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アルケミック・ダンジョンアタック!

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「みんな集まってくれてありがとう。今回はアルダワ魔法学園で事件が起きてるんだ」
 キマイラのスカイダンサー・ユェンは一礼し、グリモアベースに集まった猟兵達に説明を開始する。

「アルダワ魔法学園にはいくつもの学園迷宮があるよね?その一つでオブリビオンがフロアボスになっちゃって。それを退治してきて欲しいっていうのがお願いなんだ。
 それだけでも大変なのに、なんだか厄介なことになっちゃってて……」
 ユェンは困った風に説明を続ける。

「学園内で『オブリビオンの影響で変化した迷宮の奥に、素晴らしい宝がある』って情報が出回ってるみたいで、それで生徒たちが盛り上がっちゃってるんだよね。
 ここで発生してるオブリビオンは、フロアボス以外にもいてすっごく危険だよ。だから学園も探索禁止って告知を出してるけど、腕に自信のある生徒とかは抜け駆けして探索しちゃってるんだ。
 だからまずは、みんなで生徒たちより早くオブリビオンの元へたどり着いて欲しい。
 このままだと生徒たちがオブリビオンに遭遇して殺されちゃうから……それよりも早くね」
 念を押すようにユェンは猟兵たちを見て言った。

「まず迷宮の特徴なんだけど、オブリビオンがフロアボスになった影響で内部は変化してる。
 以前よりも複雑に……そしてやつらの影響たっぷりにね。元々は錬金術の研究をしてた一角で、魔王時代の魔術書なんかもあったそうだよ。その書物とかもオブリビオンになってるかもしれないね。
 トラップだってもちろんある。パズルを解かないと開かない扉とか、大掛かりな仕掛けを動かして階段を出現させるとかね。錬金術に関係したものも多いみたい。
 生徒たちはそれと真面目に向き合っているから時間がかかってるんだけど……実は猟兵の力があればそれらを上手にスキップ出来るよ。
 ここに挑みに来てる生徒たちって、腕自慢ばかりだからプライドが高い子が多いんだよね。そういう子たちだから一生懸命仕掛けを解こうとしてるんだよ。自分なら絶対解ける!って。実際すでにいくつかの仕掛けは解かれてるんだけど……」
 ここまで深刻な顔をしていたユェンは、ここでいたずらっぽく笑いながら説明を続ける。

「もちろんみんなもトラップを上手く解除して進んでいくってことも出来るよ。でも別の方法だって取れるのさ。
 方法は大まかに分けて3つだね。
 一つ目はPOWを使って力づくでダンジョン攻略!多少のダメージや仕掛けなんて猟兵パワーで乗り切るって方法だよ。
 二つ目はSPDを活かしてショートカット!単純に足の速さや機敏さがあれば乗り越えられる仕掛けもあるからね。
 三つ目はWIZで生徒たちの行動を読んで出し抜く!卑怯な方法に聞こえるかもしれないけど、人命救助のためだから。
 みんなが一番得意な方法とか、良いなって思った方法で迷宮走破を目指してね」
 ユェンはファイト!と小さく呟きつつ猟兵たちを見る。
 実際迷宮を走破するというのは骨の折れる作業だ。だが猟兵たちがそれぞれの方法で迷宮を進んでいけば、必ず生徒たちより早くフロアボスの元へ行けるだろう。

「今回の迷宮は錬金術の研究所と言ったけれど、フロアボスも錬金術で生み出された存在みたいだね。なんだかすっごいドラゴンだとか……でもみんなが力を合わせたら勝てない敵なんていないよ。
 未来のある生徒たちを守るため……そしてアルダワ魔法学園の平和のために、まずは迷宮の走破だね。
 まずはこれを成功させて、目指せダンジョン攻略だよ!」
 ユェンはみんなを励ますような笑顔でそう告げると、転移の準備を開始する。
 猟兵たちも各々準備に取り掛かり始めた。


ささかまかまだ
 はじめまして、ささかまかまだです。
 今回はアルダワ魔法学園を舞台にしたダンジョン攻略シナリオを出させていただきます。
 ダンジョン、良いですよね。お宝とかいっぱいですし。
 ですが一筋縄では行きません。数々の罠と敵を突破し、最奥のボスを倒すまでがダンジョンです。
 是非皆様の素敵なダンジョン突破法を書いていただけたらと思います。

 これから始まる第六猟兵、プレイヤーの皆様も私も初めてのことばかりで毎日がチャレンジになると思います。
 一緒に楽しい冒険を紡いでいけたらいいな、と思っております。
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『冒険競争』

POW   :    力技で迷宮を攻略する

SPD   :    速度を活かして迷宮をショートカットする

WIZ   :    競争相手の生徒達の行動を読んで出し抜き先行する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フルム・サーブル
内部が変化していると言っても、大きさが極端に変わったりしたわけじゃないんだよね?
それなら簡単だ、ボスフロアに向けてまっすぐ!壁を!ぶち壊す!
それに僕は、小さな隙間なんかも通れるしね。
人間サイズを対象としたトラップは当たらないものも結構あるんじゃないかな?
そんな突飛な攻略者がいれば生徒も多少はやる気をなくすと思うんだ。
今回は魔法学園の地下ということだし、次元をまたがってい
いや、あくまでこれは僕の能力を存分に発揮しようと思っての作戦であって
決して僕が脳筋というわけではないんだからね…!



フルムは迷宮に入ると辺りを軽く見回す。
 彼は迷宮内部について一つの仮説を立てており……それは見事に的中していた。
「やっぱり。内部が変化していると言っても、物や建物自体の大きさが極端に変わったりしたわけじゃないんだよね」
 思惑通り、内部で変わっていたのは物の配置や形状だけだ。
 だとしたらフルムが取る行動は一つ。
「それなら簡単だ、ボスフロアに向けてまっすぐ!壁を!ぶち壊す!」
 そう叫ぶと装備していた武器を振りかぶり、思いっきり目の前の壁をぶん殴る。
 すると壁は一気に崩れ、彼にとって進むべき道が生まれた。

 迷宮攻略においてフルムが有利な点はもうひとつあった。
 彼は腕っぷしの強さと同時にフェアリーの小柄さも持ち合わせている。
「小さな隙間はなんかは通れるし、人間サイズを対象としたトラップも結構避けられるね」
 彼の言う通り、ちょっとした隙間や仕掛けは気にせずに突き進むことが出来た。

 壁にぶち当たれば壊せばいいし、小柄さも活かして進める。
 そんなフルムの様子を見て迷宮攻略中の生徒たちは唖然とする。
「な、なんか凄い転校生がいるぜ。小さいのに力づくで攻略してる……!」
「いや、あくまでこれは僕の能力を存分に発揮しようと思っての作戦であって、決して僕が脳筋というわけではないんだからね……!」
 そんな会話も挟みつつ、フルムはスイスイと迷宮を進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヨド・カルディヤ
……あまり、積極的に取りたい手段ではないのですが。
子らの人命に係るとなれば、致し方ありません。
多少強引にでも、力尽くで突破させていただきたく存じます。

【ブラッド・ガイスト】にて武器を巨大な咢へと変化。
ある程度の障害ならば、これで噛み砕くか、叩き付けて粉砕しつつ進みましょう。
どうにもならぬトラップは、無理に対処せずそのまま突っ切ります。
未来ある子らが傷付くくらいならば、老いたわたくしが代わりとなる。
それが、道理でございましょう。



先程の喧騒とは打って変わって、ヨドは静かに迷宮と対峙していた。
「……あまり、積極的に取りたい手段ではないのですが。子らの人命に係るとなれば、致し方ありません」
 そう呟くと、彼女は自らの武器で自身を傷つける。
 流れた血は刻印へ伝わり……刻印が巨大な咢へと姿を変える。
 『ブラッド・ガイスト』が発動した証拠だ。
「多少強引にでも、力尽くで突破させていただきたく存じます」
 ヨドは宣言通りに変化した刻印を壁や罠へと向けて叩きつけた!

 しかし、流した血の量が思ったより少なかったためか咢の力は予想よりわずかに弱い。
 なので全ての罠を砕き壊すことが出来なかった。
 壊しきれなかった罠は牙を剥き、ヨドに被害をもたらしてしまう。

(これでも構いません。どうにもならぬトラップは、無理に対処せずそのまま突っ切ります)
 しかし、いくら傷付こうとも彼女の気概はなくなりはしない。
 未来ある子らが傷付くくらいならば、老いたわたくしが代わりとなる――彼女にはそれだけの覚悟があった。
 おかげで道は切り開かれ、あとに続くものの助けとなっただろう。
 それを確認し、少し安堵したようにヨドは進んでいった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シノギ・リンダリンダリンダ
お宝ですか。まぁそんなお宝があるのなら、先に私がいただきますが。真偽は果たして。

さて、腕自慢でプライドの高い子供が相手となりますと、大人らしく力と頭脳で先に進ませてもらいましょうか
とりあえず罠を見つけたら大きな声を出して近くにいる生徒を呼び寄せましょう
そして代わりに罠を解いてもらってるうちに、私はそっと先に進みます
「私には解除は無理そうです……代わりに解けますか?」
猟兵であり大人の私が解けない罠。彼らのプライドにも火が付くでしょう
とにかくトラップの解除をやらせまくって、私は大人の、猟兵の力で先に進ませてもらいます

おびき寄せる時に近くに生徒がいなかったら?
まぁ力づくが一番いい解決方法ですよね。



大きく動く迷宮内の状況。そこに更に新しい挑戦者・シノギが現れる。
「お宝ですか。まぁそんなお宝があるのなら、先に私がいただきますが。真偽は果たして」

 彼女は今までのメンバーとは違い、生徒たちと積極的に関わる手段での突破を選んだ。
 まずは慎重に探索し……大きな扉を開けるためのパズルを発見。
 目的のものを見つけた彼女は大きな声でまわりに呼びかけた。
「すみません!ここに罠があるのですけれど、私には解除は無理そうです……代わりに解けますか?」
 すると、彼女の声に気づいた生徒が数人その場へやってきた。
「なるほど、こういう罠か。僕達の手にかかればあっという間に解けるさ」
 集まった生徒達は早速罠に取り掛かる。しかし、それ自体がシノギの狙いであった。
 猟兵であり大人のシノギが解けない罠を解く。
 プライドの高い生徒達にとってそれはとても魅力的だった。

 しかしシノギはその罠には目もくれず、こっそりと別の道へと進んでいく。
 進めない箇所があれば大人の、猟兵の力――時々は力づくで攻略していくのだ。
 彼女は行く先々で罠を発見しては生徒へ呼びかける。
 そうして生徒たちよりも先に迷宮を進んでいくことが出来たのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

一条・閃
さてさて、力ずくのお仲間もいる様子。
となれば拙者はこの鍛え上げたスピードを活かす時。
フルム殿の壊した……もとい開拓したルートも有り難く利用させて貰いつつ、罠もルートも最短でいかせて貰うでござるよ!
落とし穴も釣天井もなんのその。
慣れたもんでござる、それひょーいっと!
おっと、そこの方。
拙者の真似しちゃいかんでござるよ!
と生徒が真似して怪我する危険性も予防しとくでござる。
ついでに回転しながらとか真似しにくい動きすれば、後追いしようとする気も無くすでござるかね?
うーん、この気のきくところ。
拙者、もっとモテて良いはずでござるが。はて?



迷宮の中は順調に猟兵達に攻略されつつある。
 生徒達もいよいよ焦りだし、騒然としている。
 これを好機と捉えた男が現れた。
「さてさて、力ずくのお仲間もいる様子。となれば拙者はこの鍛え上げたスピードを活かす時」
 その男――閃は軽い身のこなしで迷宮を進んでいく。
「皆が壊した……もとい開拓したルートも有り難く利用させて貰いつつ、罠もルートも最短でいかせて貰うでござるよ!」
 その宣言通り、既に破壊された罠や壁を利用してスイスイと進んで行く閃。
 落とし穴も釣天井は軽々と超えていくが……パズルを使うものはすり抜けるのが難しく、思ったよりも時間がかかってしまう。
 しかし彼は諦めない。生徒達には真似出来ないようなアクロバティックな動きで迷宮を突き進む。

「また転校生ね……すごい身のこなし。真似できないわ」
 閃の道筋には女子生徒の集団が。
 彼は彼女達へのアピールも忘れない。
「拙者の真似しちゃいかんでござるよ!」
 そう言いつつクルクルと回転しながら進む閃に、生徒達はびっくりしていた。
 閃的には『気のきくモテるニンジャ』という行動だったが、どちらかというと畏怖の目線を向けられている感じだ。
 そこはちょっと残念だと思いつつ、閃は迷宮の奥へ進んでいくのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

壥・灰色
後発になるが、全力で踏破だ。
POWにより判定

トリニティ・エンハンスにより炎の魔力を武器に宿し、それによる全力の二回攻撃で、中途のパズルや障害を破壊して進む。
既に破壊してある場所や、共に進むいと(f00433)が簡単に解いてしまえそうならばいとに任せて休息。1人なら息切れするかも知れないけど、2人なら頑張れるだろう。

互いの力を合わせ、足りない部分を補い合いながら前進する。
また、破壊されていて素通りできるような仕掛けの部分は、後続の生徒が容易に通れないように崩しておき、深部に迷い込む生徒が減るように心がける


赫・絲
迷宮だって、かいちゃん!
なんだかわくわくしちゃうね、力を合わせて行ってみよー!

先に入った人達が拓いた道は遠慮なく利用させてもらう
既に罠が解除されている場所については形状等をメモに残し、
他の罠の解除に利用できる情報がないか罠の解除時に随時確認
罠だって一つじゃないでしょ?
似たようなものがあるかもしれないし、法則がわかれば解くのも簡単になるからね

時間がかかりそうな罠は一緒に来たかいちゃん(f00067)にお任せしつつ、
手持ちの武器で炎の属性攻撃を行い、彼を援護
いとは腕力ないからね、壊したりはよろしくだよー

後続の生徒が増えないよう、解除した罠は壊した上で、その道を簡単に進めないよう塞いでおく



次に迷宮に挑みに来たのは二人組であった。
「迷宮だって、かいちゃん!なんだかわくわくしちゃうね、力を合わせて行ってみよー!」
「ああ、後発になるが全力で踏破だ」
 楽しげに話す少女・絲とそれに無表情ながらもしっかりとした声で応える少年・灰色。
 二人は役割分担をしながら迷宮に挑むことにしたのだ。

 まず絲が冷静に辺りを観察。
 すでに罠が解かれている場所があればそれをメモに記録していく。
 生徒達がいくつかの罠をすでに解除しているのを利用するのだ。
 パズルの答え、仕掛けの形状、材質など……それらを丁寧に観察していく。
 そして解かれていない罠があれば彼女が挑戦。
 メモを上手く使えば大丈夫な罠に挑むのが絲の役割だった。
 オブリビオンによって迷宮が変化しているとはいえ、仕掛け自体は似たようなものも多い。
 メモを取る作戦は功を奏していた。

 二人は解いた罠をそのままにせず、全部壊していくことにも決めていた。
 そのまわりの道も分担して崩していく。
 そうすることで後続の生徒が減るようにという気遣いだった。

 いくつかの仕掛けを解いて、パズルの仕掛けに挑む二人。
「大丈夫か?難しいならおれが代わる」
「平気平気、このくらいなら解けるよ。かいちゃんは準備お願い!」
 迷宮の罠を解くのは絲の役割。
 灰色の仕事もすぐに訪れることとなる。

「ううん……この仕掛けは解くのに時間がかかりそう。かいちゃんお願い出来る?」
「分かった。援護を頼む」
 大掛かりな扉に話す絲と灰色。
 二人が解こうとしている仕掛けは今までのもの法則が違い、時間がかかりそうだ。
 そんな時はより時間のかからない方法……罠の破壊に挑むことにしていたのだ。
 そしてそれは灰色の役割であった。
 灰色は自らの武器に『トリニティ・エンハンス』を使用、手にした武器・始動刻印「壊鍵」に炎の魔力を宿す。
 絲も手にした短杖・灰桜で灰色の武器に炎の魔力を。
 そして灰色は扉へ向けて素早く二度武器を打ち付けた。
 二人の力による大きな炎が巻き起こり、扉とそのまわりの壁は一気に吹き飛ぶ。

 ただしこの方法は連発出来ない。
 絲が罠の解除に挑んでいる間、灰色は休む必要がある。
 しかしそれも想定済みであった。
 一人なら息切れするかも知れないけど、二人なら頑張れる。
 こんな気持ちで二人は迷宮に挑んでいたのだ。
 こうして絲と灰色は予想通りのペースで迷宮を攻略していくことが出来たのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

萩原・誠悟
ダンジョンの仕掛けやトラップとやらには興味がなくも無いが、この事件の解決は早ければ早い方が良いとの事だ。
「で、あるならば……叩き斬るまで、だ」
斬れる壁は斬り刻み、仕掛けもまた斬り刻む。
しかし、ただ単に道を切り拓くのでは気を揉んで進んだ連中に申し訳ない。そこで、あえて余計な壁やら何やらもついでにバラバラにして、その破片を生徒たちの邪魔になるように置いていこう。
一応、それでも追ってくる生徒が居るなら、
「ああ、君達は無理するなよ。なんなら別のルートの方が安全かも知れん」
などと、遠回りルートでも推奨しておくか。
騙されてくれればいいがな……。



次に迷宮へ挑みに来たのは、大柄の男であった。
「ダンジョンの仕掛けやトラップとやらには興味がなくも無いが……」
 ウォーマシンの誠悟は迷宮を一瞥する。
 既に猟兵によりかなり壊されている内部だが、彼は更にそれを壊すことにしていた。
「この事件の解決は早ければ早い方が良いとの事だ。で、あるならば……叩き斬るまで、だ」
 ぽつりと呟くと、彼は手にしたサムライブレイドを構える。
 壁や仕掛け、壊せるものはなんでも斬り刻むというのが彼の選んだ作戦だ。
 バラバラになった破片は適宜生徒の邪魔になるよう配置し直す。

 その作戦の通りに壁をどんどん斬り刻んでいき……その様子は通りがかりの生徒に発見された。
「て、転校生!ここ通れなくなってるじゃねーか!」
 文句を言う生徒に対し、誠悟は涼しく応える。
「ああ、このルートは危険でな。君達は無理するなよ。なんなら別のルートの方が安全かも知れん」
 そういって別の道を指差す誠悟。
 生徒は訝しげな表情をしたものの、猟兵の言うことなので信じてみることにしたようだ。
「わかったよ……あんたも気をつけて」
「ああ、お互い気をつけてな」
 そうは言いつつ誠悟が示していたのは遠回りルート。
 しれっと生徒を足止めしつつ、誠悟はまた壁を壊す。

 そして……いよいよオブリビオンへ至るルートが開拓された。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。

イラスト:kokuzu

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵達は迷宮の奥……本格的にオブリビオンが出現するエリアへたどり着いた。
 元は図書室のような部屋であったのか、あたりにはたくさんの本棚が見える。
 その他にはフラスコや鍋、用途の分からない道具など……。
 ここは錬金術の研究をしていたエリアのようだ。

 あたりを観察していると、カサカサと紙が擦れる音が聞こえだす。
 何の音だろうか?そう考えているうちに今度は強い殺気を感じだす。
 次の瞬間、本棚からたくさんの本が飛び出す!
 本は自らのページを竜のように変形させ、威嚇するように猟兵達へ向けてくる。

 『書物の魔物』……魔王時代の忌まわしき歴史を記した魔導書たちがオブリビオンとなった存在。
 これらを退けなければフロアボスまでたどり着くことは難しそうだ。
 激しい集団戦が始まる。
一条・閃
おおっと、おかしなものが飛び出してきたでござるな!?
本の化物とは、中々に洒落た連中でござる。
とはいえ、手心を加える理由も無し。
叩っ切って首魁への道を開けて貰うでござるよ!
とにかく敵の正面に回らぬような位置取りと回避を意識しつつ、剣刃一閃で斬るでござる。



オブリビオンの出現フロアに最初にたどり着いたのは、化身忍者の閃であった。
 風を切るような速度で走っていた彼も、オブリビオンの気配を感じ足を止める。静かに武器を構え、慎重にあたりを観察。
 すぐさま彼の前に大量の『書物の魔物』が出現し、大きな口を剥き出しにするようにページを開いた。描かれた得体のしれない文字や図形がぞわぞわと蠢いているのが見える。かなり不気味だ。

「おおっと、おかしなものが飛び出してきたでござるな!? 本の化物とは、中々に洒落た連中でござる……」
 少し感心しつつも臨戦態勢を取る閃。危険を察知した魔物達は、自らを竜の形へ変え攻撃を開始する!
「手心を加える理由も無し、叩っ切って首魁への道を開けて貰うでござるよ!」
 そう叫ぶと、閃は魔物達の正面ではなく背表紙の方へ飛び出した。彼の狙いは有利な位置取りと回避に専念すること。暗殺術の技術がある彼だからこそ出来る作戦だ。
 実際にそれは上手く運び、背表紙側から魔物を一太刀。『剣刃一閃』により敵を切り捨てていく。
 しかし、最後の抵抗のつもりか細切れになったページ達は刃へと姿を変え、閃に少しずつ攻撃を加えていく。
 多少のダメージがあれど、閃は自分のペースを崩さない。
「なかなかの斬れ味でござる……だが拙者もだいぶ数は減らした、まだまだこれからでござるな!」
 始まったばかりの書物の魔物との戦い。激しい戦闘の予感に、閃は強気な笑みを浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヨド・カルディヤ
魔導書が、そのまま魔と化したもの……。
書物の類は好んでおりますし、子らへ読み聞かせるにも大変重宝しておりますが、
牙剥くとなれば処理せざるを得ません。

折良く、先の罠で血も滲んだところにございます。
わたくしの老身を役立てられるのならば。
利用できるものは、利用いたしましょう。
(再度【ブラッド・ガイスト】にて巨大な咢を形成。書物を喰い破るべく戦闘へ)

(撃破が叶ったなら)
……記した内容が悪意に染まれども、記された物に罪はございません。
お眠りなさい。次は、誰かの手に取られる機会が訪れますように。



続いて戦闘に加わったのはグールドライバーのヨドだ。
 刀が何かを切り裂く音、たくさんの紙が擦れ合う音、そして激しい殺意のぶつかり合い。それらを感じ取った彼女はすぐさま自らの刻印に触れる。
 ここまでの道筋で怪我をしていたヨドだが、それは彼女にとって好都合でもあった。
 彼女はグールドライバー。鮮血で動く魔術装置をその身に宿している。そこへ自らの血を浸し、再び『ブラッド・ガイスト』を発動し突き進んだ。

 オブリビオンの出現エリアでは既に戦闘が巻き起こっていた。猟兵と空飛ぶ本の激しい戦闘、その光景にヨドは少し残念そうに呟く。
「魔導書が、そのまま魔と化したもの……。書物の類は好んでおりますし、子らへ読み聞かせるにも大変重宝しておりますが、牙剥くとなれば処理せざるを得ません」
 人々と育て楽しまる存在が悪しき物になる。とても嘆かわしいことだった。
 それでも彼女は迷わずに突っ込む。先の仲間が戦っているのとは別の方向へ、殺戮捕食態と化した刻印を振るう。そして大きな咢で次々に魔物達を喰い破っていく。
 ボロボロになっていく魔物達は、最後の抵抗に自らの破片をヨドへと飛ばしていった。罠で傷ついたヨドの体を更に傷ついたが、彼女は構いもしなかった。
「……記した内容が悪意に染まれども、記された物に罪はございません。お眠りなさい。次は、誰かの手に取られる機会が訪れますように」
 動かなくなっていく本達へ向けて、ヨドは祈りのようにそう告げた。
 しかし、戦闘はまだまだ続く。彼女は再び武器を構え、別の魔物達へ向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シノギ・リンダリンダリンダ
うぅん、本が相手となると、ちょっと勝手が……
ここは手勢を増やすのが得策かと。

言いながら、少し離れた位置から【リザレクト・オブリビオン】で死霊騎士と死霊蛇竜を召喚します。
敵の数も多いでしょうが、騎士や蛇竜達を駆使してその数を減らしていきましょう。
数が多いということは、それだけ攻撃が当たる範囲が広いということです。

私自身は戦えないので、騎士の方は敵を攻めつつ私の守護もできるような位置取りにしておきたいですね。



「うぅん、本が相手となると、ちょっと勝手が……ここは手勢を増やすのが得策かと」
 戦況が次々と移り変わるエリアに、更に参戦者が加わる。罠をくぐり抜けやってきた死霊術士のシノギだ。
 エリアへ辿り着くと彼女はすぐに位置取りをする。使役する魔術の関係で攻撃を食らいそうな場所に立つのは得策ではない。幸いにもエリア内には物陰も多数あり、上手く位置取りをすることが出来た。
 そしてリンダはすぐさま辺りを見回しすべき事を考える。得体のしれない相手だが、単体ではそれほど強くなさそうだ。それならば、とネクロオーブに手を触れる。眼前に黒いオーラが現れ、そこから死霊騎士と死霊蛇竜が這い出てくる。『リザレクト・オブリビオン』の発動だ。

「敵の数も多いでしょうが、その数を減らしていきましょう」
 そう配下に指示すると、配下達はすぐさま魔物へ飛びかかる。配下達は連携し、魔物を斬り刻んだり噛み砕いたりしていく。黴びた紙やインクの匂いがあたりに広まった。
 リンダが攻撃を食らってしまうと魔術が解除されてしまうため、騎士の方には適宜リンダを守ってもらう。魔物のページやインクは死霊達を傷つけていくが、リンダの事は上手く守りきれていた。
 数が多いということは、それだけ攻撃が当たる範囲が広いということ。彼女の予想は当たり、大振りの攻撃であっても敵の数は確実に減らせていた。

 徐々に戦況は猟兵の有利に傾いてきている。魔物は大体半分くらいは減っただろうか。まだまだ戦いは続いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェント・ブラドーネ
古いものには善いものも宿れば悪いものも宿る――
保存状態が良いのも、正しく善し悪しだね。
勿論、僕は善いものの方だけどねぇ

何が書いてあるか興味はあるけれど
学園の子達のダンスパートナーにはちょっと早すぎる相手かな。
とりあえず僕の相手もして貰おう。

皆の御蔭でこの迷宮も随分と入りやすくなったというか
見通しが良くなったというか。

壊れた壁が遮蔽になってくれそうな
そんな場所に素早く入り込んで、あの書物を狙い撃って見せようか。

まあ遮蔽物はそこまであてにはならないだろうし、
全て撃ち落とすのは難しいだろうけど、
戦っている皆の援護程度にはなる筈さ。



戦闘が続くエリア内に、今までとは異質の音が響く。より機械的な激しい音……宇宙バイクが走る音。
 パラディンのヴェントは今まで皆が作ってきた道を、バイクで駆け回りながら進んできたのだ。
 目的のエリアまで辿り着くとすぐさま崩れた壁の方へと回り込む。今までの迷宮攻略や戦闘で遮蔽物はたくさん生まれていた。
「古いものには善いものも宿れば悪いものも宿る――保存状態が良いのも、正しく善し悪しだね」
 魔物と化した書物達へ向け、同じモノから生まれたヴェントは語りかける。勿論、僕は善いものの方だけどねぇ、と軽口も叩いてみたり。

「何が書いてあるか興味はあるけれど学園の子達のダンスパートナーにはちょっと早すぎる相手かな。とりあえず僕の相手もして貰おう」
 そう言ってヴェントは愛用の拳銃であり自分の本体でもある『テンペスタ』を取り出す。だがそれだけでは不十分、更に追加のアタッチメントを銃へ取り付ける必要があった。その隙に魔物達はページやインクを飛ばすが、遮蔽物が上手く機能し彼を傷つける事はなかった。
 攻撃が途切れた一瞬、ヴェントは遮蔽物から顔を出しテンペスタを構え……そして撃つ。
「どこまで逃げようと、風は僕の味方をしてくれる――決して、逃がさない」
 テンペスタで撃ち出すのは圧縮された空気の弾丸。その弾丸は疾風の如く速く、嵐の如く烈しく。次々と撃ち出される弾丸に、魔物達も撃ち抜かれていく。
 援護射撃のつもりではあったが、思ったよりも多くの敵を倒すことが出来ていた。それに喜びを感じつつ、ヴェントは戦闘を続ける。

 敵の数もあと少し。集団戦も終わりが見えてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンセ・ノーチェ
知り合ったサヴァーさん(f02271)と共に。本の魔物って賢そうで魔法が効き辛い感じもする…気をつけていくよ。ユーベルコードでフォルテに騎乗し、サヴァーさんを守る様前に、又は背中合わせに位置するのを心がけ、不意撃ちをお互い受けない様、敵の動きを彼女と注意し合って動くよ。「サヴァーさん、右から来る!」彼女が積極的に攻撃してくれるから、僕は素早くその攻撃に重ねて、確実に倒せる一体から仕留めて行く様にエレメンタルロッドで攻撃。技能の全力魔法は、後を考えなくて良いか後がない時に敵に見舞う。「ありがとう、サヴァーさん。でも、まだ、気を引き締めて、行きましょう」フォルテの首筋を優しく叩き、もうひと頑張り!


サヴァー・リェス
知り合ったリンセ(f01331)と、共に…。私は、リンセほど速くない…せめて彼が私を守りやすい様に位置、して、不意討ちを受けない様、敵の動きを彼と注意しあって、立ち回る…止まっていたら、敵の良い的になってしまうから…息切れしない程度に、適度に動く…そう、不規則な、ダンス、みたい、ね。…攻撃を受ける際は、技能のオーラ防御を試みるけど…過信せず…攻撃は最大の防御とも言う、から、積極的にユーベルコードで、魔物だけを攻撃…「リンセ…今、よ」私の攻撃を敵が受けている所に彼らが攻撃を重ねてくれれば、彼らの攻撃が当たり易くなると、思うけれど…。「リンセとフォルテも…ひとつのダンスの様に、美しく、踊っている」



「本の魔物って賢そうで魔法が効き辛い感じもする……気をつけていくよ」
「ええ……だから、リンセ達のこと、頼りにさせてもらうわ……」
 集団戦の最後の参加者は、ビーストマスターのリンセとシンフォニアのサヴァーだ。
 猟兵達と交戦していない魔物達が、新たな参加者の気配に気付き向かってくる。それに合わせてまずはリンセが行動を始めた。

「不可能を、可能に! 強き嘴と爪、気高き翼と蹄。奇跡なす友フォルテよ、来て……!」
 リンセがそう詠唱すると、純白の頭部と琥珀色に輝く体持つヒポグリフのフォルテが姿を現す。そのふわふわの背中にリンセが飛び乗ると、敵へ向かって飛び出していく。
 リンセの役割はサヴァーを守ること。フォルテと共に彼女の盾になるよう立ち回り始めた。
 サヴァーもそれを確認するとリンセに合わせて動き出す。彼らに守られやすく、それでいて敵の的にならないように気をつけて。その様は不規則なダンスの様だ。
 息切れしないように動きつつも彼女は魔術を発動。サヴァーの役割は一体でも多くの敵を倒すべく立ち回ること。
手にした武器に魔力を籠めると、それらは鈴蘭の花びらに姿を変えた。花びらはふわりと舞うと、魔物達だけに貼り付いていく。鈴蘭の毒は魔物達の魔力へ作用し、魔物達を狂わせる。
毒に侵された魔物は狂ったような動きを始めだす。確実に敵を弱らせることが出来ているようだ。

 魔物達は、すぐさま怒りをぶつけるようにサヴァーへインクを飛ばしだした。インクに籠められた呪いの毒が彼女へ迫る。
「サヴァーさん、右から来る!」
 彼女の盾になるべく、リンセとフォルテが間に飛び込んだ。毒の飛沫が二人を襲うが、サヴァーがそれに合わせてオーラ防御をしたために大事には至らなかった。
 毒を飛ばしてきた敵を、フォルテが勢いよく蹴散らす。
「ありがとう……リンセとフォルテも……ひとつのダンスの様に、美しく、踊っている」
「こちらこそありがとう、サヴァーさん。でも、まだ、気を引き締めて、行きましょう」
 飛び込んできてくれた友人に感謝と感心の言葉を告げつつ、サヴァーは更に魔術を発動。
リンセもフォルテの首筋を優しく叩きながら、もうひと頑張りすべく立ち回る。

 敵の数もあと少しとなった時。
「リンセ……今、よ」
「はい! 最後の全力攻撃……いきますね!」
 リンセがエレメンタルロッドに力を籠めると、大きな魔力の渦が巻き起こる。他の仲間を傷つけないように、リンセは魔物だけに向けてそれをぶつけた!
弱っていたところに激しい力を当てられ、魔物達は消し飛んでいく。二人は力を合わせて勝利を掴んだことに安堵した。
「やった……! これであとはフロアボスだけ、ですね」
「そうね……少し休んだら、先へ、進みましょう……」
 フォルテを労るように撫でるリンセと、その様子をどこか微笑ましげに見ているセヴァー。だが気を緩めてはいない。次の戦いが待っているのだ。

 他の仲間達もそれぞれ魔物を打ち倒しきったようで、武器を下ろしお互いを労っていく。
 皆はその様子に安堵しつつも、フロアの先にいるだろう強大な敵に思いを馳せていた。
 この迷宮を変質させたフロアボス。
 それを打ち倒すべく、猟兵達は迷宮の奥へ足を踏み入れていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『錬金術ドラゴン』

POW   :    無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:V-7

👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 書物の魔物を打ち倒した猟兵達は、迷宮の最奥へ足を踏み入れる。
 そこへたどり着いた猟兵達は、まず辺りの眩しさに目をひそめただろう。
 壁や床、まわりの装飾……全てが黄金に覆われていただのだから。

 そしてその黄金の中、強大な存在が姿を現す。
 金色に輝く鱗、その隙間から輝く宝石のような輝き。
 その眩い美しさでも隠しきれない凶悪な爪、牙、そしてぎらつく眼差し。
 フロアボス――オブリビオン『錬金術ドラゴン』が出現したのだ!

 このドラゴンは自らを強化する力を持っている。
 ここで打倒さなければ、より凶悪な存在となり人々を脅かすだろう。
 それを阻止すべく、猟兵達は戦いを挑んでいく!
一条・閃
錬金術ドラゴン……! どうやら此処で仕留め損なうわけにもいかんようでござるな!
ならばこの拙者、持てる技にてお相手するでござるよ!
ドラゴンの攻撃は回避の一手にござる。
上手く見極めて避けつつ、手裏剣を投げて牽制、刀で斬るでござる。
隙を見て刀魔忍法・斬魔刃で削っていくでござるよ。

とかく、今回の拙者の目標は敵の注意の引き付けでゴザル。
カッコいいところは皆の衆に譲るので、しっかり決めてほしいでござるな!


サヴァー・リェス
リンセ(f01331)と共に
「リンセも、気をつけて…」
勇敢な彼の邪魔にならない様、私は後退…
彼の攻撃に合わせ、【衝撃波】を、敵に、重ねる…。
そう、ね…効き目があるか不明だけれど…
【呪詛】や【恐怖を与える】【催眠術】技能も、試す…
「くろい、くろい。あなたは、さみしい、ドラゴンと思い込む、あわれなねずみ」
怯えて攻撃が鈍れば良い、けれど…
術で生み出された存在に、心はあるのか…無い、なら、寂しい。
でも、そう思う時では、なく…傷ついたリンセや私、他の味方…誰も倒れぬ様、ユーベルコードで癒し続ける…
リンセが敵を避けられる様、魔法陣で逃げ場がなくならぬ様、敵を観察し、動きを注意…
「リンセ、次は左に、避けて」


リンセ・ノーチェ
サヴァー(f02271)さんと一緒に戦う。
「うわっ、眩しい…目がくらまないように、気をつけて…!」
ユーベルコードで友達フォルテを呼び騎乗し、
サヴァーさんを守る様に前に出て、まず離れた所から精霊銃で敵を攻撃。
「頼むよ、極光の精霊!」
素早く【2回攻撃】…、過信しないけど【マヒ攻撃】を織り交ぜていく。
敵の爪は【見切り】を使い躱すんだけど、それでも魔法陣が刻まれる…
その上に敵を立たせない様に、魔法陣で僕達の逃げ場がなくならぬ様に、
サヴァーさんの注意も受けて避けていくよ。小さい分、スピードで勝負!
【フェイント】を使って、攻撃すると見せかけて敵の石像化を誘い、
その技を解いた瞬間に【全力魔法】を叩き込むよ!


ヴェント・ブラドーネ
これがフロアボスってやつかい?
流石に大きい、それに攻撃力も高そうだ。

こういう相手の場合、盾役って言うのも大事じゃないかな。

僕は何かを護るために造られた。
その魂はこの身に宿っている。

身を守るなら、僕の後ろに下がってくれればいい。

敵の眼前にトルナードで陣取って発砲して注意を引き付けたら
【無敵城塞】で可能な限り攻撃を凌いで見せよう。

さあ、来てごらん、ドラゴンくん。
僕がここから動かないのは、逃げ隠れする必要がないからだと
教えてあげよう。


シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、いいですね。いかにもボスです。
この黄金。いいですね、お宝があろうとなかろうと、心が躍ります。
……ちょっとくらいなら、貰ってもばれないでしょうかね?


黄金をちょっと拝借して、バラックスクラップで両手に手甲を装備。
さすがにサイズがサイズですからね、多少のダメージは覚悟して近づいて行きましょう。
手が届く距離に来ることができたなら、あとは【力いっぱい殴るだけ】。
「動かないでくださいね?当たらないので」
黄金に輝く鱗も、鎧砕き1が多少通じるはずです


ヨド・カルディヤ
黄金、宝石。美しきものの象徴ではございますが。
……真に美しく輝くは心の在り方のみ、と。思えてなりません。
ゆえに。
――醜い。そう、評させていただきたく。

とはいえども、相手が竜ともなれば……。
わたくしには小手先で翻弄する技術もなく。
取れる手段など精々が、この程度でございましょう。
(命削るに僅かも躊躇せず、【血統覚醒】。ヴァンパイアと化し、姿が20代ほどまで若返る【真の姿】。技能:覚悟)

それでは、幕引きの準備をいたしたく存じます。
カーテンコールは不要なれば。迅速に、退場いただきますよう。
(増大した膂力で以て、竜の肉体を穿たんと。これが次に繋がるならばと、被弾も意に介さず。技能:捨て身の一撃)




 黄金に輝くドラゴンを目にした時、その場に居合わせた猟兵達の反応は様々だった。

「錬金術ドラゴン……! どうやら此処で仕留め損なうわけにもいかんようでござるな!」
 まず声を上げたのは化身忍者の閃だ。彼は自らすべき事を考え、後ろに続く皆のために飛び出す事を選んだ。
「持てる技にてお相手するでござるよ!」
 そう叫び、ドラゴンへ向けて一直線。まずはドラゴンへ『刀魔手裏剣』を投げつける!
 黄金に輝く巨体は良い的となり、その身を削り取られていく。
 だがこれが本命ではない。閃は更に影縫いの小刀を投げつけた。
 このフロアは眩い光に包まれており、ドラゴンの影はそこら中に存在する。小刀は的確にその一つに突き刺さった。
 影を縛られたドラゴンは咄嗟に影から小刀を引き抜くが、閃はその隙を見逃さなかった。
「刀魔忍法・斬魔刃! 真っ二つになれでござる!」
 ユーベルコードの詠唱と共に『刀魔斬刀』が振り下ろされ、何本ものエネルギー刃が放たれる。
 手裏剣よりも強力な攻撃にガリガリとその身を削られるドラゴン。大きな苦悶の声がフロアに響き渡る。
「Grrrrrrrrrrrrrrrr!!!」
「まだまだ元気でござるな……! だが拙者の目標は敵の注意の引き付け。カッコいいところは皆の衆に譲るので、しっかり決めてほしいでござるな!」
 後ろへ続く仲間へ励ますような笑みを向けつつ、閃は更に攻撃を続けた。

 その後ろに続いたのはビーストマスターのリンセと親友のヒポグリフ・フォルテ。
 リンセはフォルテのために再び『奇跡の友』の呪文を詠唱すると、優しくフォルテを叩く。そして閃に続いてドラゴンの眼前へ向かい飛び上がった。
「うわっ、眩しい……目がくらまないように、気をつけて……!」
 ドラゴンの眩しさに惑いつつも、フォルテと後ろに続く仲間へ声をかけるリンセ。
 サヴァーさんも、他の皆も僕らが守る。そう思いを込めて、精霊銃『Aurora』の銃口をドラゴンへ。
「頼むよ、極光の精霊!」
 リンセは精霊の力を借りつつ素早くトリガーを引く。神秘の力で生まれた弾丸は、ドラゴンの鱗の隙間を縫うように傷をつけていく。
 またしても苦悶の声をあげるドラゴンだが、先程とは様子が違う。
「Aggggggggggaaaaaaa!!!!」
 ドラゴンは、怒りをそのままぶつけるように炎のブレスをその口から吐き出した!
「うわぁ!! フォルテ、大丈夫!?」
 激しい炎がリンセとフォルテを傷つけるが……。
「二人共、大丈夫……傷付いても、私が、癒やすから……」
 優しい歌声が二人を包み、傷をその場で癒やしていく。リンセの友人・シンフォニアのサヴァーによる『シンフォニック・キュア』だ。

「ありがとう、サヴァーさん!」
「リンセも、気をつけて……」
 友人と共に訪れた彼女だが、共に戦うのは彼だけではない。
 この場にいる仲間全ての支えとなるべく彼女は呪詛の準備を行う。
「くろい、くろい。あなたは、さみしい、ドラゴンと思い込む、あわれなねずみ」
 先程の歌声とは全く違う、相手を揺らす誘いの声。
 ネクロオーブ『くろのいのり』を通して響くその声で、ドラゴンは思わず戸惑ったような仕草を見せる。
 だがその戸惑いを振り払うべく、ドラゴンは大きな爪でサヴァーを斬り刻もうとしてきたのだ!
「サヴァーさんに怪我はさせません!」
 しかしその爪は彼女を攻撃することはなく、地面を抉っただけとなった。
 一瞬の間にフォルテがサヴァーを乗せ、上空へ退避したのだ。
 おかげで皆無傷で済んだが、その爪痕に錬金術の魔法陣が刻まれてしまった。
「ありがとう……この魔法陣を、あまり広げさせるのは、危険」
 術士として判断するサヴァー。次の一手を迷ったが……後ろからの気配に気付き、そちらのサポートへ回ることを選んだ。

 サヴァーが感じたのは激しいエンジン――宇宙バイクの音だった。
 それがフロアの入り口まで辿り着いたかと思うと……次の瞬間大きな音を立てて飛び上がっていく。
 バイクは無重力下にあるようにも錯覚するほど軽やかに飛び上がり、ドラゴンの前へ着地する。
 宇宙バイク『トルナード』で現れたのはパラディンのヴェント。
 彼はすかざす『テンペスタ』を発砲し、ドラゴンの注意を引いた。
 攻め手ならきっと足りているし、ここまで辿り着いた皆なら心配はいらない。ならば自分は自分に出来る事をしよう。
「フロアボスってやつは流石に大きい、それに攻撃力も高そうだ。だから――こういう相手の場合、盾役って言うのも大事じゃないかな」
 そう呟きながらヴェントは思案する。
 僕は何かを護るために造られた。その魂はこの身に宿っている。
 自分は武器だけれど、今は誰かを守るための力を。
 ユーベルコード『無敵城塞』を発動し、ヴェントは皆を守る壁となった。
 これでヴェントは動けなくなったが、それで良いと思っていた。
 さあ、来てごらん、ドラゴンくん。僕がここから動かないのは、逃げ隠れする必要がないからだと教えてあげよう。

 ドラゴンは超防御モードへ変身したヴェントを忌々しげに見ると、再び爪を振るう。
 もちろん今の彼にとってその程度はどうということもない。魔法陣が刻まれてはいくが、ドラゴンが直接そこに乗ることはないだろう。
 そして振り下ろされたドラゴンの腕を見逃さない者がいた。
『動かないでくださいね。当たらないので』
 輝くドラゴンの腕に、魔力の篭った拳のラッシュが浴びせられる!
 ガリガリと黄金や宝石が剥がれ、その場に散らばり……その破片はドラゴンを殴りつけた者へと吸収されていく。
「あぁ、いいですね。いかにもボスです。この黄金。いいですね、お宝があろうとなかろうと、心が躍ります」
 少し恍惚としたような声が響く。
 声の主は死霊術士のシノギだ。そしてこの攻撃は彼女のユーベルコード『力いっぱい殴るだけ』。
 今のシノギの腕は黄金で輝いている。フロアにあった黄金をバラックスクラップへと拝借していたのだ。
 確かにドラゴンは強大で凶悪。でもこの迷宮に黄金が眠っていたのもまた事実。
 戦って、勝って、宝を持ち帰る。
 私はシャニムニーの海賊なのだから、それらしいことを全力で。
 シノギは再びバラックスクラップの拳を構えると、何度も何度もドラゴンを殴りつけた。

 猟兵達の攻撃を喰らい続けるドラゴンは、我慢の限界が来たようだ。
 腕や体の痛みを堪え、大きく息を吸い込みだす。
 肺にあたる位置からゴポゴポと嫌な音がしたと思うと……体内の黄金や宝石を溶かして作った猛毒のブレスを吐き出そうとしてきたのだ!
 しかし、その毒は猟兵達の元へと辿り着くことはなかった。
 何故ならブレスが吐き出されるより先に、ドラゴンの顔面に矢のような一撃が放たれたからだ。 
「黄金、宝石。美しきものの象徴ではございますが」
 声の主は氷のような美しさを持つ女――『血統覚醒』を発動し、真の姿へと変身したヨドであった。
「……真に美しく輝くは心の在り方のみ、と。思えてなりません。ゆえに――醜い。そう、評させていただきたく」
 そうドラゴンへ言い放つと、吸血鬼としての膂力で再びドラゴンの身を穿たんと一撃を放つ。
 多少毒が触れても構わなかった。今の彼女は命を削ることに躊躇はない。
 仲間と、この学園の子らを守るべく駆けていく。
「カーテンコールは不要なれば。迅速に、退場いただきますよう」
 キラキラと崩れる黄金の破片に包まれつつ、ヨドは全力で飛び回った。




 六人の猟兵は、それぞれの全力を以ってドラゴンと戦い続ける。
 斬りつけ、翻弄し、歌い、守り、殴り、穿つ。
 一方でドラゴンは徐々に防戦へと徹していく。
 爪を振るう時は猟兵を傷つけることよりも魔法陣を刻む事を優先しだし、息を大きく吸い込む事もなくなった。
 終いには自らを黄金に輝く石像へと変身させ、猟兵達を諦めさせようとまでしてきた。
 しかし、それは猟兵達にとってもチャンスに他ならない。
 変身が解除される一瞬……それこそが最大の好機なのだから。

「……ッ! 今です、ここで攻撃を重ねれば!」
 その隙を伺っていたリンセが叫び、何度も精霊の力を叩き込む。
「ええ、ここで……仕留めましょう……」
 サヴァーが再び呪詛を込め、痛みに悶えるドラゴンを更に動揺させる。
「カッコいいところは皆に譲るつもりであったが……ここは合わせるでござる!」
 閃が全力で飛び込み、ドラゴンの傷口を何度も斬り刻む。
「大丈夫、ドラゴンが暴れても僕を壁にして! 皆は全力で!」
 ヴェントは体に強く力を込め、暴れるドラゴンから皆からを守る壁となる。
「フロアボスというのは厄介なくらい頑丈ですね……ですが、ここまでですよ」
 シノギが凄まじい勢いで拳を打ち付ける。彼女の腕はもうドラゴンの鱗よりも遥かに硬い。
「それでは……これで、幕引きでございますね」
 最後に、ヨドが再びその身を矢と化しドラゴンの首を貫く。
 血の色をした軌道を描き、自分の生命を終わらせるべく差し迫った危険に、ドラゴンは対処出来なかった。
 猟兵達の重ねた攻撃を浴び続けた身体は、眩い破片となってあたりへ飛び散った。

「Agg……gg……gaaaaaaaa!!!!!!」
 大きな口と首のぽっかり空いた穴から最期の叫びを吐き出すと、ドラゴンはその身を横たえる。
 そしてしばし痙攣すると……最後には動かなくなった。
 猟兵達は、錬金術ドラゴンに勝利したのだ。




 ドラゴンとの戦いを終えた時も、その場に居合わせた猟兵達の反応は様々だった。
 勝利を喜び安堵する者。お互いを労う者。戦利品の確保を始める者、本当に様々だ。
 迷宮の攻略に挑んでいた者も含め、生徒達に感謝の言葉を投げかけられた。
 そして猟兵達はそれぞれの場所へ帰っていく。
 こうして、アルダワ魔法学園の平和にまた一歩進んだことを感じ勝利を噛みしめるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月21日


挿絵イラスト