テレビウム・ロック!~その謎を知ったかぶるモノ
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「ところでキミ達は、キマイラフューチャーで今起きてる事件を知ってるかな? テレビウム達の顔に突然『鍵のような映像』が映し出されて、怪人……つまりオブリビオンに襲われちゃうって言う事件だよ」
一部では『テレビウム・ロック事件』などとも呼称される一連の騒動……何が起きているかは分からないが、何かが起きているのは間違いないだろう。
「キミ達には、この事件のうちの1つを解決するため、キマイラフューチャーに飛んでもらうよ!」
今回襲われてしまうテレビウムは、ワットと言う名前の11歳の少年。好奇心旺盛で元気いっぱい、わんぱく盛りの年頃だ。
顔が鍵になってしまった事にも、恐れや不安よりも驚きが主となっているようである。キマイラフューチャーの住人らしく、猟兵の事は『人気者』『ヒーロー』と認識しているようで、話しかけられれば興奮して喜ぶし、何かしらお願いされれば、それがとんでもない事でなければ聞き入れてくれる筈だ。
「まあ、流石に怪人に襲われたら慌てるし怖がるだろうから、勇気づけてあげるのも良いかも知れないね」
起きている事件は謎が多いが、すべき事は比較的簡単だ。テレビウムを襲う怪人達を倒す。次にテレビウムを襲う怪人達を倒す。最後にテレビウムを襲うボス怪人を倒す。
これだけである。
一応ワットを守る必要もあるが、怪人達は基本的に、脅威となる猟兵の排除を優先するため、殊更護衛が必要と言う訳でもない。
「まあとにかく戦えば良いってことだね……ただ、今回戦ってもらう怪人にはみんな共通点が有ってね」
思い出したように指を立てて、説明を付け加えるくるる。
「どうやら、この事件の謎を知っている……ような気がするような、しないような感じなんだ」
なんだそれ。
「まず最初にワットを襲うのは、アルパカマッスルブラザーズ。アルパカの頭とマッチョな人間の身体をした集団……だね」
彼らに対して事件の事を聞くと、何かしらの答えが帰ってくると言う。
「ただし筋肉で」
筋肉で。
「彼らの意思疎通方法は全てポージングによる筋肉言語だからね。もし何か知ってたとしても、それをボク達が知るすべはないかな……」
『それやっぱり何も知らないんじゃ?』と言われれば、そういう説もある。
「次に出現するのは、ベルーガって言うシロイルカの怪人だよ」
出現すると、彼らはキミ達に、『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』と問いかけてくる。
「それに対して、こちらが何か質問すると……無視してくるんだ」
無視。
「質問だけはするけど何も答えてはくれない。それがベルーガだからね」
『それやっぱり何も知らないんじゃ?』と言われれば(以下略)。
「最後は、安西九郎・来伝・ペディアと名乗る、狐キマイラ風の少女怪人が出現するよ」
彼女は、質問すればちゃんと答えてくれる。筋肉でもない、無視でもない。問いかければ必ず答えてくれる。
「ただし全部デタラメだけどね」
もはや『知っているかも』要素すらなくなった。
「まあ、そういうオブリビオンだからね……」
なお万が一偶然に真実を口にしていたとしても、当方の関知する所ではない。
「と、まあ、変な怪人三連発だけど! ワットが襲われるのと、謎の事件が発生してるのは本当だから!」
緩んだ気を引き締めるように言うと、くるるはわざとらしいほど可愛い笑みを浮かべ、ポーズを取って猟兵達を見渡す。
「とにかく、この事件を追えば何か見えて来るかもしれない。だから、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ」
一二三四五六
顔が鍵になるってどんな気分なんでしょうね。
ごきげんよう。期間限定依頼、テレビウム・ロック事件をお届けします、一二三四五六です。
キマイラフューチャーで発生した謎の事件。その裏には一体何が起こっているのか……その端緒を掴むためにも、まずはキマイラの少年を守り、怪人を撃退してください。
第一章の集団戦『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』はニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)さん、第二章の集団戦『何も答えてくれないベルーガ』はマルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)さん、第三章のボス戦『安西九郎・来伝・ペディア』は水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)さんの投稿です。ありがとうございます。
補足。
オブリビオン達は本当に何も知りません。と言うか、何より一二三が何も知りません。なのでリプレイ中で真実が判明する事はありません。
読心してブラザーズの思考を読み取ろう、とか、ベルーガを何らかの方法で自白させよう、とか考えても無駄です。
が、ダメ元でやるのは自由です。決して真実は明らかになりませんが、リプレイはなんか面白くなるかもしれません。
期間限定依頼なので、執筆は通常より早めになります。とりあえず第一章は明日の朝~昼ぐらいまでには返却したいです(参加人数次第ですが)。
第二章以降は、もう一本のシナリオの第一章を優先するのでちょっと間が空きますが、どちらにせよいつもよりは返却が早いです。つまりプレイングの〆切も早いです。
とはいえ、最短でも受付開始日の27時ぐらいまでは特に問題なく受け付けますし、それ以降も行けるようならなるべく採用するので、そこまで焦らずにどうぞ。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
第1章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
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POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
月守・咲凛
とりあえず、やはり情報は仕入れておきたいのです。
以前にきんにくで対話を試みた結果、不幸にも理解し合う事は出来ずアルパカさんの全身を峰撃ちで蜂の巣にするという結果となってしまったのですが、諦めずに今回もきんにくでの対話を試みてみましょう。
アルパカさんの前にトコトコと歩いていって、目の前でふにゅーん、と同じポーズを取ってみます。なお、盛り上がるような筋肉はありません。
次々とポーズを変えるアルパカさんの真似をして色々とポーズを取ってみますが、やっぱり良くわかりませんので
「なんで教えてくれないんですかー!」
と正当な怒りをぶつけて全身くまなく蜂の巣になって貰いましょう。慈悲はありません。
弥久・銀花
こらー! 頭以外はパンツ一丁の変質者! その子から離れなさい!
現場に来た私は愛刀を抜いて、切っ先を突きつけながら警告を発します。
そしてちょっと様子見です、返答を待たないで斬り掛かるのは時と場合と、それから主に私の気分に依りますので。
……、何か言ったらどうなんですか?(ポーズを決めてるアルパカの胸筋が激しく上下動しています)
…………(銀花はイライラしてきました)、止むに止まれぬ事情があって子供を襲ったのなら殺す前に聞いてあげますよ。(アルパカ共のお尻の大臀筋の側面が凹んだり戻ったりしてます)
………………(銀花の額に血管が浮いてるようです)、私は頑張りました……。
もう良いでしょう、鋭刃線閃!
アーサー・ツヴァイク
※アドリブ共闘大歓迎
か弱き少年を筋肉で恐怖に陥れる非道な行為…お天道様はもちろん、何より俺が許さねえぜ!
そういうわけでまずは【フルスピード・スカイドライブ】で筋肉軍団の中に突撃。
インパクトのある登場で筋肉軍団の目をこっちに引き付けるぜ!
後は【怪力】や【グラップル】、【投擲】を駆使して近くの筋肉を投げ飛ばしたり殴り飛ばしたりだ。
一ヶ所にまとめたら【レイシューター・フルバースト】でまとめてぶっ飛ばす!
ポージングばっかしやがって、骸の海で一生やってろ!!
日和見・カナタ
困っている人がいる以上見過ごすことは出来ません……出来ませんが。
こう、状況が奇妙すぎてどうしたら良いかまったく分かりませんね!
ええと、ともかく。とりあえずワットくんの安全を確保することにしましょうか。
まずはワットくんと接触して、オブリビオンの襲撃に備えます!
【ガジェットドローン】を飛ばして周囲の警戒は怠らないようにしますね!
オブリビオンを発見したらワットくんには安全な場所に行ってもらって、その後で倒しに行きますよ!
質問は……正直、筋肉から意味を読み取ったりはできないので、余裕があったらするくらいにしておきます!
【アドリブ、協力歓迎】
露木・鬼燈
ついに来てしまったか、キマイラフューチャー。
独特の雰囲気なので敬遠していたのですが…
まぁ、来てしまった以上はお仕事がんばるです。
ここでは素顔を晒して身バレすると面倒な気がする。
化身鎧装<黑鐵>を展開して顔を隠すです。
この世界にいる間は絶対に解除しないっぽい!
準備完了、敵を倒しにいくです。
うん、やる気が削がれる変な怪人だよね。
でも、お仕事だからっ!
事件について聞くだけ聞くけど…
うん、全くわからないっぽい!
筋肉言語とか知らないから仕方ないね。
ってなわけで、もう用済みなんで死ねっ!
重力を操り渾身の一撃をくれてやるのです。
不意打ちはヒーロ的にNG?
僕はダークヒーロー系なのでセーフっぽい!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
テレビウムの方への電波ジャック?とか、明らかにナニかが裏にある類の騒乱ですよねえ……
ともあれ、まずはコトを治めるのが最優先ですわね
ワット少年に迫る怪人に上から砲撃を浴びせて牽制し、間に降り立つと同時に斧槍での薙ぎ払いを
……。その気の抜けたような草食動物系の顔立ちにそのカラダはミスマッチでは…?
逞しい肉体の誇示はまあいいとしましても(嫌いではありませんし)、いかんせん顔が残念すぎて…
もう少しこう、精悍な顔つきで生まれ直してきていただければと思うのですけれども
などとぼやきながらも、(洗練された悩ましげな躍動する姿態で)敵中を飛び回ってUCで片っ端から蹴散らして参りましょうか、と
※アドリブ・絡み歓迎
「う、うわぁ、なにこれぇ!」
自分の画面に鍵が映し出され、狼狽するテレビウムのワット。そこへ、カナタが駆けつけた。
「大丈夫ですか!?」
「う、うん、大丈夫だけど……わ、わぁ!?」
戸惑った様子のワット……だが、そんな彼をさらに戸惑わせるように、マッチョならアルパカ集団が出現する。
「くっ、早いですね……とにかく安全な所に隠れていてください!」
「わ、わかった! ありがとう!」
慌てて物陰に避難するワット。カナタはドローンに周囲を警戒させながら、それを追おうとするアルパカブラザーズの前に立ちはだかる。
「困っている人がいる以上見過ごすことは出来ません……出来ませんが」
それにしても。目の前の相手はいろいろと、なんと言うか。
「こう、状況が奇妙すぎてどうしたら良いか……っと!?」
困惑するカナタ、その隙をついて素早くブラザーズは、カナタに近づき……そして、見事なポージングを決める!
「ええと……」
ポージングを決める!
「……」
とりあえず殴り飛ばすと、一匹吹っ飛んでいった。その事に遺憾の意を示すポージングを決めるブラザーズ。
「……こう、状況が奇妙すぎてどうしたら良いかまったく分かりませんね!」
「うわぁ……」
それを物陰から見ていた鬼燈も、反応に困りきった顔を浮かべる。
「キマイラフューチャー、独特の雰囲気なので敬遠してたけど……予想以上に意味分からないっぽい!」
とはいえ、仕事に来た以上は真面目にやる気はある。いつまでも躊躇い戸惑っているつもりはない。
「でも、ここでは素顔を晒して身バレすると面倒な気がするから……!」
その身に、黒き鐵の外骨格を纏う事で、顔を隠す。
「この世界にいる間は絶対に解除しないっぽい……やあっ!」
強い決意と共に、呪炎の噴射を後押しに勢いよく飛び込むと、後ろから不意をついて、後頭部に重力を纏った蹴りを叩き込む。
「まあ不意打ちはヒーローっぽくはないけど……僕はダークヒーロー系なのでセーフっぽい!」
どうセーフなのかは分からないが、ビシッと指を突きつける鬼燈。
「さあ、何が目的なのか白状してもらうから!」
その問いかけに対し、ブラザーズはその筋肉で返答。物言いたげなポージングを次々と決めていく。
「……うん、全くわからないっぽい!」
「待ってください、なら私が!」
困惑する鬼燈の元へやって来たのは咲凛だ。とことことブラザーズの前に歩み出た彼女は、そのマッスルボディを見上げる。
「以前は不幸にも理解し合う事は出来ず、アルパカさんの全身を峰撃ちで蜂の巣にしてしまいましたが……」
峰打ちとはいったい。
「ですが、今度こそ! わたしのきんにくで見事対話を果たしてみせますよ!」
ググッ、と見せつけるようなマッスルポーズを取る咲凛。
「ふんっ、どうですか!」
いや、ググッと言うよりは、ふにゅーんと言うか。マッスルと言うよりはろりぷにと言うか。
「ふんっ! ふんっ! さあ、あなた達の目的を教えてください!」
盛り上がる筋肉など一切ない。それでも必死にポーズを決めていく。
「……おお?」
すると、ブラザーズもそれに応えるようにポーズを決め始める。その様子を、首を傾げて見守る鬼燈。
「……意思疎通っぽい?」
その会話らしきポーズ合戦は、おおよそ数十秒繰り広げられ。
「……なんで何にも話してくれないんですかー!」
咲凛の全身の火器が火を噴き、ブラザーズ達を撃ち抜いていった。
「ええー。会話してたんじゃ……」
「全然、何にも教えてくれませんでした!」
ぷんすかと怒りを露わにしながら、さらに火線を集中していく咲凛。
「だからこれは正当な怒りです! 慈悲はありません!」
「……あー……まあ」
納得と困惑の合間でどうしようか考え込んだ鬼燈は。
「とにかく用済みっぽいので死ねっ!」
とりあえず渾身の力を込めて蹴りを叩き込んだ。
「……っと、そっち、行きました、気をつけてください!」
倒しても倒してもどこからか湧いてくるブラザーズ。ドローンでその位置を把握したカナタが叫ぶ。
「う、うわぁ……!」
ワットに迫る筋肉達……と、その瞬間。
『Select……FLYING ACTION!!』
どこからともなく響く電子音。そして、太陽を遮るように上空に影が差す。
「せぇぇりゃああっ!」
強烈な飛び蹴りでワットに程近い一体を強烈に蹴り飛ばし、ド派手な登場を決めるアーサー。
「か弱き少年を筋肉で恐怖に陥れる非道な行為……お天道様はもちろん、何より俺が許さねえぜ!」
いや、光の戦士・ドーンブレイカー。真紅の装甲に身を纏い、マフラーを靡かせたヒーローが、華麗にポーズを決める。
「ええ、その子から離れて頂きますわ!」
次いで降り注ぐは上からの砲撃。光焔の火線が雨のように降り注ぎ、周囲のブラザーズを吹き飛ばす。
「テレビウムの方への電波ジャック……明らかにナニかが裏にある類の騒乱ですけれど」
白き翼をはためかせて降り立つのはフランチェスカ。砲火から逃れたブラザーズを斧槍で殴り飛ばしながら、ドーンブレイカーの横に降り立つ。
「ともあれ、まずはコトを治めるのが最優先ですわね」
「ああ。こいつらを全員、ぶっ倒す!」
真紅の装甲ヒーローと、白翼の砲戦淑女。まさしくヒーロー・ヒロインと言うべきその勇姿に、ワットはその目を輝かせる。
「うわぁ、かっこいい……ん、だけど……」
が。残念ながらその相手はアルパカマッスルブラザーズなのである。いまいち決まりきらない。
「こらー! 頭以外はパンツ一丁の変質者! その子から離れなさい!」
愛刀を抜き放ち、銀花もそこに走り込んで来た。刀の切っ先を突きつけ、ブラザーズに迫る。
「何か言う事があれば聞きますよ! 返答を待たないで斬り掛かるのは時と場合と、それから主に私の気分によりますからね!」
その問いかけに、ググッ、とポーズを決めるブラザーズ。
「……何か言ったらどうなんですか?」
胸筋を激しく動かして応えるブラザーズ。
「……止むに止まれぬ事情があって子供を襲ったのなら殺す前に聞いてあげますよ」
イラッ、と表情を歪めながらも、それでも根気強く問いかける銀花。
大臀筋の躍動を見せつけるブラザーズ。
「……私は頑張りました……頑張りましたよね?」
「ええ、まあ……」
青筋を立てて怒りを露わにする銀花に、フランチェスカも同調してため息を漏らす。
「逞しい肉体の誇示はいいとしましても……」
筋肉自体は、確かに鍛えられたものだ。それで会話する是非はともかくとして、フランチェスカ個人としては嫌いではない。が。
「その気の抜けたような草食動物系の顔立ちに、そのカラダはミスマッチでは?」
そんな言葉に、ショックを受けたようにマッスルポーズを決めるブラザーズ。いや、アルパカの顔は一切表情が分からないので、実際の所は何考えているか分からないが。
「もう少しこう、精悍な顔つきで生まれ直してきていただければ……」
目の保養になるものを、と言う言葉は呑み込んで、構え直す。
「もう、良いでしょう……斬ります! 鋭刃線閃!」
愛刀の錆にしてくれると、刀を振るう銀花。研ぎ澄ました一閃がブラザーズを斬り捨てる。
「……ふざけてるんですか!」
斬られる瞬間まで……いや、斬られて斃れるまでポージングを絶やさないブラザーズ。斬り捨てても怒りは晴れるどころか増すばかりで、刀を振るう手にも力がこもる。
「まあ……そうですわね、会話は成立しないようですし」
改めて翼を広げ、飛翔するフランチェスカ。敵中を飛翔し、その斧槍で筋肉を力強く断ち切っていく。洗練された空戦は周囲の目を引きつけ……同時に、悩ましく躍動する肢体は、意図せず周囲を誘惑する。
「……コホン。とにかく、さっさと片付けるか!」
それに視線を奪われないように咳払いを一つ。猟兵達の攻撃で混乱状態にあるブラザーズを殴り、蹴り、投げ飛ばし。大立ち回りの格闘戦を仕掛けていくドーンブレイカー。
「そろそろ決めるぜ!」
残りの敵を一箇所に集めると、手にした『ライフォン』のアプリを選択、ドライバーに翳す。
『Select……BURST ACTION!』
太陽の光が砲身に集まり、砲弾へと変化していく。その圧倒的な光量を前に、ブラザーズ達は焦ってポーズを決め。
「ポージングばっかしやがって……骸の海で一生やってろぉ!!」
解き放たれたフルパワーの光閃が、そのポーズごと、光に呑み込んで消滅させた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『何も答えてくれないベルーガ』
|
POW : おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:ケーダ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ふぅぅ……ありがとう、みんな。かっこよかったよ……!?」
猟兵達に感謝の意を表するワット。だが、それも束の間、彼のテレビ画面が明滅する。
「う、うわぁ、何、何なのっ!?」
そうして画面が切り替わり、今度は地図が表示された。現在位置と、そしてもう一点、別の場所がチカチカと点滅している。
「な、何この地図。ここへ行けって事なの!?」
およそ1kmほど離れた地点。どうやらそこに行け、と言う指示のようだ、が。
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
「うわああっ!?」
今度は白イルカの怪人が、彼らを取り囲むようにやって来た。彼らは皆一様に、その斜め上に吹き出しを表示している。
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
『テレビウム・ロックについて……』
「こ、怖っ……み、みんな、助けてっ……それとボクをこの地図の所に連れていって!」
声を発している訳ではなくただの吹き出し表示なのだが、それでもやっぱり怖い。
怯えた様子で、ワットは猟兵達の影に隠れる。
この白イルカ……ベルーガ達の追撃をかいくぐり、ワットを地図の場所に連れていかねばならない。
弥久・銀花
今度は海豚が襲って来る訳ですね。
マッチョで毛が少ないケダモノといい、毛が無い空飛ぶ似非海洋哺乳類といい、この世界のオブリビオンは一体どんな酷い事になってるのでしょう?
とりあえずワット君をお米様抱っこで肩に担いで【ダッシュ】で移動しましょう。
「聞きたい事はありますし、貴方方は何か知ってるかもしれませんが、態々胡散臭いモノから聞き出して、しかもそれの真偽を吟味するほど暇でも酔狂でもないんですよ!」
ここは強行突破です、真の姿を現し、可能性の風を使用して身体能力を引き出してとっとと進んじゃいます。
【地形の利用】で上手く追跡を撒きながら目的地へと進みます。
止むを得ない時は刀で応戦です。
露木・鬼燈
筋肉言語で会話できるわけないよね。
無駄な時間を過ごしてしまったです。
でも次こそは大丈夫っぽい!
だって向こうから聞いてきてるから。
うん、あるあるちょー聞きたいかも!
だから聞きたいってさっきから言ってるっぽい!
聞きたいってばー!ねー!きこえてないのー?
イラッ!
こいつはダメだね壊れてるっぽい。
でも大丈夫、僕は知っているですよ?
壊れた機械は叩けば直るってことを。
だから答えるまで叩かないとねっ!
魔剣を戦槌形態に変形。
容赦なく叩き付けるのです。
お前がッ答えるまで叩くのをやめないッ!
ほら、さっさと答えるですよっ!
んー、完全に壊れた?ってゆーか、骸の海に沈んだっぽい?
でも大丈夫、まだまだ代わりはいるからっ!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
何を聞いても鸚鵡返しが返ってきて無駄な時間を使うやつですよね、コレ
…その吹き出し、視界に入るもの少々煩わしいのでちょっと下がっていただけません?
全力砲撃でぐるりと薙ぎ払って空間的な余裕を確保しましょう
この距離でしたら、わたしがワット少年を抱えて全速で飛ぶのが手っ取り早いですかねー…?
場合によっては激しい機動も予想されますから、ワイヤーで固定してしっかりと抱きかかえましょうか
…? どうなさいました?(位置的にワット少年の頭部の感触が凄いことになってるかと思われます)
追撃の対処は他の方にお任せして、万が一飛んで追ってくるベルーガが居ればUC:ホーミングシフトで一掃と参りましょう
※アドリブ・絡み歓迎
月守・咲凛
とりあえず、やはり情報は仕入れておきたいのです。
……謎の連呼ちょっと怖いけど質問はしておくのです。
テレビウムロックって何なのですか?地図の場所には何があるのですか?そこに行ったら何が起こるのですか?
……あの……?
一応意思疎通の努力はしてみますが、どうやら普通には答えてくれないという事を理解したら、一体ずつ倒しながら次のベルーガさんに質問していく方式に切り替えてみましょう。
そちら方面にはあまり我慢強くはないので、だんだんガトリングで少しずつ端っこから削っていったりチェーンソーでゆっくり刻んでいく方向にシフトしてしまったりもしますが答えてくれないので仕方ないのです。
アーサー・ツヴァイク
※引き続き協力アドリブ大歓迎
手前ェらに聞きたいことなんか一つもねえよ。とっとと失せな!
引き続き【フルスピード・スカイドライブ】を発動して、超高速移動を開始。イルカ共を全てを消すモードとかいう物騒な状態にさせて、高速で動く俺とライドランに敵の目を引き付けさせるぜ!
それでもテレビウム君を狙う空気読めないイルカがいたら、高速移動を維持したまま体当たりして【吹き飛ばし】だ。超耐久力でもマッハ3で衝突して吹き飛ばせば、すぐには追いつけない距離まで引きはがせるだろ!
付近のイルカを排除したら、速度を落としてテレビウム君を保護。バイクに乗せて地図の場所まで移動しよう。
日和見・カナタ
また奇妙な敵が……!
くるるさんの話によると何も答えてくれないそうですが、反応を見れば手がかりが掴めるかもしれません。
ダメ元でちょっと質問してみることにしましょうか。
とりあえず【ガジェットドローン】で弾をばらまいてベルーガの注意を引きましょう!
そのあとはベルーガたちが追うのを諦めない距離を保って逃げることにしますね!
【機械蜂】で一直線の細い道を探して誘導したら、【ロケットパンチ】で調教師のおじさんごと一網打尽にしますよ!
「ちょっとくらい反応してくれたっていいじゃないですかー!」
【アドリブ、協力歓迎】
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
「うん、あるある。ちょー聞きたいかも!」
ベルーガに向けて、期待を露わに問いかける鬼燈。
「さっきは筋肉言語で会話できるわけなかったけど、今度はいけるよね!」
そんな期待に満ちた瞳に応えるように、ベルーガは一旦吹き出しを消して、新たな吹き出しを表示する。
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
全く同じ事が書かれていた。
「だから聞きたいってさっきから言ってるっぽい!」
話が通じない。徐々にイラッとした表情を浮かべ始める鬼燈。
「ここは具体的に質問しないといけないのかもしれません!」
咲凛も諦めず、手段を変えて問いかける。。
「テレビウムロックって何なのですか? 地図の場所には何があるのですか? そこに行ったら何が」
『テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?』
食い気味に吹き出しを見せつけられた。
「……あの……?」
「ほんとに質問するだけなんですね……」
反応から何か掴めないかと観察していたカナタも、諦めたように首を振る。ベルーガは常に笑顔のまま、吹き出しを見せつけてくるだけ。
『テレビウム・ロックについて聞きた』
「せいっ!」
ついにはそれを遮るように、鬼燈が戦槌に変えた魔剣をベルーガの脳天に叩きつけた。
「こいつはダメだね、壊れてるっぽい……でも大丈夫」
とてもとても良い笑顔を向け、がっつんがっつんとさらに叩きつけていく。……笑顔は笑顔だが、目が笑っていない。
「僕は知っているですよ? 壊れた機械は叩けば直るってことを」
「なるほど、いい考えですね!」
咲凛も素敵な笑顔でそれに賛同すると、全身の火器をベルーガに叩きつける。
「それにこんなにたくさんいるんですから! 一体や二体倒しても、次のベルーガさんに質問すればいいですよね!」
「おお、それもいい考えっぽい!」
にこやかな笑顔で同意し、頷く鬼燈はさらに戦槌を振るい、何度も何度も叩きつけていく。
「お前がッ、答えるまで、叩くのをやめないッ!」
『テレ……ロッ……聞き……』
ボコボコになり、消滅していくベルーガ。
「んー、完全に壊れた? ってゆーか、骸の海に沈んだっぽい?」
「ちゃんと質問に答えてくれないからですよ~?」
ニコニコといい笑顔を向ける咲凛は、円盤状のビームチェーンソーを飛ばし、端からベルーガの身体を刻んでいく。
『テレビウム・ロロロロロロロロロ』
「どうしたんですか~、ほら、ちゃんと答えてくださいね」
敢えて真っ二つにはせず、端だけをゴリゴリと痛めつけていく。
「それともこっちで質問するのが良いですか?」
さらに、ガトリングで端っこの肉を削り取るように撃ち込んでいく。
「ほら、質問してるんだから……ね?」
にこやかに良い笑顔を浮かべて『質問』を続ける咲凛。なお、人それを拷問と言う。
『テレビウム・ロックについて知りたい事はありますか?』
だがベルーガ達は当然拷問にも答えない。それどころか、さらに集まって来て、数を減らしてもキリがない。
「マッチョで毛が少ないケダモノといい、毛が無い空飛ぶ似非海洋哺乳類といい……」
そんな有様に、深く嘆息を漏らす銀花。
「この世界のオブリビオンは一体どんな酷い事になってるのでしょう?」
「何を聞いても鸚鵡返しが返ってきて無駄な時間を使うやつですよね、コレ」
フランチェスカも嘆息を漏らしながら、自らの周囲に光焔を生み出していく。
『テレビウム・ロッ』
「その吹き出し、視界に入るもの少々煩わしいので……ちょっと下がっていただけませんかし、らっ!」
セメントな一言と共に、周囲のベルーガ達を薙ぎ払っていくフランチェスカ。次々とベルーガの身体に突き刺さり、内側から爆破していく。
「さて……それじゃあちょっと失礼しますよ、ワット君」
「わわっ!?」
驚いた様子のワットを、ひょいと米俵のように担ぎ上げる銀花。その身体に風を纏い、地を蹴って駆け出していく。
「しっかり捕まっててくださいねっ!」
「う、うんっ!」
ワットがしがみついたのを確認すると、さらに加速する銀花。無論ベルーガ達も逃がす気はなく、一気に追跡して来る……のみならず、前方にも新たに現れたベルーガが立ちふさがる。
「テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?」
「……うわぁ」
その上、新たなベルーガ達は、その背に調教師を乗せていた。
シロイルカの上に乗る。日焼けした髭モジャの中年。思わずげんなりとして、走る脚から力が抜けかける。
「テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?」
「一応、こっちの調教師達は吹き出しじゃなくて会話できるんですね……」
銀花に並走して駆けながら、ドローンの弾丸で遮るベルーガを散らしていくカナタ。
「あ、そこの路地、右です!」
「ええ、わかりました!」
超小型の蜂型観測機群から得た情報を銀花に伝え、狭い路地へと突入させる。そしてカナタ自身もそれを追いつつ、路地の半ばでぐるんと振り向いた。義足で急ブレーキをかけて、堂々と立ちはだかる。
「さあ、ここは通しませんよ。何を知ってるのか、話してください!」
拳を真っ直ぐに突きつけながら、ダメ元で問いかける。調教師ならベルーガと違って何か話してくれるかと、儚い期待を抱くが……。
「テレビウム・ロックについて聞きたい事はありますか?」
やっぱりダメだった。
「……ちょっとくらい、反応してくれたっていいじゃないですかー!」
「テレビウムー!?」
怒りと共にその義腕から蒸気が吹き出し、義腕が切り離されて飛翔した。狭い路地、一直線に並んだベルーガ達が、調教師ごと吹き飛ばされていく。
『テレビウム・ロックについて何か聞きたい事はありますか?』
「しつこい……!」
一方、先行した銀花の方も、まだまだ現れるベルーガに辟易していた。刀で払い除けて進んでいくが……次第にベルーガの様子がおかしくなってくる。
『テレビビビビビビビ、ロロロロ、何か聞きききき』
「……バグですかね?」
嫌な予感と共に刀を叩きつける銀花……だが、手応えが先程よりも硬い。
「……このっ!」
なんとか振り切って両断するものの、『全て消すモード』に入ったベルーガは一気に性能が向上している。
ワットを抱えながらではそろそろ相手をするのが厳しくなって来た……と、そこへ、爆音と共にバイクが飛来する。
「手前ェらに聞きたいことなんか一つもねえよ。とっとと失せな!」
ドラゴンの頭を象った『ライドラン』に跨るのは、もちろんアーサー、いや、ドーンブレイカーだ。吹き出す蒸気を身に纏い、周囲のベルーガを高速で蹴散らしていく。
『テレ、テレ、テレレ、聞き、きたたた』
「くそっ、気味が悪い奴らだ……だが、テレビウム君には手を出させねぇぜ!」
地のみならず、空を駆けるライドランの勇姿。その速度でベルーガ達を引きつける。
「ついてこい、こっちだっ!」
『テレレ、テレ、テレ!』
追ってくるベルーガ達の中には、軍用ベルーガの姿もある。だが、その放つガトリングガンの銃弾を最高速で引き離し、熱線を巧みな機動で回避していく。
「追わせねぇって……言ってんだろっ!」
『テレー!』
さらに急降下すると、自分についてこないベルーガを強烈な体当たりで轢き飛ばす。吹き飛び、星になっていくベルーガ。
「ここからは、わたくしが空から運びますわ!」
「そうですね、お願いします!」
ドーンブレイカーがベルーガを引き離している間に、空からついて来ていたフランチェスカが、銀花からワットを受け取った。ワイヤーで身体をしっかりと固定し、再び空へと舞い上がる。
『聞きたい事は、聞きたい事、聞きたい事は?』
「聞きたい事はありますし、貴方がたは何か知ってるかもしれませんが……」
ワットと言う荷物を渡して手軽になった銀花は、それを追おうとするベルーガに向き直り、刀を構える。
「態々胡散臭いモノから聞き出して、しかもそれの真偽を吟味するほど暇でも酔狂でもないんですよ!」
一閃……硬い皮膚であろうと、万全の体勢で振るわれた愛刀を阻める物ではない。
「さて、マップで示した位置はそろそろですわね……」
「う……うん」
高層ビルを飛び越え、目的地へと向かうフランチェスカ。だが、地図を覗き込むと、何故か画面が少し赤い。
「おや、これは……まさか新たな情報が?」
「い、いや、そういうんじゃないんじゃないかな!?」
不思議そうなフランチェスカと、慌てるワット。その赤みは地図と言うよりワット自身の感情で……ワイヤーで固定された事で、むぎゅりと後頭部に柔らかな膨らみが当たっているせいである。テレビウムの性的嗜好は千差万別だが、彼は人間型にも魅力を感じるタイプのようだ。
『テレッ、テレッ! テレビウムッ!』
「ああ、もう、まだ追って来るなんて……ワット君、一応固定していますが、しっかり捕まっていてくださいね?」
「う、うむぶっ!?」
片手でしっかりと抱き寄せると、余計に胸が密着し、彼の画面がさらに赤くなる。
だがフランチェスカは気にせず、振り向きざまに無数の光焔を放った。
『テレビウム、テレビウム、テレッ!?』
「いい加減、しつこいんだよっ!」
ベルーガ達を正確に追尾し、撃ち落とす光焔。その爆発の中を、ドーンブレイカーが突っ切り、残る敵を地上に弾き落とす。
「助かりますわ……そろそろですわね!」
地図のポイントに到着し、ゆっくりと地面に降り立つフランチェスカ。ワイヤーを解いて、ワットを地面に下ろす。
「ぷはぁっ……あ、ありがとう……」
恥ずかしさから解放された安堵と、少しの名残惜しさを胸にして応えるワットだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『安西九郎・来伝・ペディア』
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POW : これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!
【テニスラケット】から【球状の爆弾】を放ち、【着弾時の爆発】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : これぞ宋の侠客、春空琉(はる・くうる)の斬撃走法
自身に【謎の魔力】をまとい、高速移動と【移動の際の衝撃派】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : あれは○○闘法!知っている(つもりな)のか来伝!
対象のユーベルコードを防御すると、それを【亜行参紗行伍のページに写し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:笹本ユーリ
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠水貝・雁之助」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
目的地にたどり着いたワット。だが、周囲を見渡しても、そこは何の変哲もないビル街でしかない――と。そう考えた、その瞬間であった。
「う、うわぁ、こ、今度は何っ!?」
ワットの画面が再び変化し……強烈な光を放ち始めた。
いや、画面だけではない。その全身が発光する。
「う、うわああああ……!」
悲鳴を上げながら光を放ち続けるワット。猟兵が話しかけても、返事を返せる余裕はない。
後から追ってきた猟兵達も追いついて来る。だが、ワットは発光したまま動かない。
それどころか、持ち上げようとしても持ち上がらない。突然重くなった……というよりは、この座標に固定されているかのようだ。
「何が有ったか……知りたいですか?」
そんな猟兵達の元に、一人の少女が姿を現した。意味深な笑みを浮かべた彼女は、猟兵達に向け、ポーズを決めて言い放つ。
「そう、まさしくこれぞ、漢の時代より世界各所で起こると言われる不可思議現象、照霊日雨武・露駆!」
胡散臭い。
「ですが詳しい事を話す訳にはいきません。あなた方は猟兵、私はオブリビオン。ゆえにこの秘密を明かす事は出来ないのです」
手にした本を閉じ、構えを取る少女。その本には『亜行参紗行伍』と言う題が刻まれている。
「……ですが、この安西九郎・来伝・ペディアも鬼ではありません。どうしても、と言うのなら、教えてあげない事はないですよ?」
チラッ、チラッ、と視線を向ける九郎。
……ものすごく聞いて欲しそうだ。でも聞いてもロクな回答が帰って来ないのは間違いないだろう。
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です
とりあえず知ってる事を洗いざらい吐いて貰いましょうか。
どうしても教えさせて下さい、と言う位に痛め付けて口の滑りを良くしてあげますので安心して下さい、きっと自分の記憶の持てる限りを話したくなると思うので。
では『テレビウム・ロックについて何か聞かせたい事はありますか?』
刀を振り回して、如何にも人を傷付けるのに忌避感がない人の振り(では無いですけど)をして戦闘に入ります。
【ダッシュ】のスキルで接近し、【見切り】で攻撃を回避して斬り掛かります。
何だか強い攻撃が来たら人狼咆哮で迎撃です。
隙を突いて組み付く事が出来たら、思いっきり太腿とか脇腹を抓ってみましょう
アーサー・ツヴァイク
※アドリブ共闘大歓迎
何だ嬢ちゃん、茶番なら他所でやって…!? そ、その構えは!
あれは明代の武将、天仁須の必殺武芸…爆炎投法之構! まずいぞ、奴の剛速球は危険だ! あれをまともに食らったら猟兵と言えども只では済まない!
こうなったら手は一つ…奴゛の゛爆゛弾゛を゛撃゛ち゛返゛す゛!゛
バスターホーンをハンマーモードで構えて…【力溜め・咄嗟の一撃・勇気】を込めた…【ダイナミック・ストライク】! こいつで爆弾を撃ち返すぜ!!
…えっ、質問? あーゴメン俺もう自分のスマホで各地のテレビウム・ロック事件のこと【情報収集】してっから。今の時代はもうSNSで結構情報出回っちゃうからね!
露木・鬼燈
ふぅ、本日3回目。
流石に僕もわかってきたのです。
わかりやすいフリだけど…答えないんだよね?
うん、期待してない、してないけど…
聞いておくか、一応。
えっ!答えるの!
胡散臭いけど、答えが返ってきたです!
でも、流れ的には答えないほうが…
まぁ、いいです。
胡散臭い説明だけど何があったかこれでわかったのです。
満足なのですって、嘘なの!
今日一日かけて何一つわかってないっぽい!
許せないのです!
情報を寄越さないので、またまた用済み。
死ぬがよい!
重力制御を積極的に使っていくです。
重力を操れば爆弾を触れずに打ち返せるのです。
高速移動?重力で妨害できるっぽい!
UCのコピー?相殺し合っている間に他の人が殴ればいい!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
そのお話、耳を傾ける価値があるんですかねー…
…そうそう、ご存知かしら?
骸の海で繋がったとある世界では、嘘吐きはこう――鬼に舌を切り取られて、一千本の針の塊を呑まされた上に?
オテラノカネなる、燃え盛る蛇が巻き付いた拷問具に閉じ込められて108夜ものあいだ業火に焼べられるそうで?
……。(出荷されていく家畜へ向けるような哀れみの目でとても気の毒そうに見ている)
いえまあ、そこまで博識な方でしたらもちろんご存知でしょうけれども?
特に他意はありませんが、斧槍や蹴りに属性攻撃:火焔を何となく付与して高機動戦など
せっかくですからUCも揃えてファランクスシフトで盛大に灼いて差し上げましょうか
※アドリブ・絡み歓迎
月守・咲凛
とりあえず、どうにか情報を仕入れておきたいのです。やっと普通に答えてくれそうな人がいましたー。
知っているのですか安西さん!
何も情報がなくて困っていたのですよ。何か知ってたら教えてください。
信じやすいので、デタラメでもホイホイ信じ込んでしまいます。ただ、それで人に危害を加えるような事はしませんし、同行者は基本的に疑わないので同士討ちは回避しようとしますしテレビさんは守ります。
ああ、これはつまりそういう事なんだなー、と何となく察したら「安西さん、もう良いのです」と肩をポンと叩いて、首をゆっくりと横に振って
全 弾 発 射
日和見・カナタ
むむ、ワットくんはここに誘導されていたんでしょうか……?
さっぱり分かりませんが、目の前の相手が何らかの秘密を握っているかもしれません。
……いえ、正直なところ何も知らなさそうなんですが、あの態度の子をそのまま倒すのは可哀想ですし、質問くらいはすることにしましょうか。
戦闘時は【ガジェットドローン】の【援護射撃】でワットくんに近づけさせないようにします!
【斬擊走法】の衝撃波も義肢で防ぎながら攻撃の機会を伺いますね!
あらかた質問が終わったら【ヒートインパクト】で骸の海に還って貰いましょう!
【アドリブ、協力歓迎】
「知っているのですか安西さん!」
何か知っていそうな九郎の登場に、純粋に瞳を輝かせる咲凛。
「……でも、分かりやすいフリだけど、どうせ答えない気がする……」
純真な咲凛と違い、鬼燈は三回目の邂逅とあってちょっと擦れている。
「大丈夫、きっと答えてくれます! 何か知ってたら教えてください!」
「ふふ、もちろん知ってますよ。ええ~、でもどうしましょうかねぇ」
興味津々の様子を見ると、勿体つけて見せる九郎。
「私の持ってる情報は貴重なので、簡単には答えられ……」
「では、口の滑りを良くしてあげますので安心して下さい」
鬱陶しいフリを遮って、にっこりと刀を光らせる銀花。
「どうしても教えさせて下さい、と言い出すくらい、自分の記憶の持てる限りを話したくなると思うので」
「そこまで言うなら教えてあげましょう!」
あっという間に態度を翻し、早口気味に口を開く九郎。
「えっ! 答えるの!? でも、流れ的には答えない方が……いや答えてくれるに越した事はないっぽいけど」
前のオブリビオンは答えなかったのに、と怪訝そうな表情を浮かべる鬼燈に、九郎はビシッとポーズを決める。
「そのような流れなど! 私の命の方が大事です!」
「いっそ清々しいですね……」
呆れるより先に感心してしまうカナタ。正直な所、何も知らなさそうとは思うのだが。
「まあ、教えてくれると言うのなら、聞きましょうか……可哀想ですし」
「ふ、良いでしょう!」
そんな状況でも、決して決めポーズとドヤ顔を崩さない九郎。
「この書物によれば。漢の武将・露駆は、天候を自在に操る事が出来たと言います。天に祈願する事で、自軍には陽光の恵みを、敵軍には大雨を降らせ、常勝を誇ったのです。その戦術こそ照霊日雨武……即ち、照日と雨を用いた霊験あらたかなる武術!」
「おお~、なるほど!」
もっともらしく聞こえない事もないような気がしない超理論に、ますます瞳を輝かせる咲凛。
「無論、この照霊日雨武とは、現代に伝わるテレビウムの語源。晴れ、即ち日と雨が目まぐるしく切り替わるその様が、あたかもテレビウムのチャンネルが目まぐるしく切り替わる様と類似していた事から……」
「あの……元気に語っている所、申し訳ないのですが。こんな話はご存知かしら?」
放って置くといつまでも喋りそうな九郎を遮り、にっこりと微笑んで口を開くのは、フランチェスカ。
「む、なんですか?」
「骸の海で繋がったとある世界では、嘘吐きはこう――鬼に舌を切り取られて、一千本の針の塊を呑まされて……」
あくまで表情はにこやかに。しかし、すらすらと語られる言葉は……むしろにこやかだからこそ、怖い。
「オテラノカネなる、燃え盛る蛇が巻き付いた拷問具に閉じ込められて108夜ものあいだ業火に焼べられるそうで?」
「ひぃぃぃ……」
それも当然のように信じてしまう咲凛は、耳を塞いで青褪める。九郎も、露骨な動揺を隠さない。
「え、ええ、ええと、その……」
「そこまで博識な方ですもの、もちろんご存知ですよね?」
ふっ、と微笑みを消し、冷たい視線を向ける。
まるで、出荷されていく家畜へ向けるような哀れみの目を……。
「も……もも、もちろん知っていますよ?」
「そうですか、ところで……」
動揺し震える九郎に対し、さりげなく刀を振り回しながら、真っ直ぐに視線を向ける銀花。
「『テレビウム・ロックについて何か聞かせたい事はありますか?』」
「まあ、その、ええと、もう十分聞かせたかなー、と言うか、なんと言うか?」
ベルーガの表示に倣った質問に、視線を反らし彷徨わせる九郎。
「なんですか、だらしのない。せっかく、もっと口を滑らかにしてあげようと思ったんですがね」
「い、いい加減に調子に乗りすぎですよ!?」
とはいえ、九郎も仮にもオブリビオン、黙ってはいない。見下すような視線についに逆ギレし、どこからかテニスラケットを取り出す。
「見せてあげましょう、私の最強武術!」
「何だ嬢ちゃん、茶番なら他所でやって…!? そ、その構えは!」
と、テニスボールを構えた瞬間、驚愕の仕草を浮かべるドーンブレイカー。
「そうです、これぞ明代の」
「あれは明代の武将、天仁須の必殺武芸……爆炎投法之構!」
得意げに解説しようとする九郎を遮り、さらに衝撃を受けた口調で解説を始め、咲凛がまた真に受ける。
「知っているのですか、ドーンブレイカーさん!」
「ああ。まずいぞ、奴の剛速球は危険だ! あれをまともに喰らったら猟兵と言えども只では済まない!」
言いたい事を先に全部言われた九郎は、しばし硬直した後。
「……う、ううぅー!!」
涙目でテニスボール型爆弾を打ち出してきた。着弾と同時に大爆発を起こすそれは、まあ確かに喰らったら猟兵とて危険だ。
「むぅ、言ってる事はともかく、攻撃は本物ですね、厄介です」
やけっぱちなせいか狙いが甘いため、回避は難しくない。が、逆にどこに飛んでくるか分からない。慌ててワットを護って立ちふさがるカナタ。
「さて、どうしましょう」
「こうなったら手は一つ……!」
ずい、と歩み出るドーンブレイカー。その手に握られるのは、巨大な盾だ。これで爆弾を防ぐ……。
「奴゛の゛爆゛弾゛を゛撃゛ち゛返゛す゛!゛」
『Select……SMASH ACTION!』
のではなく。やたらと気合の入った言葉と共に、彼は盾を変形させハンマーへと変化させ、振りかぶる。
「一ッ! 球ッ! 入ッ! 魂ッ! うぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」
ガキィィィィンッ、と強烈な衝撃音が走る。テニスと言うより野球の勢いで、爆発する前に爆弾を打ち返した。
「ぶべっ!」
そのまま九郎の腹に直撃し、爆発によって吹き飛んでいく。
「これぞ、砲武乱ッ!」
「おおぉぉ~!」
パチパチと拍手する咲凛に応え、ビシッとポーズを決めるヒーロー。
「ぐ、ふぅ……ま、まさか撃ち返してくるとは……し、しかしっ!」
瓦礫の中からよろよろと這い出して来る九郎。流石はオブリビオン、この一発で参りはしない。
「まだまだやられはしません、我が力、とくと見てもらいましょう!」
その身に、特に脚に、謎の魔力を纏った彼女は、そのまま地を蹴って飛び出した。
「む、速いですね……!」
カナタがドローンで牽制射撃をかけるものの、九郎はその弾速にも負けぬ速さで地を蹴り、壁を蹴る。その移動に合わせた衝撃波は、コンクリートすら易々と断つほどだ。
「ふふふ、どうですか、これぞ宋の侠客、春空琉の斬撃走法ッ! この速さの前にはたとえあなた達と言えど追いつけぶっ!」
得意げに勝ち誇るその顔面に、上空から飛来したフランチェスカの火焔を纏った蹴りが思いっきり突き刺さった。
「あら、失礼」
「く、よもや空からとはっ……あ、あつっ、あつっ!」
火がついた服を慌ててパタパタして消し止めようとする九郎に、またにこやかな笑みを向けるフランチェスカ。その周囲に、光焔が満ちる。
「ええ、特に他意はありません、他意はありませんが……108回ほど、燃やしてあげますね」
「おおお、お断りしますー!」
有相無相を灼き穿つ、光焔のファランクス。そこから必死に逃げ回る九郎。ますます派手に撒き散らされる衝撃波……を、掻い潜り。一気に間合いを詰めて踏み込む銀花。
「通しませんよ?」
「と、通してくださ、ふぐぅっ!」
すれ違いざまに一閃。鋭い斬撃に呻いて脚を止める九郎。そんな彼女に、銀花はすっと近づいて。
「妙な嘘をつく人には、こうしてあげます」
「いだだだだだだだっ!?」
むき出しの太ももを思いっきりつねり上げた。
何故にそんな事をしたのかはともかく、人狼の怪力で地味に超痛い。
「く、う、嘘などついてないですしっ!」
「あー、ところでさー」
往生際悪くまた逃げ出す九郎に、自分のスマホを見せるドーンブレイカー。
「もうSNSで結構情報出回っちゃってるんだよね。だから別に、質問とかしなくても」
「ああっ!?」
当然、スマホの情報と九郎の言動は一切噛み合わない。
「ええと、つまり、これは……」
流石にここまで来れば、咲凛も察し、ジト目を向ける。
が、それ以上に。わなわなと震え出す鬼燈。
「今日一日散々駆けずり回って……何一つ分からず……」
筋肉と会話して。イルカを無駄に問い詰めて。いや無論、ワットを助けると言う意味はあったが、それを差し引いても、溢れる徒労感。
「許せないのです! 死ぬが良い!」
「ぎゃんっ!?」
怒りをこめて、高重力を思いっきり叩きつけた。高速移動中の九郎が、ベターン、と地面に勢いよく潰れる。
「何一つ情報をよこさないのなら、もう用済みなのです!」
「ぐぐぐぐ……し、しかし私にはまだこの……亜行参紗行伍が……!」
必死に自分の書物をたぐり、その重力操作をコピー。重力を反重力で相殺して立ち上がろうとする九郎。その肩を、ぽん、と誰かが叩く。
「はっ、なんですか?」
慌てて振り向けば、そこにはにこやかな咲凛が、ゆっくりと首を横に振って。
「安西さん、もう良いのです」
その兵装を全弾ぶっぱなした。
「あーれー!?」
重力によって回避もままならず、その全弾を景気よく食らった九郎は、そのまま勢いよく吹っ飛んでいく。
「えーと、まあ……なんですか」
ずっとワットを守っていたカナタは、飛んでくる九郎を見上げると、グッ、と拳を構えて。
「とりあえず終わりにしましょう、キリがないので!」
燃え盛るアッパー掌底の一撃で、空の彼方へふっ飛ばしたのだった。
「うぅ……これだから! これだからキマイラフューチャーはっ!」
「なんだか疲れるお仕事だったのです……」
オブリビオンが去り、ぐったりとした様子の鬼燈と咲凛。
「あら。大丈夫ですか?」
「う、うん……ありがとう、みんな」
光が止まったワットを覗き込むフランチェスカ。その顔には鍵も地図もなく、元の、少し赤い顔が表示されている。
『システム・フラワーズより緊急救援要請』
「っ!? なんですか!?」
だが、そこへ、突然、周囲のビルから声が響く。慌てて警戒し刀の柄に手をかける銀花だが、特に新たな気配はない。だが、声だけは続く。
『全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり』
「SNSの情報通りだな、こいつは……」
ドーンブレイカーが呟く。ビルから声が響く、と言うよりも。これは、ビルそのものが喋っているような。
『テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う』
その不気味な声は、それだけ言って、停止した。もう周囲のビルに変化はなく、何事もなかったかのように日常の光景が戻ってくる。
「ワットくんは。これを聞かせるために誘導されていたんでしょうか……?」
考え込むカナタだが、無論、考えても答えは出ない。
だが。これが新たな事件の幕開けであろう事を、猟兵達の誰もが感じていた――。
大成功
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