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邪神復活を告げる歌

#UDCアース

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#UDCアース


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「……一体、どういうことだ?」
 とある小さな音楽事務所。
 社長の前に並ぶ、事務所所属の絶賛売り出し中のブラックメタルバンド『IA・双群(いあ・ふたぐん)』のメンバー。
「生きた鶏数羽ととナイフを数十本だと?雰囲気づくりとはいえ、本当に必要なのか?」
「ええ、今回は何としても、必要です。」
 メインボーカルの九頭龍(くずりゅう)が答え、ほかのメンバーもうなずく。
「おいおい、やめてくれよ。ライブで血を流すのは、清掃に費用もかかるからな。」
「いや、何としても用意してもらいます。」
「わがままを言うなよ。君たちはうちのエースだし、希望には答えたいが……。」
「……大丈夫ですよ、社長。」
 九頭龍の声をきいた社長の目が虚ろになっていく。
「社長は用意だけをすればいいんです。」
「……わかった。」

「皆さん、UDCアースで邪神を復活させる動きがありました。」
 グリモアベースで猟兵たちを集めたアト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)は、皆の顔を見渡して話し始めた。
「今回の邪神復活を目指すのは、この男です。」
 資料から写真を取り出し、皆に見せる。
「名前は九頭龍、『IA・双群』というブラックメタルバンドのリーダーです。
 彼は邪神から力を借り受け、ある程度ですが、人を意のままに操る力を持っています。」
 もちろん、皆さんには効きませんけどね、といたずらっぽく微笑みながら見渡すアト。
「さて、それで邪神の復活を阻止していただきたいのですが、場所が実はよくわかっていません。
 儀式は彼らのライブ会場で、お客さんを集めて生贄に捧げる事で完成するようですから、ある程度は告知をされているはずなのですけどね……。
 まずは、その場所を探してください。」
 ですが、しらみ潰しに行くわけにもいきません、と肩をすくめ。
「困ったことに、予知で見た音楽事務所の社長が死体となり、事務所が無人になっています。
 まだ現地の警察などには通報されたりしていないため、事務所を調べることは可能でしょう。
 手がかりが必ずあるはずです。」
 それではよろしくお願いします、と頭を下げたアトはグリモアを起動し、音楽事務所の近くへのゲートを開いた。


ヨグ
 ヨグです。
 今回もUDCアースの邪神復活の阻止となります。

 音楽には人を操る力があります。
 それを悪用する者に制裁を、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『義理と人情と狂気と異形』

POW   :    事件の関係者たちから直接聴き取り調査を行う。関係者が関係者なので、たぶん荒事もありうる。

SPD   :    死体発見場所や死体を分析して犯行方法、犯人の素性などをプロファイルする

WIZ   :    死体が発見された場所の残留思念を読み取ったり、同様の事件を図書館やネットで調べたりする

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジャック・ストーン
邪神の復活を止めるのは傭兵のよくある日常……稼がせてもらうとするかな。

死体をよく調べてみるぞ。どうやって殺されたのか……それがわかれば九頭龍の行動が読めるかもしれん。
仏さんには申し訳ないが……あ、指紋がつかないように手袋はちゃんとするぜ。
文明の利器、スマートフォンで犯行の特徴から過去の犯罪の類似点を情報収集していくぞ。

他の猟兵も含め情報収集が全部終わったら、匿名で通報入れておこう。


黒城・魅夜
では私は事務所、そして社長さんの御遺体を調べるとしましょう。
御遺体の服装や髪が乱れたりしているかどうか、また表情がどのようなものかを調べます。もし乱れ、あるいは恐怖驚愕の表情がないようなら、犯人は社長さんの意思を奪う能力があるものと判断できるかもしれません。

そしてライブ会場を調べるため事務所内も調査。メールやファックスなどは隠滅されているでしょうが、意外にアナログな手段……例えば社長さん個人の手帳や備忘録などは犯人も見落としているかもしれません。

逆に、それらすべてを逃さず始末しているとしたら……それは、犯人が社長さんをとてもよく知る人物であることを示してはいないでしょうか。


佐之上・権左衛門
【POW】蛇の道は蛇ともいうし、芸能関係者に聞いてみるのが一番か。
幸い見た目はUDCアースのトレンチコートだし、そうそう怪しまれないだろう?
というわけで「情報収集」と「コミュ力」「聞き耳」を使い、それらしい関係者に接触してみる。
「すいません~、私こういうものですけど」といって探偵らしい名刺(偽造)を渡してそれとなく『IA・双群』についての情報収集をする。
関係者的なのと接触して荒事になったらユーベルコード「即席閃光弾」で無効化を図り、捕縛して尋問を。
無関係者で荒事になったら・・・とりあえず逃げよう。



ライブ会場を探すため、芸能事務所を探しに来た一同。
 まずは死体の状況から調べ始めたのは、ジャック・ストーン(サイボーグの戦場傭兵・f07090)と黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)である。
「あー……胸を一突き、抵抗は少しだけってところか。」
「ええ、そのようですね。」
 彼らの言葉の通り、社長の死体には胸にナイフが付き立っており、引き抜こうと手をかけたところで息絶えたようだ。
「胸を突くまでは、抵抗はしていなかった。そんな感じがしますね。」
 社長の苦痛にゆがむ表情を見ながら黒城が言うと、
「だな、こいつの周りが全然荒れてねえ。」
 死体とその周りを見渡していたジャックは返した。
「ある程度人を操れるとはいえ、死の直前には解けるのでしょうね。」
「ああ、らしいな。全く、そんな死体を量産されちゃたまらんぜ。」
 そこへ、芸能関連のツテへ連絡を取り、『IA・双群』に関する情報を集めていた佐之上・権左衛門(おっさんは蛮族傭兵・f00239)が話しかけてきた。
「大体の概要しかわからんぜ、こいつの部下のバンドはよう。」
「いいんじゃないですか?どんな感じのライブをやるのか、だけでもわかれば。」
「あぁまぁ、そうだな。」
 咥え煙草で一息吸い、紫煙を吐く佐之上に、
「……煙草はまずくねえか?」
「いいんじゃねえか?元々こいつも九頭龍も吸うようだ。」
 確かに、近くのテーブルには吸い殻の入った灰皿がある。
「まぁともかく、だ。ブラックメタルといえば、黒魔術の儀式のようなライブをやるのが王道でな。こいつらもその例には漏れねえ。」
「ふむ?それでは、かなりの犠牲が出るのでしょうね、毎回……」
「……ああ?違う違う!嬢ちゃんの国じゃ、黒魔術そのものが普通にあるからな。こっちの国じゃ、あくまでお遊びで、本物の儀式をやるわけじゃねえのよ。」
「どっちかっていうと、ファッションに近い気もするぜ?」
 ヴァンパイアの黒城に軽く解説をする二人。
「ぬいぐるみを祭壇に捧げて、おもちゃのナイフで突き刺して、信奉する神に捧げものをする……ってのをパフォーマンスでやるって感じよ。」
「それを聞くと、だいぶ平和な感じを受けますね。」
「まぁそうだな、本物の生き物を祭壇で殺すようなことはしない。音楽そのものは結構攻撃的だけどな。実際聞くと、耳がおかしくなるかもしれねえ。」
 だが、肝心の場所が全く分からねえ……と肩をすくめる佐之上。
「それは仕方ねえよ、おっさん。どうやって観客を集めてるのかわからねえが、こいつらもそもそもそこまで有名じゃねえし、大々的に開くもんでもねえしな。」
「ちげえねえやな。その辺はほかの連中に任せるわ。」
 と、改めて死体の方を向き直ると、
「にしても、ひでえことしやがるな。自分で突き刺させたんだろ?これはよ。」
「……え?そうなのですか?」
「ん?違ったか?ナイフで自分の胸を突くなら、ちょうどその辺だろ?」
「確かに……。ってことは何か、これは。」
 3人は顔を見合わせ、言葉を紡ぐ黒城。
「予行演習、ということですね。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

波狼・拓哉
凄い名前のバンドだな!?ま、まあ音楽は自由ともいうし・・・いや自由過ぎるの問題か。
さてと、推理タイムと行こうかな。
んー九頭龍とは行かず他のバンドメンバーにさえ接触出来れば追跡者(ミミック)だすだけで場所まで行けそうなんだけど、そう甘くはねえよなぁ・・・。
うーん、あ。生きた鶏を数羽、ナイフを数十本なんて珍しすぎる顧客だよな。それにナイフは輸送で何処からでも送れるけど生きた鶏を販売してる所とこ少なそう。
この線でUDCの協力も得つつ捜索して搬入先が分かれば御の字、もしくはバンドメンバーに繋がれば追跡者で追跡だな。
取り敢えず捜索開始しますかー!


サヴァー・リェス
歌は…心、操り壊す事…可能、ね
逆に、支え救う事も
私は
どちらの…歌い手、かしら…?(静かに思うも、答出ず)

警察が、困らない様…急ぎ調達が叶えば、他世界で手袋を準備
事務所内、手袋して、調査…
死体、確認…図書館で調べやすい様、状態記憶
社長、は…らいぶ…予定日や場所…を、記録して、いない…?
手帳や、日記…を、本棚や…机に、探す
手掛かりがどこにありそう、と【第六感】働けば、良い…

手袋は仕舞い…図書館で、調査…
ネットの、使い方、司書に少し、教えて貰い、一人で
邪神、音楽、召喚、儀式、血…
事件に関する語、組み合わせ検索。似た事件、ない…?
IA・双群…ファン達に…会場の場所…隠語等で、広まってないか、も、調べる


テラ・グゥスター
ふぅむ、テメェ一人で勝手にやるならともかく……殺しに手を出したらお終いだろうよ
ダメだな、ダメだ、生命ってモンに対する敬意がまるで感じられねぇ……こいつはもう、ダメだなぁ

【SPD】
ひとまず事務所の家探しからか
ライブ会場で儀式ってんなら会社側で手配なりしてんだろうし、その手の書類を漁るかね
貴重品だけとは思うが金庫やら鍵の付いた引き出しなんかも「鍵開け1」で中見てみたいな…奴さんの素性のわかるモンとか
それと監視カメラでもあったらその映像も調べねぇとな、時間も何も全部丸裸になるかもしれん
死体は傷口から凶器の特定を目指すくらいしか俺にはできねぇかなぁ



一方、社長のデスク周りでは……。
「まず、これを……付けて、ね?」
 後で現地の警察を混乱させるわけにはいかない。
 その意図を込めて白手袋を渡す、サヴァー・リェス(揺蕩ウ月梟・f02271)。
「サンキュー、ありがとよ。」
「ああ、それはさすがにまずいからね。」
 受け取ってはめる波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)とテラ・グゥスター(生存こそ正義・f04573)。
「……本当は、足跡も……でも、それは。」
「無理ってもんだぜ……飛べれば別だけど。」
 そんなやり取りの後、社長のデスクの上や帳簿棚を物色する3人。
「お、これはナイフの注文票……。」
 早速、デスクの上から資料を見つける波狼。
「えーと何々……あー、これはだめだ。届け先はこの事務所だってよ。」
「というと……。」
 言葉を受け、死体の方を見るサヴァー。
 胸に突き立ったナイフを見て、
「……あれも、その……一本と。」
「そういうこったな。」

 そんな中、帳簿棚を物色するテラ。
 てめぇ一人で勝手にやるならともかく、
「殺しに手を出したら、終わりだろうがよ。」
「……そう、ですね。」
 同じく帳簿を見ていたサヴァーの返事で、心で考えていたことが口に出ていたことに気が付いた。
「わりぃ、考えすぎだな。」
「いえ……私も、許せない……し。」
「そっか。」
 俺だけじゃなかったか……。
 少しだけ、沈みかけていた気分が上向くのを感じた。
「あ……これ、は?」
「何かあったか?」
「うん……清掃、業者だって……。」
 サヴァーの見つけた伝票のファイルは、ライブごとに頼むと思われる業者のものだった。
「……よくやるライブ、会場は……3か所、かな?」
「あー、そんな感じだな。」
「あ……まって、連絡先、が。」
「お!そうだよ、仕事が入ってるか聞けばいいんだ!」
 早速、事務所の関係者を装って電話をかけるテラ。
 だが……
「……仕事、入ってない?」
『ええ、頼まれていないですね。』
「マジか、あの社長忘れてたんじゃないかな。」
『そうなんですか?では、後ででいいんで、日取りを教えてくださいね。それから、もうちょっと落としやすい血のりにしてくださいよ。毎回行った職員から文句が出てますので。』
「あ、はい。伝えておきます。」
 言伝を頼まれてしまいつつ、電話を切るテラ。
「……だめ、だったみたい?」
「ああ、残念ながら。」

「……おお!今度は養鶏場だってよ!」
 デスクの引き出しから見積書を見つけた波狼。
「いいねえ、日付もつい最近だ。」
 えーと何々……と読んでいくと、
「鶏5羽、ライブハウス『EVIL』へ直接納品、ビンゴ!」
「……あ、やった、ね。」
「やったぜ!それでいつだって?」
「あー……こっちは見積もりを出した日か、納品日は……これだな。」
 日付を見て、カレンダーを確認すると、
「……え、おい。」
「どうした?」
「この日付って今日じゃねえか!」
 この声に、その場にいた皆は一斉に波狼の姿を見た。
「え……それ、じゃあ……急がない、と。」
「ああ、急いで向かってライブを止めねえと!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『アングラ・デスメタ・コンサート』

POW   :    ライブ会場に乗り込み、対バンを申し込む。目には目を、音楽には音楽を……!!

SPD   :    会場の防災サイレンを鳴らすなりしてオーディエンスの目を覚まさせて避難誘導する

WIZ   :    音楽には洗脳する呪詛が組み込まれているようだ。魔術等で解呪(ディスペリング)を試みる

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種別『冒険』のルール
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サヴァー・リェス
他者と絡み歓迎
●口調補足
「…」「、」混ぜ静かに話す
若者らしい言葉(「やったね」等)は不用

歌…呪詛…魔術。心得…ある
『EVIL』に、急ぎ…侵入が難しい時は
暗示効き易そうな店員に【誘惑】や【催眠術】を使い
関係者と信じさせ…音楽を再生する所に、案内を、頼む
出来れば…再生・制御する機械、教えて貰い
後は、深く穏やかな、自然の眠りを
「わたしは、あなたのたいせつな。…つれていって、そうして、おやすみ」

機械に詳しい、猟兵仲間いれば、手伝って貰い
機械の言葉や楽譜に組み込まれた、呪詛を…
【歌唱】【呪詛】【催眠術】等の知識を駆使し…無効・無害な物に書き換える
【呪詛耐性】あるから…少し危ない解呪でも…私一人で、試みる


波狼・拓哉
うおおお今日かよ!?と焦りつつどうしようかなと考えながら移動。
んー魔術的なのは分からんし歌もバンドしてる奴ら以上のモノは無理そうだしなー…
生贄の鶏が箱型生命体によって突如惨殺されれば衝撃を与えられるかな?鶏が全部生贄に捧げられてても適当な機材をぶっ潰せば衝撃は走るだろう。…こいつらが掲げる神の姿が箱型生命体でなければ。
まあ、ミミックには人に手だししないように厳格に言っておいて俺は目立たたないように行動しつつ怪我とかしないくらいの衝撃波やロープで芝居たりして正気に戻すように行動するか。社長の現状みるようじゃ何か刺激があれば戻ってこれるみたいだし。後、正気が戻り次第逃げるようにも伝えないとね。


テラ・グゥスター
洗脳が始まってんのか……こりゃあ急がねぇといかんな。
集まってる連中は音楽やら雰囲気が好きな一般人がほとんどのはず、何とかして無事に帰してぇ。
にしても自殺を強要するとは、尚の事気に入らねぇなぁ九頭龍とかってガキはよぉ。

【SPD】
九頭龍が邪神から授かってる力ってのが弱かろうが儀式として発動されてたらそれなりの強制力にはなるんじゃないだろうか。
なら、多少荒療治の方が効果はありそうだ。
機械部分を強調しつつ『降魔化身法』で禍々しさを演出、怪物として観客を追い散らしてみようか。
舞台の柵や暗幕あたりなら壊しても被害は少ないだろ……精々怖がって逃げてくれ。
間違っても観客には傷つけねぇよう注意だな。



「洗脳が始まってんのか……こりゃあ急がねぇといかんな。」
「……そう、ね。」
 ライブハウス『EVIL』の前で作戦を練る一同。
「まず、歌には間違いなく魔術的な力が入ってて、それで洗脳してるってことだよな。」
「歌、呪詛……魔術。心得……ある。」
 自信ありげなサヴァーに、
「お、じゃあその辺頼みたい。マイクを通した音さえ何とかすれば、後はそれほど難しくないはず。」
 と言われて、コクリとうなずく。
「じゃあ、俺たちはどうすっかね。」
「歌は得意じゃないが、明らかな怪物が暴れてれば逃げるだろう?」
 洗脳さえ軽ければな、と続けるテラ。
「いいねえ、じゃあ俺は儀式の邪魔でもしようかね。」
 頼むぜ相棒、と抱えたミミックに話しかける波狼。
「じゃあ行くぜ!」
 と乗り込んでいった。

 ブラックメタルバンド『IA・双群』によるライブはすでに始まっていた。
「崇拝、始まりを告げるのはこの歌からだ!イアー、イア!」
 九頭竜の言葉で始まる歌。
 最初はゆっくりと荘厳な雰囲気を漂わせる音から入るが、すぐに攻撃的なドラムと歪んだギターの音色により、会場の熱気は高まっていった。

「……これで、大丈夫。」
 ライブハウスの従業員を説得し、音響機械室に入ったサヴァー。
 マイク音量の調整を行い、特に九頭竜の声がスピーカーから流れないように変える。
「あとは……私のやり方、ね。」
 バンドの音楽に合わせ、サヴァーは自分の歌を、会場のスピーカーに乗せる。
「わたしは、あなたのたいせつな。……つれていって、そうして、おやすみ。」
 深く穏やかな、自然の眠りを込めた歌。
 静かにやさしく、会場へ流し続けた。

「効果はあったな。」
 波狼とテラが会場の熱の入り方が緩いことに気が付いたのは、歌が始まって半分ほど過ぎたあたりだった。
「ああ、特に後ろの方のお客が、明らかに困惑しているな。」
「よし、こっちも始めようぜ!」
 じゃあ頼むぜ!と、ミミックを放つ波狼と
「……本物の怪物を見せてやる。」
 と舞台袖へ移動するテラ。
 そのまま機械化した腕を誇示し、さらにほかの体も幽鬼の力を取り込み、見た目は悪鬼のそれとなった。
 そんなテラが突然現れ、舞台袖の暗幕を引きちぎり、唸り声をあげて観客をにらんだ。
「きゃああああ!」
「バケモンだー!」
 会場の後ろの方にいたファンは大騒ぎである。
 配られていたナイフを投げ捨て、出口へ殺到した。
「はいはい、帰りはこちら。」
 と出口からスムーズに彼らを行かせる波狼。
 大体3割程度が出ていったところで、ミミックに指示をだした。
 舞台の脇で鳥かごに入れられている鶏に向かって、トテトテと歩いていくミミック。
 バンドのメンバーは特に気にすることもなく、テラと反対側の舞台の脇で鳥かごを掲げたミミック。
 そのまま、鳥かごのごとバクリと口に放り込み、残骸を開けて見せながら会場を威嚇し始めた。
「ちょっと!何あれ!」
「ヤバいって!」
 こちらも同様に逃げ出した。
「うーむ、あと一押しだな……。」
 会場には、後20人ほど残っている。
 直接声が届くところの観客たちが。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​


(くそ!今日に限って!)
 自分の音楽を聞くファンが、いつも通りに歌を聞かず、あまつさえ逃げ帰る始末……。
 その状況に、九頭竜はいらだっていた。
 だが、歌やパフォーマンスを止めるわけにはいかない。
 自分の信じる神へ捧げるには、まだまだ洗脳の深さが足りない。
(やるしかない。)
「次は無意識への旅立ちだ、ドリームランド!」
 あらかじめ深く洗脳されたバンドメンバーの、盲目的に付き従う楽器の音色とともに、2曲目が始まった。
ジャック・ストーン
遅れて来てはみたが、まだ20人くらい残っているのか。はてさて、俺に出来ることは……そうだな、「現実的な危機感」かな?

【SPD】
スマートフォンにスピーカー繋いで、警察のサイレンの音を流すぜ。それに合わせて、野戦服のままつっこむ。悪役を演じてるミラとミミックに銃を向けて、「俺は機動猟兵部隊隊長ジャックだ!!ここは俺が食い止める、一般人はさっさと逃げろ!」と「時間稼ぎ」の威嚇射撃を行う。
もちろん、本当に時間稼ぎするのは九頭龍相手で、適当に弾をばら撒きつつ一般人が逃げる時間を稼ぐぜ。



「よお、少し遅れたが結構派手にやってるようだな。」
 ジャックは出口にいる波狼に声をかけていた。
「あぁ……まだ結構残ってるけどね。」
「よっし、じゃあ俺のやり方でいかせてもらうぜ。」
 現実的な危機感ってやつよ、と言葉とともに準備をするジャック。
 スマートフォンにスピーカーをつなぎ、大音量で音を流せるようにする。
 野戦服のまま銃を持ち、出口の側から音楽に負けないレベルの音量で警察のサイレンを鳴らしながら、観客と舞台の間へ出た。
 観客が呆然と見つめる中、ジャックは舞台脇で暴れるテラとミミックへ交互に銃を向けながら、
「俺は機動猟兵部隊隊長ジャックだ!!ここは俺が食い止める、一般人はさっさと逃げろ!」
 そのまま威嚇射撃。
 銃の音、しかも実弾ときた。
「ほ、本物……!」
「うそ、やだ!逃げなきゃ!」
 残っていた半分の観客は、その様子と音に驚き、一気に逃げ出した。
「ち、まだ少し残ってるか。」
 様子を確認したジャックは独り言ちた。

 そして、音楽にも変化が現れた。
 少しずつではあるが、不協和音が混ざり、本来の曲になりはじめたのだ。
 バンドの残りのメンバーの目に、少しずつだが光が戻ってきている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラト・ソルディーダ
狂信ってのは大嫌いだ。個々人から考える力を奪うからな。知性派サイキッカーたる俺の天敵と言える。

【WIS】
 音楽をどうにかする。もうここまで来たらディスペリングやら小細工するより、九頭龍をぶん殴って演奏を止めさせるのが手っ取り早そうだ。が、呪文じみた歌声垂れ流してる野郎に無策で突っ込むのはおっかねえ。

 というわけで【バトル・インテリジェンス】発動。ドローンに俺を操らせる。
 俺、知ってんだ。ああいう催眠系のやつって要するに人の心に作用するんだろ。
 じゃあ、催眠も暗示も効かねえ機械に自分の行動を任せちまえば問題ねえ。殴ったついでに【盗み攻撃】でマイクをぶんどっちまえ。それでお開きだ。


京条・響
予習してたら遅くなっちゃった。
もうほとんどのお客さんは避難できたかな?
奏者が洗脳されているみたいだね。
バンドマンとして、ちょっと機材をいじらせてもらおうかな。
チューニングができたら俺のギターをアンプに繋ぐよ。
ギタリストさんには悪いけど、ここからは俺のステージだ。
いつもはヴォーカルだけど、今だけはギタリストのKyoだよ!
俺が正しい音を奏でてやれば、儀式の曲は成立しないはずだ。
他の奏者も、ついてこい……!



「……貴様らあああ!」
 ガシャン!と舞台に叩きつけられる、九頭竜のギター。
「台無しだ!邪魔しやがって!」
「ああ、そうだ。」
 暴れる九頭竜の胸倉をつかみ上げ、持ち上げるラト・ソルディーダ(不撓不屈の自称知性派サイキッカー・f08600)。
 ヤンキーのようなリーゼント頭が九頭竜の顔にあたるほど近づけ、凄みながら言い放つ。
「てめえのような催眠術で人を操るってのがな……。」
 そのまま九頭竜を仰向けに地面にたたきつけ、少しぎくしゃくとした動きで胸元へ足を落とす。
「俺は大っ嫌いなんだよ!」
「ぐっ……!」
 タイマンを張るのに催眠術で操られちゃかなわねえと、ラトはドローンに自身を動かさせている。
 いくら目の前であろうと、声による暗示も一切効かない機械による制御に、九頭竜はただもがくしかない。
 ……ふと、まだ曲が続いていることに気が付く。

「イアー!イアー!九頭竜、双群!」
 と、本来ボーカルのいる位置である場所を見ると、ギターを持った若者が曲を続けていた。
 京条・響(サウンドライダー・f00344)は、ここに来る前にできる限りの『IA・双群』の音源を聞き、今ここで曲を引き継いで歌っていた。
「星辰が揃うとき!私は目覚める!」
 普段はバンドではkyoとして活動している京条の歌声は、会場に残っていた観客たちの耳に、そして心に届くこととなった。
 なぜ、あそこで歌っている人が違う?
 そんな疑問を持つこともなく、会場の観客たちは曲を楽しみ、ライブを満喫していた。
 ドラムとキーボード、後ろで黙々と演奏していたメンバーも、京条のギターに合わせて曲を盛り上げる。
 京条もまた、その波にのっていた。
「貴様らは!恐れおののくだろう!」
 と最後のフレーズを叫び声のような音量で会場に響かせ、見ている人は少ないながらも最高の盛りあがりを見せていた。

「歌ってのはああいうもんだろ?」
「貴様らに何がわかる!」
「ああ?洗脳でファンもどきにしてた奴には解らねえか。」
 九頭竜にかけていた足にさらに体重をかけ、黙らせたラト。
「よしみんな!今日はありがとうな!」
 また来てくれよー!と会場からの退出を促す京条。
 そのまま、ほかのバンドのメンバーも部屋から出させた。
「さて、これで生贄の儀式はできなくなったな?」
「……まだだ。」
「あん?てめえ一人でなにができ……!」
 急に九頭竜の体の質量が増し、反動で後ろに飛ぶラト。
「まだだ!」
 九頭竜の服の下から大量の触手が蠢き出た。
「マダダ!」
 その触手は九頭竜の顔を覆い、邪神の信徒としての姿を現した。
「貴様ラヲ!捧ゲル!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『膨らむ頭の人間』

POW   :    異形なる影の降臨
自身が戦闘で瀕死になると【おぞましい輪郭の影】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    慈悲深き邪神の御使い
いま戦っている対象に有効な【邪神の落とし子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    侵食する狂気の炎
対象の攻撃を軽減する【邪なる炎をまとった異形】に変身しつつ、【教典から放つ炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テラ・グゥスター
あぁ、わかりやすくなりやがった。元から加減なんぞする気はなかったが、そうやって異形になってくれた方が尚やりやすいってぇモンだぜ。テメェ自身すら捧げられんくらいに消し飛ばしてやるよ!

【SPD】
「降魔化身法」で超強化、短時間でのダメージ蓄積を狙うとするか。幸い味方の猟兵が居るからなぁ、俺だけで決めきれんでも何とかしてくれんだろうぜ。
攻撃は拷問具で、関節部やドテッ腹の痛みを感じやすいところを狙う。傷が付いたら同じ部位を集中攻撃、「傷口をえぐる」で苦しめられりゃあいいなぁ。
落とし子は可能な限り無視、本体に集中して落とし子扱う情報処理能力を削ぐ方が逆に戦いやすそうだ。


ジャック・ストーン
正体を現したのか、たった今変化したのか……どっちでもいいか、倒すのみだ!

【POW】
いつもは援護射撃している俺だが、飲み屋の店長からもらったGGエレファントヘッドをメインで近接戦を仕掛けるぞ!

ユーベルコード【武器接続】でGGと左腕を接続して、「零距離射撃」で戦う。攻撃回数を増幅、さらに「二回行動」だ。右手にはHGデザートウルフを握り、撃って撃って撃ちまくる!

「頭いいが、俺と銃弾のダンスを踊ってくれよ!!」

敵の攻撃はGGの象の装甲で受けつつ、真っ正面から殴り合うぜ。
死ななきゃ安い!冥途の土産に鉛玉をありったけくれてやる!

なお、もしミラとミミックが参戦したらさっき威嚇射撃したことを謝ろう。



「あぁ、わかりやすくなりやがった。」
 威嚇射撃の後、少し舞台袖に隠れて様子を見ていたテラはそう呟きながら、舞台上にいる九頭竜へ歩き出した。
「元から加減なんぞする気はなかったが、そうやって異形になってくれた方が尚やりやすいってぇモンだぜ。」
 そのまま幽鬼の力を体に降ろし、彼の体は一回り大きくなったように見えた。
「テメェ自身すら捧げられんくらいに消し飛ばしてやるよ!」
 そして一気に九頭竜に駆け寄り、手にした拷問具による渾身の一撃をおみまいした。
 バランスの悪い巨大な頭部をよく砥がれていない刃で斬りつけた時の、ドロッとした肉の感触に怖気を感じつつ、
「……この程度じゃ死なねえだろう?」
 まだ始まったばっかりだしな!とテラが追撃の構えをとった、その時。
「さっきの威嚇射撃はすまなかった!」
 との声に振り返ると、駆け寄るジャックがいた。
「あぁ、あんたか。いいって、気にすることじゃねえよ。」
「はは、そういってもらえると助かるぜ。」
 そんなやり取りをして九頭竜を見ると、不気味な炎を纏った姿になっていた。
「じゃあ行くか。」
「ああ、そうしよう。」
 二人は同時に駆け出し、幽鬼の力を宿したテラの方が一瞬早くたどり着き、九頭竜を斬りつける。
 先ほどと違い、ドロドロした液状の油を殴りつけたような手ごたえのなさに戸惑うテラ。
「なんだ?」
「あぶねえ!」
 動きの止まったテラに対し、九頭竜が炎を浴びせかけようとしているのを見たジャック。
 目で見た瞬間に、機械の反応速度で巨大な拳銃を向け、そのままぶっ放した。
 炎を発する前に銃弾を浴びて吹き飛ばされる、九頭竜の腕。
「うりゃあ!」
 さらに、その象を思わせる拳銃で九頭竜を殴りつける。
 同じく異様な手ごたえに嫌悪感を感じつつ、少し距離を置く二人。
「邪神の力だか何だか知らねえが、気色悪いな。」
「まったくだ。」
 とっとと終わらせたい、と思いながら相手の様子を見ると、ちぎれた腕から触手が勢いよく生えて襲い掛かってきた。
「まだまだ油断できねえな。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

京条・響
姿を現したね。
ハコで戦闘なんて気が引けるけど……邪神なんかに壊されるよりマシかな!

ライブで使ったギターやマイク、アンプをそのまま使うよ。
俺のソロライブをするよ!
『サウンド・オブ・パワー』で仲間の戦闘を支援しつつ、
音を衝撃波にして攻撃も仕掛けていくよ。
(パフォーマンス4、楽器演奏4、歌唱5、衝撃波3)

ライブを邪魔するようなら銃で戦うよ。
手に持っている教典を撃ち落としてみようか。
(クイックドロウ3、2回攻撃1、武器落とし3、援護射撃3、零距離射撃3)


波狼・拓哉
さてさて、分かりやすくなったかね。まあ、これ以上の犠牲は出さないに限るってものさ。
さてと…引き続きお願いしますよ、ミミックさん。あのふざけた顔面に一撃を加えてやってくれ。放たれる炎だけには気を付けて避けつつ相手の注意を引く感じでお願いね。
俺は…炎を衝撃波で打ち消したり周りに延焼しないように周りをよく見つつ行動しようかな。俺自身はあくまでもサポート…あまり前に出過ぎないように気を付けていくか!



勢い良く伸びる触手にかぶりつく小さな影。
 先ほどのテラと同じように隠れていた、波狼のミミックだった。
「よし!そのまま引きちぎれ!」
 聞こえているのかそうでなくても意思は通じるのか、ミミックは触手を挟んだまま口を閉じた。
 ブチリ……ビチャ、ビタビタ……
 湿り気のある音とともにちぎれた触手は動きを止めた。

「貴様ラアァァ!」
 九頭竜はさらに自身の体から触手を切り落とし、それ自体が意思を持ったかのように周りの猟兵へ襲い掛かる。
 もちろん、近くにいたミミックも狙われていた。
 巻き付かれ、口を開かないようにされるミミック。
「く、ミミックさん!」
 その時、響き渡るポップな歌声。
 ライブの時と同じとは思えないほど明るい、京条の歌声だった。
「♪さぁ!戒めを、解き放て!」
 歌声に含まれる衝撃波により、ミミックに巻き付いた触手の一部が切れる。
「♪君の思うままに、進めー!」
 歌詞に力を得たミミックは、さらに大きく箱を開け、触手の戒めをといた。
 その勢いのまま、九頭竜に体当たり。
「歌、歌、歌……!操レナイ歌ナド、意味ハナ」
 ゲフ!
 みぞおちに突き刺さるミミックの角。
「よっしゃ!いいぞミミックさん!」
「ふふ、なかなかやんちゃな子だね。」
「ああ、助かったぜ。」
 ありがとな!と握手を求める波狼と応じる九条。
「こちらこそ。……音楽を汚すものは許せなくてね。」
「同感、やっぱり楽しまなくちゃな!」
「そういうことさ、音を楽しむのが音楽なのだから!」
 さぁ、次の曲を始めよう!
 アンプにつないだギターを手に、歌い始める九条。
 聞くものを鼓舞する、立ちあがる勇気を与える曲。
 聞いたものに実際に力を与えるまでに高められた、九条の卓越した歌唱力。
「♪立ちあがれ、君の信じる者のために!」
 その歌を聞いてか、波狼のミミックは先ほどより切れのある体当たりで九条に襲い掛かった。
「グググ……ヤメロ!ソノヨウナ歌ハ聞キタクナ」
 グハ!
 今度は後頭部にクリーンヒット!
「へ、楽しめない奴が音楽なんてやるからこうなる。」
「自業自得って事さ。」
 それにしても……と九条は舞台を見て、
「……正直、ハコで戦うのは気が引けるね。」
「まぁね。」
「邪神に壊されるよりましだった、と考えることにするよ。」
 と話していると、
 九頭竜の体がうねり、蠢き、新たに触手が生え、その触手たちが新たな体を作り出した。
「げ、分裂した。」
「でも、あれを倒せば片が付きそうだね。」
 さぁ続きといこう!
 九条のソロライブはまだ続く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

波狼・拓哉
京条の歌のおかげで力が増してるな…ならばたとえ分裂したといえでも攻め時だな。俺も攻撃に回って追撃といくか。
数が増えたのでミミックはより相手達の注意を引くように立ち回ってもらう。もちろん炎には気を付けてね。
俺は隙を見つけてはクイックドロウで相手の傷に打ち込もう。衝撃波込めた弾を打ち込み傷口をえぐっていこう。内部から裂けるといい…!
相手が体勢崩したらミミックに拘束してもらって自分は衝撃波込めた弾を乱射しようか。どうせ一撃では死なないのだろうし死ぬまで打ち込もう。モデルガンだから弾代に困ることとかないしね!



「避けろ!ミミックさん!」
 九頭竜から増えた触手の塊。
 そこから伸びる触手と炎を纏う触手が、一番近くにいたミミックへ向けて触手を伸ばしていた。
 波狼の声に合わせるように、触手たちの周りをまわるようにミミックは動き回り、何とか攻撃を避けていた。
「ミミックさんだけに任せるわけにはいかないな。」
 飛ばされる炎を避け続けるミミックに向けて伸びた触手へ、手持ちのモデルガンで狙いを定めて連射する波狼。
 発射されるのはBB弾だが、衝撃波を纏う弾は傷ついた触手を引きちぎるには十分な威力があった。
「グアアアアアアア!許サン……許サンゾ!」
 引きちぎられた触手の塊の一体が、波狼へ触手を勢いよく伸ばし始めた。
「うお!ヤベ!」
 波狼に届く寸前、ミミックが足元の触手に噛み付いたおかげで、触手は地面を叩くことになった。
「ナイスだミミックさん!」
 地面に伸びた触手の塊へ、BB弾を乱射する波狼。
 そのまま動かなくなるまでばらまくと、触手の塊は地面に溶けるように消えていった。
 ありがとうよ、と足元へ寄ってきたミミックを労う。
「これで一体だな。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
旅団:全世界サイボーグで参加

テラ・グゥスター(生存こそ正義・f04573)の知り合い

「テラさんから増援要請を受けて来てみれば、邪神の眷属ですかね」
「狙撃させて貰いましょうか」

以下内容で攻撃。
・【SPD】
・準備:サーチドローンを展開、偵察/猟兵仲間にデータリンク
・技能:視力、スナイパー、援護射撃(UC)、メカニック(ドローン操作)
「ドローン展開、映像のリンク確認。乱戦模様ですか。なら、隙はあるはず」

(狙撃時)
「CODE:ARTEMIS。狩猟と狂気の女神よ、我の敵を狩らせ給え」


テラ・グゥスター
旅団「全世界サイボーグ連盟」の仲間に増援要請

どうにも、決定打に欠けちまうなぁ…時間をかけても増殖されて長引きそうだし、仲間に頼らせてもらうとするか。

【SPD】
とにかく増殖されんのは厄介だ、ネイルガン「スナイパー」でUC発動、敵の能力を抑える事をまず第一目標に。
敵が怯んだら本格的に攻撃に移る。マシンガン「クイックドロウ」「援護射撃」で牽制しつつ廻転鋸で接近戦、引き続き「傷口をえぐる」でダメージ蓄積を狙う。手応えは妙だが効いてねぇワケでもなさそうだし、歌でさっきよりも高揚してる感じがするしなぁ。
てめぇと違って操らねぇでも助けてくれる仲間がいるんだよ、こっちにはなぁ。


タイタス・レイヴン
【SPD】
『全世界サイボーグ連盟の面々と参加』
「テラ殿からの応援要請によりこれより加勢するッ!歌を邪な事に利用する化け物め!Let's morphing !」
変身コールにて完全戦闘形態に変身すると共にライドトルーパーに騎乗し『膨らむ頭の人間』に突っ込む。
「プログラムド・ジェノサイド起動ッ!」
そしてプログラムド・ジェノサイドによる超高速攻撃【串刺し】をツイン・フォース・スピアのスピアモードにて行う。その際、レイヴンウィングによる【空中戦】で上から奇襲する。
【邪神の落とし子】にはアームドエクゾスカルの双肩部陽電子砲による【一斉発射】【範囲攻撃】で殲滅する。
事後処理はUDC組織に連絡を入れ任せる。


サヴァー・リェス
他者と絡み歓迎
●口調補足
「…」「、」混ぜ静かに話す
若者らしい言葉(「やったね」等)は使わない

私は、素早くも…体力も、ない、から…味方の後方から、猟兵の皆を、支援
敵の…ユーベルコードを…私のユーベルコードで、相殺、し続ける…
「…抑えられるだけ…抑える…から。…今の、うちに…攻撃を」
敵の此方への攻撃が、鈍ったり…あと少しで、倒せる、という時は…私も、敵に攻撃…
媒介道具のスマッジングフェザー、翳して…【衝撃波】を、敵に、放つ
「しずかに、おやすみ…ねむりの、そこへ」

敵を撃破後…可能なら、この場所、少しでも、掃除…、綺麗にしていけたら…と
私も、歌う(【歌唱】技能)…この場が、清められるように、祈り籠めて



「どうにも、決定打に欠けちまうなぁ……。」
 テラは幾度かのマシンガンによる射撃を試していたが、敵の数を減らすまでには至っていなかった。
 炎を纏うと軟体化し、傷が付きにくくなるのが厄介だ。
「……切り札といこうかね。」
 と、特殊な釘を左腕のネイルガンに装填していると、
「増援要請を受けて来てみれば、邪神の眷属ですかね。」
「そのようだ、これより加勢するッ!」
 機械の目で触手を見据える青年と壮年の男性、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)とタイタス・レイヴン(復讐の大鴉・f06435)である。
「来てくれたか!助かる!」
「ええ、なかなかの相手のようですね。乱戦模様ですし、まずは数を減らすとしましょうか。」
 自身の眼鏡を触りながら、自身のドローンを展開するクネウスと、
「歌を邪な事に利用する化け物め!Let's morphing !」
 戦闘モードである機械仕掛けの大鴉の姿へ変身し、ライドトルーパーに騎乗するタイタス。
 そのまま触手の塊達へ突っ込み、
「プログラムド・ジェノサイド起動ッ!」
 掛け声とともに、スピアによる連続攻撃を仕掛けた。
 自身の効率のいい体の使い方をプログラムし、それに従った動きを再現する攻撃に、触手の塊の一つは成す術もなく貫かれ、形を失い、ドロリと溶けていった。
「CODE:ARTEMIS。狩猟と狂気の女神よ、我の敵を狩らせ給え。」
 タイタスの攻撃から逃れた触手の塊へ、クネウスのアームドフォートから高出力のレーザーが放たれる。
 ドローンとの連動により、正確無比に触手の塊の核へ突き刺さり、一つの液状の染みと化させた。

 残った触手の塊が炎を纏い、クロウへ炎を放とうとするが、
「……まぼろし、まほろし、こわれてく。」
 機械室から駆け付けたサヴァーの囁く言葉に気勢を削がれ、動きを止めていた。
「……抑えられるだけ、抑える……から、攻撃を……。」
「わかった!」
 テラは左腕のネイルガンを触手の塊へ向け、
「古き呪詛の儀、その一端を顕現せよ!」
 黒い釘、灰色の釘、深紅の釘……呪詛のこもった3色の釘を触手達へ次々と打ち込む。
「グオオオアアアアアア!」
 触手達は体を震わせ悲鳴を上げると、折り重なるように集まり、人型へ姿を変えた。

「ヨクモ、ヨクモヨクモ!」
 九頭竜だったモノは、全身から触手を生やしながら炎を纏おうとする……
「バ、バカナ!」
 が、ちょろちょろとした火にしかならなかった。
「……もう……終わり、ね……。」
「ああ、てめぇの力は封じさせてもらったしな!」
 チャリン、と3色の釘を見せつけるテラと、囁くような歌を続けるサヴァー。
「哀れなものですね。今のあなたは、普通の人と大した差はありません。」
「邪神の力に頼った、己の力量不足を嘆くがいい!」
 アームドフォートの狙いを定めたクネウスと、スピアを構えたクロウ。
「嘘ダ……ウソダ!」
「嘘かどうかは……。」
 声とともに触手を全員へ伸ばした九頭竜へ、マシンガンの早打ちで撃ち落すテラ。
「体で知ることとなるでしょう。」
 正確に足を打ち抜く、クネウスのアームドフォートから放たれるレーザー。
「ヤ、ヤメ……。」
「今更命乞いか!」
 九頭竜の体が倒れる前に突進し、勢いよくスピアで胴を串刺しにするクロウ。
「ゲブ!……タ、タス……ケ……。」
「……ごめん、なさい。」
 歌を止め、手にしたスマッジングフェザーを翳すサヴァー。
「それだけ、は……許されない……わ。」
 その手の羽から放たれる衝撃波により、傷ついた九頭竜の体は砕け散り、タールのように溶けて消えていった。
「……しずかに、おやすみ……ねむりの、そこへ。」

「よっし、終わったな!」
「そう、ね……でも……。」
 ライブハウスの中を見渡すと、機材にはそれほど壊れたりなどしていなさそうだが、舞台の上がよくわからない液体が広がっていた。
「ええ、片付けが必要ですね。」
「まぁ、これくらいならUDCの方で何とかしてくれるだろう。」
 連絡はしておく、というクロウの声に同意した一同。

「……私、少し……だけ……。」
 と、ライブハウスへ残るサヴァー。
 邪神の残り香をかき消すような、清浄な歌声が響き渡る。
 歌を楽しむ、本来の姿へ戻るように……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月06日


挿絵イラスト