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勇者リリリリと行く、お嬢様アフタヌーンティーパーティー

#デビルキングワールド #お祭り2024 #ハロウィン #勇者リリリリ #アフタヌーンティー #お嬢様

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 その日、魔界の悪魔達は思い出した……勇者にバチボコにやられる恐怖を……屈辱を……。
「イヤァアアア!」
「死んだって聞いてたのに!?」
「話が違ーう!」
 などと喚くラスボス達を、片手の剣でバッタバッタと薙ぎ倒しつつ、元デビルキングたる黒鎧の少女……『勇者リリリリ』は颯爽と魔界を闊歩していく。
「だって勇者ですから。魔王やラスボスをやっつけるのがおしごとです。あと私はオブリビオンではありません。なんか気を失って気がついたらガチデビルに乗っ取られてました」
 などと弁明しつつ、剣をぶん回していた勇者リリリリは、不意に天高くそびえる摩天楼に目をやって剣を肩に担いだ。
「で、あれが魔王城……じゃなくて、今やオブリビオンの巣窟と化してるって噂の超巨大迷宮レストラン『リストランテ・ハロウィーン』かあ。ひさしぶりに腕がなるなあぶんぶん。じゃ、一狩りいきますか」
 ウィーンと開いた自動ドアの中に勇者リリリリの背が消えていく。いらっしゃいませーとか聞こえたか否か。中から阿鼻叫喚の声が響いてきたのは、たぶん気のせいじゃない。

「……僕がここにいるの、なんか違わない? 予知はみよさんの仕事だと思うんだけど」
 無表情の中にどこか憮然とした思いを滲ませながら、猫耳帽子の少年――こと、榛原・七月(廃墟と悪戯・f43956)はグリモアベースに立っていた。猟兵達に気付くと、軽く手を挙げて挨拶する。
「あ、初めまして……じゃない人もいるかな? 僕は七月……榛原・七月。元はサイキックハーツ世界の灼滅者。今はグリモア猟兵……っていうのになったらしい。よろしくね」
 サイキックハーツ世界から来た猟兵であれば、彼の姿や名に覚えがあるかもしれない。ちなみに、みよさんというのは彼の親友であるエクスブレイン(※サイキックハーツ世界の予知能力者。戦闘能力はない)のことだ。まあそれはさておき、と七月は本題に入る。
「『帝都櫻大戰』で強力な助っ人をキャンピーくんが各世界から連れてきたっていうのは覚えてる? そのうちの一人、勇者リリリリはアスリートアースからデビルキングワールドに転移してきたんだけど」
 そもそも勇者リリリリは元デビルキング。魔王ガチデビルに体を乗っ取られてアスリートアースに行ってただけで、元々ここの住民である。図らずも帰還を成し遂げた彼女はそれはもう大喜びで。
「各地の魔王やラスボス達をシバき倒してるらしいよ」
「シバき倒してる」
 なんで?? と一瞬思ったが、彼女は「勇者」である。魔王やラスボスと戦うのが本来の仕事なのかもしれない。
「で、そんな彼女が次に目をつけたのが、『リストランテ・ハロウィーン』。なんでもその昔、焼きそばから高級料理までなんでも作る魔王ビストログルメが建設したっていう、地上100階地下100階にも及ぶ超巨大迷宮で」
 摩訶不思議、魔王ビストログルメ没後も無限に「ちゃんと盛りつけされたおいしい料理」が湧き続けるというその迷宮は、今やオブリビオン残党の巣窟と化している。
「というのも、ここのグルメは膨大なデビルパワーを秘めているみたいで。食べれば食べるだけ強くなれるんだよね」
 なるほどそれはオブリビオンの巣窟にもなる。彼らは先の戦争の雪辱を果たすべく、あの日からひたすらに食べて食べて食べまくっているらしい。
「で、勇者リリリリがウッキウキでその殲滅に向かってるってワケ。元デビルキングってだけあって強いし、デビキンの住民だから頑丈だし、正直放っといても大丈夫そうな気はするけど」
 それでも相手は膨大なデビルパワーを秘めたグルメを食いまくり、相応の力をつけたオブリビオン達である。何より数が多い。ここは食べ放題の恩恵に預かりついでに、彼女に着いていって殲滅作戦といこう。
「皆に行ってもらうフロアには、アフタヌーンティー……ほらあの、3段とか2段の盆? にお菓子とか乗ってる、アレ」
 ティースタンドである。猟兵のツッコミに、七月はああ、と頷いた。
「そうそれ、ティースタンド。それに乗ったお菓子が無限に湧き出てきてるよ。『ハロウィーン』って名前なだけあって、かぼちゃのスコーンとか紫芋のモンブランとかコウモリ型のクッキーとか、そういうハロウィンっぽいやつ」
 そういうのが「無限に」湧き出てくるのである。当然今挙げた以外のハロウィンスイーツも出てくるし、メニューは毎回変わる。アフタヌーンティーには欠かせないお茶も、様々な種類の紅茶からハーブティーからフレーバーティー、なんならコーヒーまでよりどりみどり、飲み放題だ。ちなみに、と七月が人差し指を立てる。
「『リストランテ・ハロウィーン』では、それぞれふさわしい食べ方で料理を食べると、より効率よく強力なデビルパワーを獲得することができるみたいで。今回のアフタヌーンティーだと、『お嬢様っぽく』食べるのがいいみたいだよ」
 お嬢様っぽくて。
「男はどうすればいいんだよ」
「女装でもしたらいいんじゃない?」
「オイ」
 光速のツッコミに、七月は首をすくめる。
「……まあ、『お嬢様っぽい』の判定は割とガバみたいだし。格好がどうでも、心がお嬢様なら問題ないんじゃない? なんなら別にお嬢様っぽくしなくても、ただ食べるだけでもデビルパワーは得られるし」
 だそうで。正式なアフタヌーンティーには下段から食べる等マナーがあるが、そう堅苦しく考えずとも、楽しく優雅にアフタヌーンティーを味わえば良いという。
「で、アフタヌーンティー楽しんでたらそのうち、『チマチマチマチマ食ってられるかい!』って豪快に手づかみでアフタヌーンティーセットを食い荒らしてく大阪のオバチャン……もとい、厚顔悪魔『オバチャリオン』が出てくるから、勇者リリリリと一緒にこれを倒して」
 『オバチャリオン』はずっと『リストランテ・ハロウィーン』にこもって料理食べてた(だから太……ゲフンゲフン)、から相応に強いものの、事前にアフタヌーンティーを食べていればデビルパワーでハチャメチャにパワーアップできるし、食べていなくとも、勇者リリリリとうまく連携して戦えば勝機はある。
「というわけで、よろしくね」
 軽い調子で託す七月の掌の中で、黒猫の乗った三日月が眩い輝きを放つ。どうやらあれが彼のグリモアらしい。


ライ麦
 ライ麦です。アフタヌーンティーなんて自分には縁遠い……と思っていたのに気が付けば3年連続で食べに行っています。アフタヌーンティー大好きな人みたいになってる。

 それはともかく、簡単なまとめです。

●第1章
 『リストランテ・ハロウィーン』の無限にアフタヌーンティーセットが湧き出てくるフロアで、優雅にアフタヌーンティーをいただきます。
 お嬢様っぽく食べればより効率よく強力なデビルパワーを獲得することができますが、無理にお嬢様っぽく振舞わなくても大丈夫です。マナーも気にしなくて大丈夫。
 出てくるアフタヌーンティーセットのメニューは毎回変わりますし、当然OPに記載のもの以外も出てきます。こんなハロウィンスイーツが食べたい! というものをご自由にお書きくださいませ。
 飲み物ももちろん、各種紅茶からハーブティーからフレーバーティー、コーヒーまでなんでも飲み放題です。
 希望があれば勇者リリリリと一緒にお茶会もできますし、いえばお嬢様ごっこにも付き合ってくれます。

●第2章
 お嬢様という響きとは縁遠い、大阪のオバチャンみたいなオブリビオン、厚顔悪魔『オバチャリオン』と戦います。
 第1章に参加していれば自動的にプレイングボーナスが得られますし、参加していなくとも、勇者リリリリと連携して戦うことでプレイングボーナスを得られます。

 以上です。
 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 日常 『リストランテ・ハロウィーン!』

POW   :    ボリュームのある料理を豪快に食べる

SPD   :    気軽な軽食をライトに食べる

WIZ   :    洗練されたマナーで高級料理を食べる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウィル・グラマン
【ゲーマーズ】

『お嬢様っぽく』…なぁ
ハロウィンな依頼だからトリック・オア・トリート出来るかと思ったらそうでもねぇし、ここはお嬢様をもてなす執事か?
よーし、それで行くか!
…ってならねぇんだよなぁ(着せ替え人形遊びされる

へいへい、お帰りなさいませお嬢様方
お茶会のご準備がお済みですので、どうぞこちらの席にお座りくださいませ
まぁ、オーダーするだけでお菓子やお茶は出てくるし、何故かメイドの俺も席に座ってザイチカが給仕してっか良いけどよ…俺が給仕したオムライスが欲しいだぁ?

ほらよ、どうぞお召くださ…あいこめもだって!?
…ああ、こうなりゃヤケだ!

美味しくなぁれ♪
美味しくなぁれ♪
萌え萌えきゅん❤

…殺してくれぇ


ザイーシャ・ヤコヴレフ
【ゲーマーズ】

あら、ウィル
お嬢様をもてなすのは執事だけじゃないわよ?
はい、雨莉お姉さんから誕生日プレゼントで貰ったメイド服♪
執事はザイチカがやるから心配しないでね
でも、お嬢様なアフタヌーンティーにボーイッシュなメイドさんもねぇ…じゃあ、この長い金髪ウィッグにすれば|совершенство《完璧》
職場体験学習で執事&メイド喫茶をやったし、ウィルはそれと同じ手順で私とリリリリさんのお出迎えよろしくね

|Привет《ただいま》♪
お嬢様の命令でウィルも一緒にお茶会しましょ
お茶会を締めるのは…やっぱりアレよね
ウィル、丸いオムライスを持ってきて
それに愛を込めたジャック・オー・ランタンの目と口もお願いね♪



「『お嬢様っぽく』……なぁ」
 グリモア猟兵からのオーダーに、ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)はガリガリ頭を掻いて考える。ハロウィンな依頼だからトリック・オア・トリート出来るかと思ったらそうでもない。お嬢様になりきってアフタヌーンティーを楽しめときた。お嬢様と言われても自分は男だし、ここは……。
「お嬢様をもてなす執事か? よーし、それで行くか!」
 掌を拳で打ち、ウィルはいそいそと『リストランテ・ハロウィーン』に乗り込む。そして数分後。
「……ってならねぇんだよなぁ」
 そこには黒い猫耳と猫尻尾を備えた、黒猫メイド服姿で大仰なため息をつくウィルの姿があった。戦犯は当然ザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)である。
「あら、ウィル。お嬢様をもてなすのは執事だけじゃないわよ?」
 などとニコニコしていた彼女はでも、とウィルの顔を覗き込む。
「お嬢様なアフタヌーンティーにボーイッシュなメイドさんもねぇ……じゃあ、この長い金髪ウィッグにすれば……|совершенство《完璧》!」
 どこからか取り出した、長い金髪のウィッグをスポッとウィルの頭に被せたザイーシャはその出来栄えにご満悦で、何度も頷いている。確かに傍から見れば、清楚な金髪ロングの美少女メイドさんそのものだった。ウィルはウィルでもう慣れっこになってしまい、されるがままになっている。
「職場体験学習で執事&メイド喫茶をやったし、ウィルはそれと同じ手順で私とリリリリさんのお出迎えよろしくね」
 ひらり手を振って一旦出ていくザイーシャに、ウィルははあ、とため息で答えた。暫しの後、勇者リリリリを伴って再び来店したザイーシャを、
「へいへい、お帰りなさいませお嬢様方。お茶会の準備はお済みですので、どうぞこちらの席にお座りくださいませ」
 と、ややぶっきらぼうに席に案内する。
「おおー、メイドさん付き。本格的」
 目を丸くしているリリリリに、ザイーシャはどこか誇らしげに、
「ふふ、可愛いでしょう? うちのメイドさんは。さあ、座って」
 と椅子を引いて促す。ここは魔王ビストログルメが作り出した摩訶不思議レストラン。席に座っただけで、綺麗にティースタンドに盛り付けられたアフタヌーンティーセットがどこからともなく出てくる。吸血鬼をイメージしたらしい、ブラッドオレンジやトマトで赤く色付けされたミニゼリーを口に運びながら、ザイーシャは勇者リリリリに尋ねた。お嬢様っぽく。
「それで、リリリリ様は近頃どうお過ごしですの?」
「そうですわね、最近はもっぱら各地の魔王やラスボス達をシバいて……もとい、元デビルキングとして、各地の視察などを」
 ドクロの形をしたチョコレートをお上品に食べながら、リリリリはザイーシャのお嬢様ごっこに付き合って答える。
「へぇ、それは大変そうですわね……ってオォイ!!」
 カップとソーサーを持ち、慎まやかに紅茶を飲みながら相槌を打っていたウィルがバンと机を叩いて立ち上がった。
「なんでメイドの俺も一緒になって茶ァシバいてんだよ!!」
「あら、大丈夫よ。執事はザイチカがやってくれてるから」
 ほら、と顎でしゃくって示す先では、命を吹き込まれたウサギのぬいぐるみ、ザイチカが執事服を着てしずしずとおかわりの紅茶を運んでいた。ならいいか……と一瞬座りかけたウィルはいや良くねぇ! と拳を握る。
「そうじゃねぇ! どうせメイドやらないなら着替えた意味ねーじゃねーか!」
「あら、メイドやりたいの? なら、ピッタリの仕事をあげるわ。お茶会を締めるのは……やっぱりアレよね。ウィル、丸いオムライスを持ってきて」
 ザイーシャがパンパンと手を叩く。アフタヌーンティーにオムライスというのはあまり見ないが、そこはビストログルメが作った食の迷宮のこと。彼女のオーダーに答えるように、美しく盛り付けられた丸いオムライスが出現する。それを手に取り、ザイーシャの前に置いたウィルは両手を腰に当てて言った。
「ほらよ、どうぞお召しあがりくださ……」
「それに愛を込めたジャック・オー・ランタンの目と口もお願いね♪」
「……あいこめもだって!? ……ああ、こうなりゃヤケだ!」
 「愛を込めた」の意味を正しく理解してしまったウィルは、恥ずかしさをこらえてオムライスにケチャップでジャック・オー・ランタンの目と口を描くと、両手でハートマークを作り、それを左右に振りながら、
「美味しくなぁれ♪ 美味しくなぁれ♪ 萌え萌えきゅん❤」
 とオムライスに愛を注入する。
「お絵かき楽しそう。私も頼んでい~い?」
 どこか楽しそうに愛を込めたオムライスを覗き込むリリリリの横で、
「……殺してくれぇ」
 ウィルは顔を覆ってしゃがみ込んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・フェアリィハート
アドリブ
他の方との絡みも歓迎

本当に迷宮みたいな
おっきなレストランです…☆

UCで
|分身《メアリーアン》ちゃんを喚び

リリリリさんも
お誘いして
皆さんと
アフタヌーンティーに…♪

『スコーンはジャムやクロテッドクリームを添えた…「クリームティー」ですね…下の段は、きゅうりのサンドイッチに、サーモンサンドと…♪』

分身『あ☆ハロウィンらしく…ケーキは、南瓜のモンブランとかあるよ~♪』

最初に紅茶を口にし
ミルクはその後に…

下段の
サンドイッチから食べ…
その後にケーキやお菓子等を…
などの
形式にのっとり

リリリリさんや
皆さんと
アフタヌーンティーを楽しみます…♪

『リリリリさんは…どんなケーキやスイーツが、お好きですか…?』



「本当に迷宮みたいな、おっきなレストランです……☆」
 アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司神姫アリス・f01939)はきょろきょろと辺りを見回しながら『リストランテ・ハロウィーン』のフロアを歩く。地上100階地下100階にも及ぶという超巨大迷宮は、1フロアだけでもかなり広い。アフタヌーンティーセットが無限に湧き続けるというこのフロアは、それに合わせてか天井にはシャンデリアが煌めき、床には足が沈むほどふかふかな赤い絨毯が敷かれているという豪華仕様だ。その光景を楽しみながら、アリスはユーベルコードで自身そっくりの分身、メアリーアンを喚び、勇者リリリリも誘って席に着いた。着席した途端に目の前に現れる、ティースタンドに美しく盛られたハロウィンスイーツの数々。わぁっと、思わず歓声をあげてしまう。
「スコーンはジャムやクロテッドクリームを添えた……『クリームティー』ですね……下の段は、きゅうりのサンドイッチに、サーモンサンドと……♪』
『あ☆ハロウィンらしく……ケーキは、南瓜のモンブランとかあるよ~♪』
 ワクワクと身を乗り出す|分身《メアリーアン》に微笑み、いざ始まる優雅なティータイム。アリスは最初にストレートの紅茶を口にし、その後にミルクを追加して味わいの変化を楽しむ。食べるのは下段のサンドイッチから。その後にケーキやお菓子等甘いものに進んで、と形式にのっとって上品に食べ進めていく彼女の姿はまさにお嬢様、いや王女様そのものだ。やるう、とカップ片手に目を見張っているリリリリに、アリスは話の切り口として問いかけた。
「リリリリさんは……どんなケーキやスイーツが、お好きですか……?」
「おいしいやつはなんでも好きです。ああでも、この前の戦争の時、ガチデビルから自我取り戻したタイミングでいただいたタルトは美味しかったなあ……」
 その時の味を思い出すように、両手を組んでどこかうっとりと天を見上げるリリリリに、アリスの表情はパァッと明るくなる。ガチデビルに体を乗っ取られた彼女とはアリスも戦ったことがある。その際、リリリリが自我を取り戻した隙にガチデビルの宝珠から出したコーヒーと一緒にいただいたのがアリスが持参したタルトだった。
「あの時のタルト、お口に合ったんですね……よかったです……♪」
「うんうん。桃が咲き乱れてる景色もキレーだったし、コーヒーもおいしかった! 僅かな間だったけど、あのお茶会は楽しかったねえ」
 などと、乙女達のお喋りに花が咲く。あの時のように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディル・ウェッジウイッター
アドリブ連携可

皆様~お紅茶の時間でしてよ~!(なけなしのお嬢様要素)

…冗談は置いておいて、いや今回は置いたらダメですが
なにはともあれ今回もお茶会を楽しませていただきますね

フードはハロウィンに合わせてカボチャを使ったプリンやスコーンなどのお菓子をいただきましょう

お茶ですが…今のマイブームはミルクティー
アッサムもはもちろん、季節に合わせて栗カボチャやリンゴのフレーバーティの物も捨てがたいですね。悩みますがお菓子が甘めですから今回はリンゴの物にしましょうか

リリリリさんもよろしければお誘いできれば
前回の戦争の時はコーヒーがメインでしたので、今回は紅茶でハロウィンをお楽しみください



 ここ『リストランテ・ハロウィーン』では何もしなくとも、オーダーすれば自動的にカップに注がれたお茶が出てくる。しかし、やはりティーソムリエの矜持として手ずから淹れたい。ディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)は数種の茶葉を前に考え込む。今のマイブームはミルクティー。アッサムはもちろん、季節に合わせて栗カボチャやリンゴのフレーバーティの物も捨てがたい。暫し悩んで、お菓子が甘めだからと今回はリンゴの物をセレクト。美しい所作で淹れられたミルクティーから、華やかで甘い香りが立ち上る。うん、と満足げに頷いて、ディルは呼びかけた。精一杯の裏声で。
「皆様~お紅茶の時間でしてよ~!」
 なけなしのお嬢様要素だった。
「は~い」
 呼びかけに応じていそいそとやってきたのは勇者リリリリだ。立ち止まってディルの頭の天辺から足の爪先までじっと眺めた彼女は呟く。
「……お嬢様じゃなかった」
 彼はいつも通りの服装だった。肩をすくめてディルは言う。
「……冗談は置いておいて、いや今回は置いたらダメですが」
 無論、彼女の方も冗談で言っているのは分かっているが。気を取り直したディルは恭しく礼をして、
「前回の戦争の時はコーヒーがメインでしたので、今回は紅茶でハロウィンをお楽しみください」
 とリリリリを促す。もちろんもてなすばかりではない。彼の方もお茶会を楽しむ気は満々だ。リリリリと一緒に席に着いたディルはハロウィンに合わせて、カボチャを使ったプリンやスコーンなどのお菓子をいただく。見込み通り、甘いお菓子にリンゴのフレーバーのミルクティーはよく合う。舌鼓を打っている彼の傍らで、紅茶に手を伸ばした彼女はわ、と目を丸くした。
「なんかリンゴの香りする! めっちゃ美味しい!」
「お口に合ったのなら何よりです」
 微笑むディル。今回のお茶会も楽しいものになりそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎木・陽桜
【真陽胡】
うふふ、アフタヌーンティーいいですよね♪
とっても優雅な感じなのです!
えっと、お嬢様は…(考え)…例えばこういうご挨拶とか?

くるみちゃん、真秀さんごきげんよう、なのです
(スカート代わりのエプロンドレスの両裾をちょんと摘み
片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ
背筋を伸ばしたままお辞儀をして見せ)

でも、これだけじゃお嬢様からは遠そうですね(照れ

なるほど、セイボリーから…(3段プレートの下の段の軽食眺め
確かに、あんまり気にしても、ですよね

ハロウィンモチーフのお菓子、とっても可愛いですし
紅茶も美味しいのです
せっかくですし、ここは素直にお菓子とお茶を愛でつつ楽しんじゃいましょう♪


未留来・くるみ
【真陽胡】
アフタヌーンティー!なんやお洒落さんな雰囲気やね
お嬢様いうたら芦屋か京都か箕面か

和(京都)洋(芦屋)折衷なスイーツがええな
和モダンいうの?あんことクリームは合うし
南瓜の上生菓子やあんこ紫芋モンブランとか
せやけどお嬢様かぁ
縁なさすぎて分からんさかい
陽桜はんを真似っこ

真秀様も陽桜様もごきげんよう
本日はお茶会を楽しみましょうね
(ほんで何言えばいいんや?)
本日はお日柄も良く…?

やっぱりうちにお嬢様は無理やー!
敬語こそばゆいー!
お嬢様修行はまた今度にしとこ

真秀はんマナー分かるん?
マナーは真秀はん真似したろ
下の段から美味しいスイーツ食べればええんやね

せやね
楽しむのが一番のマナーや!
んー、美味し♪


榛名・真秀
【真陽胡】
アフタヌーンティーも食べ放題なんて…
猟兵最高♪
ケーキバイキングより高級だから
時々しか行けないんだよね…
今日はたくさん食べるぞー!
あ、お嬢様っぽくだったね!
わたしも二人と同じように丁寧な言葉遣いと挨拶で…
ごきげんよう
元々は上流階級の文化
ナプキンを膝の上に置いて
下段のセイボリーから食べるマナーを守れば
いい感じかな?
でも楽しく食べるのがきっと一番!

くるみちゃんのは和洋折衷?
あんことクリームは合うよね
わたしはかぼちゃ尽くし!
んースコーンとクロテッドクリームが合う~
陽桜ちゃんこのかぼちゃのタルト美味しいよ!
無限に出てくるならおかわり自由?
美味しいものはシェアして
紅茶と一緒にたくさん食べるんだ♪



「アフタヌーンティー! なんやお洒落さんな雰囲気やね」
 未留来・くるみ(女子大生宴会部長・f44016)はワクワクそわそわ、辺りを見回しながらフロアを歩く。天井にはシャンデリア、床には赤い絨毯。まるでどこぞの高級ホテルみたいだ。榛名・真秀(スイーツ好き魔法使い・f43950)もまた、これから始まるお茶会に期待に胸膨らませている。
「アフタヌーンティーも食べ放題なんて……猟兵最高♪」
 スイーツ大好き灼滅者として名を馳せた彼女にとって、まさに理想の依頼だ。うっとりと手を組んでいる真秀に、榎木・陽桜(ねがいうた・f44147)もニコリと微笑んだ。
「うふふ、アフタヌーンティーいいですよね♪ とっても優雅な感じなのです!」
 フロアの内装からしてもう、だ。真秀もうんうん頷く。
「ケーキバイキングより高級だから、時々しか行けないんだよね……今日はたくさん食べるぞー!」
 おー! と拳を突き上げる真秀。直後に、
「あ、お嬢様っぽくだったね!」
 と拳を下ろす。てへぺろ☆
「せやけどお嬢様かぁ……縁なさすぎて分からんさかい」
 う~んと腕を組んで首を捻るくるみ。
「えっと、お嬢様は…………例えばこういうご挨拶とか?」
 顎に手を当て、暫し考え込んでいた陽桜はややあって、すっとスカート代わりのエプロンドレスの両裾をちょんと摘まむと、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋を伸ばしたままお辞儀をしてみせる。
「くるみちゃん、真秀さんごきげんよう、なのです」
 バレエでも思わせるような優美な仕草。おおー、とくるみが目を見張る。
「でも、これだけじゃお嬢様からは遠そうですね」
 照れて頬を掻く陽桜に、
「いやいや、じゅーぶんお嬢様っぽいで! ほなうちも真似っこさせてもらうわ」
 くるみは力強く言い、同じようにお辞儀してみせる。
「真秀様も陽桜様もごきげんよう。本日はお茶会を楽しみましょうね…………」
 彼女の挨拶はそこで途切れた。
(「……ほんで何言えばいいんや?」)
 裾を摘まんで腰を落としたポーズのまま固まるくるみ。ややあって、
「……えーと、本日はお日柄も良く……?」
 無理やり言葉を捻り出した彼女はやがて、うがぁああー! と裾を摘まんでいた手を放して頭を掻きむしる。
「……やっぱりうちにお嬢様は無理やー! 敬語こそばゆいー!」
 お嬢様修行はまた今度にしとこ、と肩を落とすくるみにクスリと笑って、
「じゃあ、わたしも真似して……ごきげんよう」
 真秀も二人と同じように丁寧な言葉遣いと仕草で挨拶する。全員の挨拶が終わったところで、3人は席に着いた。とはいえアフタヌーンティーのマナーとか分からん。来た時とは別の意味でソワソワしているくるみの様子を察して、真秀はナプキンを手に取った。
「元々は上流階級の文化……ナプキンを膝の上に置いて、下段のセイボリーから食べるマナーを守ればいい感じかな?」
 ほら、と実演してみせる彼女を、くるみはしげしげと眺めた。
「真秀はんマナー分かるん? じゃあ、マナーは真秀はん真似したろ。下の段から美味しいスイーツ食べればええんやね」
「なるほど、セイボリーから……」
 陽桜も3段のティースタンド下段の軽食を見つめる。そんな彼女達にでも、と真秀は言った。
「楽しく食べるのがきっと一番!」
 その言葉に、早速下段のサンドイッチをいただきつつ、紅茶を飲んでいた陽桜もホッと肩の力を抜く。
「確かに、あんまり気にしても、ですよね。ハロウィンモチーフのお菓子、とっても可愛いですし、紅茶も美味しいのです。せっかくですし、ここは素直にお菓子とお茶を愛でつつ楽しんじゃいましょう♪」
「せやね。楽しむのが一番のマナーや! んー、美味し♪」
 くるみも同意して早速、気持ち下段のスイーツから手を伸ばす。彼女のティースタンドに載っているのは、(お嬢様いうたら芦屋か京都か箕面か……)というくるみのイメージが反映されたような、和(京都)洋(芦屋)折衷なスイーツばかりだった。南瓜の上生菓子にあんこ紫芋モンブラン等々、幸せそうに頬張っている彼女を覗き込み、真秀は言う。
「くるみちゃんのは和洋折衷? あんことクリームは合うよね。わたしはかぼちゃ尽くし! んースコーンとクロテッドクリームが合う~」
 自身のティースタンドに載っているスイーツを見せつつ、真秀もまた手で割ったスコーンにたっぷりのクロテッドクリームをつけてかぶりついた。ニコニコ顔でほっぺに手を当てている彼女の仕草が、その美味しさを物語っている。食べ始めたらもう止まらない。
「あ、陽桜ちゃんこのかぼちゃのタルト美味しいよ!」
 次いでかぼちゃのタルトに手を伸ばした真秀が目を輝かせて陽桜にも勧める。勧められるままに口にした陽桜も同じ顔。
「ほんと、美味しいです! このお化けのカップケーキも、可愛くて美味しいですよ~!」
 お返しにお勧めする陽桜。くるみも身を乗り出す。
「こっちの和栗と白玉のミニパフェも美味しいで~!」
「ほんとだ、おいし~い!」
 皆で美味しさと笑顔をシェアし合って、幸せ満開。紅茶と一緒に、お喋りにも花が咲く。何しろ、「無限に」出てくるのだ。美味しい紅茶も、可愛いスイーツも話題も尽きることがない。空になったと思いきや再び出現するスイーツに、真秀は目を煌めかせる。
「おかわり自由? なら、まだまだ行くよ~!」
 スイーツに関してのみブラックホール級になる胃袋は変わらず健在だ。ウッキウキで袖を捲るような仕草をする彼女に、あとの二人もおー! と小さく拳を突き上げて答えた。甘いものは別腹。乙女達のお茶会はまだまだ続きそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
ジゼル(f34967)と

このお化けのカップケーキはチョコミントですわ!ほらお化けの体がミントクリーム!

ジゼルはそのままで十分可愛いお姫様ですけれど…どうせならよりそれらしくなりきりましょうか!じゃーん、お嬢様らしいフリフリドレス!これにお着替えしましょう!
どこから見ても立派なお嬢様ですわ!

せっかくの機会ですし、リリリリ様もお誘いしましょう。
リリリリ様もお嬢様ドレスにお着替えします?

リリリリ様とは護国鉄神零號戦以来ですわね、あの完璧すぎる盾役っぷりにわたくしすっかりファンになってしまいましたわ。ぜひ強さの秘訣などお聞きしたく!
お茶もお菓子もいくらでもありますもの、ゆっくりお喋りしましょう?


ジゼル・サンドル
ミルナ(f34969)と

美味しそうなハロウィンスイーツがたくさん…!この棺桶型のチョコから垂れてるのはフランボワーズのジュレみたいだ。
早く食べたい!…けどお嬢様らしく振る舞った方がいいのだよな、根っからのお嬢様のミルナはともかくわたしはどうすれば…
た、たしかに見た目から入るのはありかもな。
【早着替え】でミルナが持ってきたフリフリドレスに着替えて。少しはお嬢様っぽく見えるだろうか…?

わたしはリリリリ先輩とは初めましてだな。
リリリリ先輩の分まで用意してたのか…

(生粋のお嬢様のミルナを参考にと思ってたが…やっぱりミルナは騎士なのだな。しかしお嬢様が戦トークしてるのはいいんだろうか…お嬢様の定義とは)



「美味しそうなハロウィンスイーツがたくさん……!」
 テーブルの上にセッティングされたアフタヌーンティーセットを前に、ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は目を輝かせた。召使いのようにこき使われていた不遇時代からは考えられないほど豪華なティーセットに、お腹が早くも鳴る。ジャック・オー・ランタンを模ったかぼちゃのスコーンに黒猫やコウモリ型の竹炭クッキー、魔女帽子の乗った紫芋のタルトと見た目も可愛らしいスイーツが並ぶ中でも、やはり目が行くのは大好きなチョコレートだ。
「この棺桶型のチョコから垂れてるのはフランボワーズのジュレみたいだ」
 指差しはしゃぐように言うジゼルに、
「このお化けのカップケーキはチョコミントですわ! ほらお化けの体がミントクリーム!」
 共にお茶会にやってきた親友のミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)もウキウキと自身のティースタンドに載ったカップケーキを指す。
「ああ、早く食べたい! ……けどお嬢様らしく振る舞った方がいいのだよな、根っからのお嬢様のミルナはともかくわたしはどうすれば……」
 不意に考え込み俯いてしまった親友に、
「ジゼルはそのままで十分可愛いお姫様ですけれど……どうせならよりそれらしくなりきりましょうか! じゃーん、お嬢様らしいフリフリドレス! これにお着替えしましょう!」
 ミルナはどこからか取り出したフリフリのドレスをビラッと広げた。ノリノリの彼女に少しだけ気圧されつつ、
「た、たしかに見た目から入るのはありかもな……」
 ジゼルは頷き、早着替えでサッと青いフリフリドレスに着替える。
「どうだろうか、少しはお嬢様っぽく見えるだろうか……?」
 胸を押さえておずおずと尋ねる彼女に、ミルナはグッと指を立てた。
「ええ、どこから見ても立派なお嬢様ですわ!」
「うん。お嬢様」
 偶然通りすがった勇者リリリリも何故だか一緒になって頷いている。
「あら、リリリリ様! 護国鉄神零號戦以来ですわね」
「わたしはリリリリ先輩とは初めましてだな」
 各々挨拶する二人に、リリリリは軽く手を挙げて応える。
「うん、久しぶり~……でもないか。あと初めまして、よろしく」
「そうだ、せっかくですから、リリリリ様もご一緒しませんか? あ、リリリリ様もお嬢様ドレスにお着替えします?」
 流れるようにミルナが、黒いゴシックロリータを思わせるドレスを手に誘った。
(「リリリリ先輩の分まで用意してたのか……」)
 若干呆れ気味に思うジゼルをよそに、
「ドレスかあ。たまにはこういうのもいいねえ」
 受け取ったドレスをリリリリはしげしげと眺め、更衣室に引っ込む。出てきたリリリリに、ゴスロリ風の黒いドレスはとてもよく似合っていた。おかげで肩のガチデビルも取れたところで、いざ3人は優雅なティータイムへ。紅茶片手に、ミルナは早速リリリリに話しかける。
「あの完璧すぎる盾役っぷりにわたくし、すっかりファンになってしまいましたわ!」
「ファンだなんて、照れるなあ」
 口ではそう言いつつ満更でもなさそうな彼女に、
「ぜひ強さの秘訣などお聞きしたく! お茶もお菓子もいくらでもありますもの、ゆっくりお喋りしましょう?」
 ミルナはワクワクの瞳で語りかける。強さの秘訣かあ、とリリリリは暫し考え込んで、
「剣をぶんぶんすることかなあ、ほれこのように」
 とドレスまま片手で黒い剣をぶんぶん振っている。
「なるほどやはり素振りは大事ということですわね……!」
 真剣に頷き、メモを取りつつミルナも真似して片手で透き通った青い刃を持つ斧をぶんぶん振っている。その様を、ジゼルはカップを手に取ったまま固まって見ていた。
(「生粋のお嬢様のミルナを参考にと思っていたが……やっぱりミルナは騎士なのだな。しかしお嬢様が戦トーク……飛び越えて武器を振っているのはいいんだろうか……お嬢様の定義とは」)
 まあ二人が楽しそうだからいいか……と、どこか遠い目をして、ジゼルは紅茶を飲み干した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『厚顔悪魔『オバチャリオン』』

POW   :    ブアツイネン・アイアンハート
敵より【面の皮が厚い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    ガメツイネン・ノビールハンド
【自身のどこまでも長ーく伸びーる腕】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【四次元エコバッグ】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ   :    メダチマンネン・レオパードプリント
対象の【服装や装備品】に【派手な豹柄模様】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[服装や装備品]を自在に操作できる。

イラスト:如月将史

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そうして、猟兵達が優雅にティータイムを楽しんでいる時だった。
「無料の菓子食べ放題会場ってここかいな!?」
 突然、バターンと騒々しい音を立てて両開きの扉が開く。そこにいたのは紫の髪に派手な豹柄の服を着た、厚化粧のオバチャン……もとい、厚顔悪魔『オバチャリオン』だった。太ましい足でドスドス足音を立てながら、ズケズケとアフタヌーンティー会場に乗り込んできた彼女は、ティースタンドの上に載ったハロウィンスイーツを一瞥すると、
「なんや、こんまい菓子ばっかりやないの。こんなんチマチマチマチマ食ってられるかい、めんどくさくてかなわんわあ」
 などとブツブツ言いながら、椅子に座ることすらせずにガバッと手づかみで数種のスイーツを口の中に放り込む。途端に目が輝いた。
「あら! でもウマイやないの。こりゃエエわ、土産にするわ」
 くっちゃくっちゃ咀嚼音を立てながら、オバチャリオンはティースタンドに載ったスイーツや軽食の数々をポイポイ手にしたエコバッグの中に突っ込んでいく。白昼堂々の窃盗である。あまりに目に余る行動に、猟兵達は拳を握り締めた。お嬢様とか関係なく、これはひどい。勇者リリリリも立ち上がった。
「さ〜て、腹ごなしの運動といきますかぶんぶん。腕が鳴るなあ」
 殺りがいのある敵に、勇者の目は爛々と輝いている。彼女の後に続いて、猟兵達も立ち上がった。
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【SPD】

『折角の楽しいアフタヌーンティーが…礼儀を強いる気はありませんけど…貴女の振舞いはひどいです…!』

リリリリさんと
共闘&連携

『参りましょう、リリリリさん!』

翼で飛翔
【空中機動】
【空中戦】で
立体的に立回り

敵の攻撃等
【第六感】【心眼】【残像】
【通常攻撃無効】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避

UC発動し

ヴォーパルソードを手に
【ハートのA】も展開
(敵のバッグに
入らないサイズに
【武器巨大化】させ)

UCとも組合せ
剣で
【斬撃波】を放ち
【なぎ払い】や、
【ハートのA】から
【誘導弾】の【一斉発射】【弾幕】で攻撃し
UCで
盾役の
リリリリさんを回復

『リリリリさん、ご一緒に…!』
(共に剣撃を放ち



「折角の楽しいアフタヌーンティーが……礼儀を強いる気はありませんけど……貴女の振舞いはひどいです……!」
 オバチャリオンのあまりに傍若無人な行為に、さしものアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司神姫アリス・f01939)も憤る。
「参りましょう、リリリリさん!」
「うん、いきますよ~!」
 頷いた彼女と共に翼で宙に舞い上がる。空中機動や空中戦の技能も用い、立体的に飛び回る彼女を目で追いながら、オバチャリオンは喚いた。
「なんやねん、空飛ぶとか卑怯やわぁ!」
 オバチャリオンの背にだって悪魔の翼はあった。しかし飛ぼうとしないのはきっと、『リストランテ・ハロウィーン』にこもって料理を食べまくってた努力の結果か、体中にでっぷりとついた贅肉を翼で支えきれないからなんだろう。キッとアリスを睨みつけ、
「そっちがそのつもりなら、こうするわ!」
 びよ~んと腕を文字通りアリスに向かって伸ばす。どこまでも長く伸びる腕は、飛び回る彼女を追って動き回った。おそらくアリスの手にした得物、|空色の光焔を纏い輝く嘗ての姫英雄の剣《ヴォーパルソード》や、彼女の周辺を飛ぶ、|虹や星々や花々を秘めたジュエルのハート達《ハートのA》を奪おうという魂胆なのだろう。第六感でそれを察したアリスはそうはさせないと、素早く結界やオーラを展開してオバチャリオンの腕を弾き、さらに武器を敵のエコバッグに入らないサイズにまで巨大化させた。おまけに、
「はいはい、猟兵さんに手出しはさせませんよ~」
 盾を構えた勇者リリリリが彼女を守るように前に躍り出る。あまりに鉄壁のディフェンスに、オバチャリオンは目を剥いた。
「なにぃ!?」
 これでは文字通り手も足も出ない。狼狽えてただ伸ばした手を所在なく彷徨わせるオバチャリオンを前に、アリスはスッと息を吸って詠唱した。
『――全てを灼く紅蓮の星焔の蜘蛛糸……全てを癒す銀なる星の蜘蛛糸――それらの領界を……!』
 戦場全体に、赤く煌めく蜘蛛の糸が張り巡らされる。加えて彼女の振るったヴォーパルソードから放たれる衝撃波に、ハートのAから一斉に放たれる誘導弾が襲ってくるのだからたまらない。
「な、なんやねんこの蜘蛛の糸……いったぁ!?」
 咄嗟に逃げようとしたオバチャリオンの太ましい体は蜘蛛糸に絡めとられ、行動を阻害されると同時に灼かれて、生命力すら奪われる。腕を押さえてハァハァと荒い息を吐いている敵を見、アリスはリリリリに呼びかけた。
「リリリリさん、ご一緒に……!」
「オッケー! いきますよ~」
 リリリリの方は蜘蛛糸から滴る露によって体力も回復し、元気バリバリだ。目配せして頷き合い、二人は共に剣を振るう。
「うぎゃあああああ!」
 オバチャリオンの絶叫が、アフタヌーンティー会場に響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

未留来・くるみ
【真陽胡】
…ほう?
あんた、うちと似たような喋り方すんねんなあ
アンタみたいなのがおるから
関西弁が誤解されるんやー!
何より、この土地の精霊が言うとんねん
「そこのおばちゃん、いてこましたれや!」てな!

オバチャリオンを敢えて挑発
うちのお菓子、おいしそうやろ?
これはオバチャリオンでも食べたことあらへんで
南瓜クッキーぱくり
刺激的で美味しいわぁ
でもアンタにはあげへん!

オバチャリオンがお菓子を奪いに来たらチャンスや
指定UCで用意した新しいお菓子をわざとエコバックに転移させんで
そしたら中で爆弾に変化させて大爆発や!
な?刺激的やろ?

皆で楽しむ、いうルールとマナーを身に着けたらまた来ぃ
茶飲みの相手はいつでもしたんで


榎木・陽桜
【真陽胡】

なんか…昔、くるみちゃんの依頼でこういうおばちゃんと遭遇した気がします(そっと目逸らし)

おばちゃんは人生の先輩って意味で尊敬はしますけど
昔はお嬢様だったかもしれないですけど
マナー違反はだめなのですよ!(びしぃ、と指差して)

久しぶりの戦闘ですけど、ちょっと頑張ってみます!

くるみちゃんと真秀さんに攻撃が及ばないように
前に出て基本は前衛攻撃です
あとリリリリさんの攻撃通るように立ち回ります
全体見て連携意識しますね

"さくら・くるす”を構えUC発動
[神聖攻撃、拳銃格闘術、悪魔祓い]を駆使して
ガメツイネン・ノビールハンドの腕とエコバッグ中心に攻撃
おばちゃんの攻撃はなるべく[見切り]で回避しますね!


榛名・真秀
【真陽胡】

わー、絵に描いたような大阪のおばちゃん…
って、そうだよね
大阪のおばちゃんがみんなこんなわけじゃないもん
ともかくスイーツ好きとしてマナー無視の行いは許さないよ!
リリリリさんも一緒に戦おう!

陽桜ちゃん頼もしいなあ
わたしも頑張っちゃうよ
そんなにスイーツが食べたいなら
これをあげる!
UCでエクレアを象った雷撃を放つね
エクレアはフランス語で稲妻を意味するんだよ
これでオバチャリオンの生命力を奪っちゃう!
見てる限りはものすごーくタフな気もするけど…
わたしたちもお菓子でパワーアップしてるから
負けないよ!

すごいよくるみちゃん
うん、マナーを守ってくれたなら
楽しくお茶とスイーツ楽しむことができると思うんだ



「わー、絵に描いたような大阪のおばちゃん……」
 紫の髪に豹柄。そして関西弁。いわゆる「大阪のおばちゃん」のステレオタイプなイメージを備えたオバチャリオンの姿に、榛名・真秀(スイーツ好き魔法使い・f43950)は口を丸くして手を当てる。一方、未留来・くるみ(女子大生宴会部長・f44016)の額にはぴきぴきっと青筋が浮かんだ。
「……ほう? あんた、うちと似たような喋り方すんねんなあ。アンタみたいなのがおるから、関西弁が誤解されるんやー!」
 指差して喚くくるみに、真秀もハッと我にかえる。
「って、そうだよね。大阪のおばちゃんがみんなこんなわけじゃないもん」
 それはそう。そう、なんだけど。
「なんか……昔、くるみちゃんの依頼でこういうおばちゃんと遭遇した気がします」
 榎木・陽桜(ねがいうた・f44147)はそっと目を逸らした。蘇る既視感。意外とこういう人はいるのかもしれない。しかし、それはともかくとして。陽桜は逸らした目を戻し、口を開いた。
「おばちゃんは人生の先輩って意味で尊敬はしますけど、それに昔はお嬢様だったかもしれないですけど……」
「なんやねんアンタ、今はお嬢様じゃないみたいな言い草しよって! こ~んなうら若き乙女を捕まえて、失礼やわぁ」
 怒ったようにプリプリと両手を腰に当てて言うオバチャリオンに、
「えっ……ええ?」
 陽桜は驚いて思わず相手の頭のてっぺんからつま先まで眺めてしまう。失礼ながら、どう頑張ってもうら若き乙女には見えない。おばちゃん特有の冗談なのか、それとも本気で言ってるのか分からず、困惑した陽桜は頭を振った。それはそれ、これはこれだ。気を取り直した彼女は、びしぃ、とオバチャリオンに指を突きつける。
「おばちゃんだろうとうら若き乙女だろうと、とにかくマナー違反はだめなのですよ!」
「うんうん。スイーツ好きとしてマナー無視の行いは許さないよ! リリリリさんも一緒に戦おう!」
 真秀も力強く頷き、振り向いて勇者リリリリに呼びかける。
「はいは~い、任せてくださいな~」
 呼びかけに応えて飛んできた勇者リリリリも、黒い翼をはためかせてふわりとそこに着地した。その横で、くるみもグッと拳を握り締める。
「何より、この土地の精霊が言うとんねん。『そこのおばちゃん、いてこましたれや!』てな!」
 エクスブレインだった自分も、今なら皆と肩を並べて戦える。オバチャリオンはせせら笑った。
「はぁ~? やれるもんならやってみぃひい! うちをなめたら、痛い目見るでぇ」
 ドスドスと太ましい足音を立てながら、オバチャリオンがけっこうな勢いで突進してくる。あれでも『リストランテ・ハロウィーン』のグルメを食べまくり、相応の力を身に着けたオブリビオンだ。あの勢いと体型でタックルのひとつでもされたら、例えば2本税込み98円の大根なんか簡単に奪われてしまうだろう。陽桜はすっと息を吸い、満開の桜の枝がそっと抱く、古き石の十字架を手に前に進み出た。
「久しぶりの戦闘ですけど、ちょっと頑張ってみます!」
 聖歌と共に、十字架先端の銃口から光の砲弾が放たれる。若干オバチャリオンが怯んだ、その隙に砲弾を浴びせつつ接近した陽桜は、神聖攻撃、拳銃格闘術、悪魔祓いといった技能も駆使しつつ、十字架で打撃、突き、叩きつける! 武蔵坂学園の灼滅者として培ってきた戦闘技術は今も衰えていない。
「うわ、ちょ、痛いやないの!」
 ぶっとい腕をかざして必死で十字架から体をガードしつつ、オバチャリオンが喚く。
「もー、怒ったわ! ならこうしてやるわ!」
 憤ったオバチャリオンが、陽桜の|十字架《さくら・くるす》に向かってびよーんと腕を伸ばす。武器を奪おうというのか、いやどう考えてもエコバッグの中に入らないサイズだと思うから、せめて叩き落そうとしたのかもしれない。陽桜はひょいっとその腕を見切り、さくら・くるすで弾いた。
「さすが現デビルキング。やりますね~」
 讃えながら、リリリリが陽桜の弾いた腕に向かって剣を一振り。ザシュッと、オバチャリオンの腕から血が噴き出した。
「ギャー! 血が! 血が!!」
 パックリ開いた傷口を見て悲鳴を上げるオバチャリオン。真秀がおおーっと声を上げた。
「陽桜ちゃんもリリリリさんも頼もしいなあ。わたしも頑張っちゃうよ。そんなにスイーツが食べたいなら、これをあげる!」
 スッと天に掲げた真秀の指先に、雷が集まる。それはやがて、エクレアを象ったような形に変化した。エクレアとは、フランス語で稲妻のこと。読んで字の如くな雷撃を、オバチャリオンに向かって放つ。オバチャリオンがガバッと顔を上げた。
「はっ……でっかいエクレア……!」
 雷撃なんだが。血を見てパニックに陥ってたせいか、オバチャリオンはでかい口を開けて、自ら向かってきた雷撃にかぶり付く。結果は。
「ギャー! 口の中がビリビリするー!!」
 言わんこっちゃない。オバチャリオンはギャーギャー言いながら床の上を転げ回っている。
「お……おのれ〜!」
 暫くしてようやく起き上がったオバチャリオンはなんかしわしわになってた。相手の生命力を奪う技だからね。とはいえ、未だ動けるあたり、真秀の見立て通り大分タフだ。元気だなあ、と苦笑しつつ、
「わたしたちもお菓子でパワーアップしてるから負けないよ!」
 くるみの方を見る。次は彼女の番だ。もちろん、と頷いたくるみは、失ったパワーを取り戻さねばと血走った眼でスイーツを探しているオバチャリオンに向かって、見せびらかすように手にした南瓜クッキーを振ってみせた。
「うちのお菓子、おいしそうやろ? これはオバチャリオンでも食べたことあらへんで」
 そのままパクリと口に入れたくるみは、それはもう美味しそうに頬に手を当ててみせ、
「わぁ〜、刺激的で美味しいわぁ。でもアンタにはあげへん!」
 と2枚目のクッキーを隠すような仕草をする。効果はてきめん。
「ずるいわぁ! 黙ってうちにも渡しいや!」
 さっきので十分刺激的な体験したと思うんだが。ガメついオバチャリオンは、びよーんと腕を伸ばしてくるみのクッキーを奪いにかかる。かかった、とくるみは密かにご当地の怒りで用意した新しいお菓子とすり替え、わざとオバチャリオンの腕に触れさせる。スッと彼女のエコバッグの中に転移したお菓子に、
「あ~! うちのお菓子が~!!」
 わざとらしく頭を抱えて嘆いてみせれば、
「フンッ! 最初から素直に渡しときゃよかったんや!」
 オバチャリオンは勝ち誇ったように、エコバッグの中をごそごそやって戦利品を……ボフンッ!!
「な……なんやぁ!?」
 突如中で爆発したお菓子。噴き出す煙と熱さに、オバチャリオンは涙目でゲホゲホと咳を繰り返している。くるみはニヤリと笑った。
「な~んて、な。な? 刺激的やろ?」
「すごいよくるみちゃん」
 わぁっと真秀が手を叩いている。オバチャリオンはブチギレた。
「こ……こなくそ~!!」
 猛然と二人に向かって突進してくるも、
「ここは通さないのですよ!」
 陽桜がブンッと振りまわしたさくら・くるすに弾かれ、もんどりうって倒れる。鼻血出してのびてるオバチャリオンに、くるみは言い放った。
「皆で楽しむ、いうルールとマナーを身に着けたらまた来ぃ。茶飲みの相手はいつでもしたんで」
「うん、マナーを守ってくれたなら、楽しくお茶とスイーツを楽しむことができると思うんだ」
 頷く真秀。オバチャリオンの方は倒れたまま、
「マ……マナーとか、うっさいわ……」
 などと呻いている。彼女がアフタヌーンティーにふさわしいルールとマナーを身に着ける日は、まだまだ遠そうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
ジゼル(f34967)と。

もう!せっかく優雅なティータイムを過ごしてるところにズカズカ入り込んでくるなんてまるでマナーがなってませんわ!そんな見苦しい食べ方はおやめなさいませ。

ここはきっちりマナーを教える必要がありそうですわね。わたくし達のお嬢様パワー、見せてあげましょう、ジゼル、リリリリ様!
お覚悟はよろしいですわね?
ジゼルが足止めしてくれている隙に『キャッスルクラッシュ』で突撃、リリリリ様もご一緒に!
ジゼルとリリリリ様の協力があれば威力も倍増、その分厚い面の皮も剥いで(物理)差し上げてよ!

マナーとは他人への思いやり…それが欠けてるようじゃお嬢様失格ですわ!出直しなさい、お出口はあちらですわ!


ジゼル・サンドル
ミルナ(f34969)と

(優雅なティータイム…剣や斧をぶんぶんしてたのはいいんだろうか)
そうだな、いっぱい食べたい気持ちは分かるが…せっかくのハロウィンスイーツなのだしもっと味わって食べないと。

(お嬢様パワー…?)ではまずはわたしの歌を聴いてもらおうか。
『♪チョコは美味しいな〜 スイート、ミルク、ビター…あぁ早く食べたいな♪』
指定UCに乗せて歌い【足止め】を。
あとは頼むぞ、ミルナ、リリリリ先輩!

アフタヌーンティで大切なのは堅苦しいマナーよりもお菓子やお喋りを楽しむことだと前にミルナが教えてくれた、でもその振る舞いはさすがにやり過ぎたと思うんだ。
(まあ…2人はだいぶ武闘派お嬢様だったが)



 オバチャリオンはまあ、大分タフだった。散々やられまくってるのに再びむくりと起き上がると、
「お菓子……お菓子が足りひん……よこせや~!!」
 血走った眼で、ドスドス足音を立てながら走ってくる。ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)とミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)が優雅(?)にアフタヌーンティーを楽しんでいた卓に向かって。たぶん、たまたま目についたんだろう。呆気にとられている二人の前で、オバチャリオンはティースタンドに載ったハロウィンスイーツをぐわしと掴むと、そのまま口の中に突っ込んだ。せっかくの可愛いチョコミントスイーツもチョコレートもだ。あ~! と大好物を取られた二人は猛然と立ち上がる。
「もう! せっかく優雅なティータイムを過ごしてるところにズカズカ入り込んでくるなんてまるでマナーがなってませんわ! そんな見苦しい食べ方はおやめなさいませ」
 ぷんすこしながらオバチャリオンを指差したミルナは、振り向いて仲間達に問う。
「ここはきっちりマナーを教える必要がありそうですわね。わたくし達のお嬢様パワー、見せてあげましょう、ジゼル、リリリリ様! お覚悟はよろしいですわね?」
「もちろんです、準備万端ですよ~ぶんぶん」
 いつの間にか二人の卓に戻ってきてた勇者リリリリがぶんぶん剣を振り回し、ジゼルも、
「そうだな、いっぱい食べたい気持ちは分かるが……せっかくのハロウィンスイーツなのだしもっと味わって食べないと」
 と頷く。相変わらず剣をぶんぶんしているリリリリを横目で眺めながら。
(「優雅なティータイム……剣や斧をぶんぶんしてたのはいいんだろうか」)
 内心疑問に思いつつ、ジゼルはスッと胸に手を当てる。
「ではまずはわたしの歌を聴いてもらおうか」
 お嬢様パワーとは何ぞや、という疑問もとりあえず脇に置いて歌い出したジゼルの、澄んだ歌声がアフタヌーンティー会場に響く。
『♪ チョコは美味しいな〜 スイート、ミルク、ビター……あぁ早く食べたいな♪』
 ミュージカルよろしく歌い出した彼女の歌詞には、さっきオバチャリオンに食われたチョコへの当てつけも若干入っているのかもしれない。気持ちオバチャリオンを睨め付けながら歌う歌は、不思議と根が生えたように彼女の足をそこに縛り付ける。
「……な、なんや……? 足が、動かへん……」
 歌に感動したわけでもないのに。動かぬ足にオバチャリオンが動揺している隙に、ジゼルは二人に呼びかけた。
「あとは頼むぞ、ミルナ、リリリリ先輩!」
「ええ、行きますわよ! リリリリ様もご一緒に!」
 頷いたミルナの背に、オーラの城壁が現れる。
「おお~、固そう」
 などと目を丸くしているリリリリと共に、ミルナはオバチャリオンに向かって突進した。オバチャリオンの面の皮は厚い。他人のお菓子を奪って何も思わないほどに。しかし、その面の皮の厚さもジゼルの足止めのせいか、若干緩んでいるように見える。城壁背負って突進してくるミルナと剣振り回しながら突っ込んでくるリリリリを前にして、オバチャリオンの顔に浮かぶのは恐怖だ。
「いや~! こっち来んといて~!!」
 派手な豹柄模様を生やし、振り回したオバチャリオンのエコバッグがリリリリの剣に弾かれて宙を舞う。リストランテ・ハロウィーンのスイーツを食べまくり、ハチャメチャにパワーアップしているのはリリリリとて同じだ。ミルナも同様。加えて、ジゼルとリリリリの協力で、キャッスルクラッシュの威力も倍増している。
「その分厚い面の皮も剥いで差し上げてよ!」
 物理的に。激突したミルナの背負ったオーラの城壁が、オバチャリオンの太ましい体を大きく後退させる。出口の方に向かって。
「マナーとは他人への思いやり……それが欠けてるようじゃお嬢様失格ですわ! 出直しなさい、お出口はあちらですわ!」
 ビシッと出口を指差すミルナに、ジゼルも頷く。
「アフタヌーンティで大切なのは堅苦しいマナーよりもお菓子やお喋りを楽しむことだと前にミルナが教えてくれた、でもその振る舞いはさすがにやり過ぎたと思うんだ」
 まあ……2人はだいぶ武闘派お嬢様だったが、とどこか遠い目をして、ジゼルはミルナとリリリリを見やる。武闘派お嬢様の二人は、まだやる気まんまんでぶんぶん得物を振り回していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザイーシャ・ヤコヴレフ
●WIZ

まぁ、なんて図々しい|おば様《バーバ・ヤガー》なの?
お嬢様たる者、不躾な輩は優雅にご退場させなきゃ
さ、ウィル行くわよ…あら、ウィル?
軽く|遊んだ《からかった》ら意気消沈しちゃうなんて…もう

仕方ないから…はい、リリリリ
『デュエリストカード』でカード化した『魔法少女ごっこ』よ
本当はウィルと仮装する予定だったんだけど…|Жаль《ざんねん》
…あら、リリリリ知らないの?
これは『ふたりはデビキュア』
今デビルキングワールドで人気のアニメなのよ…ああ、久々に帰ってきたばかりだったわね(スマホ動画を見せる

デビルパワー・メイク・アップ!
闇をも照らす光の勇者…デビホワイト!
光をも包む闇の勇者…デビブラック!
天使のような悪魔の笑顔…ふたりはデビキュア!

勇者だけどゴスロリドレスなの♪
本当はウィルだった(教えてない)けど、リリリリは本物の勇者だし大丈夫よね

魔法のナイフをウィップソードに変えて、豹柄なエコバッグを斬って弱体化
リリリリ、一緒に必殺技を決めるわよ



 ミルナの一撃で、オバチャリオンは出口に弾き飛ばされた……わけではなかった。
「まだや! まだ無料お菓子食べ放題の元取っとらん!」
 無料なんだから元取るも何もないだろうに。踏ん張ったオバチャリオンはズケズケと、今度はザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)とウィルが座っていた卓に向かって歩いてきた。つくづく食い意地の張ったオバチャンに、ザイーシャは驚き呆れる。
「まぁ、なんて図々しい|おば様《バーバ・ヤガー》なの? お嬢様たる者、不躾な輩は優雅にご退場させなきゃ。さ、ウィル行くわよ……あら、ウィル?」
 優雅に立ち上がったザイーシャは、相方が付いてこないのを不審に思い下を覗き込む。ウィルはまだ顔を覆ったまましゃがみこんでいた。完全に意気消沈してしまっている。戦える状態ではない。ザイーシャは肩をすくめた。
「軽く|遊んだ《からかった》ら意気消沈しちゃうなんて……もう。仕方ないから……はい、リリリリ」
 気を取り直し、ザイーシャはリリリリに一枚のカードを手渡す。そこには白のゴスロリドレスと、黒のゴスロリドレスを纏った二人の少女の姿が描かれていた。
「本当はウィルと仮装する予定だったんだけど……|Жаль《ざんねん》」
 などとため息をついている彼女の前で、勇者リリリリは渡されたカードを両手に持って、光に透かしたり角度を変えたりしながら眺めている。
「んん~? なんですかこれ」
 首を傾げて問うリリリリに、ザイーシャは目を丸くした。
「……あら、リリリリ知らないの? これは『ふたりはデビキュア』。今デビルキングワールドで人気のアニメなのよ……ああ、久々に帰ってきたばかりだったわね」
 なら知らないのも無理はない、とザイーシャはスマホをちょちょいとして件のアニメ動画を観せる。画面の中では、ザイーシャが渡したカードと同じ格好をした二人の少女が、バッタバッタと爽快に敵を薙ぎ倒していた。
「へぇ~、なるほどなるほど。今魔界ではこういうのが流行ってるんですね~」
 しげしげと興味深そうにスマホの画面を覗き込むリリリリの後ろで、
「ちょっと!! 何アニメなんか観てんねん! 無視すんなや!」
 オバチャリオンはドンドン足を踏み鳴らしている。
「も~、ええわ! そっちがその気なら、菓子は勝手にもらってくわ!」
 たぶん最初からそうするつもりだったろうに、オバチャリオンはわざとらしく悪態をついてゴソッと両手でティースタンドごとハロウィンスイーツを抱え込む。目ざとくザイーシャの目が光った。
「いけない。泥棒よ! リリリリ、そのカードで変身して!」
「あっ、はい。え~っと、こんな感じでいいんでしたっけ?」
 やり方はさっきのアニメで見た。二人はカードを掲げて叫ぶ。
「「デビルパワー・メイク・アップ!」」
 瞬間、眩い光に包まれた二人の服は白のゴスロリドレスと、黒のゴスロリドレスへと変化する。
「闇をも照らす光の勇者……デビホワイト!」
「光をも包む闇の勇者……デビブラック!」
「「天使のような悪魔の笑顔……ふたりはデビキュア!」」
 ばばーんと揃ってアニメのような決めポーズをする二人を、オバチャリオンはあんぐりと口を開けて見ていた。ティースタンドごと抱え込んだ腕もフリーズしている。驚きなのか呆れなのか。その場から動けずにいるオバチャリオンの前で、白のゴスロリドレスに身を包んだザイーシャはウキウキとスカートの裾を両手で摘まんだ。
「勇者だけどゴスロリドレスなの♪」
「なるほどかわいい」
 リリリリも黒のゴスロリドレスの裾を摘まんで前や後ろを見ている。差し色に赤の意匠が施された黒いゴスロリドレスは、彼女によく似合っていた。それを見ながら、ザイーシャは思う。
(「本当はウィルの予定だったけど……リリリリは本物の勇者だし大丈夫よね」)
 そう、リリリリが着ている黒のゴスロリドレスは、本当はウィルに着せる予定だった。もちろん本人には知らせていない。黒猫メイドに続いて黒のゴスロリドレス。もし実現していたら、本人にとっては悪夢のフルコースになっていただろう。メイドで戦闘意欲が萎えていてかえってよかったかもしれない。それはともかくとして。
「なんやねんコスプレなんかしよってからに! 仮装大会か! も~、ふざけんのも大概にしとき!!」
 不意に我にかえったオバチャリオンが急に怒り出す。ハロウィンだしお嬢様だし(?)でゴスロリドレスの仮装をするのはむしろこの場に合ってるんだが、オバチャリオンは聞く耳を持ちそうにない。
「ええから菓子よこせや~!!」
 派手な豹柄模様を上書きしたエコバッグをブゥン、と振り回してお菓子を要求するオバチャリオンも、ある意味ハロウィンには合って……いないか。トリックオアトリートしてないしな。ひょいっとしゃがんで空を切るエコバッグを回避したザイーシャは、魔法のナイフを変化させたウィップソードを一振りして、豹柄模様のエコバッグを叩き斬った。中からボトボトと、オバチャリオンが適当に突っ込んだハロウィンスイーツが零れ落ちる。
「ああああああ! うちのお菓子が~!」
 慌てて拾い集めるオバチャリオンに、反省の色は微塵もない。
「もう! 人のもんに何しとくれとんねん!」
 拾ったスイーツを両手で抱え込んで怒鳴るばかりだ。盗ったのはそっちだろうに。これはもう手の施しようがないと、ザイーシャはリリリリに目配せする。
「リリリリ、一緒に必殺技を決めるわよ」
「合点承知です」
 頷いたリリリリと同時に剣を振り上げ、
「「デビキュア・ホワイトブラックアターック!」」
 アニメのような必殺技口上を叫びながら振り下ろす。
「ギャァアアアアア~!!」
 アニメの敵よろしく断末魔を上げたオバチャリオンは、今度こそアフタヌーンティー会場から退場した。フッと息を吐き、にこりと笑ったザイーシャはリリリリに手を差し伸べる。
「さ、はた迷惑な|おば様《バーバ・ヤガー》には退場してもらったし。お茶会の続きといきましょうか、お嬢様?」
「そうですね~お嬢様」
 リリリリも笑ってその手を取る。静けさを取り戻したアフタヌーンティー会場で、猟兵達と勇者リリリリは心ゆくまで優雅なお茶会を楽しんだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年11月09日


挿絵イラスト