2
悲劇作家気取りに鉄槌を

#ビブリオラビリンス

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ビブリオラビリンス


0





――ジェイド、頼む。娘は、エリーは助けてくれ。
 血まみれの少年、ジェイドを見上げながら男は息絶えた。
「……なにいってんだよ」
 鋭角に割れたガラスからは男の血を上書きするように自身の血が滴るのを構わずジェイドはガラスを握る力を強めた。
「俺らの村をこんなにしたのに」
 ほんの少し前まで笑い合っていたのに彼らは、苦痛と絶望、怒りの表情で最期がいかな状況だったかを物語る。
 住民は日々の糧を得るために働き、時に実りに感謝すべく広場で小さな祭りを行う、一刻前まではどこにでもある長閑な村だった。
 しかし、今やどうだ。麦畑は燃え盛り、家々は焼け落ち、皆が行きかう広場には誰のかもわからない血の海に沈む村人の姿。
「親父、母さん、ジュディ、近所のじぃさん……あんたが殺したんじゃないか!」

「あんたが……なんでこんな事をしたんだよ」
「だからだよ、おにぃちゃん」
 背後から聞こえた男の声にジェイドは振り向くと、そこには死んだはずの|妹《ジュディ》が立っていた。
「ジェディ! 生きていたのか」
「私は君の願いを叶えただけさ。普通の人とは違う、特別な存在になりたいという」
「……は?」
 死んだはずの妹の答えに駆け寄ろうとしたジェイドの歩が止まる。
「故郷を失うという悲劇性。私達から見れば手垢に塗れるほど陳腐だが、分かりやすい差別化だ。
 だから君は暴徒の出現に乗じて村を焼き、人を殺した」
「願い? 何言ってんだ。確かに俺は近々この村を出ていく予定だったが、こんな事望むわけないだろう!」
 少年が旅立つことは事実。だがそれは村の人々と折り合いが悪いからではなく、自分の可能性を試すための物であるいわば修行の旅のような物。
 ジェイドは必至に反論するが相対する妹は妹ではない喋り方と表情を崩さない。
「ならばその口元の|笑み《・・》はなんなんだい?」
「な、に……いって……」
 指摘に戸惑い、さ迷う視線はふと、目線が手元のガラスへ。
 ガラスに反射する自身は、
 ギラついた目と不気味な程に口角が上がった笑みを浮かべていた。
「う、そだ……」
「特別になりたい、その願いを叶えられただろう」
 妹らしき存在は笑みを浮かべながらその手の銃を兄へと向ける。
「これで君は悲劇のヒーローさ」
 燃える村に、甲高い銃声が鳴り響いた。


「――新たな猟書家が誕生するかもしれないわ」
 ソフィー・ツーリヴァイヴァーが内の怒りを抑え込み、平静を保ちながら説明を続ける。
「皆様もご存じのように書架の王をはじめ有力な猟書家はほぼ壊滅状態。ですが、残存する猟書家が侵略蔵書の中にいる才能ある住民――ユーベルコードの才能を持つ住人をオブリビオン化、そして猟書家へと仕立て上げる計画を立てています」
 今回ソフィーが予知したのもその計画の一つ。予知ではアックス&ウィザードにて切り取られた世界、そこに住まうジェイドと呼ばれる少年が狙われているという。
「彼はユーベルコードの力を持つ以外は普通の少年です。思春期によくみられる自意識過剰な所は有りますが年相応、至って普通の少年」
 ある意味患っているとは言えソフィーの言う通りジェイドのそれは普通の成長過程に過ぎない。
 本当は嫌いなくせに血を見るのが好きだとか、特別感を演出する嘘だってつくのも当たり前。
 嘘の、はずだった。
「猟書家がこのよくある思いを悪意ある方向へと増幅させ、彼に村人を殺させようとしています」
 突然巻き起こる村人たちの殺し合い。流れ流され、少年も命を守るため戦い、やがて主犯格と思われる村人を倒す。暗い過去を持つ少年は燃える村を背に旅立つ――。
 それが猟書家の考えた『村を焼かれた悲劇の|ヒーロー《殺人鬼》』。
「このままでは少年は村人を殺した後に猟書家にされてます。そして彼は他の小世界に新たな被害を出します。
 皆様には事前にこの村に入り、この凶行を止めていただきたいのです」


「村は夕方、人々が帰路につく時刻です。猟書家が唆された女に自分の夫を殺させたところから悲劇は起こります」
 恐怖はドンドンと連鎖し最終的には人々が殺し合う事態に発展するのだという。
 そして、ソフィーが言うには今から転移すればこの事件の直前に到着できるという。
「到着した皆様にはまずこの村の人々が殺し合う事を止めて下さい。
 少年以外は一般人です。殺傷能力があるユーベルコードはもちろん、猟兵の通常攻撃も手加減なしで放てば彼らは死にます。なるべく気づ付けない様に捕縛、制圧して欲しいわ。
 また、彼らの中にはこの事件火つけ役となるべく猟書家も複数の村人となって擬態しています。
 この場で彼を判別し、倒す事ができれば敵を弱体化できるかもしれない。ただ、判別は非常に困難。
 一般人を殺してしまっては少年の精神が不安定になるから殺すのは慎重にお願いするわ」
 判別ができなければ一般人を殺す可能性もある。
 そうするとジェイドが殺人鬼となる可能性が高くなるため、手段が無ければ倒す事は控えた方がいいだろう。

「村人を制圧すればこの事件の主犯格『邪神『N』』が出て来るわ。
 黒い球に触手がついた様な姿で猟兵に攻撃してくる他に何にでも姿を変える事ができ、それは猟兵も違いありません」
 黒い球体に触手が生えたその体の至る所に目や口がついた姿はまさに異形。
「不気味な姿をしており、別の世界の邪神だと思われますが、今はそこを言及している時間は有りません。
 一刻も早く、この作られた悲劇を止めてください」
 説明を終えたソフィーは小さくお辞儀をし、グリモアを起動させるのだった。


遭去

 遭去です。
 有史以来何万何億回やられていたとしても、一回は自分も村を焼きたい……と考えていたんですが、第六だけでも少なくとも2回は村を焼いてるのを思い出しました。
 とりあえずもう一回焼きます。

●1章
 暴走する村人を止めましょう。村人は操られたりパニックになっている他、猟書家に嘘を吹き込まれて疑心暗鬼になっていたりと様々な人がいます。
 村人は普通に攻撃すれば普通に死にますので気をつけてください。
49




第1章 冒険 『暴徒を鎮圧せよ』

POW   :    力で抑え込む

SPD   :    暴徒の頭領や幹部を狙って効率的に抑える

WIZ   :    暴徒に説得を試みる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エミリィ・ジゼル
物理的ダメージを与えずに無力化していけばいいんですよね
任せてください。わたくしは、家事以外のことならだいたいできます


というわけで、無力化する方法ですが、今回は心理的ショックを与えて暴れるどころではない状況にしていきます
具体的にはUCで片っ端から暴徒たちの黒歴史を暴いて発表していきます
黒歴史を暴かれた人たちを羞恥で暴れるどころではなくなるってすんぽーです

それでも暴れ続ける人が出たら、もっと黒歴史を暴くぞ?いいのか?ん?
って【恫喝】すれば静かになるでしょう

黒歴史を暴かれた人たちの苦しみ?
まあ、たまに思い出して寝る時にのたうち回るでしょうが、必要な犠牲ってやつです
コラテラルダメージ




『お前、あいつと浮気してんだろ』
『し、知らない……だからそれを降ろして!』
 嫁が鍛冶屋の若旦那と浮気しているのを問いただすために、アックスは嫁であるサラにナイフを向けていた。
 サラはと言えば知らない、そんなのじゃないと言葉を繰り返すだけ。そんな調子でアックスはしびれを切らし彼女にナイフを突き立てるのだ。
 ――
 彼は知らない。家の調理器具が壊れたため嫁は鍛冶屋に修理を依頼したことに。
 彼は気づかない。『お前の嫁が鍛冶屋に頻繁に行っている』とだけ聞いた事に。
 彼は思い出せない。誰からその話を聞いたのか。

「なるほど愛を疑っておられるのですか。これは、いけないですね」
 扉の隙間からエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は見た。旦那と思しき男が女性に刃物を向けている様子を。
 男が誰かに何かを吹き込まれたのだと察したエミリィは優雅にエプロンドレスのポケットから何やら取り出した。
「わたくしは、家事以外のことならだいたいできます」
 お任せあれ、メイドなら家人の仲裁もお手の物。
 エミリィは優雅にエプロンドレスの裾を翻し、家の扉を開けた。

「まぁまぁアックス様。それでは初恋の近所の素敵なおねえさん、アン様に顔向けできませんよ?」
『なんだお前は! それどころじゃねぇすっこんでろ!!』
 突然現れたエミリィに対しアックスは当然の反応を返すのだが、サラは違った。
『待って。あんた、私が初恋だって言ってたわよね。一目惚れしたから結婚してくれって』
『……』
 座った目で問うサラに、アックスは目を泳がせる。
『ちょっと?』
 彼の反応からエミリィの話が真実だと察したサラは一気に詰め寄られた。
 家の空気はエミリィの言葉によって一瞬で形勢が逆転した。
『ちちちっちがう。適当言ってんじゃねぇ』
「わたくしの|記憶《ユーベルコード》によると真実のようですが」
 黒歴史を暴くメイドの術。対象の記憶から本人も忘れていた黒歴史を引き出す、これまた恐ろしい力だ。
「記憶の中には多くの女性の名前がありますねーえー」
 サリー、エリィ、カレン、ソフィア、ハンナ、マリア、ヨハンナ、ビーチェ……
 出てくる出てくる彼の恋の戦歴が。
 叶わなかったであろう恋の遍歴が。
「その時に送った手紙の一つには『君の瞳はワインのように僕の心を酔わせる。なんて罪な子なんだ☆』というのが」
 その言葉が出てきた時点で男はもう限界に達した。 
「他にもいろいろありますよ」
『コロシテ、コロシテ……』
『もっと黒歴史を暴くぞ?いいのか?ん?』そんな言外の脅しに屈したア㏍数はナイフを取り落とし、その場にうずくまってしまったのだ。
 そうして悲しくなるくらいに小さくなった男は何事かを呟くだけになってしまった。
「だとおっしゃってますが、奥様どうされますか?」
 無力化できたと悟ったエミリィはサラへ問いかける。
 全てを聞いたサラは「ありがとう猟兵さん」と感謝を述べた後に旦那へと笑顔で宣告する。
『殺す前に色々お話しましょっか?』
『ワァ……』
 黒歴史と嫁の圧に晒された男はただ小さくなって転がるしかないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…忌々しきは猟書家どもめ!
…少年を救う為にも…さぁ行くぞ…私は処刑人…!

精霊馬を召喚し騎乗
村中を駆け回りながら【咎力封じ】を発動
暴れ回る村人たちを拘束具で拘束し捕縛
鎖の鞭を振るいロープワークで足に絡ませ体勢を崩し転ばせたり
武器を叩き落したりして無力化しよう

そして地獄の炎を纏わせた鉄塊剣を抜き振るい注目を集めて
存在感と威圧で村人たちに恐怖を与えて抑え込もう

これ以上暴れるならば貴様等の首と胴を容赦なく切り離すことになる…
頭を離したければ好きに暴れるがいい…嫌ならば武器を収め地に伏せよ…さもなくば!

村人を鎮圧したら少年を探し出そう…




『落ち着け、手にしている斧を降ろせ!』
『うるせぇ、俺の手柄を横取りしやがった癖に!!』
 斧を握る男を諫める声が小屋の中から響き渡る。
 斧を握る男――ユアンにとって目の前の男、兄のサディは憧れだった。
 頭がよく、顔も良い。皆から慕われる存在であるのに落ちこぼれのユアンをいつも気にかけ、二人で山の仕事をこなす程。
 ユアンも兄を慕っていた。だが『弟が納品する木材の方が質が良い』、そんな言葉を聞いてからユアンはサディが自身の才能を囲って自分の財にしようとしているのではないか。そんな疑問を得てしまってた。
 ――どこで誰が言っていたかすら思い出せないというのに。

 張り詰められた空気の中、突如小屋の壁を砕かれる。
 崩壊する瓦礫の中、現れたのは黒馬に騎乗した女の姿!
「……忌々しきは猟書家どもめ!」
 騎乗する仇死原・アンナ(処刑人、炎の花嫁、魔女、屠る騎士、あいどる☆・f09978)が義憤の言葉と共に武器を手にしたユアンへ向けて拘束具を放てば、彼は成す術もなく拘束される。
『ぐっ……!』『あ、あんたは?!』
「通りすがりの猟兵だ」
『……っ、ヨソもんはすっこんでろ!』
 拘束されているにもかかわらずユアンはアンナへ体当たりを試みる。だがアンナにあっさりと足払いを掛けられれば、彼の体は再び地面に転ぶこととなった。
『……くそっ!』
「……その戦意だけは買ってやろう。だがな」
 地獄の炎が纏う鉄塊剣が、まだ藻掻こうとするユアンの顔横に突き立てられた。
「これ以上暴れるならば貴様等の首と胴を容赦なく切り離すことになる……頭を離したければ好きに暴れるがいい……さもなくば!」
『ひぃ、ごめんなさいごめんなさい!!もうしません!!』
 上から降り注ぐ声はさながら神の一言。
 ユアンから戦意は消え失せ、ただ横で燃え盛る炎と顔の距離を取りながらこくこくと頷くしかなかったのだった。
「……ここにジェイドという少年はいるか?」
『ジェイド? あっ、ああ。この坂を下りてすぐの家の子だな』
「……そうか、感謝する」
 弟を介抱するユアンの言葉に感謝の言葉を述べるとアンナは愛馬を操り村へとくりだした。

「猟書家の思い通りになどさせん、させてまるか……!」
 夕闇を割く焔が駆ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン
特別になりたい、と思うこと自体は別にいいんだ
…そういう感情を利用する第三者が悪いってだけの話だ
ただ、少年には知っていて欲しいことがある

特別な存在でなくとも、|その魂は我が眼に尊く《UC発動》あることを

一人で歌うのもアレだし、バトモンたちにも手伝ってもらうか
キリエは歌に合わせて【精神鎮静】を織り込んだ【破邪の遠吠え】を
…ぴゃーんって鳴き声だけど、ちゃんと遠吠えだな
ノクにはメガホン持ってもらって、オレたちの【声を届かせる】ようにして貰う

この歌で自我を取り戻すか、自分の行動に悔やむなら一般人だが歌を聞いてなお暴力を促す者は怪しい
注意して見ておくか

…歌の上手い下手は関係ねぇだろ今は!




 怒り、憐憫、嫉妬、冷笑……村に不協和音が響き渡る。
『おっさん、どうして!』
『うるさい、お前がいては駄目なんだ!』
 猟師のディアスにはエリーという娘がいる。出産と同時に儚くなった嫁が残してくれた宝物だ。
 手塩にかけて育てたエリーが最近ジェイドという少年に好意を抱いており告白したいという話を、父は人伝えで聞いた。
 しかし少年は近々旅に出るという。そんな彼と思いが通じ合っても将来はどうなるだろうか……ディアスは娘の意志を尊重しつつも親として複雑な思いでいた。
 そんな時、誰が言ったのだろうか。『ジェイドが村から出るのは村内で不和を生み出したから』と。
 普段の男ならば一笑に伏し、逆に噂を口にした者を問い詰める程度のもの。
 だが、この時聞いたこの話は妙にディアスの脳にいつまでもこびり付き――やがて彼の中で『ジェイドは人を殺したから村を出る』に変換されたのだ。
 --村を、エリーを守らないといけない。
 そう奮起したディアスは仕事道具の猟銃を構え、ジェイドへと発砲した。
『くそっ……』
 常人を逸する身体能力と判断力で銃弾を避けたジェイドは|たまたま《・・・・》外に落ちていたガラス片を手に、ディアスへと肉薄。
 ガラスが男の喉仏に突き刺さる、次の瞬間。
――歌が聞こえた。

 広場で歌を歌うギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)と、キリエとノクターンの姿があった。
「特別になりたい、と思うこと自体は別にいいんだ」
 普通という現状に不満を持ち乗り越えようとする感情。これがプラスの方向に働けば自分だけではなく他者にも良い影響を与えるものであるが、逆も然り。
 そうして、そう言った感情を利用する第三者に対して、ギュスターヴは怒りを抱いていた。
 だが、それよりも前に。少年に知って欲しい事がある。
 この場にいる事は無くても、それを届けるために、ギュスターヴは聖書の一句を口にする。
「――特別な存在でなくとも、その魂は我が眼に尊くあることを」
 ノクターンが持つメガホンから拡張された声は村全体へ声が届けば、張り詰めていた殺気が緩んだ。
 ――ぴゃーん。
 彼の歌と共に鹿の鳴き声が響き渡る。いつもならば村の外でよく聞こえるただの音だが、キリエの透明な声は耳にした者の|濁り《狂気》を遠くへ飛ばし清めていく。

『なんだこの歌……』
 ジェイドが手を止めて歌に聞き入っていると、後方でディアスが猟銃を落とし崩れ落ちていた。
『確認すれば、いや確認するまでもねぇ。お前が碌な事をする奴じゃないって分かっていたのに。俺はおまえに……なんてことを……』
『おっさん……』
 正気に戻ったディアスにジェイドはただ、肩に手をやって慰めるのだった。


『にしてもよこの歌』
『……下手だよな』

(「……歌の上手い下手は関係ねぇだろ今は!」)
 広場に集まった人々の間で呟かれた感想に、ギュスターヴは抗議するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『猟書家「邪神『N』」』

POW   :    模倣形態
対象1体の全ユーベルコードを威力1.5倍で使える【対象の姿形や能力を模倣した形態】に変身する。ただし対象が勝機を見出すと弱体化。
SPD   :    弱点対応形態
【触手や攻撃魔法】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【肉体や能力を持った形態】に変身する。
WIZ   :    巨大形態
【より巨大で、より異形で、より強力な形態】に変身する。変身の度に自身の【触手や目や口】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。

イラスト:AgMino

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はブルーノ・ビアンペサントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「すまない、俺はなんてことをしたんだ。謝っても許されない……」
「良いんだよおやっさん。俺もアンタにガラス向けちまったし、お互いさまって事で」
「兄貴、俺……」
「言うな。お前はもっと自分に自信を持て」
「で、あと何人くらい粉かけた子がいるの?」
「ケテ、タスケテ……」

 清廉なる声が響く村の広場にてすべての村人が集まり、互いに許し合う。
 猟兵達の速やかな介入のおかげもあり、血が流れるような結果を迎える事は無かった(一組ほど悲惨な事になっているがまぁ誤差だろう)。

「……おかしい、なぜ殺し合わない? 君たちをそう誘導したというのに」
「……ジュディ? なんで、ここに?」
 広場に入って来たジェイドの妹ジュディと村人が入って来た事にジェイドは困惑を隠せない。
 妹は彼のすぐ近くにいる。村人もだ。ならば、彼女たちは?
「「「「少々話がずれるが……私が直接手にかけるとしよう」」」
 途端少女たちの顔が異常に膨らんだ。
 手足、体……膨らみ、もとの体は黒く変色した黒い体に呑み込まれていく。
 やがて別個の体は一つとなり――少女たちがいた場所には黒い球体に無数の目と触手を付けた『化け物』がいた。
「『村の外から野党に村が襲われ、生き残った少年は旅に出る――』少々筋書きがずれたが、結末には変わらない」
 ぎょろり。全ての目が村人に、妹を庇うように立つジェイドへと向け――やがて思い出したかのように怪物――邪神『N』は猟兵達の方を見やり、大きな口を開けて笑った。
「これは|新たな猟書家《ジェイド》の門出を祝う、大事なイベントだ。余所者の君たちも特別に招待しよう」

 ――遠慮するな、死ぬ数は多い方がいい。
 その方が特別感があるだろう?
エミリィ・ジゼル
死ぬ数は多い方がいい?
もしかして出目の話をしてます?
しょうがないなぁ、じゃあやりますか、クソスレ!

ワールドハッキングプログラム起動!クソスレしようぜ!

互いの頭上に2つの十面ダイスが見えますね?
そのダイスは行動の度にランダムな数値に変化します
で、ゾロ目だと死にます。簡単ですね?

ではこの状態で戦うとしましょう

なんか何回も変身して回復するらしいですが、ゾロ目ったら即死だから注意しろよな!

無論わたくしもゾロ目なら死にますが、持ち込んだ『ウサギの足』の【幸運】に賭けて【お祈り】しつつゾロ目回避します
そして邪神の攻撃も【第六感】で【見切り】して回避します

さぁ、果たしてゾロ目る前にわたくしを倒しきれるかな!




 醜悪な姿をした邪神『N』がより質量を増やし続ける。
 より巨大たれ異形たれ。増殖する事が彼の力を増やすのだ。
 醜悪な神を前にエミリィ・ジゼルは真剣な表情を崩さずに形の良い口を開く。
「死ぬ数は多い方がいい? もしかして出目の話をしてます?」
 何の話エミリィさん? ちなみに第六基準なら小さい方が嬉し……あっ、ファンブルの方!?
「しょうがないなぁ、じゃあやりますか、クソスレ!」
『は?』
 突然の提案に流石の邪神もついていけない。
 そんな神を尻目にエミリィはカタカタ……ッターン!とエアキーボードのエンターキーを押す。
「ワールドハッキングプログラム起動! クソスレしようぜ!」 
 宣言と共に二人の頭上に大きな二つのダイスが現れた。
「互いの頭上に2つの十面ダイスが見えますね?」
『出たな……』
「そのダイスは行動の度にランダムな数値に変化します」
『なるほど』
「で、ゾロ目だと死にます。簡単ですね? この状態で戦いましょう」
『ルールは理解したが納得はできない』
 そうしている間にも忙しなく互いの頭上のダイス目は動き、邪神の頭上のサイコロの出目が33を示した。
 ごぼりと体から謎の液体と噴き出す邪神。だがすぐに傷口が不気味な動きをしながら閉じられた。
『死んだ』
「それ死んだんですか?」
『私は死んでも復活できるからな、神ゆえ』
 まるで意味がないと言わんばかりに邪神はその巨体を活用した攻撃を繰り出していく。

 チェンソーが宙を舞い、触手が振るわれ、鮫が空を飛ぶ。
 何度もダイスが振るわれたが、エミリィはまだ立っていた。
 エミリィがゾロ目を一度も引かないのは祝福された幸運故か祈りが神に届いているからなのか。
 やがて66。邪神の頭上のダイスが無慈悲なるダイス目を引き出した。
 邪神Nが体の全初動を止めた――だが、再び動き出した。
『おのれ、なぜ私ばかり……』
「わたくしは神に愛されておりますので! 今日は特に……ん? これ普段だったら逆に見放されてます?」
 噛みつき攻撃を避けるとエミリィは得物を握り直す。
「死を超越している――と言いたげではありますが。その余裕が何回持つか、見物ですね!」
 お祈りをしながらエミリィはチェーンソーを振るうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン
へー、なるほど…オレを模倣してきたか
(クソデカため息)
冒涜的なマネする上に人の命を数字でしか考えてねえ奴って、なんでこう腹立つんだろうな
いや、それ以上にムカつくのはオレへの解像度の低さだが!

【祈り】を込めてHYMNEを武器変形させ、UCを発動する
相手は変身と言ってるが、実態は模倣であり偽装、擬態だ
なら話は簡単だ
閉ざしたものをこじ開けるのが、この技の役目だからな

そうすりゃ素の顔が出てくるし、あとはそいつを【神聖攻撃】とか【浄化】を込めて殴ればいい

何故攻撃性がないUC使うかって?
ジェイドさんを悲劇の主人公って役から解放するために使うんだから、これが一番相応しいに決まってるだろ

※アドリブ等歓迎




 ギュスターヴ・ベルトランは|自分《・・》を睨みつける。
『|HYMNE《讃美歌》は祝福を授かり輝かしく――全てに、数多に降り注ぐ』
 相対する自分は諳んじられた聖句と共に、巨大化したリングスラッシャー――実態無き光輪が現れ、ギュスターヴと村人へと襲い掛かる。
「――っノクターン!」『ぎゃうっ!』
 主の願いに応えるべく星屑の竜が飛来しリングスラッシャーへ肉薄。
『ギュイ!』
 刃が竜に接触する――そのタイミングでノクターンはその尻尾で刃の道部分を薙ぎ払いを地面に叩きつけた。
「へー、なるほど……オレを模倣してきたか」
 地面を抉りようやっと動きを止めた光輪に内心しながらも、ギュスターヴの視線は目の前の|自分《邪神》へと大きなため息をつく。
「悪魔に真似られるとか何の試練だよ」
『宗教家というのに解釈を間違えているな、人の子よ。わたしは悪魔ではなく神である』
 相対するギュスターヴ……否、彼に擬態する『邪神「N」』は酷薄な笑みを貼り付けギュスターヴと後ろにいる村人に見下す。
『神は何物にも姿を変え、お前達の続きの生を送る事も可能である』
 焦げ茶の髪も、金の瞳も、色白の肌も。望みあればそのままの性格を再現して。人生を彩り、彩られ過ごして。そしてまた別の人生を歩めるのは神だけだ。
 そんな神の説教にギュスターヴは鼻で笑う。
「神を騙るのも……いや、それ以上にムカつくのはオレへの解像度の低さだが!」
『なんだと?』
「お前のその変身の実態は模倣であり偽装、擬態だ。なら話は簡単だ」
 ギュスターヴは背中のジェイドを一瞥すると『よく見とけ』と促す。
 力は暴力だけでは無いのだと。
 悪意ある力で悲劇の主人公へと据えられれた彼の役を降ろすのには必要なのは愛であると。
 ギュスターヴは祈りと共にHYMNEを召喚し、言葉を紡ぐ。
「光は屈折し、反射し、収束する。届け、解放の虹よ──閉ざされたものに祝福あれ」
 ギュスターヴが手にしたリングスラッシャーの輪郭がぼやけ、光の球体と変化すると、目の前に入る神を包み込んだ。
『こんなも、の……!?』
 とたん、偽のギュスターヴの顔が、体がどろりと溶け始めた。
 包み込む光は只の光に非ず。この球体は光の屈折や反射が絶えず行われる結果特殊溶断構造となっている。
 サイキックエナジーによる光はあっという間に人を模倣する構造をこじ開け、邪神の姿を暴き出した。
『ちぃ……』
 本来の姿を暴かれた邪神が触手でギュスターヴを打ち据えようとした――その時。
「神を名乗るならもう少し人間の解像度を上げておけ!!」
 浄化の力を込めた一撃が、邪神へと放たれる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九段下・鈴音(サポート)
『この力を使ってくりゃれ』
『妾が護ってやる。安心せい』

 自分よりも他者を優先する性格。
 ユーベルコードや技能はどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
 性格上他の猟兵をかばうことはあっても、迷惑をかける行為はしません。
 また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 エログロはNGです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「ふむ、妾の力が必要なようじゃの」
 ビブリオラビリンスにて新たな猟書家を生み出そうとする邪神『N』が村に襲来した。
 かの邪神を倒すために九段下・鈴音(黒桔梗・f01929)は冷静に回り状況を把握すると、ふと自身の後ろにいる人々が目に入った。
 そのうちの一人、不安そうにこちらを見やる少女に、安心させるために笑みを浮かべた。
「妾が護ってやる。安心せい」
 怖がる子供にやさしく声をかけ、安全な場所へ避難を促すと、鈴音は得物たる|武器《竜胆》を構える。
『……随分と、余裕があるのだな……?』
 その様子に邪神『N』はやや苛立った声を上げた。
 鈴音は武器は構えている。ただしそれは鞘に入った状態で。
 邪神『N』は舐められたものだと言わんばかりに無数の触手を振った。
 口が無数に生える触手が鞭のように鈴音の肢体を打ち据える――事なく、触手は宙に舞った。
『なんだ……?』
「なんじゃ。神というのは随分目が悪いのじゃな」
 力の行き先を喪って不規則な軌道を描きながら落ちる触手など目もくれず、鈴音は鞘から抜かれた妖刀を手に邪神の元へ音もなく肉薄する。
「見えぬ奴にわざわざ見せるつもりもないがの」
 邪神が再生した触手を振るう前に、鈴音が振るう銀の一閃が邪神の体を切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…奴が猟書家!なるほど見るも悍ましい姿…
心置きなく怪物として屠る事が出来る!さぁ行くぞ!私は処刑人だッ!!!

霊剣を振るい敵と戦おう
敵の触手を霊剣術による鎧無視攻撃で斬り払い魔法を破魔の力で打ち消しながら
敵を斬り付け傷口をえぐり広げて変身する隙を与えず攻撃しよう

死ぬのは貴様だけでよい…貴様の物語を踏みにじりそして下らぬ結末は燃やすに限る!…滅せよッ!!!

鎖の鞭を振るい【シン・縛り首の刑】を発動し
ロープワークと範囲攻撃で敵を捕縛し拘束、呪詛耐性と霊的防護で敵を縛り付けて
我が身と鎖の鞭に葬送の炎を纏わせて敵に悪魔殺しの葬送の炎を流し込み焼却
破邪と浄化の力で敵を消滅させてやろう…!




「……なるほど見るも悍ましい」
 邪神と相見えたアンナが冷静に言葉を紡ぐ。
 だが敵がどんな存在であろうとやる事は変わらない。無辜の人々を傷つける存在を悉く葬る、それが処刑人たるアンナの矜持。
「さぁ行くぞ、私が処刑人だ!!」
 |波打つ霊剣《フランベウジュ》を手にアンナは邪神の触手を斬りながら猛攻を始める。
 対して邪神『N』は魔法が放たち疾風が巻き起こす。アンナは余裕をもってそのシップを躱すが、余波で彼女の髪の毛が数本吹き飛んだ。
 それを器用に触手に生える口で食んだ邪神はにぃと笑った。
『君の弱点は……これだね』
 邪神が笑うと同時に聖なる魔力を宿す氷がアンナの周囲に隆起すると、あっという間にアンナを飲みんでいった。
 ――やがて数分の間を空けて静かになったのを確認すると、邪神は笑みを深くする。
『人が神を殺そうなどと、烏滸がましいと思わんかね?』
「……何を勘違いしている」
 氷が派手な音を奏でながら崩れ去った。同時に邪神の体に鎖の鞭が巻きついた!
「神を殺せるのは人だけ。
 それを忘れるな」
 アンナの体より炎が舞い上がる。
 それは悪魔殺しの炎。神と悪魔は表裏一体の存在なれば神たる猟書家にも効こうという物。
 やがて炎は鞭を伝い、邪神を飲み込まんとする!
『この程度……』
 邪神は余裕をもって氷で炎を遮断しようとするも、鎮火はできない。
 それどころか氷を飲み込み完全に邪神の体を飲み込もうとしていた。
 制御できない状況に追い詰められ、余裕ぶっていた邪神に焦りが見え始める。
 死。神が経験したことが無い、未知なる存在。
 それを人間から賜れというのか。
『死ぬ? アレの悲壮な顔をみながら同胞を迎え入れようとしただけだというのに?』
 猟書家を増やす目的ついでに、| 未来の猟書家《ジェイド》の生前の姿の情けない姿を見て悦に浸るだけだった。
 安全圏からの見世物だったはずが、鎖に雁字搦めにされて火刑に処されようとしている状況に、邪神は苛立ちと恐怖を感じていた。
『死ぬというのか? わたしが? | わたし《神》が? ありえぬありえぬありえぬ……!』
 邪神の体より氷が発せられる。
 体裁も気にしない最大の魔力を持って形成された氷はアンナと地獄の炎を巻き込んでいく。
「死ぬのは貴様だけでよい……貴様の物語を踏みにじりそして下らぬ結末は燃やすに限る!」
 しかし聖なる氷が体を苛んでもなお、アンナに迷いはない。
 闇の救世主として――否、処刑人として、神を殺す。それが彼女の決意。
「……滅せよッ!!!」
 アンナの悪魔殺しの炎が氷を砕き、邪神を完全に飲み込んだ。
『そんな、私が……我が……ッ!!』
 邪神の悲鳴すらも燃料に変え、
 炎が消えた後には何も残っていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ドラグナーフェイク』

POW   :    ドラグナーブレス
自身の【ドラグナーの翼】でレベル×100km/hで飛翔し、射程無限・直線上の全てを切断貫通する【ブレス】を放つ。
SPD   :    スケイルシューター
【魔力の籠もった鱗】をレベル個に分裂し、【流星】の如き軌道で射出する。個々の威力は低下するが回避困難。
WIZ   :    クルーエルスキャター
指定した敵1体か自身が死亡するまで、負傷を無視して毎秒【両手足の爪】で攻撃し続け、敵の攻撃を【翼】で弾く。

イラスト:塩さば

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 死の遊戯が、祈りが、炎が邪神との間に交わされただろう。
 かくしてかの邪神は猟兵達の猛攻に耐え切れず滅びを迎え、新たな猟書家を生み出す企みは消え去った。
 広場に集まった人々の間に安堵の空気が広がった瞬間。
――――ガアアアアアァァァァアアア!!!
 弛緩した空気を切り裂き、無数の竜が姿を現す。
 空を埋め尽くさんとばかりの竜の姿に村の人々が体を強張らせ動けない中、殻を守る様に立つ人がいた。

「おいおい、親玉は死んだから逃げてくれればいいのに」
「もしかして、『ただでは死なん』と置き土産では? もしもの保険として用意していた可能性もありますわね」
「どうであろうと関係ない。全て殺せばいい……さぁ行くぞ」
 猟兵達は武器を構え、襲い掛かる竜たちを迎え撃つ。
エミリィ・ジゼル
わぁ、空がトビトカゲでいっぱいだー
よし、やるか、怪獣大決戦!

というわけでサメを呼びます
1シナリオ中1回ぐらいはちゃんとサメ出さないとな、っていう義務感によって

獰猛な肉食サメ、超巨大サメ、ロボのサメ、空を飛ぶサメ、幽霊のサメ、ミサイルで武装したサメ、頭が複数あるサメ、タコと合体したサメ、ゾンビのサメ、竜巻を待とうサメ

それら映画会社から無限に供給される多種多様な無数のサメをトビトカゲの群れに投擲します
これぞ、大乱投シャークムービーズ!

サメをひとしきり投擲したら、わたくしも『サメ子』に乗り、竜特攻を有した『幻想殺し』のフライパンでカチコミます

村人たちに「もう竜肉は食べ飽きたよぉ」って言わせてやるぜ!




「わぁ、空がトビトカゲでいっぱいだー」
 目の前の竜――ドラグナーフェイクの大群を前にエミリィ・ジゼルはどこか間延びした言葉を紡ぐ。
 しかし状況は良くない。あちらは空を覆う程の大群でこちらは数人の猟兵、そして後ろには村人たちが怯え、震えているのだ。
 あまりよくない状況。しかし、メイドには作戦を練る事も造作もない。打開する一手をエミリィは即座に導き出した。
「よし、やるか、怪獣大決戦!」
 数が多い。ならばこちらも数で攻めねば無作法と言う物だ。
 そうかなぁ。
 
 何はともあれエミリィはいつの間にか着替えた鮫着ぐるみの背中からごそごそと何かを取り出していく。 
「てってれ~! ホオジロサメ~!」
 取り出したるは3mは超える鮫。
 メインジョブの代名詞、やっぱ出しとかないとね!
 そこからエミリィは数々のサメを広げていく。
 獰猛な肉食サメ、超巨大サメ、ロボのサメ、空を飛ぶサメ、幽霊のサメ、ミサイルで武装したサメ、頭が複数あるサメ、タコと合体したサメ、ゾンビのサメ、竜巻を纏うサメ、バーチャルサメ、UMAサメ、ウマサメ……映画でしか見たことが無いような、というよりは映画でしか存在しないであろう多種多様なサメがずらりと並んでいた。
「――これぞ、大乱投シャークムービーズ!」
 大乱の辺りで嫌な予感がしてたけどそこは華麗に躱してくれたエミリィは、近くの肉食サメの尻鰭をむんずと掴むとその場でジャイアントスイング。
「そぉい!!」
 掛け声と共にサメが宙を飛びそのままドラグナーフェイクの群れの中にIN。
 サメの影がドラグナーフェイクの群れの中に隠れた。瞬間、血しぶきと悲鳴が上がった。
「喜んでくれていますね~まだまだお替わりはありますのでどんどん楽しんでください」
 竜の返答を聞かずそのまま続けざまにサメを投げ入れていく。
 宙を飛べるサメが投入されれば前からいたサメと共に追い込み、喰らう。
 地面に逃げる個体が居ればタコの触手に絡めとられ、動けなくなった個体から喰らう。
 魔力の籠った鱗の直撃を受けようと被弾後すぐに超回復して、喰らう。
 投入数に比例するように悲鳴と血しぶきの量がただただ増えていった。

「ではわたくしも参りましょうか」
 エミリィはサメたちの勇姿に満足すると自身も戦線に加わるべく動き出した。
 フライパンを片手にふわりと優雅にサメ子に騎乗し竜の大群に迫る。
 竜星の如きのスピードで迫る鱗を避けながら肉薄、そして
「――そぉい!」
 フライパンで横っ面を叩けばドラグナーフェイクは吹っ飛んでいく。
 呆然とする村人を前に、エミリィは彼らを安心させるべく優雅な笑みを浮かべた。 
 今後の村は再建する必要がある。ならばこのドラグナーフェイクの肉は村再興の礎に貢献するだろう。
「村人たちに「もう竜肉は食べ飽きたよぉ」って言わせてやるぜ!」
 エミリィは意気込むとサメ子と共に宙を駆けるのだった。

 料理はできないが食糧確保はできる。
 メイドだもの。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン
ドラゴン(フェイク)にはドラゴン(バトモン)だ
戦略としても、これが一番理に適ってる
ウチのノクは中々の速度で飛ぶ…星が星を迎撃する様子ってのを、見せてやるよ

【祈り】を捧げ、Étoile de Sionでノクに【祝福】と【加護】を分け与えてからUCを発動…流星ってのは同じ空を、二度とは飛ばないから流星なんだ
リンドルム・メテオラ形態に変身させ、相手の飛ばした鱗をノクの【バハムートの風】で減速させる
村や村人たちへ向かう鱗は【超風圧】で軌道を逸らす

鱗が村の方へ落ちてくる場合はキリエに【月光バリア】で任せる
ノク、空はお前だ
迎撃からの突撃は一度きりでいい
あとはお前が好きなように飛べ
【竜爪撃】で相手を攻撃する




「さて、どうするかね」
 ギュスターヴ・ベルトランは二匹の相棒へと目を向けた。
 一体はカプレリエ。ギュスターヴからはキリエと呼ばれる慈愛に溢れる小鹿。
 もう一体はリンドルム。ノクターンの愛称を持つやんちゃで元気な竜。
 二体が、戦いの鍵となる。

「ノクターン、頼めるか。あのドラゴンを倒すにはお前の力が必要だ」
 ギュスターヴの頼みに、ノクターンは『ギャウッ!』と元気な声で鳴き返す。竜の目には主人から頼まれた事への喜びと、これからかの竜たちに相対するにあたり一切の不安を孕まない澄んだ目をしていた。
 ギュスターヴはノクターンの脇に手を添え、額を合わせる。
「――主は星に数を定め、それぞれに呼び名をお与えになる」
 祈りを込めた聖句が神父の口から零れると同時にノクターンの体が変化していく。
 体は大きく、肌の夜は濃く、煌めきを。
 やがてノクターンは星空を体現したような体へと変貌を遂げると、何を命ずるわけでもなくドラグナーフェイクの群れへと飛び立っていく!
――ガアアアアアアアアアア!!!
 一匹のドラグナーフェイクが咆哮をあげると同時に複数の竜たちが鱗を展開する。
 1,2,3、50、100……無数の鱗が展開され満天の星空を彷彿とされる光景を前にしても、ノクターンは怯むことはなくただ真っ直ぐ、瞬く星々を置き去りに、只一瞬の煌めきを纏って、
「流星ってのは同じ空を、二度とは飛ばないから流星なんだ」
 駆け抜けた。
 光が走った、瞬間に全ての鱗はほぼ同時に爆発した。

 爆発と共に鱗が落ちてくる。
 力を喪ったとはいえその鱗の鋭利さは変わらない。むしろ制御を喪ったがゆえにより凶悪な物になっただろうか。
『きゅーん!』
 村に鱗が降り注ぐ――前にキリエが一声鳴き、月光バリアを展開する。
「キリエ、バリアを常時展開するの大変かもしれないが頑張ってくれ」
『きゅん!』
 任せてと言わんばかりに胸を張るキリエに、ギュスターヴは頼もしさと愛らしさを抱きながら笑みを返す。
 そうして、彼の目は自然と上へと向けられる。視線の先には夜空を宿した勇猛なる竜の姿。
 ノクターンが『次はどうする?』と視線を向けてくるのに対し、ギュスターヴは頷いて、
「ノク、空はお前だ」
 あとはお前が好きなように飛べ。
 言葉にはしなかったがその意図はしっかりと読み取った竜が咆哮を上げ、偽竜の群れへと単身突撃。
 一体、二体、その大きな爪は偽の竜を狩っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
お邪魔様。終わった物語をさらに終わらせに来たわ。
飛び回る竜が本物かどうかなんて、あたしには関係ない。どうせ、全部狩り尽くせばすむんだから。

「全力魔法」破砕の「属性攻撃」「召喚術」「仙術」で金蛟剪。虹の七色を持った七体の龍を呼び出す。
さあ、「電撃」のブレスと爪牙の「引き裂き」で、駄竜を駆逐してやりなさい。二、三体で連携して一体の竜を潰すこと。「死角攻撃」で一気に急所を噛み砕いて。
鱗の反撃は「衝撃吸収」で威力を殺す。格が違うのよ。

村は「範囲攻撃」「オーラ防御」「魔力防御」の「結界術」を展開して、鱗の流れ弾を防ぐ。

これで猟書家の置き土産は片付いたかしら?
ちょっとした気まぐれよ。気にしないで。




「お邪魔様。終わった物語をさらに終わらせに来たわ」
 村の危機を救うべく、黒髪を揺らして村崎・ゆかり(“|紫蘭《パープリッシュ・オーキッド》”/黒鴉遣い・f01658)は宣言通りに猟書家の企みを阻むため、今まさにこの世界に降り立ったところだ。
 彼女を認識したドラグナーフェイクは咆哮をあげると同時に鱗を展開し、ゆかり、ひいては村へと向けて解き放った!
「ちょっと、いきなりは乱暴よ?」
 鱗が村の鍛冶屋の屋根に直撃する――寸前でゆかりが展開したバリアに阻まれ、固い音を立てて地面に力なく落ちていく。
「ま、こっちもやるだけだけど」
 鋏型宝貝の鋏部分を宙に向けて構え、
「我、この剪の託宣によりて、俗世と仙界の境を切り裂かん。現れ出でよ、幻獣の王にして魔獣の王! 疾!」
 ぱちん!刃と刃が合わさった瞬間、十二体の竜が現れた!
「さあ、『電撃』のブレスと爪牙の『引き裂き』で、駄竜を駆逐してやりなさい。
 二、三体で連携して一体の竜を潰すこと。『死角攻撃』で一気に急所を噛み砕いて。
 十二の竜は空を覆う偽竜と異なり虹色の姿をした竜たちはゆかりの命令に従順に動き出した。
 まずは六体で手あたり次第雷撃を纏うブレス。その間を縫い鋭い牙と爪でドラグナーフェイクたちを切り裂き、先のブレスが終わったら次は近距離で戦っていた個体がブレスを放つ。
 ブレスと爪牙の波状攻撃で大きく数を減らし、また連携を喪った偽竜たちは逃走を選択しようとするが……それを忠実なる竜はゆるさない。
 二体で進退を阻み、隙を見せた瞬間に首を噛み切った!

「これで猟書家の置き土産は片付いたかしら?」
 目の前の偽竜を屠りきると金蛟剪で現れた虹色の竜も泡沫のように姿を消した。
(「村の外に移動した偽竜たちは猟兵が片付けてくれるでしょう」)
 ふと、視線を感じてそちらの方へ目を向ければ少女の姿。
 少女は怯えつつも目をしっかりとゆかりに向けて言葉を紡ぐ。
『あ、ありがとうおねえちゃん……』
「ちょっとした気まぐれよ。気にしないで。
 ……でもありがとうね」
 小さく笑うと少女も小さく笑い返した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

猟書家め…余計な置き土産を…
村人達を巻き込もうと竜をまき散らすとは…!
まぁ…敵がなんであれ「どうであろうと関係ない。全て殺せばいい……さぁ行くぞ」…私は…処刑人だッ!

屠竜の乙女を振るい敵と相手しよう
全身に地獄の炎を纏いて【ゲヘナ・フレイム】を発動

村を狙われないように空を飛翔しながら敵群を
存在感で惹き付けて注目を集めて空中戦闘で攻撃を仕掛け
敵の吐息を気配感知と心眼と戦闘知識を発揮して炎の突進の高速回避で避ける

武器巨大化とダイカタナで巨大化した屠竜の乙女を怪力で振るい
竜殺しと鎧無視攻撃で切りつけて範囲攻撃で一刀両断していこう…!

貴様等全てを切り穿って見せようぞ…!私は…処刑人だッ!!!




「猟書家め……余計な置き土産を……」
 アンナが忌々し気に空を覆う軍隊を睨みつける。
 空を覆うは邪神Nが差し向けたドラグナーフェイクの大群。
「まぁ…敵がなんであれ、どうであろうと関係ない。全て殺せばいい……さぁ行くぞ……私は……処刑人だッ!」
 誓いを形にするべく処刑人が鉄の乙女を空に掲げれば、ドラグナーフェイクの羽ばたきが変わった。
 それは先ほどまでが漫然と歩いていたとすれば、今は明らかなクラウチングスタートで走る準備始めたかのようで。
 ――来る。
 意図を把握したアンナはすぐさま家の屋根に飛び乗り、村の外へと走った。
「こっちだ!」
 アンナの声に従うように偽竜たちは後を追っていくが、偽竜は処刑人が全力で走ってもなお余裕で追いかけ、遂には後ろから直線状のビームを放つ!!
 ブレスが顔の横を掠め、髪が焼けるのを認識してもなお彼女は駆けていき――やがて村の郊外に出た辺りで、足を止める。
 瞬間、彼女にブレスが直撃した!

 青く燃え盛る地面を見て確実に一体を屠ったと認識したドラグナーフェイクが勝利を雄たけびを上げた。
「まだ、まだ終わらん……!」
 青い炎を切り裂いて現れたのは赤々と燃え盛る地獄の炎。そして先の五倍には巨大化した鉄の乙女。
 普通ならば振るうはおろか持つ事さえ不可能な程の巨大化。
 だが『敵を絶対に仕留めるという覚悟と殺意』に燃えるアンナには、まるで羽持っているかのように軽いものだ。
「貴様等全てを切り穿って見せようぞ……!」
 地面を抉り跳躍。その勢いは瞬きする間にドラグナーフェイクたちと肉薄し、
 赫い炎が群れの間を駆け抜ける。
 瞬間に空を飛ぶ竜たちは瞬く間に燃え上がれば、一匹、また一匹地面に落ちていった。



 こうして村を取り巻く騒動は終わり、邪神の思惑も最後のあがきも、ただの過去として骸の海に還っていった。
 様々な方面で多少の傷が残った村だが、それも元に戻り――やがて、予定よりも遅れたが一人の青年がこの村を出ていった。

『あの時の彼らのように危機に襲われた人がいたら助けになりたい』
 特別ではなくありふれた、しかし尊い思いを抱きながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2026年07月02日


挿絵イラスト