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鍵を解くもの、かけるもの

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●画面に顔が映っていなくても視界は良好な様子
 キマイラフューチャー、とある海岸沿い。
 背の高いビルが立ち並び、海を臨む幹線道路から一本奥に入った路地にて。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
「ホアー!」
「くそっ、ちょこまかと……待てーい!!」
 水色と白の身体をしたテレビウムの少年が、頭に被り面を被った謎の集団と、彼らを先導しているらしいスーツ姿の怪人に追い立てられていた。
 テレビウムの顔の画面に、本来映るはずの表情はなく。代わりに映っているのは、黄色くシンプルな鍵の画像だ。
「もうっ、急に画面が変な画像から切り替わらなくなると思ったらこれって……なんなんだよー!」
 小さな身体を駆使して、細い通路や物が置かれて入り組んでいる通路を走り抜け、謎の集団から逃げようと駆けまわるテレビウムの少年。
 自分を捕まえようと探し回る謎の集団から身を隠しつつ、肩を大きく上下させる彼の顔の画面は、未だ変わらない。
「くそっ、誰か、何とかしてくれよ……!」

●グリモアベースが騒然としている様子
「キマイラフューチャーのテレビウムの一部で、画面に変な鍵が表示されている事件、もうお前らは聞いたか?」
 梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)は自身の持つグリモアを指先に浮かべながら、開口一番そう告げた。
 肯く者、首を振る者がいる中で、剛士は真面目な表情で口を開く。
「その鍵が表示されているテレビウムが、オブリビオンに追いかけられている場面を予知したんだ。助けに行ってやってくれないか」
 場所はキマイラフューチャー、とある海岸沿い。大小さまざまなビルが立ち並び、眼前に海が広がるその街中にて、件のテレビウムは追われている。
 追われているテレビウムの名は、ヨナターン・ロチェク。15歳の少年。
 明るく元気で単純な性格をした彼は、自分の顔の画面が切り替わったと思ったら謎の集団に襲われ追いかけられている現状に、非常に戸惑っている様子だ。
「オブリビオンの集団は、ヨナターン少年を捕らえようと襲い掛かってきます。
 唐突に表示された鍵の謎も、そのテレビウムを襲撃せんとするオブリビオンの思惑も、分かりかねますが……事件を解決すれば、見えてくることもありましょう。
 どうか、ご助力いただきたく思います」
 真面目な表情で説明する剛士の後ろで、狼獣人モンスターのヴァリウードもゆるりと頭を下げた。
 襲ってくる敵の様相は、こうだ。
 ヨナターンを追いかけている、大頭頭ズが10人。
 海中やビルの陰でヨナターンを待ち伏せている、何も答えてくれないベルーガが10頭。
 そのオブリビオン達を指揮している、なぞなぞハカセが1人。
 この全てを撃破することで、初めてヨナターン少年は襲撃から解放されることになる。
「なんでいきなりこんなことになったのかは分かんねーけど、テレビウム達を助けることは、確実にいい結果を生むはずだ。
 頼んだぜ、お前ら!」
 そうはっきりと宣言した剛士の傍らに開かれる、キマイラフューチャーへのポータル。
 猟兵たちは一斉に、こくりと頷いた。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 テレビウムさんたちが大変なことになっているようです。
 何かの事件の予兆でしょうか、気になりますね。

●目標
 ・テレビウムの顔の画面に映った鍵の画像の謎を解く。

●戦場・場面
(第1章)
 キマイラフューチャーの海岸沿いの路地裏です。
 顔の画面に鍵が映ったテレビウムが、大頭頭ズ10人に追いかけられています。

(第2章)
 キマイラフューチャーの海岸沿いの道路です。
 周辺のビルや海から、何も答えてくれないベルーガが10頭出現して追いかけてきます。
 テレビウムの画面に映る鍵が、海岸沿いのビルのどれかを指し示しています。

(第3章)
 キマイラフューチャーの海岸沿いに建つ、とあるビルの屋上です。
 この屋上に着くと、テレビウムの顔の画面が突然光り出します。
 光が収まるまでのおよそ15分、屋上から動くことはできません。
 なぞなぞハカセが一人で皆さんとテレビウムを追いかけてきます。

●テレビウム
 名前はヨナターン・ロチェク。男性。15歳。
 水色と白のツートンカラーをしたテレビウム。
 性格は明るく元気で単純。あまり物事を深く考えない。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『大頭頭ズ』

POW   :    x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。

イラスト:ケーダ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高柳・零
POW
一体、何が起きてるんでしょうね?
とにかく、あの少年を助けましょう。

「そこまでです!子供を虐待すると放送禁止になりますよ!」
少年を背後にかばい、盾受けと武器受けでかばいます。受け損なったら、オーラ防御で体で受けます。少年には、指一本触れさせません。

x極拳は敵の攻撃イメージを見切り、動きを先読みして対応します。
i極拳は初撃を注視して冷静に盾で止めます。


攻撃して来た相手に、カウンター気味に2回攻撃で天斬りをお見舞いします。攻撃動作中なので、脱力してる暇はない筈です。
「骸の海への片道切符です!」

アドリブ歓迎です。



●聖騎士は立つ
 ヨナターン・ロチェクは震えていた。
 自分を追いかけて探している変な頭をした集団の足音が近づいてくる。
 どこに逃げようか、どうやって逃げようか、思考を高速回転させる彼の前に。
 ざっと足元の塵芥を蹴散らし、庇うように立つ影があった。
「大丈夫ですか?助けに来ましたよ」
「あんたは……テレビウム?」
 緑色の身体に四角い頭、黄色い画面にワの口。高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)が微笑みながら自分に背を向けつつ顔の画面を向けるのを、ヨナターンは不思議そうに首を傾げながら鍵の画像を向けていた。
 今回の事象は、全てのテレビウムに発生しているわけではない。零のようにいつもの表情のままで、こうして助けに来ることが出来るテレビウムもいるわけだ。
「本当に鍵の画像ですね……一体、何が起きてるんでしょうね?」
「オレにも分からないんだよ!急にこんな風になって……って、ひぃっ!?」
「ホアー!」
 零が改めてヨナターンの顔の画面を見ていると、急にヨナターンが悲鳴を上げた。振り返った零が目にしたのは、こちらに向かって片手を振りかぶる一人の大頭頭ズの姿。
 見つかったか。途端に真剣な表情になった零が、手にした盾で振り落とされる拳を受け止める。
「ここは抑えます、すぐに逃げてください!」
「う、うんっ!」
 受け止めた相手の腕を剣で斬りつけながら、後ろに庇うヨナターンに声を飛ばした。すぐさまに零の後ろから飛び出して、路地の奥へと駆けていくヨナターン。
 その様子を見て大頭頭ズがヨナターンを追おうと地を蹴るが、逃走を易々と許すような零ではない。
「子供を虐待すると放送禁止になりますよ!」
 無防備な脇腹目掛け、零の剣が鋭く振るわれる。
 天斬り。
 胴体を斬り裂かれ、その中華服からごぽりと血を噴き出す大頭頭ズの身体が、ぐらりと傾ぐ。
 そして前のめりになったその頭の被り面へと、零の剣が吸い込まれるように突き立てられた。
「骸の海への片道切符です!」
 ばきり、と砕けるような音がした後に。
 ぐったりと地面に倒れ伏す一人の大頭頭ズの身体が、空気に溶けるように砕けて消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナミル・タグイール
謎の鍵…鍵にゃ?
鍵といえば宝箱にゃ!宝箱といえば金ぴかにゃ!(天才猫)
その鍵もお宝もナミルが頂くにゃ!

ジャラっと金ぴかいっぱいつけて【偽りの幸福】にゃ!
追いかけてる敵をナミルが追いかけるにゃ。鍵は渡さないにゃー!
デッカイ頭だから狙いやすいにゃ!勢いつけて飛び蹴りのヒットアンドあうぇいにゃ。
ちょっとくらいなら殴られても無視して突撃にゃー!
思いっきり押し倒して隙ができたら斧でグシャーでとどめデスにゃ。

ナミルが来たからもう安心にゃ。だからナミルにその鍵を寄越せにゃ!!
止まれにゃ!逃げるにゃー!



●猫は追う
 ヨナターンが逃げ込んだ路地の奥。
 路地を挟んで立つビルの屋上にて、ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は眼下を走るヨナターンの姿を認めていた。
 そして路地の向こう側から、ヨナターンを指さしている二人の大頭頭ズの姿も。
「謎の鍵……鍵にゃ?鍵といえば宝箱にゃ!宝箱といえば金ぴかにゃ!!」
 まさしく天才的な発想にゃ!と自画自賛するナミルが一挙にビルの屋上から眼下の路地目掛けて躍り出る。
 タン、タンと三角跳びを繰り返してスタイリッシュにヨナターンの眼前に降り立った。
「ひえっ!?今度はなんだよ!?」
「ホァァッ!?」
「お前らに鍵は渡さないにゃ!」
 突然上から飛び降りて、自分と変な集団の間に降りたナミルの姿に、困惑の色を隠せないヨナターン。大頭頭ズの二人も、突然の闖入者に困惑している。
 立ち上がったナミルがびしり、と指を突き出した。
 ヨナターンの画面に向けて。
「へっ?オレ?えっ待って、助けに来てくれたんじゃないの!?」
「勿論助けに来たにゃ!ナミルが来たからもう安心にゃ。そしてその鍵もお宝もナミルが頂くにゃ!」
「なんだよお宝って!?」
 もうヨナターンは何が何だか分からない。分かろうはずもない。ナミルの脳内で自己完結した結果、誰も聞いたことがないお宝を勝手に狙われているのだから。
 一瞬ポカーンとしたまま動きを止めた大頭頭ズだが、すぐに気を取り直してナミルに躍りかかった。
「ホォアーッ!」
「アチョォーッ!」
 それは突風のように。あるいは驟雨のように。
 拳と蹴りをそれぞれ繰り出してくる大頭頭ズの眼前に立っていたナミルの姿が、一瞬にして掻き消えた。
「ホアッ!?」
「こっちにゃ!」
 刹那、側頭部の傍でシャランと音が鳴った。そして急激に加わる強い衝撃。
 戦闘力を増強し、飛翔能力を得たナミルの飛び蹴りが、大頭頭ズの側頭部に炸裂したのだ。
 一人の大頭頭ズがビルの壁に叩きつけられる。そのままぐったりと動かなくなり、やがてその姿は消えた。
「はっ、え!?消えた!どうなってんの!?」
「ホゥッ!」
「今度はお前にゃ!」
 オブリビオンの消滅の瞬間を目撃したヨナターンが困惑する。その彼に攻撃を加えようとするもう一人の大頭頭ズの背中に、ナミルが勢いをつけて跳びかかった。
 地面に顔からスライディングする大頭頭ズの上に跨ったナミルの手には、斧。
「とどめデスにゃ」
「ホ、ホァァッァァァーーーー!!」
 ぐしゃり、と被り面と頭蓋骨が一挙に砕かれる音がした。
 すぐさまに大頭頭ズの身体は掻き消えて、コンクリートの地面に咲き誇る血と脳漿の花。
 スプラッタな光景に、ヨナターンはガクガクと震えていた。
「もう大丈夫にゃ。だからナミルにその鍵を寄越せにゃ!!」
 ナミルがにっこりとヨナターンに笑いかけると。
「うわぁぁぁぁ嫌だぁぁぁぁぁぁ!!」
 恐怖のあまり泣き叫びながら駆けていくヨナターン。どうやら恐怖心が勝ったらしい。
「止まれにゃ!逃げるにゃー!」
 路地に、残されたナミルの叫び声が木霊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディスターブ・オフィディアン
第三人格で行動
【心情】
「やれやれ、すっかり怯えてしまっていますね。ボクが出て落ち着かせることができればよいのですが」

【行動】
ヨナターン少年に合流、コミュ力や優しさも駆使して対話
まずは落ちつかせましょう
「かわいそうに怖かったでしょう。もう安心ですよ」
周囲の敵から守るように行動します

襲い掛かってくる敵に対してはエレメンタル・ミサイルで生み出した氷の刃を放つことで対処します

n卦掌の対策としては、フェイントや騙し討ちでタイミングをずらしたり、氷の刃の切っ先で眼球を狙って恐怖を与えることで脱力状態を阻止しましょうか

スプラッタな状態を見せるのは教育上宜しくないですし、少年の目というか顔は覆っておきます



●男は労わる
 ともすれば涙を流したくなりながらも涙を流せないヨナターンを、路地の向こうで迎えるのはディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)だ。
 かつての友人の人格を模倣した第三の人格を表出させた彼は、穏やかな笑顔をヨナターンに向けつつ屈みこんだ。
「大丈夫ですか?」
「えっ、あ……」
 突然に自身に近づいてきた優しげな表情に、戸惑うヨナターン。その頭をディスターブは優しく撫でた。
「かわいそうに、怖かったでしょう。もう安心ですよ」
「あっ、ありがとうございます……って、こんなことしてる場合じゃない!あっちからまた変な奴らが……!」
 ディスターブに頭を優しく撫でられたことで、幾分か落ち着いたヨナターンだが、視界に二人の大頭頭ズの姿を認めてわたわたと両腕をばたつかせた。
 こちらを指さしている大頭頭ズ。しかして、ディスターブの片手がヨナターンの顔のテレビ画面をそっと覆った。
「え……?」
「しばらく、見えないようにしておきますね。ちょっとの我慢です」
 刹那、ディスターブの周囲に数多の氷の刃が出現した。ひんやりとした空気が路地に満ちる。
 総計160本という圧倒的な数に、大頭頭ズの足が止まった。その隙をディスターブは見逃さない。
「これでも食らいなさい」
 ディスターブの声と共に、鋭い氷の刃が放たれた。
 あるいはまっすぐと、あるいは上から、あるいは横から。まるで包囲するように飛来する氷が、大頭頭ズの身体と面に殺到する。
「ホァァッ……!」
「オウッ……!」
 脱力して攻撃を受け流す間もなく、次々と氷の刃が身体に突き刺さった大頭頭ズの身体が、ぐらりと傾いで消えていく。
 敵の姿がすっかり掻き消えたのを確認したディスターブの手が、ヨナターンの顔からそうっと外された。
「お待たせしました。終わりましたよ」
「あ……あれ、いない。ありがとうございます……」
 きっと顔が表示されていたら目を白黒させたのだろう、ヨナターンが鍵が表示されたままの画面をきょろきょろと動かした。

成功 🔵​🔵​🔴​

コトト・スターチス
辻ヒーラーのコトトですっ
ヨナターンお兄さんのことはぜったいにまもります!


ことなまっ☆(WIZ)で生放送しながら現場に向かいます!
ヨナターンお兄さんには「ぼくは猟兵です、あんしんしてください!」と安全を確保した方向に逃がしますね(救助活動・コミュ力)

大頭頭ズには
「何が起きてるかはわかりませんが、キマイラフューチャーの平和はぼくがまもります!」
ことなまっ☆で強化したメイスをふるいながら立ちはだかります!
多少の攻撃は防具でたえて、『完全な脱力状態』かどうかを【見切り】ますっ
少しでも隙がある敵には頭をメイスでがつんとたたいて【気絶攻撃】をしかけます!
あなたたちをヨナターンさんの所には向かわせません!



●少女は跳ねる
 助けてくれた猟兵と一旦別れ、一息ついたところでヨナターンは再び、大頭頭ズの一人に見つかって追いかけられていた。
「ああもう、次から次へとキリがないなあいつら!オレがなにしたって言うんだよ!」
 後ろを振り返りつつ駆けるヨナターン。その彼が急に足を止めた。
 彼の眼前に、一人の少女が立っているのに気が付いたからだ。その少女こそコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)。
 辻ヒーラーである。
「辻ヒーラーのコトトですっ。ぼくは猟兵です、あんしんしてください!
 ヨナターンお兄さんのことはぜったいにまもります!」
「猟兵……!?え、もしかしてさっき助けてくれた人たちも!?」
 あの猟兵が自分を助けに来てくれたという事実を、ようやく認識したヨナターンが驚きの声を上げる。それにこくりと頷いたコトトが、自身の立つ十字路の一方向を指さした。
「あちらの方向にぼくたちの仲間がいます、逃げてください!」
「う、うんっ……!」
 コトトの言葉にこくりと頷いて、ヨナターンは彼女が指さした方向へと駆けていく。それを見やって大頭頭ズがそちらに向かおうと走る速度を上げるも、コトトはそれを許さない。
 生放送動画を撮影し配信する黒猫型のドローンを展開すると、手にしたメイスを握りしめた。
「何が起きてるかはわかりませんが、キマイラフューチャーの平和はぼくがまもります!」
「ホォァーッ!」
 勇ましくメイスを構えるコトトと、奇妙なポーズを取って威嚇する大頭頭ズ。その映像が某動画共有サイトに投稿されるや、来るわ来るわ、コトトを応援する視聴者のお兄ちゃんたちからの応援コメント。
『コトトちゃん頑張れー!』
『怪人のポーズ超ウケるwww』
 応援コメントの力によって、光り輝くコトトのメイスに、メイド服のリトルホワイト。
 奇妙なポーズから二度三度、コトトに向けて拳を突き出してくる大頭頭ズ。
 それを強化した防具で受けながら、耐え凌ぐコトトは相手の動きと脱力状態を見極める。
 そして大頭頭ズが下段蹴りを繰り出した瞬間。コトトは大きくジャンプした。
「そこですっ!」
 ジャンプしながらメイスを振りかぶり、上段からおもいっきり振り下ろす。メイスの先端が大頭頭ズの被り面にクリーンヒットした。
 脳天を揺らされた大頭頭ズの身体が、後方にゆっくり倒れていく。
 仰向けに倒れたままピクピクと身体を経験させる大頭頭ズをメイスでつついた後に。
「やりました!勝利です!」
 コトトは撮影ドローンに向けて笑顔でピース。
 コメント数が爆上がりした。

成功 🔵​🔵​🔴​

山梨・玄信
明るく元気で単純、物事を深く考えない…友人のテレビウムと性格が似てるんじゃが…。テレビウムとしては一般的な性格なのかのう。

【SPDを使用】
ヨナターン殿を追っている大頭頭ズの前に立ち塞がるぞい。
そして、挨拶代わりに気の放出(鎧無視攻撃+範囲攻撃)をお見舞いじゃ!
そのまま追撃に気弾を撃ち込み、体制を整える暇を与えんぞい。
脱力状態になったら、再び気の放出。確実にダメージを積むのじゃ。

反撃は見切りと第六感で打点をずらし、オーラ防御で受けて激痛耐性で耐えるぞい。
そして、カウンターで気弾を撃ち込むのじゃ。

「ここはわしに任せて先に行け!」
「攻撃は敢えて受けたんじゃ。こうする為にの!」

アドリブ歓迎じゃ。


摩訶鉢特摩・蓮華
なんでいきなりテレビウムさんの顔に鍵が浮かんできたんだろうね?そのテレビウムさんの中に何かがあったりするのかな?
とりあえずヨナたんを助けないとね!

あなたがヨナたんだね?蓮華は蓮華っていうの!猟兵だよ!一応聞いてみるけど、いま困ってる?…いや、動画の再生数稼ぎかな~と思って…キマイラフューチャーだし…じゃあ、さくっと倒しちゃうね!

SPD
「あなたの行動は蓮華にはぜ~んぶお見通しなんだから!」
覚で敵の心を読んで攻撃を避けるよ!
どんなに速い攻撃でも思考を読んで事前に把握してれば、避けるのなんて簡単だよね!
あとは相手の攻撃の隙に両手の鉄塊剣を叩き込んであげるよ!

ねえねえ、その顔の中に入れたりしない?



●少年は耐え、少女は視る
 ヨナターンが駆けてくる路地の先。
 少し開けた路地裏の広場に、山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)と摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は待ち構えていた。
「明るく元気で単純、物事を深く考えない……友人のテレビウムと性格が似てるんじゃが……テレビウムとしては一般的な性格なのかのう」
「なんでいきなりテレビウムさんの顔に鍵が浮かんできたんだろうね?そのテレビウムさんの中に何かがあったりするのかな?」
 旧知の仲である二人が顔を見合わせながら首を傾げる。玄信の想像している友人のテレビウムは、はたしてこの現場にいるだろうか。いるかもしれない。
 そうこうするうちに二人の姿を認めたヨナターンが広場に駆け込んできた。教えられた通りに仲間がいたことに安堵の息を漏らしている。
「……本当にいた!あんた達、猟兵だよな?」
「あなたがヨナたんだね?蓮華は蓮華っていうの!猟兵だよ!」
「わしは玄信じゃ。安心するがよい、追ってくる敵の数もだいぶ減っているぞい」
 荒い息を吐きながら肩を上下させるヨナターンに、小さく頷く蓮華と玄信。
 と、おもむろに蓮華が首を傾げながらヨナターンの前でしゃがみ込んだ。
「一応聞いてみるけど、いま困ってる?」
「は?」
 蓮華の問いかけに、ヨナターンが露骨に不機嫌そうな声を漏らす。
 無理もない、これが困っていなかったら何だというのか。
「……いや、動画の再生数稼ぎかな~と思って……キマイラフューチャーだし」
「ねーよ!?こんなの動画撮ったって誰も見ないし、そもそもオレは実況者じゃねーから!!」
 激昂するヨナターン。その声を聞きつけてか、四人の大頭頭ズが広場に向かってくるのが玄信の目に見えた。
「来たか!ヨナターン殿、さがっておれ!」
「た、頼むっ!」
「じゃあ、さくっと倒しちゃうね!」
 拳を握って構えを作る玄信と、両手に鉄塊剣を握る蓮華が大頭頭ズの前に立ちはだかった。
「ホォアーッ!」
「アチョーッ!」
 大頭頭ズも次々に構えを取る。ゆらりゆらりと腕を動かしながら、健康体操のような動作で流動的に身体を動かしている。
 そしてその手を玄信の方に、目にも留まらぬ動きで突き込んでくる、と思いきや。
「ぬんっ!!」
 玄信の身体から一気に気が放出された。
 その気に当てられて、四人の大頭頭ズの身体がバランスを崩す。そこに追撃で殺到する神聖気弾が、さらにその身体を打っていく。
 すっかり体勢を崩された二人の大頭頭ズの腹にめがけて、蓮華の握る鉄塊剣が振るわれた。
「隙だらけだよ!」
「「ホアッ……!!」」
 鉄塊剣に腹を打たれてくの字に折れ曲がりながら吹き飛んでいく二人の大頭頭ズ。壁に激突して動かなくなったかと思うと、その身体がしゅうっと消えていく。
「すっげ……」
 あまりにも豪快な攻撃に、広場の隅で隠れて見ているヨナターンが声を漏らした。
 そうするうちにも残された二人の大頭頭ズが、再び健康体操の動きを始めた。一見大した攻撃にも見えないその動作の一挙一動、その全てが相手を打って逃がさない脅威の攻撃である。
 しかし蓮華はその攻撃の全てを見切って、かわして、避けてみせた。
「あなたの行動は蓮華にはぜ~んぶお見通しなんだから!」
 蓮華は思念波を発して相手の心を読み取り、行動を事前に把握していたのだ。事前に一度、その動きを見ていることも大きかっただろう。
 しかして全ての攻撃をかわされた大頭頭ズの身体は隙だらけ。上段から振り下ろされつつある鉄塊剣を避けられるはずもない。
 ザン、と鋭い斬撃音が鳴った。
 他方、玄信の身体はi極拳の攻撃をその身に受け続けていた。
 しかしその打撃は芯を外され、見切られつつあるため有効打にはなっていない。さらに玄信の身にまとったオーラによって防がれてしまっている。
 そして大頭頭ズの正拳が玄信の額を打った瞬間に。
「攻撃は敢えて受けたんじゃ。こうする為にの!」
 玄信の腕がまっすぐ、クロスカウンターのように伸ばされる。その手から放たれる特大の気弾。
 ばきりと音を立てて、大頭頭ズの被り面が割れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『何も答えてくれないベルーガ』

POW   :    おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:ケーダ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地図は示す
「助かったよ、猟兵の皆……ありがとうございます」
 路地裏の広場にて。ヨナターン・ロチェクは猟兵たちに頭を下げた。
 大頭頭ズはすべて退けることが出来た。しかし彼を狙うオブリビオンはまだいることだろう。
 そのためには彼の頭の画面に映った鍵の謎を解かないとならない。
 改めて彼の画面に表示された鍵の画像に目を向けた猟兵の一人が、声を上げた。
「あれっ?画像が変わってる?」
「えっ……なんだこれ、地図?」
 ヨナターンが自分の画面に手をやりながら首を捻った。
 ただ黄色い鍵が表示されているだけだった画面には、今は地図が表示されている。
 そして地図の一点、海沿いの大通りに立ち並ぶビルの一つに、鍵が突き立てられるように表示されていた。
「このビルは……あそこか。ネットカフェが入ってるビル。そこに行けばいいってことか?」
 ヨナターンの言葉に、こくりと頷く猟兵たち。彼を護衛するように表通りに出ると、海から飛び出してくる影があった。
「ベルーガが攻めて来たぞ!」
「ぼく達は消されてばかり、お前も消してやる!」
 気付くとビルの影からも飛び出してくるベルーガの姿がある。総勢10匹。
 ここでヨナターンを消されるわけにはいかない、人々が逃げていく表通りで、猟兵たちはベルーガに立ち向かうのだった。
コトト・スターチス
ヨナターンお兄さんがネカフェにたどりつけば、何かのナゾがとける気がします!
無事にごえいしてみせますねっ



見た目はかわいいベルーガーですが、質問にはこたえてくれそうにないですし戦うしかありませんっ
ヨナターンお兄さんにターゲットが移らないように、ぼくは前に出ます!
【オーラ防御】をまといながらあえて囲まれるように動いて、はなことばでまとめて攻撃します!
(ちなみに今日のお花はウサギゴケです)
その時の反応を【情報収集】して、本体のベルーガーを見抜いてメイスで叩きます!
召喚されたベルーガーを消すことができれば一気に有利になるはずですっ!
「辻ヒーラーだって、攻撃はできるんですよっ!」

※アドリブなど歓迎します


摩訶鉢特摩・蓮華
鍵の次は地図が出てきちゃったよ!それでその場所に行けって?一体そこに何があるんだろうね…?
それはともかく、今は襲ってきたベルーガさんたちをなんとかしないとだね!
よくわかんないけど、ベルーガさんってあんなに可愛いのに消されてばっかりなの?
たしかにそんな心無い人たちもいるかもしれない…でも!きっとあなたたちを必要としてくれる人がいるよ!(たぶん)
だから(骸の)海におかえり…(イヤって言っても送り返すけどね!)

きっと盾役の人がいてくれるはずだから、その人の後ろに隠れさせてもらって、なるべくたくさんの敵を視界に捉えてハートキャッチ蓮華ちゃんを使って敵の動きを止めて仲間が攻撃しやすいように援護するね!



●少女たちは立ちはだかる
 海沿いの大通り。すぐ傍に水辺があるにしても、コンクリートの地面の上でふよふよと多数のベルーガが浮かぶ姿は、まさしく異様である。
 戸惑いながら後方に下がるヨナターンを庇うようにして、蓮華とコトトはしっかと前を見据えていた。
「鍵の次は地図が出てきちゃったよ!それでその場所に行けって?一体そこに何があるんだろうね……?」
「ヨナターンお兄さんがネカフェにたどりつけば、何かのナゾがとける気がします!」
 ヨナターンの画面にて示されたネットカフェの入るビルは、目と鼻の先。これでベルーガが道路の幅を埋め尽くすかのように構えていなければよかったのだが。
「この先には行かせないぞ!」
「特にそこのテレビウムは通さないぞ!」
 声高に宣言した、先頭に立つ二頭のベルーガの両脇に、熱線銃を装備したベルーガとガトリングガンを装備したベルーガが二頭ずつ出現した。敵がさらに増えた現実に、猟兵たちが歯噛みする。
 こちらに揃って銃口を向けてくるベルーガに対して、蓮華はさも不思議そうに首を傾げた。
「よくわかんないけど、ベルーガさんってあんなに可愛いのに消されてばっかりなの?」
「見た目はかわいいベルーガですが、質問にはこたえてくれそうにないですし戦うしかありませんっ」
 蓮華を庇うように前に進み出るコトトがその瞳に力を籠めた。
 そう、このベルーガは何も答えてはくれない。過去から染み出した妄念が形を持ったもの。一昔前に大概のコンピューターに棲んでいた、質問すれば何かしら答える某青い子とはわけが違うのだ。
 メイスを構えて一気に前に進み出るコトトの後方で、真正面から敵を見据える蓮華の身体から、不可視の精神派が放出された。
「蓮華の魅力でみんなのハートをがっちりキャッチ♪だよっ!」
 彼女の視界に放たれた精神感応波が並び立つ全てのベルーガを捉えると、こちらに敵意を向けるベルーガの動きが一斉に止まった。
「あれ……?」
「なんだろう……あの子はとても、いい子な気がする……」
「蓮華さん、ナイスです!この隙に行きますよっ!」
 ベルーガたちが気を取り直した時には、既にコトトの小さな身体は目の前だ。彼女の手にしたメイスが、背中の聖痕が、ウサギゴケの花となって街道を舞い踊る。
「動画に草を生やしたら、花が咲きましたっ!」
「「わっ……!?」」
 その花の渦はベルーガ全頭を巻き込んで傷を与えた。すなわち、仲間を召喚したベルーガも傷を負う。
 微動だにしないままのベルーガの横で、顔を覆うようにした計四頭のベルーガが、ぽひゅんという音と共に存在を消した。
「そこのが本体ですね!辻ヒーラーだって、攻撃はできるんですよっ!」
「だから、海におかえり……イヤって言っても送り返すけどね!」
「くっ、くそーっ!」
 本体を見極めたコトトのメイスが一閃、ベルーガの身体を打ち据える。同時に前に飛び出してきた蓮華の鉄塊剣も振るわれた。
 その攻撃に晒されたベルーガが、早々に骸の海へと還されていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ディスターブ・オフィディアン
アドリブ・絡み歓迎
第二人格で行動
【心情】
対状況
「ふむん。鍵と地図ですか。何か閉ざされた門でもあるのでしょうか。しかし鍵だとして――だれが何のために発信したのでしょう?」

対ベルーガ
「さて、異なことを言うものです。
 あなた方がすぐに消されるという事は、それだけ疑問が少ないという事。
 必要とされぬことは本懐でしょう」

【行動】
「頭を下げていてください!」
 ヨナターンさんを伏せさせ、巻き込まないようにしたうえで、
UC:居合切りでベルーガたちを切り捨てましょう

敵の攻撃は見切りや残像で回避し、二回攻撃や力溜めで複数体の一刀両断を狙います



●紳士は勘繰る
 こちらに再び敵意を向け、その身体で猛スピードで突っ込んでくるベルーガたち。
 人格を切り替えたディスターブが、後方に庇ったヨナターンに鋭い声を飛ばした。
「ヨナターンさん、頭を下げていてください!」
「はいっ、あわわっ!?」
 咄嗟に頭を低くして身を庇うヨナターンの頭上を、ベルーガの白い身体が轟音と共に通り過ぎていく。
 そして、躱しざまに刀で斬りつけたディスターブは見た。そのベルーガの背中に、先程までは見当たらなかった謎の中年男性が乗っていたのを。
「くそー、調教師さんの力を以てしても避けられたか!お前も消してやろうと思ったのに!」
 胴体をぱっくりと裂かれて消滅していくベルーガを見て、憎々しげにこちらを見るベルーガの一頭。
 それに対してディスターブはあきれ顔で息を吐いた。
「さて、異なことを言うものです。あなた方がすぐに消されるという事は、それだけ疑問が少ないという事。
 必要とされぬことは本懐でしょう」
「それじゃあぼく達の存在意義ってなんなのさー!」
 そう喚きながら次々にディスターブへと突進攻撃を仕掛けてくるベルーガたちを、彼はするりするりと立ち回って回避しながら、その手の刀で鋭い斬撃を放っていった。
 納刀状態から放たれた斬撃は風斬りの刃となって、ベルーガ達を次々に切り刻んでいく。伏せたまま震えているヨナターンが巻き込まれることも危惧されたが、何とか無事のようだ。
「ふむん。鍵と地図ですか。何か閉ざされた門でもあるのでしょうか。しかし鍵だとして――だれが何のために発信したのでしょう?」
 カチリ、と刀を納めながら独り言ちたディスターブの背後で、細切れにされた四頭のベルーガの身体が、さらさらと海風に流されるように消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

山梨・玄信
こりゃ、オブリビオンも本気のようじゃな。
まあ、かかって来るなら撃退するまでじゃ。

【SPDを使用】
ダッシュとUCのスピードで一気に近づき、2回攻撃で速攻戦を仕掛けるぞい。調教師やベルーガを召喚したら、範囲攻撃で纏めて攻撃してやるのじゃ。

全て消すモードになったら、その辺の石やゴミを衝撃波で弾き飛ばし、そっちを攻撃している隙に死角からUCで攻撃するぞい。

「鍵の次は地図か…最後は扉でも出てくるのかのう?」
「何時ものキマイラフューチャーの事件とは様子が違うのう。何があったんじゃ…」
「イルカに乗った中年…こんなネタ若い人には分からんじゃろ…」(12歳です)

アドリブ歓迎じゃ。



●男は思案する
 数を減らしてもなお、ベルーガ達の攻撃は止まない。何としても猟兵たちを、そしてヨナターンを件のビルに近づけまいとしているようだ。
「こりゃ、オブリビオンも本気のようじゃな。まあ、かかって来るなら撃退するまでじゃ」
 そう口にしながら、玄信はすっと腰を落とす。重心を低くした状態で、一瞬息を吐くと。
 そこから地を蹴って弾丸のように飛び出した。
「速いっ!?」
「驚くなっ!こっちも調教師さんを呼んで対抗だ!」
 高速で突進する玄信に一瞬狼狽するベルーガたちだが、すぐさまにその背中に中年男性を召喚して回避にかかる。
 しかし。
「イルカに乗った中年……こんなネタ若い人には分からんじゃろ……!」
 呟くように零した玄信の手の中のダガーナイフが翻った。
 振るわれたその刃によって、二頭のベルーガの胸ビレがぱっくりと切り裂かれる。
 ところで玄信さん、12歳の貴方も充分に若い人だと思います。
「なにっ……!」
「まだじゃよ」
 ヒレを斬られたことによって一瞬動きを止めた隙を突いて、再び玄信が動いた。
 一瞬地面に降り立ち、再び地を蹴る。今度は突進した方向とは逆側に。
 返りざまに再び、今度はより鋭く、深く。
 ざっくりと振るわれたダガーナイフは、ベルーガの胴体をしっかと捉えていた。
「鍵の次は地図か……最後は扉でも出てくるのかのう?
 何時ものキマイラフューチャーの事件とは様子が違うのう。何があったんじゃ……」
 ベルーガの二頭が消滅していくのを見やりながら、玄信は不安げに零すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナミル・タグイール
宝の地図にゃー!!きっとここに行けば宝箱があるんデスにゃ!
お宝に導いてくれる限り守ってあげるから安心してにゃ!
こんなイルカ?にかまってられないにゃ!早くお宝の場所に行くマスにゃー!
・行動
邪魔にゃどけにゃー!消してやるにゃ!
お宝ゲットを邪魔するやつには容赦しないデスにゃ。
飛びついてグラウンドクラッシャーでどっかーんにゃ!
なにか調べてくれるならお宝がなにか教えろデスにゃー!
全て消すモードな感じになってたらこっそりと近づくにゃ。
接近できたら呪詛ましましでドッカーンにゃ!バグれにゃー!

何でも歓迎



●猫は暴れる
 残すところ、ベルーガは二頭。
 敵の数が減ったこともあり、ヨナターンの顔色にも安堵の色が見える。顔の画面は未だに地図だけれども。
 その地図に、ナミルはずっと釘付けになっていた。
「宝の地図にゃー!!きっとここに行けば宝箱があるんデスにゃ!
 お宝に導いてくれる限り守ってあげるから安心してにゃ!」
「導いてくれる限りって、無かったらどうするんだよ!?」
「ほったらかしマスにゃ?」
「ひでぇ!!」
 ばっさりと見捨てる宣言をしたナミル、徹頭徹尾ぶれない。さすがである。
 そう言い放つ彼女、戦闘なんてほったらかしでまだ見ぬお宝に思いを馳せるのかと思いきや。殺意をみなぎらせるベルーガに鋭い視線を向けて斧を構えた。
「こんなイルカ?にかまってられないにゃ!早くお宝の場所に行くマスにゃー!」
「イルカじゃない!ベルーガだ!!」
「ぼく達のアイデンティティーも否定するお前なんて、全て消してやる!!」
 そう声高に叫んだベルーガ達の瞳が、真紅の光に染まった。
 加えて、これまでとは比較にならない殺意が彼らの身体から迸る。
 全て消すモードに突入した合図である。
 ごくり、と唾を飲み込んだヨナターンに、ナミルがその場を動かないままでちらと視線を向けた。
 目が合ったことを確認したナミルが、口を小さく動かす。
「そのまま、じっとして動かないでいマスにゃ」
「う、うん……」
 同意の答えをヨナターンが返すのを確認したナミルは、そーっと、そーっと足を進めていった。
 そうして少しずつベルーガ達に近づいている途中で、海風に吹き飛ばされたビニール袋が街道に転がり込んでくる。
 と。
「うぅぅー!」
「おぁぁぁ!」
 理性の消失した声と共に、ベルーガの二頭が地面を転がるビニール袋に突っ込んでいった。敵か味方かなどどうでもよく、ただ早く動くものに反応している様子だ。
 コンクリートの地面に鼻を擦り付けるようにしてふがふが言うベルーガ達の前まで、彼らの気づかぬうちに接近していたナミルが、そーっと、そーっと斧を掲げる。
 そして大上段に構えたところで。
「ドッカーンにゃ!バグれにゃー!」
 呪詛をがっつり籠めたグラウンドクラッシャーが炸裂した。
「「ぎゃー!!?」」
 地面を砕く轟音が響いた。その中に混じるベルーガの悲鳴。
 土煙が晴れる頃にはベルーガの姿はなく、そこは陥没した地面があるばかりなのだった。
「片付いたにゃー!お宝お宝にゃー♪」
 意気揚々と目的のビルを目指して歩き出したナミル。
 それをヨナターンと他の猟兵は、慌てて追いかけるのだった。
 道路の陥没が直るまでの間、その穴はしばらくの間観光名所になったようである。さすがキマイラフューチャー。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『なぞなぞハカセ』

POW   :    なぞなぞハカセの初製作マシーン
【なぞなぞがわからなくてモヤモヤ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【全自動罰ゲームマシーン「おしおきくん」】から、高命中力の【しっぺとかデコピンとかそんな感じのやつ】を飛ばす。
SPD   :    なぞなぞハカセのお気に入りマシーン
戦闘力のない【全自動なぞなぞ考案マシーン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【ワシの考えた最強のなぞなぞ(自称)】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    なぞなぞハカセの試作マシーン
自身に【スーパーウルトラハイパーなぞなぞジェット】をまとい、高速移動と【究極かつ至高のなぞなぞ(個人の感想です)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:荒雲ニンザ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はコトト・スターチスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●屋上は何もない、はずだった
 目的のビルに入ってみたが、ヨナターン少年に変化はなく。
 上の階に上って行ったり、料金を支払ってネットカフェに入ってみたりするも、何も起こらず。
 どうしたもんかと猟兵たちが頭を悩ませていると、ヨナターンがぽつりと呟いた。
「……もしかして、屋上か?ほら、ビルに鍵が上から突き立てられているだろ?」
 その言葉に、猟兵たちが顔を見合わせると。
 すぐさまに非常階段の扉を開けて上への階段を上った。
 このビルは地上5階建て、屋上まで上るのはそこまで大変ではない。
 しかして、ヨナターン・ロチェクの読みは当たることとなる。
 何故なら。
「ここが屋上か……って、うわっ!?なんっ、なんだこれっ!?」
 屋上に踏み込んだ途端に、ヨナターンの戸惑いの声が上がったからだ。
 顔の画面だけではない。彼の身体全体が、眩い光を放って宙に浮かんでいるからだ。
「えぇい、間に合わなんだか!」
 隣のビルから乗り移って来たらしいスーツ姿の怪人が、屋上に降り立ちながら悔しそうに呻いた。
 どうやら彼が、ヨナターンを狙っていた張本人らしい。
「こうなってしまっては致し方ない、お前たちを倒せば動けない一般人のテレビウム一人、どうとでもなるものよ!
 潔く、ここで散ってもらおうではないか。なぞなぞハカセのなぞなぞマシーンの餌食となるがよい!」
 そう言い放ちながら猟兵たちに敵意のある視線を向ける怪人・ナゾナゾ博士。
 ヨナターンの様子が元に戻るまでの15分間。彼を守り抜くため、戦え、猟兵たち!
摩訶鉢特摩・蓮華
ヨ、ヨナたん!? いきなりヨナたんの体がピカッて光って宙に浮いちゃったよ!
おまけにナゾナゾ博士がヨナたんを狙ってやってきたの!蓮華、ナゾナゾとかクイズとかって苦手なのにぃ~!
とにかく!ヨナたんを守るために蓮華がんばるよ!

POW
えっ、そんないきなりナゾナゾとか出されても…う~ん、なんだろう?戦いながらじゃわかんないよ~!
イタ!イタタ!ちょっ、しっぺとかやめて!デコピンはもっとやめて~!腕!腕を雑巾みたいに絞らないで!マジで痛いから!手の甲をつねって引っ張って富士山とか今の子どもにわかるのかな!?

「や~め~て!って言ってるでしょ蓮華ちゃんクラーッシュ!!」

ブチギレからの一撃をお見舞いするよ!



●少女は困惑する
 摩訶鉢特摩・蓮華はいっそ分かりやすいほどに困惑していた。
「ヨ、ヨナたん!?いきなりヨナたんの体がピカッて光って宙に浮いちゃったよ!おまけにナゾナゾ博士がヨナたんを狙ってやってきたの!蓮華、ナゾナゾとかクイズとかって苦手なのにぃ~!」
 わたわたと両手両足を忙しなく動かしながら、両手の鉄塊剣を構える蓮華。それを見てなぞなぞハカセも右腕をすっと横に伸ばした。
 その右手を、ゆっくり自分の前に持ってくる。
「苦手だろうとワシを阻むなら挑戦してもらうぞい!それでは第一問!
 丸として生まれ、線として生き、三角として死ぬ。これな~んだ??」
「えっ、丸で、線で、三角……えぇぇ?」
 首を傾げる蓮華。目は見開かれていないながらも、その顔には疑念の色がありありと浮かんでいる。
 そうしながらも鉄塊剣を振りかぶり、なぞなぞハカセに斬りつけることは忘れない。
「う~ん、なんだろう?戦いながらじゃわかんないよ~!」
「ふぉっ、何も戦いながら考えろとは誰も言っておらんわ!残念時間切れ!
 正解は「川」じゃ。泉なんかで丸く湧き出て、線状に流れ、海に三角州を作りながら流れ込むじゃろ?
 不正解だったお友達には「おしおきくん」出動じゃ!」
 なぞなぞハカセがびしりと蓮華に指を突きつけてくると、ヒューン、ドスン、とまるで漫画のように登場してきたのはハカセの初製作マシーン「おしおきくん」。
 おしおきくんは徐に蓮華の手首を掴むと、硬質ゴム製の柔軟な指を勢いよく腕にビシリ。続けざまに勢いをつけて額にビシリ。
「イタ!イタタ!ちょっ、しっぺとかやめて!デコピンはもっとやめて~!」
 あまりの痛さに喚き声をあげる蓮華。弾力のある硬質ゴムとはいえ、そのパワーは人間以上だ。しっぺもデコピンも十二分に痛い。
 おしおきくんのおしおきはまだまだ止まらない。三本目の手で蓮華の腕を掴むと、ぐいっと雑巾絞りをし始めた。
「やめっ、腕!腕を雑巾みたいに絞らないで!マジで痛いから!ちょっ、手の甲をつねって引っ張って富士山とか今の子どもにわかるのかな!?」
 腕を雑巾絞りされながら手の甲の皮を摘まみ上げられている蓮華さん21歳。あまりの痛さに素が出てしまっている。
 しかし彼女もされるがままでいるわけではない。フリーになっている片方の手で鉄塊剣を振りかぶった。
「や~め~て!って言ってるでしょ蓮華ちゃんクラーッシュ!!」
 怒りからの、全力の一撃。おしおきくんは見事なまでに粉砕された。
「なんとぉぉ!折角作ったのにぃぃあいたっ」
 その際に飛び散ったコンクリートの破片によって、なぞなぞハカセにもダメージが入ったようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

高柳・零
POW
皆さん、足速過ぎですよ…やっと追いつきました…。
って、ヨナターンさんが光ってます!

「お前達を倒せば?倒されはしませんよ!」
全身にオーラを纏い、盾受けと武器受けとかばうで味方も守ります。

天斬りを範囲攻撃にし、なぞなぞマシーンと本体を同時に攻撃します。
何かマシーンの方が鬱陶しいので。
「鉄をも斬り裂く攻撃です。耐えられますか?」

なぞなぞは答えられれば答えますが、答えが分からなければ気にせず2回攻撃の鎧砕きで殴ります。答えが分からなくても、恥ずかしさ耐性があるので気にしません。
「なぞなぞが分からなくても、殴ればいいんです」

アドリブ歓迎です。



●聖騎士は開き直る
 轟音が屋上に響く中、ばたりと非常階段に繋がる扉が開いた。
 扉を開けて飛び込んできたのは零だ。どうやらヨナターンを追いかける途中で、はぐれてしまっていたらしい。
「皆さん、足速過ぎですよ……やっと追いつきました……って、ヨナターンさんが光ってます!?」
「むっ、テレビウムか!しかし鍵が表示されないお前に用はない!」
 びしりと指を突きつけてくるなぞなぞハカセに、零はまなじりを決して盾を構えた。その瞳には仲間を守る、強い意志が宿っている。
「お前達を倒せば、ですって?倒されはしませんよ!」
「ならば答えてみるがよい!第二問!
 白白黒白黒白白、白黒白黒白。この二つを足した時に白はい~くつだ??」
 おどけた口調でなぞなぞを出題してくるなぞなぞハカセ。しかし零は、考えるそぶりも見せずに屋上の床を蹴った。
 答えに悩む様子はない、しかし分からないという風でもない。表情を一切動かさずに、彼はその手の剣を鋭く振るった。
「うん、分からないですね!」
「分からんのかい!?それだけさっぱりした顔をしておきながら!?」
 いい表情をしながら斬りつけられて困惑するなぞなぞハカセに、零は涼しい顔で告げるのだった。
「なぞなぞが分からなくても、殴ればいいんです」
 小細工よりも正面突破。力こそパワー。零の理論はなぞなぞハカセの頭脳を粉砕するほどに単純明快だった。
「あ、ちなみにさっきのなぞなぞの正解は「一つ」じゃよ。足すと白黒黒黒黒黒黒黒になるからのう。二進法の理屈じゃ」
「あ、なるほど」
 解説を受けた零がぽむ、と手を打った。

成功 🔵​🔵​🔴​

山梨・玄信
なぞなぞ博士…小学校に居そうじゃな…と思ったら機械頼みかい!

【POWを使用】
とりあえず一発、灰燼拳でなぞなぞマシーンを叩き壊してやるのじゃ。
またマシーンを召喚したら、今度は気の放出(鎧無視攻撃+範囲攻撃)で本体諸共吹き飛ばしてやるぞい。
敵のなぞなぞは完全無視じゃ。

空を飛んだら、鎧無視の衝撃波をジェットに当てて撃墜してやるわい。
命中して落ちて来たら、2回攻撃で灰燼拳を喰らわせるのじゃ。

「なぞなぞは自分の頭で考えんか!」
「機械のなぞなぞなぞ、聞く耳持たんわ!」
「なぞなぞマシーンが空を飛ぶとか全く意味不明じゃが…叩き落してやるのじゃ!」

アドリブ歓迎じゃ。



●男は憤慨する
 玄信はなぞなぞハカセの傍らでふよふよと浮かぶなぞなぞマシーンを睨みつけて猛然と口を開いた。
「なぞなぞハカセ……小学校に居そうじゃな……と思ったら機械頼みかい!」
「いやワシもちゃんとなぞなぞ自分で考えるし!?」
「信用ならんわ!さっきの二問が自分で考えたものだと、どうやって証明できる!」
 急になぞなぞマシーン、正式名称全自動なぞなぞ考案マシーンに文句をつけられ、狼狽するなぞなぞハカセに、玄信が畳みかける。
 確かになぞなぞを出題しているのはハカセだが、なぞなぞマシーンが考案したそれを問いかけているだけにも思える。それがパワーアップにも繋がるというのなら猶更だ。今のところ活躍らしい活躍はしていないが。
 束の間に、ダッシュで急速接近した玄信の灰燼拳がなぞなぞマシーンにめり込んだ。
 粉砕されたなぞなぞマシーンが、キマイラフューチャーの空へと消えていく。
「あぁ!ワシのお気に入りが!」
「なぞなぞは自分の頭で考えんか!さっきの言葉が嘘でないというなら、再召喚せずに自分で出題してみせい!」
 キッとなぞなぞハカセを睨みつける玄信。後に引けなくなったか、なぞなぞハカセがなぞなぞマシーンを再召喚する様子はない。
 しばらくぐぬぬぬと唸った後、ハカセのその手がぐっと握られた。
「そうまで言われたらなぞなぞハカセとして逃げの手は打てん!第三問!
 イチジクを食べるのに一番美味しい時間は、一日のうちい~つだ??」
 自信満々に玄信に手を向けてくるなぞなぞハカセ。しかし。
「分からんなぁ」
「げふん!?」
 玄信の容赦のない拳がハカセの鳩尾にめり込んだ。
 きりもみ回転して吹っ飛んだハカセが隣のビルの壁に激突し、その反動で屋上に戻って来てぼとりと地面に落ちる。玄信は感情の籠もらない目をしながら、構えたままで動かない。
「正解は「一時」じゃ……いちじ、くう(一時、食う)。お主、せめてなんか答えてくれ……」
「付き合ってやる道理などないわ、たわけ」
 悲し気に呟くなぞなぞハカセに、玄信の冷たい声が突き刺さっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナミル・タグイール
な、なんかめっちゃピカピカにゃー!
ヨナターンがお宝だったにゃ?それともお宝ゲートとか開いてくれるにゃ?
よくわからないけどコレはナミルのにゃー!お前にはあげないにゃ!
・行動
攻撃は最大の防御にゃー!攻め続けて宝を守るにゃ
…なぞなぞってなんデスにゃ?(猫でもわかるレベルじゃないとまず理解できない)
(なぞなぞが理解できたら一応考える猫)
…よくわからないにゃ。(煽りとかデコピンを食らったらわかりやすくむかむか)
ご褒美に金ぴか貰えるとかじゃない限り考えるのめんどくさいにゃ!
答えはぱわーにゃー!
マシーンごとクラッシャーにゃー!!
・なんでも歓迎



●猫は考えない
 ところで。
 未だに光を放ちながら宙に浮かんだままのヨナターンを見つめて、ナミルは瞳をキラッキラさせていた。
「な、なんかめっちゃピカピカにゃー!ヨナターンがお宝だったにゃ?それともお宝ゲートとか開いてくれるにゃ?」
 それに答えてくれる者はいない。ヨナターンはツッコミを入れられる状況ではないし、結局なぞなぞマシーンを再召喚したなぞなぞハカセは何と言ったものか困っている。
 しかしてナミルはヨナターンを庇うようにハカセとの間に身体をねじ込んだ。手にした斧を握る手に力を籠める。
「よくわからないけどコレはナミルのにゃー!お前にはあげないにゃ!」
 フシャーッと歯を剥き出しにして威嚇するナミルに、ピッと指を向けてくるなぞなぞハカセ。もう片方の手で鼻眼鏡をくいと持ち上げた。
「ならばワシのなぞなぞに答えて見せい!第四問!
 目、鼻、耳、髪だけがある顔。これな~んだ??」
「むー」
 ナミルはこてんと首を傾げて。
「むー?」
 反対側にもこてんと首を傾げて。
「……よくわからないにゃ」
「あふん」
 尻尾と耳を低くしたナミルに、がくりと肩を落とすなぞなぞハカセだ。
「ほら、あれじゃよ?お主の顔にも目があって鼻があって耳があって髪があるじゃろ?いやまぁお主ヒゲも生えとるが。
 ほらどうじゃ?分からんか?」
「そもそもなぞなぞってなんデスにゃ?」
「あっそこが分かってなかったパターン」
 どうやらなぞなぞが難しいとか簡単とか、その手前のところで躓かれていたらしい。折角ヒントを出したなぞなぞハカセも予想外。
 やがて分からないことに癇癪を起こし始めたナミルが、ダンダンと床を踏むとその手の斧を振りかぶった。
「ご褒美に金ぴか貰えるとかじゃない限り考えるのめんどくさいにゃ!答えはぱわーにゃー!」
「残念、答えは「くちなし」……ギャー!?」
 ズドーン、と再び屋上に大きな音が轟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディスターブ・オフィディアン
アドリブ・絡み歓迎です
【心情】
「寄ってたかって子供一人を追いかけまわし、挙句の果てには動けぬところを襲おうとは。
 謎よりも先に恥を知りなさい」

【行動】
こちらからも謎かけを行いましょう
オルタナティブ・ダブルで分身し、敵の前後から同時に切りかかります
「実体があるのは」「どちらの刃でしょう?」
 村雨小太刀を使って二人でフェイントや二回攻撃で切りかかっていきます

「答えは両方です」
 文句を言われたら
「さて、どちらかが幻影などといいましたか?」ととぼけておきましょう

 ――兵は詭道なりという事で一つ



●男達は欺く
 床に這いつくばるなぞなぞハカセに、ディスターブは明らかな軽蔑の視線を向けた。
「寄ってたかって子供一人を追いかけまわし、挙句の果てには動けぬところを襲おうとは。謎よりも先に恥を知りなさい」
「うぐ……!」
 正論を突きつけられたなぞなぞハカセが、言い返せずに歯噛みするが。
 次の瞬間にはその身体に強大な力を纏って、ディスターブを睨みつけていた。
「これは……!?」
「ワシのお気に入りマシーンは、ワシが苦戦することによってもワシを強化するのじゃ……ワシの考えた最強のなぞなぞによってな!」
 そのまま下段から拳を突き出してくるなぞなぞハカセ。ディスターブがそれを後方に身を反らして躱すと、ハカセはそのまま立ち上がってディスターブから距離を置いた。
「さぁ、まだまだこれからじゃ!第五問!
 顔も同じ、声も同じ、服も同じ、名前も同じな双子の兄弟が二人並んでいる。この双子を見分ける方法はな~んだ??」
 これまでのなぞなぞとは異なり、少々難易度の上がった内容にディスターブの表情がしばし曇る。
 少しの間思案をしたのち、彼はパチリと指を鳴らした。
「ふむ、そうですね……「一つのパンを二つに割ってそれぞれに差し出す」でどうでしょう?
 パンを大きさに差を付けて割って渡し、「大きなパンを持っている方が兄ですか?」と問いかければ、どちらが兄かが分かります」
「ぐぬぬ……やるのう、お主」
 どうやら正解となる答えを出せたらしい。がくりと肩を落とすなぞなぞハカセを見て、ディスターブはにやりと笑った。
 やおら、彼は刀を構えて駆けだした。同時になぞなぞハカセの背後にもディスターブが出現する。
「では、こちらからも謎かけです」
「前の私と後ろの私、実体があるのはどちらの刃でしょう?」
「なぬっ……!?」
 突然の分身に、なぞなぞハカセは困惑の色を隠せない。とっさに真正面から突っ込んできたディスターブの前になぞなぞマシーンを配置して防御するも。
 背後から突進してきたディスターブの刃は、ずぶりとなぞなぞハカセの身体に飲み込まれ、その身体を貫いた。
 そして前方のディスターブの刃はなぞなぞマシーンにめり込み、その機能を確実に停止させている。
「かはっ……」
「残念、答えは両方です」
「どちらかが幻影だ、などと私は言いましたか?」
 兵は詭道なり、まさに相手の虚を突くことに成功し、ディスターブは二人してほくそ笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

コトト・スターチス
出ましたねなぞなぞハカセ!
悪のなぞなぞの魔の手からヨナターンお兄さんと世界をまもるため、全力でいきますっ!



真の姿にへーんしーんっ!
(猫耳尻尾と純白の天使の翼が生える)
これが僕の本気ですにゃーっ!

お兄さんを守ることを最優先で動きつつ、ハカセがジェットで飛んだら動きのパターンを【情報収集】して進路を【見切り】ます!
敵の移動を妨害するようにねこきゅーとのしろにゃんさんの防壁を展開し、あわせてくろにゃんさんで水の【属性攻撃】を行い、ハカセ本人とジェットの両方にダメージを与えたいです!
機械をショートさせて少しでも動きを悪くできれば嬉しいですっ
「お兄さんには絶対手を出させませんにゃーっ!」
※アドリブ歓迎



●猫は暴れ、鍵は解ける
 がくりと頽れながら腹を押さえるなぞなぞハカセの前に、ざっと埃を散らしながら現れたのはコトトだ。
 その姿を認めたハカセが、ハッとした表情でその顔を見上げる。
「お前は……!」
「出ましたねなぞなぞハカセ!ようやく見つけましたよ!」
 信じられないものを見るかのようなハカセの眼前に、びしっとメイスの先端を突きつけるコトト。
 その顔には確かに、自分の宿敵を見つけた高揚感と、ここで倒すという決意が見て取れる。
「もう逃がしませんよ、悪のなぞなぞの魔の手からヨナターンお兄さんと世界をまもるため、全力でいきますっ!」
「ふんっ、ここまで来て逃げるようなワシではないわい!もう一度お主をなぞなぞできりきり舞いさせてやるわ!」
 そう言って立ち上がると、なぞなぞハカセは腰のマシーンを作動させた。
 途端にハカセの身体を覆うジェット気流。はためく服と舞い上がる埃にコトトが顔を押さえる。
「最後の切り札、なぞなぞハカセの試作マシーン「スーパーウルトラハイパーなぞなぞジェットマシーン」じゃ!
 ワシの姿を、捉えられるものなら捉えてみせい!」
 その言葉の束の間に、視界から消えるなぞなぞハカセ。コトトが咄嗟に上空を見上げると、そこには空を飛びながらこちらに向かってくるハカセの姿があった。
 その場から下がりながらヨナターンを庇うコトト。その頭に猫耳が、腰には猫尻尾が、背中には純白の天使の翼が生えている。
 真の姿を解放した彼女の両隣りに、黒猫型と白猫型の二体のドローンが出現した。
「くろにゃんさん、しろにゃんさん、お願いしますにゃっ!」
 コトトの声に合わせて、白猫型が多数の防壁を張り巡らせた。様々な方向を向いて、あちらこちらに設けられたそれは、確実になぞなぞハカセの動きを阻害していた。
「ぬぅっ!」
 出現した防壁の合間を縫うようにして、ぐねぐねと飛行していくなぞなぞハカセ。だが直線で飛ぶよりも、確実にルートが限定される上に速度も落ちる。
 そこをコトトは見逃さなかった。ハカセが急カーブするために一瞬空中で停止した瞬間を目掛けて、黒猫型ドローンに声を飛ばす。
「お兄さんには絶対手を出させませんにゃーっ!」
 声と共に、高速で打ち出される水属性の魔法弾。それは強かになぞなぞハカセの腰に直撃し、試作マシーンを破壊して見せた。
「あ、ぐ……」
 身にまとうジェット気流が消され、まっすぐに落下するなぞなぞハカセ。これまでに蓄積したダメージに加え、この一撃がトドメになったようだ。その身体が風に溶けるように消滅していく。
 消滅を見届けたコトトが一つ息を吐くと、そのタイミングで15分が経過したらしい。ヨナターンから発せられる光が徐々に収まっていく。
 そしてヨナターンの身体の光が収まると、宙に浮かんでいた彼の身体が屋上の床にぽてっと落ちた。
 尻もちをついたヨナターンの顔からは鍵の画像が消えて、水色の画面に目を白黒させた彼自身の表情が映っている。
「も、戻った、のか……?」
 床の上に座ったままで、ぐるりと猟兵たちを見回すヨナターン。
 すると、まるで周囲の建造物が喋ったかのように、謎の声が周囲から聞こえてきた。

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 そう告げたかと思うと、屋上を再び静寂と日常が満たした。
 階下の幹線道路から賑わいの声が聞こえてくる。
「システム・フラワーズに侵入者……?」
 ヨナターンが不思議そうにつぶやくと。
「よく分からないですけれど……厄介なことになっているのは、間違いなさそうですね」
 小さく頷いたコトトが、深刻そうな表情を浮かべながらヨナターンと顔を見合わせた。
 鍵は解かれ、新たな謎が残される。
 猟兵たちはキマイラフューチャーに、脅威が迫っていることを感じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月28日
宿敵 『なぞなぞハカセ』 を撃破!


挿絵イラスト