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帝都櫻大戰㉒〜桜舞う大海原

作者：七華

●緋桜が語る戦場
「今回の戦も第３戦線まで進んだねぇ、大詰めだからこそ気を抜いて油断しないようにしたいねえ。」
　七星・桜華（深紅の天魔流免許皆伝・f00653）が地図と資料を並べて周囲の猟兵の姿を確認すると話し始める。
「今回の首魁は幻朧帝イティハーサというかなり危険な御老人の様だけど、相手が何だって負ければ世界が破滅するなら行動して挑んでみたほうが好転するかもしれないねぇ？」
　この戦場は別の相手が居るんだと言いながら複数の資料を取り出す。
「幻朧戦線将校のカルロス・グリードってオブリビオンがサクラミラージュを沈めて２つ目のグリードオーシャンにしようって算段を立てているらしいが…。」
　並んでいる別の資料には今回のターゲットの「オブリビオン海賊船団」が写っている。
「連中に好き放題させない為に猟兵が居るんだ、将校様をぶっ飛ばして幻朧帝まで駆け抜けようじゃないか！」
「ちなみに戦うために自前で船を持ち込んでも、伝手があるなら近くの島で船を借りるのもいいだろうね、なんだったら空から攻め込むのも有効だろうねぇ？」
　そう言って刀を抜いて軽く一振りしてと空間が門のように切り開かれる、その中を進んだ先には広大な戦場が見える。
「私欲に溺れた将校様の牙城も狙える所から崩していこうじゃないか、さあ行こうか！」
「覚悟が決まったら先に進んでおくれ、頼んだよ！」
　―――戦場に向かう猟兵を見送りながら力強く声を掛ける。

第1章 ボス戦 『カルロス・グリード幻朧態』

POW   :    海王の矢 【無限に広がりゆく大海】から無限に供給される【『死の海水』の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。 SPD   :    王錫海巨人 全長=年齢mの【『海水の巨人鎧』を纏った姿】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【生命を蝕む呪いの海水拳】による攻撃を可能にする。 WIZ   :    インヴェイジョン・オーシャン 全身を【数万トンに及ぶ海水】で覆い、自身の【侵略への欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。 イラスト：炭水化物 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●開戦は空と海

「シャーク１、敵艦撃沈！」
それは轟音を引き連れて唐突に開戦する。
カルロス・グリードが率いるオブリビオン海賊船団が待ち構えている大海原、その上空で音速の壁を超える音を響かせて対艦ミサイルがずんどこ発射される爆音が始まりの合図になった。
「こちらから先制攻撃です、このビッグウェーブを見過ごす手はありません。今回もぎゃふんと言わせてやりましょう。」
どうやらカルロス・グリードとは他の戦場でも遭遇しているような言葉が聞こえる。
上空から対艦ミサイルをずんどこずんどこと撃ちながら制空権を確保しようと音速で旋回している戦闘機が単独でオブリビオン海賊船団に仕掛ける、モチロンそのまま大人しく撃破される訳が無いカルロス・グリードと船団から反撃が向けられる。
足を止めたカルロス・グリードから無限に広がりゆく大海から無限に供給される『死の海水』の矢が３倍の攻撃速度になって、船団からは多数の砲撃が空を翔ける戦闘機に向かって一斉掃射される。
ところで音速で旋回する戦闘機のパイロットは無事なのだろうか、何度も音速の壁を越えてソニックブームも発生しているのだから猟兵でも相当のダメージを受けて危ない状況かもしれない。
「はいどーもー、バーチャルキャラクターなので無事でーす。」
戦闘機の操縦桿を握るパイロットであるエミリィ・ジゼル（かじできないさん・f01678）はサメの着ぐるみをパイロットスーツ代わりに身につけていた、ハイテンションであるがマイペースなのだろうオブリビオン海賊船団からのプレッシャーも相手にせず右から左に受け流して対艦ミサイルをずんどこずんどこ発射しながら高度を急激に上昇させると一斉斉射の射程外の超高度まであっという間に駆け昇る。
上空なので滝があるわけでは無いが鯉ではなくサメが滝登りするような姿が見えるかも知れない。

上空でこれだけド派手に暴れればオブリビオンだって意識は上空に向けてしまうのもしょうがない。
戦場に来る猟兵は一人では無い事からも気を逸らせたエミリィ・ジゼルが再び戦闘機で音速の壁を超える音と衝撃波が周囲に拡散して響き渡る。
戦場の意識が上空に向いている最中、神気を纏い身体能力を強化をして神脚【無依】を使い足早に水上歩行で駆け抜けて近くの船団から離れて忍び込む隙があった海賊船の一つに静かに乗り込む人影があった。
「カルロスが得意とするであろう海上戦。更には無数の海賊船団……何度もやられてきただけあって、念入りな準備じゃないか」
海賊船に乗り込んだ人影とは猟兵の夜刀神・鏡介（道を貫く一刀・f28122）であった。
音も立てず忍び込むと神刀の力が宿る左手で神刀【無仭】を抜刀すると船内を駈ける向かう先は船を乗っ取り自身の移動手段にするために船橋、一つ息を整えると鍛え上げられた健脚でひた走る。
猟兵が忍び込んだ事に気づいた乗員のオブリビオンが急いで迎撃するために囲みながら集まってくる、大きな船とはいえ大人数で囲めば自然と動きにくくなるのは自明の理である、抜刀した神刀を構えて周囲を囲むオブリビオンを一瞥する。
神刀を構えた猟兵から放たれる斬撃波――剣豪であり神器遣いの力で修め使いこなす技の一つ、漆の秘剣【蒼鷹閃】――が集まってきたオブリビオン達を一掃する。
強すぎる余波で近づけていなかったオブリビオンも巻き込んでいるのは流石の腕前だろう。
そのまま船橋に居たオブリビオンも斬り捨てて無事に船の乗っ取りに成功する。
敵に偽装して警戒されずに移動できる手段を経ると船のダメージなど気にしない、むしろ巻き込んで海賊船団全体に大きなダメージを与えようと舵を握り速度を上げて船を走らせてカルロス・グリードの元へと突っ込んでいく。

敵に船だから壊しても構わない、そして船と船がぶつかっても破損しても被害はオブリビオン側だけの特攻船となり突き進む。
カルロス・グリードの居る船に一気に接近して再び放たれる、漆の秘剣【蒼鷹閃】の斬撃波、そこに上空のエミリィ・ジゼルから援護攻撃の対艦ミサイルが降り注ぐ。
ここでカルロス・グリードの牙城を突き崩して未来を切り開くために猟兵達は止まらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●駆け付けるスーパーロボとリアルロボ

「さぁ、その鋼の拳と錨となんかのビームで全てを焼き払ってください！蹂躙せよ！ザ・タイタン・オブ・カリビアン！！」
戦闘の爆音が鳴り響く大海原に突如として召喚された海賊船が大きく波を立てながら巨大海賊ロボに変形していく。
まるで日曜日の朝から放送されている特撮ヒーローに出てくる大迫力のロボットの様な変形シーンは目立つ、その巨大なサイズも相まってカルロス・グリードとオブリビオン海賊船団の注目も集めているが不可思議なルール、または不思議な力の影響なのか隙だらけの変形中にも関わらずカルロス・グリードは一切の攻撃をしてこない。絶好のチャンスのはずなのにきっと特殊な影響力があるのかもしれない。
巨大な海賊ロボが現れた海原から離れた空中には黒いガンランスを構える騎士のような外観のロボ【Code-Week】Mk-Third《オルトロス》が周囲に相当な数のCW-MkⅢ：アストラル・ビットVer.Cを展開して空中浮遊しながらカルロス・グリードに狙いを定めていた。

「面白い事をしますね、カルロス・グリード、私のために新たなグリードオーシャンを作り出してくれた事はありがたいですが……どうやらこの世界は迷惑なようなので、とりあえず一通り略奪したら消してしまいましょうか。」
巨大な海賊ロボの中で召喚主でありパイロットのシノギ・リンダリンダリンダ（強欲の溟海・f03214）が案内アナウンスを思わせるトーンで言葉を溢す。
タイミングを合わせたかのように黒い騎士然としたロボのパイロットである終夜・日明（終わりの夜明けの先導者・f28722）もカルロス・グリードに対して容赦が一切無い口調で言葉を漏らす。
「第二のグリードオーシャンを作ろうとはまた大きく出たな……まあ、貴様らしいと言えばらしいが。僕に生命を蝕む力を持ってきたんだ、その喧嘩、買ってやる。再び骸の海に還してやろうじゃないか、カルロス。」

なんという組み合わせ、マッチングの偶然とは恐ろしいもので全世界のお宝は全て自分の物だと思っている強欲の海賊と普段は理性で自身の苛烈な本性を抑えている負けず嫌いかつドSの2人は何かがお互いに通じたようでタッグを組んでカルロス・グリードとオブリビオン海賊船団に向かう。
先手を打つのは巨大な海賊ロボ【ザ・タイタン・オブ・カリビアン】を駆るシノギ・リンダリンダリンダが選んだ攻撃は攻撃回数と射程を５倍にしたカリビアンビームが周囲のオブリビオン海賊船団を薙ぎ払いながらカルロス・グリードに向けて轟音と共に放たれる。
巨大故の威力と攻撃回数と射程が５倍になったカリビアンビームが縦に横にと何度も薙ぎ払いながらカルロス・グリードを襲う。
もちろん、カルロス・グリードも無限に広がりゆく大海から無限に供給される『死の海水』の矢を反撃として撃ち返すが呪詛を織り交ぜた高密度のカリビアンビームで矢が次々に蒸発していく。

海賊ロボ【ザ・タイタン・オブ・カリビアン】のカリビアンビームに合わせて終夜・日明が操る【Code-Week】Mk-Third《オルトロス》も攻撃を仕掛ける。
迷彩で身を隠して距離を詰めながら、周囲に展開している『アストラル・ビットVer.C』で弾幕を貼りつつ距離が詰まると迷彩を解除して『アストラル・ビットVer.C』から追加の誘導弾を多方向に撃って敵を牽制・挑発して更に動きを誘導して巨大海賊ロボとターゲットを分散させる。
海面を砲撃で撃って水飛沫を跳ねさせて目眩ましにして本来は振りな海上戦なのに上手く地形も利用しながら近接攻撃が届く距離まで接近する。
周囲を飛び交う『アストラル・ビットVer.C』が絶え間無く撃ち続ける波状攻撃が持ち主の意志通りにカルロス・グリードとオブリビオン海賊船団へこれからその首を狩る牙だと無言のメッセージも合わせて怒涛の攻撃を向ける。
止まらない日明の攻撃に対してカルロス・グリードは爆速で巨大化、海水の巨人鎧を纏った姿に変身して生命を蝕む呪いの海水拳で反撃しようとした所に割り込んで入って反撃を妨害しながら攻撃までしてくる大きな影が海中から飛び跳ねるように姿を表す。

「七つの海をゆったり生きていくの、そのために七海ちゃんが今回も海賊船団を沈めに行くのね。」
突如現れた大きな影は海洋生態系において海の王者と言われるシャチの猟兵である天王寺・七海（大海の覇者・f26687）もこの戦場に参加した、しかも他の猟兵に対して姿で勘違いされないように味方だとアピールもしながら他の味方も助けながらの一石二鳥の登場だ。
しかも舞台は得意フィールドの海である、まさに水を得た魚いやシャチは自在に海中を泳ぎながら協力して敵を狩るシャチを140体も召喚して勢いそのままに海の王者達が得意の水中機動の突撃で超パワーが乗った体当たりで海賊船を片っ端から海の沈めて海中に落ちて生き残った船員も他のシャチが強靭な顎で確実に噛み砕いて仕留めていく。
こちらに得意なフィールドを選んだてめぇの自業自得だと言わんばかりの巨体を生かしたシャチの群れによる体当たりは自然災害と思わせる規模で海を自在に泳ぎ海賊船を次々と破壊する。

猟兵達の無数のビームにビットからの射撃にシャチの群れが体当たりと怒涛の攻撃で海賊船段は壊滅して残るカルロス・グリードにも狙いを定めた対生命特効が複合された雷を纏う蒼光の槍が放たれる。
「逃げられるなら逃げてみろ、《蠱毒》は貴様が死ぬまで追い続ける！」
鳴り響く音が一瞬遅れて轟く、蒼い雷光がカルロス・グリードを宣言通りに死ぬまで何度も貫く。
対生命特効の雷で身を焼かれ貫かれるカルロス・グリードにシノギ・リンダリンダリンダが乗る【ザ・タイタン・オブ・カリビアン】からも轟音を響かせた追い打ちの極太カリビアンビームでカルロス・グリードを確実に撃破した。
海の王者たる天王寺・七海が周囲を警戒して、戦闘終了が確認されると猟兵たちはそれぞれが向かう場所へと再び進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年09月23日