゃう
あ、勿論味方も飛ばせるから空中戦したい人は言ってね!

鮮やかな青空色の七色空絵筆をくるりと回し
翼で羽ばたきながら
沢山の羽の生えた動物達やお菓子の家などを描く【全力魔法のアート】で
気を引きつけることで味方の攻撃補佐

あ、敵のおやつ技は可能な範囲でぜーんぶ横取りして食べちゃいます

説明しよう!
慧華さんは自分で頼むのは遠慮しちゃうけど
実は出されたものなんでも食べちゃうくらいには底なし胃袋なのだ!
(でも細身のスタイル変わらず)
えへへ、甘いものだーいすきっ♪


ジャスパー・ジャンブルジョルト
暗黒面だかなんだか知らねえが、この仮面の剣士JJに勝てると思うなよ。(まだマスクをつけてた)
専属チア団の応援を受けながら、蝶のように舞い、蜂のように……ドツきまくーる!(ツィターで乱打)
敵の攻撃を食らったら――
「やーらーれーたー!」(ばたんきゅー)
――と、死んだふり。(チア団が周囲でさめざめと泣く)
で、敵が菓子(ダーク・グーテンアペティート)を食わせるために近付いてきたら、素早く起きて「スーパースペシャルすっげースマッシュ」(ツィターで殴るだけ)をお見舞いするぜ!

●戦闘後
また腹が減っちゃった。
もっかい、コンコンしよっと。

他の猟兵の引き立て役や敵の噛ませ犬役など、お好きなように扱ってください。



●犠牲の果てに
「なるほどのー、キマイラを操らせておった奴の元締めかのー。そもそも暗黒面とか厨二病みたいな組織は御免じゃけーのー」
 敵の名乗りにメイスンは気だるそう感じで答える。
「な! 厨二病言うな! これでも結構大きな組織なのよ!」
「ほー、そーかそーか」
(ちゅーことは、幹部とは名乗っていても前線に出ているようなコイツは下っ端。狙う理由とかちゃんとした情報は持ってそうにないのー)
 などと分析をしていたりするが、その横で対抗心を燃やしている男がいた。
「暗黒面だかなんだか知らねえが、この仮面の剣士JJに勝てると思うなよ」
 まだドミノマスクをつけていたジャスパーことJJはツィターと呼ばれる弦楽器弦楽器【猫の爪研ぎ】をかっこよく構える。
「あら、なかなか仮面が似合っていて可愛らしいわね。暗黒面は自前の仮面のコも受け入れOKよ」
「かわいいじゃねえ、かっこいいだ! どっちにしろ、お断りだがな」
「とにかく、敵をやっつけつつ15分安全を確保しなきゃいけないんだね」
 そんな問答をしている横で慧華は自身のアート道具【七色空絵具】と【七色空描筆】で空中に絵を描き始める。
「皆にも夢を分けてあげる!」
 慧華のユーベルコード【夢見る少女の不思議な世界】でお菓子の家が建ち並び、宙に描かれた多くの羽の生えた動物達が暗黒面の幹部、ダーク・シュトレンに向かって飛んでゆく。
「ふん、そんな絵でしかない動物なんて怖くはないわ。お前達、やっつけてしまいなさい!」
 暗黒スイーツの力【ダーク・グーテンアペティート】によって戦闘員にされてしまったキマイラ達をけしかける。慧華の描いた動物に戦闘力はないと見込んでの判断だったのだろう。だが、【夢見る少女の不思議な世界】の力の真髄は描かれた絵そのものより、絵が取り囲む『空間』である。
「な、なんですって!」
 絵に近づいたキマイラ戦闘員達がふわりと浮き上がる。このユーベルコードの効果は空間を支配する絵画を放つこと。ダークシュトレン本人ならまだしも、彼女の戦闘員程度では、絵画の一部に取り込まれ、支配を受けることに抵抗できなかった。
「うん、思った以上にかかりがいいわ。この戦闘員さんと相性が良いのかしら?あ、勿論味方も飛ばせるから空中戦したい人は言ってね!」
「お、そうか。なら、俺も泳がせてもらうぜ!そして応援団、集合!俺の活躍を応援してくれよな!」
 自身のユーベルコード【JIVE JOCKEYS】によって、チアガール姿のネズミ達を呼び出すと、キマイラ戦闘員が浮かんでバタバタしている空間へとJJは飛び込むのであった。
「「「レッツゴー! JJ! ファイト! イェーガー!」」」
 チアガール達も応援してくれている。
「よーし、蝶のように舞い、蜂のように……ドツきまくーる!」
 JJも空間に入るとふわりと浮かぶが、そこはせわしなくバタ足をすることでキマイラ戦闘員のところまで進み、ツィターでドツく。
「ぐえっ!」
 そして殴った反動で別の戦闘員のところまで行き、ツィターでドツく。
「ぎゃわっ!」
 それを繰り返すことで絵画の空間内を縦横無尽に飛び回る。
「キャー! JJ!」
「ステキよー!」
 ネズミチアガールズ達も応援しているので、更にやる気が出るというものである。
「ほー、向こうは派手にやってるのー。ほいじゃ僕もやっとくかのー」
 二人が戦闘しているのを横目に、メイスンは【紫色の賢者の石】を起動させると、50cm程の宝石製の飛行する獣と5m程の宝石製の竜を召喚する。
「カーヴァンクル、ヴァフニール、後は任せたのー」
 宝石地竜ヴァフニールを動けないザザールの前に立たせ、自身もその後ろに隠れる。これで、ザザールの安全は確保できただろう。
 一方で、飛行宝石獣カーヴァンクルはふよふよとダーク・シュトレンの上空まで移動すると、上から電脳魔術によるレーザーやミサイルを飛ばしてくる。
「な、何なのよもう!」
 ダーク・シュトレンも闇色のビームをカーヴァンクルへと撃ち返す。カーヴァンクルの小ささも相まってか、回避行動に専念することで、何とか反撃をかわす。
「浮かんでる戦闘員にあの空間になれられても困るけー、ボスをカーヴァンクルがひきつけてる隙に…ヴァフニール」
 メイスンが命令を出すと、ヴァフニールの開いた口元がスパークし、電撃ブレスを戦闘員の集団へ浴びせる。
「「「ゴーゴー! ヴァフニール! ゴーゴー! イェーガー!」」」
 その攻撃にネズミチアガールズ達も応援してくれている(ただし、強化の対象になるのはJJだけではあるが)。
「ギャバー!!」
「グエー!」
「やーらーれーたー!」
 ヴァフニールの電流ブレスで次々と戦闘不能になる。
「まー、こんなとこかのー」
「ねえねえあれ、ジャスパーじゃない?」
 あらかたキマイラ戦闘員を行動不能にさせ、メイスンが一息ついたところで慧華が声をかける。
「ありゃ?」
 よく見ると、JJも電撃ブレスの直撃を受けたのか、電気ショック漁法を受けた魚のようにプカリと宙に浮かんでいる。
「あーん! JJが死んだ!」
「うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!」
「JJっ!死んじゃ嫌だああああああっ!! 」
 ネズミチアガールズ達も目の前の惨状に涙を流し、泣きじゃくる。
「いやいや! 僕は殺っとらんけー、ちゃんと死なないように調節したけーの!」
 ここで訂正しておかないと色々と面倒になる。メイスンが弁解しようとする。
「ひあああああああ!あの人、死んじゃったんですか!?」
「いやだから、死んどらんけー。ちゅーか、君は会話に混ざらんで大人しくしとけーの」
「ごご、ごめんなさい!」
「フフフ、チャンスね!」
 メイスンがザザールの相手をしている隙に、ダーク・シュトレンはカーヴァンクルの爆撃をかいくぐり、JJの元へと飛び込む。
「この状況を一発逆転させるチャンスが舞い込んでくるとはね。日頃の行いかしら?」
 ダーク・シュトレンが手にしているのは、彼女が人々の欲望から作り出したと言われる闇のお菓子。自身のパワーアップに使うだけでなく、食べた対象を自身の意のままに操ることのできる怪人や戦闘員にしてしまう、恐怖のお菓子である。
「猟兵を素体にしたら、さぞかし強力な怪人ができるでしょうね。さあ、お食べなさい!」
 ダーク・シュトレンがJJに闇のお菓子をさべさせようとしたその時、
「へっ、甘いぜ嬢ちゃん! スーパースペシャルすっげースマッシュ!!」
 JJがくわっ目を見開き、起きたかと思うと、スーパースペシャルすっげースマッシュ(ただツィターで殴るだけ)をダーク・シュトレンにお見舞いする。
「うぺえええっ!?」
 突然の攻撃に反応できず、吹き飛ばされるダーク・シュトレン。ネズミチアガール達の一喜一憂のパフォーマンスでパワーアップするJJのユーベルコード。死んだと勘違いされた悲しみすらも力に乗せた一撃だった。
「死んだふり作戦成功だぜ!」
「キャー! JJが生き返ったー!」
「JJ万歳!」
 キメ顔のJJに大歓喜するネズミチアガール達。
「納得いかないわ! 私がそんなふざけた茶番劇で追い詰められるなんて!」
「いや、その茶番劇にまんまと騙されたのは誰かのー?」
「黙りなさい!」
 メイスンの冷静なツッコミも怒鳴り返し、ダーク・シュトレンはゆらりと立ち上がる。
「こうなったら、闇のお菓子を食べさせるのは中止。私がこのお菓子を食べて得た力でアナタ達を…あれ?」
 あらかじめ準備していたお菓子を出そうとしたら、いつの間にかなくなっていた。
「えへへ、甘いものだーいすきっ♪」
 声のした方を見ると、慧華がもぐもぐとダーク・シュトレンの闇のお菓子を食べていた。
「うーん、ちょっと甘さがねちっこい気がするけど、これが闇の味なのかな?」
「ちょっと、返しなさい!」
 ダーク・シュトレンが手を伸ばすも、ダンスのステップのような動きでそれをかわし、もぐもぐと食べ続ける。
「説明しよう! 慧華さんは自分で頼むのは遠慮しちゃうけど、実は出されたものなんでも食べちゃうくらいには底なし胃袋なのだ!」
 しかも食べ盛りで食べても太らないのだ!
「アナタに出した覚えはないわよ!」
 慧華にツッコミを入れるダーク・シュトレンだったが、その背後にJJが迫っていた。
「まあ、どっちにしろ、アンタは詰みだぜ、嬢ちゃん!!」
 そしてツィターを振り上げる。
「もう一発スーパースペシャルすっげースマッシュ!!」
 スーパースペシャルすっげースマッシュ(ただツィターで殴るだけ)でダーク・シュトレンを天高く打ち上げる。
「きゃああああああ!!」
「ほんじゃ、トドメは任せたけー」
 メイスンがそう言うと、彼女の召喚していたヴァフニールとカーヴァンクルがそれぞれ電撃ブレスとレーザー砲を放ち、ダーク・シュトレンに十字砲火を浴びせる。
「お、覚えてなさいよおおおおお!!」
 悪役によくあるセリフを吐きつつ、ダークシュトレンは塵となって骸の海へ還っていった。

●猟兵の忙しない明日
『00:00』
 ザザールの顔の画面のカウントダウンが終わると共に、「ザ、ザザー」と砂嵐の画面になり、ザザールを包んでいた光が消える。
「あ、元に戻ったみたいです。皆さんありがとうございます」
「それが素の状態とは紛らわしーのー」
 メイスンは呆れた感じで言いつつもほっと一息つく。これで、ザザールがオブリビオンに狙われる危険性が格段に減っただろう。
「また腹が減っちゃった。もっかい、コンコンしよっと」
 戦いの緊張が切れたのか、放浪剣士JJだった時よりも口調が少し往くなってるジャスパー。
「ダーク・シュトレンのお菓子が残ってるけど、食べる?」
 そう言いながら、慧華は闇のお菓子を食べながら残っている分を差し出す。
「今日はスーパースペシャルすっげースマッシュを二発も使っちまったから、もう少し食べたいところだから、やっぱコンコンしてなんか集めてくるわ」
「いや、その前に、闇の力の染まったお菓子をそんなに食べて大丈夫なんかのー?意識を失ってる時に食べなければ、ただちに影響はないようじゃけんども」
「大丈夫、慧華ちゃんは食べても太らないから」
「いや、そう言う意味じゃのーて」
 あっけらかんとした慧華に、言っても無駄かなーと思い始めたメイスンの姿を尻目に、ジャスパーは近くの壁の前に立つ。
「さて、ここをコンコンしたら何が出てくるか…」
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「ふぎゃっ!」
 眼の前の壁がいきなり喋りだし、びっくりして後ろに転げるジャスパー。
「にゃ、何なんだ一体!?」
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
 よく聞いてみると、目の前の壁だけでなく、周りの建物がそう喋っている。そして、こう言葉を続ける。
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
「し、しすてむふらわーず?」
「何それ?それに侵入者って?」
 聞き慣れない単語と剣呑な言葉に戸惑う猟兵達。
「こりゃー、面倒事がまだまだ続きそーじゃのー」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月29日


挿絵イラスト