テレビウム・ロック! ~扉よ開け。キミは世界を拓く者~
「ああもう、しつっこい!」
路地裏の奥から声が響く。悪態をつきながら肩で息をするのはテレビウムの女性の声。何かに追われていたようで辺りをきょろきょろ見渡し、誰もいないことを確認すると一息ついて座り込む。
「もう、私が何したっていうのよ」
それは今日目が覚めた時であった。いつものように目が覚め鏡を見た時、自分の顔に見知らぬ映像が浮かんでいたのであった。それはどう見ても鍵の様な物であり、不思議な事がある物だと特に何も思わず外に出かけてみれば他にも鍵の模様が浮かぶテレビウム達がおり、そのほぼすべてが突然現れた過去の亡霊――オブリビオンに追われていたのであった。
そして彼女、魂に刻まれし真名(ソウルネーム)兼ペンネーム、ティム・レターもまた例外なく突然現れたオブリビオンに追われ、ここまで逃げてきたのであった。
「……これってもしかして」
突如、ひらめきの様に何かが頭の中を走ったティム。彼女が辿り着いた真実とは。
「これはつまり、あれ!?私の世界を巡る力(ワールドリンカー)がついにその才能を現実にまで昇華されたとかそういう」
あ、これ真実じゃないや。まあ、そんなこたぁ置いといて。
「いたぞ、あいつだ!」
「嫌ァー!!しつこい!ヘンタイ!痴漢!人間の屑!ゴミムシ!アルパカ!お巡りさんコイツです!誰か助けてー!!!」
オブリビオン達に見つかり、再び始まる鬼ごっこ。
これは、いつものキマイラフューチャーの様でいて、ほんの少し真面目な物語。
「……えっと。……ワールドリンカー?ソウルネーム?」
日ヶ丘・美奈(リトルマスター・f15758)。気にしなくてもいい。ただの妄言だからあれ。
「……あ、えっと。オブリビオン出た……けど……鍵?」
小さなグリモア猟兵が語るのは、ある日突然鍵の様な映像が顔に浮かぶテレビウムが現れ、そのテレビウム達を襲うオブリビオンが現れたというのだ。
「その、予知は……なんだかわからない」
その鍵の様な物に対する大した予知はなく、少なくとも近くによって危険があるような物ではないという事ぐらい。そして例え鍵に対する予知がなくとも、少なくともオブリビオンに襲われる一般人はいる。ならば助けないという道理はないだろう。
「女の子の名前、……ソウルネーム?の、ティム。」
少女の名前はティム・レター。本名ではなく、いわいる二つ名というか魂に刻まれたソウルネームだとか、ぶっちゃけるとペンネームだとかそういう物を名乗る、ちょっと妄想豊かな12歳のテレビウム。勿論、ただの一般人であり、オブリビオンに対する力など全くない。このまま、生死を賭けた鬼ごっこが続けば待っているのは残酷な結末だけだ。そうなる前に――
「……鍵の事はともかく……まずは助けてあげて?……お願い」
風狼フー太
どんなー時だってーずっと二人でー……。
おっと、初めましての方は初めまして。お会いしたことある方はまたお会いしましたね風狼フー太と申します。
テレビウムの頭に突然現れた鍵の映像、そしてその真実とは――その目で確かみてみろ!
さて、真面目な解説。今回は全章が戦闘という構成となっております。ですので、調査という概念はいったん頭の外においてイヤー!グワー!していただければ問題ありません。
また、章が変わるごとに状況を追加OPで説明させていただきますのでそれを踏まえてプレイングを出していただけると幸いです。なお、今回は時間制限があるので章が進むだけの成功が溜まればおそらく他のプレイングは流すことになると思います。個人的に書きやすいと思ったプレイングや、なんだかんだで早く頂いたプレイングが採用されやすい傾向にあると思いますのでご了承ください。
鍵の映像が現れたティム・レターについてですが、言動が少々想像に豊かでちょっと今後が楽しみですが、本当に一般人で戦闘力はないです。しっかりと守ってあげてください。
では、少女と共に世界を拓く旅に……出るかどうかはわかりませんというか多分出ないと思いますが、ご参加の程お待ちしております。
第1章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
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POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そりゃあまあ、世の中不思議な事もあるかもしれないとティムは思っていた。
顔に鍵の映像がずっと流れるのは不思議だが、ない事はないだろうと。それになんだか、物語の登場人物みたいでロマンチックじゃないかと。
アレに、追われるまでは、そう思っていた――
「ぬぅん!我が肉体美を称えるポージング&ラン!」
「やだぁー!助けて!せめて普通の奴に追われたい!あんな奴に追われて死んじゃうなんて嫌ァーー!」
「ぬぅ!逃げてはならん少女よ!さぁ、私の胸で思いっきり抱きしめてあげよう!そうすれば君は泣き止む!」
「いーーやーー!!」
こう、溢れ出る肉体美を強調するポージングを行い追いかけてくるアルパカから逃げるティム。いや、うん、そりゃ嫌だよな。わかる。自分の人生が汗臭い胸の中で終わるかもしれないって嫌だもんな。
さあ、猟兵達よ。筋肉ムキムキマッチョマンの変態アルパカをやっつけるんだ。
後、今回はまだいいけど次からは章ごとのOP待ってね!ほんとお願いね!!
フィロメーラ・アステール
「一体どうしてこんな事になったんだろうな?」
何か大きな事件のニオイがする!
とにかくテレビウムを助けるか!
【残像】のスピードで先回りして罠を仕掛けるぞ!
【外つ星々の法則】を発動だ!
【迷彩】魔法の【物を隠す】効果で見えにくくした粒子を【念動力】で送り出して、敵の進路に配置!
つっこんだ敵に様々な妨害効果を付与する!
赤の粒子は重力を増加して動きを鈍らせる!
緑の粒子は空間を塞いで通れなくする!
青の粒子は時間をスローにする!
一つ食らうだけでも、だいぶ速度は落ちるはず!
複数重なれば脱落は必至だぜ!
もしうまく行かなくて、ティムがピンチになるなら【オーラ防御】のバリアを飛ばして防御するぞ!
メーティオル・スター
※アドリブ歓迎だよ
すごいや、ポージングしながら走ってる…器用なアルパカもいたもんだ。
とりあえず、あの怪人をやっつけるには…って全部ポージングじゃん!
このこだわりは何処からくるのさ!?
まずいって、意味不明すぎて付け入る隙が全然見当たらない!
どーすんだこれ。
と、とにかく。不利な行動をとらせなければ、強化もされないんだよね?
アルパカが不利な行動をしようとしたら、とりあえず邪魔してみるか…?
危険に突っ込もうとしたら先に危険を排除するとかさ。
オレ、別にアルパカの護衛に来たわけじゃないんだけどさ。
とにかく、心を強く持って。
しびれを切らしてポージングを解除する瞬間を狙って、鉛玉を撃ち込もう…。
黒曜・鵺
テレビウムの知人もいますから、この事態は他人事ではありませんね。
まずはあのムキムキマッチョなアルパカさん達を追い払ってしまいましょう。
小細工は無用でしょうが、あの筋肉はちょっとやそっとじゃ崩せませんかね。
まずは「念動力」でその辺の無機物を動かし、テレビウムとアルパカの間に簡素なバリケードを作成。アルパカの足止めとテレビウムさんの退避援護を図ります。
その後は「暗殺」で培ったこの目て、筋肉の隙間といいますか、弱い部分を見定め……【黒の号砲】で撃ち抜いてあげましょう。
過度の糖分と水…あの筋肉にどんな影響が出るでしょうね?
しかし鍵、ですか……何かの封印を解くためのものなのでしょうかね?
トリテレイア・ゼロナイン
機械馬に●騎乗しアルパカ連中からテレビウムの少女を●かばうように立ち塞がりましょう
さあ、早くお逃げなさい!
そして、アルパカ達よ。幼気な少女を追い回す等言語道断。騎士としてここであなた方を成敗します!
(ティムが筋肉VSメカの巨大白馬と騎士にドン引きするか、騎士に助けられるお姫様ムーブになるかはお任せ)
なにやら筋肉に自信が御有りの様子。なら私のこの鋼(文字通り)の身体には負けられないのでは?
さあ、全力で掛かってきなさい
等と馬から降りて挑発し、殴りかからせます
その際にこっそりUCを発動
殴りかかった反動で痛みに悶絶するアルパカ達を●怪力での●シールドバッシュで頭から沈めていきます
ちょっと姑息ですね……
「ふんぅ!もう逃げ場はないぞお嬢ちゃん!」
なんという事だろう。ほんの少し妄想豊かなテレビウムであったティムは筋肉モリモリマッチョマンでポージングを行う変態アルパカに袋小路に追い詰められてしまったのだ。お巡りさん事案です。
「う、うう!」
もう走れない。そもそも行き止まりである。壁を上る?そんなことキマイラでもなければ、そもそもキマイラだってできるのかどうかもわからない。
何故こんなことになったのか。そんな事誰にもわからない。ただ、ほんの少し非日常的な事でも起こればいいと、確かに頭の片隅には思っていたかもしれない。だからと言って、ここまでの事は望んでいなかった。っというより方向性的な事を言えばチェンジである。
「さあ、観念して――」
「そこまでです、不埒者共」
それは突然の事であった。
ヒヒン!という馬の嘶きが、彼らの頭上から聞こえたかと思えばズドン!という大きな音が辺りに響き渡る。
「な、何事だ!」
辺りが土煙に巻かれ、何が起こったのかわからず目を凝らすアルパカ達。やがて徐々に土煙晴れてきた彼らの前に見えてきた物。
それは、あまりに巨大な鉄の塊であった。いや、よく見ればそれは鉄の機械で出来た馬に乗った騎士であったのだ。
「幼気な少女を追い回す等言語道断。騎士としてここであなた方を成敗します!」
その名をトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。その巨大な馬が一歩前に足を上げてコンクリートがひび割れた地面から前に出せばぐちゃりという音が……うん?
「あ……」
……確かに少女を踏みつけない様には降りたのだ。そこまでは問題なかった。問題があるとすればそう、それ以外を踏みつける事に関しては特に考えていなかったというだけで。
「……しまった。騎士道にあるまじき行いでした。不意打ちなどと」
「あ、アルパカA--!」
「貴様、よくも同士を!」
あまりに騎士道に反した行いであったと反省の念を滲ませるゼロナイン。だが、起こってしまった事は仕方がないし多少の問題は発生したが、まあそもそもオブリビオンなのだ。いつか倒さなければならない相手が一人減ったのだ。っということで済ませることにした。そもそも、それよりも重大な事がまだこの場所には残っている。
「は、白馬の、騎士様ぁ!?」
相変わらず鍵の顔のままで、いまいち表情が読めないのだがどうやら感動している様子のティムを逃がさなければならない。
「さあ、そこの貴方!早くお逃げなさい!」
彼女の方に振り向き、この場から離れるように促すゼロナイン。だが、その声に我に返ったのであろう。アルパカの一人がティムを羽交い絞めにしようと迫り。
「おおっと、そうはさせないぜ!」
バァン!という音と共にアルパカの動きが止まる。アルパカとティムの間にいつの間にか見えない壁のようなものができていたのだ。その壁に衝突したアルパカの前にさらに一人の影が上から舞い降りる。
「何か大きな事件のニオイがしたんでやってきたぜ!」
しかしなんで一体どうしてこんな事になったんだろうな?と、首を傾げるいるのはフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。彼女のオーラを操る力でティムとアルパカの間に壁を作り彼女を守ったのだ。
「え、え。何?妖精さん!?」
「よーし、この子を逃がすのは任せろ!」
「ありがとうございます。では、足止めはお任せください」
ティムとその場を離れようとするフィロメーラ。勿論、逃がす気はないとアルパカのポージングを取りながらうなる拳がフィロメーラに襲い掛かる。
「甘いぜ!」
だが、拳が彼女の体をすり抜ける。いや、超スピードから生まれた残像を攻撃したのだ。その小さな体でアルパカ達を惑わす間に、ティムは袋小路を脱出し彼女と共にフィロメーラも窮地を抜け出していた。
追いかけようとするアルパカ達。だが二人を庇うようにゼロナインが前に出る。
「貴方達の相手はこの私です」
「ぬぅ!そこをどけエセ騎士!」
「馬に乗って卑怯だと思わないのか!」
「むっ。わかりました。では」
先ほど事を考えれば、確かに己の騎士道に恥ずべきことをしたと思う所があったゼロナイン。ならば相手と対等の戦いであれば何も恥ずべきことはないはずだと自ら馬を降り、剣を捨てる。
「私は絶対の防御に自信があり、あなた方は絶対の筋肉に自信がある。ならば素手での戦いとあれば何も卑怯と言われる筋合いはないはず!」
「ヌぅ、なかなか潔い奴!ならば、受けるがいい!」
その言葉にポージングを行い、筋肉を見せつけるアルパカ。それに対しゼロナインは盾を構え、一歩も引かないという構えを見せる。そして最大の攻撃力をもってアルパカの拳がゼロナインに突き刺さり――
「ぐぉぉぉ!?」
アルパカの拳が血に染まる。ゼロナインの鎧がアルパカの拳を防ぎ切ったのだ。そして、痛みに怯んだアルパカにゼロナインの盾の一撃が襲い掛かる。最大の力を出し切っていたアルパカに、その一撃を避ける余裕はなく、頭から受けたアルパカはその後、二度と起き上がることはなく。
「貴方達の筋肉とはその程度ですか」
「兄者!?おのれ、次は俺が!」
自身の信じる筋肉が敗れるなどアルパカ達に在ってはならぬ事。自らの筋肉の存在を証明するため次々とゼロナインに挑んでいく。だがその度にゼロナインの鎧の前に敗れていく。気が付けば、その場にいたアルパカの全てがゼロナインの下に倒れ伏していた。
「……ちょっと、姑息でしたかね」
その圧倒的な防御力の正体はゼロナインのユーベルコード。移動力と引き換えに自信に圧倒的な防御力をもたらすそれを、馬から降りる際に使用していたのだ。自らの行いを宣言しない事は騎士道としてどうなのか。その問いに答えを出すよりもまずはやるべきことがある。再び機械の馬に乗りなおしたゼロナインは二人を追いかけるべく、手綱に力を込めるのであった
「ぬぅ、どこに行ったあのテレビウム!」
やはりポージングを行いながら町中を走るアルパカマッスル。追い詰めたテレビウムを猟兵達に逃がされたという報告を聞いた別動隊の彼らはポージングを取りながらキマイラフューチャーにある都市の中を鍛え抜かれた足で走り、探し回っていた。
「ふぅんぬ!こういう時は、人に尋ねるのが良いと聞いた事がある!」
「なるほど!そこの少年!」
「えっ、おれ!?」
その場にいたのが不運であった。偶々アルパカ達の通り道にいた一人の少年に対してポージングを見せつけながら少なくとも今の所は穏便に道を尋ねようとするアルパカ達
「ここを、金色の妖精と顔に鍵の映像になっていたテレビウムが通らなかったか!?」
「あ、ああ、その二人ならあっちに……」
「なんと!感謝するぞ少年!そして君も体を鍛えマッスルになるのだ!!」
余計なお世話だ。という声はアルパカ達には聞こえなかったのだろう。一体何をどうしたらポージングを保ったままあのスピードを出せるのかと聞きたくなる程の速さで少年の指指す方へと向かっていったアルパカ達。それを見送った少年、メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は。
「これでいいんだよねー……多分」
そう、アルパカ達は自身に不利な状態になればなるほど力を増すポージングを行い戦闘力を上げる。故に、メーティオルはアルパカが有利になるように立ち回っていた。
道に迷えば再び姿を現し道を教えたかと思えば、さらに道に迷いどうしたものかと悩んでいる所に銃音によって彼らを誘導し、行き止まりに詰まったかと思えば彼らは筋肉によって壁を上り窮地を脱し、フィロメーラ達を追い続けられるようにしたのだ。
「って、待って。筋肉で勝手に登んないでよ!」
一部、誘導ルートから外れたとはいえ、目標の地点までのメーティオルの誘導にまんまとアルパカ達は嵌っていたのであった。
「あ、あわわ、これあのその。あれですよねイェーガーとかそういう!」
「ふふ、バレちまったんならしょうがないなー。おっと、私にほれちゃぁいけないぜ!」
「お、うおおー!来ましたねついに私の世界(パーフェクトワールド)!あ、握手していいですか?あ、名前と連絡先と住所と写真撮ってもいいですか!?」
「いいとも……いやいやいや!?住所とかダメでしょ!」
「はっ、済みませんつい勢い余って!」
街の路地裏の一つ。フィロメーラがティムの体を癒し再び走り回れるだけの力を取り戻したティムは、今巷で大人気のイェーガーを前にしているという事実にかなり興奮していた。そんな彼女をフィロメーラはある場所へと連れて行こうとしていた。そこへ
「見つけたぞ二人ともぉ!ふぅん!!」
メーティオルの案内もあって特に苦労することもなく二人を見つけることができたアルパカーズ。なんかもうずっとポージング取ってるしポージングの事は書かなくていいかな。面倒になってきた。
さて、勿論。誘導されてここまで来たのだ。何も考え為しに逃げてきたわけではない。
「こちらです二人共!」
その先に待っていたのは何かミステリー物でものすごく出番があるような気がする黒曜・鵺(影渡り・f10896)。既に彼の念動力によって周囲の物を寄せ集めただけのものではあるが簡易のバリケードが造られていた。そのバリケードを飛び越える二人。
「よーし、ここであいつらを迎え撃つぞ!」
「むふぅ!そんな簡単なバリケード、我らの筋肉の前では無意味……?」
煌びやかな筋肉の前に、確かにかのバリケードなど無意味かもしれない。ただ2、3発の拳によって吹き飛ぶかもしれない。だが、その壁の前にはフィロメーラの作るもう一つの壁があった。
外つ星々の法則。重力を操る赤の粒子、空間を操る緑の粒子、時間を操る青の粒子をもって敵の動きを制限するユーベルコード。赤き粒子に触れた敵の重力は増加し、緑の粒子は周囲の空間を封鎖したという事実を作り出し、青の粒子に触れた敵の時を奪う。
「ぬぅ、体が重い!?」
「何故だ、何故通れん!」
「(ポージングをしたまま動かない)」
二種類の壁に阻まれ、思うように動くことができないアルパカ達。それを好機と鵺は特別性の弾丸を取り出した。それは、そう水属性で、プルプルしていて、とっても甘くて、冬に食べる……違う、夏に食べるようなそういう……いわいる水羊羹。
「その筋肉の体。果たしてこの過度の糖分と水を与えればどんな影響が出るでしょうね」
ブラックタール種の特性を活かし、潜入や斥候、果ては暗殺までも行っていた鵺にとって、アルパカの筋肉の鎧など飴細工と同義。放たれた100近くの水羊羹は全てアルパカの口に向けられ発射されて
「むぐっ!?むごぉ!!?」
念動力によって無理やり口を開けさせられたアルパカに突っ込まれる水羊羹の数々。今までプロテインがお友達だったアルパカ達に突然もたらされてしまった糖質は、急速に消化、吸収されてしまう。
結果、彼らの体は――
「ぶ、ぶふぅ……」
なんという事でしょう。あれだけムキムキに鍛え上げられた体はアスリートで昔はかっこよかったお父さんがストレスと過食とビールに目覚めてしまったような、糖質百パーセントのぶよぶよな体に。
「そ、そんな……これじゃただのアルパカではないか!」
「いや、君達みたいなアルパカなんていないから」
あまりの絶望に顔を伏していたアルパカ。ふと声を聴けばそれはあの時の道案内をしてくれた少年だったではないか。
「ば、バカなあの時のマッスルの可能性を秘めた少年!」
「その可能性はいらなかったよ!」
「ここにいるということはお前も猟兵なのか!俺たちを裏切ったのか!?」
いや、信じてもらおうなんて思った事ないのだけど……と言いかけ、なんだかこれ以上、見るのも忍びないと伝説の宇宙海賊愛用の銃のレプリカであるパイレーツマグナムのリボルバーに銃弾を込めるメーティオル。最早ポージングを行えないアルパカ達にその銃弾を防ぐ術はなく。
「じゃあその……なんかごめんね」
「おのれぇ!猟兵達!!いつか知るがいい!この世界の筋肉という真理がどれほど素晴らしい物だったかを!知略に呪いあ」
「やっぱうるさい!」
人数分のドォン!という重い銃声がキマイラフューチャーに響き渡る。少々絵面はあれだったが、見事猟兵達は鍵を移す少女を守り通すことができたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『戦闘員・ナグルド』
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POW : 強靭で無敵だド!
全身を【頑丈なサンドバッグ 】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : バチバチするド!
【触れると爆発する砂 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 飛び道具卑怯だド!
【ボクシンググローブ 】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
イラスト:井渡
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ありがとうございます猟兵の皆さん!」
鍵を移すテレビウム、ティムは命の恩人である猟兵達に頭を下げて感謝を伝える。気にしなくてもいいという言葉もなかなか彼女の頭を上げるには至らず……だが、問題も残っている。
彼女の顔に移る鍵の映像は依然治らないまま。どうしたものかと悩む一向の内の人がふと、ティムの顔を見れば
「あ、あれ、何か変わった!?」
ティム自身も顔の映る映像が変わった事に気が付いたようだ。鍵の絵であった映像に新たな映像が追加されていたのだ。それは地図の様で、ある一点が点滅している。もしかすればとキマイラフューチャーの地図を広げてみれば、映像の一部と地図の地形が一致し、点滅する場所の特定ができた。
おそらく、そこに何かがあるのだろう。そこに向かおうとする一向――しかし。
「見つけたド!テレビウムだド!」
新たな怪人達が、往く手をふさぐのであった!
トリテレイア・ゼロナイン
さて、引き続きティム様をお守りしつつ、映像に示された場所に向かうとしましょう
アルパカマッスルの次はサンドバッグ怪人ですか……
肉体トレーニングという意味ではテーマが共通していますね
ティム様は興味なさそうですが
彼女を●かばうため前に出てサンドバッグ怪人達を押し留めます
念の為、機械馬は自動●操縦でティム様の護衛に。馬上で見物してもらうのも良いでしょうね
近接攻撃を●盾受け●武器受けで捌きつつ、●カウンターの●シールドバッシュをお見舞いして吹き飛ばします
UCを発動されたら掴んで●怪力で振り回し目?を回させます
堪らず解除したら上空に投げ飛ばし、●スナイパー技能もつかったUCで空に砂の華を咲かせましょう
アルパカ怪人を退け、ティムの顔に新たに表示された地図が指し示す場所へ向かおうとする猟兵達を止めるサンドバッグ型の怪人。かのアルパカ怪人とのつながりといえば筋肉トレーニングというつながりだろうか。
「さあ、お嬢ちゃん。私たちと一緒に来てもらうド!」
「今度はサンドバッグ……まあ筋肉だるまのアルパカにさらわれるよりはマシだけど、どーしてもっとロマンチックな感じじゃないの!もっとドラゴンとか!」
何故、攫われることが前提になっているのかそれはわからないが、勿論彼女をここで攫わせるわけにはいかない。素直についてくる事はないと理解したのだろう。怪人達は数に物を言わせてティムを奪い取ろうと襲い掛かる。
「アルパカマッスルの次はサンドバッグ怪人ですか」
その軍勢とも呼べる数に一人、前に立つトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。
「ロシナンテ。ティム様を背に載せて護衛しなさい」
「え!?騎士様のお馬様に!?……ついに来たのでは?やっと私のイベント(ロマンス)が!」
少々シチュエーションができ始め妄想が始まったティムを機械で出来た愛馬に護衛を頼むと、ロシナンテⅡを降りた彼は構えた盾を前に置き、突撃してくるサンドバッグ達と同じように突撃を敢行する。
この大軍を前に、一人で前に出るなど袋叩きにしてくれと懇願するような物。だが、ゼロナインの守りの技の前に怪人達の攻撃は空を切り、捌かれ、返す盾の一撃にとって次々と沈められていく。
「くそぉ、こうなったらド!」
その言葉と共に全身を硬質化させ、強靭な体を得るサンドバッグ。ゼロナインと同じく移動力を犠牲に防御力を上げるユーベルコードの様だ。
「オラが時間を稼ぐド!今のうちに体制を」
「なるほど……では失礼して」
ガッシリと。動けないわけで、ゼロナインが何をしようと避けることができないサンドバッグ。足……足?下の方を両腕で抱えたゼロナインはその場でぐるぐると回り出す。
「ドドドドドォォォ!?」
いわいる、ジャイアントスイングという形になったサンドバッグ。体の強靭さでこの攻撃を防げる事はなく、そのまま投げ飛ばされてしまう。
「……さてと、騎士道を鑑みれば言語道断なのですが」
目を回してUCを解除したサンドバッグに、ゼロナインの追撃が迫る。ウォーマシンとして製造された彼に内蔵された兵器は、ともすれば騎士道に反することなのかもしれない。
だが、悪を討ち正義を守るのもまた騎士の使命である。その為なら
「では、さようならです」
狙撃手としての経験と技も生かし、狙いをつけた弾丸は見事に命中。空中で身動きが取れないサンドバッグは憐れ、砂の華となって地上に降り注いだのであった。
成功
🔵🔵🔴
黒曜・鵺
ふうむ、鍵が指し示す方向に何かがある、ということは分かったのですが、何かがあるかは行ってみないと分からない、と。
そのためにはティムさんを守りきらないといけませんねー。
さて、サンドバッグ怪人ですか。鍛錬相手にはよさそうですが……今は邪魔なだけですね。
まずは「念動力」で彼らの周りに簡素なバリケードをその辺のもので作って……ああ、足止めではなく。
彼らの撒く「砂」が拡散しないようにするためのものです。
で、「念動力」でバリケードが飛び散らないように固定しながら【クイックドロウ】で熱線を打ち込んだらどうなるでしょうね?
粗大ゴミは小さくしてからまとめて処分する。
分別はいらないでしょうか?
「ふぅむ、鍵の指し示す方向に何かがあると」
道をふさいでいたサンドバッグ怪人を切り抜け、黒曜・鵺(影渡り・f10896)はそれまでティムさんをしっかり守らなければならないと意気込みを見せるを見せる。
だが、いまだにサンドバッグ怪人の数は多い。
「絶対に通さないド!おとなしくそのテレビウムを渡すド!」
再びティムの渡す渡すように迫りながら怪人達が所狭しと並び猟兵達の往く手を塞ぐ。鍛錬相手にはよさそうだが、今はティムをつれて謎を解かねばならない。あまり構っている時間はない。だが――
「さあ、パチパチするド!」
突如、サンドバッグ怪人の周りから響く何かが弾けるような音。道を塞ぐ彼らは、自身の体の中から触ると弾ける砂を路上にばらまいたのだ。一つ一つの攻撃力自体は少ないかもしれないが、往く手を塞ぐという意味ではこれ以上に的確な攻撃はないだろう。
「……ふーむ、ではこうしてみましょうか」
ふわりと。周りにあるゴミ箱やカラーコーン、原形をとどめていないパイプのような物等、路上に設置された或いは放棄されていた物が鵺の念動力によって浮かび上がる。
それらによってふたたび作られるバリケード。しかし今回は、敵の動きを封じる為ではなく。
「な、なんだド!?」
怪人達を取り囲むように設置されたバリケード。鵺の念動力で固定されたバリケードは簡単には動かせないほどの強度となっていた。
「さて、こういうのはどうでしょうね?」
その固定されたバリケードの隙間を縫うように、鵺のブラスターの熱線が怪人達を貫いてゆく。
そして突如、バリケードの中から響き渡った轟音。自身の中身の砂を弾ける砂に変換していた彼らをブラスターという熱線が貫いたのだ。いわば、爆弾の山に火を入れるような物。
「ドーーー!?」
怪人達の悲鳴と、爆発を免れた弾ける砂が四方八方へと吹き飛ぶ。とっさに鵺は、猟兵達やティムに砂が飛ばないように作ったバリケードを変形。爆風が収まり、バリケードを崩せばそこには最早サンドバッグ達の姿はどこにもなく。
「いやぁ、ここまでうまく行くとは」
思いがけない幸運もまた実力の内ともいう。また怪人達に捕まる前に、猟兵達は先へと急ぐのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フィロメーラ・アステール
「コイツらを突破しないと進めないか?」
すり抜けてもいいかもしれないけど……!
後から追いかけてきたら厄介だしな! どうする?
とりあえず【スーパー流れ星キック】を使うぞー!
……今回は【スライディング】でのキック!
【破魔】【属性攻撃】の輝くオーラを纏い、地を滑る!
普通ボクシングには足元への攻撃がない……!
(ボクシング的には反則!)
つまり下段への防御、攻撃は苦手なはず!
仮に反撃をくらっても飛び道具じゃないので平気かな?
この技で相手を転ばせたり、【吹き飛ばし】たりしよう!
後は【踏みつけ】で追撃するか、ほっといて逃げるか!
仲間の動きに合わせて行動するぜ!
「お前らずるいド!こっちは飛び道具なんて持ってないのに!」
三度前を塞ぐ怪人達。彼らはそう言うが、戦いとは非情な物だ。飛び道具を持っていない彼らが悪いといえばそうなのである。
「だから、お前らが次に飛び道具を使ったら痛い目に合わせてやるド!」
その言葉と同時に4つのボクシンググローブが、サンドバックの周りでシャドーボクシングを始める。おそらく、飛び道具を使うとそれに反応して何かしらの攻撃が飛んでくるのだろう。だが、だからと言って何も考えずにまっすぐに攻撃するなど飛んで火にいる夏の虫という奴だ。どちらにしても何かしらの対策がなければこの先を進むのは困難。
「コイツらを突破しないと進めないか?」
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は考える。彼らをすり抜けて無視することはできるかもしれない。だが後から追いかけてきたら最悪、挟み撃ちの様な事にもなりティムを守り切れる自信はない。
(どうする?)
かといって真正面から突っ込むのもまた自殺行為。飛び道具が来れば何かしらの反撃が待っている。
様々に考えを張り巡らせた結果。フィロメーラが取った行動とは――
「スーパー!流れ星!!キーーーック!!!」
妖精の体躯を生かし、一瞬のうちに超加速したフィロメーラ。そこから繰り出される蹴りは地面を滑り、サンドバッグ怪人達の足元を襲ったのだ。
ボクシング等、殴る競技において足を殴るという行為は反則になる。あの怪人もボクシンググローブをもって殴りかかるのであれば、足元は弱いのではないか?
「い、いたぁー!!いたいド!」
どうやら十分に通用する様である。倒れた怪人はフィロメーラが踏みつけて止めを刺したり、他の猟兵達の援護で片が付く。また、彼女の蹴り自身も、威力がないというわけではない。ここまで動揺が広がれば、普段通りにスーパー流れ星キックを行えば決着がつく。
「よーし、じゃあもう一回気持ちよく行ってみるか!」
残り少ない怪人に宇宙速度に達するほどの超加速という本来のスピードに乗せて、光り輝くは必殺のキックのユーベルコード。
「いくぜーもう一発!!スーパー!流れ星!!キーーーック!!!」
悲鳴もなく、輝く蹴りが多数の怪人達を吹き飛ばす。最早後続はいないようでようやく、怪人達の追跡を抜けたようだ。
そして。この先に、いったい何が待ち構えているのだろうか。警戒しながらも猟兵達は目的地に急ぐのであった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『なぞなぞハカセ』
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POW : なぞなぞハカセの初製作マシーン
【なぞなぞがわからなくてモヤモヤ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【全自動罰ゲームマシーン「おしおきくん」】から、高命中力の【しっぺとかデコピンとかそんな感じのやつ】を飛ばす。
SPD : なぞなぞハカセのお気に入りマシーン
戦闘力のない【全自動なぞなぞ考案マシーン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【ワシの考えた最強のなぞなぞ(自称)】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ : なぞなぞハカセの試作マシーン
自身に【スーパーウルトラハイパーなぞなぞジェット】をまとい、高速移動と【究極かつ至高のなぞなぞ(個人の感想です)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:荒雲ニンザ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「コトト・スターチス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サンドバッグ怪人達を退け、ついに地図のあった目的の場所までやってきた猟兵達とティム。だが、特にそこに何があるかといえばそんなことはなく。
路地を抜けた先にあった、単なる開けた広場。それだけでしかない。
「むぅー?……場所間違えた?」
ティムがそう首を傾げた時であった。
突如、ティムの体が輝きを増していったのだ。
「わ、わわ?何?……はっついに来たのね私の覚醒(レボリューション)!」
果たして本当にそうかはわからないが、光の柱とかしたティムの頭には15:00と大きく映し出され、それが1秒ごとに減り進んでいく。
「後その、なんで動けないのかな私!!」
どうやら自分の意思動くこともできないようだ。猟兵達の一人が試しに押してみたが固定されているかのようにびくともしない。つまり、ここで15分待たなくてはならないという事。
「フォッフォッフォ!」
突如後ろから響いた声。それは間違いなくオブリビオンの物!
「あの二人の筋肉に最適なプロテインの配合の謎を解き明かし、そのついでについてきてみればこんなものが見られるとは!」
ブルータス、お前もか。
「見かけてしまったからにはしょうがないの。このなぞなぞハカセが、光の謎を有効になぞなぞにつかってあげよう!」
少なくともここまで厳重な何かだ。そんななぞなぞに使われるくらいの物ではないし、オブリビオンに光の謎の正体を見られるのもまずいだろう。ティムを守りつつ、なぞなぞハカセを撃破しなくては!
トリテレイア・ゼロナイン
ティム様、今しばらくの辛抱を
この博士を倒し、貴女をお守りしてみせましょう
なに? 水で薄めたビールの値段はいくら?【A 4円(よえん)】
ティム様、分かります…がっ!?(デコピン直撃)
(二重の意味で)頭が固いので苦手ですね、なぞなぞは
ならば! こっそりネットワークに●ハッキングし●世界知識を得るカンニング作戦です!
重なり合った二人の行く先?
答えは天(「二人」を重ねる)です!
モヤモヤの感情があるから罰ゲーム発動?その動きはもう●見切りました
●怪力でおしおきくんを捕まえUCを使い、鈍器としてなぞなぞハカセに叩きつけます
色々と騎士としてアレですがティム様をお守りするためです。格好には構ってられません
フィロメーラ・アステール
「その前に挑むべき謎があるぜ!」
この敵は謎を解く事にも興味があるようだな!
そいつを利用しよう!
ティムに対して【生まれいずる光へ】を使う!
【全力魔法】の光で、今こそ覚醒だ!
その溢れ出る妄言を解き放てー!
勢いで【鼓舞】して妄想戦闘力アップ!
ティムの口から紡がれる異次元の言葉で、敵の頭脳を刺激!
謎を出す事より、謎をあばく事に集中させる!
やがて思考を極める者なら気付くだろう……!
この妄想は、ティムにのみ作り出せる世界で!
再現や分析では辿り着けない、未知の領域だ!
彼女が語る事でしか生まれない無限の謎!
途中で止めてしまうなんて愚行が、許されるはずがない!
……と【気合い】でゴリ押しして困惑させ、隙を作るぞ!
ウィーリィ・チゥシャン
間に合ったようだな。加勢するぜ!
彼女自身、自分に何が起こってるのかわからないで不安なんだと思う。
それを面白がってなぞなぞのネタに使わせたくない。
つか、何より。
「そもそもお前自身が答えがわかってないものをなぞなぞに使うな!」
大包丁を手に『料理の鉄刃』で斬りかかる。
奴のなぞなぞには耳を貸さず、そのまま『カウンター』で『料理の鉄刃』の『二回攻撃』を叩き込む。
「答えは『そんなの知るか』だ!」
そびえ立つビル街の中にぽっかりと浮かぶように広がっていた広場には、一つの光の柱。そしてそれを守るように猟兵達が展開していた。
その前に立つのはオブリビオン、なぞなぞハカセ。なんでも知ってる……わけではないが謎を使い、猟兵達と戦うトリッキーな戦術を得意としていた。
「では、受けてもらおうか。我が必殺のなぞなぞを!」
その言葉と共になぞなぞハカセの後ろから現れた全自動罰ゲームマシーンの「おしおきくん」。謎が解けないという感情に反応して攻撃してくるという、とても無駄に高性能な機械を前に。
「ティム様、今しばらくの辛抱を」
行いは騎士のそれとは言い難いかもしれなかった。だが、ティムの騎士としてその務めを果たしてきたトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。再び指名を晴らそうと最後に立ちはだかった関門は、今まで超えてきた壁のさらに上をいく物。
「ではなぞなぞじゃ。水で薄めたビールの値段はいくらじゃとおもう?」
「……ティム様、解りますk……がっ!?」
そう、それは彼の重装甲が意味をなさない。謎という武器。
「騎士様!4円ですよー!酔えないで4円!」
「正解じゃ!答えられてしまったからには次のなぞなぞじゃ!」
彼自身、頭が固いという自覚はあった。無論、物理的な意味合いもあるが、この手のリドルという物は苦手の部類。このままでは彼の博士の思惑通りになってしまう。
「では、次のなぞなぞじゃ!仲間に入れようとしても断る鳥はどんな鳥じゃ?」
「鶏ですね。ケッコーと鳴きますから」
先ほどとは明らかな速さで答えられたゼロナイン。
「ふぅーむ……簡単すぎたか?では次じゃ!重なり合った二人の男女の行く場所はどこじゃ?」
「天です!「二人」を重ねれば天の文字になります!」
あまりの速さ。しかし、偶々答えが知っている事もあるだろうと、次々になぞなぞを出し、そしてその全てに答えていくゼロナイン。次第に博士の顔から余裕がなくなり、出される謎の難易度も粗末な物になっていく。
「お……お化けが経営している店より繁盛している裏にある店は何の店か!」
「飯屋ですね。うらめしや」
「き、騎士様凄いですー!完全に覚醒状態ですね!何か何処か光っていたりしません!?スーパー騎士様みたいに!」
無論、このゼロナインの連続正解には種がある。ゼロナインの内部にあるコンピューターを使い、即座に調べ答えていたのだ。いわいるカンニングではあるが、してはいけないというというルールを明確にハカセが言ったわけではないし、そもそもゼロナイン自身もそんなバレるような真似をするようなヘマはしなかった。
「な、なぜじゃ。私の渾身のなぞなぞが」
「ふ、それはだぜ。」
なぞなぞハカセの顔の前で腰に手を当て自信に満ちた態度を取るフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
「私達はお前より、数々の謎を知っている!それだけだぜ!」
「何をバカな!吾輩以上に謎を持つものなど」
「じゃあ証明してやる!ティム!」
動けないながらも突然名前をを呼ばれたティムに降り注ぐのはアステールのユーベルコードである【生まれいずる光へ】。光が降り注いだ対象や応援を聞いた対象が共感すれば戦闘力が上がるとのことだがティムの戦闘力って?
「今こそ覚醒だ!その溢れ出る知識を解き放てー!」
あ、そっち!?まあしかし、そんな風に応援されたら
「え、え。いいんですか?私の全部吐きだしちゃっていいんですか!?」
勿論スイッチが入るわけで。動けないながらも口は動く。ならば語る。その全てを。
「よーし、言ってやりますとも!とりあえずなんですか筋肉なアルパカって!せーっかく私(プリンセス)がピンチで今から物語(ロマンス)が始まりそうだって時に!せめてドラゴン出しなさいよドラゴン!あ、騎士様がいてくれたのはとってもいい!OK!妖精様もナイスぅ!でもやっぱ筋肉はダメ!ロマンスがない!もっとテンプレートがよかったー!!ドラゴンにさらわれた私が、妖精様に導かれた騎士様が助けてくれるとかそういうの!だめ!?夢見ちゃダメ?!そんなわけあるかー!!うぉぉぉー!燃えろ私の創生神話(クエリエイトストーリー)--!!」
「なんじゃ!?この謎に満ちたパワーは!」
他人に認められた事、そしてアステールのユーベルコードによって爆発し、広がるは朝から顔に鍵が現れてから追いかけまわされ、せめてロマンチックな展開を求めていたにもかかわらず打ち砕かれてしまったティムの理想世界(ファンタジー)。その異様さに。
「ま、まさか。あの光からこれだけの知恵が流れ込んでいるというのか!こうしてはおられん!解析して我がなぞなぞの糧にせねば!」
こっちも別の方向にスイッチが入ったようで、つぶさにティムのいう事を事細かに分析するなぞなぞ博士。そして、ついに一つの答えにたどり着く!
「これはあ奴のただの妄想ではないか!?」
「そうさ!これはティムだけが作れる、ティムだけの世界だ!」
だからこそ――
「これは彼女が語る事でしか生まれない無限の謎!その謎を止めるなんて許されるはずがないんだ!」
「え、いや……しかし!?」
アステールの気合の入ったごり押し気味の説得とティムの圧倒的な言葉と謎の洪水という名の妄想と愚痴の前にどうしていいかわからなくなるなぞなぞ博士。
その、あまりにも大きすぎる隙を見逃す事など猟兵達にあるわけがなく。
「のわぁぁぁぁーー!!」
謎の洪水の前に苦悶の表情を浮かべていた博士の上から振り下ろされた物。それは彼が召喚したおしおきくんであった。ゼロナインの怪力によって持ち上げられたおしおきくんはそのあまりある重量を彼の武器として使われていたのである。
「実際の戦場では使える物は何でも使わねばなりません。そう、これも戦場を抱える謎の一つの回答と呼べるのでは」
「待て、まだ私はなぞなぞを出しておらぬ!まずは私のなぞなぞを」
「ええい、そんなことどうだっていいんだ!」
ゼロナインに抗議を行う博士。まだなぞなぞを出していないというその言葉を遮るように前に出たのは鉄鍋のウィーリィこと、戦う料理人ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)。
「彼女自身、自分に何が起こってるのかわからないで不安なんだと思う。俺はそれを面白がってなぞなぞのネタに使わせたくない」
「待て!随分と元気に語っておったぞ!」
「それだけ不安なんだよ!それと、だ」
愛用の大きな戦闘用包丁である三昧真火刀を両手に構え。
「お前が答えを知らない謎をなぞなぞに使うな!」
啖呵を切ってその勢いで前に足を進め、なぞなぞ博士に向かうウィーリィ。それに対して、迎え撃つべく新たなおしおきくん2号を召喚して、新たな謎をかけるなぞなぞ博士。
「ええい、ならば新しい謎なぞじゃ!この謎に」
「知るか、そんなの!」
それは予想外の答えだったのだろう。なんと!?と狼狽する博士にウィーリィの大包丁がせまる。
「答えは、『そんなの知るか』だ!」
それは、どんな謎も切り裂く一つの答え。すなわち謎をかける本人を叩き切る。憐れ、謎に拘り、謎に敗れた博士は真っ二つになって過去の海へと還っていったのであった。
「やった!流石猟兵様!……ってうわぁ!?」
彼らが戦っている間にどうやら15分が経過したらしい。光の柱に包まれて、固定されていたティムの体の戒めが解け、力を抜いていたせいだろう。後ろにひっくり返った彼女の顔を見て見れば痛そうな表情を浮かべていて
「あれ、戻った!よーし、お家に帰れる!!」
ようやく自身の異変が解決したことへの安堵からか。ため息をつき力が抜けたように倒れこむティム。
だが、それと同時にまるで建物から響き、聞こえるように聞こえていたのはひとつの音声のような物であった。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
何度か繰り返したのち、空に溶けるように消えていったそれは一体何だったのであろうか。
全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』。侵入者。そしてオブリビオン。
今はまだ開かなくとも、新たな戦いの扉はすぐそこまで迫っているであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年04月29日
宿敵
『なぞなぞハカセ』
を撃破!
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