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実戦式戦闘訓練

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「諸君、訓練の時間だ。だが、訓練だからと油断していると簡単に死ぬぞ。気を付け給え……なんてな」
 凛と表情を引き締め、ハリセン型のガジェットを掌でスパンと打ち鳴らした各務・瞳子(トンボ眼鏡のグリモア猟兵・f02599)は、一転して悪戯っぽく笑み零れる。
「今回は、『アルダワ』の逆侵攻を防いで欲しいんよ」
 蒸気機械と魔法で創造した究極の地下迷宮「アルダワ」に、この世界の「災魔」が全て封印されている。その迷宮の上に建設された学び舎が「アルダワ魔法学園」だ。
「学園迷宮のフロアボス……この災魔っていうんが、オブリビオンなんやけど。こいつが、配下を率いて上の階層に攻め上って来るんや。学園には戦えん人も仰山おるさかい、地上までやって来られると厄介や。皆には……ここの階層で、敵の侵攻を食い止めて欲しい」
 瞳子が防衛に指定したのは、だだっ広い階層。魔法で疑似的な平原が広がっており、見通しも良い。中央に円形の石舞台があるようだ。
「まず、配下を蹴散らしてフロアボスまで辿り着いて、そのままボスも倒してケリを付けるって寸法や」
 配下は「メイド人形」と呼称される、身長80cm程の小さな人形型オブリビオン。直刀を仕込んだ箒を手にしている他、様々な暗器を隠し持っている。
「で、フロアボスの方は……何か、けったいな奴でな」
 その名も「機怪魚人間」。古ぼけた潜水具を着ており容貌は判然としないが、水中遊泳するようにおどけた仕草で浮遊しているオブリビオンだ。
「周りに配下の機怪魚も宙を泳いどってな、こいつらで攻撃してくるみたいや」
 何か「ツインテサイコー♪」とか「銀髪モステガタイ」とかブツブツ呟いており、「ドゥフフフ」と、突然笑い声を上げたりするとか。
「まあ、メイド人形に囲まれて悦に入ってる奴やからなぁ……もう、後腐れなくやってしまったってな」
 首尾よく敵の侵攻を食い止められれば、帰還まで少し時間が出来るという。
「防衛戦やる階層な、魔法で作られたヤツやけど広々した野っぱらで、丁度ええ感じの円形舞台もあるんよ。折角やから、『手合わせ』とか面白いかなぁって」
 実戦が先で、鍛錬が後というのも奇妙な話だが、猟兵同士で模擬戦というのもきっと悪くない。
「そしたら、あんじょう宜しゅうに。皆の活躍、期待しとるで!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回はアルダワ魔法学園の地下迷宮が舞台です。災魔、つまりオブリビオンの逆侵攻を食い止めて下さい。

 防衛戦に指定された階層は「魔法で疑似的な平原が広がっており、見通しも良い。中央に円形の石舞台がある」ので、敵と正面衝突する感じでしょうか。
 第1章で配下の「メイド人形」との【集団戦】に勝利してボスの元に辿り着き、第2章の【ボス戦】でフロアボス「機怪魚人間」を撃破する流れです。

 首尾よく逆侵攻を防ぐことが出来れば、第3章で「鍛錬=模擬戦」が出来るでしょう。
 模擬戦は、防衛戦を行った階層の石舞台で行われます。(逆侵攻さえ退ければ、模擬戦中の安全は確認されています)。滑らかで継ぎ目もない石舞台は足場に不自由はなく、障害物もありません。個人戦に丁度良い広さです。

●模擬戦について
 1対1の手合わせです。使用できるユーベルコードは1つ、技能も使用可能です。
 レベルは加味せず、厳密な戦闘判定も行いません。格好良さ重視です。
 迷子防止の為、第三章のプレイング冒頭にお相手のお名前とIDの記載を必ずお願いします。(第三章のみの参加も、勿論OKですが……まず、逆侵攻を退けて下さいね)

●NPCについて
 お誘いプレイングがあった場合のみ、各務・瞳子(トンボ眼鏡のグリモア猟兵・f02599)も模擬戦に参加します。ステータスのユーベルコードをどれか1つ使って戦います。
(グリモア猟兵が登場するのは、第三章の日常シーンのみとなります)

 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『メイド人形』

POW   :    居合い抜き
【仕込み箒から抜き放った刃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    暗殺
レベル分の1秒で【衣装内に仕込まれた暗器】を発射できる。
WIZ   :    人形の囁き
対象のユーベルコードに対し【対象の精神に直接響く囁き声】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


見渡す限り、広々とした平原――見上げれば、淡い色彩の蒼穹に綿雲が浮かんでいる。
 この光景全てが、『魔法』で作られた疑似的なもの。地下迷宮「アルダワ」の階層の1つというのも、何とも不思議な感じがする。
 ガサリ――。
 風もないのに、草海が波立つ。ピョコリと顔を出したのは、金髪のツインテールの少女……というには、小さい。「メイド人形」と呼称される、人形型オブリビオンだ。
 ピョコリ、ピョコリ――顔立ちの細部こそ違え、ツインテールも金髪も、メイド服も同じ人形達が次々と顔を見せる。
 ここまで攻め上って来たフロアボスを倒す前に、まずは彼女らを駆逐せねばならない。
クリーク・クリークフリークス
小型のメイド人形オブリビオンとはまた奇っ怪な相手であるな。
だが拙草、後ろに戦えぬ者がいると知りつつ引くわけにはいかぬである!
戦争を! もっと戦争を!

できるだけ先手を取って突っ込んで
タケノコ・バタリオンの範囲にたくさん巻き込んで叩き潰すである!
可能なら適宜、技能:目立たない を使用し
そこらのタケノコの振りをしつつ
アンブッシュでメイド人形たちに攻撃するである!

拙草の他にも駆けつける猟兵は多いであろうし
深追いは禁物、適度に後退し味方と交代するである!
必要と判断したら近くで戦う仲間の援護もするである!



「小型のメイド人形オブリビオンとは、また奇っ怪な相手であるな」
 草海に分け入り、ドンドコ往くのは人間大の黒灰のタケノコ……もとい、ブラックタールの戦場傭兵にして破戒僧、クリーク・クリークフリークス(ブラックタールの戦場傭兵・f02568)。一応、タケノコの根元近くに顔がある。
 ブラックタールをして奇怪と言わしめるオブリビオン、メイド人形もあちこちの草藪に紛れ、ピョコリピョコリと頭が見える。
(「だが拙草、奇っ怪が相手と言えど、後ろに戦えぬ者がいると知って引くわけにはいかぬである!」)
 真っ先に猟兵の先陣を切ったクリークは、好戦的通り越し熱狂帯びた愉悦を滲ませる。
「戦争を! もっと戦争を!」
 メイド人形が集まっている箇所に目星を付け、勇んで突っ込んでいく。
「戦争である!  戦争である! さぁ歓びを! 戦争である!」
 一応、目立たたぬようにと留意はしたが……草海ににょっきり聳える人間大のタケノコが目立たないなら、巷のほとんどが隠形している事になりそうな。まあ、些末事だ。
「!!」
 メイド人形達が箒を構えるより早く、クリークはタケノコ大隊を招集。タケノコ・バタリオンを以て半径10mを席巻。次々と敵を叩き潰す!
「うむ、悪くない戦果である!」
 満足そうに周囲を見渡すクリークだが、まだまだ、メイド人形達があちこちに。勿論、深追いは禁物。傭兵は退き際も肝心だ。
「よし。味方と交代するである!」

成功 🔵​🔵​🔴​

イヴ・イルシオン
「模擬戦なのですか……興味はあります。その前に私の同類をお片づけって訳ですね」

『ナイトメア・カノン』を構え【一斉掃射】【誘導弾】【範囲攻撃】【スナイパー】を駆使して【援護射撃】です
相手がよろめいたり隙が出来た隙に【消滅の魔眼】で攻撃するです
近づいてきた人形は義手か義足での打撃で対応です

最初から模擬戦の手の内見せたらつまらないですからね、控えめに殲滅していくですよ

興味本位ですが……敵の人形に自我はあるのか一応確認しておくのです
どの道やることは変わらないのですけどね


ティオレンシア・シーディア
地下なのに野原が広がってて、天井のはずなとこに青空…
なーんか感覚狂うわねぇ。あたしがこっちの世界に馴染みないのもあるんだろうけど。
ま、まずは面倒な連中を片付けないといけないわねぇ。
…メイドを片付ける、ってのもなんか変な感じねぇ。

〈クイックドロウ〉〈先制攻撃〉〈2回攻撃〉で見つけ次第片っ端から撃ちまくるわねぇ。
〈見切り〉〈カウンター〉〈スナイパー〉で●暗殺を迎撃出来たら理想ねぇ。早撃ちでお人形に負けてられないものぉ。
隙があったら〈援護射撃〉も忘れないわぁ。
リロードの隙は〈早業〉で消して、弾幕を途切れさせないようにしたいわねぇ。。

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎



「……あー、派手に始めたわねぇ」
 甘やかに愛らしい声音は、幼げなミレナリィドールから、ではなく、瞑目して微笑む大人の女性から。ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)だ。
「それにしても、地下なのに野原が広がってて、天井の筈が青空……なーんか感覚狂うわねぇ」
 まだ『アルダワ』の不可思議に馴染んでいないからだろうけど。ともあれ、面倒な連中を倒すのが先。
「私は、模擬戦の方が興味ありますが……その前に私の同類をお片づけって訳ですね」
 丁寧な口調に殺伐を滲ませ、イヴ・イルシオン(狂気の殺戮人形・f01033)は淡々とアームドフォートを準備する。「ナイトメア・カノン」と銘した、イヴ専用の巨大長距離砲撃兵器だ。
「……メイドを片付ける、ってのもなんか変な感じねぇ」
「お先に、どうぞ」
「そーお? じゃあ、後で交代しましょ」
 微笑を口元に刻んだまま、ティオレンシアは愛用のリボルバー銃「オブシディアン」を――。
 ――――!!
 目にも留まらぬ速さで抜き撃ちした。
「!!」
 額と胸に弾を撃ち込まれ、吹き飛ばされるように倒れる1体目。銃撃と察し、その周囲にいたメイド人形達が一斉に動く。
 ――――!!
「攻撃に移る瞬間ってね、一番隙ができるのよぉ?」
 間延びした口調は変わらず、スカートの下から何か投げようとした2体目を封殺する。早撃ちでお人形に負けてられない。
「……っ!?」
 だが、3体目。突如、意味成さぬ囁きが、ティオレンシアの精神をザラリと舐めた。その不快感に仕留め損ねた次の瞬間、4体目が箒の仕込み刀を居合い抜く――。
 ――――!!
「助かったわぁ」
「いえ」
 3体目と4体目は、消し飛んでいた。イヴが銃火器を一斉掃射。面攻撃とさえ言える援護射撃をやってのけたのだ。稚い容姿に違う見事な手前だった。
(「自我というか……連携する程度の知能は、ありそうです」)
 メイド人形達の動きを思い返し、イヴは小さく肩を竦める。喩えお人形達に自我があったとして、どの道やる事は変わりない。
「じゃあ、今度はあたしが援護かしらぁ?」
「お気遣いなく」
 早業でリロードするティオレンシアに、イヴは漆黒の髪を揺らして頭を振る。
(「最初から、模擬戦の手の内見せたらつまらないですからね」)
 控えめに、殲滅していくとしよう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リステル・クローズエデン
メイド人形を見て
「なっ、なにか、ちょっとやりにくい感じと言いますか……」

まずは手裏剣で牽制(主に 投擲5)
そこから、刀を抜いて接近戦を仕掛けます。
「キャラというか、色々被ってます……顔も、刀も、暗器も。」

複数が集まってきたなら
【穿刃天舞】で、まとめて攻撃します。
「まとめて……飛べ!」



「なっ、なにか、ちょっとやりにくい感じと言いますか……」
 小さくとも人の姿をした敵ならば、複雑な気分になる者もいる。
 困ったように眉根を寄せるリステル・クローズエデン(記憶喪失の放浪者・f06520)。だが、オブリビオンの侵攻は見過ごす訳にはいかない。気合を入れ直し、懐から忍者手裏剣を取り出した。
「よし!」
 狙い澄まして投擲すれば、果たして、他方へ向かおうとしたメイド人形の足元に、ザクリと牽制が突き刺さる。覿面、箒を手に身構えたメイド人形がこちらを向く前に。抜刀しながら、地を蹴るリステル。
「……うぅ」
 銘無きながら、その刃は鋭くメイド服を切り飛ばす。切れ味鮮やかながら、彼女の表情は浮かないままだ。
「キャラというか、色々被ってます……」
 例えば、顔とか、刀とか……暗器とかも。
 尤も、オブリビオンにしてみれば、猟兵の葛藤など知った事ではないし、同胞が切り結んでいると見れば、どんどん集まってくる。
 だが、リステルの方も慌てず騒がず。
「まとめて……飛べ!」
 天ノ舞は、刃ノ風を呼ぶ――それは、あたかも舞のように。青い髪がふわりと靡き、無数の手裏剣が周囲のメイド人形目掛けて放射した。

成功 🔵​🔵​🔴​

霑国・永一
あのメイド服に暗器となれば定番は手袋、スカートの中、靴下の中辺りかな。あらゆる体勢になった時にも武器を取り出したり出来そうだけど、必ずそういう時は挙動に変化はあるからね

オルタナティブ・ダブルで別々の方向から牽制攻撃しつつ、手が服のどこかに伸ばされた時とかは蹴り入れるなり石ころ投げたりで邪魔してあげよう。無論隙あらばさっさと無力化に限る
SPD重視で戦うよ
「ほら、メイドさん踊ろうか」
とはいえ敵も数が多い訳だし、集まってきたら敢えて身を投じて回避に専念、同士討ち狙いもしてみようかな。無理そうな時とかもう一人の自分を盾にしてでも難を逃れよう

継戦厳しそうなら他の仲間に任せて一旦撤退して態勢整えておこう



戦う内に、敵の手の内も見えてくる。箒に刀を仕込み、時に、惑わせてユーベルコードを相殺する。そして、暗器――メイドの装いながら、寧ろクノイチのようだ。
(「メイド服に暗器となれば……定番は手袋、スカートの中、靴下の中辺りかな」)
 戦闘の合間に、考察を深める霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)。その影から、もう1人離れたように見えたのは、気の所為ではない。
 オルタナティブ・ダブル――永一は『もう1人の自分』を顕現できる多重人格者だ。
「ほら、メイドさん踊ろうか」
 メイド人形の動きに無駄はない。暗器の取り出しも自在だが、それでも注視すれば挙動の変化で察知出来る。
 膝立ちのメイド人形が靴下に手を伸ばすのを見逃さず、礫を投げ付ける永一。すかさず、反対方向から荒っぽい蹴りが叩き込まれる。
 1人で2人――永一達はメイド人形を牽制しながら、隙あらば無力化せんと抜け目なく。シーフだけあって、その動きは素早い。
「おっと」
 飛来する投げナイフを避ければ、背後の別のメイド人形に突き刺さった。敢えて回避に専念して同士討ちを狙い、ある程度は上手くいったが……如何せん、敵の数はまだ多い。
(「あ、これは……ちょっと無理そう」)
 包囲されるのも時間の問題。下手に踏ん張るより、撤退して態勢を整える方が良さそうか。
「じゃ、後はよろしく」
「お、おい!」
 決断すれば行動も早い。慌てた声にも構わず、身を翻す永一。『もう1人の自分』が貧乏くじを引かされるのは、いつもの事?
 取り残された青年に暗器が殺到する一方――オリジナルの永一を追おうとしたメイド人形の前に、小柄な少女が立ち塞がった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

マリアブリレ・ニネヴェマスナガ
そのホウキ、『芯』が入っているな。いかに繕おうとも、眼鏡女王のレンズはごまかせんぞ。
ホウキだけあって切断――薙ぎ払い清めることが得手のようだが、私の『秋吉』も貫くことにおいては引けを取らぬ。そこの女中、線と点とどちらが勝つか、ひとつ私と遊んでみぬか?

★『串打ち五連撃』を命中精度重視で行おう。膝関節から順に昇るように関節を狙っていくぞ。下半身は武術の肝。膝を貫くことができれば、奴をたちまち無力化することができるはずだ。



「そのホウキも、『芯』が入っているな。いかに繕おうとも、眼鏡女王のレンズはごまかせんぞ」
 メイド人形に、居丈高に言い放つマリアブリレ・ニネヴェマスナガ(サイバー都市SABAEに降り立った最後の眼鏡女王・f02341)。サイバーアイ(というか眼鏡)とめがねクラウン(眼鏡というか王冠というか……やっぱり眼鏡)のレンズが、キラリと反射する。
「ホウキだけあって切断――薙ぎ払い清めることが得手のようだが、私の『秋吉』も貫くことにおいては引けを取らぬ」
 小首を傾げるメイド人形に、マリアブリレはビシィッと儀礼槍『秋吉』を突き付ける。
「そこの女中、線と点とどちらが勝つか、ひとつ私と遊んでみぬか?」
「……」
 だんまりのままのメイド人形だったが、やがて静かに箒を構え――否が応にも高まる緊張感。109.1cm対80㎝の対決と思えぬ堂々たる数瞬の後。
 ――――!!
 地を這うように駆けるメイド人形。だが、仕込み刃が閃くより速く、槍の穂先が奔る!
「一息で喰らってやるぞ!」
 マリアブリレの狙い澄ました突きが、メイド人形の右膝を貫く。続いて左膝、股関節――下半身は武術の肝。カクリと崩れ落ちたメイド人形がもがく暇も与えず、串打ち五連撃の最後の一突きが引導を渡した。

成功 🔵​🔵​🔴​


――斯くて、猟兵達の奮闘により、数多のメイド人形が一掃される。
 波打つ草海が人形の残骸を覆い隠す中、階層の中央にある石舞台の上に、何とも奇矯なる影が降り立った。


第2章 ボス戦 『機怪魚人間』

POW   :    ぎょぎょ魚
レベル×1体の、【身体】に1と刻印された戦闘用【機怪魚】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    ミニ魚雷発射
【怒り】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【機怪魚】から、高命中力の【ミニ魚雷】を飛ばす。
WIZ   :    武器錬成
自身が装備する【魚型銃器】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「オゥフ、拙者ノカワイイメイドチャン達ガ……」
 円形の石舞台の上、機怪魚に囲まれ泳ぐように浮遊しながら、古ぼけた潜水具を着た『ソレ』は嘆きの声を上げる。
「……ヤハリ、時代ハポニテナノカ。銀髪勝気ガ正義ナノカ!」
 …………何か、一気に空気がオカシクなったぞ。
「ダレカ、違ウト言ッテクレ!」
 取り敢えず、殴って黙らせようか。
ティオレンシア・シーディア
…あたし、こっちの世界はそこまで詳しくないんだけど。ああいう敵が普通だったりするのかしらぁ…?だとしたら、その、なんというか、アレ、ねぇ…?…違う、のよ、ね?ねぇ?

あの機械の魚、合体すると強くなるみたいだし、ほっといたら拙いわよねぇ。
機械だし、そのまま撃ってもあんまり効かないわよねぇ。
魚雷を発射するとこに〈援護射撃〉〈スナイパー〉〈見切り〉〈カウンター〉で自爆させられないかしらぁ?
撃たれた魚雷もできるだけ撃ち落としたいわねぇ。

銃弾って基本銃口からまっすぐしか飛ばないし、魚型銃器は銃口の向きに注意して回避に専念するわぁ。もちろんこっちも撃ち落とせたら最上だけど。

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


クリーク・クリークフリークス
なに寝ぼけたこと言ってるであるか!
設定など過積載は当然、
銀髪ポニテ勝気なメイド人形に
メガネとか不幸な過去とか特殊な語尾とかつけて出直してくるである!
属性が多いほど性癖にヒットする確率が上がるである!

と無茶な理屈を畳み掛けて意識をそらしたところで
距離を詰めてタケノコ・バタリオンで薙ぎ払うである!
技能では先制攻撃や二回攻撃、あと常識に対する破壊工作とか
使えそうな気がするである!

でも拙草よく分からないであるが、
なんで潜水具なのであろうか……



「……」
 反射的に愛銃を構えるティオレンシア・シーディアを、真っ向から見返す機怪魚人間。
「……」
「……」
 まさか、本当に誰かが「違う」と言ってくれるまで待つ心算か。
「……あ、あたし、こっちの世界はそこまで詳しくないんだけど」
 機怪魚人間の沈黙に耐えきれず、先に口を開いてしまうティオレンシア。微妙な敗北感はぐっと堪える。
「ああいう敵が普通だったりするのかしらぁ……? だとしたら、その、なんというか、アレ、ねぇ……?」
「なに寝ぼけたこと言ってるであるか!」
 ズズイと前に出る灰色タケノコ、もとい、クリーク・クリークフリークス。
「うん、そうよね……違う、のよ、ね? ねぇ?」
「設定など過積載は当然、銀髪ポニテ勝気なメイド人形にメガネとか不幸な過去とか特殊な語尾とかつけて出直してくるである!」
「……」
 真顔で言い募るクリークに、ホッとした表情になったティオレンシアが、そのまま固まった。
「属性が多い程、性癖にヒットする確率が上がるである!」
 どやあっとそっくり返るタケノコ。だが、機怪魚人間は「判ッテナイナァ」と潜水具の中からせせら笑う。
「節操無シノ同志無シ。推シニ一途ダカラコソ、同志ノ絆モ深マルノダ!」
 同志って、誰? そんな突込みが出る前に――機怪魚人間の周囲に現れる機怪魚。その数、数十匹。何れも身体に「1」と刻印されている。と、見る間に合体。魚の刻印も「2」に変わる。
「これって、合体すると強くなるみたい? ほっといたら拙そうよねぇ」
「ドゥフフフ、コレコソハ同志ノ絆の証! 我ラノ愛ヲ今コソ――」
「隙あり! である!」
 最後まで口上に付き合う程、猟兵は優しくなかった。
「さぁ歓びを! 戦争である!」
 一気に距離を詰めて石舞台に飛び乗るや、クリークはタケノコ・バタリオンを招集。機怪魚人間も巻き込み、機怪魚共を薙ぎ払う。
「フベッ!?」
(「機械だし、そのまま撃ってもあんまり効かないわよねぇ」)
 何かくねくね身悶えする敵を辛うじて視界の端に留め、ティオレンシアは思案顔。だが、タケノコ大隊の制圧も生き抜いた機怪魚よりミニ魚雷発射を勘付くや、反射的に銃弾を叩き込む。
 チュドォン!!
 狙い通り、吹っ飛ぶ機怪魚。破片がビシバシ、潜水具を叩く。
「よぉし、残らず撃ち落とすわよぉ」
「イエス甘ロリヴォイス、ゴーギャップ! 惜シムラクハ、年マ――」
 皆まで言わせぬ16分の1秒の銃撃を、ひょいひょいかわす機怪魚人間――大丈夫、数発は当たったし。
「で、拙草よく分からないであるが、なんで潜水具なのであろうか……?」
「ドゥフフフ、イイ男ニハ秘密がツキモノデアル」
 腹立つ事に、敵はまだまだ元気そうだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霑国・永一
やはり荒事は俺は苦手だな。多分。
ということで……うん、またなんだ。そういうのが得意な「お前」に続きは任せるよ(人格の主導権譲る真の姿解放)

相変わらず都合のいいやろーだったが、まぁいい!今の俺様は分身の時とは訳が違うぜ!
……ってあぁん?ふざけた事抜かすな機怪魚野郎。髪色も髪型も戦闘力にゃ関係ねぇ。胸部の大きさが戦闘力不足だったんじゃねぇのかぁ?小さいし……なっ!(巨乳派の俺様、SPD重視で門答しつつ【だまし討ち1】も活用、シーブズ・ギャンビットだ。主な攻撃手段の機怪魚を刻みつつボスに接近戦狙ってくぜ。遠距離攻撃多そうだしな、接近戦の方が分がありそうだ。戦いが愉しくて【怒る】暇もねぇなァ!)



「……うん、やはり荒事は苦手だな。多分」
 機怪魚人間から目を逸らし、肩を竦める霑国・永一。嗚呼、空が青いなぁ……とでも言いそうな風情だ。
「という事で……うん、またなんだ。そういうのが得意な『お前』に続きは任せるよ」
 トリガーピースに触れながら、和やかな独り言の直後。永一を取り巻く空気が一変する。
「相変わらず、都合のいいやろーだぜ」
 粗暴に吐き捨て、金の眼を剣呑に眇める永一。先刻と異なり、表に出る人格が変わったのだ。
「……まぁいい! 今の俺様は分身の時とは訳が違うぜ!」
 鋭い風切り音。ダガーを投擲した永一は、一気に敵に肉薄する。
「ムムッ!? 黒髪短髪野郎ハ帰ッテクレナイカ」
「あぁん? ふざけた事抜かすな機怪魚野郎。髪色も髪型も戦闘力にゃ関係ねぇ」
「イヤ、ソモソモ野郎ガオ呼ビデナイ」
 何か嫌そうに、機怪魚をけし掛ける機怪魚人間。ちなみに、先陣を切った『彼』は性別以前に『タケノコ』と認識された模様。
「取巻きをけし掛けるたぁ、貴様も大した事ねぇな。メイド共の方がまだ骨があったぜ」
「……何? 貴様、ヨクモ拙者ノカワイイメイドチャン達ヲ……ヨシ、殺ス!」
「胸部の大きさが戦闘力不足だったんじゃねぇのかぁ? あいつら小さかったし……なっ!」
 実は巨乳派の永一。若干、背中に突き刺さるような視線が痛かったが、構わずダガーの一閃が機怪魚をガリガリと削る。
「異議アリ! 小サイコソ正義! 将来性ノ塊ヲ愛デルノガ紳士ノ嗜ミデアル!」
「っ!」
 一気に複製された魚型銃器の熱線を四方八方から浴びせられ、思わず膝突く永一。
「ハハッ! 愉しくて『怒る』暇もねぇなァ!」
 だが、ミニ魚雷は易々とかわしてのけ、好戦的に哄笑する。体の向きはボスに向けたまま、その射線を遡って機怪魚に刃を抉り込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リステル・クローズエデン
「……」(無言で手裏剣を本体に投げつける)『投擲5、マヒ攻撃3』
うん、怒ってはいけないとは思いますけれど。
冷静でありたいとは思いますけど………

「うん、潰していいですよね。アレ。」

とりあえず、邪魔な機怪魚や魚型銃器を
刀と【穿刃天舞】も併用して撃ち落としていきますわね……

((ミニ魚雷は……うん、普通に狙われると思いますので、それは諦めます。))



「……」
 静かに見下ろしていた赤い瞳が、上目遣いに睨め付ける。
「……」
 無言で、手裏剣を投げ付けた。(敵へ)
(「……うん、怒ってはいけないとは思いますけれど。冷静でありたいとは思いますけど……」)
 リステル・クローズエデンは化身忍者だ。融合変身のトリガーとなる怒りは、ジョブの特質からすれば忌むべきものではない。サイボーグの身に宿した何かは知れずとも。
「……うん、潰していいですよね。アレ」(敵を)
 穿刃天舞再び――まずは邪魔な機怪魚や魚型銃器を、無数に舞い飛ぶ手裏剣で撃ち落す。
 ――――!
 だが、一気に斬り込めば、その真っ向からミニ魚雷を浴びせられた。
「ネェネェ、今ドンナ気持チ?」
 煽るような声音が耳障りだ。機械化されていない『心』の奥底から湧く怒りが、ジワリとオーラと化して溢れるよう。
 その『怒り』こそが敵の狙いと判っていても……更に増えた機怪魚共が、今しもリステルの感情を標にミニ魚雷を発射しようとした時。
 一斉砲撃が、機怪魚群を呑み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

イヴ・イルシオン
欲望のままに動いてる奴を欲望のままに斬るのが好きではあるのですが……
どうもこの相手ではいまいち斬りたいと思えないですね
違う世界に意識が飛んでるからですかね?

とりあえず『ナイトメア・カノン』で砲撃して目を覚まさせるです

「あ、すまないのです。当てて殺すつもりだったのですがどうも殺る気が出なくてですね……」

挑発しまくるです

「時代は白髪ロング獣耳首輪少女だろ常考なのですよ。異論は認めないのです、あるのなら死んで悔い改めろなのです」

相手がやる気になった瞬間に【ダッシュ】からの【無明刻命斬】で召喚した魚ごといっきに本体を斬り捨てるです

「実は黒髪ロング一択なのですよ、眼帯にウサミミリボンもオシャレなのです」



「オゥフ、拙者ノ心ノ同志ガ……」
「あ、すまないのです。そちらに当てて殺すつもりだったのですが、どうも殺る気が出なくてですね……」
 アームドフォート「ナイトメア・カノン」を構えたまま、イヴ・イルシオンは淡々と挑発する。
(「欲望のままに動いてる奴を欲望のままに斬るのが好きではあるのですが……どうもこの相手では、いまいち斬りたいと思えないですね」)
 何でだろう? と、小首を傾げて自問自答。
「……ウム。身長、ヤヤヨシ。黒髪、減点。色白、ハナマル!」
 敵がブツブツ呟く内容に、値踏みされた苛立ちより納得してしまった。
(「……ああ、違う世界に意識が飛んでるからですかね?」)
「時代は白髪ロング獣耳首輪少女だろ常考なのですよ」
「白ト銀ノ近クテ遠イ階梯ニツイテハ、小一時間膝突キ合ワセテ――」
「異論は認めないのです、あるのなら死んで悔い改めろなのです」
 言葉でもザクッと切って捨て、イヴは一気に肉薄するや、空間断裂の居合一閃! 黒き稲妻が一帯に爆ぜる!
「実は黒髪ロング一択なのですよ、眼帯にウサミミリボンもオシャレなのです」
「イヤイヤイヤ……至高ハ金髪ツインテ、次点ガ銀髪ポニテ。マア、勝気チャンは1.5位ダガ……」
 無明刻命斬で機怪魚は一掃したものの、本体はまだふよふよと。
「しぶといのです。これが世に言うゴキブリ並み……?」
「オ? オォォォオッ!」
 微かに眉を顰めるイヴに構わず、マイランキングを披露していた機怪魚人間は、少女の肩越しに立つ人影に何というか……どーしよーもない雄叫びを上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白鳥・深菜
呼んだかしら?(銀色の髪)(特徴:ポニーテール)(多分、勝気……?)
っていうかキモい(普段より強烈なジト目になる)
ともかく、ピーチクパーチク煩い奴は、問答無用で狩ってやる!

……ただ、この相手には(直感的にも感情的にも)近づきたくない。
……けれど、相手は遠距離得意な感じだし。

……うう、仕方ない。接近戦で勝負するわ。
トリニティ・エンハンス、炎の魔力で攻撃力をブースト!
初めまして焼き魚になってしまえぇぇ!(【属性攻撃】で【捨て身の一撃】)

(※機怪魚人間による弄りは歓迎いたします。
こと戦いにおいては真摯で真面目な子なので、
戦闘中に彼女にキモい言葉でもかけようものなら
「真面目にやれ!」などとキレます)



「呼んだかしら?」
 山羊の角、白梟の翼、深緑の鱗に覆われた尾――白鳥・深菜(空を彷徨う翼・f04881)はキマイラのマジックナイト。だが、敵の視線は彼女の髪に釘付けだった。
「っていうかキモい」
 いつもに増して強烈なジト目で睨む深菜の鮮やかな銀のポニーテールを前に、敵はふよふよ……くねくね身悶えしている。
(「……近付きたくない」)
 直感的にも、感情的にも。だが、くねくねしている間に、機怪魚の数も増えている。魚雷に魚型銃と、敵は遠距離攻撃が得意だ。
(「……うう、仕方ない」)
 白銀のレイピアと水晶のアサメイを構える深菜。一斉射撃の前に、一気に間合いを詰める!
「初めまして。焼き魚になってしまえぇぇ!」
 ゴォッと細剣より噴き上がる炎。灼熱の軌跡を描き、鋭く斬り掛かる。
 ギィンッ!
「銀ノポニテ、真ニ乙」
 機怪魚を盾にしながら、機怪魚人間は……何か嬉しそうだ。
「ダガ惜シイ……理想ハ、抱ッコシテ頬ズリデキル大キサデアルカラシテ」
「っ! 真面目にやれ!」
 殊戦いに於いては真摯な深菜。その憤りに呼応して、炎が更に噴き上がる。
「ピーチクパーチク煩い奴は、問答無用で狩ってやる!」
 水晶のアサメイで機怪魚の盾を斬り払い、白炎棚引くレイピアが機怪魚人間を真っ向から貫く。
「ノ、ノオォォォッ!」
 攻撃に専心した捨て身の一撃は、炎で増幅した武威を余さず機怪魚人間に注ぎ込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リステル・クローズエデン
「人の趣味嗜好は人それぞれですが……」

【制限解除・呪腕解放】発動。
デメリットは『呪詛耐性2、毒耐性2、激痛耐性1』で軽減。
青いオーラを体と刀に纏わせる。
その心にあるのは怒りではなく、刃の如き殺気。
『恐怖を与える1』

「お前……斬る……」
『鎧無視攻撃3、戦闘知識2、見切り2、毒使い2』で動きを見切って、
潜水服の脆い部分を狙い斬り裂く。
「楽には終わらせない……」



「趣味嗜好は人それぞれですが……」
 猟兵達の砲撃と剣撃の間に、リステルは改めて構えを取った。
 度重なる攻撃を喰らい、機怪魚人間は大分消耗しているようだが、それでもまだ、機怪魚を操る余力はある様子。
「青の封印解放……」
 リミッター解除。右腕に組み込まれた呪物の封印を解放するや、今度こそ青きオーラが刀と細身を包む。
 ――――!!
 今しも、彼女を狙おうとしたミニ魚雷が、失速した。そう、今の彼女に在るのは怒りではなく、刃の如き殺気。
「……ウ、ウヌ?」
 凍て付いた殺意を感じたか、リステルに首を巡らせた機怪魚人間が身を竦ませる。
「お前……斬る……」
 同時、潜水服の可動部位を精確に見切り、青纏う刃が正確に斬り裂いていく。
「……ナ、ナント!?」
 今や、機怪魚人間の関節部は露出していた。潜水服の裂け目から覗く太刀傷は、青黒く変色して。
「楽には終わらせない……」
 敵に注いだ毒はリステルをも蝕むも、全身に走る悪寒も痛みもおくびに出さず冷ややかに言い放った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白鳥・深菜
ふうん。あれで致命傷かと思ったけど、まだ立っていられるのね。
いいわ、狩りを途中で投げ出すのも性に合わないし……
しっかりと、終わらせてあげる。

細剣の攻撃は主力ではあるけど、必ずしも最大の攻撃手段ではない。
相手を本気で仕留める時の決め手は、急所への短剣の一撃。

引き続き接近戦で勝負。
機怪魚を盾するならば【武器落とし】なり【武器受け】で【見切り】いなす。
そして、ユーベルコード発動。
まずは細剣を穿ち、相手の動きを制限。
そして決まったならば【2回攻撃】で潜水服の裂け目を狙って、短剣を差し込む!

「ま、いい加減に慈悲をくれてやるわ。永遠に戻ってこれない奴だけど」



「ア……グゥ……」
 傷口から巡る毒に、さしもの機怪魚人間も苦しげに……。
「婦女子の、アイガ、重イ」
 己が身を抱き締めテレテレ。この期に及んで尚、しぶとかった。
「ふうん。あれで致命傷かと思ったけど、まだ立っていられるのね」
 呆れたように眉を顰める深菜。ジト目のまま、肩を竦める。
「いいわ、狩りを途中で投げ出すのも性に合わないし……しっかりと、終わらせてあげる!」
 言い放つや、空を切り裂く白銀のレイピアの刺突。
「っ!?」
「ンー、勝気ヨシ、ダガ、何カガ足リヌカラシテ」
 飛び込んできた機怪魚が、力任せに刺突の軌道を逸らす。そこへもう1体が合体。刻印された数字が20を超えた。
「ヤハリ、至高は金髪ツインテカ」
「戯言を!」
 だが、それで怯む深菜ではない。更に突進してきた機怪魚を、両腕を交差させて受け止め、いなす。
「ま、いい加減に慈悲をくれてやるわ。永遠に戻ってこれない奴だけど」
 機怪魚をかわした勢いで、更に前へ――深菜の攻撃の主力は細剣、だが、それが必ずしも最大の攻撃手段ではない。
「ムムッ!?」
 脇腹を切り裂く一撃に、機怪魚人間が動きを止めた瞬間。
 逆手の水晶のアサメイが、するりと潜水服の裂け目に滑り込む。
「さあ、トドメよ」
 深菜が狩猟者の本領を発揮する時、真の武威は急所への短剣の一撃。
 ――――!!
「チ、チビッコ金髪ツインテよ、永遠ナレーッ!」
 最期まで意味不明の叫びを上げて、機怪魚人間は骸の海へと還っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『鍛錬をしよう』

POW   :    拳と拳、体術勝負

SPD   :    技と技、技能勝負

WIZ   :    心と心、精神力勝負

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


倒れたオブリビオンは、忽ち霧散し消え失せた。
 草海の中央に設えられた円形の石舞台は、先刻まで激闘の足場であったにも拘らず、亀裂1つない。
 これ程丈夫ならば、ユーベルコードの丁丁発止にも耐えるだろう――要は鍛錬の誘いだ。演武と言い換えても良い。
 広さからして、1対1の個人戦が丁度良さそうか。滑らかな円盤上でぶつかり合うのは互いの武のみ。小細工なしの技の競演だ。
 実戦の後の鍛錬ではあるが、猟兵同士が競い合う事で、見えてくるものもあるだろう。
ルセリア・ニベルーチェ
イヴ・イルシオン(f01033)さんと模擬試合
ルセリアさんのハジメテ(猟兵同士の戦い)をあ・げ・る♪

残像・見切り・第六感を守りに使用
戦闘知識・情報収集で戦い方を分析

生命力吸収・範囲攻撃を常時展開
生命感知のレーダー代わり、位置把握・残像対策

初手、破壊の暴君を属性攻撃による
電撃を加え相手の動きを止める為に使用

同時に契約者権限で空や背後から黒剣を射出
少しでも当たれば吸血嬢の戯れを使用
剣に付着した血から吸血・真祖の晩餐を使用

語尾を猫語(にゃん)にするルールを宣告

後はイヴちゃんの反応を楽しむ、もうルセリアさんは満足!
怪我は星々よ、命を紡げで回復してあげ
勝敗問わず、最後は『コミュ力』で〆て仲良くなれれば!


イヴ・イルシオン
ルセリア【f00532】

【武器改造】で武器の殺傷力極力低下
『魔導義手』電流機能追加

「今日は付き合ってくれて感謝なのですよルセリア。最高の相手なのです」

『黒鈴』の居合いの構えで開始合図待機

開始:居合抜きした【残像】を作り【迷彩】で【ダッシュ】
接近:変則的に【残像】を作りつつ『魔導脚』で空気の壁を蹴り頭上(空中)を不規則に【ジャンプ】で撹乱
絡め手:『魔導義手』から鋼糸を射出し絡めて放電
遠距離:八本の『気紛れ精霊のスローイングナイフ』を【誘導弾】【一斉掃射】で両側から投げ一本だけ【スナイパー】で死角狙い
決め手:【怪力】【鎧無視攻撃】【二回攻撃】の【弧月斬】

黒剣は【第六感】で回避
緊急時『魔障壁』で防御



●ルセリアさんは自由民 VS 狂気の殺戮人形
「今日は付き合ってくれて感謝なのですよルセリア。最高の相手なのです」
「はいはーい♪ ルセリアさんのハジメテをあ・げ・る♪」
 イヴ・イルシオンの言葉に、ルセリア・ニベルーチェ(ルセリアさんは自由民・f00532)は満面の笑み。ハジメテ(今回は、猟兵同士の戦い)には、いつも心躍るものだ。
 石舞台の上で向かい合う2人。各々身構えると、空気がピンと張り詰める。
 チリン――イヴの蒸気駆動型軍刀《黒鈴》の飾り鈴が小さくなった次の瞬間。
 ――――!!
 小柄の像が幾重にもぶれる。寸分違わず居合抜きしたイヴ達が、一斉に石舞台を蹴る。
「ひのふの……これは沢山だわ、すごいすごい♪」
 軽口を叩くルセリアだが、残像全てに対処しては埒が明かない。だから、纏めて叩く!
「ルセリアさんを怒らせると、怖いのよ?」
 怒気含まぬ呟きが一転、不敵な表情さえ失せるや、ルセリアは数多の黒剣から一振りを掴む。
 ドゴォォォッ! バチバチバチィッ!
 単純に、襲い来るイヴ達の中心に奔る剣筋。石舞台に刃を叩き付けるや轟音立てて黒雷が爆ぜた。
「うわ……普通は、地形諸共ぶっ壊すんだけど」
 ルセリアのユーベルコード「破壊の暴君」は文字通り、イヴの残像を全て消し飛ばしていた。それでも、石舞台には傷1つ無い。流石は究極の地下迷宮「アルダワ」だ。
「……っ」
 ルセリアが石舞台の頑丈さに気が逸れた隙に、イヴは再度、舞台を蹴る。
 ――――!!
 ジャンプを駆使し、時に魔導脚が作り出す空気の壁を蹴って軌道を変える。
「くっ!?」
 不規則に浮かんでは消える少女の残像。その見切りは、ルセリアの戦闘センスに依る所が大きい。それはイヴも同じく。ルセリアの自在な黒剣の射出をギリギリでかわしてのける勘所は、もう第六感の域だ。
 バチィッ!
 刹那のタイミングを外し、ねじ込んだ攻撃のチャンス――目には目を、雷撃には雷撃を。イヴの魔導義手より射出された鋼糸が、黒剣の柄ごとルセリアの腕に絡みつくや放電!
「……痛」
 流石に顔を顰めるルセリアを、間髪入れず襲うスローイングナイフ。黒剣の一閃で7本纏めて払うも。
「……うん、『血』が通ってないものはやり難いわ」
 死角から首筋をスナイプしようとした本命の1本を、腕を盾にして庇い溜息を吐く。だが、ルセリアに焦りは無い。
 ルセリアの得物、12本もの黒剣は、契約者権限を以て神出鬼没、自由自在。イヴに掠りでもすれば、「吸血嬢の戯れ」で血液を得られる。なれば「真祖の晩餐」がルセリアに「力」を齎すだろう――戦況を容易くひっくり返す武威を。
(「あれ……ああっ!? 使えるユーベルコードは1つだけだっけ!?」)
 『吸血』自体はダンピールの十八番だ。『生命力吸収』も。だが、その技能を、ユーベルコードを通して使おうとした――実戦ではあり得ぬ模擬戦ルールの見落としから生じた隙を、キリングドールを見逃す筈もない。
「─────弧月斬」
 イヴの構えは居合に始まり、居合に終わる――か細い腕から繰り出されるには余りに重い斬撃が2度、咄嗟の防御態勢をもすり抜け、ルセリアに刻まれる。
「あー、負けた負けた♪」
 ぱたりと仰向けに倒れたまま、ルセリアはカラリと笑みを浮かべる。
「ルセリアさんが勝ったら、『語尾は猫語』ルールを言い渡すつもりだったんだけど」
「え……」
 イヴの乏しい表情に、焦りの色が見えたのはきっと気の所為ではないだろう。
「フフン♪ 次は負けない、にゃん♪」
 ガバリと飛び起きた不意打ちでイヴを抱き締め――ルセリアは存分にナデナデした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リステル・クローズエデン
特に相手は指定していません
あぶれた場合は、観戦します

戦闘時
左手に刀を、右手に鞘を持ち【我流闘法】攻撃回数重視
『鎧無視攻撃4、戦闘知識3、2回攻撃3、グラップル5』で攻撃
刀の斬撃と、鞘の打撃に蹴りも組み合わせての連続攻撃を行う
「我流闘法・双星連舞」

防御・回避には
『見切り2、オーラ防御7・ジャンプ5』併用。
「っと、危ないところですね」
「防ぎきれっ」

遠距離相手には手裏剣を『投擲8』で投げつける。
場合によっては、鞘を投射して刀で斬りつける。
「遠距離相手でも、やりようはあります。」

勝敗に関係なく、相手の力量と技に敬意を表します。
「良き勝負でした」

観戦時
(見ることも、また修業ですね。)


アララギ・イチイ
※誰でもOK・アドリブ推奨

きゃはぁ、楽しそうだから出遅れ参加させてもらうわねぇ
折角、覚えたのに使い所が非常に難しい(個人の感想)UCを使わせてもらうわぁ
試合開始前に「頑張って避けないと酷い目に合うわよぉ」と警告しておくわぁ(早く動く存在じゃないと攻撃対象に出来ないので

変化・捕食形態を使用するわぁ
ブレス攻撃で対戦相手を攻撃、浮遊砲台やシールドビットも周囲に展開よぉ
理性が無いからブレス攻撃(毒使いでマヒ攻撃・気絶攻撃の能力が付与)と装備の各種砲台による(一斉射撃・範囲攻撃)とかするんじゃないかしらぁ?

変化能力がどのタイミング解けるかはMS判断でお願いするわぁ
こんな化物(自分)どう相手するか楽しみぃ



●記憶喪失の放浪者 VS ドラゴニアンの少女
(「見ることも、また修業ですね」)
 初戦をじっと観戦していたリステル・クローズエデンだが、ふと視線を感じて振り返る。
「きゃはぁ、楽しそうなことやってるわねぇ」
 赤いロングヘアが目を引く和装の少女だった。明るい笑顔と裏腹に、金色の眼は剣呑を帯びる。
「ねぇ、あなた1人? だったらぁ、私のお相手して欲しいんだけどぉ?」
 初対面にも物怖じせず、少女はアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)と名乗る。
 対戦の申し出は、リステルも否やはない。揃って、石舞台に上がる2人。
「では、宜しくお願いします」
 一礼して身構えるリステル。左手に無銘の刀、右手に黒の鞘を握る二刀流だ。
 対するアララギは――周囲に小型の球体デバイスと浮遊砲台を複数展開。だが、彼女自身は無手だ。
「頑張って避けないと酷い目に合うわよぉ」
(「それは、どういう……?」)
 その言葉にリステルが疑問を呈す暇もなく――アララギは忽ち姿を変えていく。
「な……!?」
「折角覚えたのに、使い所がとっても難しいのよねぇ、このユーベルコード……よーし、変☆身、だわぁ……」
 愉悦帯びた呟きと共に、アララギの理性が溶ける。
 ――――!!
 轟く咆哮。そこにいるのは、巨大なドラゴン。獰猛なる金の眼はリステルを睥睨する――対戦者を見る戦士の視線ではない。獲物を狙う捕食者として。
 ゴアァァァァァッ!!
「っ!」
 吐き出されるブレスを、跳躍してかわすリステル。その軌道を追うように、浮遊砲台が一斉掃射する。
「っと、危ないところですね」
 辛うじて射線を見切り、舞台に降り立ったリステルはすぐさまサイドステップ。
「っ!?」
 だが、今度はドラゴンブレスが半身を掠めた。途端、重い痺れにバランスを崩す。
(「麻痺毒のブレス……!」)
 直撃すれば、意識すら手放しかねないだろう。そうなれば、終わりだ。
 今のアララギは巨体と言えど、浮遊砲台の牽制とドラゴンブレスでおいそれとは近づけない。
「近付けなくても、やりようはあります」
 抜き手すら見せず、手裏剣を次々と投擲するリステル。だが、今度はその射線に滑り込んだ球体デバイスが光の盾を形成、光学迷彩までも展開する。
「……っ」
 ともすれば痺れる右手から鞘が落ちそうになるのを堪え、リステルは必死にアララギの猛攻を凌ぎ続ける。だが、このままではジリ貧だ。
 それでも、リステルは諦めない。
(「……これは」)
 相手は巨大なドラゴン。その動きは理性ではなく猛獣の捕食本能に即している。リステルが攻撃を回避する瞬間、その瞬発力に反応する事は、ブレスに身を晒される中で見えてきていた。
 ならば――アララギがドラゴンブレスを吐き切ったのを見計らい、石舞台の上に立ち止まるリステル。戸惑うように首を伸ばす巨体を見据え、全身のバネをたわめた次の瞬間。
 ――――!
 一気に舞台を蹴った。その方向は真っ直ぐドラゴン――アララギへ。
 ゴアァァァァァッ!!
「防ぎきれっ」
 真っ向から浴びせられるブレスも、浮遊砲台の面攻撃も、オーラ防御で耐えながら只管に前へ。
 一か八か、アララギの攻撃が押し勝っていれば勝負はそこでついただろう。
「我流闘法……双星連舞」
 力を振り絞り、鞘を投げた。竜の鼻面に叩き付けた鞘を目くらましに、リステルは間合いを詰め切る。既に右手の感覚はない。それでも、刀を振るい、蹴り付ける。
 ――――!!
 初めて、アララギは慟哭するように叫んだ。理性失せた時点で、予め展開していた浮遊砲台も、シールドビットも、戦闘中の微調整は叶わない。至近距離まで詰められれば、巨体に隠れるリステルの動きはもう捉えられなくなっていた。
 ――――!!
 ドラゴンの硬い鱗も、リステルの慧眼が脆い箇所を見極め、的確に痛撃していく。
「……っ……あ……」
 その瞬間は、唐突に来る。ビクリと強張った巨体が、見る見る縮む。ドラゴンから少女へ――ぐらりと傾いだ小柄を、辛うじてリステルは支える。
「……きゃはぁ、負けちゃったかぁ」
「良き勝負でした」
 零れる重い吐息。ギリギリの鬩ぎ合いだった。アララギに秘められた猛き力に敬意を表し、リステルは静かに目礼した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ベルリリー・ベルベット
瞳子(f02599)にお相手をお願いするわ。
どっちが勝っても恨みっこなしだからね。

身軽さと可憐さがリリの持ち味なの。
サーカス仕込みのパフォーマンスで翻弄してあげる。

突起があればフック付きワイヤーを引っ掛けて飛び移りながら、常に相手と距離をとるように動くわ。
回避には【見切り】【逃げ足】【空中戦】も使用。

攻撃のチャンスが見つかったら、ユーベルコードで遠距離から攻撃をお見舞いしちゃう。
攻撃時には【2回攻撃】や【属性攻撃】も使っていくわ。

瞳子に隙があれば、接近して【盗み攻撃】を仕掛けて、武器を盗んじゃう。

模擬戦が終わったら、勝敗に関わらず瞳子と握手するわ。
こういう時は健闘をたたえ合うのがマナーなのよ。



●ルーナフラウ VS トンボ眼鏡のグリモア猟兵
「……ほんまに、うちで構わへんの?」
「どっちが勝っても恨みっこなしだからね」
 各務・瞳子を対戦に誘ったベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)は、ニコリと笑んで石舞台の上から差し招く。
「身軽さと可憐さがリリの持ち味なの。サーカス仕込みのパフォーマンスで翻弄してあげる」
「そうなんや。うちはガジェット頼みやさかい、お手柔らかにな」
 両手で男の子の人形を抱き、瞳子はペコリと一礼する――少し離れた間合いで、互いの出方を窺う事暫し。
(「引っ掛けられそうな出っ張りとか……無さそうね」)
 円形の石舞台は、表面に未だ傷1つ無く滑らか。周囲は草海で、高木の類も無い。
 だが、空中ブランコの花形は、空を舞うのもお手の物。
 ――――!
 ワイヤー付きフックを舞台の縁に引っ掛けるや、ワイヤーを握ったまま駆け出すベルリリー。フックを中心にワイヤーは半径、自身は舞台上に振り子の軌道を描きながら遠心力で跳躍する!
「ダメよ、目をそらしちゃ」
 トンボ眼鏡越しの眼を見開く瞳子に嫣然と微笑み、ベルリリーは空中から片手を一閃!
「っとと。空中戦かぁ……流石はスカイダンサーやなぁ」
 サテンのリボンがひらりと舞う。相次いで投擲されたナイフがバチリと爆ぜ、たたらを踏んだ瞳子の手が腰に伸ばされる。
「けどな、こんな事もあろうかと!」
 ハリセン型ガジェットは見る見る巨大化。瞳子が魔女の箒のように飛び乗れば、魔導蒸気ブースターより勢いよく蒸気が噴射する。
「ガジェットスピードライド! ……どうや? うちの子、イカスやろ♪」
 噴射の勢いのまま、瞳子を乗せたガジェットはベルリリーの着地地点へ突撃! ガジェットの軌道を見切らんとするベルリリーだが、眼の前に躍り出たからくり人形を咄嗟に払いのけた次の瞬間。
「……っ!?」
 ガジェットのブースターが逆噴射。魔導蒸気の突風を真っ向から浴びせられた。
「確かに、イカスわね」
 逆噴射でベルリリーと間合いを取った瞳子は、引き続き、ガジェット騎乗体勢。ワイヤーアクションで飛び回るには些か難ありのベルリリーには、ガジェットの直線スピードは脅威だ。だが、少女の表情に少しの焦りもない。
「逃げ足なら負けない、わ!」
 再度突進してくるガジェット。ベルリリーは勢いよくサイドに跳ぶ。その白い影が一気に何かを手繰り寄せ――ビンッと張られたのは、即席のワイヤートラップ。
「うわぁっ!」
 見事引っ掛かり、石舞台に転げ落ちる瞳子。ゴロゴロと転がった勢いで、再び立ち上がれたものの。
「ふぅん……素敵なオモチャ、ね?」
「あ……」
 クルクルと飛んで行った瞳子のガジェットは、元にサイズに戻ってベルリリーの手の中に。頼りの武器を盗られてしまっては。
「あー……降参や! 降参!」
 いっそあっけらかんと、瞳子は白旗を上げる。
「ワイヤー回避の反射速度が全然やなぁ……武器を持っていかれん細工も必要や」
 反省を手早くメモしながら、ベルリリーに快活な笑顔を向ける瞳子。
「対戦おおきに。色々、勉強になったわ」
「こちらこそ」
 互いの健闘を称え合い、2人は固く握手した。

成功 🔵​🔵​🔴​

柊・雄鷹
勝っても負けてもえぇ
誰か一緒にやらへんかー!!
ただ女の子だけはワイ、殴れへんねん
その場合は素直にサンドバックやるわ!
男同士なら遠慮はいらん、全力攻撃や!

愛用のホークダガーで2回攻撃
ヒットしたら空中に飛んで後退
ヒット&アウェイってやっちゃな!
敵の攻撃は第六感で避ける、躱す

相手が遠距離にいる場合は、
ホークダガーを怪力で相手に投げ飛ばす
その隙に近距離に踏み込む
腰に大事に大事に封印しとる、氷刃の鷹の出番やで!

好きなだけ凍っといてなぁ

勝っても負けても、最後は挨拶や!
けどあれやな、めっちゃお腹空いてもぉた
良かったら一緒に、飯でも食いに行けへんか?


ティオレンシア・シーディア
いやまあ、あたしももう20も後半だし、年増なのに異論も反論もないんだけどぉ…

あー…なんだか、すんごく疲れた気がするわぁ…
あんまし苦労した記憶はないんだけど、なんというか、精神的に…
せっかくだし、ちょっとくらい憂さ晴らししても、誰も文句言わない…わよ、ねぇ?

相手はだれでもOKよぉ。

ここはやっぱり先手必勝ねぇ。〈クイックドロウ〉からの〈先制攻撃〉で●封殺にかかるわぁ。
〈スナイパー〉の〈2回攻撃〉をメインに近づかせず戦うわよぉ。
〈早業〉で隙はできるだけ晒したくないわねぇ。
〈カウンター〉で〈鎧無視攻撃〉の〈一斉発射〉を叩き込めたら最上ねぇ。

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎



●sky jumper VS イエロー・パロット
「誰か、ワイと一緒にやらへんかー!!」
 柊・雄鷹(sky jumper・f00985)の大声が響き渡る。勝ち負けなんて気にしない。これまでの対戦は何処かで何度も聴いた英雄伝の一騎打ちのようで、雄鷹に流れる血が騒ぐのだ。
「じゃぁ、あたしのお相手、お願いしようかしらぁ」
 耳に飛び込んできたのは蕩けるようなシュガーボイス。思わず振り返れば……スレンダーな美女が佇む。
「あ、えっと……」
 ブルーブラックの長いお下げ、伏し目がちの瞳、ミステリアスな微笑。スマートなギャルソンの装いは、草海よりお洒落なバーの方が似合うだろう。
「あたしじゃぁ、ご不満かしらぁ?」
「そ、そんな事ないで!」
 慌てて頭を振る雄鷹。内心で声と外見のギャップに「世界は広いなぁ」なんて思ったけれど。
「ワイは、柊・雄鷹や」
「ティオレンシア・シーディアよぉ。よろしくねぇ」
 まずは自己紹介。石舞台に上り――雄鷹は、困ったように眉を顰める。
「始める前に悪いんやけど……実はワイ、女の子だけは、殴れへんねん」
「女の子……多分、あたし、あなたより年上よぉ?」
「年齢なんか関係あらへん! そやから、ワイはティオレンシアちゃんのサンドバッグになるわ!」
 遠慮するなとばかりに身構える雄鷹は、確かに全力防御の構え。今度は、ティオレンシアが困惑を滲ませる。
(「年増呼ばわりされたり、女の子扱いされたり、忙しいわねぇ」)
 27歳のティオレンシア。あの訳の判らんフロアボスの言い草には、異論も反論もなかったが……何というか、すっごい疲れたのも確かで。
「……せっかくだし。ちょっとだけ憂さ晴らし、いいわよ、ねぇ?」
「どんとこ……ッ!?」
 抜き撃ちの手さえ見えなかった。ティオレンシアのリボルバー銃が火を噴くや、銃弾が雄鷹の脇腹を掠め飛ぶ。恐らく、わざと急所を外された。
「ティオレンシアちゃん、もしかして……」
「ええ、戦場を渡り歩いてきた、アーチャーよぉ」
 弓や投擲のみならず、異世界の投石器から銃器に至るまで、アーチャーはあらゆる射撃のプロフェッショナルだ。
「だからぁ、避けてもいいわよぉ……出来るものなら」
 ――――!!
 狙い澄ました連射が石舞台に跳ねる。咄嗟に雄鷹はバックステップからスクラップを召喚、それを足場に跳躍する。
「う……」
 灰銀の翼を広げる雄鷹。反射的にホークダガーを投げ付けようとして、握り込む。
「俺かて、修羅場の数は負けへん!」
 宣言を違えぬ強い意志に、ティオレンシアの唇が緩やかに綻ぶ。
 ――――!!
 幾重にも響く銃声。連射の反動を素早く抑え込み、弾幕を張るティオレンシア。
「……っ!」
 時に滑空し、時に急降下で緊急回避。或いは、力任せに追撃を振り切り、雄鷹は宙を舞い続ける。最低限の被弾で済んでいるのは、第六感の賜物だろう。
 だが、永久機関ならぬ生身では、何れ終わりが来る。
 ――――!!
「のわぁっ!!」
 風切羽を撃ち抜かれ、ぐらりとバランスを崩す雄鷹。すかさず銃を構え直し、ティオレンシアの一斉掃射が火を噴く。
 ――――!!
 実のところ、カウンター射撃もやりたかったが、攻撃してこない相手だから仕方ない。
「はい、終わり」
 咄嗟に受け身を取った雄鷹の額に銃口を突き付け、ゲームセット。
「筋を通すのは良いけどぉ、『サンドバッグ』にはちょっと物足りないかしらねぇ」
 相手の気が済むまで一切の攻撃に耐え抜くのが『サンドバッグ』だ。信念を押し通すにも『強さ』は必要だ。
「……悪かったわ。ワイの我儘に付き合わせてしもて。それから、対戦おおきに」
「こちらこそぉ」
 神妙な面持ちでペコリと頭を下げる青年に、ティオレンシアもにこやかに。
「けどあれやな、めっちゃお腹空いてもぉた」
「じゃぁ、あたしの店にいらっしゃいなぁ」
 すぐに腹を撫でさする雄鷹のカラリとした態度に、Bar『黒曜宮』のマスターはクスリと笑んだ。

 最後の対戦者も石舞台を後にして。演武の台は、再び静寂を取り戻す。次はどんな戦いが繰り広げられるか。今はまだ、知る者も無し――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月07日


挿絵イラスト