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ティタニウム・マキアの誤算

#サイバーザナドゥ #巨大企業群『ティタニウム・マキア』 #潔斎者たち

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#サイバーザナドゥ
#巨大企業群『ティタニウム・マキア』
#潔斎者たち


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●制裁
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』がしくじったというのならば、『メリサ』なる業界最高峰の殺し屋を信用したことに尽きる。
 殺し屋と呼ばれるサイバーザナドゥにおける違法なる職業は、一筋縄ではいかない。
 殺し方は殺し屋によって千差万別である。
 依頼を受けて、殺人を犯すのだから法に触れるのは当然のことだ。
 一癖も二癖もあることは承知の上であった。
 しかし、職業というのならば、金さえ用意すれば首を横に振ることをしない人種であるとも言えた。
 だから、制御できると考えていた。

 業界最高峰ともなれば、法外な金額を支払うだけの価値もあった。
 無論、『メリサ』と呼ばれる殺し屋の仕事は凄まじかった。
 対立する巨大企業群の重役の暗殺すら簡単にやってのけた。彼を前にして生き残った者はいなかった。
 例外などない。
「最も失敗したのは、『メリサ』が我らに牙を……いや、その針を我らに向けたということ、だ」
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』を運営する者たちは、その事実に苛立ちを発散させるように握りしめた拳を振り下ろした。
 砕ける豪奢な装飾のなされた机。
「特級社員としての立場を与えておいても靡かぬ」
「むしろ、それを蹴って尚、我らの起死回生の一手……サイコブレイカーの培養技術すら奪っていく!」
「許しがたいことだ」
「我らの威信に掛けて必ずやつを仕留めねばならない」
「だが、奴は業界最高峰の殺し屋だ。生半可なことでは……」
 そう、仕留められない。
「『掃除屋』を動かす。もはやこうなっては連中を頼るしかない。業腹ではあるが」
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』は斜陽を迎えている。
 このままではいられない。

 己達が掲げる『安心安全』。これを脅かす者は全て葬り去らねばならない。
 例え、敵対する巨大企業群の力を借り受けることになっても、だ――。

●バイスタンダー
 グリモアベースへと集まってきた猟兵達に頭を下げて出迎えるのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。サイバーザナドゥの巨大企業群……その内部において、何らかのしくじりによって社員が上層部から制裁を受けることは珍しくないようです。どこの世界でも、上役からの制裁というものは存在しているようですね」
 ナイアルテは、そういう意味ではあまり関係の立場に自分がいることを自覚しているようだった。
 勤め人は大変ですね、位の感覚であった。

「そんな俗に言う特級社員……この場合は巨大企業群『ティタニウム・マキア』からの委託を受けて非合法の仕事を一手に担っていた業界最高峰の殺し屋『メリサ』が、以前の事件から制裁を受けようとしています」
 以前の事件というのは、猟兵たちが解決してきた事件の数々のどれを指すのかわからないかもしれない。
 それはもう猟兵達は散々に『ティタニウム・マキア』の力を削いできているからだ。
 直近でいうのならば、サイコブレイカー培養槽の強襲であろうか。
 あの事件で9人のサイコブレイカーへの覚醒を促された少年少女たちを猟兵たちは強奪し、さらに『メリサ』に引き渡している。
 今回は、彼らが標的になっているわけではなく、その計画を裏から主導していた『メリサ』に制裁が行われようとしているのだ。

「彼は確かに未だ立場を曖昧にしています。ですが、彼を匿ったうえで私達……猟兵に協力したほうが得だと思わせることができれば、巨大企業群にまつわる何らかの情報を聞き出し、次の反攻作戦につなげることができるかもしれません」
 確かにそう言われて見れば、そう思えるかもしれない。
 無論、『メリサ』もこれまでの事件を主導していた人物である。
 一筋縄ではいかないだろう。
 だが、それでも互いに利用し合うという立場を明確にすることで、巨大企業群内部の情報を手に入れるチャンスでもあるはずだ。
「彼は街中を他の巨大企業群の『掃除屋』たちに追われています。彼の護衛をお願いしたいのです」
 猟兵達は頷く。
 まずは、『メリサ』の生命を護ることから始まるのだ。
 そして、迫るオブリビオンを撃退し、彼にこちらについたほうが得だと思わせればいいのだと流れを理解する。
「はい、そのとおりです。それでは、どうかお願いいたします」
 そう言って、ナイアルテは猟兵達をサイバーザナドゥへと送り出すのだった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。
 サイバーザナドゥ、巨大企業群『ティタニウム・マキア』が、これまで散々に裏で事件を主導してきた業界最高峰の殺し屋『メリサ』に制裁を与えるべく動き出しました。
 彼は街中を『掃除屋』から逃げ回っています。
 そんな彼を護り、またこちらに付くほうが得だと思わせるためのシナリオになります。

●第一章
 冒険です。
 今回の制裁の標的である『メリサ』と呼ばれる男性は、『掃除屋』たちに追われて街中を走っています。
 身体能力は戦闘義体化された『掃除屋』たちに及びませんが、高い能力で今は無事です。
 ですが、数で圧倒されればどうなるかわからないでしょう。
 接触するついでに、『掃除屋』たちの数を減らしておけば、後々が楽になりそうです。

●第二章
 集団戦です。
 制裁を加えるべく派遣されたオブリビオンたちとの戦いです。
 皆さんの活躍で埒が明かないと『掃除屋』たちは、数で皆さんを圧倒すべく次々と襲いかかってくることでしょう。
 蹴散らして『メリサ』を護りましょう。

●第三章
 日常です。
『掃除屋』たちを退け、『メリサ』の身柄も守られました。
 彼の隠れ家である喫茶店に逃げ込み、一杯で一息つくとしましょう。
 なにか尋ねてもいいですし、今回の報酬を要求してもいいでしょう。なんだかうまいこと言って、ひょうひょうと『メリサ』は切り抜けそうですが、それを許さないで追求するのもいいかもしれません。

 それではついに制裁に動き出した巨大企業群『ティタニウム・マキア』。そして、追われる殺し屋『メリサ』。彼を守るためにビビットカラーなネオンに照らされた街中を走る皆さんの物語の一片となれますように、いっぱいがんばります!
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第1章 冒険 『依頼人の身辺警護』

POW   :    壁となり身代わりとなってでも守る

SPD   :    素早く反撃、逆襲する

WIZ   :    襲撃ポイントを予測し、対策する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「どこに行った! 探せ!」
「クソッ、我らがこうも翻弄されるなどあってはならない。一体何者だ、あいつは……!」
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』から派遣された『掃除屋』たちは歯噛みしていた。
 彼女たちは本来であれば、集団で標的を一瞬で追い込み仕留める『掃除屋』である。なのに、標的『メリサ』は彼女たちの追い込みの囲いからスルリと抜け出し、煙に巻いていたのだ。
「まだそう遠くへは行っていないはずだ。必ず仕留めなければ、我らの沽券に関わる」
 彼女たちは血眼になってネオンの光が落ちる街中を走る。
 その影を見上げて、亜麻色の髪の青年は、頭を振った。
 物陰から様子を伺う黒い瞳が瞬く。
「ひゅ~おっかねぇ。めちゃくちゃ本気じゃん、『ティタニウム・マキア』も。虎の尾を踏んじまったわけでもねぇのに、大げさすぎないか?」
 やだやだ、と亜麻色の髪の青年『メリサ』は肩を落とす。
『掃除屋』はプロだ。
 こちらと『ケートス』の通信を遮断して囲い込んできている。
 彼女のサポートは受けられない。
 ましてや、このまま直帰などしてみれば、どうなるかなど容易に想像ができる。
 思った以上に窮地である。
 が、彼は僅かに悩むばかりだった。
「ま、いいさ。どっちにしたって……」
「いたぞ!」
「お、まずい!」
 己を補足した『掃除屋』たちからの攻撃を躱しながら、亜麻色の髪が風に揺れる。
 疾走る、疾走る。
「生きているから疾走るんだつってな――」
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

まあねえ、こういう仕事ってのは…そういうことにもなりましょう。
ですが…思い通りにはさせませんよ。

『メリサ』殿の誘導は陰海月に任せて…私は追手たる『掃除屋』の排除に務めましょうか。

ええ、今なら『メリサ』殿だけだと思ってるはずですしー。
だからこそ…このUCを乗せた漆黒風が飛来するなんて、思ってないでしょう?
そこを、ね…足でも首でも狙って行きましょうや。



陰海月「きゅ!」
メリサさん、こっちだよー、とふよふよと誘導している。
なお、バレちゃいけないので光りはしない。



「おっ、なんだ宙に浮かぶ海月というものは、なんとも風情、風流というものじゃあないのか?」
 軽口を叩くような声にネオンの光落ちる街中から見上げた黒い瞳が『陰海月』の姿を捉えていた。
 まるで誘導するように飛ぶ姿に亜麻色の髪を揺らして『メリサ』と呼ばれる青年は笑った。
 背後からは賑やかな音が響いている。 
 随分と、と思うのはそれが彼を狙ったメガコーポの放った刺客、すなわち『掃除屋』たちであると知っているからだ。
「ぷっきゅ!」
「ハハハ、鳴くのか。それもまた俺の知らないことだな」
「きゅ!」
 こっち、とまるで誘導するようにふわふわと浮かぶ『陰海月』に『メリサ』は従うように走っている。

 その背中を見やり、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』は頷いた。
「そのまま頼みますよ」
 立ちふさがる。
 そう、彼を追うのは『掃除屋』と呼ばれるメガコーポのオブリビオンだ。
 当然、数で勝るのは言うまでもない。
「まあねえ、こういう仕事ってのは……そういうことにもなりましょう」
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』は斜陽を迎えている。
 だが、そのまま終わるわけにはいかない。
 延命しなければならない。
 当然だ。 
 企業とは一個の巨大な生物にも例えられる。

 血脈たる資金の多くを失い、そして情報を損失した。
 心臓部とも言える技術さえも奪われている。そんな中でどうにかこれを取り戻さねばならない。
 その状況で裏切り者とも言うべき『メリサ』の処遇を放置するわけには彼らには行かなかったのだ。
 必ず殺す。
 そうでなければ、巨大企業群としての威信に関わるものであったからだ。
「ですが……思い通りにはさせませんよ」
 その瞬間、放たれた棒手裏剣が放たれる。
 未だ『掃除屋』たちは己に気がついていない。

 ならば、それは風のように(ハヤキコトカゼノゴトク)に宙を走り、一瞬で『掃除屋』たちの足へと突き刺さる。
「ぐっ!? な、なんだ、足が……」
「これは、手裏剣! どこからだ!」
 困惑する声が聞こえてくる。 
 だが、『疾き者』はすでにそこにいない。
 次から次に棒手裏剣を投げ放ち、位置を変えているのだ。困惑する『掃除屋』たち。
 けれど、その姿と捉えることはない。
 こちらからの予想外の攻撃に戸惑う『掃除屋』たちは、『メリサ』を確実に見失うだろう。
 ただ、己たちだけが『陰海月』を標にして『メリサ』が今どこにいるのかがわかっている。
「それでも、敵の数は多いですからねー。まさに天網恢恢疎にして漏らさず……大変ですねー」
 そうつぶやきながら『疾き者』は『メリサ』の後を追うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薄翅・静漓
狙われているのね、『メリサ』
私も手を貸すわ、見過ごせないもの

『掃除屋』たちは数も連携も厄介
真正面から戦えば、こちらが不利かもしれない。
なら、選ぶべきは撹乱と数減らし

蝶の形に変えた護符を舞わせる
ひらり、ひらりと灯りに紛れて飛ばし、追手の進路に仕掛ける
少しでも触れたら、展開した結界が一瞬で動きを封じるわ
ダメージを与えて再起不能にできるならそうしましょう

ここは通さないわ――

動きを封じ、彼が逃げる時間を稼ぐ
うさぎみたいに軽々と……逃げることに慣れているでしょう、あなたは
生き延びなきゃ、だめよ



 ネオンサインの影に走る。
 亜麻色の髪が風に揺れて、跳ねる。
 身を翻して『掃除屋』たちの追跡を振り切ろうとする青年の名は『メリサ』。
 業界最高峰と言われた殺し屋である。
 彼が何故追われているのかなどいうまでもない。
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』への造反の数々。そして、それは本来ならば此処まで逃げおおせることのできるものではない。
 だが、彼はそれを可能にしていた。
 今回もまた、と思うのは当然であったが、しかし『掃除屋』たちの数は多い。
「ちょっと本気出しすぎじゃあねぇかな。俺みたいなのに本気になっちゃってさ」
『メリサ』の軽口はいつものことだ。

「『メリサ』」
 そんな彼の頭上に注ぐ声があった。
 見上げる先にあったのは体重を感じさせない軽やかな舞いを披露するかのように降り立つ薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)の姿があった。
「あんたか」
「ええ、私も手を貸すわ。見過ごせないもの」
「お人好しが過ぎないか。相手は巨大企業群だぜ?」
「そうね。真正面から戦えば、こちらが不利かもしれない」
「いや、そういうのじゃあなくって」
『メリサ』は巨大企業群を相手取って敵対を表明することの危うさを言っていたつもりだったが、静漓はあまり構うことはない様子だった。
「敵の数も連携も厄介。なら、選ぶべきは撹乱と数減らしよ」
「思った以上にあんた、好戦的?」
「そうかしら」
 優しい方だと思う、と静漓は護符を蝶に変えて、後方から迫る『掃除屋』へと放つ。

 ネオンサインの明かりに紛れるようにして、ひらりと飛ぶ蝶……ユーベルコードの光をたたえた光が後方の影へと飛ぶと、一瞬で月光を放ち、影の中からこちらを追ってきていた『掃除屋』たちを捉えたのだ。
 それが、皓月結界(コウゲツケッカイ)である。
「な……!」
「動きを止めたわ。それにここは通さないわ」
 今のうちに、と静漓が振り返ったときには亜麻色の髪がすたこらさっさと言わんばかりに駆け抜けていった。
「すまねぇな、とだけ言っておくよ。そういうわけだから!」
「……」
 跳ねるように『メリサ』が走っていく背中を見やり、静漓は頷く。
 ため息をつくでもなく、呆れるでもなく。
 そう、彼はウサギのように軽々と逃げていく。
 それに慣れていると静漓は知っていたし、何より。
「あなたは生き延びなきゃ、だめよ」
 何のために。
 誰のために。
 その理由は『メリサ』自身が知っていることだ。
 なら、と静漓は彼の逃走を助けるために迫る『掃除屋』たちを月光走る結界術でもって捕縛するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルコ・アロー
殺し屋なんざ守る羽目になるたぁ、ボクもヤキが回ったモンです。
まぁでも役に立つ奴のよーではあるですね。
このボクが力を貸してやるんですからありがたく思うんですよ!

何はともあれ、まずは気配感知で敵の位置を少しでも掴む所からですね。
メリサってヤツは中々やるよーです、暫くほっといても大丈夫でしょう。
それなら追い掛けてくる連中の数を減らすのが先決ですね。
ぴったりくっついて守るより、横合いからいきなりぶん殴ってやる方が掃除屋連中もびっくりするでしょう。
ボクのロータリーキャノンはちょっとやそっと機械化したくらいじゃあ防げねーって所、見せてやるです!



 まったく、と息を吐き出す。
 吐息は騒々しく、どこか退廃的な世界の空気にまぎれて消えていく。
 その最中にファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は飛ぶ。
 サイバーザナドゥの街中、そのどこかしこで騒動というものは常に起こっているものだ。枚挙に暇がない。
 それくらいにこのサイバーザナドゥは緩やかな滅びの中にて藻掻かねばならない理を持っていた。
 だがしかし、だ。
「殺し屋なんざ守る羽目になるたぁ、ボクもヤキが回ったモンです」
『メリサ』と呼ばれる業界最高峰の殺し屋。
 殺しを生業にしている者を守らねばならないなんて、とファルコは思っただろう。
 だが、実際、巨大企業群に牙を剥くような男であるというのならば、役に立つのだろう。
 そういう意味であったのならば、『メリサ』の逃走を助けることもやぶさかではない。

 ファルコは鋼鉄の翼と推進機関によって、煙る空を切り裂くようにして飛んでいた。
 眼下には亜麻色の髪が揺れている。
 そう、あれが『メリサ』だ。
 彼は猟兵の助けを受けて街中を忙しなく走っている。
 その背中に迫っているのが『掃除屋』……巨大企業群の刺客である。
 ファルコは、その間に割って入るまでもなく『メリサ』の頭上から呼びかける。
「おい、お前!」
「うおっ、なんだよ。空から女の子が降ってくるんじゃあなくって、飛んでくるのかよ。ボーイ・ミーツ・ガールってんじゃあないんだからさ」
「減らず口ですね! 状況わかってんですかコノヤロー」
「いやまあ、素敵なお嬢さんが? 俺の尻を追いかけてくれてるってのはよくわかってるよ」
「バカですか! ったく、このボクが力を貸してやるんですからありがたく思うんですよ!」
 感謝の言葉一つ言えないのか、とファルコは『メリサ』の頭を飛びながら叩く。

「った! なんとも乱暴なお嬢ちゃんじゃねーの」
「いいから早く行けってんです。ここはボクが抑えてやるってんですよ!」
「あ、そう? なら、頼むわ!」
 本当にありがたいって思ってんのか? とファルコは思いながら『メリサ』を背にして迫る『掃除屋』と相対する。
「さぁて、このボクの速さについて……これるわけねーですよね!」
 ファルコの推進機が噴射し、一気に彼女が加速する。
 一瞬でビルの間へと飛翔し、Uターンしてファルコは『掃除屋』たちの横合いから激突する。

「っ!?」
「おらおら! 僕のよそ見してる暇なんてねーですよ!」 
 ファルコは横合いから殴りつけた『掃除屋』を尻目に一気に急上昇する。
 高層ビルの窓にファルコの影が映る。
 だが、それも一瞬だった。
 ファルコの構えた機関砲が『掃除屋』たちの頭上から火を吹いたのだ。
 それは騒々しいサイバーザナドゥの街中に盛大な花火として咲き誇るようだっただろう。
 そのさまを背後を振り返った『メリサ』は見やり感心するように呟いた。
「おー、たまや?」
 ファルコが聞いていたのならば、違う! と否定したかもしれない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
メリサ。メリサ、メリサ。
……まずは邪魔者を壊さねば。

『眼倍』発動【視力】範囲数十㎞内を【情報収集】
地形把握、メリサなる人物、更にその者を追う|『掃除屋』《オブリビオン》共を索敵、【瞬間思考力】で情報処理。
メガスラスター【推力移動】把握した地形を高速で跳び、掃除屋共を横合いから急襲!逆鱗加速戦鎚でまとめて【なぎ払い】、体勢整わぬ内に残敵へ双剣フォースサーベルを【早業投擲2回攻撃】眼倍で敵の対応を【見切り】
【切断】騎兵刀で更に斬り壊す!!壊れろ!!!

……貴殿がメリサ殿ですね?
連中の配置は見えています。こちらへ。

眼倍で収集した情報を元に移動ルート構築、メリサ殿を逃がします。
自分は敵を襲いに行きます。



 業界最高峰の殺し屋『メリサ』。
 そして巨大企業群『ティタニウム・マキア』。
 その関係性を朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は理解していたかもしれないし、していなかったかもしれない。
 だが、今はどうでもいいことだった。
 どちらにしたって小枝子が今しなければならないことは、邪魔者……つまりは『メリサ』に制裁を加えるべく迫っている『掃除屋』たちを排除である。
「眼倍(ガンマ)、起動」
 小枝子の人口魔眼がユーベルコードの光を放つ。
 彼女の拡張された視力が周囲の情報を掌握する。

 サイバーザナドゥの街中は騒々しい。
 多くの情報が雑多に存在している。退廃的な空気。そこかしこに何かしらの事件がおきていると言ってもいい。
 まるで混沌だ。
 開発が進んだ街中は、合法違法問わずに乱立している。
 まるで人の廃棄物が塔のようにそそり立っているようにさえ思えてならない。
 そんな山積した街中にあって小枝子は『メリサ』の痕跡を見つけ出すことができなかった。巧妙に隠しているのだろう。 
 だが、そんな『メリサ』を追う『掃除屋』たちの痕跡は容易く見つけることができた。

「そこか」
 メガスラスターの噴射で小枝子は高層ビルの壁面を蹴って、まるで大地と壁とが直角に入れ替わったかのように走る。
 捉えたのは『掃除屋』と呼ばれるオブリビオンの背中であった。
 一息。
 踏み込んだ足が高層ビルの壁面を砕き、ガラスの破片と共に小枝子を加速させる。
 高速で飛翔した小枝子は『掃除屋』の頭上から降り立つと同時に、彼女たちの体を横薙ぎに薙ぎ払う戦鎚の一撃を加える。
 いや、投げ放つようにして打ち込まれた戦鎚の衝撃に『掃除屋』たちは吹き飛ばされてしまうのだ。
「がっ!? 奇襲!?」
「壊れろ!!!」
 さらに引き抜いた双剣のフォースサーベルが従事に切り裂かれる。
 迫る反撃の一撃をメガスラスターの噴射でバク宙をするようにして躱した小枝子が面を上げた先にあったのは、亜麻色の髪だった。

 標的、ではない。 
 護衛対象の男だ、と小枝子は理解しただろう。
「なにそれ、ヒーロー着地ってやつか?」
「貴殿が『メリサ』殿ですね?」
「如何にもって言うには威厳がなさすぎるよな、俺。フレンドリーすぎるってのも考えものだよな」
 軽口を言うな、と小枝子は思ったかも知れない。
「こちらへ。敵の配置は見えています故」
「これまた至れり尽くせりってやつだ。そんじゃ」
「ええ、自分は」
 敵を襲いに、というより早く『メリサ』はすたこらさっさと走っていく。
 その背中を小枝子は構うことなく、追いすがる『掃除屋』たちを前にして双剣を構える。
「今は、自分のやるべきことを」
 ただそれだけなのだと言うように小枝子はネオンの輝きよりも強烈なフォースサーベルの刀身と共に『掃除屋』に襲いかかるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
疾駆する神発動中
へぇー…(にやにや
「どうしたのご主人サマー☆」(にこにこ
つまり…あの神出鬼没の黒幕ムーヴの彼奴を助ける依頼かー…いいねぇ…これは楽しい
丁度彼奴にも色々と聞きたい事もあったしな

UC発動

散開
10人と本体はメリサ護衛
よぉメリメリ
おめーらしくもないピンチって奴か?
助けてやるから後で素敵お礼期待してっぞ?

【情報収集・視力・戦闘知識】
散開したメルシー軍団とも情報共有し脱出経路と敵戦力の状況把握
メリサとも共有
【属性攻撃・迷彩】
メリサ共々光水属性を付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源や音の隠蔽
【念動力・弾幕・集団戦術・切断・盗み攻撃・盗み】
追い掛けてくるのは軍団が念動光弾や斬撃で蹂躙強奪!!



「へぇー……」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は事件の概要を伝え聞いていたが、ずっとニヤニヤしていた。
 そんな彼に『メルシー』は首おをかしげていた。
 にこにことしているのは、主であるカシムが嬉しそうだったからだろう。
「どうしたのご主人サマ☆」
「いやなに、つまりはこういうことだろ?」
 カシムは今回の事件のあらましというものを思い出していた。
 これまでサイバーザナドゥにおける事件にて現れる『メリサ』は、どこか神出鬼没だった。
 いつのまにか現れたと思ったら、黒幕のように気取った行動を取っている。
 そんな『メリサ』が窮地であり、それを救うような事件であったというのならば、これは楽しいのだとお思っていたのだ。
「ちょうど彼奴にも色々と聞きたいこともあったしな」
「答えてくれるかどうかわかんないんだけど、口を割らしちゃえばいいよね☆」
「そういうこった。逃げられる前にふんじばってやればどうにかなるだろ。つーわけだ」
 カシムの瞳がユーベルコードに輝く。

 ネオン煌めく街中。
 サイバーザナドゥの街中は、どこか雑多であり、華やかさと薄汚れた空気が同時に存在しているような奇妙な空気があった。
 その中にカシムはメルシーの分身体を呼び出していた。
「ひゃっはー☆」
「いよーし、彼奴のピンチってやつだ。存分に『掃除屋』ってのを蹴散らすとしよう」
 カシムは『メルシー』たちと共に街中に飛び込む。
 そのさなかに亜麻色の髪の青年が走る姿が見える。

「よぉメリメリ」
 頭上から注ぐ声に『メリサ』は振り返ったが、そこに驚きの表情はなかった。
「メリー・クリスマスにはちょっと遅刻じゃねーのかな。早めに来たっていうにしちゃぁ、時期外れもいいとこでしょ」
「そうじゃねーぞ。おめーらしくもないピンチって奴か?」
「いやいや、よゆーだし。よゆーのよっちゃんだし」
「強がってんじゃねーよ。逃げてんじゃん」
「平和主義者だからな、俺は」
「言っとけよ、助けてやるから後で素敵御礼期待してっぞ?」
 返事はまたない。
 カシムは『メルシー』軍団と共に迫る『掃除屋』に相対する。
 光学迷彩で姿を隠した『メルシー』たちは一斉に『掃除屋』へと襲いかかる。

 この雑多な街中である。
 姿を隠す場所などそこかしこにあるのだ。
 言ってしまえば、この街中で仕掛けたことこそが『掃除屋』たちの誤算であったのかもしれない。
 カシムは『メルシー』たちが次々と『掃除屋』たちを仕留めるのを見やり、振り返る。
「どーよ、これで……あ?」
 振り返ったカシムが見たのは『メリサ』の遠ざかる背中だった。
「てめー!」
「いや、逃げるでしょ」
 笑いながら、わりーな、と『メリサ』はカシムたちから遠ざかっていくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

ステラさん、キャラ、キャラ!
キャラ崩壊してますから! そこは守っておかないと!

いや、はーと、じゃないですよ。
いまさらそれやっても『メリサ』さん、見てましたからね?

って、わかりましたから!
テンションはもう諦めましたら、頑張りますから!

……今日はいつも以上にやべーです。

何ですかメイドが足りないって。
あと『メリサ』さん、|そんなこと《愛が欲しいとか》ぜんぜん言ってないですからね!?

今日はどうしたんですか、幻聴までですか!?
ヤバさが限界突破してますよ!

というか、貰い受けるんです?
押しかけた上に婿入り希望とか、どこのわがままお嬢なんですか。

演ります!?演りますから銃口は向けないでくださいー!


ステラ・タタリクス
【ステルク】
メリサ様の!気配がしますっ!!
おらーっ、メリサの女のお通りだぁぁぁぁぁ!!

あ、お久しぶりですメリサ様
貴方様の可憐なメイド、ステラ参上です(はーと)

ルクス様はりあっぷ
今日は私のテンションについてきてください!
誰がやべーメイドですか

それにしてもケートス様との通信を遮断されて
追い込まれるとはメリサ様にしては迂闊では?
やっぱりメイドが足りないのでは??
え?私の愛が欲しい?もーメリサ様ったら(はーと)

だから誰がやべーメイドですか

とりあえず後でメリサ様を貰い受けるまで
捕まるわけにはいきません!
【(押しかけ)メイドの本気】で掃除屋など蹴散らしてみせましょう

ルクス様も演奏してください演奏!



 サイバーザナドゥの街中は煙る。
 立ち込めるような煙を照らすネオンの光は、どこか妖しげな雰囲気を持っていた。退廃的とも言えるネオンサインの光の生み出す影の中を疾駆するのは、亜麻色。
 揺れる髪が跳ねるようにして雑多な街中を走っていく。
 その背中を認めてステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は叫んだ。
 いつものように叫んだ。
「『メリサ』様の! 気配がしますっ!! おらーっ、『メリサ』の女のお通りだぁぁぁぁぁ!!」
 その叫びは、素っ頓狂なセリフでしかなかった。
 街往く人々の殆どが、その叫び声に対して、何かこう非合法的な薬物をキメているのではないかと訝しむほどであった。
 しかし、あまりの迫力に誰もが目を逸らしていた。

「ステラさん、キャラ、キャラ! キャラ崩壊してますから! そこは守っておかないと!」
「あ、お久しぶりです『メリサ』様。貴方様の可憐なメイド、ステラ参上です、はーと」
「いや、はーと、じゃないですよ」
 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は周囲の耳目を集めるステラの奇行を抑えようとしていたが、ハッキリ言ってできているとは言い難い状況であった。
 そんな二人を横目に苦笑いを浮かべている『メリサ』は颯爽と走り抜けていく。
 せめて何が一言あってもいいんじゃあないかな、とルクスは思った。
「って、行っちゃいましたよ!?」
「ええ、『メリサ』様はいつだってシャイなのです。照れ屋さんなのです。あれも照れ隠しの一環でしょう」
「都合が良すぎる解釈してません!?」
「しておりません。事実しか陳列しておりませんが?」
 やばいな、とルクスは思った。
 今日はいつも以上にテンションがおかしい。

「さあ、ルクス様、はりあっぷ。今日は私のテンションについてきてください!」
「わ、わかりました。頑張りますから! 今日はいつも以上にやべーです」
「誰がやべーメイドですか」
 いや、いっつもこうだろ、と『メリサ』は思ったが、それはそれで毒されている証拠でもあった。
「それにしても『ケートス』様との通信を遮断されて追い込まれるとは『メリサ』様にしては迂闊では?」
 いや、言い訳をさせてほしいと『メリサ』は思ったが、下手な言い訳をすると絶対後で面倒臭いことになることが明白だったので、そういうことにしておいた。
 つまり、だんまりである。
 だがしかし、だんまりを決め込むとどうなるのか。
「やっぱりメイドが足りないのでは??」
「いや、なんですかメイドが足りないって」
「やっぱり私の愛が欲しいってことですよね? そうですよね? もー『メリサ』様ったらはーと」
「全然言ってないですよ!?」

 こうなる。

「今日はどうしたんですか、幻覚ばかりか幻聴まで聞こえちゃってるんですか!? ヤバさが限界突破してますよ!」
「だから誰がやべーメイドですか」
 いや、あんただよ、と『メリサ』は思った。
 思ったけど、やっぱり黙っていた。
 沈黙は金なりってやつである。

「とりあえず、後で『メリサ』様をもらい受けるまで捕まるわけにはいきません! 押しかけメイドの本気(マワリトノニンシキノチガイ)、見せて差し上げましょう!」
 うわ、と後を追いすがる『掃除屋』たちもドン引きである。
 想いとはすなわち狂気である。
 あまりにもあんまりな想いの発露に『掃除屋』たちは思わず足を止めてしまっていた。
「というか、貰う受けるんです? 押しかけた上に婿入り希望とか、どこのわがままお嬢なんですか」
「ルクス様、御託はよろしいので演奏してください。演奏。ほら、足を止めているのですから今ですよ」
 にこやかに銃口を向けるメイド。
 うーん、絵になる。
 が、ルクスからすれば己に向けられている銃口の迫力たるや、凄まじいものであった。

「や、演ります!? 演りますから銃口は向けないでくださいー!」
 サイバーザナドゥに響き渡るルクスの悲鳴と演奏。
 なんとも緊張感のない二人組を前に『掃除屋』達は困惑の感情を抱えたまま、盛大に吹き飛ばされるしかなかったのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
それじゃあお仕事行ってみよー★という訳で★
メリサさんの所にローラーレッグで直行してー……

はいはーい★シルキーちゃんだよ★
突然だけどみんな【シルキーちゃんに釘付け★】にしちゃうぞ★
そして全兵装アクティブ★相手が体勢を立て直す前に『スプレッドダガー』『パルスブレイド』で不意打ち爆破+EMP攻撃を連打だぞ★
そっちも災難だけど、これもよくある事だからね★

…ほらほら★今なら相手の注意も視線もシルキーちゃんが独り占め★、一応|護衛《盾兼いざという時の囮》用に『ロボットビースト』も数機つけるし、|足止め《殲滅》はこっちでやるからメリサさんはさっさと行った行った★

……人目につかず隠れて何かするのは得意でしょ★



 頭脳戦車の脚部に備わったローラーがアスファルトを斬りつけるようにしながら、サイバーザナドゥの街中を疾駆する。
 車体に配されたカメラアイが捉えていたのは、亜麻色の髪の青年『メリサ』だった。
 彼はこのサイバーザナドゥの街中を走っている。
 言うまでもなく巨大企業群『ティタニウム・マキア』の差し向けた刺客である『掃除屋』から逃走しているためだ。
 彼は確かに類まれなる殺し屋である。
 業界最高峰であるという評判は眉唾物ではなく、事実その通りなのだろう。
 だが、それでも数で圧倒されたのならば、危ういとも言える。
 だからこそ、シルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)は、ローラーレッグに換装した脚部でもって彼に追いついていた。
 壁面を容易くローラーが掴むようにして走り、背後を見やる。

「ほらほら、早くしないと追いつかれちゃうぞ★」
「お、あんたは」
「はいはーい★ シルキーちゃんだよ★」
「なんつーか、あんまり緊張感ないな。俺、一応なんだけど追われてんだよね」
 知ってるー、とシルキーは頭脳戦車の駆体を揺らしておかしそうに笑っているようだった。
「そういうわけだから、ちょーっと突然だけど、シルキーちゃんに釘付け★(レッドヘリングシステム)しちゃうぞ★ はい、ちゅーもーく!」
 その言葉と共に放たれたのは、彼女の魅力である。
 自己申告の魅力であるが、しかし放たれたユーベルコードの輝きに『メリサ』の後を追う『掃除屋』たちは一斉に視線を奪われる。
 義体でもってコントロールされた視力すらも一瞬でシルキーの車体に釘付けになってしまうのだ。
「っ、なんだ、視界のコントロールが奪われる……いや、違う、これは奪われたのではない、ハッキングか!」
「それ不正解ー★」
 シルキーは一瞬で、頭脳戦車の全兵装を起動させる。
『掃除屋』たちも手練れだ。

 この状況に即応してくるだろう。
 その前にスプレットダガーとパルスブレイドの不意打ちでもって彼女たちを爆破するのだ。
 炸裂した爆発。
 その熱波がシルキーたちを襲うが、彼女は笑うように車体を揺らした。
「そっちも災難だけど、これもよくあることだからね★」
「ま、そーいうことだよな」
「さ、ほらほら、行った行った」
「いいのか?」
「そーいうお仕事だからね。やることはこっちがやるから『メリサ』さんはさっさと行った行った★」
「ま、そういうんならお言葉に甘えて?」
「やーん、そんなこと言うキャラじゃないでしょ? あわよくばシルキーちゃんたちかあも逃げようって思ってるくせに★」
 その言葉に『メリサ』は苦笑いするばかりだった。
「……人目につかず隠れてなにかするのは得意でしょ★」
「は、敵わないな。ま、買い被られてるって証明するのも難儀だけど、今はそういうことにしといてくれよ」
 じゃあな、と笑って『メリサ』は夜の街に走る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
我、参上である!今回は遅刻しなかったぞ!
くっくっく、久しいな……(えーと確か)……そう、メリサだな!
追われている?ならば我が魔王軍第7冠から魔物娘の護衛を……(何故か悪寒が!?)……いや、やめておこう…これ以上貴様の周りに女子が増えるとなんかろくなことが起こらん気がする……

仕方あるまい、ならば物量でどうにかするとしよう!
【無尽の堕天竜魔王・改】で分裂し、追手からの壁となってやろう!
一人二人倒れたところでまだまだ我は居るし、何より、再度発動すれば数は倍となるのだ!
しかも今の我はただの魔王ではない!新たにサイボーグドラゴンヘッドと、ジェット魔王翼をも備えた鋼鉄魔王メタルワルルーナ形態なのだからな!



 妖しい光が乱舞するようにサイバーザナドゥの街中に降り注いでいる。
 摩天楼のようにそびえる高層ビルが落とす影に届かぬネオンサインの光。
 その影から影に走るのは、亜麻色の髪の青年『メリサ』であった。
 なにかに追われている。
 いや、言うまでもない。
 彼は巨大企業群『ティタニウム・マキア』を危機に陥れた切欠を作り出した男だ。制裁を受けるのは必定であったし、そうなるのはこのサイバーザナドゥにおいては当然であった。
 逃げおおせるものではない。
 が、しかし、彼は逃げていた。
 猟兵たちの助けがあってもなくても、とまでは言わないが、それでも逃げていたのだ。
 彼を追う『掃除屋』たちは数でもって彼を囲うようにしてジリジリと包囲網を狭めている。

「まったくしつこいったらありゃしないな。仕事熱心がすぎるってのも考えものだ」
「ほざけ!」
 迫る『掃除屋』。
 振るわれる一撃は確かに『メリサ』の背中を捉えていた。
 だが、次の瞬間、『掃除屋』の駆体は空から降ってきたなにかによって押しつぶされた。
「我、参上である! 今回は遅刻しなかったぞ!」
「……えぇ……」
 そこにあったのは、ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)だった。
 彼女の体が『掃除屋』の一体を押しつぶしていたのだ。
「くっくっく、久しいな……」
 威厳を保った雰囲気。
 けれど、ワルルーナは亜麻色の髪の青年の名前を思い出せずにいた。
 えーと、えーと、なんだっけ?
 確か、メだかサだか。
「そう、『メリサ』だな!」
「何今の間」
「問題などない。追われている貴様を、この我が助けてやろうではないかという話だ! どれ、魔王軍第七冠から魔物娘の護衛を……」
 ぞわり、とワルルーナの背筋に走るおかん。
 いや、なんで悪寒を覚えたのかわからない。むしろ、この百胎堕天竜魔王に怖気を走らせるほどのプレッシャーなど、とワルルーナは思ったが、しかし、やめておおこうと思った。
 なんかこう、あれである。
 第六感的なあれである。
 これ以上『メリサ』の周りに女子が増えるとなんかこう碌なことが起こらない気がしてならんのだ。
「もしや、お主女難の相とかあるのではないか?」
「ハッハッハ……あるかも。現在進行形で」

「ならば仕方あるまい!」
 振り返ったワルルーナの視界には『メリサ』を追ってきた『掃除屋』達がいる。
 敵は数でこちらを圧倒しようとしているのだ。
「こちらも数で同ニアkするとしよう! 無尽の堕天竜魔王・改(ワルルーナレギオンプラス)!」
 ユーベルコードと共に現れるちびワルルーナたち。
 まるでマスコットみたいな群体は、一瞬で飛び出し『掃除屋』へと群がっていくのだ。
「しかも、今の我はただの魔王ではない!」
「あんまり変わらんように見えるんだけど」
「よく見ぬか! 新たにサイボーグドラゴンヘッドと、ジェット魔王翼を備えた、鋼鉄魔王メタルワルルーナ形態なのだぞ!」
「なんか一瞬でバラバラにされそうなんだけど」
「そんなわけあるか! 見晒せ、わがぐんのあっとーてきな強さを! せんそーは数なのだよ! ふはははは!!!」
 ワルルーナの高笑いがサイバーザナドゥの街中んに響き渡り、ちびワルルーナ達は所狭しと暴れまわるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

くっくっくっくっ!
けっけっけっけっ!
こっこっこっこっ!

キミもどうやら年貢の納め時のようだね!
と【第六感】で今だ!って感じた曲がり角から飛び出しテイクダウン狙いの強烈タックル!
やったね!後はキミを突き出せば3年はお菓子食べ放題だよ!

というのは冗談…いや……冗談……冗談だよ?
ちょっとだけならいいんじゃないかな?先っちょだけなら!
ダメ?ダメかーそっかー

じゃあ行こうよ!
大丈夫、ここを行けばいい
行けばわかるさって
ボクの|勘《第六感》がそう言ってる!
と見つかりそうだけど見つからない
出会いそうだけど出会わない
そんなすれ違いロードを【第六感】で案内してこう!
さー換金所はすぐそこだよ!



「くっくっくっくっく!」
 それは奇妙な笑い声だった。
 何処からともなく響く笑い声であったし、なんか意味深でもあった。
「けっけっけっけっけ!」
 妙な三下めいた笑い声であるとも言えただろう。
「こっこっこっこっこ!」
 いやもう、それはキャラ付けしようとして失敗しているとしか言いようのない笑い声であた。

 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、亜麻色の髪の青年『メリサ』の眼前、高層ビルが摩天楼のようにそびえ立つサイバーザナドゥの街中、その看板の一等高い位置から見下ろしていた。
「キミもどうやら年貢の収め時のようだね!」
「それってさ、絶対取り逃す警部補的なあれなのかな?」
「いやいや、今から君にテイクダウン狙いの強烈タックルをかます予定なんだから」
「逃がしてくれるって話じゃあないのか? てっきり助けてくれるもんだと思ってたんだけどな」
「キミを連中に突き出せば、三年はお菓子食べ放題だよ!」
「やっす! いくらなんでも俺の懸賞金安くない!?」
 思わず『メリサ』は突っ込んでいた。
 ここでコントか漫才かわからないやり取りをしている暇なんてないはずだ。

「というのは冗談……いや……冗談……冗談だよ?」
「もっとハッキリ言い切ってほしいんだけどさ」
「ちょっとだけならいいんじゃないかな? さきっちょだけなら!」
「いや、多分というか絶対、俺を突き出しても報酬はもらえないと思うんだよな。あんたの立場的に」
 無理じゃね? と『メリサ』は首をひねる。
「え、そうなの?」
「そうでしょ。何が悲しくて、敵対している連中に懸賞金なんか渡すんだよ。体よく使われてポイ捨てがいいとこでしょ」
「……そっかー。じゃあ、行こうよ!」
「いや、どこに?」
「だいじょぶ、なんかここを行けば良い。行けばわかるさってボクの勘がそう言ってる!」
「頼りないなぁ」

 馬鹿にすんない、とロニは憤慨したが、『メリサ』を連れてサイバーザナドゥの街中をひた走る。
 なんか見つかりそうで見つからない絶妙なルートを走るロニに『メリサ』は感心したようだった。
「へえ、やるじゃん。結構ニアミスしてんだけど」
 これがスリルってもんだとロニは笑っていた。
「すれ違いロードってやつだよね」
「きまぐれっぽく言われてもなぁ」
「さー換金所はすぐそこだよ!」
「やっぱり裏切るつもりでいる?」
 ロニは、そんなわけないじゃんと笑いながらも、ちょっと本気が見え隠れする笑顔を浮かべていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
いやぁ…まあ、うん。いろんな意味で「ナメられたら殺さなければならない」メガコーポ相手にあれだけド派手に上等くれた以上、そりゃあメンツにかけても全力で潰しに来るわよねぇ…

一々探すのも面倒だし、寄ってきたやつを○先制攻撃で潰すほうが効率良いかしらぁ?ミッドナイトレースに○騎乗して|ラド《探索》でメリササンを捜索、直掩に入って●黙殺・掃域を起動。ミッドナイトレースの機動力なら追走するくらいは余裕だし、射程内に入ればオートで○弾幕が飛ぶから敵の場所は筒抜け。叩くにしろ逃げるにしろどうとでもなるわねぇ。

ハァイ、お久しぶり。
ちょっとばかり、高値で恩を売りに来たわよぉ?



 巨大企業群のイメージというのは、それが巨大であればあるほどにつきまとうものである。
 一度ついたイメージは巨大ゆえに払拭しがたい。
 それがマイナスのイメージであればなおさらのことである。 
 故に巨大企業群は、舐められてはならない。
 己に逆らう者全てを抹殺することになるのだとしても、必ずや己の楯突いた者を全てに然るべき制裁を与えねばならないのだ。
「いやぁ……まぁ、うん」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)はなんとも甘やかな息を『ミッドナイトレース』の席でついていた。
 確かに、と頷けるところであった。

 亜麻色の髪の青年。
『メリサ』と呼ばれる業界最高峰の殺し屋である彼相手であるとは言え、巨大企業群のやり方は大げさがすぎるのではないかと僅かに思ったが、同時に理解もしていた。
「いろんな意味で『ナメられたら殺さなければならない』メガコーポ相手にあれだけド派手に上等くれた以上、そりゃあメンツにかけても全力で潰しに来るわよねぇ……」
 それはある種の必然であった。
 そうならないほうがおかしいし、そうなるはずだと簡単に理解できるものでもあった。
 ティオレンシアは艶っぽいため息を吐き出しながら『ミッドナイトレース』が捉えた亜麻色の髪の青年と、それを追う『掃除屋』の騒々しい追走劇を眼下に認め、飛び込む。

「となれば、仕方ないことよねぇ?」
「バイク……!? 走り屋の連中か!」
「いやねぇ、走り屋だなんて」
 魔術文字がティオレンシアの眼前で描かれる。
 それは一瞬で弾幕を形成し『メリサ』を追う『掃除屋』たちへと群がるのだ。
 炸裂した爆発を背にティオレンシアは『メリサ』へと手を挙げる。
 唖然としている、わけではない様子だった。
 むしろ、彼は堂々としたものだった。
「ハァイ、お久しぶり」
「美人に顔を覚えられてるのは気分がいいんだが、ええと?」
「お察しの通りよぉ?」
 うへ、と『メリサ』はげんなりしているようだった。

 つまるところ、これは善意から来る救援ではないのだ。
 彼自身も理解しているところであった。
 自動で攻撃し続ける魔術文字から生じた弾幕を背にティオレンシアは、細められた瞳を『メリサ』に向ける。
 言うまでもないことだが、と言いたげであった。
「つまりは、そのぉ、さ?」
「ええ、ちょっとばかり高値で恩を売りに来たわよぉ?」
「こわ……美人の恩を買うのってどう考えても厄介なことにしかならねーイメージあんだけど」
 とりわけ、あんたには、と『メリサ』はティオレンシアを見やる。
「あらぁ、高く買ってくれているようで嬉しいわ?」
「そういうとこだよ」
 そんなやり取りの後、背後の爆発を切り抜けて迫る『掃除屋』たち。
「どうやら、素直に退いてくれるわけではないよねぇ? まぁ、当然よねぇ。絶対殺すって感じだものぉ」
 ティオレンシアは、こうなるのは織り込み済みであるというように迫る『掃除屋』たちを迎撃するために構えるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『メガコーポの『掃除屋』』

POW   :    『掃除屋』の確殺術
【指に格納したフィンガー・ビームウィップ 】で装甲を破り、【濃密なサイキックエナジー】でダウンさせ、【ツインブレード】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
SPD   :    エメラルド・カリギュラ
戦場内に【翠の稲妻の鎖 】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
WIZ   :    エメラルド・ウォッシュブレイン
【翠のサイキックエナジー 】を放ちダメージを与える。命中すると【ドレインエネルギー】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 サイバーザナドゥの街中を逃げ回る『メリサ』。
 亜麻色の髪が揺れて、黒い瞳が見据えたのは巨大企業群『ティタニウム・マキア』が雇った『掃除屋』と呼ばれるオブリビオンたちであった。
 彼女たちはどこまでも標的を追いかけ続ける。
 例え、己達の同胞が倒されても、だ。
 数を減らしても、如何にしても。
 地獄の果てまで追い詰めて、標的を始末する。それが彼女たちが『掃除屋』と呼ばれる所以である。
「逃がしはしない。私達の名にかけて。貴様は排除する。それが仕事だからだ」
「おーおー、仕事熱心だな。まったく仕事っていうのな便利な言葉だよな。それに従っておけば、とりあえずは生きていける。何も考えなくても。生きるってもっと単純明快ではない、複雑怪奇なものだと思うんだけども、それさえも考えることを放棄しちゃってさぁ。それは生きてるって言えるのか?」
「知ったことか。しなければならないことだ」
「まるで死んでるみてーに生きてるな」
『メリサ』は肩をすくめた。
「俺は、御免だな、そういう生き方――」
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて

陰海月、誘導お疲れ様でした。影にて休んでなさいな。
さてさて、『掃除屋』の仕事ってのは『忍び』に通じますねー。
…一緒にされたくはない感じですが。こっちは仕事、断れますしね。

さてー、そのサイキックエナジーは四天霊障による結界で遮りますけれど。
さらに…UCついた漆黒風を投擲し、怪我をさせていきましょう。
何しろ…そこから手繰るは不幸の連続、呪いは連鎖するんですよー?
そう、悪霊に祟られたんですよー。


陰海月「ぷ!」
やりきった!



 とぷり、と馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の影に『陰海月』の体が沈むようにして落ちる。
「お疲れさまでした。影にて休んでなさいな」
『疾き者』はそう告げて、労う。
「ぷ!」
 やりきった、とご満悦な『陰海月』は亜麻色の髪の青年『メリサ』を『掃除屋』から逃すための誘導を買って出ていたのだ。
 彼を見事導いた後、こうして戦いの余波に巻き込まれぬように『疾き者』の影に潜むのだ。
「さてさて」
「邪魔立てするのか」
 メガコーポの『掃除屋』たちは、立ちふさがる『疾き者』を前にした構えた。

 当然、と『疾き者』もまた構える。
「見た所、同業のようだが?」
「我ら『掃除屋』のことを知らぬのならば、モグリであろう」
「そのようだな」
 彼女たちはしかし油断してはいなかった。
 気配だけで伝わる圧、というものがある。
『疾き者』は、懐かしい気配だと思ったかも知れない。
 メガコーポの『掃除屋』。
 それはどこか『忍び』の仕事に似通っているように思えてならない。だが、同じにされたくはなかった。

「同業? やめてくださいよー。一緒にされては迷惑です。こっちは仕事、一応は断る裁量権というものがあります。あなた達のように選択肢がないわけではないのですよー」
 肩を竦める。
 瞬間、『掃除屋』たちの瞳がユーベルコードに輝く。
「ほざくな!」
 放たれる翠のサイキックエナジーがほとばしり、『疾き者』を捉えんとする。
 だが、それを冷笑で防ぎ、遮りながら走る。
 手にした棒手裏剣が隙なく放たれ『掃除屋』たちの足に突き刺さる。
「っ、っ! この程度! うっ!?」
 つんのめるようにして『掃除屋』たちの足がもつれて、その場に転がり込む。
 こんな初歩の歩法すらできなくなるはずがない。
 義体に異常はない。
 なのにどうして、と困惑する『掃除屋』を前にして『疾き者』は笑う。

「確かに練磨された技量は裏切りませんが、時として運というものは容易くそうしたものを無に帰さしめるものでしてー? そう、あなた方はー、悪霊に祟られたんですよー」
 だから、簡単な歩法すらも崩れてしまう。
『疾き者』は立ち上がろうとして足をもつれさせるという大きな隙を生み出した『掃除屋』たちに立ち、手にした棒手裏剣による刺突の一撃でさらなる不慮の事故による死因となるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薄翅・静漓
『メリサ』が私たちを利用するのは構わないわ
上手く使えばいい……私だって、思うままに動いているだけなのだから
でも、してほしいことがあるなら、ちゃんと言ってほしい
そっちのほうが、協力しやすいもの

追手を引き付けて時間を稼ぐ。それが、今の私の役目
他者の動きを操ろうとするなら、覚悟して
結界が瞬時に、放たれた『翠の稲妻の鎖』を反射する
あなたが私にしようとしたことが、そのまま返るわ
その隙を逃さず、私は光の矢を放つ
鋭く、迷いなく

……これでも、戦い慣れているのよ
何度でも言うけれど――ここは、通させないわ



 メガコーポの『掃除屋』たちは、巨大企業群『ティタニウム・マキア』の制裁の鉾として迫っている。
 彼女たちはただ命令を受諾し、これを実行するだけだ。
 そこに意志はない。
 介在しない。
 ただ、命令を実行することだけが彼女たちの存在意義なのだ。
「そこを退いてもらおうか。私達の目的はその男だ」
 示す先にあるのは亜麻色の髪の青年『メリサ』だった。
 そう、彼が制裁の対象。
 それ以外はどうでもいいのだ。

 けれど、薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)は頭を振って、『掃除屋』たちの前に立ちふさがっていた。
「いいえ、退かないわ」
「やつの仲間なのか? そうは見えなかったが」
「ただ利用されているだけだとなぜわからない。あれはそういう者だ。命を懸けるに値しない」
「『メリサ』が私達を利用するのは構わないわ。うまく使えばいい……私だって、思うままに動いているだけなのだから」
「私達の邪魔をするのが、か?」
「ええ」
 互いの間に流れる空気がひりつく。
 絶対たる敵対。
 そう、どこまでいっても『掃除屋』はオブリビオン。
 猟兵である以上、滅ぼし滅ぼされる間柄でしかないのだ。

 故に譲歩はない。
 例え、静漓が『メリサ』に体よく使われているのだとしても、だ。
 それだけは変わらない。
「でも」
 静漓は『メリサ』を見た。
「してほしいことがあるのあら、ちゃんと言って欲しい」
 その瞳は真摯なる言葉であった。
 この場でなければ、受け流される言葉であったことだろう。だからこそ亜麻色の髪の青年『メリサ』は弱ったような顔をしてしまっていた。
「これじゃあ、茶化せない」
「だって、そのほうが、協力しやすいもの。あなたは、こんな状況じゃあなければ、本音を発しないでしょう?」
「……あー、もうっ! そうだけどぉ!? じゃあさ、あえて言わせてもらうんだけど!」
「ええ」
「そいつらぶっ飛ばして」
 静漓はその言葉に僅かに微笑んだ。

「まったくやりづらいったらない」
「そう? 私はやりやすくなったけれど」
「何をごちゃごちゃと!」
 走るのは、翠の稲妻の鎖。
 それは一瞬で静漓に迫り、その体の自由を奪おうとする。だが、静漓の瞳は既にユーベルコードに輝いていた。
 放たれた稲妻の鎖は、瞬時に静漓に絡みつことなく180度折れ曲がって『掃除屋』たちの身を拘束するのだ。
「馬鹿なっ! なぜ私達のユーベルコードが!?」
「簡単な話よ。傷つけようとするから、そうなった」
 そう、静漓の結界に宿る巫術が『掃除屋』たちのユーベルコードを即座に反射し、その効果を彼女たち自身に及ぼしたのだ。

 拘束されて身動きが取れなくなった彼女たちを穿つのは光の矢。
 迷うことなく鋭く放たれた一射は、『掃除屋』たちの眉間を射抜いていた。
「……これでも、戦い慣れているのよ。それに」
 静漓は静かに立ちふさがる。
「何度でも言うけれど――ここは、通させないわ」
「もう一個おねだりしていいかな」
「だめよ」
 静漓は笑み、『メリサ』の言葉を同じように打ち返すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
勤め人は大変だねー★ま、シルキーちゃんは気にせずいつも通りお仕事するだけだね★

ここを越えればまあ厄介事は起きないとして
【器用なシルキーちゃんだぞ★】に【護衛機構・瞳術人形】と【撃滅機構・機獣爆破】を込めるよ★(他は使わないので省略★)

後は……瞳術人形でメリサさんの偽物を出して囮に★
シルキーちゃんは『Ku-9』と『SR-KN』で攻撃して、
『ロボットビースト』を相手の攻撃の射線遮りも兼ねてけしかけるね★
後は偽メリサへの攻撃は反射して返し、ビーストを洗脳しようと近づいたり、シルキーちゃんを無視して直接本物メリサの命や洗脳を狙うならビーストを割り込ませて庇い、そのまま組み付かせて機・獣・爆・破だぞ★



 巨大企業群は、その名の通り巨大である。
 巨大で強大であるのは、個であることよりも全体であることに起因しているのは言うまでもないだろう。
 全体を構成する要因でありながら個であるという矛盾。
 これをなくすために如何にかすればよいか。
 答えは簡単だ。
 意志をなくしてしまえばいい。
 上位者からの命令をただ受諾し、実行する末端とすればいい。

 歯車になる、ということだ。
 それを忌避するものは、はぐれ者として排除されるだろう。
 今回の件もそうだ。
 逸脱したもの、失敗したもの、楯突くもの。
 そうしたものを排除してこそ、巨大であることと強大であることが両立される。
「勤め人は大変だねー★ ま、シルキーちゃんには知ったことじゃあないけれどね★」
 いつもどおりなのだ、とシルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)は頭脳戦車の体を揺する。
 その様子に亜麻色の髪の青年『メリサ』は笑った。
「ハッ、ま、そのとーりだよな」
「シルキーちゃんが囮になったげるんだから、早く行った行った★」
「へいへい。まあ、よろしく頼むわ」
「感謝の気持ちがたりないぞ★」
 その言葉には苦笑いしか返せない。

「ふざけたことを。私達から逃れられると思っているのか」
 メガコーポの『掃除屋』たちは、その瞳をユーベルコードに輝かせた。
 放たれるサイキック。
 それは翠のサイキックエナジーとしてほとばしり、シルキーと『メリサ』に迫る。
「ふっ、馬鹿め。油断したな。私達のサイキックエナジーは、ブレインウォッシュにて洗脳を施すことができる。囚われた時点でお前たちの負けだ!」
 だが、次の瞬間翠のサイキックエナジーは反転し『掃除屋』たちを襲うのだ。
「なっ!?」
 反射されるようにして迫るサイキックエナジーに打たれて『掃除屋』たちは吹き飛ばされる。 
 さらにシルキーの駆体が走り、『掃除屋』たちに組み付くのだ。
「……!? なぜだ、なぜ我らのサイキックエナジーが……!」
 効かない、と叫ぶ『掃除屋』にシルキーは笑い声を上げながら言う。
「当然じゃん★ だって、これはシルキーちゃんじゃないからね」

 そう、シルキーのユーベルコードによって生み出された護衛機構・瞳術人形(ミガワリ・リフレクション・ドール)なのだ。
 ロボットビーストが組み付き、その内側から光が炸裂する。
 瞬間、その駆体が爆発し『掃除屋』を爆炎に巻き込んでいく。
「じ、自爆攻撃!?」
「ちょーっともったいないけどね★」
 撃滅機構・機獣爆破(クグツ・ボマー)によって『掃除屋』たちは逆に動きを止められ、避けられぬ自爆攻撃に巻き込まれていくのだ。
「はー、やるもんだなぁ」
「でしょ、器用なシルキーちゃんだぞ★(コードソウテンシステム)」
「えげつないとも言うけどな」
『メリサ』の言葉にシルキーは、そっかなぁ? と首を傾げるように駆体を揺らすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルコ・アロー
逃がしはしない、ですか。
見上げたプロ意識ですね。
上等です、こっちもてめーらみてーなのを相手する事にかけてはプロですからね。
こっちも仕事みてーなもんです、コイツをやらせはしねーですよ!

どうやらまだまだ数がいるみてーですね。
だったら、チェンジ・アクィラ!
一発では倒せないかもですけど、動きは止める事が出来るです。
移動を封じればメリサも逃げ回れるでしょう。
ビームだのサイキックエナジーだのはなるべく撃たせねーでやっつけてしまいたいですね。
怖いって訳じゃねーですよ。
ボクは魔法使いとか言うもっと妙な力を使う奴を知ってるですからね。
あれに比べりゃまだ分かりやすいってもんですよ!



「クッ、逃すものか!」
 メガコーポの『掃除屋』たちには矜持がある。
 いや、矜持と呼ぶべくものでもないのかもしれない。彼女たちはただ上役、すなわち上位者からの命令を実行するだけの存在だ。
 だから、そこにあるのは矜持ではなく、ただのプログラムだとも言えた。
 しかし、亜麻色の髪の青年『メリサ』と猟兵たちに追いすがる姿は、ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)には見上げたプロ意識に思えたのだ。
 少なくとも『掃除屋』たちはプロを自負している。
 その内在するものが別物で仮初であったとしても、彼女たちが抱いたそれは真なのだろう。
 逃さない、と迫る『掃除屋』を前にしてファルコは歯を剥いて笑った。

「上等です。こっちもてめーらみてーなのを相手にすることにかけてはプロですからね」
「プロだと? 子供風情が知ったような口を!」
『掃除屋』の言葉は、侮りであったことだろう。
 ファルコを見た目だけで判断したのだ。
 だが、このサイバーザナドゥ……義体化技術の進んだ世界において見た目など相対する者の実力を推し量る導にすらなりえないことは、彼女たち自身が最も理解しているものであったはずだ。
 なのに、彼女たちはファルコの見た目だけで、子どもと侮ったのだ。
 もっと正確に言うなら、彼女の物言いなどからそう推察下に違いない。
「子供? 馬鹿にすんじゃねーってんですよ!」
「いやぁ、アンタは確かにご立派だけどさ、見た目はやっぱり子供だよ」
 亜麻色の髪の青年『メリサ』の言葉にファルコは、彼の背中を叩いた。

「痛ぇっ!?」
「バカ言うからです! ったく、コイツはやらせはしねーですよ!」
「今まさにやられそうになってんだけど」
「もう一発行っとくかですよ?」
「いえ、大丈夫」
「さっさと行った!」
「逃すか!」
『掃除屋』たちの指からフィンガーウィップが宙を走り、『メリサ』を負う。
 だが、その一撃をファルコは機械腕で掴み上げ、引き絞った。
「こっちも仕事みてーなもんなんですよ。やらせねーですよ!」
「邪魔を!」

 瞬間、『掃除屋』たちはファルコを無視して『メリサ』を追うべく走る。
「ったく、数だけはワラワラと! だったらぁ! アローアップ! チェェェンジ! アクィラ!」
 静電気がほとばしり、雷霆の矢が『掃除屋』たちを襲う。
 放たれた矢は一瞬で『掃除屋』たちを貫き、その動きを止める。
「おー、すっげ。やるじゃん」
「ボサっとしてんなです!」
 ファルコは『メリサ』を追い払うようにして先を促す。
「クッ……雷撃……!」
「てめーらのサイキックエナジーだのなんだのってのは、確かに厄介です。恐いってんじゃねーですよ」
 雷霆の矢は『掃除屋』たちの動きを見事に止めていた。
 ああいった力を使う連中の恐ろしさ厄介さをファルコは知っている。
 だが。
「ボクは魔法使いとかいうもっと妙な力を使うやつを知っているですからね。アレに比べりゃ、まだわかりやすいってもんですよ!」
 いっつもひどい目に合わされているのだから、とファルコは『掃除屋』たちを雷霆でもって押さえつけたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

|『メリサ』さんの追っかけ《ステラさんの同類》がこんなに!?
『メリサ』さんモテモテですね。

え?違う?
そんなステレオでツッコまなくても。

でもやっぱりステラさんのヤバさとは違う方々なんですね。
いろんな意味で良かったです。

でもせっかくですから、『メリサ』さんには、
「モテる男はつらいぜ」くらい言って欲しかったところですね。
ハードボイルドガイとしては、そのくらいのジョークはとありじゃないでしょうか!

え? わたし『たち』?
いえ、もちろんステラさんの『お仕事』のお手伝いはしますけど……。
今、完全にフラグ立てましたよね!?

なんでそういうことするんですかー!
わたし、今回は盾にはなりませんからね!?


ステラ・タタリクス
【ステルク】
メリサ様が冷たい!!ひどい!!
まぁ口開くと私がシュバるので
沈黙は金、とはよく言ったもの

あ、同担拒否ですので
排除します
あと、誰がやべーメイドですか
ルクス様、あんなのと一緒にしないでください
それからメリサ様のそういうムーブは
二人きりの時しかしてくれないので後で押しかけます(はーと)

死んでるみたいに生きてる……メリサ様が言えた口ですか?
と言いたいところですが最近はそうでもないですか
後で諸々聞かせていただきますからね
メイドへの想いとか!!

さて真面目に脅威を排除します
【スクロペトゥム・フォルマ】
メイドの機動力と銃捌き、お見せしましょう!
此処は私たちに任せてメリサ様は先に!
え?死にませんよ?



 亜麻色の髪の青年『メリサ』の塩対応は今に始まったわけではない。
 元は猟兵と対立するように彼は動いていた。
 猟兵に対する嫌悪は、オブリビオンのそれとは異なるものであったが、それでも彼は猟兵に対して一定の距離を保っていた。
 付かず離れず、である。
 そうすることで彼は猟兵と巨大企業群『ティタニウム・マキア』の両側……いや、中間にたって、彼らを争わせてきた。
 その目的が何かなど言うまでもない。
 巨大企業群『ティタニウム・マキア』の弱体化である。
 その目論見は猟兵達の活躍によって見事になされている。
 そして、その最たる目的とも言える何かが達成された当たりから、毒気を抜かれているようにステラ・タタリクス(紫苑・f33899)には思えてならなかった。

「だったら、私への塩対応は改めていただいてもよろしいのではないですか!」
「いやだって、あんた、絶対厄介なこと言い出すんだもん」
 いつもじゃん、と『メリサ』は半眼であった。
 厄介なこと、とはつまりセーフハウスのセキュリティを突破してきたり、なんやかかんやである。アレは結構彼にとって手痛いことなのだ。 
「わかるか? 毎度俺が針の筵になってんの。俺、なんも悪いことしてないからね!?」
 いや、してるだろ、とルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は思ったかもしれない。
 誰かに都合の悪いことをしているから、そうなるのだと思ったが口に出さなかった。
 また絶対ステラが騒ぎ出すからだ。
「ひどい!『メリサ』様の女なのに!」
「そういうとこだってば」
「巫山戯たことを……」
 メガコーポ『掃除屋』たちが迫っている。

 ルクスは驚愕した。
 先程もそうだったが『メリサ』はなんていうか、女難の相があるのではないか。いや、それはステラという特大なものがいるので目を逸らしてきた事実なのかもしれないが。
「|『メリサ』さんのおっかけ《ステラさんの同類》がこんなに!?『メリサ』さんモテモテですね」
「いやぁ、嬉しい……わけねーじゃん。どう考えても刺客だよ? あれ?」
「でもでもステラさんと似たような目をしていますよ」
「そうかなぁ?」」
「あ、同担拒否ですので排除します」
 ステラは速攻で『掃除屋』たちに迫っていた。
 フィンガーウィップの一撃を弾きながら、手にした拳銃の銃身を交差させ、『掃除屋』の腕を受け止める。
 さらにサイキックエナジーが飛ぶよりも早くステラの肘打ちが『掃除屋』たちのみぞおちを打ち抜き、吹き飛ばしてた。
 速攻であった。

「グハッ!?」
「うわ」
 えげつな、と『メリサ』は引いていた。
 ステラも、なんていうか確かにヤバさの方向性が違うなぁ、と思っていた。
「やっぱりステラさんのヤバさとは違う方々なんですね」
「嬉しくないバリエーションだよな」
「そこは『モテる男は辛いぜ』くらいは言ってほしかったですね。ハードボイルドガイとしては、そのくらいのジョークはありじゃないでしょうか!」
『やめといたほうがいいって。絶対死んじゃう」
 ぷるぷる震える『メリサ』。
 ルクスは、もーなに言ってるんですか、と突っ込むとステラの目が若干やばい感じになっていた。

「ステラさん、目がやばいです」
「誰がやべーメイドですか」
 そういうとこやぞ。
「しかし、死んでるみたいに生きてる……『メリサ』様」
「俺が言えた口じゃねーって言いたいんでしょ。はいはい。わかってますってば。俺だって心境の変化くらいあるってもんだよ」
「では、後々聞かせていただきますからね。メイドへの想いとか!!」
「それ関係なくない!?」
「本当ですよ」
「さあ、『メリサ』様、ここは私達にお任せを」
「それって完全にフラグ立てるセリフですよね? なんでそんなことするんですかー! わたし、今回は盾にはなりませんからね?!」
「フラグを立ててもへし折るのがメイド道というものでございますよ」
 主人を残して死ねますか、とステラはルクスの演奏と共に『掃除屋』たちを相手取り、大立ち回りを演じるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
くく、メリサよ
(必要な仕事だけは全くしない例の)我が魔将が言っておったがな、「怠惰とは単に怠ける事ではなく、為すべき事から目を逸らし、他の事にかまけ、己が生を無為に過ごす事」でもあるらしいぞ?

という訳で貴様の力を使うぞワルニクス!
喰らうがよい【魔将顕現:怠惰るウェーブ】!
この怠惰の波動に抗えるか否かは貴様らの意思次第…まあ貴様ら自身はそうでも、「その体の機械」が役目を放棄しないとは限らんがな!

そして隙を見せたら我が竜の首全てからのブレス攻撃…あ、今はレーザーもあったな。…を浴びせてやるぞ!
え、敵の攻撃?もちろん、ジェット魔王翼でジェット回避し、避けそこなっても我がオーラで防いでやろう!



「くく、『メリサ』よ」
「ん?」
 ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は、サイバーザナドゥの街中を走る亜麻色の髪の青年『メリサ』に呼びかけた。
 彼は今、逃げている。
 何から、と言えば当然、メガコーポの『掃除屋』たちからである。
 彼女たちの追撃は執拗だった。
 猟兵達によって阻まれて尚、これを押しのけてでも彼に制裁を加えんと迫っているのだ。
「我が魔将が言っておったがな、『怠惰とは単に怠けることではなく、為すべきことから目を逸らし、他のことにかまけ、己が生を無為に過ごすこと』であるらしいぞ?」
「で、そいつはやることやってんの?」
「……くくく」
「今、恐ろしげな感じに笑って誤魔化そうとした?」
「そんなわけあるものか! というわけで貴様の力を使うぞ、『ワルニクス』!」
 ワルルーナの瞳がユーベルコードに輝く。

「受けるが良い! 我が魔将と同じ技!『締め切り前とかについ部屋掃除とか別のことを始めちゃうあの感じ』を与えるウェーブ!」
「何だその技!」
「バカにしているのか! 私達のサイキックエナジーで……!」
 だが、『掃除屋』たちは己達の想像を絶するユーベルコードを身に受け、力なく腕をだらりと落とす。
 動きが止まっていた。
「すごいじゃん。なんか連中、めっちゃやる気なくなってるんだけど」
「くくく、これぞ我が魔将『ワルニクス』の怠惰の波動よ!」
 抗えるものではなかった。
 職務に忠実であれば忠実であるほどに怠惰の感情は彼女たちの中に、溜まっているのだ。
 いわばフラストレーションとでも言えばいいか。
 彼女たちだって、個人である。
 当然、職務以外の事をしたい、と思うことだってあるだろう。
 
 だからこそ。
「溜まっていた動画を見たい……」
「なんでもいいからドカ食いしたい……」
「何もしたくない、ゴロゴロしてたい……」
 出るわ出るわ。
 怠惰の見本市みたいな欲求。
「なあ、今じゃね?」
「うむ!」
 ワルルーナは、『掃除屋』たちの動きを止め、己が竜……今はメカドラゴンヘッドからレーザーを放つ。
 ジェット魔王翼で敵の攻撃を避けるまでもない。
 なにせ、怠惰の波動の力は絶大過ぎた。
 悲しいかな。職務に忠実であればあるほどに、怠惰への欲求はこれまで押さえつけられてきたのだ。
 それをワルルーナは解放してしまったのだ。
 そこからはもう濁流に呑まれるがごときであったことだろう。
「欲求の小出しはよくない! よくわかる事例であったな、クハハハ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
名に懸けて、か。いかなるものだろうとそれは誇りだ。
ならばその誇りごと壊し撲れ!!朱鷺透小枝子!!!

『霊障鉄拳』ブラストナックル型抗体兵器召喚装着。
メガスラスター【推力移動】ビームウィップ、サイキックエナジーを
【呪詛】豪風霊障で【|吹き飛ばし《オーラ防御》】ながら双剣フォースサーベルで【切断】

それからそこのメリサ殿!貴殿には後で聞きたい事がある!!

【早業】ブラストナックルから雷霆霊障を迸らせ【範囲攻撃】
掃除屋達を纏めて電撃で貫きフォースサーベルをダブルブレード変形
【武器改造】劫火霊障を注ぎ込んだサイキックエナジーの刃でツインブレードごと掃除屋を溶断、念動力で回転投擲し纏めて【なぎ払い】切り裂く!



 メガコーポの『掃除屋』。
 それは巨大企業群からの信用の証明であったことだろう。
 評価であると言ってもいい。
 巨大企業群に務めることは、サイバーザナドゥにおける一つのステイタスであった。むしろ、そうでなければ人間としての最低限すら与えられない。
 搾取され続ける人生を歩みたくなければ、巨大企業群に務めるしかない。
 その内部の歯車に徹するしかない。
 そういうものなのだ。
 だからこそ、『掃除屋』たちは、必死に『メリサ』を追う。
「名に懸けて、か」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はある種の共感を得ていた。

 それが如何なるものであろうと、誇りに思えたのだ。
「邪魔をするな! 私達の存在を証明するためにこそ、仕事は完遂しなければならないのだ!」
 迫るフィンガーウィップ。
 しなり、『メリサ』を追うそれを小枝子は割って入り正面から受け止め……なかった。
 彼女の腕に装着されたブラストナックル型抗体兵器が唸りを上げ、霊障を放ったのだ。霊障に阻まれたフィンガーウィップが弾き飛ばされる。
「ならば、その誇りごと壊し撲れ!! 朱鷺透・小枝子!!!」
 劫火と豪風。
 津波と雷霆。
 迸る力は、霊障鉄拳(グレイブ・ナックル)となって放たれる。
「くっ……どここまでも邪魔を!」
「私達の職務を阻むというのならば!」
「遅い!」
 小枝子は踏み込み、双剣のフォースサーベルで『掃除屋』を十文字に切り裂く。
 義体が崩れ落ちる最中、小枝子は、この状況からすたこらっさと逃げようとしている『メリサ』の背中に向かって言葉を飛ばした。

「それからそこの『メリサ』殿!」
「それってもう名指しじゃん」
「貴殿には後で聞きたいことがある!!」
「えぇ……尋問とかそういう痛いのはやめてほしいんだけれど」
「それは貴殿次第である!」
 小枝子は霊障をほとばしらせながら、『掃除屋』たちを阻む。
 双剣をダブルブレードに合体させ、軋む体から膂力の全てを投じて念動力と共に投げ放つのだ。
 それは回転する刃となって宙を切り裂くようにして走り、『掃除屋』たちを薙ぎ払っていく。
「くっ……こいつ、強い!」
「だが、まだだ!」
『掃除屋』たちは諦めていない。
 必ずや『メリサ』を仕留めるという執念によって『掃除屋』たちは小枝子という壁を乗り越えようとしていたのだ。

「その意気や良し。ならば、全て壊し撲るまで!!」
 小枝子は念動力を走らせながら、轟轟と唸る風の中に破壊を齎すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
チョコ!
UC
疾駆する神継続中

おいこらメリメリ!何勝手に逃げてんだゴラァ!
もうこの時点でお仕置き確定だおらぁ!
つー訳で…ぜっちゃん…どうぞ!
「大丈夫☆基本元気になるだけの優しいお仕置き(?)だぞ☆」
つー訳でメリメリ…おめーも飲め!

皆カカオ汁ぐびぐび
…不っ味!(味耐性はある盗賊
「相変わらず地獄の味だぞ☆ぐへぇ…!」
【情報収集・視力・戦闘知識】
掃除屋達の能力や陣形と位置を把握

はぁ…本当はエロい事したかったが…こりゃ殲滅しかなさそうだな畜生
「残念だよねぇ…!」(慟哭
【電撃・属性攻撃・念動力・弾幕・空中戦・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
飛び回り念動光弾を一斉射撃
そのまま蹂躙の限りを尽くし
鎌剣と打刀を使った連続斬撃を叩き込み電撃を注いで焼き尽くし
金目の物は根こそぎはぎ取る!
「おう☆ドレインするのにえっちくないなんてギルティだぞ☆」
「おら☆ハニートラップしてみろよ☆メルシー達を誘惑してみろよ☆」
って普通に身包み剥いで始末で収めろ!?ナイアルテが後で報告書描く時困るだろうがっ!
「てへー☆」


皇・絶華
チョコ!
神機の主発動中
おお!カシムに呼ばれてきてみれば…エイル博士じゃないか!
「いや違うでしょう!?どうみても野郎じゃねぇか!?」
「もう少し若ければ朕好みのよい美少年であったろうに」(ライオン着ぐるみ幼女がほろり

ふむ?異世界の同位体か?我が弟の銀静も各世界に居るようだからな!
…KB世界の我が弟は…何処だろうな(しおしお

ともあれ…メリサだったか…お前はけして死ぬ事はない
これよりお前は圧倒的なパワーが宿るのだからな!(ぺかー
【薬品調合】
UC発動
ぜっちゃんチョコドリンクをメリサ、カシム達にさっちゃん達に注ぎ自分も服用
「やっぱりそうなるよなぁ…メリサつったな!お前も道連れだごらぁ!」
「朕が力を取り戻すのはこれを飲むしか…ぴぎゃ」
【念動力・弾幕・二回攻撃・空中機動・貫通攻撃・バーサーク・爆破】
飛び回り念動光弾を叩きこみつつ拳で殴ったり鎌剣やTCで切り刻んだりと大蹂躙

お前達がそのような集団で一人を虐めるのはパワーが足りないからだ!
だから…圧倒的なパワーを与えよう!(真ぜっちゃんチョコ捻じ込み…どかん



 亜麻色の髪の青年『メリサ』はちゃっかりしていた。
 猟兵たちにメガコーポの『掃除屋』たちの相手を任せて、とんずらしようとしていたのだ。
 彼からしたら猟兵たちが己を助けようとしているが、猟兵たちに何か報いなければならない、という義理はない。
 それに、と彼は思っていた。
 猟兵という連中は、どうにもクセが強い。
 そんな癖の強い連中とつるんで利害が一致している時は良いが、もしも、これが一致しなくなったのならば、クセの強い連中が敵対者としてなだれ込んでくるのだ。
 正直、嫌すぎる。
 なので、ここは三十六計逃げるに如かず、というやつであった。
「おいこらメリメリ! 何勝手に逃げてんだゴラァ!」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の言葉に『メリサ』は答えた。
「そりゃ逃げるでしょ。鏡見てごらんよ。あんたら、自分みてーなのが追いかけてくるとなったら、逃げるでしょ。誰だってそうするよ」
「ああ!? もうその時点でお仕置き確定だおらぁ!」
「それそれ、そういうの。誰だって逃げるって」
「逃がすかゴラァ! つーわけで……ぜっちゃん……どうぞ!」
「おお! カシムが呼びつけるものだから何事かと思ったが『エイル』博士じゃないか!」
 カシムに促されて、皇・絶華(影月・f40792)が一歩踏み出した。

「いや違うでしょう!? どう見ても野郎じゃねぇか!」
「もう少し若ければ朕好みのよい美少年であったろうに」
『サートゥルヌス』とライオンきぐるみの幼女が『メリサ』を品定めしていた。
 その様子に『メリサ』は肩をすくめた。
「そりゃそうでしょーよ。俺が女に見えるわけないだろ? 何処の誰と見間違えてるのか知らねーけど」
「ふむ?」
 絶華は首を傾げた。
 同じ顔、同じ名前。そうした者に彼は覚えがあるようだった。
 だが、『メリサ』はそういしたものに関わりがあるように思えなかった。
 己の弟を探している彼にとっては、なんらかの手がかりになるかもしれないと思ったのだが、どうやら当てが外れたようだった。

「ともあれ……『メリサ』だったか……お前は決して死ぬことはない」
「あ? どういうことだよ」
「これよりお前は圧倒的なパワーが宿るのだからな!」
「何いってんの、この人?」
『メリサ』が訝しむのも当然である。
 まったくわからないのだ。
 絶華は何を持って、死ぬことはないと言っているのか。
「心が籠るバレンタインチョコドリンク(キョウキトアクムノジゴクドリンク)だ!」
 ぺっかー。
 ユーベルコードがこれほどまでに軽快に煌めいたことはあっただろうか。
 絶華が持っていたのは漢方と虫配合の狂気の超高濃度カカオ汁であった。
 どう考えても嫌な匂いしかなしない。

「大丈夫☆基本元気になるだけの優しいお仕置きだぞ☆」
「お仕置きっていうのかな、これ」
「カシム、さあ、ぐいっと行け」
「おめーも飲めよ!」
「嫌だよ。得体が知れなさすぎるし、つーか、多分、これ俺には効果ないよ」
 なんでだよ! カシムは『メリサ』に振り返った。
 瞬間、彼の口に漢方と虫配合の狂気の超高濃度カカオ汁がぶち込まれる。
「もがっ、ぐがっ……不っ味!」
「も一杯か? ほれ」
 さらに『メリサ』に手渡されたものがカシムにぶち込まれる。
「てめっ、もがぁー!?」
「相変わらず地獄の味だぞ☆ ぐへぇ……!」
「『メリサ』つったな、てめぇ、道連れ回避するとか、そんなの許されるわけ、ごぼっ!?」
『サートゥルヌス』たちも同様にぶち込まれる。
「朕が力を取り戻すのはこれを飲むしか……ぴぎゃ」
 惨憺たる有り様であった。
 それを見て『メリサ』は頷く。やっぱり呑まなくてよかった。

「はぁ……本当はエロイことしたかったが……こりゃ殲滅しかなさそうだな畜生」
 みなぎる力。
 圧倒的パワーとオーラ。
 あらゆる耐性を与えるドリンクの力は確かに絶大であった。
「残念だよねぇ……!」
 なんか変な慟哭が聞こえてくるが『メリサ』は聞かない振りをした。
「まあ、そういうわけなんで、後は頼んだわ!」
 しくよろ! と『メリサ』は脱兎のように、その場から逃走を図る。
 あんまりにもあんまりな逃走劇であった。
「ふむ、彼にはどうやら確かに効果がなさそうだな。なぜなのかはわからないが、そもそも圧倒的なパワーを必要としていないのか、そもそも持ち得ているのか……?」
 ふーむ、わからん! と絶華は独り納得していた。
 まあ、いいか、と彼は迫るメガコーポの『掃除屋』たちへと振り返る。

「あの男はどこに行った!」
「隠し立てするとためにならんぞ!」
「彼ならばもう逃げたぞ。ここにはいない。だがな、お前たちがそのような集団で独りをいじめるのは……パワーが足りないからだ!」
「何を言っている?」
 本当に何を言っているんだろうか。
 困惑する『掃除屋』たちを前に絶華は彼のドリンクによってパワーマシマシになったカシムたちを従える。
「だから……圧倒的なパワーを与えよう!」
 手にしたチョコ。
 意味深すぎる。それをどうしようというのだろうか。
「無論、ねじ込む!」
「おう☆ ドレインするのにえっちくないなんてギルティだぞ☆」
「何言っているのだ、お前たちは!?」
「おら☆ ハニートラップしてみろよ☆」
 あーもー、めちゃくちゃだよ。
 何がどうなっているのか仔細に説明する暇がないほどの混沌たる有り様が広がる。
 その渦中にありながら、絶華はチョコをねじ込み、その暴威を振るうのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
私情と打算が多少入ってはいるけれど、お仕事なのはお互い様よねぇ。あたしはここまで滅私奉公なんてする気は更々ないけれど。

うわ出た「サイキック」とかいうわけわかんない属性。陰陽三態四元五行、どれにも当てはまらなくて対抗属性が存在しないから面倒なのよねぇ…どーせ義体だから無駄に頑丈だし。
…ま、対処のしようはあるけれど。煙幕と閃光弾で強引に視界を切って|ラグ《幻影》で光学・|摩利支天印《陽炎》で熱源迷彩を展開。認識そのものをずらして●瞬殺で○クイックドロウ一閃のカウンター仕掛けるわぁ。
どれだけ強力でも悪辣でも、当たらなければどうということはない。単純だけど、当然よねぇ?



 これはお互い様なのだとティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は思った。
 メガコーポの『掃除屋』たちは亜麻色の髪の青年『メリサ』に制裁を加えなければならない。
 そして、猟兵は巨大企業群への打撃のために『メリサ』を制裁から逃さねばならない。
 対立するのは当然であった。
 であるのならば、やはりお互い様だ。
 私情と打算はある。
「けれど、これってお仕事なのよねぇ」
 とは言え、だ。
『掃除屋』のように滅私奉公までいくほどに仕事熱心になるつもりは、ティオレンシアにはさらさらなかった。

「私達の仕事を邪魔立てするというのならば、排除するまで!」
 放たれるフィンガーウィップの一撃が走る。
 だが、ティオレンシアの体をすり抜ける。
『掃除屋』たちの義眼は確かにティオレンシアの熱源を捉えていたはずだ。なのに、彼女を捉えんとしたフィンガーウィップは、宙をすり抜けていた。
 彼女たちの義体の性能が低いわけではない。
 巨大企業群に属している以上、その義体は常に最新のものにアップデートされている。
『掃除屋』であるのならばなおさらのことだろう。
 なのにティオレンシアを捉えられない。
「……躱された? いや違う、そもそも狙いがズレている!?」
「その通りよぉ」
 甘い声が響いた。
 聴覚センサーが狂っているのか、その声はわんわんと響くようだった。

「クッ!」
 放たれれるサイキックエナジー。
 ティオレンシアが最も警戒していたのは、そのサイキックエナジーである。
 彼女にとって、サイキックエナジーは最もわけのわからない属性であった。
 陰陽三態四元五行。
 そのいずれにも当てはまらず、さりとて起因ともなり得る力。
 ティオレンシアのように魔術文字などで認識し、これに対抗する力を発する者からすれば、まったくもって理解できない力であったことだろう。
 いや、理解できなくても太鼓する手段はある。
 ただ、面倒なのだ。
 放たれたサイキックエナジーはティオレンシアをやはり捉えられなかった。

 何故か。
 言うまでもない。
『掃除屋』たちは義体。であれば、彼女の放つ魔術文字によって熱源迷彩を展開し、認識そのものをずらしたのだ。
 それによって彼女たちはティオレンシアの姿を義眼越しでは認識できなくなっているのだ。
「どれだけ強力でも悪辣でも、当たらなければどうということはない。単純だけど、当然よねぇ?」
 ティオレンシアの瞳がユーベルコードに輝く。
 クイックドローの一閃が『掃除屋』たちを貫く。
 言うなれば、瞬殺(フラッシュ)。
『掃除屋』たちが攻撃を仕掛ける前にティオレンシアの攻撃は終わっていたのだ。
 それはただの余韻。
 貫かれた義体が地面に倒れ伏す。

「あたし、特殊な力とかなんにもないけれど」
 甘い声が響く。
「『コレ』だけはちょっと自信あるのよぉ?」
「うわ、おっかねぇ」
 ティオレンシアの背後で亜麻色の髪の青年『メリサ』の声が聞こえる。
 細められた瞳が向けられた先で、彼はなんとも言い難い表情を浮かべていた。
「見えた?」
「さっぱり」
 何も見えなかった、という黒い瞳にティオレンシアは嘘だな、と看破したのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『癒しの一杯』

POW   :    好きなドリンクでまずは乾杯

SPD   :    安いがうまいと評判の料理を食べてみる

WIZ   :    店主や他の客との会話を楽しむ

イラスト:鹿人

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 亜麻色の髪の青年『メリサ』を狙ったメガコーポの『掃除屋』たちを退けた猟兵達は、彼の背中を追って、とある喫茶店に足を踏み入れた。
 扉を空けたカウンター席の奥に『メリサ』は既に座って、水を一杯煽っていた。
「ぷはー……あー、しんどかった。死ぬかと思った。大ピンチの連続すぎて、もう終わったと思ったね。九死に一生を得るってこのことだよな、お、あんたたちも無事だったかいやーよかったよかった」
 気安い。
 そればかりか、どこか飄々としている。
 もしかしなくても、彼一人でどうにかなったのではないかとさえ感じさせるものであった。
「まあ、一杯やりなよ。手伝ってもらった礼に一杯は奢るから。あ、一杯だから! 一人一杯ね! いっぱい! たくさん! って意味じゃあねぇから! そこんところよろしく!」
 彼はそう言って、己の懐のクレジット事情というものが逼迫していることをアピールしていた。
 それも本当かどうかわからない。
 これでは|『蜂』《メリサ》ではなく、狸ではないかとすら思わせる態度。
 何かを尋ねてもいい。尋ねなくてもいいし、報酬として一杯奢らせてもいいだろう。
 いずれにしても、『メリサ』はのらりくらりと躱そうとするかもしれない。
 その黒い瞳は猟兵達の動きを一つも見逃さないようだった――。
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて

うーん、さすがのご同業でしてー。
陰海月も出てきましたし…あ、私はお水貰いますねー。
陰海月にも一杯、いいですよねー?

ああ、今回、私が関わったのは単に『メリサ殿を守りたかった』だけなのでー。
ええ、依頼された仕事が『思い』と一緒だったから、受けただけなんですよー。
いいんじゃないですかねー、猟兵を利用する感じでも。メガコーポを相手にしてるんですから、なおさら。
それでも私は、勝手に守るだけですから。


陰海月「ぷきゅー」
氷なしオレンジジュースを一杯!美味しー!
(氷なしなのは身体が冷えるのを防ぐためで、他意はない)



 身に注ぐ骸の海を払って馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、ゆっくりと亜麻色の髪の青年『メリサ』が待つであろう喫茶店に入店する。
 実際に彼に誘われたわけではなかったが、結果としてこの喫茶店に入ることになった。
「うーん、さすがのご同業でしてー」
「お、おつかれさんでーす」
『メリサ』は気安く手を振っている。
 自分たちを囮にして逃げおおせたにしては、あまりにも悪びれた様子がない。
 まあ、それ自体は構わなかった。
 猟兵を利用する事自体に対しても、特別嫌悪を抱くものではなかった。

 とぷりと影から『陰海月』が浮かび上がる。
「ぷきゅー」
「お、そっちのでっかいクラゲもいたのか。どっかに飛んでいったのかと思っていたんだけれどな。まあ、よかったよかった。一件落着ってことで」
「私はお水を。『陰海月』にも一杯、いいですよねー?」
「クラゲを一人って数えるんならいいんじゃね?」
「ぷっきゅー!」
「いや、わからんて」
 何言ってるのか、と『メリサ』は苦笑いをしていた。
「氷なしのオレンジジュースを、と」
「はいはい……いや、あれでそこまで細かく指定してんの!?」
「そうみたいですねー」
 そういうもんなの? と『メリサ』は首を傾げている。

「それで、今回の件は終わったと考えても?」
「まあ、制裁なんでね。また次がないとは言えないけどまあ、なんとかなるでしょ。それにしてもおたくらも大変ですね」
「というと?」
「いや、赤の他人を助けに来るなんて大変でしょ。生命の危険だってあるんだし」
「いえ、『メリサ殿を護りたかった』だけなのでー」
「それはそれでなんとも、単純すぎない?」
「単純でいいのではないですかねー? それに猟兵を利用するのもメガコーポ相手なのですから、なおさら」
「うーん……?」
 首を傾げる『メリサ』にとっては、どうにも納得しがたい理由だったのかもしれない。
 彼自身であれば、絶対にそうしないという理由……ではないとは思うが、それでもなんとも納得しがたいものだったのだろう。
 そんな彼の様子を見やり、『疾き者』は笑う。
「それでも私は、勝手に守るだけですから」
「勝手にしていいって、そりゃなんとも都合が良すぎないです?」
「なら、また似たようなことがあれば、あの子にオレンジジュースを奢ってあげてくださいな」

 示す先にあるのは氷のは言っていないオレンジジュースの入ったグラスを器用に傾けている『陰海月』の姿があった。
「ぷきゅー」
「はは、喜んでら」
「その感情でいいのではないでしょうかね?」
 世界は複雑怪奇でも、正解は単純明快でいい。
 そう言うように減ってくグラスのオレンジ色を見やるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
では単刀直入に、『此処』という場所について聞き覚えは?
貴殿の様な亜麻色の少年が大勢いる所なのですが……旅立ってしまった仲間をとても心配していました。何か、知りませんか?

(第六感で)じぃっと反応を見つめ返しつつ問いましょう。青年である彼があのメリサと関係あるかはやや薄めですが、少しでも行方が知れるなら知りたい。
……『彼』が元気にしているなら、彼らへを安心させる良い報告ができます。
もし少しでもはぐらかす様なら『凝視眼倍』で交友関係あたりから暴きます。

クレイドル『話が終わったならさー奏者、此処は一つ、喫茶店に合う良い感じのギター演奏をしないかい?あ!ここってそういうのやって良いお店かい!?』



「では、単刀直入に」
 そう告げた朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は亜麻色の髪の青年『メリサ』の座るカウンター席の隣に座ることなく、そのカウンターテーブルに手をついた。
 まるで逃さないというように腕で出口を塞ぐようだった。
 のらりくらり、と己の問いかけに逃げるようであれば強引な手段も辞さないというような雰囲気さえ感じさせられただろ。
『メリサ』は肩を竦めるでもなく、茶化すでもなく、どうぞ、と言うように掌を上にした。

「『此処』という場所について聞き覚えは?」
「ふっ……聞き覚えも何も、ここのことを言っているんなら……」
「茶化さないでいただきたい」
 小枝子の言葉に『メリサ』は今度こそ肩をすくめた。
 観念したとも言える様子だった。
「はいはい、覚えているよ。『此処』だろう。あの雪原の」
「そうです」
 小枝子は、クロムキャバリア世界のある秘境のことを言っていた。
『此処』。 
 それは呼び名がないから、そこに住まうものたちが『此処』と呼んでいたことを受けて名付けられた場所であった。
 国ですらない。
 ただの集落とも言える場所だ。

 そこには『古代プラント』があった。
 オブリビオンマシンに狂ったものたちが、その『古代プラント』を求めて襲撃した事件を小枝子を始めとした猟兵たちが解決したのだ。
 その『此処』に彼と同じ亜麻色の髪を持つ少年たちが大勢いたのだ。
 だが、その最中、一人だけが何処かへ旅立ってしまったのだということを小枝子は聞き及んでいたのだ。
『メリサ』も亜麻色の髪を持っている。
 黒い瞳も同じだ。
 ただ、あの『此処』にいた少年たちとは年嵩が合わない。

「『此処』に住まう少年たちは旅立った仲間を心配していました。何か、知りませんか?」
 見つめる。
 その反応を見ている。
 青年である『メリサ』と『此処』の少年たちの間には年齢差がある。
 だから、関係は薄いと思っていた。
 だが、旅立った少年の行方が少しでも知りたい。その情報を知れたら、と思っていたのだ。
「その彼っていうのはさ、『彼ら』とはもうだいぶ違うんだよ。きっと今更気が付かないさ。けど、まあ、そうだな」
『メリサ』は何処か懐かしむような面持ちであった。
「元気、といえば元気なんじゃあないか。変わりないわけじゃあないけれど」
 小枝子に彼の顔が向く。
 真正面から見る顔は、見れば見るほどに『此処』の少年たちの面影を残しているように思えてならなかった。
「……まさか」
「そのまさかさ。俺だよ。『彼ら』の言うところの『彼』っていうのは。懐かしいな。俺にとってはそうかもしれないが、『彼ら』にとってはそうではないのかもしれないな」
「……そんなことが起こり得るのでありますか」
「現に、ほら」
 起こっている。
 示す言葉に小枝子は息を呑む。

『話が終わったならさー奏者、ここは一つ、喫茶店に合うよい感じのギター演奏をしないかい? あ! ここってそういうのやってよいお店かい!?』
『クレイドル』の声が響いて小枝子は我に変える。
「構わねぇんじゃねぇの? 馬鹿騒ぎしなけりゃ、叩き出されることもないんじゃないかな?」
『そうかい! 奏者!』
「まって、まってください。つまり」
 そういうことなのか、と小枝子は『クレイドル』の言葉に思考をかき乱されながら、己が探していた『彼』こそが『メリサ』なのだとどうしても繋がらない点が繋がったことを知るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
【WIZ】
……んー、今更だが貴様そーいうキャラだっけ?
まあいいが。嘘であるのなら何となくわかるし。くっく、我が目を侮るなよ

くく、貴様の寂しい懐に頼らずとも、我には黄金を創ったり欲しい食材を無尽蔵に具現化する力もあるのでな!
……まあ、誰かに望まれねば基本出せぬし、そうでなくとも「程ほどにしろ」と部下全員からすっごく釘を刺されておるが……

まあとにかく、今回は別に貴様への貸しでも何でもないし、我はオブリビオンが絡むか貴様の気が変わらぬ限り、貴様の道に口を挟まん。貴様は既に、我が力に頼らぬ事を「選んだ」のだからな。

あー、後貴様の女難の相だが…これ多分どうにもならんから、受け入れるしかないと思うぞ……?



 喫茶店にて待っていた亜麻色の髪の青年『メリサ』はどこか飄々としていた。
 気安いし、どこにでもいる青年のようにも思えてならなかった。
「……んー」
 そんな彼を見てワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は首を傾げていた。
 これまで彼女が知る彼とは少し違うような気がしたのだ。
「今更だが、貴様そーいうキャラだっけ?」
「地が出たってやつだよ。俺はもともとよい子ちゃんだったんだ。性善説に則るんなら、だけど」
「そういう言い回しが誤解を招いているという自覚はあるのか?」
「あるよ。でもまあ、仕方ない。俗世に染まれば、こうもなるだろうさ」
「嘘は言っていないようだな」
 どの道、嘘を言うようならばワルルーナにはわかってしまう。

 そもそも『メリサ』自身も『根が善良なのだろう』。
「わかるのかよ」
「くっく、我が目を侮るなよ?」
「まあいいけどさ。で、一杯どうする?」
 いらない? と『メリサ』が首を傾げている。
「くく、貴様の寂しい懐に頼らずとも、我には黄金を創ったり欲しい食材を無尽蔵に具現化する力もあるのでな!」
「流石じゃん。え、黄金も!?」
「できるぞ」
「やばすぎる……」
「まあ、誰かに望まれねば基本出せぬし、そうでなくとも『程々にしろ』と部下全員からすっごく釘を刺されておるがの……」
「なんだ、結構苦労してんの?」
 やっぱり一杯いる? と言う『メリサ』の言葉にワルルーナは頭を振る。

「まあとにかく、今回は別に貴様への貸しでもなんでもないし、我はオブリビオンが絡むか貴様の気が変わらぬ限り、貴様の道には口を挟まんよ」
「それはありがたいことだね。あんたみたいなとんでもないラスボスをうまく扱おうなんて考えもつかないよ」
「くくく、よくわかっておるではないか」
 ワルルーナは『メリサ』が己の力を頼らないことを選んでいる事を知っている。
 しかしながら、だ。
 ワルルーナは『メリサ』を見やる。

 ああ、何処からどう見ても、と彼女は思った。
「あー」
「え、なに、その感じ」
「いやなに、言おうか迷っていたのだが」
「そこまで言ったんなら言って欲しいんだけど」
「ではな、貴様の女難の相だが……多分どうにもならんから受け入れるしかないと思うぞ?」
「いやいやいやいや! それは本当にどうにかしてくれよ! どうにかして! あんた魔王でしょ!? どうにかできるでしょ!」
 必死である。
「いや無理である。人の縁というものは容易くどうにかできるものでなし」
 嘘でしょ、と『メリサ」は青ざめている。
 まだまだ女難の相は色濃いな、とワルルーナは『メリサ』の様子に確信するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薄翅・静漓
ええ、あなたも無事でよかったわ
それで……『ティタニウム・マキア』について、聞いてもいい?
私は事情を知らないの
だから、自分の考えが間違っていないか確かめたいのよ

以前、ハイウェイを暴走する『青い鋼鉄の巨人』を止めたことがあったわ
あの機体は、胸部の奥に囚えたサイコブレイカーの少女から、サイキックを吸い上げていた
私のことまで、取り込もうとするような動きを見せていたけれど
つまり……人の力を吸い取って動く存在、ということよね
あれも『ティタニウム・マキア』が関わっていた

――あの子たちが、あんな目に遭ったのも
『青い鋼鉄の巨人』が理由だと思うの
『ティタニウム・マキア』の思惑は解らないけれど
嫌な気配を感じるわ……



 喫茶店のカウンターテーブルについている亜麻色の髪の青年『メリサ』の姿を認めて、入店した薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)は僅かに息を溢した。
 不安があったわけではないが、心配しないわけではなかったのだ。
「お、あんたも無事だったみたいだな」
「ええ、あなたも無事でよかったわ」
「心配してなかったけどね。あんたほどの人が連中にどうこうされるなんて、思いもしないから」
 それはこちらの力を評価してのことだろうか、と静漓は思った。
 己達を利用する。
『メリサ』は猟兵を快く思っていなかった。
 だが、考え方を変えたのか、それとも何か心変わりがあったのか。
 いずれにせよ、彼は自分たち猟兵に対して嫌にフレンドリーだった。

「それで」
「はいはい。一杯ね、何飲む?」
「違うわ」
 わかっているくせに、と静漓は『メリサ』の頬に手を伸ばして顔を向けさせた。
「そういうの勘違いしちゃいそうなんだけど」
「茶化さないで」
「はい」
「『ティタニウム・マキア』について聞いてもいい?」
 事情を己は知らないのだ、と静漓は言っている。
『メリサ』は息を吐き出して、頬を掴む静漓の手を、そっと抑えて離した。

「巨大企業群『ティタニウム・マキア』だろ?『安心安全』を売るとっても大きな企業だよ。新興宗教やったり、ヤクザ事務所を抱え込んだり、まあ、いろいろやってる」
「ええ、続けて」
 静漓は己の考えが間違っていないのかを彼の口から出る言葉で確かめたいと思っていた。
「んで、あれでしょ。あんたが知りたいっていうのは、あの『青い鋼鉄の巨人』だ。そうだろ?」
「ハイウェイで暴走していた、というのならばそうよ。あの機体は、胸部の奥に囚えたサイコブレイカーの少女からサイキックを吸い上げていた」
 あの『青い鋼鉄の巨人』は静漓すら取り込もうとしていたのだ。
 それを静漓は覚えている。
 だから。
「私のことまで、取り込まんとするような動き見せていた。つまり……人の力を吸い取って動く存在ということよね?」」
「少し、違うな」
『メリサ』は指を一つ立てた。

「あれは劣化模造品とでも言うべきものだよ。サイバーザナドゥでは、あれは模造品だ。それも劣悪な、だ。例え、機構を真似ることができても、機体構造が耐えられない。だから、遅かれ早かれ、あれは自壊していたよ。なぜなら」
「……『ティタニウム・マキア』は」
「縮退炉を再現しようとしていた。縮退炉っていうは、文字通り、何かを縮退しているわけだ。その『何か』ってのはさ」
 つまり、サイキックエナジーである。
 そうでもしなければ得られない出力で動く何か。

「――あの子たちが、あんな目に遭ったのも」
 人為的にサイコブレイカーに覚醒させられた9人の子供たち。
 それを静漓は知っている。
「あの『青い鋼鉄の巨人』が理由だと」
「『バイスタンダー』ね。まあ、そうなんじゃあないかな。どうとでも言えることだけれど」
 その言葉に静漓は言いようのない嫌な気配を感じる。
 思惑がどうであれ、静漓は、望まぬ結末を知るかもしれない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルコ・アロー
そりゃあボク達は味方ですよ?
でもさっき狙われたばっかなのに、初対面のヤツとお茶しようとしてんじゃねーですよ!
危機感ってもんがねーんですか!?

まぁここまで来たからには仕方ねーです。
何で追われてたのかとか正直詳しく知らねーですけど、どーせメガコーポとか言う連中の関係でしょう。
あいつらはボクらの敵でもあるんですから、なんか良い情報でもありゃあ戦力として潰す役には立つですよ。
てめーがどうしたいかは知らねーですけど、きっと一人でやるのは難しいですからね!
……なんかてめー、ちょっとノリが軽すぎて信用し辛いですけど。
ともかくまずは一つ。
イチゴシェイク下さいです!



 ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は亜麻色の髪の青年『メリサ』を見やる。
 いや、と彼女はどうにも納得できなかった。
「そりゃボクたちは味方ですよ? でもさっき狙われたばっかりなの、初対面のヤツとお茶しようとかしてんじゃねーですよ! 危機感ってもんがねーんですか!?」
「なんだ、お嬢さん、難しい言葉を知っているね。かわいいね」
「むがー! 馬鹿にしてんですか!」
 してないしてない、と『メリサ』はファルコの様子に笑っていた。
 やっぱりからかっているんじゃあないか、とファルコは憤慨したが、その様子すら『メリサ』にとっては好ましいものだったようだった。

「まあ、いいじゃあないか。ほら、一杯どうだ。いっぱいは駄目だけれど、一杯くらいなら」
「それ、もしかして面白いと思ってます?」
「えっ!? 面白くねぇ?」
「全然。それどころか親父臭いです」
「うっそだろ!?」
 全部が大げさすぎるな、とファルコは思ったが、仕方ないな、と息を吐き出す。
「まあ、ここまで来たからには仕方ねーです。なんで追われてたのかとか正直詳しく知らねーですけど、どうせメガコーポとか言う連中の関係でしょう」
「え、そんなに俺臭い?」
「親父臭いっていう比喩でしょーが!!」
 一々、話の腰骨をおられてしまってファルコはまた憤慨する。

「ああ、はいはい。そうだよ。メガコーポが全部悪い」
 ファルコはどうにも胡散臭いな、と『メリサ』を見やる。
 軽薄だな、と思うし、なんだかこちらを子供扱いしてくるところもなんだか気に食わない。
「あいつらはボクらの敵でもあるんですから、なんかよい情報でもありゃ戦力として潰す役には立つですよ」
「ありがたいこって。涙もちょちょぎれるよ。よしよし、で、何飲む?」
「てめー、さっきからおちょくってませんか!?」
「ないない。感心ばっかりしているよ」
「まったく……」
 ファルコは『メリサ』が何をどうしたいのかはわからなかった。
 けれど、何かを為すにしても、自分たちと道を大きく違えることはないだろうとも思ったのだ。
 一人で何かを為すのは難しいことだ。
 だが、そうであるからこそ、『メリサ』はノリがかるすぎて信用し辛いところがある。
 そういうのって損ではないのかとファルコは思うのだ。
「で、何飲むのかな?」
「しっつこい! イチゴシェイク下さいです!」
「はいはい、イチゴシェイクね。ポテトもいる? ナゲットもあると思うけど、バーガーなんかも……」
「どうせ、合成肉でしょうが! いいです! ていうか、また子供扱い!」
「玩具のセットも……」
「てめー!!」
 やっぱり子供扱いしてるじゃあないですか、とファルコの憤慨する様子に『メリサ』はバレた? といたずらっぽく笑うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
わぁ軽ぅい。
(…前から飄々とはしていたけれど、なぁんか背負ってたモノが軽くなった分なんとなく地に足ついてない感じ?)
――まあ、あたしが殊更踏み込む事でもないか。
あ、あたしはコーヒー一杯くださいな?

あらそっかぁ、手元不如意なら仕方ないわねぇ。――じゃ、「貸し1」ねぇ。
あら、当然でしょぉ?あたしだってタダ働きなんてしたくないし。この先なんかそれっぽく丁度いい時に返してもらうわぁ。
やぁねぇ、今はタダなんだからこれ以上まけられるわけないじゃない。ご愁傷様?

タダほど高価いモノはない、なんて。洋の東西世界も問わず、今更すぎるアタリマエのことでしょぉ?



 他の猟兵とのやり取りを遠巻きに観察していたティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は、亜麻色の髪の青年『メリサ』の様子が、こちらを煙に巻こうとしているのを理解していた。
 それでも多くの猟兵たちからは詰め寄られていたので、彼らは彼らなりに情報を得たのだろうと思えた。
「お、あんたもおつかれさんでーすってね。よかったら一杯どう? 奢りだよ、奢り。一杯だけだけどね」
「わぁ軽ぅい」
 ティオレンシアの『メリサ』に対する印象とはかけ離れているように思えた。
 以前から飄々とはしていた。
 だが、猟兵に対しての心証はあまりよくないようだった。

 それは彼が何かを背負っていたからかもしれないし、自らだけで何か事をなさねばならないという使命感から来るものであったのかもしれない。
 けれど、今の彼は、その荷が軽くなったのか、どうにも地に足がついていない感じを受けたのだ。
 とは言え、だ。
 そうした所感を得たからと言って、ティオレンシア自身が殊更踏み込むことではないとも思っていた。
 そうした距離感を持ったティオレンシアは、言ってしまえば大人の対応をしていたのだ。
『メリサ』も、そうした彼女との距離感をどこか楽しんでいるようにも思えただろう。
「あ、あたしはコーヒー一杯くださいな?」
「コーヒー? いやいや、このご時世、嗜好品だよ? 贅沢品だよ? コーヒーってもんはさ。希少すぎて、合成したのですら高値がつくんだって。加えていうなら、こんな場所にあるわけないじゃん!」
 あっても、手が出せない値段だと『メリサ』は喚いた。
 そういうところは子供っぽいな、とティオレンシアは思ったかも知れない。

「あらそっかぁ、手元不如意なら仕方ないわねぇ――じゃ、『貸し1』ねぇ」
「恐い。まじででっかい『貸し』になりそうじゃん」
「あら、当然でしょぉ? あたしだってタダ働きなんてしたくないし」
「そりゃそうでしょうよ。けどさぁ、いくらなんでもふっかけ過ぎじゃねぇの?」
「いいのいいの。この先なんかそれっぽく丁度いい時に返してもらうわぁ」
 その言葉がやはり一番恐いのだと『メリサ』の肩が震える。
「どうにか負からんのかなぁって思うんだけれど、どうにかなる感じ?」
「やぁねぇ。今はタダなだからこれ以上まけられるわけないじゃない」
「だよなぁ……あー、くそぅ。まじで厄介じゃん」
「ご愁傷さま?」
 ティオレンシアはいたずらげな表情のまま、席を立つ。

「タダほど高価なモノはない、なんて。洋の東西世界も問わず、今更すぎるアタリマエのことでしょぉ?」
「そうだけどさぁ」
「なら、楽しみにしておくことね、『貸し1』を」
 その様子に『メリサ』は諦めるしかなかっただろう。
 彼女の『貸し1』はきっととてつもなく重たいモノになる。それを確信したからこそ、彼はため息と共に肩を落として、身を小さくするのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
【WIZ】
んー★別にお仕事の報酬は依頼人からもらうし、実は企業群はシルキーちゃんにとってもこんな体にしてくれた因縁の相手だからね★護衛された側がそんなに気にする必要はないんだぞー★

そ・れ・と・もー、
改めてシルキーちゃんに依頼したいことでもあるのかな★
例えばー……「何か」を壊すお仕事とか。

……なんてね★
まあ報酬を用意してくれるならお仕事は受けるけど★
あ、勿論内容は精査してからだぞ★信用にかかわるし「事前審査」は大事★

特に、「大事な仕事を依頼する相手」や「仕事に関わってくるかもしれない相手」は「事前にしっかり見ておきたい」もんね★

……含みがある?さあ★何のことかな★シルキーちゃん分かんないんだぞ★



 巨大企業群『ティタニウム・マキア』の制裁から守られたにしては、亜麻色の髪の青年『メリサ』の態度はなんとも飄々としたものであった。
 彼自身は特別恩にきている様子はない。
 多くの猟兵達は、恩に着せるつもりがなかった、というにしたってもう少し態度というものがあるのではないかと思わせるものだっただろう。
 けれど、シルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)もどちらかというと彼の態度に対して何かを思うところのない猟兵の一人だった。

 これが仕事だというのならば『メリサ』が依頼人ではない。
 であれば、彼から何か報酬をもらうというのは正当ではない。
 むしろ、今回の事件に踏み込んだのはシルキー自身の私情……いや、私怨によるところが大きかったことだろう。
「実は巨大企業群はシルキーちゃんにとっても、こんな体にしてくれた因縁の相手だからね★」
「へぇ、そりゃ難儀なことだね。無茶苦茶やりやがるからな、連中。倫理観どっか飛んでるよ」
「だよねー★」
「まあ、一杯どうよ?」
「いいよ★ 護衛された側がそんな気にする必要ないんだぞー★」
『メリサ』はシルキーの鉄の駆体を見やり、少し考えるようだった。

「そ・れ・と・もー」
 シルキーはそんな彼の様子を見やり、駆体を傾げた。
 なんとも含みのある言い方だった。
「改めてシルキーちゃんに依頼したいことでもあるのかな★」
「あんたの破壊能力はそりゃ大したもんだからね。ある意味引く手数多だろ?」
「うん、壊すことにかけてはね」
 なら、とシルキーはまた体を揺らした。
 反対側に傾ぐ駆体。
「例えばー……」
「まあ、それくらいにしときなよ。どこに目があって耳があるのかわかったもんじゃないからさ」
 そう言って『メリサ』は人差し指を立てて見せた。
「なんつってね★ まあ報酬を用意してくれるならお仕事は受けるけど★ あ、もちろん内容は精査してからだぞ★」
 そういう意味では『メリサ』はどうにも胡散臭い。

 その言葉に『メリサ』はむしろ喜ぶように体を揺らして笑った。
「ハハハッ、そりゃそうだ。信用っていうのは大切な要因だものな。事前調査ってのは、大事だ」
「そ、特に『大事な仕事を依頼する相手』や『仕事に関わってくるかも知れない相手』は『事前にしっかりみておきたい』もんね★」
「含みある言い方ぁ」
「さあ、何のことかな★ シルキーちゃんわかんないだぞ★」
「とぼけちゃってまぁ」
 だが、今はそれでいいだろう。
 巨大企業群への復讐。
 それは遠からず訪れる未来であっただろうから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・タタリクス
【ステルク】
馬鹿な、私こんな隠れ家知らない
秘密主義が過ぎる……浮気してるんですか?!
聞きたいことがありますメリサ様

ケートス様とオルニーテス様と私
本命は誰!?
私以外を選べばずっとストーカーします
私を選べばこのまま婚姻届けを出しに行きます
さぁ!!(婚姻届けをテーブルに叩きつける)
ああん、また破られたぁ
メリサ様のいけずぅ……

そこで他人のふりしている勇者
無理ですよ
自分もやべーであると自覚なさい
え?カニ?なんで??
茹で上がるまで時間がかかるようです?

まぁもう一つ聞きましょう
あ、紅茶でお願いします

それで今回は何を企んでいるのですか?
この世界に『此処』を作るとでも?
|猟兵《私たち》では救えないあの子たち
守れるのはメリサ様だけですものね
まぁ
『バイスタンダー』の燃料にしようとしているというのなら
いくら妻でも殴り倒しますけども?
それくらいの心境の変化は期待していいのでしょう?

というかこの程度で捕捉されるなんて……
セキュリティ甘いのでは?
私は突破しますが

あ、カニ来ましたね
食べます?
メイドの本領お見せしますが?


ルクス・アルブス
【ステルク】

ええっと。
ステラさん、どう考えても本命はこのお茶会ですよね。
『掃除屋』さんたちとか、絶対前座でしたよね。

それにしても、いっぱい、は先に釘刺されちゃいましたかー。
でもそうは問屋の年末大セールですよ。

と、いうことで。
最高級松葉ガニを「いっぱい」お願いしちゃいましょう!

え?喫茶店?
喫茶店にカニがないなんて誰が決めたんですか?
たしか今年の初競り価格が150とかでしたけど、マスター、いけますよね!?(圧

ふっ。料理人の食い意地を甘く見ないでください!(どやぁ
あ、調理はわたししますから、鍋だけ貸してくださいね。

って、わたしのなにがやべーっていうんですか!?
普通に可愛い演奏家で、キュートな料理人で、キラっ☆とした勇者じゃないですか!
ですよね、『メリサ』さん?

で・す・よ・ね?

っと、そんなそんなわけで、茹でカニです!
……『メリサ』さん、カニを食べてる間はみんな無言ですから、
その間に脱出案は考えてくださいね?(こそっ

って、メイドの本領発揮するカニってなんですか!?
あーん、とかはさせないですからね!



 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は、わなわなと亜麻色の髪の青年『メリサ』が入っていった喫茶店を前にして体を震わせていた。
 驚愕していると言っていい。
「馬鹿な、私こんな隠れ家知らない」
 そりゃ知らんことだってあるでしょう、とルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は思った。
 けれど、ステラなら『メリサ』のことを24時間四六時中モニタリングしていてもおかしくないな、とも思っていたことだろう。
 だって、どう考えても『掃除屋』たちとの対決よりもステラにとっての本番は今、まさにこれからだったのだ。
 あれを前座扱いするっていう時点でなんていうか、理外すぎる。

「秘密主義が過ぎます……浮気してるんですか!?」
「それって正妻の発言ですよね?」
「そうですがなにか」
 えぇ……とルクスは言わなかった。
 まあ、いつものことであるからだ。正妻とかステラが勝手に言い放っているだけである。事実無根である。
 ステラは喫茶店の扉を勢いよく開け放つ。
 カウンターテーブルについた『メリサ』は他の猟兵たちとの何事か言葉をかわしているようだった。
 それを待つことなんかしなかいのがステラである。
「聞きたいことがあります『メリサ』様!『ケートス』様と『オルニーテエス』様と私、本命は誰!?」
 うわ、とルクスは思った。
 直球にも程がある。

「いや、どう答えても地獄でしょ、それ」
「私以外を選べばずっとストーカーします。私を選べばこのまま婚姻届けを出しに行きます!」
 ほら、やっぱり正妻発言おかしかったじゃないですか、とルクスは思ったが黙っていた。絶対話がこじれるからだ。
「さぁ!!」
 ステラは婚姻届をテーブルに叩きつけた。
 それを『メリサ』はつまみ上げて、一瞬で燃やし尽くした。
「破くのではなく焼却!?」
「いやだって、破いたらツギハギにしてくるでしょ」
「あぁん、『メリサ』様のいけずぅ……」
「いけずもなにもないでしょ。っていうか、こういう公共の場でそういうのはさぁ、ちょっとほら、俺にも世間体っていうのがあってさ」
「つまり照れ隠しということでいいですか!?」
「あんたのそういうポジティヴな所、嫌いじゃあないんだけどさぁ、ちょっと声抑えようか? ほら、あんたの相方も他人のふりしてるじゃん」
 そう言って示す先にいたルクスはメニュー表を軽く放り頷く。

「いっぱいは駄目って釘刺されてしまいましたが、そうは問屋の年末大セールですよ」
「いきなり何。問屋がおろさないって言いたいんだろうけど年末じゃあないし、大セールもやってねぇよ?」
「ふっ、わたしを甘く見ないでもらいましょうか。オーダーは、最高級松葉ガニを『いっぱい』お願いしちゃいましょう!」
「日本語の巧妙な使い方してくるじゃん。つーか、ここ喫茶店。それもサイバーザナドゥの喫茶店だよ? そんなのあるわけないじゃん」
「ふっ、喫茶店にカニがいないなんて誰が決めたんですか? 確か今年の初競りの価格が150とかでいたけど、マスター、いけますよね!?」
「いやな圧かけないでよ。可哀想じゃん、マスターが」
「いえ、いけます! 料理人の食い意地を甘くみないでください!」
 どやって言うことかなぁ、と『メリサ』は首を傾げる。

「そもそもどうしてカニなんでしょうか。私よりもやべーじゃないですか。そう思いますよね、『メリサ』様はーと」
「いや、どっこいどっこいのどっこいしょって感じ」
「あ、私は紅茶でお願いします」
「あ、調理は私がしますから、鍋だけ貸して下さい」
「フリーダムがすぎる」
 二人に挟まれながら『メリサ』は肩身が狭い様子だった。
「って、流しましたけど、わたしのなにがやべーってんいうんですか!? 普通にかわいい演奏家で、キュートな料理人で、キラっ☆とした勇者じゃないですか! ですよね、『メリサ』さん?」
「俺を巻き込まないでくれるかな?」
「で・す・よ・ね?」
「うわー、こっちも面倒なタイプじゃん……そうですそうです」
『メリサ』はげんなりしていた。
 これは巻き込まれた時点で敗北が決定しているようなものだ。

 そんな『メリサ』の腕にしっかり組み付いてステラは肩に頬を載せた。
 なんていうか、仕草だけみたら大変に良い雰囲気である。
「それで、今回は何を企んでいるのですか?」
「いきなりじゃん」
「はぐらかされると思いましたので。この世界に『此処』をつくるとでも?」
「馬鹿なことを。そんなことして何になるってんだよ」
 でしたら、とステラは続ける。
 9人のサイコブレイカーたち。
 あの少年少女たちは、猟兵では救えない。
 守れるのは、恐らく同じ境遇の『メリサ』だけだろう。

「『バイスタンダー』の燃料にしようとしているのなら、いくら妻でも殴り倒しますけども?」
「妻じゃないじゃん」
『メリサ』は息を吐き出した。
「あいつらは、あいつらの運命に立ち向かって行かなくちゃあならないんだよ。俺の手は、あいつらの道を示すのでも、導くのでもないんだよ。ましてや守ってやる必要もない。あいつらはあいつらの足と手でもって歩んでいける」
「なぜ、そう言い切れるのです? もしや心境の変化と、でも?」
「違う」
 その瞳は真摯だった。
「『そういう運命』だからだ」
「それは一体どういう……」
「もう『決まっている』ことだから。どれだけあんたたちからすれば過酷で辛いものに思えても、その運命を歩んでいくものにとっては、そうあるべきでも、そうするべきでものなく、己が選んだものだ。何度繰り返しても、あいつらは同じ選択をするだろうから」

 その真意を問いかける前にルクスが鍋を前におく。
「おまたせしました、茹でカニです!」
「来たじゃん、本当にカニ」
「食べます? メイドの本領お見せしますが?」
「そりゃね」
「メイドの本領発揮するカニってなんですか!? あーん、とかはさせないですからね!」
「しますが?」
 するんかい、と『メリサ』は肩を竦める。
 そんな彼にルクスは耳打ちする。
「……カニ食べてる間はみんな無言ですから、その間に脱出案は考えてくださいね?」
 わかってる、と頷く『メリサ』。
 だが、本当に大丈夫かなぁ、とルクスはカニをほじほじしながら、ステラのスニーキング能力を思い出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
チョコ?
メリメリ…てめー…其処迄逃亡かますとかふざけやがってぇ!(げきおこぷんぷんカシムさん
取り敢えず一番高いジュースを樽一杯で(せめてもの嫌がらせ(ぷんすこ
「メルシーは天然物の日本酒を樽一杯欲しいぞ☆」(にこー
安心しろ
ぜっちゃんがおめーにも奢ってくれるぜ?

つー訳でおめーにも色々と聞きテー事があるが…おめー自身の素性はぜっちゃんに任せるとして
おめー…セラフィム・シックスは知ってるか?
いやな…あの馬鹿巨神…選択しないって選択をかました大馬鹿巨神なんでな
彼奴は本当にもう完全にくたばったのか
何とか助ける方法がねーか…まぁおめーも分からねーと思うが一応聞いておいてやるよばっきゃろー
「はぐらかすかな☆」


皇・絶華
チョコ?
神機の主継続
UCも継続
「貴様ぁ!主様の施しを蔑ろにするとは主様に対する不敬であるぞ!」(怒れる幼女…尚自分はという問いに
「朕は十分飲んでるしオフでは…って主様!?朕はもう…ぴげぁぁぁぁ」
うん、ころちゃんもぜっちゃんチョコがお気に召して何よりだ(きり
さぁめりちゃん…奢ってばかりで大変だろう
だからこそ私も奢ろう…とても健康にいいドリンクをな!
ぜっちゃんチョコドリンクは用意するが序にイワシ水(オーガニックなイワシの汁を絞り出した液…臭い)
お前は知識系のようだからこれがいいだろう…さぁ存分に叡智を養うがいい(ぺかー
「今度は逃がさねぇぞー!」
でもUCが効かない理由は彼なりに分析してカシムに伝える



 喫茶店のカウンターテーブルにて腰掛ける亜麻色の髪の青年『メリサ』に殺到するのは、猟兵達の中でも一際騒々しい者たちであった。
「メリメリ……てめー……其処まで逃亡かますとかふざけやがってぇ!」
「貴様ぁ! 主様の施しをないがしろにするとは主様に対する不敬であるぞ!」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と皇・絶華(影月・f40792)の『サートゥルヌス』が迫るのを『メリサ』は余裕たっぷりに頷いていた。
 余裕綽々と言わんばかりの態度に二人はカチンと来たかも知れない。

「何、あの場は逃げたんじゃあなくってあんたらに任せたんだよ。あんたらを信用しているから任せたんだ。だからあれは逃亡じゃあない」
「減らず口!」
「やだな。信用してるって言ってるじゃあないか。んで、施し、だっけ? いやなに、そういう意味ではあれば、あれだよ。普段から主様のためにがんばってるあんたこそたくさん褒美としてもらわないといけないって思わないか?」
「ぴぇっ、貴様何を」
「どうやらあんたの従僕は、まだ足りないって言ってるみたいだぜ?」
『メリサ』の言葉に絶華は喜ぶようだった。
「おお、そうか! さっちゃん! では、ぜっちゃんチョコを与えようではないか! 褒美だ、遠慮なんてするな!」
「朕は十分……主様!? ぴげぁぁぁぁぁ!」
 悲鳴が響く中、『メリサ』は肩をすくめていた。
 やれやれって感じである。

「とりあえず、一番高いジュースを樽一杯で」
「残念だけど、樽なんて単位はサイバーザナドゥにはねーんだよ。せめてピッチャーで、くらい言おうぜ」
「じゃあ、ピッチャーだよ!」
「メルシーは天然ものの日本酒ー☆」
「あるかよ、こんな場末の喫茶店に」
 懐事情が、と言っていた『メリサ』への嫌がらせも兼ねていたのだが、彼はそれすらもブラフであったかのように、はいはいと辟易するだけであった。
 そんなに痛手ではないのかもしれない。
「さぁ、めりちゃん……奢ってばかりで大変だろう」
「いや、どっちかってーと、あんたらの相手のほうが大変だよ」
「ならば、とても健康によいドリンクを奢らせてもらおう!」
「ありがたいけど、俺、こう見えて、健康優良児なんだよね」
「遠慮するな! ぜっちゃんチョコドリンクにイワシ水をブレンドしたものだ! お前は知識系のようだからこれがいいだろう……さぁ存分に叡智を養うがいい!」
「英気を養うの間違いじゃねぇかなぁ?」
「そうとも言うな!」
「今度は逃さねぇぞー!」
「あ、従僕が羨ましそうに見ているみたいだから、彼女にサーブ」
 ほれ、と『メリサ』は目にも止まらぬ速度で『サートゥルヌス』の口に特性ドリンクをぶち込む。
「ぴぎゃぁ!?」
 悲鳴が聞こえる。
 だが、絶華は『メリサ』の動きを見ていた。
 あまりに速い。とは言え、『サートゥルヌス』がこんなにも簡単に遅れを取るだろうか?
 なぜ?
 その答えはでない、が、カシムは『メリサ』に尋ねる。

「おめー、『セラフィム・シックス』は知ってるか?」
「あんたは、巨神は全て意志があるように思っているようだから、あえて言っておくけれどさ」
「あん?」
「あんたの言うところの『セラフィム・シックス』にあった意志のようなものは、俺から言わせれば、残穢みたいなものなんだよ」
「なに?」
「選択をしない選択をした、大馬鹿とあんたは言うかも知れないが、穢っていうもは灌がなくちゃあならない。潔斎というのはそういうもんだよ」
 カシムは、あの意志が穢が残ったものだと言うのか、と訝しむ。
 そして、『セラフィム・シックス』は本当にもう完全に破壊されてしまったのか、と思うのだ。

「どんな存在だって過去になる。それを死だっていうのなら、そうなんだろうよ」
「つまり、もう助からない、と?」
「違うな。助ける、助からない、じゃあないんだよ。前提が違う。生きるのはなんのためなんだ? あんたにとって」
 それは、とカシムは『メリサ』を見やる。
「何かをするために生きているばかりじゃあないんだよ。生命っていうのは。あんたが見た『セラフィム・シックス』とやらの意志は、そういう意味じゃあ、やはり残穢なんだよ。そして、それが選択しない事を選択したっていうのならば、それは見事に灌がれたってことだ」
 例え、それが過去、過去の化身、オブリビオンに変わるのだとしても。
 そこにはもう嘗ての『セラフィム・シックス』はいない。
 過去の化身は、過去の体積で歪んで、別物になる。
 だから、助ける助けないじゃないのだ、と『メリサ』は言い切るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

いっぱいだ!たくさんだー!
って言おうとしたら先回りされてる!
通報したら何ポイント貰えるかな?
えー?だってティタマキの『骸の海チップス』とか『ブラック骸の海チョコバー』とかけっこう美味しいし!
※もし存在したとしても当該商品に骸の海の成分は含まれておりません

●げんだいさるかにがっせん
そうそうボクたちは親玉に言われて恩の押し売りにきたらしいよ!
腹黒いよね!
でも恩は恩だから恩に着てよね!
恩知らずは大変な目に遭うって言うからね!
突然ダイニングが爆発したり!
水を飲もうとすると爆発したり!
家から出ようとしたら爆発したり!
なんかとりあえず爆発したり!

じゃあ恩返ししたほうが得だよね!



「いっぱいだ! たくさんだー!」
「だから言ったでしょ、一杯までだって」
「先回りするなんてずるくない!?」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は駄々をこねるように憤慨していた。
 いっぱい。
 それは魅惑の言葉である。
 だが、先回りされて『いっぱい』は『一杯』だと言われたのだ。
 これって通報していいやつだろうかと彼は思った。
 巨大企業群のお尋ね者である『メリサ』。
 彼がここにいまーす! と通報したら何ポイントもらえるだろうか?
「あんたの考えてることはわかるんだけど、そのメガコーポの『掃除屋』連中を派手にぶっ飛ばしてるんだから、あんたもお尋ね者だぜ?」
 オチはもう見えていると『メリサ』は言う。

「えー? だって『骸の海チップス』とか『ブラック骸の海チョコバー』とか結構美味しいし! そういうの貰えそうじゃない? 3年分とか!」
「『安心安全』を売る巨大企業群だからな。くれるかどうかはしらんけど」
「欲しい欲しい欲しいよー!」
「それくらい後で買いなよ。つーか、あんた俺の護衛に来たんだろ?」
「そうそう! ボクたちは親玉に言われて恩の押し売りにきたらしいよ!」
「らしいよ、他人事みたいじゃん」
「そりゃあね! 親玉の腹黒さはとんでもないよね!」
 どっちもどっちじゃない? と『メリサ』は首を傾げた。
「でも、恩は恩だから恩にきてよね!」
「押し売りってあるじゃん? 今まさにしてるよ、それ」
「押し売りも量り売りもたたき売りも一緒みたいなものでしょ!」

 いや、違うでしょ、と『メリサ』はロニの言葉にペースを握られないようだった。
「恩知らずは大変な目に遭うっていうのが相場だからね!」
「具体的には?」
「突然ダイニングが爆発したり!」
 それって。
「水を飲もうとすると爆発したり! 家から出ようとしたら爆発したり! なんかとりあえず爆発したり!」
「爆発ばっかりじゃないか」
「だって爆発したほうが派手だし!」
 そんな理由?
 さるかに合戦もびっくりである。ヒーローショーかなんか? ナパームとセメントでどうにかされているのだろうか?

「爆発は困るなぁ……」
「じゃあ、恩返ししたほうが得だよね!」
「じゃあ、これ」
 そう言ってサーブされたのは『骸の海コーック』である。
 ※当該商品に骸の海の成分は含まれておりません。
「えー、それって押し売りなんじゃない?」
「恩の押し売りに来たあんたにはちょうどいいんじゃない?」
 その言葉にロニは、少し考えた。
 ちゅうちゅうと『骸の海コーック』をちゅうと吸って、炭酸の弾ける感触に目をパチクリさせて、ま、それもそうかも! と思うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年06月16日


挿絵イラスト