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帝都櫻大戰⑪〜背負う者同士、されど運命は残酷に

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第二戦線 #護国鉄神零號 #5thKING『勇者リリリリ』

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#5thKING『勇者リリリリ』


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●魔界の勇者の里帰り
 デビルキングワールドには、『黄金大迷宮』と呼ばれるものがある。
 嘗て6thKING『ビームスプリッター』が建設した、罠も宝も超弩級の黄金の迷宮である。
 しかし、その金色の世界が突如、桃色に覆われる。
 ――幻朧桜だ。そして、強大な敵もまた、其処に。
『我が名は零號。|護国鉄神零號《ごこくてつじんぜろごう》……。
 鋼鉄共栄圏滅びし時に、喪われた全ての魂を搭載して『敵』を倒す者……。
 それがあろうことか、倒した敵によってオブリビオン化されるとは……!
 我が体内に搭載された八億の魂は、オブリビオン化によって邪悪に歪められ始めている……。
 我は、それを止めることができない……!』

 そして、周囲を見渡した護国鉄神零號は嘆きにも似た声を上げる。
『嗚呼、ここに来たのも我に備わった、骸の海を航行する『世界移動能力』によるものか……。
 このままでは|櫻花幻朧界《サクラミラージュ》のみならず、遍く世界を|破壊《カタストロフ》してしまう……』

 そして彼は希う。
『心ある者達よ、命ある者達よ、我を倒し、八億の魂に平穏を与えてくれ……だが……』
 ――八億の魂を搭載した我は『世界そのもの』。本当に、倒す事ができるのか……!?

 嘆く彼を、現地の悪魔たちは憧れの目で見上げていた。そこに足音を立てながら歩む少女が1人。
「ふーん、久しぶりに帰ってきたけど、変わってないね~」
 嗚呼、堕天使にも聖騎士にも見える、彼女は、何を隠そう――!
「勇者リリリリ、|1stKING《ガチデビル》と一緒に里帰り~なんてね」

●グリモアベースにて
「みんな、緊急事態発生だ」
 水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が慌てたように説明を始めた。
「エンシェント・レヰスの他3体が、無数の幻朧桜と共にサクラミラージュを飛び出して他の世界に出現した」
 幻朧桜自体は元々カクリヨファンタズムにもあった。だが、こうまで世界を飛び越えて出現するのは予想外だと語る。
「ただ、イティハーサに追われていたカクリヨファンタズムの山本五郎左衛門がどうやら無事に生き延びれたみたいで、この事態に対して手を打ってきた。何せカクリヨファンタズムは前から幻朧桜が渡ってきていたしね」
 直前に命を狙われていて救出作戦が行われていたが、その成果が実ったというところか。この辺りは猟兵のおかげと言えよう。
 そして山本五郎左衛門が打つ、その手の内容というのが。
「……キャンピーくんって覚えてる? アスリートアースのキャンプ・フォーミュラ」
 自由に異世界を移動できるという凄まじい能力を持つフォーミュラだ。

 ――そう。『自由に異世界を移動できる』のだ。
 ならば、『誰かを異世界に連れていく』のも、簡単ではないか?

「というわけで、色んな世界の有力な方を奴らが現れた世界へと派遣している。まあ、かなりの総力戦というかなんというか……」
 頭の痛い話だが、味方であると心強いことこの上ない。

●デビルキングワールドwith勇者リリリリ
「みんなが向かってもらうのはデビルキングワールド。現在ここにはエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』が現れている」
 地元の悪魔たちが憧れの目で見ていて少しアウェー感になっているのが現状だが、まあそこは国民性というかなんというか。
「此処にやってきたのは勇者リリリリ。まあ、地元には地元で勝負だね、って感じで」
 アスリートアースの時にガチデビルに使われて戦ったが、結局なんやかんやでリリリリだけが生きて味方になってくれた経緯を持つ。彼女は元々デビルキングワールドの5thKINGだ。現地民として色々と慣れているし、異物混入に思うところもあるだろう。
「……そして、彼女の本来のコードは、『盾のオーラの任意の仲間への付与』だし、本人も魔界の勇者として超がつくほどタフだ」
 デビルキングワールドの悪魔はみんな猟兵にやられても死なないタフさを誇るが、その中でもさらにタフである。何せアスリートアースの戦争の時にあれだけやられてなお生きているのだから。
「もう、防御は殆ど彼女に任せていいと思うってのが正直なところ。だから、みんなには全力で攻撃をしてもらいたいんだ」
 普段は使いにくい無差別攻撃や巻き込み攻撃もこういう時は使いやすいかもしれない。

「護国鉄神零號をはじめ、エンシェント・レヰス達はみんな今回の事態に悔しがっている」
 オブリビオン化、そしてイティハーサの影響。自分の意思ではない|破壊《カタストロフ》を行う事は、本意ではないのは確かだろう。
「だからこそ、みんなに頑張って止めてもらいたいんだ――頼んだよ」
 そう言うと可奈はグリモアを展開した。

●護国鉄神零號vs勇者リリリリ
『零式噴進飛翔拳!』
 凄まじい勢いのロケットパンチが飛ぶ。現地の悪魔も大騒ぎだ。
「あっ!」
 どこか可愛らしい叫び声と共に土煙に包まれる勇者リリリリ――だが。
『馬鹿な、我の拳の直撃を受けて、無傷だと……!?』
 土煙から出てきた勇者リリリリは――無傷だった。
「すごくいた〜い。でも勇者なのでほれこのように元気です」
 剣をぶんぶんと振り回しながら余裕さをアピールする勇者リリリリ。凄まじい戦いに現地の悪魔もノリノリだ。
「でも剣は刺さりそうにないな〜。盾パワーをレンタルするから、だれかかわりに攻撃して〜?」
 勇者リリリリが現地の悪魔を見る。しかし誰も手を上げない。
 ――みんなノリノリではあったが、流石にこの強者同士の大決戦に乱入する勇気はなかった。


結衣謙太郎
 緊急事態発生! デビルキングワールドへ急行せよ!
 結衣(戦争モード)です。
 思いっきりぶっ放せ!
 以下詳細。

●メイン目標
『護国鉄神零號』の討滅。

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「帝都櫻大戰」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ロケーションはデビルキングワールド。それなりに広い平坦な場所で護国鉄神零號と勇者リリリリが決戦中、周りでは観客の現地の悪魔がやいのやいのしてます。
 護国鉄神零號は本来は凄まじく強いです。相応に難易度は高いです。ですが……。

●友軍あり!
『5thKING』勇者リリリリが今回味方してくれます!
 皆さんの戦闘に合わせて庇いやタンク役を担ってくれます。
 彼女は凄まじく防御性能が高いうえに、『盾のオーラを任意の仲間に付与するユーベルコード』を操るので万が一皆さんや現地の悪魔に攻撃が飛ぼうと安心です。
 なので、今回もう皆さんは彼女に防御は殆ど任せ、全力で攻撃に振ってもいいと思います。
 攻撃についても勇者らしくかなりできる方ですが、どうやら『剣は刺さりそうにない』って言う辺り少し護国鉄神零號に対するオフェンス相性は悪そうなので、期待しないでください。

 特別プレイングボーナス:隙や反動を顧みず、全力の攻撃を叩き込む/勇者リリリリに守ってもらいながら戦う。

●備考
 プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
 ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
 オーバーロードは納期の都合により後回しになる可能性もあります。
 また、『戦線』があるので時期によっては完結優先で待てない場合がございます。

 このシナリオは有力敵決戦依頼です。
 判定がいつもより少し辛くなります。ご注意ください。

 守るべきものがあるのは、お互いきっとそう。全てを搭載した機械として――或いは嘗ての王として。
 以上、プレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『護国鉄神零號』

POW   :    零式噴進飛翔拳
かつて喰らった「【鋼鉄共栄圏の人々】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【ロケットパンチ】を装備する。
SPD   :    八岐大蛇機関砲
【自在に射角調整が可能な蛇型四連機関砲】を最大レベル秒間連射し続け、攻撃範囲にダメージと制圧効果(脱出・侵入を困難にする)を与える。
WIZ   :    護国熱血破壊砲
装備武器から【護国英霊波導砲】を発射する。自身の【放熱装置】削減量に応じ、威力・速度・発射数が増加する。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キラティア・アルティガル
護国鉄神零號殿とそのともがらに覚ゆるは憐憫のみ

終わった命を無体に汲み上げ
意に添わぬ事とて抗えぬは地獄であろう
「終わらせねばの」

「勇者殿ご助勢かたじけない」
参ってすぐリリリリ殿に会釈をしようぞ

「我が技は、もとより助勢を願わねば十全に放てぬもの」
なればこそ我を守って貰えぬかと問おう

良きいらえを得られたなら感謝を伝え
魔死の大鎌の用意に入り目を閉じ身の力を総て抜く

放つ前も後も一切防御は出来ぬ
我が身には恐らく雨あられと攻撃が飛んでおろうが
まるで凪の海が如く些かも何も感じぬ

勇者殿は真に優れた武人だの、と心裡で謝し時を待とう

満ちれば自ずと常では得られぬ力が沸き上がる…いざ!
「我が一撃にて骸の海へ戻られよ!」



●拮抗が壊れる時
 決戦は尚も続いていた。
 そして尚も硬直していた。
 それは勇者リリリリの凄まじいタフサと、護国鉄神零號へのオフェンスの相性の悪さによるもの。
 つまりは千日手。どちらかが諦めない限り終わらない泥仕合。
 ――そう、なるはずだった。それを思ったからこそリリリリは助けを求めた。しかし現地民は誰も出てこない。

 ならば、その手を、六番目の猟兵が上げようではないか。

「助太刀いたす」
 乱入するようにリリリリのもとへとやってきたキラティア・アルティガル(戦神の海より再び来る・f3892)。
「お~、ついに来たね、|7thKING《猟兵のみんな》!」
「うむ、勇者殿ご助勢かたじけない」
 軽く会釈をリリリリにすれば、キラティアはその目を護国鉄神零號へと向ける。
『我を、倒してくれるのか?』
 護国鉄神零號のその声に、彼女が覚えたのは、憐憫。
 終わってしまった鋼鉄共栄圏の命を無体に汲み上げたその存在だからこそ感じる憐憫。
「意に添わぬ事とて抗えぬは地獄であろう……終わらせねばの」
 キラティアは獲物たる大鎌に力を込め、リリリリに声をかける。
「我が技は、もとより助勢を願わねば十全に放てぬもの、なればこそ我を守って貰えぬか?」
『うん、いいよ~、断る理由がないしね?』
「ありがたや」
 軽い言葉がかかれば感謝の言葉をかけると共にデモンオーラを纏い、身の力をすべて抜く。完全な無防備状態、ここに護国鉄神零號のロケットパンチが来ればひとたまりもない。そして当然、それを見逃す護国鉄神零號ではない。
『零式噴進飛翔拳!』
 放たれるロケットパンチ、だがその攻撃は当たらない。
「悪いね~、最高の仲間が来てくれたから、もうこっちの勝ちなんだよな~」
 モチベーションが上がったかのように盾でロケットパンチを防ぐリリリリ。護国鉄神零號もコードの力を借りて何度も攻撃していくが、その悉くをリリリリは弾いていく。
 その様子はキラティアにとってはまさに凪の海の如く、全く何も感じない無の境地。
(勇者殿は真に優れた武人だの)
 心の中で己を守ってくれるリリリリへと再び感謝の言葉を述べれば、時が満ちたか禍々しいオーラが鎌に宿ろうか。
「いざ!」
 双眸を見開き、リリリリが守り切った後の瞬間を狙い、肉薄!
「我が一撃にて骸の海へ戻られよ!」
 そのチャージショットの如き強烈な一閃は、護国鉄神零號に最初の深手を与えた――!

成功 🔵​🔵​🔴​

シズホ・トヒソズマ
まさかサクラミラージュの戦いでデビルキングワールドにやってくるとは思いませんでしたね
あのロボも悪い人(人?)ではないみたいですし
ここはお望み通り全力の一撃で止めてあげましょう!

という訳でデカブツにはデカブツ第2弾!
UCの効果で大戦艦ジェイダイトの力を使用
鉄神相手に丁度いいくらいのサイズで幻影を実態化
ロボVS空中戦艦!まさに浪漫でしょ!
詠唱時間に応じて威力が上昇する超弩級魔導砲をリリリリさんの盾に任せて最大限までチャージ開始!
リリリリさんだけに任すのはアレなのでデザイアキメラも◆オーラ防御で援護させておきます
詠唱はまあ適当にライトニング属性っぽいので!

チャージ完了!
超弩級魔導砲、発射ぁぁぁぁ!!



●浪漫砲、発射
「まさかサクラミラージュの戦いでデビルキングワールドにやってくるとは思いませんでしたね」
 さすがの歴戦の勇士たるシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)でも想像がつかなかっただろうこの展開には思わず苦笑い。
「あのロボも悪い人……人? ではないみたいですし、ここはお望み通り全力の一撃で止めてあげましょう!」
 されどかの護国鉄神零號がまあまあわかるタイプのものだったのは、僥倖だったかもしれない。

「デカブツにはデカブツをぶつければいい、この前の戦いで分かりました」
 ……というわけでシズホがコードで人形から具現化させてきたのが。
「どうです、このサイズ感! あ、ちょっと大きすぎますね……奴にちょうどいいサイズまで小さくしないと……」
 ――大戦艦『ジェイダイト』。アルカディア争奪戦で戦った、島そのものが敵という凄まじいスケール感の敵である。こう見えて空中戦艦である。いわゆる母艦という奴だ。ロボと空中戦艦の戦いという、浪漫がここに幕を開けようとしていた。尤も島そのものということもあり、サイズの調整が必要なほどジェイダイトは元が大きすぎるうえ、それ相応にシズホは調整の手間も相まって全身に強い反動を受けているのだが。
「リリリリさん、お願いします!」
「は~い、見た感じ」
 リリリリがジェイダイトの主砲らしき場所を見上げる。
「あの場所を守り切ればいい感じ?」
「ええ、お願いします! |デザイア・キメラ《防御・移動型人形》も行ってください、リリリリさんにだけ全て任せるわけにも行きません!」
 シズホの人形の内の1体が出撃すると防御バリアを張り、その前にリリリリが陣取る。シズホはその後ろでなんか雷っぽい呪文の詠唱をしていた。
 ――ジェイダイトのコード、超弩級魔導砲。『詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【ライトニング 】属性の【魔導砲】を、レベル×5mの直線上に放つ』というものだ。
 即ち守られて詠唱し続ければ続けるほど威力は上がる。とはいえジェイダイトを調整したりキープさせる反動も来てる。となれば、これはチキンレースだ。ハイリスクにしてハイリターン、どこまで溜めていくかの勝負。相手の蛇型四連機関砲はバリアとリリリリで防げる、だから集中してこの見切りに取り掛かれる。マルチタスクの量は多い、それでも目の前で頑張る背中を見てたら、主たるシズホがここで弱音を上げてる場合じゃなかった。
(この辺、で!)
 脂汗もかなり浮かんで余裕のない顔ながら、シズホは手を前に出して叫んだ。
「リリリリさん、離れてください!
 ――チャージ完了! 超弩級魔導砲、発射ぁぁぁぁ!!」
 リリリリが横に飛びのいた瞬間、ジェイダイトの魔導砲が放たれる!
 魔導砲は、何よりも固き護国鉄神零號の身体の一部に大穴を空けた。ついでに観戦する現地民の悪魔の輪の一部にも大穴を空けた。なおデビルキングワールドの悪魔は頑丈なのでこの程度では死にません。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルテミシア・アガメムノン
護国鉄神零號さんは大変ですわねえ。
仇敵と言える幻朧帝さんにいい様に使われて……
とは言え魔界に害するのであれば消えて貰わなければなりません。
ごめんなさいね。

そして、リリリリさんはお久し振りですわね。
お元気そうで何よりです。せっかくですから共闘と行きましょうか。
わたくしがオフェンス。貴女がディフェンス。
わたくしの命を預けましょう!

ということで防御を完全にリリリリに任せて攻撃に全集中。
『魔王の肉体』に溢れる無限の魔力を極限まで高めて圧縮――
【虚無への追放】を発動です。

護国鉄神零號さん、貴方の仇はきっとわたくし達がとりますわよ。



●女帝の降臨
「護国鉄神零號さんは大変ですわねえ。仇敵と言える幻朧帝さんにいい様に使われて……とは言え魔界に害するのであれば消えて貰わなければなりません。ごめんなさいね」
 高飛車系お嬢様のようなその声が響いた瞬間、現地民の悪魔達が一斉にそっちを見た。
 何を隠そう女帝たるアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)の降臨である!
 優雅な歩きに思わず現地民の悪魔達が道を空けるように動く。これには護国鉄神零號も驚きを隠せない。
『この者、何者だ……!?』
「あら、デビルキングワールドでわたくしを知らない者はいないと思いたいですが……いいでしょう、教えて差し上げますわ」
 華麗なるポージングをすると彼女は名乗る。
「わたくしこそデビルキングワールドの7thKING、魔王国女帝、アルテミシア・アガメムノンですわ!」
 ……実際には7thKINGは猟兵の全てである。だが、その代表者たる存在が必要となる時、7thKINGとして出るのが彼女! そう、彼女こそデビルキングワールドの一番星であった!
「リリリリさんはお久し振りですわね」
『ん~まぁ、おかげさまでね』
 |7thKING《アルテミシア》と|5thKING《リリリリ》。KING同士がこうも語る機会がまた訪れるとは。
「ええ、お元気そうで何よりです。積もる話もありますが……せっかくですから共闘と行きましょうか。
 わたくしがオフェンス。貴女がディフェンス。わたくしの命を預けましょう!」
「いいよ~、じゃあ私も君に命を預けちゃう。ま、あの程度の攻撃なら勇者だから平気なんだけどね」
 背中合わせに立つリリリリとアルテミシア。アルテミシアは防御をリリリリに任せ、己が|魔王の肉体《Satanel》に宿る無限の魔力を極限まで圧縮させ、なおもまだ継ぎ足していき――その間の攻撃をすべてリリリリに守ってもらう。狙うは、相手がロケットパンチを放って硬直したその瞬間……!
「護国鉄神零號さん、貴方の仇はきっとわたくし達がとりますわよ」
 それは|猟兵《7thKING》がか、あるいはリリリリも含めた全てがか、あるいは。

 やがて護国鉄神零號のロケットパンチがリリリリに命中し、砂埃が舞い上がる。勿論リリリリは無傷だし守ることも普通にできる。だが、敢えて受けたのは、砂埃を起こすことに意味がある!
「やって!」
「ええ――無限の彼方へと消えなさい!」
 アルテミシアが高めた魔力を自分の掌に集約させ、凄まじい濃さの魔力波を放つ! あまりの魔力にリリリリも全力防御し、現地民の悪魔達もすっ転ぶ方など多数! これが女帝たる者の攻撃だ、という風に見せつけたように砂埃が晴れてその姿が再び見える。だが。
「はぁ、ふっ……」
 膝をつくように倒れかけるアルテミシアをリリリリが支える……あまりに強い魔力故、使用後は魔力枯渇してしまうこの技。リリリリがいたからこそ使えるハイリスクな技だ。
「護国鉄神零號は――」
「効いてるね~だけど」
 護国鉄神零號のその体を見れば、魔力で消し飛んだ箇所が割と見え、膝もついていたがそれでも尚立ち上がる程度には余力を残していた
「まだ、みたいだね~」
「そう、ですか……少しわたくしは、休ませていただきます」
「大丈夫~、心配しないで」
 リリリリは感じていた。彼女含む|猟兵《7thKING》が、きっとまだまだ来て助けてくれると。
 故にこそ、自分の後ろにアルテミシアを下げ、|彼女《王》も守る勇者となるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
勇者リリリリ……かつてはその力に苦労させられたけど、協力して戦えるなら頼もしい相手なのは間違いない
精々、頼りにさせてもらうとしよう

大刀【冷光霽月】を抜いて敵と相対。まずは中距離で敵の出方を窺って
仕掛けてきた所で護国鉄神零號の元へ踏み込む

リリリリにはロケットパンチを防いでもらって、その防いだ一撃は俺の進行方向へと弾き飛ばしてもらう

リリリリが防いだお陰で勢いは幾らか落ちている。その上、射線も此方の都合が良いように誘導してくれた――つまり対応は容易い
ロケットパンチを掠めるように受ける事で攻撃の威力を高めた剛式・漆の型【転禍】を叩き込み
更に装甲を砕いた一点に向けて、もう一度大太刀を叩き込もう



●弾き、利用する
「勇者リリリリ……かつてはその力に苦労させられたけど、協力して戦えるなら頼もしい相手なのは間違いない。精々、頼りにさせてもらうとしよう」
「いいよ~存分に頼ってくれても」
 大刀【冷光霽月】を抜いて護国鉄神零號と相対する夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)にリリリリはそう軽く応えてみせた。軽く鏡介が頷けば、中距離に立ち、敵の出方を窺いに行く。
(相当の破壊がある……とはいえ相手はこちらに倒してほしいと願うほどの存在、だが本意ではなく操られているような存在……油断はできない、か)
 護国鉄神零號と鏡介とのじりじりとしたにらみ合いが続く。現地民の悪魔達にも嫌でも緊張が走る。

 ――先に仕掛けてきたのは護国鉄神零號の方だった。
『零式噴進飛翔拳!』
 放たれたそのロケットパンチをリリリリが防いだ瞬間、踏み込んだ鏡介が護国鉄神零號のもとへ向かう!
「リリリリ、そのロケットパンチがもう一発来たら――」
 言っている間に2発目が来る。
「それを、俺の方へ弾いてくれ!」
「え? いい、けど~?」
 リリリリが首を傾げつつも、防いだ2発目を言われるがままに鏡介の方へ弾く。そのロケットパンチが――鏡介に当たった!
「え、ちょっと!?」
 リリリリが思わず驚く。言われるがまましたとはいえ大丈夫だったか、と。
 だが問題はない。一度防いだことによる勢いの減少、射線誘導による自身への当たり方の工夫、それらが鏡介にこの攻撃を喰らっても大丈夫なほどにしてくれた。
「一刀で打ち崩す――剛式・漆の型【転禍】」
 全ては、この|技《コード》の為に。この|技《コード》は相手の攻撃を受けた直後に当てれば、その攻撃力に比例したダメージを与えるというもの。ロケットパンチの威力そのままにパワーが上がった一撃を鏡介は護国鉄神零號の装甲へ叩き込む!
「もう、一発!」
 装甲を思いっきり叩き斬ったそこへ向けてさらに大太刀の一撃。痛打、されど今度は護国鉄神零號からのロケットパンチが前から直接飛んでくる。それを素早くバックステップでかわせば鏡介はリリリリのもとまで後退。

 歴戦の戦士は、引き際を違えない。
 やるべき一撃は与えた。後は他の者に任せるとしよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱鷺透・小枝子
リリリリ殿ご助力感謝いたします!
夜剣!!あれなる神を、斬って壊せ!!!

夜剣大蛇【操縦】リリリリ殿に盾のオーラを付与して頂き機体強度増強!
メガスラスター【推力移動】『護国鉄神零號』の蛇型四連機関砲を【オーラ防御】強引に弾幕を突破し、『戦塵剣』発動!

回し、回れ、回り刳るえ!!斬り刻め!!夜剣大蛇!!!

メガスラスター【空中機動】
【呪詛】神殺兵装たる無数の胴部内蔵回転刃を展開し【闘争心】を込め、回転。
『護国鉄神零號』に巻き付きながら回転刃を装甲へ叩きつけ、戦塵剣の効果でその神威たる装甲を抉り、弾丸放つ八岐大蛇機関砲を引き裂き壊し、
同時に刃を伝って神殺の呪詛毒液を内部へ流し込み、機能停止へと追い込む!!



●破滅を齎す蛇
 戦場に突如として鳴り響く駆動音と共に、現地民の悪魔達の輪を外から食い破るように1体のキャバリアがエントリーしてくる。
「リリリリ殿ご助力感謝いたします! 夜剣!! あれなる神を、斬って壊せ!!!」
 それは朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)が操縦するキャバリア、|まつろわぬ大魔《パンツァーキャバリア》・|『夜剣大蛇』《やつるぎのおろち》。神と神に類するものへの憎悪を以て造られた意思持つ対神大蛇型キャバリアである。
「お……お~……? 大丈夫かな……」
 思わずリリリリも心配してしまうほどの単純さと勢いと共に突撃する夜剣大蛇。それもそのはず、小枝子は己が死んでいる事さえも気づけないほどに低コストの脳しか持たされていない。そしてそのまま死んで悪霊となったが故、深い事など考えることが不可能なのだ。
「……あれ私より大きいけど……」
 加えてキャバリアは一般的にその大きさを5mとしている。リリリリの身長がどれくらいかは不明だが、少なくとも5mまでは行ってはいないだろう……多分。故にリリリリより大きいとなれば、そう。庇ったところではみ出た部分に攻撃が当たってしまう危険性がある!
「となると……これかな~」
 リリリリは夜剣大蛇に盾のオーラを付与する。これで少しはマシになっただろう。多分。
「まあ勿論、私も頑張らないとだけどね~」

「あああああああああああ!!」
『な、何者だこの者は……!』
 小細工無視で強引に護国鉄神零號の機関砲を突破する姿に思わずドン引きしてしまう護国鉄神零號。それを危なっかしいとばかりに出てきて少しでも防ごうとするリリリリの姿は勇者にも見えるし、或いは心配性の姉にも見えるかもしれない。
「回し、回れ、回り刳るえ!! 斬り刻め!! 夜剣大蛇!!!」
 夜剣大蛇が急速接近して大蛇が巻き付くように護国鉄神零號へと巻き付くや否や、胴部の回転刃が展開される!
『何、まさか!』
 巻き付いた夜剣大蛇の回転刃が回転を始めると、護国鉄神零號の装甲が次々と抉られていく。しかもただそれだけではない。
『機関砲が……!』
 弾丸を放つ機関砲にまでその刃は及び、それもまた例外なく壊されていく。武装も装甲も一気に大きく失ってしまった護国鉄神零號。執念の巻き付きからまさかこのようなことになるとは! しかもこうも食い込まれてしまっては余計に食い込み壊されてしまうのが怖くて下手に暴れて離すこともできない。
「止まれ止まれ止まれぇぇ!!」
 トドメとばかりに刃を伝い護国鉄神零號に神殺の呪詛毒液が流し込まれる。もともと夜剣大蛇には呪毒生成機能があり、それを使用したものだ。それが刃という道を辿り護国鉄神零號の中へ流れ込んでいく。
『な……に……』
 思わず身体のあちこちに電流を走らせ、膝をついてしまう護国鉄神零號。かなりの機能不全を齎せているようだ。
 もうあと少し、もうあと少しできっと壊しきれる……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

琶咲・輝乃
皆の想いを背負って戦い抜いたのに
それを逆に利用されるのは、辛いよね
悔しいよね
何より、やるせないよね

………大丈夫
その想いは必ず届かせるから
|彼《護国鉄神零號》の祈りを幾億もの魂の元へ

後先考えずに突っ込んでも守ってくれる|DF《ディフェンダー》が居るのはいいね
|Cr《クラッシャー》の気分で遠慮なく行かせてもらおう

雪月の浄刃を手にAranea sericoで移動系・空中系の技能を駆使して
相手を翻弄
その上で早業で思いっきり級長戸の風を雪月の浄刃で振るう
この一撃だけじゃない
何度でも彼の中で変質し続ける魂を想う願いを届けるために
この刃を振るうよ
(2回行動・連続コンボなど

おやすみ
……良い夢を

アドリブ
連携歓迎



●Forget them not
「……ねえ」
 現地民の悪魔達の間を縫うように、1体の黒猫が入ってくる。
「皆の想いを背負って戦い抜いたのにそれを逆に利用されるのは、辛いよね。
 悔しいよね。
 何より、やるせないよね」
 どこか悲壮も込めてそうなその言葉と共に猫は巻き付かれている護国鉄神零號のもとへ。
「…………大丈夫。
 その想いは必ず届かせるから」
 ――|彼《護国鉄神零號》の祈りを幾億もの魂の元へ。黒猫が一瞬輝いたかと思えば、そこに立っていたのは上着に和服を着て顔の右半分を隠す面をつけた黒髪の少女――琶咲・輝乃(紡ぎし絆を想い守護を誓う者・f43836)だった。
「リリリリさん」
「ん~?」
「手助けお願いします。私が、彼を、止めきります」
 雪月の浄刃を手に、決意を込めたような瞳。それにひとつ頷くリリリリ。
「任せて」
 それだけ言うと腕を出した。輝乃も合わせるように腕を当てる。それが連携開始の合図とばかりに輝乃は飛び出して行く。
 壊れかけた機関砲が輝乃を攻めていく。だが、リリリリが剣を、盾を振り回してその悉くを払っていく。
(後先考えずに突っ込んでも守ってくれる|DF《ディフェンダー》が居るのはいいね……|Cr《クラッシャー》の気分で遠慮なく行かせてもらおう)
 輝乃は武蔵坂学園生だ――当時の灼滅者でもある。故に、この辺りの業界用語みたいなものがスッと出てしまうのは、ある意味仕方ないことかもしれない。エアシューズであるAranea sericoで三次元的に移動をし、リリリリもまた羽も使いながらそれに合わせて動いていく。そうすれば、機関砲など恐れるに足らず。もとより護国鉄神零號は今や巻き付かれて装甲も機関砲も破壊されまくっている。最初に比べればかなり戦いやすい状況なのは確かだ。
「|貂毘流《てんびりゅう》・弐の型―――|咲華羅断《しょうからだん》」
 雪月の浄刃から勿忘草と桜の風が放たれる。一切の穢れを吹き払うその風が嵐となり、穢れを断ち切りにいく。

『嗚呼、嗚呼――これは……』
 その勿忘草と桜に、護国鉄神零號の目に涙が浮かんだ気がした……否、彼は機械のような感じなので涙ではないのかもしれないが……どこか、泣いているようにも見えた。
 桜――彼にとって悪魔でもあったが……その姿の顔部分に意匠を齎すほどには、思い入れのあるものでもあった。それに勿忘草は、己に刻まれた八億の魂に、忘れてはいけないものを思い出させてくれる気がして。
 ――変質し続ける魂に、彼女の願いを。幾度も輝乃の刃が彼の身体を壊していきながら、その魂に安らぎを与えようとしていく。

 やがて、終幕の時は、訪れる。

 一段と大きな感触が、輝乃の刃に響く。
 思いを込めて、その刃を、振り切る。手応え、あり。
『嗚呼、嗚呼……我が八億の魂が……還っていく……』
 呻き声にも、あるいは安堵の声にも聞こえるその声……護国鉄神零號の、コアを斬り破った瞬間だった。
『感謝する……心ある者よ……これで我はこの世界を|破壊《カタストロフ》しなくてよくなった……』
 ふと、その顔が輝乃をじっと見つめる。
『……我が体内に搭載された八億の魂にも平穏を与えてくれた事……誠に有難く思う……』
 そう言うと護国鉄神零號は、どこへともなく、震える片手を空へと上げた。

 ――共に逝こう……今度こそ……敵に歪められず……安息を得られる地へ……
 その言葉と共に手が地に落ち、それ以降護国鉄神零號は動かなくなった。

 その様子を見て輝乃は面を外す。面の下から、瞼を斬るような十字の傷が見える。だが、その顔はとても安らぎに満ちた物。
「おやすみ。
 ……良い夢を」
 言葉の後、誰へともなく捧げた黙祷。リリリリが思わず黙祷すれば、現地民の悪魔達も次々と黙祷を始めた。
 どうか、彼と共に在った魂に安らぎあれ、と。そう、希うように。

 ――こうして、八億の魂と歪められた運命に苦しめられた護国鉄神零號の悪夢は、終わりを告げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年09月17日


挿絵イラスト