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獣人戦線、日本のとある山間部にて。
ここにはたぬき獣人が暮らす小さな町が存在していた。
田舎のほうだからか、この町に大きな戦禍は及んでいない。古い家屋が多く残り、田畑には農作物が実っている。
そんな穏やかな町も、今日は少し賑やかだった。
「今年も無事に宴会ができそうだな」
とあるたぬきの住民は、お酒の瓶を抱えて走り回っていた。
「さあ、腕によりをかけて作らないとね!」
また別のたぬきは、たっぷりの山の幸と共に厨房に入っていく。
「ばあちゃんが、おはぎいっぱい作ってたよ! 楽しみ!」
子どもたぬきは甘味の気配に目を輝かせている。
誰もが期待しているのは、これから行われる楽しい行事。
年に一度、町の創立記念日を祝う宴会だ。
しかし、悪しき者にとっても祝い事というのは都合が良い。
住民たちの警戒心が薄れるタイミングを見計らい、望まぬ贈り物を運んでくるものだ。
青く輝く存在が、危険な兵器を手に町を目指していた――。
●
「集合お疲れ様です! 今回は獣人戦線の依頼をお願いしたいのであります!」
猟兵たちの姿を確認すると、風花・ゆきみ(戦場の綿雪・f39971)は背筋を伸ばして声をあげた。
「幻朧帝国のエージェントが、日本のとあるたぬきさんの町に破壊工作を目論んでいることが判明したのです。皆様にはそれを阻止していただきたいのであります!」
幻朧帝国はまだ猟兵として目覚めていない獣人たちの町を狙い、影朧兵器『逢魔弾道弾』を設置しようと暗躍している。今回狙われたたぬきの町も、同じ理由で狙われたようだ。
「皆様の到着時刻は、例のエージェントより早くなりそうです。ですので、あらかじめ町の方と交流したり、町の様子を確認していただけると助かるのであります」
今回訪れるのは、山間部の町のようだ。直接戦禍がやってきたことは少ないようで、昔ながらの木造住宅が数多く残されている。
住民はほとんどがたぬきだ。彼らは畑を耕し糧食を作りつつ、ひっそりと生活しているらしい。
「この日は町の創立記念日のようでして、宴会をしているようですよ。客人も快く迎えられるようですので、一緒に美味しい食事や飲み物を楽しむのも良いかと!」
用意されるのは和食が中心だ。炊きたてのご飯に山菜を使った天ぷら、この季節に美味しい冷や奴に糧食で作った川魚風の焼き物などなど。山の幸を中心に、さまざまな料理が振る舞われるだろう。おはぎや水まんじゅうのような和菓子もあるようだ。
飲み物は日本酒が中心だが、未成年やお酒の苦手な人向けに日本茶も用意されている。
好きなものを飲み食いしつつ住民たちと交流すれば、襲撃が来てもスムーズに動けるはずだ。
「宴会が終わる頃合いに、幻朧帝国のエージェントが現れるのであります! 町の皆様も武器を手に取り援護してくれるでしょうから、共に敵を撃退してください!」
エージェントは町の中心部を目指し突き進む。その進路に立って迎撃する形になるだろう。
住民は銃器による援護射撃や、地の利を活かしたトラップを設置による援護をしてくれる。それを活かしつつ戦うのも大切だろう。
「説明は以上であります。では、出発の準備を始めますね」
ゆきみは羽根を掲げ、見送りの姿勢を取る。
「たぬきさんのためにも、皆様の力をお貸しください。よろしくお願いするのであります!」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
たぬきです。
●一章『酒盛りをしよう』
たぬきの町で行われている宴会に参加しましょう。
山の幸を中心に、さまざまな和食や和菓子が振る舞われます。糧食で川魚や肉料理を再現したものもあるようです。
日本酒や日本茶もありますので、お好きなものを飲み食いしつつたぬきたちと過ごしましょう。
未成飲酒はご法度ですのでご了承ください。
●二章『ボス戦』
幻朧帝国のエージェントが影朧兵器『逢魔弾道弾』を持って襲撃してきます。
たぬきと協力しつつこれを撃退しましょう。
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どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 日常
『酒盛りをしよう』
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POW : 獣人達と乾杯し、意気投合する
SPD : 酔って饒舌になった獣人から噂話を聞く
WIZ : 料理や飲み物を持ち込み、皆に振る舞う
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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時刻はお昼の少し前。
たぬきの町の中心部、住民たちの集合場からは美味しそうな香りが漂っていた。
どうやらもうすぐ宴会が始まるようだ。集合場にはいくつもの机や台が置かれ、その上に山の幸を使った料理や酒、和菓子やお茶が用意されている。
たぬきたちは猟兵の姿に気づくと、嬉しそうに目を細める。
「お客さんかな? せっかくの祝い事だ、一緒にどうかな? 酒も食い物もたくさんあるよ」
「お菓子やお茶もあるからね。ゆっくりしていってちょうだいな」
大人のたぬきは料理や酒を楽しみ、子どものたぬきは宴会に参加しつつはしゃぎ回っている。
襲撃まではまだ時間もあるようだ。
今はのんびり、たぬきたちの宴会に加わってみよう。
浮木瀬・薫
ほう、山の民の方々でございますか。
山の近くに屋敷を構えている身としては、親近感を覚えるのでございます。
たぬきたちの宴会に参加いたしましょう。
今の時期は日差しも強く、涼が求められますから、水まんじゅうと冷えたお茶などをいただけますか? 水まんじゅう……平安の世では見かけないものでして物珍しくつい……見た目がとても涼しそうで良いですね……
そしてどのような暮らしをしているのかとか、化けるとかそういうことはできるのかなどを聞いてみたいものですね。この世界のたぬきについて知りたいのでございます。
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夏の暑さも増してきているが、その分山に茂る緑はより濃くなっていく。
故郷とは異なる世界でも、夏の山の美しさは変わらない。そんな事実を確かめるよう、浮木瀬・薫(枯れ木に見下ろし月・f42964)は景色を楽しむ。
同時に歩を進めれば、聞こえてきたのは賑やかな声。たぬきたちが宴を行っているのだろう。
薫はたぬきたちの元へ辿り着くと、丁寧に頭を下げる。
「こんにちは。ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんだよ! 暑い中ありがとうね!」
案内されたのは、木陰の下の机だ。すでに数匹のたぬきが、太陽の光から逃れるように寛いでいる。
薫も会釈してから席に腰掛け、たぬきたちに笑顔を向けた。
「お兄さん、なにか食べたいものはあるかい?」
「そうですね。今の時期は日差しも強く、涼が求められますから、水まんじゅうと冷えたお茶などをいただけますか?」
その要望はすぐに聞き入れられ、湯呑に入った冷たいお茶と水まんじゅうが運ばれてきた。
お茶はこの地で採れた二番茶を使っているらしい。水まんじゅうも、山からの清らかな水でひんやり冷やされているようだ。
「おお、これが……」
平安の世では見かけない、ぷるぷるの甘味。薫は水まんじゅうを見つめ、思わず皿を揺らしたりしていた。
ずっと眺めていたくもなるけれど、せっかくの甘味なのだからしっかり味わわなくては。まずはお茶を一口飲んで喉を潤し、それから水まんじゅうを一口。
食感は見た目通りぷるぷるで、それでいて喉越しがいい。中の餡は程よい甘さで、どこかすっきりとしていた。
「……美味しゅうございます。ありがとうございます」
「気に入ってくれたなら嬉しいよ。他にもいろいろあるからね!」
満足気に目を細める薫の様子に、たぬきたちも安心しているようだ。気づけば会話も弾み、いくつもの言葉が交わされていく。
たぬきたちは、昔から山の近くで生活しているらしい。変身したりはできないが、手先の器用さを活かして戦乱の世を支えているようだ。
「良いですね。もっと知りたいのでございます」
「興味を持ってもらえて嬉しいよ。あ、お茶のおかわりもあるからね!」
「はい、ありがとうございます」
楽しい会話と美味しい甘味。それらに囲まれ、薫は穏やかな時間を過ごすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
水鏡・多摘
ふむ…山間部の町。
平穏ならいいが、害される可能性があるならば守らねばならぬ。
邪神ではなくとも…必ずや。
旅の猟兵と名乗りつつ宴会に参加させて貰うとするかのう。
祝い事はいい。楽しく、そして少し昔を思い出す。
ここではない、今は亡きあの地を…と暗い話はさておいて。
現地の和食、糧食料理に舌鼓を打ちつつやはり酒。日本酒。
土地ごとの味わいの違いを楽しむのもまた旅の醍醐味…単に酒が好き、というのもあるが。
もし求められたなら他の地の話を物語のように語りつつこの土地の話も聞いてみたい。
名所、言い伝え、この獣人戦線で日々暮らしてきたたぬきの物語を…な。
色々話を聞きながら町の情報も集めたいのう。
※アドリブ絡み等お任せ
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「ふむ……山間部の町」
たぬきたちの町は、昔ながらの光景が残っている。だからこそ、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)にとっては望郷の念を感じさせるものだった。
流れる空気は平穏そのもの。しかしこの町は、今は悪しき者に狙われてしまっている。
守らなくては。例え相手が邪神ではなかろうと、やるべきことはただ一つ。
強い思いを胸に抱え、けれど激情は隠して。多摘は旅の猟兵として、たぬきたちの宴に足を運ぶ。
たぬきたちは既に料理や酒を楽しみつつ、和気藹々とした時間を過ごし始めていたようだ。
賑やかな光景を前に、多摘は静かに目を細める。集まったたぬきたちは、誰もが笑顔だ。
(祝い事はいい。楽しく、そして少し昔を思い出す。ここではない、今は亡きあの地を……いや、暗い話はさておこう)
多摘は視線を卓上に移し、並べられた料理に目を凝らす。糧食で再現された川魚の料理や、山で採れた新鮮な野菜の天ぷら。品揃えは昔ながらのものだが、調理法は現代のものも取り入れているようだ。
それらはすべて、日本酒とよく合った。この地の日本酒は少し辛口で、引き締まるような味がする。
「猟兵さん、良い飲みっぷりだね!」
「そうだろうか……いや、そうだな。土地ごとの味わいの違いを楽しむのもまた旅の醍醐味だろう……単に酒が好き、というのもあるが」
旅の話題を出したところで、数匹のたぬきが集まってきた。子どもや若者が多そうだ。
「おじいちゃん、今までどんなところを旅してきたの?」
「そうさなぁ……」
多摘は記憶を手繰り、これまでの旅路を物語る。子どもも聞いている以上は、明るく楽しい思い出が中心となった。
「よければ、この地の話も聞かせてもらっていいかのう」
「わかったよ! えっとね……」
子どもたちは辿々しく、けれど懸命に話をしてくれた。
この地は戦禍の影響が少なかった分、物資を作り続けることで獣人の戦いに貢献してきたらしい。だから、罠の製法などが多く残されているようだ。
きっとその罠は、この地を守る力となるだろう。良い話が聞けたと感じ、多摘は頷く。
「うむ、話してくれてありがとう」
「どういたしましてー!」
元気に笑う子どもたぬきを前にして、多摘も優しく微笑むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神臣・薙人
リグノアさん(f09348)と
たぬきさんかわいいです…
こんな平和な町を襲撃するなんて
絶対に許せません
しっかりお護りしましょう
最初は宴会に参加させて頂きます
お酒は飲めませんので
お茶を頂けたらと
リグノアさんは
たぬきさんに触りたいみたいですね
お菓子を準備して
喜んで触らせてくれそうな
子供のたぬきさんへ
一緒に食べませんかとお誘いしてみましょう
傍に来てくれたら
触らせて頂いても良いかお尋ねします
ふふ
きっとふわふわで気持ち良いですね
和菓子とお茶を頂きつつ
町の様子も確認しておきます
通路等をあらかじめ頭に入れておけば
襲撃があった時に役立つと思いますから
本当に、平和で幸せな町ですね
たぬきさん達は絶対傷付けさせません
リグノア・ノイン
友人の神臣様(f35429)と
「|Ja《肯定》夢のような光景です」
こんなにも愛らしい方々を襲撃する等
絶対に許せる事ではありません
まずはとても抗えない魅力に惹かれ
神臣様と共に宴会へ参加致します
周りのたぬき様達のご様子や
甘味を喜ぶ子だぬき様達を見ていると
なんだかふわふわと幸せな心地ですね
「あぁ...|Sondern《ですが》.」
ついつい触れたくなってしまい
手を伸ばしかけては止めを繰り返してしまいます
神臣様に誘われ子だぬき様とお菓子を食べていた所
触れていいかお聞きしているご様子
意を決して私も声をおかけ致します
「私も宜しいでしょうか」
ふわふわの優しい肌触りに
ここは守るべき場所と再認識致します
●
たぬきたちに迎え入れられ、神臣・薙人(落花幻夢・f35429)とリグノア・ノイン(感情の渇望者・f09348)は集会場の縁側に腰掛けていた。
目の前で楽しそうに過ごすたぬきを見遣り、薙人は優しく笑みを浮かべる。
「たぬきさんかわいいです……」
「Ja.夢のような光景です」
リグノアも大きく表情は動いていないが、その目はいつもより細められているように見えた。和やかな気持ちを抱いているのは、二人とも同じだ。
もふもふと動き回り、互いに助け合うたぬきたち。そんな彼らの町を襲おうとする者がいるという事実は、決して見過ごせない。
「こんなにも愛らしい方々を襲撃する等、絶対に許せる事ではありません」
「そうですね、しっかりお護りしましょう」
たぬきたちには聞こえないよう、決心を固める二人。その思いをさらに強めるべく、今はしっかりと宴を楽しませてもらうことにした。
「はい、お茶でよかったよね。おはぎと水まんじゅうも持ってきたよ」
「ありがとうございます」
「ありがたくいただきます」
冷たいお茶の入った湯呑を受け取り、薙人は軽く会釈する。続いてリグノアも同じようにお茶を受け取ると、丁寧に頭を下げた。
欲しいものがあったらまた言ってね、と去っていくたぬきの背中を見送りつつ、二人は一緒にお茶を飲む。
冷たいお茶は、日差しで火照った身体を心地よく癒してくれる。すっきりとした味わいもまた、夏の気候にはよく合っていた。
のんびりとお茶を楽しむ傍ら、リグノアが視線を向けるのは子たぬきたちだ。彼らは甘味を楽しみつつ、元気にはしゃぎまわっている。
そんなリグノアの様子に気づき、薙人は思わず微笑んでいた。
「子たぬきさん、気になりますか?」
「ええ、見ているだけでなんだかふわふわと幸せな心地で……ああ、Sondern.」
時折自分たちの近くを通る子たぬきに、ついつい右手を伸ばす自分に気づき、リグノアは左手でそれを抑えた。
いくらもふもふで可愛らしくても、勝手に触れる訳にはいかない。でも、あんなにもふもふなのだから――撫でたい気持ちだってある。
そんな友人の迷う仕草を前に、薙人は甘味の乗った皿を手に立ち上がる。
「せっかくだから、一緒に食べないか誘ってみませんか?」
優しい提案に、リグノアは薙人の方を見て数度瞬きした。そのあと、コクリと頷く。
「Ja.あの子たちにも声をかけましょうか」
薙人も笑顔で頷いて、皿を片手に立ち上がる。リグノアも立ち上がったところで、子たぬきたちが興味深そうに視線を向けた。
じーっとこちらを見る子どもたちに視線を合わせるよう、薙人は近くにしゃがみ込む。
「こんにちは。よければみんなで一緒に食べませんか」
「うん、たべよ! お姉さんも一緒に!」
「Ja.この場所は広いですから、皆様も一緒に座りましょう」
リグノアに促され、子どもたちは縁側に腰掛ける。もふもふの尻尾を楽しそうに揺らす様に、二人はついつい目を細めていた。
「このおはぎ、ばあちゃんが作ってくれたんだよ!」
「お茶を作るのもね、お手伝いしたの!」
子どもたちはすぐに猟兵たちに懐き、さまざまなことを語りかける。薙人とリグノアもその言葉に耳を傾けつつ、穏やかな時間を過ごしていた。
その最中、ふと薙人の手に触れるのは――ゆらゆら揺れるたぬしっぽ。これはチャンスかもしれない。
「尻尾、ふわふわですね。撫でてもいいですか?」
「いいよ、どうぞ!」
子たぬきは抵抗することなく尻尾を差し出す。そこにそっと触れてみると、温かなもふもふが薙人の手を包みこんだ。思わず笑みが溢れてしまいそうだ。
リグノアもその様子をじーっと見つめ……意を決したように声を出す。
「……私も宜しいでしょうか」
「もちろん! はい、どうぞ!」
もこもこの尻尾は温かいけど、夏の暑さの中でも不思議と心地良い。確かな熱と優しさに、リグノアも肩の力を抜いていた。
二人で子たぬきをもふもふしつつ、さらに会話は続いていく。
「この町のことも教えてもらっていいですか?」
「後でで構わないですが、地図などもあれば見せて頂きたいです」
子たぬきの頭を撫でる薙人と背を撫でるリグノアに、返ってくるのは元気な声。
「わかったよ! あとでとうちゃんに聞いてみる!」
楽しい会話の中でも、しっかり情報収集は忘れない。二人ともたぬきと触れ合っているからこそ、町を守ろうという決心はより強く固めていたからだ。
会話の最中、猟兵たちは目を合わせて頷き合う。
「……ここは本当に、平和で幸せな町ですね」
「Ja.守るべき場所です」
だからこそ、絶対に皆を傷つけさせない。守り抜いてみせる。
その思いを胸に、二人はもうしばらく優しい時間を過ごすのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
またまたたぬきさんのピンチなの!
兄様と一緒にお助けにいくの!
「はいなの!兄様と守るのー!」
でもみつかちょっとおなかすいたの
兄様にお話してすぐ出たから
お昼もまだでおなかくーくーなの!
ちょっとだけ恥ずかしいけど
たぬきさんたちのご飯に参加なの!
「こんにちは!なのー!」
たぬきさんたち大歓迎なの!
ごはんもとってもとってもいい匂いで
兄様といただきますするの
甘いお菓子もとっても美味しいの
で、でもみつかちゃんと忘れてないの!
たぬきさんたちお守りするから
たくさんお話聞いてみるの!
皆いろいろ教えてくれて優しいの
兄様がこれで大丈夫って頷いてくれるから
みつかも安心して頷き返すの!
深山・樹
妹の光華(f37163)と
さすが、たぬきさんの危機にはみつかセンサービビビだね
絶対助けようね、って言うと
良い声でお返事くれるみつか可愛い
丁度いい時間でおなかが鳴いてるの気付いたよ
でも恥ずかしがるから聞こえないふりするね
…僕も本当はすいてるし
こんにちはって二人で行ったら大歓迎してくれて
可愛いみつかが人気で僕も嬉しい
僕もみつかも和食も大好きだし
何でもおいしくてごはんのお替りもお願いしちゃった
おやつ貰って色んなお話聞かせて貰いながら
ちらっと先に伝えるね
「もし悪いヤツが来ても僕たちが追い払うから!」って
たぬきさんたちの町はたぬきさんたちのだ
幻朧帝国なんかに好きにさせないんだから、って
みつかと頷き合うよ
●
またまたたぬきさんのピンチと聞きつけ、天風・光華(木漏れ日の子・f37163)は元気いっぱい道を進む。
その隣では深山・樹(処刑人・f37164)が歩調をあわせつつ、妹の様子を見守っていた。
「さすが、たぬきさんの危機にはみつかセンサービビビだね」
「そうなの! この前は中国で、今日は日本なの!」
兄妹でたぬき獣人を助けに行くのは、これが初めてではない。今回の依頼も今までのように、しっかりと成功させなくては。
「たぬきさん、絶対助けようね」
優しく、けれどしっかりとした兄の言葉に、光華はコクリと頷く。
「はいなの! 兄様と守るのー!」
元気いっぱいな光華の返事に、樹は思わず表情を綻ばせていた。
大好きな兄妹が一緒なら、幻朧帝国の悪巧みだってなんのその。二人は進むスピードを早め、たぬきたちの町を目指す。
そうしていると――光華のお腹から、くぅ、と小さな音が鳴る。それに気づいた光華は思わず頬を赤く染めていた。
(兄様にお話してすぐ出たから、お昼もまだだったの。みつかちょっとおなかすいたの)
そういえば、たぬきさんたちは宴をやっているらしく、そこでは美味しい料理が振る舞われているのだとか。せっかくだから、それをお昼ご飯にさせてもらおうか。
そんなことを考える光華の様子は、樹から見ればわかりやすい。お腹の音も聞こえてしまっていたけれど、事情はわかっているから何も言わない。
(……僕も本当はお腹すいてるし)
美味しい食事を楽しみにしているのは、樹もまた同じだった。
そうして歩いていると、二人は無事に町まで辿り着くことができた。
「こんにちは! なのー!」
「お邪魔します、よければご一緒させていただいてもよろしいですか?」
「猟兵さんなら大歓迎だよ、さあどうぞ!」
元気いっぱいな光華と礼儀正しい樹は、すぐさまたぬきたちの歓待を受けた。集会場まで案内されれば、すぐに美味しそうな料理がやってくる。
炊きたてのご飯に、新鮮な山菜を使った天ぷら。糧食川魚の塩焼きに、すっきりとしたお茶――並べられた料理を前に、光華は目を輝かせた。
「おいしそうなの! いただきます!」
「ありがとうございます、いただきます」
樹も丁寧に手を合わせ、料理へ意識を向ける。川魚の塩焼きは、糧食で作ったと思えないくらい本物そっくりだ。ご飯にとても合う。
ついつい箸を進める樹の隣で、光華はたぬきたちに囲まれていた。
「この天ぷら、とってもおいしいの!」
「気に入ってもらってよかった。どんどん食べてね」
無邪気な光華の様子には、大人も子どもも魅了されている。その様子を、樹も温かく見守っている。
「……あ、おかわりしても大丈夫ですか?」
「どうぞどうぞ、まだまだあるからね!」
そんな樹もまた、大人たぬきから見れば微笑ましい少年に見えていただろう。
お腹いっぱい和食を食べても、甘味は別腹だ。
光華は水まんじゅうをツルリと食べつつ、子どものたぬきたちと言葉を交わす。
「ねーねー、みんなのことを教えてほしいの! なにか得意なことはある?」
「僕らね、罠を作るのが得意なんだよ。落とし穴だって一瞬で掘れちゃうんだ!」
平和な町でも戦いの備えは忘れられていないらしい。この町のたぬきは、罠によって獣人の戦いを支援してきたようだ。
樹もおはぎとお茶をいただきつつ、周囲のたぬきと会話していた。
「町にもなにか備えがあるんですか?」
「建物には銃眼を仕込んでいるよ。銃の訓練もしているんだ」
戦いの備えは、この世界の住民にとって慣れたもの。それは頼もしくもあるが、状況の過酷さも伝えている。
たぬきたちの言葉を聞き、樹はグッと拳を握りしめた。
「皆さんの備えはとても頼もしいですが……もし悪いヤツが来ても僕たちが追い払うから!」
「みつかも一緒にがんばるの!」
樹は真剣に、光華は元気に。二人の言葉に籠められた思いを感じ取り、たぬきたちは何度も頷く。
「そう言ってもらえると嬉しいよ。猟兵さん、頼りにしてるからね」
「はい!」
「はいなの!」
優しいたぬきたちの言葉に、兄妹も明るく返事を返していた。
こうして宴会も落ち着いたところで、二人は周りに聞こえないように言葉を重ねる。
「みんなと話して思ったよ……たぬきさんたちの町はたぬきさんたちのだ」
「うん、皆いろいろ教えてくれて優しいの。絶対に助けてあげたいの」
「……幻朧帝国なんかに好きにさせないんだから。僕らなら、大丈夫」
兄の言葉に、光華は大きく頷く。
「兄様と皆が一緒なら、大丈夫なの!」
華やぐ笑顔で頷く妹に、樹も安堵の笑みを零して。
こうして決意を固めていれば――いよいよ戦いの時がやってきた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『骨牙海将』アンモン』
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POW : 原始の装甲
装備の【破損】ペナルティを無視できる。また、[破損]の合計に比例して、全装備の威力と防御力が強化される。
SPD : 原始の海戦
【戦場を覆うほどの海水】を降らせる事で、戦場全体が【深海の海底】と同じ環境に変化する。[深海の海底]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ : 原始の奇襲
戦場内に、見えない【地下水】の流れを作り出す。下流にいる者は【地下からの骨牙兵の襲撃】に囚われ、回避率が激減する。
イラスト:塚原脱兎
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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宴の片付けが終わり、夕暮れ時――つまり逢魔時が近づく。
それに乗じて村に近づくのは、青く輝く幻朧帝国のエージェントだ。
「こんな辺鄙な場所に町があったか……だが、我らの兵器を取り付けるには向いているな」
エージェント、『骨牙海将』アンモンは抱えた影朧兵器『逢魔弾道弾』に視線を落とし、ニンマリと笑う。
その笑みからは、隠しきれない悪意が滲んでいた。
たぬき獣人もエージェントの接近に気づいたようで、町中に警報が鳴り響いていた。
「敵襲だ! 宴が終わって疲れているところ悪いが、準備をしてくれ!」
道には縄や落とし穴を使った罠が設置され、戦える者は銃を携え狙撃地点へと移動していく。
非戦闘員は集会場に避難したため、彼らのことは今は心配せずとも大丈夫だ。
町のリーダーと思しきたぬきが猟兵たちの前へとやってくると、深々と頭を下げる。
「せっかく来てくれたのに、厄介事に巻き込んですまない。よければ、皆さんの力を貸してくれ……!」
先の宴会のおかげで、たぬきたちは猟兵を信頼している。彼らは罠や狙撃によって戦いを支援してくれるだろう。
ここはたぬきたちを力を合わせ――悪しきエージェントを退けなければ!
神臣・薙人
リグノアさん(f09348)と
やはり現れましたね
この町を逢魔ヶ辻には変えさせません
ここで退いて頂きましょう
たぬきさん達には罠で敵の足止めを依頼
攻撃が当たらないように
設置した後はすぐ後ろへ下がって頂きます
後は私達が何とかしますからね
初手で白燐想送歌使用
相手の武器を封じます
地下水の流れは起点をよく見て
呑み込まれないよう立ち位置を調節
リグノアさんにも注意喚起します
武器封じ後は蟲笛で白燐蟲を呼び出し攻撃
蟲達には関節や殻の隙間等
細かい隙間から入り込んで噛み付くよう指示
リグノアさんは頼もしいですがお怪我が心配です
負傷した際はUCを再使用して治療する事を優先します
たぬきさん達のために
私も全力を尽くしましょう
リグノア・ノイン
友人の神臣様(f35429)と
「たぬき様達の平和を脅かす事は許しません」
この地を利用する事等絶対に阻止致します
たぬき様達への指示は神臣様にお願いし
まずは手にしたラッパ銃で牽制致します
ふわふわな皆様の罠設置の邪魔はさせません
「|Ja《肯定》.後は私達にお任せを」
何処から攻め込むかと瞬間悩みますが
流石神臣様です
敵の武器封じも、地下水への注意喚起も
思考の一歩先に行われる事で
私の迷いを消し去ります
「|Verstanden《承知致しました》.注意の上処理致します」
Kanone "Lignoa"を使用し
装甲を半分に、移動力を5倍に変更
そのまま素早く接敵し
傷付く事も構わず近接戦です
「それでは、お覚悟を」
●
神臣・薙人とリグノア・ノインは町の入口へと繋がる通りに立ち、エージェント『骨牙海将』と向かい合っていた。
「やはり現れましたね」
「む、猟兵に先回りされていたか。厄介な……」
薙人の視線を受けつつ、海将が見遣るのは手元の影朧兵器。それが発する禍々しい気配に、リグノアの視線も微かに険しくなっていた。
「たぬき様達の平和を脅かす事は許しません。この地を利用する事等絶対に阻止致します」
「この町を逢魔ヶ辻には変えさせません。ここで退いて頂きましょう」
猟兵たちの決意は固く、戦意は十分に高まっている。そして戦う意思を見せているのは、彼らだけではない。二人の後ろには、罠の準備を進めるたぬきたちの姿があった。
まずはリグノアが『Trompetengewehr』を構え、敵へと向けて攻撃を開始する。しかし、その攻撃は青く硬い装甲により弾かれてしまった。
「おっと、そんな温い攻撃でいいのか?」
「ッ……!」
余裕綽々な様子の海将へ向け、さらにリグノアは弾丸を浴びせ続ける。それらの攻撃も装甲を打ち破れはしなかった。けれど、これこそが彼女の狙いだ。
海将の意識がリグノアへと向いているうちに、薙人はたぬきたちの元へと駆け寄っていた。そこにはすでに、いくつもの罠が設置されている。
「足止め用の罠をありがとうございます。後は私達が何とかしますからね」
「おう、打ち合わせ通りだな。あとは任せたよ!」
仕事を終えたたぬきたちは、安全な場所へと逃げていく。その最中、後方へと退避したリグノアもたぬきたちへと声をかえた。
「Ja.後は私達にお任せを」
「姉ちゃんもありがとう! 気をつけてな!」
感謝を告げつつ、去っていくもふもふの背中たち。彼らの背を見送り、猟兵たちは改めてたぬきたちを守るという決意を固めた。
二人はたぬきたちの罠の位置に陣取りつつ、改めて敵を迎え撃つ姿勢を取る。
「急に後ろに下がったかと思えば、なにか企んでいるのか? まあいい、すぐに蹴散らしてやる」
海将も武器を構え、二人の元へとじりじり近づいてきていた。彼の身体から感じるのは、二つのユーベルコードの気配。
どう攻めるか――リグノアが思考を巡らす横で、薙人が柔らかな声で歌を歌い始めた。。
「少し、大人しくしていて下さい」
薙人の歌声に合わせるよう、戦場に舞い踊るのは白燐蟲。彼らは海将の腕にまとわりつくと、その動きを大きく封じた。
しかし敵も既にユーベルコードを発動していたようだ。何かが響くような奇妙な音が、足元から響いている。
「っ! リグノアさん、あの物置に上らせてもらいましょう」
「Ja.神臣様、捕まっていてください」
リグノアは薙人を支え、小さな物置の屋根へと飛び乗る。直後、先程まで二人がいた地点に大量の地下水が流れ込んだ。その中には骨牙兵の影も見える。
「流石神臣様ですね。助かりました」
敵の攻撃と地下水の双方に対処できたのは、薙人の適切な指示があったからこそ。そう理解し、リグノアは薙人へ頭を下げる。そんな友人の様子に、薙人は優しく笑みを向けた。
「さっきリグノアさんが時間を稼いでくれたおかげで、これだけ動けているんです。お互い様ですよ」
「そう言って頂けると嬉しいです。神臣様が迷いを消してくださる分、私も頑張らなければ、ですね」
「ここから反撃ですね。まだ敵が何か仕掛けてくるかもしれませんから、気をつけていきましょう」
「Verstanden.注意の上処理致します」
二人で協力すれば、厄介な相手とも戦える。その事実を再認識し、二人は改めて敵と向かい合った。
動きを封じられた海将は、苛立った様子で地下水を流し続けていた。
「おのれ、こうなったら増援を……」
何か良からぬことを企んでいる気配を感じ、動いたのは薙人だった。懐から蟲笛を取り出し奏でれば、新たな白燐蟲が姿を現す。
「あの人を捕まえてください」
薙人の指示を受けた白燐蟲は海将の体内に潜り込むと、鋭く牙を立てる。柔らかな体内を攻撃されたことで、海将は大きく足取りを乱した。その結果、彼は自らたぬきたちの罠へと突っ込んだのだ。
「しまった……!」
「今が好機ですね。Ist das klar.お覚悟を」
リグノアは全身の兵装を一つにまとめ、薄い装甲のまま敵の元へと突っ込む。彼女を支えるよう、白燐蟲たちが癒しのちからを注ぎ込んでいた。
「神臣様、ありがとうございます」
「こちらこそ。たぬきさん達のために、私も全力を尽くしましょう」
「……ええ、皆様のために」
皆を守るという意思を力に変え、リグノアは一気に敵の懐へと潜り込む。そのまま砲塔を押し当て放つのは、必殺の一撃。
猟兵たちが協力して放った一撃は、悪しきエージェントの装甲を叩き割り、その力を大きく削ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水鏡・多摘
来たか、邪悪なる者。
このささやかな平和を壊させはせん…滅ぼしてくれよう。
それとたぬき達、力を借りる事に遠慮せずとも大丈夫。
助け合いじゃろう。
成程、装備が砕かれるほどに強化されるか。
ならこちらはブレスで攻撃するとしよう。
祟り縄を伸ばし操り牽制、たぬき達の得意とする罠の方へアンモンを追い込んでいく。
罠にかかったタイミングでUC起動、雷属性のブレスを叩きつけ感電させつつ、霊力と呪力をその貝の守りの内側へと浸透させてくれよう。
十分に浸透したならそれは棘に変わる、装備を比較的傷つけずに内側だけ叩くには丁度よい。
暴れれば暴れるほどに苦痛は長引く、それもまたここを狙った報いであろうが。
※アドリブ絡み等お任せ
●
「来たか、邪悪なる者。このささやかな平和を壊させはせん……滅ぼしてくれよう」
オブリビオンを前にすれば、水鏡・多摘の様子は一変する。敵に向かい合う彼は穏やかな竜神ではなく、嵐のような荒魂だ。
けれどたぬきたちの方へ振り返れば、多摘は再び竜神としての顔を向けていた。
「それとたぬき達、力を借りる事に遠慮せずとも大丈夫。助け合いじゃろう」
「そう言ってもらえると本当に助かるよ。ああ、一緒に戦おう!」
たぬきたちも多摘の言葉に安心したようで、勇ましい表情を浮かべ戦いの準備を進める。彼らのためにも、必ず敵を打ち倒そう。そう決心し、多摘は自らの戦いを始めた。
「異世界の猟兵か。邪魔をするなら容赦せん!」
アンモンはまず多摘を排除しようと決めたようで、まっすぐにこちらへと向かってくる。その様子を、多摘は冷静に観察していた。
相手の装備は強固だ。だからといって壊してしまえば、その力すらも敵は利用するらしい。
(ならば、たぬきたちと協力するのが良いだろう)
多摘は祟り縄を取り出すと、それを敵へと向かって伸ばしていく。アンモンもすぐに縄の接近に気づき、それを避けるように後退した。
「そのようなもので私を捕まえられるなど……」
「ああ、汝を捕らえるのは我ではない」
油断したアンモンは後退した勢いでたぬきのトラバサミに引っかかり、その場で大きく動きを乱す。それこそが多摘の狙いだった。
相手の動きが鈍った瞬間、多摘は雷のブレスを吐き出す。そこに籠められた裁きの雷と霊力、そして呪力は殻の内からアンモンを冒し始めた。
「たぬきたちよ、より確実に奴を捕らえられるか?」
「任せてくれ!」
アンモンの動きを拘束するように、たぬきたちは縄や網を投げ込む。それらはアンモンを完全に縛り付け、逃走できない状況を作り出した。
悶え苦しむアンモンに向け、多摘はさらにブレスを流し込む。身体の内側から響く痛みと苦しみに、悪しきエージェントは悶え苦しむことしかできない。
その姿を、多摘は冷たい目で見下ろしていた。
「暴れれば暴れるほどに苦痛は長引く、それもまたここを狙った報いであろうが」
たぬきたちの善意には確かな善意を返し、オブリビオンの悪意にはより強い報いを返す。
そんな多摘の在り方を示したような戦いが、たぬきの町をしっかりと守っていった。
大成功
🔵🔵🔵
深山・樹
妹の光華(f37163)と
狙われるのはたぬきさんたちのせいじゃない
勝手な幻朧帝国が全部悪い
「絶対勝とうね、みつか!」
「固いのはあの殻…」
たぬきさんたち罠得意って聞いたしお手伝いを頼むね
「手とか脚とかに巻き付く鎖お願い!」
TVで見た暴走車止めるのに使うやつ!
「あと、僕がドクロ攻撃するから併せて銃撃も!」
思ったよりこういうのに慣れてるみたいなのすごく助かる
やった、みつかの応援きた!
勇気百倍だしみんなすごく喜んでる
きりっとした顔のみつかも可愛い…って場合じゃなくて
【黒炎砲】を喰らえ!
最初から頭しか狙わない!だって頭はがらすきだから!
何にも悪い事してない人達を守るのは絶対に正義
処刑人としても全力だよ!
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
たぬきさんたちあんなに楽しそうだったの
だから絶対村で悪い事なんかさせないの!
「はいなの!兄様、絶対勝つのー!」
敵さんはちょっとだけ手ごわそうなの
でもここには心強いたぬきさんたちもいるの!
動きゆっくりになれば兄様がわーって倒してくれるから
たぬきさんたちには罠で足止めしてもらうの!
「たぬきさん!罠のお手伝いするの!」
準備万端でむかえうつのー!
兄様にはお祈りでいっぱい強化するの
みつかの兄様は強くてとってもかっこいいの!
「悪い子は兄様がやっつけるの!」
「兄様!頑張ってなのー!」
みつかたぬきさんたちと一緒に
兄様の応援するの!
兄様もきっと勇気百倍なの!
●
戦乱の世界で生きるたぬきたちは、いつだって戦うことを覚悟している。
けれど自分の故郷が危険に晒されれば、当然不安になるはずだ。戦いの準備を進めるたぬきたちの表情からも、不安や緊張は伝わっている。
だからこそ深山・樹はたぬきたちの顔をしっかりと見て、力強く言葉を紡ぐ。
「狙われるのはたぬきさんたちのせいじゃない。勝手な幻朧帝国が全部悪いんだ。だから遠慮しないで、僕らも戦うよ!」
天風・光華も兄の言葉にコクリと頷き、たぬきたちに笑顔を向ける。
「たぬきさんたちあんなに楽しそうだったの。だから絶対村で悪い事なんかさせないの! わたしたちも一緒に戦うの!」
「……二人とも、ありがとうな!」
兄妹の言葉はたぬきにもしっかりと届いたようだ。覇気のある様子で作業を進める彼らの様子に、樹と光華も表情を和らげた。
「絶対勝とうね、みつか!」
「はいなの! 兄様、絶対勝つのー!」
改めて戦う決意を固め、兄妹とたぬきたちはそれぞれの持場を目指していった。
幻朧帝国のエージェント、アンモンは少しずつ町の中心部に向かっているようだった。樹と光華は彼の行く手を塞ぐように立ち向かった。
「小動物の町を守るのは子どもの猟兵か。随分舐められたものだ」
挑発的なアンモンの言葉にも、二人は決して乱されたりしない。冷静に敵の姿を観察し、やるべきことを判断していた。
「固いのはあの殻……」
「うん、ちょっとだけ手ごわそうなの」
わざわざ一人で乗り込んでいる以上、敵も実力者なのだろう。ならば、こちらも相応の作戦を立てるだけだ。
「光華、僕が時間を稼ぐ。だからたぬきさんと罠の準備をお願い!」
「はいなの、いっぱい準備するの!」
樹が刀を構えれば、光華はたぬきの方へと駆け出す。全力で駆けていく小さな背中を、アンモンも見逃さなかった。
「好きにはさせん!」
敵は地下水を呼び出して、そこから配下に奇襲させるつもりのようだ。その流れを阻むよう樹は立ち、近づいてくる骨牙兵を切り払う。
その最中、周囲で待機しているたぬきたちに声をかけることも忘れなかった。
「狙撃をするたぬきさんは、一緒に戦って!」
「おう、任せな!」
狙撃たぬきと連携しつつ、樹は次々に邪魔な雑兵を倒していく。その間に、光華もまたたぬきたちと協力していた。
「たぬきさん! 罠のお手伝いするの!」
「ありがとう、それじゃあお嬢さんにはこっちを頼むぜ!」
光華はたぬきたちの指示を受け、元気いっぱい町の中を駆け回った。みんなで協力すれば、罠の準備もすぐに終わらせられる。
準備を整え放つのは――暴走車を止めるような、強力な鎖の罠だ。次々に戦場に飛んでくる鎖を見上げ、樹は叫んだ。
「手とか脚とかに巻き付けて!」
彼の指示通り、鎖は次々にアンモンの身体を拘束していく。いくら固い殻を持っていても、巻き付いて拘束してくるようなものには対応しきれないだろう。
「ぐっ……!」
動きを制限され苦しむアンモンが見たのは、こちらに戻ってくる光華の姿だ。彼女も作戦の成功を確認し、ぱぁっと明るく笑う
「やったの!」
「光華とたぬきさんのおかげだよ、ありがとう」
樹も妹と合流し、表情を綻ばせる。そんな兄の様子に光華は誇らしげな表情を浮かべた。彼女の喜びを示すかのよう、精霊が兄妹の周囲を舞った。
「みつかの兄様は強くてとってもかっこいいの! このまま悪い子は兄様がやっつけるの!」
純粋な応援と祈りは兄妹だけでなく、この地のたぬきにも広がっていく。身体に伝わる温かなエネルギーは、この場の誰もが感じ取っていた。
「きりっとした顔のみつかも可愛い……って、場合じゃなくて。みんな勇気百倍だよ。このまま一気に決めよう!」
「それならみつか、もっともっと応援するの! たぬきさんも一緒なの! そして兄様もきっと勇気百倍なの!」
光華の朗らかな言葉に感化され、たぬきたちも次々に声をあげる。一緒に戦ってくれてありがとう、そしてこの町を救ってほしい。そんな思いが、樹の刀を握る手に力をくれた。
どうにか拘束を解こうと藻掻くアンモンに、樹は静かに刃を向ける。
「何にも悪い事してない人達を守るのは絶対に正義。処刑人としても全力だよ! 僕らが今から――黒魔炎でお前を燃やす!」
刃に全力の思いを籠め、振るう一閃は黒魔炎へと変わる。
その炎はアンモンの頭部に降り注ぎ、彼を内側から燃やし尽くした。
炎が消えれば、残るのは灰だけ。正しい処刑の炎は悪しき存在と、邪悪な兵器の双方を消し去った。
戦いが終わったことを実感し、たぬきたちは歓喜の声をあげる。
「……やったよ、光華!」
「はいなの! これで安心なの!」
その中央で、兄妹も笑顔を向け、たぬきたちの喜びの輪に加わるのだった。
●
こうしてたぬきの町は守られ、再び宴会が開かれる。
今度は勝利と平和を祝うためのものだ。その宴も多くの人が招かれ、楽しい時間を過ごすこととなるだろう。
そうやって紡がれる思い出が、いずれたぬきたちを助ける力になると信じて。賑やかな宴は、夜が更けるまで続くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵