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突撃英雄譚!真の正義のヒーローはここに在り!!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「さぁ語ろうか。舞台はキマイラフューチャー、心燃える真のヒーローショーを演じてくれた英雄達の素晴らしく熱い活躍の話を……」

●英雄譚を愛する少女
「いやはや、ヒーローショーっていうのはいつ見ても楽しいものだね。誰が子供騙しなんて言ったのだか。子供騙しと子供向けは似て非なるものだと小一時間説教してやりたいね」
 グリモアベースにやたらと上機嫌に熱のこもった女の声が響いた。
 英雄譚を愛するグリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは年甲斐もなく機関銃も真っ青な早口で興奮を伝えていた。
「楽しいものを楽しいというのに年齢なんて関係ないのだよ諸君。迷惑かけているわけでもないのだから……っと、そろそろ仕事の話に移ろうか」
 とはいえ流石に辟易してきた猟兵達の視線に気づいたのか、咳払い一つすると手帳を開きグリモアを輝かせ始めた。

「さぁ語ろうか。舞台はキマイラフューチャー、人類の滅びた未来で面白可笑しく逞しく生きる者達の世界だ。君達には偽りのヒーローショーを阻止して貰いたい」

 キマイラフューチャーのある都市、その中央広場で怪人達による偽のヒーローショーが行われるらしい。
 目的は不明だが、ヒーローと悪役の戦いを装い一般市民を虐殺するそうだ。
「筋書としてはね。暑苦しい筋肉とコッテリ高カロリー食で嫌がらせをしてくる怪人達を、正義の魔法少女が愛と正義の炎で燃やし尽くすストーリーなんだ。いやはや、怪人主催じゃない真っ当なショーだったら普通に見に行きたいところだったよ」
 まったく残念だ、と天井を仰ぎながらグリモアを輝かせ今回の相手となる怪人を映し出す。
 筋骨隆々で妙にテカっている身体をしたアルパカ頭の怪人集団。
 それを率いる高カロリー食を大量に携えた黒服の執事。
 そしてそれを倒すフリをして一般人の虐殺をしてくるであろう、狛犬を思わせる少女。
 どうやら今回の相手は、この三種類の怪人らしい。

「私はまずヒーローショーが行われる中央広場まで君達を転送する。丁度悪役達の登場シーンが終わるところだから、そこで襲撃をかけて貰いたい」
 正義のヒーロー役を逆にこちらが装い、本当の意味で一般市民を守ればいい。
 一声「危ないから下がって」とでも言っておけば、一般市民は安全な場所まで離れてスマートフォンなどで観覧を始めるから問題は無いと告げ。
 更に戦闘が始まれば怪人達は猟兵達を倒すことに集中するので、逃げた一般市民を追撃はしないだろうとも補足し。

「まずはこの筋肉君……『アルパカマッスルブラザーズ』が相手になる。いわゆる怪人の手下役だね」
 そう言ってスフィーエはグリモアで映し出した、筋骨隆々なアルパカ頭の怪人達を指差す。
 飽く迄映像に過ぎないはずだが、脈動する筋肉からは妙な暑苦しさが漂ってきそうだ。
 とにかく物凄い肉体美を見せつけて只管に暑苦しいが、一体一体はそれほど強くはないので猟兵達なら心配は要らないだろう。
「そして怪人役の怪人……ややこしいがね。この『カロリー執事』君を倒して欲しい」
 そう言って次に指差すのは、燕尾服を着たアイスクリーム頭の執事風の怪人だ。
 携えた大量の高カロリーなお菓子で人の体脂肪を増やす乙女の天敵だ。
 こちらは一体しかいないが、戦闘力自体はアルパカマッスルブラザーズよりも強力で決して侮れない相手だ。

「然る後、遅れてやってくる正義役の怪人『ムスビ』を撃破して貰いたい」
 そして最後の一人、どこか狛犬を思わせる少女を指し示す。
 どうやら縁結びの神様……という設定を拗らせており、誰彼構わず物理的に結び付け挙句の果てに恋の炎(物理)で燃え上がらせる迷惑極まりない怪人だ。
 筋肉の暑苦しさと高カロリーの脂肪を、恋の炎で燃やして裁く……というシナリオに乗じて物理的に強引に結び付けたカップルを、これまた文字通り爆発させ大量殺戮を試みているという。
 実際、放つ炎は強力なので厄介な相手だとも肩を竦めながら吐き捨てた。

「連戦に次ぐ連戦で少々骨かもしれないが、君達なら問題はないだろう。折角だから、君達も何かしらパフォーマンスをやって場を湧かせてみてはどうかな?」
 アルパカマッスルブラザーズに対抗して肉体美などのアピールをしても良し。
 カロリー執事相手にスイーツの品評や料理対決をやっても良し。
 ムスビを相手に愛について逆に熱く語ってやっても良し。
 若しくは全般的に熱く格好良く派手にヒロイックな演出で通して戦っても良しと告げ。

「さて、と……私からは以上だ。楽しいヒーローショーを殺戮の舞台にするなんて言語道断、許し難き所業だ。だからどうか君達の手で、本当の英雄が活躍する舞台にしてあげて欲しい……頼んだよ」
 そういって上機嫌に語る彼女の輝かせるグリモアは、心なしかいつもより激しく輝いているようだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 ヒーローショー、いくつになったって楽しいですよね。

 今回は皆様にヒーローショーに乗じて殺戮を行おうとする怪人の野望を挫いて貰います。
 OPでも説明しましたが、悪役怪人達の登場シーンが終わった後に皆様が転送される形となりますので、何か名乗りを挙げつつ怪人達に襲撃してください。
 一般市民の皆様は、猟兵の皆様が逃げる旨を一言いえば安全な場所に避難してくれます。

 第一章では量産型アルパカマッスルブラザーズとの集団戦。
 第二章ではカロリー執事とのボス戦。
 第三章ではムスビとのボス戦と、ボス戦を二連戦となります。

 OPでも語りましたが、何かしら熱いパフォーマンスや意気込みなどがあればプレイングボーナスを発生させやすくなるので狙ってみてください。
 が、あまり難しいことは考えずに、只単に自分が思う格好いいヒーロー的な演出をしたい、みたいな気持ちで来てください。

 それでは皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ヒーローショーの始まり始まりぃ!
 キマイラフューチャーは某都市――都市としては中規模、取り立てて名物らしき名物はない普通の都市。
 ただ時折街のお祭りを行うための中央広場に、今回世にも珍しい催しがあった。
 それこそは、今、キマイラフューチャーで流行りに流行っているヒーロー達の戦い……の、模倣。
 いわゆる子供向けの「ヒーローショー」というものだが、比較的娯楽の少ないこの都市ではそれさえも大きな刺激となるのか。
 老若男女問わず、広場の中心に設置された大舞台に押し寄せ今か今かと開催されんとするショーを心待ちにしていた。

『ハーッハッハッハ!!』
 やや時代がかった大きな笑い声と、発生したスモークの中から現れたのは、やたらと熱苦しい筋肉を見せつけたアルパカ頭の怪人達と、それを率いる燕尾服の怪人だった。
 ステージの上に立ち、全身余すところなく鍛え上げられた筋肉を見せつけ、良い笑顔で暑苦しいアピールを続けるアルパカ頭達の前に躍り出て、優雅に燕尾服が一礼する。
「ようこそいらっしゃいました。我らが秘密結社『アンチ・ヤセ・ボリック』の筋肉発表会へ」
 見世物と分かっているからか、わざとらしく黄色い悲鳴を挙げる一般キマイラ達に満足そうに頷くと、指を一つ弾く。
 すると、控えるアルパカ頭の怪人達がまたまた矢鱈と熱苦しく筋肉をぴくつかせる彼等に、案内通りにイヤーと拒絶の反応を示す……尤も、一般キマイラ達からすれば単なる舞台を盛り上げる為の演技だと重々承知の上で行っているわけだが。
「ほうほう……どうやら貴方がたは我々の筋肉がお気に召さないと。よろしい!! では今から私のスーパープロテインスイーツと、アルパカブートキャンプで貴方がたを悪の筋肉軍団に改造してあげましょう。お前たち、誰か連れてきなさい」
 その反応にまたまた燕尾服が満足そうに頷くと、嫌がる素振りを見せるキマイラ達をステージの上に攫おうとアルパカ頭を嗾ける。
 あとは流れで正義役が駆け付け、そこで大量虐殺を……と、思っていたが。
「な、何奴!?」
 突如として現れた台本にない存在――そう、駆け付けてきたのはヒーローを装った邪悪ではなく、他ならぬ猟兵達だったのだ。
ベルリリー・ベルベット
フィエがヒーローショーについてあんなに熱く語るなんてね
ちょっと意外だったかも

普段はサーカスの花形スターとして皆を笑顔にするリリだけれど、今日は戦うヒロインとして一肌脱ぐわ
パピヨンマスクで顔を隠して参加よ

「待ちなさい!」
空中でくるくる回転しながら登場して、しゅたっと華麗にステージに着地
「正義の香りは美の香り、世界に咲かせる笑顔のお花。咲き誇るヒロイン、パピヨン・リリー。キュートに華麗に参上よ!」
ピシッとポーズを決めながら口上を終えたら、逃げるように一般市民に伝えるわ

【スカイステッパー】で高く舞い上がって、空中から華麗な飛び蹴りをお見舞いよ
光の『属性攻撃』でキラキラエフェクトを付けて演出するわ



●花激なる少女
「待ちなさい!!」
「な、何奴!?」
 暑苦しい筋肉男達が子供を連れ去ろうとステージから降りようとした瞬間、それを制する高らかな少女の声が響いた。
 怪人達からは台本となんか違うぞという声が響き、観客キマイラ達からはヒーローの登場に賑わう声が響く。
「正義の香りは美の香り、世界に咲かせる笑顔のお花!!」
 その声をバックに、空中で華麗に回転しながらステージに着地する一凛の白百合。
 パピヨンマスクに素顔を隠し、普段は花形役者、今は戦う正義のヒロインとして降臨した少女!!
「咲き誇るヒロイン、パピヨン・リリー。キュートに華麗に参上よ!!」
 その名はベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)……否、パピヨン・リリー!! 彼女がステージに降り立ち、ポーズを決めるとその登場を讃えるかのようにステージに仕掛けられた火花が噴く。
「さ、危ないから見るなら離れたところでね?」
 ウインク一つ、一般市民に避難を投げかけると素直に彼等は頷き安全な場所まで逃げて。
 尤も、遠目から端末を向けて観戦する姿勢は変わって無いようだが。
「……ふっ。飛んで火に入る夏の虫とは貴方のこと!! アルパカマッスルブラザーズさん、やっておしまいなさい!!」
 路線変更なのか、ターゲットをパピヨン・リリーに変えて筋肉男達は指示通りに彼女に向けて暑苦しい筋肉を見せつけて迫る。
 それをパピヨン・リリーは空を蹴って駆け出し、それはそれは鋭い飛び蹴りを分厚い筋肉の鎧を貫く勢いで放ち。
 煌びやかに輝く軌跡を伴いながら放たれたそれが筋肉男に突き刺さると、くの字に身体を折られ、吹き飛ばされた身体が次々に他のブラザーズに当たり連鎖的に吹き飛ばされ。
(それにしてもフィエがあんなに熱く語るなんて)
 ちょっと意外かも、と思いつつも。
 輝く軌跡を伴った回し蹴りで飛んできた別の筋肉男をカウンター気味に蹴り飛ばす。
 開幕として、実に最高の仕事を為すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

短夜・いろは
「筋書」が一瞬読めなくて筋肉版の聖書的なもんが存在すんのかと勘違いしちまったじゃねーか。
私が漢字も読めねーアホだってか?? 許せねーなー。

だからテメーらはこの短夜いろはが直々に【青白】に染めてやる。

“みじかよ”だぞ? マジカルいろはでもマジかよいろはでもねーからなー。
グレネードランチャーで派手な爆発と共に青白いペンキをぶちまけるぜー。
どうして青いカラーかって? 決まってんだろ! その自慢の肉体も青白いいかにもインドアなブルーブラッドに変えてやんだよ。
おやおや如何にも人工的で不健康そうな筋肉じゃねーか。ギャラリーも落胆だなー、なぁ、ギャラリー。そう思うだろー?



●猛駄目駄御仕舞駄
「『筋書』が一瞬読めなくて筋肉版の聖書的なもんが存在すんのかと勘違いしちまったじゃねーか」
「筋肉版の聖書って、筋肉版の聖書って!!」
 続いてステージに現れた短夜・いろは(やさぐれスプラトゥーン・f15837)、右手にグレネードランチャー、左手にスプレー缶を構える少女の声に、何故かツボに入ったのか筋肉男達が体を震わせて腹を抱えた。
 その様子に一瞬、眉を顰めて不機嫌そうに吐き捨てる。
「あ? 私が漢字も読めねーアホだってか? 許せねーなー」
「言ってない!! 言ってないって!! でも、筋肉版の……うぷぷ」
 ……一体なにがそんなにツボに入ったのかは不明だが。
 腹を抱えて妙に怒りを掻き立てる顔で笑う筋肉男達に彼女はグレネードランチャーを向ける。
「テメーらはこの短夜いろはが直々に【青白】に染めてやる」
『いいぞー、マジカルいろはー!!』
「“みじかよ”だよ。マジカルでもマジかよでもねーからなー」
 遠くからの観衆の声に冷静に答えつつ、腹を抱える怪人達目掛けて装填した弾を解き放つ。
「つーわけでコイツをくらえ!!」
 笑いに突っ伏している彼等が気付いた時にはもう遅く、派手な爆発と共に撒き散らされた、青白いペンキがマッスルブラザーズの身体を染める。
 いかにも不健康に染まった身体を満足そうに見、いろはは唇を釣り上げる。
「な、なんだこの色!?」
「決まってんだろ!! その自慢の肉体も青白い、いかにもインドアなブルーブラッドに変えてやったんだよ」
 見れば暑苦しくも健康的な浅黒い肌は、いかにも病弱な青白い姿に変わり。
 これではどんなに鍛えていようと、不健康に付けられた印象になってしまうだろう。
「おやおや如何にも人工的で不健康そうな筋肉じゃねーか。ギャラリーも落胆だなー、なぁ、ギャラリー。そう思うだろー?」
 観衆がその意見に同意するのも想像に難くなく。
 プライドを崩された不健康ブラザーズがずこずこと逃げ帰るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンディ・リーランス
 ノソリン(TW3:星霊ノソリン参照)に乗って颯爽(?)と駆け付ける。
 その後、ノソリンの背中に立って(フラフラしながら)オリハリセンでマッチョを指さして、
「醜い身体を見せないでほしいのです~。」
と言う。色々反論してきたら、
「本当に鍛えられた素晴らしい肉体は感動を呼ぶのです~!」
と言い切ってから、周りの人に
「あの体を見て、カッコイイと思った人はいるのです~?」
と聞く。


 戦闘は、ノソリンに乗って(しがみついて?)、ノソリンが蹂躙していく。
「ノソリンは強くて、カッコ良くて、可愛くて、素敵なのです~♪」
と、笑みを浮かべながら、近寄る者はオリハリセンで叩いていく。



●大地の精霊その名は
 数多の戦闘員が倒されているにも関わらず、彼等はまるで某の如く湧いて出てくる。
 今もまた一人暑苦しい筋肉をアピールしようとした刹那、大地の精霊が如き力強さを持った幻獣の前足がその顔面を陥没させ吹き飛ばした。
「醜い身体を見せないでほしいのです~」
 その幻獣の上に立つ少年、アンディ・リーランス(オラトリオのビーストマスター・f01854)は暑苦しいポージングを続けるブラザーズにハリセンを突き付けながら呆れた声で言った。
「な、なにおう!?」
「むぅ、見れば男の癖になんと貧弱な。よかろう!!」
 顔面を陥没された同胞を介抱しつつ、マッスルブラザーズ達は性懲りもなく暑苦しいポーズを決め始める。
「ならば見たまえこのボディ!! ムッキムキやぞ!! ぞっくぞく……」
「本当に鍛えられた素晴らしい肉体は感動を呼ぶのです~!!」
 危ういセリフをぶった切るアンディの台詞。
 既に幾人かの怪人達が血反吐を吐いて突っ伏している中、更に追い打ちを掛けんと、遠目で見守っているキマイラに彼は声をかけた。
「あの体を見て、カッコイイと思った人はいるのです~?」
 響くのは「いや流石にやりすぎ」「ちょっとキモい」などという、怪人達への否定の声。
 遠巻きの罵倒に怪人達は脂汗を滴らせ、鼻息を荒くしながら、かくなる上はこのパワーで証明するなどと突進してくれば。
「ノソリンは強くて、カッコ良くて、可愛くて、素敵なのです~♪」
 大地の幻獣に乗って(というよりしがみついているように見えるが)、その力強い脚で筋肉に覆われた怪人達を容易くねじ伏せ蹴り飛ばし。
 幻獣を掻い潜り華奢なアンディを暑苦しい胸板に抱き寄せようとすれば。
「お触りは~厳禁です~」
 ハリセン――ただのハリセンではない、伝説の超金属で誂られた伝説のツッコミ道具がアルパカの顎を砕く。
 死者すら出るという伝説の「DOTSUKI」が、怪人を哀れ遠き星に変えてしまうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リステル・クローズエデン
これが、更なる黒幕がいるのか、
いないのかわかりませんが、
ヒーローが一般人を襲うという間違いを
流布される訳にもいきませんからね。


「しかし、暑苦しい。」


先制攻撃と早業で先手を取ります。
【我流忍術・地爆陣】で相手の足下を爆破します。

相手の攻撃は、見切りとダッシュ。
ジャンプに逃げ足を組み合わせて。
回避します。

後は、【地爆陣】でひたすら
足下を攻撃。
時々、マヒ毒のついた手裏剣を
投擲します。

「ポーズは、とらせません。」



●キマイラフューチャー03
(これが、更なる黒幕がいるのか、いないのかわかりませんが)
 リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)はこのヒーローショーの目的と、その裏で糸を引いている者がいるのかどうか思いを馳せた。
 尤もこの世界に限らず、やたらと回りくどいやり方を好む者は沢山いるわけであるが――それはさておき。
(ヒーローが一般人を襲うという間違いを流布される訳にもいきませんからね)
 為されることを見過ごすわけにもいかないし、戦う理由は十分。
 とはいえ、目の前で脂ぎった汗を輝かせ筋肉を震わせながら途轍もなく良い笑顔でアピールしてくるアルパカ頭に辟易しながら呟いた。
「しかし、暑苦しい」
 反論は受け付けない、と言わんばかりに指先を静かに向けて。
 陰陽五行は土の行、地脈の気の流れを疑似的に再現し足元を盛大に爆ぜさせる――吹き上がる土流はさながら大地に住む昇り竜が如く。
 ……爆発オチなんて嫌だーという戦闘員役達の嘆き声が聞こえたのは気のせいではないはず。
 その後も同胞の仇を討たんと暑苦しく汗を滴らせ、筋肉の剛腕を振るってきた攻撃を軽く躱し。
 更に次々に襲い来る死ぬほど嫌な筋肉の抱擁(ベアーハッグ)を逃げるように摺り抜けて躱していきながら、すれ違い様に指先を向け、英雄を讃える爆発の如く怪人達の足元を爆ぜさせ天高く舞い上げる。
 奇跡的に爆発オチを免れた個体が、洗練された肉体の頑強さを見せつける実に暑苦しいアピールを行おうとすれば。
「ポーズは、とらせません」
 それは読んでいた、と言わんばかりに麻痺毒を塗られた手裏剣が綺麗に刺さってはいけない急所に突き刺さり泡を吹き倒れていく。
 そうしたポーズを取られて戦闘力を増大されても厄介だし、先に潰すに限る。
 何より――この理由が大きかった。
「暑苦しいのはご勘弁……本当に」

成功 🔵​🔵​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
正義のヒーロー!憧れるよねっ
けど、それを悪用するなんて絶対に許さないよ!
こうなったらボク達が本物のヒーローになってキマイラフューチャーのみんなに夢と希望を与えようよ!
行こっ、ウィーリィくん!

宇宙バイク「ハイメガシャーク」に乗って颯爽と登場!
「困った時のサメ頼み!宇宙海賊シャークトルネード参上だよ!」
そしてそのまま立ち回りを演じながらウィーリィくんと連携を取ってフォースカトラスでの【2回攻撃】、ブラスターでの【クイックドロウ】でアルパカたちを次々とノックアウト!
「さーて、ステージも大分あったまったかな?」


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ヒーロー物はあんま詳しくないけど、それでもキマイラフューチャーの人達のピンチを放っておく訳にはいかないよな。
そんな訳でシャーリーに乗っかる形でステージに参加。

「ちょっと待った、プロテインに頼りすぎると身体壊すぞ?」
「筋肉つけたいんならタンパク質だけじゃなく栄養バランスの取れた食事が大事だぜ?」
「炎の料理人、ウィーリィ!悪い奴らはまとめてBBQだ!」

シャーリーと協力し、派手なステージ作りを意識。
彼女のカトラス捌きに合わせこっちも大包丁の『二回攻撃』を繰り出し、そして熱戦銃の攻撃に合わせて『神火の竈』でステージ上の敵をBBQにする。
(火事にならない様に火勢は制御)



●超銀河的大火砲
 ――正義のヒーローに憧れ心を燃やす少女がいた。
「正義のヒーロー!! 憧れるよねっ。けど、それを悪用するなんて絶対に許さないよ!!」
 見た目は賊であっても、宿す心は正義のそれ。
 偽りの英雄が力なき民を害するならば、行うことはただ一つ。
「こうなったらボク達が本物のヒーローになってキマイラフューチャーのみんなに夢と希望を与えようよ!!」
 超科学の片目から炎を噴き上げる勢いで少女は己が決意を語った。
 ――その少女につき調理の炎を燃やす少年がいた。
「ヒーロー物はあんま詳しくないけど……それでもキマイラフューチャーの人達のピンチを放っておく訳にはいかないよな」
 少女シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は少年に共に行こうと促し、少年ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はそれに応える――燃やす炎は違えども、危機を見過ごせぬ正義の心は変わらない。
 真のヒーロー達と乱戦を極める怪人達の中に、颯爽と大鮫を思わせるフォルムのバイクを駆って現れる。
「困った時のサメ頼み!!」
「何奴!?」
「キマイラフューチャーの未来は僕の未来!!」
 不運にも巻き込まれたアルパカ怪人を、大海から湧き出た鮫の如く跳ね飛ばし。
 唸るエンジン音はあらゆるモノを噛み砕く鮫の唸り声が如く。
「宇宙海賊シャークトルネード参上だよ!!」
「そして炎の料理人、ウィーリィ!! 悪い奴らはまとめてBBQだ!!」
 誰がやったか見事なる舞台演出、ブレーキ音を響かせて華麗にポーズを決める彼等を讃えるように七色の火花が散りダブルヒーローの参上を彩って。
 新たなるヒーローの登場にどこにあるのか分からない眉間に皺を寄せながら、カロリー執事は指を突き付けた。
「またヒーローですか、現れますねぇ。お前たち、今こそこのハイパーカロリープロテインの力で迎え撃ってあげなさい……」
「ちょっとまった!! プロテインに頼りすぎると身体壊すぞ?」
「え、そうなの?」
 悪役のパワーアップを阻止する正にヒーローの鑑……かどうかはともかく。
 執事の取り出した健康に悪そうな色のお菓子を食べようとしていたマッスルブラザーズはウィーリィの言葉に一斉に躊躇いを見せる。
「筋肉つけたいんならタンパク質だけじゃなく栄養バランスの取れた食事が大事だぜ?」
 その辺りの頭はよろしくないのか、ごま油と中華調味料がほのかに匂うような歴戦の料理人のオーラに納得し始め、上司の差し入れを遠慮がちに返していき。
 慌てふためく怪人達を、シャーリーはサイキックの力で形成されたカットラスを振るい分厚い筋肉に覆われた身体をばったばったと斬り伏せて。
 彼女の背後はウィーリィの振るう大包丁が怪人を解体するように斃し、光と炎の華麗なる剣舞がアルパカ怪人達を叩きのめしていく。
 背中合わせの輪舞のように、互いが互いの隙を補い、豪快にして洗練された剣捌きに、観衆は大盛り上がり。
 暑苦しいポーズをとるまでもなく、なぎ倒されて暑苦しい筋肉の山がステージに作られていき。
「さーて、ステージも大分あったまったかな?」
「ああ。強火で一気に仕上げるぜ!!」
 そう、ここからが最高潮――積み上げられた筋肉の山諸共焼き尽くすように。
 シャーリーは流れ星の銘を持つ熱線銃を回転させながら構え、一瞬で十六発――螺旋を描くように放たれた熱線の怒涛がまたアルパカ怪人達を灰燼に帰して行き。
 ウィーリィの包丁から放たれる始祖の業火が、熱線に追従しながらアルパカ怪人達に触れていき、決して美味しくは無さそうなバーベキューを作り上げた。
 ちなみに火事にはならないよう万全の備えはあり――閑話休題。
 突如として新たに現れたダブル・ヒーローによる熱く激しい大立ち回りの余韻は暫くの間続いたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

仁科・恭介
※アドリブ、共闘歓迎
私が真面目に始めるとシリアスモードになりますからね。
ここは先ず雰囲気になれなければ。
…知合いに見られたらあれだけど、こんな所にくる子はいないだろ。

帽子を目深にかぶって【目立たない】ように登場。
声は可愛く裏声で。
こっそりマイクを拝借してヒーローショーのお兄さん役を開始する。
「(こんな感じだっけ?)おーっと悪いアルパカマッスルがポージングを始めた。これは危険だぞ~。良い子のみんなはステージから離れようね♪」
「みんな声で応援だ。いっくよ~!」
「猟兵あぶな~い。後ろ後ろ~!」
「うわぁ、猟兵…良かったねぇ」
「みんな、ここは一斉に応援を届けよう。せぇの『猟兵がんばぇ~(はーと)』」


茅場・榛名
そんな動きづらい体なんて、よほどのバカじゃなきゃ好きじゃないでしょ。
やっぱり、筋力より機動力だよ!···なんて言いながら、ボク結構力あるんだけどね。

こう言っても懲りずに近づく連中には武器を使うまでもないね。
上手く捌いて、投げ飛ばしてあげるよ。
体術なら、筋肉だけじゃ解決できないっしょ?
見た目だけの筋肉なんて、冷めたピザより無価値だよ。

自分を苛め抜いて鍛えるのは大いに結構。
でも、闘うというなら鍛え方が違うんじゃないかな?
現にボクに一撃も加えられないどころか、むしろ返り討ちにあってるの
分かってる?

とかなんとか言って煽ってあげるよ。この場において、悪党めいた事してるけど
本当の悪党は向こうだし、いっか?



●どっちが悪役?
 猟兵達こと真のヒーローの戦いが齎す熱狂は最高潮に達していた。
 動画配信からは絶え間なく熱いコメントが流れ、戦闘の轟音よりも尚やかましくも愛おしい観衆の応援が絶え間なく響く。
 それでも戦闘員の定めに抗わんと、暑苦しい筋肉を振るわせてポーズをキメるアルパカ怪人達に、冷水をぶっかけるが如き声が響いた。
「そんな動きづらい体なんて、よほどのバカじゃなきゃ好きじゃないでしょ」
 茅場・榛名(ローグエージェント・f12464)の(怪人達にとっては)あまりにも心無い言葉にアルパカ怪人達は汚い顔からツバを吐き、暑苦しい汗を迸らせながら床に突っ伏しバンバンと掌を叩き付ける。
 暑苦しい涙と抗議の叫びを聞き流しながら、アルパカ怪人の振るう剛腕を木の葉のように舞って躱すと、彼女は剛腕を振るった怪人の肩へ座っていた。
 それを撃ち落とす勢いで拳が振るわれるも、それすらも榛名は易々と躱し、力はあっても鈍重な動きを煽る様に躱していく。
「やっぱり、筋力より機動力だよ!! ……なんて言いながら、ボク結構力あるんだけどね」
 その代わりに耐久性の方はお察しだが――当たらなければ、結局意味はなく。
 性懲りもなくラリアットをかましてきた腕を屈んで躱すと、振るわれた腕をひっつかみ一本背負いで盛大に叩きつけた。
 大立ち回りがまた始まろうとしているその中を、帽子を目深にかぶり目立たないようにステージの前に立った男がいた。
(……知り合いに見られたらあれだけど、こんな所にくる子はいないだろ)
 そう言った時こそ、寧ろ知り合いに出くわす確率の高いものではあるが今回は低い方のようであり。
 男――仁科・恭介(観察する人・f14065)は興奮のあまり避難指示を忘れ、間近で英雄と怪人の戦いを見に来ようとしたマナーの悪いお友達を見てハッとなる。
 このままでは不味い――何より空気にも慣れてない、ならどうするか……考えあぐねた彼の目に飛び込んできたのは、ショーの司会役か誰かが置いていったマイク。
「おーっと悪いアルパカマッスルがポージングを始めた。これは危険だぞ~。良い子のみんなはステージから離れようね♪」
 意を決した裏声で、近寄って来たお友達をさり気なく返しながら、舞台の上で大立ち回りを続ける榛名に軽く目配せをし。
 ――近寄ってくるギャラリーは任せるように。
「みんな声で応援だ。いっくよ~!!」
 始まる応援に、普段は悪役ぶり憎まれ役を担うことの多い榛名が一瞬咳き込むが。
 ピカレスク・ヒーローというのもアリだろうか――調子は変えずに、突っ伏す怪人を介抱する怪人達に指を立てて、それを左右に振り煽る。
「体術なら、筋肉だけじゃ解決できないっしょ? 見た目だけの筋肉なんて、冷めたピザより無価値だよ」
(確かにあれは不味い)
 さもありなん、と恭介は冷めたピザの不味さを思い返し。
 性懲りもなく盲信する筋肉を駄々っ子のように振りかざし、剛腕を叩き付けようとする怪人の脚――それが踏み出そうとしたその瞬間目掛けて振るった足払いで盛大に榛名は怪人を転倒させ。
 目を回す怪人に更に煽りを続ける。
「自分を苛め抜いて鍛えるのは大いに結構。でも、闘うというなら鍛え方が違うんじゃないかな?」
 と、煽りを続ける彼女に、比較的頭が良い方の戦闘員がこっそり背後から闇討ちを仕掛けようとするが。
「猟兵あぶな~い。後ろ後ろ~!! うわぁ、猟兵……良かったねぇ」
 司会役を装い、それに混ぜる形で鋭く的確に忍び寄る敵の存在を告げ。
 それを榛名は一本背負いで叩き付けながら心を容赦なく圧し折る様に精神の追い打ちをかけた。
「現にボクに一撃も加えられないどころか、むしろ返り討ちにあってるの分かってる?」
 その様子にお互いにどっちが悪役だ、と思いながらも、恭介は残ったアルパカにトドメを刺すようにマイクパフォーマンスを行う。
「さぁみんな、一斉に応援を届けよう。せぇの『猟兵がんばれぇ~』」
 ――残った最後の一体が哀れに場外に弾き飛ばされたのは、言わずもがな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『カロリー執事』

POW   :    血糖覚醒
【自らの野望の為 】に覚醒して【全身が高カロリーな食べ物】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    カロリーボム
【口に向けて一日分超の高カロリーな食べ物 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    お食事会
いま戦っている対象に有効な【相手が好みそうな食べ物(カロリー激高) 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。

イラスト:はちみつモンテ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦闘員は倒した、次は今週の怪人だ
 現れた猟兵達の大立ち回りによって、アルパカマッスルブラザーズは綺麗に全滅した。
 ……一部は大きなショックを受けて立ち直れなくなっているようだが、それはそれ。
 予定にないヒーローの登場と大立ち回りの損害に積み上げられたアイスクリームの頭の一つを崩しそうになりながら、カロリー執事はやれやれと言った風に猟兵達を讃える。
「お、お見事ですよヒーロー達。我が高カロリープロテインの精鋭をここまで容易く倒すとは……」
 平静を装っているようではあるが、燕尾服の背には大量の糖分を含んだ汗を流し大変に焦っていた。
 こうなったら脚本を変えるしかない――ここで自分がこのヒーローを叩きのめし、絶望しているところにヒーロー役の怪人が現れる……という筋書きにしよう。うん。 
 それに、この真のヒーローを倒した方がより深い絶望を与えられる……考えてみれば一石二鳥ではないか。
 咳払い一つし、優雅に一礼をしながらカロリー執事は猟兵達に告げた。
「かくなる上はこの私が直接お相手いたしましょう。自己紹介が遅れました、私はカロリー執事。この世界をカロリーで殺す者でございます。以後……お見知りおきを」
 お見知りおきとは言うたけれど――
「そして私の名を、貴方がたの末期の食事といたしなさい――行きますよ」
アンディ・リーランス
食べ物を作り出したら、
「知らない人から物をもらったらダメと言われているのです~!」
と言って断る(?)

「こんな風に用意されたものは不衛生で、見た目だけでおいしくないのです~。栄養バランスも悪いのです~。」


 攻撃を受けたら(食べたら?)『生まれながらの光』で治療する。
 その後、オリハリセンで攻撃をする。(ツッコミをリピート?)

「そんなものばかり食べさせているから、さっきみたいな駄マッチョが量産されるのです~よ!」

「ねえ、糖尿病のメタボ作り怪人さん♪」
と、余裕の笑みを浮かべてあげる。

「それに僕が好きなのは、完熟トマトのジュースです~♪(無添加)」



●健康一番
「さぁまずはそこの小さなお坊ちゃん。私から超高カロリースイーツをご馳走してあげましょう」
 カロリー執事が最初に狙いをつけたのは、小柄な子供であるアンディであった。
 見るからに脂質と糖質の塊であるバタースコッチパイを押し付けようとするが。
「知らない人から物をもらったらダメと言われているのです~!!」
 そこはそれ、良い子のアンディ君。
 その辺りの分別はしっかりついている……にも関わらず、カロリー執事は頻りに頷いてしつこく食べ物を勧めようとしてくる。
「成程……ではお坊ちゃんのお名前は? ふむ、アンディ君。私はカロリー執事、君はアンディ君。ほら、もうこれでお互い知らない人じゃなくなった!!」
「そうですね~。でもこんな風に用意されたものは不衛生で、見た目だけでおいしくないのです~。栄養バランスも悪いのです~」
 騙されんぞ、という謎の声が響いたかどうかはともかく。
 綺麗に突っぱねられる良い子の前にぐぬぬ、とバタースコッチパイを危うく握りつぶしそうになり。
「そんなものばかり食べさせているから、さっきみたいな駄マッチョが量産されるのです~よ!!」
 そこで言葉攻めをしっかり怠らない辺り、実にアンディは良い性格をしていると言えよう。
 しっかりオリハルコンのハリセンでどついておくことも忘れずに。
「ねえ、糖尿病のメタボ作り怪人さん♪」
「失礼な!! 彼らは兎も角私を馬鹿にするのは許しませんよ!!」
 見事なまでの悪役の台詞を吐き、陥没しかけたアイスクリーム頭の一つを直しつつ。
 そこに更にアンディはトドメの台詞を吐いた。
「それに僕が好きなのは、完熟トマトのジュースです~♪ それも無添加の~」
「無添加の野菜ジュース!? なんと不健全な!!」
 メタボリックの信奉者には限りない劇物が好きだと言われショックを受けて。
 追い打ちで振るわれたオリハルコンのどつきが更に綺麗に決まり、言葉と精神に初撃から見事に執事は打ちのめされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

短夜・いろは
あー? なんだてめー、思考が米国かー?
なるほどなー私は嫌いじゃないなー。けど足りてねーよなー。決定的によー。
色が足りねーんだよなー! あぁ? なんだその目に優しいパステルカラーはよ! そんなんでおいしい食事を彩れると思ってんのか!?
敵に塩を送るのはよくねーが、今回は私のこだわりに免じて特別にてめーに協力してやらー。

つーわけでテメーは【原色】に染めてやる。

グレネードランチャーで放たれるこの、食用着色ペンキ弾を見ろよギャラリー。この毒々しいシアン、マゼンタ、イエローを!
原色のマーブル模様が描く最高のアートとスイーツの競演に見惚れて死ね!
あぁ? 何だ、その気味悪そうな顔はよ!



●脂肪遊戯
 初っ端から己の自慢を否定されカロリー執事は頭を抱えながら、自前のガムシロップ大量投入紅茶を飲んで一息入れた。
「や、野菜など……ピザで十分ではありませんか」
「あー? なんだてめー、思考が米国かー?」
 その米国という言葉はカロリー執事には分からなかったが、まぁその思考は明らかに米国のそれだろう。
 大量のトマトケチャップにオリーブ、玉ねぎ、付け合わせにポテトまでの野菜尽くしと熱烈に語る姿にいろはは頷いた。
「なるほどなー私は嫌いじゃないなー。けど足りてねーよなー。決定的によー」
「……は?」
 一体何が、と問おうとした執事の言葉が始まるよりも早く。
 いろははビシっと指をさし、執事の頭部から始まり携えたスイーツの淡い色合いを厳しく非難し始める。
「色が足りねーんだよなー!! あぁ? なんだその目に優しいパステルカラーはよ!! そんなんでおいしい食事を彩れると思ってんのか!?」
「えぇ……」
「敵に塩を送るのはよくねーが、今回は私のこだわりに免じて特別にてめーに協力してやらー」
 あ、でも塩キャラメルとかは美味しいですよとそれを勧めてくる執事の声を無視をして。
 配下のアルパカ怪人を不健康に染めたペイント弾を放つグレネードランチャーに執事に相応しい色彩をセットする。
 このパステルカラーなアメリカンスウィーツに相応しい色、それはすなわち……
「見ろよギャラリー。この食用着色ペンキ弾の、毒々しいシアン、マゼンタ、イエローを!!」
 引鉄を引き爆ぜた榴弾が染め上げたのは、目にはとても優しくない原色だった。
 見た目に穏やかで夢をほわほわと与えるスウィーツが、和の民には目が痛く背徳感を煽る三原色に染め上げられたのだ。
 茫然と染まったスウィーツを手に、執事は嘆きいろはにおずおずと訴えるも。
「あの、もうちょっとマシな色とかは……」
「あぁ? 何だ、その気味悪そうな顔はよ!!」
 ある訳はなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仁科・恭介
※アドリブ、共闘歓迎
「おーっとここで新たな怪人の出現だ。みんなあぶなーい。下がって!」
でも、よく見ると…手に持ってるのは観客にも危害がありそう。
「さあ、みんないくよ。『猟兵、猟兵、猟兵!』」
一瞬のうちに【携帯食料】を貪り、【目立たない】よう【残像】を残して【ダッシュ】で近づき、ティースタンドとティーポットを奪取。
ついでに頭も気になるから整えておこう。
元の位置で優雅にお茶を飲みながら応援を再開。
飛翔物は【目立たない】ようにテキパキ処理。
あくまでも主役はステージの猟兵だ。
「このピンチはきっとあの子が何とかしてくれる。」
「さぁ、みんな元気よく名前を呼ぼうね」



●時には司会のお兄さんも戦おう
「おーっとここで新たな怪人の出現だ。みんなあぶなーい。下がって!!」
 いわゆる司会のお兄さんを続けていた恭介が注意を促すも、キマイラ達は既に十分に下がっていた後だった。
 とはいえ、ここまで注意しておけばもうどんな敵怪人が来たとしても巻き込まれることはないだろう、しかし。
(よく見ると……手に持ってるのは危害がありそう)
 このティースタンドとティーポットは危険に見える。
 こっそりと携帯食料を齧りエネルギーを充電、電光石火の早業で目立たぬように執事の後ろに忍び寄り奪取して逃げようとするも。
「待・ち・な・さ・い」
 肩を掴まれた恭介が振り向いた先には、全身を高カロリーの食べ物に変異させ戦闘力を増強させていた執事だった。
 何処にあるのか分からない目は、それ返せと訴えていて。
 その増強した強い力でしっかりと恭介の肩を掴み逃げられないようにしていた――ああ、司会のお兄さんが悪者に捕らわれてしまったではないか。
 戻って没収した紅茶をたしなみながら応援に努めるつもりだったのに。
 あくまでも主役はステージの上の猟兵……しかし、上がらされた以上は自分も主役だ。
「このピンチはきっとお兄さんが何とかする!!」
 振り向きざまに、気にかかっていたぐらついた執事の頭を直すと同時、膝蹴りを鳩尾に叩き込み。
 バックステップで逃げようとすれば、執事は追い打ちに高カロリースウィーツを投げつけるも、恭介はそれを歴戦のゴールキーパーのようにキャッチして捕らえ、逆に投げ返す。
 そうして奪ったティーカップに紅茶を注いで啜って決めポーズを行った後、司会のお兄さんヒーローとして彼は尚も決めた。
「さぁ、みんな元気よく名前を呼ぼうね!! 『猟兵、猟兵、猟兵!!』」
 1,2,3と彼が柏手を打てば、それに連動してヒーローコールが鳴り響くのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
なんておいしそ…じゃなかった、手ごわそうな相手なの!
油断しちゃダメだよ、ウィーリィくん!

むぐっ!?
(※言ってるそばから口の中にスイーツをつっこまれる)
…なにこれ、おいひぃ!?
(※たちまちハート目になりスイーツを貪りだす)
もっろ、もっろちょうらぁい…
(※カロリー執事におねだり)

なーんて、ね☆
ヒーローショーにはピンチシーンもつきものでしょ?
相手が油断したところで【バトル・インテリジェンス】で攻撃力を強化、ウィーリィくんと一緒にフォースカトラスの【2回攻撃】でざくざく攻撃!
「もしかして、ホントに堕ちちゃったと思ってたー?」


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
カロリー執事…。
見ただけで分かる。糖質も、脂質も、桁外れだ!
けど、食べる量と食事全体のバランスさえ気をつければ問題はないんだよな。
っていうか、むしろお前の存在がスイーツに対する風評被害だよ!

『盾受け』+『かばう』でスイーツ攻撃からシャーリーを庇いながら敵に肉薄し、シャーリーとタイミングを合わせて大包丁の『二回攻撃』の連撃を叩き込んでトドメに『神火の竈』+炎の『属性攻撃』でヤツを強火の業火に包む。
お前のカロリー、その罪もろとも燃やし尽くしてやるぜ!



●ゼロカロリー理論
 戦いは山場に在りて、カロリー執事はその身体を嫌気が差すほどの超高カロリースイーツに転じ、色んな意味で人を圧倒する闘(糖)気を放っていた。
 あと妙に甘ったるい香りがするのも、気のせいではないのだろう。
 その圧倒的な気に、シャーリーはごくりと唾を飲み、身体を震わせて艶の肌を鮫のごとく尖らせるかもしれない程にあって。
「なんておいしそ……じゃなかった、手ごわそうな相手なの!! 油断しちゃしちゃダメだよ、ウィーリィくん!!」
「ああ。見ただけで分かる……こいつは桁外れだ」
「ふっふっふ……どうやらお嬢様と厨師殿にはわかるようですね……」
 その言葉にウィーリィも同じく唾を飲み下し、油断なく大包丁と鉄鍋を構え甘ったるい闘気に呑まれんとゴマ油と中華調味料が香る気がする熱気のようなものを全身から発していた。
「糖質も、脂質も、桁外れだ!!」
「そっち!? いや確かにそうだけど」
「っていうか、むしろスイーツに対する風評被害だよ!!」
 量さえ気を付ければ問題はない――それは如何な食事に於いても変わらない不文律。
 それを圧倒的に無視する脂肪と糖分の暴力的な気配にシャーリーは魅惑半分に、ウィーリィは食の冒涜に身震いし。
「言ってくれますねぇ……私のスイーツが問題あるかどうか……一食即解(食えばわかる)」
 二人の様子にスペアのティーポットから注いだ99%ガムシロップの紅茶を嗜みながら、カロリー執事は無差別に脂と糖分を大量に含んだスイーツを無差別に放った。
 甘ったるく、同時に食べ盛りの身体にとっても匂いだけで胃もたれしそうな油っこい匂いのそれを、ウィーリィはシャーリーを庇いつつ、鉄鍋で受け大包丁で斬り伏せながら迫らんとするが。
「むぐっ!?」
 かの執事の放つスイーツは膨大――少年の防護を擦り抜けた、悪魔の食べ物と異名を持つどっしり重厚なチョコレートケーキ、それもご丁寧に生クリームをふんだんに乗せたそれがシャーリーの口の中に入り込む。
「……なにこれ、おいひぃ!?」
 実際、味は良かったようで。
「はむっ、ん、んぐっ……あむっ、んっ、うぅぅんっ」
 一瞬の内に鮮やかな緑の瞳にハートの輝きを浮かべ、生クリームを口の周りにべったりと付けながら捻じ込まれた黒い物体を貪る。
 悪魔的な高カロリーであっても、悪魔的な甘き美味には逆らえず。
 身体に垂れたクリームを指先で拭い、膝を着き恍惚とした顔で、涎をだらしなく零した顔で彼女は甘美な一時をねだる。
「もっろ、もっろちょうらぁい……なんでも、すりゅからぁ」
「シャーリー……」
「ん? 今なんでもって」
 執事のジャケットを掴み、跪き見上げる彼女にウィーリィは目を逸らし。
 その姿に優越感を得た執事は、その顔目掛けてクリームたっぷりのストロベリーサンデーを落とそうと――
「なーんて、ね」
 ヒーローにピンチは付き物――油断しきった執事の腕をフォースのカットラスが切り裂き、脇腹を大包丁が薙ぐ。
 高機能のAIを搭載したドローンに自らを操らせ、戦闘力を向上させたシャーリーがにやけながらからかうように言った。
「もしかして、ホントに堕ちちゃったと思ってたー?」
「名演!!」
 その言葉に苦笑しながらウィーリィは答え。
 騙したなと抗議の声を挙げる執事をよそに、鮫牙のように獰猛なカットラスの連続攻撃が執事の燕尾服を切り裂き。
 七ツ星の超絶刀工のように豪快な大包丁が三段重ねアイスの一番上を両断し。
 踊る様に更に繰り出されたフォースカットラスの刃が、背後から執事の腹を盛大に貫通して。
「お前のカロリー、その罪もろとも燃やし尽くしてやるぜ!!」
 トドメに放たれた原初、扱われた炎の豪快極まりない火工が、カロリー執事の身体を炎の中に包み込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

茅場・榛名
「執事ねぇ。主人はレーションでも食ってた方がお似合いなんじゃない?」
あれ、滅茶苦茶マズいけど。って、あれ?日常で食べてるのボクだけ?
···なんか納得いかないからとりあえず逝っとけ。

さっきの鈍重な亀よりかは骨のある奴かな?
食えばいいってもんじゃないんだよ。
なにか投げてきたら、お返しにハンドガンの弾をプレゼントしてあげるよ。
この時の為の[追尾弾]だよ。
「黄泉送りになるのはあんたの方だ。せいぜい、地獄に堕ちないよう祈っとくんだね」

ここでも煽っていくよ。ボクは(自称だけど)悪党だからね。
自分を制して悪に徹していくよ。
ヒーローとか、そんな栄光はボク以外が得るべきもの。
少なくとも、ボクはそう思ってる。



●悪漢浪漫
 糖分の焦げる甘ったるくも嫌な匂いを発しながら、炎の中から這い出た執事を煽るのは、榛名の嘲笑だった。
「執事ねぇ。主人はレーションでも食ってた方がお似合いなんじゃない?」
「レーション!? あんな不味いモノを!! 栄養と熱量だけあればいいなんて、冗談じゃありません!!」
 彼女曰く、滅茶苦茶不味い――尤も、最近では普通に美味しいモノも存在しているらしいが。閑話休題。
 そして栄養は兎も角熱量に関してはこの執事は人のことは言えないだろう、榛名もまた日常で食べているのは自分だけか、と一瞬疑問に思いながらも。
「……なんか納得いかないからとりあえず逝っとけ」
「それただの八つ当たりじゃないですか」
 有無を言わさない、大口径ハンドガンの発砲音と、それを迎え撃つ超高カロリースイーツ。
  弾丸によって弾き飛ばされたバター大量投入のパウンドケーキが爆ぜて、金色の雪のように二人の間に舞い。
 弾丸と相殺するスイーツもこれはこれで恐ろしいモノで、その後もカロリー執事は彼女目掛けて手製のスイーツを剛速球で投げつけていき、榛名もまたそれを雷の如き轟音を立てる大型銃の弾丸で叩き落としていく。
「さっきの鈍重な亀よりかは骨のある奴かな?」
 でもこんな甘いのは願い下げ――銃の射線から離れようとした執事の身体に、誘導された弾丸が突き刺さり内部で返りが爆ぜて糖水の吐血を床に撒き散らさせる。
 その執事を後ろから蹴り、頭部を踏みつけながら彼女はまた銃口を突き付けて、
「黄泉送りになるのはあんたの方だ。せいぜい、地獄に堕ちないよう祈っとくんだね」
 至近距離でこそ最大威力を発揮する弾丸を、その至近距離で解き放つ。
 悪役の所業だが、彼女それでいい――英雄の栄光は他の人が貰えばいい、だからこそ徹しよう。
「ああ、でもあんたじゃ地獄の鬼も願い下げかな? こんな甘ったるくて脂っこいの、煮ても焼いても食べられないもんね」

成功 🔵​🔵​🔴​

リステル・クローズエデン
ふむ、また奇妙な奴が現れましたね。

いくら、美味しいといえども。
怪人が出すものがマトモなはずありませんね。


さて、仕掛けは既に先ほどの戦闘中に。
あとは、タイミングですね。


相手の攻撃は、基本、回避彷徨で。
相手の行動を見切り、
残像、を残すかの如く、
ダッシュや逃げ足で回避。

かわしきれない場合。
フォースシールドで防ぎます。

相手が大技を使うそぶりを見せたとき。
【絡み蔓】発動。
阻害と同時に攻撃のチャンスを作ります。

攻撃は、麻痺の呪詛を込めた手裏剣の投擲を主とします。


可能なら、蔓で動けない相手に、
相手の出した。ミルクレープを
顔面に叩きつけたい。


「はあ、アーン。とでも言うと思っていましたか?」



●縛って叩いて手を打って結んで
 見るからに酷い姿になりながら、カロリー執事はなおも立って野望の炎に燃える。
 全てはこの世界をカロリーで殺す為に――などという熱意が伝わったかどうかは兎も角として。
「ふむ、また奇妙な奴が現れましたね」
 冷静に戦場に現れたリステルは、そう思いながらも衰えない執事の闘志と、内に秘めた実力を正確に見極める。
 初撃に執事が投げ放ったは、大量の糖分と油分を過剰に乗せた、ナッツとキャラメルのぎっしりと詰められたチョコレート・バー。
 勢いをつけて放たれたそれは投げナイフのようにステージの上へ突き刺さる――尤も、外れたのはリステルが場に残影を遺して躱したからだが。
(いくら、美味しいといえども。怪人が出すものがマトモなはずありませんね)
 続いて投げつけられていくチョコレートバーを、ステージを駆け抜けていきながら躱す――当たったとしても、それは光を置き去りにした残像であり。
 その間も麻痺毒を塗りこめた手裏剣がチョコレートバーを撃ち落とし、逆に執事に突き刺さり攻撃の手を緩めさせていく。
 細工は流流仕上げを御覧じろ――既に仕掛けは施した、後は時期を見計らう――痺れが本格的に回る前にと、生み出したスイーツを一気に叩きつけんと両腕を挙げたその時。
「五行木術。伸びて捕らえよ、緑の手」
 既にステージに蒔かれた種から、幾つもの丈夫な蔦が床を割り瞬時に執事の身体を縛り付け、圧力をかけていく。
 苦悶の声を漏らす執事に対し、リステルは彼が放ち床に落ちたミルクレープを拾うと、そっと差し出し。
「はい、アーン」
 何処にあるかも分からない鼻の下を伸ばす執事に、かっと目を見開くと、その顔面に思い切り叩きつける。
「……とでも言うと思っていましたか?」
「へぶしっ!?」
 麻痺毒が回り、蔦で圧殺されるほどに絞められて。
 顔面にスイーツを叩きつけられ、騙し討ちを受けた執事はがっくりと肩を落とし、静かに事切れるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ムスビ』

POW   :    かみさまの縁結び(物理)
【指名札】が命中した対象を爆破し、更に互いを【運命の赤い糸】で繋ぐ。
SPD   :    燃え上がる恋の炎(物理)
レベル×1個の【恋】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    恋する乙女は無敵(物理)
全身を【リア充モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:華月拓

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠カスミ・アナスタシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●リアル・ヒーロー・ショウ
 会場は大盛り上がりであった。
 突如として現れたヒーロー達の千差万別の魅力と活躍――盛り上がらない筈がない。
 と、ここでスモークがいきなり焚かれ、火花が勢いよく爆ぜたかと思えば、一人の狛犬を思わせる少女が華麗に現れた。
「貴方の心を繋げてバーニンッ、愛と正義の爆炎少女、ラヴリー・ムスビン。華麗に参上っ……あれ?」
 遅れて来てみれば、市民は全員避難している上にアルパカマッスルブラザーズとカロリー執事は倒されていた。
 これではヒーローショーのフリをしてキマイラ達を爆破する計画は失敗ではないか。
「……」
「……」
 突如として現れた新たなヒーローの登場に、キマイラ達からおおっという歓声が響いた。
 しかし猟兵とムスビの間には、気まずい沈黙が流れており。
「そ、そんな……これじゃ、ヒーローを装ってキマイラ達を爆★殺する私の計画が……」
 真っ白になり口から人魂を吐きながら野望を暴露するムスビに、あの、一般キマイラさん達見てますよ――という突っ込みが響けば。
 ハッと思い直すも時すでに遅く。
 キョロキョロと周囲を見渡すも、じっとりとした視線を浴びせる猟兵とキマイラ達の姿があった。
「ふ、ふふふ……よくぞ私の野望を見破ったわねヒーロー達!!」
 勝手に自白しただけじゃん、という突っ込みは完全に無視して。
「でも……ラヴリームスビンは負けないよっ!! 執事君達に変わって、正義のヒーローを成敗しちゃうんだからっ★」
アンディ・リーランス
アドリブ、共闘大歓迎、むしろ推奨w

避難した観客に交じり
「あっ、悪の幹部の登場です♪」
と、指さして言う。そして
「悪の幹部だからきっと変身してくれるのです~♪
「悪の幹部は、正義のヒロインと被らないように、お色気担当になるって、知り合いのおじさんが言っていたのです~♪」
「あの姿なら、あと2回は返信があるのです~♪」

応援しながら、傷ついた人に【生まれながらの光】で治療をしていく。
「みんな~猟兵の皆さんを応援するのです~♪」
(手拍子しながら)
「猟兵♪ 猟兵♪ 猟兵♪ 猟兵♪」
「がんばれなのです~♪」


仁科・恭介
※アドリブ、共闘歓迎
UC対象:アドリブ歓迎

この間戦った時傷ついた喉も、他のヒーローショーで痛めた足もダイジョブ。
さて…本気でいくかな。
帽子とマントを脱ぎ、マフラーを改めて巻き直す。
「そこまでだ。悪党!」掛け声はこれにしよう。
顔は決して殴らない。
シンプルにいこう。
「キマイラフィーチャーの平和は私が守る。」
掛け声と共に全力【ダッシュ】から飛び蹴り。
着地後【残像】を残して【目立たない】よう背後に回る。
そしてバックを取り…バックを取る?絵ずら的にまずい。やめよう。
背後から再度飛び蹴りし挑発すれば何かしら必殺技を使ってくるのでは?
そいつをUCで奪い取ってやる。
取られた時の慌てふためく顔はどんなかな。



●満たされたるヒーローの歓声
 微妙な空気の流れる最終決戦――その空気を打破する一つの声が響いた。
「あっ、悪の幹部の登場です♪」
 いつの間にか少し離れた場所――尤も、逃げる為ではなく、応援しながら時に猟兵が危機に陥ったら援護をするつもりのアンディの無邪気な声だった。
「悪の幹部だからきっと変身してくれるのです~♪」
「えっ」
「悪の幹部は、正義のヒロインと被らないように、お色気担当になるって、知り合いのおじさんが言っていたのです~♪」
 いきなりの無茶ぶり。
 確かに悪と言えば悪だけど、飽く迄正義側のつもりで来ていたムスビにはそのプランは無く、背筋に冷や汗が浮かび始める。
「あの姿なら、あと2回は変身があるのです~♪ おっぱいとかもばいんばいんになったりするのです~」
 ……ムスビの中で、何かが切れた音がした。
 アンディに悪気があったわけではないだろうが、とりわけムスビという女怪人はその清貧なる胸にコンプレックスがあったようで。
「だぁぁぁれが大平原じゃゴルァァァァッ!!」
 雄叫びを挙げ口から、恋どころか怨念の炎を吐き出す勢いで。
 あわや観客が愛ではなく怒りの炎で焼き尽くされてしまうのだろうか――いや、どうあがいても射程の範囲外にある以上それはないが。
 しかしそこはそれ、一旦は怖がるのが観客のマナー……悲鳴が上がる中、ほら、ヒーローは確かに現れた。
「そこまでだ悪党!!」
 颯爽と現れたのは元・司会のお兄さん――先の戦いの傷も癒え、万全なる体調を取り戻し、本気を出して帽子とマントを取り払い、マフラーを靡かせた遅れてやって来た真のヒーロー!!
「キマイラフューチャーの平和は私が守る」
 驚くムスビに有無を言わさず、恭介はマフラーを地に着かせることなく駆け、ステージを蹴るとムスビの鳩尾へそれはそれは鋭い飛び蹴りを叩き込み。
 彼女の薄い身体を足掛かりに後方へ回転しながら着地するとポーズを決めれば、ムスビが反撃に炎を放つが彼は残像を遺して彼女の後ろを取る。
「その薄い身体と野望、正義の蹴りで圧し折ってやろう」
 流石に少女の姿に掴むのは不味いと思ったか、そのまま彼女の背中に飛び蹴りをまた食らわすが――
「がぁっ!!」
「ふふん、恋する乙女は無敵なんだよっ……で、誰が俎板だって? あ? 俎板でもリア充にはなれるんじゃぁぁぁっ!!」
 リア充の気持ちを勝手に妄想し、体の防御力を極限まで高めたムスビは恭介の飛び蹴りを防ぎ、その硬さが逆に恭介の足の痛みをぶり返させる結果となり。
 脚を抑え苦痛に呻く恭介に、今こそ使う時だとアンディは生まれ持った聖なる輝きを降らせ。
「みんな~猟兵の皆さんを応援するのです~♪」
 アンディの手拍子と共に鳴り響く猟兵コールと、降り注ぐ光が恭介の身体を完全に癒し、ヒーローに立ち上がる力を与える。
 次第に悪の女幹部役が板についてきたのか、ムスビは可愛らしい見た目に似合わない高飛車な口調で炎を放つが、恭介はそれをニヤリと笑い、腕を交差させて見事に弾く。
 それは、先程ムスビが見せた絶対防御の構えだった。
「悪いが……その技は奪わせてもらった」
「そんな馬鹿な!? この技はリア充にしか使えない技、ラブラブな恋人がいないお前なんかに……」
「まだわかんないですか~?」
 驚愕するムスビに、観客に交じったアンディが指を振り解説を行う。
「リア充とは~、恋人がいることだけではないのです~」
「そう……この場で応援してくれるキマイラのみんながいる限り!! 私の心はリア充なのだ!!」
 そう、リア充とは恋人がいることだけではない――充たされているという感情と喜びがあれば、それがリア充なのだ。
 そしてそれは、アンディの齎した応援と、恭介が見せたヒーローの活躍が成し得た初撃に相応しい最高の二重奏なのだ!!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

茅場・榛名
残念な事に、悪役ならここに一人、生き残ってるんだよね。
正義正義言ってるけど、ボクは悪党なんだっての。
(キマイラ達は猟兵をヒーローか何かと思ってるけど、ボクはそんな器じゃないんだ。「自分を制して悪に徹する」、それがボクの役割なんだ)

「やぁ、麗しきお嬢さん。ボクと一戦、踊っていただけるかな?」
オブリビオンとはいえ、女の子と戦うのはどうも気が進まないなぁ。
でも、向こうは殺す気で来てるんだ。ボクも、全力で相手しなきゃ···!

いつも通り、カウンターを叩き込む戦い方をするよ。
「ふっ、それは残像さ」
「悪い子は、ボクがお仕置きだよ!」
「悔しいかい、悲しいかい?ボクも悲しいよ。キミを討たなきゃいけないなんて」



●ヴィランサイダー
(残念な事に、悪役ならここに一人、生き残ってるんだよね)
 誰も皆、正義正義というけれど、飽く迄己は悪に徹する。
 ボクはそんな器じゃない――悪でなければいけないし、正義の喝采を浴びるべきは他の猟兵という考えは変わらない。
 ……でもある意味最高じゃないか。悪は悪として正義と戦えるのならば。
「やぁ、麗しきお嬢さん。ボクと一戦、踊っていただけるかな?」
「……!!」
 突如として現れた“悪”の気配に、偽りのヒーローであるムスビの尾が立ち、その存在を喜ぶように尻尾を振る。
 一目見ただけで、彼女こそ求めていた悪だということが分かったのか、危機として戦意を向け。
 尤も――榛名自体は、例えオブリビオンとはいえ女性と戦うことには引け目を感じてしまう、それが何とも悪らしくないといえば悪らしくもないが。
 正義を被った悪と、どこか悪になり切れない悪――二人の戦いはどこか美しくも見えた。
 狛犬と稲荷、正義と悪――縁結びの神を気取ったヒロインが投げつける使命札が、正義と悪の逃れ得ぬ戦いの運命で結び付け爆破しようとしたが。
「ふっ、それは残像さ」
 既にその場に影を遺して去っていた榛名であった影が爆ぜ、虚しく赤い糸が宙に舞い。
 殺すつもりで来る以上は、全力で相手をしなければならない。
「悪い子は、ボクがお仕置きだよ!!」
 ムスビが再び呪符を投げつけんとした時には遅く――順手に構えた太刀と、逆手に構えた脇差による反撃が叩き込まれ。
 華奢な身体から噴き出す血と、その傷口から紅蓮の炎が燃え上がり、ムスビの身体を悪の炎が包む。
 その姿を煽る様に嗤い、榛名はムスビの肩口へ太刀を静かに宛て。
「悔しいかい、悲しいかい? ボクも悲しいよ。キミを討たなきゃいけないなんて」
「ラヴリームスビンは嬉しいよ。出会えるかどうかの敵と結んでくれた運命が」
 ――その返しに悪役じみた唇を釣り上げて、宛がった太刀で深く肩を切り裂くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リステル・クローズエデン
申し訳ないですが……これは現実なのです。
たとえ、傍から見ればヒーローショーだとしても……ね。

ゆっくりと歩きながら。
「呪力解放」
真の姿の解放と同時に【呪力解放・瞬撃斬空形態】が自動発動。
そのまま、ムスビに恐怖を与えながらゆっくりと歩む。

相手の攻撃がきたら、サイバーアイの視力と戦闘知識。第六勘で見切り。
オーラ防御と火炎耐性を組み合わせつつ、
ダッシュで急加速し回避しつつ間合いをつめ、
呪詛+マヒ攻撃+属性攻撃で【氷結呪縛の吹雪】を放ち、
ジャンプで相手の視界から逃れ。
目立たないよう迷彩を使い。刀による暗殺と二回攻撃による追撃を行う。

「派手に……しかして確実に。」
「凍てつけ…」
「ただ……切り裂くのみ…」



●祝いの呪い
「くぅうっ、ラヴリームスビンがここまでやられちゃうなんて……きっとこれは悪い夢だねっ」
 肩口を大きく切り裂かれ、血を流す箇所を抑えながらもムスビは痛みを誤魔化すように気丈に笑って見せる……が、それを否定するおどろおどろしくも強い声が響いた。
「申し訳ないですが……これは現実なのです。たとえ、傍から見ればヒーローショーだとしても……ね」
 ――呪力、解放。
 その声の主こそリステル、真の姿を介抱しその目を恐ろしき深紅に輝かせながらゆっくりとムスビの元へ歩いていく。
 全身から見る者全てを凍てつかせ恐怖を与える魔王が如き姿――見た目だけを見れば、もはやどちらが悪役であるかも分からないが、暗い青色の闘気が冷たく大気を揺らめかせる姿にムスビは総毛立つ。
「っく、うう……こ、こんな悪人に、恋の炎(物理)は負けないんだからーっ!!」
 一思いに距離を一瞬で詰め斬り伏せることは出来るだろう――しかし敢て恐怖を与える為にゆっくり一歩一歩来るリステルに、彼女は破れかぶれに炎を放つ。
 その炎を覚醒した超科学の目で見切り、瞬間移動の如き速度で躱し、一瞬でムスビの眼前へと躍り出る。
 哀れ、恋の熱き炎は残された残影だけを焼くことすら敵わず、纏う冷たい呪いの気迫に凍り付き。
「派手に……しかし確実に。凍てつけ……」
 恐れ慄くムスビへ刀の切っ先を向け、呪われた氷結地獄の凍気を放ち、その逆立った毛すらも凍てつかせ縛り付け。
 目を開けることも叶わない零度を影にしながら跳躍し、背後に回ると言葉を発することも許さぬ勢いで力強い切り上げを放ち。
 流れる血すらも凍る冷気の中で、場所を探ろうとしてもそれは叶わずに――
「ただ……切り裂くのみ……」
 切り上げた刀を今度は一気に振り下ろし、舞い上げられたムスビの身体を地面に叩きつけるように斬り伏せて。
 場を離れると同時、置き土産のように胴を薙いでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

短夜・いろは
どうしたー。何を動かないんだ?
私の圧倒的芸術を前に怯えているのか?
しかしそれも無理からぬ話だなー。私のセンスを前にすりゃよー。
てめーも紫系のいい色彩をしているが、私に言わせりゃラブリーっつーにはまだまだピンクが足りねーぜー。

テメーは【ショッキングピンク】に染めてやる。

おら、グレネード射出で頭からピンク塗料の滝に打たれろ!
どうだ? 鏡を見た新しい自分の感想は! そら、もっと恋愛脳になれや!
おらっ、恋しろオラッ! 脳をもっとピンクに染めろ!!
骨まで蕩けろ! 内外共に桃色に染まりやがれ!! 二度と目覚めるんじゃないぞ?



●ピンク・タイフーン
 氷河の中で幾度となく切り刻まれ、身体を地面に転がし肌と唇を青紫に染めるムスビに煽るような声が響く。
「どうしたー。何を動かないんだ? 私の圧倒的芸術を前に怯えているのか?」
 動かないんじゃなくて動けない、怯えてるんじゃなくて寒くて動けない。
 独り身の寒さの中ではリア充モードなんてできないわよ畜生。
 そんなムスビの恨みが籠った目線に、自分のセンスを前にすればそれもまた当然かと完全に彼女の恨みを無視したようにいろはは頷いた。
「でもよ。てめーも紫系のいい色彩をしているが、私に言わせりゃラブリーっつーにはまだまだピンクが足りねーぜー」
 え、ちょっと待って。
 青紫の唇を震わせ首を振るムスビに対して、有無を言わせずにいろははお得意のペイント弾を解き放つ。
 爆音に続いて花開く、目にも毒で少々煽情的な完全勝利の誓いを示す衝撃的な桃色<ショッキングピンク>の塗料がステージに広がり、塗料の残滓が大気中に舞っては空気をどこか妖しい桃色に染めた。
「どうだ? 鏡を見た新しい自分の感想は!! そら、もっと恋愛脳になれや!!」
「い、いやぁあっぁあ!?」
 見せつけられた鏡の中に映ったのはいやらしいおピンクの姿。
 あまりといえばあまりな色彩に染まった衝撃でムスビは両頬に手を当て絶叫する。
「おらっ、恋しろオラッ!! 脳をもっとピンクに染めろ!!」
「恋=ピンクなんて発想が貧困よ!! てゆーかラヴリームスビンは自分が恋するより勝手に他人を結び付けたいの!!」
 これはこれではた迷惑な主張を続けるムスビに、親指を下に向けていろはは無慈悲にもその主張を却下する!!
「うるせえ!! 骨まで蕩けろ!! 内外共に桃色に染まりやがれ!! 二度と目覚めるんじゃないぞ?」
「いやぁ!! 恋のカラーは純白派なのぉ!!」
 しょーもない恋の色彩論争に、暫くの間観客から笑いの声が絶えなかったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーファ・レイウォール
「今回の貴女は可愛くないわね」

「貴女のことが大好きな男性が知り合いにいるのだけど」
どれくらい好きかと言えば3回くらい対峙して
3回とも快楽責めで骸の海に帰してるわ
ラブなホテル連れ込んだりもしてるくらいよ?

「そんな彼に、今回の貴女を会わせるわけにはいかないから……死んで?」
【全力魔法】と【高速詠唱】
周囲に被害が出ない様に【範囲攻撃】ムスビの周りだけに顕現するようにUCを発動
紫青の焔を纏った風の刃を嗾けるわ
リア充モードでも、服は刻まれるし燃える
それはそれで良いわよね

これも何度も言った台詞だけど
「男っ気のない『縁結びの女神』なんて説得力無いのよ」
今回は愛してくれる男性もいないでしょうから早く還りなさい




「今回の貴女は可愛くないわね」
 笑いの絶えない中、精神的な消耗に息を荒げていたムスビに非情なる声をかけたのは、リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)なるオラトリオだった。
 尤も――今回の、とは言ってもこのムスビにしてみれば身に覚えのない言いがかりなわけで、塗料に塗れた顔を拭きつつ首をかしげる。
「貴女のことが大好きな男性が知り合いにいるのだけど」
「え、何それ初耳」
 なんでも、三回とも対峙してその三回とも熱烈な愛で堕としたという。
 しかもその三回はきっちりとデートに誘うほどだとも。
 このムスビにとっては全くの身に覚えのないことではあるが、何だかんだで女の子は女の子、先程自分より他人のとは言ったがハッキリと自分への愛を向けてくれるというなら話は別だ。
 耳と尾を立たせ興味深くその話を聞くムスビに、冷徹な死刑宣告をリーファは下す。
「そんな彼に、今回の貴女を会わせるわけにはいかないから……死んで?」
「えっ」
 言うが早いか彼女は静かにムスビへと掌を向けて、十分の一秒にも満たないほどの高速詠唱で術法を紡ぐ。
 ムスビを取り囲むように放たれた紫炎を纏う風の刃が渦を巻き、彼女を切り裂かんとする。
 咄嗟に実態を知らぬとは幸福なことではあるが、先程に存分に語られた愛してくれるまだ見ぬ男から、リア充の気持ちを妄想し守りを固める。
 しかし体の防護を固めても服だけはそれを逃れて切り裂かれ柔肌を露わにして。
 その様子に淡々とリーファは告げる。
「これも何度も言った台詞だけど」
「いや『私』は知らないよ?」
 ムスビの冷静な突っ込みも無視し、
「男っ気のない『縁結びの女神』なんて説得力無いのよ」
「誰がちっぱいの喪女じゃこらぁっ!!」
 誰も言ってないよそんなこと。
 いずこからのツッコミが入る前に、静かにリーファの追撃の術が強かに決まるのであった。
「今回は愛してくれる男性もいないでしょうから早く還りなさい」

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ラブリー・ムスビン……
あ、おむすび関係ないのか。なんだ。

(シャーリーと赤い糸で結び付けられて)
って、結ぶって物理的な意味かよ!
これじゃ身動きが……
あ、当たってる!当たってるから!
(アルダワ魔法学園のダンジョンでの出来事を思い出し真っ赤に)

けど、この状況を逆に利用させてもらうぜ!
二人が結びついた状態で息を合わせ、連携攻撃で敵を圧倒する。
回避はシャーリーに任せて俺は攻撃に専念。
『料理の鉄刃』を『二回攻撃』で叩き込む。
「見たか!これが、本当の心と心の結びつきってやつだ!」
……ヘンな意味じゃないからな?


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
えっと、そこまで計画だだもれでまだヒーローっぽい名前名乗るかなあ
とにかく、キミの野望もここまでだよ!

きゃあっ!
(※「かみさまの縁結び」を受けてウィーリィくんと何だかハレンチな具合に縛られる)
んっ…キツ…
やだ、ウィーリィくん動いちゃ…きゃん!
ううっ、以前の経験がフラッシュバックして密着しているウィーリィくんの躰を意識しちゃうよぉ…

でも、ヒーローショーにピンチはお約束!
このままの状態で【バトル・インテリジェンス】を作動させて密着したままの二人の動きを制御
ボクが回避、ウィーリィくんが攻撃を担当する形で役割分担し、二人三脚の要領で呼吸を揃えてそのまま戦闘
「一緒に行くよ、ウィーリィくん!」



●弾けろ最大撃!
「う、ぐぐ……ラヴリームスビン大ピンチ!! みんな~!! 力を貸してぇ~~」
 ボロボロに追いやられて、それでも尚立って観客に正義のヒロインらしく応援を求めたりもするが――そもそも、最初の時点で悪役側だということを自白した以上、ないわーという呆れた笑いの声が虚しく響く。
「えっと、そこまでやって、まだヒーローっぽい名前名乗るかなあ」
「ラヴリームスビン……あ、おむすび関係ないのか。なんだ」
 呆れたシャーリーの突っ込みと、ムスビという名前から米の飯を握り固めたそれだと一瞬思っていたウィーリィのポンと手を叩く声が響いた。
「とにかく、キミの野望もここまでだよ!!」
 ビシっと最後に指を格好良く決めるシャーリー……いや、宇宙海賊(キャプテン)シャークトルネード!!
 指先を突き付ければぷるんと揺れる肢体に、最早ヨゴレ系ヒロインの様相を醸し出したムスビがきしゃーと口から炎を吐いた。
「彼氏まで連れて自慢かこんにゃろう!! チクショウめ!! 結ばれろ!! 末長く爆発しろ!! 物理的に!!」
 祝っているのか呪っているのか。
 こじらせた本能だけは何とか達成しようと、変な恋の呪符を手に取ると勢いよく投げつけて二人の身体に張り付ける。
 咄嗟に躱そうとした二人だが、嫉妬の勢いあな恐ろしや、祝いの呪いに強引に結び付けられ、恋の赤い糸が二人の身体をがっちり密着させて縛り付ける。
 尤も爆発させるだけの力はムスビに残されていないのが幸いで、ダメージ自体はそう入ってない、入ってないが。
「きゃあ!! ちょ、ウィーリィくんっ……んっ、キツ……あぅん」
「結ばれるって、そっちかよ!! これじゃ身動きが……あ、こら、やめっ……あた、あたたっ、当たって」
 ……お互いの身体を強調するように赤い糸が縛り、年頃には刺激の強い体勢で身体を押し付け合う格好にさせられてはしまったが。
 色々と拗らせて自棄っぱちになったムスビはその様相を見て、完全に悪の女幹部宛らに高笑いをし、シャーリーとウィーリィの両者は顔を赤くして悶えながら物理的な結びつきに抗う。
 二人の頭の中に思い返されるのは、アルダワ魔法学園で起きた事件――詳細は良い子のヒーローショーでは語れないが。
 あわや、ヒーローショーから“一文字”抜いた大混乱になってしまうのか、それとも怨念と嫉妬の炎を掲げるムスビの餌食となってしまうのか。
 だが――ヒーローたる者、一度はピンチに陥らせられるのが賑わうショーの不文律。
 繋がったままの状態を最大限に活かすように、シャーリーはサイバーアイを煌めかせると呼び出した小型機械に己を制御させ。
 投げつけられたムスビの放つ火炎弾を二人三脚の要領で、まるでダンスを踊るかのように息の合った動きで躱し。
「一緒に行くよ、ウィーリィくん!! あ、変な意味じゃないよ?」
「……やめろぉ!!」
 頬を染めて囁くシャーリーに白目を剥いて叫びつつ。
 研ぎ澄まされたる料理の刃、この世に断てぬモノは無し――悪役めいて指を立てて、空ぶった筈の巨大な火炎弾が二人の背後に襲い掛かろうとした刹那、ウィーリィの大包丁がそれを切り裂き。
 分裂し手数で圧そうとした無数の小さな火炎弾は、超高精度AIに制御されたシャーリーの精緻極まる足捌きが適切なポイントを見切り、軽く潜り抜けさせていき。
 リア充への嫉妬で防護を固めるよりも先に、猛牛をも竜の如く荒々しく切断する勢いの大包丁の一撃がムスビの身体を通り過ぎ。
「そ、そんなっ……馬鹿なぁぁぁ!?」
 最期の最期まで、見事なまでに悪役のテンプレートな断末魔を響かせて、縁結びの神を気取った怪人は現世との縁を斬られて、冥府へ旅立つのであった。
「見たか!! これが、本当の心と心の結びつきってやつだ!! ……決して変な意味じゃないからな?」
 ……ちなみに二人の赤い糸は暫くの間切れませんでした。

●終焉は過程を正当化する
 かくして。
 キマイラフューチャーで起こった偽りのヒーローショーは猟兵達の勝利に終わった。
 ……時に、どちらが悪党だと言われかねない光景もあったかもしれないが、そこはそれ。
 これも一つの賑やかしとして、好評を博したようであり。
 怪人軍団の目論見は依然として不明だが、その野望の一つを挫いたのだ。
 さてさて誰もが誰も、形は違えど見事に賑やかしたこの真のヒーローショー、改めてキャスト達に心からのお疲れ様を告げようじゃありませんか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月26日


挿絵イラスト