第二次サイキックハーツ大戦⑱〜はじまりと終わりに決着を
●第二次サイキックハーツ大戦、最終局面
「皆様、ついに蒼の王コルベインとの対決ですわ!」
集まった猟兵達に、エリル・メアリアル(|孤城の女王《クイーン・オブ・ロストキャッスル》・f03064)は揚々と告げた。
第三戦線もまもなく終結。とうとう、この戦いの首謀者である存在と対峙する時がやってきたのだ。
「蒼の王コルベインは、かつてサイキックハーツに至ったという最強格のダークネス。昔は首が失われていた……とかで灼滅者の皆様は勝利を収めることが出来たというけれど、今回はその首も戻って、以前よりも強力になっているようですの」
エリルは過去の報告書を確認しながら告げた。この戦いがあったからこそ、武蔵坂学園の灼滅者達は他のダークネス組織にも一目置かれ始めたのとの報告もある。
つまり、この戦いが『はじまり』だったのだ。
「そして、そのサイキックハーツを巡るダークネスの戦いも、サイキックハーツ大戦をもって『終わり』を迎える……最後に戦ったのは『剣樹卿アラベスク』」
剣樹卿アラベスクは、最強のヴァンパイアと称される大樹の如き影が特徴のダークネスだ。
アラベスク・ソード・カタストロフと呼ばれる力は、影の指示した方角を全てアラベスクにする力があったという。
「今、コルベインはアラベスクを纏って襲いかかってきていますわ」
エリルは神妙な面持ちで告げた。最強の二人が一体になった今のコルベインは、この世界において紛れもなく最強である。
「だからこそ……わたくし達は勝たなくてはならないのですわ」
●アラベスク・ソード・カタストロフ
「コルベインはまず剣樹卿アラベスクの『アラベスク・ソード・カタストロフ』を用いてくるという予知を得ましたわ」
エリルはグリモアを見つめつつ、猟兵達に告げた。
アラベスク・ソード・カタストロフは、指し示す方角を全てアラベスクに変える。それは、猟兵であっても例外ではない。
その攻撃をされてしまえば、優劣などは容易にひっくり返ってしまうほどに恐ろしい力なのだ。
「けれど、今回は対処方法がありますのよ!」
エリルがそう言うと、グリモアに一人の男を映し出す。
「彼の名は大首領グローバルジャスティス! ご当地怪人達の首領ですわ!」
大首領グローバルジャスティスは、円形戦車ジャスティスベースを駆ってこの戦いに援軍として現われたのである!
「このジャスティスベースには、二つの機能がありますの。一つは『ユーベルコード増幅砲塔』。そしてもう一つは『対破局装甲』!」
この対破局装甲は、なんとアラベスク・ソード・カタストロフを一度だけ耐える機能を有しているというのだ。
「つまり、これに乗せて頂ければ、アラベスク・ソード・カタストロフを切り抜けて、コルベインに近付くことができますの!」
アラベスク・ソード・カタストロフはチャージに時間のかかる攻撃だ。一撃でも耐えれば、そこに生まれる隙は非常に大きい。
「そしてユーベルコード増幅砲塔を使ってユーベルコードを強化して……一気にコルベインを撃破してしまいましょう!」
そう言って、エリルはグリモアを掲げた。
「これが最後の戦いですわ! 皆様、気合を入れていきますわよー!!」
始まりと終わり。その二つを越えた先の未来に向けて、猟兵達は走り出す。
G.Y.
こんにちは。G.Y.です。
第三戦線も最終局面、蒼の王コルベインとの対決です!
蒼の王コルベインは剣樹卿アラベスクの力、指し示した方角すべてをアラベスク化する『アラベスク・ソード・カタストロフ』を使ってきます。
この攻撃は『大首領グローバルジャスティス』が操縦する「円形戦車ジャスティスベース」に搭載された「対破局装甲」を使えば一回程度は耐えることができますので、攻撃を耐えた後に速やかに接近し、次のアラベスク・ソード・カタストロフが来る前にコルベインを撃破しましょう!
もちろん、コルベインは通常のユーベルコードも使用してきますので、そちらの対処も行いましょう。
今回のプレイングボーナスは『ジャスティスベースに乗り込んで戦う/2発目のアラベスク・ソード・カタストロフが発動する前にコルベインを倒す。』となります。
また、今回はシナリオの性質上、全員のプレイングを1つのリプレイとしてお返しする予定です。
さらに、期限内完結を目指しておりますので、内容とタイミング次第では採用が出来ない可能性もございます。ご注意ください。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 ボス戦
『『蒼の王コルベイン』』
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POW : 剣持つ骸の群れ
レベル×1体の【聖剣・魔剣で武装したアンデッド軍団】を召喚する。[聖剣・魔剣で武装したアンデッド軍団]は【剣】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 我が身は剣にして死の具現なり
【自身の影から生える無数の剣】に密着した「己が武器とみなしたもの」全てを【サイキックエナジー】で操作し、同時一斉攻撃及び防御に利用できる。
WIZ : 死剣大樹海
召喚したレベル×1体の【伝承に語られる聖剣・魔剣の数々】に【生命を喰らう蒼き水晶】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
イラスト:カス
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
灯璃・ファルシュピーゲル
持参キャバリアで参戦
首領さんは敵の頃から優秀な指揮官だったと聞きますし、
共闘できるのは頼もしいですね
まずは円形戦車に乗り込み防御装甲でカタストロフをやり過ごしつつ、
支援狙撃手として広く前線全体の敵味方の動きを監視するようにし、
敵配下による死角からの奇襲を狙撃しつつ仲間に警告して防ぎ
『方位●●、敵●体、●●(攻撃手段)!』
敵首魁の隙を突けそうならば、増幅砲塔を利用し指定UCで黒霧と巨狼の群れを召喚、首魁の視界を霧で奪いつつ、影から生える剣とアンデッド兵に逆に一斉攻撃を加えつつ、自身は頭部を集中狙撃することで、一時的に混乱させつつ敵の戦闘手段を奪い、其処を味方が叩ける様に誘導を狙います
アドリブ歓迎
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第四『不動なる者』盾&統括役武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(刀)
始まりにして終わりの敵か…まさに因縁の集結である。
しかし、グローバルジャスティス殿も凄い物を発明しおる…。一度だけでも破格ぞ。
むろん、円形戦車ジャスティスベースに乗り込むが。…陰海月が好きなやつよな…これ…。
そして、装填するは【四天境地・兵】。アンデッド軍団もろとも、蒼の王コルベインを攻撃してしまえ!
なお、四天霊障は念のため、ジャスティスベース用結界に回しておって。
黒曜山は、刀身にある程度の未来を映しておるから、それで位置調整できるのよな。
ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携歓迎
グローバルジャスティス卿、よろしく頼む
一撃だけ、なんとかしのいでくれ
そこからはこちらの仕事だ
ジャスティスベースに巨神キャリブルヌスごと[騎乗]
UC増幅砲塔の力を受けてUCを発動し、超高速の飛行能力でジャスティスベースごと[空中戦]を行う
アラベスク・ソード・カタストロフの一発目をジャスティスベースを盾にするようにして防ぐ
[心眼]で戦場を俯瞰しアンデッド軍団の動きを[見切り]、
敵の攻撃を搔い潜って最適な位置・最適なタイミングで射程無限の「至高の斬撃」を放ち、蒼の王・アンデッド軍団すべてを断ち切る
秋風・葉月
始まりと終わり……第一話と最終話!
ええ、最終話で第一話で初変身したフォームで倒すのはロマンで――あら、そういう話じゃなくて?
分かってますわよ、ちゃんと考えてますわ。
ジャスティスベースに乗り込んでアラベスク・ソード・カタストロフを一発受けるのを待ち、受けたところでレガリアスバスターを構えて砲塔から力を受け、発射ですわ!
コルベインにより武器になったあらゆるものが飛ぶかもですが、私は新世代とはいえ灼滅者!サイキックエナジーの扱いはちょろいもの!サイキック銃でサイキックエナジーの流れを乱して動きを鈍らせたり撃ち落としたりしてみせますわ!
さあコルベイン!
大人しく私達の前に灼滅されるがいいですわー!
マウザー・ハイネン
…力は凄まじいのでしょう。
屈する方もいるかもしれませんが、ただ――私がシンプルに気に入らない。
戦う理由はそれだけで十分です。
ジャスティスベースに同乗させて頂きます。
星霊建築とは違う技術体系、しかし凄まじい天才の作品であるのはわかります。
初撃を耐えたらUC起動、氷細剣を軽く増幅砲塔にセットして猛吹雪を起こしコルベインの四肢を凍らせ隙をより大きくしてしまいましょう。
飛来する召喚剣に対しても、これ程増幅された吹雪なら飛来する私達の世界の聖剣の群れとかが叩き落とし吹雪が凍らせてくれるでしょう。
…聖剣をジャスティスベースにセットしたらこう、都市国家の武器的な加護的なものもあるかも?
※アドリブ絡み等お任せ
和田町・いずみ
G.Y.マスターにおまかせします。かっこいい和田町・いずみをお願いします!
電脳魔術士×ワールドハッカーです。
大人しい23歳の女性です。
天然クールで少々ポンコツ。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
熱中すると猪突猛進。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。
アドリブ・連携は大歓迎。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせでお願いします!
小島・透流
この世界最強のダークネスですか……
止めなければ多くの犠牲が出る
それなら、退くわけにはいかない
……この世界にはこんな物もあるんですね
大首領もダークネスらしいですが、協力してくれるなら有難く礼を言っておきます
ジャスティスベースに乗せてもらい、一発目を耐えます
二発目は絶えられそうにないなら、次の攻撃が来る前に……!
大首領さんに突撃を要請します
僕は戦車の上に立ち、進路上のアンデッド軍団を呪剣を伸ばして切り払いながらコルベインに接近します
僕の攻撃だけでは倒しきれないでしょうから
次の仲間に繋げることを意識し、敵の注意を引きつけるために飛び込みます
増幅砲塔の効果も使い、敵の装甲を狙って呪剣を叩き付けます
大樹の如き『剣樹卿アラベスク』を纏う『蒼の王コルベイン』。鮮血のような赤き光に覆われ、無数の剣を構えたその存在に向かってひた走る、一つの巨大な建造物があった。
「……この世界にはこんなものもあるんですね」
その建造物――円形戦車ジャスティスベースに揺られながら小島・透流(生命・f45904)は呟いた。
ジャスティスベースとはご当地怪人達の本拠地だ。ルネサンス期を思わせる外装を帯びた巨大な要塞であり、キャバリアもすっぽりと収まっている。
かつてのサイキックハーツ大戦において、フィレンツェに現れたものとほぼ同型とみて良いだろう。
「ですけど、この土壇場で新たな発明品の搭載までするなんて凄いです!」
和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)が感嘆した。
「鉄道よりは乗り心地がもう一歩ですけれど」
と、付け加えたのはご愛敬。とはいえ、いずみの言葉にはマウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)も同意した。
「星霊建築とは違う技術体系、しかし凄まじい天才の作品であるのはわかります」
「グローバルジャスティス殿も凄い物を発明しておる……。一度だけでも破格ぞ」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)もそう評すると、ちらりと影を見やった。
(「陰海月が好きなやつよな……これ……」)
隠れている陰海月のうきうきしてる様子を思い浮かべながら、改めてモニターに映された画面を見やる。
「世界最強のダークネスですか……」
透流の言葉に、義透が頷いた。
「始まりにして終わりの敵か……まさに因縁の集結である」
「始まりと終わり……第一話と最終話!」
義透の言葉に秋風・葉月(秋葉原のご当地ヒーロー・f44081)が嬉しそうに声を上げた。
「ええ、最終話で第一話で初変身したフォームで倒すのはロマンで――あら、そういう話じゃなくて?」
同乗した猟兵達のきょとんとした顔に言葉を止めた葉月は、ふふんと胸を張る。
「分かってますわよ、もちろん考えてますわ」
自信たっぷりな葉月だが、これから向かう相手には、かえってそれくらいの方がいいのかもしれない。
その時、ジャスティスベースのブリッジに通信が入る。
『アラベスク・ソード・カタストロフのチャージ開始が観測されました』
通信を送ったのは灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)。
自身のキャバリア『SJPzH.188 JagdSköll』に搭乗した彼女は、ジャスティスベースの天面デッキにキャバリアを乗せて、周囲の警戒にあたっていた。
そのデッキの先頭にはハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)と、彼の乗る『剣の騎神"キャリブルヌス"』がいた。ハルはキャリブルヌスをユーベルコード増幅砲塔に接続すると、グローバルジャスティスに告げる。
『これより飛行形態に移行する』
「頼む」
その言葉に、キャリブルヌスの外套が解放された。空中に浮きあがったジャスティスベースは、さらに速度を上げて、コルベインへと突き進む。
その時。
『発射の兆候を確認。アラベスク・ソード・カタストロフ発動まであと30秒!』
「諸君! ここからは荒っぽくなるぞ! しっかり捕まっていたまえ!」
灯璃の報告に合わせグローバルジャスティスが叫ぶ。ジャスティスベースが唸りを上げて、巨大な戦車がグンと加速した。
『グローバルジャスティス卿、よろしく頼む。一撃だけ、なんとかしのいでくれ』
ハルはチャージが完了しつつあるアラベスク・ソード・カタストロフを見つめながら告げた。
あれが放たれれば……アラベスクが大量に発生すれば、この世界は甚大な被害を被ることになる。
そしてそれは、故郷ケルベロスディバイドの危機にも繋がる。
だから、改めて言葉にする。一撃だけ。そして。
『そこからはこちらの仕事だ』
「任せてくれたまえ」
グローバルジャスティスが握った操縦桿をグンと押し込んだ。
戦車が大きく揺れる。だが、それに堪える猟兵などここにはいない。
全ての猟兵が、増幅されてゆく赤き光を、固唾を呑んで見守っていた。
『3……2……1……』
コルベインの纏う黒い影が、その道を指し示した。
『0!!』
「対破局装甲、展開!」
眩いばかりの光が放出されたその瞬間、対破局装甲を展開したジャスティスベースが突っ込んだ。
凄まじい衝撃がジャスティスベースを襲う。ブリッジの照明がバチバチと明滅し、各計器から火花が散る。
それでも――。
「――耐えた!!」
グローバルジャスティスの言葉に、全猟兵が立ち上がった。
がらん、がらん、と対破局装甲が剥がれ落ち、地に落ちる。その内部のジャスティスベースにも、衝撃によるダメージが各所で散見されている。だが、ジャスティスベースも、猟兵達も、アラベスク化を免れたのだ。
「大首領さん!」
「承知した!」
叫ぶ透流の声に応じて、ジャスティスベースが再び発進する。一直線にコルベインへと突撃してゆく。
「「――だが、次は耐えられまい」」
コルベインとアラベスク、二つの声が重なり合って響く。纏う影から、無数の剣が一斉に生え始めた。ある剣は浮かび、ある剣は地に降りて、その足元に呼び出されたアンデッド達の手に収まる。
大量の軍勢が、ジャスティスベースを近付かせまいと襲い掛かっていた。
「方位12、上空より剣の雨!」
灯璃の警告とともに蒼き水晶と融合した剣が降り注ぐ。
「どきなさい」
コルベインの剣を、マウザーの吹雪が吹き飛ばす。その氷雪の中に、キラリと輝くものがいくもあった。それはエンドブレイカーの聖剣『ディアボロスブレイド』の群であった。
コルベインの剣は聖剣によって弾き飛ばされ、吹雪により凍り付く。
「Sammeln!Praesentiert das Gewehr!……仕事の時間だ、狼達≪Kamerad≫!」
さらに灯璃の号令によって狼のような影の群れが加わった。狼によって剣は砕かれ、粉々になって消えてゆく。
「続けていきますわー!!」
葉月の手にした銃が、砲塔を通して巨大化する。
「レガリアス……バスター!!」
放たれたサイキックの白い炎は砲塔を通して爆発的に勢いを増し、蒼の王コルベインを包む。
超低温からの白き炎で、コルベインの剣が砕け散ってゆく。だが。
「また剣が来ます!!」
いずみが叫んだ。その吹雪の奥から新たなる剣が飛来する。周辺で砕けた瓦礫をすべて武器とし、ジャスティスベースを砕こうというのだ。だが、葉月は不敵な笑みを崩さない。
「私は新世代とはいえ灼滅者! サイキックエナジーの扱いはちょろいもの!!」
葉月はサイキック銃を構えると、無数に迫る剣に精神を集中し、そして放つ。
「動きを乱してみせますわ!」
サイキックエナジーの干渉を受けた剣や武器の軌道が逸れる。
「さらにこれで……瞳閉じたイメージよ!」
いずみの電脳魔術が、それらの武器をあらぬ方向へと飛ばし、無力化していった。
上空からの攻撃はこれで凌ぐことが出来たと言えるだろう。
だが、攻撃はまだ終わらない。
「アンデッド軍団か!」
ハルがキャリブルヌスと共に立ち上がり、状況を判断する。剣による遠隔攻撃、その隙に編成された軍団を進軍させる……オーソドックスと言えばそうだが、だからこそ効果的である。
「わしらの出番だな」
義透も告げる。そして、ユーベルコード増幅砲塔に向けて力を注ぐ。
「……懐かしの、我らが同胞」
直後、ジャスティスベースの前に無数の騎馬兵団が登場した。力が増幅されたことで、コルベインのアンデッド軍にも勝るとも劣らない数となっていた。
灯璃の狼もそこに加わって、一大軍勢となったその先頭に、ハルが立って叫ぶ。
「我がキャリブルヌスに続け――!!」
それに合わせ、義透が檄を飛ばした。
「アンデッド軍団もろとも、蒼の王コルベインを攻撃してしまえ!」
鬨の声が上がり、ハルとともに騎馬兵団が駆け出した。
二つの勢力がぶつかりあう。そんな中、透流も先頭に合流するべくブリッジを離れようとしていた。
「……大首領さん、協力してくれてありがとうございます」
透流が礼を言う。グローバルジャスティスは首を横に振った。
「これは我等の為の戦いでもある」
そう言い、グローバルジャスティスはジャスティスベースの操縦を続ける。その背中から目を離し、透流は戦車の上へと立った。
「僕の攻撃だけでは倒しきれない……けれど」
戦場には、仲間もいる。
透流は呪剣をじゃらりと掲げると、大乱戦の中に飛び込みながら、剣を振った。
背骨のような呪剣は鞭のようにしなり、敵のアンデッド軍団を薙ぎ払う。続けて義透の騎馬兵団が道を切り開くと、そこにジャスティスベースがさらに突っ込み、コルベインとの距離を詰める。
「「――ばかな……!!」」
届いた。
猟兵達はとうとうコルベインに肉薄したのだ。
赤い輝きは未だ弱く、アラベスク・ソード・カタストロフは発動しない。
今こそ、最大で最後の好機。
「「――アンデッドよ……!」」
コルベインが呼び出したアンデッド達がジャスティスベースへと降り立とうとした。だが、それは義透の張り巡らせていた結界で防がれた。
「ふぅ、回しておいて正解だったわい」
黒曜山の刀身に映った『未来』を見つめて、安堵のため息をついた。
悪あがきに近い行動に、葉月がレガリアスバスターを構え、叫ぶ。
「さあコルベイン! 大人しく私達の前に灼滅されるがいいですわー!」
白い炎がコルベインを包む。
「……力は凄まじいのでしょう。屈する方もいるかもしれませんが……」
マウザーの吹雪が、アラベスクの影を氷結させ、砕いてゆく。
「ただ――私がシンプルに気に入らない」
そこに、ユーベルコード増幅砲塔の影響で巨大化した聖剣ディアボロスブレイドが迫る。
「「――まだだ」」
コルベインの周囲にある剣が、ディアボロスブレイドを絡めとろうとする。剣に密着させ、武器として奪い取ろうというのだろう。
だが。
「そんなことは、させません!!
いずみの電脳ハッキングが剣の動きを止めた。その隙に、ディアボロスブレイドは加速し、コルベインの胸へと突き刺さった。
「「……!!」」
声にならない悲鳴を上げるコルベイン。続けて、灯璃の放った黒い霧が、コルベインの頭を覆った。
「「――何も、何も見えぬ……!!」」
それは奇しくも、灼滅者達が初めてコルベインと対峙した時に発した言葉であった。
「終わりにしましょう」
透流が増幅させた呪剣を喰らいつかせた。猟兵達の度重なる攻撃によって綻んでいたアラベスクの鎧が砕けてゆく。
「止めなければ多くの犠牲が出る。それなら、退くわけにはいかない」
捨て身に近い一撃がコルベインを襲う。そして――。
「今!」
ハルが剣を振り上げた。
「|絶刀《ぜっとう》・|雪月風花《せつげつふうか》――!」
「「ぐおぉぉおお……!!」」
至高の斬撃が、コルベインを両断した。
「「終わる……我が……真理……」」
コルベイン、そしてアラベスクも。二体の強力なダークネスは、ここに灼滅された。
第二次サイキックハーツ大戦は……再び人類に軍配が上がろうとしていた。
大成功
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