帝都櫻大戰⑭〜 相撲とろうぜ(相撲でなくてもよい)
●カクリヨファンタズム・幻朧桜の群生地『幻朧桜の丘』
「ちょっと頼まれて欲しいことがあるんにゃけど」
「うす! 親分の為ならなんだってします!」
東方親分・山本五郎左衛門の言葉に東方妖怪のグリモア猟兵、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)が食い気味に答える。
「『諸悪の根源滅殺儀式』を取り行うんにゃが、そこで相撲をとって欲しいにゃ」
「相撲ですね? いつとります? 俺はいつでも準備できてますよ」
「いや怖い怖い」
なんかこのまま組みついてきかけない勢いの柳火に若干引きつつも、山本親分は詳しく儀式について説明するのだった。
●グリモアベース
「そんな訳でてめえら、相撲とるぞ!」
どんな訳なのか、山本親分とのやりとりを軽く説明した後に柳火が切り出す。
「まあ、相撲って言っても、武器を使わなきゃ土俵の上でなんでもありのタイマンやってもらう感じなんだけどな」
土俵に足以外がついても決着にはせず、相手が負けを認めるかKOさせる、もしくは土表の外に出すことで決着といった感じらしい。
「今の相撲よりも神話とかにある古代の相撲の方がイメージが近いのかな? で、その戦いを儀式に捧げることが俺に任された『諸悪の根源滅殺儀式』の概要らしい」
相手は猟兵同士で戦ってもいいし、カクリヨの妖怪を相手に相撲をとってもいい。強力なユーベルコードの使い手が増えるほど、儀式の力は強くなるという。ちなみに、周囲には観客席もあり、そこで飲食しながら観戦することもできるらしい。
「一応、禁止事項としては『武器の使用禁止』『故意に相手を殺害すること』くらいだが、武器の使用禁止に関しても獣人の爪や牙、サイボーグや機械種族の内蔵兵器やギミックなんてのも肉体の一部として扱うから使用はOKみたいだな。ユーベルコードの使用もその辺りを考慮してくれ」
話を聞くと舞台が土俵に移った超人プロレスみたいな印象も受ける。
「そんな訳で山本親分の為にも死ぬ気で頑張ってくれな」
山本親分が関わっているせいかテンションが少しおかしくなっている柳火。そんな彼女に見送られながら猟兵達はカクリヨファンタズムに向かうのだった。
麦門冬
どうも、マスターの|麦門冬《むぎと・ふゆ》です。どんな宴会にしようかと考えていたら、このフラグメントが出てきました。なら仕方ないね。という訳で、相撲をとってもらいます。
なお、このシナリオには以下のプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……儀式の手順を成就させる。/対戦相手がどんな奴か描写を行う。
尚、相撲の対戦相手に柳火や山本親分を指名することもできます。
以下、補足事項です。
●諸悪の根源滅殺儀式
カクリヨに流れ着いた幻朧桜の下で執り行う『諸悪の根源』の滅殺を可能にする儀式で、正式な手順は山本親分だけが知っています。内容は宴会だったり様々ですが、今回は相撲です。ユーベルコード使い達が繰り広げる勝負を儀式へと捧げ、儀式を強力なものにします。
●相撲
現代の相撲と違い、ルールは大雑把です。
・戦うの土俵の上(直径4mほどですが、場合によって大きさが変わります)、相手をKOする、降参させる、土俵の外に出せば勝利です。
・基本的に武器の使用は禁止ですが、種族生来の武器や体内内蔵のギミックなどの使用は認められています。
・格好は自由です。まわし姿で水着でもジャージでも。動きやすいものがいいでしょう
・観客席があり、観客はそこで宴会を開きながら観戦しています
●カクリヨの妖怪
対戦相手になってくれたり観戦していたりします。妖怪独特の能力や変化等の妖術を相撲に組み込んで戦ってきます。
東洋、西洋、新しい、竜神満遍なくいます。特に指定がなければプレイングに合いそうな妖怪(無難に選ぶのであれば力自慢の鬼)を出します。
●山本親分
基本的に勝負を見ていてくれますが、望めば対戦してくれます。パワー、スピード、テクニックがハイレベルで備わっています。公序良俗に反するプレイングを仕掛けられた場合はプレイング通りの結果にならない場合がございますのでお気をつけください。
●柳火
運営など裏方に回っていますが求められれば対戦してくれます。小柄ながら、真正面からぶつかってきます。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『妖怪大相撲・幽世場所』
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POW : 相撲と言えば真っ向勝負!
SPD : 速さで相手を撹乱!
WIZ : 頭を使って白星を掴め!
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
笹乃葉・きなこ
●アドリブとかおまかせ
そうだべな
おら雰囲気から入りてぇから、
下着を着てレオタード着て、まわしをつけるか
「儀式」なんだし
対戦相手は山本親分か柳火
そんじゃぁ、相撲取るか
武器は使えねぇんだろ?なら、これはいらねぇなぁ
(土俵に上る前になぎなたとグルメツールもぽいっと)
あ、まさか、武器についてる技能とかって…
まぁいいべぇ
そんじゃぁ、相手の攻撃を誘うように誘惑して、野生の勘だよりで掴んでそっからユーベルコードでぶん投げてみるか
どの投げが好きだべか?
好きな技で投げやるべ
小手投げ ?上手投げ?まわしをつけてるなら掬い投げでぶん投げてやるべぇ
目標は相手を土俵の外に出すことだべ
土俵上の立ち回りも考えて動かねぇとな
●開幕
「そんじゃぁ、相撲取るか」
そう言って土俵の外側に立つのはキマイラの女性、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)だ。『雰囲気から入りてぇ』と言うことで、レオタードの上からまわしをつけた状態だ。
「よっし、やってやろうじゃねえか」
そして土俵の反対側に居るのは陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)だ。彼女もまわし姿で上はサラシを巻いている。
二人とも身長140cm台と小柄ではあるが、溢れる気魄はなかなかなものだ。
「武器は使えねぇんだろ? なら、これはいらねぇなぁ」
土俵に上る前になぎなたとグルメツールもぽいっと放るきなこ。これらの武器を振るう為に積み上げた技術は彼女の中にすでに宿っている。今回の素手の格闘でもそれらは役に立つだろう。
「そんじゃぁ、いくべ」
「おう!」
行事が出した合図と共に最初に仕掛けたのは柳火。その両手に炎を灯す。
「そう言うのもアリなんだべな」
「武器を使わなきゃ、結構何でもアリだから、な!」
きなこの言葉に応えながら炎の手で張り手を繰り出す柳火。
「あちっ!」
「そら、更に行くぜ!」
避けるきなこに対して張り手の回転数を上げる柳火。
「おわっと!」
「隙あり……っ!」
大きくのけ反ったきなこに追撃をかけようとした柳火だったが思った以上に重心が動いていないことに気付いたが、すでに遅し。
「引っかかったべな」
誘いに乗った柳火の張り手を体を揺らして内側から払い、組み付くきなこ。組み合い、密着し、柔肉が圧し潰れる。
「どの投げが好きだべか? 好きな技で投げやるべ」
「させるかよ!」
単純なパワーとスピードであれば柳火に分があるが、力のやり取り駆け引きなどの技術はきなこの方がある。更には、
「小手投げ ? 上手投げ?」
「うおおおおっ!?」
相手を掴みさえできれば【笹乃葉式我流投げ技地獄】で相手を持ち上げ放題なのだ。ユーベルコードの力で柳火を振り回すきなこ。
「やっぱ相撲ならこれだべかな」
「にゃあああっ!?」
そしてまわしを掴むと、そのまま掬い投げでぶん投げる。放り投げられた柳火は猫の身のこなしで華麗に着地するものの、着地したのは土俵の外。勝負ありである。いきなりの猟兵達の名勝負に観客達も沸き上がる。
「まんまと乗せられちまったか」
「土俵上の立ち回りも考えて動かねぇとな」
悔しがる柳火にきなこは土俵の上からそう答えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
桂・真志
弟分の|所在《ありか》(f43975)と
儀式で相撲か
そういえば相撲は神事と聞いた事がある
世界が和風でその辺りも踏襲されているのか
「よし、出よう」
だが失敗した
動きやすい服はないな
止むを得ん
「と言う訳で上着とループタイは持っていてくれ」
所在に渡す
投げられて汚れたら…まぁそれは俺の不徳だしな
体躯にあった妖怪さんが来る
一礼してから掛け声で四つだ
押し合いになって…む、僅か土俵を割れたか
どうやら勝てたらしい
再度一礼し山本親分にも頭を下げると
所在が拍手してくれてる
面映ゆいが堂々と降りよう
「次はお前だな、帽子とか預かるぞ」
見ているといかにも所在らしいピーキーな戦いで
俺も拍手で楽しもう
良い日に良い儀式で満足だ
凶月・所在
兄貴分のまさにー(f43974)と
戦争って本当に色々な戦いがあるんだね
まさにーも神事って言ってたけど
これも確かに戦いで儀式!
「うん!僕も相撲参加するよ」
相撲は先にまさにーから
持っていてっていうから
上着とタイはしっかり持って観戦なんだよ
「まさにー!頑張って!」
試合はがっぷり四つでそのまま押し勝ち
大きく拍手して迎えて上着を返したら
「次は僕の番。宜しくね」
帽子と上着、僕も預けるんだよ
相手は僕と同じくらいの妖怪さん
僕は力はそんなにないからね
一礼してから掛け声で
小柄なのを活かして小刻みに動いて翻弄して
一瞬でも油断したら逃がさないよ
「てーーい」
なんだか勝てたらはればれなんだよ
きっと儀式、うまくできたね!
●それぞれの持ち味
「儀式で相撲か」
「戦争って本当に色々な戦いがあるんだね」
サクラミラージュを守る為の『帝都櫻大戦』。兄貴分である桂・真志(新世界に光望む者・f43974)の言葉に凶月・所在(優しい殺人鬼・f43975)はそう感想を漏らす。
「そういえば相撲は神事と聞いた事がある。世界が和風でその辺りも踏襲されているのか」
「これも確かに戦いで儀式!」
カクリヨは忘れ去られた日本の要素を取り込み続けたような世界である。そうしたいにしえの儀式が残っていてもおかしくはない。
「よし、出よう」
「うん! 僕も相撲参加するよ」
そうして参加を決めた二人ではあったが、
「失敗したな」
「どうしたの? まさにー」
「動きやすい服はないな」
真志は普段の黒を基調にした襟付き上着を羽織ってきており、相撲には向いていない格好だ。
「止むを得ん。投げられて汚れたら……まぁそれは俺の不徳だしな」
上着とループタイを外し、所在に渡す真志。
「と言う訳で持っていてくれ」
「まさにー! 頑張って!」
土俵へと上がる真志に声援を送る所在。
「ほう、アンタが俺の相手か」
土俵の反対側から現れたのは二足歩行の狼といった風体の狼男である。
「人狼か。クルースニクとはまた違うのは、所変わればといったところだな」
弟分のいた世界のことをふと思いつつ、そんな感想をこぼす。
「っと、今は勝負だな」
一礼し、目の前の相手に集中する真志。行事の掛け声と共に土俵の真ん中で二人がぶつかり合う。がっぷりと四つに組み合い、押し合う二人。相手の狼男も力には自信があるようで正面から押し込もうとしてくるが、
「む、どうやら勝てたようだな」
土俵から押し出し、真志の勝利となった。そして、再度一礼し観戦している山本親分にも頭を下げる真志。それに対し所在が拍手をし、それに続いて観客から盛大な拍手が巻き起こる。
「次は僕の番。宜しくね」
面映い気持ちを抑え堂々と土俵を降りる真志を所在が迎え、上着などを返す。
「帽子とか預かるぞ」
そして今度は所在のニット帽や上着を真志が預かる。
「よろしくお願いします」
所在の相対したのは物腰柔らかそうな西洋人の青年。おそらくは何かの西洋妖怪だろうか。
互いに一礼し、行事の掛け声で所在が飛び出す。このままスピードで翻弄する腹づもりではあるが、
「!?」
大戦相手の青年の体が真っ黒になったと思ったらバラバラになって飛び散る。
「うわっ!」
そしてその一部が所在の体に纏わりつく。
「蝙蝠……ヴァンパイアか!」
ダンピールである真志がいち早くその正体に気付く。様々な世界にヴァンパイアはいるが、このカクリヨの西洋妖怪の一種としてのヴァンパイアが対戦相手だったようだ。
「わぷっ! っと!」
小刻みに動き蝙蝠を振り払おうとする所在。相手の目論見としてはそうやって動き回らせて翻弄し、スタミナを奪うところだろうか。
「逃がさないよ」
「!?」
だが、一瞬の隙を突き、蝙蝠のうちの一匹を鷲掴みにする。翻弄されているように見せて、翻弄していたのは所在だった。
「てーーい」
そのまま掴んだ蝙蝠を土俵の外へと押し付ける。勝負あり。
「良い日に良い儀式で満足だ」
真志は弟分の勝利に拍手を送りながらそう呟く。
「きっと儀式、うまくできたね!」
所在もはればれとした表情で土俵を下り、兄貴分の元へと戻ってゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
日向・向日葵
●アドリブおまかせ
対戦相手:大将さんか山本親分さん
服装は自由なので今年の水着を…
あ!これ儀式だ!?
…レオタードにまわしの方が良いのかな?
どっちがいいです?
それはそうと、武器は使えないステゴロって奴だね
流石に飛行は反則だよね
うん、翼は仕舞おうね
それではよろしくお願いします!
相手の掴みの攻撃は攻撃演算で予測して、受け流しで手首などを掴んで受け流してみようとするよ
肩には自信があるんだ
建てにどでかいアームドフォートを背負ってないからね
ある程度は攻撃を受け流して、隙をみて顎とかに串刺しするようにユーベルコードを使ってみよう
ダメージ上乗せ狙いでリミッター解除もわすれずに
声を上げながらすれば威力も上がるかも
●vs東方親分
「うーん、服装は自由なので今年の水着を……あ! これ儀式だ!? ……レオタードにまわしの方が良いのかな? どっちがいいです?」
「どっちでもいいにゃ」
日向・向日葵(オラトリオの迷い人・f40855)が勝負の格好で迷っていると、東方親分こと山本五郎左衛門はばっさりと答える。
ちなみに彼女の服装は胸元に「さんもと」と書かれたスクール水着である。格好を畏る必要がないことのアピールではあるらしい。
「そっかー。なら、水着にしておこうかな」
「更衣室は向こうにゃよー」
そうしてしばらくして黄色のビキニ姿となった向日葵が戻ってきた時には山本親分は様々な妖怪達と取り組みしており、土俵の周囲には敗れた妖怪達が死屍累々と転がっていた。
「この取り組みが終わった次の次にゃよ」
「はい!」
豊満な体を軽く揺らし、ウォームアップする向日葵。
「それはそうと、武器は使えないステゴロって奴だね」
準備をしながらも山本親分の取り組みを観察する向日葵。
長年の経験に裏打ちされているだけあり、戦闘技術はかなりのものだ。猫らしい液体のように捉え所のない動きで相手に掴ませず、それでいて攻めに転じれば、大妖怪としての力を余す事なくぶつける。今対戦している鬼にしても山本親分にうまく組みつくことができず、気づけば土俵に叩きつけられていた。
「流石飛行は反則だよね」
「カカカーッ! お覚悟!」
戦術を考えていると、次の対戦相手である鴉天狗が空中から山本親分に襲い掛かる。
「ほいっ」
「カァ!?」
だが、紙一重でするりと避けると鴉天狗の足をすれ違いざまに掴み、そのまま地面に引き摺り下ろす。空中で踏ん張りが利かない中、鴉天狗になす術はない。
そのまま鴉天狗の翼を巻き込む形で腕を抱え、胸を反らせるような形の固め技に入る山本親分。
「儂はこの技を『ささみ裂き』と呼んでるにゃ。このまま力を加えれば、肉は裂け骨は飛び出し」
「こ、降参! 降参する!」
「うん、翼は仕舞おうね」
空中戦は必ずしも有利になるとは限らない。ならば肚は決めた。
「それではよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくにゃ」
互いに一礼し、行事の掛け声と共に土俵の中心で攻防が繰り広げられる。
「くっ」
「なかなかやるにゃ」
互いに張り手を打ち、体を掴もうとしては受け流す。
(演算が追いつかない)
前もって観戦して集めたデータも組み合わせ、戦闘演算で攻撃を予測するものの、猫独特の柔らかい身体から繰り出される変幻自在の攻め手に受け払うのに手いっぱいで、更にそこを掴んだりまでになかなかもっていけず、歯痒さが募る。
「足元がお留守にゃっ」
「んなっ!?」
突然山本親分の姿が消えたかと思うと、向日葵の体が浮く。否、動きを悟られないよう脱力して身体を沈ませ、向日葵のその大きな胸による死角に潜り込むと同時に痛烈な足払いを仕掛けたのだ。
「油断大敵にゃ」
今回の相撲のルールは土俵に手や背中をつけたところで負けではない。仰向けに近い体勢の向日葵の上に跨る山本親分。向日葵の巨大な乳房を押し上げるように位置どり、自身の姿が向日葵から見えないようにする徹底ぶりである。ここまでされれば通常は逆転など無理だろう。しかし、
「したつもりはないんだけどね!」
「にゃ」
仕舞っていた三対の翼を広げ、身体を揺らす向日葵。思わず振り落とされないようにする山本親分だが、それが向日葵が相手を捕捉する助けとなる。
「そこだあああああああ!!!」
揺れた乳房の端から垣間見えた山本親分の顎めがけて【|我流の突っ張り《ワルアガキソノイチ》】を叩き込む。不安定な体勢からの腰の入らない一撃。だが、山本親分を吹き飛ばすには十分な一撃だった。
「肩には自信があるんだ。伊達にどでかいアームドフォートを背負ってないからね」
自慢の膂力を一点に振り絞った一撃だ。土俵際まで吹っ飛んだ山本親分はフラフラだ。
「あそこまで行ったのに返されるとは、おみそれしたにゃ」
そして片膝をつき、言葉を続ける。
「参ったにゃ」
勝負の続行は困難と判断したのか、儀式に捧げる戦いは十分と判断したのか、彼女から降参の言葉が出る。
「やっったああああああ!!!」
思わず炙れる勝利の叫び。そして、この金星にわっと上がる歓声。
「ありがとうございました!」
「ああ。次もいい勝負を期待してるにゃよ」
勝利の余韻に浸りながらも礼をする向日葵に山本親分はそんな言葉を浴びせる。
「次?」
「今度は俺と戦ってくれ!」
「いや、アタシと戦ってぇ」
「ケケケーッ! 山本親分に勝ったのはマグレなんかじゃないよな?」
「ゴフゴフゴフ、勝ち逃げは許さぬぞ」
多くの妖怪達の目の前で、その総大将の一人である東方親分に勝ったのだ。対戦の申し込みが起きない訳がなかった。
「ちょ、ちょっと待って欲しいかな?」
向日葵の戦いはまだまだ始まったばかりだった。
大成功
🔵🔵🔵
押出・ハリマ
相撲と聞いて!
命のやり取り気にせず力量の高い相手と相撲取れるなんて最高っすね!
純粋に力と技を競い合っていい相撲取って、儀式の方も頑張って成功させるっす!
宿儺は外してまわし姿で土俵へ。
妖怪相手の相撲勝負、作法は忘れず取組は真っ向勝負。
下手に変化とかせずがっつり組んで投げ技の応酬したり全力で挑み、勝ちを狙うっす。
UCは必要なら起動、集中力というか勝負勘が研ぎ澄まされてより良い勝負が出来そうな気もするっすね。
対戦相手は河童でも天狗でも相撲が得意そうな…人型じゃない相手でも誠心誠意全力を出し切り土俵外に豪快に投げ飛ばす!
負けたら負けたで精進あるのみ!
…もっと沢山取組出来たらなあ…
※アドリブ絡み等お任せ
●猟兵相撲
「相撲と聞いて! 命のやり取り気にせず力量の高い相手と相撲取れるなんて最高っすね!」
押出・ハリマ(気は優しくて力持ち・f44111)は気力を漲らせ、土俵へ向かう。サイキックハーツで戦っていた頃から、いや、それよりも前から力士であった彼としては、願ってもない舞台だろう。
「純粋に力と技を競い合っていい相撲取って、儀式の方も頑張って成功させるっす!」
武器などは外し、まわし姿でいざ土俵へ。
「グフォフォ、俺の相手は貴様か」
対戦相手は190cm近くあるハリマよりもさらに頭二つ分大きい巨体の鬼である。
「相手にとって不足はないっす」
作法に則り、礼に入り、いざ|【精神統一】《コンセントレーション》し、対戦相手を見据える。
(重心が前に入っていない……あの巨体でわざわざ変化するとは考えられないっすけど……)
相手の挙動を不審に思いつつも、行事の掛け声とともに前へ出て組み合おうとするハリマ。同じく鬼もハリマの所へと飛び出そうとして、
「グフォフォ……ヒョヒョーッ!!」
突然鬼の体がどろんと煙の包まれかと思うと、一反木綿の姿になり、するりとハリマの後ろに回り込もうとする。
「そう、きた、かぁーっ!」
何かあると備えていたハリマは咄嗟に反応し腕を伸ばす。引っかかったのは指2本分であるが、力士であるハリマにとってはそれで十分。
「どすこーいっ!!」
そのまま相手の体を手繰り寄せると、土俵へと叩きつける。
「ぐはっ、馬鹿正直に突っ込んでくれれば勝てたのによ」
再びどろんと煙が出て、そこに居たのはタヌキ耳の少年だった。
「なるほど、今のがどろんバケラーの【トリプルどろんチェンジ】か」
「こうなったら、もう小細工は抜きだ!」
タヌキ少年は今度はどろんと巨大狸に変身する。
「わざわざ絡めてで行かなくても、やればできるじゃないっすか!」
巨大狸の突進を全身で受け止めるハリマ。それだけでなく、巨大な体を持ち上げてゆく。
「どすこーい!!」
そして土俵の外へと豪快に投げ飛ばす。勝負ありだ。
「……もっと沢山取組出来たらなあ……」
わっと上がる歓声の中、ハリマは礼をし、そのようなこと呟く。
「なら、次は俺とやらねえか?」
「俺ともやろうぜ。さっきの見せかけとは違う、本当の鬼を見せてやるよ」
「ねえねえ、あたいとも戦っておくれよ!」
そんな言葉を耳ざとく聞きつけたのか、ハリマに勝負を申し込む妖怪達が押し寄せてくる。
「……ごっつぁんです!!」
妖怪達の好意に応えるようにハリマは声を張り上げるのだった。
こうして大盛況のうちに相撲大会は無事終わった。強力なユーベルコード使いが繰り広げた名勝負は『諸悪の根源滅殺儀式』へと捧げられ、儀式に強い力が宿る。
この儀式の力が解放されるのは、もうすぐだ。
大成功
🔵🔵🔵