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隊商を救え

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●アックス&ウィザーズ
 そこは剣と魔法の西洋風ファンタジー世界。
 文明レベルは地球で言う中世ヨーロッパくらいだろうか?
 魔法があるので一概には言えないが。
 ともあれこの世界の陸の物流は隊商が担っている部分が大きい。
 だが、近年、帝竜の復活が囁かれ、実際にモンスター被害などが増加。
 治安は悪化の一途を辿っている。
 それに伴い当然、隊商の安全も脅かされている。
 無論、商人たちも無策ではなく、冒険者を護衛などに雇っているが……強力なオブリビオンには力不足なのが実情だ。

 そんなご時世の中、それでも隊商は街から街へと移動する。
 これは金を稼ぐ為でもあるし、隊商がもたらす商品を待つ人々の為でもある。

 とある隊商の野営地。
 夜の警備を務める冒険者たち。
 目的地まであと数日であり、ここまで問題なく行程をこなしている為に心なしか弛緩が見える。
「俺、この仕事が終わったらキャロルと結婚するんだ」
「おい、やめろ……ってマジ?」
「マジ」
「馬鹿な、いつの間に……ッ、待て、今、向こうの茂みが動いた」
「何」
 まったりと会話をしていた二人はすぐに得物を構え、注意深く茂みを注視する。

 ガサガサガサ――茂みが揺れる。

 気づかれたことに気づいたのかゴブリン達が続々と出現する。
「敵襲!」
「ゴブリン複数!」
 危急を知らせる冒険者の大声に反応して野営地が俄かに騒がしくなる。
 その間も茂みからはゴブリンが湧き続けていた。

●グリモアベース
 グリモアベースの一角でグリモア猟兵の一人、ステラ・リデルが猟兵達に自身の見た予知を説明する。
 アックス&ウィザーズで隊商がゴブリンの集団に襲われるという内容だ。
 ゴブリンの数は多く、それだけでも隊商を護衛する冒険者たちの戦力を上回る。
 だが、さらに拙い事にゴブリンを率いる上位の存在がいるということだ。
 それはダークエルフ。かなりの使い手で放置しておけば隊商は護衛を含めて全滅。
 積み荷は全て奪われてしまうだろう。
 今回、猟兵達はゴブリンの集団が隊商を襲う寸前に転移する事が出来る。
 上手く立ち回れば、犠牲者なくゴブリンの集団とそれを統率するダークエルフを倒す事が出来るだろう。
「皆さんが首尾よく襲撃者を撃退すれば、隊商の方達は心から労ってくれると思います。
 隊商の積み荷から考えるとドラゴンステーキを振舞ってくれるかもしれませんね」
 勿論、それ目当てと言う訳ではないでしょうが、ご褒美として期待しても良いのではないでしょうか、とステラは続ける。
「それでは、よろしくお願いしますね」


淵賀
 初めまして、淵賀です。
 よろしくお願いしますね。
 以下で今回の依頼をまとめさせてもらいます。

●目的
 ゴブリンの集団を倒して隊商を守る(1章、集団戦。弱いです)
 ゴブリンを統率していたダークエルフとの対決(2章、ボス戦。そこそこ強い)
 隊商からの歓待(3章、日常)

●備考
 初依頼という事もあり、完全に手探りです。
 判定は甘々になるかと思いますが、お手柔らかにお願いできれば幸いです。
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第1章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メイリン・コスモロード
POW判定の行動を行います
他猟兵との絡みや協力も歓迎

ゴブリンですか、数が多いのは厄介ですね。
囲まれない様に注意しながら戦いましょう

私は、飛竜の聖槍を使用して攻撃していきます。
縦に並んだゴブリンには、串刺しで纏めて攻撃。
横に散らばったゴブリンには、範囲攻撃で攻撃します。

敵に囲まれない様、周囲にはよく注意を払いながら
時折、後方にも注意しつつ、不意打ちを受けない様にします。

ゴブリンアタックに対しては、
見切りで回避するように努めますね。
どうしても回避できそうにない場合は、防御して直撃を受けない様、
気を付けておきます。

一緒に協力する仲間がいたら、
声を掛けあうなどして助け合いながら戦います。


サラ・エルミーナ
「この世は弱肉強食って言うけどよ。」
「襲うってことはテメェ等も襲われる覚悟があるって事だよなァ、オイ!」

隊商を襲撃してるって事は奇襲を狙えるって事だな。【クイックドロウ】【先制攻撃】を併用して【アンダーサイド・ブラックボックス】から手持ちの短機関銃を取り出してぶっ放してやる。【視力】や【暗視】を持ってるから少しは命中率は安定するかもな。
ある程度撃ち終わったら拳銃に変えて【2回攻撃】で手数を増やしながら【目潰し】も混ぜて的確に仕留めるぜ。
接近されたら【零距離射撃】で対応、弾切れならば手持ちの【吸血】と【生命力吸収】を備えた日本刀で斬り伏せてやるよ。ゴブリンの血は不味そうだからアタシは御免だがな。



●ゴブリン襲撃
 護衛の冒険者がゴブリンの襲来を直前で気づき、警戒の声を上げる事で辛うじて一方的な襲撃を免れた隊商一行。
 雇われた護衛の冒険者たちが防戦態勢を急いで整えるが。
「一体、何匹いるんだ?」
「野郎共、隊列を組んでやがる……」
 街道沿いの森の茂みから続々と現れるゴブリンはしかし、無軌道に襲い始めず、隊列を組み始める。
「まずいな」
「ああ、統率が取れている」
 ただでさえ、護衛を遥かに上回る数の上に統率の取れた動きを見せるゴブリンに冒険者たちに緊張が走る。
 苦戦は必須、あるいは生き残る事すら難しいかもしれない、と。
 数の不利から隊商側が動けずにいる間にゴブリン達は粛々と攻撃の準備を終える。
 そして、運命の時、ゴブリンが一斉に突撃を開始した瞬間――ゴブリンの軍勢の後方が爆ぜた。

●飛竜の鉾と小さな火薬庫
 隊列を整えるゴブリンの少し後方に突如姿を表した存在が二人。
 グリモアベースより転移してきた猟兵、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)とサラ・エルミーナ(小さな火薬庫・f00610)だ。
「場所、タイミング、バッチリだ。奇襲を狙えるな」
 鋭い眼光でゴブリンを見据えたサラは『アンダーサイド・ブラックボックス』を発動。
 自身の影から短機関銃Bisonを取り出す。
「アタシが先制攻撃を仕掛ける。テメェはその後、突撃する、それで良いかい?」
「ハ、ハイ」
 サラに話しかけられたメイリンが緊張気味に首肯する。
 ゴブリンの大群を前に緊張しているのだろうか? 答えは否だ。
 メイリンはサラに対して緊張している。
 幼くとも達人級の腕を持つメイリンにとってゴブリンは脅威ではない。
 ただ、人前で緊張する事が多く、この時も二人きりと言う状況でその顔が覗かせたのだ。
「……よし、じゃあ仕掛けるぜ」
 そのメイリンの態度にサラは一瞬、訝し気な表情を浮かべるも、メイリンの立ち振る舞いから問題ないと判断。
 攻撃開始の合図をする。

「この世は弱肉強食って言うけどよ。襲うってことはテメェ等も襲われる覚悟があるって事だよなァ、オイ!」
 短機関銃による機銃掃射がゴブリンの群れを襲う!
 月の光が辺りを照らしているとはいえ夜。
 通常なら命中率が下がる状況だがサラの優れた視力と暗視の力は獲物を逃さない。
「まだまだいくぜ、オラオラァ!」
 短機関銃の銃弾が尽きるまでゴブリン達はこの突然の奇襲に、為す術もなくバタバタと倒れていく。

 ゴブリンが大きく崩れたのを機と捉え、短機関銃の銃弾が尽きた瞬間にメイリンが突撃する。
「敵はサラさんの攻撃で混乱しています。今が削り時です!」
 聖なる力を宿した槍、竜槍【ポラリス】を構えてゴブリンの集団に突っ込んだメイリンは当たるを幸いになぎ払い、突き殺す。
 達人の技量を持つメイリンの槍捌きの前にゴブリン達は混乱を立て直すどころか、より混乱を増している。
「私の中に眠る竜の力よ、槍に宿りて敵を貫きなさい!」
 聖なる力を持つ竜槍に竜のオーラを纏わせた絶技―飛竜の聖槍―がゴブリンを容易く貫く。
 竜のオーラは鋭く伸び、何と一撃で五体ものゴブリンを絶命させている。
 メイリンとゴブリンの力量差は圧倒的だ。
(だけど、数が多いのは厄介ですね。囲まれない様に注意しなければ)
 ゴブリンを圧倒しつつも油断せず、周囲の状況をよく見極めて戦うメイリンには既に熟練の戦士の風格があると言えるだろう。
 しかし、混乱の極みにあるとはいえゴブリンは多勢。
 その一部がメイリンを包囲しようと動く。
(包囲される前に突破します!)
 その動きにメイリンが即座に対応しようとした時、後方に移動していたゴブリンの頭が突如として爆ぜる。

「アタシを忘れるんじゃないぜェ」
 そこには赤と黒の二丁拳銃を構えたサラがいた。
「ありがとうございます」
 メイリンは絶妙なタイミングの援護にお礼を良い、サラと合流する。
「ここからは一緒に戦いましょうか?」
「ああ、そうだなァ、背中は任せたぜェ」

 飛竜の鉾と小さな火薬庫によるゴブリンへの蹂躙は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
わたし、この仕事が終わったらドラゴンステーキ食べる…んだ
武器の零刀(未完)は中距離時は鞭、近距離時は両手ナイフに変形させる

それにしても向こう側の奇襲チームは良い連携ですね
基本、わたしはドラゴンスt……隊商の近くで【暗視1】を使いながら防衛
数が多い場合はLest memoryを数本ワザと外し【地形の利用4】して隊列を乱す
風が吹いたり【念動力1】で武器の月虹の瞬きが手元に戻って来たら嬉しい

隊商が安全な場合は【迷彩10】と【目立たない10】で接近して【暗殺100】する
反撃時は【武器受け2】、回避は【残像5】と【ダッシュ5】でかわしたい

さてと、こつこつと数を減らして行きましょう


クーガー・ヴォイテク
「救いを求める声が聞こえたのはここであってるかね?」
敵へと奇襲として"ジャッジメント・クルセイド"を放ったのち隊商を背にする様に立ち回る
基本は"ジャッジメント・クルセイド"による迎撃を行うが
自らを無視して隊商へと向かおうとする相手は、メイスや四肢を持って強引に抑え
傷が目立つ味方がいた場合"生まれながらの光"による治療を施す

「生きてるだけワースってんだ、無理して生き急ぐこともないだろ」

それとなく他の猟兵を壁のように使う


樫倉・巽
俺にとっては戦えると言うことが大事だ
ついでに人を守ると言うだけのこと
もちろん、手は出させないつもりだがな

隊商とゴブリンとの間に位置取り隊商を守りながら【蜥蜴剣術無天流】を使い戦う
最初に威嚇するように想い一撃を放ち隊商からゴブリン達を引き剥がそうとする
ある程度怯ませることができたら無駄なく連撃で流れるようにゴブリン達を倒そうとする
隊商の方に向かうゴブリンがいたときは当てることを重視して足を狙い動きを止めた後でしっかりととどめを刺して周りのゴブリン達を牽制しようとする

「数が多いな、まずは気迫で圧して主導権を握るとするか」

仲間と連携できるなら連携してうまく隊商を守りつつ効率よく敵を倒そうとする



●野営地側
「何が起こっている?」
「誰かがゴブリン共の後ろから襲っているのか?」
 ゴブリンが突撃を開始した瞬間に起こった後方での機銃掃射の銃声。
 そしてゴブリンたちの混乱。
 機関銃の知識のない隊商の冒険者たちにその音の正体は分からなかったが、ゴブリン共に不測の事態が起きていることは理解できた。
「どうする、打って出るか?」
 少し前までは死を覚悟していた彼等だが、ゴブリンの混乱に希望を持つ。
 攻勢に出るべきか――?

●天獄の凶鳥
「やめておいた方が良いと思うよ?」
 突如として聞こえたのんびりとした声に冒険者たちが振り返る。
 そこにはハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)が立っていた。
「誰だ」「いつの間に」「どこから」
 彼女の出現に全く気づけなかった冒険者たちは混乱する。
「わたしたちはあなたたちを助けに来たんだよ。
 冒険者さんたちはドラゴンステ…じゃなくて隊商をしっかり守ってくれたら嬉しいかな?
 ゴブリンはわたしたちがやっつけちゃうから」
 ハルピュリアは無表情ながらも自信を感じさせる声音で冒険者たちに声をかける。
「しかし、いや、ひょっとしてゴブリンの後方を襲っているのは?」
 冒険者の疑問の声に。
「そうだよ。わたしの仲間。良い連携だよね」
 彼女が肯定すると冒険者たちの顔に希望が灯る。
 正体不明の混乱が自分たちへの援軍と確信できたからだ。
「それに……仲間は彼女たちだけじゃないんだ」
 彼女の視線の先には二人の猟兵がいた。

●雪下の志とシスティ・マリスの聖者
 後方を二人の猟兵に蹂躙され、混乱が広がっているが、まだまだゴブリンは多勢。
 ゴブリンの指揮官は後方に半分を当て、残りを隊商にぶつける事で当初の目的―略奪―を達成する事を考える。
「ゴブゴブ!(突撃!)」 
 しかし、突撃を開始たゴブリン達の前に立ち塞がる影が二つ。
 樫倉・巽(雪下の志・f04347)とクーガー・ヴォイテク(人間の聖者・f16704)だ。
 巽は深緑色の大きな目をしたトカゲ人。
(俺にとっては戦えると言うことが大事だ。
 人を守るのはついで……ついでと言っても手を出させるつもりはないがな)
 と愛刀『砂塵渡り』を携えて戦意を滾らせている。
 一方のクーガーは黒髪金瞳の長身の青年だ。
「救いを求める声が聞こえたのはここであってるかね?」
 と独り言つ。そして、やにわに指先をゴブリン達に向ける!
 次の瞬間、天からの光がゴブリンを直撃し、吹き飛ばす。
 ジャッジメント・クルセイド、クーガーが操る奇跡だ。
 しかし、ゴブリンは止まらない。
 吹き飛ばされた仲間を無視して突撃を続行する。
「へぇ、意外と根性があるな」とクーガーが肉弾戦を覚悟した次の瞬間。

 バサァ――と血煙を上げて先頭を走っていたゴブリンが両断される。
 残像すら見える速度で間合いを詰めた巽の一撃だ。
「死にたい者から前に出るがよい」と猛々しい気迫を見せる。
(敵の数は多い。まずは気迫で圧して主導権を握る)
 巽の気迫に圧せられ彼の目論見通り、突撃を躊躇するゴブリンたち。
 そこをすかさずクーガーがジャッジメント・クルセイドを放って、数体のゴブリンを倒す。
 騒めくゴブリン達。
 無論、その隙を逃す巽ではなく、愛刀の『砂塵渡り』を手にゴブリンたちに襲い掛かる。
 蜥蜴剣術無天流の剣術を縦横無尽に振るいゴブリンを屠っていく。
 一見、戦いに夢中になっているようにも見えるがそうではない。
 俯瞰してみれば彼が冷静にゴブリンと隊商の間に位置取り、隊商側にゴブリンが行かない様に配慮しながら戦っていることに気づくだろう。
 そして、それはクーガーも同じだ。
 巽を前衛にやや後方に位置取りつつも、巽の手が回らない場所を冷静に見極め、時に天からの光で時に自らメイスを振るってゴブリンが隊商の元に向かうのを防いでいる。
「生きてるだけワースってんだ。お前等そろそろ逃げた方が良いんじゃねぇの?」
 二人の連携をゴブリン達は突破できそうにない。

●凶鳥の羽搏き
「大丈夫そうだね」
 隊商の傍らで暫く戦況を見守っていたハルピュイアはゴブリン達が隊商を襲うのは困難と判断する。
「じゃあ、わたしも数を減らしに行こうかな? 冒険者さん達は念のために油断しないでね」
 との言葉を残してゴブリン達と混戦になっている場所に向かう。
 そのスピードは驚異的な速さで見送った冒険者が瞬きをしている間に見失ってしまう程だった。

「こつこつと数を減らさないとね」
 音もなく気配もなく愛用の未完の武器、『零刀』を両手ナイフ形状にして振るい、ゴブリンを屠っていくハルピュイア。
 距離のある敵は『月虹の瞬き』と銘された神秘の投げナイフで倒していく。
 敵に刺さった投げナイフは如何なる魔法か、優しい風と共にいつの間にかハルピュイアの手元に戻ってくるようだ。

 無天流剣士の奮戦、自由を愛する聖者の奇跡、無音の暗殺者の刃によりゴブリンの数は大きく減じられていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アベル・スカイウインド
どうやら味方は派手に暴れているようだな。遠巻きに見ても分かるぞ。
フッ、では俺も一暴れしに行くとするか。

まずは遠距離からUC【竜撃】で奇襲をかける!戦場の真ん中に派手に登場しよう。
そのあとはやつらの攻撃を見切って躱しながら急所に槍を突き入れて一体一体的確に仕留める。
【ジャンプ】で空中に逃げてやつらの攻撃が届かない位置から一方的に攻撃するのもいいだろう。

狩る側から狩られる側になった気分はどうだ?


伊万里・紗雪
WIZ

使用技能:大食い(大量食いの為)・毒耐性(感染症防止)
UC:フードファイト・ワイルドモード
人格:紗雪(カラコン:青)

早い段階でUCを使い、屠ったゴブリンの肉を大量に食って力をつける
「大丈夫や!肉やったら食える!」
大量食いしてうちは、強くなるんや
「(冒険者かぁ。微妙に違う気がするけど……オブリビオンと渡り合えるか……が判断基準やろし。――うーん、ま、いいか)」
肉食った後は、ナイフとフォーク・腕時計で突撃
……微妙に冒険者の立場がなさそうやけど、考えるん面倒やし親指を立ててめっちゃええ笑顔で
「隊商無事やったら万事OK☆」
いや、弱肉強食やし



●戦況
 猟兵達の活躍で当初、圧倒的多数を誇ったゴブリン達は無残に数を減らしている。
 後方の二人、隊商側の三人、極少数に逆にゴブリンたちが押し込まれつつある。
 そこに更なる脅威がゴブリンたちに迫る。

●天翔ける稲妻
(どうやら味方は派手に暴れているようだな。遠巻きに見ても分かるぞ)
 戦場から少し離れた位置に転移してきたアベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)は戦場を眺め、戦況を把握する。
「フッ、では俺も一暴れしに行くとするか」
 竜騎士であるアベルは愛槍を手に、少しの間、力を溜める。
 その後、驚異的な跳躍力で空高く飛び上がる!
 そして、上空から戦場を把握、ゴブリンの集団の中心部に狙いを定めると急降下を始めるのだった。

 ドォオオーン 落雷を思わせる轟音と共に上空から落下してきたアベルの一撃がゴブリンの指揮官の一匹を的確に捉える。

 ランスオブアベル―アベルが過去に狩ってきた竜の力を宿す槍に貫かれたゴブリンは何が起こったのかを認識することもできずに絶命する。
 アベルは止まらない。
 素早く槍を引き抜くと周りのゴブリンを攻め始める。
 その一撃は的確に急所を狙う鋭いものだ。
 ゴブリンも必死の反撃を行うが……見切られ躱され、周りを囲めばジャンプして飛び越え様に槍の一撃を受ける、と為す術がない。

●覚醒せし腐女子
 さて、気高き竜騎士が参戦した戦場の一角に異色の空間がある。
 敗れ屠られたゴブリンをパクパクと食べる存在がいたのである!
「大丈夫や!肉やったら食える!」
 とゴブリンを食べる青い瞳(カラコン)の美女。
 彼女の名前は伊万里・紗雪(覚醒せし腐女子・f10367)、自他共に認める腐女子である。
 別に彼女はゴブリンの肉が好き過ぎて我慢できずに戦場で食事をしているのではない。
 『フードファイト・ワイルドモード』、彼女が所持する奇跡の力は戦闘中に肉を食べれば食べる程、戦闘力が増大するというものなのだ。
 この奇跡の力を十全に発揮する為には大量の肉を食べる必要がある。
 しかし、戦場に肉を持ち込むのは難しい……だが、この戦場には新鮮な肉がある。
 そう、ゴブリンである。
「これくらいでええやろ」
 十分に肉を取り、戦闘力の増大を実感した彼女はすくと立ち上がる。
 そして、フードファイト用に強化されたナイフとフォークを手に未だに戦闘を継続するゴブリンに襲い掛かるのだった。

●決着
 アベルの空からの奇襲、戦闘力の増大した紗雪の参戦は決定的だった。
 ゴブリンは総崩れして、もはや逃げ惑うのみである。

 それを呆然と眺める隊商護衛の冒険者たち。
「凄いとしか言いようがないな。名のある冒険者なのだろうか?おい、知っているか?」
「いや、あれ程の力を持つ冒険者なんておとぎ話の勇者くらいじゃないか?」
 ざわざわと話し合う。
 戦闘が一段落してたまたまその声が聞こえた紗雪は
(冒険者かぁ。微妙に違う気がするけど……オブリビオンと渡り合えるか……が判断基準やろし。――うーん、ま、いいか)
 と特に訂正せずに流す。
(それにしても護衛の冒険者、何もしないで微妙に立場がなさそうやけど……まあ、うちが心配することやあらへんな)
 そんなことを考えていると、たまたま冒険者と目が合う。
 とりあえず、めっちゃええ笑顔で
「隊商無事やったら万事OK☆」
 と親指を立てておいた。

 ゴブリンの殲滅が確認されたのはそれからすぐである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ダークエルフの女首領』

POW   :    「ちょろちょろと煩いハエだねぇ!」
対象のユーベルコードに対し【絡め取るムチでの一撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    「お前たち、やっておしまい!」
戦闘用の、自身と同じ強さの【暗殺者】と【ダークエルフ弓兵】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    「下僕になるなら命だけは助けてやるよ?」
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的な手下】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:慧那

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアズサ・グリフォリシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●襲来
「まさか、あれだけの数のゴブリンを殲滅するとはねぇ」
 猟兵達によってゴブリンが倒され、安堵する隊商一行に若い女性の声が聞こえる。
「誰だ?」
 誰何の声に応えるようにゴブリン達が出現した茂みから一人のダークエルフの女性が現れる。
「名前を名乗る必要を感じないね。まあ、あんた達にはゴブリンを率いていた者、と言えば十分かな」
 女性の傲然とした態度と台詞に緊張が走る。
「何だと……?いや、それが本当だとしてゴブリンは全て倒された。今頃出てくるとは」
 戦闘態勢に入る冒険者たちにダークエルフは余裕を崩さない。
「倒された?確かにそうだね。だけど、それに意味があると思っているのかい?」
 台詞とと共に女性は自らのユーベルコードの一つを発動する。
 すると何という事だろう!
 猟兵に斃された確かに絶命していたゴブリンたちが続々と立ち上がり始めたのだ!
「下僕になるなら命だけは助けてやるよ?」
 ダークエルフの傲慢な声が響く。

=====================================
第一章のご参加、ありがとうございました。
お陰様で第二章を迎える事が出来ました。
第二章はダークエルフの女首領との戦いとなります。
前振りでゴブリンゾンビがわらわらと湧いていますが、戦闘能力的には大したことはありません。
無視してもOKです。多分、第一章で全く働いていない冒険者たちが頑張ります。
勿論、無双的に倒してもらっても構いません。
それでは、よろしければ宜しくお願いいたします。
クーガー・ヴォイテク
「うし、ワースワース。ゴブリン共は無事に終わったか」
「親玉のお出ましってやつかね…さっきの仕事を無駄にしないよう、気を引き締めていこうぜ?」
隊商を体を張ってでも護り切ると誓いを籠め十字に祈りを捧げ"聖者の誓い"を行う

1、基本は味方の後ろから"ジャッジメント・クルセイド"による援護
2、味方が傷ついたら"生まれながらの光"による治療を行う
3、自分たちを無視して隊商を攻めようとする敵がいたら、"聖者の鉄拳"を行ってでも食い止める
上記行動の優先順位は3>2>1

味方をそれとなく壁役にする

アドリブ・他者との絡み歓迎


アベル・スカイウインド
やっとボスのお出ましか。フッ、俺の槍を振るう価値のある相手だといいがな。はっきり言ってゴブリン共の相手は退屈だったぞ。

【先制攻撃】を仕掛ける。UC【竜閃】を発動して元々素早い俺の動きをさらに加速させる。俺のスタミナが切れる前に終わるといいがな。
邪魔なゴブリンゾンビ共が群がってきているが関係ないな。集団の中を【ダッシュ】で突っ切ってボスに一直線だ。あまりのスピードに俺に触れただけでバラバラになってしまうかもな。
ボスの前まで来たらスピードを活かして翻弄しながら槍で突き、敵からの攻撃は【見切り】で回避し【挑発】してやる。

「煩いハエだと?その目は節穴か?どこからどう見ても猫だろうが!」



●決戦
「親玉のお出ましってやつかね…さっきの仕事を無駄にしないよう、気を引き締めていこうぜ?」
 クーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)は仲間の猟兵達に声を掛けながら(隊商は体を張ってでも護り切る――!)と誓いを籠め十字に祈りを捧げる。
 それによりクーガーのユーベルコード《聖者の誓い》が発動。
 彼の身体能力が増大する。

「やっとボスのお出ましか。フッ、俺の槍を振るう価値のある相手だといいがな。はっきり言ってゴブリン共の相手は退屈だったぞ」
 余裕たっぷりな調子でクーガーに応えるのはアベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)だ。
 愛槍『ランスオブアベル』を構えながら、油断なくダークエルフを見据える。
 他の猟兵達もそれぞれの戦闘準備をする中。
 最初に仕掛けたのは竜騎士アベルだ。
 《竜閃》を発動。雷を纏った様な姿になり、動き始める。
 そのスピードはまさに閃光!
 驚異的な速度でゴブリンゾンビの群れを駆け抜けダークエルフに迫る。
 そして、その勢いのまま神速の一撃を放つ。
「喰らえ!」
「何ッ!?」
 ダークエルフは予想外の速度で迫ったアベルの一撃を得物のムチで防ごうとする。
 だが、完全には間に合わず、辛うじて直撃を避けるのみだ。
「グッ」
 肩先を抉られ苦悶の表情を浮かべる。
「やってくれたね!」
 逆襲の鋭いムチの一撃を放つダークエルフ。
 その動きを見切り回避するアベル。
 雷の化身となっている今の彼を捉えるのは容易な事ではない!
 そして、超高速の動きでダークエルフに続け様に突きを放つ。
 その突きを紙一重で躱しながら
「ちょろちょろと煩いハエだねぇ!」
 と悪態をつきながらも槍をムチで絡め捕ろうと試みる。
「煩いハエだと?その目は節穴か?どこからどう見ても猫だろうが!」
 絡め捕ろうとするムチをすんでのところで回避、距離をとるアベル。
(流石に手強い。俺のスタミナが切れる前に終わるといいがな)
 二人は間合いを計りながら対峙する。

 アベルがゴブリンゾンビに煩わされずダークエルフに集中できているのには二つの理由がある。
 一つはクーガーが援護を行っていることだ。
 彼は増大した身体能力を活かし、アベルに向かおうとする敵を《ジャッジメント・クルセイド》による天からの光で的確に撃ち倒している。
 無論、クーガー自身を襲う敵もいる。
 だが、彼は落ち着いて《聖者の鉄拳》を発動。容易く打ち倒す。
「うし、ワースワース。このまま、隊商に向かうことなく倒させてもらうぜ」
 勝利を確信するクーガー。だが。
「何をやっているんだい!早くこいつ等を殺しな!」
 ダークエルフの声が響く。
 もう一つの理由、アベルの先制によりダークエルフが命令する暇がなかったことで動きが鈍かったゴブリンゾンビたちが一息ついた彼女の命令により大挙して動き出す!
 これにより、アベル、クーガーの両名はゴブリンゾンビの対処に追われることになる。
 決着はまだつかない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブイバル・ブランドー
これより戦闘を開始する。行くぞ、女王タイプのボスゴブリンよ。貴様の性能を見せてみろ

作戦:POW

基本的には超低空飛行状態を維持し、連装機銃と荷電粒子砲による射撃で味方を援護しつつ、敵を攻撃する。ゴブリンゾンビは、連装機銃の掃射で対処する。

間合いを詰められ近接攻撃をされた場合は、乙型多目的兵装のシールドで防御し、甲型多目的兵装をチェーンソーに変形させ、だまし討ちを兼ねたカウンターを放つ。

相手が隙を見せたときにはスラスターによる加速で急降下強襲を敢行するが、鞭で絡め取られることを警戒し、急降下強襲の多用は避ける。


伊万里・紗雪
POW

使用技能:目潰し・だまし討ち
UC:サイキックブラスト
人格:秋穂(金)

目潰し・だまし討ちでUCを分かりにくくし、相殺されづらくする
「(相殺のみだったら……相手を倒せないだろうし、他にも攻撃手段があるかもしれないけど)」
――相手以上に攻撃を通し、倒す
他の猟兵の人がいれば、即席でパートナー……いや、味方の猟兵の攻撃にあわせて挟撃してみようかな
「(……話すの苦手。紗雪、やってくれればよかったのに)」
私は話すのが上手くないから、立ち回りは挟撃したいけど――予測はされ易くなりそう
「(……と、兎に角UCで切り抜けよう)」
た、多分だまし討ちで不意をつけるだろうから



●Gang08γ-メッサー・シュミット
 ゴブリンゾンビの援軍を得て一息つくダークエルフ。
 態勢を立て直そうと戦況を見回し、超低空飛行で近づいてくる存在に気がつく。
「これより戦闘を開始する。行くぞ、女王タイプのボスゴブリンよ。貴様の性能を見せてみろ」
 新たに転移してきた猟兵、ブイバル・ブランドー(其の名“γ”死光なり・f05082)だ。
 彼は3メートル近い全長を持つ銀河帝国末期に製造されたウォーマシンである。
「誰がゴブリンだい!アンタの目は節穴かい!?」
 ゴブリン扱いされて激怒するダークエルフ。
 秘かに美貌には自信があるのだから、それは怒る。
「? ゴブリンを率いているのだからそうではないのか?」
 この男、挑発の意図とかではなく本気で言っている!
「チッ!」
 それが伝わったのかダークエルフは憤懣やるかたない面持ちでムチを振るう。
 それを華麗に旋回して回避するブイバル。
 回避動作と共に7.62mm回転式三連装機銃を撃つ。
 しかし、これは十分に警戒していたダークエルフに回避される。
「やるではないか」
「アンタもね!」
 二人の意識が互いに集中された刹那――

●金の瞳のサイキッカー
 伊万里・紗雪(覚醒せし腐女子・f10367)は襲い掛かってくるゴブリンゾンビを捌きながらもブイバルとダークエルフの戦いを注視していた。
 味方の猟兵と密な連携を取りたかったが、今現在、表面に出ている人格―秋穂―は内気な少女。
 戦闘中にコミュニケーションをとるのは難しい。
(……話すの苦手。紗雪、やってくれればよかったのに)
 主人格である紗雪は自他共に認める腐女子でコミュ強だ。
 彼女ならこの状況下でもコミュニケーションがとれたかもしれないが、自分には無理!
 だが、グリモア猟兵から得た敵のユーベルコード情報にはユーベルコードを相殺するものがある。
 この為、敵の対処能力を超える為、挟撃したい。
 連携できないのならば、こちらがあわせればいい――柔軟な発想である。
 そして、チャンスを窺うこと少し。
 ダークエルフとブイバルが互いに集中した瞬間を逃さず、《サイキックブラスト》を発動。
 両掌から高圧電流をダークエルフに放つのだった。

●痛撃
 紗雪(秋穂)の一撃は完全にダークエルフの虚をついた。
 高圧電流の直撃を受け、感電するダークエルフ。
 その動きは一時的に封じられる。
 そして、その隙を逃すブイバルではない。
 スラスターにより加速をして上空へ、そしてそのまま《急降下強襲》を仕掛ける!
「クソがぁ!」
 ダークエルフは必死に回避を試みるが――

 ズガァーーンという轟音と共に叩きつけられた一撃をほぼまともに受け、吹き飛ばされる。

 決着の時は近い。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
首に巻いてるストールの【零刀(未完)】を両手ナイフに変貌

常時【ダッシュ5】で動き、また【迷彩10】&【目立たない10】のオンオフでかく乱
改心するなら命だけは助けてあげる…よ?
もししても…ドラゴンステーキは…あげない。

冒険者たちが危険な時は投げナイフの月虹の瞬きを【投擲10】して援護
ダークエルフの暗殺者と弓兵が出てきたら女首領に傷を与えたいが無理なら暗殺者から奇襲される前に仕留めよう…かな
隙があれば【Last memory】と【鎧無視攻撃5】を合わせて【暗殺100】したい
反撃時は【残像5】か【武器受け2】で回避

なぜにダークエルフさんは隊商を襲ったのでしょうか?


サラ・エルミーナ
「アタシには二つ嫌いなモノがあってよォ、高慢ちきな女と死人を弄ぶ輩だ。」
「つまり、よ━━━テメェがブッ飛ばされるのは確定ってワケだ。覚悟しな。」

味方や隊商を【援護射撃】しながらゴブリンゾンビの数を減らしつつ、隙が出来たら【クラッシュ・ローズ】を撃ってやる。爆破が起こるから撃つ時には「離れろ、イッパツいくぜェ!」と注意しねェとな。
直撃と同時に懐に潜り込んでコートの裏に隠した手持ちの真っ赤な直剣で【2回攻撃】を試みるぜ。
成功したら離れて銃撃、ヒットアンドアウェイの戦法。
もし距離が取れない場合は覚悟を決めて【クラッシュ・ローズ】を【零距離射撃】してやる。【激痛耐性】もある、多少の無茶は承知の上だ。


樫倉・巽
面倒なことは無い
ただ斬ればいい
憂いは断ち切ろう
戦うものの礼儀として、全力でな

周りのゾンビどもを倒しながら隊商を守りつつ機を窺う
誰か、何処か、何か
乱戦だ、待っていれば隙が生まれるはずだ

隙を作らぬよう立ち回り
首領のスキを窺う
例えば視界に木の葉が入る、誰かの攻撃を避けた、ゾンビどもに指示を出すなど
物理的、心理的、どちらでもよい
静かにその時を待つ

機が熟したら迷いなく
刀に気迫を伝え一気に切り伏せに行く
間合いを詰め、裂帛の気合とともに【剣刃一閃】を使い袈裟懸けに相手を両断しようとする
初太刀で仕留める覚悟で一撃に命を懸けて

斬ったとしても気は抜かない
全てが決したとわかるまでは
俺の仕事は隊商を守ることだからな



●決着
 ここまでの戦いでダークエルフは満身創痍だ。
 直前の一撃で吹き飛ばされた先でダークエルフは膝を突き、荒い息を吐く。
「ハァ、ハァ、クソ、簡単な仕事だと思ったんだがね」
(ゴブリン共を使って交易路を破壊する。それがまさか、初手で躓くとは)
 だが、誰に想像できただろうか?
 百を超すゴブリン、しかも百戦錬磨の自分が率いる軍勢を両手で数えられる程度の人数で殲滅するなどと。
 いや、自分はそういう存在を知ってはいる。
 まさか彼等はそれに匹敵するとでも言うのか?
 息を整えながら思案するダークエルフに影が迫る。

「アタシには二つ嫌いなモノがあってよォ、高慢ちきな女と死人を弄ぶ輩だ」
 サラ・エルミーナ(小さな火薬庫・f00610)だ。
 例えゴブリンと言えど死者を弄ぶことは許せない、とダークエルフを鋭く睨みつける。
「つまり、よ―――テメェがブッ飛ばされるのは確定ってワケだ。覚悟しな」
 赤と黒の二丁拳銃を構えるサラ。
 そして、その横にスッと華麗な影が現れる。
「改心するなら命だけは助けてあげる…よ?
 もししても…ドラゴンステーキは…あげない」
 ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)である。
 その手には両手ナイフに変貌した零刀(未完)が握られている。
 
 二人はここまで隊商を守りつつもゴブリンゾンビの数を減らしながらやって来たのだ。
 新たに現れた強敵二人にダークエルフは覚悟を決める。
 自分は動けなくなるが――
「お前たち、やっておしまい!」
 ユーベルコードを発動。ダークエルフの弓兵と暗殺者を召喚する。
 召喚された弓兵はサラに、暗殺者はハルピュイアに攻撃を仕掛ける。

「当たるか!」
 射られた矢を避けながら銃弾を放つサラ。
 弓兵もそれを避け、射手同士の激しい射撃戦が始まる。

 ハルピュイアは召喚を認識した瞬間、ダークエルフに向けて『月虹の瞬き』を投擲する!
 ダークエルフに傷を負わせることでユーベルコードを解除しようとするが、間一髪、召喚された暗殺者が跳ね飛ばす。
「残念。じゃあ、先に暗殺者を仕留めようかな?」
 自らが優秀な暗殺者であるハルピュイアは暗殺者の危険性を熟知している。
 奇襲などをされる前に倒す、とハイレベルの暗殺者同士の戦いが始まる。

 サラとハルピュイアがそれぞれの相手と激しくぶつかる。
 その近くにゴブリンゾンビを倒しながらも機を窺う猟兵が一人いた。
 樫倉・巽(雪下の志・f04347)、トカゲ人の剣豪だ。
 彼は愛刀『砂塵渡り』を振るい、冴え渡る無天流の剣技でゴブリンゾンビの相手をしつつも、ひたすらに待っていたのだ。
 ダークエルフに致命的な隙が出来る瞬間を。
 そして、その時は来た。
 猟兵達に追い詰められたダークエルフは自身の動きを犠牲に強力な援軍を召喚した。
 だが、その援軍は二人の猟兵との戦いに集中している!
 巽の動きに迷いはない。
 ダークエルフを仕留めるべく、一気に間合いを詰め始める。

 弓兵は射撃戦をしている相手、サラの技量は侮れずこのままでは長期戦になると悟る。
 長期戦は自分の主人であるダークエルフの不利となる。
 敵は目の前の一人ではない。
 いつゴブリンゾンビを突破した敵が無防備な主人を狙うかもしれない。
 状況の不利を覆す為に一か八かの接近戦を選択する。
 見ればサラは銃使いであり接近戦は不得手であろうという考えだ。
 自分も遠距離が得意だが――接近戦が不得意なわけではない。
「―――!」
 無言なれど決死の表情で自分に接近してくる敵をサラは異形体殲滅用拳銃『クロコダイル』の銃撃で迎撃する。
 一発、二発と命中するが、致命傷とはならず敵は怯まず迫ってくる。
「もらった!」
 サラを近接攻撃の間合いに捉え勝ちを確信する弓兵。だが――
「クソッ、絶対痛ェが――キレイに咲き誇れやァ!」
 弓兵との間合いを咄嗟にさらに敢えて詰めることで敵の攻撃を回避。
 そのままほぼ密着した間合い、零距離から必殺の一撃を放つ!
 《クラッシュ・ローズ》 爆破術式の組み込まれた弾丸を放つサラのユーベルコードだ。
 爆発音と共に弓兵の胴に穴が開き絶命する。
 無論、零距離での爆発の余波を受けサラ自身にもダメージがある。
 クラッシュ・ローズを撃った瞬間、後ろに飛んだ為に軽減はされているが――
(多少の無茶は承知の上だ)
 痛みを耐え、まだ戦いは終わっていないとダークエルフの姿を探す。

 サラと弓兵の決着の少し前、ハルピュイアと暗殺者の戦いも佳境を迎えていた。
 暗殺者はハルピュイアの変幻自在の動きに翻弄され、対峙しているにも関わらずその姿を見失いかける。
 ここまでされれば彼女の暗殺の技量が自分より遥かに上だと認めざるを得ない。
(このままでは負ける――だが、ただでは死なん)
 せめて相打ちを、と覚悟を決める暗殺者。
 その覚悟を感じ取ったハルピュイアは
「そう、覚悟を決めたんだね。なら、終わらせようか――あなたの夢をいただきます」
 言葉と同時に《Last memory》を発動する。
「!?」
 暗殺者は彼女が視界から消えた事に驚愕する。
「どこに――」
 それが暗殺者の最期の言葉となる。
 高速で死角から迫ったハルピュイアの両手ナイフが首を斬り落としたのだ。

 弓兵と暗殺者がそれぞれに覚悟を決めた頃、ダークエルフは自らに迫るトカゲ人の剣士を認識していた。
(――どうしようもないね)
 自分が動けば弓兵と暗殺者は帰還してしまい、三対一となる。
 万全の状態でも難しいのに、今は重傷。万に一つの勝ちもない。
 弓兵と暗殺者がそれぞれの相手に勝ち、援軍に来ることを期待したいが、現実はそれぞれ追い込まれている。
(まあ、殺るつもりだったんだ。殺られたからって文句を言う筋合じゃないね)
 静かに目を瞑る。

 そして、巽が一足一刀の間合いに辿り着く。
(敵は手負い、身動きも取れない――だが、憂いは断ち切らなければならない。
 戦うものの礼儀として、全力でな)
 動けない相手ではあるが隊商を殲滅せんと襲ってきた賊の首魁である。
 許すという選択肢はない。
 巽の裂帛の気合が辺りに鳴り響く。
 僅かな油断もなくダークエルフの魂ごと斬る気迫で放たれる必殺の一撃。
 それは違わずダークエルフを袈裟懸けに両断したのだった。

 ダークエルフの死と共に再び動かぬ死者に戻るゴブリンたち。
 隊商には護衛の冒険者も含めて一人の犠牲者もない。
 百を超えるゴブリンとそれを率いるダークエルフとの戦いは猟兵達の完全勝利で幕を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『いきなり!ドラゴンステーキ』

POW   :    食って食って食いまくれ!!!

SPD   :    ガーッと一気に食いまくれ!!!

WIZ   :    いろんな食べ合わせで美味しく食いまくれ!!!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「この度は誠にありがとうございました」
 襲撃を犠牲なく防ぎ切り、一息つく猟兵達に声がかかる。
 隊商の代表を名乗る商人だ。
 商人は猟兵達の戦いを称え、丁寧に御礼を言った後、歓待をしたいと提案する。

 猟兵達のお陰で隊商の商品は全て無事。
 その無事の商品の中には飲食物もある。それを振舞いたいという事だ。

「ドラゴンステーキ?」

 ポツリと呟かれた一人の猟兵の言葉に商人は

「よくご存じですね。はい、この積み荷の中にはドラゴンステーキもあります。
 貴重品ですが……命の恩人の皆さんには感謝を示したい。
 喜んで出させてもらいます。
 うん、冒険者の皆さんもあの状況下で逃げる素振りもなく戦おうとしてくれました。
 一緒にお楽しみください」

 商人の言葉に湧く猟兵と冒険者達。

「まだ、夜明けまでには時間があります。
 よろしければ一休みして頂き、夜が明けたら宴といたしましょう」

 猟兵達は宴を楽しみにしつつ束の間の休息をとるのだった。

=====================================
 第二章のご参加、ありがとうございました。
 第三章を無事に迎える事が出来、感謝にたえません。
 第三章は宿営地でパーティーです。
 商人が料理やお酒(未成年は残念ながらお水です)を振舞ってくれます。
 目玉はドラゴンステーキですが、それ以外のものもプレイングで指定して貰えればたいていあります。
 思う存分、楽しんでいただければと思います。
 商人はパーティーで感謝を示す以外にも報酬としてお金も渡してきます。
 受け取る、受け取らないは自由です。
 また、猟兵の出自も気にしていますので、適当に答えていただくのも良いと思います。
 それでは、よろしければ宜しくお願いいたします。
メイリン・コスモロード
POW判定の行動を行う。

●心情
わぁ、ドラゴンステーキですか、ドラゴンってどんな味がするのでしょうか?

●行動
ドラゴンステーキを思いっきり食べておきますね。
「わぁ、ジューシーなお肉で美味しいです!」
肉ばかりだと、喉につかえそうなので
お水も頂きたいです。
「お水も、ありがとうございました」

報酬のお金は、どうしましょうかね?
「あ、えっと……お気持ちは嬉しいのですけど
私達は単に人助けをしているだけですので
報酬は結構ですよ」
と、受け取らない方針で行きましょうか。
まぁ、他の猟兵さんが受け取るなら止めないですけど。

私の出自に聞かれたら
「色々な場所を廻って、色々な場所で人助けをして、定住はしてないですね」
とでも


アベル・スカイウインド
ドラゴンの肉は何度食べても飽きない最高の肉だ。俺の本業の楽しみの一つだな。
今回の事件の難易度にしたら少々贅沢な気もするが、善意を無下にはできんし拒む理由もないからな。フッ、存分に堪能させてもらうとしよう。

俺の出自が気になるだと?そうだな…俺や俺の一族は竜狩りを仕事にしている。もしかしたらこの肉も俺たちの誰かが卸したものかもな。
今回はお前たち商人から依頼されたわけじゃないからその金はしまっておけ。だが、もしドラゴンの肉が入用になって狩ってほしいときは、その時は正式な依頼料として受け取ろう。フッ、いつでも呼べ。


ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK

ドラゴン♪ドラゴン♪ステーキ♪ステーキ♪
……パーティーを存分に楽しんでいることでしょう。
猟兵達のお陰で隊商の商品は全て無事から被害甚大へなりそう

甘味や果物も好きなので新しく出されたモノへきっと誘導されている
と言いますか焼き上がりや料理の配給の先頭の一番手を目指します

お金は要らない
わたしの事は色々と調べない方がいい…調べたら会い(暗殺し)に行くかも知れない…し…。

こっそりとパーティーを少し抜け出しダークエルフの埋葬場所へ
最後は少しだけ改心したから…果物1個お供え
最後に助かる道を与えたのに…馬鹿だね…。


樫倉・巽
見返りのためにやったことではないがな
感謝の気持ちには答えておくものだろう

断る理由もないので宴に参加していく
串焼きの肉があればもらい
エールを飲みながら楽しむ

「俺はただ倒しがいのある敵と斬り合いをするために来ただけだ。
特に感謝されるほどのことはしてないと思うがな。」
と穏やかな顔で

ドラゴンステーキが出てきたら一口食べ
「俺はただのトカゲだ、竜ではない。キマイラの住む楽園のような街を出て、ただ竜を超えるために剣の道を行く流れ者だ。何の気兼ねなく竜の肉を食べるさ。トカゲとして竜を超えたいだけだからな。」

最後にきつめの蒸留酒をあおり
「良い宴だった。お前たちの無事を願う。」
と言って去っていく


伊万里・紗雪
POW

技能:大食い・料理・火炎耐性・毒耐性
人格:紗雪(青)

「ドラゴンステーキ!商人さん、おおきにっ!」
商人さんの手を掴み、「ドラゴンステーキ……未知の世界やわぁ。ああ、料理やったら任せてぇな!」
……このステーキの為に依頼を請けた為、何処からともなくコックコート着用

「脂っぽいものばっかやと、別のものも欲しゅうなるやろ?」
商人に頭を下げ、野菜ものを手に入れる
「ステーキやし、付け合わせはオニオンサラダ。にんじんのスープとかもええね」
「やっぱり……ドラゴン肉って臭いんかな?臭いんやったら、臭い消し必要やけど」

調理も行い、ドラゴン肉を生肉(ブルーレア)のまま摂取[毒耐性]したりと楽しんでいる


クーガー・ヴォイテク
戦いが終わってまだ傷がついてる奴がいるなら、その人へ"生まれながらの光"で治療

出自…ね
「そうさな、俺は物心ついた時にゃ戦場にいたぜ」

皆と酒を飲み酔いが回ってきたら
「神に感謝だよなぁ!!!どうどう?うちの教義『人生の謳歌』っつーんだけどよ、いやまて急に宗教の勧誘なんて胡散臭いなんてそんなこちゃー俺が分かってる、でも待ってほしいぜ。別に入ってくれとは言わねえさ、宗教ってのは人の心に寄り添う、苦しい時の支えになるべきってな。だからこそ共に『人生の謳歌』を楽しもうじゃないかと!!わかるよな?わかるだろ??うちではこう叫ぶんだ、教祖様爆発と、さぁ心から叫ぼうじゃないか!!」

『教祖様爆発!!!』



●宴の準備
 そして、日が明けた。
 宿営地では商人達が猟兵達に感謝を示す為に、宴の準備が行われている。
 そんな様子を満足そうに見る猟兵が一人。
 クーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)だ。
 戦いの後、負傷者を癒したことで少し疲労したので今まで休んでいたのだ。
 その甲斐もあり、今は元気一杯である。
「生きてりゃワースってな」
 彼は味方に死人を出さなかったことに満足していた。

 さて、宴の準備が進んでいる場所で
「ドラゴンステーキ!商人さん、おおきにっ!」
 とドラゴンステーキが振舞われることを伝えられた時、ひときわ喜んだ伊万里・紗雪(覚醒せし腐女子・f10367)が商人にあるお願いをしていた。
「ドラゴンステーキ……未知の世界やわぁ。ああ、料理やったら任せてぇな!」
 それは調理を担当したいということである。
 商人の手を掴みながら、こう見えて料理人なんや、と主張する紗雪。
 いつの間にかコックコートを着用している。
 恩人を働かせるのは心苦しい、という商人に気にせんといて、と紗雪。
 結局、料理を任せられる。
「やっぱり……ドラゴン肉って臭いんかな?臭いんやったら、臭い消し必要やけど」
「ステーキやし、付け合わせはオニオンサラダ。にんじんのスープとかもええね」
 などと楽し気に料理を開始する。
 なお、紗雪が望んだ食材は商人が快く用意してくれた。

●宴
 そして、宴が始まる。
 メインディッシュであるドラゴンステーキの他にも様々な料理が並ぶ。

「わぁ、ドラゴンステーキですか、ドラゴンってどんな味がするのでしょうか?」
 初めてのドラゴンステーキ、未知の味に期待を膨らませるのはメイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)。
「ドラゴン♪ドラゴン♪ステーキ♪ステーキ♪」
 鼻歌交じりに料理が並んでいく様子を見ているのはハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)。
 二人は並んで目を輝かせている。待ち時間に会話をすることですっかり打ち解けている。
「「いただきます」」
 香ばしい匂いを漂わせるドラゴンステーキをまず食べる!
「わぁ、ジューシーなお肉で美味しいです!」
 とメイリン。初めてのドラゴンステーキはとても美味しかった。黙々と食べる。
「あ、お水を頂けますでしょうか?」
 すぐに用意された水で喉を潤しつつ、滅多にない機会と思いっきり食べているようだ。
 一方、ハルピュイアも待望のドラゴンステーキを堪能している。
 ただ、彼女は新たに焼き上がった料理、甘味や果物など、他の料理にも興味津々!
 配給される度に素早く確保している。

「今回の事件の難易度にしたら少々贅沢な気もするが、善意を無下にはできんし拒む理由もないからな。
 フッ、存分に堪能させてもらうとしよう」
 とはアベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)だ。
 ドラゴンステーキ、この世界ではかなり貴重な食材だが竜狩りを生業とする一族に生まれたアベルはこれまでに何度も食べたことがある。
 とは言え
「ドラゴンの肉は何度食べても飽きない最高の肉だ。
 俺の本業の楽しみの一つだな」
 と満足気に堪能する。

 猟兵達が料理を楽しむ中、護衛の冒険者や他の商人達もゆっくりと輪に加わってくる。
 命の恩人であり、卓抜した戦闘能力を持ち、それでいて驕らない猟兵達への彼等の好感度は高い。
 始めはおっかなびっくりだが気安い猟兵達の様子に徐々に一緒になって楽しむようになる。

 樫倉・巽(雪下の志・f04347)、トカゲ人の剣豪もそれなりに宴を楽しんでいた。
 見返りの為にやったことではないが、感謝の気持ちを無下にするほど無粋ではない。
 様々な料理やエールを楽しむ。
 宴に加わって来た商人や冒険者たちは巽の卓抜した剣技を誉め、改めて感謝を伝える。
「俺はただ倒しがいのある敵と斬り合いをするために来ただけだ。
 特に感謝されるほどのことはしてないと思うがな」
 と穏やかな表情で伝える巽はあくまで謙虚だ。
 メインディッシュであるドラゴンステーキが出てきた際、巽をリザードマンだと思っている冒険者が(問題ないだろうか?)と気を使うが。
 巽はドラゴンステーキを一口食べ
「俺はただのトカゲだ、竜ではない。
 キマイラの住む楽園のような街を出て、ただ竜を超えるために剣の道を行く流れ者だ。
 何の気兼ねなく竜の肉を食べるさ。トカゲとして竜を超えたいだけだからな」
 と応える。
 冒険者は単身で竜を超えるという普通なら夢物語と断じられる話を巽ならあるいはと憧れの目を向ける。
 
 料理の腕を商人や他の猟兵達に称賛された紗雪も宴を楽しむ。
 フードファイターでもある彼女は大食女。
 料理をしていた間の遅れを取り戻す、とばかりに食べまくる!
「それは生肉では?」
 紗雪の前にあるドラゴン肉(生)を見て目を丸くする冒険者。
「そうや、うちは胃が丈夫やから、このままでもいけるんや。あんたたちは真似したらあかんで」
 とパクリと食べる。胃が丈夫とかそういう問題ではない気がするがそこは猟兵。毒耐性でなんともない。
「うん、美味い!」
 彼女の美味しそうに生肉を食べる様子にゴクリと喉を鳴らすが……常人である冒険者は首を振って諦めるのだった。

 宴もたけなわとなった頃、商人の代表が報酬を渡したいと猟兵達に告げる。
「あ、えっと……お気持ちは嬉しいのですけど。
 私達は単に人助けをしているだけですので、報酬は結構ですよ」
 そう言って断ったのはメイリン。
「私もお金は要らない。この料理で十分」
 とはハルピュイアだ。
 他の猟兵達も受け取らず、商人は何と謙虚な方々だという思いと同時にどういう出自の方達なのだろう?という疑問が湧く。
 始めは名の知れた冒険者だと思っていたが、あれだけの力を持つのに手広く商売をしている自分も護衛の冒険者たちも知らない。
 そして、報酬を受け取らないというのも既存の冒険者とは考え辛かった。
「失礼ですが、皆さんの出自を伺ってもよろしいでしょうか?」
 と商人。勿論、答えにくければ答えなくて構わないと尋ねる。

「色々な場所を廻って、色々な場所で人助けをして、定住はしてないですね」
 と答えるメイリン。
 まだまだ幼さの残る彼女が各地を転々としながら人助けをしているという話に余計に謎が深まるが、しつこく聞くのも失礼と次はハルピュイアに話を振る。
「わたしの事は色々と調べない方がいい…調べたら会いに行くかも知れない…し…」
 ハルピュイアの会いに行くとは暗殺しに行くという裏の意味がある。
 それを不確かながらも敏感に感じ取った商人は慌てて
「ええ、勿論、調べませんとも。恩人の気分を害する事をするはずがありません」
 と冷や汗をかきながら答える。
 冷や汗をかいている商人を気の毒に思ったのか気さくに答えたのはアベルだ。
「俺の出自が気になるだと?そうだな…俺や俺の一族は竜狩りを仕事にしている。
 もしかしたらこの肉も俺たちの誰かが卸したものかもな」
 彼の言葉に商人は安堵の表情を浮かべつつ
「おお、一族で竜狩りですか、それは凄い。ドラゴンの肉は供給が全く足りていません。
 よろしければ、これからもお付き合いいただきたいですね」
 と述べる。
「フッ、いつでも呼べ」
 とアベル。ただし、その時は正式な料金を頂くと。それに商人は当然ですと肯く。
 その後も己の出自を思い思いに語る猟兵達。
 ただ、誰も異なる複数の世界を飛び回り、この世界にも転移して来たとは語らなかった。
 単純に理解できないだろうという理由だ。

 その後も料理を楽しみつつ歓談が続く。
 酒がすすみ十分に酔いが回った頃、クーガーがすくりと立ち上がり、冒険者たちに語り掛ける。
「神に感謝だよなぁ!!!
 どうどう?うちの教義『人生の謳歌』っつーんだけどよ、いやまて急に宗教の勧誘なんて胡散臭いなんてそんなこちゃー俺が分かってる、でも待ってほしいぜ。
 別に入ってくれとは言わねえさ、宗教ってのは人の心に寄り添う、苦しい時の支えになるべきってな。
 だからこそ共に『人生の謳歌』を楽しもうじゃないかと!!わかるよな?わかるだろ??うちではこう叫ぶんだ、教祖様爆発と、さぁ心から叫ぼうじゃないか!!」
 謎のクーガーのテンションにのまれる冒険者たち。酔いも手伝って……

『教祖様爆発!!!』

 との唱和が響く。なお、他の猟兵達が加わったかは定かではない。

 教祖様爆発の唱和が行われている頃、宿営地から少し離れたダークエルフの埋葬場所。
 そこにはこっそりとパーティーを抜け出したハルピュイアの姿があった。
「最後に助かる道を与えたのに…馬鹿だね…」
 ハルピュイアが言ったセリフ、改心するなら命だけは助けてあげるというのは本心だった。
 だが、ダークエルフは拒絶して最後まで戦う事を選んだ。
(でも、最後は少しだけ改心したから…果物1個お供え)
 ダークエルフの最期の瞬間、彼女は死を当然のものと受け止めているように見えた。
 その心根があるのなら……ハルピュイアは暫しの間、ダークエルフを弔い、宴に戻っていく。 

 そして宴は終わる。
 互いの無事を願い、別れる猟兵達と隊商一行。
 颯爽と去って行く猟兵達をその姿が見えなくなるまで隊商一行は見送るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月08日


挿絵イラスト