君もマスクをつけてマッスルになろう
筋肉に必要なものは何だ!
トレーニングか? プロテインか? ……否!
「筋肉にとって最も必要なものとは即ち、マスクである! さあ、君たちもマスクをつけてマッスルしようではないか!!」
一片の迷いもなく断言して、アルパカフェイスの上から仮面やら覆面やらをつけた半裸の男たちはポージング。隆々とした肉体美を惜しげもなく見せつけると、観衆どよめいて写真や動画を撮りまくる。
そんな感じで、色々と圧倒的な存在感で注目を集めるアルパカたちの後方で、静かにほくそ笑むヒーローマスクがあった。
「うんうん、大盛況だね。さすがは”隊長くん”の作戦だ。僕好みの猫耳イケメンもいるし、皆まとめてゲットしちゃおう」
***
「…………えっとね、【暗黒面】っていう組織について聞いたことある?」
ひたすらに疲れた顔で、💠田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は切り出した。
「悪に堕ちたヒーローマスクの集団らしいってことくらいしか私も知らないんだけど、そいつらの活動を予知したの」
出現した【暗黒面】のオブリビオンたちは、イベントを開催して一般人を集め、構成員として勧誘しようと考えているそうだ。罪なき人々を悪の道に引き込もうとするなど許しがたいが……。
「なんかね、……『【暗黒面】のマスクを被ったら筋肉ムキムキになる』って言って勧誘してるのよ」
……何を言っとるんだコイツは。
そんな台詞が聞こえてきそうだった。
「私だってワケ分かんないわよ!? だけど、実際にその勧誘で引き込まれてる一般人がいるんだから仕方ないじゃない!!」
引き込まれるなよ、とツッコみたいが、まあ仕方ない。キマイラフューチャーってそういう世界だしね。
「とにかく! オブリビオンの悪行を見逃すわけにはいかないわ。みんな、討伐に向かってちょうだい」
***
「ちょうど今から勧誘イベントが始まるみたい。現場にテレポートしたら、間を置かず戦闘に移ってもらうことになるわ」
そう言って、ユウナは具体的な行動に関する説明に移った。
「まずは、一般人を勧誘している手下たち、マスクを被ったアルパカ頭の筋肉集団よ。こいつらをぶっ飛ばして、『マスクの力で手に入れた筋肉なんぞ大したことない』と見せつけてほしいの」
ばっちりポージングを決めたマスクド・アルパカたちが敗北するところを見れば、一般人たちも【暗黒面】に惹かれることはなくなるだろう。
そして、勧誘を台無しにしてやったら、次はすでに引き込まれてしまった者たちの救出に移ることになる。
「手下たちを蹴散らしたら、舞台裏からイベントの責任者が乗り出してくるわ。名は『ロード・リップ』、洗脳した一般人に憑依するヒーローマスクよ」
誰かに装備してもらわないと真価を発揮できないため、ロード・リップはこれまで勧誘した一般人を大勢引き連れている。この戦闘の勝利すれば、彼らを筋肉……もとい邪悪から引き戻すことができるはずだ。
また、上記の理由で一般人は敵方にとっても利用価値があるため、危険にさらされる心配はないものとする。
「それでオブリビオンは一掃できる、はずなんだけど……」
説明は終わりのようだったが、ユウナは浮かない表情だった。
何かが引っかかっているらしい。
「私の予知では捕捉できなかったんだけど、このイベントには裏方がいる気がするのよね。首謀者というか企画立案者というか……。もしかしたら、他にもオブリビオンが潜んでいて乱入してくる可能性があるわ。勝利した後も油断はしないようにしてね」
こんなワケの分からない勧誘で一定の成功を収めているのだ。首謀者がいるとすれば、よほど尖った感性の持ち主なのだろう。勘の鋭さに関しては、猟兵たちのそれを遥かに凌駕しているのかもしれない。
「私から伝えるべきことは、これで全部よ。いろいろ思うところはあるかもしれないけど、オブリビオンとの戦闘に危険は付き物。まあ頑張ってね」
どうにも緊張感に欠けたまま、ユウナはグリモアを展開して猟兵たちを送り出すのだった。
黒姫小旅
どうも、黒姫小旅でございます。
此度のシナリオは純戦闘、あんまり深く考える気がないので、ギャグ風味となる模様です。
●一章 集団戦『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
基本的に、一対一を想定しています。ご希望があればプレイングにてどうぞ。
ポージングしたまま微動だにしませんので、お好みでサンドバッグにしてやってください。
一応は観衆がいるから、グロいのはやめてね。
●二章
猫耳イケメンが大好きな闇堕ちヒーローマスクです。
筋肉で誘惑した一般人を装備品あつかいで大勢引き連れてます。
シリアス展開は期待しないでください。
●三章
筋肉イベントの首謀者。知恵者です。
マジメ度は一番高いです。
第1章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
|
POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
私の世界で暴れるの
やめてもらえます???
しっかし観客がいるのかあ……
いようがいまいがやること変わんないけどね
UC発動
【早業、投擲】組み合わせて素早く縛り上げますよー
足元狙って転倒させてみましょうか?
そこそこ上手く行くと思います
私の普段の攻撃って、敵の攻撃ありきだからなあ
ええい、ままよ
筋肉の中でも脆弱な部分を【第六感】で【見切り】、そこに一撃入れましょう。
万が一攻撃されるなら【武器受け】から【カウンター】
【オーラ防御】で防ぎますね?
許されるなら耳元で【歌唱】の【衝撃波】ぶっぱなしますが?
こんな筋肉あってもいみねーよ!
ということで観客をたぶらかせませんかね【コミュ力】
●
マスクを被ったアルパカブラザーズたちが惜しげもなく肉体美を見せつけているステージに、一人の少女が上がった。
「私の世界で暴れるの、やめてもらえます?」
『む、猟兵か!?』
オレンジの瞳に静かな怒りを湛える鈴木・志乃(ブラック・f12101)に対し、マスクドなアルパカたちは即座に反応する。
『イベントの邪魔はさせん! 俺が相手だ!』
集団のうちの一体が志乃の前へと飛び出と、洗練された筋肉を誇示するポージングを放った。
『我が腹直筋を見よォ!!』
「……って、攻撃して来ないんですね?」
普段はカウンターを狙った後の先スタイルな志乃。ただひたすらに、オイルを塗りたくったむくつけき肉体を見せつけてくるアルパカに困惑している様子だ。
『フハハハハハ! どうだ、手も足も出まい!!』
手も足も出さずにポーズを決めながら、アルパカは勝ち誇ったように高笑いする。
しかし、志乃は挫けない。覚悟を決めて、ええいままよと踏み出した。
「セッ!」
放たれる貫き手。
見事に割れたシックスパックの、その割れ目に揃え四指が突き刺さった。
『ヌファ!?』
どんなに硬い筋肉の壁も、隙間に差し込まれれば弱いもの。内臓を穿つ衝撃に、アルパカの額に脂汗が浮かぶ。
それで終わりではなかった。姿勢を崩した敵の足首に光の鎖を巻き付け、思い切り引っ張る。たまらず転倒したアルパカの耳元に、そっと顔を近づけて――
「わあああぁぁぁぁぁっっ!!!」
大絶叫。
劇団員として鍛え上げた圧倒的声量は質量を持った殴打に等しく、アルパカの仮面を撥ね飛ばし鼓膜を突き破る。
「こんな筋肉あってもいみねーよ!」
耳から血を噴いて撃沈するアルパカを捨てて志乃が高らかに言い放つと、観客から大きな声援と拍手が起こった。
成功
🔵🔵🔴
三上・チモシー
おぉー、あれがアルパカマッスルブラザーズ……
筋肉すごーい!
触らせてー!触らせてー!
写真撮らせてー♪
怪人が許可してくれたら、近付いて筋肉触ったり、スマホで【撮影】
さらに映える写真を目指し、【グラップル】【怪力】で怪人をなんとか片手で持ち上げて2ショット撮影
ヤバい、すごくいい写真が撮れそうな予感!
撮影がおわったらちゃんと床に下ろしてお礼を
アルパカマッスルさん、ありがとー!
お礼のお菓子だよ、どうぞ召し上がれ
『甘糖充実』でキャンディをたくさん降らせるよ
●
「おぉー、あれが噂の……」
生で見る筋肉アルパカたちに、三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)は打ち震えて、駆けだした。
「筋肉すごーい! 触らせてー触らせてー!」
満面の笑み。おめめキラッキラである。
駆け寄ってくる可憐な和風美少女(?)に、アルパカもまんざらではない様子。
「ねーねー、触っていい? 写真撮ってもいい?」
『ハッハッハ、もちろんだとも愛らしいお嬢さん』
『……おい、コイツ男じゃないか?』
『バッキャロー、むしろそこいいじゃねーか』
大胸筋を触らせたり、丸太のような腕にぶら下げてやったり。相手が猟兵だとかお構いなしで、デレデレとファンサービスに応じる。
筋肉ダルマと戯れる美少女(男)。すばらしい。周囲でカメラを構えている観客たちのボルテージも否応なく上がっていく。
『どうだい、満足してくれたかな?』
「いいや、まだだよ!」
一通り触れ合あって、チモシーはなおも“映え”を求める。
アルパカの隆々たる大腿四頭筋に片腕を回すと、なんと右腕一本で持ち上げた。
『ぬ、おおお!? なんという怪力!』
「早く、撮って撮って!」
狼狽するアルパカをよそに、チモシーは近くにいた他のアルパカにスマホを差し出して写真を撮ってもらう。
いい画が撮れた。これはバズる。
「アルパカマッスルさん、ありがとー!」
ゆっくりとアルパカを下ろして、笑顔満面で感謝を述べると、天から何かが降ってきてアルパカの頭にコツリ。
『む、雨? ……ではなくて飴かァァァッ!!?』
それは、カラフルな包装紙に包まれたキャンディだった。
数えきれないほどのキャンディがどこからとなく降り注ぎ、アルパカの姿はあっという間に見えなくなってしまう。
「お礼のお菓子だよ、どうぞ召し上がれ」
片手だけを突き出した状態でキャンディの山に埋もれたアルパカに、チモシーは無邪気にほほ笑んだ。
苦戦
🔵🔴🔴
カイジ・レッドソウル
「天獄の雷始動」
ポージングを決めているオブリビオンに攻撃
相手の肌も、髪?も焦がしてます
尻の雷炎はそのままに
「微動ダニ、動カズカ」
「ソモソモ、ますくヲツケテ筋肉ガツク事ガあり得ない」
マスクつけて筋肉質と指摘された際は
「本機ハ機械デ、全身人工物ダ。ハジメカラそう出来テイル」
「・・・ソウダ、機械故ニ機能モ追加デキル」
そう言って怪人をお姫様だっこしたまま
「太陽の馬車発動」
相手を電気に感電させつつ3200km/hの速度で飛び回り高い所から落とします
「おぶりびおん排除完了。次ノおぶりびおん排除ニ向カウ」
感情無く淡々と行う様は畏怖を感じるかもしれないが、機械の特有の格好良さを感じて欲しい
あどりぶ共闘歓迎
●
Bzzzz!!
『ぐわあああああ!?』
放たれた雷撃が、ムキムキに黒光りする肌とかフッサフサのたてがみとかを焼き焦がした。
『うぅ……何者だ!?』
煙を上げるアルパカの前に現れたのは、まばゆい電光を纏ったフルフェイスの巨漢、カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)。
説明しよう!
カイジは体から高圧電流を放ち、あらゆるものを意のままに燃やすことができるのだ。ただし、雷炎は尻から出るぞ。
「ソモソモ、オ前タチノ論理ニハ重大ナル欠陥ガアル」
アルパカを見下して、カイジは開口一番に言い放った。
「ますくヲツケテ筋肉ガツク事ガあり得ない」
『な、なんだとぉぉぉっ!!?』
アルパカは愕然とした。
『ば、馬鹿なことを言うな! 貴様だって覆面でムキムキじゃないか!』
『そうだ! マスク=マッスルの方程式は少しも崩れていないぞ!』
アルパカは必死で反論。後方の仲間たちも野次を飛ばすが……
「本機ハ機械デ、全身人工物ダ。ハジメカラそう出来テイル」
『な、なんだってぇぇぇぇ!?』
すげなく返り討ちにされて、アルパカは膝をついて項垂れた。
『それほどの筋肉を、マスクなしで手にいれたというのか』
「サラにハ、機械故ニ機能モ追加デキル」
その一端を見せてやろう、とカイジはうちひしがれるアルパカを抱き上げる。
「――太陽の馬車発動」
全身に電気を纏い飛翔した。
小一時間で日本列島を縦断できそうな猛スピードで天を駆ける感覚に、アルパカは息を呑む。
『こ、これが機械の力か……!』
「ソウダ」
驚く仮面アルパカとカイジの視線が交わる。二人の間に何か通じるものが……――ポロリ。
『ポロリ?』
気付くとアルパカ、単独ではるか後方に取り残さている。すなわち、何の支えもなく宙に浮いてるわけで……
『ノオオオォォォォォォォ!!?』
「……おぶりびおん排除完了」
ドップラー効果で悲鳴を引き延ばしながら地表へと落下していくアルパカを、カイジは振り返りもせずに天空を走り去った。
大成功
🔵🔵🔵
ラザロ・マリーノ
まあ確かに筋肉は重要だけど筋肉だけあってもなぁ。
筋肉を上手く動かすため神経系や、体に酸素を送り込むための心肺機能も鍛えないと、単に体がデカいだけの奴になっちまうぞ。
って言われてもピンと来ねえだろ。
だから今から見せてやるよ。
UC「極限の領域」を発動。
【怪力】【ダッシュ】【ジャンプ】【スライディング】【クライミング】を駆使して派手なアクションを見せた後は、
ジャイアントスイングやフランケンシュタイナー等の派手な技で、アルパカマッスル達をぶん投げるぜ!
筋肉だけじゃあ、こんなことはできねえだろ。
※アドリブ・連携歓迎
●
百万歩譲って、マスクはいいとしよう。
「けど、筋肉だけ増えてもなぁ」
ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)は竜鱗におおわれた顔をしかめた。
確かに筋肉はあるに越したことはない。とはいえ、他にも重要なものはたくさんある。
「いいか、例えば……」
『聞く耳もたん!』
「持てよ! ってか早えよ!?」
なんか小難しいお話になると察した瞬間に耳を塞ぐアルパカ。
「……ったく、仕方ねえな。今から実演してやっから、よく見とけよ!」
ため息ひとつ吐いて、ラザロはおもむろにユーベルコートを発動した。
――心理的リミッター解除。生理的リミッター解除。ドラゴンオーラ、オーバーフロー。
「いくぜ! 俺の全開!!」
次の瞬間には、ラザロは【極限の領域】にあった。
常識を超えた速度で瞬発するとスライディング。地面を焦がしながら滑り、オブリビオンたちが設置していた客寄せの幟旗をスルスルと登っていったかと思えば、旗から旗へと飛び移る。
見た目は巨大なトカゲ男であるが、その身のこなしは飛猿のごとし。
ド派手なアクションで観衆を沸かせ、ラザロはフィニッシュとばかりに跳躍した。敵へと飛びかかると脚でアルパカ頭を挟み、体全体で勢いをつけてぶん投げる。
フランケンシュタイナー!
大技が決まり、会場はスタンディングオベーションに包まれた。
「どうだい、筋肉だけじゃあ、こんなことはできねえだろ」
『ぐぬ……このような魅せ方があったというのか』
未知の次元のパフォーマンスを見せつけられ、アルパカは悔しげに唸って力尽きたのだった。
成功
🔵🔵🔴
片瀬・栞
なんかちょう暑苦しいんだけど!
うわあ、なんかキモ。ちゃちゃっとやっつけちゃおう!
>行動
【POW】共闘、アレンジ歓迎。
懐の戦術端末JBから武器を取り出すよ!
栞「JB!ぎざぎざ!」
JB『Reary?(いいのかよ?)』
デカくて凄い威嚇音の轟音を立てるチェーンソー取り出し。
ん?と小首を傾げ、観客見て。
「…あ、そっか。グロいの駄目ね。オッケー了解。JB、とげとげ!」
『Bandersnatch stand by….(これでも十分…いや了解)』
鎖付き棘鉄球出して顔面のマスクにぶつけていくよ。ごしゃっと。
UC【従属種吸血鬼の残滓】で棘鉄球投げる瞬間に【怪力】付与しておこう。
大丈夫グロくない。エグいけど。
●
『ば、馬鹿な……マスクなど無意味だというのか』
『俺たちの筋肉が無力だったなんて……』
『諦めるな兄弟たち! 俺たちは間違ってなどいない!』
「あのさ、もう正しいとか何とかは置いといてさ……」
立て続けの敗北で打ちひしがれる仲間たちを必死で励ますアルパカ。そんな彼らに、片瀬・栞(白蓮天弓・f17024)が物申した。
「ちょう暑苦しいんだけど。ってかなんかキモい」
『グホァッ!?』
花も恥じらう乙女からマジなトーンで言われて傷つくアルパカ。のっけから重傷だが、しかし彼は挫けない。
力こぶを隆起させ、強靭なる上腕二頭筋をアピールする。
『我が筋肉は不滅だーっ!』
「だから、そういうとこなんだけど……もういいや、ちゃちゃっとやっつけちゃおう」
これ以上は直視するのがつらい、と栞はスマホ型戦術端末<JB>を懐から取り出して構えた。
「JB! ぎざぎざ!」
『……Reary? (いいのかよ?)』
JB、ちょっと困惑しながらも異空間から武器を召喚した。武器名<ぎざぎざ>。種別はチェーンソー剣である。
『ま、待て待て少女よ』
Vrooooom!! と唸るエンジン音に、アルパカはポージングを維持したまま後ずさった。
『良い子も見ているのだ。そういうグロいのはやめなさい』
「ん? ……あ、そっか。観客いるもんね。オッケー了解。JB、とげとげ!」
栞は納得、JBを操作して武器を交換した。名称<とげとげ>。鎖に繋がれた棘鉄球、いわゆるモーニングスターってやつである。
「これならグロくないでしょ。エグいけど」
『いや、十分ヒドぃエャあッ!?』
ツッコミもむなしく、人間離れした怪力で投擲された棘球がアルパカの顔面にクリーンヒット。ごしゃっ、と人体が発してはいけない音を立ててぶっ飛ばした。
仮面があっても即死だったが、ギリギリ放送できる程度には抑えることができたという。
成功
🔵🔵🔴
月守・咲凛
アルパカさんの前までトコトコ歩いて行って、相手と同じポーズをふにょん、とやってみるのです。……きんにくはありませんけど。
色々なポーズを取るアルパカさんの真似をしていって、アルパカさんが勝ち誇った所で
「うーん、やっぱり良くわかりません」
何か意味があるポーズなのかと思ったのですけど、やってみてもよく分からないのです。
とりあえず、きんにくよりは武装ユニットの方が強い事を証明しなければなのです。ガチャンガチャンと武装ユニットをフルオープン。真っ黒焦げにしてあげましょう。
安心してください、全身くまなく蜂の巣ですけど、峰撃ちです。
●
トコトコ、ちんまいエルフ――月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)が、アルパカの前まで歩いてきてコテンと首を傾げた。かわいい。
「良くわからないけど、やってみるです」
『我とポージングで競おうというのか、面白い!』
プリティーな容姿に惑わされることなく、アルパカはポージング。アブドミナル・アンド・サイを決めた。
咲凛は見よう見真似で、両手を頭の後ろに回し胸を張ってみる。どっかわいい。
『フンヌゥ!』
「ふにゅう!」
続けてサイド・トライセップス。
バキッと決めるアルパカの真似をして、咲凛も腰の後ろで腕を組みながら横を向く。どちゃくそかわいい。
『フハハハ、そんなヤワな肉体で我と張り合おうなど、百年早いわ! なあ、観客諸君!』
ふにゃんとした咲凛のポージングをアルパカは嘲笑うが――
「かわいい!!」「こっち向いてー!!」
『ば、馬鹿な!?』
観客たちは、分かってないなりにボディビルの真似ごとをする6才女児にメロメロだ。
敗北感にうちひしがれるアルパカの心情を理解しているのかいないのか。咲凛は一言。
「やってみたけど、良くわかりませんでした。……こうなったら実力行使です」
『それ、どっちかというと我の台詞じゃないか!?』
「なんとしても、きんにくより武装ユニットの方が強い事を証明しなくては」
アルパカのツッコミをよそに、咲凛はガシャンガシャンと武装ユニットを展開に展開した。その数、なんと十種類。すごい。
「安心してください」
『銃口突き付けながらの台詞じゃない!?』
「全身くまなく蜂の巣ですけど、峰撃ちですから」
『峰打ちの意味ィィィィッ!!?』
絶叫しながら、アルパカはレーザーやら弾丸やらミサイルやらの集中砲火を浴びて消し炭と化したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』』
|
POW : 魂を蝕む触手の群れ
【暗黒面 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【蠢く蒼の触手のかたまり】から、高命中力の【魂を蝕む触手の一撃】を飛ばす。
SPD : シンクロ・ザ・ネメシス
【暗黒面の感情で塗潰す事により支配した 】【一般人のイケメンな猫耳キマイラ男子の体に】【斬裂の支配者 ロード・リッパーの身体能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 次はどんな子にしようかなぁ?猫耳は外せないよね。
対象のユーベルコードに対し【支配していたイケメンな猫耳キマイラ 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:夜月蓮華
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ティアー・ロード」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵たちの活躍により、マスクドなアルパカマッスルたちは一掃された。
「やっぱり筋肉だけじゃダメだよな」「男の娘かわいい」「ロボっていいよね」「幼女さいこー」
好き勝手言う観客たちは、もはや仮面筋肉など歯牙にもかけない。
『猟兵どもめ、よくもやってくれたな!』
裏方から様子を見ていたヒーローマスクが、怒りをあらわに飛び出してきた。『斬裂の支配者』の二つ名を有する邪悪な仮面、ロードリップである。
『僕たちのイベントを台無しにしたこと、後悔させてやる! こい、お前たち!』
ロードリップが一声かけると、すでにオブリビオンに洗脳されてしまった一般人たちが集まってきた。
その中の一人、猫耳を生やしたキマイラの青年が進み出ると、悪のヒーローマスクを恭しく手に取って自身の顔に取り付ける。
「うおおおお、筋肉がみなぎってくるぅぅぅ!!」
オブリビオンの仮面を装備したことで、青年は打ち震えた。
そして、一般人の青年の顔に取り付いたロードリップもまた身を震わせ――
『ぶぉ!!』
鼻血を噴き出した。
一般人の体を支配するユーベルコード、その代償の流血である。ただし鼻から出る。
『……やば、さっそくドストライクな猫耳イケメン』
なんか一人で興奮してるが、放置してはいけない。
このオブリビオンを倒せば、きっと洗脳されている一般人も取り戻すことができるだろう。
戦え、猟兵たちよ。仮面と筋肉の魅力に誑かされた人々を救い出すのだ。
片瀬・栞
へんたいだー!じゃないたいへんだー!
と言うかその代償も一般人のお兄さんのだよね。
出血がへんたいじゃなくたいへんになる前に引きはがさないと。
>行動
【POW】共闘、アレンジ歓迎
あたしは前衛。…とはいえ、どうしようか
一般人だからとげとげもぎざぎざも駄目よね
ま、いっか。適当に!
【ダッシュ】【スライディング】【ジャンプ】で攪乱に徹する。
「フラッシュバン!あとアレ!」
『Ready.(はいよ)』
フラッシュバン投擲で【目潰し】
その後一般人込みで仮面ごとハリセンで【気絶攻撃】で殴打
触手の一撃はUC【フェイタルヴァイト】
チェーンソーを当て斬り飛ばすよ
「JB!ぎざぎざ!フルパワー!」
『Zapper!(叩っ斬れ!)』
●
【シンクロ・ザ・ネメシス】
一般人にオブリビオンの身体能力を付与する代わりに自身は流血(鼻から)の代償を受ける、闇のヒーローマスクが持つユーベルコードである。
「というかさ、その血って一般人のお兄さんのだよね?」
『……え?』
片瀬・栞(白蓮天弓・f17024)の指摘に、さっそく固まるロードリップ。
言われてみればそうかもしれない。ってか、ヒーローマスクの体に血液は流れてるんだろうか?
『あ、でもそれいいなぁ。イケメンの鼻血が僕の体を通して外にどびゅってなるの』
何か思考が毒されてるが、これもユーベルコードの代償かもしれない。
「思った以上にへんたいだー!? これ以上へんたい……じゃなくて大変になる前に引きはがさないと!」
戦慄しながら、栞は駆け出した。
ロードリップが召喚したうごめく触手に対し、棘鉄球をチェーンソーに持ち替えて応戦する。
ダン! と力強い踏み込みから、遠心力を込めて横薙ぎ。
高速回転する円刃が触手を粉砕し、返す刀で血煙もろとも吹き飛ばして、さらにもう一手。
「JB、アレ!」
『Ready.(はいよ)』
栞の声に、懐の戦術端末が即応した。再度の武器変更、チェーンソーからハリセンに。
スパーン!
活殺自在の一撃が顔面に炸裂。
『ぬあ――ッ!?』
衝撃で、邪悪な仮面は猫耳イケメンの顔から引っぺがされて吹っ飛んでいった。
大成功
🔵🔵🔵
三上・チモシー
真の姿を開放
頭に付いた蓋が無くなり、猫耳・猫しっぽが生える
ネコミミ男子ならここにもいるぞー!(12歳・女装)
【地形の利用】を活用してベストなポジションに陣取り、かわいくポージングして敵、誘惑された一般人、ギャラリー、そしてその辺にいるかもしれない野良猫たちに全力アピール
(´pゝω・)ニャン☆
それで敵が興味を持って近寄ってくれればよし、無視されたらされたでギャラリーへのアピールを続けつつ【見切り】で攻撃をできるだけ避けて接近
仮面をはがせそうなら、はがして仮面だけを攻撃
喰らえ、必殺・ねこぱーんち!(灰燼拳)
アドリブ・連携歓迎
カイジ・レッドソウル
アドリブ、共闘歓迎
「・・・・・、戦闘開始」
一瞬思考停止するが直切り替え【天獄の雷】を打ち込む
これでPOWの攻撃を受けた場合は左手にオーラブレードを展開して【オーラ防御】
敵に対して右手の呪剣とテイルブレードを展開
【怪力】【2回攻撃】【なぎ払い】【串刺し】【マヒ攻撃】【鎧無視攻撃】【生命吸収】など用いてボスを攻撃
操られてるキマイラたちには
「スマナイガ・・・・」
と【マヒ攻撃】【気絶攻撃】でなるべき怪我しないように対処していきます
「・・・ヤハリきまいらふゅーちゃーノおぶりびおん、常識ニハ当テハマライナ」
ラザロ・マリーノ
マスクと筋肉って全然関係ないよなと思ってたが、ただの性癖だったのか。
ちょっと引くわ。
いや、だいぶ引くわ。
まあでも、放置するとイケメン猫耳キマイラ男子がひどい目に遭いそうだからやるしかないか。
あんまり触りたくねえけど。
真の姿を開放(体格が一回り大きくなり、牙・角・翼が生えて、よりドラゴンに近い外見に)。
【ダッシュ】で一気に距離を詰めて、【怪力】でUC「雷神の槌」をマスクに叩き込むぜ。
ひょっとして暗黒面ってのも、なんかのフェチズムの話なのか?
※アドリブ・連携歓迎
月守・咲凛
SPDで行動、連携アドリブ問題ありません。
飛んで行ったマスクに反応できるかな?
アジサイユニットを飛ばして、飛んで行ったマスクが他の人に取り付く前にベシーンと叩き落としてしまいましょう。
パンチです!キックです!ガトリング砲です!ビームチェーンソーです!
とりあえずフルボッコにしてやりましょう。
「……これで生きてるの、ちょっとすごいのです」
●
猫耳イケメンに装着されて興奮しているヤバいヒーローマスク。控え目に言っても、こう、何というか……
「ちょっと引くわ。いや、だいぶ引くわ」
「……ヤハリきまいらふゅーちゃーノおぶりびおん、常識ニハ当テハマライナ」
ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)および、カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)が世をはかなむような目をしているが、やむを得ないよねぇ。
「まあでも、本体が剥がれた今がチャンスだしな。やるしかないか」
「……、戦闘開始」
逃避しがちな思考を切り替えて現実を直視。猟兵たちは変態……もといオブリビオン戦へと向き合った。
まず動いたのはカイジだ。
『次のイケメン、カモン!』
「待テ!」
ロードリップが次なる宿主を求めて飛翔するのを先回り。左手に展開した緋色の光刃でもって行く手を遮る。
『む! なんだよ、猫耳じゃない男に用はないんだからね!』
「――呪剣アオス・シュテルベン及ビ、テイブレード展開。【天獄の雷】始動」
敵の言には耳を貸さず、カイジは右手と背面からもそれぞれ刃を展開し、高圧電流を放ちながら打ちかかった。
雷炎まとう三刀流が、ロードリップの召喚する蒼き触手を斬り刻み焼き尽くしていく
「ロードリップ様!」「おい、やめろ!?」
洗脳された一般人が飛び出してきた。
いじましくもオブリビオンを救わんがため殴りかかるが、ユーベルコードによる強化も受けていない単なる猫耳イケメンたちは、灼熱の雷電をまとうカイジには近寄ることさえできない。
そんな彼らに何を思うか、ウォーマシンは黙したままに刃を向ける。
Bzzzzz!
「……峰打チ、ダ」
念のために言っておくが、自称みねうちな全火器開放ではない。
やや電圧を落とした一打で、カイジは迅速かつ確実に一般人たちの意識を刈り取っていった。
***
さて、一般人に憑りつく間すら与えられないロードリップは、どうしたものかと空中をさまよっている。
その時だった。
「ネコミミ男子をお探しかい?」
三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)が、秘められていた真の姿を解放した。
普段のチモシーが頭にかぶっている南部鉄瓶の蓋が消失し、代わりにトラ模様の猫耳と尻尾が生えてくる。
猫耳&猫尻尾、和風テイスト女装男子(12)という理想形に変身したチモシーは、照明の角度、ギャラリーの配置等々を瞬時に見抜いてすばやくポジショニングすると、その場に集まった全ての人々、あとそこら辺の野良猫たちに向かって全力の可愛いポーズを放った。
「ニャン☆」
すばらしい。すばらしいが、どんなに腐っていようが相手はオブリビオン。そんなものが通用すると思うか?
『ヒャッホー、君かわうぃーね! ちょっと僕のこと被ってみない?』
はい、むっちゃ釣られました。
ビューンと飛んでくる仮面に、おいでおいでと招き猫。そして、喜色満面で顔面に張り付こうとした、その瞬間。
「喰らえ、必殺・ねこぱーんち!」
『ブッ!?』
えぐるようなアッパーカットが、仮面の顎を捉えた。
『は、謀ったなぁぁぁぁぁぁっっ!?』
またまた吹っ飛んでいくロードリップに向かって、チモシーはニッコリ微笑み、
「ニャン!」
もう一回ポージング。あざと可愛い。
***
『ぬおおおぉぉぉぉ!?』
ロードリップが吹っ飛んでいく先に待ち構えていたのはトカゲ風のドラゴニアン、ラザロだ。
「あんま触りたくねえけど、放置して被害を増やすわけにもいかねえ。やってやるぜ!」
と、彼もまた真の姿を解き放つ。
元より大きかった体躯が、さらに巨大化。牙が口からはみ出るほどに伸び、長い角とコウモリのごとき翼が生えてくる。
それを見て、もはや彼をトカゲと呼ぶ者はいないだろう。偉大なる魔獣、ドラゴンと呼ぶにふさわしい姿だ。
「風より速いこの拳。お前に見切れるか!」
飛んでくる悪の仮面に向けて、渾身の竜拳。
ただ速い。ひたすらに重い。単純にして明快、最大にして最強の一撃がロードリップを捉えた。
――ボッ!
大気もろともぶち抜く豪速拳が、オブリビオンを空の彼方へと殴り飛ばした。
***
『うわああぁぁぁ!?』
今日だけで三度目、宙を舞うロードリップ。
ガツン!
突如、その体が何かに弾かれた。
『こ、ここ今度は何なんだよォォォ!?』
見れば、いつの間にか空中には丸鋸のような円盤型ユニットが無数に展開されていた。ロードリップは円盤から円盤へ、ピンボールの玉みたいな不規則軌道で弾き飛ばされていく。
その終着点では、背中の機甲翼や四肢の重力制御ユニットなどを用いて飛行していた月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)がお出迎えだ。
「とりあえずフルボッコです。……これで生きてたら、ちょっとすごいですよ」
『……頑張るから、ちょっと殺意を減らしてくんない?』
「だめです」
怒涛の連撃が始まった。
咲凛のパンチ、ついでに腕部兵装からガトリングやらキャノン砲をぶっ放す。
咲凛のキック、ついでに脚部兵装から誘導ミサイルを乱射する。
さらにビームチェーンソーだったり火線砲だったり、ありったけの武装がオブリビオンへと殺到した。
ヒーローマスクの小さな体は、あっという間に閃光と爆炎に飲み込まれる。
永遠のような、ほんの一瞬のような集中砲火が過ぎ去ったあと、ボロ布みたいになったロードリップはヒョロヒョロと力なく風に流されて地面に落ちた。
『ぅ……もっと、たくさんのイケメンに被ってもらいたかった』
その一言を遺して暗黒の仮面は力尽き、灰塵へと崩れ去ったのだった。
成功
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第3章 ボス戦
『翡翠葛』
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POW : 蹂躙せし牙デルフィニウム
自身の身長の2倍の【牙を持つ、仮面を被った巨大怪獣】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD : 狂い躍るロベリア
見えない【高性能トラップを展開、誘導するよう攻撃】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : 蒼き閃光ブルースター
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【その強化版で攻撃、追撃の蒼い閃光】が出現してそれを180秒封じる。
イラスト:佐倉弥美
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
オブリビオンは全滅。洗脳されていた一般人も、とりあえず気絶させて回収できたし、これにて一件落着。
……そう思った時だった。
『さすがだな、猟兵ども』
不意に声がして、物陰から一人の少女が姿を現した。
『私の考案した”マスクをつけてマッスルになろう”作戦を台無しにするとは大したものだ。それだけでなく、マスクドアルパカたちはまだしも、斬裂の支配者ロード・リッパーを討伐するとは』
称賛の言葉を口にしながら、少女は近寄ってくる。
その歩く姿は無造作なようでいて、歴戦の兵士のごとく一片の隙も見当たらない。
『ここまでされて礼の一つもせずに帰ったのでは、恰好がつかない。少しばかり付き合ってもらうぞ。 ――――部隊長、翡翠葛。参る!』
片瀬・栞
いや、マッスルにしてどーするのよ…(一先ずツッコミいれた
筋肉スキーなのかしらん。いや、まぁ人の好みは人それぞれだけど。
ともあれ、黒幕と言うのなら逃がさない方が良いよね
またどこかでムキムキされても困るし。
>行動
【POW】共闘、アレンジ歓迎。
あたしは前衛。武器はサブマシンガンね。中近距離で【ゼロ距離射撃】。
両手で撃ちまくって相手を牽制し続けよう。
リロードはJBにお任せ。
一旦収納して装填済のサブマシンガンを再度取り出して撃ちまくる。
巨大怪獣はなんか見るからに仮面が弱点っぽく見えるから
仮面に射撃を集中させるよ。
UC【エアリアルステップ】で【ジャンプ】して
頭部に【ゼロ距離射撃】を撃ち込む。
月守・咲凛
SPDで戦闘、アドリブ連携OKです。
参る、とかかっこつけても誤魔化されないのですよ。そもそも何でこんな変な事を考案したのですか!
ツッコミを入れざるを得ないのですよ。
動揺するようなら諭す感じに、しないなら強硬に、変ですよを突きつけてあげるのです。
戦闘は普通に、飛びながらの射撃戦です。火線砲の偏差射撃で地道にダメージを与えていきましょう。
トラップに引っかかる事には定評があったりなかったりするので引っかかってしまいそうですけど、電撃みたいな身体までダメージが通る物は痛みに耐性はないので無力化されそうです。
どうにか脱出できたら怒りの全弾発射で攻撃しましょう。
ラザロ・マリーノ
部下は変態だったが、上司はかなりデキるみてえだな。
と一瞬思ったんだが、この作戦を考えたのはアンタなのか…。
まあ、センスはさておき戦闘能力は並じゃねえだろうな。
本気でやる必要がありそうだ。
まず、真の姿を開放と同時に、UC「血脈の証」を発動。完全なドラゴンに変化する。
敵の攻撃は【オーラ防御】【激痛耐性】で受けとめて、炎【属性攻撃】と【衝撃波】付きの牙・爪・尻尾を【怪力】【なぎ払い】で叩き込むぜ。
ご自慢の…かどうかは知らねえが、そのサングラスごと叩き潰してやるよ!
あと、部下はもう少し選んだ方がいいぞ!!
※アドリブ・連携歓迎
●
「いや、マッスルにしてどーするのよ……」
「まったくです」
何はともあれ、そこをツッコまずにはいられなかった片瀬・栞(白蓮天弓・f17024)、そして月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)の二名。
「何でこんな変な事を考案したのですか!」
「筋肉スキーなの?」
『いや、そんなことはない。綿密な市場調査と分析を行った結果、一般人を勧誘する上で最も効果的なキャッチコピーがアレだったというだけだ』
実際それなりの成果を上げていたぞ、と胸を張る翡翠葛。
ぶっちゃけ、ただの変態的な趣味趣向だと思っていたラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)などは「マジかぁ……」って気分である。
「どんなセンスしてんだと思ったら、意外と理詰めだったのな」
「いやいや、それっぽく言ってみたって、変なものは変なのです!」
誤魔化されてなるものか、と強硬に主張する咲凛。
まあたしかに変ではあるが、この場合おかしいのはコイツなのかキマイラフューチャー世界の住民たちなのか、どっちなのだろう。
「……ともあれ、黒幕というなら逃がさない方がいいよね」
呆れてばかりもいられない、と栞は気持ちを切り替えた。
「たしかに、何はさておき、本気でやる必要がありそうだ」
ラザロや咲凛も、それぞれ戦闘態勢を取る。
前置きはここまでだ。
***
『――出でよ、蹂躙せし牙デルフィニウム!』
まずは翡翠葛が動いた。仮面をつけた牙獣を召喚し、その背に飛び乗る。
GYAAAAAA!!
咆哮する怪獣に相対するはラザロだ。大いなる翼と角牙を備えたドラゴンへと変じた彼は、【血脈の証】を発動。その巨躯をさらに膨らませ、不滅の炎を纏うと真正面からぶちかます。
炎竜と仮面怪獣。圧倒的質量を持つ双方が、都会のど真ん中で激突した。
鋭い爪牙が、鞭のような尻尾が振るわれるたび、火の粉や衝撃波が周辺の建物を震わせ窓ガラスを軋ませる。
「やるじゃねえか! 部隊長の肩書は伊達じゃねえってか!」
噛みついてくる怪獣の牙をオーラ防御で滑らしながら、ラザロが笑った。見立て通り、オブリビオンの力量は並大抵のものではなく、彼のフルパワーをもってしても押し切ることはできない。
巨獣どうしのぶつかり合いは決め手に欠くまま拮抗する、かに見えた。
「あたしが援護する!」
「任せてください」
と、飛び出してきたのは栞と咲凛だ。
Bratatatatatat!!
栞が両手に構えるサブマシンガンから、咲凛の腕部兵装に内蔵されたガトリング砲から、硝煙とともに吐き出される無数の銃弾が怪獣へと降り注ぐ。
『うっとうしい蠅どもが! ――狂い躍るロベリアよ』
翡翠葛は忌々しそうに舌打ち、周囲に不可視のトラップ群れを展開して援護射撃を止めようとするが、猟兵たちも負けてはいない。
栞は玉兎もかくやという跳躍力で、周囲の建物や客寄せの幟旗、ラザロの竜身、果ては虚空まで足場として蹴りつけて、三次元機動で跳ね回りながら双銃を乱射した。
咲凛も両手両足の輪状ユニットを用いて慣性および重力を制御。機甲翼を広げて急停止や急加速を繰り返し、不規則な飛翔で攪乱しながら火線砲の偏差射撃を行う。
二人の弾幕で敵の集中力を乱し、付け入る隙をこじ開けようとする……が、
「――ぁう!?」
咲凛の背部ウイングスラスターが、透明なワイヤーに引っかかった。
Bzzzzz!
ワイヤーから高圧電流が流し込まれ、幼女の柔肌を焼く。
慌てて栞が助けようとするが、手中の銃が唐突に沈黙する。――弾切れだ。
『もらった!』
すかさず、翡翠葛のトラップが飛んだ。
柔軟かつ強靭なゴムバンドが、二人の体躯を縛り付ける。そのまま一直線、怪獣の口めがけて引き寄せられた。
『獣の餌になれ!』
一瞬の後には噛み砕かれておしまいという危機に瀕して、栞が即応した。
「JB!」
「All ready. (言われなくても)」
空になった銃を手放すや、懐の戦術端末によって新しいサブマシンガンが召喚される。当然、銃弾はフル装填済みだ。
瞬く間もない早業で、ギリギリ間に合った。
少女らを喰い殺さんと大口開けた仮面怪獣の顔面に向けて、全弾ありったけをぶっ放す。
GYAAAAAAAAAA!?
超至近距離からの乱射は、照準を合わせる必要すらなく全弾命中。仮面をハチの巣にされた怪獣は悲鳴を上げてのけぞった。
「やっぱり仮面が弱点だったみたい!」
「よっしゃー! このまま潰してやるぜ!」
栞がトラップの拘束から脱して着地するのに代わり、竜気を立ち上らせてラザロが一気に押し込んだ。地を這う低姿勢からの突進が怪獣の巨躯を浮かし、真後ろにひっくり返す。
そして、栞とは逆にはるか上空へと舞い上がった咲凛が、剥き出しになった巨獣の腹部へと銃口を向けた。
「さっきのお返しです!」
いまだ痺れの残る体の痛みを怒りに変えて、武装ユニット全開放。この一戦が最後となれば、もはや出し惜しみする必要もない。残りの弾丸バッテリー等々、リソースすべてを突っ込んだ一斉発射が怪獣を打ちのめし、爆炎と煙が視界を埋め尽くした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カイジ・レッドソウル
アドリブ共闘歓迎
「・・・部隊長?マダ上ガ居ルノカ?」
疑問ニ思いながらも呪剣、黒剣、テイルブレードを構え
「戦闘開始」
UB太陽の馬車で最高速度でオブリビオンに接近
【串刺し】からのUB【天獄の雷】【マヒ攻撃】
「敵ハ倒ス、ソレガ本機ノ使命ダ」
敵と判断したなら倒す機械らしく淡々と行う姿は【恐怖を与える】
POW、WI Z対策としてはUBではなく
【怪力】深く【串刺し】【傷口をえぐる】
【生命吸収】でダメージを軽減
味方は【かばう】
三上・チモシー
猫耳男子好きの敵がいなくなったので、元の姿に
※鉄瓶の蓋(が付いた猫)はその辺で遊んでたので回収しました
あの人がこの筋肉イベント考えたんだね
楽しいイベントありがとー。いい写真撮れたよ!
怪獣だー! すごいすごーい、かっこいー!
怪獣も仮面被ってるんだね。おしゃれー
すごい牙だね、咬みついて攻撃するのかな? じゃあ、口のあたりを狙って【熱湯注意】でお湯かけちゃおう
それで怯んだ隙に怪獣の尻尾を掴んで、【怪力】で思いっきり引っ張って転倒させるよ
あ、折角だから怪獣の写真撮っておこうっと
アドリブ・連携歓迎
●
一方その頃、三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)はというと。
「ほら、戻っておいで。にゃんにゃーん」
猫耳男子萌えなロードリップが退場してしまったので、真の姿を解除していた。猫の耳と尻尾を収納し、その辺で遊んでた黒猫を呼び寄せると鉄瓶の蓋に戻して帽子代わりに頭に乗せる。
そうして一息ついたところで、改めて乱入してきたオブリビオンへと向き直ったチモシーは、目を見開いた
「怪獣だー!」
ドラゴンvs仮面怪獣。そして周囲を飛び回る少女たち。一大スペクタクルが繰り広げられていた。真正面からぶつかり合う巨体。喰われそうになる少女たち。起死回生の大逆転から、ひっくり返される怪獣。そして爆炎。
「すごいすごーい、かっこいー!」
これを撮らずして何を撮る! とばかりに、チモシーは目を輝かせてシャッターを切りまくる。
GYAAAAAAAAAA!
まさか被写体になっているとは思わない怪獣は、跳ね起きて戦いに戻ろうとするが……
「あ、動いちゃダメ!」
その尻尾をむんずと掴んで引き留めた。
「最後までいい子にしててね」
子供をなだめるような口ぶりとは裏腹に、柔らかそうな細腕からは想像できない怪力でもって引きずり倒す。
地響きを立てて転倒する怪獣。
と、その時だった。
『邪魔をするな!』
怪獣の陰から、翡翠葛が飛び出した。クルリとひとつ宙返りして、尻尾を引っ張るチモシーへと踵落としを見舞う。
とっさに、持っていた鉄瓶で受けた。
南部鉄器の鉄瓶と、オブリビオンの踵がぶつかり合って、澄んだ音を立てる。
「筋肉イベント考えた人だね。楽しいイベントありがとー。いい写真撮れたよ!」
『ふん、お気に召したようで何よりだ!』
立て続けの脚蹴を鉄瓶で防ぎながら、防戦一方のチモシーはしかし悪戯っぽく笑った。
「お礼ってわけじゃないけど、白湯でもどうぞ!」
言うなり、鉄瓶の注ぎ口から煮えたぎる熱湯が噴き出した。
射程23mという、ちょっと想像できない勢いで放たれる水鉄砲が翡翠葛に直撃した。
『熱ッ!? ……いちいちふざけた奴め!』
猫のように身震いして熱湯を振り払い、翡翠葛は苛立ちをあらわにする。
***
ところで、翡翠葛は自身を“部隊長”と名乗った。彼女がいかなる構造の組織に属しているのかは定かでないが、更なる格上が存在するというのだろうか?
そんな疑問がカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)の脳裏をよぎるが、敵方となにがしかの因縁を持つ猟兵でもないかぎり答えられるはずもない。
「……敵ハ倒ス、ソレガ本機ノ使命ダ」
決断したからには、思考は捨て去って瞬時に戦闘モードへと転換。その切り替えの速さ、鮮やかさはウォーマシンならではの強みなのだろう。
「――【太陽の馬車】始動」
電気を纏いて疾走する。
『速いだけで、私を捉えられると思うな!』
音速を遥かに超えるカイジの刺突を、翡翠葛は的確に見切っていた。陽炎が揺らぐようなステップで三剣を紙一重でかわし、カウンターの一撃を叩きこもう――とした瞬間、バチバチッと火花が散った。
『ぐああああッッ!?』
凄まじい電圧で放たれた雷炎が、磁力に引きつけられるように絡みついた。全身を焼く電撃に、翡翠葛はたまらず悲鳴を上げる。
『ば、かな……間違いなく回避したはず…………?』
その場に崩れ落ちた翡翠葛は、自身の体から立ち上る湯気をみて瞬時に理解した。
『水? そうか、さっきの……』
チモシーの放った熱湯によって濡れた体は、通常よりも電気を通しやすくなっていた。そのため、かわしたはずの電撃を誘引してしまったのである。
そして、気付いた時にはすべてが遅かった。
呪剣、黒剣、テイルブレードの三剣が閃く。
黒刃の片手剣による真っ向斬り下ろしは転がって回避され、逆の手から呪剣の刺突が肩をかすめてオブリビオンの魂魄を喰らいて奪い、とどめのテイルブレード。
身をひるがえし、背面に装着した刃が翡翠葛の胸部ど真ん中を刺し貫いた。
「おぶりびおん排除完了」
高揚も感慨も一切なく、ひたすらに淡々と、カイジが刃を引き抜くと、オブリビオンは軽い音を立てて地面へと倒れ伏した。
***
こうして、戦いは終わった。
暗黒面に洗脳されていた一般人たちもすっかり正気に戻って万事解決したかと思われた……が、その後もマスクをつけてマッスルする自撮り画像をSNSに投稿する者が何名も現れたそうだ。
しかし、グリモア猟兵が調査したところオブリビオンの影は一切なく、単純にプチ流行しているだけらしい。キマイラフューチャー、やはり解せぬ。
【END】
大成功
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