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新たなる旅立ち! 相棒は君だ!

#バトルモンスターワールド #旅立ち #パートナー選び

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#旅立ち
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●狙われた旅立ちの日!
「バトルモンスターワールド……子どもでも、バトモンと一緒なら旅することが許されちゃうとか、なかなか凄い世界だよね」
 だが、同時に面白そうな世界でもあると、成谷・理奈(ウェアライダーの鹵獲術士・f40874)は猟兵達に告げた。それこそ、GGOの世界などとは違った形で、子どもの頃の夢や冒険を叶えてくれるような。
「でも、そんなバトルモンスターワールドにも、オブリビオンはいるんだよね……。しかも、まだバトモンをもらったばかりの新米バトモン使いを狙って事件を起こそうとしているんだよ」
 理奈の話では、オブリビオンはバトモン博士がバトモン使いに憧れる少年少女達にバトモンを渡す現場にやって来て、新しく子ども達のパートナーになるはずだったバトモンを、何らかの方法で奪おうと考えているらしい。しかも、そのオブリビオンはあろうことか、博士が講師として呼んだ若手のバトモン使いに紛れているというのだから性質が悪い。
「子ども達の先生役として博士に呼ばれた人達は、最近になって人気が出て来たバトモンテイマーとかインフルエンサーの人達みたいだね。オブリビオンは、その中の一人と入れ替わる形で、博士のバトモン研究所にやってくるんだ」
 残念ながら、どの講師がオブリビオンの変装なのかまでは、自分にも分からなかったと理奈は続けた。入れ変わられた者は、恐らくはどこかに監禁でもされているのだろう。ここはひとつ、こちらも研究所にお邪魔させてもらい、特別講師として子ども達に接触してみるのが良いかもしれない。
「猟兵のことは、バトルモンスターワールドの人達も広く伝わっているからね。皆が特別講師として参加してくれるなら、バトモン博士も快く研究所にお邪魔させてくれると思うよ」
 そうやって博士や子ども達と交流しつつ、オブリビオンが化けた講師がボロを出すのを見逃さずに、しっかりマークしておくことが大切だ。計画を邪魔されるとオブリビオンは本性を晒して猟兵に襲い掛かって来るので、それを返り討ちにしてしまえばよい。
「あ、そうそう! 街にはバトモンセンターもあるから、この騒動で傷ついたバトモンがいたら、ちゃんと連れて行ってあげるのも忘れずにね! 無料でバトモンの体力を回復してくれるし、他にも旅の役に立つ道具が色々売られているからね」
 場合によっては、そこで何か便利な道具を買って、旅に出る子ども達にプレゼントしてあげるのもよいかもしれない。
 どちらにせよ、折角の冒険のスタートを、オブリビオンに邪魔させるわけにはいかない。子ども達の夢を守るため、悪者にはご退場していただこう。そう言って、理奈は猟兵達を、バトルモンスターワールドのバトモン研究所付近へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 新たにバトモンを渡され、旅に出ようとする子ども達にオブリビオンの魔の手が!?
 夢と希望に溢れた冒険のスタートを守ってください。

●第一章(日常)
 バトモン研究所を訪れ、特別講師として子ども達に接触してください。
 その際、怪しい講師がいないかどうかにも目を光らせておきましょう。

●第二章(ボス戦)
 講師の一人に変装していたオブリビオンとの戦いです。
 前章で子ども達やバトモンと仲良くなっておくと、避難誘導などがスムーズに行えます。

●第三章(日常)
 先の騒動で傷ついたバトモン達を、バトモンセンターに運んで回復してあげましょう。
 その他、旅に必要なグッズを色々と揃えたり、今後どこかで再び出会った際にバトルをする約束などをするのも良いでしょう。
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第1章 日常 『旅立ちの日』

POW   :    バトモン使い本人の基礎トレーニングに付き合う

SPD   :    冒険やバトルのコツを教えてあげる

WIZ   :    最初のパートナーを一緒に選んであげる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●博士と助手と新米さん
 マクラータバトモン研究所。その日、研究所に集まったのは、新たにバトモン使いとなり冒険に出ることを決めた3人の子ども達。
「やあ、いらっしゃい。待っていたよ」
 そう言って、やや薄汚れた白衣を着たバトモン博士が研究所の奥から姿を現した。バトモン博士といわれなければ、どう見ても冴えない風貌の中年男なのだが、一応はそれなりに名の知られた研究者らしい。
「おはようございます、マクラータ博士! 早速ですけど、俺達のパートナーになるバトモンは、どこにいるんですか?」
 三人の中でも最年長と思しき少年が、待ちきれない様子で博士に尋ねた。一見して冷静な性格を装ってはいるものの、その瞳の中にある輝きは隠しきれず。
「まあ、待ちなさい、シュウ君。いきなりパートナーを選ぶといっても、君達はまだ右も左も分からないだろう?」
 旅立つ前に簡単なトレーニングで交流したり、相棒となるバトモンについて最低限の知識を得てからでも遅くはない。そう言って逸る少年を諫める博士だったが、やはり子どもは好奇心の方が強いのだろうか。
「それなら簡単ね! 自分のイメージに合った子を見つけて、お試しにバトルしてみればいいんじゃない?」
 今度は紅一点の女の子が、早々にバトモンで勝負を始めようと言い出した。もっとも、それはマクラータ博士に代わり、彼の助手であるカルミアという女性によって諫められてしまった。彼女は一見して科学者とは思えない程にスタイルが良く、マクラータ博士とは別の意味でバトモン博士とは思えない。
「あらあら、元気いっぱいね、マユちゃん。でも、猪突猛進なだけじゃ、素敵なバトモン使いにはなれないわよ?」
「むぅ……わ、わかったわよ!」
 図星を突かれ、マユと呼ばれた少女は少し不貞腐れてそっぽを向いた。どうやら、大人な雰囲気の女性に子ども扱いされたことも不機嫌の理由になりそうだが、それはそれ。
「二人とも……ここは、やっぱり博士達のお話を、ちゃんと聞いてからにしようよ。最初のパートナー選びって、やっぱり大切だと思うからさ」
 最後に、少しばかり気の弱そうな少年が、シュウとマユに改めて告げた。その言葉を聞いたマクラータ博士は満を持した様子で研究所の奥へ三人を連れて行くと、大きな扉を開けて外の広場へと案内した。
「イサム君の言う通り、君達はまだ新米だ。だからこそ、ここでしっかりとバトモン使いとしての基本を学び、じっくりとパートナーを選んでくれたまえ」
 そのために、今日は特別な講師も呼んでいる。マクラータ博士の指差す先には様々なバトモンに囲まれて、有名なバトモン使いやインフルエンサー達が集まっていた。
「やあ、君達が博士の推薦している子ども達だね! これから一緒に、バトモンについての勉強をしようか!」
「バトモンコンテストで優勝を目指すなら、私にお任せだよ♪ めっちゃバズれるパフォーマンスのやり方を教えちゃうからね~!」
 これから始まるのは、夢に溢れた冒険の旅。だが、イサムもマユも、そしてシュウも知らないのだ。この講師たちの中に、危険なオブリビオンが紛れていることを。そのオブリビオンが、マクラータ博士の研究所にいるバトモンを、根こそぎ奪おうとしているということを。
熊ヶ谷・咲幸(サポート)
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です。
憧れのアイドルになって人々の心に希望を灯せるようになる事を目指しています
イベントなどもアイドルとしての勉強の一環として体当たりチャレンジをします

がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による力技がメインですが、力をコントロールできなかったり等でドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも
野生児の過去があり、動物の言葉などもなんとなく分かる時があります。

マスコットのクマリンは「咲幸ちゃん、〜リン、〜だリン」みたいな感じで喋りツッコミ等サポートも兼ねます

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●アイドル、一日講師!?
 新米のバトモン使い達にパートナー選びや冒険の基本を教えるため、研究所に集められた講師達。その中に混ざって子ども達に何かを教えてもらいたいと頼まれ、熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)は張り切っていた。
「よ~し、頑張るぞ~! バトモンバトルとか詳しくないけど、この世界にもコンテストとかあるみたいだしね!」
 もし、コンテストに参加したい者がいれば、自分のアイドルとしての経験が役に立つかもしれない。ステージ上の振る舞いを教えることは、彼らにコンテストで優勝するためのコツを教えることにも繋がるだろうと。
 もっとも、彼女の相棒であるクマリンは、どこか心配そうな表情で咲幸のことを見つめていた。
「う~ん……このまま咲幸ちゃんに任せて、本当に大丈夫なのかリン?」
 なにしろ、咲幸はアイドルはアイドルでもドジっ子アイドル。講師として何かを教えるよりも、存在自体が反面教師になり兼ねない可能性もある。
 だが、当の咲幸はそんなことは全く気にせず、早くも子ども達にアイドルパフォーマンスの方法を教えていた。
「そこの皆! バトモンコンテストに出場するつもりがあるなら、あたしが色々教えちゃうよ!」
「えっ、本当に!? 本物のアイドルから教われるなんて、夢みたい!」
 早速、咲幸の話に食いついて来たのは、三人の子ども達の中でも紅一点のマユだった。やはり女の子ということもあって、この手の話には目がないのかもしれない。
「それじゃ、まずはバトモンと一緒に観客を魅了するダンスの方向から……って、あわわわわ!!!」
 案の定、お手本を示そうとした矢先に、盛大にその場で転倒する咲幸。これでは優勝どころか、予選落ち間違いなしである。
「ああ、やっぱり予想通りの展開になったリン……」
 クマリンも、あまりにテンプレな展開に、もはや突っ込む気力もない様子だった。しかし、この程度で咲幸は諦めない。多少の失敗などなんのその。その程度のミスは、気合と根性で乗り切ってこそのアイドルだ。
「うぅ……失敗しちゃった。でも、まだまだ! ここから一気に挽回する方法は……これ!!」
 そう言うが早いか、咲幸はその場で瞬時に衣装チェンジ! 瞬きをする程度の時間で別の衣装に着替えると、クマリンと一緒に決めポーズ!
「ね、大丈夫だったでしょ? 失敗しても、それを塗り替えるようなパフォーマンスでお客さんを楽しませれば、コンテストだって逆転のチャンスはあるはずだよ!」
 初心者だからこそ、最初から上手く行くとは限らない。大切なのは、どんな時でも諦めずにベストを尽くすこと。殆ど怪我の功名のような感じになってはしまったものの、咲幸の教えはどこか子ども達にも響くところがあったようで。
「なるほど、確かに言う通りかもしれない。たった一度のミスで諦めているようでは、上を目指すことは難しい」
「うん、そうだね。コンテストだけじゃない……バトモンバトルも、それに僕達の冒険だって同じだよ」
 気が付けば、シュウとイサムも集まって、それぞれ咲幸の教えに耳を傾けていた。
(「やれやれ、どうにか誤魔化せたリン……」)
 子ども達に失望されなかったことで、安堵の溜息を吐くクマリン。とりあえず、これから冒険に出る彼らのために、有意義なことは教えられた模様。もっとも、咲幸のドジをカバーするので精一杯だったので、怪しい人物が誰なのかを探る余裕までは、さすがになかったようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリエッタ・スノウ
理奈お姉ちゃんからのお仕事だね。リリ、頑張るよ。
んっ、これから行く世界は可愛い生き物がいっぱいいるらしいね。

マシンナノナノと一緒に研究所に来たらリリより少し年上(?)の子に囲まれたよ。
珍しいバトモン? むぅ、よくわかんないけどマシンナノナノはリリの大切な友達だよ。
バトモンもきっと仲良くなるのが一番、だと思う。

マシンナノナノのすごいところを話しながら、周りの講師たちの様子も確認するよ。
可愛いのを誘拐しようとしてるなら、何か怪しいことをしてるかもしれない?

※アドリブ連携大歓迎



●新たな旅のお友達
 バトルモンスターワールドには、不思議で可愛い生き物がたくさんいる。そんな話を聞いて、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)はマシンナノナノと共に、マクラータ博士の研究所を訪れていた。
「ん、ここが研究所だね。怪しい人がいないか、探せばいいんだよね?」
 自分の年齢では講師を務めるよりも、オブリビオンを探すことに専念した方が良さそうだとリリエッタは考えていた。だが、彼女が連れているマシンナノナノのことを、珍しいバトモンと勘違いしたのだろうか。冒険への出発を控えた三人の子ども達に見つかって、瞬く間に囲まれてしまった。
「君、随分と珍しいバトモンを連れているね。それは何ていう名前のバトモンなんだい?」
 まずは年長者のシュウが、リリエッタに声をかけてきた。マシンナノナノのことを完全にバトモンだと思っている彼らではあったが、リリエッタにはバトモンの知識は殆どなかった。
「珍しいバトモン? むぅ、よくわかんないけどマシンナノナノはリリの大切な友達だよ」
 とりあえず、自分の正直な気持ちを語るリリエッタ。バトモンであろうと、それ以外の生き物であろうと、大切なのは仲良くなることだ。時に自分の代わりに戦ったり仕事をしてくれたり、あるいはショーやコンテストに出たりすることがあっても、それは決してバトモンを道具のように扱ってよいというわけではないのだろうと。
「……だから、バトモンもきっと仲良くなるのが一番、だと思う」
「仲良くなる……か。そうだね。友達になるようなつもりで、最初のパートナーを選べばいいんだよね!」
 リリエッタの言葉に、奥手なイサムも何かを掴んだようだった。その後、マシンナノナノについて語るリリエッタの話を聞きながら、三人の子ども達は自分のパートナーとなるであろうバトモンを選んで行った。
「よし、俺はこいつにしよう。見た目によらず、意外と大人しそうだしな」
 ショウが選んだのはわにバトモンのジュラン。植物の性質も持っているため、温厚な個体も多いらしい。
「それなら、私はこの子で決まりね! 旅のボディガードにもなってもらいたいから、強くて頼もしい子じゃないと!」
 マユが選んだのはひのりゅうバトモンのヒノドラゴ。猪突猛進なマユの趣味と性格からすると、可愛さよりも頼もしさの方が優先度が高いのかもしれない。
「それじゃあ……僕は、この子にしようかな。これからよろしくね!」
 そして、最後にイサムが選んだのは、もふもふバトモンのデンレッサ。体毛に静電気を蓄えているため、迂闊に触ると感電してしまうのだが……デンレッサにも気に入られたのか、イサムが身体を撫でても電気が発生することはない。
「ん、みんな、新しいお友達が見つかったみたいだね」
 無事にパートナー選びも終わり、リリエッタは改めて周囲の様子へと目を凝らす。殆どの講師達は自分の得意分野を自慢げに語っているだけだったが、そんな中で一人だけ、怪しい動きをしている者がいるのを見逃さなかった。
「……そんなところで、なにをしているのかな?」
 研究所の奥へコソコソと向かっている一人のバトモン使いを見つけ、リリエッタは後ろから声をかけた。どうやら、彼女は有名なバトモンインフルエンサーのようだが、それにしては様子がおかしい。サンタクロースと見紛うような大きな袋を持っており、怪しさ全開である。
「えぇ!? そ、それは……あ、そうそう! 博士よ、博士! 博士に呼ばれて、特別に研究のお手伝いを……」
 どう見ても嘘を吐いているのがバレバレであり、インフルエンサーの女を見るリリエッタの眼が険しくなる。このまま蹴り飛ばして、一気に化けの皮を剥がしてやろうか。そう思って身構えたところで、後ろからイサム達がやって来た。
「ちょっと待ってよ! 勝手にそっちへ行ったらダメだって!」
「あ~ん、もう! 全然こっちのいうこと聞いてくれない~!!」
 何故か気が立っているバトモン達を追いかける形で、彼らはこちらへとやってくる。そして、バトモン達は彼らの制止も聞かずにインフルエンサーへ飛び掛かると、一斉に攻撃を開始した。
「きゃぁっ! ちょ、ちょっと……!!」
 まずはデンレッサの電気ショックが炸裂し、インフルエンサーは思わず袋を落としてしまった。慌てて袋を拾おうとするも、その腕にジュランが噛みついた。
「痛ぁぁぁぁぃ!! もう、なにす……って、あぁぁぁぁっ!!」
 インフルエンサーが叫ぶのと、袋の中身が転げ出るのが同時だった。その中身を見た途端、その場にいた全員の目が丸くなる。
「……っ!? これは……!!」
 途端に険しい表情になって、シュウがインフルエンサーの女と袋の中身を見比べた。なんと、袋から飛び出して来たのは他でもない、目隠しと猿ぐつわをされて両手両足を縛られた、インフルエンサーの女だったのである。
「ん、どうやら、あのインフルエンサーは偽物みたいだね」
 袋の中身だった者が本物だと気づき、リリエッタがインフルエンサーの女を指差した。すると、マユのヒノドラゴが大きく息を吸い込んで、炎のブレスとして女目掛けて吐き出した。
「あぁぁぁっ! 熱っ! ちょっと……これじゃ、変装が……」
 火炎に包まれ、インフルエンサーの女の姿が崩れて行く。変装が焼け落ち、その中から現れた者。それは他でもない、研究所のバトモンを奪おうとしていたオブリビオン。見た目は少女のようだが、彼女もまた過去の大戦で活躍した英雄なのだろうか。
「あ~、バレちゃったか。でも、まあいいか。バレたらバレたで、力ずくでバトモンを奪えばいいんだしね!」
 身体に残った煤を払いながら、少女は実に嬉しそうな笑みを浮かべて言った。彼女の作戦こそ阻止できたものの、本番はこれから。どうやら三人の子ども達の出発は、なんとも波乱万丈なスタートになりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『英雄少女「ヒロインX」』

POW   :    バトモン・ソーイング!くるりんチェンジ!
【バトモン「サイホーシ」の胞子裁縫】から【自身だけが触れる、『バトモンスーツ』】を召喚する。[自身だけが触れる、『バトモンスーツ』]に触れた対象は、過去の【模倣】からバトモンスーツが【保有する技能】をレベル倍に増幅される。
SPD   :    バトモン・パペットレギオン!
【バトモン「サイホーシ」の胞子裁縫】から、戦場全体に「敵味方を識別する【バトモンのぬいぐるみ軍団】」を放ち、ダメージと【「バトモンとその使役者以外」は、超弱体化】の状態異常を与える。
WIZ   :    はじまりのバトモンバトル
戦場内を【バトルモンスターワールド】世界に交換する。この世界は「【バトモンバトル】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。

イラスト:ゆりちかお

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はトライ・ブリガンドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●対決、英雄少女!
 研究所に侵入しようとしていたオブリビオンの正体を、なんとか見破った猟兵達。だが、オブリビオンの少女は何ら悪びれることもないままに、なんとバトモンバトルを仕掛けて来た。
「よ~し、それじゃ、バトモンバトル開始だよ!」
 そう言うが早いか、少女はほうせきバトモンのコランディを模したスーツを身に纏うと、一方的にバトモンバトルを仕掛けて来た。猟兵達であればともかく、まだバトモンをもらったばかりの子ども達では、彼女を相手にするのは厳し過ぎる。
「あれ? 勝負しないの? だったら、こっちから先に攻撃しちゃうからね!」
 なぜなら、目が合った瞬間に勝負することは避けられないから。バトモンバトルが始まったら、そこに拒否権は存在しない。なんとも無茶苦茶な理由を並べ立て、少女は子ども達に襲い掛かって来た。
「うわわ! ど、どうしよう!」
「こ、こうなったら、やるっきゃないでしょ!」
 狼狽えるイサムと、強がりながらも震えているマユ。とてもではないが、彼らの腕前では勝負にさえなるか疑わしく。
「二人とも、下がるんだ! この子達をパートナーに選んだ時のこと、忘れたのか!?」
 咄嗟に、シュウが二人の前に割って入った。ここで無茶なバトルをして、バトモンを戦闘不能にさせては本末転倒。バトモンは旅のパートナーであり、戦いの道具ではない。ましてや、オブリビオンに負けたが最後、単にバトモンを戦闘不能にさせられるだけでは済まない可能性もある。
 ここは彼らを守るためにも、猟兵達が一肌脱ぐしかないだろう。英雄少女「ヒロインX」。彼女の魔の手からバトモン達を守り、子ども達が無事に冒険の旅へと出発できるようにするためにも!
熊ヶ谷・咲幸(サポート)
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です。

戦闘時など、アイドル⭐︎フロンティア以外ではコンパクトを力技で【こじ開け】て変身します。そのせいかリボンが絡まるなど不完全な変身も
変身時に出現したキラキラエフェクトはしばらく物質化しており、攻撃を防いだり掴んで投げたり出来ます
がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による正面突破や力技がメインですが、力をコントロールできなかったり等でドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも

ユーベルコードは指定した物や公開されている物をどれでも使用します。また、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪


轟・やゆよ(サポート)
語尾に「だわさ」「なのよさ」がつく熱いアニソン好きな女の子
元気で正義感が強い

あたしも駆けつけてきたのよさ!
その場で必要なUCや技能を使って攻撃や支援をするだわさ
説得の通じる相手なら説得を試みるしワケありの相手には思わず情を口にするだわさ

もちろん公序良俗に反することや他人の迷惑になることはしないのよさ!

アドリブ絡み歓迎



●いきなり大ボス戦!?
 猟兵に正体を見破られたことで、英雄少女「ヒロインX」は実力行使でバトモンを奪う作戦に出た。普段であれば、一斉攻撃でオブリビオンなど瞬く間に猟兵が片付けてしまうのだが、今回ばかりはさすがに勝手が違い過ぎた。
「はじまりのバトモンバトル、スタート! ここから先は、バトモンバトルのルールが優先されるからね!」
 ヒロインXが軽く指を鳴らせば、周囲が瞬く間に戦うためのフィールドに変換されて行く。研究所の被害を気にしないで済むのは良いが、これはこれで好ましくない状況だ。
 なにしろ、このフィールド内ではバトモンバトルのルールを守らない限り、能力が大幅に弱体化されてしまうのである。要するに、バトモンを使って戦わない者、ルールを無視して直接バトモン使いに攻撃を仕掛ける者などは、全て能力を下げられ行動の成功率も激減させられてしまうということである。
 こんな状況では、バトモンを持たない猟兵達では分が悪い。だが、今この場でまともにバトモンバトルができるのは、ルーキーの三人組だけである。
「や、やっぱり、私達が戦うしかないんだって!」
「そ、そんな……。まだ戦いなんてしたことないのに、どうすれば……」
 ヤケクソになるマユと、狼狽えるイサム。年長者のシュウも、さすがにこの状況では言葉だけで彼らを諭すのも限界だ。
「くっ……! こうなったら、俺が先陣を切るしかないのか……」
 オブリビオン相手に勝てるとは思わないが、それでも戦う前から負けを認めるわけにもいかない。折角、バトモン達が自分達のことをパートナーに選んでくれたのだ。それなのに、彼らを見捨てて逃げるなどすれば、それはパートナーを裏切ることになってしまう。
 もっとも、それでも彼らだけで戦えば、一蹴されてしまうのは容易に想像できることだった。だが、そんな彼らにも僅かながら、一矢報いるためのチャンスが残されていたのは幸いだった。
「ちょ〜っと待った★ そのバトモンバトルってやつ? ここから先は、クローネちゃんも参加するね♪」
 なんと、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)が、突如としてヒロインXとのバトルに乱入してきたのである。しかし、様々な種族を召喚できるクローネも、バトモンを召喚するユーベルコードは持っていない……はずだったのだが。
「この世界で、新しくクローネちゃんのお友達になった子たちを紹介するね♪」
 そう言ってクローネが繰り出したのは、シャッコイにオンゾウ、そしてライバーンにチョゴンにトケロウといったバトモン達。召喚呪文の類などなくとも、クローネはとっくにバトモン達を仲間にしていたのである。
「へぇ、面白そうじゃない。それじゃ、こっちも遠慮なくバトルさせてもらうよ!」
 標的を三人からクローネへと変更し、ヒロインXは自らのバトモンである『サイホーシ』の胞子裁縫を利用して、無数のバトモンのぬいぐるみ軍団を繰り出してきた。たちまち、乱戦にも等しいバトモンバトルが展開される。続々と現れるぬいぐるみ軍団を、シャッコイの冷凍パンチが吹き飛ばし、オンゾウが巨体で踏み潰し、ライバーンが電撃で黒焦げにして行く。チョゴンやトケロウはチョコレートやロウを放つことで相手の動きを止め、主にサポートに回っているようだ。
「す、すごい……」
「これが……猟兵の人のバトモンバトル……」
 あまりに次元が違い過ぎる戦いに、少年達は呆気に取られるだけだった。そんな彼らの傍らに寄り添うようにして、今度は響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が声をかけた。
「ごきげんよう、皆様。今の内に、研究所のバトモン達を保護することにいたしましょう」
 この場にいるバトモン達だけでも、安全な場所……具体的には、彼らの棲家へと転送したい。そう言ってリズが白薔薇の花びらを展開すると、それは美しい竜巻となって研究所のバトモン達を包み込み、彼らを棲家へと転送して行く。
「さあ、こちらへ。安全な場所へとご案内いたしましょう。……オブリビオン以外は、ですが」
 ふと、ヒロインXへ睨みを効かせれば、彼女と彼女の操るサイホーシもまた、軽微なダメージを受けているようだった。
 白薔薇の竜巻は、抵抗しなければ安全に棲家へと対象者を転送してくれるが、しかし抵抗すればそれだけ苦痛を与えてくる。バトモンバトルのルール外な行為なので、ヒロインX達へのダメージこと期待はできないが、しかしバトルに参加していない無関係なバトモン達を転送するには都合が良いわけで。
「あなた達も、お家に帰られますか? よろしければ、ご協力させていただきますわ」
 このドサクサに紛れて家に帰った方が良いのではないかと、リズは少年達に告げた。だが、イサムもマユも、そしてシュウも、首を縦には振らなかった。
「いえ、ここは最後まで見届けます。我儘かもしれませんけど……俺達だって、バトモン使いになったんです」
「そうよ! それに、こんな凄いバトル、生で見れるチャンスなんてないし!」
「……僕も、ここで逃げちゃうのは、ちょっと違うと思います」
 なんだかんだで、彼らもバトモンと一緒に冒険の旅に出ようと考えるくらいの少年少女ではあった模様。ならば、危険なことだけはしないようにとリズが念を押したところで、いよいよ最強の後方部隊が登場だ。
「お待たせなんだわさ! あたしも駆けつけてきたのよさ!」
「アイドルらしく、ここは応援でバトモンをパワーアップさせちゃうわよ!」
 轟・やゆよ(あにそん伝道師・f06396)と熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)。二人のアイドルによる応援が始まれば、その歌に鼓舞される形で、クローネのバトモン達がどんどんパワーアップされて行く。灼熱の爆発はぬいぐるみ軍団にこそ大したダメージを与えないが、しかしクローネのバトモン達の負傷も回復させる。その一方で、咲幸はお約束というか、速攻でダンスのステップを間違え転倒してしまったのだが、それも含めてある意味では計算通りといったところだろうか。
「へ……? ひゃわわわ!!」
 盛大にすっ転んだ咲幸だったが、その代わりにクローネのバトモン達に『がんばりオーラ』が付与された。これにより、クローネのバトモン達の攻撃力はさらにアップ! しかも、それだけでなく咲幸の後ろから、彼女のパートナーであるカンキツネの姿『クリムラ』も飛び出してきた。
「え? なに、あのカンキツネ! なんだか変わった色してるけど……」
「色違い? それともリージョン? こんな珍しいバトモンを見られるなんて!」
 戦列に加わるクリムラの姿に、マユもイサムも興奮した眼差しを向けている。これならば、もう負ける要素はどこにもない。応援で強化されたバトモン達の一斉攻撃で、ついにぬいぐるみ軍団は一掃され、残すは本体のサイホーシだけだ。
「勝負あったのよさ! バトモンバトルのルールで戦っても、ここから先は多勢に無勢だわさ」
 大人しく、ここで降参した方が良いと、やゆよはヒロインXに宣言した。見れば、彼女の周囲は猟兵達の操るバトモンで囲まれており、逃げ場はどこにもなさそうだった。
「あなたもバトモン使いなのであれば、無闇にパートナーを傷つける必要はありませんわ。可愛らしい力をお持ちなのであれば、それは優しいことに使っていただきたく思います」
 リズもまた、これ以上の戦いは無意味だとヒロインXへ諭すような口調で告げる。しかし、それでもヒロインXは諦めることなく、むしろ更に目を輝かせながらバトルを再開する意思を見せてきた。
「そんな勿体ないことできないよ! だって……こんなに強い人達と戦えるなんて、久しぶりだからね!」
 そこにあったのは、純粋にバトモンバトルを楽しむ少女のものだった。これだけ見れば、彼女が悪人だとは思えないが……それでも、彼女とてオブリビオン。バトルで勝利した後は、その報酬として研究所のバトモンを根こそぎもらって行くつもりなのだろう。
 残念ながら、それを認めるわけにはいかなかった。幸いにして、彼女はパートナーのサイホーシ共々、既にかなりの力を消耗している。ここで一気に畳み掛ければ、どれだけ強力なバトモン使いであったとしても、退けることができるかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リリエッタ・スノウ
んっ、なかよくなった子たちを引き離して無理やりつれてくのはダメ。
かわいいのを独り占めするのもダメだよ。

むぅ、バトモンバトル……リリには難しそうだね。
でも、バトモンじゃないけど、リリはマシンナノナノと一緒に戦うよ。

マシンナノナノとの【仲良しコンビネーション】を発動。
援護を受けながら【リリ式リベリオンリボルバー】を使って、周りのバトモンぬいぐるみを撃ち落としていくよ。
リリがこうやって足止めしている間にバトモン使いの人がやっつけてくれるのを期待だよ。

※アドリブ連携大歓迎



●真剣勝負の、その先に
 バトモンバトルの体を取ってはいるものの、敗北したらバトモンを全て奪うという、なんとも卑劣なアンティルールを仕掛けてきたヒロインX。双方納得の上であれば、そのようなバトルもありだろう。だが、相手側の許可も取らず、一方的にバトモンを奪おうとするなど、それは単なる泥棒や強盗と変わりない。
「んっ、なかよくなった子たちを引き離して無理やりつれてくのはダメ。かわいいのを独り占めするのもダメだよ」
 どうしても独り占めを止めないのであれば、ここで消えてもらうことになる。そう言って、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)は拳銃を構えるも、ヒロインXは余裕の表情で笑っているだけだ。
「え? もしかして、その銃で私を撃つの? でも……バトモンバトルで、バトモン以外の手段で攻撃するのは反則だよ〜♪」
 どうしても戦うというのであれば、反則をした際のペナルティを受けてもらうことになる。ヒロインXが告げると同時に、彼女のバトモンであるサイホーシが大量のぬいぐるみ軍団を繰り出してきた。この軍団もバトモンの能力による攻撃なので、バトルでの反則行為には該当しない。だが、その一方でリリエッタの方は、能力を超絶に弱体化させられてしまっていた。
「むぅ、バトモンバトル……リリには難しそうだね」
 拳銃の玉が豆鉄砲にしかならないことを知って、リリエッタはしばし考えた。
 あの、サイホーシとかいうバトモンをなんとかしない限り、こちらに勝機はない。リリエッタはバトモンを連れていないので、このままでは一方的にやられてしまうだけの未来しかないが……それでも、バトモンではなくとも大切なパートナーが彼女にも存在している。
「でも、バトモンじゃないけど、リリはマシンナノナノと一緒に戦うよ」
 マシンナノナノ。ナノナノを模して作られた機械の妖精が、リリエッタの声に応え飛び出してきた。バトモンではないので、こちらも能力的には本来の力の半分も発揮できないのだが、それはそれ。弱体化された分はコンビネーションによって補い、リリエッタは果敢にぬいぐるみ軍団の中へ飛び込んで行く。
「リリが飛び込んで、周りにいるのを全部やっつけるよ。その間に、みんなはあのバトモンをやっつけて……」
 マシンナノナノの援護攻撃を受けながら、リリエッタは敵陣のド真ん中で拳銃を乱射した。それは、ぬいぐるみ軍団を倒すまでには至らないが、それでも牽制としては十分だ。一撃の威力は低くとも、圧倒的な数の弾を全方位に発射することで、リリエッタは敵を自分とマシンナノナノへ近づけさせない。
「す、すごい……。でも、このままじゃ……」
 互いに背中合わせとなったまま敵を迎撃するリリエッタとマシンナノナノの姿を目の当たりにして、イサムは感嘆の声を漏らしながらも、しかしその先に勝機までは見いだせていなかった。だが、それでも他の二人は、今を逃せばヒロインXに勝つことはできないと理解していた。
「……よし、やろう、二人とも。今、この場でバトモンバトルができるのは、俺達しかいない」
「ええ、そうね! あのムカつく女をやっつけなくても、バトモンさえ倒しちゃえばいいわけだしね!」
 シュウとマユは、パートナーになったばかりのバトモン達に指示を出すと、攻撃の狙いをサイホーシへと絞った。リリエッタの相手をするので精一杯なサイホーシは、さすがに他のバトモンと戦うだけの余裕はない。
「行け、ジュラン! 体当たりで、あのバトモンを吹っ飛ばせ!」
 まずは、ショウのジュランが死角からサイホーシに突進した。ダメージこそ大したことはなかったものの、今までの連戦で体力を消耗していたサイホーシは、盛大にバランスを崩してしまい。
「今よ、ヒノドラゴ! 火の玉攻撃!」
 続けて、マユのヒノドラゴが炎を放てば、それはサイホーシの頭に着弾して身体を徐々に燃やし始めた。元より、本体も布に近い身体をしていたのだろうか。炎はどんどん燃え広がって行き、サイホーシは完全にパニック状態。もはや、ヒロインXの命令さえ満足に聞くことができず、大混乱の末にヒロインXへと突っ込んでしまった。
「きゃぁっ! もう、なにやってるのよ!!」
 思わぬヘマをしたサイホーシのことを叱るヒロインXだったが、それは更なる隙を生む。
「今だ! イサム、デンレッサに、あのバトモンを攻撃させろ!」
「最後くらい、バシッと決めなさい! あんたも男でしょ!?」
 この好機を逃してはならないと、ショウとマユがイサムを鼓舞した。戦いには消極的だったイサムも、さすがに覚悟を決めたのだろうか。
「う、うん……。よ〜し……デンレッサ、電撃だ!」
 ヒロインXがサイホーシと一緒に体勢を整えるよりも先に、イサムのデンレッサの電撃が炸裂する。その威力は決して高いものではなかったが、それでも今までの戦闘ダメージの蓄積があったせいだろう。
「サンギャァァァァッ!?」
 サイホーシは盛大に感電して、真っ黒焦げになり動かなくなってしまった。様々な条件が重なった結果ではあるものの、初心者三人組の力で、ヒロインXのバトモンを倒すことができたのだ。
「えぇっ! 嘘!? サイホーシ、負けちゃったの!?」
 自分が負けたことを信じられないヒロインXが両手で頭を抱えながら叫んでいた。もっとも、そんな彼女に同情する者はこの場におらず、むしろリリエッタの冷たい銃口が、彼女の額に向けられていた。
「ん、勝負あったね。バトモンバトルが終わったから、ここから先は普通にオブリビオン退治だよ」
 残念ながら、互いに命を奪い合うリアルバトルは、バトモンバトルほど甘くない。銃声が鳴り響き、リリエッタの放った銃弾に額を撃ち抜かれたことで、ヒロインXもまた消えて行く。
「あぁ……そんな。もっと、バトルしたかった……」
 己の悲願を果たせぬままに、ヒロインXは骸の海へと帰っていった。呆気に取られる三人の少年少女であったが、オブリビオンとの戦いの現実を知っておくことも大切だ。
 今、この世界でも様々な英雄がオブリビオンとして復活し、再び闘争の時代へ戻すべく暗躍を続けているのだ。時に、旅先でそのような者と対峙するかもしれないことを考えると、バトモンバトル以外の戦いのシビアさを知っておくことは、決して無駄ではなかっただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『バトモンセンター』

POW   :    バトモンを回復させる

SPD   :    旅の道具を購入する

WIZ   :    バトルの約束をする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●希望の門出
 ヒロインXは討伐され、少年少女達は新たにパートナーとなったバトモン達と、改めて冒険の旅に出ることになった。
「いやぁ、それにしても大変な目に遭ったねぇ。でも、このピンチを乗り切れた君達だったら、きっとどんな困難でも乗り越えられるさ」
 そういうわけで、ここから先は自分達の力で未来を切り開いて欲しい。そんなマクラータ博士の激励を受け、三人はそれぞれの夢に向かって旅立って行く。
「よし……今日の経験を糧に、俺は最高のバトモン使いになってみせるぞ!」
 バトルでも知識でも誰にも負けない、真のバトモンマスターを目指して。大いなる目標に向かい決意を固めたシュウの瞳は希望の色に輝いている。
「私はこの子と、世界中のバトモンコンテストで優勝してみせるわ!」
 可愛いだけでなく、時に強くカッコ良く。お転婆だっていいじゃない。マユが目指すのは世界に羽ばたくバトモンアイドル。
「僕も……頑張れば、いつかは夢が叶うかな? バトモンレンジャーとして、困っているバトモンを助けたいんだ」
 そしてイサムも、少しばかり恥じらいながらも自分の夢を呟いた。今は実力も知識も全くないが、旅をすることで経験を重ね、いつかはバトモン達を助ける側に回りたいのだと。
「みんな、夢があっていいわね。その気持ちを、いつまでも忘れちゃだめよ。夢を追うことを諦めたら……人間、そこで終わっちゃうから……」
 一瞬、どこか寂しげな表情を浮かべつつ、助手のカルミアも三人を見送った。
 この先に待つのは鬱蒼とした森。次の街に行くためには、そこをまっすぐ抜けなければならない。場合によっては、野生のバトモンと遭遇したり、危険な目に遭ったりするかもしれない。そういう時のためにも、森の近くにあるバトモンセンターにて準備を整えてから進むべきだろう。
 バトモンを回復するだけでなく、旅に必要な道具を購入したり、あるいは備え付けの施設で簡単なトレーニングを行ったり。これからの度に必要なことは、いくらでもありそうだ。
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
他の猟兵に迷惑はかけないよ♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪
よろしくおねがいします★



●とりあえず回復させましょう
 博士の研究所からしばらく歩くと、その先にバトモンセンターの建物が見えてきた。
「あれがバトモンセンター? 病院みたいな建物だと思ってたけど、ちょっとイメージしていたのと雰囲気違うんだね」
「確かにね。買い物とか宿泊もできるみたいだし、便利な旅館みたいな感じ?」
 イサムとマユはバトモンセンターに行くのが初めてなのか、どこか不思議そうな様子だ。その一方で、シュウは知識こそあれど、やはり実際にセンターへ行くのは初めてだったのだろう。
「とりあえず、俺達のバトモンを早く回復させてやろう。勝ったとはいえ、初めての戦いで、とんでもなく強い相手と戦ったんだからな」
 その間に、旅に必要な道具を買い揃えるのも良いかもしれない。期待に満ちた表情のままセンターの扉を開けると、そこには先客の猟兵がいた。
「え〜と……この子たち、全部まとめて回復してもらえるかな?」
 そこにいたのは、先の戦いで多数のバトモンを従えて善戦をしたクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)だった。彼女もまたバトモンを回復させるために、このセンターを訪れていたようだ。
「それでは、お預かりいたしますね。少々お待ちください」
 そう言って、センターの受付の女性がクローネのバトモン達を預かると、奥にあるカプセルのような機械の中に入れた。そして、簡単なボタン操作でエネルギーを注入すると、なんとそれだけでバトモンの体力は全て回復してしまった。
「はい、おしまいです。お預かりしたバトモンは、全て元気になりましたよ」
 なんとも手早い回復手段に、イサム達はしばし呆気に取られるしかなかった。もっとも、実際にそれだけでバトモンの世話が終わったわけではない。確かに体力は回復したかもしれないが、汚れた身体は洗わなければならないし、食事をしないで良いという話でもない。
「ん〜、できれば、バトモン用のご飯とか欲しいんだけどね★」
「それなら、あちらのショップで販売しております」
 受付の女性に促されて顔を向ければ、そこには様々なバトモングッズが置いてあり、その中にはバトモン用の食事もあった。建物の二階は宿泊施設も兼ねているようで、この先にある森を抜ける前に、休んで行く者も多いとのことだった。
「それじゃ、クローネちゃんも今日はここに泊まらせてもらおうかな? バトモン達も、たまには自分の世界で休ませてあげないとね★」
 強敵との戦いを労う意味でも、小旅行の気分を体感させてあげるのも良いのかもしれない。そんなことを考えながらクローネは二階へと上がって行く。
 この先、旅を続けることで、少年達にも様々な出会いがあるだろう。ほんの一日、センターですれ違うだけの関係であっても、それを大切にすることもまた、旅の醍醐味なのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリエッタ・スノウ
むぅ、みんなはバトモンセンターってところに行くんだね。
リリはバトモン持ってないけど、さっきの戦いで汚れちゃったマシンナノナノを綺麗にしてあげられるかな?

んっ、メカ系のバトモンを洗ってあげられる施設があったから、リリ達にも貸してもらえるようにお願いしてマシンナノナノを洗ってあげるよ。
ホースでお水をかけてスポンジでゴシゴシ、頑張ってぴかぴかにしてあげるよ。
でも、マシンナノナノが綺麗になるころにはリリも水浸しになっちゃったよ。

※アドリブ連携大歓迎



●ピカピカの代償!?
 バトモンを回復させるため、少年達が向かったバトモンセンター。リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)もまた一緒に同行させてはもらったものの、彼女はバトモンを持っていなかった。
「リリはバトモン持ってないけど、さっきの戦いで汚れちゃったマシンナノナノを綺麗にしてあげられるかな?」
 だが、それでも彼女には大切な相棒がおり、その相棒を労ってやりたいという気持ちは本物だった。センターの回復マシンは使えなくとも構わない。ただ、少しだけバトモンを洗う施設を使わせてくれないかとお願いすると、意外なほどすんなり貸してくれた。
「あちらが、バトモンと一緒に入れるシャワールームになっております。機械系のバトモンは水に弱い子もいるので、洗いすぎに注意してくださいね」
 受付の女性に頼んで案内してもらうと、そこにあったのは比較的広めのシャワー室。バトモンを洗うための道具も揃っており、これを使えばマシンナノナノも直ぐに綺麗にしてやることができるだろう。
「ん、ちょっと待ってね。今、綺麗にしてあげるから」
 ホースで水をかけた後、スポンジに泡をつけてマシンナノナノを丁寧に洗って行く。幸い、マシンナノナノは耐水性にも優れていたので、水をかけられても壊れることはない。再び水をかけて泡を落とせば、その中からはピカピカに磨かれた銀色のボディが姿を現した。
「ん、これでいいかな。綺麗になってよかったね」
 機械とはいえ大切な相棒。汚れたままにしておくのは忍びない。心做しか、いつもよりマシンナノナノの動きが軽い気がする。言葉を発することはないが、喜んでくれているようだ。
 その一方で、マシンナノナノを洗うことに夢中だったリリエッタは、完全にズブ濡れになってしまっていた。上着を脱いで洗っていたので、濡れた下着の下まで透けて、なんとも危ない格好に!?
「……ちょっと寒いね。このままだと、風邪を引いちゃうかな?」
 下着を脱いでタオルを身体に巻き付けると、リリエッタは暖を取るために宿泊施設の方へと歩いて行った。だが、その格好があまりに刺激的だったことで、バトモンセンターにはしばらくの間、誰のものとも知れない悲鳴があちことで起きたとか、起きていないとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●This is first beginning
 一晩明けて、バトモンセンターに朝の日差しが降り注ぐ時刻。
 イサム、マユ、そしてシュウの三人は、改めて森へ続く道を歩いていた。
 この先、どんな困難が待っているのか、それは誰にもわからない。時には挫折しそうになることもあるかもしれない。
 だが、それでも初陣でオブリビオンの撃破に貢献した経験は忘れない。先の戦いを成長の糧に、少年達は冒険を続ける。その先に待っている未来は、必ずしも彼らの理想とするものばかりではないかもしれない。それでも、オブリビオンとの戦いの経験が、今後の冒険で彼らの役に立ってくれれば幸いである。

最終結果:成功

完成日:2025年12月03日


挿絵イラスト