●
「集まってくれてありがとうございます。今年もハロウィンの季節がやってきましたね」
サイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)は目を細めつつ、集まった猟兵へと声をかける。
「ハロウィンといえば、バトルモンスターワールドにおいてハロウィンは特別な意味を持つお祭りになっているそうです。『戦争の兵器として生まれてきたバトモンが、今では人類の大切な友達であることを再確認するお祭り』とか、そんな感じで。街でお祝いのイベントも行われるんですよ。ですが今年は、とある街のお祭りにオブリビオンが襲来してしまうみたいなんです。そこで皆さんには、お祭りへの参加とオブリビオンの対処をお願いしたいんです」
話を続けつつ、サイモンは一枚のチラシを差し出す。どうやらとある街で行われるハロウィンのイベント案内のようだ。
「今回向かってもらう街では、ヒトとバトモンが一緒に食べられるお菓子を作るイベントを行うようです。クッキーとかカップケーキみたいな、その場で作れるお菓子を作って、それをバトモンと一緒に食べて絆を深める……って趣旨のようですね」
イベント会場は街にある大きな広場で、そこに材料や道具が用意されているらしい。
お菓子は生地から本格的に作ってもいいし、用意されたクッキーやカップケーキをデコレーションしてもいい。バトモンと協力してお菓子を作る人も多いとのことだ。
「ハロウィンらしく、バトモンを模した仮装をしたり、バトモンとお揃いの仮装をしている人も多いそうです。そういう格好をしながら一緒に楽しむのもいいですね。楽しい気持ちでいっぱいになっておくと、オブリビオンの襲撃にも備えやすくなるかと」
サイモンは表情を引き締め、さらに説明を続ける。今度はオブリビオンにまつわる話のようだ。
「イベントがある程度進んだ頃に、オブリビオンは襲撃してきます。彼は周囲のバトモンを洗脳して手駒にしようとしてきますが、バトモン達がイベントを楽しんでいれば洗脳に抗ってくれるんです」
この世界のハロウィンは『人類とバトモンの絆を確かめる』のが目的だ。一緒にイベントを楽しむことでヒトとバトモンの絆は深まり、バトモンは戦闘兵器ではなく人類の友人のままでいられる。
「洗脳を振り切ったバトモン達は、パートナーの皆さんと一緒に戦ってくれます。その方が有利ですし、何より気持ち的にも安心できます。彼らを洗脳から守るためにも、一緒にイベントを楽しんで、そしてお祭りを守ってほしいです」
無事にオブリビオンさえ退治できれば万事解決。楽しいハロウィンは守り切れるというわけだ。
「この世界のハロウィンが上手く盛り上げられたら、他の世界でもハロウィンパーティーが開催できるかと思われます。せっかくですから、気持ちよくパーティーを開催できるように協力していただければと思います」
サイモンは資料をしまい、猟兵達へ頭を下げる。
「俺からの説明はこのくらいですね。それでは、あとは皆さんにお願いします。楽しんできてくださいね、行ってらっしゃい!」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
ハロウィンです。
●一章『バトモンとハロウィン!』
街で行われているハロウィンイベントに参加します。
会場ではクッキーやカップケーキの材料が用意され、その場で作って食べることができます。人間もバトモンも食べられる安心お菓子です。
生地からしっかり作ってもいいですし、あらかじめ用意されたクッキーやケーキにデコレーションしてもいいです。やりたいことを楽しんでください。
ハロウィンらしくバトモンモチーフの仮装をしたり、バトモンとお揃いの仮装を楽しんでいる人が多いです。
仮装をしていくのもハロウィンらしくていいですね。
●二章『英雄死人「アンデッドE」』
バトモンを洗脳しようとオブリビオンが襲撃してきます。
一章で上手くイベントを楽しんでいれば、バトモン達が洗脳に抵抗できます。そうなれば一緒に戦ってくれるため、力を合わせて事件を解決しましょう!
●
どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 日常
『バトモンとハロウィン!』
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POW : 大きな声を出してイベントを盛り上げる
SPD : バトモンと一緒にパフォーマンスを披露する
WIZ : バトモンを連れた他の参加者と積極的に話す
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
空は秋晴れで、気温もほんのり肌寒い程度。街の広場は、過ごしやすい気候になっていた。
並べられたイベントテントの中にはたくさんの材料や道具が用意され、いつでもお菓子を作れるようにセッティングされている。その周囲を行き交うのは、仮装した人々と彼らの友人であるバトモンだ。
ある子どもはグルメンをモチーフにしたコックの仮装をしつつ、カップケーキをクリームや砂糖菓子でデコレーションしている。
あるバトモンバトラーは相棒のバイタンと一緒に、吸血鬼風の仮装と焼きたてのクッキーを楽しんでいる。
あるバトモンテイマーはモノシリスと一緒に、カボチャ味のクッキー生地作りに勤しんでいる。
このように、人々は自分達の思うままに仮装をして、お菓子を作ったり食べたりしていた。
あとでオブリビオンが襲撃してくるとはいえ、今はイベントの真っ最中。
猟兵達もその輪に加わり、楽しい時間を過ごしていこう。
度會・加寿男
ああ、今年もこの季節が来たのですね。
こうして過ごすのは、私にとって当たり前です。
ですが、そこを利用しようとは…オブリビオンも考えますね…。集まるのには絶好の機会です。それを壊させないためにも。
では、皆でクッキーを作りましょう。…事態が事態なので、珍しく『ハイカワ』起きてますね。
コハギ「ジュラッ!」(コック帽被ってる。みんなおそろい!)
コハギもやる気ですし、始めましょう。
粉類の計量は私がやって、混ぜるのを『ヒロオ』を中心に。
『シメサス』と『コハギ』が協力して粉を振るったり、『ハイカワ』が南瓜を潰してペーストにしたり。
そして、生地を休ませた後に焼いて…ハロウィンの南瓜クッキーですね。
●
秋風が吹く頃に、仮装した人々とバトモン達が弾むような足取りで街を進んでいく。
そんな光景は度會・加寿男(竜胆・f45451)にとって、お祝いの時期を思い起こさせるものだった。
「ああ、今年もこの季節が来たのですね」
そう呟く加寿男も行き交う人々と同じく笑顔を浮かべている。ハロウィンの時期の当たり前は、加寿男にとってかけがえのないものだ。
しかし人の集まるイベントというのは、オブリビオンが狙うには絶好の機会だろう。楽しい祝いの催しを守るためにも、今日は頑張らなくては。
そのために、まずやるべきはお菓子作り。パティシエである加寿男からすれば慣れ親しんだ作業だが、イベント会場で行うというのは少し新鮮味も感じていた。加寿男の相棒達も同じような気持ちを抱いているのか、どこか張り切っているように見えた。
「おや、ハイカワも起きていますね。事態が事態だからでしょうか」
シャッキリと目を覚まして準備する『ハイカワ』の隣では、『コハギ』が跳ね回っている。彼の頭には、グルメンに似たコック帽が用意されていた。
「ジュラッ!」
「みんなとお揃いの仮装、よく似合っていますよ。それでは、本格的に作業を始めましょうか」
元気いっぱいのコハギの隣で、加寿男は的確に粉類の計量を始める。用意した粉類は『ヒロオ』にパスして、すぐさま混ぜてもらう。ヒロオの手にかかれば、たくさんの材料もあっという間に準備できるだろう。
その横ではコハギと『シメサス』が顔を突き合わせ、一緒に粉を振るっている。すっかりパティシエ気分のコハギに、シメサスも楽しげに微笑みを返していた。
さらにハイカワが南瓜を潰して、ハロウィンらしいペーストを作っていく。起きている時のハイカワはやはり頼もしい。
みんなで力を合わせて用意した生地を少し休ませて、それから型を抜いていく。今回作るのはオバケ南瓜やコウモリといったイベントにピッタリのクッキーだ。
そうして用意した生地をしっかり焼けば――。
「……はい、できました。ハロウィンクッキーです。みんなに味見をお願いしてもいいですか?」
加寿男が相棒達にクッキーを差し出せば、みんなで一斉に手に取る。一口食べたバトモン達は、満足げに微笑んでいた。
加寿男自身もしっかりと味見をして成果を確かめる。力を合わせて作った分、その美味しさも際立つようだ。
「無事に完成ですね。みんな、お疲れ様でした」
ニッコリ笑う加寿男に、バトモン達も舌や腕を振って応えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
ハロウィンパーティだけあって、賑やかですね。
「お菓子も盛り沢山ダネー。私達は何を作ろうカ?」
カップケーキのデコレーションとか楽しそうですよ。
桔梗さんもやる気満々みたいです。
仮装は桔梗さんとおそろいの衣装を着て参加。
オオカミさんをUCで実体化し、桔梗さんも合わせてお菓子作りを開始です。
まずは、カップケーキの上にクリームを乗せて顔を作ります。
…もうひと工夫欲しいですね。
「あ、魔女の帽子っぽい形のチョコもあるヨー」
いいですね。クリームの上に乗せて、魔女風のカップケーキにします。
桔梗さんは…チョコクリームで黒猫さんですか。可愛らしいです。
写真を撮ったら、頂きます。
…ちょっと、食べるのが勿体ないですね。
●
結城・有栖(狼の旅人・f34711)は活気溢れる広場を軽い足取りで進んでいく。今日の有栖はいつもの赤いフードではなく、黒い衣装に身を包んでいた。
有栖の傍らにはシェイドールの『桔梗』もいる。有栖の仮装は桔梗に合わせたものだった。
「ハロウィンパーティだけあって、賑やかですね」
袖を揺らしつつ進む有栖に対し、言葉を返すのはいつも通りのオオカミさんだ。
『お菓子も盛り沢山ダネー。私達は何を作ろうカ?』
「カップケーキのデコレーションとか楽しそうですよ」
有栖がイベントテントを指差せば、桔梗が楽しげに鳴き声をあげる。その様子に有栖も目を細めていた。
「桔梗さんもやる気満々みたいです。オオカミさんも一緒に行きますか?」
『いいネ。それじゃあみんなで行こうカ』
「はい、分かりました。それでは準備しますね」
そのまま有栖がユーベルコードを発動すれば、彼女そっくりのオオカミさんが実体化した。同じ服装の者が三人並ぶと、なんだか姉妹みたいで気分も上がる。
そうして足並みを揃え、有栖達はイベントテントへと向かっていった。
テントに用意されていたのは土台となるカップケーキに、飾り付け用のクリームやチョコレート、砂糖菓子等々。
有栖達も早速クリームを手に取り、ケーキを飾り付けていく。
「……顔を描いてみたんですが、もうひと工夫欲しいですね」
じーっと飾り付け中のケーキを見つめる有栖の隣に、別の材料を手にしたオオカミさんが近付いた。
『あ、魔女の帽子っぽい形のチョコもあるヨー』
「いいですね。これでどうでしょうか」
頭のてっぺんにチョコの帽子を被せれば、カップケーキはあっという間に魔女風へと変身。ハロウィンらしい可愛らしい姿に、有栖も目を細めていた。
その横では桔梗もケーキの飾り付けに挑んでいる。チョコレートクリームを器用に乗せている様子で、何を作ろうとしているのかは察せられた。
「桔梗さんは……黒猫さんですか。可愛らしいです」
「るー!」
作ったケーキを横に並べて写真を撮れば、思い出だってしっかり残せる。
「……ちょっと、食べるのが勿体ないですね。ですけど、せっかく作りましたから」
『いただきます、ダネ』
「るー!」
一緒に作ったカップケーキを、一緒に食べる。同じ味わいを共有できるのは、それだけ三人が仲良くしている証拠だろう。
お菓子を飾り付けていた時間も、食べてた時間も。それらをすべて思い出にして、有栖達はハロウィンを楽しんでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シラ・フィリップス
アドリブ歓迎
ユカリさん(メェメイド)に料理+奉仕のコンボでお手伝いしてもらってお菓子を作ります
「クロ(フンバリキ)はちょっと待っててね!」
仮装はちょっと着てみたかった服があって
花嫁+幽霊バトモン「メイリッジ」の仮装≒ウェディングドレス……私も一応「花嫁」ですから、ね?
汚れないよう、着るのはお菓子作りが終わってからにしましょう
そうしてできたのは生地に食用炭を練り込んだ真っ黒なパンケーキ!
真っ赤なソースや真っ白なクリームと合わせたらハロウィンっぽくなるかも
どうかな? あなたの好物(石炭)をイメージしてみたんだけど……良かったぁ!
(ユカリさんはイチャイチャするふたりを温かな目で陰から見守っている!)
●
「よーし、これで行けそうですね……!」
シラ・フィリップス(シラとクロ・f45442)は気合を入れてボウルの中の生地をかき混ぜていた。
彼女の隣ではメェメイドの『ユカリさん』がホイップクリームを泡立てている。そして二人を見守るように、フンバリキの『クロ』がテントの外に佇んでいた。
自分も手伝わなくていいのかな? と言わんばかりに首を傾げるクロに対し、シラは明るく笑顔を向ける。
「クロははちょっと待っててね! すぐにお菓子を作って仮装もしてくるから!」
シラの言葉に納得し、寛ぐ姿勢を取るクロ。二人の傍らでは、ユカリさんが手際よく作業を進めていた。
そうして作業を進め、シラとユカリさんが作り上げたのは――真っ黒なパンケーキだった。
生地に入れたのは食用炭。人間のシラは。クロの好物である石炭を食べることができない。けれど食用炭なら一緒に食べられるだろう。
真っ黒なパンケーキをふわふわのクリームで飾り付け、その上に真っ赤なベリーソースをかけて。そうすれば、あっという間にハロウィン風の飾り付けが完了だ。一口味見をしたユカリさんも、満足げに頷いている。
「無事に完成しましたね。それでは着替えてきます!」
ユカリさんに一声かけて、シラは用意していた仮装に袖を通す。それは――マーメイドラインなウェディングドレスだった。頭には黒いベールも被り、シックな印象でまとめあげている。
これはメイリッジを模した仮装であり、そしてフンバリキの花嫁であることを示す衣装。指には当然、ひづめのゆびわだって輝いている。
花嫁姿となったシラは真っ黒パンケーキを手に、クロの元へと歩み寄った。クロもシラの様子を見て、姿勢を正す。
「どうかな? あなたの好物をイメージしてみたんだけど……」
ちょっと不安げで、それでいて期待も籠めた視線を向けるシラの視線に、クロは笑顔で応えた。
そのまま一緒にパンケーキを食べれば、クロが返すのは明るい鳴き声。満足した勢いで身を寄せてくるクロに対し、シラも安堵の笑みを浮かべていた。
「良かったぁ! パンケーキ、まだまだあるからいっぱい食べてね!」
二人で身を寄せ合い、美味しいお菓子を食べ合って。そうすれば、気持ちもより近づく気がする。
幸せそうに微笑む二人の様子を、ユカリさんはちょっと離れた場所から見守っている。その笑顔もまた、温かなものだった。
大成功
🔵🔵🔵
夏彦・星彩
【ココ彩】
友だちとハロウィン楽しむぞぅ
バトモン…!というのは初めてみたなぁ
使い魔のようかと思っていたが
人類の大切なパートナーとあらば
ココの森の友だち達とも
ちょっぴり似ているのかもしれないなぁ
めいっぱい楽しんでお菓子を作ろう〜
カップケーキというヤツが
デコレーションもしやすそうな気も…?
バトモン色々種類がいるのだなぁ
近くにいたグルメンとやらが
コックさんみたいな雰囲気で〜
モデルになってくれたら嬉しいぞぅ
一緒に美味しいお菓子作ろう
白いふわふわ乗せたりキラキラ星模様も良いような
つまみ食いもしたりで〜美味しそうに作れたな!
ココとネムネズミ風カップケーキも良さげだなぁ
仮装も楽しみつつ美味しい時間を過ごそ〜
ココ・ロロ
【ココ彩】
友だちとハロウィ~ン!
森の友達と…?ふふ、そうですね
ヒトでなくても大切な友達ですから
初めましてなバトモンさんとも
お友達になれたなら~
ココ達でもできそうなの…
カップケーキにデコレーション?
わわ、楽しそう!
だれかお手伝いしてくれそうなコは~
はっ、わたあめみたいなネズミさん…!
ネムネズミさん、お願いできますか?
チョコプレートにお顔を描いて~
夢色かわいいクリームとお星様を乗せれば~…
ネムネズミさん風カップケーキです!
サイさんとグルメンさんはどんな風に…かわいい!
えへへ、ちょっぴりココ達のと似ているような~
たくさん作れたらココ達もバトモンさんみたいな仮装をして
みんなで仲良くおいしく食べましょ~
●
楽しいイベントがあるのなら、友達と一緒に参加したいと思うのは自然な流れだろう。
夏彦・星彩(アルベード・f38088)とココ・ロロ(ひだまり・f40324)は人々とバトモンが行き交う広場に辿り着くと、瞳をキラキラと輝かせる。
仮装した人々を見るのも楽しいが、やっぱり視線が行くのは可愛らしいバトモン達。仮装してる子もしてない子も、誰もが弾むような足取りで広場を進んでいる。
星彩もココもこの世界に来るのも、バトモンを見るのも初めてだった。彼らが人々と笑い合う姿に、星彩も目を細めている。
「バトモン……というのは使い魔のようかと思っていたが、人類の大切なパートナーなのだなぁ」
「お友達っていう感じですよね。いいなぁ、楽しそう」
ココも柔らかく微笑み、周囲の景色を見守っている。そんなココの様子に、星彩は何か気づいたかのように声をあげた。
「あ、ココの森の友だち達とちょっぴり似ているのかもしれないなぁ」
星彩の言葉に、ココも納得するかのように頷く。
「ふふ、そうですね。ヒトでなくても大切な友達ですから」
だからバトモンさんともお友達になれたら。そう願うココの気持ちに、星彩もまた同調していた。
「それで、何を作りましょうか?」
二人はいくつかのテントを見て回り、どのようなお菓子が作れるかを確認していく。ココがキョロキョロする隣で、星彩はとあるテントに注目していた。
「カップケーキというヤツがデコレーションもしやすそうな気も……? 飾り付けを中心に行ってもいいみたいだ」
「わわ、楽しそう! 行ってみましょう!」
「そうしよう。誰か、バトモンに手伝ってもらえればいいのだが……」
並んでカップケーキのテントに行けば、出迎えてくれたのはグルメンとネムネズミ。担当スタッフ達のパートナーらしい。
バトモン達は興味津々といった様子で星彩とココを見上げており、その様子に二人も思わず微笑んだ。
「おお、コックさんみたいな雰囲気なのだな。モデルになってくれたら嬉しいぞぅ」
「わたあめみたいなネズミさん……! 一緒にケーキを飾り付けましょ~」
二人の提案にバトモン達も頷いて返事を返す。土台となるケーキとデコレーション用の材料を手にとって、ここからは楽しいお菓子作りの時間だ。
「グルメンらしい色合いといえば、やはり真っ白なクリームだろうか。キラキラした飾りも乗せやすそうなのだなぁ」
ホイップクリームを絞りつつ、ケーキをどんどんふわふわにしていく星彩。ココもクリームの準備をしているようだが、星彩とはまた違った方向性のようだ。
「夢色かわいい感じにしましょう! お顔はチョコプレートがいいですかね~」
ネムネズミの愛らしい色合いを再現できるよう、ココのケーキはゆめかわ風味のようだ。
クリームの準備が終わったら、本格的な飾り付けにも取り掛かりたい。二人がそう考えるのを見越してか、グルメンとネムネズミはどんどんデコレーション用のお菓子を並べている。
星を模したチョコレートに、キラキラしたアラザン。淡い色合いのマシュマロに、もっと色々描き込めそうなチョコペン。並べられたお菓子は、見ているだけでも楽しい。
「おお、助かるぞぅ。どれにしようか迷うな~」
「ネムネズミさんならお星様は乗せたいですね。グルメンさんにも似合いそうです」
「きっと可愛らしいな。そうしよう。それから……」
どれにするか迷ったのなら、ちょっとだけ味見してみようか。星彩とココは小さなマシュマロを手にとって、こっそりと口へと運ぶ。ふわふわの優しい味わいが、すぐに口の中に広がった。
「……美味しいです!」
「飾り付けのお菓子も拘っているのだろうなぁ。色々乗せてみようか」
ちょっぴり悪戯っぽい笑みを向け合い、二人はどんどんケーキを飾り付けていく。時間はあっという間に過ぎて――それぞれの力作が完成した。
二人はそれぞれ作ったケーキを並べ、その愛らしい姿をじっと見つめる。
「ネムネズミ風、良さげだなぁ」
「グルメンさん風……かわいい! えへへ、並べるとちょっぴりココ達のと似ているような~」
「確かに、言われてみれば……?」
クリームをたっぷり使って、星チョコやお菓子で彩ったケーキ達。確かに並べてみると、モチーフこそ違えど双子のようなしっくり感があった。
「よし、この調子でどんどん作っていこう~」
星彩の提案にグルメンも舌をゆるく振って答える。気合十分の様子に、ココとネムネズミも笑みを浮かべた。
「いっぱい作ったら、仮装もしに行きましょう! バトモンさん風の仮装とか、きっと楽しいと思います!」
「おお、良いなぁ。とっても楽しそうだ」
「かわいい格好して、かわいいケーキを食べて、楽しく過ごしましょうね~」
こうして二人は初めての世界で初めての友人を作り、楽しいハロウィンを過ごしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
冬原・イロハ
【🎀🌟⚙】
IC魔女仮装
『みんな』と一緒に楽しめるの、素敵です!
私はドリンクをゲット、お二人とリモナイアさんに渡し
ニイヅキさん作のかぼちゃカップケーキをぱくっ
秋の味ですねぇ!
エリシャさんにおばけを描いて貰ったクッキーをぱくっ
……は!
食べる専門してますがちゃぁんと臨時ラッピング屋をします
包装材料を持ち込み
ケーキの透明箱や可愛い袋に入れて、バトモンさんがお友達や主にお裾分けできるように
ウフフ、自分で飾りつけしたお菓子を見て貰いたい子もいるかしらって
お二人のデコも映えますね♪
これならおうちで眺めたりもできます
ハロウィンモチーフは勿論、色々なリボンも持ってきました
リボン、良い匂いになりましたねぇ~
尾花・ニイヅキ
【🎀🌟⚙】
IC魔女仮装
成程、バトモン達と人類が共に未来を見る為のハロウィンなんだな
僕はカップケーキを作ろう
橙色の南瓜味と紫色のさつまいも味のカップケーキでハロウィンカラーだ
バトモンの顔っぽくデコってみよう!
リモナイア、一つ食べてみてくれないかな?
ほんと?よかった!
あ、ドリンクありがとう!
旬の味は大切だよね
アイシングクッキー可愛い!
色々描いてて凄い、流石エリシャだ
ラコロン描いてみて欲しいな!
カップケーキは興味を持ってくれた人やバトモンにもお裾分け
ラッピングはイロハにお願いするね
中身が見えるからケーキをデコった甲斐があるな
綺麗に包んでくれてありがとう、イロハ
こうした平和な時が続いていくと良いな
エリシャ・パルティエル
【🎀🌟⚙】
三人お揃いの魔女仮装で
あたしは帽子に狐耳つき
今年はバトモン世界ね!
あたしもね、縁あってカンキツネのリモナイアと家族になったの
ニイヅキのカップケーキ可愛い!
リモナイアも美味しいって言ってるみたいよ
ドリンクもありがと
あたしは用意されたクッキーにアイシングのデコレーションして
バトモンを描いていくわ
ドロネコにマルリン、モチプヨン…
気に入ったらどうぞ!
他にリクエストある?
バトモン以外でもいいわよ
オッケー、お化けとラコロンね!
お土産に持って帰るのいいわね
イロハのラッピングでさらに素敵な贈り物になりそう
リモナイアがリボンに柑橘系の香りをつけてくれるって
バトモンたちもみんな楽しそう
素敵な時間だわ
●
楽しげな会場に足を運ぶのは、三人の魔女――の仮装をした猟兵達。
その一人、尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)は周囲の様子を眺め、表情を和らげる。どこを見てもヒトとバトモンが楽しそうに手を取り合い、それぞれのハロウィンを過ごしていたからだ。
「成程、バトモン達と人類が共に未来を見る為のハロウィンなんだな。良い行事だ」
「『みんな』と一緒に楽しめるの、素敵です! 私達もぜひご一緒させてもらいましょう~」
冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)も魔女の衣装を揺らしつつ、ゆるりと微笑む。その最中、ふと鼻をくすぐったのは爽やかな柑橘類の香りだ。
香りの発生源はカンキツネの『リモナイア』だ。そのパートナーであるエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)も、ニイヅキやイロハと同じく周囲の様子を楽しげに眺めていた。
「あたしもバトモンと家族になったのだけど、こんな風にみんながバトモンと仲良くしている光景を見ると、なんだか安心するわね」
「あ、だからエリシャの帽子、狐耳がついていたのか!」
エリシャがリモナイアが並んだところを見れば、彼女が仮装に施した意図も理解できる。納得するように頷くニイヅキの隣で、イロハはうんうんと頷いていた。
「お揃いかわいいです♪ 素敵ですねぇ」
「ふふ、気づいてくれてありがと。みんなのハロウィンを盛り上げられるよう、今日はリモナイアとも頑張っちゃうわよ!」
「僕らも頑張らないとな!」
「いっぱい盛り上げましょう!」
気合十分な魔女三人娘の隣で、リモナイアも楽しげに鳴き声をあげる。みんなが楽しめる、みんなで楽しめるハロウィンにしよう――この場にいる『みんな』が、きっと同じ気持ちを抱いていた。
まずはそれぞれが興味のあるお菓子作りに取り組むことにして、三人は材料や道具を手に取っていく。
「僕はカップケーキを作ろうかな。ハロウィンらしい感じといえば、やっぱり……」
ニイヅキは南瓜やサツマイモを生地に練り込み、どんどんカップケーキを焼いていく。
南瓜味は橙色で、サツマイモ味は紫色。分かりやすくハロウィンらしく、それでいて秋の味覚の味わいもバッチリだろう。
あとはチョコペンで顔を描いたり、クリームで耳や尻尾を再現してみたり。そうすれば、あっという間にバトモン風カップケーキのできあがりだ。
「まずはこんな感じかな。あ、リモナイア! ちょうど良いところに来てくれたね」
通りがかったリモナイアを呼び寄せ、ニイヅキは飾り付けしたケーキを差し出す。
「一つ食べてみてくれないかな?」
ニイヅキの提案にリモナイアは頷き、早速カップケーキを口へと運ぶ。直後、リモナイアの尻尾は嬉しそうに揺れ、満足げな鳴き声も返ってきた。
「おいしい? ほんと? よかった! この調子でどんどん作っていこう!」
ぱっと表情を華やがせつつ、次の作業に取り掛かろうとするニイヅキ。そんな彼女の元へ、荷物を持ったイロハが近づいてきた。
「ニイヅキさん、お疲れ様です~。わぁ、かわいいケーキですね!」
「イロハもお疲れ様。よければ一つ、食べてみてくれないかな?」
「いいんですか? それではいただきますね」
イロハもニイヅキから南瓜のケーキを受け取り、ぱくっと食べる。
「秋の味ですねぇ! 美味しいです♪ っと、私からもこれをどうぞ~」
イロハはニコニコ微笑みながら、確保してきたドリンクを差し出す。どうやら紅茶のようだ。
「あ、ありがとう! 旬の味は大切だよね。意識したから嬉しいな」
「いえいえ。それでは、次はエリシャさんの所に向かいますね」
ちょうどリモナイアもエリシャの元へ帰ろうとしていたようで、イロハの側に付き従う。その様子を見て、ニイヅキも少し思案を巡らす。
「うーん。僕も次の作業を始める前に、エリシャの様子を見に行こうかな。きっとすごいお菓子を作ってるだろうし!」
「いいですねぇ。みんなで行きましょう」
ニイヅキは試作したケーキをいくつも手に取り、イロハやリモナイアと共に出発する。一行が向かう先からは、甘く香ばしい香りが漂ってきていた。
少しだけ時間は遡り、エリシャのテントにて。
エリシャはアイシング用のペーストを並べ、たくさんのクッキーと向かい合っていた。
「まずはドロネコが分かりやすいかしら? こんな感じで……」
テキパキと、それでいて丁寧にエリシャの手が動く。するとクッキーにはあっという間にドロネコのアイシングが施された。
他にもマルリンにモチプヨン――様々な絵柄となっていくクッキーの評判は、すぐさま広まっていく。
「すごい!」「うちの子にそっくり!」「かわいい!」などなど、行き交う人々はエリシャのクッキーを眺めて大はしゃぎだ。彼らの様子に、エリシャもまた楽しげに微笑む。
「気に入ったらどうぞ! リクエストもいいわよ」
気がつけばテントの周囲にはヒトとバトモンが集まり、大賑わいになっていた。
「はわ、すごいです」
「さすがエリシャだな……!」
イロハとニイヅキも感心しつつ、周囲の様子を眺めている。そのまま人々の波をかき分け、なんとかエリシャの元へと辿り着いた。
「あら、二人とも。リモナイアもおかえりなさい」
「お疲れ様です~。すっごく可愛いクッキーですね……!」
「色々描いててすごいなぁ。なんていうか、食べるのがもったいない」
並べられたバトモンクッキーを、二人もついつい食い入るように見つめる。その様子にクスリと微笑みながら、エリシャは無地のクッキーを手に取った。
「ありがとう。何かリクエストはあるかしら? バトモン以外でもいいわよ」
「いいのかい? それならラコロン描いてみて欲しいな!」
「私はおばけをお願いします!」
エリシャはリクエストを承諾すると、サッとクッキーを可愛らしく彩る。あっという間にアイシングされたクッキーを前に、イロハとニイヅキは目を輝かせた。
「それではいただきますね……おいしいです」
試食もさせてもらい、大満足のイロハ。ニイヅキもクッキーを味わいつつ、自身のケーキを差し出していた。
「僕のも、よければどうぞ」
「あらかわいい! それじゃあありがたくいただくわね」
「あ、紅茶もいただいてたんです。よければどうぞ」
気づけば三人とリモナイアはお菓子を分け合い、まったりとした気分となっていた。けれど、せっかく作ったお菓子だ、食べるだけではもったいない。
試食が一段落したところで、次の作業を始めたのはイロハだった。
「……は! 食べる専門してましたね。ここからは臨時ラッピング屋です」
イロハが並べたのは色とりどりの包装材料だ。ケーキは透明の箱に、クッキーは可愛い袋に――こうやって持ち帰れば、バトモンも皆とシェアしあうことができるだろう。
「ウフフ、自分で飾りつけしたお菓子を見て貰いたい子もいるかしらって。おうちにも持って帰れますからね」
「透明箱はいいな。ケーキをデコった甲斐があるよ、綺麗に包んでくれてありがとう、イロハ」
どんどんラッピングするイロハの隣で、ニイヅキは年相応の笑みを浮かべる。
その近くでは、エリシャがいくつかのリボンを手に取っていた。そのどれもがハロウィンモチーフのようだ。
「ねえイロハ、リモナイアが柑橘系の香りをつけてくれるって」
「本当ですか? ぜひお願いします!」
「ええ、任せて!」
リモナイアがふわふわの毛並みを揺らせば、そこから漂う香りがリボンを包み込む。あっという間に爽やかな香りに包まれたリボンは、さらに可愛くお菓子を彩ってくれるだろう。
こうして三人で用意したお菓子は、他の人々やバトモンにも配っていく。受け取った誰もが笑顔を浮かべる様子に、猟兵達も安堵していた。
どうかこの世界に、これからもこんな素敵な、そして平和な時間が流れるように。そんな祈りを、お菓子に乗せて。
大成功
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ガーネット・グレイローズ
やあ、バトモン達が沢山いて賑やかなお祭りだね。
ハロウィンらしく、仮装している参加者も多いみたいだ。せっかくだし、私もバトモンを連れてイベントに参加しようか。
「ユリイカ、ケーキの生地作りを手伝ってほしいんだ」
ユリイカは足がたくさんあるし、効率よく作業してくれるはず。
「バイタン、試食よろしく」
チョコチップ味やバナナ味のカップケーキが焼き上がるまでの間、他のバトモン使い達と会話をして交流を深めよう。どのバトモンも個性的で可愛らしく、主人とも深い絆で結ばれてるんだなぁ。
さて、ケーキが焼き上がったみたいだね。いい匂いだ!お近づきのしるしにお一つどうぞ!
●
広場に向かう道すがら、人々やバトモンが気軽に挨拶を交わす。
ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)も時折その流れに加わりながら、穏やかな笑みを浮かべていた。
「賑やかなお祭りだね。仮装している人も多いようだし」
そう言って微笑むガーネットの側にも、ユリイカとバイタンが付き従っている。
自分自身もバトモンと交流を深め、その絆の温かさは実感している。今後もこのような温かさを守っていくためにも、今日のイベントはしっかりと守りきらなくては。
ガーネットは友人達と共にカップケーキのテントへ向かう。ここではヒト用の調理器具だけでなく、バトモン向けの道具も用意されていた。
「ちょうどよかった。ユリイカ、ケーキの生地作りを手伝ってほしいんだ」
ガーネットが泡だて器とボウルを差し出せば、ユリイカはそれをしっかり受け取る。
二人で並んで生地をかき混ぜれば、あっという間に作業は完了するだろう。お試し用のカップケーキを一つ焼けば、ふわりと甘い香りが漂った。
「バイタン、試食よろしく」
試食したバイタンは楽しげに羽ばたき、美味しさを全身で表現する。その様子につられるように、ガーネットも楽しげに笑っていた。
そうして生地の準備が整えば、あとは焼くだけ。
焼き上がりを待つ間、ガーネットは周囲の人々と言葉を交わしていた。
「その子は……コランディだったかな? その赤い色合い、なんだか親近感を覚えるよ」
「あなたにとってヒツシツジは兄弟同然なんだね。素敵な関係だと思う」
「わぁ、立派なガンバサミだ。あなたもケーキ作りを手伝ってたのかな? お疲れ様だ」
一人ひとり、一体一体のバトモン達をしっかりと見て、彼らがこれまで紡いできた物語に耳を傾ける。
そのどれもが深い絆を象徴しているようで、なんだか眩しかった。
「私もユリイカやバイタンと色んなことをしていきたいな……っと、そろそろか。いい匂いだ!」
頃合いだと思って振り返れば、オーブンからはさらに甘い香りが漂う。ガーネットはチョコチップ味やバナナ味のカップケーキを取り出し、先程まで雑談していた人々に差し出す。
「お近づきのしるしにお一つどうぞ!」
ガーネット達が作ったケーキは大好評で、さらに雑談を弾ませてくれる。
甘いものと、楽しい会話と、そうして深まる絆。ハロウィンの町並みで、ガーネット達はそれらをしっかり堪能するのだった。
大成功
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ヴィクトル・サリヴァン
バトモンのイベントかー。
中々大変な過去があったからこその今…一緒に楽しんでもいいよね!
どっちかいうとバトモン寄りな見た目だけど!
サメダッチ風にした|着ぐるみ《仮装》で参加。
相棒いないからお揃いとかじゃないけどまあいいよね!
この格好では少しやり辛いけど生地から気合入れて作ってみようか。
ハロウィンだし南瓜風味のカップケーキがいい感じかな?
甘味はそこそこ強めに、香りと色の具合を確認しながらいい温度のオーブンで焼きあげて、と。
サメダッチとか野生のバトモンがもし近づいてきたら一緒に食べるのもいいかもね。
分け合って楽しむ、そんな風な楽しみ方もイベントを盛り上げることになるかもだしね。
※アドリブ絡み等お任せ
●
元々この世界にはバトモンが点在している。彼らが一つの街、一つの会場に集まる様は賑やかで楽しいものだ。
ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)はかつてのこの世界と、今のこの街に思いを馳せて目を細める。
「中々大変な過去があったからこその今……一緒に楽しんでもいいよね!」
キマイラであるヴィクトルはちょっとバトモン寄りな見た目だけど、それもまた一つの縁だ。
せっかくだから、とサメダッチ風の着ぐるみを着込み、ヴィクトルもまた人々の輪へと飛び込む。
相棒がいないのは残念だが、今日のところはとりあえずこのスタイルで楽しもう。そう考えたヴィクトルが向かうのは、カップケーキのテントだ。
「っと、この格好だとなかなか気合がいるね……!」
身体の大きなヴィクトルがさらに着ぐるみを着れば、その動きはなかなか大振りなものになってしまう。
お菓子作りの作業にも気合と繊細さ、その両方が求められることになるだろう。しかしヴィクトルは臆することなくボウルと泡だて器を手に取り、カップケーキ作りに挑む。
「ハロウィンだし南瓜風味のカップケーキがいい感じかな?」
南瓜ペーストを練り込んだ甘めの生地を型に入れて、あとは調整しながら焼いていくだけ。
いくつかケーキを焼き始めれば、ふわりと甘い香りが漂う。それに惹かれてか、小さな影がヴィクトルの周囲に集まってきていた。
ヴィクトルがそちらに視線を向ければ、まんまるの瞳と目が合う。影の正体は野生のサメダッチと、その友人らしきメンタインやジュランだった。
「ん? もしかして……仲間とか、思われてるかな? それともお菓子の方が気になるのかな」
ヴィクトルは少し考えてから、焼き上がったばかりの南瓜カップケーキを取り出す。そのまま少しだけ冷まし、まわりのバトモン達へと差し出した。
「よければ一緒に食べてくれるかな。俺も一人でのんびりしてるところだったから」
バトモン達は差し出されたカップケーキを食べて、楽しげに尻尾を揺らしたり、笑顔を浮かべたりしている。その様子にはヴィクトルも安堵の笑みを浮かべた。
「気に入ってくれたなら嬉しいよ。ケーキはまだまだあるから、好きなだけ食べていってね」
そうしてお菓子を分け合って、楽しみも分け合う。はじめまして同士でも、すぐに仲良くなれる。
こんなイベントの過ごし方もいいなぁと、ヴィクトルはしみじみ思うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『英雄死人「アンデッドE」』
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POW : かげえぶそう
自身の【腕と融合した影竜バトモン「シャドラ」】を武器(攻撃上昇)or防具(防御上昇)or乗騎(機動力上昇)に変形。同時に複数発動可。
SPD : にくしみのかげ
【影竜バトモン「シャドラ」と完全融合した姿】に3分間変身する。効果時間中、体高=年齢mとなり、耐久力10倍、高威力の【にくしみのかげ】で攻撃可能。
WIZ : はいどらけん
自身の【腕と融合した影竜バトモン「シャドラ」】をX倍に増殖する。攻撃回数がX倍になるが、防御力・回避力・生命力がX分の1になる。
イラスト:安子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ベリル・モルガナイト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
イベントは和気藹々と進み、会場は温かな雰囲気に包まれている。
しかし――その優しい熱を奪うかのように、冷たい気配が姿を現した。
「……バトモンも何かも、争いの原因となるものはすべて滅んでしまえ。そのためには、まず兵器が必要だ」
気配の正体、英雄死人「アンデッドE」は影竜バトモン「シャドラ」と共に邪悪なオーラを展開し、広場を飲み込もうとしていく。
そのオーラにあてられたバトモン達は洗脳され、兵器と化してしまいそうになるが――次の瞬間、かつての英雄は予想外の光景に目を見張った。
洗脳したはずのバトモン達の瞳は、今も強く輝いている。彼らは兵器にならず、未だ人類の友人のままだ。
「ジュラン、大丈夫? オブリビオンが現れたのね、一緒に戦いましょう!」
とあるバトラーは相棒を気遣い、すぐに状況に立ち向かう姿勢を見せる。彼女だけでなく、他のバトラー達も臨戦態勢を取っているようだ。
ハロウィンでしっかり深まった彼らの絆は、そう簡単にちぎれたりしない。そしてその縁を繋いだのは、猟兵達がイベントを盛り上げたからこそ。
洗脳が失敗したと判断したアンデッドEは、この場にいる全員を滅ぼさんと攻撃してくるはずだ。
それならば――この場にいる全員と力を合わせ、ハロウィンを守り切ろう!
度會・加寿男
『ハイカワ』が起きていたのって、「絆を無理やり壊そうとすること」が『ハイカワ』が嫌うことだからですね。
だからこそ、『ハイカワ』。【キミに決めた!】ですよ。
『シメサス』と『ヒロオ』はベロでの拘束狙い、『コハギ』はレーダー利用しての噛みつきを。
この時、他のバトラーさんたちとも協力しましょう。どれだけ能力が上昇しようが…皆でかかれば怖くないのです。
そして…『ハイカワ』は思い切ったベロビンタ、ですね。
ハイカワ「グールーメーンー!」
争いの原因を全て滅ぼすことは不可能ですよ。食べ物一つでも起こることなのですから。
だからこそ…絆を育むことが重要なのだと、思うのです。
●
過去の英雄が現れたからか、ハイカワがよりハッキリと表情を強張らせる。
その様子に度會・加寿男は大切な仲間が何故張り切っていたかを理解した。ハイカワは「絆を無理やり壊そうとすること」を嫌っているのだ。
そんな行為を行おうとしていた英雄を見過ごすわけにはいかない。加寿男はハイカワと視線を合わせ、一度大きく頷いた。
「いきましょう。ハイカワ、キミに決めた、ですよ」
二人の絆が深まれば、それはみんなを守る力に変わる。そしてその想いはハイカワだけでなく、加寿男の他のバトモン達にも広がっていくようだった。
そんな加寿男達の力を感じてか、アンデッドEは顔を顰めた。
「忌々しい。大人しく滅んでしまえ」
アンデッドEが腕を振り上げれば、同化しているシャドラが刃のような形を取る。直接斬りかかりにくるつもりのようだ。
まずは相手の動きを封じなければ。そう判断した加寿男はシメサスとヒロオに視線を送る。
「グルッ」
「メンッ!」
勢いよく飛び出した二体のグルメンは舌を伸ばし、英雄の四肢を拘束しにかかる。
相手が回避しようとすれば、今度はコハギの出番だ。
「ジュラ!」
コハギは回避に専念する相手の動きを読んで、勢いよく食らいつく。そうして相手の動きが鈍れば、今度はまわりのバトラー達が動いた。
エモリンが空から相手の動きを牽制し、キノリンがさらに注意を引き付ける――この場にいるバトモンとパートナー達は、誰もが同じ気持ちで戦っている。
それを肌で感じ取りつつ、加寿男はアンデッドEを見据えた。
「争いの原因を全て滅ぼすことは不可能ですよ。食べ物一つでも起こることなのですから」
「不可能だと? やってみなければ分からないだろう、私は全てを滅ぼす!」
怒り狂う英雄の身体を、シメサスとヒロオ、そしてコハギが抑えにかかる。彼らの身体を動かすのは、破壊にすら負けないもっと強い意志だ。その答えを、加寿男はよく知っている。
「だからこそ……絆を育むことが重要なのだと、思うのです。今この世界を生きている人たちは、そうすると決めたのですよ」
破壊よりも強い結束で、支え合って世界を良くする。きっとそれこそが、現在を生きるヒトとバトモンの役目だろう。
その想いを精一杯籠め、加寿男は飛び出すハイカワの背中を見つめた。
「……ハイカワ、任せましたよ」
「グールーメーンー!」
ハイカワの全力ベロビンタはアンデッドEを打ち据え、彼の力を削いでいく。
それは――この世界から憎悪を削り取っていくかのようだった。
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
来ましたか…楽しいパーティを邪魔する方には、ご退場願います。
「私や桔梗さんもやる気満々ダヨー。無粋な輩を蹴散らそうカ」
了解です、オオカミさん。
まずはオオカミさんと同調してUCを発動。
敵の攻撃を【野生の勘で見切り】、【軽業】や飛翔による【空中機動】で回避。
手数が多いなら、【カウンター】で反撃です。
攻撃を避けつつ、風の【属性攻撃】で風を操り、【斬撃波】で増殖した部位を攻撃。
私が戦ってる間に、桔梗さんは【シャドウダッシュ】で影に隠れながら移動。
敵の隙を狙って、【影使い】で影竜を真似して生成し、敵に食いつかせて【影攻撃】。
敵の攻撃が止まったら、他のバトモンさんたちにお願いして、総攻撃です。
●
現れた敵を見据え、結城・有栖は応戦の姿勢を取る。彼女の後方にいたオオカミさんや桔梗もやる気十分のようだ。
「来ましたか……楽しいパーティを邪魔する方には、ご退場願います」
『私や桔梗さんもやる気満々ダヨー。無粋な輩を蹴散らそうカ』
「了解です、オオカミさん」
有栖はこくりと頷くと、オオカミさんの手を取る。するとオオカミさんの身体が透けていき、その気配が有栖の中へと溶け込んだ。オオカミさんはオウガとしての姿に戻り、有栖と同調し始めたのだ。
同調した二人の力は風となり、有栖を嵐の王へと変える。風を纏った有栖は堂々と前へと進み、アンデッドEへ姿を晒した。
「私達が相手をします。ハロウィンは壊させません」
「うるさい! 邪魔者はそちらだ、容赦しない!」
過去の英雄は腕と融合したシャドラを増殖させ、触手のように何本もの腕を生み出していく。どうやら手数で押してくるつもりのようだ。
最初に有栖の元へと迫ったのは、細かい影の触手が数本。それらの動きを見切りつつ、有栖は後方へと退避した。その時、後ろにいたバトラーやバトモン達にこっそりと視線を送り、彼らが頷きを返したことも確認していた。
そのまま有栖は風を操り、軽やかなステップで敵の猛攻を捌いていく。
時折回避が難しいような大きい攻撃が来た際は、突風を巻き起こして動きを阻害する。敵の攻撃は苛烈だが、その分繊細さにかけていた。きっとオオカミさんならば『頭に血でも上ってるのカナー?』という風に言っていただろう。有栖も同じ考えだ。
実際アンデッドEは血走った目で、ひらりと回避を続ける有栖を睨んでいる。作戦は上手く行っているようだ。アンデッドEが怒りのままに大ぶりな攻撃をした瞬間――その背後から、桔梗さんが勢いよく飛び出す。桔梗さんは影に潜み、ずっと奇襲のチャンスを窺っていたのだ。
「何!?」
「桔梗さん、影攻撃です」
有栖の指示に合わせ、桔梗さんは影竜を再現して敵へと食らいつかせる。こうして相手の動きを止めてしまえば、あとはこちらのものだ。
「みなさん、力を貸してください」
直後、周囲のバトラー達が一斉にバトモンへと指示を出す。絆を深めたバトモン達が繰り出す攻撃は一瞬にして英雄へと殺到し、その力を大きく削いだ。
「こうやってみんなで力を合わせれば、大きなことができるんですよ」
そして有栖も敵の懐へと飛び込み、斬撃波を放つ。連携の末に生み出した攻撃は、ハロウィンの街を力強く吹き抜けていった。
大成功
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ガーネット・グレイローズ
よし、色々なバトモンのトレーナーと話ができて、実に有意義な時間だった。私のバトモンも楽しそうにしていたし、皆で作ったお菓子も美味しかったな。
む、不穏な空気…あれがオブリビオン化したバトモン戦士か。よし、出動だ!
影の竜か、なかなか手強そうじゃないか。【バトモンコマンダー】を使い、バイタンとユリイカの能力を強化しよう。「はいどらけん」の猛攻を防ぐため、受け力を5倍にして対応。
「ユリイカ、怒りの触手!」
こちらの攻撃は射程5倍に強化、ムチのように自在にしなる触手で敵攻撃を叩き落とし、スミを吐いて目潰しを。
「今だバイタン、滑空アタック!」
暗闇状態の隙を突き、バイタンの空中攻撃だ!この連携を見切れるか!?
●
ガーネット・グレイローズの脳裏に浮かぶのは、先程まで交わしてきた会話達。会場にいる人達はバトモンを大切にし、彼らとの絆を育んでいる。
そんな彼らと同じように、ガーネットもバトモンと楽しく過ごし、美味しいお菓子も分け合った。
温かい気持ちを胸に抱いたまま、向かうのは不穏な気配の方向。その中心に立っているのはオブリビオン――英雄死人「アンデッドE」だ。
彼は会場にいる人々とバトモンの絆の深さを確認し、単純な破壊行為に及ぶつもりらしい。
「止めに行かないとな。よし、出動だ!」
ガーネットはユリイカとバイタンと共に駆け、敵の前に躍り出る。アンデッドEもガーネット達の姿に気づくと、忌々しげに視線を向けた。
「邪魔をするなら容赦しない!」
アンデッドEは腕のシャドラに力を与え、触手のような影を増殖させていく。
「影の竜か、なかなか手強そうじゃないか。手数も多そうだな……それならこっちは特訓の成果で立ち向かおうか。ユリイカ、バイタン、準備はいいな!」
ガーネットの掛け声に二体のバトモンは元気な鳴き声で返す。ここまで積み重ねてきた特訓と絆、その力で破壊者を打ち倒そう――そんな気持ちが、しっかりと重なっているようだった。
まずは敵の猛攻を凌ぐため、ユリイカが前に出る。
「ユリイカ、怒りの触手!」
パートナーの声に合わせ、ユリイカは触手を構える。その腕はしなやかで、それでいて頑丈だ。
アンデッドEは力任せに影を振るいユリイカを攻撃してくるが、それらは受け力を強化した触手によって捌かれていく。そして相手の隙が大きく生じた瞬間を見計らい、ユリイカは墨を吹き付けた。
「くっ……!」
視界を奪われ、アンデッドEの動きが鈍る。戦局をしっかり観察していたガーネット達は、このチャンスを見逃さなかった。
「今だバイタン、滑空アタック!」
すかさずバイタンが空を舞い、アンデッドEの元へと突っ込む。アンデッドEもすかさず回避行動を取るが――バイタンの方が速い!
「この連携を見切れるか!?」
ガーネットの思惑通りにバイタンの攻撃は成功し、重い一撃がアンデッドEのへと直撃する。力任せに振るわれていたシャドラもまともに受け身を取ることができず、共に大ダメージを受けたようだ。
勝敗を分けたのはバトモン達との連携と、そして信頼。ガーネットは頼もしい仲間達と、しっかり絆を示したのだった。
大成功
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ヴィクトル・サリヴァン
楽しい時間を邪魔する不届きな英雄が来たね?
集まった皆を守る為にも頑張っていこうか。
サメダッチとお友達のメンタインやジュランは…大丈夫そうかな。
もし洗脳されてたらまずは水の魔法で水の鎖作って縛ったり浮かべたりして先に無力化。
そうでなければ一緒に頑張ろう、と即興でバトラー的に指示を飛ばすよ。
増殖するならジュラン、レーダーでシャドラと融合している腕の位置を見抜けるかな。
影竜だらけだろうけど見抜いたらそこを一点狙い、メンタインに纏わりついて動き封じて貰った上でサメダッチがぶりと行ってね。
俺はUCや水の魔法で援護、バトモン達の傷を癒しつつ増えた影竜に水の弾丸ぶつけて体力削ってくね。
※アドリブ絡み等お任せ
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敵の気配を感じ取り、ヴィクトル・サリヴァンは顔を上げる。
「楽しい時間を邪魔する不届きな英雄が来たね?」
集まった皆を守るためにも頑張ろうか。ヴィクトルは焦らず、けれと着実な足取りで敵の元へと向かう。
その最中、目に留まったのは先程交流したサメダッチにメンタイン、ジュランだ。彼らは野良のようだったから、もしかするとオブリビオンの洗脳を受けてしまっているかもしれない。
念の為水の魔法の準備をしつつ、ヴィクトルはバトモン達の元に歩み寄る。しかし彼らの表情を見れば、心配は無用だったようだ。
バトモン達の表情には確かな覇気が宿っており、まわりの人々と協力して戦おうとしている。その様子に安心しつつ、ヴィクトルはバトモン達に笑顔を向けた。
「それじゃあ俺が即興でバトラーになろうかな。一緒に頑張ろう」
投げかけられたヴィクトルの言葉に、バトモン達は笑顔で頷く。
微笑ましい光景が繰り広げられているが、アンデッドEだけは顔を顰めていた。
「まるで茶番だ。あくまでもそいつらを友のように扱うか」
「本当に友達だからね。それじゃあ、みんなで行ってみよう」
アンデッドEの言葉は軽く受け流し、ヴィクトルはバトモン達と呼吸を合わせる。出会ったばかりの仲間とも絆が築ける――そんな光景を見せるために。
「まずはジュラン、レーダーで敵の様子を観察してね」
「ジュラ!」
ジュランが尻尾をピンと張るのと同時に、アンデッドEは影竜を増殖させていく。相手のシルエットはどんどん大きくなるが、ジュランからすればまったく問題なかった。
ヴィクトルはジュランの声に耳を傾け、次はメンタインに視線を送る。
「あの場所を狙ってくれるかな?」
指示を受けたメンタインはふよふよと浮遊し、アンデッドEの腕にまとわりつく。そこはちょうど、影竜が増殖する前の腕の位置だ。アンデッドEも負けじとメンタインを振り払おうとするが、それよりもヴィクトル達の行動の方が早かった。
「あとは俺が削るから、最後はサメダッチ、頼むよ」
ヴィクトルは魔法を展開し、水の弾丸にてアンデッドEを打ち据える。すでにジュランとメンタインのおかげで敵の動きは鈍っており、ヴィクトルの追い打ちも合わせれば逃げ場はない。
そうして連携を積み上げて、最後に決めるのは――。
「サメーッ!!」
勢いよく飛び込んだサメダッチが、身動きの取れないアンデッドEに勢いよく食らいつく!
連携は即興でも、ここまで築いた絆は本物。ヴィクトルは新たな友人達と、確かな戦果を得たのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ユディト・イェシュア
義姉がお祭りを楽しみながら盛り上げてくれたようですから
俺はバトモンを洗脳しようとする不届きな敵を退治させていただきます
確かにバトモンたちは兵器として生み出されたのかもしれません
けれど今や彼らは人類の良きパートナー
薬品も使い方によっては治療薬にも毒にもなるのですから
俺たちがいる限り悪用はさせません
洗脳に抗ってくれたバトモンたちとバトラーの皆さんと力を合わせて戦います
皆さんたちの強い絆があれば負けることはありません
相手の攻撃は俺が受け
シャドラからの攻撃の盾となり皆を守ります
UCで仲間の力を強化しながら破魔と浄化の力を宿した攻撃を
争いを生むのはバトモンではありません
友情と絆がそれを証明してくれます
●
戦いが始まった街の中でも、まだ甘い香りは漂ってきている。
テントに置かれたアイシングクッキーを一瞥してから、ユディト・イェシュア(暁天の月・f05453)は道を進んでいく。
義姉がイベントを盛り上げてくれたのなら、自分の役割は不届き者を退治すること。強い決意と共に、ユディトはかつての英雄の前に立った。相手が語った言葉を思い出しつつ、ユディトも自分の思いを声に変えた。
「確かにバトモンたちは兵器として生み出されたのかもしれません。けれど今や彼らは人類の良きパートナーです」
「……何?」
アンデッドEの鋭い視線を受けてもユディトは臆さない。それよりも目に入るのは、周りでパートナーと戦おうとしているバトモン達だ。
生き生きとした彼らの姿を見れば、やはり想いは強くなる。
「薬品も使い方によっては治療薬にも毒にもなるのですから、俺たちがいる限り悪用はさせません」
ユディトの決意を聞いたバトラーやバトモン達は、共に戦おうと声をあげる。その様子にアンデッドEはますます表情を険しくした。
「ならば……まとめて滅べ!」
アンデッドEは怒りのままに腕のシャドラを増殖させ、周囲を丸ごと薙ぎ払おうとしている。
ユディトはすかさず戦棍を構え、その攻撃をできるだけ受け止められる位置に立った。
「敵の攻撃は俺が受けます。皆さんは攻撃を」
「分かったよ、気をつけてね!」
バトラー達はユディトの守りを信じ、バトモン達へ全力の攻撃を命じているようだ。そんな彼らの想いに呼応してか、ユディトの懐で狛犬の御守が揺れる。
それに後押しされるように、ユディトもまた皆を守るユーベルコードを発動した。
「この光は悪しきものを滅し、善なるものを救う光明……」
詠唱に合わせ空から降り注ぐのは、光の奔流。光に包まれたバトモン達は、より一層力強い攻撃を放っていく。
一方アンデッドEは光に押され、満足に腕を振るえないでいるようだ。彼は光の発生源、ユディトを睨む。
「何故このような力を発揮できる……!」
「皆が証明してくれているからです。争いを生むのはバトモンではなく、それを友情と絆が証明してくれると」
時に美味しいものを分け合い、時に切磋琢磨し合う。今のこの世界の在り方が、そうすることを選んだのだから。
ユディトもその在り方を肯定するかのように、さらに強い光を生み出していく。その輝きは破壊者を飲み込み、皆を――そしてこの世界が紡いできた絆を守るのだった。
大成功
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シラ・フィリップス
アドリブ歓迎
確かに戦争は悲惨なもので、二度とあってはいけないかもしれないけど
だけどだからって私達の絆を、クロとの愛を否定なんてさせない!そのためにバトモンを利用することだってさせません!
ユカリさん(メェメイド)の結界術+護衛+鉄壁で身を守りつつ
クロ(フンバリキ)は|どうする?《コマンド》 やる気いっぱい+ラブラブパワーのコンボ!
敵が攻撃回数を増やしてきても、多少の傷なら愛を伝える+声を届かせる+鼓舞ですぐ治療します!
そんなヒトたちに負けないで、クロ!
さらにケーキとハロウィンのお祭りでやる気いっぱいのクロは攻撃力アップ!
伝説のバトモン並みに大きいクロの巨体で力いっぱいぶつかっていく突撃+絆攻撃!
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アンデッドEの言葉をしっかりと受け止め、シラ・フィリップスはしっかりと敵の姿を見据えた。
「確かに戦争は悲惨なもので、二度とあってはいけないかもしれない。その気持ちは分かります」
「それなら何故止める! 兵器と絆を繋ぐなど、何の解決にもならない!」
「……いいえ、それは違います!」
平和を望む気持ちは同じでも、シラと過去の英雄は絶対に相容れることはできない。なぜなら、今のシラを動かすのは――バトモンとの絆なのだから。
「私達の絆を、クロとの愛を否定なんてさせない! そのためにバトモンを利用することだってさせません!」
「ならば滅べ!」
アンデッドEは『はいどらけん』を発動し、腕からシャドラの影を伸ばす。そのまま彼は力任せに腕を振るい、シラを薙ぎ払おうとしてきた。
「ユカリさん、防御を!」
シラの指示に合わせ、すかさずユカリさんが前に出る。彼女の展開した鉄壁の結界は影の刃を弾き、皆の身を守った。
そしてシラはクロの瞳をしっかりと見つめ、心を籠めて指示を出す。
「クロ、やる気いっぱい、そしてラブラブパワーのコンボを! 私達がついてるよ、頑張って!」
シラの声援を受け、クロは力強く前へと飛び出す。その足取りは、邪魔するものすべてを蹴散らすような勢いだった。
クロが前へと踏み出す度に、その身体はどんどん大きくなっていく。
「なんだ、あのフンバリキは……!」
その様子に危機感を抱いたのか、アンデッドEはクロを集中的に攻撃し始めたようだ。大振りな攻撃はユカリさんの結界が阻んでくれているが、細かな攻撃はクロの身体を傷つけていく。
「大丈夫、すぐ治療するよ! そんなヒトたちに負けないで、クロ!」
すかさずシラは愛情を送り、クロに刻まれた傷を癒やしていく。そんなシラの心を信じているからか、クロの進むスピードはまったく衰えなかった。
クロが感じているのは、シラから受け取ったたくさんの愛情。毎日の積み重ねはもちろん、今日のケーキも楽しい思い出も、全部が糧になっている。
そうして生まれた絆のエネルギーはクロの身体を伝説のバトモン並みに巨大化させ――そして敵を倒す力に変わる!
「――クロ、絆攻撃!」
クロは大きく雄叫びをあげ、全力でアンデッドEに突撃していく。その衝撃で英雄の身体は吹き飛び、そのまま骸の海へと還っていった。
平和を取り戻した街で、聞こえてくるのは人々の歓声。
それらに包まれながら、シラも大切なパートナーと笑い合うのだった。
●
こうして猟兵達の活躍によりオブリビオンは倒され、ヒトとバトモンの絆は守られた。
会場にいた人々もバトモンと互いを労い、安堵の笑みを向け合う。
後片付けが終わればハロウィンも再会するだろう。
そうして再び楽しい時間が流れ――みんなの絆はより深まっていくはずだ。
大成功
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