ロード・テルルの全人類汚友達計画!
●汚染された都市
千葉県八千代市。
日本有数の薔薇園で知られる美しい街は、しかし今は凄まじい悪臭の漂う汚染都市と化していた。
「うぅ……な、なに、この臭い……」
「うぇぇ……これじゃ、まともに飯も食えねぇよ……」
悪臭に顔を顰める人々。そんな彼らの前に現れたのは、赤いバラの形をした頭部を持ち、茨の鞭を携えたご当地怪人。
「おや? どうやら、まだ我々の仲間になっていない者達がいたようだな」
そう言うが早いか、ご当地怪人達は全身から謎のガスを噴出する。その臭いは、街を覆っている臭気を更に濃縮して強めたもの。あまりの臭さにガスを食らった者達は一瞬にして失神し。
「あ……ぁぁ……テルル……様……」
「ハイル、テルル! ジーク、テルル! ロード・テルル様、万歳!」
再び目を覚ました時には、虚ろな瞳のままにデモノイドロードへ忠誠を誓う操り人形になっていた。
●今日から貴方も汚友達!?
「うぅ……折角の綺麗な薔薇園が、地獄の臭気で汚染されてしまいそうです……」
年の暮れも近いというのに、色々な意味で最強にして最悪のオブリビオンが現れた。そう言って、目に涙を浮かべて語る咲村・菫(ハナの妖精さん・f43842)の話を聞くと、確かに色々な意味でヤバ過ぎる相手であった。
「サイキックハーツの世界では、ご当地怪人の頂点に『大首領グローバルジャスティス』という人が君臨していたんですけれど……その人が残した『ダークネス強化改造施設』を、オブリビオンが占拠してしまったんです」
ちなみに、大首領グローバルジャスティスはダークネスではなく、延命措置によって悠久の時を生きてきた人間である。そんな彼だからして、当然のことながら超能力は持ち合わせていなかったのだが、その代わりに様々な超技術によって、ご当地怪人達を支えていた。『ダークネス強化改造施設』も、そういった類のものである。
「事件が発生しているのは、千葉県の八千代市です。そこに残されていたダークネスの強化改造施設を、オブリビオンとして復活したデモノイドロード……ロード・テルルが乗っ取ってしまいました」
ロード・テルル。知っている者がその名を聞けば、間違いなく顔を顰めたことは言うまでもない。見た目は少女の外見をしたデモノイドロードなのだが、こいつは全身から凄まじい悪臭を放出し、しかもそれを吸った相手を問答無用で自分の友人にしてしまう。
現在、八千代市にはロード・テルルが全身から放つのと同じ『テルルガス』が蔓延しており、そこに住んでいた人々は大半がガスに汚染されてしまった。ガスに汚染されたテルルの友達……略して『汚友達』と化したエスパーは、未だガスを吸っていない者達に対し、積極的にガスを吸わせるよう襲い掛かって来るので性質が悪い。
「エスパーの人達には、普通の攻撃は通用しません。でも、私達の使う武器やユーベルコードで攻撃すると、今度は簡単に死んでしまいます」
洗脳を解くためには、ガスの効果を排除する手段が不可欠。もっとも、このガス自体がユーベルコードのようなものなので、生半可な浄化技能では焼け石に水。最悪の場合、気絶させるなりなんなりして、事件の元凶である改造施設を探した方が賢明だ。
「街にガスを散布しているのは、この街を故郷に持つご当地怪人ですね。薔薇の怪人さんだったはずなんですけれど……ロード・テルルに改造されたことで、悪臭を放つように強化されています」
それこそ、薔薇怪人ではなくラフレシア怪人と呼んだ方が正しい程に、全身から酷い臭気を放つという。彼女達が使うテルルガスの効果は本家本元より劣るため、猟兵にとっては恐ろしく臭いだけのガスなのだが……その臭さは本家同様に半端ないため、甘く見ていると吸い込んだ瞬間に気絶し兼ねない。
菫の話では、そのガスは下水道の水と腐った生卵を混ぜ合わせ、更に浮浪者の衣服と世界一臭い缶詰の中身をブチ込み、夏の公衆便所の臭気とスカンクガスを加えて100倍に濃縮したような臭いだという。もはや、あまりに色々と混ざり過ぎて逆に想像するのが難しいが、並大抵の臭さではないことだけは確かである。
「ロード・テルルは、施設で強化した薔薇怪人さん達を使って、世界中の人々を自分の汚友達にしようと考えているみたいです。もし、そんなことになったら……地球全土が、あの臭いで汚染されてしまいます!」
地球規模のスメルハザードが発生し、世界がオブリビオンの手に落ちるという最悪の事態。それだけは、なんとしても避けねばならない。そのためにも、まずは汚友達で溢れ返った街を駆け抜けて施設内に侵入し、ご当地怪人とロード・テルルを残らず全滅させる他にない。
「本当でしたら、私が施設まで皆さんをご案内できれば良いのですが……その……あまりに臭いが酷過ぎて、街の入り口までしか転送できないんです! ごめんなさい!!」
泣きながら頭を下げる菫だったが、まあそれが普通の感覚だろう。世界を汚染しようと企むデモノイドロード諸共に、少し早めの年末大掃除をした方が良さそうだ。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
年の暮れに、グローバルジャスティスの残した遺産によって、まさかのスメルハザードが大発生!?
放っておくと全世界に被害が拡散しそうなので、早めに片付けた方が良さそうですね。
●第一章(冒険)
テルルガスの汚染が広がる千葉県八千代市を駆け抜け、敵の本拠地を探してください。
現地では汚染による洗脳パンデミックが起きているので、邪魔をしてくるエスパー達は上手く避けるか無力化して行きましょう。
猟兵の武器やユーベルコードを使用した行動でダメージを与えると、彼らは簡単に死ぬので注意です。
●第二章(集団戦)
『八千代薔薇怪人』との戦いになります。
彼女達は全身からテルルガスを放てるよう強化されており、その匂いこそ至高の香りであると感じられるように改造されています。
●第三章(ボス戦)
『ロード・テルル』との戦いになります。
テルルガスの発生源でもあるため、彼女を倒せば汚染は自動的に収束します。
第1章 冒険
『パンデミック!』
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POW : 感染源を探しだす
SPD : 非感染者を見つけて逃がす
WIZ : 感染を止める方法を探す
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにない相手に対しても無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。
一般人がいる場合、恋人や配偶者がいないなら同士と決めつけて喜んで協力し、いる場合は敵とみなしますが一応事態を前進させる意思はあるので嫌々ながら爆破は我慢して助力はします。
元ヒキコモリで堕落しているので猟兵として身体能力上がってるにも関わらず(リア充を爆発させる事を除いて)体を動かす事は非常に嫌がりますが一応事態を前進させる意思はあるので嫌々ながら動きます。
●汚物はリアルに消毒したい!
年末年始ともなれば、街は恋人や家族連れで溢れ返る場所も多い。初詣の神社などは言うに及ばず、繁華街や観光地なども同じである。
そんな場所は、不破・静武(人間の非モテの味方・f37639)にとって忌むべき場所。彼の天敵であるリア充が跋扈する禁断の地であり、可能であれば速攻で街ごと爆破してやりたくもなる。
まあ、実際は爆破すると色々問題が生じるため、さっさとオブリビオンを倒して帰るのが吉だ。そういうわけで、まずは敵の本拠地を探るべく行動を開始した静武だったが……ものの数秒で、現場に漂う凄まじい臭気に鼻をやられ、ひたすら悶絶するだけだった。
「ぬぉぉぉぉっ! くっせぇぇぇぇっ! 鼻がひん曲がるぅぅぅっ!!」
風呂にも殆ど入らない自分の体臭を棚に上げ、静武は目に涙を浮かべて口元を押さえた。
いや、正直これは、風呂に入るとか入らないとかの問題じゃない。世界中の様々な臭い物の臭気が融合し、何十倍にも濃縮されたような匂いだ。この街に数秒でも留まったが最後、ゴミ屋敷が恋しくなる程の臭さである。
「おぉ……おろろろろ……」
殆どなにもできないまま、静武は盛大にお好み焼きをブチ撒けた。新年早々、最悪である。しかし、彼にとってより最悪だったのは、ガスに汚染されたカップルどもが、彼を仲間に引き込もうと近づいて来たことだろう。
「あら? あんなところに、まだ汚友達になっていない人がいるわ?」
「それはいけないね。僕達のように、テルル様の汚友達にしてあげないと!」
表情こそ爽やかだったが、彼らは完全に洗脳されていた。彼らは臭気にやられて動けない静武へと近づくと、彼女は口を、彼氏は尻をそれぞれ向けて、盛大にテルルガスをブッ放した。
「ぐっはぁぁぁぁっ!! おのれ、リア充どもぉぉぉっ!!」
リア充への怒りで辛うじて気絶することは防げたが、それにしてもこれは酷い。見た目は爽やかカップルなのに、あろうことがゲップとオナラで攻撃してくるとか、イメージブチ壊しではないか!
「ふんぬぅぅぅっ! こんなところで、負けてはいられねぇぇぇぇっ!!」
断続的に襲いかかる目眩と吐き気に耐えながら、静武は拳を握り締めて立ち上がる。そのまま彼女の方にラリアットを食らわせ、彼氏の顔面に鉄拳をブチ込むと、ガスの漂ってくる風上を目指して走り出す。
「ガスにやられてもリア充とか、マジで許せん! この汚染源、見つけ次第破壊してくれるわぁぁぁぁっ!!」
近づくエスパー達をブン殴りながら、静武はひたすら風上へ向かって駆けた。他の世界ならいざ知らず、このサイキックハーツの世界においては、通常攻撃は相手を殺すことはない。痛みだけは伝わるものの、怪我を負わせることも絶対にない。
ならば、むしろ遠慮なくリア充実を殴れると、静武は俄然やる気を取り戻していた。結局、汚染源を発見することはできなかったが、それでも多くのリア充……もとい、エスパー達を殴って気絶させたので、その後に訪れる猟兵達の露払いとしては十分役に立っていた。
成功
🔵🔵🔴
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です
ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです
ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●ゾンビにとっても拷問です!
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)は、見た目も性格も文字通りの『腐女子』である。彼女はリビングデッド……要するにゾンビであり、同時に性格はBLが大好きという女性である。
だが、そんなゾンビーヌにとっても、この街を覆う臭気は耐え難いものだった。なにしろ、死体の彼女にとってさえ不快感を与えるような空気が街全体を覆っているのだ。人間であれば数秒で失神、犬猫の類は速攻で卒倒して終わりだろう。
「うぅ……。汚ホモ達……もとい、汚友達を増やすガス……匂いが最悪過ぎてやってられませんわ……」
誰でも彼でも自分の配下にしてしまうだけでも厄介なのに、匂いまで酷いとかどうなっているのか。ふと、このガスで男と男がくっつけば……等と妄想が浮かんだが、残念ながらロード・テルルは女の子。彼女の配下にされ、友人以上の関係になったところで、それは薔薇ではなく百合であり、ゾンビーヌの興味の対象外であった。
(「……というか、報告だとガスを撒いているのは薔薇怪人だとか。これは薔薇の風上にもおけませんわね!」)
もっとも、ゾンビーヌにとって薔薇とは即ちイケメン男子同士の蜜月な関係を指すものであり、そんな薔薇を武器とする怪人が悪事に使われているのは、なんというか複雑な気持ちだ。薔薇の風上にはおけない……というよりも、さっさと風上を目指して進み、ガスの発生源を特定しなければ!
「おや? あんなところに、まだ人が?」
「ガスを吸っていないのかな? そういう悪い子は、僕達の力でお友達にしちゃうよ♪」
そんなゾンビーヌの前に、イケメンの二人組が颯爽と現れた。こんな状況でなければ、こいつらをネタに新たな妄想を炸裂させるところだが、今はそんな余裕もないわけで。
「えぇい! 鬱陶しいですわ!」
執拗に言い寄ってくるイケメン二人を茨の鞭で縛り上げ、ゾンビーヌはさっさと先へ進むことにした。ガスの発生源は見つけられなくとも、こうしてイケメンとイケメンを縛り上げて行けば、邪魔者を排除しつつ自らの妄想ネタを発掘できるため、なかなか一石二鳥であると。
成功
🔵🔵🔴
木霊・ウタ
心情
悪臭の依頼はちょいと厄介だけど
選り好みなんかしてられないよな
皆を元に戻して世界を守るためだ
やってやるぜ
行動
ワイルドウィンドで演奏しながら街を探索
鼻栓をしてるから鼻声だけど
まあイケるだろ
因みに鼻栓はないよりはマシだろうけど…
ってカンジだぜ
匂いを感知した瞬間
匂い分子を地獄の炎で焼却浄化して
出来るだけ和らげるようにする
ダメ元で出来るだけのことはしとかないとな
襲いかかってくるスローモーなエスパー達を
悠々と回避したり距離をとる
すぐ元へと戻してやるぜ
そんときゃ
また音楽を楽しめるようになってるからな
ちょいと待ってくれ
改造施設って見りゃわかんのかな
薔薇怪人の守りが硬いエリアを探せば
そこにあるだろ、多分
●悪臭は天敵なり
悪臭漂う敵との戦い。それは木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)にとって、正に天敵であると言っても過言ではなかった。
ウタの武器は音楽だが、当然のことながら歌を歌うには呼吸が不可欠。しかし、あまりに臭過ぎる環境では、息を吸うだけで臭気にやられて曲の演奏にも集中できない。
(「悪臭の依頼はちょいと厄介だけど、選り好みなんかしてられないよな……」)
それでも、エスパー達を元に戻すためだと心の中で呟いて気合を入れ直す。この状況下では、間違っても迂闊に声を出してはいけない。なにしろ、鼻栓をしているにも関わらず、自分の吐く息が上がってくる度に、微かに悪臭を感じてしまうのだから。
(「……っ! こ、これは、思っていた以上にキツイ……」)
敵の行動速度を激減させる曲を奏でながら街の探索を続けるウタだったが、エスパー達の襲撃を避けられる代わりに、自分の方が先に参ってしまいそうになっていた。匂いの分子を炎で焼却しようにも、焼いた側から新しいガスが漂ってくるため焼け石に水。あらゆる対策が気休めにしかならず、さっさと元凶の施設を見つけなければ頭がおかしくなりそうだ。
このままだと、臭さで意識を失うのも時間の問題。エスパー達は無視して風上を目指し歩くウタだったが、改造施設の場所に見当がつかない。悪の秘密基地だけに人目につかない場所にありそうだし、薔薇怪人の守りが硬い場所を探そうにも、まさか堂々と怪人が門番をしているはずもないだろうと……そう、思っていたのだが。
(「薔薇怪人……薔薇……も、もしかして……」)
ふと、薔薇怪人がご当地怪人だったことを思い出し、一か八かで街の外れへ向かって一気に駆ける。風上にあった場所、それは薔薇園。おかしな改造を施されたとはいえ、薔薇怪人が地元のパワーを愛するご当地怪人であるならば、自分のガイアパワーの源泉ともなる場所を離れるはずもなく。
「あっ! あった……うぶっ! つ、つい叫んじまったぜ……」
慌てて口元を押さえ、ウタは目の前の光景に絶句した。
薔薇園の薔薇から、全て謎のガスが噴き出している。改造されたのは薔薇怪人だけでなく、彼女達の愛する薔薇も同じだった模様。
その薔薇が元凶となり、今や街を汚染し尽くしている。このまま放っておいても害をもたらすのは間違いなかったので、ウタは改造された悪臭薔薇を、無言のままに焼き尽くした。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『八千代薔薇怪人』
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POW : 八千代ローズウィップ
自身の【全身】から【かぐわしき薔薇の香り】を放出し、戦場内全ての【彼女が認めない「美しくない行為」】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
SPD : 綺麗な薔薇にはトゲがある
【薔薇の棘】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
WIZ : 薔薇は美しく散る
自身が戦闘不能となる事で、【鞭で捕らえた】敵1体に大ダメージを与える。【薔薇の美しさ】を語ると更にダメージ増。
イラスト:シェル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●綺麗な薔薇は匂いが臭い!?
悪臭の元凶であった薔薇の花は焼き払われ、街を覆う空気は少しだけマシになった。
これで、放っておけば人々の洗脳も解けるだろう。もっとも、それを薔薇怪人が見逃すはずもない。
「ああ、なんということだ!」
「我らの愛する薔薇が……薔薇が!!」
自分の分身とも呼べる薔薇が焼き払われたことで、彼女達は怒り心頭。全身から凄まじい悪臭ガスを噴出しつつ、猟兵達の前に立ちはだかる。
「おのれ! よくも我らの愛する薔薇を台無しにしてくれたな! 許さんぞ!」
「ロード・テルル様のためにも、お前達は生きては帰さん!」
こちらに弁解する時間も与えないまま、薔薇怪人達は襲いかかってきた。正直、薔薇を台無しにしているのはロード・テルルの方な気もするが、改造とガスによって洗脳された薔薇怪人達に、こちらの言葉は届かないのだろう。
彼女達の戦闘力はそこまで高くはないが、直撃を食らった瞬間に失神間違いなしなガスをブッ放してくる攻撃には注意である。ユーベルコードでないとはいえ、こちらの動きを阻害するには十分な効果。引き続き、このガスをどうにかすることを考えないと、苦戦は免れないかもしれない。
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
ユーベルコードは指定した物か公開しているものを使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エリー・マイヤー(サポート)
フラスコチャイルドのサイキッカー × 寵姫です。
常に丁寧語で、あまり感情を乗せずに淡々と話します。
ユーベルコードは習得した物をどれでも使用し、目的達成のために全力を尽くします。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
***
ごきげんよう。
掃除が必要と聞いて手伝いに来ました、エリーです。
念動力が通用する相手なら、お任せください。
防御も攻撃も概ね念動力でなんとかします。
敵の攻撃を念動力で止めたり逸らしたり。
念動力で敵を掴んだり潰したり叩きつけたり。
まぁ、状況に応じてそれっぽく対応しますよ。
キャバリアは……まぁ、必要そうなら乗ります。
中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブで享楽的
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
鳳凰院・ひりょ(サポート)
アドリブ・連携〇
同伴者がいる場合は同伴者をサポートするよう行動
戦い方は遠近両用
接近戦→【破魔】を付与した破魔刀
遠距離→精霊の護符の【乱れ撃ち】
同伴者が苦手な方を受け持つ動きを取ります
単独で戦う場合は敵の苦手とする方での戦い方を主軸に
護衛対象がいる場合は自分の身を挺して【かばう】
負傷した者がいれば護符に【治療属性攻撃】を付与し、対象に貼り付けて応急手当を試み
仲間達に危害を加えるような行動は取らず
誰かを傷付けるくらいならば自分が傷付く方を選ぶ性格
(意外と熱血系の性格)
UCは味方の援護を主体に、戦況の維持・好転へと尽力
他に状況に合うUCへの変更及び演出としての複数UC使用可
MS様の判断にお任せます
●戦慄! 世界で一番臭い薔薇!?
グローバルジャスティスの遺産によって強化された薔薇怪人は、よりにもよって悪臭を放つ毒薔薇と化していた。
まあ、毒薔薇といっても、実際には酷く臭い匂いがするだけである。ただ、それだけなのだが……その匂いがあまりに酷過ぎるため、それだけで戦闘の邪魔になりかねない。
「ぐはっ!? こ、この匂いは……!!」
「うっ……! 冗談じゃない。ここまで品性のない薔薇は見たことがないね……」
陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)と鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)の二人は、思わず顔を顰めながら口元を押さえた。
こいつは臭い。半端なく臭い。自分達の知っている悪臭の中でも、この匂いは軍を抜いて臭過ぎる。口で呼吸しているにも関わらず、自分の吐き出す息が鼻にかかるだけで嘔吐しそうになりそうな臭さ! スカンクガスとかいうレベルじゃないぞ、これ!? 誰だ、こんな改造施したのは!
「……流石に今回ばっかりは、優雅に決めている場合ではありませんわね」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)も、もはや自分の戦闘スタイル云々よりも、早々に目の前の敵を片付けることだけを考えていた。彼女は既に副人格のシルヴァーナへと交代していたが、この場合はシルヴァーナに悪臭を押し付けたに等しいため、なんとも複雑な気持ちである。
「はぁ……。いくらなんでも、この空気は私にとっても地獄ですよ」
エリー・マイヤー(被造物・f29376)に至っては、早々にキャバリアを呼んで中に避難している始末。フラスコチャイルドの彼女は悪環境に強いはずなのだが、そんな彼女でさえもノーサンキューな匂いなのである。それこそ、ゾンビが自分の体臭を棚に上げて自壊する程の臭気であり、こんな匂いを嗅ぐくらいならば、サイキックエナジーを大量消費してもキャバリアの中にいた方がマシである。
「ホホホホ……どうやら、我らが高貴なる香りの前に、手も足も出ぬようだな!」
「大人しく屈するがよい、下郎ども! 覚悟!」
もっとも、そんな彼らの事情などお構いなしに、薔薇怪人達は攻撃を仕掛けてくる。仕方なく応戦する猟兵達であったが、臭いのせいで集中できず、どうにも旗色が悪い。
「この野郎! ぶっ飛ばしてや……っ!?」
「甘いわ! 我が高貴なる香りに平伏せ!」
まずは柳火が真正面から怪人をブン殴ろうとしたが、怪人の身体を叩いた瞬間、衝撃によって怪人の身体からガスが吹き出した。顔面にガスの直撃を浴びてしまい、柳火は思わず悶絶しながら転げ回る!
「うがぁぁぁぁっ! く、臭ぇ! 臭過ぎるぅぅぅっ!!」
肉体的ダメージというより、これは精神的ダメージの方が大きい。ガスのせいで薔薇怪人にとって好ましくない攻撃……この場合は、柳火の得意とする粗暴な戦法が封じられてしまったし、にゃんジュールで体力を補給しようにも、こんな環境で食べ物など口にしたら、その瞬間に吐いてしまう。
「オホホホホ! 次はお前よ! 悪いけど、私と一緒に地獄まで付き合ってもらうわ!」
続けて薔薇怪人は、ひりょに向かって薔薇の鞭を絡みつけてきた。咄嗟に刀で受け止めるひりょだったが、薔薇怪人の狙いは鞭でダメージを与えることではなく。
(「なにか来る!? ……今は目の前のことに集中だ!」)
臭さを堪え、ひりょが防御に専念しようとした瞬間、なんと薔薇怪人の身体が木っ端微塵に吹き飛んだ。盛大な自爆である。なんと、薔薇怪人は自らの命さえも投げ捨てて、ひりょを道連れにしようとしたのだ。
「あ、危なかった……って、さっきより臭くなってないか、これ!?」
なお、薔薇怪人は自爆と同時に周囲へ大量のガスを噴射したので、辺りは更に臭さを増していた。敵を倒せば倒すだけ臭くなるという、まさに悪臭無限地獄だ。
「うぅ……。このままでは、望まぬゲロインとして歴史に汚名を刻まれてしまいますわ……」
「……空調がイカれたみたいですね。あぁ……まったく、なんと鬱陶しい」
悪臭の濃度が増したことで、シルヴァーナの精神は限界寸前。エリーのキャバリアでさえも空調に支障をきたすとか、こいつらのガスはどれだけ臭いというのだろうか。
「オホホホホ! ロード・テルル様に授けられた、この力があれば我らは無敵!」
「行く行くは、我らが作り出した新種の『テルル・ローズ』を全世界にバラ撒き、世界をロード・テルル様のものにしてくれる!」
壮大かつ大迷惑な世界征服計画を叫びながら、薔薇怪人達はトゲを飛ばしてくる。このトゲは確率で相手を即死させる効果があるため、迂闊に近づけないのは面倒だ。
このまま持久戦に持ち込まれれば、それこそ臭いで全員がダウン。だが、焦ったところでトゲによる即死を食らっては元も子もない……と、思われたが、この中でエリーだけはトゲを気にせず行動できていた。
「即死トゲですか。まあ、キャバリアに乗っていれば、そんなものは効きませんが……」
そもそも生き物でないキャバリアに、生物を即死させるトゲは聞かない。お返しとばかりに、エリーはその辺の瓦礫やら農機具やらを念動力で持ち上げると、一斉に薔薇怪人達へと叩きつけ始め。
「フルボッコです」
とにかく、ありったけの物体を手当たり次第にぶつけて行く。さすがの薔薇怪人達も、これはどうにもできない。悪臭もトゲも通用しないとなれば、切り札を封じられているも同然なわけで。
「さっきはよくもやってくれやがったな! こうなりゃ、もう手加減なしだ!」
「こちらも同じくですわ。早々に焼却して差し上げましょう」
本気モードになった柳火が炎と氷のパーツを身に纏えば、シルヴァーナもまた槍を竜へと変えて薔薇怪人達に向かわせる。シルヴァーナ槍が転じた竜は、口から強烈な火炎を吐くと、周囲の空気諸共に薔薇怪人を焼いて行く。
「よ、よせ! 止めないか!」
「我々は植物……火は苦手なのだ!」
状況は一転して、猟兵達が有利になっていた。炎の吐息で次々と薔薇怪人が焼かれる中、柳火もまた炎と氷の力で薔薇怪人を追い詰めてゆく。彼女の攻撃は先のユーベルコードで封じられているはずだったが、それでも攻撃できたのは、その姿があまりに神々しかったからだろう。
「炎と氷、双方を兼ね備えた究極の形態ってやつだ。どうだ、美しいだろ?」
「な、なんと……。我らのユーベルコードに、真っ向から美で対抗してくる者がいようとは!」
どんな戦いでも正面からの真っ向勝負。何においても、そのポリシーを変えないのが柳火である。
燃え盛る紅蓮の拳と、全てを凍らせる絶対零度の拳が左右から薔薇怪人に襲いかかり、次々と粉砕していった。凄まじい温度差を前にしては、どんな堅牢な装甲でも脆くなる。ましてや、薔薇怪人は植物だ。炎に弱いのは勿論、冷気にも弱い。二重に弱点を突かれたことで、彼女達は反撃することもできないままに粉砕され、とうとう何人かはロード・テルルに助けを求めて逃げ出した。
「ひぃっ! こ、これはダメだ! テルル様、お助けを〜!!」
「悪いね。君たちを逃がすわけには……いかないんだ!」
逃げ出す薔薇怪人だったが、その先に待っていたのはひりょである。臭さを堪え、意識を集中させてからの居合一閃。薔薇怪人の胴体を見事に両断し、後に憂いを残さなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
木霊・ウタ
心情
可哀想に
悪臭ガスを至高と感じるとは
こいつらも犠牲者なんだな
倒すことで解放してやろう
戦闘
内なる炎を大剣として具現化
刀身に炎を纏った大剣を
思い切り横薙ぎに振るって
炎の剣風を周囲へと放つ
花弁や香り、ガスを吹き飛ばしたり
獄炎で焼却浄化する
もちろん薔薇怪人達も狙って炎風を叩きつけるけど
これは牽制だ
風と炎が渦巻く大気を切り裂いて
俺が爆炎の勢いも借りて既に間合を詰めている
獄炎纏う焔摩天をやや捻りながら振り抜いて
薔薇怪人達を炎の渦に巻き込んで
両断したり灰に帰す
直撃時のガスに対して
先と同様
臭気を炎で焼却浄化したり
螺旋を描く上昇気流で
上空へとガスを吹き飛ばすことで防ぐ
万が一吸っちまったら
体内のそれを瞬時に燃やして意識を保つ
どうせなら
ちゃんとした薔薇の香りのあんたらと
戦いたかったぜ
紅蓮に抱かれて眠れ
事後
とりあえず周囲の臭気が軽減したのなら
ギターで怪人らへ鎮魂曲を奏でる
海で安らかに
もし臭いままなら曲はお預けだ
テルルを倒すまで待っててくれ
ルナ・ステラ
美しい街が大変なことになっていると聞きつけて、(臭いのは嫌ですが)加勢に来ました!
ガス対策で【属性攻撃】風+【オーラ防御】で風のバリアを張ります。
また、【属性攻撃】氷魔法で凍らせてガスを放てないようにしながら倒していきます。
けっこう倒したと思うのですが…?
あれ?違う動きを始めました!?
(自爆です!?)
うぅ…風のバリアがあっても臭いが…
どうにかしないと―きゃあ!?
(鞭で捕らえらえました!?)
え?薔薇は美しいと思いますけど…
けほっ…ガスは美しくないと思います…
(酷い臭いです!速くどうにかしないと!)
臭いが充満する前に【高速詠唱】でUC発動し、鞭を切り拘束を解きます!そして、他の剣で相手を切ります!
●氷炎、悪臭を穿つ
改造によって強化された結果、その香りがラフレシアも霞む程の悪臭と貸してしまった薔薇怪人達。
彼らは人類の敵である以上、あまり同情の余地はない。だが、それでも木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は彼女達に憐れみの念を抱いていた。
(「可哀想に……。悪臭ガスを至高と感じるとは、こいつらも犠牲者なんだな」)
ご当地怪人のパワー源は、他でもないご当地愛より得られるガイアパワー。だが、今の薔薇怪人たちはガイアパワーに頼ることもなく、ただロード・テルルの配下として動くことだけに喜びを感じるようになっている。
恐るべしは、改造施設の改造と、なによりテルルガスの効果だろう。こんなものを、これ以上拡散させてはならない。戦いを長引かせるつもりはなかったので、ウタは先の花畑のように、一気に焼き捨ててしまうことにした。
「よし、行くぜ……って、あれ? 炎が出ない!?」
だが、勢い込んで仕掛けようとした矢先、ウタは自分の握る剣から炎が消えていることに気がついた。
いや、これは消えているのではない。最初から炎が出なかったのだ。ユーベルコードが不発となるなど、普通に考えれば有り得ない話なのだが……そのカラクリは、薔薇怪人達が全身から出しているガスにあった。
「オホホホホ! 我らが苦手とする穢らわしい炎など、全て封印してくれる!」
なんと、薔薇怪人達はガスと同時に薔薇の香りを発し、ウタのユーベルコードを含む、炎系の攻撃を封じていたのである。これが、封印系ユーベルコードの恐ろしいところだ。どれだけ実力差があろうとも、条件さえ満たしてしまえば指定した何かを完全に封じてしまうことができるのだから。
「くそっ! 剣だけで戦うしかないのか!」
迫りくる薔薇怪人達の鞭を、ウタは剣で斬り払って行くので精一杯。もっとも、強力なユーベルコードには、必ず代償が存在する。薔薇怪人達のそれにあるのは制限時間。時間を過ぎて使用するれば、彼女達は問答無用で命を奪われるため、延々と逃げ続ければ勝機はあると思われたが……それは、相手も承知の上だった。
「うぐっ! わ、私は……ここまでか……」
「後は任せろ! 次は私が相手だ!」
限界を迎えて倒れた者と入れ替わるようにして、新たな薔薇怪人がユーベルコードを発動させてくる。これでは、敵を全て倒しきるまで、ウタは炎の技が使えない。相手の使用する技を考慮せず、ただ攻めるだけを考えてしまったのは、完全にミスだった。
「お前達! そのまま力を使ったら無駄死にだぞ? それでいいのか?」
「笑止! 我らの命は、テルル様のための捨て石に過ぎぬ!」
ウタの言葉にも耳を貸さず、薔薇怪人達は一斉に鞭で攻撃を仕掛けてきた。さすがに、このままでは捌き切れない。多少のダメージは覚悟の上で身構えるウタだったが……次の瞬間、凄まじい吹雪が走り抜けたかと思うと、ウタの技を封じていた薔薇怪人を一瞬で氷漬けにして倒していた。
「おっ! ようやく炎が出たか」
調子を取り戻し、ウタは目の前の薔薇怪人を一撃の下に切り捨てる。だが、それにしても、先の吹雪は何だったのか。ふと、気になって顔を上げてみれば、そこには箒に乗ったルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)の姿があった。
「美しい街が大変なことになっていると聞きつけて、加勢に来まし……って、臭っ! なんですか、この匂い!?」
颯爽と登場して早々に、ルナは涙目になって口元を覆う。とてもではないが、まともに呼吸ができる状況ではない。慌てて風のバリアを張り臭気の侵入を防ぐものの、さっさと敵を倒さないと匂いで鼻がおかしくなりそうだ。
「サンキュー、助かったぜ! よし……反撃開始だ!」
炎の力を取り戻したウタが、次々と敵を倒して行く。薔薇怪人達も再びユーベルコードでウタの炎を封印しようとするも、そこはすかさず、ルナが的確に凍らせて行くことで、相手に主導権を握らせない。
「くっ……! このままでは、テルル様に申し訳が立たぬ!」
「えぇい! まずは、あの邪魔な女魔法使いをなんとかするのだ!」
苦戦の原因をルナの存在だと察した薔薇怪人達は、彼女に狙いを定めて行く。放たれた鞭が次々と伸びて箒に絡みつき、ルナのことを地上に叩き落とすと、今度は彼女のことを縛り上げてしまった。
「きゃぁっ! つ、捕まってしまいました……」
早く脱出しなければ、今に酷い目に遭わされそうだ。拘束を解く手段を模索するルナだったが、それよりも先に薔薇怪人が彼女の方へと突っ込んで来た。
「ハイル・ハルル! ジーク・ハルル! 薔薇よ、散り際もまた美しくあれ!」
「え? 薔薇は美しいと思いますけど……」
いったい、こいつは何を叫んでいるのか。丸腰で突っ込んでくる薔薇怪人にルナが訝しげな視線を向けた瞬間、薔薇怪人の身体が木っ端微塵に弾け飛ぶ。自分の命を捨てても相手を倒すという量産型怪人の必殺技……要するに自爆攻撃だ。
「……けほっ……ガスは美しくないと思います……」
爆発とガスのダブルパンチで、ルナ思わず咳き込んだ。爆風のせいで風のバリアも吹っ飛んでしまったし、このままでは遠からず臭気にやられてしまう。
「こうなったら……天体の力を授かりし剣よ敵を貫ぬいてください!」
縛られた状態では満足に動けないと察し、ルナは無数の十大天体属性の剣を召喚した。これらを降り注がせることで、薔薇怪人を鞭諸共にズタズタにする作戦だ。
「「ぎゃぁぁぁぁっ! おのれぇぇぇぇっ!!」」
千本は下らない数の剣が降り注ぎ、薔薇怪人が滅多刺しにされて行く。あまりに数が多いので、空を剣が覆い尽くし、薔薇怪人には逃げ場がない。
「よし、後は任せてくれ。悪臭も纏めて吹っ飛ばす!」
最後は、ウタが炎の竜巻を呼ぶことで、全てを上空へと舞い上がらせながら燃やして行く。周囲に拡散していたガスも、これで少しは緩和されただろうか。
「どうせなら、ちゃんとした薔薇の香りのあんたらと戦いたかったぜ……紅蓮に抱かれて眠れ」
灰と化して消滅した薔薇怪人達へ慰めの言葉を送るウタだったが、その表情は優れない。元凶のロード・テルルが今だ生き残っているため、悪臭は吹き飛ばした側から溢れ返ってくるからだ。
この様子では、しばらく歌はお預けになりそうだ。ルナもルナで、止めどなく溢れる臭いの前に、早くもメンタルが限界である。
「うぅ……。は、早く、元凶をやっつけて帰りましょう……」
街を救うまで、あと少し。しかし、その少しが物凄く遠く感じられてしまうのは、決して気の所為ではないのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『ロード・テルル』
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POW : 濃縮テルルガス
【人類には耐えられない悪臭の濃縮テルルガス】を放ちダメージを与える。命中すると【対象の生物のコントロール】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
SPD : 誰も私をいじめられない
全身を【テルルガスの塊】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : テルルガス拡散
体内から常に【人類には耐えられない悪臭の濃縮テルルガス】が放出され、自身の体調に応じて、周囲の全員に【「ロード・テルルに従う」】もしくは【「この場から逃げ出したい」】の感情を与える。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●絶対悪の少女
薔薇園の奥に進んで行くと、そこには地下に続く奇妙な階段が。明らかに、そこから匂いが溢れていることを察した猟兵達は、迷うことなく地下への階段を下って行く。
だが、進めば進むほどに増して行く猛烈な悪臭は、彼らの精神を早くも限界に追いやりつつあった。
とにかく臭い! 半端なく臭い! 今までの戦いも臭かったが、それが可愛く思えてしまう程の猛烈な臭さ! 地下ということも相俟って、充満した悪臭が情け容赦なく嗅覚を破壊しに来る!
そんな地獄のような地下を進めば、先に待っていたのは奇妙な機械の前に立つ少女。その身体から生えた円盤状の寄生体が、彼女がロード・テルルであることを示していた。
「あっ! あなた達ね、私のお友達を酷い目に遭わせたのは!」
こちらを見るなりロード・テルルが文句を言ってきたが、そもそも街の人間を強制的に洗脳して配下としていた者に言われたくはない。だが、彼女は悪の権化であるデモノイド・ロード。まともな倫理観など持ち合わせていないため、対話も説得も不可能な相手。
「どうせ、あなた達も私のことを臭いって言うんでしょ? ……許せない!」
勝手に決めつけ、勝手にキレる。まあ、臭いことに違いはないのだが、それにしても随分と身勝手でヒステリックな少女だ。リアルな人間だった場合、どう考えても地雷。関わったら不幸になるやつである。
まあ、そもそもデモノイド・ロードというのは『強大な悪』でなければなれない存在。彼女の場合、主に臭いが悪なのだが、それ以外にも悪の要素を色々と持っている。友達が欲しいなどと一見して可愛らしいことを言っているが、その先にあるのは自分をチヤホヤしてくれる者だけが存在する、彼女にとってのみ居心地の良い世界。そんな世界を作るために、他人の身体も心も平気で使い捨てるのが、ロード・テルルという少女の悪の本質。
オブリビオンとして復活した今、残念ながら彼女は灼滅者になることもなければ、ダークネスのまま改心することもない。地球全土をテルル・ガスで汚染するなどという碌でもない野望を阻止するためにも、この辺りでご退場願おう。
アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、可能なら末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。
正直状況とかよくわかってにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ殺すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。
基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれでぃー』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ殺おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」
サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎
基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね
効きそうな相手なら煽てて誘惑するのも手段かな♪
戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
アームドフォードを使用する場合はイラストからイメージをしてもらえれば
ユーベルコードは指定した物か公開しているものを使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す
■行動
ガラが悪くとも信心深いため戦う前に【祈り】を捧げる事を忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないまま行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローへ、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ
■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業、魔導書
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う
アドリブ連帯歓迎
●|闇《ダークネス》の天敵
グローバル・ジャスティスの残した改造施設。そこに救うロード・テルルを撃破すれば、街を覆う暗雲も晴れるはず。
事件の解決まで、もう少しだ。が、しかし、地下に充満する凄まじい臭気は、それだけで猟兵達のやる気を根こそぎ削ぐのに十分だった。
「取り巻き片付けて、ようやく親玉のところまで来た……けどよぉ……」
涙を堪えながら、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は呼吸をするので精一杯。先程の薔薇怪人も酷い臭いだったが、ロード・テルルの放つそれは雑魚怪人の比ではなく。
「に゛ゃぁぁぁぁ! くっせぇぇぇぇっ!!」
「ちょっ……! なに、この臭い!? マジで勘弁なんだけど!」
救援に駆け付けたアイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)とサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)に至っては、速攻で鼻を押さえて悶絶している始末。
「あなた達! よくも私のことを臭いって言ったわね! 許さないわよ!」
そんな三人に対し、盛大に逆ギレをかましてガスを噴射してくるロード・テルル。ただでさえ臭いのに、そこに本気のテルルガスなんぞ噴射されたら、それだけで阿鼻叫喚の地獄絵図!
「あがぁぁぁぁっ!! 鼻が! 鼻がひん曲がるぅぅぅっ!!」
「おい! マジで止め……うげぇぇぇっ! 死ぬぅぅぅぅっ!!」
ガスの直撃を食らったアイクルの思考は『この場から逃げ出したい』というものだけで塗り潰されて行き、柳火はあまりの臭気に卒倒して、そのまま肉体の自由を奪われてしまった。こうなると、もう頼りになるのはサエだけなのだが、彼女もまた凄まじい臭気にやられてノックダウン。このままでは、全員揃ってロード・テルルの汚友達にされてしまう未来しかない。
「はぁ……はぁ……。わ、私のことを臭いとかいうから、こうなるのよ!」
勝利を革新したロード・テルルは、改めて己の勝ちを宣言する。だが、それにしてはどうもおかしい。洗脳したはずの猟兵達は全く動き出さないし、アイクルもまたいつまで経っても逃げようとしない。
「あ、あれ? ガスの効き目が弱かったのかな?」
こうなれば、もう一度試すだけの話だと、ロード・テルルは更にガスを噴射しようとした。だが、今度はいくら彼女が頑張ってもガスが出ず、それどころか周囲の空気がどんどん浄化されているではないか。
「残念だったな、お嬢さん。そっちのガスは、全部対策させてもらったぜ」
気がつくと、そこにはギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)が立っていた。彼を中心に人がる光と風。それらはロード・テルルのガスを浄化して、完全に無効化しているのだ。
「あなたも私の邪魔をするのね。だったら、もっと強力なガスを出して……」
そう言って攻撃を続けようとするロード・テルルだったが、やはりガスが上手く出ない。そんな彼女に、ギュスターヴはサングラスの奥で不敵な笑みを浮かべながら、彼女の犯した最大の過ちを説いて聞かせた。
「……光とは即ち愛である。愛を遮るのは、一番やったらダメなやつだぜ?」
「は? なに言って……っ!?」
次の瞬間、ギュスターヴの投げた光の輪がロード・テルルの身体を真正面から切り裂いた。ガスしか武器のない彼女には、この攻撃を寄生体で防ぐのが精一杯。その能力の大半を悪臭と洗脳に回しているため、それらを封じられたロード・テルルは少しばかりタフなだけのデモノイドに過ぎないのだ。
「まあ、こちとら|灼滅者《スレイヤー》なんでね。ダークネスの技に対処するのは十八番なんだよ」
既にそちらのガスは封じたと、確固たる自信を持ってギュスターヴは告げる。
|光あれ《オールド・テスタメント》。戦場内を光と清浄な空気に満ちた世界に交換し、光を遮るものの存在を否定するユーベルコード。この法則に従わない者の行動成功率は激減するため、彼のユーベルコードを止めることは理論上ほぼ不可能となる。
ロード・テルルの発したガスの悪臭は、清浄な空気によって完全に置き換えられてしまっていた。新たにガスを出そうにも、目に見えて色が分かるテルル・ガスは、それ自体が視界を覆い光を遮る存在……つまり、ギュスターヴの課した制約に引っ掛かるのだ。
あらゆる面で、ギュスターヴはロード・テルルにとって天敵だった。ユーベルコードの性質もそうだが、なにより|灼滅者《スレイヤー》という存在として、完全に彼女を滅するための存在なのだから。
「うぅ……ま、まだ、鼻の奥に臭いが残ってやがるな。でも……」
「に゛ゃぁぁぁぁ! もう許さねぇぇぇぇぇ! ぶっ殺おおおおおおす!」
ガスがなくなったことで、まずは柳火とアイクルが復活した。特にアイクルは完全にブチキレており、もはや彼女を止められる者は誰もいない。それを見た柳火も全身に炎と氷のパーツを纏い、一気に巨大化して反撃開始だ!
「おらぁっ! こっちも全力で行かせてもらうぜ!」
「きゃっ! ちょ、ちょっと待って……あぐぅっ!!」
炎と氷の連続攻撃により、ロード・テルルは寄生体による防御も虚しくその身を粉砕されてしまった。慌てて無事な寄生体を集め、苦し紛れにガスを噴射しようとするも、今度はそこをアイクルが盛大にブン殴った。
「ええいうっとーしーに゛ゃっ!!」
相手の見た目が女の子だからといって容赦はしない。顔面にパンチをブチ込んで吹っ飛ばせば、その先に倒れていたのは未だ起き上がる様子を見せないサエだ。
「こ、こうなったら……あなた達! この子がどうなってもいいの!」
追い詰められたロード・テルルは、サエの首元に刃状にした寄生体を突き付けた。もっとも、無防備を晒しているサエに対してそのような行動を取るのは、知っている者からすれば死亡フラグでしかないのだが。
「残念。それはフェイクよ♪」
なんと、既にサエは意識を取り戻しており、彼女は気絶したふりをしているだけだった。意表を突かれたロード・テルルはサエの動きに対処できず、その身にUDC寄生体を放たれてしまう。途端に、彼女の体内でUDCとデモノイド寄生体が主導権を争って壮絶なバトルを開始し、ロード・テルルは内部からズタズタにされて行く。
「いやぁぁぁぁ! わ、私の……身体がぁぁぁぁ!!」
デモノイド寄生体が負けた箇所から、ロード・テルルの身体は無情にも崩れ出した。美少女の面影は既になく、彼女は崩壊する身体を支えながら、必死にUDCを体外へ排出して肉体を再構築するのが精一杯。
「お友達が欲しい……か。だったら、それこそ相手の気持ちってやつを考えないとな」
自分だけを理解しろという一方的な押し付けは、愛でも友情でもなく単なるエゴだ。それが理解できない限り、お前の望む未来はないと告げるギュスターヴだったが、彼の言葉はパニック状態のロード・テルルに届いていただろうか。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ルナ・ステラ
これ以上勝手はさせません!
さっきよりも風のバリアの強度と威力を上げて臨みます。
さらに【多重詠唱】で氷魔法を使い、臭いを吹き飛ばしながら凍らせます!
そして、得意な星の魔法で―うぅ…急に臭いが強く…
(ガスを一気に噴射!?)
もっとバリアの威力を上げ…きゃあっ!?
(バリアを凌いできます…?)
けほっ…こほっ…
(酷い臭いで身体に力が…)
(動けない間に近づいてきました!?)
やめてくだひゃいよぅ…ひゃあっ…
(ガスがまた…もうだめ…逃げ出したいです…でも!美しい街の復活を待っている人たちのためにも諦めないです!)
ピンチから脱却できるかもしれないUC発動です!
<うまくいったら>
今度こそ臭いを吹き飛ばして反撃です!
●ピンチの時こそ最大のチャンス!?
自慢の悪臭を浄化されてしまったことで、ロード・テルルは大幅に戦闘力を低下させていた。
これはチャンスだ。この好機を逃すべきではないと、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)は一気に攻勢に出た。
「これ以上勝手はさせません!」
風のバリアの強度を全開にし、情け容赦なく氷の呪文で周囲の空気諸共に凍結させて行く。悪臭の出所がガスであるならば、そのガスも纏めて凍らせてしまえば二度と再びガス攻撃などできないはず。
「……っ!? な、なんだか、急に臭いが強く……!?」
だが、ロード・テルルもまたガスを凍らされることなどお構いなしに、大量のガスを噴射して来た。これでは、凍らせても凍らせてもきりがない。ついには押し切られ、ルナはバリアに頼る以外にガスを防ぐ方法がなくなってしまったが、そのバリアさえも透過してくるほどに、ガスの濃度は濃密なわけで。
「もっとバリアの威力を上げ……きゃあっ!?」
ついには風のバリアさえ破られ、ガスを諸に浴びてしまう。こうなると、もう一気に戦意喪失は間違いない。
「けほっ……こほっ……」
あまりに酷い臭いで、身体から力がどんどん抜けて行く。いや、これは臭いだけが原因ではない。ガスに含まれる成分により、ルナの精神までもが侵され、とにかくこの場から逃げ出したいという衝動にかられているのだ。
「やめてくだひゃいよぅ……ひゃあっ……!」
間近で更にガスを浴びせられ、今やルナの精神は限界だった。
逃げたい。一刻も早く、この場から逃走して新鮮な空気を吸いたい。だが……美しい街の復活を待っている人々がいる以上、ここで諦めては猟兵の名折れ!
「しぶといわね。でも、もう終わりよ。次の攻撃で、あなたも私のお友達にしてあげる」
勝利を革新したロード・テルルは、いよいよルナに止めのガスを浴びせに来た。しかし、それこそがルナの待っていた最大のチャンス。危機的状況にある時こそ、彼女にとってはユーベルコードの威力を高めることができるのだから。
「危機を脱却できる天使の力をわたしにお与えください!」
次の瞬間、ルナの身体は光に包まれ、天使の姿へと変化した。しかも、それだけではなく羽から強化された光の矢を無数に放ち、ロード・テルルに凄まじい攻撃を浴びせて行く。
「なっ……! こ、こんなの、聞いてない!」
迂闊に接近していたことが災いし、ロード・テルルは瞬く間に全身を矢で貫かれて防戦一方。そこを逃さず、ルナは神聖魔法で更に追い打ちを加えて行く。
「一気に決めます! もう、臭いガスなんて出させませんよ!」
聖なる光がガスを吹き飛ばし、その勢いでロード・テルルの身体さえも吹き飛ばした。自慢のガスを封じられては、彼女は単なる少女の姿をしたデモノイドに過ぎない。反撃する術を失ったロード・テルルに待っていたのは、光の魔法による徹底した蹂躙であった。
大成功
🔵🔵🔵
木霊・ウタ
心情
何でもかんでも他責にしちまう輩か
哀れなやつだ
オブリビオンだから仕方ないけど
さっさと海へと還すぜ
…この匂いにも我慢ならないし、な
戦闘
地獄の炎を大剣として具現化
その刀身に炎を纏わせて
背中や脚の背面から噴出させた爆炎の勢いも借りて
テルルへ向って駆ける
当然ガスの中へと突っ込むことになるから
同時に獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払って
火の粉混じりの剣風や炎が生む風で
ガスを吹き飛ばす
勿論、次から次にガスが来るだろうし
何しろ地下の決して広くはない空間だ
吹き飛ばしたガスが
また近づいてくることもあるだろう
で、爆発
ガスが火の粉や刀身の炎に触れたからな
流し込まれた地獄の炎によって
ガスが次々と爆破されていく
爆風でクリアになった視界に一気に踏み込んで
焔摩天を一閃
両断したテルルの体を無尽に炎の線が走り
粉々に爆破して塵芥に帰していく
紅蓮に包まれて休め
事後
鎮魂曲の演奏は
地下から出て思い切り深呼吸してからだ
海で安らかに
…にしても酷い目にあった
シャワーを浴びないとダメなカンジだよな、これ
●やはり悪臭は好きになれない
猟兵達との連戦によって、ロード・テルルは既に満身創痍だった。
「うぅ……酷い……酷いわ。みんな、私のことを臭いとか言って虐めるのね……」
もっとも、ここまでされても何が悪いのかを自覚できない辺り、彼女の心に反省や良心といったものは欠片もないのだろう。そんなロード・テルルに対して木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が抱いた感情は、憎しみや怒りではなく憐憫だった。
「何でもかんでも他責にしちまう輩か。哀れなやつだ……」
オブリビオンだから仕方がないとウタは考えていたが、そもそも彼女は悪の権化たるデモノイド・ロード。その心はエゴや悪意、あるいは底なしの欲望などで満ち溢れており、オブリビオン化する以前から、彼女はどこまで行っても悪そのものなのだ。
まあ、どちらにせよ、さっさと倒さなければ再び部屋をガスで埋め尽くされてしまうかもしれない。先の戦いによってガスが吹き飛んでいる今が彼女を倒すチャンス。地獄の炎を大剣として具現化させ、ウタは一気に距離を詰める。
「ひっ! こっちに来ないで!!」
さすがに、この一撃は防げないと察したのか、ロード・テルルはガスの噴射でウタを退けようとした。これで大ダメージを与えれば、ウタの精神を支配することもできると……そう、踏んでのことだったようだが。
「……エンマヤ・ソワカ!」
なんと、ウタは自らガスの中へと飛び込み、そのまま炎を噴射してガスに引火させたから堪らない。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
爆発に巻き込まれ、ロード・テルルが盛大に吹っ飛ぶ。自分諸共にガスを爆破するなど、普通に考えれば自殺行為。
だが、己の肉体を炎で構築できるウタにとっては、この程度の爆発など大したダメージにもならなかった。元より、彼は炎に強いのだ。その特性をフルに活かしてガスを爆破して行けば、もはや後に待つのは一方的な展開でしかない。
「な、なんで……なんで死なないのよ!」
必死にガスを噴射するロード・テルルだったが、もはや虚しい抵抗である。爆風の中から飛び出してきたウタの大剣が彼女の目の前で振り下ろされ、彼女の視界が左右に割れるようにしてズレて行く。
「もう終わりだ。紅蓮に包まれて休め」
正面に溶断されたような跡を刻まれたところで、ウタは静かに剣を納めた。もう、これ以上は武器を振るう必要もない。その証拠に、ロード・テルルの身体には無数の亀裂が生じて行き、その全てから炎が溢れ出している。
「あ……ぁぁぁ……」
肉体を構築するデモノイド寄生体を内部からズタズタに焼かれ、限界を迎えたロード・テルルの肉体は、木っ端微塵に弾け飛んだ。これでは、いかに生命力の強いデモノイドといえど再生は不可能。己のエゴだけで街を汚染し、他者を操り人形にし続けた少女は、その報いを受けるかの如く、爆発四散させられた。
「…にしても酷い目にあった。シャワーを浴びないとダメなカンジだよな、これ」
戦いが終わったことを確信し、ウタは思わず自分の衣服の裾を摘んで臭いを嗅いだ。
うん、なかなかどうして、酷い臭いだ。予想はしていたが、完全にガスの臭気が染み付いており、それは髪や身体も同様だろう。
もしかすると、しばらくはこの臭気に悩まされるような日々が続くかもしれない。どちらにせよ、鎮魂の演奏は地下を出て、思い切り深呼吸をしてからにした方が良さそうである。
大成功
🔵🔵🔵