浅葱のシャチは球を蹴り
●浅葱の街の流行は
獣人戦線、ロシア東部のアサギの街。
先日の襲撃による傷跡もすっかり消えてなくなって穏やかな日常を送っているこの街のシャチ獣人ではサッカーが流行り始めていた。
子供であっても大きなシャチの体でボールを追いかけ回す光景が街のあちこちで見られ、長時間走り回る体力がつくのはいいことだからと大人たちも見守っていたり、自分も負けてられるかと参加したり、更にはローカルルールで尻尾も使ったり工夫して色々楽しんでいるようだ。
だがしかし、この平和な光景とは無縁な、戦いにどっぷり染まった幻朧帝国のエージェントが逢魔弾道弾で滅ぼさんと破壊工作を行おうとしている。
それを阻止できるのは猟兵だけしかいない。
グリモアベース。
「またかー……」
ため息をついているのはシャチっぽいキマイラのヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。
「あ、丁度良かった。獣人戦線でまた新たな事件が予知されたから力を貸してくれないかな」
そう猟兵達に呼びかけるヴィクトル、彼が語るには今回狙われるのは以前も事件の舞台になったシャチ獣人の街らしい。
「ロシア東部にあるシャチ獣人が多く住む『アサギ』って街に、また幻朧帝国のエージェントが破壊工作を仕掛けてくるみたいだ。逢魔弾道弾を使ったその破壊工作が成功してしまうと街が逢魔が辻に変えられて大変なことになる。それを阻止するために破壊工作が行われる前にエージェントを探し出して撃破するのが今回の作戦になるよ」
そうヴィクトルは語り、現在の街の様子について詳しく説明し始めた。
「この街は大昔……百年ちょっと前ぐらいに日本列島から渡ってきたシャチ獣人が作った街で、だからか基本ロシア風の街の作りなんだけど和の雰囲気が混ざってる感じだね。藍染の和服とか和風の音楽とか。だけど色々外から情報取り入れてるみたいで、最近の流行りはサッカー、街のあちこちで大人も子供も楽しんでるみたいだよ。シャチ獣人だから陸上で色々大変らしいけど、ローカルルール加えたりして彼らなりの楽しみ見出してるみたい。現地の人と一緒にサッカーして仲良くなれれば後々何か役に立つこともあるかもね」
そうサッカーとか苦手そうな体型のシャチキマイラは説明しつつ、次に破壊工作を仕掛けてくるオブリビオンについて説明を移す。
「今回狙ってくるのは『ウォーリアー』、ワニのオブリビオンだ。ガントレット砲と剣槍を巧みに操り潜伏攻撃も得意とする戦士だ。強力なオブリビオンだけど重要拠点に逢魔弾道弾設置してこようとするから、何とか先に見つけ出して撃破してほしい……具体的にどこに出てくるかははっきり予知できなかったけど、灯台のようなものが見えたような……?」
現地の人に聞いたら多分分かると思う、とヴィクトルは言いつつグリモアである鍵を手に取って転送の準備を開始する。
「シャチ獣人はまだ猟兵に覚醒していないけど、ウシやカラス、サメの前例を考えればいつか猟兵になれる者が出てきてもおかしくはない。でもそれはまだ先の話、今は彼らを俺達猟兵が守らなきゃ大惨事は免れない。だからどうかよろしく頼むよ」
そうヴィクトルは話を締め括り、猟兵達をシャチ獣人住まうアサギの街へと転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
息吐く間もなく二回目。
第一章はロシア東部のシャチ獣人達の街でサッカーで交流しましょう。
街の雰囲気はロシアベースの和風混じりな感じですが、何故か最近サッカーが流行してきたようです。
第二章は逢魔弾道弾を設置しようとやってくる『ウォーリアー』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『獣人サッカーの試合』
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POW : 選手として参加する
SPD : スタッフとして手伝う
WIZ : 観客として観戦する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
熊ヶ谷・咲幸(サポート)
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です。
憧れのアイドルになって人々の心に希望を灯せるようになる事を目指しています
イベントなどもアイドルとしての勉強の一環として体当たりチャレンジをします
がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による力技がメインですが、力をコントロールできなかったり等でドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも
野生児の過去があり、動物の言葉などもなんとなく分かる時があります。
マスコットのクマリンは「咲幸ちゃん、〜リン、〜だリン」みたいな感じで喋りツッコミ等サポートも兼ねます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
今回オブリビオンに狙われるロシア東部の街『アサギ』は、ロシア風の木造建築をベースに和風テイストが混ざった独特の街並みである。
シャチ獣人達に合わせサイズ感は大きめであるが、そんな街のあちこちには広めの空き地があって運動場としても良く活用されているようだ。
最近流行しているのはサッカー、陸のスポーツは苦手そうにも見えるし実際小回りは苦手そうではあるけれども、集団で行うスポーツはこの街の人々の気風に合っているようで、中々見事なコンビネーションを見せている。
そしてそんな和気あいあいとしたサッカーの練習試合に、赤茶の髪のスポーティな格好の少女が合流してくる。
「今日はサッカーにチャレンジですね!」
ユニフォーム姿に着替えた熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)
元々比較的小柄な咲幸に対して概ね巨体のシャチ達、どう考えても当たり負けしそうな雰囲気ではあるけれども。
「では……行きますよ!」
ボールを奪わんとやや強くぶつかって来るシャチ、しかしあっさり吹き飛ばされてしまうのはシャチの側。
『なんだ!? 身体が岩ででもできてんのか!?』
『びくともしてない……これが猟兵……!』
別にスポーツを得意としているという訳ではないけれども、咲幸の規格外の怪力はサッカーにおいても相当強いようで。
「えーっと、ゴールに蹴っていいんですよね!」
とりゃ、と可愛らしい掛け声と共に咲幸に蹴られたボールは楕円に変形しながらキーパーの真横を高速で通過、ネットを突き破ってその先にあった空き地の仕切りの岩壁に弾かれてフィールドへところころ返ってきた。
『……咲幸ちゃん、シャチのひと達には直接ぶつけないよう注意するリン』
あわあわ慌てる咲幸に、応援席の方からクマリンがそう助言するのであった。
「中々の迫力だねぇ」
そして観戦席の方では数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)がシャチ達の試合を観戦していた。
またまた幻朧帝国の悪しき企みの標的となったこのアサギの街を守るべく咲幸と共にやってきた彼女は、周囲の会話に聞き耳を立てつつテレパスも交え情報収集中。
(「にしてもユニフォームは赤いんだねぇ?」)
フィールドを走るシャチ獣人達の姿に何故だかシャチホコを連想したりしつつ、多喜は観客席周りの情報を地道に集めていた。
『また今度大会とかやるらしいぜ』
『賞品はたっぷりのビールなんだってなー。俺達もやってみるか?』
どうやら幾つかチームはあるようで、この戦火の獣人戦線でも僅かな備蓄から賞品は出るらしい。
UDCアースのサッカーのようにフーリガンだとかサポーター同士の仁義なき争いのような事になるような事は流石にないとは思うが――と、考えている多喜の耳に、ある言葉が飛び込んでくる。
『そういや東の灯台の方誰か行ったか? なんか小さな怪しい奴が向かっていくの見たんだけど』
『俺は知らねえな。最近物騒だし、兵士に連絡しておくか』
東の灯台、予知でもそこに現れるらしいと語られていたからそれがエージェントである可能性は高いだろう。
早めに行った方がいいか、と多喜は情報収集を終え、不審者を見かけたという灯台の方へ向かっていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
早乙女・カリン(サポート)
私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾
バトロワシューターらしく基本は銃火器を使った中遠距離戦闘を得意とするわ!!
少し本気になった時は体内に蓄積された電気でビリビリ痺れさせちゃうぞ⚡️👾⚡️
戦闘以外でもカリンはゲーム実況なんかで活躍してる人気ストリーマー様ですのでー👾どんな依頼や案件もNG無しでいっぱい参加出来ちゃいます👾ピンチや逆境な戦場でも撮れ高に変えてやります💕
今ならお好きなユーベルコードも使いたい放題!バトロワランカーの力が必要になったらいつでも声かけてね!
●まるでイナズマのような
(「敵の居場所の目星はついたみたいね」)
アイドルの少女と同じくサッカーのフィールドでシャチ達の練習試合に参加していた早乙女・カリン(PREDATOR Ⅵ・f37832)は、観客席から離れようとする他の猟兵へとちらりと視線を向けてそう判断する。
このアサギの街は海に面していて大小幾つもの灯台があり、海からの攻撃で数本破壊されても他が予備になるとの事だ。
特に真冬に海面が凍結している時期は徒歩で渡ってこようとするオブリビオン部隊への迎撃を行い、帰還する場所を誤らぬようにする必要があるらしい。
まあそちらの現在ではない物騒な話はまた別の機会に考えるとして、そろそろ練習試合も終盤。バッチリ決めて先行した猟兵に合流した方がいいだろうとカリンは切り替え一気に敵陣へと切り込んでいく。
彼女もまたアスリートアースの超人アスリートの一人、サッカーは専門外ではあるけれども敵の隙を見抜く超一流のバトロワランカーの眼力は彼女よりも大きなシャチ達の守備の隙を的確に見抜き、雷のようなスピードと鮮やかなテクニックで突破していく。
そして守備を振り切りフリーになった瞬間、ゴールポストの隅を的確に狙いシュート。反応したキーパーがパンチングで弾こうとするが、伸ばされた腕は届かずネットをボールが揺らす。
小さな猟兵が魅せた鮮やかな妙技に観客のシャチ獣人達は釘付けに、そして歓声をフィールドに響かせる。
その直後、終了のホイッスルが鳴り響く。
「対戦ありがとうございました👾」
終了の挨拶、そして人気ストリーマーらしいファンへのパフォーマンスも忘れずにカリンは声援に手を振り返し、そして先に別の猟兵が向かった灯台へと急ぎ向かっていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『ウォーリアー』
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POW : 狩猟無双ノ極意
【ガントレット砲】が命中した敵を【剣槍】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[剣槍]で受け止め[ガントレット砲]で反撃する。
SPD : 奇襲ノ極意
【潜伏し、対象からほぼ不可視化した状態】から【必中の奇襲攻撃】を放ち、【奇襲攻撃に対する動揺】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 狂奔スル戦士
【狂奔状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
イラスト:括狐
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠カレン・オニール」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●灯台を守れ!
東の一際大きな灯台、そこに続く細い道を、シャチにしては小柄なローブの不審者が歩いていく。
『……ここに仕掛けるのがいいか』
深く着込んだローブの下にあるのはシャチではなく、頑丈な緑鱗のワニの口。
彼こそがこのアサギの街を狙い逢魔弾道弾を仕掛けに来た幻朧帝国のエージェント『ウォーリアー』。
戦場を渡り歩く彼は普段と変わらぬ冷静さで任務を実行しようとし――足を止める。
『……もう気付かれたか』
振り返ったウォーリアーの視線の先には、彼を阻止せんと現れた猟兵達。
偶然通りかかっただけ、などという誤魔化しは通用しないだろうとすぐに判断したオブリビオンはローブを脱ぎ捨て、愛用の剣槍を構え迎撃態勢を取る。
――このオブリビオンを撃破し、破壊工作からアサギの街を守る。
猟兵達はその使命を胸にユーベルコードを起動し、悪しきワニの兵士との戦闘を開始するのだった。
キノ・コバルトリュフ
マーツータケ、キノコセラピーはいかがかな?
かぐわしいキノコは香りマツタケ、味シメジ!!
美味しそうなキノコ香りはみんなを元気にさせちゃうよ!
ナメコ!?なんだか、目が血走ってるね。
キノは食べても……おいしいけど食べちゃダメだからー。
●ここよりもっといい場所へ
ワニの戦士――幻朧帝国のエージェント『ウォーリアー』が猟兵と交戦開始した直後に起動したのは自身を狂奔状態へと導くユーベルコード。
超攻撃力と超耐久力を得た彼は理性を失い速く動くものを無差別に攻撃し続ける存在になってしまうが、単独での潜入作戦であり味方がいないからこそその暴力を全力で発揮できるというもの。
『GUAHHHH!!』
怪獣のような咆哮と共に愛用の剣槍を嵐のような激しさで振りかざし襲いかかる彼の標的となったのはキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)。
凶暴な魔獣のような勢いの彼に対し、星霊グランスティードの『グラりん』に騎乗した彼女はふわりといい香りを漂わせる。
「マーツータケ、キノコセラピーはいかがかな?」
ユーベルコード【ベルベットパフューム】により彼女の体から放たれる香りはどこかマツタケに似ていて、嗅いだものの感情を掻き立てる。
好印象、或いは興奮――ウォーリアーに働いたのは後者で、狂奔はさらに激しくなり高速で走り襲いかかってくる。
「ナメコ!? なんだか、目が血走ってるね」
少々元気になりすぎたようなウォーリアーに少しばかり引きつつ、グラりんへと指示を出して街の方――灯台から引き離す方へと全力で走らせる。
この狭い灯台への道で戦うよりも、包囲できる陸地のほうが戦いやすい。既にシャチ獣人達には離れておくように伝えているから巻き込む心配もないだろう。
しかし、
「キノは食べても……おいしいけど食べちゃダメだからー」
『GURUAAAAAA!!』
ワニどころか恐竜のように追跡してくるウォーリアーの勢いは凄まじい。思わずキノコスイッチを押し込んで、超耐久力に阻まれながらも有毒無毒問わずキノコを生やし少しずつ体力を削ってエージェントの動きを鈍らせていくキノであった。
大成功
🔵🔵🔵
ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)
ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。
●不幸が来る
陸地側へと誘導される幻朧帝国のワニのエージェント『ウォーリアー』。
狂奔状態のまま興奮して軍馬の星霊に乗ったキノコつむりを追い続ける彼を、その進路にある物陰に隠れティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)が様子を窺っていた。
理性をなくし素早く動くものを只管攻撃し続ける彼、何かを追いかけている状態なら上手くやれば攻撃することは容易だろう。
ヤドリガミであっても負傷はなるべくなら避けたい。再生する特性がある事は忘れているようだけどもそれは関係ない。
タイミングは一瞬、軍馬がティモシーを横切ったタイミングで、横からルーンソードをゆっくりと振るい一撃を命中させる。
強靭なワニの鱗を浅く切り裂くに留まったその一撃を受けてはじめてウォーリアーはティモシーに気付き、走り去った軍馬ではなくティモシーへと標的を切り替え圧倒的な攻撃力で襲い掛かろうとする。
しかし次の瞬間、何故か足場が突然崩れ海へと落下してティモシーへの剣槍の攻撃は空ぶってしまう。
更に急に海が荒れて大波が襲い掛かる。不慮の事故が続くのはルーンソードにより刻まれた癒えない傷痕――【連鎖する呪い】のせいだ。
ティモシーが離れすぎない限り不慮の事故に襲われ続けるウォーリアー、超耐久力を得ていても次々に襲い掛かる災難にじわりじわりと体力を削られていくだろう。
後は近づきすぎず、離れすぎず。物騒なガントレット砲に注意しながら、占い師のヤドリガミは荒れ狂うウォーリアーから距離を取るのだった。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・みすず(サポート)
とにかく突撃して、ボスをぶっ飛ばします。「みすずちゃんにはパパ以外は、勝てないよー!」「このままじゃマズいよね」アドリブ、共闘歓迎です。
●暴れる鱗に鉄槌を
『GURUAHHHH!!』
次々連鎖する不幸に襲われながらも狂奔状態の超耐久力で耐え剣槍を振るい暴れ回るウォーリアー。
理性を失っているけれどもこの状態で街の方へ向かってしまえば、既に避難は完了していると言え無辜の獣人達が被害に遭う可能性はゼロではない。
「んー、このままじゃマズいよね?」
バールのようなものを片手に街の方から灯台の方へ向かってきた諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)は、暴れるウォーリアーの姿にそう呟いて、
「ここで一気に畳みかけるよ!」
レガリアスシューズの圧縮空気を駆動力に変え、一気に切り込んでいく。
深く考える必要はない。理性なく暴れ回るだけのこの暴れん坊のワニ獣人は小細工もしてこないのだから、真っ向から上回れば勝てる。
理性を対価に超攻撃力と超防御力を得ているウォーリアーは、速いものを狙い続けるという特性ゆえに即座にみすずへと反応、剣槍を振り回し両断せんと力任せに薙ぎ払わんとする。
その剣槍が振るわれる直前、ギリギリ届かぬ間合いでみすずが起動するのはスチームエンジンのユーベルコード。レガリアスシューズに搭載された蒸気エンジンの高圧の蒸気がレガリアスシューズに取り込まれる圧縮空気を更に強化して、駆動力を一気に跳ね上げる。
その加速を利用して跳躍、横薙ぎに振るわれた剣槍が足元を通り過ぎ僅かにひやりとしながら、みすずは手に持ったバールのようなもの――蒸気エンジンを搭載されたそれを一気に振り下ろす。
落下速度と蒸気エンジンの出力を乗せた全力の一振りはワニ獣人の頭部に見事命中、そのまま打点を軸にくるりと体を跳ねさせてウォーリアーの後方へと着地し、振り返る。
まだ完全に仕留めきれた訳ではないが、一先ずはこれで後続の猟兵に任せて大丈夫だろう。
そう判断したみすずは剣槍を振り回し向かってくるウォーリアーから距離を取りつつ、次の突撃のチャンスを窺いながら街の方へ向かわせないよう妨害に集中するのだった。
成功
🔵🔵🔴
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
ちゃんと説明は聞いてマシタヨ?(地の文と目を合わせない)
戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。
……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)
●そこにあるもので乱戦を
灯台から陸側へと向かった港、或いは波止場。猟兵達の攻撃は着実にエージェントの体力を削っていた。
『意識が……まずい……一旦隠れ……』
頭部を鈍器で強烈に殴りつけられた幻朧帝国のエージェントであるワニ獣人は、一旦狂奔状態を解除して海へと身を躍らせて移動しつつ潜伏状態へと移行する。
奇襲を得意とするこのオブリビオン、一旦潜伏して体勢を立て直してそこから再度巻き返しを狙う算段だろう。
「ん-……こっちが怪しそう!」
新たに転移してきた城田・紗希(人間の探索者・f01927)は直感でウォーリアーが現在潜伏しているだろう位置に『紅時雨』を手に向かっていく。
波止場に積み上げられ、保管されている大きな箱やコンテナ。遮蔽物が多く視界が微妙に悪いこの位置は潜伏にはもってこいなのだろうと判断して。
「……そこ!」
大きな木箱の陰に気配を感じて紅時雨を振るう――しかし、そこにウォーリアーはおらず、
『こっちだ!』
ユーベルコードによりほぼ不可視化していたウォーリアーが必中の一撃を紗希へと叩き込んでくる。
「わわっ! そんなとこにいたの!?」
第六感に従って咄嗟に振るった紅時雨がウォーリアーの剣槍と衝突、その軌道が逸れて直撃こそ避けられたが、動揺している間にぐるりと回転したワニの尾が先に叩きつけられ思い切り吹き飛ばされて大きな木箱に叩きつけられてしまう。
木箱の中身である棒やら板が散らばって、けれど衝突の衝撃で動揺から復帰した紗希は即座にユーベルコード【乱戦遊戯】を起動して棒の一本を拾い上げ、即座にウォーリアーへと飛び掛かる。
遮蔽物となっている大きな箱等を足場に、身軽に思いもよらぬ角度から仕掛けてくる紗希の猛攻はユーベルコードにより強化されていて、三倍の手数と威力で精鋭であるワニを攻め立てていく。
そして剣槍を思い切り叩きウォーリアーの体勢を思い切り崩して、その胴に思い切り突きを撃ち込んで吹き飛ばす。
意趣返しのような一撃を決めた紗希は得意げな顔をしつつ、ウォーリアーを更に攻め立てていくのであった。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です
かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
不明な点はお任せします
●破滅の未来はすぐそこに
『GYAHHH!!』
更にダメージが重なりもう後がなくなったウォーリアーは再び狂奔状態になり超攻撃力と超耐久力を得る。
これまでの蓄積ダメージは相当なものになっているだろうが、しかし理性を飛ばした狂奔状態によりダメージを無視し、己を守る事すら忘れているかのように、波止場で全力で暴れ回っている。
そこに新たに暗赤色のマフラーを巻いた黒髪の猟兵が転移してきて、
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
彼女、鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)という猟兵は能力者時代から使っているイグニッションカードを掲げ、
「――|起動《イグニッション》!」
収納されていた武装を瞬時に展開、装着して暴れ狂うウォーリアーに左手の魔剣『黒の葬華』を構える。
獰猛な恐竜を思わせる方向と共にワニ獣人が影華へと突進、真っ向から押し切らんと剣槍を振り上げてくる。
戦闘経験豊富な影華と言えどこの超攻撃力を真っ向から受け止める事は困難。しかし、
「彼の力を以て世界を|幻視《み》る」
真っ向から仕掛けてくるウォーリアーをしっかりと見据えて【呪いの魔眼(未来視)】のユーベルコードを起動、放たれた催眠の呪詛がウォーリアーに命中してその動きが停止する。
困惑、憤怒、絶望。このワニのエージェントが今見ているのは自身が討たれ任務を果たせぬ破滅の未来。狂奔状態であっても――本能のままに暴れているからこそ、その破滅の未来には過剰に反応してしまうのだろう。
「――残念、その未来はもう変わらない」
動きを封じられながらも、何かを振り払うように出鱈目に剣槍を振るおうとするウォーリアー。その意識の外から影華は音もなく一気に距離を詰めて魔剣を振るえば、頑強なワニの鱗は切り裂かれ鮮血が咲き誇る華のように散った。
それが終焉。ウォーリアーは見せられてしまった破滅の未来を覆す事も出来ず、どうと倒れ、そのまま消滅したのだった。
再びアサギの街を狙った幻朧帝国の野望はこうして挫かれた。
しかし超大国の野望は止まることなくこの世界の獣人達を戦禍に巻き込み傷つけ続けていて、この街が再び狙われる可能性もゼロではない。
それでも一つでも、悲劇の未来を防ぐために猟兵達はグリモアベースへ帰還、次の戦いへと向かっていくのであった。
成功
🔵🔵🔴