●復興途上の海の街にて
獣人戦線、北欧。
超大国の侵略による打撃を受けながらも獣人達は逞しく街を復興させ、日々を生き抜いている。
そんな復興を続ける街の一つに、少数種族であるシャチ獣人が多く住む港町があった。
規模としては小規模で人手不足に悩みながらも、海路なども活用して、少しずつ建物を修復して備蓄を蓄え直す彼らは前向きに日々を送っている。
――けれど、こんな前向きに生きようとする獣人達の街にも幻朧帝国の魔の手が迫っていた。
グリモアベース。
「サメだけじゃなくシャチもいるんだねえ……」
どことなく感慨深げに呟くのはシャチのキマイラであるヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。彼は集まった猟兵達に向き直り、今回彼が得た予知について説明を開始する。
「さて、今日の予知は獣人戦線の幻朧帝国に関するものになる。今回狙われてるのはヨーロッパ北部にある少数種族のシャチが多く住む港町だよ。今のところ猟兵に覚醒した者もいないシャチ獣人だけれど……先日サメで新しく猟兵に覚醒する獣人が出現してきたから、他の種族でも新しく猟兵が出現してくる前に幻朧帝国はその芽を摘もうとしてるのかもしれないね。向こうの作戦はいつもの如く逢魔弾道弾を街の重要な場所に設置して起爆、周辺一帯をまるごと逢魔が辻に変えて住民皆殺し、っていうものだからなんとしても設置前に止めてほしい」
要するにシャチの港街に幻朧帝国のエージェントが厄介な爆弾で破壊工作仕掛けようとしてるからやらかす前に発見して撃破してほしいのだとヴィクトルは簡単に纏め、予知の詳細について説明を移す。
「現在標的になったシャチの港町はゾルダートグラードの侵略で半壊した状態からの復興途上にある。ここのシャチは体格に恵まれた者も多くて寒い海水でも平気で長時間活動可能だったりするけど……如何せん人口が少なくて人手不足に悩んでる感じだね。瓦礫撤去とか建物の組み立てとかどこでも人手欲しいって感じ。あと糧食とかも保管含めて結構カツカツな中でやりくりしてるみたいだから色々支援物資とか喜ばれると思う。もし仲良くなれてたらエージェントとの戦いでも支援攻撃とかやってくれるかもね」
町や住人について説明したヴィクトルは、破壊工作を仕掛けてくるオブリビオンについても語る。
「それでこの町にやってくる幻朧帝国のエージェントは『海軍中佐・碓氷勇魚』……こっちもシャチで軍人のオブリビオンだ。能力は極寒の海に纏わるものが多いかな。戦場を極寒の深海環境に変えたり莫大な海水を召喚して操ったりしてくるから水中戦が苦手だとやり辛いかもしれないね。あと音波で索敵ついでに精神ダメージ与えてきたりもしてくるから何か対策しておいたほうがいいかもしれない」
そう説明したヴィクトルは首にかけた鍵を手にして、転送の準備を開始する。
「一朝一夕で覚醒するようなことはないだろうけど、目の前の悲劇はまず阻止しないとね。幻朧帝国の好きにさせるのも癪だし、悪いシャチはきっちり退治してシャチの街を守っていこうか」
それじゃ頑張ってね、とグリモア猟兵は話を締め括り、猟兵達をシャチの港町へと転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
シャチはいいぞ。
第一章は北欧にあるシャチ獣人達の海辺の街で復興のお手伝いをして下さい。
陸でも海でも活動できるようですが人手が根本的に足りていなくて復興に手間取っているようです。
第二章は逢魔弾道弾を設置しようとやってくる『海軍中佐・碓氷勇魚』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『復興作戦』
|
POW : 大量の資材を運ぶ
SPD : 育ちの早い作物の畑を作る
WIZ : 子供達と遊んであげる
イラスト:del
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リカルド・マスケラス(サポート)
『炊き出し系ヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
割と【料理】技能が必要なイベントなど得意。ジャンル的には大衆料理をとにかく量作る感じの得意。宇宙バイクで簡易キッチンセットなども引っ張っているので、そういうのを使って料理することもある。素材を余すことなく毒抜きなど行ったりすのも得意。
その世界での料理や行事などについても【世界知識】でカバーしたりできます。
また、食料に困窮した世界では【森羅穣霊陣】で作物を急成長させて食料を生産することも可能
自分の学んだ技術を現地民に伝えられる機会があればやりたい
●復興の前に腹ごしらえを
冬の寒さも厳しい復興途上のシャチ達の街。
過酷な環境はそこに生きようとする獣人達に容赦なく襲い掛かるが、そこに生活拠点を再び築こうとするシャチ獣人は前向きで解体や再建、生活の為の道具の修理などやるべき事に熱心にとりかかっていた。
けれど復興途上でやるべき事も多すぎて、人手はどうにも足りていなさそうだ。ひとりひとりが頑張っていても数の問題は如何せんどうしようもない。
そんなシャチ獣人達の街にやってきた猟兵は、彼らの復興作戦の手伝いを開始する。
「炊き出し系ヒーローの登場っすよ~」
青髪のどことなくチャラい雰囲気のリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)が行うのは”食”にまつわる手伝い。
彼が持ち込んできた|糧食《レーション》をはじめとしたこの世界で一般的に用いられている食材は、備蓄に悩むシャチ獣人達には大きな助けになるだろう。
さらに、
「ここに悪しきを払い、恵みをもたらせ!」
ユーベルコード【森羅穣霊陣】により荒れた畑に結界を展開、土地を浄化し豊穣の恵みをもたらして新鮮な野菜を即座に収穫できるようにしてシャチの農夫を驚かせる。
「ここならどんな作物も育ち放題っすよ~」
『おお、それは助かるな!』
そうにこやかに笑うシャチの農夫の反応に白狐の面の猟兵も満足、そのまま収穫できた食材を街の料理場に運んで持ち込んだ簡易キッチンセットの調理道具も活用して料理に取り掛かる。
リカルドが得意とするのは大衆料理、ダークセイヴァー仕込みの料理の腕前は食べる事さえできるならどんな食材でもちゃんとした料理に仕上げられる程だ。
「リクエストしてくれるなら、何だって作るっすよ!」
そう言いながら手慣れた手つきで次々にこの世界の獣人達に合わせた料理を仕上げていくリカルド、寒さと厳しい労働に疲れた体にもやさしい、温かで滋味に溢れた料理はシャチ獣人達にも大好評の様子。
(「にしても大柄な|獣人《ひと》が多いっすね~」)
料理を作りながらそんな事を考えるリカルド。最近猟兵になったサメは大体一般の二倍ぐらいあるが、シャチも大柄な者が多いように見える。
もしかしたらこの地方のシャチ獣人が種族の中でも大柄な者が多いだけなのかもしれないが、いずれにせよ彼らが大変な復興活動を続けるには結構なエネルギーが必要そうだ。
そんな彼らを支えられるだけの料理を作ろうと腕を振るうリカルドであった。
成功
🔵🔵🔴
天王寺・七海
シャチならお呼びという事でいいかしら??
ども、七海ちゃんなのね。
敵もシャチ…あちゃー。
まー、オブリビオンだしねー。
水中戦はもちろん得意なのね。
あ、これはPOWで。
この巨体とテレキネシス、ここで使わずにどこで使うかなのね。
瓦礫ももっていくし、建築材料ももちろん持っていくのね。
●海でのお仕事
そして海の方ではシャチーー獣人ではない、バイオモンスターな天王寺・七海(大海の覇者・f26687)という猟兵が大量の建築資材を筏に乗せて港へと持ち込んで来ていた。
「ども、七海ちゃんなのね」
巨体と海路を活かし、普通よりも随分多い量の資材を運んできた彼女の申し出にシャチの大工は大喜び。七海がシャチそのままの姿も階梯0や1の獣人が存在しているからか特に違和感もなく寧ろ友好的に受け入れられているようにも見える。
「こっちの瓦礫はまとめておくわねー」
そう言って七海は超大国の猛攻により破壊された海岸周りに積み重なった瓦礫の山へと近づくと、|念動力《テレキネシス》で持ち上げて解体し易いように瓦礫を崩し資材を下ろしたばかりの筏に積み込み運び易い場所へと移動させていく。
『凄い力だなー……俺達も頑張るぞ!』
シャチ獣人も頑張って解体作業をしているが、広範囲に渡って破壊された港は瓦礫や残骸で作業困難な場所だ。そこに直に触れずかつ大出力で作業を行える七海の手助けは大いに助けになる事だろう。
瓦礫を排除できて整地された場所から順番に港の再建が行われていく。ある程度の大きさの船を停泊させる事ができるようになれば復興作業もより効率よく行えるようになるだろう。
そこには当然七海が持ち込んだ建築資材も使われて、順調に進む作業を海の中から七海は気分良く見つつやって来る敵について思いを馳せる。
(「敵もシャチ……あちゃー」)
オブリビオンであるから仕方ないのだが、復興を頑張るシャチ獣人の街をシャチ獣人に襲わせるとかどういう邪悪な発想をしているのだろう。
ここのシャチ獣人達もそうだがやってくるエージェントも水中戦は得意だろう。この寒い海での戦いは過酷なものになるかもしれないが、
(「水中戦はもちろん得意なのね」)
そう自負するシャチのバイオモンスターはだからこそ縁が繋がったのかしらと考えつつ、復興に勤しむシャチ獣人達の要請に応えその巨体を泳がせその|念動力《テレキネシス》を存分に振るうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『海軍中佐・碓氷勇魚』
|
POW : 還らじの海
戦場が【味方不在で周囲にいるのが敵対者だけ 】の場合のみ発動可能。【莫大な北極海の海水を召喚、従属させる海王】形態に変身し、推進力・探知力・隠密力・破壊力が5倍になる。
SPD : 攻性反響定位
【頭部のメロン体 】から大音量を放ち、聞こえる範囲の敵全員を【座標と形状を把握した上で恐慌】状態にする。敵や反響物が多い程、威力が上昇する。
WIZ : 降り止まぬ雨よ、戦地を満たせ
【極寒の空気と共に熱を奪う北極の海水の雨 】を降らせる事で、戦場全体が【凍てつくような水温の深海】と同じ環境に変化する。[凍てつくような水温の深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
イラスト:うぶき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ヴィクトル・サリヴァン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●やってくるは悪しき鯱
シャチ達の街の復興は猟兵の手助けもありより順調に進みだしていた。
そんな中、海岸周りでまだ瓦礫が撤去しきれていない箇所で作業に勤しんでいたシャチ獣人達が、海の方から高速でやって来る何かの気配を感じ取り、視線を其方へ向けていた。
『なんだ? 知らないヤツだな……軍服?』
勢いよくやって来るその影に一人のシャチ獣人が即座に警告を発し、直後その影は勢いよく水面から飛び出して着地地点の瓦礫を派手に吹き飛ばした。
『……こんな場所でも努力しているのだな。そんな徒労は逢魔弾道弾で速やかに終わらせてやろう』
軍帽をかぶり直しながら勝手に憐れむかのような傲慢な言葉を、その軍服の『海軍中佐・碓氷勇魚』というシャチ獣人は宣った。
有無を言わせぬ一方的な物言いにシャチ獣人は一瞬戸惑う、けれども即座に敵だと判断して各々手近に備えていた武器を構え反撃の態勢を整える。
そしてそれとほぼ同時に猟兵達がこの海岸へ急行してきて、即座に戦闘態勢を整える。
『猟兵、我々の逢魔弾道弾の作戦を阻止する不届き者……排除してくれよう』
そう呟いた勇魚は銛を構え、邪悪に口の端を歪め戦闘の構えを取る。
荒れ始めた海を背にしたシャチのエージェント、相対するは逢魔弾道弾を炸裂させまいとするこの地のシャチ獣人と猟兵。
この地を守るための死闘が、今始まろうとしていた。
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
●魔の音色を破る鎖鎌の技
邪悪なる幻朧帝国のシャチ獣人『碓氷勇魚』へと真っ先に仕掛けていくのは白狐面を被った青髪の青年、リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)。
「正義のヒーローの登場っすよ~」
どことなく気の抜けた風な物言いながら動きは俊敏、足場の悪い海岸を身軽に駆け抜けつつ愛用の鎖鎌の分銅を放たんとする。
しかしその直前、鯱の頭部より甲高い音が周囲に響く。大音量のそれは敵対する者を恐慌へと陥れその座標を暴く為の攻撃的な反響定位の音。
空気中ですらその効果をもつ程の音量に、咄嗟に周囲にいたこの街の住民であるシャチ獣人達を結界を展開したリカルドでさえも脳を揺さぶられるような感覚と同時に言いようのない不安の感情が胸の内から溢れ出してしまう。
だがそんな恐慌に身をゆだねる訳にはいかない。救うべきこの街の人々の笑顔を思い浮かべながら、正義の|仮面《マスカレイド》はユーベルコード【四連黒死弾】を起動して、振り回す鎖分銅より呪殺弾を勇魚に向けて放つ。
悪しき鯱はその呪殺弾を手にした銛で打ち払い直撃を防ぐ。しかしそれは牽制、リカルドが勇魚の間合いに踏み込む為の前段階。
「ここはいっちょ豪快に行かせてもらうっすよ!」
そう言いながら本命の鎖鎌の斬撃を四連続で勇魚に叩き込むリカルド。忍者の技量と身体能力から放たれる連撃は全て当たれば致命となる必殺の技。
勇魚はその危険性を即座に見抜き防ごうとするが変幻自在の鎖鎌術による連続攻撃を完全には防ぎきれず、二連斬を胴に受けて軍服を汚してしまう。
『この程度では……!』
銛で薙ぎ払う勇魚に合わせリカルドは後方へ跳躍、距離を取って恐慌に陥ったシャチ獣人達のサポートに回りつつ次に仕掛ける機会を窺うのだった。
成功
🔵🔵🔴
マグラ・ユメノミヤ(サポート)
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
◆口調
・一人称は私、二人称は貴方。持って回ったような物言いで、敵にさえ敬語を用いるものの内容は悪辣
◆癖・習性
・コワモテに反してぬいぐるみや人形を好む
・苦痛を受ける度に気分が高まる性癖
◆行動傾向
・妻と部下をオブリビオンに殺された経験から生命の埒外に到達した悲しみの猟兵。胸中に渦巻くのは、復讐心と愛する者を護れなかった罪悪感……
・見えざる魔力のからくり糸で、凶器を仕込んだ球体関節人形を自在に操ってあらゆる試練に挑む。ダークセイヴァーを出自とするだけあって、そのスタイルは冷徹で老獪
・死霊術士であることから、魔導にもいちおう通暁している
鳳凰院・ひりょ(サポート)
アドリブ・連携〇
同伴者がいる場合は同伴者を支援するよう行動
戦い方は遠近両用
接近戦→【破魔】を付与した破魔刀
遠距離→精霊の護符の【乱れ撃ち】
同伴者が苦手な方を受け持ちます
単独で戦う場合は敵の苦手とする方での戦い方を主軸に
護衛対象がいる場合は自分の身を挺して【かばう】
仲間達に危害を加えるような行動はまず取らず
誰かを傷付けるくらいならば自分が傷付く方を選びます
任務に関わる人達の笑顔を取り戻す為に全力を尽くします
指定したUC以外への変更及び演出的なUC複数発動も可
采配はMS様にお任せします
狙えるならば『精霊憑依』からの『レベル×』有UCへ繋げ、大打撃も狙う
圧勝・苦戦からの勝利等、どんな演出も可
●北の深海へと塗り替えられ
猟兵により手痛い斬撃を喰らった幻朧帝国のシャチ獣人は、大きく息を吸ってユーベルコードの力を解放。途端に周囲に極寒の空気が吹き込み更に雨が降り始める。
ただの雨ではない。塩味のあるそれは北極海の海水であり、戦場全てを満たしこの地を凍てつくような深海の環境へと塗り替えていく。
(「冷た!? 水圧もキツイし呼吸も……」)
突如深海環境へと変化した戦場に人間の鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は即座に対応できない。
同じく戦場へとやってきていたマグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)という老人も急な環境の変化には対応しきれず、二人のその隙を狙ってエージェントは海水に満たされた領域を高速で泳ぎその銛で猟兵を貫こうとする。
しかし横から大きな影――この地のシャチ獣人が二人飛び込んできてひりょとマグラを抱え離脱、得物を穿てなかった勇魚は不満げに顔を歪め再び深海環境の戦場を高速で泳ぎ一旦二人から距離を取った。
救助してくれたシャチ獣人達に感謝をジェスチャーで伝えつつ、ひりょは思案する。
厄介なのはこの海水、この環境である限り適応している敵は自在に高速で動き回り対するひりょ達は動きを制限され不利な状況で戦わざるを得ない。
ならばと、この状況を打開する為にユーベルコード【固有結界・黄昏の間】を起動、するとひりょとマグラの周囲の海水が疑似精霊へと変換され、二人の周囲に巨大な泡のような空気の空間が出現する。
「場よ変われ!」
ひりょの言葉と共に彼の周囲156メートル範囲にドーム状の空間が形成されていく。海水には有機物が含まれるが水そのものは命無き無機物、つまりひりょのユーベルコードにより変換できる対象でもある。
火と風の精霊が温風を吹き込ませ残った冷気を和らげ、そして土と水の精霊が操る水流と巨岩が悪しきエージェントに襲い掛かる。
急な海水の消失に驚愕する勇魚、されどすぐに冷静さを取り戻して水の魔法で障壁を展開、なんとか疑似精霊たちの攻撃を凌ぐ。
そしてそこにマグラが仕掛ける。
彼が起動した【処刑操法「狂気地獄祭文」】により戦場に放たれるは見えざる魔導の糸、急な海水の消失にまだ対応しきれていない勇魚に命中したそれはまるで人形のように行動を支配下に置く事に成功する。
「十三秒、十三秒さえあれば"演"れるのです……!!」
当然勇魚は全力で抗いホームグラウンドである水中へと戻ろうとする。しかし熟練の人形遣いであるマグラは上手く力を受け流して勇魚を海水中へと戻させはしない。
そこにひりょが精霊の護符を放つ。火と雷の精霊の力を宿した護符をまともに受けたエージェントは巨体を震わせて、しかしその生命力で耐えきって水を操り魔導糸の支配から離脱、そのまま疑似精霊に支配された空間を脱して海水中へと飛び込んでいく。
「……中々の暴れ馬ですな」
13秒経過直前に支配を離脱され少々不満げなマグラ。されど二人の連携で十分ダメージを刻むことはできただろう。
周囲の深海環境を疑似精霊に変換し続けながら、二人の猟兵は追撃を仕掛けるべく現地のシャチ獣人達と共に幻朧帝国のエージェントを追うのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
高嶋・瑞希(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
戦闘開始と同時に「イグニッション!」の掛け声で武装を装着し戦闘状態へ移行します。
遠距離では結晶輪と氷霊手の「エネルギー弾」「誘導弾」で攻撃、近距離ではなぎなた、七支刀、アイスガントレットを使い分けて攻撃します。
敵の攻撃は「気配感知」「第六感」「霊的防護」「オーラ防御」「武器受け」で回避又は防御します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●北極の海よりなお凍てつく
降り注ぐ海水の雨の勢いは弱まり、この戦場を深海環境へと塗り替えていた海水が徐々に引いていく。
そんな状況で幻朧帝国のエージェントは元々あった海へと移動して戦況を仕切り直そうとするが、
「|起動《イグニッション》!」
凛々しき声が響くと同時に、満ち満ちた海水の中へと結晶輪が飛び込んでくる。
それは雪の結晶の形をした詠唱兵器、海水を凍てつかせながら海中を泳ぐシャチ獣人に襲い掛かったそれは銛で防ぎ弾かれたものの、攻撃手である高嶋・瑞希(雪女のストームブリンガー・f36313)という猟兵の手元へと戻っていく。
イグニッションカードにより既に武装を装着、戦闘状態へ移行した彼女とシャチのエージェントの視線が交錯する。
この場にいる全てが幻朧帝国のエージェントの敵、ならばと勇魚がユーベルコードを起動して海王形態へと変身し、周囲に周囲の莫大な海水が渦を巻いて彼に従属する。
従えた海水を周囲に纏いつつ跳ね上がった推進力で高速で泳ぎ始めた勇魚は海岸の瑞希へと向かい、更にそれに潜航して莫大な海水が津波のように瑞希へと襲い掛かる。
ユーベルコードにより召喚されたこの海水の量は普通には対抗できないだろう。しかし瑞希も猟兵であり、つまりは|対抗するための力《ユーベルコード》を有している。
「これはどうかしら!」
ユーベルコード【アイスグレイブ】を起動した瑞希の手に魔力を代償にした薙刀が創造され、向かってくる勇魚に向かって構える。
雪女である彼女の魔力より創られた薙刀は絶対零度の冷気を放ち、瑞希に水圧がかからぬように襲い掛かる海水を凍てつかせていく。
冷気により氷壁となった海水、それをぶち破りシャチのエージェントが高速で飛び込んでくるがその気配を読んでいた瑞希はオーラを纏わせた絶凍の薙刀で銛を受け流し、鮮やかに反撃の一撃を喰らわせる。
血飛沫が舞う。苛立たし気な声と共に深手を負ったシャチは海水を操りつつ方向転換、海へと戻り状況の仕切り直しを図る。
されど重なったダメージは大きくあと一押しで仕留め切れるだろう、そう思考しつつ瑞希は油断なく構え、追撃の結晶輪を放つのだった。
成功
🔵🔵🔴
天王寺・七海
色々と考えてるけど、今回は海神ポセイドン様に身を任せた方が良さそうなのね。
能力考えると、七海ちゃんでは無理があるみたいなのね。
だから、UC使用後は神の能力で突っ込んでトライデントがうなることになるのね。
七海ちゃんは意識落ちるから後はポセイドン様が何とかしてくれるのね。
●王には神の審判を
凍てつく北極海の海水渦巻く戦場で、シャチの天王寺・七海(大海の覇者・f26687)は自在に泳ぎつつ冷静に思案していた。
(「……今回は海神ポセイドン様に身を任せた方が良さそうなのね」)
敵と七海自身、色々能力を考えた結果自分だけでは無理がある彼女は判断する。敵の広範囲に響く音響は援護してくれるこの地のシャチ獣人達も攻撃範囲に巻き込んでしまい助けを借りるのも少々厳しいだろう。
この状況を突破しあの悪しき鯱の軍人を仕留めるべく、七海が起動するユーベルコードは【ポセイドン降臨】。
「海の神ポセイドン様お助けくださいませ」
その請願に応え呼び出された威厳ある海神の手には三叉銛、海に纏わる権能を有するかの神は一頭のバイオモンスターの願い通りにその身体を操り、得物の銛を寄り添わせるようにして悪しき鯱の獣人へと一直線に向かわせる。
『獣人……ではないな。惑え!』
幻朧帝国のエージェントは迫ってくる七海と海神に即座に反応、頭部より大音響を放ちその精神を恐慌に陥らせ行動を妨害せんとする。
しかしそれを受けるべき七海に意識はない。意識を落として肉体の制御を海神ポセイドンに委ねた彼女の速度は攻撃的な反響定位の直撃を受けたにも拘わらず落ちない――寧ろ海神の能力で加速して勇魚へと肉薄する。
至近距離に迫った七海、彼女の傍に寄り添っていたトライデントが突如加速し、放たれる。意識を落とした七海を介した|念動力《サイキック能力》で操られたそれは、エージェントの咄嗟の防御をすり抜けてその巨体を貫き勢いよく吹き飛ばす。
強烈な海神の三叉銛はシャチの軍人の胴に深々と突き刺さり、その口から大量の鮮血が噴出しオブリビオンの命脈は断たれた。
そして幻朧帝国のエージェントの巨体はその勢いのままに海の彼方へと吹き飛ばされ、海の生物の末路通りに|海に還った《消滅した》。
海神が離れ意識を取り戻した七海の元へ、離れた位置から援護していたシャチ達が泳ぎ近づいてくる。嬉しそうな超音波が海水を伝わって七海の頭に響き、そして勝利の超音波を返せばシャチ獣人達の歓びの音が海に響いた。
復興途上のシャチの街を狙う悪しきシャチ軍人の企みは粉砕され、後には誰一人死傷者のないシャチ獣人達、そして多少は後片付けの必要があるかもしれない港が残った。
これから先も彼らは復興に取り組み、また戦火に伴う困難が降り掛かってくるのかもしれない。それでもきっと逞しく乗り越え、生き抜いていく事を願いつつ猟兵達はグリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
🔵🔵🔵