シャングリラ☆クライシス⑩〜遍く世界を侵す者
●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、いつものように鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回はアイドル☆フロンティアの戦争、『シャングリラ☆クライシス』……その第二戦線に挑んでもらうよ!」
クオリア、レッドライオン、イエロータイガー……アイドル☆フロンティア最強と言われたオブリビオン3体の無力化に成功した猟兵達。
だが第二戦線に現れたのは、骸の海から現れた『侵略神』ヴァラケウスと『星壊神』プラネットブレイカー……竜の力を持つ強大な神々だった。
しかも彼らは、自分自身や猟兵達がかつて見えた者たちの『竜の外殻』を身に纏い、あるいは『流れ星』を竜化させ、この世界への侵攻を開始したのである。
「竜の力を纏った神々はどちらも超強敵だ。厳しい戦いになると思う。けどこの世界を守るために、キミ達の力を貸して欲しい!」
今回戦う相手は、『侵略神』ヴァラケウス。纏う竜の殻は彼自身のものだったが、ヴァラケウスはすでにその外殻を喰らって自分の力としている。
「この状態のヴァラケウスは、『ほぼ完全な無敵状態』だ。あらゆる武器、魔法、そしてユーベルコード……その全てを受け付けない」
ダメージを与えるものであれ、デバフやバッドステータスを与えるものであれ、基本的に全く通じないと考えた方が良い。
だが唯一。一箇所だけ、攻撃が通じる場所がある。それが彼の右目の奥――そこに隠された『戦槌』だ。
ここだけはヴァラケウスの肉体でも、無敵化していない。破壊する事ができれば、ヴァラケウスを殺す事ができる。
「言うまでもないけど、無理難題だ。ヴァラケウスの厄介所は、無敵である事だけではない。ただただ純粋に、神と呼ばれるに相応しい非常に強大なオブリビオンなんだからね」
あらゆる攻撃の通じない無敵のヴァラケウスの、苛烈な猛攻を掻い潜りながら、右目と言う小さな小さな一点に攻撃を加える。それがどれほどの難題か。
もちろん、ただ当てるだけでは意味がない。その右目とて無敵ではないと言うだけで、彼の強大な肉体の一部なのだから。
「繰り返すけど、とても厳しい戦いになると思う……いや、厳しい戦いになる、と断言して良い。それほどに相手は強敵だ。けれど――この強大な神の侵攻を阻む事ができなければ、この世界どころか、三十六世界全てが危機に晒される。勝利する以外に、世界を守るすべはない」
いつもどおりのわざとらしいほど可愛い仕草の中に、強い緊張と願いをこめて、くるるは猟兵達を見渡す。
「だから、必ず勝って欲しい。そしてキミ達の手で、世界を守ってほしい。それじゃあ、良い知らせを待ってるよ!」
一二三四五六
それははじまりのドラゴンロード。
ごきげんよう。ヴァラケウスとの死闘をお届けします。一二三四五六です。
ヴァラケウスは右目以外無敵です。どんなユーベルコードも通用しません。そして攻撃も苛烈です。多少の防御系ユーベルコードとかだとそのままカチ割って来ます。
もちろん、ユーベルコード以外のアイテムや技能でも同じ事です。めちゃくちゃ強いです。覚悟しましょう。
ただ「スナイパー技能で攻撃する」とか「絶対当たる設定のユーベルコードで攻撃する」とかでは、あまり高い成果は得られない可能性が高いです。技能や設定よりも、どのように戦うかの方が重要です。
もちろん、その戦い方の説得力を上げるのに技能や設定を使うのは良い事です。数値や設定の羅列にならないようにすると良いでしょう。
それでは、皆様の全力のプレイングを楽しみにお待ちしています。
第1章 ボス戦
『侵略神『ヴァラケウス』』
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POW : ヴァラケウス・ブレイク
自身の【竜炎の放射】でレベル×100km/hで飛翔し、射程無限・直線上の全てを切断貫通する【漆黒の衝撃】を放つ。
SPD : 侵略機動・蹂躙突撃
【全身】から【漆黒の破壊オーラ】を噴出しながら、レベル×5km/hで直進突撃する。2回まで方向転換可能。
WIZ : 侵略機動・精神侵食
【漆黒のドラゴン界を纏う姿】に変身する。隠密力・速度・【竜炎】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【絶望】の感情を与える。
イラスト:hina
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等
絶望がやってきたわ。
正直怖い。それでも、|契約者《ファン》がそこにいるのなら。
やってやろうじゃないの!
当てるだけなら簡単なのよ
だけど、当てるまでが難しいのよね。
だから、|契約者《ファン》の皆!
私に力を貸して頂戴!
<歌魔法>を紡ぎ、<歌唱><パフォーマンス>でボルテージをアゲアゲよ。
絶望なんかに負けるもんですか!
|契約者《ファン》はその声援で私を<励まし>、<鼓舞>してくれている。
だったら、それに応えなきゃね!根性見せなさい、私!
昂る<アイドル力>で乙女魔法を紡ぐ!ピュアラブ☆エデュケーション!
どんなにボロボロになっても、そこに|契約者《ファン》が居るのなら。
立ち上がってみせる!
儀水・芽亜
十二剣神といいこの二柱といい、宇宙にまともな神様はいないんですか? ああ、猟兵をしてる神様なら結構いますね。
それはいいです。早速相対を始めましょう。
「全力魔法」「オーラ防御」「霊的防護」「魔力防御」「魔力吸収」結晶の「属性攻撃」で胡蝶の盾。
全力で防御しながら、彼の右目に毒鱗粉を纏った蝶を飛ばすタイミングを計ります。その瞬間は「瞬間思考力」で一瞬で判断を下します。
硬質な翅を持つ私の黒揚羽で、右目に潜り込ませてみせましょう。
彼の攻撃は、黒揚羽を総動員して受け止めます。削られたら、その分補充を続ける長期戦。「継戦能力」で、攻撃の時まで何とか粘ります。
この世に絶対無敵など無いことを教えてあげましょう。
マナ・シュテル
全身無敵とか無理ゲーが過ぎるでしょうよ。
まあ、やりようが無いワケじゃねーですが。
SAVER WINGで【推力移動】し【空中機動】、敵の突撃を頑張って避けます。
その間にGREEN EYESで【情報収集】、敵の体内の戦鎚の正確な位置を解析。
敵がUCでの方向転換を二回消化したら仕掛けに行きます。
UC発動、ワームホールの出口をヴァラケウスの体内、戦鎚すぐ手前の空間に設定。
そこにKAMAITACHIの【斬撃波】をありったけ放り込んでやります。
弱点に直接触れねーなら触れるように空間弄ってやればいいんですよ!
ユーフィ・バウム
骸の海で神とされる存在、強大なのでしょう
ですが、猟兵の務めは果たします!
勇気を胸にダッシュで間合いを詰め
力溜めた一撃をお見舞いですっ
相手は無敵、ダメージにはならないのでしょうが
相手の動きを見て、しっかりオーラ防御全開に凌ぎます!
苛烈な攻撃は凌ぎきれず、悲鳴だって漏れます
でもまだまだ!気合いを溢れさせ、覚悟を以て立ち続けます
接近戦は私の間合いです。一歩も退きませんとも
それは、骸の海の神様相手でも同じ!
凄まじい猛攻の中でも限界突破し立ち続け
グラップルを生かし掴み、投げで地に倒します!
ダメージはやはりない?いえ。
倒したところに全てを込めた《トランスクラッシュ》の
ヒップドロップを右目に叩き込みますね!
「十二剣神といい、この二柱といい、宇宙にまともな神様はいないんですか?」
「はっ、神などと言う括りは所詮人間共の主観。まともな神が居らぬと言うなら、それはお前達らが望まぬだけの事よ」
眉を寄せて文句を口にする儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)に対し、楽しげに笑うヴァラケウス。
「……いえ、猟兵をしてる神様なら結構いますね。そちらはまともな方も多いです」
「我に言わせれば、猟兵と言う時点でまともではあるまいよ」
一聴すればそれは軽い談笑にも聞こえるが……こうして対峙しているだけでも、相手の存在感を強く感じる。誰が彼を『侵略神』と呼び始めたのかは知らないが、なるほど的確な呼び名であろう。
今、猟兵の前にいるのは、紛うことなき神である。
(「絶望が、やってきたわ」)
カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は緊張で喉がカラカラに乾き、その唾を飲み込む。
アイドルゆえに感受性が高いのか、彼女はこの場でも人一倍強く、ヴァラケウスの力を正確に感じ取っている。
芽亜がどうしてあんな風に軽く会話出来るのか、信じられないほどだ。
「全身無敵とか無理ゲーが過ぎるでしょうよ」
「別にクリアさせようなどとは思っておらぬからな」
マナ・シュテル(天上天下の猟兵神話・f18064)のぼやきにも律儀に返して来るのは、相手の余裕の現れだろうか。だが、余裕はあっても油断と隙はない。
相手がこちらを見る目には、確かに殺意が籠もっている。
「確かに強大な存在のようです、が……ですが、猟兵の務めは果たします!」
「良かろう。ならばその務めを果たせぬままに、死ね」
そうしてユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の宣言に呼応し、ヴァラケウスは全身から竜炎を迸らせる。猟兵を骨まで残さず焼き尽くすだけの火力をもった、殺意の炎。
「怖い、けど……やってやろうじゃないの!」
それを前にしてカンナハは、覚悟を決めて大声で叫ぶ。恐怖が消えた訳ではない。だからこそ、その背を押して貰うべく。
「だから、|契約者《ファン》の皆! 私に力を貸して頂戴――!」
その高らかな歌声が、光の道に響き渡る。この世界の人間は全てサイリウムに変えられたままだが、まるで歌声に呼応するように、それが地上で大きく波打っていく――。
「まずは、一撃……!」
ヴァラケウスに向けていの一番に、間合いを詰めていくユーフィ。防御姿勢を取らぬ相手の胸元めがけて、渾身の力で拳を叩き込む。
もちろん相手は無敵、ダメージは一切ない。だが、そのままの勢いで、接近戦の間合いを保とうとして。
「ふむ――」
「っ……!?」
その決断が過ちであったと、否応無しに直感させられる。全力で防御姿勢を取った次の瞬間、ヴァラケウスの右腕が無造作に振るわれて。
その軌道上の全てが、空間ごと断ち切られた。ユーフィの身体が、後方へと吹っ飛んでいく。
「か、はっ……」
「ほう、まだ一つの形を保っているか。なかなかやるではないか」
満身創痍で、なんとか光の道の端にしがみつくユーフィに、感心したような声を上げるヴァラケウス。骸の海の神相手でも、一歩も引かない……そんな決意は、ただの一撃でで打ち砕かれた。
心意気だけで勝てるような相手を、人は神とは呼ばない。
「ちょっと、洒落になってないんですけど!?」
「当然だ。洒落で戦っている訳ではない」
今の一撃の威力を電脳で分析し、悲鳴に近い声を上げるマナ。ヴァラケウスは次はそんなマナを標的に定め、漆黒のオーラを全身から迸らせた。
それを推力にして敢行される突撃は、軌道上の全てを、空間ごと破壊して突き進んでくる。データが示す全ての数値が、防御不可能と示していて。
「全力回避ぃっ……!!」
翼を展開し、その推力を全開にし、懸命にそれを回避する。あれに追いつかれたら、その時が最後……マナの身体など欠片も残るまい。
「我から、逃れられると思うな、猟兵」
「逃げるって! 絶対!」
方向転換しながら追ってくるヴァラケウスから、決死の思いで逃げる。プレッシャーは凄まじいが、幸いにして速度はそこまで速くはない。
なんとか距離を取る事に成功すると、ヴァラケウスも一旦、その動きを停止する。
「そうか。ならば――現実を理解させるとしよう」
「っ……!?」
そして彼は推力に使っていた漆黒のオーラを、自身の周囲に集めていく。形成されるのは、漆黒の球体。すなわちそれこそが、ヴァラケウスの『侵略機動』。
『絶望せよ。我はヴァラケウス、遍く世界を破壊する者なれば』
「っ……!!」
周囲の全てを、光の道すらも破壊しながら、球体はまっすぐに突き進んでくる。その光景は破壊以上に、猟兵達に絶望を植え付けていく。
あんなものに勝てるはずがない。あんなものと戦うのが間違いだった。後悔が猟兵達を支配する――。
「負け……る、もんですかっ!」
そんな絶望を払うべく、カンナハは歌声を響かせる。一番に恐怖を感じている彼女が、一番に恐怖と戦うべく、アイドルとして光の道を――アイドル・ロードを踏みしめる。
「|契約者《ファン》がそこにいるのなら。やってやろうじゃない!」
そんな彼女の叫びに、地上のサイリウムがさらに大きく波立った。ここはステージの上ではないが、それでも彼らの力が、猟兵達の身体を、心を支えていく。
『無駄な抗いをするものだ――』
もちろん絶望を振り払おうとも、ヴァラケウスの力は圧倒的だ。侵略機動は全てを破壊しながら、猟兵達をも破壊しようと突き進んでくる。
仮に逃げた所で光の道が全壊すれば、骸の海に落ちるしかない。すなわち、もはや逃げ場はなく。
「なら、防ぐしかないですね……!」
そんな侵略機動の前に、芽亜は黒揚羽蝶の群れを立ちはだからせる。当然、触れた先から消し飛ばされてしまうが、逆に消された端から増殖させる事で、懸命にその前進を阻もうとする。
それでも稼げる時間はわずか……だが、そんな僅かの時間に、カンナハは無数の光線を放っていき。
「根性見せなさい、私! みんなの声援に応えるのよ!!」
『無駄な、事を……!』
乙女の力をこめた光線は、一箇所に集中し、漆黒のドラゴン界に穴を穿つ。穴はほんの小さなものに過ぎないが……それでもその向こうに、ヴァラケウスの姿が垣間見え。
「今っ!!」
「何っ……!?」
そのタイミングを逃さず、ワームホールを開くマナ。入口は眼前に、そして出口はヴァラケウスの右目の前に。
さらにその右手を振るえばプログラムが起動し、無数の斬撃が放たれる。ワームホールを通して一気に、ヴァラケウスの弱点へと殺到させ。
「弱点に直接触れねーなら、触れるように空間弄ってやればいいんですよ!」
「おの、れっ……ぐっ!?」
相手は身体を仰け反らせるようにして、それを回避してくる。だが、手数と正確さで全弾回避を許さず、そのうちのいくつかが戦鎚を掠めた。
苦痛に苦悶の声を漏らし、ドラゴン界を解除するヴァラケウス。その瞬間、後方から一気に間合いを詰める影。
「負ける……訳、にはっ……ァ!」
「ちっ、まだ……っ!?」
それは、最初に倒されていたユーフィ。限界を越え、残る力を振り絞った彼女は、ヴァラケウスの右脚に組み付いた。そのまま全力で持ち上げ、相手を倒そうと試みる。
「無駄だ……今度こそ、壊し尽くしてくれる……!」
もちろん相手は無敵……それは打撃に限った話ではない。投げとて当然通用はせず、竜炎でこちらを排除しようとするヴァラケウス、だが。
「っ!? がああっ!?」
「この世に絶対無敵など無いことを、教えてあげましょう」
その動きが突然鈍り、右目を抑えて苦痛の声が溢れる。その原因は、芽亜が放った黒揚羽の毒鱗粉……先ほどのそれは防壁のみならず、この鱗粉を右目に潜り込ませるための布石。
「こんな、ものでっ……ぐぅっ……」
「こん、のっ……!!」
それで体勢が崩れたヴァラケウスを、ユーフィが懸命に押し倒す。そのまま全体重を乗せてヒップドロップで飛び込もうとするが、相手はそれを防御して。
「わたしの……残りの全力……ですっ!!」
「舐めるな、この程度で、我が……っ!?」
その防御を打ち破ろうと、闘気を全開にしていくユーフィ。ヴァラケウスは払いのけるべく右手を振るおうとするが――それは、右目を抑えていた手がなくなったと言う事。
「これでっ……トドメですよっ!」
「そこに|契約者《ファン》が居るのなら、アイドルは負けない……!」
その右目の前に、再び開かれるワームホール。そこから殺到する斬撃と光線が、右目を貫き、戦鎚へと降り注ぐ。
そしてそれは、毒鱗粉によって刻まれた傷を広げて――。
「ぐあああっ……おの、れえええええっ!!」
骸の海に、神の断末魔が響きわたった。
大成功
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