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帝都櫻大戰⑪〜機械仕掛けの神と堕天使

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第二戦線 #護国鉄神零號 #5thKING『勇者リリリリ』

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#5thKING『勇者リリリリ』


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 デビルキングワールド、黄金大迷宮。
 金の床を割り砕き、ド派手な砂煙を巻き上げながら、巨影が姿を現した。
 ついでに吹っ飛ぶ無数のお宝や発動しまくるトラップをものともせず、聳え立ったのは『護国鉄神零號』。
『逃げてくれ。遠からずこの世界は、我の手によって滅ぶだろう……!』
 そう言って、ギギギ、と鉄人が拳を引いた直後。
「呼ばれて飛び出てじゃんじゃかじゃ〜んっと」
 虚空から颯爽と現れた一人の堕天使が、打ち下ろされた巨大な破壊エネルギーを、鈍い金属音と共に受け止めて見せる。
 翼の一振りで衝撃を殺し切り、見上げる悪魔達に盾のオーラを付与しながら少女は。
「勇者リリリリ、ここに推算。きりっ」
 そう言うと、やる気のない瞳を、キッとロボへ投げ掛けて見せた。


「お疲れ様なのじゃ。なんだか大変なことになっておるようじゃの」
 グリモアベースを訪れた猟兵達に、古戸・琴子(桜雲・f10805)が話し掛ける。
「皆には一度、デビルキングワールドに飛んで貰おう」
 場所は『黄金大迷宮』。
 総黄金作りのこの迷宮は、今、大量の幻朧桜で溢れ返っている。このままでは住民の悪魔達が、サクラミラージュに引きずり込まれてしまうと言う。
「そして、骸の海を航行する『世界移動能力』を持ったエンシェント・レヰス『|護国鉄神零號《ごこくてつじんぜろごう》』もまた、その姿を現したのじゃ」
 今、住民達は現れた零號を、憧れの目で見上げているという。もしかするとデビルキング並のスゴさを感じ取ったのかも知れないが、とにかく迷宮から立ち去ろうとしないそうだ。

「その代わりキャンピーくんの力で、『勇者リリリリ』が現地に駆けつけておる」
 かつてこの地に5thKINGとして君臨したリリリリは魔界の勇者。そんな彼女も、単身では零號に敗北を喫する運命にある。
「盾のオーラを任意の仲間に付与するユーベルコードと、本人の異常なまでのタフさ。それがリリリリの力じゃ」
 まさに最強の盾だが、体内に八億の魂を搭載した鋼鉄共栄圏の遺産たる零號の総合力に抗する為には、矛が欲しいところだ。

「いっそこちらは攻撃に振り切っても良いかも知れぬのう。リリリリも、こちらに合わせて動いてくれるじゃろうて」
 悪魔達の心配はしなくてもいいと、琴子は添える。
 大事なのは勇者と共に、『護国鉄神零號』に立ち向かう覚悟を固める事だ。
 そんなところかの。思案顔のまま琴子は、ぱちんと扇子を閉じる。
「魔界とサクラミラージュの平和のためにも、よろしく頼むのじゃ」
 最後にそう言って、琴子は転送の準備を開始するのだった。


白妙
●戦争シナリオ
 これは戦争シナリオです。
 1章だけで完結する、特殊なシナリオとなります。

●状況
『護国鉄神零號(ごこくてつじんぜろごう)』と『勇者リリリリ』が、ほぼ無傷で対峙しています。
 勇者リリリリに加担し、零號を駆逐しましょう!
 勇者リリリリは「任意の仲間に盾のオーラを付与するユーベルコード」を操り、本人も異常なタフさを誇ります。
 魔界の悪魔達が遠巻きに見上げています。観戦モードです。

●プレイングボーナス
『隙や反動を顧みず、全力の攻撃を叩き込む/勇者リリリリに守ってもらいながら戦う』
 これに基づく行動すると有利となります。

●プレイング受付開始
 承認次第、受付開始致します。
 それでは宜しくお願いします!
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第1章 ボス戦 『護国鉄神零號』

POW   :    零式噴進飛翔拳
かつて喰らった「【鋼鉄共栄圏の人々】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【ロケットパンチ】を装備する。
SPD   :    八岐大蛇機関砲
【自在に射角調整が可能な蛇型四連機関砲】を最大レベル秒間連射し続け、攻撃範囲にダメージと制圧効果(脱出・侵入を困難にする)を与える。
WIZ   :    護国熱血破壊砲
装備武器から【護国英霊波導砲】を発射する。自身の【放熱装置】削減量に応じ、威力・速度・発射数が増加する。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セプテンバー・トリル
あら、いつぞやの戦争ぶりですわね、リリリリさん
お元気そうでなによりですわ
(悠長に挨拶しつつも【ガイドロッド】を振って【ユンボルギーニ】【ナックルダンパー】【サーベイヤー】を召喚)

【POW】連携・アドリブ歓迎
早速、UC【セプテンフォーミュラ】に合体して必殺の一撃を叩き込みましょう
よいしょ、っと(勇者リリリリを左手に乗せる)
では|最強の盾《リリリリ》で敵の攻撃を受け止めてから、右手の巨大螺旋剣に【エネルギー充填】【鎧砕き】【貫通攻撃】【怪力】【限界突破】を乗せた『エクストリーム・シュピラーレカイザー』を放ちます
勇者様、頑張って受け止めてくださいな(にっこり)



「あら、いつぞやの戦争ぶりですわね、リリリリさん」
 アスリートアースで出会ったセプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)の事を、勇者リリリリは覚えていたようだ。
「お、やほー」
「お元気そうでなによりですわ」
 ごう、と、降って来る拳を盾で往なし、一瞬だけ振り返ったリリリリにセプテンバーは恭しくお辞儀。
 そのまま流れるような動きで誘導灯型のロッド【赤熊】を一振りすれば、重機『ナックルダンパー』と『サーベイヤー』が地上を駆け、巨大ロボ『零號』へと突進していく。
『工事用の重機だと……!? それで一体何をしようと言うのだ……!』
「三つの力を螺旋に束ね、人の未来を切り拓く!」
 宣言と同時に大きく揺れるセプテンバーたツインテが、Uターンして来た『ユンボルギーニ』に攫われ見えなくなる。
 それに呼応するように三機が変形と合体を繰り返し、巨大なロボへと姿を変えた。
「重機神帝セプテンフォーミュラ!ここに顕現!」
『我と同じロボ……だがそれだけでは止められぬ……』
 ギギギ、と零號が大きく引いた右腕がロケットパンチへと変形していく。対するセプテンフォーミュラは、左掌を上へと向けている。
『!!』
 その途端、零號の目が輝きを増し、同時に二倍の破壊力が噴煙と共に驀進した。
  鋼鉄共栄圏の人々の魂を纏った、『零式噴進飛翔拳』。だがセプテンバー、にっこり、と笑顔を向けていた。
 その先には……いつの間にか左掌に降り立った勇者。
「頑張って受け止めてくださいな」
「まかせてー」
 ズシィン、と凄まじい衝撃が、地上の黄金迷宮を震わせる。しかしセプテンフォーミュラは無傷。盾を翳したリリリリ全力の防御が、鉄神の巨拳を受け止めた形である。
「さぁ、今度はこちらの番ですわよ!」
 神帝の右手で『シュピラーレカイザー』が高速回転を始める。巨大な螺旋が描くのは、限界を超えた怪力と、鎧をも貫通するエネルギーの奔流だ。
「必殺! エクストリーム・シュピラーレカイザー!!」
 右手一本で突き出される螺旋剣。防御に繰り出した相手の右腕が、激しい音と一緒に、大きく傷付き弾かれる。
 だがそれだけでは終わらない。その切先は、相手の胸……不壊であるべき極厚のプレートを、深く深く抉り抜いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
リリリリ殿!ご助力と盾のオーラ付与感謝いたします!
こちらは返礼であります!!

夜剣大蛇【操縦】盾のオーラ付与をもらい、
こちらは【呪詛】『毒液流葬』でリリリリ殿に神特攻や毒属性等を諸々付与、共闘します!

あれは神の名を持つモノ!ならば貴殿の刃もこれで届きましょう!!

メガスラスター【推力移動】『護国鉄神零號』の周囲を【空中機動】
飛び回り、飛翔するリリリリ殿と共に五感共有で連携を取り、夜剣の神殺兵装とリリリリ殿の剣で鉄神の装甲を【切断】斬り裂き、刻み、呪詛麻痺毒で行動を封じる!

いきます!夜剣大蛇よ、神を殺す奔流を以て、壊せぇええええええ!

放毒砲展開【砲撃】神の名を持つモノを殺す猛毒液奔流を叩きつける!!



  ぶつかり合う堕天使と零號が生んだ砂煙に紛れて、巨大な影が一気に伸び上がった。
 寸前で零號が往なしたのはドリル。
 音も無く着地するや、とぐろを巻いて威嚇するような体勢を取ったのは、毒々しい緑の液体を結合部から滴らせる、異形の蛇型パンツァーキャバリア『夜剣大蛇』だった。
「リリリリ殿!ご助力と盾のオーラ付与感謝いたします!」
「おひさー」
 勇者とそう言い交わす朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)。コクピットのインターフェイスで機体全てが障壁に覆われた事を確認した。
「こちらは返礼であります!!」
 なおも続く鉄神の追撃。その終わりを狙い、空中の堕天使が盾では無く、長剣を抜き撃つ。
『ぬう……!』
「おー」
 リリリリの描いた斬撃が、不壊にも比する鋼鉄の体に傷を刻んでいた。
 そこから上がる白煙は、『EP神殺呪毒』によるものだ。
「あれは神の名を持つモノ! ならば貴殿の刃もこれで届きましょう!!」
 共栄圏を脅かす『敵』を倒す為に製造された零號は、言うなれば守護神。
 小枝子が『毒液流葬』によって勇者と共有した毒こそは、まさに特攻兵器と言える。
「……しかし、まだ浅いであります!!」
 機体背面に放熱装置を展開した鉄神向けて、臆せず突っ込む小枝子とリリリリ。
 メガスラスターの速度を纏い、夜剣大蛇の長大な体が巻き付く寸前の軌道で飛び回れば、絶えず駆動する神殺しの兵装が装甲を抉り、切り裂き、そこから毒が染み込んでいく。
「今であります!!」
「よっ……と」
 小枝子、巨大な手刀を方向転換で回避。そこへ交差するように飛来した勇者が、すれ違いざまの一撃を、ばしん、と叩き込んだ。
 五感を共有した二人の連撃が収まった時、零號は麻痺毒に体を軋ませていた。
「いきます!! 夜剣大蛇よ、神を殺す奔流を以て、壊せぇええええええ!!!」
 闘志に応え、キャバリアの口部が勢い良く開き、そこから神殺毒の洪水が放たれる。
 まともに直撃。鉄神の身体から、しゅんしゅんと煙が立ち昇る。
 すると一拍置いて、体のあちこちで立て続けに、小爆発が炸裂するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルシア・ナドソコル
【心情】
デビルキングワールド
本来であればのんびりと訪れたかった世界ですが、そういうわけには行かないようですね
相手がこれほど強大なら、僕だって頑張る甲斐があるというものです

【戦闘】
「(リリリリに)防御はよろしく頼みます、リリリリさん」
あの相手に真っ向から挑んで、無事でいられる自信はないもので

「空中戦」「軽業」で攻撃を回避しつつ、鉄神の防御の隙を探る
ロケットパンチを撃ちだしたタイミングで、リリリリに防御を任せ突撃

「さすがは勇者リリリリ、僕も負けていられませんね」

「武器に魔法を纏う」で武器を強化し、UCで鉄神に「叩き割り」「捨て身の一撃」
守りのことは考えず、当てることだけを考えてぶち当たります!



「デビルキングワールド。本来であればのんびりと訪れたかった世界ですが」
 そうはいかないようです、とルシア・ナドソコル(自由と冒険を求めて・f39038)、上を見上げて呟いた。
 そこでは鉄神と勇者が、黄金の大迷宮を揺らす程の攻防を繰り返している。
 あの中にまともに突っ込んで、無事でいられる道理はない。しかし。
「相手がこれほど強大なら、僕だって頑張る甲斐があるというものです」
 たん、と一蹴り。迷宮の壁上へと身を晒すルシア。
「防御はよろしく頼みます、リリリリさん」
 動きを変えた勇者を横目に、ルシアは疾駆を開始した。
 それはスカイランナーの本領。
 エアシューズと使い慣れた革鎧は軽快な足捌きを生み出してくれる。
 風と化して踏み付けを回避し、振り返った時、こちらに向いた巨拳が変形するのが見えた。
 放たれるロケットパンチ。地面を直撃すると同時に上がる粉塵。だがそれがルシアを襲う事は無かった。
「……!」
 高速を纏い割り込んだのは勇者。咄嗟に盾のオーラをルシアに付与し、盾で衝撃を受け止める。襲う衝撃に対し、翼すら微動だにさせず耐え切った。
「さすがは勇者リリリリ、僕も負けていられませんね」
 砂煙を切り裂き、ルシアが一気に距離を詰める。
 やはり狙いは巨人の弱点……足元。
 鈍色の斧剣に輝くのは、聖なる翼のルーンだ。
「大光翼展開。ライトニングフェザースラッシュ!」
 大スイングの直撃と同時、人々の魂による強化は、ルーンによって霧散したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
じゃじゃじゃじゃーん!世界の危機と聞いて美少女エルフルエリラちゃん参上!
おっと、どこかで見たリの人がいるね。終わったらまた芋煮をあげよう
一働きした後の芋煮は美味しいよー

というわけで防御はリの人に完全お任せで準備準備っと
ポーチに収納してあるキャバリアの量産型『サメタンク』をぽいぽいぽいっといっぱい用意!そしてサメタンクの【リミッター解除】!
ゆけ!サメタンク!サメの能力を見せつけるんだよー!
ゴーストだったり大爆発するのだったり個性豊かなサメ能力で一斉にまとわりついて理不尽に食い破るのだーふははー
そしていい感じのとこで自爆装置もぽちっとな
さ、芋煮を一緒に食べようかー



「じゃじゃじゃじゃーん! 世界の危機と聞いて美少女エルフルエリラちゃん参上!」
 デビルキングワールドの黄金大迷宮に降り立ったルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)。
 彼女を迎えたのは、巨大ロボ『零號』と見知った人物が渡り合う光景だった。
「おっと、どこかで見たリの人がいるね」
「やっほールの人ー」
 勇者リリリリ。ルエリラとはかのアスリートアースでの大戦で、芋煮を分け合った仲だ。
「終わったらまた芋煮をあげよう。一働きした後の芋煮は美味しいよー」
 そう言ってルエリラ、特別製のウエストポーチを漁ると、ぽいぽいぽいっと大量の量産型キャバリア『サメタンク』を取り出し、展開した。
『量産機による人海戦術か……だがその程度で我は止まらぬ……』
 ぐぐ、と持ち上がった零號の右腕が、揺らぐ炎のようなものに包まれる。
 鋼鉄共栄圏の人々の魂。それを乗せて放たれたのは、規格外のロケットパンチだ。
 だがルエリラの下に着弾する寸前、リリリリが間に割り込む。
「——おおっとぉ?」
 ズシィン、と大気を揺るがす音と共に、巨大な拳が黒盾に受け止められる。
 鉄神相手とは言え、ユーベルコードの一撃や二撃で揺らぐ勇者の守りではない。
 防御は任せて良さそうだ。そう判断し、ルエリラはユーベルコード『リミッター解除』を発動する。
「ゆけ! サメタンク! サメの能力を見せつけるんだよー!』
 ルエリラの宣言に合わせ、サメタンク達の瞳が、くわっ、と光を増したと同時、その姿が『サメ度』を増していく。
 幽霊ザメ、自爆ザメ、タコ足付きのサメ、多頭ザメ、竜巻ザメ……とにかくB級映画に出てきそうな個性豊かなサメへと変貌したタンク達が、零號へとまとわりつき始めた。
 わちゃわちゃと噛みまくるサメ達の足元に、鋼鉄の装甲がひしゃげたクズ鉄となって転がる。
「ふははーそのまま食い破るのだー!」
 パッと見コミカルな光景だが、それも一機一機の性能では相手を大きく上回っているからこそ実現可能な光景である辺り、あまりに理不尽ではある。
 そしていい感じにダメージを与えたところで、ルエリラは自爆能力を作動させた。
「ぽちっとな。さ、芋煮を一緒に食べようか」
「あー、うん、栄養補給にはいいかもね。ありがとー」
 ちゅどーん、と上がる大爆発を真夏の花火よろしく眺めながら。
 純金の壁の上に並んで座ったルエリラとリリリリは、どこからか取り出した作りたての芋煮を、悠々と食べ始めたのだった——!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
デビキンワールドを滅ぼさせやしません
それに自身が望まぬことをさせられている
零號さんもお可哀想です
海へと導くことで救いましょう

自分をペロペロしましたら
リリリリさんに盾のオーラの付与をお願いします

摩擦抵抗を減らすことで地を滑走して
飛行が必要な場合はランさんに乗って
零號さんへ迫ります

機関砲を
盾のオーラでカキンと弾いたり
つるっと弾丸を滑らせて防御

制圧効果もカキン&ツルーで無効化して掻い潜り
間合を詰めましたら
滑走の勢いのまますれ違いざまペロペロします

零號さんの摩擦抵抗を
文字通り限りなく零に近づければ
滑って転倒して2度と起き上がれません

更にバラバラと部品が落ちていくでしょう
摩擦が減りましたので
組み上がっていた機構が維持できなくなったのです

零號さんが機械であるが故に
このペロペロは最強の矛になるのです

やがて心臓部とも言える重要な機構もバラバラとなり
零號さんは静かに沈黙するでしょう

骸の海への旅立へ鎮魂曲を贈ります
ゆっくりとお休み下さいね



 転送と同時、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)のエメラルドが如き猫目が、勇者の持つ深紅のそれとぶつかる。
 意を得たりとばかりに身を躍らせる堕天使。
 被弾しそうな場所を舐め回し始める仄々の頭上を、ごう、と黒風が駆け抜けたかと思えば、透き通った護りのオーラが仄々の周囲を覆っていた。
「デビキンワールドを滅ぼさせやしません」
 平和な魔界を危険に晒しているのが、護国のために造られた巨人であるという皮肉。
 それを突き動かすのが、オブリビオンによって悪に導かれた八億の魂であるなど、如何に悪い冗談であることか。
「自身が望まぬことをさせられている、零號さんもお可哀想です……海へと導くことで救いましょう」
 長い槍を目旗魚『ランさん』へと変え、その上に跨る仄々。
 ぎゅん、と空を飛び、接近。だが零號の反応も早い。
 巨体から蛇型の機関砲が伸び、回転。
 その刹那、凄まじい轟音と眩い閃光を伴う斉射が始まる。
「!」
 真正面から襲い掛かる赤熱の雨。
 前面に集中した盾のオーラが直撃コースの銃弾をカンカンと弾き飛ばす。
 ランさんの側面をつるりつるりと逸れていくのは、『猫の毛づくろい』による摩擦抵抗低減の効果だ。
 仄々とリリリリ、二重の守りは容易くは揺るがない。
 制圧の間合いをすり抜け、一気に急降下。
『ぬう……』
 足元をすれ違いざまに一舐め。
 途端に鉄神の巨体がぐらりと揺れ、そのまま地響きを立てて転倒する。
 すかさず仄々はUターン。二度三度と足裏から摩擦抵抗を奪えば、たったそれだけで超重の体はバランスを取る術を失う。
「まだまだ終わりませんよ」
 膝の装甲に出来た傷に沿ってユーベルコードを発動。するとそこから2、3の歯車が抜け落ちる。
「零號さんが機械であるが故に、このペロペロは最強の矛になるのです」
 複雑な機構を成り立たせるのは細かな部品同士の噛み合わせ。
 摩擦を失うことでそれらが解き解された先にあるのは―—自壊だ。
「やるじゃーん」
 仄々とランさんの下に、ばさり、と勇者が降り立った瞬間、鉄神の体の至る所で小爆発が連続した。
 連鎖的に部品を失った事で起きた内部爆発。それが零號の機関部まで及んだ瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鵯村・若葉
あの護国鉄神の攻撃も耐えられる盾……勇者って凄いんですね
リリリリ様、お力をお借りできればと思います(一礼)

元より一人では防御を捨てがちでして
今回もいつものように行きます
防御タイミング等はリリリリ様にお任せ

『空中機動』で護国鉄神の攻撃に構わず最短距離を突っ込む
簡単には攻撃は通らないのは百も承知、弱体化を狙う
確かあなたはその中に魂を秘めているんでしたね
魂は時に力を与える――ならば、この呪いです(UC)(『捨て身の一撃』)

石化した部分であれば殴りやすく動きも鈍くなるはず
『魔力吸収』で更なる弱体化を試みながら
『呪詛』込めた穢剣と拳、蹴りで攻撃

あなたも魂たちも本来は破壊など望んでいないはず
――止めます



 デビルキングワールドに転送された鵯村・若葉(無価値の肖像・f42715)を迎えたのは、『零號』の拳を勇者リリリリが真正面から受け止めた、まさにその瞬間の光景であった、
「あの護国鉄神の攻撃も耐えられる盾……勇者って凄いんですね」
「お、来た来た」
 振り向きつつ、絶妙な角度に盾を傾けて受け流す勇者リリリリに、若葉は軽く一礼。
「リリリリ様、お力をお借りできればと思います」
「よろしくー」
 5thKINGの名は伊達ではない。とはいえ、敵も強い。
『波動砲……展開……!』
 零號の胴体から巨大な砲門が姿を現し、激しく赤熱する放熱装置が、背中から展開された。
 護国熱血破壊砲。凄まじい威力を誇る兵装だ。
「元より一人では防御を捨てがちでして」
「ん、じゃあ行こっかー」
 リリリリと目配せした刹那、足跡すら残さず、若葉の姿が掻き消えた。
 迷宮の壁の上を幾度か蹴って、そのまま空中機動へと。
 零號へ向けて、最短距離を真っ直ぐ突っ込む。
『――』
 真正面から叩き込まれる波動砲。だが直撃の瞬間、並走していた勇者が若葉の全面に飛び出す。
「……!!」
 盾のオーラ越しにも、びりびりと破壊力が伝わって来る。
 圧倒的な能力差。元より若葉も簡単に攻撃が通るとは思っていない。
 それでも勇者が道を開けた瞬間、若葉は黒手袋を嵌めた手で、『穢剣』を抜き放った。
「――確かあなたは、その中に魂を秘めているんでしたね」
 魂が力を与えるなら、逆も然り。
 疾駆の勢いを全て乗せ、若葉が逆手に握った拳を突き込んだ、その瞬間。
 びしり、と音を立て、視界が石色に染まった。
 零號を侵したのは、全ての加護を石化へと反転させる呪詛――退魔呪言突き。
(「まだ」)
 終わらない。終えてはならない。
 呼吸を整えつつ魔力を吸い上げれば。血流にも似た流れが、若葉が突き刺した拳を通して伝わって来る。
 ――八億の魂を搭載した機械。
 敗北を喫するその時まで、これは生きているも同然だったのだ。
「……あなたも魂たちも、本来は破壊など望んでいないはず」
 音も無く跳ね上がった『隠影』が、一瞬でハイヒールと化して、石壁に深いヒビを刻んだ。
「止めます」
 せめてもの情けとばかりに、若葉の攻撃は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルテミシア・アガメムノン
ほほほ、心配せずともこの魔界が滅ぶことはありませんわよ!
わたくしがそうはさせませんからね。安心なさい護国鉄神零號さん。
きっちりと貴方を滅ぼして差し上げます!
それはさておきリリリリさん、お久し振りです。
今回は共闘ですわね。頼りにしていますわよ!

という事で防御を完全にリリリリにお任せ。
自身は攻撃に全集中です。
『魔王の肉体』に内包する無限の魔力を極限まで高めて――
差し出したてのひらから【虚無への追放】を放出!
護国鉄神零號をぶっ飛ばしてあげましょう。

観客の悪魔には
さあ、皆さん、これでお芝居は幕です。ワルに憧れるのは良いですけれどオブリビオンはダメですわよ!
と注意しておきましょう。



「わー、7thKINGだー」
「キャー!! 女帝様こっち向いてー!!」
 それまで天を見上げていた悪魔達の間から、黄色い声が上がる。
 彼等の視線の先に翻るのは、真紅の大元帥服と巨大な縦ロール。
 黄金の女帝にしてキュプロクス軍の総帥。アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)その人であった。
「ほほほ、心配せずともこの魔界が滅ぶことはありませんわよ!」
 ギ、と動いたのは、傷だらけの『護国鉄神零號』。
「わたくしがそうはさせませんからね。安心なさい、護国鉄神零號さん。きっちりと貴方を滅ぼして差し上げます!」
『素晴らしい。ならばその力、見せて貰おう……』
 人々の魂を宿した鉄拳がガチャガチャと変形していく。それを見て取ったアルテミシアは、今度は勇者へと振り返った。
「それはさておきリリリリさん、お久し振りです」
「お久しぶりー。元気してた?」
 すい、とリリリリ、アルテミシアの隣に付く。その姿は、魔王国の面々と戦った当時のままだ。
「今回は共闘ですわね。頼りにしていますわよ!」
「よろしくー」
 もはや防御を省みる必要はない。
 その肉体に内包する、無限の魔力を極限まで高めていくアルテミシア。
 その途端、零號の両腕で、巨大な破壊力が炸裂した。
 ロケットパンチ。瞬時に割り込む勇者が、その圧倒的な破壊力を全身で受け止めた時、アルテミシアは不敵な表情を浮かべ、手を翳していた。
「無限の彼方へと消えなさい」
 極大威力の魔力波が荒れ狂い、鉄神の両腕を、遥か後方の体を、そして魂の残滓すらも、跡形もなく消し飛ばした。
 勝負あり。アルテミシアはリリリリと目配せすると、観戦していた悪魔たちに呼びかける。
「さあ、皆さん、これでお芝居は幕です。ワルに憧れるのは良いですけれど、オブリビオンはダメですわよ!」
 歓声に混じって、はーい、と近くから返事が上がる。
 今は亡き鋼鉄共栄圏の守護者、護国鉄神零號は『敵』を討ち果たす事無く、猟兵達の手で、今一時の安寧を得たのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月16日


挿絵イラスト