妖刀とダンピールと己の『真の姿』
ルイナ・ラヴ
傾国にて日夜仲間の皆さんの力になれるように修練に励んでおります
我等の盟主であるクロムさんには妖剣士としての素質を見込んで頂き誘ってもらったのですが剣士としての腕では朱鳥さんに、魔術師としての技量ではタカシさんに劣っております
クロムさんやレプリカさんは臨機応変に対応出来る万能型と言ってくれていますが好意に甘えるのはあまり良くありません!
ならばここは一つ、私の原点である吸血鬼としての部分の象徴である母より受け継いだ妖刀の力に立ち還りその力を引き出す必要があります
私が一族の長を継いだ際に母より託された妖刀、反りの有る鋭い片刃のその形状はサムライエンパイアで言うところのカタナと呼ばれる武器に酷似した形です
吸血鬼に反逆した御先祖様が用いて多くの|吸血鬼《どうほう》を屠ったものの、何時しか吸血鬼の魂を喰らい力に変える妖刀に成り果てていた
しかし喰らうのは魂だけではなく吸血鬼化の呪いさえも受け継ぐ事になったとか
私はハーフなので良いのですが、しかし未だ猟兵の持つ真の姿になれないのは妖刀に宿る吸血鬼の魂を開放出来ていないからかもしれません
傾国とは堕ちて尚猟兵としての気高さを失わぬ者達の集まり…多分、ならば私も妖刀に宿る数多の吸血鬼達の怨念と己の呪われた血を恐れる事なく向き合い開放するのみ!
真の姿の目覚めの刻はきっと近いはず、多分!!
――春も深まり、平均気温が上昇してきた頃……傾国にて日夜仲間の皆さんの力になれるように修練に励んでいる妖剣士がいた。
名をルイナ・ラヴ(戦う魔術研究者・f38750)という。
「我等の盟主であるクロムさんには、妖剣士としての素質を見込んで頂き誘ってもらったのですが……現在の私は剣士としての腕では朱鳥さんに、魔術師としての技量ではタカシさんに劣っております」
ルイナは万能型、と言えば聞こえが良いし実際そうである六番目の猟兵であるが、特化型には弱い傾向がある。
その分、これと言った苦手分野や弱点も無いのだが……しかしオブリビオンとの戦いでより強くなる事に越したことはない。
「皆さんからは『臨機応変に対応出来る万能型』と、言ってくれていますが……好意に甘えるのはあまり良くありません!」
だからこそ、ルイナは原典に立ち戻る――吸血鬼としての部分の象徴である母……彼女より受け継いだ妖刀の力を引き出すアプローチに手を出す。
ルイナが一族の長を継いだ際に母より託された妖刀……反りの有る鋭い片刃のその形状は、サムライエンパイアのカタナに酷似していた。
「ヴァンパイアに反逆し、多くのヴァンパイアを葬った代償として……何時しか吸血鬼の魂を喰らい力に変える妖刀となった、と聞きます」
だが、喰らうのは魂だけではなく吸血鬼化の呪いさえも受け継ぐ事になった、とも聞く。
ルイナはダンピール……ハーフである為、呪いは深刻ではない。
しかし、未だにルイナが『六番目の猟兵』の本質である『真の姿』に開眼出来ていないのは……妖刀に宿る吸血鬼の魂を開放出来ていないから、かもしれない。
「傾国とは堕ちて尚猟兵としての気高さを失わぬ者達の集まり……多分」
ならばルイナも、妖刀に宿る数多の吸血鬼達の怨念……何より、己の呪われた血を恐れる事なく向き合い――開放するのみだ。
「その時にこそ――『真の姿』の目覚めの刻はきっと近いはず……多分!!」
そう言ってルイナは妖刀を慎重に仕舞い、己の『真の姿』のイメージを具体的に描く瞑想へと入るのであった――
成功
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