ケルベロス・ウォー⑤〜禁呪使いと三眼魔竜~
ブラックウィザード。
暗黒魔法・死霊魔法・虚無魔法など魂を喰らう「禁呪」の数々を操る魔法使いであるが、その禁呪を行使するには「死の気配が濃厚な場所でしか使えない」という条件が存在するという。
「だからといって大量の生き物を連れてきて殺すわけにはいきません。害虫や害獣だったとしても、それをどうやって捕まえて一ヶ所に持ってくるんだという話になりますし。……というところでうってつけの存在がカモがネギをしょってくるかのように来てくれたわけです」
そう言ってルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は人差し指を立てる。
「『デウスエクスは永遠不滅の存在であるため、倒されて消滅しても、いずれ蘇生する』。しかし『蘇生』ということは一度は『死ぬ』過程を経ているわけです。そしてブラックウィザードの方に確認したのですが、地球生まれ地球育ちの物しか媒介に使えないわけではないそうなんです。……なので片っ端からデウスエクスの集団をぶっ飛ばしまくって禁呪を発動できる条件を満たそう、というのが今回の目的です」
今回ルウが標的としたデウスエクスは「ドラゴン」と呼称される者の一体で、3つの眼から3属性の魔法を用い、影のように気配を潜め、任務の達成のためならば汚い手を使うことも厭わない魔術使いだという。
「『ドラゴン』は全てを超越した力を得るために進化した、デウスエクスきっての戦闘種族らしく……見つけたら速攻で処さねば大惨事になりかねない存在です。そのため、ブラックウィザードの件を抜きにしても見つけたら速攻で討ち取りたい相手であります」
そしてブラックウィザードによるとただ倒すだけでなく「真の死」が発生すると禁呪により良い影響が与えられるという。
「いわゆる、縁深い相手によって与えられる死……ですね。とはいえ誰が因縁のある相手かは自分には分かりませんし、特に関係ない方でも山のように倒せば同じだけの魔力は稼げるそうなので、深いことは考えずとにかくケルベロスディバイド防衛のための激突だと思って向かっていただければと思います。……それでは皆様、よろしくお願いいたします!」
平岡祐樹
お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオギミック「より多くのデウスエクスを撃破できるよう工夫する」・「自身の宿敵と戦い、『真の死』を与える」がございます。
これに沿ったプレイングが記載されていると有利になることがありますので、ご一考くださいませ。
第1章 ボス戦
『三眼魔竜『トライオクルス』』
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POW : デクストラ・ブレイズ
【右目から消えぬ炎の鎖】を最大でレベルmまで伸ばして対象1体を捕縛し、【浄化不能な穢れし死穢の毒炎】による汚染を与え続ける。
SPD : ケントルム・サンダーボルト
【中央の目から放った、追尾式な雷の刃】で対象の【手首や足首など『首』とつく部位】を攻撃する。自身が対象に抱く【戦意などの攻撃的な要素】の感情が強い程、[手首や足首など『首』とつく部位]への命中率が上昇する。
WIZ : シニストラ・アイシクル
【左目の魔力から作った解けぬ氷柱】を手または足で射出する。任意の箇所でレベル×1個に分裂でき、そこからレベルm半径内に降り注ぐ。
イラスト:lore
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「虹川・朝霞」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
中村・裕美
連携アドリブお任せ
「……目には目を……ドラゴンにはドラゴンを……っね」
電脳魔術で【早業】【ハッキング】【封印を解く】でこの都市の近くの竜脈にアクセスしてドラゴンを複数召喚。トライオルクスを囲むようにして攻撃してもらう。
一応自分も電脳魔術で【凍結攻撃】など相手の動きを止めたりなどしてサポートを仕掛ける
「……私の竜を倒せるものなら倒してみなさい……それはそれでだから」
狙いは他にあり、トライオルクスにドラゴンを撃破されることで、ドラゴンを生贄に『死の気配』を濃くする
「……あまり綺麗な戦法ではないのは……分かっているんだけどね」
「……目には目を……ドラゴンにはドラゴンを……っね」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が宙に浮かぶエンターキーを叩いた瞬間、トライオルクスを囲むようにドラゴンが何匹も召喚される。
しかしそれはトライオルクスが呼び出した従者ではなく、トライオルクスへ牙を剥いて襲い掛かった。
「……私の竜を倒せるものなら倒してみなさい……それはそれでだから」
新たに現れたドラゴンは裕美がこの都市の近くの竜脈にアクセスして召喚したものだった。
一応裕美自身も電脳魔術でトライオルクスの精神をハッキングして凍結攻撃など動きを止める妨害行為を仕掛けていく。しかし四肢が思う様に動かせなくなってもトライオルクスは中央の目を瞬きさせると雷の刃を生成して周囲にばら撒いた。
肉が焦げた臭いと共に血飛沫が舞う。硬い鱗を貫通されて切断されたドラゴンの首が地面に転がっていくが、生き残ったドラゴンは目を充血させながらトライオルクスに食らいつく。
だが殺意があればあるほど雷の刃は致命傷を与える部位への命中率を上げる。しかしドラゴンは死して首だけになってもトライオルクスの体に噛みつき続けた。
そうして鋭い牙によって穿たれ続け、血塗れになったトライオルクスは苦しそうな呻き声を上げて、周囲のドラゴン達を巻き込みながらその場に倒れ伏した。
下敷きにあったドラゴンが脱出しようともがく。だが脱出できたとしても傷口から流れた血の量から、適切な処置が無ければ助からないことは明白だった。
「これで、13体分……」
しかし裕美がドラゴンに手を差し伸べることは無い。
ブラックウィザードもグリモア猟兵もデウスエクスだけを禁呪の媒介の対象にするとは言っていなかった。ならばトライオルクスに撃破されたドラゴンでも「死の気配」を濃くすることは出来るだろう。
「……あまり綺麗な戦法ではないのは……分かっているんだけどね」
呼び出すだけ呼び出して生贄にするなんて非人道的行為だと非難する者は当然いるだろう。だがこの世界の未来がかかっている戦いでそんな綺麗事は言ってられないと、裕美はくすんだレンズの奥に隠れた目を細めた。
大成功
🔵🔵🔵
槇島・アンナ
アドリブ歓迎、大体NGなし。
ヒャッハー!つまり片っ端から地獄に叩き込めばいいってこった!
お膳立てはするがな!
(月が出てからハイドラキャバリアで突っ込んでくる女)
貴様らに恨みはないこともねえが死ねよやぁ!!
そんなわけで指定UCを起動しつつ、【負けん気】のままに【結界術】のバリアと自己再生だの回復力だのに任せて突撃し、無制限の火器による【弾幕】だのなんだので片っ端から面単位で周囲をデストロイし始める(ダメージはしっかり受けるが再生する)。
(因縁がありそうなのはオークだの忍者だの鶏だのなので、因縁は何もないわけだが、特に気にもせず)
月が沈むまで延々暴れ回った末、弾幕を撒きながら上機嫌で後退していく。
太陽が落ち、月が昇る。
「ヒャッハー! つまり片っ端から地獄に叩き込めばいいってこった! お膳立てはするがな!」
そんな夜空を切り裂くように槇島・アンナ(砲煙弾雨の破壊魔術士・f42325)が操る呼称不明のハイドラキャバリアがトライオルクスの群れに突っ込んでいった。
「貴様らに恨みはないこともねえが死ねよやぁ!!」
アンナに因縁がありそうなのはオークだの忍者だの|鶏《ビルシャナ》だのなのでドラゴンは全くの無関係に見えるが、オークはドラゴンの配下という説があるので割と正当な報復行為である。ただトライオルクスがそのオークの上司ではないため、結局八つ当たりであることに違いはなかった。
アンナは怪訝な表情でハイドラキャバリアを見上げるトライオルクス達に照準を定め、物質創造の魔力を放出する。
月が出ている限り、魔力が尽きることは無い。負けん気のままに結界術のバリアと自己再生だの回復力だのに任せて急降下すると、無制限に装填される火器による弾幕だのなんだので片っ端から面単位で周囲へのデストロイを実行した。
着弾地点にいた同胞の体が木っ端微塵になったことを目撃したトライオクルス達の中央の眼が瞬き、放たれた雷の刃がハイドラキャバリアの首を次々に刎ねていく。しかしアンナの乗るコクピットのある場所は胴体であり、どれだけ首が無くなろうが止まることはない。それどころかハイドラキャバリア固有の回復力とユーベルコードによる魔力が相まって勝手に貼り付き直る。
『さあ、時間だ!滅亡と破壊、鏖殺と輪廻の夜の幕は上がった!パーティを始めようぜ、総てが灰燼となるまで終わらないパーティをな!』
キャバリアに関する基礎知識の無さで未だに現在の機体構成が格闘戦主体の物であるということを気づいていないが、サブウェポンだけでここまでの火力が出てしまっていてはもはや関係ない。アンナの笑い声のボルテージに比例するように尻上がりに暴れ回るハイドラキャバリアを前にして、トライオルクス達はただただ硝煙の中で砕け散っていくしかなかった。
そうして月が沈んで朝を迎えるまで延々と暴れ回ったアンナは宵越しの金は持たんと言わんばかりの弾幕を最後に撒き散らしながらトライオルクスだった物が大量に転がる戦場から上機嫌で去っていった。
大成功
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ハル・エーヴィヒカイト
因縁の相手というわけではない。
しかし竜殺しならば経験はある。
厳密にはこことは違う世界の記憶だが、その剣は再現できる。
虚無王殺しの太刀、受けて見せるがいい。
まずはUCを発動。
[結界術]によって周囲を侵食し、自身の内なる世界を展開する。
無数の白刃による[範囲攻撃]で多くのデウスエクスを巻き込み、その戦うための力と戦意を斬り裂いていく。
戦意をそぐことにより敵の雷の刃の命中率もある程度削られるはずだ。
あとは[心眼]を以てその軌道を[見切り]、[念動力]で操作した[霊的防護]を備えた刀剣を避雷針がわりにして[受け流し]ていく。
状況を整えたら後は携えた太刀でその首を断ち斬り、死を与えていこう。
ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)にとってトライオルクスは因縁の相手というわけではない。
しかし竜殺しならば経験はある。厳密にはこことは違う世界の記憶だが、その剣は再現できる。
「虚無王殺しの太刀、受けて見せるがいい。『我が内なる刃は集う』」
ハルが首に下げていたネックレスを握り締めて目を閉じると結界が周囲を侵食し出し、ハル自身の内なる世界を展開させる。
『これは望みを繋ぐ刃、命を活かす祈りの剣! |白翼千華《はくよくせんか》ッ!』
そして燕の翼のような無数の白刃がまるで氷柱のように、空を見上げていたトライオルクス達に降り注いだ。
ただどれだけ当たろうとトライオルクス達の体から血が流れたり部位が落ちたりはしない。
しかし戦うための力と戦意は斬り裂かれていた。だがトライオルクス達はその変化を全く気付いておらず、息を飲むほどに目前の光景にただただ意識を吸い込まれていた。
いくら3つの眼を何度瞬きしてもそれは目の乾燥を防ぐための生理的欲求で、殺傷能力のある武器が錬成されることは無く、そもそも作ろうとも思わなかった。
ハルの手から離されたネックレスが胸元を叩いた瞬間に白刃が消え失せる。しかし洗い流されてしまったかのようにトライオルクス達の心に戦意は戻ってこない。
ハルは己が半身たる朱光の刀身を持つ太刀を抜き、息を軽く吸って、吐いてから走り出す。そしていくら待っていてももう白刃が落ちてこないことを察してゆっくりと視線を下ろしていたトライオルクスの首を断ち斬った。
断末魔を発せず、現状を理解し切れていない呆然とした表情を浮かべた頭がアスファルトを叩く。
同胞が殺されたことを認識したトライオルクスは息を飲む。しかし夢心地でふわふわしたままの状態ですぐに殺意が湧き上がってくるわけがなくまた一体、また一体と斬り伏せられていく。
次は自分がやられる番かもしれないという恐怖が雷の刃をようやく生み出す。しかしハルは心眼を以てその軌道を見切りつつ、念動力で操作した霊的防護を備えた刀剣を避雷針がわり立てておくことで受け流していく。
ブーメランのように戻ってきて、自分に迫る敵を背中から切り払う刃の到来を待ちつつもトライオルクスは何度も何度も瞬きをする。しかし殺意よりも生存本能が勝る精神状況ではただ打ち出すだけで、ハルの体を捉えるまでには至らない。
そこにデウスエクスの中でも究極の戦闘種族と称される風格は全く残っていなかった。
大成功
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メリーナ・バクラヴァ
まずは敵さんの攻撃を、両手2刀のナイフを使って上手に凌いでみせましょう! 分裂した氷はよく見ていさえすれば、むしろ腕力に劣る私にとっては弾きやすくなって結構結構♪
そうして防御してからの【模倣・言の刃返し】――竜という人間とは全く異なる存在ではありますが、その命の有り様を気配を振る舞いを全て一欠片も逃さず模倣しますれば、あら不思議、私にも氷の魔法が使えるように!
元役者の起こすステージの奇蹟です♪
左目きらりん。分裂する氷柱は広範囲の敵を殲滅するには非常に都合が良く、今回の用途にはぴったりです!
敵を一箇所に纏めるように降り注がせていきましょう。
「まずは敵さんの攻撃を、両手2刀のナイフを使って上手に凌いでみせましょう!」
メリーナ・バクラヴァ(リスタートマイロード・f41008)がナイフを構えながら堂々と宣言すると、トライオルクスは左目を瞬かせると巨大な氷の柱を生み出す。
そしてそれをおもむろに片手で掴むと、メリーナに向かって投げてきた。
氷柱はあまりの風圧と摩擦によってヒビが入っていく。そしてひとりでに割れ、広範囲に降り注いだ。
ミサイルかと思っていたら散弾銃でした、と言わんばかりの絨毯爆撃ならぬ「氷」撃であったがメリーナは涼しい顔だった。
「むしろ腕力に劣る私にとっては弾きやすくなって結構結構♪」
分裂した氷が全部こちらに飛んできてたら捌ききれなくなって大変なことになっただろうがそんなことはなかったし、重い氷柱を一発受け止めるよりも断然マシである。
自分に飛んできた分を粗方防御し終わってからメリーナは【模倣・言の刃返し】を発動させた。
「――竜という人間とは全く異なる存在ではありますが、その命の有り様を気配を振る舞いを全て一欠片も逃さず模倣しますれば、あら不思議、私にも氷の魔法が使えるように!」
左目をきらりんとウインクさせれば、メリーナの頭上に巨大な氷柱が生成される。
「元役者の起こすステージの奇蹟です♪」
底辺に手を合わせると中に空洞がないのに非常に軽く感じられた。どうやらメリーナの腕力でも投げられるように自動で調節されたらしい。
『私はあなたで、あなたは私――です♪』
そう決め台詞を言ってメリーナは氷柱を投じる。空中で割れた氷柱は思い思いに散っていたトライオルクス達に降り注いでいった。
分裂する氷柱はメリーナ1人に撃ち込む分には効果が薄かったが、広範囲の敵を殲滅するには非常に都合が良い。例えば今回の用途―――トライオルクスが群れを成して屯っているような時にはぴったり。結局はその場その場のチョイスが重要なのである。
雹というには大きすぎる氷塊に追い立てられ、トライオルクス達は一箇所に集められた。
大成功
🔵🔵🔵
早門瀬・リカ
またドラゴン…デウスエクス達も必死のようだ。
ならば僕も力の限り戦わせてもらおう。
ブラックウィザードが完全に覚醒する為にも
死を感じさせる必要があるけど、グリモア猟兵が
示してくれたようにドラゴンにその役目を担ってもらうとしようか。
幻影雷獣撃で幻術による雷獣を生み出して、
三眼魔竜を攻撃すると同時にマヒを与えていこう。
雷獣を可能な限り竜の首に見立てるようにして撹乱と
あわよくば同士討ちも誘発させれればかな。
地に落ちたドラゴンに対しては風魔幻舞刃や
斬霊刀《影渡》による斬撃で追い打ちをかけるよ。
ブラックウィザード達が禁呪を発動できるなら止めは任せるよ。
「眼が多ければいいという訳ではないさ」
アドリブ、連携歓迎
「またドラゴン……デウスエクス達も必死のようだ」
今までも幾度となくデウスエクス達と相対してきたが、明らかに質量と勢いが違う動向に早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)は舌を巻く。
「ならば僕も力の限り戦わせてもらおう」
ブラックウィザードが永遠回廊に強烈な一撃を与えられるだけの魔術を組むには、より多くの死を感じさせる必要がある。しかしその礎に自分達がなる気はさらさら無い。
「グリモア猟兵が示してくれたようにドラゴンにその役目を担ってもらうとしようか」
リカは【幻影雷獣撃】で幻術による雷獣を生み出すとトライオルクスの群れを攻撃させる。
トライオルクスは殺意を帯びた目で自分を痺れさせた相手を見て、絶句した。そこにあったのは、首から下が違う獣で出来た自分と瓜二つの顔をした存在だったからだ。
「雷獣を可能な限り竜の首に見立てるようにして撹乱と、あわよくば同士討ちも誘発させれればかな」
トライオルクスが真ん中の眼のウインクしたことで生じた雷の刃によって雷獣の首が落ちる。その一方で首を失ってよろめきながら後退って倒れるトライオルクスの姿もあった。リカの希望通りに目に付くところから倒せばいい、とやけになった個体が出てきているのだろう。
そんな同士討ちと雷獣から逃れるために一部のトライオルクス達が翼をはためかせて脱出を図る。しかしビルの影に隠れて様子を窺っていたブラックウィザードの攻撃を受けて墜落する。
「眼が多ければいいという訳ではないさ」
それで得られる情報を自分なりに咀嚼して物にしなければ、そもそも「ブラックウィザードが隠れている」という重要な情報に気づけなかった時点で無用の長物だ。
地に落ちたトライオルクス達に向けてリカはまず牽制がてら風魔幻舞刃を投げつけると、雷の刃がぶつかって相殺される。
そしてトライオルクスが次に目を開けた時には《影渡》の銘がつけられた斬霊刀で追い打ちをかけようとするリカの姿がすぐ前にまで迫っていた。
「炎だか氷だか忘れたけどすぐに他の眼も瞑っておけば僕を止められたかもしれないのに。それとも視力のないただの飾りなのかな?」
ひょっとしたら1つの魔術を行使したらしばらく他の魔術が使えないくらい貧弱なのかも、と思い直した時にはすでにトライオルクスは肩口から脇腹にかけて入った傷口から大量の血を噴き出して倒れていた。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
アドリブ・連携歓迎
「多くのデウスエクスをぶっ飛ばせば良いんだな!
OK!それならやってやるぜ!」
戦場へと転送されると同時にUC発動
「一撃必殺!全てをなぎ払え!
超必殺!ファイナル・ブレイジング・ブラスター!!」
カッと光が奔った瞬間、トライオクルスの群れを焼き尽くす
その火力は正しく天上天下無双!!
必殺技の名に恥じぬものだ!!
更に!この攻撃の余波は戦場全ての敵を拘束する
それによって動きが封じられたトライオクルスを
光焔を纏った拳を叩き込んで更に撃破数を稼ぐ
「まだだ!まだまだ!勝利をこの手に掴むまで!」
死穢の毒炎を[気合い]と[根性]で耐えながら突き進む
無敵のヒーローブレイザインに不可能はない!
「多くのデウスエクスをぶっ飛ばせば良いんだな! OK!それならやってやるぜ!」
単純明快な目標に空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は親指を立てて応える。
「一撃必殺!全てをなぎ払え! 超必殺!ファイナル・ブレイジング・ブラスター!!」
そしてその姿がトライオクルスの前に現れるとほぼ同時に胸の辺りからカッと光が奔った。
出会い頭に放たれた特大二連火焔砲と超極大威力の超特大光焔砲の合わせ技が周囲の建物ごと何十体といたトライオクルスを塵も残さず消失させる。
「その火力は正しく天上天下無双!! 必殺技の名に恥じぬものだ!!」
そう堂々と謳い上げた清導は拳に光焔を纏わせて奇跡的に射程の範囲外にいた生き残りへ躍りかかる。
目の前で突然起きた惨劇に言葉を失っていたトライオクルスは赤い影の接近に気づき、目を閉じて魔術を行使しようとする。しかしあの一撃がもたらした衝撃によって無意識のうちにすり込まれた恐怖が体を強張らせて、ほんの些細な動作さえ出来なくなってしまっていた。
「くらい、やがれっ!」
自分よりも大きな巨体に凹みを作り出し、力任せに吹っ飛ばす。ビルに激突した個体はその痛みで我に返ると、偶然飛ばされた先にいて巻き込まれた同胞に押しのけられながら右目を瞑る。
すると空から消えない炎をまとった鎖が落ちてきて、清導に巻き付いた。
「まだだ!まだまだ!勝利をこの手に掴むまで!」
新たな燃料を得た炎は色を変え、死穢の毒炎と化して清導の体を蝕んでいく。しかし清導は胃の辺りから込み上げてくる物を気合いと根性で耐えて飲み込み直す。
「無敵のヒーローブレイザインに不可能はない!」
重りがちょっと増えた程度では超弩級の超熱血ヒーローは止まらない、もしどこかに鎖の先を括りつけていたとしても括りつけられた物が動く勢いに負けて引っこ抜かれて引きずられていたことだろう。
まるで新しいフォームの装飾かのように体に鎖を巻き付けたままトライオクルスへ追撃を仕掛けた。
迫り来る清導に向けてひたすらにウインクを繰り返し、鎖をどんどん押し付けても清導は止まらない。
魔術の行使に固執する同胞に呆れた別のトライオクルスが元々の体格差を活かした打撃で清導を潰そうと組んだ手を振り下ろすが、軽く弾かれて体勢を崩したところをアッパーで打ち上げられる。
空中で慌てて翼をはためかせたところを狙ったかのように清導が砲弾のように投げつけてきたのは白目を剥いている、先程自分が押し退けたばかりの同胞の体だった。
大成功
🔵🔵🔵
虹川・朝霞
…何故でしょうね、あなたは俺が倒すべき、と思うのです。
だからこそ、俺は…余はここに来た。
(口調『遥かなる水神』)
UCを伴いつつ紫雲刀を展開。そのまま、鞭打つように薙いでいく。
そのまま生命力吸収も行い、さらに薙いて…その雷の刃は、粒子状に漂う霧霞剣と曙天刀にてなす結界にも似たもので弾いていこう。
近づかれたとて、この鉄下駄での踵落としで砕かれるのが関の山ぞ。
「真の死」をここに。二度と蘇るな、三眼魔龍『トライオクルス』。
それは…今まで、そちがこの地球の者らに贈ろうとしたものぞ。
「……何故でしょうね、あなたは俺が倒すべき、と思うのです」
虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)はふう、と息を吐くと厳かな気配を放ち出し、口調もそれに見合った物へ変えた。
「だからこそ、俺は……余はここに来た」
光の加減で紫にも見える黒い蛇腹刀を抜き払うと内部に紐だけでなく別の刃も格納されていたかのように伸びていって、一ヶ所に集まっていたトライオクルス達を鞭打つように薙いでいく。
多くのトライオクルスの体がまるで紙のように切られていく中、弛んだ部分が一体のトライオクルスの首に巻き付いた。
それを掴んで引き千切るか、朝霞を引き寄せようか、と思案している間に一周した刃は意思を持っているかのように急激に絞まって真っ二つにしてしまった。
ごとり、という音を残して蛇腹刀はドラゴンの血を滴らせながら戻ってくる。そのまま生命力の吸収も行いつつ朝霞はさらに薙いて、辺りをより真っ赤に染めていく。
「近づかれたとて、この鉄下駄での踵落としで砕かれるのが関の山ぞ」
印象づけるようにアスファルトを下駄の歯で叩いてみせる。その間トライオクルス達は平静を装いながらもしきりに後ろをちらちらと見ていた。まるで来るはずの何かが来ていないかのように。
「敵から目を離すとはよっぽど余裕があるようだ」
そう煽ってみせればトライオクルス達は中央の眼を何度も瞬きさせて雷の刃を作り出して一斉に放ち出す。しかし気づかぬ間に粒子状に漂っていた霧霞剣と曙天刀にてなす結界に似たもので弾かれて地面を跳ね、朝霞を視界に収め続けるために目を開け閉めしてる間棒立ちになっていたトライオクルス達の首は一斉に宙を舞った。
声帯を失った首が目をひん剥かせながら口を何度か開け閉めした後に動きを止める。その様を見せられた最後のトライオクルスは雄たけびをあげて、唾をまき散らしながら朝霞へ突貫する。
最強の種族であるドラゴンが、こんなちっぽけな存在に、一方的に蹂躙されてしまうなどあり得ないと、持ち前の冷静さを失って、目前の惨状を受け入れることを拒否した脳に、鉄塊が叩きつけられる。
さっきわざわざ忠告してやったというのに、と独り言ちながら降りてきた朝霞は頭蓋を鉄下駄の形に凹ませたトライオクルスを仰ぎ見る。
まるで衝撃を食らった反動で跳ね返ったように首を上げたトライオクルスは左右によろめきながら立ち続けようとする。しかしその首にしゅるりと紫の雲の刃が巻き付いた。
「『真の死』をここに。二度と蘇るな、三眼魔龍『トライオクルス』。それは……今まで、そちがこの地球の者らに贈ろうとしたものぞ」
見下ろしていた朝霞の姿がどんどん近づいてくる。そして生温かい液体が頬についたのが、トライオクルスの認識した最期の感覚だった。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2025年05月08日
宿敵
『三眼魔竜『トライオクルス』』
を撃破!
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