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地下迷宮と罠と潜むモノ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●迷宮への誘い
「さて、猟兵諸君。迷宮に興味はあるかな?」
 グリモアベースにいる猟兵達に、ルシル・フューラー(エルフのマジックナイト・f03676)はそう話を切り出した。
「アルダワ魔法学園の学園の地下迷宮に潜ってきて貰いたいんだよ」
 オブリビオン――かの世界では災魔と呼ばれる存在は、蒸気機械と魔法で創造した究極の地下迷宮に封印された。
 その後、迷宮からの脱出を図る災魔と戦う生徒を育てる為、迷宮の上に作られたのがアルダワ魔法学園であるのだが。近年、迷宮に現れる災魔が凶暴化しており、学生達の手に負えないケースも増えてきている。
「今回は、迷宮探索中の学生達を襲うオブリビオンが居ると判明したんだけどね。襲われた場所が毎回違うんだよ。どうも奴さん、迷宮内部を徘徊して襲撃の機会を伺っているらしい」
 問題のオブリビオンを撃破する為には、蒸気機関のトラップだらけの迷宮の中を探索して敵を探し出さなければならない。
「地下迷宮は、常に形が変わるようになっているからね。その全容は判らないけれど、最初のフロアは老朽化した蒸気機関自体がトラップになっているよ」
 どこから高熱の蒸気が噴出してくるか、判らない状態だ。
「先に進めば、老朽化していないトラップも出てくるだろう。あの世界は魔法も発達している。蒸気機関とは違う種類のトラップもあるかもしれない」
 なお、件の迷宮の封鎖措置は既に取られており、生徒の立入は禁じられている。
 取り残された生徒がいない事も確認済みだ。
 敵の捜索とトラップの対応に専念できる状況は作られている。
「肝心のオブリビオンの正体だけど、情報がなく不明なんだ」
 もしかしたら、すぐにそれと判らないような姿形をしているのかもしれないと、ミゲルは続けた。
「さて。心の準備はいいかな? 転移先は迷宮のすぐ前だよ。なに。充分に注意すれば、トラップもオブリビオンも恐れる事はない筈さ」


泰月
 泰月(たいげつ)です。

 はじめまして。
 或いは、こっちでもよろしくお願いします。
 第六猟兵、はじまりました!

 1本目は、蒸気と魔法の世界の地下迷宮からお届けします。

 幾つかのトラップをなんとかして切り抜けて、最終的に(現時点では)謎のオブリビオンを発見、撃破出来れば成功になります。

 と言うわけで、まずは最初のトラップからです。
 1つ切り抜ければ、その先が見えてくる、予定です。

 まだはじまったばかり。
 判らない事も多いかと思いますが、気楽にダンジョンに踏み込んで頂ければと思います。
 ではでは、よろしければご参加下さい。
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第1章 冒険 『蒸気トラップ』

POW   :    トラップを正面から受け止める

SPD   :    トラップを華麗に回避したり回り込む

WIZ   :    トラップの構造を予測して解除する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エグゼ・エクスマキナ
ここは漢解除(女だけど) 罠があるなら発動させて踏み潰せば良いじゃない。
配管なんかを確認し、手にした巨大モンキーレンチ(大型メイス)で
地形ごと粉砕するよ。 
蒸気トラップって事はパイプがあちこちで破断したら
蒸気圧が下がって噴出量も熱量もがた落ちだよね。
さぁ、いざっ、エクスターミネーターソード!!(メイスです)発動!!


ライラック・エアルオウルズ
「地下迷宮に、正体が解らないオブリビオン。
 ……うん。想像がつかなくて、楽しそうだ」
表情は少しだけ楽しげに、でも気は引き締めて。
僕は正面突破、というのは物凄く向いてない。
かと言って知識もそれほどないけれど、
作家として想像力は豊かだからね。
「冒険小説では、こんな感じかな」
トラップを眺めて、構造を予測して解除しよう。
うん。後続や皆の為にも、ね。

もし、その間に敵が出た場合には備えて。
ユーべルコードで友人を呼べる様に、心がけようか。


シュトフテア・ラルカ
スピードをいかし斥候ととして慎重に進みながら周囲の観察、トラップを見つけたら仲間に報告、解除できそうであれば自分で解除、他の仲間で解除できそうになければ避けて通るようにする。
斥候中オブリビオンをもし見つけたとしても一人では戦わず仲間の元に戻るように心がける。
戦闘ではヒットアンドアウェイを念頭に、前衛を援護するように
「私はあなた達に従いましょう。上手く使ってください」
◆キャラクターとしては無表情だけど内心の心の動きの激しい丁寧語娘となります


舞音・ミケ
蒸気…蒸気が暖かそうだから来てみたよ。
外、寒いからね。何か月か前までは暖かかったのに、ね。

トラップ。
罠かもしれないところ。他と何かが違うところ。
他より熱いところ。妙な音がするところ。
媒介道具の石を握りしめて、集中・感知。
目も耳も良いからそれも活かすよ。
暖かいのは好きだけど、高熱は涙が出るかもしれないし、気を付けて動く。

あとはオブリビオン、だね。
もう生徒はいないから、猟兵以外のイキモノはオブリビオンだよね。
蒸気機関の一部に擬態してるかもしれないし、無機物も注意。
見つけたらサイキックブラストでびりびりにする。



ぷしゅっ、ぷすんっ。
 地下迷宮に踏み込んだ猟兵達を出迎えたのは、そんな蒸気の音が上下左右、そこかしこから断続的に鳴り響く通路だった。
「地下迷宮に、正体不明のオブリビオン。……うん。想像がつかなくて、楽しそうだ」
 なんて、ちょっと楽しんでいる様に言いながらライラック・エアルオウルズ(机上の友人・f01246)が踏み出した、直後。
 ほんの少し先の壁から、ぶっしゃーっと鼓膜に響く音を立てて、離れていても熱が伝わる程の蒸気が噴出した。
 どうやら、床も壁も天井にも蒸気の管が通っているようだ。
 先程の様に、どこかに力がかかれば、押された蒸気がどこかから噴出する。
(「こう言う時、冒険小説なら規則性なりの突破口をつけるもんだけど」)
 自分に正面突破は向いていない――そう自覚するからこそ、ライラックは作家の武器と言える想像力を働かせ、糸口を探そうとする。
 そんな時だった。
「罠があるなら発動させて踏み潰せば良いじゃない」
 エグゼ・エクスマキナ(エクスターミネーターソード・f00125)が、そうあっけらかんと言ってのけたのは。
「配管だらけなら、地形ごと粉砕すればいい! これぞ漢探知! さぁ、いざっ、エクスターミネーターソード!! 発動!!」
 漢探知といいながら女性だし、ソードと言いながら振り上げたのはどう見ても大型モンキーレンチ。
 この瞬間だけ見れば色々ちぐはぐなエグゼだが、その一撃の威力は確かだった。
 叩き付けた一点のみならず、その周囲をも破壊されている。破壊痕からは、ひしゃげて潰れたパイプが覗いていた。
「この手で行こうか? 解除するより早そうだし、後続の皆にも判りやすそうだ」
「なら、どんどん行くぞっ、エクスターミネーターソード!!」
 ライラックの一言を受けて、エグゼが巨大レンチを振り回す。
 ズッガーン! ズッガーン!
 と景気良く、迷宮の床を粉砕しながら進――。
「あ、何か妙な音がする」
 野生の勘が働いたか、舞音・ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)が言った、次の瞬間――ズズズズズッ。
 おや、鳴動。
 何かやばそう。
 その場にいる全員がそう感じるとほぼ同時に、壁と天井のあちこちから蒸気が大量の蒸気が勢い良く噴出した。
 漢探知真っ最中だったエグゼの姿が、蒸気に覆われる。「ひゃんっ」と言う悲鳴が蒸気の音にかき消されたのは、不幸中の幸いか。
 蒸気が収まると、そこら中のパイプが破裂した光景が飛び込んできた。
 どうやら、床のパイプと言う行き場を失った蒸気がその分壁や天井に周り、老朽化したパイプが耐え切れなかったようだ。
 まだ多少の蒸気は漏れているが、一帯の蒸気トラップはなくなったも同然。
「ふわぁ……やっぱり、蒸気暖かい。外寒いもんね」
 ミケがそんな暢気な事を言っているが、弱まった蒸気に温もっている場合ではない。エグゼの尊い犠牲(割りとピンピンしている)はあったが、道は拓けたのだ。
「私が先行して、斥候をしてきます」
 シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)がそう名乗り出て、迷宮の先へと慎重に進んでいく。
 1人になっても、シュトフテアの表情は変わらない。周囲を観察しながら進んでいると――何か音が聞こえてきた。
 ガシャーン! ガシャーンッ!
 音を立てていたのは、壁だった。
 勢い良く飛び出たり引っ込んだりしている。どこかから、シュポシュポと音も聞こえるから、これも蒸気の罠なのだろう。
 動く壁は右手側。通路は、正面と左に伸びている。
 あから様に左に誘導したがっている罠のようだが――。
 試しにシュトフテアが瓦礫を拾って左の通路に放ってみても、何も起こらない。
「左に行ってもすぐに危険はなさそうですが……あちらに進んでしまったら、戻るのは難しいでしょうね。戻りますか」
 何処に罠があるかも、オブリビオンがいるかも判らない。これ以上の単独行動はすべきではないと、シュトフテアは戻って仲間を案内する。
 次の罠は、動く壁。
 さて、どうするべきだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

無銘・サカガミ
策も無しに真っ向から突っ込もうとするのは、バカのやることだ。
余計な罠を発動させないよう素早く移動し、迅速に罠の突破を目指す。
仮に罠を発動させてしまったとしても、妖剣解放による高速移動で可能な限り回避する。


雨咲・ケイ
「地下迷宮って浪漫ですよね。ひとつ私も挑戦してみましょう」
動く壁にも動力機関があると考え、それを探しに向かう。左の通路に誘っているのであれば、あえてそちらに進み探索を行う。罠の動力機関を見つける事が出来たら、多少強引にでも力で破壊する。トラップにかかった場合は体術を駆使してダメージを最小限に抑える。オブリビオンに遭遇した際は『影の追跡者の召喚』を使用し、自身のダメージが深刻な状況でなければ交戦してみる。



ガシャーン! ガシャーンッ!
「地下迷宮って浪漫ですよね。ひとつ、私も挑戦してみましょう」
 そう呟くと、雨咲・ケイ(人間のクレリック・f00882)は、忙しなく出たり引っ込んだり動く壁に近づいてみた。
 動いている以上、どこかに動力源となる機関がある筈なのだ。もしかしたら、停止させる装置だってあるかもしれない。
 だが、壁も周囲もくまなく調べても、何も見つからなかった。
「動く壁の意図が、左の通路に向かわせる為なら、こちら側に解除の鍵となる機関を置く筈も無いですか。そうすると、曲がった先か、正面か――」
 動く壁を見ながら、ケイは思案する。
 壁に押されて左に行くのは難しくない。だが、突破するとなると話は別だ。
「突破すればいいんだろう? 俺が行こう」
 緑の目で動く壁の先を見据えて、無銘・サカガミ(「神」に抗うもの・f02636)が名乗りを上げた。
 勝手に動いている罠なら、動いて発動させる心配も無い。
 ただ迅速に突破すれば良いのなら――サカガミにはその手段がある。
「向こうでどうすれば良い?」
「停止装置の類があれば良いのですが。なければ、多少強引に破壊する事になっても仕方ないですね」
「心得た! ――妖剣解放!」
 サカガミが妖刀の怨念を体に纏う。
 寿命を削る怨念の力で得られるもの、その1つが高速移動!
 ガシャーンッと壁が引っ込んだところに飛び出す。再び壁が飛び出してくる前に、サカガミは壁の向こうに突っ切った。
「こっちには無いですね。そちらは?」
 殆ど同時に飛び出し壁が押す方へ進んだケイが、左側の通路から声を上げる。
「これか?」
 サカガミの声がすると同時に、プスンッと気の抜けるような音がして、忙しなく動いていた壁が一瞬止まり、ゆっくりと周りの壁と同じ位置に戻っていく。
 サカガミの手元には、目立つレバーがあった。

 動く壁のトラップを越えた猟兵達だが、謎のオブリビオンはまだ見つからない。
 いつ戦闘になってもおかしくないと気を引き締めながら、一行は迷宮の奥へと慎重に進んで行き――やがて、少し広い小部屋で大きな扉に当たった。
 扉を押しても引いても叩いても、びくともしないが、幾つかの何とも噛み合っていない歯車と、何かを嵌められそうな突起が付いている。
 そして、周囲の壁には大小様々な歯車が数え切れない程かかっている。
 組み合わせれば扉が開く――と言う事だろうか。
 次なるトラップは、歯車パズルのようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『パズルトラップ』

POW   :    可能性のある組み合わせを総当たりする

SPD   :    詳しく調べたり、鍵開け等の技能で解除する

WIZ   :    知恵を絞って、パズルの解除を目指す

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シュトフテア・ラルカ
まずは足を使って全体の構造を把握して学習するです。
パズルの構造をある程度把握できたら皆さんに走り回って得た情報を共有、解けそうな所を手助けするです。
鍵開けなどの技能あればよかったのですが…とにかく観察して見つけた違和感でどうにかするしかないのです。


エグゼ・エクスマキナ
「ふふふ、我が頭脳(フィーリング)をもってすれば
解けない謎などない。
全部試せば良いんだよっ。」

グッドナイス・ブレイヴァーを使用し、
パズルの様子と謎解きを中継し、
視聴者から応援やアドバイスを受けて
謎解きを効率化。

適当に何パターンか試してみた後、
方向性を絞り込んだ後は、試せるパターンを全て調べる。

当たるまで回せば当たるのガチャの如く。


ヴァーリャ・スネシュコヴァ
むー…なんだか難しそうだし面倒なものが…時間がかかりそうなのだ…。
こういう時こそ総当たり!勘でこれだと思う組み合わせをどんどん試していくぞ!うむ、この手に限るな!
そんなんじゃ余計に時間がかかるって? それじゃあもう、あとは運に任せるしかないな!とにかくやらなきゃ始まらない、だろう?



扉はひとつ。
 歯車たくさん。
 さて、どう攻めるべきだろうか。

 カチャカチャ、カチャカチャ。
 何やら部屋を駆け回るシュトフテア・ラルカの動きに合わせて、彼女が抱えた幾つもの歯車が軽い音を立てる。
 カチャカチャ、カチャカチャ。
 歯車をパズルのピースと考えるなら、それを集める事で、パズルの構造を把握できるのではないか――そう考え、シュトフテアは足を使って走り回っているのだ。
「むー……なんだか難しそうだし面倒なものが……時間がかかりそうなのだ……」
 一方、ヴァーリャ・スネシュコヴァ(一片氷心・f01757)は、歯車を嵌める軸がにょきにょき生えている扉の間で、ゴーグルを乗せた頭をコテンと傾げていた。
「ふっふっふっ。我が頭脳(と書いてフィーリングと読む)を持ってすれば、解けない謎などない」
 その隣で、エグゼ・エクスマキナが腕を組んで不敵な笑みを浮かべる。
「全部試せば良いんだよっ」
 そして、またまたあっけらかんとエグゼは言い放った。
 当たるまで回せば当たるさ精神!
 豪快な発想再びに、居合わせる猟兵達の何人かが驚き目を丸くする。走り回っていたシュトフテアの足も、思わず止まっていた。
「うむ、こういう時こそ総当たりに限るな! 勘でこれだと思う組み合わせを、どんどん試していくとするか!」
 だが、隣で聞いたヴァーリャはそれだと頷いている。
 たまさか、考え方が似ている脳筋と天真爛漫が、ここに揃っていたのだ。
「ええと……まずはパズルの構造を理解しようと、歯車を集めていたのですが。これでも全てではなさそうですが。それでも、全て、試しますですか?」
 抱えた大量の歯車を2人に見せながら、シュトフテアが琥珀の瞳を瞬かせる。
 いつの間にか、集めた歯車の数はちょっとすごい事になっていた。
「それじゃあこの集めて貰った分で、適当に何パターンか試してみるとしようか! そこから方向性を絞り込んで、試せるパターンを調べる」
 だが、その数に怯むエグゼではなかった。あと、全く考えなく全部試そうって考えているわけでもないようだ。
「よし。ならまずは……これとこれとこれだ!」
 そして、ヴァーリャも怯まなかった。
 ああでもない、こうでもないと2人で手当たり次第に歯車を適当に嵌めては、噛み合う噛み合わないと確かめる。
「あ、その歯車は……さっきのパターンで試して合わなかったものよりも、小さくないでしょうか?」
 学習力を活かし、試したパターンの記憶と言う形でシュトフテアもそれを手伝う。
 3人は、頑張った。
「これ、もう、あとは運に任せるしかないんじゃないか……?」
「ですが、小さ過ぎて使えそうない歯車を分別できたのは、収穫ですよ」
「方向性の絞込みは出来た、か……」
 疲れた顔になった3人が、一旦扉の前から離れていく。
 まだパズルの正解には遠いと言わざるを得ない。だが、使える歯車がある程度絞れただけでも、正解に近づいていると言う確信があった。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

無銘・サカガミ
歯車…ああ、こういう知恵比べは好きではないんだがな。
とにかく、調べてみないことには始まらない。歯車と窪みの形状を片っ端からよく確認し、はめ込めそうな歯車と窪みの組み合わせを探し出してみよう。
ただ、探し出しただけで全て噛み合わせられるとも限らないからな。念のため、他の者と確認しあいながらはめ込んでいくとしようか。

…全身が黒くなりはじめてないか、だと?
気のせいだろうよ。


泉宮・瑠碧
天然の洞窟や遺跡なら故郷の世界にもあった筈だが…
蒸気機関というものは複雑だな

目視でしか造りも分からないし、正攻法に「パズルの解除」でも試してみるか
…ただ、あまり大きな歯車を持つのは、若干腕力が辛い…いや、何でもない

最初から嵌まっている歯車をどちらに回すかだな
歯車から歯車までの間の突起の数と、どれがどちらに回るかで
間を繋ぐ歯車の必要数は大体絞れるんじゃないか?
その間の距離も見れば、大きさもある程度は目星が付くだろう

歯車の付近から先に埋めていくと
余白が分かり易いとは思うが…若干の差異はあるだろう
そこは一度嵌めてから微調整かな

あと、ベルトで繋いだ場合もあるからな
思いがけない逆回転には気を付けようか


アーネ・リンドヴァル
知恵を絞って、パズルの解除を目指します!
噛み合っていない歯車と突起の大きさや形状から必要になりそうな歯車を推測します。
壁にかかっている歯車の中から必要なものを選び、他の猟兵の方にも協力して貰って歯車を組み合わせて解除を試みます。



猟兵だって、得意分野、不得意分野はあるというものだ。
「お手伝いします。知恵を絞って、パズルの解除を目指します!」
「俺は、こういう知恵比べは好きではないんだがな」
 合流したアーネ・リンドヴァル(多重人格者のウィザード・f05831)が意気込む横で、無銘・サカガミが候補に残った歯車のひとつを摘んで、少し困ったように扉を見上げた
(「まだ全て噛み合うとは限らないからな」)
 仲間の頑張りで、使えない歯車があることも、その幾つかも選別までされた。
 それでも全部ではないだろうし、まだ問題がある。
 扉には歯車を嵌める軸しかないのだ。
「軸の位置にしか嵌められないことは判る。あとは、既に扉にある歯車の位置から、必要な大きさの歯車を探せば良いのだろうか」
 取っ掛かりが足りない――という様子で呟いたサカガミに、アーネが声をかけた。
「突起の大きさはどれも同じみたいですね。あとは、歯車の溝の大きさと形状も必要な歯車を推測して探すのに使えると思います」
「そうだね。歯車の溝からはいいと思う。あとは、最初から嵌っている歯車を、一度回してみたらどうだろう」
 蒸気機関の洞窟と言う、故郷にあった洞窟とは違う複雑な環境を物珍しげに見回していた泉宮・瑠碧(月白・f04280)が、アーネの提案に頷きながら追加の案を上げた。
「噛み合う2つの歯車の回転は逆になる筈だろう」
 右向きに回るものと噛み合うなら左向きに回る、と言う風にだ。
「ベルトで2つを繋いだ場合は同じ回転になるから、思いがけない逆回転が混ざる事もあり得るけれど。
 どれがどちらに回るか判れば、後は歯車と歯車の間の突起の数から、間を繋ぐのに必要な歯車の数と、大きさの目星は大体絞れるんじゃないか?」
 そう言いながら、瑠碧が扉の横のレバーをガコンと下げてみる。
 ゴガン、ゴンゴンゴン……と重たい音の後、回り出した歯車は扉中央やや下部に付いている、たった1つのみだった。
 つまり――。
「この歯車が起点となるわけだ。この付近から埋めていくと、判り易いかと思う。若干の差異は、嵌めて確かめながら微調整すれば良いだろう」
「そう言う事なら、探すべき歯車の大きさが判るな。この軸から、こっちの歯車と噛み合う大きさか」
「まだ試していない歯車の中に、使えそうな歯車がないか探してきますね」
 瑠碧の言葉に成程と頷いたサカガミの横から、アーネは駆け出そうとして――調べるべき歯車が3つ4つではない事を、はたと思い出した。
「もし良かったら、手伝ってください」
「む、俺か?」
 手伝いを頼まれたサカガミが何かを気にして僅かに躊躇う様子を見せたが、結局、琥珀色の瞳を真っ直ぐに向けるアーネに押し切られて歯車を取りに向かって行った。
「僕はここにある分から試すとするか」
 そう呟いて2人を見送りながら、瑠碧は胸中で、2人があまり大きく重い歯車を持ってない事を祈っていた。
 若干腕力が辛い――なんて、とても言えない。

 本当に、猟兵だって、得意不得意あるものである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ライラック・エアルオウルズ
「ああ。……うん。これは僕も得意分野だ」
豪快で頼りになる仲間の行動を思い浮かべれば、
思い切ってみるのも楽しそうだな、と思いつつ。
いや。いや。解除に専念しようかな、僕は。
「時計の中身を覗いた時を思い出すよ」
沢山の歯車たちを眺めて、集中して。
下手に嵌め込んで発動させれば大事だから、
手数は少なくあるように頭の中で先に大体組み立てて。
歯車を全て回る様に配置する類のものだろうから、
恐らくはそんなに難しくない はず。
ある程度解ければ、敵の潜伏には備えて警戒をしようか。

「なるほど。その解除法は想像してなかったよ」
もし仲間が解けば、興味深げに覗こう。
……新しい本のアイディアに、繋がりそうだしね。


舞音・ミケ
(さっき見た漢・トラップ・破壊を思い出す)
(手を固く握り、扉をごんごん叩いてみる)
…ここは知恵で切り抜けようかな。

(服代わりに体に巻いている布をナイフで切る)
切った布で嵌めるべき大きさを測って、それと合う歯車を探すよ。
歯の形が違うかもだから、噛み合うかどうかも気にしながら。

見付からなさそうだったら…
(着てる布を足元側からたっぷりとザクザク切って)
これで歯車同士結んだらどうかな。動力が伝わる様に。だめかな?
一つ飛びなら回る方向も…

……?? 足が寒い…なんで?



(「思い切ってみるのも、楽しそうだな」)
 豪快に総当りを試していた仲間を見ながら、ライラック・エアルオウルズはそんな風に思っていた。
 よぎった思いは、既に振り払ったが。新作のアイディアに残す程度にしておこう。
 今は、解除に専念するべきだ。
(「これは、僕の得意分野だろうからね。時計の中身を覗いた時を思い出すよ」)
 胸中で呟きながら、残る歯車を眺めて意識を集中する。
 ここまで、他の猟兵達の頑張りで、歯車の数は大分絞れた。
 動きの起点となる歯車も判り、その周囲の組み合わせも判明している。
(「組み合わせた歯車が全て回るように配置すれば良いのだから……」)
 だからこそ、ライラックは慎重に、手元で歯車の噛み合わせを確かめ、頭の中で歯車の組み合わせ方をシュミレートしていく。
 そして――。
「これで、後1つまでは……問題ない筈だよ」
 パチン、パチンと、歯車を軸に嵌めたライラックは、そこで思案顔になった。
 後1つ、最後の1つが、これと言う歯車が見つからない。
「これと、一番上のが繋がれば良いんだよね?」
 そこに、舞音・ミケが横から顔を出す。
「一つ飛びなら、回る方向は同じ筈だから……」
 そうブツブツ言いながら、ミケは何を思ったかナイフを抜いて――自分の足を覆っている布を、惜しげもなくザクっと切り裂いた。
「これで、歯車同士結べないかな? 動力、伝わる様にならないかな?」
「うん……そんな解決方法は想像してなかったよ」
 ミケが布を歯車に巻きつけるのを、ライラックが興味深げに覗き込む。
 ベルトの代用、いけるだろうか。噛み合わせは、大丈夫だろうか。
 とは言え、他にベルトの代用になるものも見当たらない。
 2人は顔を見合わせ、レバーに手を伸ばし、ぐっと引き下ろす。
 ゴガン、ゴンゴンゴン……一度試した時と同じ、重たい音。
 起点の歯車が回り出し、ガチリ、ガチリ、と噛み合う歯車が一つ一つ回っていく。
 ゴ、ゴゴゴゴッ――。
 さらに重たい音が響き出して、扉がゆっくりと持ち上がって行く。先ほど歯車を繋いだ布が、ギチギチと音を立てている。
 やがて――負荷に耐え切れなくなった布がブチンッと千切れるが、その時には扉は上がり切っていた。
 広がる安堵。
 再び道は拓けた。まだ、トラップがあるのだろうか。
 それとも、この先にいるのだろうか。オブリビオン。

 警戒しながら、進んでいく猟兵一行の先を――何かが横切った。
「何かが右に行ったよ」
 ライラックの言葉に全員頷いて、その後を追いかける。
 そして、そこにあったのは――。

 宝箱だった。宝箱に、見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ミミックロボット』

POW   :    トレジャーロボット
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【貨幣もしくは宝石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ゴーレムフォース
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【小型ゴーレム】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    フルスチームグラップル
【フルパワーでの掴みかかり】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:純志

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

舞音・ミケ
いま迷宮には生徒は残ってないから。
だから私たち以外で動くモノは…オブリビオン。

宝箱…さっき動いてたのコレ?
もっと布を切り出して箱のまま縛ってみる?攻撃してみる?

未知の敵はまず観察。じーっと。
爪、痛そう…
あの脚だと動いてるときの急な方向転換は難しそう。
正面からじゃなく回り込むように、そして隙あったら近付く。

出来る限り近付いて…サイキックブラストの電撃を流し込むよ。
機械っぽいし、高圧電流効きそうだし。
放っておくと何するかわからないから動き止めたいし。
…何か今、私のチカラの調子が良いし。

せんて、ひっしょう。

掴まりそうになったら相手の体を蹴っての脱出を試みる。
脚力、少し自慢。


無銘・サカガミ
………怪しい。明らかに怪しい。こんなところにわざわざ、「開けてください」と言わんばかりの宝箱。警戒するに越したことはないだろうよ。

もし目当ての敵だとすれば…戦うしかあるまい。
無機物の塊ならば、生半可な攻撃は通らない…だとすれば、狙うは脆い間接部分。
その隙を狙って、ナイフの一撃を食らわせよう。とどめは…まあ、他の奴に任せるか。


戦いが終わったらさっさと引き上げるとしようか。どうせ罠は全部罠は解き終わっただろうし、帰りは落ち着いて帰れるだろうよ。


エグゼ・エクスマキナ
戦闘前
迷宮、宝箱、罠!!
定番だな。
定番ゆえに我も定番を繰り出そう。
道中で破壊したトラップから
ドロップした(というか引き剥がしてきた)パイプからなる
これこそ定番10フィート棒!!

これで宝箱を軽くどつくわ。

戦闘突入

ゴーレムフォース対策で
ユーベルコード:
エクスターミネーターソード(と言いつつモンキーレンチ型の巨大メイス)を横に振るって 打撃を加えながら本体から引き離すように吹き飛ばすよ。


「斬り裂け!!(切れません)
エクスターミネーターソード!!(メイスです)」



迷宮に、宝箱。
「迷宮、宝箱、罠!! 定番だな」
 エグゼ・エクスマキナの言う通り、定番と言えるだろう。
 だが。
「宝箱……さっき動いてたのコレ?」
 ぢぃっと、舞音・ミケが宝箱を凝視する。
「………怪しい。明らかに怪しい」
 無銘・サカガミも宝箱に、警戒を込めた視線を向けていた。
(「こんなところにわざわざ、『開けてください』と言わんばかりの宝箱。警戒するに越したことはないだろうよ」)
 2人の警戒は、宝箱に罠があるのでは、と言う事ではない。
 宝箱、それ自体。
 ここには謎のオブリビオンが居る。そいつは何かに偽装してるかもしれない。そして、何かが動いたと思った先にあった宝箱。
 そこから導かれる推論は。
「いま迷宮に生徒は残ってない。だから私たち以外で動くモノは……オブリビオン。もっと布を切り出して、縛ってみる? それとも攻撃してみる?」
「いいんじゃないか。もし目当ての敵だったら、戦うしかないんだ」
 猫の尻尾をゆらりと揺らしたミケの提案に、サカガミがナイフを抜きながら頷く。
「定番には定番を繰り出そう」
 そこに、エグゼが何かを手にして進み出た。
「我が拾っておいた、これこそ定番10フィート棒!」
 どうやら、序盤の蒸気トラップ地帯で拾った配管のようだ。蒸気塗れになってる間に拾ったのかな。10フィートと言うには短いけれど。
「てい」
 宝箱をどつくには、長さは足りた。
 ガタンッ!
 どつかれ、飛び跳ねる宝箱。
 流石に――これ以上の偽装が無駄だと悟ったのだろう。

 ガタン。また跳ねる。ガシャン。宝箱が2つに割れるように、外側から開いてその中身が露わになる。
 飛び出てきたのは、5本の鋭い爪を持った巨大なロボットアーム。
 それを支える人型に似た胴体に、箱だった下半身の左右には金属の車輪。
 オブリビオン――ミミックロボット!

(「無機物の塊か……生半可な物理攻撃は通りそうにない……だとすれば」)
 硬そうな外殻の中から、斬りつける隙を伺うサカガミ。
「放っておくと何するかわからない。せんて、ひっしょう」
 その横から、ミケが飛び出した。
「爪、痛そう……でも、横からなら」
 走りながら敵の姿を観察し、ミケはミミックの側面に飛び出した。
 ギュルルッと片方の車輪を回転させ、その動きに対応するミミック。
「じゃあ、こっち」
 脚力を活かし、ミケは逆方向――最初にいた方向へ地を蹴って跳んだ。
『ギ!?』
 対応が遅れたミミックに、高圧の電気が爆ぜるミケの両手が向けられる。
(「何か今、私のチカラの調子が良い気がする」)
 放たれた高圧電流が、ミミックの体を這い回る。
 だが、ミミックは感電しながらも機械の腕を伸ばし――迷宮の床に突き立てる。
「間に合うか――!」
 引き離そうと、エグゼが巨大なモンキーレンチを振りかぶって飛び出した。
 ミミックロボットは、周囲の無機物と合体し巨大化することが出来る。そして、蒸気機関の迷宮は、それ自体全てがミミックの素材となる無機物だ。
「ロック解放!! 斬り裂け!! エクスターミネーターソード!!」
 エグゼが横殴りに叩き付けたのは、相変わらずどう見てもメイスです。切れません。
 そして、その時にはミミックロボットの姿は2倍に膨れ上がっていた。
 メイスの一撃で半壊した腕を、ミミックが振り上げる。
「させるか」
 そこに、サカガミが飛び込んだ。
「巨大化した分、関節は狙い易くなったな」
 ミミックが伸ばす機械の腕の関節――人間で言えば肘の裏に見える部分を狙って、ナイフを素早く振るった一撃を叩き込む。
 ガキンッと鈍い手応え。何かが斬れた感覚は、あった。
(「……まあ、あとは任せるか」)
 そのままミミックの脇を通り過ぎながら、サカガミは残る猟兵に視線を向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

雨咲・ケイ
「なるほど……、宝箱の姿をして冒険者を騙すアレですね。
では、これは如何ですか?」
敵のフルスチームグラップルに警戒しつつ間合いを詰め、
敵の懐に飛び込む事が出来たらサイキックブラストで攻撃して
目潰しを狙う。
「これは、ちょっと面倒ですね……」
敵が小型ゴーレムを召喚したら、そちらを優先して気絶攻撃を狙っていく。
小型ゴーレムが複数召喚された場合は、気絶した個体は後回しにして弱っている個体から潰していく。
「おっと、やらせるわけにはいきませんよ」
敵が無機物との合体を試みようとした際は味方に注意を促しつつ、敵の移動を遮るように動く。


ライラック・エアルオウルズ
「見間違いだとも思ったけど、これは……」
中々に凶悪な見た目だと、身構えて。
宝箱の中身は宝石であって欲しいものだけど、
今だけは其れが近くに無いことを祈ろうか。
合体、されたら厄介だし。
……うん、宝石と紙幣が有れば遠ざけよう。

後続の為に動き、封じられたりしたら良いんだけど。
現状の僕は確実に削るしか出来ないから。
『奇妙な友人』で友人を呼んで、攻撃を仕掛けようか。
「作家は人の助け無しでは生きていけないからね」
詠唱に応えて直ぐ様訪れる友人に僅か瞳を細めて、
敵を指先で示してナイフと炎で攻撃を。
相手の攻撃に備えて出来る限り避ける様に、
仲間にもいざという時は危険を知らせよう。

(詠唱内容は省略可)



「なるほど……、宝箱の姿をして冒険者を騙すアレでしたか」
「見間違いだとも思ったけど、このサイズになると……中々に凶悪だね」
 続けて、雨咲・ケイとライラック・エアルオウルズがミミックの前で身構える。
「これ以上、合体されて巨大化されるのは避けたいですね」
「宝箱の中身は宝石、金銀財宝であって欲しいものだけど。今回は、それが近くになかったのは僥倖だね」
 だが、2人の警戒を他所にミミックはその腕を、爪を、今度は猟兵達に向けていた。
「おっと、そうきますか。では、これは如何ですか?」
 ミミックに掴みかかられる前に、ケイが両手に電撃を溜めて飛び出す。
「さっきも感電は効いてたみたいでしたし。巨大化した分、追加です」
 ケイの両手から放たれる、高圧電流。
『ギ、ガ……』
 二度目の電撃による感電に、ミミックの巨体が明らかに鈍る。
「Knock,Knock,Knock,――夜が訪れ、貴方は訪ねる」
 ああやって敵の動きを封じる事が出来たら良かったんだけど、なんて思いながら、ライラックの口は『奇妙な友人』――親愛なる友人、の霊を詠ぶ言葉を紡いでいた。
 ないものねだりをしても仕方がない。現状、ライラックにできる事は、友人の力を使って確実に削る事。
 応えて直ぐ様現れる友人に、ライラックは僅かに紫の眼を細める。
「良く来てくれたね。アレが、敵だ」
 ライラックが示した指の動きに、友人が応える。
 夜のナイフが放たれ、カンテラの炎が爆ぜる。
 ズンッと地響きを立てて、ミミックの巨体が迷宮の壁に倒れこんだ。

 すぐに起き上がるかと、身構える2人。
 だが、ミミックは壁に倒れこんだまま――その目と口が光を放ち出した。
 ゴーレムの体で明滅する光と同じ色の輝きが、その前の空間に幾つも現れる。輝きの中から現れたのは、小型ゴーレム!
 その全ての個体の額には『1』と数字が刻まれている。
「僕の友人に対抗する気かな?」
「これは、ちょっと面倒ですね……」
 全て合わせると1人では両手でも余るほどの小型ゴーレムの群れを前に、ライラックとケイが身構えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シュトフテア・ラルカ
ようやくトラップを抜けたのです…。長かったですが、ボス戦、なのです。
ジャンプしながら走り回り、援護しつつ戦闘区域の状態、ボスがどのような攻撃をするのかの学習(技能学習力)にまずは務めるです。デバイスの解析で(技能第六感)でなにかに気づければよいですが…。
前衛の方々の後ろから援護(技能援護射撃)して狙い撃つ(技能スナイパー)です。
とにかく手数で(技能二回攻撃)動きを阻害してみんなが戦い安いように気をつけるです。ここまで来たら押せ押せなのです。
ゴーレムフォースによる小型ゴーレムを見つけたらユーベルコードを発動し、更に手数を増やして片付けるです。



「ここは私にお任せ下さいなのです」
 小型ゴーレムに、時間を与えない方が良い。
 第六感でそう感じたシュトフテア・ラルカが、進み出る。
 今までは援護射撃に徹していたが、ここまできたら押し切るのみ。
「手数で来るなら、こっちも手数なのです。数撃ちゃ当たるのです」
 ――殲滅コードNo.8。
 複製された『あれにえくん』がシュトフテアの周囲の空間にずらりと並んだ。
 その数、13個。
「蜂の巣にしてやるのです」
 念力で同時に操作された13の銃口が、其々に魔法力を撃ち出した。
 飛びかかる間もなく、撃ち抜かれる小型ゴーレム。
 だが、元々、あれだけあっても小型ゴーレムの方が多かった。
 撃ち抜かれず残った小型ゴーレムが、飛び出――。
「もう1発なのです」
 技能を駆使した第二射。
 再び火を噴く13の銃口。
 だからこその、数撃ちゃ当たる。
 シュトフテアの周りから、複製の銃口が消えた時。
 動く小型ゴーレムはなく、お釣りの数発がミミック本体まで届いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マヤ・ウェストウッド
・猟兵一行についていっていたところ、はぐれて迷子になっていた
・迷宮内をバイクで駆け抜けて遅れてボスとの戦闘に馳せ参じる
「みんな、待たせたね! ……いや、もう始めてるじゃンか。アタシも混ぜておくれよ」
・エキゾーストノートを迷宮内に轟かせ、ロボに突撃を敢行する。【騎乗】スキルでその豪腕を素早くかいくぐり、【先制攻撃】をしかけてみせる。ウイリー走行ののちエマニュエルの前輪でボディを叩きつける


ヴァーリャ・スネシュコヴァ
やっと敵のお出ましだな…やっぱり頭脳労働はガラじゃないのだ(総当たりしただけ)。ここで本領発揮させてもらうぞ!

(ここで真の姿を発動。色素が薄くなり成熟した身体となり、氷のドレスと冷え冷えとした冷気を纏う)
見たところ、足が車輪で滑りやすそうだな?ふふ、ならば氷の上ではどうだろうな!
(雪娘の靴(トゥーフリ・スネグラチカ)を発動。フィギュアスケートのコンビネーションスピンのような蹴りを食らわせ、鋭利な氷の刃で切り裂く。外したとしても、地形が凍りついて氷面になり、スケートのように滑れるこちらが有利になる…はず)
単なる力任せでは、俺を捕まえることなどできないこと、証明してやろう!



どこか遠くから、何かの音が聞こえてくる。
 蒸気機関――いいや、少し違う。それに、音は近づいてきている。
「そろそろ終わりだな。俺の本領、見せてやるぞ!」
 ガラじゃない頭脳労働をさせられた鬱憤を晴らそうと言うのか、ヴァーリャ・スネシュコヴァはその音を気にせずに、ミミックに飛びかかった。
 翻った薄氷の髪がさらに色薄く見えたのは、光の加減かそれとも――。
「雪娘の靴(トゥーフリ・スネグラチカ)!」
 ヴァーリャの靴底に精製される、冷え冷えとした鋭い氷の刃。
「その車輪の足で、氷の上ではどうだろうな!」
 ギュルンと舞うように回転しながら、ヴァーリャが言い放つ。例え外したとしても、そこを凍らせ氷面を作る氷の一蹴り。
 その一撃は空を切る事無く、ミミックの胴体に氷の爪痕を刻み込んだ。
 着地したヴァーリャが、シャーっと氷刃で滑り距離を取る。
「やぁぁっと着いたぁぁぁぁ! みんな、待たせたね!」
 そこに響く新たな声。そしてエンジン音。
 さっきまでの音は、何でかではぐれてしまって、迷宮を駆け回っていたマヤ・ウェストウッド(宇宙一のお節介焼き・f03710)の宇宙バイクの音だった。
「……いや、もう始めてるじゃンか。アタシも混ぜておくれよ」
 マヤがアクセルを踏み込んだのだろう。宇宙バイク・エマニュエルのエンジンがドルンッと振るえ、辺りにエキゾーストノート(排気音)が響き渡る。
 その音に反応してか、ミミックが機械の腕を振り上げるのを見て、マヤは更にアクセルを踏み込むと同時に、重心を前にしながらスロットルを閉じた。
 一瞬の後、スロットルを一気に全開すると同時に、体重を後ろにかける。
 マヤは、そのまま後輪だけのウイリー走行でエマニュエルを駆り、その前輪をミミックのボディに叩き付けた。
 ピシッ、ビシリッ。
 氷の傷が砕け、そこ走ったヒビが、あっと言う間にミミックの全身に回って行き――バシュンッと、全身から蒸気を噴出したミミックは、それっきり動かなくなった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2018年12月16日


挿絵イラスト