トワイライト・ザナドゥ⑪〜ヒトの心は掃除されぬ
●サイバーザナドゥ:四葉市――アッパータウン
低層の建物や実験街が広がるロウアータウンとは対照的に、煌びやかな高層ビルが立ち並ぶアッパータウンに、突如1体の|オブリビオンキャバリア《・・・・・・・・・・・》が降り立つ。
「あれは……ティタニウム・マキアが保有する兵器では?」
アッパータウンの人々が次々と視線を向ける中、『調停機セプテントリオン』の名を持つオブリビオンキャバリアは、アッパータウンを見回しながら言の葉を紡いだ。
「全ての物理を破壊し、遊離した全ての魂をサイキック・ハーツで融合合体する。
そして、更に多くの魂を融合するべく、次の世界に飛翔する。
それが、黄昏ののち顕れる理想郷計画……即ち『トワイライト・ザナドゥ』の全貌なのだ」
その言の葉の意味を、アッパータウンの人々は直ぐには理解できない。
だが、次に紡がれた言の葉を耳にした瞬間――アッパータウンの人々の表情が凍り付いた。
「いずれにせよ、私に拒否権は無い。
願わくば、私が滅びを齎す前に、正しき者達が私を討ち果たさんことを……」
四葉市の壊滅を宣言されたことを理解した、アッパータウンの人々がざわめき始める。
そんな中、四葉製薬の社員証をつけた“サラリーマン”が、メモリチップをぐっと握りしめながら叫んだ。
「……そんなこと、させてたまるか!!」
叫んだ“サラリーマン”は、メモリチップ――正体は何処かで手に入れた『強制停止プログラム』――を手に、セプテントリオンに向け駆け出す。
だが、それを待ち受けるかのように、セプテントリオンの周囲に漆黒のボディスーツに身を包んだ少女たちが姿を現した。
●“サラリーマン”を辿り着かせるために『掃除屋』を蹴散らせ!
「……斯様な手段で顕れる世界が、10大メガコーポの考える『理想郷』か」
グリモアベースの片隅で呻くように呟く、グリモア猟兵クウガ・フジバヤシ(レプリカントのサイバーニンジャ・f36777)を見て、猟兵達が集まって来る。
その様を見たクウガは、折り目正しく一礼してから、グリモアの予知を話し始めた。
「皆も存じておろうが、世界最大のメガコーポ『ティタニウム・マキア』の保有する究極兵器にしてオブリビオン・フォーミュラでもある『調停機セプテントリオン』がとうとう現れた」
セプテントリオン自身も意志を持ち、本人は世界の破壊を望んでいないものの、オブリビオンマシンなので搭乗者の意志に従うしかない、と言う。
「幸い、皆が『あおいちゃん☆サバイバーズ』を多数攻略してくれたことで、最終殲滅兵器アルコルの起動は阻止できたものの、セプテントリオンは複数の形態を取り、この世界を消滅させんとしておることに変わりはない」
そこで、とクウガは一礼しながら、猟兵達に依頼する。
「皆には、セプテントリオンの望み通り――世界の破壊を止めてもらいたい」
クウガいわく、四葉市のアッパータウンに現れたのは、自爆形態のセプテントリオンだという。
「自爆形態のセプテントリオンは、搭乗者……物言わぬ『何らかの巨大な意志のかたまり』のような物によって自爆させられようとしておる」
しかも、猟兵達がセプテントリオンを破壊しても、自爆は止められない。
このままでは、四葉市は壊滅的な被害を受けてしまうが――。
「――この土壇場で人の心を取り戻した四葉製薬の“サラリーマン”が、自爆を唯一止められる『強制停止プログラム』を手に、セプテントリオンに向けて走り出しおった」
強制停止プログラムの入手経路は不明だが、とにかく“サラリーマン”は、それが強制停止プログラムだと理解した上で、無謀とも言える行動を開始している。
セプテントリオンを操る搭乗者もまた、強制停止プログラムを持つサラリーマンを排除せんと、クワハラ・ファーマシーから徴用した『掃除屋』を待ち構えさせているため、このままではサラリーマンは無残に殺されてしまうだろう。
「そこで皆には、この『掃除屋』を排除し、“サラリーマン”がセプテントリオンに辿り着くよう援護していただきたい」
もし、“サラリーマン”がセプテントリオンのコックピットを開き強制停止プログラムを起動させられれば、セプテントリオンの自爆は停止し、そのまま自壊するはずだ。
「トワイライト・ザナドゥの真の意味が判明した今、我々が為すべきことはひとつ――サイバーザナドゥの消滅の阻止だ」
そのためにも、セプテントリオンの願いを叶えてほしい、と付け加えながら。
クウガはグリモアを起動し、猟兵達を四葉市に転送した。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
『トワイライト・ザナドゥ』も、いよいよ最終局面へ。
猟兵の皆様、四葉市アッパータウンに出現した『調停機セプテントリオン』自爆形態を止めて下さい。
なお、本シナリオは有力敵戦につき、やや厳しく判定致します。
それ相応の準備を整えた上での挑戦をお待ちしております。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「トワイライト・ザナドゥ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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状況は全てオープニングの通り。
今回は冒頭の追記はありません。
●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【メガコーポ社員を援護し、強制停止プログラムをセプテントリオンに届かせる】
●【重要】プレイングの採用について
受付期間は【オープニング公開直後~タグで締切告知するまで】。
2月1日(日)16:00までの完結を目指し運営しますので、プレイングの採用は必要最小限とし、挑戦者多数の場合は問題ないプレイングでも採用を見送り返金する場合がございます。予めご了承の上での参加をお願いします。
その他、シナリオ運営上の諸連絡は、マスターページを参照いただけますと幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『メガコーポの『掃除屋』』
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POW : 『掃除屋』の確殺術
【指に格納したフィンガー・ビームウィップ 】で装甲を破り、【濃密なサイキックエナジー】でダウンさせ、【ツインブレード】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
SPD : エメラルド・カリギュラ
戦場内に【翠の稲妻の鎖 】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
WIZ : エメラルド・ウォッシュブレイン
【翠のサイキックエナジー 】を放ちダメージを与える。命中すると【ドレインエネルギー】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鹿村・トーゴ
退廃極まった世界でも此所で生まれ育った人が此所で生き延びたいって土壇場で足掻くのは当然だよな
敵の刺客をいなしサラリーマン(対象)を生かす
さて忍務と行こう
助太刀するぜ
UCで士気も上げ臨戦態勢
対象の位置【情報収集、追跡】
その行く手、前方の敵をまず排除
対象を【かばう】為間に割って入り【念動力、武器受け】で敵UCを妨害し被弾も【激痛耐性】で凌ぎ接近
即【カウンター、暗殺】でUC攻撃を撃ち込む
可能なら3、4体まで相手取るが対象が危険なら1、2体ずつ撃退しながら進む
なんせ殺し屋だからなー確実に沈黙させねーと
対象からの信用有る無しに関わらず
護衛を全うしよう
その孤独な足掻きが報われて欲しーからな
アドリブ可
●
サイバーザナドゥの四葉市、アッパータウンでは、突如現れたティタニウム・マキアのオブリビオンキャバリア『調停機セプテントリオン』が発した言の葉で動揺が走っている。
煌びやかな高層ビルが立ち並ぶ都会に突如現れたキャバリアは、それだけで人目を惹くものだが、そのキャバリアに「消滅させる」と言われれば、退廃かつ享楽的な生活を送っている住民たちでも不安になるらしい。
「退廃極まった世界でも、此所で生まれ育った人が此所で生き延びたいって土壇場で足掻くのは当然だよな」
鹿村・トーゴ(鄙の伏鳥・f14519)は、そんな住民たちの輪から飛び出した“サラリーマン”と、彼を殺めんと待ち構えている『メガコーポの『掃除屋』』たちを交互に見やっている。
ならば、己が忍務は――。
(「――敵の刺客をいなし、“サラリーマン”を生かす、だな」)
「そこの兄ちゃん、助太刀するぜ」
さて忍務と行こう、とトーゴは何本かクナイを取り出しつつ“サラリーマン”に告げながら、言霊を口にする。
『戦闘狂は羅刹の性分。さて、手慣れた武器と鍛えた拳でお相手するぜ』
言霊が虚空に流れると、クナイを握るトーゴの両手に羅刹紋が浮かんだ。
『掃除屋』の少女も、表情ひとつ変えずに指先に仕込んであるフィンガー・ビームウィップを放ち、“サラリーマン”を拘束しようとするが、即座にトーゴが間に割って入る。
鋭く迫るフィンガー・ビームウィップの先端を、トーゴは凝視しつつクナイで切り払うように受け止め逸らすが、『掃除屋』は再度フィンガー・ビームウィップをしならせ、トーゴの視界外から上半身を打つよう振り回した。
トーゴも念動力でフィンガー・ビームウィップを逸らすが、完全には逸らし切れなかったか、鞭の部分が微かに右上腕部を掠める。
ほんの少し掠めただけだが、上腕部に激痛が走った。
「……っ!!」
「――殺す」
『掃除屋』はただ一言だけ告げ、トーゴに濃密なサイキックエナジーを放とうとするが、トーゴは葉を食い縛り痛みを堪えつつクナイを放つ。
――ドスッ!!
『掃除屋』の胸に、クナイが突き立つが、『掃除屋』は意に介せずサイキックエナジーを放った。
生きとし生けるものをダウンさせるほど濃密なエナジーの奔流が、トーゴを呑み込まんと荒れ狂う。
しかしトーゴはエナジーの奔流を身を屈め避けながら一気に走り抜け、『掃除屋』の胸に羅刹の膂力が乗った剛力拳を叩き込んだ。
――ガスッ!!
「!!」
確実に暗殺すべく、カウンターの如く突き出された拳は、『掃除屋』の胸を貫通し、機械化義体のパーツを地面にばら撒く。
胸をぶち抜かれた『掃除屋』は、瞳から光を失うと、フィンガー・ビームウィップを格納することなく仰向けに倒れた。
(「聞いちゃいたがつえーな……『掃除屋』とやら」)
――相手はクワハラ・ファーマシーを始めとするメガコーポの暗部を担う『殺し屋』。
可能なら数体同時に相手取りたかったが、この強さでは確実に1体ずつ沈黙させていくしかないだろう。
「な、なななななな!?」
『掃除屋』をほぼ瞬殺したトーゴを見て、“サラリーマン”も驚きのあまり思わず足を止めるが、トーゴはそっけなく“サラリーマン”に告げる。
「あんたがオレを信用しようがしてねーかはわからんが、オレは護衛を全うするぜ」
「え?」
「オレもその孤独な足掻きが報われて欲しーからな」
トーゴはそれだけ告げて、別の『掃除屋』に向け走り出す。
その姿を見た“サラリーマン”は、己が本分を思い出したかのように、セプテントリオンに向け走り出した。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
サラリーマンを殺させてはならない!セプテントリオンに望まぬ破壊をさせてはならない!敵は壊さねばならない!!故に、壊せ!!!
ディスポーザブル02操縦、敵への【闘争心】を燃やし『異説悪鬼』発動!己を敵とするオブリビオン小枝子を召喚し二手でサラリーマンを襲う敵を撃滅する!
自分02はBXサイキックシールドでサラリーマンを狙う翠サイキックエナジーを【オーラ防御】ファウダーの電磁徹甲弾【弾幕】で近づく敵を【貫通攻撃】寄せらない!
そして、もう一人の自分は遊撃、超能力高速移動で戦場内を駆けながら、禍集焔業、劫火の【念動力】纏う刀剣群を引き連れ敵集団のサイキックエナジーを【焼却切断】焼き斬り刻み壊す!!
●
突如サイバーザナドゥの四葉市・アッパータウンに降り立った、メガコーポ『ティタニウム・マキア』が制作した調停機『セプテントリオン』を見て、アッパータウンの住民は驚きつつも行動を起こせずにいる。
その中から意を決し駆け出したひとりの“サラリーマン”を見て、朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)はオブリビオンマシン『ディスポーザブル02』を駆りながらセプテントリオンの元へと急いだ。
「ま、またマシン!?」
ディスポーザブル02を目にしたアッパータウンの住民が、再び騒ぎ出す。
キャバリアを見慣れぬ四葉市の人々にとっては、セプテントリオンもディスポーザブル02も同じ機体に見えているのだろうが、説明している時間がないのも事実だ。
――ならば、セプテントリオンとは違うと、行動で示すのみ。
「サラリーマンを殺させてはならない! セプテントリオンに望まぬ破壊をさせてはならない! 敵は壊さねばならない!!」
小枝子は己が闘争心を燃やすように叫びながら、セプテントリオンを、そして行く手を遮る少女たちを睨みつける。
相手は機械化義体の少女に見えるが、正体はクワハラ・ファーマシーの暗部を一手に担う『掃除屋』であり、小枝子の目には|亡国の戦塵《オブリビオン化した自分》と同じオブリビオンにしか見えない。
――ならば、遠慮はいらない。
「セプテントリオン……いや、セプテントリオンを操る悪しき意思の集合体よ! ここで撃滅する!! 故に『壊せ』!!!」
小枝子はディスポーザブル02を駆りながら、オブリビオン化した|亡国の戦塵《小枝子》を召喚する。
「お前はここで死ぬ――」
『掃除屋』のひとりが、“サラリーマン”に向け翠のサイキックエナジーを迸らせるが、小枝子もBXサイキックシールドの表面にオーラを纏わせながら、サイキックエナジーと“サラリーマン”の間に割り込んだ。
凝縮されたサイキックエナジーは、まるで翠の雷のように“サラリーマン”の全身を絡め取ろうと凶手を伸ばすが、オーラを纏ったBXサイキックシールドに受け止められ、四散する。
同時に、小枝子はディスポーザブル02の六本腕から|RS-Aファウダー《バルスマシンガン》を連射し弾幕を張り、『掃除屋』の動きを制した。
「邪魔をする者は全て――排除」
『掃除屋』は小枝子を絡め取り、エネルギーを奪うべく片腕を伸ばすが、突然肘より先が炎の刃で切断され落とされる。
見れば、背後には劫火纏った刀剣群を従えた、|もうひとりの《オブリビオン化した亡国の戦塵たる》小枝子が、|禍集焔業《デッドギヤフレイム》で『掃除屋』の腕を焼き切っていた。
それでも掃除屋は、“サラリーマン”にもう片方の腕を伸ばし、再度サイキックエナジーを放とうとする。
『去れ!!』
だが、再度サイキックエナジーを放つより早く、亡国の戦塵が念動力で操った劫火の刀剣群で掃除屋の全身をバラバラに焼き切っていた。
大成功
🔵🔵🔵
四之森・曼珠
そういえばこの世界のお薬の研究データとかにも興味が…
ともあれ、自爆阻止と人命救助、しっかりこなしましょうとも!
まずは件のサラリーマンさんと合流、護衛を申し出ます。
ええ、自爆を止められるのは貴方だけですので!
基本はGoldenEyeで麻痺毒入りの弾を撃ったり通った後の道にRainyBlueで同様の毒霧を撒いたりして(【毒使い】【マヒ攻撃】)敵を無力化しつつ進行を。
敵のUCは危険ですので、なんか翠色のオーラっぽいのが見えたらサラリーマンさんを抱えてでも共に回避を。
必要そうならサラリーマンさんにUCのお薬を投与して治療と強化を。
ご安心を、依存性も中毒性も無いハズですので♪
(臨床試験はしてませんが)
●
世界に終焉を齎すべく四葉市に降臨した、メガコーポ『ティタニウム・マキア』製の調停機『セプテントリオン』を見て、四之森・曼珠(未来形魔女・f38525)は別の事を考えている。
「そういえば、この世界のお薬の研究データとかにも興味が……」
聞くところによると、四葉市を拠点とするメガコーポ『クワハラ・ファーマシー』は、起業当時は製薬会社だったらしい。
そして、現在セプテントリオンを止められる『強制停止プログラム』を手にしているのは、クワハラ・ファーマシーの傘下企業『四葉製薬』の“サラリーマン”だという。
――ならば、ここで恩を売れば、研究データを教えてもらえるかしら?
一瞬、そんな期待はしてみるけれど、その間に世界が滅ぼされたらたまったものじゃない。
「ともあれ、自爆阻止と人命救助、しっかりこなしましょうとも!」
曼珠はGoldenEye を握り締めながら“サラリーマン”と合流する。
「き、君は?」
「護衛します! 自爆を止められるのは貴方だけなので!」
「わかった、頼む!! 俺は何としてでもこのプログラムを届けるんだ!」
要点だけをさっと説明した曼珠を信用したか、“サラリーマン”は曼珠に首肯すると、共に走り出す。
しかし、まだセプテントリオンまでは距離がある上、通り道にはクワハラ・ファーマシー直属の『掃除屋』が待ち構えていた。
「このままでは、間に合わない……!?」
「でしたら、わたくしのおクスリでつよつよなお体を手に入れてくださいませ♪」
曼珠は有無を言わさず“サラリーマン”の掌におクスリを注射する。
「ちょ、ちょっと何を注射した!?」
「ご安心を、依存性も中毒性も無いハズですので♪」
(「臨床試験はしておりませんけどね♪」)
「いや聞きたいのはそこじゃな……うおおっ!?」
肝心要の部分を伏せてにこやかに伝える曼珠の前で、“サラリーマン”が急に速度を上げる。
「か、身体が軽い!?」
(「どうやら、クスリの効果で肉体が増強されたようですね♪」)
「――行かせるか」
一気に速度を上げた“サラリーマン”を目にした『掃除屋』が掌に翠のサイキックエナジーを貯め始める。
だが、曼珠はGoldenEyeを構え、がら空きの胴に麻痺毒入りの弾丸を叩き込んだ。
弾丸を無視し『掃除屋』がサイキックエナジーを放とうとした、その時――手のひらからエナジーが霧散する。
「か、から、だ……」
見れば、『掃除屋』の身体は麻痺したかのように小刻みに震えていた。
(「上手く麻痺してくれたようですわね」)
弾丸に込めた麻痺毒が上手く効いてくれた、と心の裡でにんまりとしつつ、曼珠は背後を取られぬようRainyBlueで麻痺毒の霧を撒く。
その背後を突こうとしていた『掃除屋』が毒霧に撒かれたような気がしたが、曼珠は気にせず“サラリーマン”と共に走り続けた。
ちなみに事が済んだ後、曼珠が研究データを教えてもらえたかは――神のみぞ知る、ということで。
大成功
🔵🔵🔵
ロー・シルバーマン
蜘蛛の糸…善なる意志を阻止せんとする悪は排除せねばのう。
縁はないが手を貸すぞ。
可能なら調停機の現在地周囲の地形データをハッキングなどで入手。
移動経路上で掃除屋が潜み仕掛け易そうな場所に目星をつけておき、差し掛かる辺りで警戒を強める。
敵の攻撃を感知したらアサルトライフルの速射で腕を狙いビームウィップ攻撃を妨害。
極力サラリーマンを庇うよう立ち回り一番近づいてきている掃除屋の個体優先で速射で牽制。
万一肉薄されたらオーラ防御でサイキックエナジーを弾き、ブレードには鉈で応戦。
隙を見出したらUC起動、急所を撃ち抜き数を減らしていこう。
さあ思う侭に行くとよかろう。
…後悔のないようにな?
※アドリブ絡み等お任せ
●
世界に終焉を齎すべく四葉市に降臨した、メガコーポ『ティタニウム・マキア』製の調停機『セプテントリオン』は、己を操る悪しき意思に抗えぬ自分を止めてくれる存在を望んでいる。
一方、混乱の坩堝にある四葉市内で他の猟兵と共に走っている四葉製薬の“サラリーマン”は、セプテントリオンを止める唯一の手段を手にしている。
もちろん、セプテントリオンを操る『融合した悪しき意思のかたまり』はそれをも理解しているのか、四葉市を本拠とするメガコーポ『クワハラ・ファーマシー』から『掃除屋』を徴用し、“サラリーマン”を殺めんとしている。
セプテントリオンと“サラリーマン”、そして『掃除屋』の三者を交互にみやりながら、ロー・シルバーマン(狛犬は一人月に吼え・f26164)はアサルトライフルを構えた。
「蜘蛛の糸……善なる意志を阻止せんとする悪は排除せねばのう」
ロー自身、四葉市に縁があるわけではないし、クワハラ・ファーマシーやティタニウム・マキアと関わった経験もない。
だが、それでも――世界消滅の危機となれば、手を貸さずにはいられない。
今、ローがいる場所は、公共のデータベースにハッキングをかけ、セプテントリオン周辺の地形データを入手した上で選び抜いた場所。
ここなら、万が一潜伏を続けていた『掃除屋』がいたとしても、事前に察知できるはずだ。
他の猟兵と共に驚くほどの速度で走り続ける“サラリーマン”が、ローが目を付けていた地点を通過しようとしたその時――奥によどむ闇からキラリ、と糸のようなものが光る。
それがフィンガー・ビームウィップだと看破したローは、迷わずアサルトライフルのトリガーに指をかけた。
『――そこじゃ』
ローはアサルトライフルのトリガーを引き、浄化の弾丸を発射する。
急所を撃ち抜かれどさり、と倒れ伏す『掃除屋』には目もくれず、ローは“サラリーマン”と合流し走り出した。
残った『掃除屋』たちが四方八方からローたちを拘束し阻止しようとフィンガー・ビームウィップを放つが、ローも距離が近い『掃除屋』を優先し速射で牽制しつつ、浄化の弾丸で確実に仕留めてゆく。
そうして走り続けていると、やがてローたちはセプテントリオンの足元にまで到達していた。
「さあ思う侭に行くとよかろう……後悔のないようにな?」
「感謝する! これで……届くはずだああああ!!」
ローと他の猟兵の目の前で“サラリーマン”がジャンプし、セプテントリオンのコックピットに取りつく。
「もう一押しするか」
ローもアサルトライフルでコックピットを一斉射し、コックピットと機体の間にごく僅かな隙間を作った。
その意を察した“サラリーマン”が、生じた隙間に手をかけ、一気にコックピットの扉を開ける。
中に淀んでいた悪意が“サラリーマン”を包み込むが、“サラリーマン”は悪意をものともせず――手にしていたメモリーチップを差し込んだ。
――セプテントリオンの目から、光が失われる。
それは、強制停止プログラムにより、機体そのものが停止したことを意味していた。
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「はは、やった……やったぞ……」
役目を果たした“サラリーマン”の身体が、急に脱力し地面に落下する。
急いでローが“サラリーマン”を受け止め、他の猟兵とともに離れると、セプテントリオンが自壊してゆくのが目に入った。
「お、おおお……これで……これで私は終われるのか……」
セプテントリオンは頭を動かし、ローたち猟兵を、“サラリーマン”を見る。
「感謝するぞ、プログラムを届けてくれた正しき者よ、そして猟兵たちよ……」
そう、感謝の言葉を述べながら、セプテントリオンの機体は虚空に溶けるように消滅した。
大成功
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