ネオ四駆レース 白熱のバレンタインレース
●バレンタインレース
アスリートアースにおいてバレンタインデーも大会のタネとなる。ネオ四駆レースも例外ではなく、『バインタインレース』なるものが開催されている。そして本来は男女カップルの為に開催された催しではあるが、
「兄ちゃん、こっちこっち」
「ママ、これはこれでいいかな？」
意外にも恋人以外の参加者を連れた参加者が多かったりする。そしてこの二人も恋人以外の参加者としてエントリーしていた。
「テェーゲルしゃま、早く早く！」
「アシュレイ、レース開始までまだ余裕はありますよ。そこまで急がなくても」
猫ピュアリィ『ワイルドキャット』の少女、アシュレイ・カーチスライト（見習い猫メイド・f39188）の呼びかけに虎人間のティーゲル・ホルテンマイヤー（虎執事・f27012）はやれやれといった様子で彼女を嗜める。
「勝負はしゅでに始まってるんでしゅ！」
だがアシュレイは興奮を抑えられない様子だ。
「仕方ないですね。着いたらお茶でも飲んで落ち着きましょう」
などと言ってはいるがティーゲルも自身の制作したマシンを走らせたいと迅る気持ちを抑えており、半ば自分に言い聞かせているようなものである。
「レースのルールのおさらいですが、ペアで走ったタイムの合計を競う。リタイアなど完走できなかった場合はレースで設定された足切りタイムを基準とする……」
「とにかく、あちきとティーゲルしゃまがトップになればいんでしゅね！」
「まあ、概ねそれで良いでしょう」
こうしてレース場へと向かう二人であった。
●技巧の虎
「アンタ、見ない顔だね」
「ええ。普段は普段は裏方でして」
レースが始まり、ティーゲルは並走するママさんレーサーから声をかけられる。
「そうかい。それにしちゃいい走りをするじゃないか」
「これは恐縮です。なにしろマシン弄りは趣味でして」
ティーゲルのネオ四駆マシンは黒を基調としていながら、虎柄カラーを所々にあしらい、どこか彼をイメージする見た目となっている。
「さあ『ジェントルタイガー』、その力を見せてあげなさい！」
ティーゲルがそう声をかけると、彼のマシン『ジェントルタイガー』の底からジャッキのようなものが飛び出し、飛び跳ねて目の前の障害物を越えて行く。
「面白い機能持ってるじゃない。それがマシン弄りの成果かい」
「まだまだ課題は多いですがね」
（機能を載せすぎてスピードに影響が出てますから、バランス調整か【タンク・オブ・スティール】のような能力が必要でしょうか）
他にも内蔵したギミックを使いこなし、ティーゲルの懸念とは裏腹に初参加ながら上位へと食い込むのだった。
●迷い猫、突進！
一方、アシュレイと愛機『ストレイトキャット』も他の参加者と競っていた。
「にゃにゃ！全然おいつけにゃい……」
「僕のマシンにはママの【サイドバイサイド・オーバーテイク】の力が宿ってるんだ。一回追い抜いたらもう追いつけないよ！」
そう自慢げに話す少年はストレイトキャットよりも速いスピードを維持しつつ、徐々に加速して引き離そうとしている。レースで特に有利とされるユーベルコードだ。
「みゅう、でもあちきだって！」
下手に加速しても向こうのスピードも上がって効果はない。【インフィニットゼロ】を使えば振り切れるかもしれないが、燃費を考え今回は積んでいない。
だが、半年前と違い屋敷の中や庭を走らせ経験を積んでいる。そして、新しいユーベルコードも編み出した。勝負は目の前に見えてきた直角カーブ。速度を落とさず突っ込むアシュレイ。
「正気か！？ ……くっ」
先行していた少年はユーベルコードを解除して減速。無難なコーナリングを見せる。一方でアシュレイは、
「今にゃ！ ぷにクッション！」
「な！？」
コーナーの外側に猫の肉球状のぷにっとしたクッションが出現。曲がりきれずにコーナーに突っ込むストレイトキャットはクッションに受け止められると、そのまま弾かれ加速。少年のマシンを追い抜く。
「にゃはは、お先〜」
調子づいたアシュレイはそのまま走り去って行くのだった。
●帰路にて
「にゃああ……もうちょっとで優勝が見えたにょにぃ」
「残念でしたね。あの時のクッションの出現位置が走行コースとズレなければ……ですが、初めてのレース場では上出来でしょう」
「お屋敷でだったら完璧に決まってたにょに！ 次こそは優勝するにゃ！」
優勝を逃したものの、次へと奮起するアシュレイを微笑ましく眺めるティーゲルであった。
●提案アイテム
アイテム名（仮）：ジェントルタイガー
種別：ヒーローカー、ガジェット等
説明：ティーゲルが改造を施したネオ四駆。状況に合わせて様々なギミックが発動する。
●提案ユーベルコード
UC名（仮）：ぷにクッション
参考UC：スターライト・エアリアル
レベル個の【肉球型のクッション】を召喚する。戦闘力は無いが極めて柔らかく、飛翔・クッション・ジャンプ台に使用できる。
成功
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