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テレビウム・ロック! ~~

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●(◔౪◔)

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」

 その日、ウィンドウショッピングを楽しんでいた一人のテレビウムは悲鳴をあげた。
 ……割と低音だった。
 ショーウィンドウに映る自分の顔をふと見てみれば、自慢の可愛い顔文字が鍵のマークに変貌を遂げていたのだ。
 叫びをあげて半狂乱、両手をぶんぶん振り回して路地裏へと駆け込む。こんな顔で街を出歩くことは彼女にはできなかった。
「消えて、消えて……!!」
 顔をごしごし拭ったり、内部から液晶映像の書き換えを試みるも、鍵の映像は以前そのままである。
 あわわ、と手鏡片手に慌てふためくテレビウム。
 ふと、手鏡に映る顔の後ろに人影を見る。
「――突然で申し訳ないが、ともに来てもらおう」
「……え゛?」
「うわ、なんだこいつ。声ひっくいでござるな」
 叫びすぎて喉の枯れたテレビウムの声に面食らう忍者。面食らうというか、ちょっと引いてた。
「せっかくの登場で恰好つけたのに、台無しでござる……と、とにかく!一緒に来てもらうでござるよ!」
「今゛そ゛れ゛ど゛こ゛ろ゛じ゛ゃ゛な゛い゛ん゛だ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛!!」
「せめて泣き止むでござるよ!!どっかの俳優でござるかお前は!!」
 てんやわんや。騒ぎを聞きつけ大通りから路地を眺める視線も多かった。
「え、何あれ何あれ」「カツアゲ?」
「なんか顔に映ってない?」「映画面白かったよね」

「い・い・か・ら!!来るでござるぅぅぅ!!」
「ど゛う゛し゛て゛だ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛!!離゛せ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛!!」

●グリモアベース
「ということになるから、彼女の喉が枯れる前に助けてあげてほしい」
 あ、そっちなの?猟兵たちは訝しんだ。
 冗談さ、と笑ってみせて、グリモア猟兵のベンジャミン・ドロシーは続ける。
「キマイラフューチャーの各地でテレビウムの顔に鍵の映像が浮かび上がっている、という話は聞いたかい?結構、それなら話が早い!」
 手を叩くと、猟兵たちの顔を見回す。

「被害ウム(ここでは被害者テレビウムの意)の名はライラ。彼女を狙って既にキマイラフューチャーにて暗躍する忍者が動き出している。先ずはその怪人を退治してもらおう!」
 場所は大通りからすぐの路地裏。壁伝いのアクションで戦うも良し、大通りへ飛び出し往来で戦ってもまぁ、キマイラフューチャーの人達は気にしないだろう。むしろ、声援を飛ばしてくれるかもしれない。
「前例のない出来事だ、被害ウムに何が起こるかも分からないからよーく気を配ってあげてね」
 にこ、と軽薄そうな笑みをひとつ浮かべると、ティーカップを持ち上げる。話はここまでのようだ。
「あ、そういえばこの前予約したキマイラフューチャーの人気造形師の手がけるフィギュア、丁度今日発売じゃん!ねぇ、キミたち。ついでに引き換えお願いしても……」

 プライベートを仕事に持ち込んではいけない。
 猟兵の誰かの鋭い回し蹴りが脛にクリティカルヒットし、ベンジャミンはその場にうずくまる。同時に、グリモアベースから猟兵たちは放たれた。


空想蒸気鉄道
 この度はファンタジースチーム汽車ぽっぽへご乗車ありがとうございます。

 初イベント執筆、気を引き締めていきたいと思います。
 なるべく全て書くつもりですが、仕様上いくつか流してしまうこともあるかもしれません。
 ご了承ください。

●行動について
 連携や一緒の行動をご希望であればお申し付け下さい。
 戦闘シーンでは連携可能であれば書きやすいです。
 (仲間の~とかそれっぽいことがあれば、連携させることがあります)
 今回はだいぶ軽めです。キマイラフューチャーですもんね。

 それでは、良い旅を。
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第1章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

竹城・落葉
 【SPDで判定】
 何やら、新たな動きが出たようだな。我も黙ってはおれん。解決に赴こう。しかし、このテレビウム殿は、こうした事態に巻き込まれ、声を枯らしてしまったようだ。何とも、気の毒な事よ。
 我は『森の賢者』を発動。詠唱しながらドラミングし、そのテレビウム殿を襲っているオブリビオンを拘束するぞ。そうする事で、他の猟兵達が有利に立ち回れるよう、サポートするとしよう。
 しかし、この様子を見たテレビウムは、突然、大量のゴリラが現れた事に困惑して、更に声を枯らすかもしれない。なので、「安心しろ、我は猟兵だ。そして、アレは普通のゴリラだ、心配いらぬ」と言って、安心させよう。
*アドリブ&共闘、歓迎です
 


パーム・アンテルシオ
…なんだか、ちょっと可哀相だったけど…
まぁ、グリモア猟兵だし。自分で好きな時に行けるよね、多分。

さて、それはそれとして。お仕事、お仕事。
何の為にテレビウムを、なんて聞いても。答えないよね、きっと。
それにしても、キマイラフューチャーにも、忍者なんて居るんだね。
この世界だし、コスプレとか?なんて。

…あなたも、仲間を喚ぶのが得意なの?
ふふふ。戦い方に、その外見に。ちょっとだけ親近感を感じるね。

それじゃあ…折角だから。
ユーベルコード…金盞火。
どっちの仲間が強いか。
どっちの群れが強いか。
力比べといこうか。

もっとも…
わたしの仲間が、これだけだ、なんてことは。
一言も、言ってないけどね?

【アドリブ・連携歓迎】


在連寺・十未
テレビウムの価値観については良くわからないな……鍵マークもあれはあれで良いと思うんだが……さて

……無機物と合体するのか。浪漫があって素敵だね? そういうものに対する理解はまあ、ある方だとは思っているけれど、しかし――相性が悪すぎるな、それは。

ユーベルコード起動。足から順に関節部を重点でワイヤー化させてほどいてやる。コックピット……があるなら、そこはがんじがらめの状態になるようワイヤー化させてやれば良いな。

ところでその仮面は何で出来ているのかな?無機物なら……かわいそうなことになるが


※アドリブ、連携、大歓迎です



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

「遅かったか――!」
 くっ!と悲痛な表情で胸を抑える竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)。その後ろからひょこっと、桃色妖狐が顔を出す。
「……喉、お大事に」
「お気の毒に……」
 苦笑いのパーム・アンテルシオ(写し世・f06758)と、本心より心配を重ねる落葉。
 まだ最初のシャウトの最中。ショーウィンドウの前での出来事。何事かと人だかりを作り始めたキマイラフューチャーの住民の合間から、事情を知る猟兵が覗き込む。
「……だが、未だ例の忍者の怪人とは遭遇していない様子」
「なら、出現に合わせて迎撃……で、いいかな」
 こほんとひとつ咳払いをして、真面目な様子を取り戻す落葉の提案に、パームがにやりと頷く。

 大慌てで鍵を映したテレビウム――ライラが路地裏へ駆け込んだのは、そのすぐあと。
 必死に顔を拭う彼女へ、魔の手が差し掛かる――。

 ……その手を、ゴリラがむんずと掴みあげた。

「なんで????」
「まぁ、当然の反応だよね」
 怪人――紫御殿が面の下で驚愕の表情を浮かべる。
 相槌を挟んだパームも苦い表情。ライラに至っては半狂乱が全狂乱へと切り替わる。
 唯一、落葉だけが涼しい顔をしていた。
「ライラ殿、落ち着いて。彼は味方だ、助けにきたのだ。そしてあれはゴリラだ」
「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!?!?」
 丁寧な注釈に笑いを堪えるパームをよそに、セカンドシャウトとともに小柄な液晶の身体は路地を駆けまわる。なんなら壁まで駆けのぼるレベルである。
「仕方ない……」
 と、落葉が指を鳴らす。
「へ……?」
 ふと、ライラの視線を庇うようにゴリラが降り立つ。
 そのゴリラの背中へ、何かが衝突する。
「おのれ――!」
 攻撃は、紫御殿から。トリモチの三連打が放たれていた。
 それを、無言のうちに背で守る森の王者。
 そもそもゴリラは凶暴に思われるかもしれないが、自然界においてとても優しい生物である。
 そんな彼らが、無垢で且つ困っているだけの一班テレビウムに手をあげることなどあり得ないのだ――!
「た……」
 突然のことでびっくりはしたものの、それがかえってライラに正気を取り戻させた。
 庇われたことに気付いたライラは、目を見開いて言った。
「助゛け゛て゛く゛れ゛て゛、゛あ゛り゛が゛と゛う゛――――!!!!」
「ねぇ、あれもう、少年漫画みたいになってない?」
 ちなみに顔には依然として鍵が表示されてるので、目を見開いてとは比喩表現である。

 さて、それはそうと戦闘のお時間です。
「金盞火――!」
 パームが呼び出したのは炎を纏う狼。複数召喚されたそれは、紫御殿たちへ噛みつこうと追随する。
「甘いでござるよ――ッ!!」
 しかし、相手は腐っても忍者。怪人でも忍者。
 しなやかな身のこなしで狼の歯牙を躱していく。……間一髪の距離で。
「……甘いのは、あなたたちのほう、かな」
 ふふ、と笑みを浮かべるパーム。

 ――次の瞬間、狼の纏う炎が爆散する。

「な――――」
 悲鳴を上げるより早く、紫御殿が炎に包まれる。
 パームの金盞火は言わば、動く爆弾とも言える。その一連を見て、他の紫御殿も警戒心を強める。
 しかし……。
「パーム殿、援護する!」
「!……ありがと、助かるよ――!!」
 落葉の使役するゴリラが掴みかかり、そこへ金盞火の狼が噛みつく。
 そうすることで、彼女たちの忍術をものともせず状況は好転し始めていた。

 だが――。
「く――、ふざけおって!こうなればこちらも奥の手を見せるでござる」
「む。ふざけてなどいない。私たちもゴリラも真剣そのものだぞ」
「どの口が叩くでござるか主犯格!!」
 捨て台詞とともに紫御殿が飛び退る。
「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ、にござる!!これこそは、キマイラフューチャー男子必見の大人気フィギュアロボの等身大――――」

「……いや、そんなもので暴れちゃ駄目だろ。子供の夢を壊すなよ、って」
「仮面合体の――――え?」

 銀の髪が揺れる。
 それとともに、集まり始めていた無機物の機体が、銀線に還る。
「な――、一体なにが!?」
「お前の終わりだよ」
 子供っぽく口を尖らせたまま、無造作にワイヤーの束を引っ張る。機体に乗ろうとしていた紫御殿はそれだけで、簡単に巻き取られてしまう。
 身動きの取れなくなった紫御殿に一瞥もくれてやることなく、黒ずくめの少女はライラへ近づく。
「テレビウムの価値観、良くわからないな……。まぁ、鍵マークもそれはそれで良いと思うよ」
 テレビウムの頬を撫でるようにして、在連寺・十未(アパレシオン・f01512)は優しく笑った。

 テレビウムの手を取ると、そのまま抱え上げる。
「ちょ――」
「大人しくしてて――基盤を噛むよ!」
 なるべく優しく、それでも力強く、テレビウムを投げ飛ばす。
「わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
 十未の手から飛び立った、テレビウムの悲鳴が路地に響く。
「ここは任せて。他の猟兵が守ってくれるはずだよ」
「二人では厳しい気はしていたが……」
「流石に、三人いればこの場は乗り切れそう、かな」
 ライラを一瞥する十未に、落葉とパームが合流する。

 さて、三人揃えばなんとやら。
「「「ここから先は、行かせない!!」」」
 ”鍵”を守る為、少女たちは戦う――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

柊・雄鷹
ハレちゃん(f00145)と

や゛め゛た゛げ゛て゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ
んんっ!あかん、これ以上は真似できんかった、喉つら!
そのハードボイスな女の子離したれや!

よっしゃ!遠慮なくぶっ放して行くでーっ!!
羽持つ者の特権、【空中戦】を仕掛けて行こか
お気に入りのダガーで【投擲】して攻撃
仮面狼群は面倒やなぁ、ダガーの数の少なさは『鷹狩』でフォロー

ロボ変身はズルない?カッコ良すぎへん?
まぁ、もっと強くてカッコいい兎さんが、ワイの近くでスタンバってる訳やけど
ニッキーくーん!おねしゃっす!!
…いや、ニッキーくんはカッコいい系やろ
あとハレちゃん、自分を自分でカッコいいとか言うんは…
あ、いや、お前はそんな子やったな、うん


夏目・晴夜
ユタカさん(f00985)と

うわ、声ひっく
しかしビジュアルが可愛らしいからギャップになってて有りですね
敵は圧倒的に無しですね……くノ一のコスプレとか舐めてるんですか?
あとユタカさん、声真似がクソうるさくて不快です

まだまだ文句は尽きませんが、ひとまず今は敵を倒すことに集中しますかね
視界を塞がれては厄介なので、
真っ白な仮面は妖刀を振るっての【衝撃波】で【なぎ払い】ます
この仮面もまたエグいレベルで趣味悪いですね……

兎さん?私は強くてカッコいい狼さんなんですが
なんだ、私でなくて彼のことでしたか
【力溜め】からの「愛の無知」を男女平等にブチかませるニッキーくんは、
カッコいい系というか可愛い系だと思いますよ



 件の路地裏の周辺はともかくとして、大通りのほうでは依然、安穏とした空気が流れていた。
 その安穏の中を、暢気に闊歩する二人がいる。

「や゛め゛た゛げ゛て゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ」
「…………」
「む、無言やめてや……」

 予知の言伝の通りを真似する柊・雄鷹(sky jumper・f00985)と、他人のフリを始める夏目・晴夜(不夜狼・f00145)。
 少々遅刻気味で駆けつけて、もうすぐ路地に着くところ。
「なぁ~、なぁ~。無視やめてやハレちゃん~~」
「いや、知り合いだと思われたくないので。どうするんですか、そのせいで私を褒めてくれる人が減ったら」
「ハレちゃんのその自信過剰もどうかと思うけど……」
「いいから早く行きますよ」
 早足になる晴夜のあとを、雄鷹が追う。

 ……と、ついに路地に差し掛かったところで。
「わっ」
「え?……わぶッ」
 晴夜が躱したテレビウムが、当然の如く雄鷹へ叩きこまれる。救いがあるとすれば、顔面同士の接触ではなく雄鷹の腹部に直撃したことか。
「お゛っ……お゛お゛……」
「あ、今のは上手かった」
 漏れた声への素直な賞賛を蹲りながら賜る。テレビウムも液晶画面を持つ以上、頭蓋程度の固さは有している。それが腹部を強打するのだから、苦しみもそれなりである。
 さて、飛来したテレビウムはというと……。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「うわ、声ひっく」
 唯一無事な晴夜が呟く。再びの半狂乱に陥るライラをまじまじと見ながら。
「でも、ビジュアルが可愛らしいからギャップになってて有りですね……」
「ゲホ……言ってる場合か、前見ろぉ!!」
 顔をあげると、目前に凶刃が迫っていた。
 忍者の怪人――紫御殿のものだ。

「――分かってますよ。私を、誰だと思ってるんです」

 晴夜は瞳を見開く。
 瞬間、飛びかかってきた筈の紫御殿が――後方へ思い切り弾き飛ばされた。
「な――、がぁッ!?」
 何が起こったか、理解の回らない紫御殿の視界が最期に捉えたのは、晴夜の指先から伸びる操り糸だった。

「おー、おっかな……ケホ、ケホッ」
 未だ息の整わない雄鷹が、ようやく上半身を起こす。
 腹に乗っかったままのテレビウム――ライラはひとしきり暴れ回ると、子供のように寝――気絶していた。
 そのライラへ――細い女の魔の手が迫る。

「――!やめろ、やッ!!」

 ライラへ腕を回し、上体を倒して紫御殿の手を避ける。その勢いで、足を浮かせて顎を蹴り上げる。
「どうや、見たか!可愛い女の子に手を出すヤツはワイが――」
「声がクソうるさくて不快です、ユタカさん」
 立ち上がり、息巻く雄鷹を晴夜が蹴り飛ばす。
「ぐえっ」
 無様な鳴き声が発された位置を、紫御殿の仮面が通過する。
「く、外したか――」
「え、何なにハレちゃん。もしかして、助けてくれたん……?」
「お目出度いですね、……そうですよ」
 まぐれ、とか言いたくなかった。
 それだけでご機嫌になるお隣から、やっぱり僅かに視線を逸らした。

 立ち上がった雄鷹は翼を広げ、空へと飛翔する。
「ライラちゃん、ちょい預かっててな」
「分かりました。ユタカさんが抱えてると危なっかしいですからね」
「一言多いなぁ!?」
 それはお互い様、と。
「さぁ、避けれるモンなら避けてみぃや――!!」
 上空へ舞い上がった雄鷹が、それぞれ形の違うダガーをばらまく。
 刃の驟雨が降り注ぐ――。
「こんなもの――!」
 持ち前の俊敏さで、雨粒を回避する紫御殿。
 しかし――。
「……知っとるか?雨は地面でちょっぴり跳ね返る――『鷹狩』」
 地に落ちる筈のダガーが、向きを変えて再び紫御殿を襲う。
「がッ」
 視界外に無残に落ちた筈の刃を見ることなどない。故に、刃を回避できるはずもなく――紫御殿を刺し穿った。

 一方、晴夜はと言うと。
「ふ――ッ」
 片手にテレビウムを庇いながら、もう片手に握りしめた蒼い刀身で、殺到する仮面を薙ぎ払う。
「趣味の悪い……それにくノ一のコスプレとか、舐めてるんですか?」
 前髪を掻きあげながら吐き捨てる。
 仮面は猟兵の視界を妨げるもの。それ自体に威力はないが、厄介極まりない。高度に限界があるのか、雄鷹にこの攻撃が向かないのもまた、どこか腹立たしかった。
「埒が明かない……のは、相手も同じですね。仕掛けてくるとすれば……今」
 もう一度、刀から放たれる衝撃波が仮面を一掃したとき――それは現れた。

「これこそは、キマイラフューチャー男子必見の大人気フィギュアロボの等身大機体との――仮面合体の術!でござる!!」

 頭が痛くなりそうな文言に、晴夜は実際に頭を抱える。
「ロボ変身はズルない?カッコ良すぎへん?」
「本当にそう思います?多分これ、本家より造形雑ですよ」
 よく見れば、塗装が粗かったり左右の比はずれていたりする。
「……ほんまやん」
「う、うるさいでござるなぁ!?どうあれ貴様らはここで終わりでござるよ……!!」
 息巻く紫御殿。その操作するロボットアームが振りかざされる。
 しかし――。

「ニッキーくん、お願いします」

 暴力が、ぶつかる。
「は……?」
 機体が、作り立ての飴細工のように簡単にひしゃげた。
 頭部にウサギの被り物をした、筋肉質の人形が突進した跡だった。

「いやぁ、かっこ良えなぁ」
「でしょう?」
「秒で答えてくれたのは有難いんやけど、今言ったのニッキーくんに対してな?」
「なんだぁ……」
 少ししょぼくれたように項垂れる晴夜。
「……まぁ、男女平等にブチかませるニッキーくんは、カッコいい系というか可愛い系だと思いますよ」
「可愛いの基準分からんなぁ……。あとハレちゃん、自分を自分でカッコいいとか言うんは……。……いや、お前はそんな子やったな。うん」
「ひぃ……ッ!」
 安穏を取り戻しつつある二人に対し、今まさに恐怖を体感している紫御殿。
 その最期は、敢えて語らないことにしよう――。

「あれ、そういえばライラちゃんどうしたん?」
「え?」
 気付けば、晴夜の腕からライラが消えていた。
「…………え?」
「ちょ、どっか落としたん!?」
「い、いえ……そんなはずは」
 急いで見回すと、見つけたのはすぐそこ。
「「あ!!」」

 顔に鍵の映像を映したテレビウムが、今まさに人混みに消えていく様を見た。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 ライラは走る。

「はぁ、はぁ……!」

 呼吸が整わない。
 あまりに色々なことが、短時間に起き過ぎた。
 怖いこともあったし、びっくりしたこともたくさんあった。
 心臓の高鳴りが、今もなお止まらないのはそのせいだ。
 顔に映る、消えない鍵の映像。
 襲い来る忍者。ゴリラ。
 そして――。

「イ゛ケ゛メ゛ン゛ッ゛ッ゛ッ゛」

 ライラはテレビウムである以前に、一人の少女である。
 故にこそ、イケメンにとても弱かった。
 いつの間にか気を失っていて、目が醒めると整った美形の顔が間近にあったあの瞬間が脳裏に焼き付いて離れない。
 ……ぶっちゃけ、それ以前の出来事が若干ぶっ飛ぶくらいには。
 いつもより、仄かに熱を持ったお顔の液晶を抱えながら、彼女は走る。

 その背後を、忍者の怪人が再々度――迫っていた。
郁芽・瑞莉
テレビウムの方々の異変…、何故そうなったのかも気になる所ですが。
もっとも大変なのは当事者であるライラさんですよね。
自分の顔がそうなってしまったらと思うと、半狂乱にもなりますよね。
オブビリオンの魔の手を祓いつつ、事態解決の為の力を尽くしましょう!

ライラさんとの間に割り入って、伸ばされるロボットの手を武器で受け、
カウンターでなぎ払い、衝撃波で相手を吹き飛ばしますよ!
「彼女に手を触れさせませんよ!」

反撃に符を誘導弾の如く、敵へとばら撒いて。
力を溜めた符の全力魔法たる範囲攻撃を、
高速詠唱で一斉射撃しますよ!
「服装は似ていますが、私は忍者ではありませんよ?」

掃討後はライラさんに付いて身の安全を図ります!



 伸びる魔の手を弾いたのは、人間の少女の手だった。
 
「彼女に手は――触れさせませんよ!」

 鋭い手刀が、隙だらけの紫御殿の腕を叩き落とす。
「くっ、しつこい奴等でござる――!」
「しつこいのはお互い様です。文字通り、手を引いてもらいましょう!」
 郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)は紫御殿からライラを庇うように、その間に割り込む。
「え……?」
「もう大丈夫。あなたのことは、私が守ります」
 潤ませた声が、背中に染み込む。
「あ゛な゛た゛、あ゛れ゛の゛仲゛間゛じ゛ゃ゛な゛い゛の゛?」
「えぇ。服装は似ていますが、私はあなたの味方ですよ」
「ゴ゛リ゛ラ゛と゛か゛、イ゛ケ゛メ゛ン゛と゛同゛じ゛?」
「……ゴリラはよく分かりませんが、はい」
 答えを聞くなり、ライラは瑞莉に飛びつく。

「怖゛か゛っ゛た゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛!!!」

「……よく、頑張りました」
 一度抱き返して、背をぽんぽんと叩く。
 そして、鋭い視線を紫御殿へ向け直す。
 おそらく、最後の一人。ライラを下ろして、敵へと向き直る。
「……最終勧告にござる。そのテレビウムをこちらへ渡せ」
「お断りします」
 即答。
 先に動いたのは、紫御殿のほう。合体途中のロボットアームを突き出す。
 それを、ひらり軽やかな足取りで回避し、併せて懐から符をまき散らす。
「なん、だ……?」
 訝しむ紫御殿。
 しかし彼女に返す言葉は既になく、代わりに紡ぐのは、”刃”滅の序曲。
「符より引き出されし、神羅万象の力よ……。刃を為して、魔を穿ち祓い給え――!」
 散り散りになった符が、光を帯びる。ふわふわと漂い、たどり着いた先は等間隔に陣を描く。
 強い力の気配。
 もしも紫御殿が仮面合体をせず、生身のまま戦っていたのであれば避ける術はいくらでもあっただろう。
 でも、そうはならない。
 だから、ここが彼女の終わり。

「――千符刃練」

 色を宿した幾千の刃が、紫御殿を機体ごと切り裂いた――。

「よし!これでもう大丈夫」
 走っているうちに擦りむいてしまったのだろう。ライラの膝に《癒》と書かれた符を充てる。多少の疲労感と引き換えに、綺麗さっぱり消えた怪我を見ると、柔らかく微笑んだ。
「あ゛り゛が゛と゛う゛!」
「あの、もしかしてその声……元々……?いえ……」
 聞くべきではないかな、と顔を逸らそうとした。

 ――その時だった。ライラの顔の液晶に変化が起きたのは。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 テレビウム――ライラの顔に映し出された鍵の向きが変わる。

 それまで、どれだけ大暴れしても動かなかった鍵の映像が、立体的に向きを変える。
 試しにライラを抱え上げて、上下左右。少し仰け反っても見たりする。
 結論を出したのは、ライラ本人だった。
「北゛の゛電゛波゛塔゛だ゛!!」
 どうやら、都市の北にある電波塔を指し示しているようだと言う。そうでなくても、その近隣の建物に向いていることは間違いない。
 そういう変化が起きたということは、そこに何かがあるということ。
 向かうべきだ、と猟兵の誰かが言った。
 それに明確な反対意見を出すものはいなかった。
 やることは決まった。障害を振り払い、目的地へたどり着くのが次なる仕事。
 そして猟兵たちは、テレビウムの少女とともに動き出す――。

 ずん。ずんずんっ。
「「「マッスル!!」」」
 おふざけが――邪魔者が近づいてきていることを知るのは、少し後。
郁芽・瑞莉
「癒」の符、喉に貼らないと声の治療にはならないのでしょうか……?
そ、それはともかくとして。
ライラさんの画面の反応を見る限り、
北の電波塔に何かあるのは間違いなさそうですね。
事態解決まではしっかりとお付き合いしますのでご安心くださいね!

怪人を見て、うわぁ、と思わずにはいられません。
「そうでした、ポーズ付けるだけで無駄に強くなるんですよね、この怪人」
神霊体になって、相手の攻撃は第六感や戦闘知識、武器で受けたり。
オーラ防御を使ったりして致命傷にならない範囲で受けて力を増して。
破魔の力を乗せて筋肉の鎧を砕き、無視する一撃でなぎ払い、2回目の攻撃で串刺しますよ!

精神的疲れをライラさんで癒しつつ、目的地へ。



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「ま、まさかの地声…………」

 これは怪人遭遇前の出来事。
 《癒》の符をかざしても治らないライラの喉に何とも言い難い表情を浮かべる郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)。
「……それはそうと、北の電波塔でしたか。鍵の映像の手がかりがあるとすれば、行ってみる価値はありそうですね」
 そう言うと、膝をぽんぽん叩いて立ち上がる。
「わっ」
「よいしょ、っと。さあ、ライラさん!電波塔とやらに向かいましょう!」
 抱え上げたライラにそう告げて、にっこりと微笑む。
「……う゛ん゛!」
 その笑顔に、ライラは力強く頷く。

 力強いシルエットが見えてきたのはその少し後だった。
「「「マッスル!!」」」
「うわぁ……」
 ライラを抱えたまま、街を駆ける瑞莉。その視線の先に、不審な団体が映った。
 筋骨隆々の身体の頭部には、もふもふの毛。
 例えて言うならケンタウロスの馬の部分をアルパカにして、要素を逆転させたような……。
 まぁ、明らかに怪人である。
「ううっ……」
 顔を真っ赤にした瑞莉が顔を背ける。
「これは一体……ら、ライラさん……」
 何か知らないか、と腕の中のライラに視線を移す。ライラもまた一人の生娘。液晶の顔を熱くさせながら、しかし何かを思い出したようにハッと顔を上げて。

「!――今゛日゛、ア゛ル゛パ゛カ゛オ゛ン゛リ゛ー゛イ゛べ゛ン゛ト゛の゛日゛だ゛!!」
「なんで怪人のイベントがあるんですか……」
 ひゃん、とあげた顔をすぐさま覆って俯くライラ。
「ち、ちなみにライラさんっ。このイベントどこまで続いているかとかは……」
 訊ねると、少し困った風にしてからライラは己の顔を指さす。
「あぁ……そんな……」
 目眩がしてしまう。目的地までの道で思いっきり開催してるなんて。
「……仕方ありません。特に悪いことをしているわけじゃないみたいですが……いえ、道路交通法ですかね!道を占領する怪人に容赦はしません!!」
 改めて、猟兵としての顔で、アルパカマッスル怪人と向き合う。

「ライラさん、掴まってください――!!」
「え゛――ぎ゛ゃ゛わ゛っ!?」
 神霊体をとった瑞莉の、マフラーに掴まるライラ。それをしっかり確認してから、瑞莉は駆け出す。
 いつもよりも身軽に、怪人たちの隙間を通り過ぎる瑞莉。
「!――マッスル!!」
 しかし、イベントの邪魔をする人間をアルパカマッスル怪人が許す筈もない。マッスルポーズを取って進路を妨害しようとしてくる。
 ――だが。
「甘い――ッ!」
 髪飾りが光る。アルパカマッスル怪人と衝突した瞬間――眩い光とともに衝撃波が放たれ、アルパカマッスル怪人を弾き飛ばす。
 ポージングをするたび強くなるアルパカマッスル怪人だが、相手の力を自分の力へ変換する瑞莉とは相性が悪いのだ。
「す゛、゛す゛ご゛い゛……」
 驚嘆を漏らすライラに癒しを覚えながら、瑞莉は直線を突っ切る。
「それにしても、怪人怪人怪人……」
 イベントでごった返す道と、怪人の見た目に色々言いたいことを抱えながら、彼女たちは進む――。

「あとでライラさん撫でまわして、目一杯癒してもらいましょう――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

在連寺・十未
北の………ああ。電波塔か、電波塔、ね。そこに何があるのやら。

取り敢えず、まず先に……不審者をどうにかしないとな

君達、この子を追う者か

ポージングを取る暇はあげるよ。その体勢から避ける速さより僕の【クイックドロウ】のほうが早いし……【誘導弾】だし。なによりこの銃は連射も利く。ロマンだろう?

全力全開の人造の火だから蜂も棲まないような蜂の巣になるだろうが、こらえてくれ。

……そういやアルパカの焼き肉はおいしかった。また行きたいな。


※アドリブや連携など大歓迎です



 ゆらり。影から伸び出でるように、彼女はそこにいた。

 在連寺・十未(アパレシオン・f01512)はアルパカマッスル怪人の群れに対し、冷徹な瞳を向ける。
「「「マッスル!!!」」」
「……交わす言葉は、持っていないか」
 仕方ない。呆れたように頭を振る。
 怪人である以上、オブリビオンである以上、必ずしも言葉が交わせるものとは思わない。
 ただ、それでも言葉を持つものとして、問いかけずにはいられない。
 十未は、並み居るアルパカマッスル怪人を前に隠し持つ暗器や銃器を頭の中で数える。

「――何故」

 その時だった。
「何故、我らが毛皮を失ったか」
「……?なにを……」
 言葉もなく、ポージングを続けるアルパカマッスル怪人の中に、ただ一人。言葉を持つ者がいた。
「否、失ったのではなく手放したのである。我らの心の奥底に眠る情熱を前に、毛皮など邪魔でしかなかったのだ」
 ……只者ではない。十未は直感で感じる。
 同時に、言葉を挟んでも意味がない。彼の言葉は独り言で、十未どころか誰も向けた言葉でないと、そう思った。
「情熱の炎は我らにより強い、筋肉と言う新たな毛皮を与えた。故に――無敵」

「……なら、試してやるさ」
 腰に手を潜らせる。グリップを探り当て、指先でなぞる。
「ポージングを取る暇はやる」
 その言葉が通じたか、或いはタイミングが重なったか。
「――マッスル」
 アルパカマッスル怪人がポーズを取る。それはしなやかで、情熱的なものだった。

「……いくぞ」

 熱線銃が火を吹く。
 クイックドロウ。早撃ちで放たれた光線は連弾であり、文字通り銃口が火を吹くように見えた。
「――――っ」
 それと同じように、アルパカマッスル怪人が眼前へ迫っていた。
 距離は十分にあり、叩き込んだ光線も数多あった。
 だが、筋肉が光線を、貫かせまいと阻んだ。故に、ついぞ彼を貫いた光線はただひとつだけであった。
 拳は、十未の瞳の寸前で停止する。それは、それだけ彼の情熱が本物であったことを指し示していた。

「――見事」
「あんたもな」

 最期の言葉は、ようやく自分に向けた言葉であった。そう感じた。
 十未は彼に言葉を返すと、それを最後の一瞥とする。
 向き直るは、電波塔の方向。依然として路上を、アルパカマッスル怪人が埋め尽くす。
 それでも。

「あいつほど強い奴は、もういないだろうな」
 言葉の真意は何処か。
 銃口を向けると、十未は進みだした。

「……ところで、アルパカの焼き肉はおいしかったんだよな」
 おおっと、雲行きが怪しくなってまいりました!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエル・アインストール
はぁい、配信を見てるみんな!
みんな大好き超絶美少女電脳ばーちゃるあーてぃすとのシエルよ!(ドローンで遠慮なく動画撮影を試みる)

今日は巷で話題の鍵に関する事件を生中継……ってなんかアンタ(ライラ)声ひっくいわね……大丈夫? のど飴いる?

ま、要は北の電波塔まで守って行けばいいのよね!

なーんか汗臭そうな連中が邪魔してるみたいだけど、なーにがマッスルよ!
戦いは筋肉じゃなくて数だってことを教えてあげる!
これが私の、いや私たちの力よ! やっちゃいなさい!!(クラウドストライカー)



「はーいどうも!」
 なんか見たことあるぞ、この光景!
「超絶美少女電脳ばーちゃるあーてぃすとのシエルよ!今日はね、なんと……キマイラフューチャーに来ているの!」
 来ているとはいうが、活動のメイン拠点であり配信を視聴する層はここが大半である。
 元々明るく活発な世界ではあるが、そんな中でも彼女は一層に目立っていた。
「知ってる?テレビウムの顔に鍵の映像が映るってやつ!今回は、その真相に迫るわっ!」
 抑揚のついた彼女の言葉は視聴者を意識してのこと。とても聞きやすい言葉だ。
 空撮のドローンに微笑みを一つ。
「私の凄いとこ、見ててね!!」
 ……さて。少し先の放送事故の塊を、ドローンは既に捉えていた。

「ぎゃー」
 マッスルの圧にやられて、無残な鳴き声とともにシエルが吹っ飛んだ。
 ……マッスルの圧ってなんだ?
「っもう!なんなのよ、コイツら!」
 体勢を立て直し、立ち上がる。
 きっと睨む視線の先には、無数のアルパカマッスル怪人の群れ。
 対してシエルは一人。猟兵は他にもいるが、多勢に無勢は変わりない。
 けれど、シエルは口元をにやつかせる。
「……面白いじゃない。オーディエンスは十分。絵面まで完璧……なら」
 やるしかない。
 シエルの背後に、更なるドローンが起動し始める。
 その数――両手どころか、目視でも数えられないほど。

「――さあ、ここから視聴者参加型生放送!!視聴者のみんな、お願い!!」

 起動したドローンが、アルパカマッスル怪人へと殺到する。
 小型のドローンは彼らのポージングをかいくぐり、大きいダメージを与えていく。
 しかし同時に、ポージングに直撃すればひとたまりもない。威力が高い分、装甲は並程度しかない。
 それでも、シエルには"数"がある。
「これが私の、いや私たちの力よ――!」
 蹂躙する、ドローンの波。それを上空から空撮する。
「それにしても……」
 波の過ぎた後にシエルがひとり呟く。
「電波塔、だったっけ。一体何があるのかしら」
 馴染みのある世界の騒動。それに心を動かされないはずもなく、やはり思うところがあるのだろう。
 頭を巡らせる、その後ろから声が響く――。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「声ひっく!?……って、なんだ」

 猟兵に掴まり、アルパカマッスル怪人の合間を縫うように飛んでいくライラの姿があった。
 それはあっという間にシエルを追い越し、先に電波塔へ向かう。
「……のど飴、持っていってあげようかしら」
 苦笑いを浮かべて、しかし悪い考えは吹き飛んだ。
 今は考えるより先に動くとき。
「……そうよ。私はそれを調べに来たんだから!」
 ダウンしたアルパカマッスル怪人を飛び越えて、シエルもまた先に進む。

 真相に近づくために――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

柊・雄鷹
ハレちゃん(f00145)と

見っけた!ライラちゃん追い付いたでー…って、どしたんその顔!?
ほーん、北の電波塔か…お宝があるんか罠かは知らんけど、行くしかないないなぁ
まぁ、このマッスルブラザーズを倒すのが先やけど
むさくるしぃわ!群れるな、散れ!

アニマルにはアニマル、数の暴力には数の暴力や!
『御鳥番衆』、出番やで!
UCで攻撃してる間に、隙を縫ってワイもダガーを【投擲】
あえて【存在感】を出して敵をひきつける
うぉーいハレちゃん!ワイより活躍するんはアカンで!
ワイのカッコよさがかすれる!
【敵を盾にしたり】、【カウンター】をいれて攻撃を避ける

…あれ?今ハレちゃんワイのこと盾にした?
え?気のせい?ホンマに?


夏目・晴夜
ユタカさん(f00985)と

いなくなっていて驚きましたが、
そのナイスボイスからしてライラさんはご無事みたいで何よりです
もう抱えなくても良さそうなのは残念ですが

「憑く夜身」で敵の影を片っ端から操り、
自分の影とくんずほぐれつしている隙に妖刀で【串刺し】に、
或いは苛立ちを込めて蹴りつけて【踏みつけ】ます
クソみたいなポージングを見せないでくれますかね……

自身や周囲に危険が及びそうな時には、
憑く夜身の不可視の糸で絡め取った敵をぶん投げたり
一気に引き寄せたり等して【敵を盾に】

はあ?ユタカさんは訳の分からない事で絡まないでください
このハレルヤの敵は世に害をなす輩だけですよ
あと、いい年こいて無駄に小うるさい男



「頼んだで」

 アルパカマッスル怪人の横を、最小様々な精霊が飛び去っていく。
 風を切るは鳥の役目。であるなら、鳥型の妖精の仕事は何か。
 くちばしでつまんだ不可視の操り糸が、アルパカマッスル怪人の筋肉を切り裂いた。
 精霊の操り手の青年は、その光景ににやりと笑う。

「はい。もう結構ですよ」

 その青年に背中を合わせ、ぱちん、と手を叩いたのは白髪の少年。
 いつもより広範囲に広げた操り糸は、彼の指に繋がっていた。叩いた手の指先を怪しく揺する。
 少年はにやりと笑う。
「それでは、存分に楽しんでください。……勝手に、ですけど」
 笑みに歪む表情とともに、彼らの影もまた歪む――。

「こうしてしまえば、もうポーズは取れませんね」
 呆気ないものです。ため息交じりに夏目・晴夜(不夜狼・f00145)が言う。
 影に絡み、身動きのとれない怪人を一瞥すると、相方に向き直る。
 対して相方――柊・雄鷹(sky jumper・f00985)はと言うと、鳥の精霊と戯れていた。
 差し出した右腕に列を作って並ぶ精霊に、優しく微笑んだり。がっつり笑ったり。
「…………」
「なぁーに、ハレちゃん。そんな顔して目ぇ背けて。嫉妬?嫉妬ってやつ?」
 顔を背けた晴夜に悪戯っぽい笑みを向ける雄鷹。
「……別に」
 対して晴夜は無表情で、淡泊に返した。真面目に返すのが癪だった。

 顔を背けたまま、歩みを進める。
「それにしても、ライラさんが無事で良かったですね」
「見失ったんハレちゃんやけどな」
「あのナイスボイスも健在で何よりです」
「いなくなってん気づかんかったのハレちゃんやけどな」
「まぁ、もう抱える必要がないのだけが少し残念でしたけど」
「なぁなぁ、無視やめて?」
「いい年こいた男が、小うるさいんですよ」
「ふ、ハレちゃんもいつかこうなるんよ……」
「「「マッスル!!!」」」
「ほら!マッスルもそう思ういうてるやん!」
「なんで通じ合ってるんですか……」
 無表情のまま、イライラのオーラを噴出しながらアルパカマッスル怪人の横を通り抜ける二人。
 よく観察してみれば、不用意に彼らの邪魔やマッスルポーズに触れなければ意外と無害らしい。
 ただそれも、道を思いっきり封鎖しているときは話が別だ。
「まぁ、ワイは空飛んで行けるんやけど。それでもなるべく倒したってやったほうがええもんな」
 鳥の精霊に指示を飛ばす。
 晴夜も、操り糸を垂らして臨戦態勢を取る。

「御鳥番衆ッ!!」
 精霊の飛ぶ隙間を確認し、別の合間にダガーを飛ばす。
「マッスル!!」
 それをアルパカマッスル怪人がポージングで躱す。
 だが――。
「ナイスキャッチやで、みんな!」
 とんぼ返りのすれ違いざまに、ダガーを咥えた精霊たちがアルパカマッスル怪人を裂く。
 長い付き合いだからこそ出来る、阿吽の呼吸。
「これだけはハレちゃんにも譲れへん、なァ――!?」
 素っ頓狂な声とともに、白い手に襟首を掴まれ放り出される。
「ぬ、おぉう!?」
 こぶしのポージングに思わずカウンターを突き返す。少し禍々しいダガーの柄を、怪人の腹に叩き込んだ。
「ナイスです」
「めっちゃびっくりしたんやけど!?」
 身代わりにした張本人は、まだ拗ねているのか顔を合わせようとはしなかった。
 ……相応の働きに、サムズアップだけはしたが。
「これだけ敵が多いのですから、盾にしたほうが都合がいいんですよね」
「あの、その理屈やとワイも敵判定ちゃう……?」
 恐る恐る訊ねる雄鷹に、晴夜は溜め息をひとつ。
「当然でしょう?ハレルヤの敵は2種類います。ひとつは世に害をなす輩」
「もう一つは?」
 質問には、ふっと悪い笑みを浮かべるだけだった。

「おっかないなぁ、ホンマ」
 それは彼の振る舞いに対しての言葉か。
 はたまた、彼の戦い方に向けてか。
「――ッ」
 影に足を絡めた怪人に飛びつき、妖刀を振るう。続けざまに、肩を借りてその先の敵のうなじに踵を落とす。
 脳震盪を起こす敵の首を掴むと、それごと振るってポージングの攻撃から身を守る。
「ああまでされん、ってことはまぁ、うん。分かっちゃいるんやけどなぁ……」
 そのバーサーカーっぷりに呆然としながらも、精霊の使役はかかすことなく。
 手の中でダガーをくるくる回しながら、晴夜の後に続く。
「一件が済んだら、うまいモンでも奢って褒めたげるかなぁ」

 筋肉の波をかき分けるようにして、彼らもまた電波塔を目指す。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【SPDで判定】
 成程、北の電波塔へ向かえば良いのだな。しかし、筋骨隆々の奴らが狙ってくるようだ。ならば、追手たる敵を返り討ちにし、目的地まで到達するのみ!
 我は再び、『森の賢者』を発動。ゴリラ達に敵を拘束させた後、名物竹城を手に相手を殴りつけるぞ。拘束されては、まともにポージングも行えまい。しかし、油断は禁物。【早業】で拘束を逃れる隙も与えず、殴ってやろう。
 今度は筋肉と筋肉、そして、ゴリラとアルパカの対決だ!
*アドリブ&共闘、歓迎です



「ゆくぞ」
 凛とした声だった。
 それはキマイラフューチャーと似ても似つかない、静寂によく響く声。
 しかし、その時だけはなぜか、周囲がしんと静かになったように思えた。
 向かい合うは怪人。
 きん、と冷たい金属の音がした。
 彼女の持つ、腰に提げた得物の音だった。
 目を細める。息を止める。
 緊張感に肺が押しつぶされそうな、そんな静寂を破ったのは――彼女が片手をあげたときだった。

「第一回、ゴリラVSアルパカマッスル対決――!!」
 どんどんぱふぱふ~。
 ……なんだこれ。

 彼女の両隣には既にゴリラが物静かに佇んでいる。
「「「マッスル!!!」」」
 対するアルパカマッスル怪人はポージングを繰り返し続けていた。
 見ているだけで胃が痛くなるような光景。その中央で、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)だけが生真面目そうな顔をしていた。
「アルパカオンリーイベント……聞いたぞ。筋肉と筋肉の祭典、己の筋肉を誇示するアルパカたちのイベント」
 つまりポージングし続けるだけのイベントである。はた迷惑な!
 しかし、邪魔をしなければ基本的に無害。問題があるとすれば、道を塞いでいることにある。
「ならば、こちらも対等に戦いを挑むまで。……頼んだぞ、ゴリラたち!」

 落葉の言葉に、一斉にポージングを取り始めるゴリラ。
 しなやかながら確かな力強さを持つアルパカマッスル怪人に対し、ゴリラの筋肉にはしなやかさが足りない。
 しかし、それを推して余りある豪胆な筋肉が、ゴリラにはあった。
 圧倒的な筋肉量。アルパカマッスル怪人に足りないものを、ゴリラもまた持っていた。
 しかし、ポージングにおいてしなやかさの不足は致命的である。
 それを、落葉も、ゴリラ自身も分かっていた。
 だからこそ――その事実から目を背けない。
「足りないのなら、補えばいい……今ここで!」
 筋肉が――動き出す。

「マッスル……!?」
 アルパカマッスル怪人がつぶらな瞳を見開く。
 それは些細な変化で、しかし決定的な”進化”だった。
 見様見真似といってしまえばその通り。
 しかし、しなやかに動くアルパカマッスル怪人の動きを、ゴリラたちは学習する。
「故にこそ、ゴリラの勝利だ――!!」

 敗北したアルパカが、遥か後方へと吹き飛ばされる。敗者は飛んでいくのが筋だからだ。
「怪人、貴様らの敗因はただひとつ……筋肉だけではない、頭にもしなやかさが必要だった。それだけのことだ……」
 腰に下げた日本刀……ではなく、バールから手を離し、今や大きく開けた道路を進む落葉。

 その背後に、ポージングをマスターしたゴリラを引き連れながら――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パーム・アンテルシオ
…なんだか、すごいのが来ちゃったけど…
この子たちも、さっきの忍者の仲間?ライラが目当てなのかな。
…っていうか、倒しちゃっていい…んだよね?敵なんだよね?電波塔に向かうと、邪魔してくるみたいだし。

あ、そうだ。
せっかくだし。勝負してみる?

ユーベルコード…金蓮火。
ふふふ。私はこの通り、小さいけど…
この子なら、あなた達とも張り合えるよね。
背丈はこの大きさだし。体格だって十分。
何より…こっちの方がかっこいいよね。なんて。

さて、あとはポージングだっけ。ボディビルっていうの?
筋肉を見せつけるような感じで…こう?
私の方は見なくていいよ、この子の方を見て。
ふふふ。これで、どう戦うの?比べるだけ?

【アドリブ歓迎】



 ここでも、アルパカマッスル怪人が吹っ飛んでいた。
「……もしかして、これが正攻法なのかな」
 アレンジです。
 パーム・アンテルシオ(写し世・f06758)は苦笑いを浮かべながらも先に進む。

 戦いを挑んだのはパーム、というより彼女の使役する金蓮火だが、絵面に素直に喜べつほど天然でもなかった。
「さっきの忍者の仲間では、なさそうかな。イベントやってるだけ、みたいだし」
 たたた、と軽い足音がアスファルトを駆ける。その両サイドを見回しながら呟く。
 楽しそう、とは思わなかった。何せ往来でポージングを続けるだけの謎集団でしかなかったからだ。流石にそういうものに楽しみは見いだせない。少女であることもあって尚更だ。
「勝ち負けとか、実はよく分かんなかったし……」
 頬を掻きながら視線を背ける。かっこいいとか、筋肉美とか、どう比べているんだろうと内心で首を傾げていた。
 それでもどうやら金蓮火が勝っていたようで、それで道を塞ぐアルパカマッスル怪人をどうにかしている。

「……あ!」
 あまり肉体を直視しないように上を向きながら進んでいると、件の電波塔の近くまで来ていたことに気づく。
「ライラは……もう着いてるかな」
 先んじて、彼女を抱えた猟兵が向かっていた。大事なければ今頃は電波塔の下だろう。
 目標が近づいて、自然と早足になる。むさくるしい道をするりと抜ける。
「…………」
 その途中で、鍵の映像を思い出す。
 耳を澄ませば、他にも同様の事件が起きていると聞く。
 何か、大きな意思を感じる。ただのバグではなく、何か、何者かが仕組んだもの。
 もしそうであれば、目的地に何があってもおかしくないと思う。危険だって、あるかもしれない。
「もしそうなら、守ってあげないと……私たちが」
 それは猟兵の義務で、しかし義務でなくとも彼女は、彼女たちは動くだろう。
 困っている人を見捨てられるほど、人間は臆病ではないのだから。

 マッスルの先に、電波塔を見る。
「……え?」
 そこにライラの姿を見――様子のおかしい彼女を訝しんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アヤカ・ウザカワ』

POW   :    そんなにあたしに関わりたいの?仕方ないなあ♪
全身を【構ってオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【痛みや苦しみ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    もっとアタシに構えー!
【音や煙が派手な様々な火器を装備したモード】に変形し、自身の【回避力と移動力】を代償に、自身の【命中と攻撃速度】を強化する。
WIZ   :    世界で一番可愛いのはアタシ!
【笑顔】【挑発的なポーズ】【自分を見ろというオーラ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:つかさ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リサ・ムーンリッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」

 電波塔へたどり着いたライラの液晶が突如として光り出す。
 目映い光の中に、目を凝らしてみると――タイムラインが流れていることに気づく。
『工程完了まであと15分』
 短い文章で、そう書かれた文字が流れていく。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
 絶叫をあげ、その場で手足をばたばたさせるライラ。苦しそうにしていないことから、どうやらウイルスの類ではなく鍵の映像から解放されるまで時間のようだ。
 ライラ自体身体がその場に固定されてしまい動けないらしく、時間まで大人しくここで待っていればいいようだが――。

「――見つけた!」
 そう容易くはいかない。
 バーチャルキャラクターのような少女がライラを見るなり、指先を突きつける。
「あなたたちが騒ぎを起こすせいで、アタシに構ってくれる人が少ないの。どうしてくれるの!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「声ひっくいわね!?」
 とはいえ、言いがかりのような話だった。
「オマケになんか変なアルパカの怪人までいるし!何よアルパカオンリーイベントって!?」
 あ、それに関しては本当に申し訳ないです。
 ともあれ、騒動に騒動が重なり、構ってもらえなかった少女は少女なりに激昂しライラへと詰め寄ろうとする。
 しかし――見た目や言動に騙されてはいけない。彼女もまた怪人――オブリビオンだ。
 一般人のライラへ手出しさせるわけにはいかない。
 ある者はライラとの間を遮り、ある者は武器を握る。

 さあ。テレビウムを、キマイラフューチャーを巻き込んだ騒動の終わりは近い――。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
シエル・アインストール
「アルパカオンリーイベントはマジでわけわっかんないわね……!」
とはいえ、こっちは取り込み中なんだから邪魔しない!
ライラの代わりにこの超絶美少女電脳ばーちゃるあーてぃすとが構ってあげるから、感謝しなさいよね。


え、なに世界で一番可愛いのがアンタ?
なーに言ってんのよ、それは、この私に決まってんでしょ!
オッケー美少女対決よ!
見なさい、この生放送に流れる応援の弾幕(グッドナイス・ブレイヴァー)を!
世界中が夢中になってるのはアンタじゃなくて、私なんだから!

ところで15分経ったら何が起こるのかしら……
まさか急にライラが爆発したりしないわよね?



「ねぇ、ライラ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛??(疑問のライラ)」
「まさかとは思うけど、急に爆発とかしないわよね?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?(動揺のライラ)」

「さて……」
 ロリポップを咥えたシエル・アインストール(ばーちゃるあーてぃすとシエル・f03731)が向き直る。
 そこにいるのは、彼女と同じ系統の風貌の少女。
 そして、中身も案外と似通っていた。
「取り込み中なの、見て分かんない?邪魔しないでよね!」
「言うに事欠いてアタシが邪魔ですって?冗談じゃない!」
 怪人――アヤカは胸を張るようにして告げる。
「アタシ、今日はまだ全然構ってもらえてなくて満足してないの!世界一可愛いアタシが退屈してるのだから、構うのは当然でしょう!?」
「世界一、可愛い……?」
 その言葉に、シエルが訝しむ。
「アンタ、それ本気で言ってるワケ?」
「当然よ!」
 アヤカの返答を聞くと、笑みがシエルから零れる。

「なーに言ってんのよ、世界一可愛いのは、この私――超絶美少女電脳ばーちゃるあーてぃすとのシエルに決まってんでしょ!」
「あーーー!!言ったわね、コイツ!!」

「いいわ、美少女対決よ!!」
 シエルが言い放つ。
 それと同時に、複数のドローンが展開される。
 身構えるアヤカだったが、それが攻撃を仕掛けるためのものではないと気づくと、訝しみの視線だけを向ける。
「ねぇ、アンタ。アンタはさっき構ってもらいたいって言っていたけど、それはアンタに魅力がないだけじゃないの?」
「な、何をぅ!?」
 図星だった。
 たじろぐアヤカが反論する。
「そそそ、そういうあなたは魅力が、人気があるっていうの!?もしそうなら、証明してみせなさいよ!」
「…………そうね」
 にやり。
 その言葉を待っていたかのように、シエルが不敵な笑みを浮かべる。
 そんな一面も、シエルの人気のひとつだった。

「なら――見せてあげるわ、私の人気ってやつを!!」

 ドローンが一列に並び、ホログラムの放送画面を映し出す。
「な――」
 そこに流れるのはシエルとアヤカ、二人の様子と――大量のコメント。

『美少女対決ktkr!!』『シエルちゃん頑張れー!』
『負けるなー!』『色合いの統一感ではアヤカの方が上』

「おい待て今裏切者いたわよ」
 しかし圧倒的な人気には変わりない。
「ぐぬぬ……!!」
「さて……次はアンタの番よ!」
 指差し、告げられるアヤカ。
 しかし、彼女にシエルのような人気を証明する手立てはない。
 コメントもそれに気付き、疑念の声が上がり始める。
 だんだんと顔を真っ赤にし出すアヤカに、勝ち誇ったようなシエル。
「見たか!」
「ぐすん、何よもう!そんなに人気があるなら少しくらい分けてくれたっていいじゃない!」
 無茶苦茶言いながら、涙目になるアヤカ。
「あああ、もう!今日は厄日よ!朝起きたらテレビウムがホットな話題になってたり、アルパカオンリーイベント始まってたり!」
「アルパカオンリーイベントはマジでわけわっかんなかったわね……!」
 そこだけ同意する。
 そんな中、悲しみの咆哮の止まないアヤカに、ふとシエルが肩を叩く。
「いい?人気は地道にコツコツ集めるものなの。それが出来れば、アンタも明日からきっと人気者よ」
「し、シエル……」
 下積み時代の有無は定かではないが、その言葉に感銘を受けるアヤカ。
 瞳を潤ませながら……ふと、ホログラムに視線が戻った。

『ちょろ』『ちょっっっろ』
『泣き顔エッッッッッッッ』『江戸(えど) [1]は、UDCアースの旧称であり、1603年から1867年まで江戸幕府が置かれていた都市である。現在の都心部に位置し、その前身及び原型に当たる。』『江戸解説助かる』

「あ゛ーーーーーーーー!!!!!!」
 まんまとコメントのネタにされていることに気づき、恥ずかしそうに走り回る。
「ふっ、これで心の方は折れたかしら」
 少なくとも、心に余裕はなくなったことだろう。
 あとは物理的に手を下すだけ。
「そっちは他の猟兵に任せて、配信中継に専念しようかしら」

 ドローンを一台アヤカに付き添わせて、自分の役目を終えたシエルは引き続き叫び続けるライラに付き添うことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パーム・アンテルシオ
あの子は、目立ってる人が許せない子なんだね。
できるなら、普通に構ってあげたい気もするけど。相手はオブリビオンなわけだし。
それじゃあ…私が、もっと目立っちゃおうか。

ユーベルコード…月歌美人。
周りの騒ぎも、あの子の文句も…ライラの叫びも。今は、なんにも関係ない。
ここは、私の舞台。みんなが、私の歌を聴いてくれればいい。それだけ。
目立つのなら。雰囲気を塗り替えるのなら…そうだね。綺麗でしっとりとした曲がいいかな?

ここは私の世界。私の舞台。私が中心の場所。そうなれば…
あの子のターゲットだって、私に移るよね。きっと。
私の役目は囮。もちろん、みんなの強化もあるけど。
あとは…みんな、お願いね?

【アドリブ歓迎】


竹城・落葉
 【SPDで判定】
 何?そんなに構ってほしいのか。いいだろう、思う存分、構ってやろうではないか。ただし、構うのは我ではなく、ゴリラだがな。
 我は『森の賢者』を発動。詠唱と共に大量のゴリラを召喚し、敵を拘束して貰うぞ。そして、動けなくなったところを、名物竹城で殴打しよう。
 しかし、ライラ殿の画面が光り出したようだな。これには、彼も驚いているだろう。戦いがひと段落したら、彼に声をかけて、安心させるとしよう。
「大丈夫だ、安心するがよい」
 *アドリブ&共闘、歓迎です


在連寺・十未
ごめん。救助対象に言うことでは無いとは思うけれども、あれだ。少しうるさい。声をあらげないほうが可愛いよミス・ライラ。……それはそれとして


申し訳ないがキミに構ってやることはできない。静かにしていて貰えないか。そのけったいな得物ともどもさ。

ユーベルコード起動、戦闘中はお静かに、だ。大きな音もド派手な光も、あんまり良くない。僕の精神的に

敵の足止め、封じ込めを優先に補助に回る。止めは任せる。

※アドリブ、連携等大歓迎です。



「声をあらげないほうが可愛いよミス・ライラ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!(照れるライラ)」
「……うん、少しうるさいんだ」
「あ゛あ゛!(同意)」

 頭を悩ませる仕草をする在連寺・十未(アパレシオン・f01512)。そこへ、声をかける少女がいた。
「あー、あー。うん。お待たせ」
 喉の具合を確かめながら、パーム・アンテルシオ(写し世・f06758)が微笑みかける。
 十未はそれに瞳を閉じて頷く。
「済まないな。多分君には、一番負担がかかる」
「大丈夫」
 短く答える。それは重々承知していることだった。
「……なら、任せた。タイミングはそちらに合わせる」
「ありがと。ふふ、心配してくれたことにも、ね」
 パームはそう言って、人差し指を口元に立てて微笑んだ。

 旋律が響き渡る。
「♪~~~」
 ソプラノの軽い音。幼い少女の立てる高音。
 周囲にいる人間ならば、誰にだって耳に入ることだろう。ライラにも――アヤカにも。
「何よ、それ」
 しかしアヤカは、それに共感しない。
 敵だから。そして何より、その声が目立つから。
 苛立ちを向けられても尚、パームは歌うことを止めない。
「――っ!」
 きっと睨んで、急速接近する。大きな音や煙を立てて、自分のほうが目立つのだとアピールしながら。
 それでも旋律は書き消えることはなかった。
 そして――。
「…………ふふっ」
 一小節、歌い終えるとともに――パームは人差し指を立てた。

「――Chut」

 その時、全ての音が消える。
 と、同時に、大音量を立てていたアヤカが急停止する。
 まるで、その空間に固定されるように。
「――」
 身動きが取れず、驚愕の声もあげられない。
 それは十未の、音を楔に動きを封じる能力だった。
 次は十未が合図を送る。手のひらを倒すようにして――『行け』と。
 現れたのは、森の賢者を従えた竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)だった。
 パームの歌に共感した彼女たちは、能力が強化されていた。歌は止まっても、止まらない思いがある。
 能力が解除される、と同時にアヤカが森の賢者に拘束される。
「なっ――」
 ようやくあげることの出来た声は端的に。そして使役者の落葉を睨み付ける。
 だが、それで落葉が止まる筈もなく。
「――構ってほしいそうだな。……いいだろう、思う存分構ってやる」
 腰に提げた名物竹城をついに抜く。
 和装の彼女が提げていたのは、刀ではなくバール……のようなものであった。
「お仕置きと言う意味で、な」
「ちょ……」
 問答無用。
 鈍い音が電波塔下に響いた――。

 ……とまぁ、そんな感じで。
 大きなたんこぶを頭にこさえたアヤカは再びそのへんを走り回る。痛みに悶え打ちながら、呻きをまき散らす。
「うわぁ……」
 痛そうだな、とパームが思う。当然だろう、と十未は一瞥した。
 そして落葉はと言うと……。
「大丈夫だ、安心するがよい」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?(強迫下で余儀なくされた打ち解けた態度のライラ)」
 そう告げてライラへ微笑みかける。
 しかし頬についた返り血は逆に恐怖を掻き立てるもので、ライラの絶叫はより強くなる。
 頭を抱え直す十未に、ふとパームが疑問を投げかける。
「……そういえばさっき、ライラ、黙ってなかったみたいなんだけど、大丈夫だったのかな」
「……いっそ、ずっと動きを止めてたほうが良かったかもしれないな」

 そんな絶叫も、もうすぐ終わる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
どいつもこいつもユタカさん(f00985)もアルパカも鬱陶しい……

一人の少女ウムが水揚げされた魚と化した最中に来て「構ってくれる人が少ない」?
こっちは誰も褒めてくれないながらも小うるさいおっさんの面倒見ながら頑張ってきて、
それでも誰も褒めてくれないってのに急に現れて「構え」とか舐めてるんですか?
褒めろよ、構ってほしけりゃマジで心の底から丁重に

「妖剣解放」の高速移動で敵の攻撃を回避しながら、
直接的な斬撃や衝撃波でズバズバ鬱憤を晴らしにいきます
ユタカさんのダガーが当たっていた場合、適当に押し込んで【傷口をえぐる】

はー、ムカつくし猛烈に腹が減りました
この後美味い肉でも食わねば気が済まないって感じです


柊・雄鷹
ハレちゃん(f00145)、オブラートって知っとる?
もうちょっと優しさで包んでも罰は当たらんと思うで、ワイ!!
ってか少女ウムって何やねん、せめてライウムやろ!

あー…敵とは言え同情するわ、ご愁傷様やで
こちらにおわすは、天上天下唯我独尊・褒められたがりのハレルヤ様や
こんなんで良かったら、うん、好きなだけ構ってもらい
ワイは知らんからなー!!!

ハレちゃんの邪魔はせんようにダガーを【投擲】
ダガーは当たっても良し、外れても良し
良い場所に敵がやってきたら、『泪花』でそのまま攻撃や!

おっ、少しは機嫌が回復…してないんかいっ!
しゃーないなぁ、
あとで美味しい焼き鳥のコンコンスポット、連れて行ったるか



 穿たれたダガーの痛みで、アヤカが躓く。
「わっ……!?」
 倒れ掛かった先に人がいて、その人に抱き付くような形でもたれかかる。
 ……嗚呼、それが善良な市民であればどれだけ良かったことか。
 しかし、現実は優しくない。バーチャルキャラクターには耳の痛い話のようだが、優しくないのだ。
 なぜなら、そこにいたのは隠しきれない苛立ちを向ける――夏目・晴夜(不夜狼・f00145)だったからだ。

「鬱陶しい」
 低い声で言った。
「アルパカもユタカさんも、あなたも……全部鬱陶しいです」
 感情は呆れより怒りのほうが強かった。
 向けられたことのない感情に戸惑うアヤカに、覆いかぶさるような威圧がかかる。
 それは怒りの矛先がアヤカに向いたことを意味している。
「水揚げされた魚みたいになってる少女ウムを前に『構って』?うぬぼれるなよ」
「ぁ……」
「こっちだって小うるさいおっさんの面倒見ながら頑張ってるのに、誰も褒めてくれないのに、急に現れて騒がしくして、舐めてるんですか?」
 徐々に態度を小さくするアヤカ。
 それさえも苛立たしく見えたのか、刺さったダガーを抉るように動かす。
「――!!」
「だったら――褒めろよ、徹底的に。構ってほしけりゃほしいなりに、マジで心の底から丁重に」
 嬌声をあげる少女と、ドスの効いた声が重なる。

「そこまでにしとき、ハレちゃん」
 不穏を破ったのは、軽薄な声だった。
 それでいてどこか優しかった。
「……ユタカさん」
「オブラートって知っとる?もうちょっと優しさで包んでも罰は当たらんと思うで、ワイ!!」
 手を離したのを見て、背中をばしばし叩く雄鷹。
「ってか少女ウムって何やねん、せめてライウムやろ!」
「ちょ……やめてくださ、やめろ!」
 声を荒げる晴夜を見て、それでも雄鷹は笑った。
「…………はぁ」
 毒気を抜かれてしまって、肩を落とす。
 相方の機嫌が良くなった……わけではないが、落ち着いたのを確認してから、雄鷹は振り返る。
「敵とは言え同情するわ、ご愁傷様やで」
「……っ」
 ナイフを抜き取り、数歩下がるアヤカ。
「アタシはただ構ってほしい、ちやほやされたいだけなのに……どうして!」
「さっき言われとったやろ。その努力をしとらんって」
「…………!!」
 人に構ってもらう努力なんてしてこなかったことを、見抜かれていた。
 今まで容姿だけで構ってもらっていたことを、心のどこかで理解していた。だからこそ――その言葉は決定的だった。
「努力は報われるモンやで?だからみんな頑張るんや。そりゃあまぁ、ツラいことも多いやろうけどなぁ」
「こっち見て言わないでください」
 にひひ、と笑う雄鷹の姿があった。目を合わせまいとする晴夜の姿があった。
 つまり、そういうことだった。

「……そんなの!」
 認めない。認められるはずもない、今更。
「なら、そこまでやな」
 抜き取り、落とされたダガーを拾って雄鷹が言う。言いながら、ダガーがだんだんとほつれ、花びらのように散っていく。
「ほんなら――泪に裂かれて、ここで散れ」
 一瞬の薄い笑みとともに、無数の斬撃が放たれる。
 回避など出来る筈もなく、花びらの渦に飲まれるアヤカ。
 その隙間から、近づいてくる誰かが見える。
「こちらにおわすは天上天下唯我独尊・褒められたがりのハレルヤ様や!こんなんで良かったら、うん。……好きなだけ構ってもらい」
 ウチは知らんから。いつもの笑顔にそう付け足して。

 最期に見たのは、閃光。
 花びらの舞いに差し込まれた、閃きの一太刀が――怪人を両断した。

「猛烈にムカついて猛烈に腹が減りました」
 カウントが終わる前に全てが片付いて、近場のベンチに腰を下ろした晴夜が言った。
「少しは機嫌が回復…しとらんかぁ、しとらんよなぁ」
「美味い肉でも食わねば気が済まないって感じです」
 苦笑いを浮かべる雄鷹だったが、無意識に頬を膨らませた晴夜を見ると、自然と笑みがこぼれる。
「ほな、決まりやな!美味しい焼き鳥、連れてったるわ!」
 胸を張る雄鷹。いつもの調子の彼を見て、やれやれと頭を振る晴夜。

「もちろん、奢りでお願いしますね」
「おうよっ!」
 目を細めてにやりと笑うと、ちょうど二人の笑みが重なった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●(◔౪◔)

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う、繰り返す――」
「あ゛゛あ゛゛あ゛゛あ゛゛あ゛゛あ゛゛!?!?!?!?」

 終始うるさい、お騒がせテレビウムの叫びの中に――そんなシステムメッセージが流れたことに気づいたのは、何人いたことだろう。
 やがて画面の光は収まり、景色の映像は消える。
 そして鍵の映像が消えて――テレビウムの少女の顔は、かわいいかわいい顔文字へと戻ったのであった。

最終結果:成功

完成日:2019年04月30日


挿絵イラスト