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【サポート優先】Get rich quick!

#ゴッドゲームオンライン #サポート参加優先

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●|GGO《ゴッドゲームオンライン》屈指の穴場。金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』に異常事態発生!
「……え~。今日は皆、お忙しい中よく集まってくれた。皆ももう知っての通り、新たなる事件の発生だ」

 ざわつく|猟兵《イェーガー》達。場所は当然グリモアベース。本来博打大好きなパズクルス・ヴィリーヴ(初心忘るべからず……な放蕩者・f45022)は苦い顔をしていた。思わず頭を抱える。

 ……何だ何だ? と、集った|猟兵《イェーガー》達は脳内で『?』マークが太陽の周りを公転する地球みたいに回る。もしくは秋葉原・原宿・渋谷・高輪ゲートウェイ……etc.それ等の駅を幾度も巡り巡る山手線電車の様に回っていた。

 それも当然だ。|GGO《ゴッドゲームオンライン》にて何か事件が起きたのは事前に報じられていたが、内容は聞いてない。パズクルスの説明を聞いてその現場に|転送《テレポート》するのが自分達|猟兵《イェーガー》の役目なのだから。

 パズクルスは憂鬱そうに口火を切る。自分の背後にあるスクリーンをリモコンで操作。直ぐに今回の事件内容が映し出された。

 そこには解説役のMr.マネーマンが皆の前に出現。今回の事件について語る。因みにこのMr.マネーマンはこの事件の被害者。因って事件の全貌を知る数少ない人物である。

 この場に集った男女の|猟兵《イェーガー》達は驚きを禁じ得ない。何せMr.マネーマンはこのGGO《ゴッドゲームオンライン》の『金策ダンジョン』において名の知れたやり手の経営者。この世界の幾つかある彼の『金策ダンジョン』にお世話になった人も多い筈だ。
 そんなMr.マネーマンに何が遭ったというのだろう? 彼はゆっくりと語る。

「私はこの|GGO《ゴッドゲームオンライン》の人気ダンジョン、|Get rich quick《一攫千金》……その名も『Grq』事、通称『金策ダンジョン』の一つを運営しているのだが諸君等に頼みがある……! これはかつてないバグプロトコルによる侵略行為であり、既に数多の死者が続出している」

 何? 大勢の被害者が出てるのか……しかも、バグプロトコルの侵略行為がきっかけで? 緊急招集された|猟兵《イェーガー》達は少しずつ状況を呑み込めてきた。だが、まだ知りたい情報は始まったばかり。

「至極端的に言うと、非常に遺憾ながらそのバグプロトコルは『Grq』――『金策ダンジョン』を乗っ取ったのだ! 私の運営しているそこは稼ぎの効率が非常に良い事で有名で、多くのプレイヤー達が攻略パターンを確立しているが故に脳死周回しがちなダンジョンを敵は支配下に治めた」

 そこでパズクルスが溜め息を吐く。同じ|賭博師《ギャンブラー》として皮肉に歪んだ表情だ。|猟兵《イェーガー》達は何となく彼の言いたい事を理解した。

 何せ今回の事件は|GGO《ゴッドゲームオンライン》に存在する穴場スポットの『金策ダンジョン』である『|Grq《一攫千金》』がバグプロトコルの襲撃に遭った。そして、幾人かの被害者を出しただけでなくその『金策ダンジョン』事『|Grq《一攫千金》』を敵は乗っ取ったのだ。

 当然、被害者は|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却され現実社会での人権を剥奪されただけに止まらない。何せバグプロトコルに殺されたのだから……。唯一救いなのが、パズクルスがこの事件の予知に偶然にも成功してまだ救える命。そしてその|遺伝子番号《ジーンアカウント》の焼却すらも歯止めを掛ける事が可能だという点。

 全てのゲームプレイヤーを救えるのは他でもない。今、ここに集いし|猟兵《イェーガー》達だ。

「ここに集まった諸君等よ! 頼む……このゲームプレイヤー達の隠れた人気スポットである『金策ダンジョン』――『|Grq《一攫千金》』を乗っ取った奴等バグプロトコルの親玉がダンジョン内部最奥に潜んでいる筈だ。是が非でもそいつを倒してくれないか? もちろんダンジョン内部のアイテムやお宝は君達の自由に使って貰って構わない!」

 |猟兵《イェーガー》達は俄然やる気が出てきた。何せ『金策ダンジョン』の『|Grq《一攫千金》』はこのGGO《ゴッドゲームオンライン》において知る人ぞ知る効率の良い資金稼ぎの場。
 当然、それはここに集った|猟兵《イェーガー》達も例外ではない。ダンジョン攻略法はプレイヤー達によって既に確立されている。その『皆知っている金策ダンジョン攻略法の隙を突く形』で敵は不意打ちを仕掛けてくるだろう。
 上等だ。自分達|猟兵《イェーガー》と『金策ダンジョン』を乗っ取ったバグプロトコル及び、その親玉。
 どちらが『|Grq《一攫千金》』を知り尽くしているのか? この駆け引きの勝負に乗らない手はないだろう。

 敵対する奴等に|猟兵《イェーガー》の格の違い。どちらが『|Grq《一攫千金》』の『金策ダンジョン』に強いのか知らしめてやろう……!

「……と、言う事だそうだ。|猟兵《イェーガー》の皆。博打の準備は良いかい?」

 |猟兵《イェーガー》達の勝負の咆哮が唸り、地鳴りを響かせた。


ふーもん
 こんにちは。ふーもんと申します。

 今回の舞台は|GGO《ゴッドゲームオンライン》です。そこにある『|Grq《一攫千金》』なる『金策ダンジョン』を乗っ取ったバグプロトコルとその親玉を始末するのが主な目的です。

 ※このシナリオは【サポート参加優先】です。
 ※リプレイ文字数に関して変更しました。気になる方は私のMSページにて閲覧する事をお勧めします。

●解説
 第一章『初見殺しギミック解除』(冒険)
 クエストを乗っ取ったバグプロトコルは『金策ダンジョン』の最深部に潜んでいます。
 敵の仕掛けた罠やダンジョン内に元々あったギミックをクリアして、出来るだけ速やかに事を済ませたい所ですが、周囲に多数設置された宝箱や採集場所を調べれば、戦いに役立つアイテムや高額なトリリオンに換金できるお宝を入手出来るかもしれません。

 第二章『パルニー』(集団戦)
 探索を進めた結果、ここでは最奥にいる敵の親玉がお宝周辺に配下のバグプロトコルを潜ませていたエリアに到達しました。敵の不意打ちを回避しつつ倒して、ついでにここにあるお宝全部を回収して更に奥へ進みましょう……!

 第三章『魔従姫』(ボス戦)
 最奥に辿り着いたらボス戦です。宝物庫があるそこで待ち構えていたバグプロトコルはかなりの強敵です……!
 唯、ここまでの道のりで回収したお宝の中には、運良くボスの弱点を突くボスの能力に対して有利な装備品や、それを合成可能な素材が混ざっているかもしれません(第一章、第二章で手に入れたお宝をこの戦闘で使用した|猟兵《イェーガー》にはプレイングボーナスが発生します)。
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第1章 冒険 『初見殺しギミック解除』

POW   :    怪しいものを破壊してみる。

SPD   :    仕掛けのありそうな場所を調べる。

WIZ   :    同行者や同じマップに挑戦中のプレイヤーから情報収集。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●|GGO《ゴッドゲームオンライン》屈指の金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』上層部
 颯爽と|転送《テレポート》されてやって来た|猟兵《イェーガー》達。

 まず最初にやるべき事はこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥に潜むボス。バグプロトコルに出来るだけ対処する為、敵の仕掛けた|罠《トラップ》に気を付けながら、戦いに役立つアイテムの収集。更にトリリオンに換金できるお宝まで入手出来れば御の字だろう。

 力技で怪しいものを破壊したり、素早く仕掛けられたと思しき壁や床を調べてみたり、賢く同行者と共に情報収集に耽ったり、やるべき事は多種多様だ。

 Mr.マネーマンからはバグプロトコルの親玉を退治してくれるのならば、ダンジョン内の宝物は好きに使用して良いとのお墨付きを貰った。

 さあ、始めよう……ダンジョン探索に敵の討伐と|Get rich quick《一攫千金》!
飯綱・杏子(サポート)
狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?

|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす

悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。|熟成肉《リビングデッド》うまうま

|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす



「今日は金策ダンジョン探索っすね♪ 万が一罠に掛かっても悪魔だから|毒は効かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす」

 最初に金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の入り口を潜ったのは飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)だ。
 正直、『|Grq《一攫千金》』に関しては初めて聞いたが、どんな罠があったとしても全て胃袋の中に平らげてしまう程の食い意地には自信がある。

「|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす。ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす。リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす」

 そんなこんなでダンジョン内部を探索する飯綱。思ってたよりも広く、この所謂『初見殺しギミック解除』なる冒険は一筋縄じゃいかないかもしれない。

 少し薄暗くなってきた。するといきなりパッ♪ と、スポットライトに照らされた宝箱が目の前に現れた。明らかに怪しい……。

「どう見ても罠っすね。もしも中から|食材《オブリビオン》が出てきたら、その狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?」

 食う気満々な飯綱は容赦なくその宝箱を開けた。何か黒いモノが飛び出してきた! 腐敗臭と共に飯綱の両肩を勢いよく掴む……!
 それは一言で言えばゾンビ。低級のオブリビオンだ。この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』を支配下に治めたバグプロトコル。最奥にいるボスの配下だろう。
 両肩を鷲掴みされた次の瞬間に……ガブリ! 首筋の辺りを噛み付かれる飯綱。頸動脈である。普通だったら致命傷になる攻撃!

 だが、しか~し! そこは飯綱杏子。ゾンビさんに一言申し上げるなら、お生憎様。相手が悪かった。

「うん。ナイス喰いっぷりっすね……。でも、わたしは例え|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす。良いっすか? 本当の料理の食べ方はこうやって齧り付くっすよ」

 ……ガブリ……♪

 グギャア! と、まさかのゾンビさん。悲鳴を上げた……!

「う~ん♪ |熟成肉《リビングデッド》うまうま」

 もぐもぐモグモグと容赦なく咀嚼して口の中に広がるその味を堪能する飯綱。恐るべき蟲毒のグルメである!

 だが、その次の瞬間。|警告音《アラーム》がフロア全域に鳴り響き、あらゆる通路が閉じられる……! 最初の罠であるゾンビはあくまでも囮だった。

 次に出てきたのは複数の|骸骨騎士《スケルトンナイト》! もちろん|バグプロトコル《オブリビオン》だ。

 二重の罠。この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』に潜むボスは中々、狡猾な手段を使う。ずる賢い事もお手の物。
 最初のゾンビの悲鳴を合図として|骸骨騎士《スケルトンナイト》達をこの場に招集。その上逃げる場所を塞ぎ、正に袋の鼠となる飯綱。

「うーん。これは不味いっすね……いや、今食べた|熟成肉《リビングデッド》は美味しかったけれど、シチュエーション的にヤバいっす」

 ジリジリと間合いを詰められる飯綱。でも、何かがおかしい。|骸骨騎士《スケルトンナイト》達がそれに気付くのは多勢に無勢による余裕からか少し遅かった。

「今日はカルシウム不足には最適なメニューっす♪ 偶には健康に気を遣うのも悪くないっすね……!」

 三つ目の罠は飯綱自身が仕掛けた。敵の|骸骨騎士《スケルトンナイト》達を自分に極力集中させて、一気に叩き調理。そして喰らい尽くす……!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『エクストリーム調理道具』(エクストリーム・クックウェア)を発動!

 それは、いま戦っている対象に有効な【エクストリーム調理道具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。

「やるっすよー」

 手にした『エクストリーム調理道具』(『|万能猟理器具《エクストリーム・クックウェア》』)を片手で器用にクルクル回しながら、ニヤリと笑う。

 『|万能猟理器具《エクストリーム・クックウェア》』――普段は巨大な|肉叩き《ミートハンマー》ですが、あらゆる猟理器具に変化できます。

 その飯綱の手にした調理道具は明らかに武器だったので、|骸骨騎士《スケルトンナイト》達は混乱する。色々な意味で恐怖の色を浮かべながら。

 ……そうだ。飯綱は本気で自分達をクッキングするつもりだ! 今まで感じた事のない恐怖に|骸骨騎士《スケルトンナイト》達は一瞬たじろいだ。

 その隙を見逃す程、飯綱は甘くない。鈍器の様な形状をした『|万能猟理器具《エクストリーム・クックウェア》』はてこの原理や遠心力を利用すると、攻撃力が増す。一言で表すならものゴツいハンマー。直ぐにその使い方のコツを覚えた飯綱は一気に相手全員を|攻撃《調理》する……!

「所詮この世は弱肉強食っす!」

 自らの肉体を軸にしてくるりと一回転♪ 技能スキル『ぶん回し1』で遠心力が増して攻撃力がUPしていく……! まるで、最強のハンマー投げの選手。攻撃力が最高潮に上った瞬間、そのまま強烈な一打をお見舞い! |骸骨騎士《スケルトンナイト》の敵全員を薙ぎ払った!

 ガッシャ――――ン!!! と、派手に|骸骨騎士《スケルトンナイト》達は呆気なくその骨が粉々に砕け散った。

 その|骸骨騎士《スケルトンナイト》達が最後の砦だったのだろう。罠は解除され、フロア全域の塞がれた通路が再び開いた。

「……ふう。まあ、次は相手を良く選ぶ事っすね♪ それでもわたしは同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ。白子もミルクも大好きっす」

 |骸骨騎士《スケルトンナイト》達の残骸。その骨を軽く口の中に放り込んで、バリボリ……♪ ポテトチップスの様に咀嚼しながら、飯綱は次のフロアへと余裕で移動していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!



「|GGO《ゴッドゲームオンライン》の金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』……聞いた事がある様な、ない様な」

 次に金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』に入ったのは、多重人格者のマジックナイト×シーフの仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)だ。

「まあ……Mr.マネーマンも困ってるみたいだし、ここにある罠を攻略して使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!」

 今の仲佐の人格は『ネイル』と呼ぶ美術好きなお姉さんだ。彼女(?)も今回のバグプロトコルの横暴に怒りを覚える。

「キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから。例えそれが金策ダンジョンでも同じ事よ。ここにある美術的価値ある宝物を独占していたらそれこそ力尽くで返して貰うわ! お相手するはアタシことネイル。美術好きな女性人格よ」

 口調はいわゆる女言葉のそれ。
 そんなこんなで|仲佐《ネイル》は歩き出す。ダンジョン探索。もちろん一歩一歩慎重に。どこに罠が張ってあるのか? 今の所見当も付かないが……。
 奥に進む。段々と周囲が暗くなってきた。壁伝いに手探りで進むと……何かのレバーを発見!

「これは怪しいわね。周囲も暗くなってきたし、一端退き返そうかしら?」

 暗闇の中。少し怖くなって(来たのは内緒)、声に出した|仲佐《ネイル》。次に聞こえてきたのはバサバサ……! と、した何かの羽音。

 まさか……例のバグプロトコルの配下!? 身のこなしが一番軽いみたいで背後から聞こえたその怪しい羽音に瞬時に振り向いた|仲佐《ネイル》。

「キャア!」

 それはバグプロトコルの配下……! ではなく、巨大蝙蝠の集団だった。しかし、|仲佐《ネイル》は振り向いた直後、その巨大蝙蝠に襲撃を喰らい思わずズッコケそうになる。咄嗟に受け身を取って体勢を整えようとしたが、その時に運悪くさっき見つけたレバーを引いてしまう!

 ――ガチャコン♪

 すると、周囲の床が開いて落とし穴に変わる。当然、それに巻き込まれた|仲佐《ネイル》は頭から派手に地下へ落下した。

 ……

 …………

 ………………

 どれくらい時間が経過しただろうか? |仲佐《ネイル》は頭を強くぶつけたみたいで、軽くコブが出来ていた。

「い……痛たたた。全くもう! 今日は厄日かしら? ん……? ここってもしかして――」

 頭を打ったショックで何かを思い出した|仲佐《ネイル》。それと同時に複数のバグプロトコルの気配も察知する。

 敵は実体を持たない|幽霊《レイス》4体に、それを操る|死霊術士《ネクロマンサー》が1体。勿論バグプロトコルだ。そしてさっきの罠。レバーを引いた代償。本当に今日は|仲佐《ネイル》にとって厄日の様だ。だが……

「ふふっ♪ 良い事思い出しちゃった。アタシ、実はこのダンジョン知ってる。前に来た事あるわ!」

 罠に掛かって地下に真っ逆さま。落下した|仲佐《ネイル》は頭を強打。暫く昏倒していたが、その代償に金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の事を思い出した。その言葉通り。|仲佐《ネイル》は過去にこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』でお宝探しに興じていた。

「何か楽しくなってきちゃった♪ かかって来なさいバグプロトコル! 私は接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ」

 敢えて自分の戦い方を敵に教える事で、闘争心を鼓舞する。すぐさまバグプロトコル。|幽霊《レイス》を使役する|死霊術士《ネクロマンサー》が持っている古びた杖を翳し、その距離を詰めに掛かる……!

 作戦通り。それは|仲佐《ネイル》が仕掛けた罠。頭を強打した後だからか、|仲佐《ネイル》の脳は非常に冴えていた。そして、4体の|幽霊《レイス》達が接近戦を仕掛けて来た。

 |仲佐《ネイル》は空中に浮遊している|幽霊《レイス》4体を技能スキル『騙し討ち』で怯ませた後、『特攻』によって素早く|幽霊《レイス》達を避けて駆け抜ける! その先に待っているのは|死霊術士《ネクロマンサー》だ。

 |仲佐《ネイル》の思考が正しければ、何度|幽霊《レイス》を倒してもそれを操る|死霊術士《ネクロマンサー》を退治しなければ、再度復活する。

 |仲佐《ネイル》の瞬時の戦略を見抜いた|死霊術士《ネクロマンサー》は慌てた様子で退却。

「バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい! 逃がさないわよ……!」

 |仲佐《ネイル》はそのままの勢いを殺さずに、退いた|死霊術士《ネクロマンサー》の頭上に外套を投げ付ける。ふわり……と一瞬、|死霊術士《ネクロマンサー》の視界を遮断。敵が混乱してる隙を突いて武器『ルーンソード』で一撃をお見舞いする。

 グギャア……! と、そいつは苦痛に呻く。実体を持たない4体の|幽霊《レイス》はその時だけ点滅し、動きが止まる。やはり|死霊術士《ネクロマンサー》によって操られていた様だ。

 唯、この攻撃は|仲佐《ネイル》の|十八番《オハコ》。よく使う手。更にここから攻勢を活かして武器『ルーンソード』で畳み掛ける。

 敵は怯みながらも、古びた杖を用いて頭上に翳した。再び動き出し襲い掛かって来る4体の|幽霊《レイス》。
 このままでは危ない……! |仲佐《ネイル》の頭の中では黄信号が警告を報せる。

 しかし、これも|仲佐《ネイル》の掌の上。これまで経験した戦闘の勘が働き、持っていた『ルーンソード』を戦ってる途中で手放して敵の虚を突く。

 武器を捨てる行為は敵からしてみれば自殺行為に等しい。だが、|仲佐《ネイル》の思考は違った。袖口に仕込んでいた隠し武器『ダガー』を素早く滑り込ませて手に持つと、その小回りの利く短剣を一振り、二振り。刃で|死霊術士《ネクロマンサー》を斬り付けた……!

 グ……グギ!

 |死霊術士《ネクロマンサー》は悲鳴を上げながら更に後退。その間に光属性を付けた『ルーンカルテ』をわざと落とし、タイミングを見て目潰しフラッシュ!

 ギィイイイイイアアアアア――――――!!!!

 精霊の力で|死霊術士《ネクロマンサー》は最早、瀕死の状態。だが、油断は禁物。この手の輩はいつどこで復活するか分からない。

 |仲佐《ネイル》は最後に|UC《ユーベルコード》(SPD)『シルフィード・クローク』を発動!

 自身と武装を【竜巻】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[竜巻]を飛ばして遠距離攻撃も可能。

「こんなところかしらね」

 ゴォオオオオオオオオ……!!!!!

 強烈な竜巻が猛威を振るい、最早敵の悲鳴は愚か。その痕跡すら吹き飛ばした。

「さて……と。確か、ここで手に入れたお宝は自由に使って良いのよね? せっかくの機会だし全部貰っておこうかしら♪」

 金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の脳内|地図《マップ》で|仲佐《ネイル》は再度、宝探しに興じる。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」

移動時には、急ぐ要素があれば、サモン・アーティアを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。

共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。

アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。


納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから11年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



「本日は宜しくお願い致しますわね。納花・ピンチン様。私も皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」
「こちらこそですわ。響納さん。アタシも普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと……って、勉強中なんですわ! ほないっちょ、よろしくおねがいします」

 金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』に足を踏み入れた二人組。

 一人は響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。オラトリオの聖者×ビーストマスターの歴史ある街出身。正義感溢れる上流階級のお嬢様だ。黙っていれば綺麗な女性だけど、少々天然さん?

 もう一人は納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)。ブギーモンスターの勇者×殺人鬼の商人街出身。中庸を愛するシーツお化けで、知恵の布を被って11年が経つ。こちらも少々天然さん?

 今日はそんな二人がタッグを組んだ。金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』にて、バグプロトコルの親玉が奥に潜むその最上層。罠が張られたお宝探しに興じる。

「Mr.マネーマン様がここの宝物は全て個人で所有して良いとの事ですけれども……どこから探しますの?」
「そうですわね。随分気前の良い申し出ですけれども、旨い話には必ず裏がありますの。とは言っても罠に躊躇する時間がもったいないですわ!」

 ならば……と、響納が取り出したのは占い等に使うタロットカード。全てを運に任せようと言う訳だ。

「それが良いですわ。アタシ達はあくまでお仕置きをしに来ているから、罠に掛かったとしてもそれはそれ。運が悪かったと言う訳で、話が片付きますわね」

 納花はうんうん頷く。同意を得られた響納も共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で動く為にこうしたタロットカードを所持していた。その名も『リズのタロットカード』。タロットを使っての失せもの探しなんかは調査の際に役に立つ。

「それでは……タロットを引きますわね。ん? これは……!」
「な、何か不吉な予兆が出ましたの……?」

 キミタチモココノダンジョンタンサクニキタノカイ?

 ――出た|手札《カード》は逆位置の『交渉者』――

「……今、誰かの声が聞こえた様な?」
「シッ! 納花・ピンチン様。申し訳ないのですが、少しの間黙ってて下さいませ」

 響納の真剣な口調に先程の『声』が例のタロットカード占いに出た『交渉者』だと当たりを付ける納花。黙って頷く。

「どなたか存じ上げませんが……そう思ってくれて構いませんですわ。そちらは? まさか、こちらから情報を得ておいて応えないなんて非礼は許しませんことよ」

 技能スキル『礼儀作法』を使っての交渉。響納は更に『聞き耳』を駆使する。少しでも情報を多く得る為に聞き漏らさない様にシッカリと。

 フ~。ヨカッタ! ドウヤラボクタチダケジャナカッタワケダ。ジツハボクタチコノダンジョンタンサクハ、ハジメテデネ……!

「……失礼ですが用件だけを仰って貰えませんこと? こちらも用があってこのダンジョン探索に参りましたもので。それなりに急いでるのですわ」

 なるべく交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進める駆け引き上手な響納。
 感心してそれを見ていた納花もお話しや交渉は好きだ。

「一体、何が遭ったのですの? もしかしてお腹が空いて倒れそうとか? 何なら小さなスイーツや飴ちゃんでもいかが? 皆さんで一緒に食べれば落ち着いて色々話せるのですわ」

 ジツハ……ボクタチ、オトシアナノワナニヒッカカッチャッテネ。ココカラハイアガルタメニハホカノタンサクシャノタスケガヒツヨウナンダヨ!

「それは大変ですわね。今すぐ助けて差し上げなければいけませんわ。場所を教えてくれませんこと?」

 少し妙な違和感を感じつつも、冷静に響納は応対して納花にアイコンタクト。そのメッセージは『納花様も、これで良いですか?』と言う合図。
 納花も何か嫌な予感が拭えなかったが、とりあえずOK。コクコク頷いた。

 バショ……バショハキミタチノイルイチカラ、マッスグイッタアト、フタテニワカレルミギガワノツウロノトチュウニ……アルハズ……ダ。

「響納さん……! コレ、急がないとヤバいですわ!」
「……そうですわね。私のアーティアに乗って直ぐに向かいましょう。飛んで行けば罠に引っ掛かるリスクもかなり減りますし」

 どうやら、例の『交渉者』なる探索者集団の声から察するにかなり衰弱している様だ。そう思った納花はもしやと思い、関西弁(?)みたいなのが飛び出す。

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『サモン・アーティア』(アーティアトイッショナラ・キットドコマデモ)を発動する響納。

「私の可愛いアーティア、少し手伝ってくれると助かりますわ。さあ、来てくださいませ……」

 バッサバッサ……と、アーティアに乗って向かった先にある――二手に分かれる右側の通路の途中に……確かに既に起動した罠らしき落とし穴があった。

 響納と納花は恐る恐るその穴の中を覗く。するとそこには……何者かの亡骸があった。しかも一人じゃない。
 幾人かの亡骸が……重なっているのだ! 思わず背筋に悪寒が走った響納と納花。

「ど、どういう事ですの? 響納さん、分かります?」
「出たタロットカードは逆位置の『交渉者』。これは……もしかすると」

 混乱であたふたしてる納花に、先程行ったタロットカード占いを照らし合わせる響納。

「そうだ……君達は、僕の『交渉者』。見事に誘き寄せられて、罠に引っ掛かったのさ♪」

 落とし穴から少し前に離れた広間。宙に浮いた|骸骨魔術師《スケルトンウィザード》がいた。言語が話せる辺り、かなり賢いバグプロトコルだ。

「あの骸骨魔術師さんが……ここに来る探索者達を罠に引っ掛けたのですの?」
「納花様! 危ないですわ……!」

 |骸骨魔術師《スケルトンウィザード》は容赦なく『火』の魔術を展開……! まるで生き物の様に納花に襲い掛かる!

 ゴオオオ!

「あちちちちち……!!!」

 あまり殺伐とした戦い方をしない納花。その光景はギャグになることの方が多い。
 それにしても、自慢のシーツが台無しだ。思わず吹き出しそうになったのは秘密の響納。

「……ぷっ! くくく……。だ、大丈夫ですの? 納花。あなた……。で、でもご安心を! 今すぐ治してあげますわ」

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『生まれながらの光』を発動。【聖なる光】が納花を高速治療して、その代わり響納自身に疲労の負荷が掛かる。

「お、おおきに! 危うくアタシの素顔が本邦初公開されるところでしたわ……!」
「まあ、ともかく……私がサポートに回りますので、あのバグプロトコルは頼みましたわ! 納花様」

 響納は|UC《ユーベルコード》(WIZ)『魔法力増強機関』(ルーンバーニングエフェクト)を発動する!

 【自身の魔力】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。

「少々面倒なことになりますが、背に腹は代えられませんわね。……後は頼みましたわ」

 響納の支援を受け、力を得た納花も|UC《ユーベルコード》(POW)『ブレイブソード』を発動!
 自身の【勇者の武器】から、戦場の仲間が受けた【負傷】に比例した威力と攻撃範囲の【光の斬撃】を放つ。

「い、行きますわ! い、行って良いんですの?」

 最初の落とし穴で見た幾人もの亡骸と、相手の|骸骨魔術師《スケルトンウィザード》の姿にビビりつつ納花は立ち向かう! ……が。

 ぺチン♪

 武器も直前で刃を返して叩いたり……その光景はギャグになることの方が多い。

「痛っ! く……舐めた真似を! だが、大した事ないな。まずはあのサポート役の女の方を片付けるか……!」

 ……が。逆に敵の逆鱗に触れてしまった様だ。今度は『風』の魔術を展開! 響納に竜巻が襲い掛かる!

「キャア!」

 殆ど昏睡状態に陥落していた響納はすぐに巻き込まれ、上空に吹き飛ばされた後……激しく地面に叩き付けられる!

「響納さん! この~……アタシも本気出しますわ!」

 最初から出せよ。

 ズバァ……! 【勇者の武器】が本領発揮! 戦場の仲間の【負傷】が|引き金《トリガー》となり、強力な威力を放つ【光の斬撃】が広範囲に降り注ぐ!

 ぐわ――――――――!!!!

 響納の|UC《ユーベルコード》と納花の|UC《ユーベルコード》の連携。上手くかみ合って、6倍になった攻撃力を誇る【勇者の武器】が響納の【負傷】によって比例した威力が火花を散らした……!

 【光の斬撃】――聖なる力が弱点だったのか、呆気なく敵はそのまま消えていった。

 *

「ん……?」
「あ、やっと目が覚めましたわね。響納さん!」

 響納が目覚めると、寄り添う様にそこには納花がいた。戦闘から少し経っていたが、場所は変わらない。

「それにしても……この落とし穴で朽ちていった亡骸の正体は一体なんですの? 最初の『声』と何か関係が?」
「例の『交渉者』。|骸骨魔術師《スケルトンウィザード》は私達を罠に嵌めた……と仰っていましたわね。だとすると――」
「それ以上は堪忍ですわ響納さん! 先へ急ぎますわ……!」
「ふふ♪ あなた、シーツお化けにも怖いものがあるの?」
「なにごとも、ほどほどが肝心ですわ」

 結局、真相はお蔵入りにして響納と納花は先へと進む。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『パルニー』

POW   :    とびつく
【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD   :    はねる
【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。
WIZ   :    いたずらパルニー
【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。

イラスト:仮名ゆたか

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Mr.マネーマンの警告
 どうやら敵さんの親玉。その配下『パルニー』がこの層には潜んでいるみたいだ。

 Mr.マネーマンの警告によると、『パルニー』はその個体は弱いが、悪戯好きで集団で来られると厄介な相手との事。

 『パルニー』を叩き、ついでにボス攻略出来る|お宝《アイテム》も手に入れちゃいましょう♪

 さあ、皆で|Get rich quick《一攫千金》!
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に

アドリブ・絡み・可



「Mr.マネーマンの警告だと、何か『パルニー』とか言う厄介なバグプロトコルが潜んでいるみたいだね」

 昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動しているのは鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)だ。

 故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師は、

「まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ」

 単独行動でも俄然強気だ。まあ、ここまでやって来た|猟兵《イエーガー》の鳶沢なのだ。
 例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけ。でも集団での行動も嫌いじゃない。

 ……と、金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層を罠に気を配りつつ歩いていたそんな時だ。何かの気配を察知した。

「……むむ!? 敵か?」

 颯爽と三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に身構える。その敵らしき『何か』は壁・床・天井を跳ねて俊敏なスライムみたいに素早く移動している。
 予想通り『パルニー』だ。しかも更にダンジョンの奥を見据えると複数体発見。『パルニー』は集団で来られると厄介な相手。
 それなりに警戒しながら近付いていくと、早速『パルニー』の一体がこちらに気付いて攻撃を仕掛けて来た!

 |UC《ユーベルコード》(POW)『とびつく』――【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。

「ふふん♪ 一体だけならチョロいん――」

 ――だよね! と、言おうとして軽く二つの『詠唱三角定規』で蹴散らそうとした矢先。最初の一体から2匹目、3匹目……と、次から次へと鳶沢に気付いて飛びついてきた『パルニー』の軍団……!

「っわ! とと……痛っ!  何だこいつ等、ホント面倒臭いな!」

 思わずMr.マネーマンの警告を思い出す鳶沢。『集団で来られると厄介な相手』――正直、今更な話である。更に敵の攻撃はエスカレートする!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『はねる』――【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。偽物を触ると爆発して【火傷】の状態異常を付与する。

「……うわわ! こいつ等~。……ん? 何だこのヘアバンド。随分、綺麗だな。もしかして……レアアイテムなのかな?」

 ズドーン! お見事【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】に触れて、ジャストミートする鳶沢は真っ黒こげ。おまけに【火傷】してしまった!

「熱ーい……! くそ! このままで終われるかよ!」

 口調は荒っぽい鳶沢だが、一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん。

 敵『パルニー』が集団で周囲を取り囲んできた! 素早く、技能スキル『医術』と『薬品調合』を駆使。そこに『浄化』を加えて【火傷】してしまった所に回復薬の軟膏を塗る。更にこれ以上【火傷】するのを防ぐ為、『火炎耐性』にも抜かりはない。

「さて、どう来るのかな?」余裕の表情で『パルニー』達を牽制。しかし、ここで終わる『パルニー』でも無い。

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『いたずらパルニー』――【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。

 ぴょんぴょんぴょんぴょん♪

「うお……! まだ何か出てくるのかな?」

 さっきの【火傷】の事もあり、思わず退いた鳶沢。気付いたら壁に背を付いていた。どすっ……! と、硬い壁面の音を合図に三体の悪戯『パルニー』が【バグテクスチャ】をその身に纏い攻撃を仕掛けて来た!

「チッ! あんた等もしつこいんだよね!」

 素早く二体の攻撃を回避。最後の一体は十八番の『詠唱三角定規』で迎え撃つ……! と、その時。予想だにしていなかった事態が鳶沢を襲った!
 突然の爆発。恐らくさっき仕込んだ【バグテクスチャ】によるものと思われる攻撃が鳶沢の武器『詠唱三角定規』を触れた瞬間に狂わせて、破壊。消滅させる!

「……くっ! |GGO《ゴッドゲームオンライン》ならではの仕様なのかな? これはしてやられたね!」

 さっきまで手に持っていた『詠唱三角定規』の感触が全くない。正に手品の様に消えてしまった。

「ここまで追い詰められるとは思わなかったけど、仕方ない。あれを使うしかないな」

 『パルニー』達がジリジリと間合いを詰めて来る中、鳶沢は反撃に出た!

「道真さんよろしくー」

 UC《ユーベルコード》(WIZ)『火雷神道真』(ライジーン)を発動!

 レベル×5本の【雷】属性の【礫】を放つ。

 ズドドド――――――ン! 強力な稲妻の礫が鳶沢を取り囲んでいた『パルニー』達に猛威を振るう……!

 『パルニー』集団は全滅。もうこのエリアにはいないと判断した鳶沢。

 個体としてはそこまで脅威ではない『パルニー』にここまで追い込まれるとは思わなかったが、元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったりする鳶沢。実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明。
 そんな彼をここまで追い詰めるとは中々に侮れない敵だ。

 それを覚ったのか、『パルニー』は鳶沢を祝福するかのようにお宝。手土産を置いて行った。

 罠じゃないよね? と、思いつつ警戒しながらその宝箱を開ける。

 それはいつの日に偶然見つけたのと同じ『|魔導書《グリモア》』。これがこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』を牛耳るボス戦で役立つのかはともかく、高値で売れそうだ。……ちょっと怪しいけど。

「え、これが魔導書? まあどうしよう?」

 軽い駄洒落で気分を持ち直し、その先へ。進んで行く鳶沢なのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・祭莉(サポート)
「おおー、いっぱいいるねー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。

いつも深く考えず、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語を多用します。

ユーベルコードは、補助的に使うことが多いです。
状況に応じて、グラップルでの接近戦、衝撃波でのなぎ払い、浮遊とジャンプ・ダッシュを組み合わせた空中戦のどれかで戦います。

多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!



「ここが金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層部なのかな? Mr.マネーマンちゃんの警告によると……ここには最奥にいるボスが配下のバグプロトコル。悪戯好きの『パルニー』ちゃんを解き放ったみたいだね♪」

 次にここ金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層部に姿を現したのはグラップラー×サウンドソルジャー、人狼少年の木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)だ。
 まだまだ未熟なアホの子だけれど前衛肉弾派で、積極的に行動する為……もしかしたら集団で襲い来る『パルニー』にも上手に立ち回れるかもしれない。

「ひゅいーん! それじゃあその『パルニー』ちゃんを倒せば、貴重なお宝。レアアイテムとか言うのも手に入るとか? わっはっはっは~♪ 出てこい『パルニー』ちゃん! おいらはこっこにいっるぞ~♪」

 いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビり。そんなお調子者の木元の安い挑発にしびれを切らしたのか、『パルニー』一体がひょっこりと現れた。

「お……み~っけ! さあ、おいらと勝負だよ! 『パルニー』ちゃん! ふっふ~ん♪ たった一匹なら、楽勝だよね☆ おいらだって一人前の|猟兵《イエーガー》を目指してるんだよ! 絶対勝ってみせるんだよね☆」

 余裕綽々。まるで自分のホームタウンで活躍するアスリート選手みたいなモチベーション。だが、しかーし事態はそんな易々と片付かなかった。『パルニー』ちゃんは一体だけじゃなかったからだ。

 ぞろぞろゾロゾロ……ぴょんぴょんピョンピョ~ン♪

 最初の一体を先頭にして、同じ『パルニー』が後続から次々と現れて来る! これには一人前の|猟兵《イエーガー》になる事を目標にしている木元も肝を冷やした。

「おおー、いっぱいいるねー♪ ……って、卑怯だよ! 正々堂々一対一で勝負しろバカ~!!!」

 しかし、そんな言葉が『パルニー』軍団に届く事は無い。無情で過酷な現実が木元に襲い掛かる……!
 そして一体の『パルニー』が早速攻撃を仕掛けて来た……!

 |UC《ユーベルコード》(POW)『とびつく』――【とびつき】で近接攻撃する。威力は低いが近くにいる限り、何度でも繰り出される連続攻撃は非常に厄介である。

 一体の『パルニー』が動き出すと、連動して後続にいた『パルニー』達も『とびつく』攻撃で木元に襲い掛かる。

 ぴょんぴょんぴょんぴょん! ビシバシビシバシ……!

 一体一体の攻撃は木元にとっても(?)そう脅威ではない。だが、それが集団でしかも連続となると話は別だ。

「痛い痛い痛い! いたたたた……! くっそ~。でも、ここで終わるおいらじゃないんだよね☆」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『灰燼拳』で近距離に攻撃を仕掛けて来た敵集団の『パルニー』を【素手】による超高速かつ大威力の一撃で牽制した。

 いつまでも続くかに思えた跳躍攻撃はそれを機に止み、木元はその好機を活かして技能スキル『激痛耐性』と『元気』、更に『鼓舞』を用いて凌ぎ、その後の攻撃にも備える。
 多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。

 敵。『パルニー』達はその全身のバネで放つ狼拳の威力に怯んだのか、近接攻撃を躊躇う様に距離を取る。次に攻勢を仕掛けるのは果たしてどちらか――?

「ふふ~ん? やっぱりおいらの『灰燼拳』に恐れをなした様だね♪ ……でも、近付いて来なければこっちから仕掛けるんだよ!」

 技能スキル『衝撃波』からの『なぎ払い』で次の一手を打つ木元。『パルニー』の集団は何匹か吹っ飛び、消滅。その他は警戒して更に距離を取り一端退いた。

「どどーん! さあ、降参するなら今の内だよ!」

 自身の|UC《ユーベルコード》『灰燼拳』と技能スキルの併用で形勢は逆転した。だが、『パルニー』達もまだ最初いた時の半分は残っている。
 そして余裕こいてる木元に怒ったのか反撃に打って出た!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『はねる』――【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。その偽物レアアイテム「パルニーヘアバンド」に触ると爆発して【火傷】の状態異常を与えるのだ。

 ぴょ~ん♪ ぴょ~ん♪ ぴょ~ん♪ ぴょ~ん♪

「……ん? 何だろ? 敵の様子がおかしいな。それに跳ねる度に何か落としている様な?」

 カラン♪ コロン♪ と、召喚されたレアアイテム『パルニーヘアバンド』の偽物が床に落ちて音を立てる。その正体に気付かない木元ではない。

「もしかして……あれがレアアイテムなのかな!? そうだよ! きっとおいらに恐れをなした『パルニー』ちゃんが降参の証としてレアアイテムを献上したんだね♪」

 しかし、それが偽物である眼力を持つ木元ではない。降参の証。そう解釈した木元は颯爽と献上されたレアアイテムではない唯の爆発物に近付き手を伸ばした。

「へぇ~。これがこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』のレアアイテムの一つなんだね♪」

 ずど~ん! いつも深く考えず、楽しそうにテンション高く対応する木元。これにはしてやられた。|爆発《エクスプロージョン》に巻き込まれぶっ飛ぶ。

 ぴょんぴょんぴょんぴょ~ん♪ まるで嘲笑うかのように跳ね回る『パルニー』の集団。

「ぐ……くっそ~! もう怒ったぞ! 全員纏めて蹴散らしてやる!」

 【火傷】を負った木元は全身煤だらけのままその言葉通り。ぴょんぴょこ飛び跳ねている『パルニー』達全員相手に『グラップル』での接近戦に持ち込む……! それに対し、『パルニー』達も最後の手段に打って出た!

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『いたずらパルニー』――【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。

 ズドン! バチリ! ドカン!

 引っ掴んで投げる。飛び掛かって来た敵に回し蹴り。更に後続に待機している敵に一歩踏み込み鋭いストレートを鳩尾に叩き込んだ……!

 意地の接近戦が功を奏したのか、もう『パルニー』達は後がない。だが、奴等の|UC《ユーベルコード》『いたずらパルニー』による飛び跳ね攻撃での被害も尋常ではない。

 実際、『花狼咆哮』と『わんこのしるし』が破壊され使用不能に陥った。そして、『パルニー』達は最後の力を振り絞り宙を舞う!

 その行動を先読みし、待ってましたと言わんばかりに『空中浮遊』と『ジャンプ』・『ダッシュ』を組み合わせた『空中戦』へと移行する木元。してやられたのは『パルニー』の方だ。

 逃げ場を失った奴等に最後の一撃。『灰燼拳』をもう一度。全力で叩き付ける……!

「ばばーん! これで……終わり――だよ!」

 バッシ―ン……!

 言葉通り、『パルニー』達を殲滅した木元。そして冥途の土産と言わんばかりに消えた『パルニー』が何かを落としていった。

 カランコロン♪

 本物のレアアイテム『パルニーヘアバンド』だ。これがボス戦でどう影響するのかはともかく、今木元に必要な物は……。

「……くぅ~ん。おいらお腹が空いちゃったんだよねぇ」

 それはそれは豪華な御馳走だったのは言うまでもない。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜鳥・藍(サポート)
生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧。だが両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。現在は帝都で占い師。

もふもふ大好き。
実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがち。
猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭いません。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は絶対にしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「それにしても金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』ですか? |GGO《ゴッドゲームオンライン》にこんな穴場スポットがあるとは知りませんでした」

 生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
 そんな『月抱く女教皇』の夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は今回の事件について、Mr.マネーマンの警告が出てから、この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』にて『パルニー』なる敵。バグプロトコルの出現に警戒していた。

「『パルニー』ですか……。一体どの様な敵なのでしょう?」

 それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧な夜鳥。だが、そんな彼女も色々と複雑な経緯があり両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。
 その後、猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。現在は帝都で占い師稼業に勤しむ。

「悪戯好きで集団で来られると厄介……。恐ろしい怪物でなければ良いのですが」

 彼女――夜鳥の思考の中で数体の猛獣が自分を取り囲む事を想像し、思わず身構える。

 ……ぴょ~ん♪

 そんな時、目の前に一体の『パルニー』と遭遇。まるで小動物に似た愛らしいその姿に夜鳥はキョトンと目を丸くした。鬼が出てくる事を覚悟して戦闘に|挑戦《チャレンジ》。挑もうとしていたら、思わぬ伏兵である。

「……え? これはどういう事ですか? こんな所で迷子になった……兎さん?」

 もふもふ大好き。実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがちな夜鳥はそいつが『パルニー』である事等、微塵も思わなかった。迷える兎さん。それが夜鳥の第一印象である。

「あらあら。どうしたの兎さん? もしかして迷子ですか? この辺りには悪戯好きな『パルニー』がどこかに潜んでいます。これは仕方ありませんね。私がお家まで送り迎えして差し上げましょう」

 何だかんだ理由を付けて、自分に言い訳。その兎さん事『パルニー』を保護しようとする夜鳥。しかし、直ぐに『パルニー』の反撃が始まる……!

 |UC《ユーベルコード》(POW)『とびつく』――【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。

 バシィ……! 兎さんと呼ぶにはあまりにも強烈な一撃。目の前にいるのはまさか……。

「もしかして兎さん。あなたが……『パルニー』なのですか?」

 ズドーン! と、夜鳥の全身に稲妻が走る……!(※あくまでも比喩表現です)そんな……。自分が想像していた鬼の軍団とは似ても似つかない。こんな愛らしい姿の兎さんがまさかの『パルニー』だなんて、信じられない!

 これまでの人生で13番目くらいの衝撃を受けた夜鳥。唯、彼女も|猟兵《イエーガー》だ。こんな所で挫ける訳にはいかない。

「……くっ! こんな所で負ける訳にはいかないのよね? 良いわよ。可愛い兎さん……じゃなくて『パルニー』さん。この私、『剣持たぬ天秤の女神』である夜鳥・藍が相手になるわよ」

 本音で話す前口上を述べて、やっとこさ夜鳥も戦闘態勢に入る。『パルニー』は奇妙にぴょこぴょこと、まるで反復横跳びをする。一体何をしているのだろう? と夜鳥が疑問に思ったその矢先。

 ぴょんぴょこぴょんぴょこぴょんぴょんぴょんぴょ~ん♪

 ダンジョンの奥から今、相対している『パルニー』とは他の『パルニー』軍団が次から次へ続々とやって来た。
 不意に夜鳥は思い出す。Mr.マネーマンの警告。

 ――『パルニー』はその個体は弱いが、悪戯好きで集団で来られると厄介な相手――

「……なるほど。さっきの奇妙な反復横跳びは仲間に自分の位置を教える合図だった訳なのね」

 まだ、余裕を保っていられる夜鳥。だが、これ以上『パルニー』が鼠算式の様に増えるのだけは勘弁願いたい。つまり、先手必勝。短期決戦を挑みに行く……!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『銀狼招来』(ギンロウショウライ)を発動する!

「さあ、行きましょう」

 自身の身長の2倍の【翼持つ銀狼】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。

 名は白銀(しろがね)。右が青左が金のオッドアイ。「月」のカードを媒体に呼び出す。

 そしてそのまま技能スキル『騎乗突撃』を敢行! 空中から一気に滑空し、ダンジョン内部を地響きで揺らした。怯んで逃げる『パルニー』達。だが、個では負けても皆でいれば怖くない!

 そう言わんばかりに『パルニー』は次の攻撃に出た!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『はねる』――【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。

 必死こいて飛び跳ねる『パルニー』達の様子に何か異変を察知した夜鳥はすぐにそれが罠だと分かった。

 カランコロン♪ そして次から次へと出現するレアアイテムと思しき『パルニーヘアバンド』の偽物。

 最初の反復横跳びとは違うが、その後の集団を呼び出す所に奇妙に脳内で合致する。

 ――それは罠だと。

 試しに装備している武器『青月』に技能スキル『念動力』を応用して稲妻を撃ち抜いた!

 武器『青月』はほのかに青白い月光を放つ鋒両刃造の打刀。そりが浅く雷との親和性が高い。その為、『念動力』を駆使すれば静電気の様に摩擦によって帯電する小さな『雷』も意図的に撃ち出せるという訳だ。唯、その発生条件は一度『青月』を鞘に仕舞い、『念動力』を保ったまま勢いよく抜き出す事。

 少しの摩擦で生じた静電気を『念動力』で巨大化させて『雷』に化けさせたのだ。

 そして、その稲妻に撃たれたレアアイテム『パルニーヘアバンド』の偽物は次から次へと強力に爆発した。やはり自分の直感は正しかった。夜鳥は『翼持つ銀狼』の白銀に偽物レアアイテムを踏まない様に注意して、そのまま空を飛翔。

 未だ、『青月』に宿る稲妻を利用して地上にいる『パルニー』の集団に向けて雷の雨を降らせる……!

 ズドン! ズドン! ズド――――――ン!

 稲光と共に『パルニー』達は消し飛び、同時に偽物レアアイテム『パルニーヘアバンド』の誘爆で遂に『パルニー』はいなくなった。

「……ふう。ありがとうね。白銀。あなたのお陰で何とか爆発から逃れる事が出来たわ」

 警戒を解いて地上に降り立つと、戦闘の終了を確信した夜鳥は大きく伸びをした。そして、ダンジョン内部を探索。宝箱を発見……!

「あら? こんな所に宝物が……せっかくですので頂いておきましょう」

 宝箱を開けると、中から何と『パルニー』の生き残りが飛び出してきた!

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『いたずらパルニー』――【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。いきなりの不意打ちである……!

「白銀!」

 素早く『騎乗』した夜鳥のその一言で自分のすべき事を理解した白銀は宙へ舞う。一瞬の判断で何とか敵の攻撃を寸での所で回避。『青月』から最後の稲妻を浴びせて、生き残り『パルニー』の討伐は今度こそ完了。

「……油断も隙もありませんね。今度から戦う時は敵の容姿には注意しないと」

 気付くと今、開いた生き残り『パルニー』の宝箱の奥に何かが光っている。それは豪奢なダイヤモンドが嵌め込まれた『大きなダイヤの指輪』だ。これがこのダンジョンの最奥に待っている次のボス戦でどう機能するかはともかく、電子通貨『トリリオン(T)』に高額で換金出来るだろう。

 今度こそ戦闘は終わった。う~ん! と、翼持つ銀狼の白銀と一緒にまた大きく伸びをする夜鳥なのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ

猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ

止められたら、別のユーベルコードを使います

さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ


クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪



「基本は一般人の安全を優先で♪ 多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪」
「クローネさん? もうここはバグプロトコルの親玉がアジトにしている危険な場所なのよ。一般の方は既に退避している……そうじゃなくて?」
「カグヤちゃんの言う通りだよ★ でも、もしかしたら逃げ遅れた人がどこかで隠れながら助けを待ってるかもしれない♪ クローネちゃんはそう思うんだよね★」
「なるほど……言われてみればそうなのかもしれないわね。盲点でした。Mr.マネーマンとか言う方の警告にばかり気を取られていて、誰かが救助を待っていると言う所まで私は頭が回りませんでした。『パルニー』を退治したら、念の為、一般人の生き残りを探しましょうか」

 『パルニー』なるバグプロトコルが潜んでいる金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層部。そこに姿を現したのは、女|猟兵《イエーガー》二人組だ。

 一人はカグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)。そしてもう一人はクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)だ。

 クローネの言う通り。まだ救える命、その|遺伝子番号《ジーンアカウント》の焼却すらも歯止めを掛ける事は可能だ。

 だが、カグヤの言う事も忘れてはいけない。

 Mr.マネーマンの警告。この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層部に隠れ潜む『パルニー』の存在を。

「さて……ここにいる猟兵の方々はオブリビオン『パルニー』を殲滅することを目的としているご様子。ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を私は放ちますわ」
「わ~お♪ 何か凄そうだね♪ カグヤちゃん、それ★ クローネちゃんはコメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪」
「コメディ色って……クローネさん、あなた……状況を理解してるのよね? まあ良いわ。私は止められたら、別のユーベルコードを使います。さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます」
「だ~いじょうぶ! えっち系はばっちこい★ 状態変化もばっちこい♪」
「はぁ~……何だか変な頭痛がしてきたわよ。本当に大丈夫なのよね?」

 どんな時でもマイペースなクローネとやや落ち着いた印象を持つヤドリガミの神器遣い×悪霊のカグヤ。
 果たしてこの凸凹コンビは目的を達成出来るのか?

「ところで、クローネちゃん気になってたんだけど……カグヤちゃんって元々どこ出身なのかな?」

 ぴょ~ん♪

「故郷は管理社会。更に言えばスペースシップワールドよ。モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ」
「年はいくつかな? クローネちゃん、もっとカグヤちゃんの事知りたいんだよね★」

 ぴょ~ん♪ ぴょこぴょこぴょこぴょこ……!

「女性に年齢を聞くものではなくてよ。そんな事よりもあなた、クローネさん。あれが『パルニー』ではないのでは……?」

 何気なく話題を逸らす104歳の女|猟兵《イエーガー》カグヤ。
 しかし、次に出たその言葉は的を得ていた。

 最初に一匹見つけたと思いきや、直ぐにその後ろからぴょこぴょことカエルの様に飛び跳ねて続々とやって来る『パルニー』達。その数は……想像してるよりも多い。……いや、かなり多い。

「あ、ホントだ! まあ、良いや♪ お話の続きはあの『パルニー』軍団を倒してからだね♪」
「はぁ~……。仕方ないわね。でも、あの数を一気に仕留めるには、私の|UC《ユーベルコード》が効果的よ」
「さっき言ってた『ジャッジメント・クルセイド』の事だね★ なら、クローネちゃんは集団召喚系か範囲攻撃系の|UC《ユーベルコード》を優先して使うよ♪」
「クローネさん。出来れば相手をその場に引き付ける範囲攻撃系をお願いするわ。敵がそこに密集して、気を取られてる内に……」
「……ど~ん! だね♪」

 さて、女|猟兵《イエーガー》同士の|密会《ミーティング》は終わり……早速、戦闘は始まった!

 敵。『パルニー』の集団がこちらへと勢いよくやって来て、次から次へと|UC《ユーベルコード》(POW)『とびつく』――【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。

 その『とびつき』で、カグヤとクローネに連続攻撃! 正に質より量だとでも言わんばかりに、二人に前線、中盤、後衛と代わる代わる襲い掛かって来る……!

「……くっ! 可愛らしい姿とは思えない程の狡猾さね! クローネさん! 作戦通りにお願いよ!」

 シリアスな場面では状況の解決を優先するよ――そう言わんばかりにクローネはカグヤの言葉に頷いた。

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『クローネちゃんの淫魔アイドル活動★』(ブラック・サキュバス・アイドル・アイカツ)を発動!

「何をするのかって? ……|アイカツ《愛する人達を守る活動》だよ★」

 【淫魔アイドル】に変身し、武器「【マイク】と「魅惑の歌声」【セクシーダンス】」の威力増強と、【小悪魔の翼】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。

 『パルニー』軍団の一方的な攻撃は、一時的に止まり『淫魔アイドル』と化したクローネの方へとその矛先は向けられる。

「ほらほらぁ~♪ 『パルニー』ちゃん、絡みOK、NG無しだよ★ 皆の笑顔の為に……クローネちゃんは空を飛び、歌って踊る★ 全員纏めてこっちにおいで~♪」

 ぴょんぴょんぴょこぴょこ……!

 カグヤにも纏わりついていた『パルニー』達は一斉にクローネの方へと引き付けられて向かって行った。
 その隙に……カグヤも|UC《ユーベルコード》を発動する!

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『ジャッジメント・クルセイド』――【指先】を向けた対象に、【天からの光】でダメージを与える。命中率が高い。

 上下左右に照準を合わせて、カグヤの指先はそのクローネに上手く誘導された『パルニー』達へと向けられる……!

 ズドドドドド~ン!!!

 【天からの光】が『パルニー』達の半分以上を撃破。皮肉にもカグヤはその『パルニー』に向けて宣告する。

「これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ」

 |惑星破壊レーザー《ジャッジメント・クルセイド》は亜空間から発射されます。

 カグヤが放つ【天からの光】。それを最も脅威だと途中から気付いた見た目以上に賢い『パルニー』軍団は、それぞれが分かれて個体ごとに別々の|UC《ユーベルコード》で仕掛けて来る!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『はねる』――【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『いたずらパルニー』――【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。


 もちろん、クローネの淫魔アイドル活動は止まらずに続いている。二手に分かれた『パルニー』達は最後の攻撃を仕掛けて来たのだ。

 勘の鋭いカグヤは『はねる』で飛び跳ねてきた敵にそのまま指先で攻撃を放つ。【天からの光】が容赦なくその『パルニー』を蹴散らすと、そこから落ちてきたレアアイテム『パルニーヘアバンド』の偽物にも指先を向けて攻撃。思った通り、それは起爆し他の『パルニー』達諸共吹っ飛び、【火傷】を負わせる。

「予想通り。あのヘアバンドは罠なのね」

 思わず苦笑するカグヤ。この罠を早めにクローネにも伝えなければ……。

 一方、そのクローネは『いたずらパルニー』により散々な目に遭っていた。

「……わわわ! ちょっと『パルニー』ちゃん! そこまで攻めて来るのは反則♪ やり過ぎだよ★」

 一体何を思ったのか、変なプレイに走っている。『パルニー』がそのもふもふで触れた部分の装備品が所々、はだけて淫魔アイドルそのものと化したクローネはどこか嬉しそうに愉悦に浸る。何だコレ?

 マイクを失っても、|アイカツ《愛する人達を守る活動》を止めずに『魅惑の歌声』で『セクシーダンス』しているクローネを見て、カグヤは思わず呟く。

「あの子……もしかしてドMなの?」

 『いたずらパルニー』と一緒に楽しく遊んでいるクローネの邪魔をしない様にまさかの放置プレイ。呆然と眺めていたカグヤは、いやいやこのままではいけない! と、頬を両手でバチコーンと張って正気を取り戻す。そして、直ぐに指先をクローネ周辺にぴょんぴょこ陣取っている『パルニー』の集団に向けて【天からの光】を放つ。

 正に精密射撃。命中率の高いその攻撃の一つ一つは、プロの|狙撃手《スナイパー》のライフル弾の様に亜空間から相手を正確に射抜く。間違ってもクローネに掠り傷一つ負わせない様に。その本人はenjoyしているけれども。

 そんなこんながあり―の……カグヤとクローネは見事に敵を殲滅する事に成功した。

「作戦……」「……成功だね♪」

 パチ~ン♪ と、女|猟兵《イエーガー》同士の美しく爽快なハイタッチが快活にダンジョン内部に鳴り響いた。

 そんなナイスな凸凹コンビに思わぬ来訪者が顔を見せる。その人物は……クローネの予想通り。逃げ遅れて隠れ潜んでいた一般人だ。

「助かったよありがとう! お嬢ちゃん達のお陰で|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却されずに済んだ。これはここで採れたお宝だ。君達二人に上げるから、この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の奥に潜むボス戦にでも役立ててくれ」

 そう言って手渡された物。カグヤは『月明かりの扇』をクローネは『魅惑のブレスレット』をそれぞれ手に入れた……!

 こうして、カグヤとクローネは見事にこのダンジョンの敵を殲滅。一般人の生き残りを救ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

藍沢・瑠璃(サポート)
【性格】
自分に自信がなくて基本的にネガティブな思考ですが臆病というわけではなく意外と思い切りはいい性格をしています。
強い相手には相応にビビりますが弱そうな相手(集団敵)には基本的に強気です。
普段は敬語で一人称は「ボク」です。
【戦闘】
ボス的にはビビりつつもなるべく油断させて隙に怪力を生かした接近戦で圧倒しようとします。基本は接近戦しか能がありません。
集団的では一転して強気になって敵陣に突っ込んで格闘で蹂躙したり怪力で(文字通り)ちぎっては投げして戦います。
基本的に接近戦しか能がありません。



「うぅ……強い敵が出ません様に。|GGO《ゴッドゲームオンライン》の神様、よろしくお願いします」

 自分に自信がなくて基本的にネガティブな思考ですが臆病というわけではない。
 そんな藍沢・瑠璃(ヤドリガミのゴッドハンド・f37583)が金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の中層部に現れた。

 これでも彼女は女|猟兵《イエーガー》だ。それも、元々は二代藍沢恒実が作った『|瑠璃宝丸恒実《るりほうまるつねざね》』なる巨大太刀で、更にそこに怨念が込められた妖刀である。

 唯……誰もが恐怖する妖刀なだけに誰にも使われず放置された事で、現在のネガティブでコミュ障な少女に生まれ変わってしまった。

「ここを運営しているMr.マネーマンさんの警告によると……『パルニー』とか言う悪戯好きなバグプロトコルが出てくるみたいだけど、ボク一人で大丈夫でしょうか」

 強い相手には相応にビビリますが弱そうな相手(集団敵)には基本的に強気になる藍沢。すると、数メートル先に誰かが倒れているのを発見!
 『パルニー』ではないと判断した藍沢はもしかして……と、思いすぐに駆け付ける。

「大丈夫ですか!? もしかして、あなた……」
「ううっ! ……ん? まさか君は|猟兵《イエーガー》さん……かい?」

 藍沢の予想通り。その人物は、まだ息がある|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却されていない|GGO《ゴッドゲームオンライン》プレイヤー達の一人だ。
 その男は外傷がそれ程酷い訳ではない。一時的に気を失っていた様だ。だが、万が一という事もある。

「早く、ここから脱出してすぐに医者に診てもらわないと……! 大丈夫ですか?」

 素早くその一般人の肩を担ぎ、歩き出す藍沢。だが、その一般人の口から思わぬ言葉が飛び出した。

「……駄目だ! 俺を運んで行ったら、あんたも奴等の餌食になってしまう……! 俺の事はいいからここは一端退却した方が良い」
「奴等?」

 ぴょ~ん♪ ぴょんぴょこぴょんぴょん!

 まさか……と思った時にはもう遅かった。これは『パルニー』の罠だ。気絶した一般人を使って、|猟兵《イエーガー》達を誘き寄せる。
 そして『パルニー』軍団は藍沢を取り囲んだ。正に袋の鼠。しかし、意外と思い切りはいい性格の藍沢。こんな時こそ妖刀の力を発揮する……!

「ふふん? こいつ等が『パルニー』ですか? こう見えてもボクは妖刀。更に女|猟兵《イエーガー》です! この勝負受けて立ちましょう!」

 ボス格の敵にはビビりつつもなるべく油断させて隙に怪力を活かした接近戦で圧倒しようとする藍沢。
 しかし、今回は集団の敵。ここ金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の奥に潜むボスの配下だ。
 そのバグプロトコルが集団で襲って来ようとも、ボスには及ばない。

 一転して強気になって敵陣に突っ込んでいく。これには『パルニー』達も虚を突かれたのか一瞬の隙が出来た。

 その|機会《チャンス》を見逃す程、藍沢はバカじゃない。自身の格闘技を駆使して敵を蹂躙したり技能スキル『怪力』で(文字通り)ちぎっては投げして戦闘にのめり込んでいく……!

 ボスにしろ集団のその配下にしろ、基本的に接近戦しか能がない藍沢。だが、それは同時に『パルニー』側にも同じ事が言えた。

「ふっふっふ♪ こんなものですか? 『パルニー』も大した事な――ふぎゃっ!」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『とびつく』――【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。

 不意打ちの【とびつき】連続攻撃が藍沢を襲う。しかもかなりの数の【とびつき】なので、藍沢は殆ど反撃出来ない。

「ぐっ! わっ! おっとと……痛い痛い! この~。ボクを怒らせたな? 良いでしょう。その覚悟。受け取ります……!」

 売られた喧嘩は買う(集団戦限定)。正直、今更な話である。但し、藍沢が本気モードに入ったのは事実で、技能スキル『集団戦術』で敵。『パルニー』軍団の動きを予測して分析。戦術を構築していく!

 そして――敵を一掃するべく|UC《ユーベルコード》(POW)『一撃必殺』――【拳】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。

 更に肉弾戦にのめり込む藍沢。度肝を抜かれた『パルニー』軍団は徐々にその『個』の力に圧倒されていく。『個』ではなく質よりも量だと言わんばかりの集団敵『パルニー』は一度藍沢が『一撃必殺』の【拳】を振り抜き、叩き付ける毎に一気に大勢が吹き飛ばされ、態勢を崩していく。

 徐々に数が減っていく『パルニー』軍団。そしてそれに臆する事無く戦い抜く藍沢。『一撃必殺』の【拳】がまるで水を得た魚の様に急所を貫き敵を蹂躙する!

「……すっげぇ。あのお嬢ちゃん、バグプロトコルの集団相手に一人で圧倒してる!」

 その戦闘の様子を見ていた先程の一般人。女|猟兵《イエーガー》とは言えここまでやるのかと唖然となる。

 劣勢となった『パルニー』達は次の手段に打って出る!

 |UC《ユーベルコード》(SPD)『はねる』――【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。
 
 ぴょんぴょんぴょんぴょ~ん♪ カランコロ~ン♪

 次から次へと『パルニー』が何かを落としていく。藍沢は不審に思いつつも、そのヘアバンドらしき物に手を伸ばそうとした。だが……寸での所で思い留まる。

「これは……アイテムですか? 見るからに怪しいです。念の為、一度詳細を調べます」

 技能スキル『メカニック』でその中身を解析してみる。すると……。

 ピコーン♪ ビ~! ビ~! ――アイテム詳細。【|危険《デンジャー》】!

 すぐに解答が帰って来た。やはり罠か。

「危なかったです。さすがに二度も敵の罠に掛かる訳にはいきません……!」

 そしてまた藍沢はすぐに|戦闘《バトル》モードに切り替えて、接近戦に挑む……!
 もちろん敵の落とした偽物レアアイテム『パルニーヘアバンド』を踏まない様に、床に細心の注意を払い慎重かつ大胆に。

 『パルニー』との攻防は藍沢の優勢! そして、徐々に敵集団は無力化され、遂に藍沢に軍配が上がった……かに思えた。

「これで最後です! ふっふっふ♪ 『パルニー』とはこんなものですか?」

 バシィ―――! と、藍沢の【拳】が炸裂! 最後の一匹(?)を遂に討伐した。

「ふう~。Mr.マネーマンさんの警告は大袈裟ですね。多少、狡猾な所はありましたが……悪戯好きではなかった様です」

 これまでの自分の戦いに満足して、両手をパシパシと叩く。そして先程、救助した一般人の生き残りに手を差し伸べた。

「さあ、これで安心です。すぐに出口へ――」
「|猟兵《イエーガー》のお嬢ちゃん! 後ろ……!」

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『いたずらパルニー』――【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。

 ぴょ~ん♪ バシィ!

 恐らくどこかに隠れ潜んでいた最後の一匹の悪足掻きだろう。

 思いきり油断していた藍沢はその攻撃をモロに受けた! 装備品の一つ。『パワーフード』が使用不可能になる。

「あ~!! ボクとした事が……!」

 すぐさまそいつに止めを刺したは良いが……大事な装備品の一つを使用不能にされてしまった。

 だが、これでここに潜むバグプロトコルの『パルニー』を全て退治した。
 色々とあったが藍沢の勝利だ。

「お嬢ちゃん……助かったよ。大事な装備品の一つを失くしたのは俺の責任でもある。代わりと言っちゃなんだが、これを受け取ってくれ」

 藍沢が受け取ったのは――『漆黒のネックレス』だ。恐らく次のボス戦で何かの役に立つかもしれない。

「ありがとう! でも、ボク……ボスと本当に真面に戦えるでしょうか」

 ボス戦が苦手な藍沢にとって、これは重宝するだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『魔従姫』

POW   :    お前はワレの下僕となる、もうすぐな
【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。
SPD   :    お前はワレの下僕だ、今からな
指定した対象を【自身の配下モンスター】にする。対象が[自身の配下モンスター]でないならば、死角から【接触者をモンスター化する配下モンスター】を召喚して対象に粘着させる。
WIZ   :    お前はワレの下僕だろう、以前からな
対象に【自身の配下モンスターだという設定と記憶】を生やし、自身とのテレパシー会話を可能にする。対象に【洗脳とモンスター化】の状態異常を与える事も可能。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は札神・遊狐です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●洗脳し蹂躙し君臨する『魔従姫』
 遂に金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥に辿り着いた|猟兵《イエーガー》達。

 これまでの経緯からある程度ダンジョンでの戦闘も慣れた頃合いだろう。

 だが、最奥にはボス『魔従姫』が居座っている。今までとは格の違う相手だ。

 これまでの経緯でお宝を入手した者は、そのアイテムを何らかの形で活かせるかもしれない。
 また、入手していなくとも最奥の宝物庫に役立つ何かを利用出来るかもしれない。

 『魔従姫』がいなくなれば……この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』も落ち着き、元の活気を取り戻すだろう。Mr.マネーマンも一安心だ。

 くどいかもしれないが、ここにあるお宝はMr.マネーマンの許可を得て取り放題、使い放題だ。

 逆に『魔従姫』を倒す為にお宝を使うのを惜しんでいれば、戦闘は困難になる。

 さあ、ラストバトルは始まった。

 |Get rich quick《一攫千金》!
アスカ・ユークレース(サポート)
時に敵を救うために倒すという心情で戦う

機動力が欲しいときはフェイルノート、破壊力が欲しいときはbinary starと状況に合わせて武器を使い分ける

動体視力、反射、隠密能力、空間把握認識能力等機動型射手に必要な能力が高いレベルで備わっており射出武器使いとして優秀。

ド派手な弾幕とは裏腹に射程武器の強みを活かした中遠距離からの仲間の援護、連携の穴を埋めるバランサーとしての役割を最も得意とする。

遠距離からの一発必中の、隠密狙撃も行う。

肉弾戦は苦手だが近接が苦手なわけではなく下手に近づけばむしろゼロ距離射撃でボコボコに

後は状況に合わせて対応可能。



「さて……ここが金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥部でしょうか? Mr.マネーマンも困っている事ですし、早々にボスを片付けてハッピーエンドといきましょうか」

 アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)はいつ何時でもボスの襲撃に備えて……『フェイルノート』と『binary star』をすぐに取り出せる様に弩専用のホルスターを腰の左右にぶら提げていた。

 機動力が欲しいときはフェイルノート、破壊力が欲しいときはbinary starと状況に合わせて武器を使い分ける。

 すると……ゆっくりと何者かの巨大な『意思』が蠢く。すぐにそれを察知したアスカはその『意思』から素早く離れて、遠くの物陰に身を潜める。

「おや~? 新たなワレの下僕となる者の気配がしたのだが、気のせいだったかのう……?」

 巨大な『意思』の主。その名は『魔従姫』。このバグプロトコルの親玉が今回の事件の大元。元凶だ。

「あれが……ボスでしょうね。それにしても、この強力な『意思』は一体何でしょうか?」

 余りにも邪悪で凶暴な『意思』。それをすぐさま危険だと察知したアスカは反射して隠密能力を活かし、ダンジョン内部にある一番遠くの支柱から動体視力で相手の出方を窺う。
 空間把握認識能力にも優れたアスカはそのボス。『魔従姫』の力の奥底にある『意思』を認識。恐らく、この『意思』に触れたら黄信号。得体の知れない恐怖がアスカの全身に伝わる。

 動体視力、反射、隠密能力、空間把握認識能力等機動型射手に必要な能力が高いレベルで備わっており射出武器使いとして優秀なアスカはなるべく敵に近づかない様にして遠距離からの一発必中の、隠密狙撃も行う事を旨として戦う事にした。

「ふあ~ぁ。興覚めじゃのう。もうそろそろワレに戦いを挑む|猟兵《イエーガー》が来る頃合いじゃと思うのだが……もう少し寝ているか」

 敵。『魔従姫』が後ろを振り返り、背中を見せた。それを|好機《チャンス》と見たアスカは破壊力のある『binary star』――近未来的なデザインの対物用大型光線弩。デカくて重く溜めが必要だがその分強火力――の|引き金《トリガー》に指を掛けて照準を合わせる。

 その際、遠距離射程に必要な技能スキル。『視力』と『スナイパー』、更に火力を広範囲に活かす為の『爆撃』を仕込んで使う。

 出来るだけ確実に且つ強力な一撃を与える為に最大限溜めて|引き金《トリガー》を絞り、そして引き放った!

 ズドン……! バァン! バン! バァン!

 『魔従姫』の背中を捉えたその一撃。『爆撃』による火力も十分だ。だが……

「ほ~う? ワレの寝床を襲うとは良い度胸じゃのう」

 『魔従姫』に大ダメージを与えたのと引き換えに、どうやら怒りを買ってしまった様だ。

「……不味いです。このままだとこちらの居場所がバレるのも時間の問題でしょう」

 なるべく遠くにある支柱にその身を隠していたアスカ。転がる様にして別の場所へと移動して身を潜めた。

 その時だ。最初に感じた『魔従姫』の凶悪な『意思』が更に昂る……! 遂にラストバトルが本格的に始まった。

 |UC《ユーベルコード》(POW)『お前はワレの下僕となる、もうすぐな』――【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。

 いきなり先手をそれも背後から喰らった『魔従姫』。彼女の誇り。プライドが大きく傷付けれたのが余程気に食わなかったのだろう。初手から|UC《ユーベルコード》を発動してきた……!

 その|UC《ユーベルコード》により、『魔従姫』の『意思』が具現化し『黒狼』と『白龍』の配下モンスターへと変化する。

「お前はワレの下僕となる、もうすぐな」
「あの二体に触れたら厄介な事になるのでしょう。それならば……」

 撃ち落とすまでです……! そう言わんばかりにアスカは左のホルスターに『binary star』を颯爽と仕舞い、右手側にあるホルスターから『フェイルノート』を取り出した。今は破壊力よりも機動力で応戦するのが大事だと判断したのだ。

 ド派手な弾幕とは裏腹に射程武器の強みを活かした中遠距離からの仲間の援護、連携の穴を埋めるバランサーとしての役割を最も得意とするアスカ。
 今は単独行動でも、その自分の立ち位置を把握して脳内でシミュレーション。

 技能スキル『瞬間思考力』を駆使して、目を瞑る。

 敵。『魔従姫』を中心としてこのダンジョン最深部。『黒狼』と『白龍』がフィールド上のどこにいるのか、どうやって自分を見つけて、どの様な攻撃を仕掛けて来るのかを予測する。
 更に、このダンジョン最奥に置かれた宝物庫も確認。最悪の事態を想定してアイテムに頼るのも忘れない。

 そして――アスカは敵の位置を完全に把握した。

 『瞬間思考力』により脳内に焼き付いた情報を元に目を閉じたまま機動力に優れた『フェイルノート』――自動装填による速射を可としたピストル式機械弩。小型でも軽量、応用も利き機動戦向け――を撃ち抜く!

 『魔従姫』の邪悪な『意思』――そこから生まれた『黒狼』と『白龍』の次の動きを先回りして予測し、|先取り《インターセプト》する! その絶妙な位置に『フェイルノート』の矢の弾道。軌跡が描かれる。まるでゴルフの絶妙なショットが超高速で敵の動きを封じる様に、その矢は『黒狼』と『白龍』にピンポイントで吸い込まれていく!

 ズドン! ズドン! ギャオン……! ……グゲ!

「まずは二匹排除完了……です!」
「ほ~う。貴様がワレの寝床を邪魔した|猟兵《イエーガー》かのう?」

 思いもよらぬ敵。『魔従姫』の急接近! まさか……彼女の解き放った『意思』を具現化した『黒狼』と『白龍』は囮。本命はアスカの位置を確実に突き止める為だった?

 そんな事を考える時間も勿体無い。肉弾戦は苦手だが近接が苦手なわけではなく下手に近づけばむしろゼロ距離射撃でボコボコにすら出来る。

 咄嗟の状況判断で床を蹴り、飛び退りつつ『フェイルノート』と左のホルスターに仕舞っていた『binary star』を取り出し連続射撃。その際に技能スキル『弾幕』を用いて敵『魔従姫』を怯ませて、同時に視界を奪い自分の姿を文字通り煙に巻く。

 更にアスカは瞬時に|UC《ユーベルコード》(SPD)『観測者』(スターゲイザー)を発動した!

 妖怪【じみた観測力を持つ占星術師】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【監視される感覚と位置情報発信の】効果を与え続ける。

 その間、メダルを『魔従姫』の背中に貼り付ける事に成功。

 距離は取った。今は宝物庫の陰に身を隠し『魔従姫』の動向を再度窺う。

「クソが――――――! |女子《おなご》の|猟兵《イエーガー》如きが二度もワレに後れを取らせるか……!!!」

 そしてまたもや『魔従姫』は邪悪な『意思』を発現させ、そこから『黒狼』と『白龍』の配下を使って自分の位置を辿る。

 その時。アスカは一つの違和感に気付いた。

 新たな|UC《ユーベルコード》を発動しない? どうしてでしょうか? 先程、発動した|UC《ユーベルコード》から察するに、敵である私を洗脳するものなのでしょう。そこから考えられる事は……

 ――次の|UC《ユーベルコード》の発動条件を満たすには最初の|UC《ユーベルコード》を成功させるのが必要。絶対条件?――

 アスカのその推測は当たっていた。それならば、あの『魔従姫』の『意思』から創り出される『黒狼』と『白龍』の攻撃。或いは『魔従姫』自身の攻撃を凌げばそれ程脅威ではない。

 だが、それ故に『魔従姫』も本気を出す。さっきよりも凶暴な『意思』で『黒狼』に『白龍』の数を増やしアスカの居場所を探りに掛かる。

 しかし、アスカにはまだ切り札が残されていた。彼女が放った|UC《ユーベルコード》『観測者』(スターゲイザー)である。

「見テイマスヨ?」

 その一言が勝負の分かれ目。突然の謎の声。思わずアスカ以外にも|猟兵《イエーガー》がいるのかと疑いたくなる。そんな恐怖の声が『魔従姫』を惑わせる。

 見ているぞお前を見ているぞ逃げられるものかたとえ地獄の果てに行こうとも

「……な、何だ! これは? 奴以外にも他に|猟兵《イエーガー》の援軍が来たのか……!?」

 肉体的ダメージは元より、精神的苦痛を上乗せし『魔従姫』は混乱している。そして、アスカの位置を嗅ぎ取りに来た『黒狼』と『白龍』もろとも決定的な一撃を加える為にアスカは技能スキル『矢弾の雨』を降らせた……!

 グワアアアア……!!! ダンジョン最奥に極限の苦痛が叫び声となり、響いた。

「まだ、大丈夫なのよね? バグプロトコルの親玉」

 |UC《ユーベルコード》の発動条件であるメダルを『魔従姫』の背中から剥ぎ取り、本性が見え隠れしているアスカは倒れてるボスに声を掛けた。

「……ぐっ! ゲッホゲホ! やはり……さっきの見られている感覚。その声は貴様の罠だったのか」
「そうよ。さっき発動した私の|UC《ユーベルコード》はその相手を自分の監視下に置くものなの。あなたの|UC《ユーベルコード》。対象者を支配下に置くのと同じ様にね」
「ふん……! 似た者同士。今回はワレの負けだ。こうも|UC《ユーベルコード》の特性を見破られるとはな。貴様、名は何と言う?」
「アスカ・ユークレース。……あなたは?」
「バグプロトコルのワレに名など無い。『魔従姫』とでも呼べば良い」

 そうなのね……。

 時に敵を救うために倒すという心情で戦う事を旨とするアスカ。
 この『魔従姫』はどこか自分に似ている所がある。ならば決着はシッカリと付けねばならない。それがこのバグプロトコルの親玉への最後の情けだろう。

 そして、アスカは大型光線弩『binary star』を『魔従姫』の胸に向けて放った。

 その轟音はまるで金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の平穏を呼び戻す合図。

 平穏は戻ったが、アスカの胸中はどこか複雑だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

谷保・まどか(サポート)
怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンです
普段の口調は 人として生まれたもの(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
興奮したり気を抜くと 蛮族育ちの改造体(オレ、お前、だ、だな、だろう、なのか?)

普段は大人しく丁寧かつやや弱気な優等生少女ですが、興奮が強まってくると荒々しく狂暴な性格が出てしまいます

戦闘スタイルは蛮族式肉弾戦と自身の肉体を変容させて異形化しての戦い方を併用します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ。よろしくおねがいします!



「ここが、Mr.マネーマンさんが運営している金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥ですか? 凶悪なバグプロトコルの親玉。『魔従姫』がいるとの事ですが……」

 谷保・まどか(バルバロス委員長・f34934)は恐る恐る呟いた。自身の巨体をゆっさゆっさと揺らしながら(特に豊満な胸とお尻♪)、周囲の気配に警戒する怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンです。

「ほ~う? 『魔従姫』……それはワレの事だろう。ワレも随分と有名人になったものだな♪」

 すぐに声のする方へと視線を向け、一歩軽くステップを刻み後退する谷保。凶暴な『意思』が自分に対して敵意の牙をむいている……! 今、相対している奴が『魔従姫』で間違いないだろう。女|猟兵《イエーガー》としての直感がそう告げている。あくまでも直感だが、皮肉にもそれは当たっていた。

「あなたが『魔従姫』ですね。今からでも間に合います。今回の蛮行を認めて、すぐにこの|GGO《ゴッドゲームオンライン》の金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』から立ち去って下さい。そうすれば痛い目見なくて済みますよ」
「痛い目……だと? くっくっく! 年若い|女子《おなご》が何をほざく。ワレは最初からここでの戦いを望んでいるのだ。特に貴様の様な|猟兵《イエーガー》なる強者との|戦《いくさ》をな……!」

 『魔従姫』の邪悪な『意思』が蠢き、やがて『黒狼』と『白龍』の配下へと変化していく……!

「やはり、説得の通じる相手ではないですね。ここは私一人で肉弾戦に興じましょうか」

 覚悟を決める谷保。兎に角、あの二匹の配下。『黒狼』と『白龍』を何とかしないといけない。

 ――先手に出たのは、『魔従姫』。

 |UC《ユーベルコード》(POW)『お前はワレの下僕となる、もうすぐな』を発動させる!

 【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。

 谷保は正直な所、自身の肉体がマッドサイエンティストの手により改造されたが為に手に入れた巨体を素早く駆使する事が苦手だ。だが、その代わり人間の頃。委員長としての気質に蛮族式の野生の性質が上書きされた。やや歪な性格へと変化したその戦闘スタイルは蛮族式肉弾戦と自身の肉体を変容させて異形化しての戦い方を併用する事が得意になる。

 改造体としての力と蛮族式闘法を組み合わせて戦う……!

 自分のデメリットである素早さを補う為、技能スキル『闇に紛れる』を使う。

 すっ……と、谷保の姿が最奥ダンジョン内部の闇へと同化して姿を消した。

「フン! その様な小細工などワレに通じるものか。やれ! ワレの下僕である『黒狼』と『白龍』よ! 奴を死なない程度に八つ裂きにするのだ……!」

 ガルルルル……!

 クェ~! ……ケッケッケ!

 『黒狼』と『白龍』の唸り声。元は『魔従姫』の『意思』が具現化した二体。それ故に谷保は本体である『魔従姫』を倒さなければ、『黒狼』と『白龍』は何度でも復活すると認識した。

 特に『黒狼』と『白龍』及び|UC《ユーベルコード》の要の役割をしている『魔従姫』の手にしている杖。あれが、恐らく力を引き出す役割をしている。

「……それでしたら、背後に回り込み先手必勝です!」

 技能スキル『目立たない』と『迷彩』を効率的に活かし、更に敵の目を欺く。『黒狼』と『白龍』は谷保の足取り。そのにおいを嗅ぎ分けて、徐々に距離を詰めて来る。
 その本体である『魔従姫』は自分の存在に未だ気付いていない。さも、つまらなそうに生欠伸を噛み殺していた。今が|好機《チャンス》だ。

 谷保は巧みに自身の気配を殺しながら、『魔従姫』の背後へ辿り着く事に成功。その谷保の背後には今にもにおいを嗅いで『黒狼』と『白龍』が迫る……! そこで技能スキル『おどろかす』を使う。

 すぅ~っと、大きく呼吸を整えて……

 わぁ――――――――――!

「うわあっ!!! 何だ!?」

 メガホンを使ったかの様なその大声。一瞬、『魔従姫』に大きな隙が出来る。そこへ今かと肉弾戦を叩き込む谷保。

 技能スキル『暴力』『怪力』『捨て身の一撃』ときて……それ等の技能スキルを|最大限《フル》に活用した『叩き割り』の一撃を情け容赦なく、振り返った『魔従姫』の懐に入れる……!

「……っ! げほっ!」

 『魔従姫』の動きが止まる。そこに極力立ち止まって、自分を『囮』に引き寄せて……『ジャンプ』!
 背後から谷保を追っていた『黒狼』と『白龍』が飛び掛かって来る! しかし、既にそこに谷保の姿は無く、遥か上空に彼女はいた。『黒狼』と『白龍』は『叩き割り』で鳩尾を喰らった蹲っている『魔従姫』に何時の間にか襲い掛かっていた。

「……くっ! こら! やめろ!」

 まさか自分の下僕に襲撃を喰らうとは予想外だったのだろう。『魔従姫』の視線は宙に浮いている谷保を捉えていなかった。そこに更にもう一回。敵『魔従姫』の隙が出来た所を空中から奇襲しに掛かる谷保……!

「そうか。ならオレがお前の従僕を消してやろう!」

 普段は大人しく丁寧かつやや弱気な優等生少女ですが、興奮が強まってくると荒々しく狂暴な性格が出てしまいます。

 それは蛮族育ちの改造体。

 谷保は技能スキル『部位破壊』で『魔従姫』の力の根源である杖を破壊。敵を無力化する事に成功。

 それと同時に地面に着地し、|UC《ユーベルコード》(POW)『まどか肉アタック』(カイゾウバンゾクニクアタック)を発動した! このまま一気に片を付ける気だ。

「はあぁ~……まどか肉アターック!」

 単純で重い【隆起させた自身の肉体】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
 隆起させる部位によって丸まって体当たりやバスト、ヒップアタックなど使い分け可能。

「ぐわ……! き、貴様! やめろ―――――!」

 『魔従姫』の咆哮。だが、杖を失った彼女は為す術も無く巨大な肉の塊に飲み込まれていく……!

 谷保の攻撃はそれでも止まらず、巨大化した|胸《バスト》と|尻《ヒップ》による丸まった体当たりで何度も『魔従姫』を蹂躙! 隆起した|それ《・・》はダンジョン内部の周辺地形を破壊して、とんでもない重力で『魔従姫』を押し潰した!

「かは……っ! まさかこの『魔従姫』であるワレが……こんな所……で」
「相手を見た目で判断しない事だな。オレだって立派な女|猟兵《イエーガー》だ」

 完全に『魔従姫』を鎮圧した谷保。だが、内心では……

 ――恐らくあの杖を破壊していなかったら……『魔従姫』さん。あなたの勝ちはほぼ確定していた事でしょう――

 技能スキルを活かした先手必勝。それが上手くかみ合った結果。勝負は谷保に傾いた。

 唯、『黒狼』と『白龍』。そして|UC《ユーベルコード》を媒介とする杖を『部位破壊』で壊していなかったらと思うと、谷保は背筋に冷たいものを感じる。

 強敵を倒した谷保はホッと胸を撫で下ろし、安堵した。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「遂にダンジョン最奥にやって来ました……ここが敵。バグプロトコルの親玉『魔従姫』の寝床で合っていますでしょうか?」

 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)はどこか不穏な空気を感じつつも、警戒しながら辺りを見渡した。
 彼女の性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です。

 そんな中感じた敵、それも強大で凶悪な『意思』。それに気付かれない様にアレクサンドラは一歩退き、物陰から様子を窺う。

「ほ~う? 漸くやって来たかの? ワレの下僕候補である|猟兵《イエーガー》めが……! 隠れたって無駄だぞ?」

 バグプロトコルの親玉『魔従姫』は杖を翳して自身の『意思』を具現化。

 直ぐに『黒狼』と『白龍』が『魔従姫』の足元と傍らに出現し、隠れ様子を窺うアレクサンドラの微かなにおいを探り、探索に掛かる……!

「このままでは見つかるのも時間の問題でしょう。さて……こちらとしてはどう出ましょうか?」

 取り敢えずこのまま隠れてる訳にもいかない。アレクサンドラは技能スキル『化術』と『恐怖を与える』を用いて、自身の姿を相手の『黒狼』と『白龍』よりも巨大で狂悪な『|地獄君主《ベルゼビュート》』に姿を変えてみせた。

 もちろん『化術』なのでそれは幻だ。だが、そこに『恐怖を与える』の相乗効果で突然姿を現した悪魔『|地獄君主《ベルゼビュート》』に『黒狼』と『白龍』は吃驚して、怖がっている。

 ……クゥ~ン。
 グ……ゲゲゲ~。

「こら! 『黒狼』と『白龍』……! それでもワレの配下か! あんなもの|猟兵《イエーガー》の見せる幻だろう。全く! 小賢しい手を使いおったな? こうなればワレ自身が相手になってやるわ!」

 どんなトリックか? 『黒狼』と『白龍』が『魔従姫』の『意思』と共に消えた。

 更に言葉通り突然、動き出した『魔従姫』が接近戦を仕掛けて来た! それに迎え撃つのは人狼の力持ち×ミュータントヒーローのアレクサンドラ・ヒュンディン……!

「ふふふふ! やはり出てきおったな? ……こう見えてもワレは接近戦も得意だぞ?」
「こちらこそ望む所です! 私だって負ける訳にはいかない……!」

 敵。この金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』のバグプロトコルを司るボス。『魔従姫』は杖を打撃武器として器用に扱い、くるくる回しながら突き、殴打、なぎ払いを組み合わせて身体能力を活かした格闘技を繰り出してくる!

 一方、アレクサンドラは技能スキル『ドーピング』で自分の戦闘能力を高めながら『バーサーク』と『残虐ファイト』を駆使。その戦う姿は正に力任せな人狼。細い見た目とは裏腹に腕力は強力で、獣化の応用である程度肉体を変容させて応戦!

 アレクサンドラの戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです。故に敵。バグプロトコルの親玉『魔従姫』との近接戦闘は望む所。

「チッ……! 中々やりおるな? 女|猟兵《イエーガー》! 貴様、名は何と言う?」
「そちらこそ……! まさかその見た目から格闘技に精通してるとは予想外です。私の名前はアレクサンドラ……アレクサンドラ・ヒュンディンです」

 実は仰々しい自分の名前があまり好きではないアレクサンドラ――愛称サンディ。

 暫く近接戦を繰り広げていた両者の実力は共に拮抗していた。そして鍔迫り合いを続けていた双方は同時に床を蹴り、後退。一定の間隔を取り、お互いの間合いを維持。正に付け入る隙のない緊迫した|戦闘《バトル》だ。

「アレクサンドラ・ヒュンディン……か。気に入ったぞ。こうまでワレの戦いに付いて来れるとはな。どうだ? 今ならまだ間に合うぞ。ワレと共にこの金策ダンジョンを支配下に置かないか? それなりの待遇は約束するぞ?」

 その時、アレクサンドラは気付いた。どうもあの杖。怪しい光を帯びている。恐らくあの杖を手放さないまま格闘技に興じるのは、単に武器として応用が利くだけじゃない。何か他にも理由があるに違いない。

「寝言は寝て言えです。どうして|猟兵《イエーガー》である私がここ金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』のバグプロトコルのボスと手を組まなければならないのでしょうか?」

「ほ~う? 言うではないか。余計気に入ったぞ……! だが、これならどうだ? これでも同じ事が言えるかの?」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『お前はワレの下僕となる、もうすぐな』――【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。

 敵、『魔従姫』の杖が更に怪しく光り輝いた……! もう一度、『黒狼』と『白龍』が現れる。しかも、さっきよりも多い。複数個体の配下達。もう『化術』と『恐怖を与える』は通用しないだろう。

「お前はワレの下僕となる、もうすぐな」

 『魔従姫』の巨大な『意思』があの杖を媒介として『黒狼』と『白龍』は戦闘知識を学習している。

 このままでは不味い。あの杖を何とかして破壊しなければ、何度でも|UC《ユーベルコード》を発動する筈だ。そう考えたアレクサンドラは自身もこの場を乗り切る|UC《ユーベルコード》を発動する!

 |UC《ユーベルコード》(POW)『暴嫋不尽』(ボウジャクブジン)!

「いくらでも、来て下さい……どうせ、効かない……!」
「行け! 『黒狼』と『白龍』……! あやつをワレの下僕にするのに手段は問わん!」

 幾体もの『黒狼』と『白龍』が襲撃を敢行! その場で立ち止まり、腕を|交差《クロス》して鉄壁の守りの姿勢に入るアレクサンドラ。

 彼女の|UC《ユーベルコード》『暴嫋不尽』は全身を【固め痛みに耐え、生命力をほぼ無尽蔵の状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

 『黒狼』と『白龍』の群れがアレクサンドラに雪崩れ込む! 『魔従姫』は確かな手応えを杖から感じ取り、勝ちを確信した。

「フン♪ 他愛もない。だが、まあこんなものだろう。さあ、ワレの下僕となった女|猟兵《イエーガー》よ! その姿を晒すが良い……!」

 この勝負。己の勝利を確信したのが一瞬の油断。『魔従姫』は驚くべき光景を目の当たりにする事になる。

「やはり、その杖が『魔従姫』さん……あなたの力の根源ですか」

 技能スキル『吹き飛ばし』によって、アレクサンドラに群がっていた複数体の『黒狼』と『白龍』。その『魔従姫』の配下達が一瞬にして吹き飛ばされたのだ。

「……な!? ワレは確かに感じたのだ! この杖に宿りし、洗脳し蹂躙し君臨する、その力を……! 何故、貴様は自我を保っていられる?」
「最初に言った筈です。あなたの攻撃は|効かない《・・・・》と。それが例え|UC《ユーベルコード》であれ同じ事。その特殊効果……恐らく私を洗脳し、操る類のものでも、今の私には通用しない!」

 その言葉を聞いて『魔従姫』は全てを理解した。アレクサンドラの|UC《ユーベルコード》『暴嫋不尽』は『魔従姫』自身の|UC《ユーベルコード》をも無力化してしまう――と。

 そこからアレクサンドラの|反撃《カウンター》が始まる! 技能スキル『継戦能力』によって自身の|UC《ユーベルコード》『暴嫋不尽』の効果を維持したまま、颯爽と『魔従姫』の間合いに入る。

「ぐっ! クソ……! 狡猾な|女子《おなご》だな。だが、例えワレの洗脳が効かずとも接近戦では互角の筈。この勝負、ワレが貰う!」
「残念ですが、その攻撃も今の私には効きません。自分で言うのも何ですが……無敵状態ですので」

 その言葉通り。『魔従姫』の攻撃は無敵状態のアレクサンドラには通用せずに、劣勢から優勢に自らの力で変えたアレクサンドラの一方的な攻撃が『魔従姫』の体力を徐々に、そして確実に減らしていく……!

 そして敵が隙だらけになった今、アレクサンドラは止めを刺す。技能スキル『武器落とし』と『部位破壊』で『魔従姫』の力の根源。杖を破壊した! それが決定打となり、遂に『魔従姫』は力尽きた。

「……『魔従姫』さん。恐るべき相手でした。あの杖が効果を発揮してる事に気付かず、別の|UC《ユーベルコード》を使っていたら……今、ここに私は立っていないでしょう。彼女の配下として洗脳されて、ここにやって来る他の|猟兵《イエーガー》に危害を加えていた筈です」

 最後にアレクサンドラは宝物庫を探して見つけ出し、Mr.マネーマンの言う様に遠慮なくそれを頂戴した。お腹が空いていたので、今日はそれを換金し豪華な御馳走にしよう。

 それと来たるべき次の冒険や日常の場合に備えて、手軽に加工された保存食も大量に購入する事に決めた。

 食べ物があるとやる気が増します。アレクサンドラは十分満足してそのまま金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います


カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ

猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ

止められたら、別のユーベルコードを使います

さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ



「ここが金策ダンジョンの最深部なの?」
「どうやらその様ね。……仇死原さん。さっきからずっとぼんやりしてるけれど……大丈夫なのよね?」

 金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥。そこに二人の女|猟兵《イエーガー》がやって来た。

 一人は、普段昼行灯な仇死原・アンナ(処刑人、炎の花嫁、魔女、屠る騎士、そしてあいどる☆・f09978)だ。同行者がいれば協力する彼女は偶然途中で出会った女|猟兵《イエーガー》のカグヤと合流。目的は一緒なので処刑人として敵と戦います。

 もう一人はカグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)。ここのボス。『魔従姫』が送り込んだバグプロトコル――『パルニー』との戦いから、民間人を救出。そのお礼として貰ったアイテム『月明かりの扇』にはどの様な効果があるのか? ボス戦に備えカグヤはそれを所持していた。

「大丈夫よ。カグヤ。私は……これでも敵には炎獄の処刑人なの。メインの武器は鉄塊剣で攻撃するわね」
「炎獄の処刑人? 頼もしいわね。仇死原さん、どちらが先に『魔従姫』を討伐出来るのか……競争よ」

 ならば私はオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を放ちますわ。
 止められたら、別のユーベルコードでも使おうかしら?

「フ……クッククク! 話は聞かせて貰ったぞ? 女|猟兵《イエーガー》の二人組。最期のお喋りは終わったかの?」
「……!」
「あなたが『魔従姫』?」

 金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の最奥。その声のする方。闇の中に玉座が見えた。そこで肘掛けに腕を置き、頬杖を突き寛いでいる女がいた。『魔従姫』。彼女の言葉遣いとは裏腹に見た目は妙齢の女性。

「いかにも、ワレが『魔従姫』だが? どうする? 女|猟兵《イエーガー》の二人組よ。特にそちらの女。地獄の処刑人とか言ったか? ワレを処刑してみせるのか?」

 カグヤの問いに軽く応じ、仇死原に挑発してみせる『魔従姫』。その傍らに添える様に手元には杖があった。何か危険で怪し気なオーラを放っている。

「貴様……! 『魔従姫』! 私を侮辱したな!?」

 さっきまでぼんやりとしていたのがまるで嘘の様。仇死原のその変化に少し驚きつつもカグヤは冷静だった。相手の挑発に乗らない様に軽く手で制する。

「仇死原さん。気持ちは分かるけれど落ち着いて。今は相手の出方を窺いましょう」
「……くっ!」

 仇死原としては今すぐに奴。『魔従姫』に攻勢を仕掛けたかったが、もしかしたら先程の挑発はこちらの気を引く『魔従姫』の罠なのかもしれない。確かにカグヤの言う通り。冷静になるのが得策だ。

「『魔従姫』。あなたこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』を占領してどうするつもり?」
「……イッカクセンキン? ああ、ここの事か。何、単なる引っ越しだ。ワレはここに住む事に決めたのだ。だから誰にも邪魔はさせぬ。特にお前等の様な|猟兵《イエーガー》にはな!」

 その時。次の瞬間! 『魔従姫』は例の杖を持ち立ち上がった。そうかと思えば、姿を消してそこに映るのはどこからか召喚した『黒狼』と『白龍』が仇死原とカグヤの前に立ち塞がる!

「カグヤ!」「仇死原さん。分かってますわ!」

 もうこの時。仇死原とカグヤは理解していた。あの杖。『魔従姫』が手にしている妙なオーラを帯びた武器が、今目の前に現れた『黒狼』と『白龍』を創り出した。
 つまり、姿を消した『魔従姫』が所持している杖を破壊しなければ何度でも『黒狼』と『白龍』は現れる……!

 仇死原は素早く鉄塊剣『錆色の乙女』――拷問器具【鉄の処女】をモチーフにした、鉄塊の如き巨大剣――を取り出し、『影朧』を軽く窘める。

「行くぞ! 貴様、影朧! 今はその魔力と戦闘能力。呪いを制御し私の邪魔をするな!」

 自身の武器に宿った『影朧』にはできる限り説得するが、説得不能と判断すれば容赦なく敵を屠る仇死原。

 『黒狼』と『白龍』に自ら駆け抜けて立ち向かい、鉄塊剣『錆色の乙女』の強力な斬撃を浴びせる炎獄の処刑人――仇死原。

 その攻撃力は甚大。一撃で『黒狼』と『白龍』は苦痛の呻き声を上げて、粉砕するも……次から次へとまた現れる……!

 だが、そこは炎獄の処刑人。寧ろ望む所だとでも言わんばかりに拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を何度でも|攻撃《処刑》する仇死原。

「カグヤ! まだか!?」
「分かってるわよ。仇死原さん! こちらは任せてね」

 敵。『魔従姫』の持っている杖を破壊する為に、姿を消した『魔従姫』の気配を辿るカグヤは自身を中心にして技能スキル『結界術』を展開! その中で微かに探知した『魔従姫』は……何時の間にか背後にいた事に気付く……!

「フフフフ! ワレならばここにいるぞ?」

 背中越しに感じる『魔従姫』の凶悪な『意思』。軽くカグヤの髪の毛を撫で付け、余裕を見せ付ける『魔従姫』。

「『魔従姫』……! あなた随分と舐めた真似をしてくれるじゃないの?」

 技能スキル『結界術』を維持。そのまま『魔従姫』を結界内部に閉じ込めるカグヤ。

「! ……ほう。これまた芸達者だの?」
「良い事教えて上げるわ。ここの猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子。それは……わたし。カグヤ・モンデンキントも例外ではないの」

 |UC《ユーベルコード》(WIZ)『ジャッジメント・クルセイド』をその結界内部で炸裂させるカグヤ!

 |惑星破壊レーザー《ジャッジメント・クルセイド》は亜空間から発射され、カグヤが【指先】を向けた対象に、【天からの光】でダメージを与える。命中率が高い。

「!」

 さすがに先程とは違って余裕の表情が消え失せる『魔従姫』はすぐさま杖を掲げ、何かを詠唱した!
 その直後。カグヤは『魔従姫』に指先を向けて、【天からの光】が幾度も『魔従姫』目掛けて飛び交う!

 一方、大きな振動がダンジョン内部に一定時間続いたかと思えば無限に溢れる『黒狼』と『白龍』が消え失せたのを確認。恐らくカグヤが|UC《ユーベルコード》を放ち、『魔従姫』を倒したか彼女の持つ杖を破壊したと認識した仇死原は直ぐに生身からキャバリアを操縦し、カグヤのいた方へと向かう。

 だが、事態は予期せぬ方向へ動く。

「……やったの? カグヤ」
「ええ。私の|UC《ユーベルコード》で確かな手応えを感じたけれど……何か嫌な予感がするのよね。仇死原さん、警戒した方が良いわよ」
「分かってる」

 『魔従姫』を『結界術』の中に閉じ込め、|UC《ユーベルコード》『ジャッジメント・クルセイド』を発動した場所には未だ黒煙が立ち上っている。

 ……ワレを本気にさせたな? 余計気に入った!

 微かな『魔従姫』の気配。一瞬、黒煙の立ち込める中にその影を認識した仇死原とカグヤ。特にカグヤは驚きを禁じ得ない。あの局面で【天からの光】を防いだ?

「……一体、どうやって?」
「カグヤ、来るぞ!」

 ズドーン……! その時、迸る巨大な『鉄槌』が空中から振り下ろされ、仇死原のキャバリアを破壊!

「仇死原さん! 大丈夫? ――はっ!?」

 黒煙が晴れてカグヤは【天からの光】を防がれたカラクリを理解した。

 『魔従姫』の傍らには巨大な『鉄槌』と巨大な『盾』。しかも『黒狼』と『白龍』の時とは違い、それは物理的な実体を持っていた。あの杖にはある程度の物を収容する力もあるみたいだ。
 あの時。【天からの光】を防いだのは、直後に巨大な『盾』を召喚したのだろう。
 それにしても……|UC《ユーベルコード》すら耐え凌ぐとは、何たる硬度!

「ぐっ……! ふっ! ふふふ! そこの……女。お前、何者……だ? ワレの『盾』を身体の周囲に四つ張り巡らせても、げほ! 一つしか残らない程の威力! その|UC《ユーベルコード》の使い手に出会ったのはこれが初めてだ」

 あの直後。実際に召喚したのは四つの――『盾』。
 だが、それが精一杯の防御だった『魔従姫』は既に全身に甚大な|負傷《ダメージ》を負っていた。

「モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ」

 その時だ。キャバリアを壊されて、その中から炎獄の処刑人が顔を出す! 仇死原も相応の負傷を負って、全身傷だらけだ。だが、それよりも怒りの方が勝っていた。

「貴様……『魔従姫』! ……けほっ! このままでは済まさないぞ。覚悟しろ……!」

 妖刀『アサエモン・サーベル』――伝説にある首斬り処刑人の名を冠した呪われしサムライブレイド。鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をする……!

「ふっ……ふふふふ! 気に入ったぞ。お前達二人とも否が応でもワレの下僕にしてみせる!」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『お前はワレの下僕となる、もうすぐな』――【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。

「お前はワレの下僕となる、もうすぐな」

 最後の執念か配下モンスターの『黒狼』と『白龍』を生み出し、我を忘れた仇死原。そしてカグヤ目掛けて『黒狼』と『白龍』が飛び出す! その時、瞬時にカグヤが取り出したのはあの『月明かりの扇』だ。

 『月明かりの扇』で『黒狼』と『白龍』に触れた瞬間! 眩しい満月が全てを照らし出し、その二体の配下モンスターを打ち消した……!

「な……に? 『黒狼』と『白龍』! クソ! 力が思う様にいかない……!」

 どうやら『月明かりの扇』のあの満月の光。『魔従姫』が扱う杖の効果である『黒狼』と『白龍』の召喚を阻む効果があるらしい。

 これが最後の|好機《チャンス》と受け取った仇死原とカグヤ。

「カグヤ、一気に叩き込むぞ!」
「仇死原さん、豪快に決めますよ!」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『炎獄殺法「地獄廻」』(ブレイズフレイム・グランドスラム)――自身の【武器とか肉体とかスポーツ用品等】に【自身の体を切り裂き噴出する地獄の炎】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。肉体や武器だけでなくスポーツ用具に地獄の炎を宿す技。炎を纏う必殺技あるある。

「貴様等に地獄が如き敗北を味合わせてやろうぞ……!!!」
「さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちますわ……!」

 これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ。

 戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』――携帯可能な己や他者の血液で動く戦闘用処刑道具のセットに、『鎖の鞭』――棘の生えた鉄球が先端に付いている鎖の鞭等|UC《ユーベルコード》に合わせて装備してる物を使う仇死原。

 ぐっ……! ぐぎゃああああああ――――――――――!!!!!!

 こうして遂に『魔従姫』の討伐に成功した仇死原とカグヤ。

 *

「……どうやら今回の『魔従姫』をどちらが先に倒すのか? 競争はお相子の様ね」
「ああ。その様だなカグヤ。また今度、機会があったら勝負するわよ。それにしても……『魔従姫』。手強い相手だったわね。見た目は若い女……に、見えるが一体齢はいくつなの?」

 仇死原が何気なく口にした言葉に対し、カグヤは可愛くウインク♪

「女性に年齢を聞くものではなくてよ」

 実年齢104歳のカグヤに対して首を傾げる仇死原なのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
ちゃんと説明は聞いてマシタヨ?(地の文と目を合わせない)

戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



「へぇ~。漸くここまで辿り着きました。この最奥にいる『魔従姫』さんってのが、これまでのバグプロトコルを支配下に置いた親玉で合ってるのでしょうか?」

 城田・紗希(人間の探索者・f01927)は基本的には考えるより行動するタイプ。

「でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。……脳筋じゃナイデスヨ?」
「ほ~う? この『魔従姫』のいるダンジョン最深部にて単身で独り言とはこれまた余裕があるな? 女|猟兵《イエーガー》……!」
「……! 何者でしょうか? あなた!」
「今し方、お前が言っていただろう。ワレが『魔従姫』だ! ここに来たって事はそれなりの覚悟を決めていると見て良いのだろう? お前はもうすぐワレの下僕となるのだ」
「え……え、え~? そんな事言ってマシタデショウカ?」
「言っておったわ! 冒頭にな……! 目を合わせろ目を!」

 |完璧《パーフェクト》に嘘を吐いている城田。それを一発で見抜いた『魔従姫』。二人の攻防は既に始まっていた。

「……フフン! まあ良いわ。ワレも暇を持て余していた所だ。新たなる配下を加えよう。それも女|猟兵《イエーガー》であるお前をな!」

 そう言った途端に『魔従姫』から凶悪な『意思』が不可視のオーラとなって出現! それは直ぐに『黒狼』と『白龍』に姿を変える。

「……ん? あれは! 『魔従姫』さん、あなたの配下でしょうか?」
「見れば分かるだろう。そして……お前はワレの下僕となる、もうすぐな」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『お前はワレの下僕となる、もうすぐな』を発動する『魔従姫』!

 その効果は【自身や自身の配下モンスター】に触れた対象の【種族や職業等のキャラ設定と記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。

「あの配下モンスターに触れるのは危険という事でしょうか? これは不味いです!」
「今更遅いわ! 行け! 『黒狼』と『白龍』! あの女|猟兵《イエーガー》をワレの下僕とするのだ! 抵抗するのならば生死は問わん……!」

 本格的な戦闘は始まった。このままでは完全に不利な状況に置かれた城田。だが、彼女も負ける訳にはいかない。技能スキル『見切り』と『闇に紛れる』を使う!

 ……グルルルル!

 ギュオーン……!

 『闇に紛れる』で自分の姿を暗闇に隠した城田。そのまま闇を利用して宝物庫の陰に身を隠す。ボス敵の『魔従姫』は自分から動く事はない。配下の『黒狼』と『白龍』が城田のにおいを嗅ぎ付けて陰に身を隠している城田を探しに掛かる。

「このままでは見つかるのも時間の問題です。ですが、一つだけ収穫がありました」

 城田が得た収穫。それは最初に使った技能スキル『見切り』により、あの『黒狼』と『白龍』を形成している邪念。云わば『魔従姫』の『意思』の根源!

「あの恐るべき『意思』のオーラを『見切り』で辿ると、どうやら『魔従姫』さんが持っている杖が力の源の様です。さて……こちらからはどう動きましょうか?」

 敵。『魔従姫』の弱点は分かった。後はどうやって、彼女に近付き無力化するか?
 そんな事を思っている間にも、『黒狼』と『白龍』は城田のにおいを辿りやって来る……!

「う~ん……やっぱり、防戦一方なのは性に合わないです! 攻撃こそ最大の防御でしょう!」

 自身の勘を信じる事にした城田は技能スキル『第六感』を用いて、戦場へと舞い戻る……!

 そうこうしてる間にも、『黒狼』と『白龍』が密かに隠れていた城田の事を見つけ出す!

「フハハハハ! そこにおったか! やれ! 『黒狼』と『白龍』よ! 八つ裂きにしても構わん……!」

 地上にある酸素を吸い込み、『黒狼』は腹に何かを溜め込んだ。それを先程の『見切り』効果で見切った城田。直ぐに技能スキル『毒耐性』を使う!

 プシュウウウウウウウ……! 予想通り。敵は毒霧を吐き出した。だが、既に『毒耐性』を付与していた城田にそれは効かず、暗器で必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたりして、攻撃に転じる!

 『黒狼』の喉笛を掻っ切った後、次は『白龍』の両翼が閉じる。

 ビリビリバチバチ……! 何かを溜め込んでいる様だ。

「あれは……何でしょうか? もしかして――電気!」

 そして両翼を開いた! 次に飛び出したのは高出力の稲妻!

 すんでの所で技能スキル『電撃耐性』を付与。用いた城田は何とか稲妻を潜り抜け、ついでに『ジャンプ』と『空中戦』でその稲妻を突破! 敵。『白龍』の両翼を暗器で切り裂いた。

「ほう? さすが|猟兵《イエーガー》だけあるな! いくつの耐性を持ち合わせているのか……興味深い」
「耐性……は、なんか色々! (覚えてない)」

 あの凶悪な『意思』を宿した杖を破壊しない限り、『魔従姫』の配下。『黒狼』と『白龍』は増え続けるだろう。つまり、戦闘はなるべく止めないで継続した方が良い。瞬時にそう判断した城田は颯爽と|UC《ユーベルコード》を展開!

 |UC《ユーベルコード》(POW)『流水撃』(ナガルルミズノゴトク)――【流れるような動きから斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

「変幻自在の不可避だよ!」

 暗器を器用に、それこそ流れる水の如く次から次へと取り出し『魔従姫』に果敢に攻め立てる城田。

 ガキン……! キン! キン!

「うお……!? 何!? そう来るか……!」

 それを例の持っている杖で何とか受け止めてかわし、『魔従姫』は何を感じたのかこんな事を言った。

「お前……その隠し持ってる武器に容赦がないな? ワレに恨みでもあるのか!」
「逆恨みで怒ってる? ……気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ」

 暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

 |UC《ユーベルコード》『流水撃』を『魔従姫』は杖を使って何とか凌いでいる。だが、その狙い澄ました攻撃。『魔従姫』を一点として中心にこれでもかと暗器で仕掛ける城田は更に別の|UC《ユーベルコード》を用いて畳み掛ける……!

「私に斬れないものは、たぶんない!」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『狙いすました斬撃』(キリクチハコチラ)――【任意の刃物】が命中した対象を切断する。

 戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。

 『流水撃』での研ぎ澄まされた一撃で敵。『魔従姫』が怯んだ所に『狙いすました斬撃』が飛び交う……! その隙を見逃す程、城田は甘くはない。狙いはあくまで『魔従姫』の杖だが、他の|猟兵《イエーガー》がここに来た時に少しでも楽に倒せる様に、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

「……ぐっ! おのれ~! 次から次へと……! お前には、防御と言う選択肢はないのか?」
「……防御? なんかこう、勘で! (第六感)」
「勘だと!?」

 『魔従姫』の杖は未だ破壊に至っていない。その『魔従姫』が再び攻勢に移ったら厄介だ。
 そこで、城田は勝負に出た。これが最後の|UC《ユーベルコード》だ……!

「武器はまだあるよー?」

 |UC《ユーベルコード》(POW)『不可視の攻撃』(ミヅライコウゲキ)――【隠し持った複数の暗器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

「愛用は投擲武器、隠し場所は……多すぎて忘れた。近接用にハンマーと、非戦闘……はどこ?」

 そんな中、選択したのは――『命中率』! どこからか飛び出す複数の隠し武器。容赦なく暗器で『魔従姫』の杖を破壊しに掛かる……!

 攻撃こそ最大の防御。それを有言実行に移した城田は強かった。

「……ぐっ! ワレの杖が……」

 ズバッ……!!!!! カラン、コロン♪

 ボス敵。『魔従姫』の装備品。着ている防具と杖を破壊した事により、遂に無力化に成功。
 戦意喪失した『魔従姫』は今わの際の言葉を遺す。

「……どうして、ワレの力の根源がこの杖にあると思った?」
「『魔従姫』さん。あなたが|UC《ユーベルコード》を発動した時でしょうか? 『見切り』で『黒狼』と『白龍』に宿った『意思』を辿ると……その杖が力の源だと分かりました」
「ぐっ……ワーハッハッハ! もう少しでお前をワレの下僕に出来ると思ったんだがな……! お前、名は何と言う?」
「名前は城田・紗希……え? 今、何て?」
「城田・紗希。ワレの|UC《ユーベルコード》の効果はその相手を自分の意のままに操れるのだ。下僕として。それにしても完敗だ。もう良い。止めを刺せ……む? その顔はもしや……」
「ちゃんと説明は聞いてマシタヨ? (地の文と目を合わせない)」
「嘘を吐くな!」

 結局、城田は『魔従姫』に止めを刺さずにそのまま捕縛して、後はこの金策ダンジョン『|Grq《一攫千金》』の関係者に引き渡した。

「……まさか、『魔従姫』さんのあの|UC《ユーベルコード》を真面に喰らっていたら――いや、深く考えるのは止しましょう」

 自分の第六感をひたすら信じていて良かった。

 背中に冷たいものを感じながら、ホッと胸を撫で下ろす城田なのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年12月04日


挿絵イラスト