エンパイアの聖なる冬、強欲の海と共に
――サムライエンパイアのクリスマスマーケット。
元々和風の世界である為、規模は小さい。
それでも、グリードオーシャン等の他世界から神隠し等で来訪してきた者達が出店を開いている……そんな小さな集落の噂を九段下・鈴音(黒桔梗・f01929)は聞きつけた。
「妾も色々と世界を見てきたが……サムライエンパイアでのクリスマスというのは乙なものじゃのう」
青みがかった黒髪をツインテールを揺らしながら、涼音はその出店を見回っていく。
主にグリードオーシャン……侵略渡来人コルテスから始まったコンキスタドール――その正体は過去猟兵が一つ、四番目の猟兵『多世界侵略船団コンキスタドール』であった。
「まさか、猟兵だったとはのう……」
しみじみと『羅針盤戦争』を始めとしたコンキスタドールとの戦いを思い返しながら、涼音は様々な世界の様相が見て取れるグリードオーシャンの出店を見聞。
アルダワにダークセイヴァー、サクラミラージュにスペースシップワールド……様々な世界の文化を複合させた出店屋台のクリスマス文化が、そこにはあった。
「どうだいお姉さん、新鮮な海竜の串焼き肉だよ」
「新鮮、という辺り気になるが……まぁ、試してみよう」
元より店の人に薦められると断れない性格の涼音は、支払いを済ませて受け取った串焼き肉を頬張る。
すると、口に広がる脂身と肉のうまみ……それに加えて上質で新鮮な磯の香りが、食欲をそそる。
「お気に召したかい?」
「たっぷりと……隣は桜餅を売っているのか」
「お、どうです? サービスしておきますよ?」
そうして、サムライエンパイアにて開かれたグリードオーシャンから界渡りしてきた住民のクリスマスの出店祭りは恙なく進行していく。
その様子を、涼音は堪能するのであった。
成功
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