5
Operation;THIRD LIGHTNING

#けものマキナ #VOID #けものマキナ絶対防衛圏 #ヲヤスミ、ケダモノ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#けものマキナ
#VOID
#けものマキナ絶対防衛圏
#ヲヤスミ、ケダモノ


0




「宇宙要塞アイギスの防衛任務、ご苦労だった……と、言いたい所だが諸君には直ちに出撃してもらう」
 時はアイギス防衛線の直後。即ち、48時間の防衛戦を終えた直後の時である。
「何せ、コイツを叩けるのは今この時しかない。もしこのチャンスを逃したら君達が生きている間には再戦する事も出来ないだろう。その位にこの相手は用心深く、狡猾だ」
 グリモアの予知と言う手段があってなお、この結果だ。グリモアベースの執務室に3Dホロマップを表示させる。殆ど紅い球体のような物にしか見えないそれを。
「……全体図を見せてもあまり意味が無いな。何せこれ、月よりも大きいからな……流石に地球よりは小さいか。ともかく、惑星サイズの敵でありVOIDの旗艦である」
 細かく見ればその表面に無数の砲塔、突起のようなレーザー発射口、鱗のようにも見える無数のミサイル発射口がびっしりと敷き詰められているのが見える。
「一応、分類上は戦艦だ。もう宇宙要塞みたいな物だがな……いや、ダクトにプロトン魚雷撃ち込む訳では無い。それに近い事はもうやってるし」
 あれはブルーアルカディアだったが。
「では今回はどうすればいいのかと言うと……まあ、やはり弱点を破壊する、と言う結論は一緒なのだがな」
 3Dホロマップを回転させるとそこには瞳のようにも見える青い光球部分がある。
「この部分が弱点、と言うよりこの部分こそがこの巨大合体戦艦の本体だ。他の部分は付属品のような物か。端的に言えばこの部分を破壊すればこの合体戦艦は自らの重力で崩壊する。VOIDの脅威がけものマキナを襲う事も無くなる」
 つまり、宇宙に広がるVOIDを全て一掃する必要は無くなる訳である。
「これがプロトン魚雷一発で片付く程度ならよかったんだが……残念ながらこの本体自体は結構硬い。外殻に半分ほど露出している位だからな」
 青い光球は外から見える位置にある。
「内部に入り込む必要は無い、と言うか内部から攻めようとする事自体推奨しない。分類上はあくまでも戦艦だが、人が操艦するようには作られていないから通路とかも無いし、超高濃度の汚染に晒され続ける。いくら君達がけものマキナの住民と同程度の汚染耐性を得ているからと言ってもこのレベルでは数秒も持たずに喰われる」
 住民と同程度の汚染耐性? と言う単語に何人かが引っかかったようだ。
「言ってなかったか? 元から住民だった猟兵は当然だが、今この場に居る猟兵は全て住民と同程度のVOID汚染耐性を得ている。そうでなければ48時間もVOIDと戦い続ける事なんて不可能だ」
 今この場に居る時点で既に汚染耐性を得ているのだ。
「だが、それだけでは足りない。戦場は宇宙、相手は惑星サイズ。生身でどうこうできる相手ではない。だから対抗手段を用意しておいた」
 そして、一つの装置を指差す。
「これこそがこの戦いの切り札、『バーストドライブシステム』である」
 双角錐の青い石のような物体。金色のアレではない。
「この腕輪、或いは指輪を好きな所に身に着けてくれ。それでシステムとのリンクは確立できる」
 指示した所にはその物体を四つ繋げて輪にしたような物が用意してある。これはシステムの受信機だ。
「このシステムとリンクする事によって君達は【ダウンロードコンテンツ参戦した状態】になる事が出来る」
 ……ダウンロードコンテンツ?
「つまりだ。戦場は宇宙だが、宇宙空間ではなく重力下と同じ動きが出来る。当然呼吸も出来るし、環境由来の寒さや熱さも平気になる。本来その世界に存在しない者、ダウンロードコンテンツ参戦した状態になるからだ」
 いまいち意味が分からない者が居るようなのでもう少し説明するか。
「まず、サイズ差はある程度修正される。とは言っても上限は元の十倍程度だが、巨大化するユーベルコードはそのまま機能するから問題無い。どんなユーベルコードの機能も一切妨げる事は無い。そして、自分が床だと設定した場所に床があるかのように走る事が出来る。壁を蹴ったり、天井からぶら下がる事も出来る。重力の方向も操れる。ただし、壁も床も天井も自分の挙動にしか影響しないのでそれで敵の攻撃を防ぐ事は出来ない……つまり、いつもの戦い方をするのに何の支障も無い状態になるという事だ」
 |今回の問題《プレイングボーナス》はそこじゃないのでな。
「とは言え、君達は48時間の防衛戦を終えた直後だ。蓄積した疲労はあるだろう。それは各自に対処してもらうより外にない」
 そう、今回のお題はこっちだ。
「それと所謂先制攻撃をしてくる。飛んでくるのはミサイルとレーザー。当たったら一撃で蒸発する威力だ。それをやり過ごして本体に向かってもらう」
 改めて瞳のようにも見える青い光球部分を指し示す。
「近くまで転送はするが、本体付近まで直通とは行かない。更に本体その物も恐ろしい威力の散弾レーザーを撃ってくる」
 シャワーの様に降り注ぐ|滅びの光束《フラガラッハ》。
「一番恐ろしい主砲は先の戦いで破壊してあるがな。アレが無くなればもうアイギスを直接攻撃する手段は無い。まあ、近距離戦を挑む君達の障害にはならない物だが」
 巨大な砲身は|紅の楔《ケンロクエン》の一撃で崩壊している。
「それもここで逃げられれば再生される物なのだがな。だから、今。この瞬間しかない。腕輪を忘れるなよ。それが無いと戦いにすらならない……まあ、ちょっとした副作用はあるが」
 ちょっとした副作用? でざわつく執務室。
「いや、本当に大した物ではない。少なくとも戦闘に影響はしない。本当だ……|報告書《リプレイ》に影響が少し出るだけで」
 嫌な予感はするだろうが、まあ実際大したことじゃない……と、思う。
「道を示すのがグリモア猟兵の仕事だが、その道をどう作り、どう歩くのか……それは君達次第だ」
 全ての表示物を消して、敵旗艦へのゲートを開いた。
「では、往くがよい」


Chirs
 ドーモ、Chirs(クリス)です。
 大変お待たせいたしました。VOID編第三話、ラスボス戦です。フォーミュラー的な奴です。第一話、第二話に参加してなくても問題ありません。描写しなかっただけで居た事になります。なので、48時間の防衛戦を終えた後の疲労への対処は全員必要なプレイングボーナスとなります。あと、先制攻撃も来ます。それとは別に散弾レーザーも来ます。全部対処して本体のコアを破壊して下さい。
 今回もいつも通りアドリブも連携もマシマシになります。ある程度の人数が集まってから書き始めます。皆さんに世界防衛戦線を提供出来れば良いなと思う所存でございます。
55




第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:仁吉

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


VOIDオブリビオン
超暴食合体飽和戦艦『コンバイラリリルリリルベーラ』
●ファットミサイル砲HⅤ
 レベル×5本の【VOID】属性の【誘導ミサイル】を放つ。
●追尾ビームCBⅤ
 【ロックオンサイトに収める事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【誘導ビーム】で攻撃する。
◆上記二つが先制攻撃となる。

●フラガラッハシャワー砲
 【偏向光学兵器】による高速かつ大威力の散弾を放つ。ただし、本体から30km以内の対象にしか使えない。
◆本体の迎撃ユーベルコードはコレになる。制限が制限になってない。

●フラガラッハ砲XXⅤ
 チャージ時間に応じて無限に威力が上昇する【粒子】属性の【破壊光線】を、レベル×5万kmの直線上に放つ。
◆ちなみに、破壊して使えなくなったユーベルコードはコレ。射程が狂っている。威力も狂っている。
羆嵐・来海
『戦え』チームでの行動(凪・エルゴ・グラン・フォルク)で行動)
バーストドライブシステム:腕輪型を選択。

WIZ
仮眠しておいて良かったですよォ……ひとまず合流しましょうかぁ。
「ドーモ、ジンライ=サン。羆嵐です。要請に応じ参上しましたァ」
とりあえず吹雪を起こして視界不良にしますねえ。ついでにゲリラ戦で相手を錯乱を試みましょう。
出来る限りの妨害を行いますねえ。
ミサイルとかは……拳銃で【クイックドロウ】とかライフルで【狙撃】、対戦車兵器で吹き飛ばしなどで出来るか試してみます。
「それじゃあ……互いに殺し合い楽しみましょうかあ!」

アドリブ歓迎です。


フォルク・リア
『戦え』チームで行動

体の状態を確認し使える魔力、体力等を計算し
戦略的に行動。生者の輪環を使い生命力温存。
「好機を逃さぬ為に疲れ等言ってる暇はないか。」

バーストドライブシステムは指輪型を装備。

先制攻撃にはフレイムテイルで作った火球で
【誘導弾】の【弾幕】を張り誘導装置の妨害兼防壁とする。

仲間の位置と行動。敵本体の位置を確認し
グラビティテンペストを発動。
攻撃の薄い経路を選定し
敵に近づく仲間は反重力で攻撃を弾き
重力で撃ち出す様に支援。
(タイミング、速度は仲間に合せ調整)
「なるべく安全に送るけど気を付けてくれよ。」

隙が出来たら接近。
敵機体をグラビティテンペストの媒体とし
重力嵐で攻撃。
「此処で仕留める。」


グラン・ボーン
『戦え』チームで行動
腕輪型バーストドライブシステムを指に装着

ビームとミサイルか

頑張ってはじいていくしかないな

ビームはなるべく避ける
ミサイルは直撃しないようにはじく

無理だったときは耐える

とりあえずサンオイルでも塗っておけばビームにも耐えれるだろう

じゃあフォルクうまく飛ばしてくれよ
エルゴは俺の後ろに隠れて、迎撃できるミサイルを頼む
俺はキャバリアより頑丈だ、キャバリアが壊れないように守ってやるぜ

凪に羆嵐は、陽動頼むぜ
一人じゃ耐えられないだろうからな

突っ込んだら、一撃必殺の拳を叩きこむ
外部装甲を破壊する
そのあとのとどめはエルゴに任すから、弾薬ありったけぶち込んでくれ



●Chronicle Saviours
「皆を守るぜ。惑星級VOIDを海へ還してやろう」
 木霊・ウタ・シルバーホークバースト(地獄が歌うは希望・f03893)は力強く宣言した。
「決着をつけるのですよ」
 夜乃・瞳・シルバーホークバースト(ミレナリィドールのスターライダー・f01213)は同意するように力強く頷く。
「弾薬、推進剤の補給、良し。この指輪、詳しい仕組みを知りたい所だが……まあいいか。陸戦兵器の面目躍如と行かないとな」
 エルゴ・ルスツァイア(|強化継承体《インヘリット・クローン》・f40463)はTCW-01ELCSB イクスフェル・シルバーホークバーストの各種点検をしながらメインシステム戦闘モードを起動する。
「頑張ってはじいていくしかないな」
 グラン・ボーン・シルバーホークバースト(巨人の巨人拳伝承者・f34134)は軽いストレッチで筋肉を解しながら構える。
「別動隊とも合流する。力を合わせて頑張ろう」
 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス・シルバーホークバースト】・f27072)は共に戦った仲間たちを振り返って言った。
「ところで」
 空野・プゥピィ・シルバーホークバースト(飛ばない仔豚はただの仔豚・f38289)は不思議そうに考えながら問う。
「副作用って結局何なんだプゥ?」
「分からない。特に悪影響を受けている感じはしないが」
「何か、妙な物を付け足されている気がするよな」

 |報告書《リプレイ》を読んでいる諸君にはもうお分かり頂けているだろう。これが、バーストリンクシステムの副作用だ。
 シルバーホークバーストと同程度の戦力水準を持つダウンロードコンテンツと存在を定義するする事により宇宙空間と言う敵にとって有利な戦場での戦いを同等の物へと変質させている。
 ダウンロードコンテンツとは本来その世界に存在しない物だ。それを存在する物として定義するのがダウンロードコンテンツ化だ。そのままの形で移植しても根本的にゲームシステムが違う場合、その世界に元から存在する物と同格になる様に調整される。大体の場合は元よりも強い状態で。
 元から宇宙要塞アイギスに格納されていた超高性能戦闘機群は単独で敵軍に突っ込み、その悉くを撃破し尽くす事を前提として設計されている。それと同格になる事によって宇宙空間でも戦い続けられる力を得ているのだ。
 まあ、その代償として名前のどこかにシルバーホークバーストの名前が付け足されてしまう事が副作用なのだが。当時現場に居る猟兵には中々気付きにくい……と、言うか今読んで初めて知ったと言うレベルだろうが。
 ちなみに付く場所は戦う姿への呼称である。大体は本名に。戦場で名乗る名前を別に持つ者はそっちに。機体に登場して戦う人にはその機体に付随してしまう。
 とは言え、毎回その名前で呼ぶ訳では無いのでさほど気にならないだろう、たぶん。

「良く分からないけど悪影響は無い、と思うのです」
 瞳はそう断言した。
 ちなみにここはグリモアベースの中である。何せ、ゲートを抜けたらもう敵は目の前。それに対してこちらは48時間の戦闘を終えたばかりだ。ちゃんと休める程の時間は無いが、多少の小休止なら問題は無い。
「今はアイギスの機体がコンバイラリリルリリルベーラと交戦中だ。交戦をしていれば相手は亜空間領域に逃げ込む事は出来ない」
 亜空間潜航とは世界の裏側に潜る技術とでも呼べばいいだろうか。視界は当然として音波や電波も全て無効化する恐るべき技術だ。だが、いくつかの制約がある。その一つとして亜空間潜航は空間に歪みを生じる。この歪み敵対存在が隣接していると気付かれてしまう物であり、通常空間へと引きずり出される。相手の座標を物理空間ではっきりと認識している今ならば潜航は出来ないのだ。
「と、言っても出来る事は多少の時間稼ぎと直掩機の引き剝がしだが。お陰でこちらは本体との戦いに集中できる」
「十分だぜ」
 ウタは目の前のテーブルに山盛りになっている肉料理を猛然と食べ続けている。お前はどこぞの海賊王を目指す男か。
「スシ、チャドー、そしてスシ」
 ジンライ・フォックスは奥床しくマグロスシを……一度に二貫食べている! あんまり奥ゆかしくなかった。だが実際、完全栄養食のスシを摂取する事は迅速な体力回復に繋がるである。
「落ち着いて飯を食う暇も無かったからな。貴重な時間だ、有効活用させてもらおう」
 そしてグランも巨大な肉を豪快に齧っていた。巨人なので食材も巨大なのだが、何の肉だろう。
「全く、立て続けにだからな……ん、美味し」
 一方、量は控えめ……他と比べればの話だが……ながら甘未に舌鼓を打っているのはエルゴだ。脳は人体の中でも特にエネルギーを消費する器官である。脳への栄養補給には甘味が一番だ。
「栄養補給なのですよ」
 謎の赤いドリンクと冒涜的ハンバーガーを食べる瞳。手っ取り早く栄養補給するにはジャンクフードという事か。
「じゃ、いただきまーす」
 パック詰めのキノコソースのパスタを食べ始めるプゥピィ。戦闘糧食として使う為のパック詰めなのだろう。かなりいい匂いがする。
「……私も、補給しておくか」
 冷蔵庫から|知的炭酸《ドクターペッパー》を取り出し一気に呷る。遥かにいい。
「ドーモ、ジンライ=サン。羆嵐です。要請に応じ参上しましたァ」
 とか何とかつかの間の休憩を満喫していると新たなエントリー者だ。ここに入れるので当然猟兵。先の戦いでは別の場所を守っていた者達だ。
「好機を逃さぬ為に疲れ等言ってる暇はないか」
「ドーモ、羆嵐=サン、フォルク=サン。ジンライ・フォックスです」
 スシを食べる手を止め……否! 既にスシを食べ終えている! そしてソバに手を伸ばそうとしていたジンライ・フォックスがその手を止めて挨拶に応じた。
「救援要請に応じてくれてありがとう」
 敵の目を欺く為の連戦とは言え、防衛線の疲労は羆嵐・来海・シルバーホークバースト(大体腹ペコなクマの軍令暗殺者・f43414)とフォルク・リア・シルバーホークバースト(黄泉への導・f05375)の二人にも蓄積している。
「仮眠しておいて良かったですよォ……」
 羆嵐は限界阻止点の少し前から仮眠を取っていた。別にあの瞬間に全ての猟兵が立ち会っている必要は無い。
 一方でフォルクは様々なルーン文字が刻まれた金色の指輪、生者の輪環を使い戦略的に生命力を温存していた。自身の体の状態を確認しつつ適切な魔力や体力を計算。この戦いで必要な|資源《リソース》をしっかり確保しておいた格好だ。
「さて……諸君。アイギスの戦闘機隊は無事直掩機の排除を終えたようだ。彼らと入れ替わる形で戦場に送る。準備は……十分ではないだろうが、やるしかない」
「ああ、問題は無いぜ」
 食事とはつまるところ燃料補給。己の中で燃え続ける獄炎に意識を集中すれば代謝を向上させ、栄養素の分解吸収や新陳代謝を促進を図る事など容易だ。
 更に疲労を発生させる物質を触接焼却。獄炎自体を直接エネルギーとして活力を高め、外傷すら炎の物質化で再構築して修繕。
 ……君、人間と言うより獄炎の精霊か何かになっているのではないか? いや、スシと呼吸法でほぼ同レベルまで回復するニンジャも大概だが。
「多少とは言えインターバルの余裕はあった。戦友にも再びの感謝を」
「巨人のタフさにとってはこの位なんてことは無いぜ」
 何気に食べるだけ食べたらサンオイルを塗っているグラン。まさか、それでビームの軽減をすると言うのか……? アンチビームコーティングサンオイル? ABCマントと同じ|反応装甲《リアクティブアーマー》の一種だろうか。
「機体の状態は万全、と言うより普段よりいい位だ」
 イクスフェル・シルバーホークバーストの点検も終え、準備万端のエルゴ。
「しかし燃料、推進剤、弾薬の値が異常値のようにも見える」
「それはバーストリンクシステムの恩恵だな」
 元々このバースト機関と言う物は戦場において必要な物資を亜空間経由で直接届けるシステムである。ありとあらゆる物をエネルギー源として変換できる|宇宙その物すら滅ぼしかねない禁断の技術《All Nothing》をベースとして莫大なエネルギー源の確保を可能にしたこのバースト機関の恩恵はそれを数値化出来るイクスフェル・シルバーホークバーストが一番分かりやすいか。
「所で、システムの一部に何か不明なワードが付け足されているようなのだが」
「よし、ではそろそろ時間だ! 敵はこれ以上待ってはくれないぞ!」
 断じてごまかして言ったのではない。
「さあ、往くがよい」

◆通常プレイングのみ先行採用しております。描写としてはこの先もまだまだ続くのでご安心ください。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜乃・瞳
決着をつけるのですよ

とはいえ残弾、エネルギー共に潤沢とは言えない状況で、さらに私もさすがにしんどいのですよ
だからここは可能なかぎり短期決戦を目指すのです

ギガ波動砲、7ループと言わず機体がもつ限りのチャージで叩き込んでやるのですよ

そのためには何としてもチャージしつつ敵に近づかなければならないのです

敵の先制攻撃に対しては華麗にちょん避けと言いたいところですが集中力的に事故ると思うので残ったバルムンクをばら撒いてミサイルの迎撃兼目くらましと行くのです
迎撃し損ねたミサイルはこっちに向かってくるものだけ通常のミサイルで迎撃するのです
追尾ビームにはアイギスにも協力してもらい出せるだけのダミーバルーンをばらまき弾の密度を下げつつ自機はミラーシールドフォースとミラーシールドビットで守るのですよ
さらに散弾レーザーもある程度の損害覚悟で回避できるものだけ回避してあとは受け止めるのです
鏡面処理されたこの子たちならきっと耐えられるのです

そして最後、破損している主砲に私も撃ち込んで傷を広げてやるのです



●Dancing Horming
「確かにこりゃデカいな」
 腕輪型バーストドライブリンクシステム(前回、うっかりバーストリンクとか言ってたが正式名称はコレ)を指にはめて通常時の10倍の大きさ、即ち55.38mと言う巨躯になっているグランが言った。
 コンバイラリリルリリルベーラは惑星サイズである。対してグランは13階建てのビルと同程度。ここまで大きくなっても以前相手は大き過ぎるのだ。
「しかし何だな、不思議の国のアリスにでも迷い込んだ気分だ」
 今回、一番小さいエルゴが言った。と、言ってもエルゴは大きさを変えておらず、イクスフェル・シルバーホークバーストの大きさはキャバリア規格の5m程度。
 他のメンバーが凡そ同程度の大きさに拡大しているので生身でキャバリアと同程度の大きさに見えるようになっているのだ。まあ、グランだけは元々その位の大きさだった所を更に10倍にしていつもよりより大きくなっているのだが。しかもサンオイルで全身てっかてかである。
「では、手筈通りに」
「おう、任せたぞ」
 グランは目指す敵の本体を床に設定した。バーストドライブシステムは任意の方向に自分だけに作用する重力を発生させる。目的地を床に設定すればあとはただ自由落下するだけで到達する。まあ、かなりの高さから自由落下する事にはなるのだが。本人が大丈夫だと言ってるんだから大丈夫なんだろう、たぶん。
 他のメンバーはグランを拠点として立ち回っている。重力操作は状況によりけりか。
「プゥピィA! プゥピィB! プゥピィC! 以下省略! 順番に出て時間を稼ぐプゥよ!」
「了解プゥ!まずはあたいからプゥ!」
「じゃあ、あたいはここで寝るプゥ。みんな頑張ってねプゥー……Zzz……」
 自分の複製を出して背中で寝てる奴が一名居るが。
「って言うか、作った時点の複製だからあたい達も疲れてるし寝たいプゥ」
「文句言うなプゥ。それは全員同じ気持ちだプゥ」
 本来の想定では2時間ほどローテーションして時間稼ぎの手筈だったが、そもそもこの戦いは2時間もかからない。長めに見積もっても30分位じゃないだろうか。なので、複製プゥピィ達は一度に三機ずつ出撃。翼下に固定した残滓ガトリングランチャーと脳波コントロール出来るティルトローター式こぶた残滓ビットを多数展開する。
「とりあえず吹雪を起こして視界不良にしますねえ」
 来海が【|惨劇の予感漂う羆嵐《コールド・コールド・コール》】を使ってグランの周囲に猛吹雪を発生させる。本来は戦場全体に効果があるユーベルコードだが、今回は戦場が広すぎて吹雪の視界妨害が薄くなってしまうので範囲を絞って展開している。
「自由落下しているだけでは容易に捕捉されるからな。細かい制御はこっちで引き受ける」
 グランの背中で待機組のフォルクはグランを落下させているシステムに介入。時折落下の方向を変えながらミサイルを警戒している。
「ミサイルはこっちでも対処しますのでぇ」
 落下方向にライフルを構える来海。
「ビームの対処はお願いしますよぉ」
「承知! イヤーッ!」
 ジンライ・フォックスは宙に駆け出す。
「光学兵器……最速の状態で『等速』か!」
「いや、レーザーじゃないので光速ではないのです」
 同じくビーム対処組の瞳が突っ込んだ。
「高熱化した粒子を飛ばしているのです。仕組み的には水鉄砲みたいな物なのです」
「成程!」
「熱で攻撃する事に違いは無いんだろ? やってやるぜ」
 全身から極炎を発生させ5m程の眩い火球になっているウタが言った。
「第一波が来るのです。ビームはこっちで何とかするのですよ」
 吹雪を蒸発させながら無数の追尾ビームCBⅤが飛んでくる。吹雪でも完全に視界を遮る事は出来ない以上、この誘導ビームのロックオンは避けられないのだ。ただ、大半は明後日の方向に飛んで行っているので吹雪の妨害効果は小さくは無いが。
「出し惜しみはしない。やるぞ、夜天九尾ッ!」
『ふん、また玩具相手とはな』
 ジンライ・フォックスから九本の黒雷の尻尾が生える。【奥義:|夜天九尾《ヤテンキュウビ》】
「イヤーッ!」
 光速で動けるジンライ・フォックスは、一早く誘導ビームに大してカラテを叩き込んだ! 誘導ビームはカラテであらぬ方向へと逸らされる!
「ああ、こっちも始めるぜッ!」
 獄炎火球化したウタがビームに干渉。吹雪を蒸発させた水蒸気と共に彗星の如く宇宙に紅蓮を描く。
「あなた達、力業過ぎるのでは?」
 一方の瞳はそれでも抜けて来たビームに突っ込む。
「鏡面処理されたこの子たちならきっと耐えられるのです」
 機体前面に固定したミラーシールドフォースが軌道を逸らした。
「こういうのもあるのです」
 更に多数のダミーバルーンデコイを放出。終端誘導する追尾ビームを逸らしていく。
「ミサイルならともかく、ビームってどうやって自己誘導しているのでしょうか?」
 吹雪の視界妨害を受けているので事前入力で曲線を作っているとは考えにくい。と、なるとミサイルの様に自己誘導するしかないのだが、演算装置を積めるミサイルと違ってビームはただのエネルギーでしかない。判断能力を持たせる事は普通に考えれば不可能の筈である。
「もしかしてアレみたいにビームのような生物だったりするのでしょうか?」
 ビームに遅れて飛んできた大量のファットミサイル砲HⅤが迫る。これは元々特攻する性質のあるファットと言うVOID体をそのまんまミサイルとして使っているだけの物である。
「とりあえずバルムンクを食らうのです」
 無数のファットミサイルに対して、まずその中央部に|バルムンク《大型水爆ミサイル》をぶち込む。先陣のファットが誘爆蒸発しても後続は変わらず突っ込んで来る。
「何と言う物量か!」
「悪い、ミサイルまではやっぱ無理だ!」
 誘導ビームをカラテし、偏向させ続けているジンライ・フォックスとウタ。まず、吹雪による妨害で大半のビームは当たらない場所を通過していく。それでも当たる軌道のビームは大体この二人が処理。撃ち漏らしを瞳がカバーしている。
「ちょっとは余裕あるからこっちも手伝うのです」
 ファットミサイルに対して通常ミサイルを叩き込む瞳。それでも、あまりに多いミサイルに対しては多少手伝う程度でしかない。
「ビーム対処に集中してくれて構わないぞ」
 通過しようとするファットミサイルをイクスフェルのレールチェーンガンが薙ぎ払った。
「いざとなったらこっちのイニシャルシールドで対処する」
「いやぁ、あの二人が頑張ってるから案外暇なのです」
 と、言いつつたまに抜けてくるビームはしっかり対処する瞳。
「こっちはミサイル対処に専念できて有難いがな」
 光速とまでは行かなくても十分弾速の早いビームを迎撃するのは困難だ。だが、この三人は容易い事の様にやってのけている。それ故に、他のメンバーはミサイル対策に集中できる。
 ミサイルも妨害は受けているが、レーザーより弾速が遅い分妨害を受けても結構な数が誘導して押し寄せてくるのだ。
「エルゴ、お前も下がっててもいいんだぞ。俺はキャバリアより頑丈だ、キャバリアが壊れないように守ってやるぜ」
「何、無限に弾薬が供給されているからな。撃たないと勿体ない」
「そうですねぇ」
 ライフルをフルオートで連射し、ミサイルを落とし続けている来海も同意した。
「何か、マガジンが無限に出てくるんですよね。こんなの撃たないと損ですよ」
「そうかもしれないがな」
 フレイムテイルで作った火球を次々と放ち、ミサイルを撃ち落とすフォルク。
「魔力も無限に湧いて来るようだ。それなら生命力も補ってくれればよかろうに」
「弾薬は食べられないプゥ」
 残滓ガトリングランチャーで後方から追って来るミサイルを迎撃している複製プゥピィ達。なお、本体はお休み中。
「そう言う問題かね。燃料は食べ物に近いと思うが」
「燃料なんて飲めないプゥ」
「それはそうだが」
 離れた相手には思考型こぶた残滓ビットが張り付き、近距離から機銃を叩き込む。固まった相手は残滓ガトリングランチャーで一掃だ。
「おう、こりゃサンオイルも要らなかったか?」
「そうでもない。そろそろ30km圏内に入る」
 前線指揮役のフォルクは冷静だ。
「相手の迎撃が来るぞ。全員油断するな」
 そして、前方から|眩い滅びの光《フラガラッハ》がシャワーの如く浴びさせられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルゴ・ルスツァイア
イクスフェルに搭乗
『戦え』チームで行動
指輪型バーストドライブシステムを装着

全く、立て続けにか……ん、美味し。
携帯甘味を取り出しぱくつく。体力、集中力の回復には糖分が一番だ。

弾薬、推進剤の補給、良し。
この指輪、詳しい仕組みを知りたい所だが……まあいいか。陸戦兵器の面目躍如と行かないとな。

それにしても重力カタパルトか! ワクワクするな…フォルクさんはよろしく頼む。

デブリやビーム対策のイニシャルシールドを装甲展開しつつ、絶えずレールチェーンガンの砲撃でミサイルを迎撃。グランさんと共に、凪さんや来海さんの陽動の内に敵弾の爆発煙に紛れてでも接近を優先しよう。
弱点の正面に辿り着いたその時に全兵装を稼働させ、電磁加速砲弾、クラスター弾、対艦誘導弾、そして本命の【熱圧力弾改】を全力で叩き込む。
予算は度外視。大盤振る舞いだ。



●Destroy the core
「コイツは、流石にマズいな」
 咄嗟に頭を下に向け、正面に両腕でガードするグラン。被弾面積を最小限に抑えつつ、背中の味方も守る構えだ。
「今の一発でサンオイルが剥がれちまったぜ。塗り直す暇はあるか?」
「広範囲を一掃する光学兵器散弾。こっちは紛れも無いレーザー兵器だな」
 光ったと思ったらその光がそのまま襲って来る感覚に近い。目で見て避けるのはほぼ不可能だろう。
「隙間はある。等速だが抜けられはするぞ!」
「熱攻撃に違いは無い。俺には効かないぜ!」
 ジンライ・フォックスは散弾の黒雷となって散弾の隙間を抜け前進! ウタは身を包む獄炎球でむしろそのエネルギーを取り込んでいる。
「……あの二人、万全の状態で戦ってもまともに攻撃が当たりそうにないな」
 こう、苦戦しない奴割と居るんだよね。付き合い長いと特にな。
「このまま突っ切るしかなさそうだ」
 既に敵の本体は二射目までチャージを終えている。
「なるべく安全に送るつもりだったが、仕方が無いか。二射目を凌いだら仕掛けるぞ」
「おう!」
 グランの前面にウタが立ち塞がり、獄炎壁で正面のレーザーを偏向。それでもカバーし切れないレーザーはジンライ・フォックスがカラテで弾く!
 それでも全ては防げない。両腕の皮膚が高熱で焼かれてもなお、グランはそのまま突っ込んだ。
「発射間隔は分かった、三発目は撃たせん」
「グラン! これを使えッ!」
 ウタが限界まで吸収した熱エネルギーを凝縮し一本の剣を生成する。55.38mのグランの更に倍近く。100m超えの超絶巨大剣だ!
「笑っちまうくらいの逸物だなそりゃ」
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て」
 フォルクが温存した魔力を一気に爆発させ発動!
「其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず。ただ屍を晒すのみ。吹き荒れよ、滅びの衝撃。グラビティテンペストッ!」
 フォルクの【グラビティテンペスト】が全員を加速させる! 本来無機物にしか効果が無いユーベルコードだが、装備や衣服を対象にすれば人物を加速させる事は出来る!
 グランは最低限の衣服しかないので本来効果が薄かったが、この超絶巨大剣を対象にすれば十二分の加速効果が得られる!
「上品な剣技なんて無い。ただ突き刺すだけだぜ」
「この大きさの焔摩天なんて俺でもどうしようもない。コレに全部突っ込んだから三発目はもう防げないぜ」
 既に輝き始めている蒼い敵のコア。
「なに、撃たせるものかよ」
 そこに、垂直高速リニアカタパルトめいて超絶巨大焔摩天を抱えたグランが突っ込んだ!
 硬い金属同士がぶつかり合って砕け散る轟音。串刺しにするかに思われた超絶巨大剣だが、敵のコアは逆に巨大剣を単純な硬さで砕け散らせた!
「まだよ!」
 切っ先を突き立てた場所にグランが剛拳を叩き付ける! だが!
「硬いな」
 自由落下による衝撃の大半を一撃目の剣に乗せてから右拳。グラン自身の腕の骨が砕けそうになる程の重さを乗せたそれでも、まだ蒼い球体には傷一つ付いていないように見える。
「効いてはいる! 畳み掛けるぞ!」
 グラビティテンペスト発動時にグランから離れて重力カタパルトに合わせ、アサルトブーストの慣性も乗せた電磁加速砲弾、クラスター弾、対艦誘導弾を立て続けに叩き込む! グランは飛び離れて退避!
「ACS負荷限界だ。今なら直撃する」
 本命の【|熱圧力弾改《オーバード・サーモバリック》】を打撃点に叩き込んだ! 継続的に破砕焼却する連続爆発空間が表面を抉り続ける!
「まだ終わりじゃないプゥ!」
 最適な射撃位置についたこぶた飛行隊は逆に重力エアブレーキ。【|こぶたの殲滅銃撃術《ザ・バレットパーティタイム》】で三倍速になった下部固定残滓ガトリングランチャーで光弾、貫通弾、散弾を立て続けに押し込む!
 ビキィっと、僅かに亀裂が入った音がした。巨大な蒼の球体にひびが入った。
 だが、|それ《・・》だけだった。
「効いてはいる、効いてはいるが……っ!」
「まだ喰らい足りないってか」

『三度目に合わせるのですよ』
 その時、全員に瞳から通信が入った。

「往生際の悪い奴なのです」
 グランたちが正面から降下中に瞳は一人、損壊した主砲側に回り込んでいた。
「全くですねぇ。この状況でなお主砲を使おうとするとは」
 いや、正しくは二人。来海は瞳の存在を隠蔽しながら一緒に来ていた。
「良いのですか? 下手すれば無駄足なのです」
「いえいえ、出来る事はもうしましたし。無駄足になったら儲け物でしょう? まぁ……」
 そこには、損壊したままでチャージを続けている主砲。この状態では精密な狙撃など狙えない。それ所かどこに飛ぶかすら分からない。
「無駄足じゃなさそうですしね」
「その代わり滅茶苦茶危険なのです」
 強引の発射した主砲を湾曲させて猟兵達を薙ぎ払おうとでもいうのか。そんな事が可能かどうかは分からない。だが現に、主砲のチャージは止まっていない。
 だが、一方の瞳も戦闘が始まってからずっとチャージをし続けていた。|最終波動砲《ギガはどうほう》。|神々の黄昏《ラグナロック》の名を継ぐ者に搭載されたそれは最強の波動砲である。帯電式パイルバンカーH型は威力だけを見れば同程度と言えるが、アレはあくまでも近接武器だ。届かない相手には効果が無い。だが、この最終波動砲は攻撃範囲すら最強であり一発撃つだけで相対する者全てを消し飛ばす。その反面、7ループと言う長すぎるチャージ時間が必要なのだが。
『Release the restrain device.Using the wave cannon may result the possibility of destruction the ship』
 それを更に|過剰凝縮《オーバーチャージ》。機体だけではなく瞳本人すら吹き飛ばしかねないエネルギー量に機体から警告をかけられる。
『You did your best. Was I helpful for you?』
「それはもう、十分に」
『I am deeply grateful to you』

 そして、|三度目の稲妻《THIRD LIGHTNING》は放たれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
皆を守るぜ
惑星VOIDを海へ還してやろう

疲労
目を閉じ俺の中で燃え盛る地獄の炎へ意識を向ける
是迄も是からも
絶えることなく燃え続けてる
つまり俺も同じだ

1とにかく喰う
炎の熱で代謝上昇
栄養素の分解吸収や新陳代謝を促進

2疲労物質を直接焼却

3獄炎を直接エネルギーとして活力上昇

4怪我を炎の物質化で回復

これで準備万端だ

先制対策
システムとリンク
巨大化しながら全身から炎を放出
身長の2−3倍程の大きさの眩い火球となって
宇宙に紅蓮を描きながら核へ

爆炎で回避行動をとりながら
取り巻く炎で
ミサイルを誘爆させたり
ビームを偏向させる
爆発エネルギーも爆炎で相殺

戦闘
散弾っつてもデカい分隙間はあるぜ
引き続き回避
当たっても
そのエネルギーを獄炎に取り込んでやる

間合いに入ったら焔摩天を具現化
炎を刀身に集め
大焔摩天に

紅蓮の光刃を長大に伸ばし
散弾を消滅させながら
核の中心にぶっ刺さして🍡状態に
そのまま内部へ炎を放出して
焼却浄化

故郷へ帰してやれなくて悪ぃ
ここに過去の居場所はないんだ
紅蓮に包まれて眠れ

事後
鎮魂として宙でギター演奏
安らかに


叢雲・凪
SPD

『戦え』チーム(凪・エルゴ・グラン・羆嵐・フォルク)で行動

※バーストドライブシステムは腕輪型を装着

「休む間もなし…インターバルの余裕もないか」
(チャドーの呼吸で可能な限り回復に徹する。別動隊として動いていた羆嵐=サンが来たのを見て)
「ドーモ羆嵐=サン フォルク=サン ジンライ・フォックスです」
「救援要請に応じてくれてありがとう」
(本来こちらに戦力を回す余裕など無いであろう…だがこの戦い。攻勢に転じねばジリープアーになるのは確実であろう)

(ボクの高速移動 羆嵐=サンのゲリラ戦法で敵の砲撃を陽動する。【夜天九尾】を発動し最初からトップスピードで踏み込む!)

「光学兵器…最速の状態で『等速』か!」
(アクロバットニンジャムーブで回避に専念!迫るマイクロミサイルはクナイダートで迎撃。羆嵐=サンと連携し可能な限り引き付ける。本命はエルゴ=サン・グラン=サンだ。二人が敵の弱点ポイントに踏み込むまでの時間を稼ごう) (ダッシュ+残像+リミッター解除+軽業)

(頃合いを見計らってボクも攻撃に加勢だ!)



●THE THIRD LIGHTNING
「そう言う事か」
 ジンライ・フォックスは瞳の意図を理解した。
「どういう事だ?」
「この巨大過ぎる相手には一方向からの攻撃だけでは破壊出来ない。二方向から同時にカラテし、中央で破壊力を合成し砕く。ライメイケンと同じ原理だ」
「そこにチャージ中の奴自身のエネルギー上乗せか。確かにそれなら倒せるかもな」
 グランの右腕は軽くない損傷だが、まだ左腕がある。
「ああ、大事なのはタイミングだ」
 ウタは砕けた焔摩天の欠片を集め、再び大焔摩天として具現化する。
「同時に叩き込まないとな」
「ああ、全員の同時攻撃だ。これで倒せなければまともに|滅びの光《フラガラッハ》を浴びる事になるが」
 エルゴは空中に機体を固定。全武装の照準を一点に合わせる。
「どの道これで倒せなければ次は無い。同じ事だ」
「あっち側の状況は俺が把握している。俺に続けて合わせろ」
 フォルクが魔力を収束する。
「「「やるプゥーーーッ!」」」
 仔豚たちも気合を入れる!

●バーストカウンターFINAL全部斬る暴虐のこぶたの殲滅銃撃高加速貫徹大地爆砕キツネ・トビスラッシュ
「タイミングはもう体で覚えているのです」
 夜乃・瞳・シルバーホークバーストのFINAL波動砲!
 砕かれた主砲から強引に発射された超高密度エネルギービームが着弾する寸前で波動エネルギーを解放! 撃ち込まれたエネルギーを吸収し、金色に輝く波動砲が主砲を粉々に粉砕しながら本体の裏側まで貫通し着弾!
「花道を作ってもらったからには活用しませんとねぇ!」
 羆嵐・来海・シルバーホークバーストの|全部斬る《オール・キル》!
 途轍もないエネルギーが突き抜けて出来た道を、付与された不死性で耐えながら直進! 手にした軍用スコップで何度も何度も何度も抉る!
「纏う風は黒。羽撃く翼は烈風。その身に宿すは狂乱。上げる咆哮は冥府の陣鐘。抗う全てを喰らい、その宿せし力の無慈悲なる真価を示せ」
 フォルク・リア・シルバーホークバーストの|暴虐の黒竜王《ジェノサイドブラック》!
 事前に二発のフラガラッハ砲XXⅤを|死霊縋纏《シリョウツイテン》で観察した事によりフラガラッハのエネルギーを喰らいながら内部まで食らい付き続ける黒竜を放つ!
「ランディングギアロック! ガトリングスピンアップ完了、撃てるプゥ!!」
 空野・プゥピィ・シルバーホークバーストA~Lのこぶたの|殲滅銃撃術《ザ・バレットパーティタイム》!
 12機を空中固定し、機体下部固定残滓ガトリングランチャーが一斉に光弾、光線、実弾、貫通弾を浴びせ続ける!
「今度は貫通弾だ……どこまでも撃ち抜くのみ!」
 エルゴ・ルスツァイアの駆るTCW-01ELC/SHB イクスフェル・シルバーホークバーストの|高加速貫徹弾《ペネトレーティング・バレット》!
 HV-DRS 超高速高貫徹弾がこじ開けた切り口に深く食い込みひび割れが広がる!
「もう一発だ、今度は耐えさせん」
 グラン・ボーン・シルバーホークバーストの|大地爆砕撃《ダイチバクサイケン》!
 深く入ったヒビに叩き付ける全力の左拳による超質量衝突打撃! 本体のひび割れがついに、全体にまで広がる!
「ヒサツワザ! キツネ・トビゲリ! イィィィヤァァァァァーーーーッ!!!」
 ジンライ・フォックス・シルバーホークバーストの奥義:キツネ・トビゲリ!
 撃ち込まれた徹甲弾を後押しするようにケリを叩き込み、光速ガトリングケリでさらに深くまで破砕!
「紅蓮で送ってやる。海へ還れ」
 木霊・ウタ・シルバーホークバーストのブレイズスラッシュ!
 大焔摩天から伸びる神殺しの地獄の炎が遂に本体を完全貫通! そして、遂に! 本体の蒼い球体が粉々に砕け散った!
 本体粉砕で船体を構成していたパーツも全て自己崩壊。何もかもが躯の海へと還っていく。
「故郷へ帰してやれなくて悪ぃ。ここに過去の居場所はないんだ。紅蓮に包まれて眠れ」
 猟兵達の完全勝利である。

 そう、ここまでは。
 猟兵達も与り知らぬ場所でもう一つの戦いに決着が付こうとしていた。

『|来訪者《ビジター》、指定のポイントで防衛線を突破させたぞ。本当にこれでよかったんだろうな?』
『ああ、ご苦労だった……良かったのかどうかはすぐに分かるさ』

●提督の帰還
 囮にした旗艦はどうやら役目を果たしてくれたようだ。最も厄介だった敵主力を宇宙の彼方に釘付けにしておいてくれた。地球への帰還作戦。最後の防衛線は……やや、疑念が残る。意図的にこちらの進行を許したかのような。だが、構わない。ようやく故郷へと帰る事が出来るのだから。
 私は、私達は。ついに地上へ、地球への帰還を果たした。
 青い星。ここへ帰る事をどれほど長く待ち望んでいた事だろうか。美しい夕暮れの海だ。生命の煌めきだ。
 私は、私達は。海上を飛ぶ。遠くから海鳥が出迎える様に羽ばたくのが見えた。
 そして、海面を見る。
 ああ……そう言う事だったのか。ここに至るまで私は、私達は、こうなっていた事を認識すら出来ていなかったのだ。
 私は、私達は……VOIDになって、いたんだ。私達が戦った相手は、地球の住民。今の、地球の……私達の知らない人達。
 私達は誰からも歓迎はされない。あの、海鳥たちですら……
 私は、ほんの僅かに海水を掬った。ただ、それだけで十分だった。
 行こう。もう私達はここに留まるべきじゃない。
 星の海を渡って、振り向く事無く、光を追い越し、時を翔んで……
 いつまでも、どこまでも。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

空野・プゥピィ
●アドリブ連携大歓迎プゥ
はー……疲れたプゥ……なのであたいは後方に居るプゥよ!
その間の攻撃はこの《こぶたの分身連携術》のプゥピィA~Lの12体に任せるプゥ。
順番に出て時間を稼ぐプゥよ!
プゥピィA「了解プゥ!まずはあたいからプゥ!」
プゥピィLが出る頃には体力も回復してる事でしょうプゥ!
じゃ、いただきまーす(アイテムにあるパック詰めのキノコソースのパスタを開封し食べ始めた)
それじゃあ分身の皆に(もぐもぐ)作戦を伝えるプゥよ(もぐもぐ)
【取り付け型残滓ガトリングランチャー】及び【思考型こぶた残滓ビット】から《こぶたの殲滅銃撃術》を放つプゥ(もぐもぐ)
光線と貫通弾と散弾の3つで誘導ミサイルとかを迎え撃つプゥよ(もぐもぐ)
大丈夫!やられても分身の皆は分身だから!実質デコイだプゥ。
ローテーションは組んだプゥね!さあ行くプゥ!げぷー。
じゃあ、あたいは30km離れて自動操縦モードにしてローテーション時間内の2時間ぐらい寝るプゥ。おやすみー。
みんな頑張ってねプゥー……Zzz……。



●LAST LETTER
「まんまと嵌められて敵の本隊を逃がしたってのかよ」
「正確な表現では無いな。正しくは嵌められた振りをしただけだ」
 コンバイラリリルリリルベーラを撃破した猟兵達は私の執務室、つまりグリモアベースに引き上げていた。
「それじゃあ、私達が倒したのは何だったのですか?」
「敵の旗艦だよ。紛れもなく……ただし、艦長不在のな」
「道理で。迎撃が単調過ぎたのです」
「事実、パワーは凄かったがそれに頼った力押しに過ぎなかったしな」
 瞳とフォルクはそれぞれの見解を述べた。
「私達の戦いは無駄だったのか?」
「そうでもない。オブリビオンフォーミュラーはあのコンバイラリリルリリルベーラの方だ。猟兵として一番大事な仕事はしている」
「じゃあ、地球に降りた奴ってのは?」
「かつてVOIDをたったの一艦隊で撃滅した英雄の提督と仲間達……の、なれの果てと言った所か」
「地球に降りたけど、すぐに引き返して行ったな。追撃はしなくていいんだな?」
「ああ、必要無い。彼らはもうこの地球に手を出す事はあるまい……私が見える範囲ではな」
「でも……どうしてあれだけ帰りたがってたのにあっさり引き上げたんでしょうねぇ?」
「提督の戦術を生かすには正気の部分を残しておかなければならない。それを失ったら大幅な戦力ダウンだからな。目的を達成した時、その残された正気の部分が自身の状態へと思い至らせたのだろう」
「なんとかしてやれないのか?」
「流石に今からどうにかできる相手ではない。それに、今はかの提督がVOIDのコアだ。君達にそれを打ち取らせる訳にはいかない」
「何故だ? VOIDの本体ならばそれを破壊すればVOIDは止まるのでは」
「止まらんよ、VOIDは。破壊した瞬間、破壊した者が次のコアにされる。その自覚すらなく、だ」
 これこそがVOIDを完全に滅ぼせないただ一つの理由だ。どういうプロセスでそうなるかは分からないが、例え大量の波動砲を並べて飽和攻撃で空間ごと蒸発させたとしても……誰かが、あるいはその全部が次のコアにされる。
 それを猟兵にやらせる訳には行かない。
「今は提督の意思が蘇っている。下手に刺激しない方がいい」
 まあ、今の提督ならば例え後ろから波動砲で撃ち抜かれたとしても引き返す事は無いだろうが。彼の覚悟はそこまで至っている。
「だったらさ」
 だから、彼が|こう《・・》言いだすのも予知の、いや、予測の範疇だ。

「空を見ろ!」
「空を覆う影が、無くなっていく!」
 その時、世界各地で歓声が上がっていた。48時間に及ぶ空の封鎖が解かれたのだ。人々は|蒼穹《そら》を取り戻した。

「やってくれたようじゃな」
「ええ、こっちの仕事ももう終わりでしょう」
 空と宇宙の狭間に居た物達も安どのため息を漏らしていた。
「この戦いを48時間も続けてたとかすげーな……」
「ああ、流石の先生たちだ」
「じゃあ、全部終わったって事で休憩しましょう」
『ああ、ご苦労だった。|訪問者《ビジター》……いや、お客人とでも呼ぶべきか』
 アイギス管理者も全域での戦闘行為が終了した事、ほぼ全ての機体が自力での帰還が可能であり、損傷した機体も牽引して帰還できる事を確認していた。
『中に入って休憩していくといい。きっと、驚く』

「何という事でしょう!」
 一面、無機質で殺風景だった休憩スペースが驚きの変貌を遂げていた。
 時間や資材の問題もあって大幅に手を加える事は出来なかったが、地の未来的な景観にマナキタ様式の木材を使った自然の安らぎが邪魔する事無く加えられ、ゆったりと休憩できるスペースが出来上がっていた。
 正しく匠の技である。
「ご飯もあるわよー!」
 そこに同じくマナキタ産の山の幸やウォール・アクアの海産物、ゴブリン集落産の肉料理が並べば誰もが空腹を強く意識せずにはいられない。
「大丈夫、ちゃんと大型種族向けも用意してるから」
「順番にね! ちゃんと財布の用意はしておきな!」
「え、無料じゃないの?」
「そんな上手い話がある物かい!」
「大丈夫! さっき戦った人達には山ほどの報奨金が出てるから!」

 アイギスの管理者は、その光景を遠くから眺めていた。まるで、在りし日のようだと。
 要塞として作られたが、その後に博物館となり……長い時を経て、またこの地に人が溢れている。
『まさか、こんな結果になるとはな』
 地上との交流を始めてもいいかもしれない。もう、ここに孤立している必要は無いかもしれないと彼は考えていた。その為の手段は分からないが。

 彼らはただひた向きに宇宙へと上がっていた。
 既に配下には地球の包囲を解き、宇宙へと散る様に命令してある。行く宛などない。それでも、かつて自分が守った地を自分の足で踏み躙ろうなどと思う物か。そんな事をするくらいなら未来永劫宇宙を彷徨う事になっても。
『前方に敵対存在』
『猟兵を確認』
 部下から報告が上がってきた。部下、そう思っていたが……これは自分の一部のようでもある。かつての部下の顔も、名前も……自分の姿すら思い出せない。
『一切手を出すな』
 もう一度厳命した。例え後ろから無抵抗で撃たれようとも、一切構う事は無いと。
 不意に、音が聞こえた。
 猟兵には音を媒介に攻撃をする者も居た筈だが、これはどうもその類では無い。

 その男は、ただ一人蒼い腕輪をしたままでギターを弾き語っていた。
 沈めるべき魂など無い今は、安らぎの歌ではなく。
 無限の宇宙へ旅立つ者達に、勇ましき旅立ちの歌を。
 願わくば、いつか虚無の呪縛から逃れ、新たな命となれるように。

「……はっ!」
「なんだ、今起きたのか」
「体力全快だプゥ! さあ、敵はどこプゥ?」
「いや、もう全部終わったぞ」
「えええぇぇーーッ!?」
「いや、お前の複製はちゃんと頑張ってたし」
「そう言う問題じゃないプゥ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年11月24日


挿絵イラスト