ケルベロス・ウォー①〜鍛造のガジェッティア
●全世界決戦体制
如何なる思惑か。
デウスエクスの統括者たる『十二剣神』、その六柱は地球に対して総力戦を仕掛ける。
彼らの最大の目的は、特務機関DIVIDE本部『東京タワー』の地下に渦巻く『地球の精髄』である。
これを奪われれば、地球は遠からず崩壊を迎える。
無論、これを阻止せねばならない。
だが、十二剣神は無敵の『永遠回廊』で防護し、如何なるユーベルコードをも阻む。
「『ガジェッティア』の諸君、準備はいいかね!」
「勿論!」
亜麻色の髪の女性『エイル』博士の言葉に『ガジェッティア』たちは頷く。
彼女たちが今何をしているのかというと、永遠回廊を打ち破る手段を求めて、『特務機関DIVIDEが保有する近代兵器』であり、湾岸の決戦都市の決戦配備である人型戦術兵器『セラフィム』の改造を急ピッチで進めているのだ。
この人型戦術兵器『セラフィム』は自律稼働する人型兵器である。
そこに失われた古代兵器『ガジェット』の使い手である『ガジェッティア』たちが、謎の魔導機械技術によって改修を咥えているのだ。
無論、回収された『セラフィム』は極めて強力な熱線を胸部から解き放つ事ができる。
だが、量産がまず不可能な上に、ケルベロスや猟兵以外にはまともにコントロールできない代物になっているのだ。
だが、ケルベロスや猟兵の持つユーベルコードの力であれば、これをコントロールし伴ってデウスエクスと戦うことができる。
そうなれば、強力な熱線兵器の一撃で戦いを優位に進めることができるだろう。
「とは言え、この魔導機械技術を導入した『セラフィム』の熱線兵器は未完成なんだ。つまり……わかるね?」
「うん、ケルベロスや猟兵のみんなと一緒に戦って、フィードバックを得る、だよね!」
「そのとおりだ。彼らと共に戦うことができれば……きっと、この魔導兵器を搭載した『セラフィム』はケルベロス・ウォーの助けになるはずだ」
頼んだよ、と『エイル』博士は、『ガジェッティア』たちに『セラフィム』を託すのだった――。
●ケルベロス・ウォー
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。ケルベロスディバイド世界にてケルベロス・ウォーが勃発いたしました。未だ永遠回廊を突破することは敵いませんが、多くの人々の強力もあり、突破する術を模索している最中なのです」
ナイアルテの言葉に猟兵たちは頷く。
全世界決戦体制は、まさしく全世界の総力を上げての戦いになる。
永遠回廊がユーベルコードで破壊できない以上、人々の力を集結させて『決戦配備』を建造するしかないのだ。
そして今回、『ガジェッティア』と呼ばれる失われた古代兵器『ガジェット』の使い手である『ガジェッティア』たちが、湾岸の決戦都市の決戦配備である自律人型戦術兵器『セラフィム』に魔導機械技術でもって改修を施した一騎を伴って実戦投入に赴いている。
相対するのは、『地底潜航竜』。
地中活動に特化する形で進化したデウスエクス『ドラゴン』である。
その中でも特に異形とされる個体であり、時には単独で巨大地震すら引き起こすことができるのだという。
脅威であることは間違いないだろうし、これを打倒さねばならない。
「この回収された『セラフィム』はまず量産が不可能であるということ。そして、ケルベロスや猟兵以外のユーベルコードでなければ出力が維持できないという欠点があります。つまり、未完成なのです」
だが、それでも急ピッチで永遠回廊を突破できる可能性をもつ兵器へと改修されているのだ。
足りないのはなにか。
無論、フィードバックだ。
それを実戦で行おうというのだから、無茶である。
「ですが、やらねばなりません。共に『ガジェッティア』の皆さんと戦い、この試作型兵器である『セラフィム』の熱線兵器のフィードバックを得て、デウスエクスを撃退いたしましょう」
小さな歩みに思えるかもしれない。
遅々として進まぬようにも思えるかも知れない。
だが、その一歩すら踏み出せぬのであれば、待つのは破滅だ。
ならばこそ、前に進まねばならない。
がむしゃらであっても、稚拙であっても、だ。
その思いと共にナイアルテは猟兵たちを送り出すのだった――。
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『ケルベロス・ウォー』の戦争シナリオとなります。
『十二剣神』を守る『永遠回廊』を破るためには『決戦配備』が必要になります。
今回は失われた古代兵器『ガジェット』の使い手『ガジェッティア』と共に永遠回廊を打ち破る手段として、魔導機械技術で回収された自律人型戦術兵器『セラフィム』の熱線兵器と共に地中から迫るデウスエクス『地底潜航竜』との戦いになります。
改修された『セラフィム』は、胸部砲口から強力な熱線を放つ攻撃を行えます。使用には皆さんのユーベルコードによる起爆が必要です。
※プレイングボーナス……ガジェッティアと協力して戦う/魔導機械と融合した近代兵器を使って戦う。
それでは、狙われた地球を守るために戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『地底潜航竜』
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POW : 削岩牙
自身の【竜気】を籠めた【牙】を用い、通常移動と同速度で地中を掘り進む事ができる。装甲破壊にも使用可能。
SPD : 溶解小顎群
【全身から生える小さな首】を向けた対象に、【吐き出した溶解液】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 硬化液噴出
【硬化液】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【自身への恐怖もしくは憎悪】を誘発する効果」を付与する。
イラスト:佐々木なの
👑11
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オーガスト・メルト
地中戦特化の竜か、それはまだ回収していない素材だな
世の為、人の為、そして未知の武具開発の為に倒させてもらうとしよう
【POW】連携・アドリブ歓迎
デイズ、ナイツ、【竜鱗飛甲】を召喚して操作を任せる
敵の攻撃に備えてくれ
『うきゅー!』『うにゃー!』
俺は【焔迅刀】を抜刀して構え、UC【赤光怒涛】による知覚増強を利用して敵の動きを察知する
おおまかな敵の動きが分かれば、先を【見切り】攻撃する事も可能なはず
姿を視認した瞬間に赤光怒涛の斬撃を叩き込んで弱体化させる
これでガジェッティアたちの攻撃も当たりやすくなるだろう
さあ、畳みかけるぞ!
地面が揺れている。
地中にて蠢動する何者かによって引き起こされた事象であることをオーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)は感じ取っていただろう。
明らかな敵意。
それをが地中より感じられる。
姿見えずとも、だ。
「地中線特化の竜か」
オーガストは面倒だが面白い、と思っただろう。
素材として回収もしていない。であれば、やるべきことは一つだ。
「世のため、人のため、そして未知の武具開発のために倒させてもらうとしよう。『デイズ』、『ナイツ』、防御は任せた!」
『うきゅー!』
『うにゃー!』
オーガストの言葉に二匹の竜が鳴き、龍鱗の盾を召喚し構える。
大地が鳴動している。
こちらに標的を絞ったのだと、迫る殺気からオーガストはそう感じた。
「上等だ」
抜刀される小太刀、焔迅刀を構え、その瞳がユーベルコードに輝く。
同時に地面が盛り上がったかと思った瞬間、オーガストの足元から巨大な竜……まるで蚯蚓の如き『地底潜航竜』が大口を開けて、その体躯を一飲みにせんと迫る。
空中に逃げるようにして飛んだオーガストを護るように一対の黒白の盾が『地底潜航竜』の牙の一撃を受け止める。
「GUUUURRAAAA!!!」
大地を激震させるような唸り声。
あまりにも巨大な体躯にオーガストは、一瞬で抜刀された斬撃を叩き込む。
五感で知覚できる限界まで拡大された感覚は、一瞬で斬撃の射程まで彼を飛び込ませる。
「我が剣は貪狼…逃げるは能わず、捉えるも能わず、ただ地に墜ち伏せるのみ!」
振るわれる斬撃の一撃が『地底潜航竜』の体躯を切り裂き、赤光怒涛(グルナディーヌ)の如き勢いで空中から地面へと雷光のように走り抜ける。
「これで行けるだろう!『ガジェッティア』の!」
その言葉に遠方に構えていたのは、鋼鉄の巨人。
『ガジェッティア』達の技術によって改修され、魔導機械技術を盛り込んだ自律人型戦術兵器。
その胸部に備えられた砲口が赤熱する。
「オッケー! 熱線砲、はっしゃー!」
『ガジェッティア』の声と共に迸るのは熱線の苛烈なる一撃。
強烈な一撃は『地底潜航竜』の体表を焼き焦がしながら、その痛烈なる一撃であることを示すようだった。
揺らぐ巨体。
それを見やり、オーガストは声を上げる。
「さあ、畳み掛けるぞ!」
再び、『地底潜航竜』は地面に潜るだろう。
だが、構わない。
敵の動きはわかる。どれだけ姿を地中に隠すのだとしても、攻撃の瞬間は地上に姿を表さなければならないのだ。
なら、その一点こそが狙い目であることをオーガストは身を持って証明し、『ガジェッティア』たちと連携を密にするのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
メリーナ・バクラヴァ
戦闘の喧騒の中、黒マントを目隠しにそっと物陰から忍び寄ります。
そして【終幕】の影絵で敵さんを捕縛しましょう!
溶解液はそのままマントで振り払います。――その程度のケミカルピーリング、恐れる私ではありませんとも♪
攻撃されようが何しようが意地でも影の制御は手放しませんよ!
そうこうしているうちに――ほら、本当のクライマックスがやってきましたよ!
やっちゃってください、ガジェッティアの皆さん! そのセラフィムの結果レポートに大きな花丸を刻んでくださいっ!
起動用のユーベルコードを注ぎこみつつ、捕縛された敵が熱線に焼かれるのをじっと見守りましょう。
…んー、ちょっとまだ照準がブレてるのですかねー…?(メモメモ)
データというものは数が揃って初めて統計を取ることができる。
仮にデータが得られたとしても、それを持ち帰ることができなければ、全ての行動が水泡に帰すことになるのは言うまでもないだろう。
だから、生き延びることが最優先であった。
何故なら、データを持ち帰って初めてデータは活きるからだ。
「さて……地中からの襲い来るデウスエクス、ですか」
メリーナ・バクラヴァ(リスタートマイロード・f41008)は既に戦闘が始まっていることを確認して、黒マントをまとって物陰から様子を伺っていた。
熱線の一撃がデウスエクス『地底潜航竜』へと放たれている。
強靭な体表を焼き焦がす熱量。
咆哮を上げ、再び地中に潜った『地底潜航竜』は厄介であった。
しかし、メリーナは自律人型戦術兵器『セラフィム』に標的を絞った『地底潜航竜』が再び地中から攻撃を仕掛けてくるだろうということを予測し、盛り上がる大地を認め駆け出す。
敵は『セラフィム』に攻撃を集中している。
であれば、地中から出現する瞬間こそが隙となるはずだ。
「GUUUURRAAAA!!!」
咆哮と共に『地中潜航竜』が飛び出す。
その瞬間にメリーナは忍び寄るように背後を取り、魔術で生まれた人型の『影絵』でもって、その居たちを縛り上げたのだ。
突然の拘束にもがくように『地底潜航竜』が身を捩り、暴れる。
「おっと……危なかったですね?」
「ケルベロス! いや、猟兵? どっちにしたって助かったよ!」
『ガジェッティア』の言葉にメリーナは頷く。
だが、次の瞬間『地底潜航竜』は、その全身から生える触手の首をもたげるようにしてメリーナへと溶解液を噴出させる。
飛び散る飛沫は一瞬で何もかも溶解させる威力を持っていた。
「――その程度のケミカルピーリウング、恐れる私ではありませんとも♪」
メリーナは笑って己の黒マントを脱ぎ払い、溶解液を防ぐ。
だが、長くは保たないだろう。
彼女の影から伸びた『影絵』の拘束は緩めない。
「GUUUURRAAAA!!!」
「暴れても無駄ですよ♪ そうこうしているうちに――ほら、本当のクライマックスがやってきましたよ! 緞帳が降りて『魔法』が解けて――」
崩れながらも『影絵』は『地底潜航竜』の体躯を『神殺しの重力』でもって蝕んでいく。
「さあ、『ガジェッティア』の皆さん! やっちゃってください! 準備はオーケーですか♪」
「起爆を頼めるかい!」
「構いませんとも♪ それでは行きましょう!」
瞬間、メリーナのユーベルコードによって、終幕(オシマイ)の引き金のごとき熱線の一撃が『地底潜航竜』へと叩き込まれる。
捕縛されて躱す暇もない『地底潜航竜』。
のたうつように身を捩るが、それでもメリーナの『影絵』に拘束されて動けないのだ。
「んー、ちょっとまだ照準がブレてるのですかねー? それとも熱線の収束率が低い?」
「要課題ってことだね!」
『ガジェッティア』の言葉にメリーナは頷き、未だに尚暴れ狂う『地底潜航竜』を見やるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵

紅葉・紅葉
遅れてすみません、ポジションはなんでしょう?
準備は良いですか? 私はいつでも大丈夫です! お使いください!
対デウスエクス用段ボール箱型ミミックのケルベロス猟兵であるこの紅葉!
粉骨砕身参りましょう!
セラフィムに私、搭載!
ルームランナー的なエネルギー機関にて超高速で走り続けることで!
熱戦兵器を放ち続けるのです!
これぞ持続可能な破壊兵器!
SDGs!(Sustainable destroyment Gadgets)
はっはっはっ、ははははは!
地中に潜っても出てくるところを焼くなり!
入り口の穴から熱戦を送り込むなり!
やりようはいくらでもありますからね、パンパン起爆してジャンジャン攻撃しましょう!
滅べぇ!
「遅れてすみません、ポジションはなんでしょう?」
紅葉・紅葉(歩く宅配便・f40976)は段ボールの駆体についた車輪を勢いよく回転させ、火花を散らしながら戦場に飛び込んできていた。
さながら超特急宅配便。
いつでもどこでもなんでもお届けするのが紅葉であった。
デリバリーサービスの鑑とも言うべき彼の魂は今、配達遅延という悪を撲滅するかのように遅れてもいないけれど、デウスエクスとの戦場の降り立ったのだ。
そんな彼を見やり『ガジェッティア』は頭を振る。
「いや、全然間に合ってるけど!? あ、いや、これは手助けが間に合ってるって意味じゃあなくて、別に遅れてないよって意味だよ!」
「そうでしたか! では、準備は万端ということでよろしいでしょうか! 私はいつでも大丈夫です! お使いください!」
「え、どうやって?」
『ガジェッティア』と言えど、段ボールを如何にして活用すればいいのか皆目見当も付かぬのだ。誰だってそうだろうと思う。
だが、紅葉の段ボールの駆体、そのロゴマークの多分目にあたる部分が燃え盛るように炎を噴出させていた。やばいやばい、燃える燃える!
「対デウスエクス用段ボール箱型ミミックのケルベロス猟兵であるこの紅葉!」
なっがい!
前置きなっがい! びっくりするぐらい長い!
だが、紅葉は一息早口で言い終えて、その駆体を、自律人型戦術兵器『セラフィム』へとオンするのだ。
ズボッと彼の段ボールが対抗5m級の頭部にセットされる。
一体全体どういうことなのだろうか。
「粉骨砕身参りましょう! 私、搭載!」
古式よかりし伝統芸能。
車輪が頭部に何故かセットされていたルームランナー的なベルトンベアの上で回転を始める。
「い、一体何が起こって……」
「これぞ、ルームランナー的なエネルギー機関にて超高速で走り続けることで!」
ぎゅんぎゅいんとエネルギーが『セラフィム』に充填されていく。
「え、ええええ!? 充填率120%!? ば、爆発するよ!?」
「ご安心を!」
「GUUUURRAAAA!!!」
咆哮と共に地中から飛び出すのは『地底潜航竜』。
巨体を揺るがし、『セラフィム』ごと紅葉を飲み込もうというのだ。
「させるものですか! 熱線兵器、ゴー!!」
胸部咆哮から放たれる熱線。
強烈な一撃が『地底潜航竜』を打ち据え、巨体を焼き焦がす。
体表を焼かれながらも『地底潜航竜』は、さらに紅葉へと迫るのだ。
「来るよ! 迎撃は……!」
「問題なしです! 私の高速回転は伊達じゃあないのです! ゴー!!」
さらに連続でぶっ放される熱線兵器。
一体どこから……いや、簡単な話だ。紅葉のユーベルコードに煌めくは、ロゴマーク。
すでに彼は、決戦配備宣言(ポジション・デクラレイション)を終えている。
であれば!
「これぞ持続可能な破壊兵器、SDGs!(Sustainable destroyment Gadgets)!! はっはっはっ、ははははは!」
紅葉は高笑いをしながら地中に潜り込もうとした『地底潜航竜』を熱線で襲い、追いかける。
「入口の穴から出てくるところをもぐらたたきゲームよろしくぶっぱもよし! 入口の穴から熱線を送り込むもよし! やりようはいくらでもありますからね! バンバンぶっぱして、じゃんじゃん攻撃しましょう! 滅べぇ!」
「エネルギー効率おかしくない!?」
「おかしくありませんとも! これが私の車輪の力ぁ!!」
紅葉が供給するエネルギーとともに乱発される熱線兵器。
そのすさまじい嵐の如き砲撃は『地底潜航竜』の反撃の暇など与えぬと言わんばかりに戦場にぶち込まれまくるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
狼姫・荒哉
必要なのはなんだい、ああ……
なんだか懐かしい技術の使い手を見てる気分。うん、やれることをやらせてもらうよ、人助けも戦いも、好きなんだぁ俺。
負傷なんて気にしないから。囮にでもなんでも隙にしたら良いさ。
案外、俺は銃撃か近接戦闘(自前の獣手)を好むからね、UCの使用はみんなのタイミングに合わせよう。俺のオーラ(闘気・覇気)は氷にように冷たいかもね、体感温度が下がるかもだし、あちらに俺が悟られるには充分かも。まあ、悟ってくれる方がガジェッティアのみんなもタイミング図りやすくていいか。
ほら、やろう。立ち止まってる時間は、ないだろう?
迅速解決、それがたしなみってやつさ。うち漏らしは任せておくれ。
地中より迫るは巨大な蚯蚓の如きデウスエクス『地底潜航竜』。
すでに戦場の地中は『地底潜航竜』が掘り進めたが故に耕されたかのように地面がゆるく、もろくなっていた。
有り体に言えば、足場が悪い。
そんな中にあって『ガジェッティア』たちによって魔導機械技術によって改修された自律人型戦術兵器『セラフィム』が揺らぐ。
「足場が……これじゃあ踏ん張れない!」
「ああ、確かにこれじゃあ熱線兵器の反動に耐えられない、か」
なるほど、と狼姫・荒哉(吹雪謳う爪牙・f35761)は戦場を俯瞰して頷いた。
『ガジェッティア』たちの持つ技術はなんだか彼にとっては懐かしいものだった。そういう気分だった。
なら、やれることをやるだけだ。
人助けも戦いも、彼は好ましいものだった。
「俺が囮になる。その隙に頼んだよ」
「危ないよ! こんな足場の悪い戦場じゃあ!」
『ガジェッティア』の言葉に荒哉は笑む。
「何、接近戦は望むところさ。任せておいてよ」
そう言って荒哉は激震する大地へと走り出す。
『地底潜航竜』の意識は、必ずこちらに向く。敵意を前にして反応せずにはいられないからだ。それを証明するように彼の足元が大きく揺れる。
瞬間、足元が崩れ、巨大な口が開く。
「GUUUURRAAAA!!!」
咆哮と共に蚯蚓そのものとも言える異形が荒哉を飲み込まんと迫る。
空中では体勢が整えられない。
大きく開いた顎が荒哉を飲み込まんと閉じられる。いや、閉じられなかった。
彼の体の周囲には視えぬオーラが張り巡らされていた。
「ハハ、そんなものじゃあ俺を飲み込めるわけがないよ」
まるで視えぬボールを口に突っ込まれたように『地底潜航竜』は、閉じれぬ己の顎に困惑しているようだった。
無理もない。
彼のオーラは強固だった。
それに彼のオーラは氷のように冷たい。
何故なら、それは彼のクルースニクという種族に由来するものであったからだ。
銀髪が揺れ、銀雪を思わせるユーベルコードの輝きと共に拳を握りしめる。
獣の手へと変貌した拳はオーラを握りしめ、己を飲み込まんとしていた口を弾き飛ばしながら『地底潜航竜』へと叩き込まれる。
「GUUUURRAAAA!?!」
「ハハ、なるほど頑丈だ。けれど……ほら、やろう。立ち止まっている時間はないだろう?」
荒哉の言葉に『セラフィム』の胸部砲口が煌めく。
「迅速解決、それがたしなみってやつさ」
荒哉が宙を翻る瞬間、放たれる熱線。
その一撃が大地に叩きつけられた『地底潜航竜』へと打ち込まれ、その苛烈なる熱量は、その体表を焼き焦がスノだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・ラーズグリーズ
……量産不可で使える人も限定的ってそれ兵器としてはどうなんだろうって気もするけど、
よく考えたら私も人の事言えなかった……
(『白銀』も『機械妖精』も割と謎技術の産品)
気を取り直して。ケルベロス、ノエル・ラーズグリーズ、これより戦闘に入ります!
厄介な相手ではあるけど……白銀で駆け回りつつ、『ドヴェルグ』を設置して回って牽制射撃を行い、相手の狙いをこっちに向けさせます!
同時に機械妖精『ヴェーラ』タイプを出して相手が地中から出てこっちに仕掛けてくるタイミングを計り、そこに合わせて【機械妖精部隊展開・制圧掃射】!凍結魔弾での機銃掃射で動きを抑え込んで……
……チャンスは今です!熱線砲、発射ぁー―!!!
如何に急ピッチで改修したとはいえ、現状一騎しかない魔導技術を搭載して改修された自律人型戦術兵器であり『決戦配備』である『セラフィム』。
そのあり方について、ノエル・ラーズグリーズ(楽園の追放者・f40853)は兵器としての特性が無駄になっていると思った。
量産することができない。
そして扱える者もケルベロスや猟兵のみという限定的。
「それって兵器としてどうなんだろう」
そう思うのも無理なからぬことである。
しかし、ノエルは自身を顧みて頭を振る。
自分が乗る魔導装甲車両や機械妖精もわりかし謎の技術の産物である。
説明しろ、と言われても自分でも困ってしまう類の技術ばかりが満載されているのだ。であれば、あまり、そう人のことは言えないな、と彼女は思い直したのだ。
「気を取り直して」
「頼んだよ、ケルベロス! 熱線兵器のクールダウンが必要なんだ! このままじゃ、砲口が焼け落ちて機体が自壊しちゃう!」
『ガジェッティア』の言葉にノエルは頷く。
「わかりました。ケルベロス、ノエル・ラーズグリーズ、これより戦闘に入ります!」
魔導車両『白銀』と共にノエルは、戦場の耕されたかのような大地を疾駆する。。
確かに足場が悪い。
だが、これしきの悪路を走破できない『白銀』ではないのだ。
跳ねるようにして車体が飛び、地中から迫る『地底潜航竜』の牙の一撃を躱す。
「『ドヴェルグ』!」
セントリーガンをばら撒き点からの牽制射撃で『地底潜航竜』の注意を惹きつけながら、ノエルは『白銀』で駆け抜ける。
『セラフィム』の冷却はまだ、だ。
なら、その時間を稼ぐ。自らに注意を惹きつけることは、あの巨大なデウスエクスを前にしては危険極まりないことであったが、やらねばならないのならばためらわない。
「敵も消耗して狙いが雑になってる……巨体だからって!」
「GUUUURRAAAA!!!」
体表を焼かれ続けている『地底潜航竜』は蠢くようにして地中を潜航し、飛び出しては不意の一撃でもってノエルを襲う。
「タイミングはもう覚えましたよ! 今!」
「GUUUURRAAAA!!!」
「機械妖精・タイプ“ヴェーラ”発進!」
『白銀』のハッチから飛び出したのは、航空型の機械妖精。
数機で編成された機械妖精たちは凍結機銃を構え、地中から飛び出した『地底潜航竜』へと銃口を向け、凍結弾を巨体へとばらまくのだ。
「……チャンスは今です!」
「冷却完了! 行けるよ!」
『ガジェッティア』の言葉に『セラフィム』のアイセンサーが煌き、その胸部砲口が熱線の光を讃える。
「熱線砲、発射ぁー!!」
ノエルの言葉がトリガーとなって『セラフィム』から放たれる熱線の一撃。
それは凍結によって動きを鈍らせていた『地底潜航竜』には如何にすることもできぬ必中の一撃であった。
体表でこれまで受け止めてられていたのは、そのくねるような柔軟性があったからだ。
だが、今は違う。
凍結弾で硬直した体躯、その体表は受け流すということもできない。
苛烈なる熱線の一撃が、その身を引き裂くように叩き込まれ、『地底潜航竜』はのたうつのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
ふむ、こういうモグラ叩き系のは、わしになるのだが…陰海月が、『自分に乗って欲しい』と必死に訴えておる…。
※何もしなくても機械壊す人格
さて、溶解液には四天霊障による結界術で対応するとして…。
地に潜れども、狙いがわかるのならば!その地は防御にならず、わしらが打ち据えるには充分よ!
そして、この隙に…ガジェッティアの者らよ、攻撃を!
※
陰海月「ぷ」
『あつあつおじーちゃん』を活かしつつ、機械壊れないようにしなきゃ!
だから、ぼくに乗っててね!
そして…『あつあつおじーちゃん』の炎を乗せた、ぼくのパンチでモグラ叩きだ!
のたうつデウスエクス『地底潜航竜』。
その巨体はまさしく巨大な蚯蚓のごとく。
戦場となった大地は、まるで農耕地のようにふんばりが効かなくなっている。
当然と言えば当然だ。
あれだけの巨体で地中を自在に潜航しているのだから、当然地中は地上から見るよりもずっと柔らかく踏み堪えられなくなっている。
加えて、敵は此方を地中から位置を捉えて攻撃できるが、こちらはそうはいかない。
「謂わば、これはもぐらたたきよな」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』は息を吐き出した。
彼の足元で『陰海月』が大きく弾む。
「しかし、どうしてもということであったが……まさかわしが機械を壊すのではないかと思っているのか?」
「ぷきゅ!」
あたり! と『陰海月』が鳴く。
何をしないでも壊してしまう。大抵の場合、なにかしたから壊れるものであるが、こと悪霊である身である。
呪詛やらなんやらが作用して近づいた機会を破壊してもなんら不思議ではない。
「さて、どうするかな」
「GUUUURRAAAA!!!」
咆哮と共に『地底潜航竜』が地中から飛び出し、その全身を攻勢する触手から溶解液を噴出させる。
飛び散る溶解液は結界術であっても容易に溶かすだろう。
「ふむ。物理的なものでなくても容赦なく溶かす、か。であれば、『陰海月』よ」
「きゅ!」
空に浮かぶ『陰海月』が『地底潜航竜』の標的になろうともふわりと浮いて、その地中からの攻撃を躱す。
そう何度もできることではない。
だが、『侵す者』の瞳がユーベルコードに輝く。
「わしらの前に、防護など無駄よ! その大地すらも防護とならぬことを知るがいい! 四更・火(シコウ・カ)!」
振りかぶる槍。
その剣呑な輝きを放つ切っ先が盛り上がる大地を見つめる。
そこにいる。
であれば、放つは一射の如き投擲。
大地は守りにならず、いかなる強靭な体表であろうとも、その槍は貫く。
まるで縫い留めるように『地底潜航竜』ののたうつ体躯が地面に押し付けられ、大地を砕きながら巨大な体が現れる。
「GUUUURRAAAA
!?!?」
「いまよ!『ガジェッティア』の者らよ!」
「お任せ!」
『ガジェッティア』も心得たものであった。
縫い止められた『地底潜航竜』。
その体躯は言うまでもなく狙いがつけやすい。『セラフィム』の胸部砲口から放たれる熱線の苛烈なる熱量が大気を揺らめかせながら、一直線に走り『地底潜航竜』の体躯を焼く。
強烈なる一撃は、確かに『地底潜航竜』の体躯を吹き飛ばし抉るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
フェリデル・ナイトホーク
うわあ、おっきいですねこのロボット。
完成したらとっても頼もしくなりそうです!
その為にも、わたしが頑張らないとですね!
それでは行きましょう!
セラフィムさんには射撃武器で援護してもらいつつ、わたしは自前の翼で【空中機動】。
飛び回って敵の溶解液をかわしつつ、Swallowtailを振るって放つ【斬撃波】で小さい首を斬り落としていこうかと。
敵は上空のわたしをその口で捕らえようと、身体を伸ばしてくると思います。
そこで雉の一鳴きを発動、叫び声で平衡感覚を狂わせ隙を作ります。
後はそれをトリガーとして、セラフィムさんの熱線砲を撃って貰えたらと!
良い感じに連携が決まれば何よりです!
熱線が迸る。
苛烈なる熱量と共に全身から白煙が上がるのは、自律人型戦術兵器『セラフィム』であった。
『ガジェッティア』たちによる魔導機械技術による改修。
それによって特別に一騎だけ建造された機体。
その迫力にフェリデル・ナイトホーク(想いの運び手・f37476)は思わず驚いていた。
「うわあ、おっきいですねこのロボット」
体高5m級であるが、しかし対するデウスエクス『地底潜航竜』は更に巨大なのだ。地中に埋まっている部分を含めれば一体どれほどの長さになるだろうか。
まさしく蚯蚓の如き姿である。
「完成したらもっと頼もしくなるさ!」
『ガジェッティア』の言葉にフェリデルは頷く。
そのためにも自分たちががんばらなければと思うのだ。
「頼めるかい!」
「お任せください! わたしが囮になりますから、援護、お願いしますね!」
フェリデルの翼が力強く羽ばたく。
竜翼は風を巻き起こし、フェルデルは空へと飛翔する。
その姿を認めた『地底潜航竜』はのたうちながら崩落した戦場の大地を滑るようにして走り、その全身から伸びた触手を走らせる。
「わっ! と!」
フェリデルは空中で身を翻して、これを躱す。
だが、次の瞬間触手から放たれるのは溶解液であった。
まるで散弾である。
広範囲に溶解液の飛沫が飛ぶ。
「溶解液! でも!」
身を捩り、溶解液を躱しながら蒼く透き通る刀身を持つ剣を振るって触手を斬り裂く。
「GUUUURRAAAA
!!!!」
怒りの咆哮が轟き、さらにフェルデルを襲う。
空中に舞うフェルデルを一息に飲み込まんと『地底潜航竜』は巨大な顎をもたげて迫る。
フェリデルはさらに上空へと飛ぶ。
逃れるように、ではない。彼女の身を囮として『地底潜航竜』の長大な体躯が伸び切ることを誘ったのだ。
地中にあった体躯すら引きずり出すように彼女は空へと飛び、息をを吸い込む。
胸が膨らむように、精一杯取り込んだ空気。
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
「わたしたちの邪魔は、させませーーーーーん!!!」
それは、雉の一鳴き(フェアザンツ・クライ)とも言うべき強烈な叫び声であった。
渾身、裂帛。
そう言わしめるような強烈な叫び声は『地底潜航竜』を打ち据え、その体躯を大地へと叩きつける。
「!?!?!」
混乱している。
それもそのはずだ。フェリデルの叫びは、平衡感覚を喪失させる。
如何に蚯蚓の如き体躯とは言え、地上も地中も、方角もわからなくなってしまう。
それが生み出した隙だった。
「『セラフィム』 さん! 今ですよ!」
彼女の叫びがトリガーになったように『セラフィム』のアイセンサーが煌き、白煙を立ち上らせながら胸部咆哮から熱線の一撃が叩き込まれる。
苛烈なる熱は、熱波となって風を呼び込む。
フェリデルは、その熱波を受けてさらに高く飛び上がり、熱線の一撃が『地底潜航竜』を貫いた光景を見下ろすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
龍之宮・翡翠
永遠回廊を相殺するにはまだまだ
決戦配備を建造できるようにしないといけないしな
それならば、やれることをやるまでだ
デウスエクスを、十二剣神を追い払える好機、逃してなるものか
「DIVIDEのケルベロスだ。支援に来た」
ユーべルコードはセラフィムに装備された熱線兵器の起爆の為に温存し、ガジェッティア達と共に技能で立ち回る
とはいえ、ガジェッティア達にはできれば熱戦兵器の準備に専念して欲しい所なんだが
あとは起爆するのみとなれば、後は漣波で起爆させる
地下に潜伏されると技能で躱したり等するにしても無傷とはいかない気がする
それならそれで、漣波自体の威力もある程度見込めるだろう
その永遠はこの戦い迄だ
十二剣神を護るは永遠回廊。
ユーベルコードで破壊できぬ強力な霊的防護である。
しかし、決戦配備であればこれを突破することもできるかもしれない。その可能性のためにケルベロスディバイド世界の人々は最前線であろうとも恐れることなく集結し、また自らの力の代償すら厭わずに建造に力を注いでいるのだ。
なら、自身もためらう理由などないと龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)は決意を新たにした。
「やれることをやるまでだ」
そう、デウスエクスを、十二剣神を追い払える好機。
そればかりか、決戦配備の建造が進めばグリモアエフェクトによって復活することのできぬ死を十二剣神に与えることができる。
絶好の好機とはこのことだ。
逃してはならない。
「特務機関DIVIDEのケルベロスだ。支援に来た」
「ちょうどよかった! 今、熱線砲のクールダウン中なんだ。どうしたって無防備になってしまう!」
『ガジェッティア』の言葉に翡翠は己がすべきことを即座にりかしていた。
「わかった。どれほど時間がかかる」
「わっかんない! 連発しているから、砲口の冷却時間が長くなってる!」
「あなたたちは、冷却に専念してくれ。あとは……俺がどうにかする」
翡翠はそう告げ、戦場に飛び込む。
戦場はのたうち、地中を掘り進めたデウスエクス『地底潜航竜』のせいで足場が悪かった。
まるでよく耕された農耕地に足を踏み入れたような感触がある。
だが、未だ『地底潜航竜』は健在である。
傷つきながらも、こちらを飲み込まんと巨体をくねらせ大蛇のように翡翠を狙って迫っているのだ。
「GUUUURRAAAA!!!」
恐ろしげな咆哮である。
しかし、翡翠の背中には『ガジェッティア』たちがいる。
彼らの作業を邪魔させるわけにはいかない。止める。ここで止める。それだけなのだと彼は意思の輝き灯す瞳でもって睨めつけ、踏み出した。
「GUUUURRAAAA!!」
全身の触手から溶解液がほとばしり、翡翠に迫る。
散弾のように広範囲で迫る液体。
躱すのは至難であったし、また地中に潜航する巨体は狙いがつけられない。
だが、それでも意識は己に向けられている。
この間に冷却作業が進めば、それでいいのだ。
「ケルベロス! 打てる! まだ十分じゃないけど、打てるよ!」
「わかった。なら……」
瞬間、翡翠の眼前に迫る溶解液。
大波のように迫るそれを前に翡翠は、その瞳をユーベルコードに輝かせながら、己が手にした斬霊刀でもって漣波(レンハ)を打ち起こすように放つ。
さざまみのような衝撃波。
それは溶解壁を吹き飛ばし、そして『セラフィム』へと伝播する。
起爆するように『セラフィム』のアイセンサーが煌めく。
「無傷とはいかないが……それでも、空を疾走れ」
翡翠のユーベルコードによって起動した熱線砲は拡散するように放射状に熱線を放ち溶解液を焼き飛ばしながら『地底潜航竜』を打ち据える。
吹き飛ばされた巨体が大地にのたうつ。
デウスエクスは永遠不滅。
だが。
「その永遠はこの戦いまでだ」
翡翠は、そう告げる――。
大成功
🔵🔵🔵

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
あやー。
地面に潜られちゃいまっしたかー。
これではせっかくの熱線も届かなかったり当て辛かったりなのでっしてー。
そういうことなら任せてくださいなのでっす!
地底だろうと藍ちゃんくんの歌声は届くのでっす!
歌っておびき寄せちゃうのでっす!
勿論、目立って狙いやすい藍ちゃんくんが食いつかれちゃうでっしょうし、お洋服ごとぱっくりな牙なようでっすがー。
食べられちゃうつもりはないのでっすよー?
藍ちゃんくん、ファイナルステエエエッジ!
超巨大無敵ステージと合体して、一番おっきな口を栓の如く塞いじゃいましょう!
今なのでっす!
藍ちゃんくんごと撃てなのでっす!
藍ちゃんくんは無敵なので平気ですしねー!
強烈な熱線の一撃はデウスエクス『地底潜航竜』の体表を焼く。
だが、それでもなお地中に潜り込み、逃れようとする。決定打を打ち込もうとしても魔導機械をもって改修した自律人型戦術兵器『セラフィム』は、度重なる熱線の連射によって砲口が焼けただれようとしていた。
冷却が必要だ。
『ガジェッティア』たちも、それは承知していた。
だからこそ、決定打にかけていたのだ。
「くそっ、もう少しだっていうのに! まだまだ冷却の改良が必要だね!」
そして、『地底潜航竜』はすぐさまに地中に潜り込む。
これでは狙いがつけられない。
「あやー。地中に潜られちゃいまっしたかー」
「そうなんだ! 厄介だよ!」
「これではせっかくの熱線も届かないでっすねー?」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は、巨大な蚯蚓が耕したかのような戦場を見やり頷く。
敵はすぐさま地中に潜り込み、こちらを狙っている。
藍の言う通り、熱線の一撃は地中にあっては半減するであろうし、追い詰めているとは言え敵も死に物狂いだ。
「でっすが! そういうことならお任せくださいなのでっす!」
「どうするんだい? 敵は地中なんだよ!」
「地底だろうとお空の彼方であろうと、藍ちゃんくんの歌声は届くのでっす!」
藍はそう言って、戦場に立つ。
「では、いっきますっよー!」
藍の歌声が響く。
しかし、それは『地底潜航竜』にとってはけたたましい音でしかなかったし、また敵がそこにいる、と示すようなものであった。
地中が鳴動し、蠢くようにして『地底潜航竜』は巨大な口をもたげて藍を地中から襲う。
「あややー!? 食べられちゃうでっすよー? でも、そんなつもりはないのでっすよー!」
あわや丸呑みである。
しかし、藍の瞳がユーベルコードに輝く。
瞬間、現れるのは。
「藍ちゃんくんファイナルステエエエエエッジ!(アイ・ドラトリー)」
舞台装置と合体した超巨大衣装を纏う大取り姿へと変貌するのだ。
「GUUUURRAAAA
!?!?」
『地底潜航竜』は戸惑っただろう。どう考えても己の口のサイズを遥かに凌駕する巨大な何かが突如として現れたのだから。
しかも、それは砕けない。噛み砕けないのだ。
一体どういうことだと困惑する『地底潜航竜』に藍は変わらず謳い続ける。
「藍ちゃんくんはみんなのアイドルですので! おっきなおっきな偶像になっちゃえてもなんの不思議があるでっしょかー!」
「え、えええ!?」
『ガジェッティア』たちは驚愕する。
超巨大無敵ステージと合体した巨大藍ちゃんくん。
それは口に栓をするどころではないのだ。
「今なのでっす!」
「い、いや、君ごとになっちゃう!」
「かまいません! 藍ちゃんくんごと撃てなのでっす! 言ってしまえば、スーパービームみたいなもの! 藍ちゃんくんは、更に光り輝くのでっす!」
「わ、わかったよ!」
放たれる熱線砲。
その苛烈な一撃は藍の無敵ステージごと『地底潜航竜』を打ち据える。
凄まじい熱波。
だが、藍は謳い続けていた。
そう、このユーベルコードはまったく動けなくなる代わりに無敵となるのだ。
汎ゆる攻撃を防ぐ絶対無敵衣装。
それをまとった藍は普段と変わらぬ歌声を響かせ、熱波に飲まれる『地底潜航竜』を、その重量でもって大地に押さえつけるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
薄翅・静漓
『エイル』博士。あの時の、『セラフィム』の模型……覚えているかしら?
子どもたち、とても嬉しそうだったわ
お礼を言うのが遅れたけど――本当に、ありがとう
心を『光の矢』に変えて放ち、『地底潜航竜』の動線を制限し、攻撃を躱す
この技なら、硬化液の噴射口も狙えるはず
憎悪や恐怖に惑わされず、静かに呼吸を整えて……軌道を正して狙い澄ますわ
……いくわよ、『セラフィム』
胸の奥で、脈打つ熱を感じる……それは私に心がある証
未来を繋ぐために
憎悪でも、恐怖でもない――ただ、守りたいという想いを込めて放つ
光の矢で、熱線を導くわ
コール『プロメテウス・バーン』
クリスマスのことを思い出す。
それは誰かのへのプレゼントだった。
『エイル』博士は、なぜそんなことを今思い出すのかと不思議だったが、直ぐに解決した。
目の前に薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)がいたからだ。
彼女に求められて『セラフィム』のモックアップ……有り体に言えば、プラモデルを用意したのだった。
誰にあげるのかはわからなかったが、彼女は微笑んでいた。
「あの時の、『セラフィム』の模型……ありがとう。子どもたち、とてもうれしそうだったわ。お礼を言うのが遅れたけれど――本当に、ありがとう」
「いや、喜んでもらえたのならよかった。君もそんな顔をするんだな」
平素とは違う顔に『エイル』博士は少し意外そうな顔をしていた。
冷たい印象を与える平素の静漓の表情からは想像できないほど柔らかな表情をしていたからだ。
「子どもたちのおかげかもしれないわね」
そう言って、静漓は戦場に向き直る。
今まさに戦場は巨大な蚯蚓の如きデウスエクス『地底潜航竜』によって耕された大地のように不安定さをましている。
さらにのたうつように熱線にさらされた巨体が抵抗を示しているのだ。
これを打倒しなければならない。
「なら、頼んだよ」
「ええ。いくわ」
己が心を矢に変えて、放つ。
攻撃に『地底潜航竜』は抵抗を示すようにのたうち、地中に潜航する。
大地に阻まれて光の矢が届かない。
だが、逆に『地底潜航竜』は静漓の位置を把握して地中から襲い来るのだ。
飛び出した『地底潜航竜』の触手から硬化液が噴出し、静漓へと降りかかる。
それは恐怖をもたらすものであった。
身動きができなければ、あの巨大な口に一飲みにされてしまうだろう。根源的な死への恐怖。それが静漓の呼吸を乱す。
だが、胸に灯るのは子どもたちの顔であった。
死ねない。
あの笑顔を見るために、自分は生きている。
なら、と彼女の瞳がユーベルコードに輝く。放った光の矢は、空中で軌道を変えて曲がり、硬化液を噴出した口へと飛び込む。
「GUUUURRAAAA
!?!?」
光の矢が『地底潜航竜』の口腔を貫き、内側から炎を噴出させるのだ。
恐怖を克服する感情はなにか。
それを静漓はもう知っている。
「『セラフィム
』……!」
胸の奥で、脈打つ熱を感じる。
それは己にこころ(ココロ)がある証だ。
未来を紡ぐのはいつだって子どもたちだ。
憎悪でも、恐怖でもない。
ただ守りたい。あの子達を守りたい。その想いを込めて放つ光の矢が導のように宙を駆け抜けて『地底潜航竜』へと叩き込まれる。
そして、静漓は宣言する。
「コール、『プロメテウス・バーン』」
その言葉と共に『セラフィム』のアイセンサーが煌き、胸部砲口から放たれる熱線が光の矢を飲み込みながら『地底潜航竜』を穿つのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
『胸部から極めて強力な熱線』……。
これって、プロメテウスがバーンするやつですよね。
フィードバックもなにも、ステラさんがノウハウ教えたらいいんじゃないですか?
ということで、勇者今回はおやすみ……え?ダメですか?
でもわたし胸から熱線とかでないですよ?
あ、でも、熱線撃つまでの時間稼いだり、露払いならできますね。
あとは……。
音響兵器を乗っけた『魔導機械』とかありませんか?
それならわたしの楽器と繋いで、指向性音波砲で援護できますけど!
ステラさんに聴いていただけないのはちょっと残念ですけど、
今回はプロメテウスなバーンがメインですからね。
可愛い勇者は援護もできるところを見せちゃいますよー♪

ステラ・タタリクス
【ステルク】
エイル様の香りがしまーーすっ!!
ちょっと短縮verです!
さて
プロメテウスバーン……いえ、以前コールしたものより
かなり強力になっていますね
これは『原型』の、縮退炉のエネルギーに匹敵するのでは?
それにルクス様の評価はありがたいですが
私のはレプリカですから
オリジナル程の威力も無ければ反動もありませんし
ではWプロメテウスバーンといきましょうか!
空中を主戦場に
地中から出てきたところを狙いますよ!
ルクス様!
指向性音波を!
セラフィムは私のプロメテウスバーンに合わせてください!
ケルーベイム! 【ヘレヴ】!
巨体とて速度で殴り飛ばします!
コール! プロメテウスバーン!
事態はすでに動いている。
巨大な蚯蚓の如き体躯をくねらせ、大地を蹂躙するのはデウスエクス『地底潜航竜』。
その巨体故に戦場は足場が悪く、さらには連射によって自律人型戦術兵器『セラフィム』の胸部砲口は冷却が必要になっていた。
このままでは連射し続けるごとに砲口が溶解していくだろう。
そうなれば、機体が自壊してしまいかねない。
「そういうわけえすので、
『エイル』様の香りがしま――すっ!! ちょっと短縮Ver.です!」
短縮?
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は事態が事態が故に空気を読んだ。読めたのだ、空気が。
そんなステラが見るのは、魔導機械によって改修された決戦配備の『セラフィム』である。
胸部砲口はこれまで装備されていたが、その威力が上がっているように思えたのだ。
「プロメテウスバーン……いえ、以前コールしたものよりかなり協力になっていますね」
「そうみたいですね。絶対、これってプロメテウスがバーンするやつですよね?」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)にも、あの熱線の一撃に見覚えがあった。
遜色ない、と言ってもよいレベルだと思ったのだ。
「恐らく、『原型』の縮退炉のエネルギーに匹敵するのでは? 魔導機械技術……一体、どのようなものなのでしょうか?」
「フィードバックが必要って言ってましたけど、フィードバックもなにもステラさんがノウハウ教えたらいいんじゃないですか?」
いつも『プロメテウスバーン』って叫んでますし、とルクスは言う。
やっぱり叫びが重要なんじゃあないですか、と言いたげであった。
「ルクス様の評価はありがたいですが、私のはレプリカですから。オリジナルほどの威力もなければ反動もありませんし」
「えー、今回は勇者お休みと思っていたんですけど」
「駄目に決まっているでしょう」
「でも、わたし胸から熱線とかでないですよ?」
「誰だってそうですよ。大抵は胸から熱線なんて放てませんよ。ヒーローズアースのヒーローじゃあるまいし」
ステラはそう言ってルクスを引っ掴む。
「いいですか、ルクス様」
「わかっていますよ。阿と言ったら、吽ですもんね! 熱線打つまでの時間を稼ぎます! 露払いってやつですね! あ、魔導機械に音響兵器とかないですかね?」
「いや、ここに持ってきたのは、『セラフィム』に搭載されているものだけなんだよね」
『ガジェッティア』の言葉に、そんなーとがっくりしてしまう。
だが。
「指向性をもたせるガジェットなら即席で作り出せるよ!」
「それです! わたしの楽器と繋いで指向性音波砲で援護しますよ!」
まあ、指向性がある、ということは即ち『地底潜航竜』にのみ音が届くということ。
それはルクスからすれば、ちょっと残念である。
一番聞かせたいのはステラなのだ。
「いえ、それでいいです。それがいいです」
「えー。でもいいです。今回はプロメテウスなバーンがメインですからね! 可愛い勇者は援護もできることを見せちゃいますよー♪」
じゃん! とルクスはバイオリンを奏でる。
接続された指向性音響によってルクスのユーベルコードは『地底潜航竜』を地中からでも引きずり出すように放たれ、のたうつように地上に巨体が飛び出す。
「まったくルクス様の
指向性音波は呆れるほど有効ですね!」
「なんかルビで変なこと言ってません?」
「言ってますが、今は気にしないで頂きたいです!『セラフィム』!」
その言葉と共にステラは『ケルーベイム』と共に『セラフィム』とは反対側に飛び込む。
胸部砲口が展開し、光が湛えられる。
「祈る者、奉仕者としての一撃。巨体とて!」
『ケルーベイム』が飛び込み、スラスターの突撃でのたうつ『地底潜航竜』を弾き飛ばし、さらに胸部砲口で狙いを付ける。
「コール!『プロメテウスバーン』!」
その言葉と共に『セラフィム』の熱線兵器が迸る。
交差するように放たれた二つの熱線が『地底潜航竜』の体躯を斬り裂くように十字の傷跡を刻み、凄まじい火力で持って巨体を打ちのめすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵

朱鷺透・小枝子
皆様!準備はよろしいですか!!?
ディスポーザブル03【操縦】
ミサイルコンテナ展開クラスターミサイル【一斉発射範囲攻撃】
地面一帯を爆破しかく乱!地上にいる03、セラフィムの位置を悟らせず、
【念動力】でサーベルユニットを一基地を削りながら飛ばし、
地底潜航竜の出現位置をサーベルユニットで誘導!
それらの行動の間にガジェッティアの皆さまの協力で、
03からセラフィムへ【闘争心エネルギー充填】
この世界のセラフィムよ!あえて言いましょう!!
撃て!!!プロメテウス・バーン!!!!
サーベルユニットを追って地中から出現した地底潜航竜へ、
『劫火殲滅舞踏』『セラフィム』起爆!胸部砲口より熱線【砲撃】
叩きつける!!
耕されたように不安定な足場を疾駆するのは、『ディスポーザブル03』であった。
スーパーロボットである出力による推進力でもって荒れた大地を物ともせずに突っ切るようにして、のたうつ『地底潜航竜』へと迫る。
敵は消耗している。
これまでの猟兵やケルベロスたちとの戦い、そして魔導機械技術で改修された『セラフィム』によって放たれる熱線。
これらが敵を追い詰めているのだ。
「皆様! 準備はよろしいですか!!?」
『ディスポーザブル03』のコクピットで朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は『ガジェッティア』たちに問いかける。
すでに冷却しなければならない領域まで連発した熱線兵器に『セラフィム』の胸部は赤熱している。
だが、ここで畳み掛けねばならない。
「もう少し時間が欲しい! 冷却が間に合わない!」
「であれば!」
ミサイルコンテナが一斉に展開し、放たれるクラスターミサイルが地中に潜ろうとした『地底潜航竜』を阻む。
「GUUUURRAAAA!!!」
邪魔立てされて怒り狂うように『地底潜航竜』が咆哮し、その牙が『ディスポーザブル03』へと迫る。
「チッ!」
放たれるサーベルユニットが『地底潜航竜』と激突し、ひしゃげ、爆発する。
犠牲にしたサーベルユニットの爆風から、『地底潜航竜』の大口が飛び出す。
その一撃を小枝子は受け止めながら、牙が機体の装甲を引き裂く音を聴いただろう。
「なんという突進力……!」
「GUUUURRAAAA!!!」
『ディスポーザブル03』が力負けしている。
だが、それでも小枝子は構わなかった。己の闘争心が燃えている。であればこそ、些かの恐怖すら抱かない。
「行ける! 発射はできるよ!」
「かたじけない! であれば!」
小枝子の瞳がユーベルコードに輝く。
劫火殲滅舞踏(ゴウカセンメツブトウ)のリズムを刻むように、彼女の瞳が明滅する。
そう、己がユーベルコードによって『セラフィム』にエネルギーを拘束充填したのだ。
「この世界の『セラフィム』よ! あえて言いましょう!!」
小枝子は吠えた。
「撃て!!!『プロメテウスバーン
』!!!!」
鮮烈なる砲口。
放たれるは熱線。
サーベルユニットで『地底潜航竜』を抑え込みながら、小枝子は『地底潜航竜』を穿つ『セラフィム』の熱線の輝きを見ただろう。
強烈なる一撃。
彼女の視界に映るそれは、異世界で見たそれと遜色ないものであったことだろう。
叩きつけられる熱線が『地底潜航竜』を体表を抉る。
「オオオオオオオオオオッ
!!!!」
小枝子は喉が潰れ果てる程、激烈なる叫びを持ってユーベルコードの力を『セラフィム』に注ぎ込む。
強烈な閃光と共に『地底潜航竜』は凄まじ爆発に飲み込まれるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ザビーネ・ハインケル
●POW
【半妖精】
あれがこの世界のドラゴンな…
百獣族にもドラゴンは居るが、知性の欠片もねぇミミズ野郎じゃねぇか
は、こんな奴に敬意を示す必要なんてねぇよ
あるのは生きるか死ぬか、単純な生存競争だけだぜ…人造竜騎、召喚!
は、キャバリアに乗ってもデケェデケェ
デカさも武器だろうが、それが仇になんだよ!
竜騎用フェアリーダストで地底潜航竜の感覚器官を欺かせるぜ
ガラドリエルの機動性なら瞬時に移動している錯覚を覚えているだろうし、竜騎用ライトブレイドで触手を次々切り落としていくぜ!
ちっ、地面に逃げやがったか
だがなぁ…逃げ場はねぇのを忘れてやがるぜ!
『多重爆炎弾』!
セラフィムの熱線兵器も加えて穴ごと爆破だ!!

エリアル・デハヴィランド
●POW
【半妖精】
世界の危機と聞き馳せ参じたが…あれが竜とは嘆かわしい
しかし、それでも竜には変わりない
敬畏を持ってお相手致そう…ああ、分かっている
分かっているからこそ、『騎士道の誓い』として己を律しているだけだ…人造竜騎、召喚!
キャバリアを持ってしても相手は巨大だが…その分、動きは鈍重と来たか
竜騎用幻獣翼を展開
ザビーネの撹乱に常時、こちらも相手の戦力を削ぎに掛かる
やはり地中に逃げたか
だが、ザビーネの魔法とセラフィムの炎からは逃れられまい
炎から逃れて出てくる場所は…ここだ
再出現した地点を予測し、出てきたと同時に眉間へ竜騎槍プルガトリウムを突き立てる
穿つは肉体に非ず…浄罪の炎で内より燃え尽きよ
熱線の爆風が周囲を包み込む。
「やったか!」
『ガジェッティア』はついにデウスエクス『地底潜航竜』を撃破したと確信した。
だが、爆風の中から咆哮が轟き、その身を固くしただろう。
「GUUUURRAAAA
!!!!」
「ま、まだ倒れないのか……腐っても最強のデウスエクス種族『ドラゴン
』……!」
そう、『地底潜航竜』は蚯蚓の如き姿をしていても、『ドラゴン』なのだ。
その頑強なる体躯は、未だ倒れず。
咆哮を上げ、爆炎の中から身をのたうちながらも健在であることを示すように咆哮を上げたのだ。
対する此方の自律人型戦術兵器『セラフィム』は度重なる熱線砲の連射によって胸部砲口が焼けただれるように赤熱しているのだ。
冷却しなければ、このまま機体が自壊しかねない。
「あれがこの世界のドラゴンな……まるで知性の欠片もねぇミミズ野郎じゃねぇか」
「あれが竜とは嘆かわしい。しかし、それでも竜に変わりない」
ザビーネ・ハインケル(Knights of the Road・f44761)の言葉に、エリアル・デハヴィランド(半妖精の円卓の騎士・f44842)は頭を振った。
「それでも、だ。敬畏を持って御相手いたそう」
「はっ、こんなやつに敬畏を示す必要なんてねぇよ。あるのは生きるか死ぬか、単純な生存競争だけだぜ?」
「わかっている。だらこそ、騎士道の誓いとして、己を律しているのだ」
互いに視線は交わらない。
並び立つということはそういうことだ。
「人造竜騎、召喚!」
二人の言葉がかなさった瞬間、雷鳴ように轟く光と共に二騎の人造竜騎が現れる。
その鋼鉄の巨人に『地底潜航竜』は怒りを示すように咆哮する。
「GUUUURRAAAA!!!」
「はっ、キャバリアに乗ってもデケェデケェ! だがよ! なおさらやる気になるってもんだろうが!」
ザビーネは人造竜騎『ガラドリエル』を駆り、爆炎を払いながら『地底潜航竜』へと迫る。
胴部より発せられた光の鱗粉でもって『地底潜航竜』の感覚を欺き、手にしたライトブレイドの一線で迫る触手を斬り裂く。
「GUUUURRAAAA!!!」
「チッ、面倒だな」
『ガラドリエル』が与し難き敵であると認識したのか『地底潜航竜』は即座に地中に潜り込む。
視界が通らぬ地中に逃げられては、音でしか判別ができない。
そして、知覚が遅れれば、その一撃は必中となって『ガラドリエル』を襲うだろう。
「やはり地中に逃げたか」
エリアルは『レナード』の幻獣翼でもって飛翔し、地上を見やる。
「わかっているだろう、ザビーネ!」
「言われるまでもねぇよ! 地中に逃げたからって簡単に逃げられるほどオレは優しくはねぇぞ!!」
ザビーネの言葉と共に呼応するように『ガラドリエル』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
掲げられたスタッフより飛び込むのは、多重爆炎弾(ブレイジング・バレットストーム)。
地中にあろうとも、周囲を炎に包み込む凄まじい炎弾の嵐は『地底潜航竜』をたまらず地上へと飛び出ささせる。
「オラオラ、地中にあっても熱いだろうが! ハハハハ!!!」
爆破する、という言葉がしっくり来るようなザビーネの飽和攻撃。
それによって地中より飛び出した『地底潜航竜』は己の頭上に迫る黄金の翼を認めることができなかった。
「そこだ」
エリアルには視えていた。
ザビーネの炎弾によってあぶり出された敵が、何処にでてくるのかを。
予測は的中し、『地底潜航竜』の頭部へと竜騎槍『ブルガトリウム』を叩きつける。
「穿ついは肉体に非ず……浄罪の炎で内より燃え尽きよ」
「今だろ、熱線兵器の使い所ってのは!」
ザビーネの言葉に『セラフィム』の赤熱した胸部砲口が煌めく。
迸る熱線の一撃が地上に釘付けにされた『地底潜航竜』の体躯を穿ち、さらなる爆炎が撒き起こるのだった――。
大成功
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ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
そんな!ダメだよ!
そんなパワーで撃ったらキミは!
そう、どうしてもやるっていうんだね…
ならしょうがないね!
●限界超越・融解必至・勝利の明日へ
そう今こそ【封印を解く】ときが来た!
【マシン改造】により超強化されたファイナル・ビーム・テンペストを使うときが!
ていう感じで自壊必至融解必至の高出力化したビームを撃ってもらおう!
[叡智の球]くんを介して発射するときまで自爆しないよう制御しながらギリギリ弾け飛ぶ寸前まで【エネルギー充填】をして…
ドッカーーーーンッ!!
チャージまではボクが[球体]くんたちを使って彼を守るよ!
ありがとう、キミのことは忘れない…
次はもっと出力上げて撃とうね!
「そんな! ダメだよ! そんなパワーで撃ったらキミは!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は焼けただれるように赤熱した胸部砲口をデウスエクス『地底潜航竜』に向けた『セラフィム』を見上げる。
物言わぬ鋼鉄の巨人。
そこに意志があるのかはわからない。
「機体温度上昇……駄目だ、これ以上は限界だ!」
『ガジェッティア』たちの悲鳴が聞こえる。
機体が自壊寸前なのだ。
これまで連射を重ねてきた熱線兵器。
如何に魔導兵器とは言え、完全ではないのだ。改修だって完璧ではない。
これまで連射に機体が耐えることができた事自体が奇跡と言ってよかった。
ロニの言葉も尤もだ。
「そう、どうしてもやるっていうんだね……ならしょうがないね!」
「いや、ちょっとまって何言ってるの!?」
『ガジェッティア』はロニが一体何を言っているのかわからなかった。
だが、ロニが何をしようとしているのかはわかってしまった。
「GUUUURRAAAA!!!」
咆哮する『地底潜航竜』。
迫りくる敵を前にしてロニが取れる択はたったたった一つだった。
「今こそ封印を解く時が来た!」
「封印って何!?」
初耳何だけど、と『ガジェッティア」たちは驚愕する。
本当に知らない。なにそれ、封印?
「そ、超強化されたファイナル・ビーム・テンペストを使うときが!」
「なにそれ!?」
「自壊必至融解必至の高出力化ビームだよ!」
ロニは苦も無く言い放つ。
「こ、壊れるってば! 本当に!」
だがロニは頭を振る。
「うん、壊れるね。でも! 大丈夫!」
「何も大丈夫じゃないってば!」
ロニはニッコリ笑う。迫る『地底潜航竜』を球体が押さえつけている。そして、発射するまでの間、次回しないように制御しながら、弾け飛ぶギリギリまでロニはエネルギーを『セラフィム』に注ぎ込んでいた。
「まってまって、本当に駄目だってば!」
「大丈夫。ドッカーン!!!」
じゃないってば、と『ガジェッティア』たちはロニを止めようとしたが、もう遅い。
迸る熱線。
それは強烈無比であり、『セラフィム』の駆体が溶解しながらも『地底潜航竜』の体躯を同様に融解させていくのだ。
如何に巨体であろうと、如何に永遠不滅であろうと。
その熱線の一撃の威力は凄まじく。巨大な轍を刻むかのように『地底潜航竜』の巨体をえぐり取る。
苛烈なる熱波が周囲を包み込み、『地底潜航竜』はその骸を晒す。
同時に。
「……こ、壊れちゃった……!」
『セラフィム』の上半身は跡形もなく融解し、消失していたのだ。
「ありがとう、キミのことは忘れない……次はもっと出力あげて撃とうね!」
「いや、壊しちゃデータも取れないじゃん!」
「だいじょうだいじょうぶ」
全然大丈夫じゃないってば、と『ガジェッティア』たちの言葉にロニは懲りない笑顔ですたこらさっさと骸さらす『地底潜航竜』を盾にして走り去るのだった――。
大成功
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