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完走率0%!?危険なゴッドレース
●『ゴッドゲームオンライン非公式攻略wiki』より抜粋
『ゴッドゲームオンライン』の魅力の一つといえば、臨場感溢れる広大なマップだろう。その広さに加え、新たなマップが追加されることもあり、全てのエリアに足を運んだことがあるプレイヤーはまず存在しないと言われている。
そのマップを駆けるレースは対人戦、所謂『PvP』要素を持ちながらも戦闘要素が少ないこともあり、カジュアルに楽しめると評判のコンテンツである。その中でも『ゴッドレース』は数あるレースの中でも最高峰とされ、優勝者には多額のトリリオンとここでしか入手できない激レアアイテム、そして称号『神速の冒険者』が贈られる。
レースごとにレギュレーションは変化するが、『ゴッドレース』においては『地を駆ける』ことが唯一のレギュレーションとされる。それ故、騎獣や魔導バイクはもちろん、自分の足で走る参加者も珍しくない。
●走り出せ猟兵
「そんな『ゴッドレース』がバグプロトコルに乗っ取られました(;´Д`)」
一部の猟兵から『またお前か』という表情を向けられるエウレカ・ムーンサイド(月光竜はダンジョンをバズらせたい・f42610)。エウレカはそんな状況に若干申し訳なさを抱えつつ説明を始めた。
「今回開催される『ゴッドレース』が即死バグに汚染されてしまいまして、このまま開催してしまいますと多くの一般ゲームプレイヤーが|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却の呻きにあってしまうのです:;(∩´﹏`∩);:」
なるほどそれは危険だ。猟兵たちの反応を見ながらエウレカは説明を続ける。
「今回は『エスト平原』を端から端まで横断するコースとなっています(/・ω・)/」
三日月形のグリモアがゲームマップを映し出す。
「スタート地点は東端の街『ラパン』。ここに大会運営担当の|組合員《ギルドスタッフ》がいるので、彼らに話しかけてエントリーしてください。スタートするとすぐにバグプロトコルの群れが出現するのですが、こいつら『抵抗不能の即死攻撃』を放ってきます。どれだけ抵抗不能かというと、『キャラクターとバグプロトコルが接触した時点でアウト』というレベルです(;´Д`)」
『理不尽すぎでは?』という声が上がる。
「猟兵ですら『一撃喰らえば即死扱いでクエストから退場』になるという理不尽さです。ですが、数々の理不尽をねじ伏せてきた皆さんなら何とかしてくれると信じています٩( ''ω'' )و」
数多の戦争での所業を考えれば、エウレカがそう言いたくなるのも不思議ではない。
「バグプロトコルを倒した後は暫く平原が続くのですが、即死バグ汚染の影響で本来存在しないオブジェクトが出現しますので、これらを回避しつつゴールである西端の街『ペルン』へ向かってください。」
●同僚の尻拭い
「『ペルン』の手前で、今回『ゴッドレース』を乗っ取った首謀者が現れるのですが、その、『首謀者』というのが、非常に申し訳ない事に|私の同僚《ドラゴンプロトコル》でして……(~_~;)」
土下座するエウレカに何事かを察する一部の猟兵。
「彼女、『リンドヴルム』は元々いい子だったんですけど、何年か前の夏イベでクエストボスをした時に簡単攻略テクが広まりすぎたせいで狩られまくって結果グレちゃったんです(/_;)」
仕事熱心なドラゴンプロトコルでもそんなことあるんだ……と妙な所で感心する猟兵たちはさておいて、エウレカが説明を続ける。
「『リンドヴルム』の攻撃もまた『一撃喰らえば即死扱い』となっています。ただ、彼女本人への接触はセーフ判定ですのでそこを有効活用すれば何とかなると思います。ある程度ダメージが溜まったら、『リンドヴルム』は撤退してくれます。これで反省してくれるといいのですが……。」
三日月型のグリモアが輝く。
「それでは皆さん、平和なゴッドレースの為によろしくお願いします。」
武炎鉄
こんにちわ、武炎鉄です。2025年最後(多分)は節目の40作目でGGOです。
12月中には完結させたいので、サポート入れつつ早め進行(当社比)でやっていく予定です。
●第1章は『とおせんぼのアオクマくん』との戦闘です。詳細は断章にて。
●第2章は平原を駆け抜けるレースです。バグプロトコルの影響で、触れたら即死のオブジェクトが出現します。
●オブジェクトの内容はプレイングで指定可能です。
●第3章は『リンドヴルム』との戦闘です。詳細は断章にて。
●その他連絡事項はタグでお知らせします。
第1章 集団戦
『とおせんぼのアオクマくん』
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POW : くまっ!!
【抱き着き】で近接攻撃し、命中した部位ひとつをレベル秒間使用不能にする。
SPD : くまくま!!
【エモーショナルバルーン】に宿る【『×』の移動制限】を解き放ち、レベルm半径内の敵には[『×』の移動制限]で足止めを、味方には【くまくまエリアの癒し】で癒しを与える。
WIZ : がおー!!
全身に【愛くるしさ】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【「がおー!!」と叫ぶこと】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
イラスト:橡こりす
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●スタート地点にて
『ゴッドレース』のスタート地点である『ペルン』の街へと転送された猟兵たち。早速運営担当の|組合員《ギルドスタッフ》を探し出すと、エントリーの手続きを行った。
「では、こちらからルールの説明をさせてもらいます。」
出場者――その殆どが猟兵――を前にメガホンを手にした運営担当の|組合員《ギルドスタッフ》が説明を始める。
「今回は『地面に足及びそれに類するもの』が常に接地していることが条件となります。5秒以上地面への接地が無い場合、飛行と見做し失格となります。ジャンプなどをされる際はこの点ご注意ください。それから、他の参加者への攻撃は禁止です。なお、補助魔法やアイテムによる走力強化は可能です。」
それ以外にも細かいルール説明はあったが、それらはおいおい紹介することにしよう。
「それでは『ゴッドレース』開始です!」
スタート位置に付いた参加者たちは、号砲と共に駆けだした。
しばらく走ると、前方に蠢く青い群れが出現した。あれが今回グリモア猟兵の説明にあった『即死バグ保有のバグプロトコル』だろうか。猟兵たちは各々の手段でバグプロトコルを排除することにしたのだった。
アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》助太刀に馳せ参じてございます。
かの軍勢が障害なのでございますね。
では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう。
●即身仏の青熊退治
「|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》、助太刀に馳せ参じてございます。」
青いクマの群れに立ちはだかるのはアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)。今回、鞭剣の『|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》』を手に持っている。
「くまっ!」
「くまっ!!」
「くまくまっ!」
ミコトに気付いた青いクマたちが一斉に向かってきた。が、本来彼らは障害物として設定されていたモンスターである。それ故、悲しいことに移動速度が異様に遅いのであった。
「要するに、あれらに触れることなく倒せばよいのですね。」
『|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》』を振るうと、刀身が折れたカッターの刃のようにいくつにも分割され、ミコトの念動力を以てふわふわと宙に浮かんでいる。
「では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう。」
分割された『|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》』にユーベルコードの光が宿る。
「|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》の法力に従い、宝剣よ妖を穿つのです!」
宙に浮かぶ『|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》』の刃が弾丸の如く青いクマたちを貫く。
「くまー……」
青いクマたちの断末魔を聞きながら、ミコトは周囲を見渡した。
「こちらでどろっぷしたのは『毛皮』で、あちらは『獣の肉』……。むむっ!これはレア食材の『熊の手』に『熊の胆』!」
行きがけの駄賃とばかりに、素材集めも怠らないミコトなのであった。
成功
🔵🔵🔴
佐藤・和鏡子
愛車の救急車でエントリーします。
現実世界の車を持ち込めてよかったです。
レースゲームから各種レーシングカーは用意できそうですが自分の愛車が一番ですから。
萌え萌え☆ビィィィム!を撃ちこんで魅了状態にして道を空けてもらいます。
攻撃を受けたら即死なら、初めから攻撃させなければ無害ですから。
幸い、アオクマくんは動きが遅いようなので運転しながら萌え萌え☆ビィィィム!を撃っても当てられそうですから。
●進め!救急車
それは紛れもなく救急車であった。
救急車が走ること自体はよくあることかもしれない。だが、今回は走っている場所が問題なのだ。ここはGGO、その世界観ベースは中世風ファンタジーなのだから。
「現実世界の車を持ち込めてよかったです。」
ハンドルを握る佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)の表情は明るい。最初はレースゲームのデータを流用してフォーミュラーカーを持ち込むことも考えていたが、この場合やはり慣れた愛車が最も適していると判断したのだった。
患者の搬送を行う訳ではないので、敢えてサイレンを切った状態でアクセルを踏み込み加速する。『ゴッドレース』の舞台である『エスト平原』は舗装こそされていないが、自動車が走ること自体に支障をきたすことはない。タイヤ越しに伝わる感覚はアスファルトで舗装された道と何ら変わることなく、快適な走行を約束していた。
遠くに蠢く青い群れが見えた。あれが今回話にあった『抵抗不能の即死攻撃』を放つバグプロトコル『とおせんぼのアオクマくん』だ。
「がおー!」
「がおー!!」
「がおがおー!」
手足をバタバタさせ、愛くるしい雄叫びを上げて救急車の前に立ち塞がるアオクマくんの群れ。
「そうだ『攻撃を受けたら即死』なら、初めから攻撃させなければいいんです!」
和鏡子は群れの手前で救急車を一時停止させ、少しばかり考えた。そして閃いた。彼らに道を開けてもらえばよいのでは?早速窓を開けると、その身を乗り出して胸の前に手でハートマークを作った。その手に桃色のユーベルコードの光が宿ると、手を前に突き出しビームをアオクマくんの群れに放つ。
「萌え萌え☆ビィィィム!」
ビームの直撃を受けたアオクマくんたちの目がハートマークに変化した。どうやら魅了状態になったようだ。
「すみませーん!道を開けてもらえますかー?」
和鏡子の呼びかけに答えるように、アオクマくんたちがゆっくりと横へと移動を始めた。そして数分後、群れの真ん中に救急車が通れるほどの道幅が現れた。
「ご協力ありがとうございましたー!」
通りすがる救急車に手を振り、見送るアオクマくんたち。その背後では|槍を持ったドラゴンプロトコル《リンドヴルム》が説教する気満々で立っていた。
その後、アオクマくんたちは|上司《リンドヴルム》にこってり絞られたそうな。
成功
🔵🔵🔴
累巣・薫
アリス適合者の魔書魔術士×ファイアブラッド、61歳の男です。
普段の口調は「おじさん(私、~君、~さん、だねぇ、だよ、だよねぇ、なのかい?)」、
真剣な時には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
よろしければ、UC「火炎弾」をオートバイに乗って、撃ちまくりたいです
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせで、よろしくおねがいいたします。
●激走!燃える包帯男
遠くからオートバイが走ってきた。『魔導バイク』なるアイテムが存在するGGOにおいて、それは割と当たり前の光景なのだが、何せ全身を包帯に巻かれた乗り手が燃えている。目撃者がいたら不安になること間違いなしだが、乗り手である累巣・薫(包帯男・f45752)本人は気にも留めない。
己の血を灼熱の炎に変換して戦う超能力者、ファイアブラッド。累巣が燃えているのはその能力の一端であり、本人はさほど熱を感じていない。最も、猟兵に覚醒する前はそれで重度の火傷を負っているのだが。
「あ、見えたねぇ。」
青い群れを視認した累巣が呟いた。彼には一つの策があった。
「接触するだけでアウトな相手なら、接触する前に倒せばいいよねぇ」。
包帯の一部がほどけ、風になびく。酷く焼け爛れた火傷跡が外気に晒される。
「アポロンよ!美しい神よ、太陽と預言者よ、あなたに祈ります!」
火傷跡から炎の弾丸が生成され、青い群れに向かい飛んでいく。
「くまっ!?」
「くまー!?」
視覚外から飛んでくる火炎弾に為すすべなく倒されていくアオクマくんたち。わたわたと逃げようとするも、悲しいかな元々の移動速度が遅いせいで、回避できるわけがない。
「うん、作戦成功だねぇ。」
焼け焦げた跡が生々しく残る地面を見ながら、累巣はオートバイのアクセルを捻り、加速する。地面には真新しいタイヤの轍が追加されていた。
成功
🔵🔵🔴