帝都櫻大戰⑬〜移住者は侵略者を許さない〜
ブルーアルカディアのあちこちに浮かぶ多数の浮遊大陸。
普段なら魔獣が闊歩している場所には満開の桜並木が立ち並び、赤と緑の炎が乱舞していた。
「まさかこれは『渾沌の力』……? 命あるものが、これを扱えるのですか!?」
「ギャーッハッハッ、いまは原理より現象を認識した方がいいんじゃないカァ!? 見ろよ、お前の周りの浮島はとっくにカオスの支配下だ! この後デビルキング様御一行が駆けつけりゃ、お前にはもう、言うほど余裕は残ってないゼぇ!」
全身を蛆に喰われ続けている美女を前にして、キャンピーくんが山本五郎左衛門と邂逅する前からこの世界に「飛び移らされていた」三つ首の龍は高笑いを上げた。
「かつてアルカディア争奪戦に馳せ参じた勇士達は『自分達の力ではあれに太刀打ちできない』と判断し、今回の異変に乗じて活発化しようとしている魔獣や屍人帝国の排除に専念しています。なので戦場付近に誤って接近してしまうことはまずありえません」
幻朧桜が発生した場所に印をつけながらルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は猟兵達に現状の説明を始める。
「愛と死の女神であったエンシェント・レヰス『イザナギ」は肉体を冥府の蛆獣に絶えず喰われ、完全にイティハーサの操り人形と化しています」
冥府の蛆獣は常にイザナギ以外の寄生先を狙っており、ほんのちょっとでも隙を見せれば卵を植え付けようとしてくる。また体内に宿る「火雷大神」と呼ばれる存在は|母体《イザナギ》に敵意を示した物を執拗に追いかけて雷を叩き落としてくるという。
「そんな彼女に、スーパーカオスドラゴンさんが反旗を翻しております」
7thKING WARの直後からブルーアルカディアに転移させられたスーパーカオスドラゴンはエンケロニエルからの執拗な攻撃から解放されてからというもの、のんびりと旅行を楽しんでいたという。
「その結果ブルーアルカディアの浮島に対する土地勘を得て、その上で全てをカオスと化す『混沌魔法』を撃ちまくってイザナミの進行を食い留めてくれています」
かつて周辺の環境が破壊されることを危ぶんで混沌魔法を封印し、コルディリネの対応に苦慮していた時期から考えると、随分と地域に溶け込んだものである。……本来なら早くデビルキングワールドに帰ってほしいところだが。
「とりあえず今は帰還方法を考えるのは傍に置いといて、スーパーカオスドラゴンに今すぐに加勢し、彼の振り撒いたカオスを利用して、イザナミを撃破しましょう! 皆様、すぐの出発をお願いいたします!」
平岡祐樹
お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオギミック「カオス化した地形を利用して戦う」・「スーパーカオスドラゴンと協力して戦う」がございます。
これに対抗するプレイングが記載されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
スーパーカオスドラゴンは呼びかけられれば「7thKING WAR㉒」・「スーパーカオスドラゴンとお空の国」シナリオにて使用した6種のユーベルコードのうち、指定された1つを使って猟兵を援護してくれます。
選択するユーベルコードはスーパーカオスドラゴンと同じ属性でなくても構いませんが、その場合選択された属性と同じユーベルコード2種類をイザナミが使用してきますのでご了承ください。
第1章 ボス戦
『イザナミ』
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POW : 幻櫻死界
指定地点からレベルm半径内を【サクラエリュシオン】に変える。内部にいる者は活力(体温・燃料等)を激しく消耗する。
SPD : 黄泉変異卵
【冥府の蛆獣】から無限に供給される【生命を貪る蛆獣の卵】を、最大レベル体の対象に一瞬で投擲できる。
WIZ : 火雷大神
自身に刻まれた【オブリビオン化の烙印である腐敗した肉体】を引き裂き、【8体の火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)】を召喚する。[8体の火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)]は死ぬまで敵を追跡し、【雷】で攻撃し続ける。
イラスト:片吟ペン太
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
巡り巡って…いやはや、不思議なものですねー。
陰海月もファンとして嬉しそうで…使ってもらいたいのを団扇に書いて…。
UC使いましてー。ええ、これで私はダメージ気にせず戦えるってものです。
ふふ、だからこそ…このまま、貫通攻撃な漆黒風を投擲しましょう。
イザナミ殿も、やりたくないことなのですから。
四悪霊が戦うのは、当然ですよ。
※
陰海月「ぷきゅう!」
スーパーカオスドラゴンさんだ!!
団扇『♡カオティックデスボイス♡お願いします』
そして!ぼくはスーパーカオスドラゴンさんに防御用の結界張ってるよ!
「ぷきゅう!」
「巡り巡って……いやはや、不思議なものですねー」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は思わず微笑みながら「♡カオティックデスボイス♡お願いします」とヘニョヘニョの筆圧で書かれた団扇をぶんぶんと振る陰海月を見遣る。
「陰海月もファンとして嬉しそうで……使ってもらいたいのを団扇に書いて……」
「ぷっきゅ! ぷっきゅ!」
「ゲヒャヒャ〜ッヒャッヒャ! 期待されちゃあ答えなきゃ漢が廃るってもんよ! いくか、オンステージ!!」
「悪魔ならカオスに染まれ」の主張が込められた歌が大空に響き渡ればイザナミは悲痛に満ち満ちた表情で自らの体を引っ掻き出す。すると蛆の合間から火雷大神達が這い出てきたが、耳が聞こえるようになった瞬間に両手で塞いだ。
ただスーパーカオスドラゴンは |陰海月《ファン》のリクエストに応えて歌っているだけでイザナミを害そうという意図はあまりなく、火雷大神達は不快になりつつも、襲いかかってくる気配はなかった。
「ぷきゅー!!」
火雷大神達とは対照的にテンションを爆上がりさせてミラーボールばりに光り輝く陰海月の隣で義透は漆黒風を手の内でくるりと回す。
「それでは私もユーベルコードを使いましてー」
義透の体が側から見てて分からないレベルで再構築される。その際に生じた狭間から溢れ出た四悪霊の呪詛は雲海に溶け込むことなく、義透の周りに滞留した。
「ええ、これで私はダメージ気にせず戦えるってものです。ふふ、だからこそ……このまま、貫通攻撃な漆黒風を投擲しましょう」
そうして火雷大神達が出てきていることに全く気にせずに攻撃を開始する。
明確な敵対行為に火雷大神達がついに動き出す。しかし【カオティックデスボイス】によって知らず知らずのうちに認識の阻害を生じさせており、誰彼構わず攻撃し出す。その標的にはスーパーカオスドラゴンも含まれていたが、陰海月が張っていた結界によって雷は弾かれた。
一方で体を何回も貫かれてもなお自ら動こうとしないイザナミが心苦しそうに呻く。
「愛しき命達よ、申し訳ない……」
「イザナミ殿も、やりたくないことなのですから。四悪霊が戦うのは、当然ですよ」
負担になっていないことを表すように、義透は柔和な笑みを絶やすことなく体に落ちた雷を自らの力へ変換した。
大成功
🔵🔵🔵
ガリアン・ブレイブライア
スーパーカオスドラゴンと強力してイザナミ様に対抗するわ。
カオスドラゴンは確か【 ハイパーカオスチャージ】っていう突進系のユーベルコードを持っているのよね?
彼の突進と私の咆哮を上手く合わせて一気に吹っ飛ばしてみせるわよ。
敵のサクラエリュシオンを上手く避けるために【カリバーボード】に乗って【悪路走破】の【滑空】で乗り切れるかしら。
カオスドラゴンのカオス化地形もうまく【地形利用】しつつ、突破してみせるわ!
「お願いカオスドラゴン!私に力を貸して!」
※アドリブ可
聖剣型のサーファーボードに乗り、ガリアン・ブレイブライア(高貴なる白銀の閃光・f37233)は緑色の炎によって赤く色づく桜並木の上を悠々と滑空する。
桜並木自体は無害だが、それを燃やす混沌の炎はいくら味方がつけた物とはいえ危険な気配しかしない。近づかない方が身のためであった。
そんな中、桜と混沌の炎が跋扈していた浮島が今は亡き世界を再現した空間に上書きされていく。
特定の一ヶ所ではなく全体に一気に広がっていくそれによってボードの上のガリアンは全身の力が抜けるような感覚に襲われた。
「お願いカオスドラゴン! 私に力を貸して!」
「おう! なんだ言ってみろ!」
それでも踏ん張り続けて転がり落ちることなく、スーパーカオスドラゴンの元に辿り着いた。
「カオスドラゴンは確か【ハイパーカオスチャージ】っていう突進系のユーベルコードを持っているのよね?」
ガリアンからの問いかけにスーパーカオスドラゴンは怪訝な表情を浮かべながら答える。
「まァな? 分身を作り出して突っ込めばもーッと威力を出せるんだが」
今はそんな余裕はねぇ、と言外にスーパーカオスドラゴンが匂わせるとガリアンは澄ました顔で言い返した。
「アナタの突進と私の咆哮を上手く合わせて一気に吹っ飛ばしてみせるわよ」
「このオレサマを弾扱い? ……ギャーッハッハッ、気に入った! 乗ってヤロうじゃねェか!!」
愉しげに笑ったスーパーカオスドラゴンはイザナミとガリアンを交互に見た後、ニヤリと笑う。
「いついく?」
「いつでも」
「そうこなくっちゃなァ!」
閃光伴う雄叫びと共にスーパーカオスドラゴンの巨体が打ち出される。
ガリアンはすぐにカリバーボードに乗ってその後を追い、カオスで予測不能な軌道を描いている間に先回りをして偶然近くにきたタイミングで追撃の咆哮を放つ。
そうしてピンボールの球のようにあっちこっちにぶつかり、打ち返した末にスーパーカオスドラゴンは火雷大神達を薙ぎ払いながらイザナミに激突した。
「うわ、蛆がなんか吐いたぞ!?」
悲鳴が上がったが、その吐瀉物はスーパーカオスドラゴンの体に燃え盛るカオスの炎に焼かれてガリアンが見た時にはもう炭と化していた。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携歓迎
なんかいろいろ凄い事になってるねえ。
まあ、とりあえずやることは敵を倒すだけだしいつも通りと言えばいつも通りか。
さて、攻撃は飛んでくる蛆獣の卵ね。
供給は無限でも一度に投擲できる数に限りがあるなら数で押すのも手かな。
【混沌獣群】でカオス化した地形を更に変異、なんかカオスな獣に変えて蛆獣とイザナミを襲わせるよ。
溶岩の竜とか樹木のゴリラとかお菓子の鳥とかチェーンソーの生えたサメとか色々。
蛆獣を押さえられたらスーパーカオスドラゴンさんにアンリミテッドカオスファングでイザナミに攻撃してもらおう。
…ところでこれ、戦い終わった後もとに戻るのかなあ。
「危なかった、ですね……この冥府の蛆獣の卵が孵れば、生命を貪られ、蛆獣が望むようにしか動けぬ、操り人形とされていましたわ……」
「え、マジかよ」
イザナミからの教えにスーパーカオスドラゴンは目をひん剥かせ、そそくさと距離を取った。いくら自分には効かないと分かっても、そうした物の間近に居続けられるほど鈍感ではなかったらしい。
「なんかいろいろ凄い事になってるねえ。まあ、とりあえずやることは敵を倒すだけだしいつも通りと言えばいつも通りか」
そんなやり取りを遠目から眺めていたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)の周りはサクラエリュシオンの幻想が解けて、幻朧桜の森に戻りつつあった。
「さて、問題は飛んでくる蛆獣の卵ね。供給は無限でも一度に投擲できる数に限りがあるなら数で押すのも手かな」
そう判断したペトは戻ってきたばかりの活力を、混沌に満ち満ちた浮島に分け与えた。
『力をあげよう。』
桜並木や混沌の炎がまるで粘土のように形を崩して混ざり合い、溶岩の竜や樹木のゴリラ、お菓子の鳥にチェーンソーの生えたサメといった見た目からカオスな|混沌獣《キメラ》に化ける。
そしてペトの望むように蛆虫に纏わりつかれたイザナミに襲いかかった。
強烈な衝撃を受けたことに対する防御反応のように放たれた卵が混沌獣に付着し、その体温で一気に孵って肉を貪り食う。その痛みに混沌獣は身を捩らせながら蛆獣の望むように次の寄生先を求めて踵を返した。
しかし3、4歩進んだところで元の桜並木に戻り、空中に投げ出される格好となった蛆獣は混沌の炎の中に沈んでいった。
「うーん、なかなか減らないねぇ……」
混沌獣の襲撃と混沌の炎による火炙りによって減りはしているものの、蛆獣はイザナミの体に新たに卵を植え付けて補充をしている。そして孵化するたびにイザナミの表情に苦痛の色が浮かんでいた。
この分ではスーパーカオスドラゴンに【アンリミテッドカオスファング】を披露してもらっても焼け石に水だろう。それに嫌がっている相手に「効かないんだから噛みついてこい」というほどペトも鬼畜ではない。
そんなことを思っていたとはおくびにも出さず、ペトは戻ってきたばかりのスーパーカオスドラゴンへ問いかける。
「……ところでこれ、戦い終わった後もとに戻るのかなあ」
疑わしげな視線からスーパーカオスドラゴンは無言で目を逸らした。
苦戦
🔵🔴🔴
バルタン・ノーヴェ
アドリブ連携歓迎
バルタン・クッキング!
混沌物質や蛆獣を料理するのは余所でやったので、ここではまともな食材で大量の料理を用意しマース!
毒々しいデビルキングワールド産の素材でラーメン(チョコ味)を作り、デリバリー!
さあスーパーカオスドラゴン殿! 懐かしい味で気力体力時の運!
混沌魔法、とりわけ無限増殖のカオスヘッダーをガンガン使えるよう回復してくだサーイ!
10秒で150個以上作れるので、増える分身にも提供していきマース!
カオスを支える兵站を担いマース!
ワタシ自身が幻櫻死界などのイザナミ殿の攻撃に狙われたら、自作料理を食べて回復しマース!
イザナミ殿も、戦いが終わったら呪詛を治療するためにどうぞデース!
「【バルタン・クッキング】! 混沌物質や蛆獣を料理するのはもうやったので、ここではまともな食材で大量の料理を用意しマース!」
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はこれでもかと捻り曲がったネギを微塵切りにすると、鶏ガラと野菜を煮て丹精に取ったスープを丼に流し込んで事前に入れていたタレと合わせ、湯から上げたてぼから勢いよく水を切り、流し入れるように麺を投入する。
最後にトッピングを置いて、香り付けのオイルをかけて、おかもちに入れ、勢いよく厨房を飛び出した。
「デリバリー!!」
疲弊したスーパーカオスドラゴンの元へ滑り込んだバルタンは、自分の身からもどんどん体温や燃料が蒸発していくのを感じながらテーブルと箸とレンゲを広げた。
「さあスーパーカオスドラゴン殿! 懐かしい味で気力体力時の運!」
「ア? ……こっ、これは! チョコラーメン!?」
「は?」
目を見開いたスーパーカオスドラゴンの発した単語にイザナミから思わず言葉が漏れる。
丼の中にはチョコレートの匂いがする黒いスープにちぢれ麺が沈み、ナルトやチャーシューに刻みネギといった基本のトッピングの隣には、まるでノリやメンマのような態度で板チョコとウエハースが立てかけられていた。
「まさかこんナとこでこれが食えるなんてナぁ! まさかわざわざオレサマの世界から仕入れてきたッテノかぁ?」
絶句して固まるイザナミを尻目にスーパーカオスドラゴンは嬉々として食べ始める。その隣に座ったバルタンも自分用のチョコラーメンを啜り始めた。
「オフコースであります! まだまだ用意してありますのでスーパーカオスドラゴン殿、混沌魔法、とりわけ無限増殖の『カオスヘッダー』をガンガン使えるよう回復してくだサーイ!」
「ア? カオスヘッダーだァ? こんなトコでやってもすぐにガス欠しちまうぞ?」
「ドンウォーリー! 10秒で150個以上作れるので、増える分身にも提供していきマース! 小生バルタン、カオスを支える兵站を担いマース! あ、追いチョコ欲しかったら言ってくだサーイ」
「追い……?」
「……そこまで積まれちまったら仕方ネェ。オイ、品切れなんて言い出したらただじゃおかネぇからな!」
「HAHAHA! 望むところデース!!」
交渉を成立させたバルタンは終始話に乗れていないイザナミにサムズアップをする。
「イザナミ殿も、戦いが終わったら呪詛を治療するためにどうぞデース!」
「ええ……」
イザナミは心の底から困惑の声を上げた。
成功
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マデライン・アッシュリア
死の女神イザナミ様
死の花嫁である私にとっては
勝手ながらお義姉さまのようにも思えるお方です
そのお義姉さまがお苦しみなら必ずお救いしませんと
静かな死の世界へお送りすることでね
カオス世界ならわが友たる亡霊の皆さんの独壇場
集団戦術と大軍指揮で亡霊さんたちと共に世界をひっかきまわします
ショベルで空間を掘って攻撃を避け
地面から吹雪を降らせて炎を消し
空をゴムのように引っ張って雷神たちを縛ってしまいましょう
やられても大丈夫
だってそれはハズレと書いたぬいぐるみなのですもの
危ないお義姉さま、爆走幽霊屋敷がぶつかってきますよ!
それは本当のことですけれどね、ふふっ
では安らかな死の世界でまたお会いしましょう、お義姉さま
「死の女神イザナミ様……死の花嫁である私にとっては勝手ながらお義姉さまのようにも思えるお方です」
花嫁衣装を身に纏いマデライン・アッシュリア(死の花嫁・f32233)は浮島に降り立つ。
「そのお義姉さまがお苦しみなら必ずお救いしませんと。静かな死の世界へお送りすることでね」
そこでは風がないのに桜吹雪が絶えず吹き荒れ、赤と緑の炎が乱舞する島では大量に増えたスーパーカオスドラゴンが二手に分かれ、片方はイザナミへ攻撃を仕掛けて、残りはキッチンカーの前に屯してラーメンを食べていた。……文字に起こしただけでもとんでもないカオス模様である。
「カオス世界ならわが友たる亡霊の皆さんの独壇場。『さあ、アッシュリア館が死への旅路へ導きましょう』」
マデラインが微笑めば大量の亡霊達がどこからともなく流れ込み、持ってきたショベルで空間を掘って雷を避け、地面から吹雪を降らせて炎を消す。そして空をゴムのように摘んで引っ張りながら火雷大神達を取り囲んで縛り上げた。
金属の鎖なら雷を落として吹っ飛ばすことが出来たかもしれないが、混沌の影響で粘土のように伸ばせる空そのものにどれだけ雷を流し込んでも砕け散ることはない。
もうこの場から動けないと悟った火雷大神は届く範囲にいるスーパーカオスドラゴンや亡霊達に狙いを変える。
強烈な雷がスーパーカオスドラゴンのうちの一体に落ち、他の個体が一斉に爆発を起こす。
それに巻き込まれた亡霊は受け身を取れずに地面に跳ねて転がって止まった。しかしマデラインも他の亡霊達も慌てるそぶりを見せない。
「やられても大丈夫。だってそれはハズレと書いたぬいぐるみなのですもの」
マデラインの言う通り、亡霊と思われていた物は姿形が非常に似たぬいぐるみにすり替わっていた。
土に塗れてボロボロになったぬいぐるみを拾い上げたマデラインは何かに気づくと血相を変えてイザナミに叫んだ。
「危ないお義姉さま、爆走幽霊屋敷がぶつかってきますよ!」
「はぁ……何を言っておるのか……」
家が爆走なんてするわけがないと決めつけて、イザナミはため息をつく。その思い込みが致命的であった。
「それは本当のことですけれどね、ふふっ」
聞こえないように小声で笑うと同時に、死角から飛んできた古びた洋館が蛆獣を潰しながらイザナミに激突する。
「では安らかな死の世界でまたお会いしましょう、お義姉さま」
マデラインはスカートの両端をもってカーテシーを披露して、ぶつかった衝撃で浮島から落ちていくイザナミを見送った。
大成功
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