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カギりなくソフトに攫おうと

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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「さぁ語ろうか。舞台はキマイラフューチャー、罪なきテレビウムを救う英雄の物語を……あ、ソフトクリーム食べたくなってきたね」

●ウホッ!いいソフト…
 ――キマイラフューチャーは某公園。
 昼は市民の憩いの場として開放されているこの場所も、夜となっては街灯が寂しく照らすだけの静かな場所。
 その外れに誂られた公衆トイレに、気分良く用を足し、手を洗いながら鏡を眺めるテレビウムがいた。
「おっ。相変わらずいい男だね。何で彼女ができないのかなーって、何じゃこりゃあ!?」
 テレビウムの男こと、鶴川・薫はいつものように冗談めかして自分の顔を自賛しようとした瞬間、己の画面に映るモノがいつもの顔ではなく鍵のような形をした何かであることに気が付いた。
 思わず絶叫を挙げた瞬間、公衆トイレの扉が次々に開き、中から――そう、とぐろを巻いた柔らかい何かを象った頭部の怪人達が一斉に現れて。
「ウホッ……」
 思わず硬直する鶴川・薫に怪人達が一斉に詰め寄る。
「プリッ……」
「プリッ……プリプリプリ……」
「……うわあああああ!?」
 一体何がどうして。
 顔に映った鍵の理由も分からないまま、妙な威圧感のある頭部の怪人にだけは捕まりたくないと彼は公衆トイレから勢いよく飛び出した。

●ロックなもんじゃない
「楽しみにしていた諸君らには申し訳ないが、今日は語りは無しだ。緊急を要する事態でね、キマイラフューチャーに行って貰いたい」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは目頭をつまみ、微妙そうな表情で俯きながら、グリモアを輝かせ転送結界を形成し始めた。
 話に依ると、一般テレビウムの男が怪人に攫われる事件が発生するらしい。
 既にいくつか同様の事件が起こっており、共通点としては顔面に鍵のような形状の何かが映し出されているのだという。
 今回被害者となる男も同様に顔面に鍵が映り、怪人に攫われてしまうそうだ。

「場所はこの公園の公衆トイレの近く。丁度怪人に追われて飛び出してきたところだから、割って入って守ってやって欲しい」
 そう言って、彼女はグリモアを輝かせ今回の被害者となるテレビウムを映し出す。
 名前は鶴川・薫、32歳男性、独身。
 夜の散歩をしていたところ、トイレで用を足して帰ろうとした瞬間、怪人に襲われてしまうそうだ。

「敵となるのは……そう、ウコン。ウコンなんだ。ウコン味のソフトクリーム怪人。……うん、まあ、少しアレだが怪人には変わりない」
 微妙そうな表情の理由はこれだったらしい。
 グリモアを輝かせ映し出す先にあるのは、微妙な色をしたとぐろ巻く形の頭部を持った怪人達。
 確かにトイレからいきなりこれが出てきたら少し嫌だろう。
 まずはこのソフトクリーム型の怪人を撃退し、鶴川氏を守ってあげて欲しいと語り。
「勿論、これを退けても他の怪人が来ないとは限らないし、あの鍵のようなモノのことも気にかかる。他の怪人の襲来も予見されているし、少しの間彼についててあげて欲しい」
 そう言って傍にあった水を一口飲むと、一息入れてから気合を入れ直し。
 改めてグリモアを輝かせて彼女は最後にこう言った。
「さて、私からは以上だ。何やかんやで急を要することだ、しっかり救出してあげてくれたまえ」


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 顔面に映った鍵のようなモノは一体何なのか……果たして!?

 今回はキマイラフューチャーで起こったテレビウム襲撃事件を解決していただきます。
 といっても、襲撃を掛けてくる怪人を撃退するだけでOKです。

 第一章・第二章共に集団戦、第三章ボス戦の構成となっています。
 基本的に戦闘オンリーですので、折角なので格好良い戦いを行う、ぐらいの気持ちで来てください。
 基本的に戦闘が始まれば被害者男性は安全なところに隠れたり、オブリビオンは猟兵の相手に集中したりするので護衛についてあまり気にする必要はありません。

 最後に簡単ですが、被害者男性のプロフィールを乗せておきます。

●鶴川・薫(つるかわ・かおる)
 32歳、独身男性のテレビウム。
 夜の散歩が趣味。
 テレビウムとしては別に普通の顔で、特に何の変哲もない一般人。
 トイレは少し近い。
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第1章 集団戦 『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』

POW   :    たべられません
【硬化させた頭部を回転させること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    それじゃないプリ!!
【自分を排泄物扱いした相手に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    芳醇な香り
【頭部】から【奇妙なニオイ】を放ち、【困惑】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:笹にゃ うらら

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「こんなのがトイレからでてきたら逃げたくなるよね…」
と鶴川に同情

改めて鶴川に隠れるようにお願いして怪人に向き合う。
「さて、君たちの目的は申し訳ないがここで終わるよ」
さっさとこいつ等を片付けてゆっくりしたい。

【SPD】
【携帯食料】を口に放り込みマフラーを口まで引き上げる。
匂いは気にしないが念のため。
【ダッシュ】と【残像】を使って斬る。
【学習力】で周りの遊具などを把握し斬りながら遊具付近まで誘導
砂場があるか…目つぶしに使える?
あの頭だから足元は随分お留守じゃない?
植え込みがあるなら死角も作れるね。
「さぁ、来いよ。どっちが早く動けるか…勝負しようか(憚られる言葉)」


セルマ・エンフィールド
一般人が怪人に襲われて攫われそうになっている、という事実は変わらないので。いつも通りいきましょう、いつも通り……いや"自称"ってなんですか"自称"ウコンってどういうああもう手早く終わらせましょう!(ヤケ)

なんとなく動きづらくなるのは【スポッター・セット】の観測手機能でカバーします。
落ち着いて、狙って、撃つ。それだけです……ちょっと頭は撃ちたくないので、胴体狙いましょう。

怪人の攻撃手段は近接のみのようですし、武器は当然射程の長いマスケットで。何より、あまり近づきたくありませんし。



●全くもってその通り
「誰か! 誰か助けてくれぇ!!」
 転送結界を通ってやってきた猟兵の目に映ったのは、公衆トイレの中から飛び出してきたテレビウム、彼が鶴川氏だろう。
 そんな彼に「プリプリ」言いながら迫るはとぐろを巻いた形状の頭部の怪人だった。
 よくよく見れば微妙に黄ばんでいたりもするわけで。
「確かにこんなのがトイレから出てきたら逃げたくなるよね……」
「ですが一般人が怪人に襲われて攫われそうになっている、という事実は変わらないので」
 顔面に鍵の映像を浮かべて逃げ惑う鶴川氏に同情の念を禁じ得ない仁科・恭介(観察する人・f14065)と、事情は兎も角として一般人を救助することには変わらないと告げるはセルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)だった。
 彼女の言葉に頷くと、恭介は言うが早いか刀を抜き放ち、大地を縮めるが如く翔けると怪人達と鶴川氏の間に割って入り。
 その勢いで一瞬、後ろに引いた怪人達の脚を更に退かせるように、セルマのマスケット銃から放たれた弾丸が怪人達の足元へ牽制として突き刺さる。
「アンタ達は……?」
「通りすがりさ。危ないから隠れてな」
「わ、分かった!!」
 色々とよく分からないところが沢山あるが、猟兵達は安心できると感じたのか。
 迂闊に離れるよりこの人達の近くで隠れていた方がいいと判断し、手近な物陰に鶴川氏は隠れ。
 追わんとした怪人達に、またそれを制するように恭介の突き出した刀の威圧感が怪人達の脚を僅かに止めた。
「さて、君たちの目的は申し訳ないがここで終わるよ」
 この色合いと、この形状を前に、若干嫌気が差しながら懐から取り出した干し肉を、匂いを感じる前に咀嚼し飲み込む。
 食の熱量が全身の細胞を燃え上がらせるように張り巡らされ、脳細胞が沸き立ち思考が研ぎ澄まされていく。
 マフラーを上げ鼻を覆い隠し、特有の匂い――尤も気分的なものが多いのだが、それを隠すようにし。
 その一方でセルマもまた、マスケット銃の照準器を覗き込みながら、着弾地点の観測と計算を行うというヘッドセットを呼び出し取り付けて。
 二人の猟兵達の戦意に、まずはこいつらを片付けることにしたのか怪人達は標的を猟兵達へと定めたようだった。
「むむむ……貴様等よく分からんが、邪魔をするなプリ。我ら自称ウコンソフトクリーム怪人に歯向かうとは良い度胸プリ!!」
「まぁ、いつも通りいきましょう、いつも通り……いや自分で"自称"ってなんですか"自称"ウコンってどういう」
 いつも通り、落ち着いて狙って撃つ、狙撃手の本分を果すだけ。
 果たすだけだけど。
 自称ウコンって、自称ウコンって!!
「ああもう手早く終わらせましょう!!」
 狙撃手としても、何より個人としても近づきたくない。
 幸い相手の攻撃手段は近接攻撃のみ――前線を張る恭介には申し訳ないが、その分、援護射撃は確実に行おう。
 当の恭介へ固めた頭部をさながらドリルのように旋回させ襲い掛かる怪人の胴体を、正確無比な弾丸が撃ち抜いた。
 心臓に当たる部分を貫かれた以上、最早命のカウントダウン――だがその猶予すらも許さないように、恭介の刀が冷たく胴を切断した。
「さぁ、来いよ。どっちが早く動けるか……勝負しようか」
 それを皮切りに怪人達が数を一斉に襲い掛かるが、恭介は手早く駆け、時折刀による牽制と挑発を織り交ぜながら公園にある遊具の地点まで誘導し。
 ヘッドセットの力で着弾地点の正確な予測を行えるようになったセルマが、背後から胴体の心臓部を綺麗に撃ち抜き。
 また別の怪人へは、恭介が遊具の砂場から一掴み取ると顔面に投げつけ、色々な意味で汚い怪人の足元を脚で払い。
 よろめく先を予測していたかのように、その地点にまるで置いておくかのように放たれたセルマの弾丸が心臓を破裂させ。
 緒戦は猟兵達のほぼ一方的な蹂躙に終わるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
最初に言っておく。
どこから! どう見ても!! アウトだろ!?
こいつらにソフトクリーム名乗らせちゃダメだ。絶対!

そんな訳で加勢させてもらうぜ!
敵の数が多いから『飢龍炎牙』でまとめて一掃。
ソフトクリームなら熱に弱い筈!
……多分、「そうじゃない」んだろうけどさ。
残敵は大包丁の『二回攻撃』で掃討。
(※「大包丁は戦闘用で料理には使いません」のテロップ)


シャーリー・ネィド
一般人が怪人に襲われてると聞いて駆けつけたよ!
(※怪人の姿を見て)
えーっと、帰っちゃダメ?
だよね、はい

愛銃シューティングスターの【クイックドロウ】&【スナイパー】で敵を寄せ付けずにアウトレンジから攻撃
だって、ねえ?
ボクの方に向かってきたらすかさず距離を取って別の狙撃ポジションに移動
来ないでー!こっち来ないでー!

※アドリブ、連携歓迎



●大包丁は戦闘用です。食品調理には使いません(テロップ)
 ソフトクリーム型怪人達の猛攻は終わらない――果たしてあのトイレのどこに隠れているスペースがあるのか。
 質量保存の法則などというものを一切合財無視した大量の増援はまだまだ続く――が、どうやらこれで一旦は打ち止めのようだ。
 それでも尚、微妙に黄ばんだとぐろめいた頭部の怪人達の放つ威容は度し難く。
「一般人が怪人に襲われてると聞いて駆けつけたよ!!」
 水着らしきモノを着た海賊風の恰好をした少女が颯爽と銃を構えれば、そこで動きは止まり。
「えーっと……帰っちゃダメ?」
「ダメだ。だが最初に言っておく」
 少女シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)の言葉を気持ちは分かるがと否定しながら、新たに救援に駆け付けた少年料理人は神妙なる顔で語る。
「どこから! どう見ても!! アウトだろ!?」
「だよねぇ!?」
「こいつらにソフトクリーム名乗らせちゃダメだ。絶対!!」
 何かが弾けたように、燃え盛る炎が如き勢いでまくしたてる少年料理人ことウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は微妙な色と匂いと形の彼等に、食品を扱う者として絶対に許せない怒りを示した。
 トイレのアイスクリームなんて絶対嫌だ!!
 ドリアンの例えなんかじゃない、モノホンだ!!
「し、失礼な!! 我々はどこから! どう見ても!! セーフだプリ!!」
「セーフなら! 何で手にトイレットペーパーなんて持ってるのさ!!」
 ここでシャーリーは鋭く指をさし、怪人達が手に携えるロール紙を示す。
 これはもう言い逃れできないだろうと思いきや、まさかの。
「お家のが切れてたの思い出したから、パクってきただけプリ!!」
「それもそれで駄目だろ!!」
 白目を剥いたウィーリィが口を大きく開いて怪人の所業に突っ込んだ。
 意外とセコイなこの怪人。
 なんて暫くの間、少年と少女、そして怪人軍団の間で舌戦が繰り広げられ。
「とにかく! 大人しくそこのテレビウム君を渡すプリ! そしたら水に流してやるプリよ!!」
「そいつぁできねぇ相談だなあ!! 行くぞシャーリー!!」
「オーケー!! ……やっぱりやるしかないよね!!」
 痺れを切らしたのか、公園の土埃を舞い上げながら襲い掛かってくるソフトクリーム怪人達と、それを迎え撃つべく大包丁と熱線銃を構えるウィーリィとシャーリー。
 汚物扱いされかけた怒りから、とぐろを巻いた形状の頭部を硬化させ、高速回転させて目にも止まらぬ連続攻撃を仕掛けんとする怪人達に対し、まず口火を切ったのはシャーリーだった。
 右の超科学の目から狙いをつけ、シューティングスターの銘打つ熱線銃から水どころか蒸気に還元する熱線を放つ。
 流星群が如き光の大波が、捕食者の如くソフトクリームを蒸発させていき。
「喰らい尽くせ! 炎の顎!!」
 熱線に呑み込まれ、大きな穴と変わった集団に躍り込みウィーリィは大包丁を掲げ。
 舞い踊るかのような動きと共に繰り出される、紅蓮に盛る数多の竜は、伝説の九頭竜が如く微妙な色合いの氷菓子を喰らい熱の胃袋の中で蒸気に帰す。
 ……心なしか、飲み込んだ炎竜自体が嫌な顔をしていたりするのは、きっと気のせいなのかもしれないが。
 流星群の如き熱線と、多頭竜の如き炎の二重の熱に呑まれ大部分の消滅と相成ったと言えど。
 僅かに残った残党――数にして、二体程度。
 それが最後の意地か、妙に嫌な匂いを放ちながら旋回する頭部をシャーリーに向けて突進し。
「やだー!こっちこないでぇ!!」
 血の気が引くような感覚に身震いしながら、マスケットでホームランを打つかのように迫る怪人を叩き飛ばし。
「覇阿ァァァッ!!」
 残る一体に激突し、動きを止めた彼等を、炎竜の熱を持った大包丁で容赦なく斬り伏せて。
 非情に嫌な色と形をした怪人達は全滅するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●苦しくも壮絶で美しい相手
「いやはや……助かりました」
 全てのソフトクリーム(ということにしておこう)怪人を撃破した後、隠れていたテレビウムこと鶴川・薫が猟兵達一人一人に頭を下げながら現れた。
 猟兵の一人が彼の顔に映る鍵のような映像について何なのか聞けば、鶴川氏は肩を竦めてこう言った。
「何なんでしょうね? ついさっき、突然現れたのですが」
 本当にこの怪人といい、この鍵の内容といい、一体何なのだろうか……そう思っていると、突如として鶴川氏の画面がまた変化し、とある地図を映す。
 その地図の一点に、先程まで映っていた鍵が映し出される。
 そこに何かあるのだろうか――鶴川氏の顔を写真に撮り、それを見せて場所を問えば。
「ここですか? 大体わかりますけど、特に何もありませんよ?」
 何にせよ、全くの無関係ということはないだろう。
 それでも構わないと猟兵が言えば、彼はついてきてください、と手招きし案内を始める。
 あまり若者向けの街ではないのか、そこそこ広い道路であるにも関わらず人通りは殆どない。
 そうして歩いていると――
「……」
「……」
「……ウホッ」
 現れたのは、壁だった。
 いや、正確には筋肉、そう、筋肉の壁が如きマッチョ達の怪人集団だ。
 時折道路に唾を吐き出し、暑苦しい筋肉の痙攣を見せつけていたりもするが、構わず猟兵一行はスルーしようとしたが。
「闘(や)らないか」
 彼等もまた、何事も無かったかのように猟兵達の前に暑苦しく立ちはだかる。
 そして鶴川氏を妙に熱っぽい目で見つめていたりもしているわけで。
 どうやら、彼等もまた鶴川氏を狙っているようだ。
 色々な意味で暑苦しく危なっかしい彼等に鶴川氏を渡すわけにはいかない。
 猟兵達は一斉にまた武器を構えるのだった。
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「こいつらもか、総力戦だね」
「しかも、闘らないかか…」
ため息をつきつつ【携帯食料】を食む
「応えよう」

暑苦しくくるならそれに応えるが礼儀
敵のテンションでUCを強化しつつ、合わせて【学習力】で突破口を探す
そして出た答え
「無いなら作れば良い!」
スクラムの形に敵をクラッチし、【ダッシュ】の勢いそのまま突き進む
力が足りないなら【吸血】本能も使って壁まで押し込む

「そんなものか」
突破口ができたらサムライソードを抜き斬りかかる
攻撃されたら【残像】で翻弄
「次生まれ変わったら筋肉美を競いたいね」


セルマ・エンフィールド
……あぁ、最近暖かくなってきましたからね。頭がちょっとアレな人達も元気になる季節なんでしょう、多分。

え? 怪人? 戦う? これと? 暑苦しい……

まぁ、やるのでしたらやりますが……まずは【アイスリンク・バレット】を怪人の足元に。動きを封じましょう。

まともに動けないようにすれば敢えて不利な行動も何もないでしょう。あとは一体ずつ仕留めるだけです。

ついでにこの暑苦しい中、氷で涼しくなって一石二鳥……滑る地面のせいで半裸の怪人が折り重なってくんずほぐれつして、余計暑苦しい見た目になった気がします。

……手早く終わらせましょう。



●蒸し暑いが無視はできない
「こいつらもか、総力戦だね」
 盛り上がる上腕の力瘤は伝説の霊峰のように。
 隆起した胸筋と引き締まった腹筋は偉大なる壁のように。
 アルパカの如き頭部から唇を獰猛に震わせ、体の深奥から湧き上がる熱意は彼等の身体を妖しく照らす――そんな光景を前に、恭介は生唾を飲んだ。
「しかも……闘らないか、と来たか」
 どこか観念したようにポージングを続ける怪人達の前で、干し魚を一齧りし。
 否応なしに身体の細胞は熱を帯び、全身の筋肉の滾りが盛り上がる。
「応えよう」
 ニカッと妙に白い歯を輝かせるアルパカ頭の怪人達の姿を真似るように。
 筋肉を若干強調するような恰好をとれば、鼻息荒く恭介に向けて怪人は唯でさえ暑苦しい熱意を更に暑苦しく滾らせて。
 同時に向けられた熱意が、より一層恭介の肌、血管、筋繊維――あらゆる戦闘の為の細胞を高めていく。
 互いの熱気が籠った視線が交錯し合い、牽制を行う――その間も、単なる脳筋に成り下がった訳ではない恭介は冷静に突破口を探る。
 しかし思いの外、このマッチョ達――この重厚にしてシンプルな筋肉、隙がないっ!!
 ならばシンプルに――雄叫びを挙げて、怪人の一体と盛大に組み合った。
 そして周囲の怪人達が妙にヒートアップし応援の雄叫びを挙げる――そんな組み合いを冷ややかに見つめる姿があった。
「……あぁ、最近暖かくなってきましたからね。頭がちょっとアレな人達も元気になる季節なんでしょう、多分」
 どこか諦めたような目で彼等から距離を取りながら、セルマは率直な感想を呟いた。
 心なしか漂う熱気のせいで肌が溶けてしまいそうな感覚にも陥るようで――滲む汗をハンカチで拭いつつ。
 微妙にやる気の籠らない様子で、一緒くたに怪人と恭介の彼女にとっては酷い光景をマスケット銃のスコープに映し。
「……ええ、分かってます。怪人ですよね。戦うんですよね。はあ……暑苦しい」
 飽く迄仕事は仕事。
 暑苦しさの厄介さは、敵のみにぶつけることにしよう。
 暑苦しくとも思考は冷たく、静かに研ぎ澄まし――
「……手早く終わらせましょう」
 不快を嘆くだけならば無力な子供にも出来ること、ならば行うことは一つ。
 湿り気を帯びた熱気の不快感を冷たく押し込め、引鉄を引く。
 大気の塵を凍てつかせ爆ぜる音を奏で、床に着弾した極低温が一瞬で白い靄となって広がり、氷の滑り場を作り上げた。
 ただでさえ滑りやすい性質を持った氷に、不運にも汗の輝きで身体を濡らしていた怪人は恭介をも巻き込み盛大に滑っていく。
 いくら不利に敢て己を追い込もうと、自分が滑って思うように動けないのでは敢ても何もない――その狙いは正しく、組み付いた怪人も、他の怪人も慌てふためき立ち上がらんとしては滑って転ぶ姿を繰り返すのみ。
 ついでに氷の力場が程よくこの不愉快な熱を冷ます――はずだったが。
 力の増強もままならず、白目を剥いて筋肉質の男達が他の男達を引っ掛かりにせんと手を伸ばしたり、足を引っ掛けたり。
 ……心なしか、余計に暑苦しい光景を作り上げてしまった気がする。
 だがこの光景は寧ろ恭介にとっては僥倖――滑って慌てふためく彼等を、敢て壁に押し込むように強く地面を蹴り。
 まるでボーリングのように盛大に壁に叩きつけられて目を回す怪人達を足掛かりに跳び上がると空中で刀を抜き。
「そんなものか」
 破れかぶれに繰り出されたラリアットを、まるで軽業師の如く踏みつけて制し。
 怪人の腕を文字通りの足場に翔けながら、のびた怪人達を鋭くも冷たく、そして情熱的に――太刀の閃きが綺麗に切断し。
 粒子となって消えていく怪人達を見ながら恭介は敬礼をするように言葉を投げた。
「次生まれ変わったら筋肉美を競いたいね」
 そんな彼の言葉に、ハンカチで汗を拭いながらセルマは思う。
 その時は私の目に触れないところで、と――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
「遅れてゴメン!滑り込みエントリー!」
宇宙バイク・ハイメガシャークに跨り颯爽登場!
「ちょっと派手に暴れるよ?」
愛銃・シューティングスターを連射して敵を蹴散らしながら【操縦】を駆使して敵の群れのど真ん中に突っ込む
そこで【グローバルスウォーミング】を発動させて周りの敵をサメのエサにしちゃうよ!
残りはウィーリィくんと一緒に片づける
お互いに死角をフォローし合いながらフォースカトラスの【2回攻撃】で周りの敵を攻撃
さて、残りはあとどのくらい?


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
奴らの狙いは地図の示す場所なんだろうけど、何でよりにもよってやって来るのはこんな奴らばっかなんだ?
さっさと片付けて先に行かせ……

って、お前が先に行ってどうするんだよシャーリー!?
一人で突っ込むなんて無茶もいいところだぜ!
でも、嫌いじゃないけどな。

先行したシャーリーのユーベルコードに巻き込まれない様、彼女が使用したタイミングで俺も敵群に突っ込む。
そして『飢龍炎牙』で彼女の周りの敵を蹴散らし、合流したら彼女と連携して残敵を大包丁の『二回攻撃』で撃破していく。
戦いを決めるのは数でも筋肉でもない、コンビネーションだ!



●羊駱駝焼肉鮫捕食
 彼女ができないと冗談めかしていたら、いきなり大勢から追いかけられるなんて美味しい展開――それが美女・美少女であるならば!
 この暑苦しい筋肉の群れに追い掛けられて美味しいのは芸人だけだろう。
 土煙を立てて追いかける暑苦しいマッチョ達の間に颯爽と現れるヒーローがまた一つ――
(何でよりにもよってやって来るのはこんな奴らばっかなんだ?)
 駆け付けたヒーローことウィーリィは、先ほどの食品と認めてはいけない何かに続いて現れた色物に辟易しながらも大包丁(※洗浄済み)を構えた。
「まぁいい。さっさと片付けて先に行かせ……」
 行かせてやるというセリフを決めるその前に。
 二括りの金髪を夜風に揺らし、エンジンの爆音をマッチョ達の足音をかき消さん勢いで響かせながら彼の横を通り過ぎたのは、いうなれば巨大な鮫だった。
 鮫か、バイクか……否! これは鮫型の宇宙バイク――跨り翔けるのは宇宙海賊シャークトルネードことシャーリーであった。
「遅れてゴメン! 滑り込みエントリー!!」
「って、お前が先に行ってどうするんだよシャーリー!? 一人で突っ込むなんて無茶もいいところだぜ!」
 引鉄狂いの如くマスケット型の熱線銃から解き放たれるプラズマの光芒。
 穏やかなキマイラフューチャーの静かな通りに熱と轟音の滾りが走り、暑苦しい筋肉男達の硬い肉を蒸気に還していきながら。
「ちょっと派手に暴れるよ?」
 海から飛び出た鮫が喰らいかかるがごとく、大型のバイクが難を逃れた怪人のアバラどころか身体をへし折った。
 何とも派手な登場と着地と共に響き渡るブレーキ音、どこかスタイリッシュに決める彼女にひゅうと口笛を鳴らしつつウィーリィはその様子を好ましく思う。
「……そういうの、嫌いじゃないけどな!!」
 暫く詰め寄るには距離はある――足を必死で動かすウィーリィにシャーリーは親指を立てて応え。
 同胞をやられた恨みで暑苦しくヴォルテージを挙げて筋肉を震わせる怪人に若干の嫌気を覚えながらもすぅっとシャーリーは息を吸って。
「今日の天気はぁーっ……」
 マスケットを空に掲げるように突き上げれば、怪人達は釣られて上を見上げる。
「晴れ!!」
 広がるのは夜空――比較的ネオンも穏やかなこの地帯に於いて穏やかに広がる星空――そして。
「……ときどき、鮫、だよッ!!」
 杖を突きたてるように銃床で道路を叩き。
 彼女を中心として広がるは無数の鮫――正確には鮫の形をしたオーラであるが、その獰猛さは決して本物に劣らず。
 無差別に広がる鮫型の光がアルパカ怪人の肉体を喰らいつくしていく中を、華麗に転がり込みシャーリーと背中合わせとなりながら。
「そしてところにより……炎の、龍だッ!!」
 ウィーリィが烈しき気合と共に振るう大包丁。
 鮫に追われて逃げ惑う羊駱駝の男達を喰らいつくし、香ばしくもない煙を立ち込めさせることもなく。
 消し炭すらも認めぬ猛火の龍、その顎門が鍛え抜かれた身体を喰らい消し去っていき。
 それでも難を逃れた怪人――彼が最後の一体であるが、それがウィーリィにラリアットをかまそうとすれば、彼はそれをしゃがんで躱し。
 振り向くことなく待ち構えていたシャーリーのビームカットラスがその腕ごと断ち切って。
 カットラスが通り過ぎた刹那、跳び上がり立ち上がる勢いでそのまま大包丁で登り龍が如き切り上げを決めて。
「戦いを決めるのは数でも筋肉でもない」
 では何が決める、という言葉を投げかける者はいないが。
「コンビネーションだ!!」
 暑苦しい飛沫を飛び散らせ、スローモーションのように倒れ伏していく怪人に、大包丁についた血糊を振り払い、指を突き付けて決める。
 ――ふと、ここで大きな銅鑼の音が響いた気がしたのは偶然か否か。
「さて、残りはあとどのくらい?」
「見た感じ全部っぽいな……行こうぜ」
 一息入れつつシャーリーの問いに答え。
 全ての敵を片した猟兵達は新たな戦場へと足を運ぶのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『猪狩・アントニオ』

POW   :    オトメン投げキッス
【男女問わず投げキッス】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    メイド秘奥義「メイド感情ミサイル」
【男に対する欲情もしくは女に対する憎悪】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【自身を模したエネルギー体】で攻撃する。
WIZ   :    メイド秘奥義「猪突猛信(恋する乙メンの暴走)」
【男に対する欲情もしくは女に対する憎悪】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。

イラスト:桐ノ瀬

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は狗飼・マリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●襲来!男の娘メイド惨!!
 限りなく暑苦しい追手を振り払いやってきた先は何の変哲もない広場であった。
 特に何があるわけでもない、せいぜい憩いのベンチがある程度――叩いて何かが出るスポットすら無い。
 一体なんでこんな所に……と疑問を浮かべていると、ふと鶴川氏の顔が激しい明滅を始めた。
 猟兵の問い掛けにも答えず、顔面はおろか全身を点滅させその場から一切動かなくなる――命に別状はなさそうだが、明らかな異常事態だ。
 流石に放置しておく訳にもいかず、猟兵達はその場に留まっていると高い声が響いた。
「はい、こんばんはー!!」
 振り向いた先にいたのは大層に可愛らしいメイド服の少女だった。
「どーもー、ボクはメイド十二神将が一人、猪狩・アンです!! アン、もしくはアニーって呼んでね♪」
 しかもボクっ娘ときましたか。
 それでは今までの色物と違って少し癒しになりますね。
「アントンとかトニーとかましてやアントニオとか言ったらぶっ殺すぞオラ」
 ……急に野太い声に変わって脅しをかけてきた。
 どうやら本名はアントニオで、性別は男――いわゆる男の娘メイドというモノだった。結局色物である。
「んー、ちょっとのフツメンテレビウム君は理想のご主人様的な意味じゃどーでもいいんだけど」
 ややげんなりしている猟兵は、彼に鶴川氏が目的かと問えば彼は肩をすくめて否定した。
 少なくともそっちの目的でないことは確かなようだが。
「あの鍵?みたいなの放置するとちょーっとボクら不味いことになっちゃうんだよねぇ」
 ただ、鶴川氏の顔面に映る鍵状の何かに関係していることは確かなようで。
 どうやらこのアントニオなる怪人も鶴川氏を狙っているようだ。
 攫うのか殺すのか――いずれにせよ、怪人が一般市民を狙う状況には変わりない。
 鶴川氏の発光がいつ収まるかは分からないが――それまで、彼を守らねばならない。
 一斉に戦意を向ける猟兵達に、アントニオは得物を構えて華麗にポーズを決めた。
「だーかーら……ちょっとお掃除させてちょーだいな♪」
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
UC対象:アントニオ
恋愛対象はどちらでもOKだが、素で片思いの子が居るしこいつ以上にかわいい知り合いがいる
しばし考えて一言
「もうちょっと磨いた方がいいんじゃない?」

SPD
相手を見分けるため【吸血】本能でアントニオの血の匂いを覚える(【学習力】)
【携帯食料】を食べ相手の発する【男に対する欲情もしくは女に対する憎悪】にUCを呼応(?)

エネルギー体には【残像】を使用
血の匂いを追うように【ダッシュ】で槍の間合い内に入り、刺突すると見せかけ手首を狙う
そのまま流れるように脛を狙う
距離を取ろうとしたら吸い付くように合わせて移動しマフラーを掴む
「十二神将…十二人もいるの?まぁ最下位だよね」



●猪突其処鳴鬼威惨
「ふふふっ……さぁ猟兵クン達。ボクのイキり立った槍を喰らいたい子から、お・い・で♪」
 男の娘であってもいわゆるオネエではないだろう。
 声色と振る舞いだけはまさに女性そのもの――風を切る音を立てて、サテンのリボンが彩る十文字槍を振るう姿を恭介は凝視していた。
 無論彼に見惚れた訳ではない。その身体に流れる半分の血を以て、その敵の所在、それを示す血の匂いを見極めていたのだ。
 とはいえそれを知る由もなく、恭介の視線に気が付いたアントニオは妙に情欲の籠った眼で見つめてくる。
(……どっちもイケる方だけど)
 ウインクには目を逸らし、絶賛片思い中の相手を思い返し。
 正直なところコイツよりも可愛い知り合いもいたりするわけで――故に恭介は、わざと心底嫌気の差したような表情で評論を告げた。
「もうちょっと磨いた方がいいんじゃない?」
「オッケー♪ そしたら振り向いてくれるんだ・よ・ねっ☆」
 まさにイノシシのように鼻息荒く頬を紅潮させる姿に呆れながらも懐から取り出した干し肉を齧り。
 都合は良い――その向けられた文字通りの鼻息荒い熱意が、肉を噛み締めた奥歯を起点に全身を熱く滾らせる。
 それは性的な衝動ではなく攻撃的なそれなのであるが――
「メイド秘奥義! メイド感情ミサイル!! ご主人様に届けこの思い~☆」
 アントニオ自身を模したエネルギー対の猪突猛進を残した影を囮に躱し。
 血の滾りが齎す俊足で瞬時に槍の及ばぬ彼の懐へ潜り込み刀で胸を貫かんとするが、アントニオは槍の柄で跳ね上げ――とならず。
 一瞬で剣戟の指向を変えて強かに手首を打ち据えると、そのまま流れ水の如く脛に鋭く切り込み。
 苦痛に顔を歪め、距離を取らんとしたアントニオの首巻きを掴み抑えて淡々と言葉を紡ぐ。
「十二神将……十二人もいるの?」
 ――言葉の反撃は許さない。
 なぜならば。
「まぁ最下位だよね」
 捉えた首巻で、逆にアントニオの首を締めあげていたのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
最後の最後まで出てくる敵はこんなのかよ!?
とはいえ、ツッコミどころはメガ盛りだけど実力は本物っぽいな。
でも、お前らの都合で何の罪もない人を危険な目に遭わせる訳にはいかない!
行くぜ、シャーリー!

今度は俺がシャーリーに先行する形で大鍋の『盾受け』+『かばう』で後ろの彼女への攻撃をガードしながら敵に突っ込む。
そして大鍋の陰で『トリニティ・エンハンス』で炎の魔力を大包丁に宿らせ攻撃力を増強。相手目がけて大鍋を投げ捨てて隙を作ると同時に炎の『属性攻撃』と『二回攻撃』のラッシュを敵に叩き込む。
一撃で倒せるほど楽な相手じゃないだろうけど、共に戦うシャーリーや仲間を信じて攻撃に専念する。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
同じボクっ娘としては何だか親近感を…
って、一人称しか共通点ないよ!?(ノリツッコミ)
何はともあれ、こんな人に狙われる鶴川さんが可哀想だから助けてあげなくっちゃね
こっちはOKだよ、ウィーリィくん!

ウィーリィくんに続いて怪人に突撃!
ウィーリィくんが怪人に鍋を投げつけたら素早く怪人の死角に潜り込んで【バトル・インテリジェンス】を作動させて二人の攻撃を連携させてフォースカトラスの【2回攻撃】!
タイミングはそっちに合わせるからガンガンやっちゃって!



●猪突宵哉御腐足散
「えほっ、げほっ、あー……マジ死ぬかと思ったわー。ちょっとかわいい男の子でも愛でて癒されたいわぁー」
 首絞めから何とか逃れたアントニオは咳き込みながらも駆けつけてきた猟兵にちら、と目を向け指先に唇を当てて。
 口づけを投げるように猟兵の一人である少年料理人に――
「……」
 宙に浮かんだハートマークの幻影が少年料理人ウィーリィに触れんとしたその瞬間、それを無言でマスケットで叩き落とす少女シャーリー。
 場に気まずい沈黙が流れた後、げんなりとした顔でウィーリィは口を開く。
「なあ」
「ウィーリィくん」
「最後の最後まで! 出てくる敵はこんなのかよ!?」
 トイレの中から黄ばんだソフトクリーム。
 暑苦しく追いかけてくる羊駱駝頭のマッチョ。
 そして極めつけの男の娘メイドときたら、良くここまでキワモノが集まったものだと逆に感心すら覚え……いや、やっぱり嫌だ。
 嘆く彼に対し、シャーリーはまぁまぁ、と宥めるように口を開く。
「でもちょっと親近感があるよ」
「あ? ボクは女の子は嫌いだぞ? おっ?」
「そーそー、このボクっ娘ってところが……って、一人称だけじゃん!?」
 ウィーリィに向けていた恋する少女のような頬を染めた情欲に満ちた視線とは裏腹に、シャーリーのありとあらゆる魅惑の女性らしさに嫌悪の声を向けるアントニオ。
 そしてノリ突っ込みを以て共通点はこれしかないと改めて気づくシャーリー。
 女と繰り広げるコントは真っ平なのか、憎悪を隠そうともせずに鼻息荒くアントニオは槍を振るう。
「あー、そこの破廉恥スク水女子、お前邪魔。はよそこの少年寄越せ、な?」
 破廉恥スク水女子、の台詞に少年と少女は額に青筋を浮かべ。
 そうだ。
 放置していたらこいつは危険――ならば立ち向かうしかない。
「行くぜ、シャーリー!!」
「こっちはOKだよ、ウィーリィくん!!」
 槍を構えるアントニオに対し、ウィーリィは鉄鍋と大包丁を構えると、その身体に業火の如き気迫を宿し。
 シャーリーはマスケット銃型の熱線銃を構え、右目のサイバーアイから狙いを研ぎ澄まし。
「カワイイご主人様……バッチコーイ!!」
 放たれる投げキッスを熱く燃えた大鍋で受け流し。
 牽制――否、未熟であれば感じる間もなく両断する勢いで、跳躍した状態からアントニオの脳天目掛けて刃を振り下ろす。
「……ツッコミどころはメガ盛りだけど実力は本物っぽいな」
 強かに響く金属音と、ウィーリィの大包丁を動じずに槍の柄で受け止めるアントニオの姿がそこにあった。
 並の相手であればあっけなく両断されていただろうが、それをさせないのは確かな実力だろうが――だが、ウィーリィとシャーリーは一人きりでそれぞれ戦っているのではない。
 槍の柄で受け止めたまま、牽制の蹴りで吹っ飛ばそうとしたアントニオに、シャーリーの熱線銃が閃きそれを中断させて。
 よろめく彼にウィーリィは大鍋を投げつけると、同様に迫ってきたシャーリーがそれに隠れつつ。
「タイミングはそっちに合わせるからガンガンやっちゃって!!」
「応!!」
 展開するのは戦闘用の自動知能を乗せた偵察機――自身を委ねる代わりに、何よりも確かな戦闘への動きを可能とする構え。
 すでに銃から剣へと得物を入れ替えていた彼女は、大鍋をぶつけられ怯むアントニオへと光る刃を薙ぎ。
 続けざまに空中に紅蓮の熱を残す弧月を描くような大包丁の斬撃が、光熱に重なる形で深く切り込まれ。
 反撃に少年への浴場と、少女への嫌悪を乗せた分身を解き放つも、二手に別れる様に彼等は容易く躱し。
「お前らの都合で何の罪もない人を危険な目に遭わせる訳にはいかないからな!!」
「こんな人に狙われる鶴川さんが可哀想だから……助けてあげなくっちゃね!!」
 身をひるがえしながら、大鋏で挟むかの如く――カットラスと大包丁の、光熱と炎熱を乗せた交錯が刻まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
そう呼べ、と言われて呼べばこのまま帰るというのであれば考えますが……そうでないなら要望を聞く必要がありますが? アントニオさん。

と煽っておきましょう。攻撃の射程が広いようですし、鶴川さんを先に狙われても面倒です。

エネルギー体がこちらに襲い掛かってきたらスローイングナイフの投擲による牽制、および零距離からのデリンジャー抜き打ちでエネルギー体と戦い機会を伺います。

エネルギー体と本体が一直線上にならんだ時がチャンス、フィンブルヴェトからの【凍風一陣】でエネルギー体を貫き、本体ごと狙いましょう。

オブリビオンは過去の産物、昔のこの世界はこんな人たちがたくさんいたのでしょうか……個性的ですね。



●猪突総夜武捺手
 追い詰められたアントニオは矛先を鶴川氏に変えて翔ける。
「アントニオさん」
 が、追い詰められた状況でもそう呼ばれては流石にその足を止めて、それを掛けたセルマの方へ憎悪の眼差しを向けた。
「……アニーやアンって呼べって、言っただろ? クソガキ」
「そう呼べ、と言われて呼べばこのまま帰るというのであれば考えますが……」
 憎悪と怒りを込めた眼で睨むアントニオに対し、何処までも冷ややかな眼差しと口調で言葉を紡ぐセルマ。
「そうでないなら要望を聞く必要がありますか? アントニオさん」
 ――本音を言えば、鶴川氏を狙われるのは避けたい。
 狙いは成功しているようで、額に浮かべた青筋からは内部から爆ぜた証の血が噴き出し、垂れる血が涙の如く目の下からこぼれる。
「呼ばれたくないって、言ってるんだよ。あ?」
 これほど分かりやすい嫌悪も無いだろう。
「わかりました。アン……」
 アントニオの身体から立ち込めるオーラと、その攻撃が鶴川氏を巻き込まないように、飽く迄さりげなく位置取りを調整しながら。
「トニオさん」
 何かがキレて、この戦闘でひときわ大きな分身を解き放ち。
 文字通りの猪突猛進を、投げナイフを正確に額に突き刺し制すと、スカートの裏から取り出したデリンジャーを押し付けるように、額に突き立てたナイフの柄に発砲し更に深く押し込む。
(オブリビオンは過去の産物、昔のこの世界はこんな人たちがたくさんいたのでしょうか……)
 そのまま、分身と本体が一直線に並んでいるのを確かめると。
「個性的ですね」
 取り出した狙撃銃を構えては、自身の身体へ襲う反動も厭わずに。
 力を振り絞り、解き放たれた絶対零度の弾丸は正確に情欲と憎悪の源であるアントニオのハートを射抜き。
「よかったですね、『寒い』と思う暇もなくて」
 凍り付き氷像のようにポーズを作ったのちに。
 情欲と憎悪に燃え上がっていた男の娘メイドは、塵と化して消えていくのであった。

●コンコンと進む暗躍の鍵は
「……はっ!?」
 色物に続く色物の戦いを終え、色々な意味で疲労していた猟兵の耳に鶴川氏からの声が響いた。
 見れば発光も収まり、彼の顔面に映っていた鍵らしき映像も消えている。
 そこから猟兵達はその旨と、ここに着いた途端に身体が光って硬直していたことと、怪人の襲来があったことを告げる。
「えっ!? ホントですか!? あ、いやスミマセン、急に意識を失って……」
 猟兵達の説明に驚き、近くのガラス窓――夜ならばある種鏡のようにも扱えるそれで自分の顔を確認し。
 守ってくれた猟兵達にぺこぺこと頭を下げてお礼をしていると、また突如としてある声が響いた。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
 一斉に驚く鶴川氏と猟兵達が、その声の主を辿ればそれは周囲の建造物らしく。
 確証は持てないが、まるで周囲の建造物が喋りだしたかのようにも見える。
 それにしても、そのシステム・フラワーズとは……疑問を浮かべるまでもなく、周囲の建物は告げる。
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
 恐らくはキマイラフューチャーにある、コンコンと叩けば色々なものが出てくる地点のことをいうのだろう。
 あれをシステム・フラワーズというのかと新たな発見に驚き半分、しかし侵入者とは……?
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
 ――あの鍵の映像は、そのテレビウム・ロックのことなのだろうか。
 であればあの発光はメンテナンスルートの開放に携わっているのだろうか……
 疑問が疑問を呼ぶ一夜、それを水に流すことも出来ないだろうが――まずは力なき市民を守り抜けたことに安堵しながら。
 猟兵達はまた新たな戦いの一歩を踏み出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月27日


挿絵イラスト