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帝都櫻大戰⑨~凄艶なる氷壁、其の名は

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第二戦線 #護国鉄神零號 #西のラスボス『アイスエイジクイーン』

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#西のラスボス『アイスエイジクイーン』


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「やめろ……やめろ……!」
 アリスラビリンス。
 |超古代種族《エンシェント・レヰス》が一、『護国鉄神零號』は抵抗する。
 しかし抵抗虚しく、彼の傍に降り立つ『小鉄神』たちは破壊の限りを尽くそうとする。
 雪が吹雪いている。桜が舞っている。狂い咲く『幻朧桜』が『雪と氷の国』に咲き誇っている。
 美しい光景だった。しかし美しいと言ってはいられない。護国鉄神零號からは小鉄神が次々と生み出され、次の破壊へと――

「そーーーーーうはさせませんわ!」

 ずどん、と振り下ろされたるは、透き通った大いなる脚。
 ぱきょん、と小鉄神を踏み潰し、小蟲ですわねと笑うのは青き麗人である。
「転移したときは何事かと思いましたが、成る程こういう事ですの! おーっほっほっほ! 貴方を倒してハクつけろとのお達しと見ました!」
「――お前は……?」
「わたくし? 普段は悪魔銀行員、其の正体は……氷河期魔法の使い手! アイスエイジクイーンとお呼びなさい! 苦しむ貴方、もう心配には及びませんわ! 今にも偉大なるデビルキング様たちが、わたくしの絶晶と共に貴方を粉砕せしめるでしょう!」
「――……出来るのか……!? 我は八億の魂を背負った|世界そのもの《・・・・・・》……! この八億の魂たちに平穏を齎す事が、本当に……本当に出来るのなら……!」



「サクラミラージュでの戦線は各地に広がっている。今回お前達には、アリスラビリンスに赴いて貰うよ。
 ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)の背後には、既にグリモアの扉が開いている。積雪に吹雪と冬の様相だが、グリモア越しに桜の花弁がちらり、と時折吹き込んできていた。
「アリスラビリンスの『雪と氷の国』! 其処に|超古代種族《エンシェント・レヰス》の「護国鉄神零號」がいる! 彼は不自然な形でオブリビオン化させられ、あっという間に『雪と氷の国』を制圧した。――だが、……以前、カクリヨの山本親分が危機に陥っていたのを覚えているか?」
 にやり、とヴィズは笑う。
 どうやら助かったようでね、と言葉は続く。
「キャンピーくんによって、山本親分は各地に様々な者を送り込んでくれた。今回の雪と氷の国にはアイスエイジクイーンがいる。覚えているね? デビルキングワールドの西のラスボスさ。彼女は氷河期魔法を使い、絶晶のレプリカを作って待っている筈だ。其れに乗り込めば、護国鉄神零號ともぶつかり合えるって訳。ああ、勿論自分のキャバリアを持っている者は其れを用いても構わない。――兎に角! 八億の魂を背負ってるとかなんとか言っているが、ドンパチやって倒してしまえばこっちのもんさ! やっちまいな、猟兵たち!」


key
 こんにちは、keyです。
 アイスエイジクイーンの入場だッッ

●目的
「護国鉄神零號を鎮めよ」

●戦争シナリオ
 今回のシナリオは1章で終わる「戦争シナリオ」です。
 お誘い合わせの方以外は、基本的にお一人ずつの描写になります。

●プレイングボーナス!
「氷の自動鎧“絶晶のレプリカに乗り込んで戦う」
「アイスエイジクイーンと協力して戦う」

●味方
 皆様ご存じ、デビルキングワールドの西のラスボス『アイスエイジクイーン』が協力してくれます。
 彼女の“絶晶”のレプリカに乗って戦うもよし、氷河期魔法を頼るもよしです。
 雪と氷の国、これ以上にアイスエイジクイーンが己の力を発揮できる場所もそうそうないでしょう。

●戦場、敵
 超古代種族“護国鉄神零號”が相手です。
 本来なら鋼鉄共栄圏(とはなんでしょう?)が滅びた時、喪われた全ての魂を搭載し『敵』を斃す者……なのですが。斃した敵によって逆にオブリビオン化させられてしまいました。体内に搭載された八億の魂は邪悪に歪められ、破壊を推し進めようとしています。
 護国鉄神零號は其れを止める事は出来ません。真正面から叩き潰すしかないでしょう。

●プレイング受付
 オープニング公開後からプレイング受付開始です。
 物理的に送れなくなるまで受け付けております。第二戦線、書きたいところが多いのでちょっと〆切が早いかもしれません。


 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『護国鉄神零號』

POW   :    零式噴進飛翔拳
かつて喰らった「【鋼鉄共栄圏の人々】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【ロケットパンチ】を装備する。
SPD   :    八岐大蛇機関砲
【自在に射角調整が可能な蛇型四連機関砲】を最大レベル秒間連射し続け、攻撃範囲にダメージと制圧効果(脱出・侵入を困難にする)を与える。
WIZ   :    護国熱血破壊砲
装備武器から【護国英霊波導砲】を発射する。自身の【放熱装置】削減量に応じ、威力・速度・発射数が増加する。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ツォーナ・ロチェアーダ
自分のキャバリアを用意するというのもいいかも知れませんね。
でも今はこの絶晶のレプリカの力をお借りしますね!

零號さんの攻撃、放熱装置を使用する程ならば攻撃事態にもかなりの熱量があるはず!
一見氷の自動鎧である絶晶のレプリカは相性が悪そうですが…氷は解ければ水!
ある程度は耐えられるはず!

なので強引に近づいて近接戦闘を近付き近接戦です!
浴びせるのは嵐をも凌駕するが如く連撃、見た目以上の手数を放つ秘密は…光速で飛び回り翼撃を浴びせる|翠玉瞳の虹光龍《エメラルドアイズ・プリズムドラゴン》!
ボクも零號さんに対抗しうる巨大なガジェットは持っているんですよ!

ですがそちらばかりに気を取られれば氷の質量攻撃です!




「有事の際に供えて、自分のキャバリアを用意するというのもいいかもしれませんね……ですが今は、この絶晶のレプリカの力をお借りします!」
「ええ! 存分に乗りこなして下さいまし!」
 ツォーナ・ロチェアーダ(世界を渡る大海の剣・f01913)は透き通った氷の彫刻のような絶晶のレプリカに飛び乗り、動き出す。
「猟兵……向かって来るのか……!」
「ええ! 貴方の“助けて”もちゃんと聴こえています。だから、完膚なきまでに――助けます!」
「お、おお、おおお……! 我の中の八億の魂が、疼いている……! 猟兵……どうか……!」
 護国鉄神零號の胸元がぱかりと開くと、其処にみるみるうちに熱が溜まっていくのが判る。永遠に解けない筈の雪がとろけて、背中の放熱装置が凄まじい余熱を吐き出す。
「大丈夫です――絶対に!」
 恐らくこれから放たれるものは絶対の熱。絶晶は氷であるが故に分が悪いと思われがちだが、溶ければ水になる、ある程度は耐えられる筈!
「其の砲は撃たせません! 貴方の為にも――貴方の中にある八億の魂の為にも!」
 故にツォーナは絶晶と共に強引に接近戦を挑む。氷の腕による連撃が、護国鉄神零號の胴を殴り付ける。
 更に連撃に次ぐ連撃。其の凄まじい速さに護国鉄神零號は、は、と相手を改めてみた。
 ――其処に舞うのは、竜型をしたガジェットである。ツォーナのユーベルコードにより召喚された、陽光を虹色に照り返す其の姿。“彼”がツォーナの援護をして、凄まじい連撃の一端を担っていたのだ。
「綺麗でしょう? でも、そちらばかりに気を取られないで下さいね!」
 絶晶の腕に氷が纏わる。纏わる、纏わる、纏わる! 凄まじい冷気と凍気をまとった其の腕が、護国鉄神零號の波導砲の『タネ』を見事に打ち砕いた。
 放熱装置が放熱をやめ、護国鉄神零號がよろめく。
「なんという力……! 場所の所為、援護の賜物、いや……! これが猟兵の力……!」
「ええ、そうです。貴方はこれからこの力を、骸の海に還るまで浴びる事になる!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
絶晶のデータを元に完成させた自動鎧―雷晶で参上だぜ
版権とか商標とか無視です
悪い子だろ(どやあ)

そんじゃ八億人分の生命保険を有耶無耶にすべく救済に行きますか、愛しの|銀行員《クイーン》様
アタシが盾になるんで氷河期魔法で鉄神の武装を氷漬け・機能不全にしてもらえっかなー
前に出て、鉄神の八岐大蛇機関砲を神鳴で受け流す役に徹しましょ
大型兵器や突撃が来たら間合いをつめて殴って牽制だ

放熱機構の位置を見切ってクイーンに氷で塞ぐようにアドバイス
八岐大蛇機関砲に氷が効いてきたら、鉄神までの道のりをスケートリンク状にしてもらって突撃!
必殺の【爆砕電撃】を見舞ってやる

美女二人に看取ってもらえんだ
安らかに昇天してくんな




「まあ! まあ、まあ、まあ!! 貴方、其れは!」
 アイスエイジクイーンは、怒りとも驚嘆ともつかぬ声を上げた。
 にひ、と笑うは四王天・燦(月夜の翼・f04448)。アイスエイジクイーンの反応もむべなるかな、彼女は絶晶のデータを元に作り上げた、紫電水晶の『雷晶』で現れたのだから。
「版権とか商標とか無視です! 悪い子だろ?」
「……ふふ、ほっほっほっほ! 其れでこそ我ら悪魔の上に立つにふさわしいお方ですわ~!」
「だろ? そんじゃ……八億人分の生命保険を|救済《うやむや》にしますか!愛しの|悪魔銀行員《クイーン》様?」
「ええ、お任せ下さいまし! わたくしの氷河期魔法、これまでになく! 絶好調! ですわ!」
 などと悠々と話している暇はない。護国鉄神零號の肩から蛇型の四連機関砲ががしゃこん、と現れ、弾丸を放つ。制圧射撃といっていい其れを、雷晶に乗った燦は剣で素早くいなし続ける。
「砲だと難しいけど、これくらいの弾丸なら!」
 剣でいなしながら、燦は捜す。いや、捜すまでもない――! 放熱機関は背中側! 今もがしゃん、と熱を持った機関銃を補佐している!
「クイーン! 背中!」
「ええ!」
 アイスエイジクイーンが、無限の雪と氷から蝙蝠型の|使い魔《サーヴァント》を放つ。其れはきぃきぃと鳴きながら飛び、護国鉄神零號の背中へと絡み付いた。
「ぬ……!? これは……! 熱暴走を狙っているのか……!?」
「後々の保険、って奴かな。ほら、機関砲も熱がこもって……弾数が少なくなってきた!」
「燦様、道を作りますわ! お早く!」
 燦が言うまでもなく、アイスエイジクイーンは雪を凍らせて護国鉄神零號までの氷の道をつくりあげる。流石は西のラスボスといったところだろうか。
 燦は雷晶ごと素早くその上に載って氷の上を駆ける。滑るように駆けながら、片腕に超高圧電流を纏わせた。

 ――雷晶、オーバードライブ120%!

「この手に宿した稲妻が、敵を潰せと吼え叫ぶ! 爆砕雷撃……! ライトニング・フィニッシャー!!!」
 閉じられた胸元の鉄扉を貫き、護国鉄神零號のコアらしき部分を一気に握り締める燦。高圧の電流が、八億の魂を揺らす!
「……ぐ、ぬ、おおおおおお……!!」
「ああああああ……!!」
 何人減らせた? 一人? 十人? 其れとも百人? 判らない。だが燦がこれ以上行動不能になるのは難しいと手を離しても、護国鉄神零號は健在であった。
「――我が核を見抜くとは、見事……! だが、我は護国鉄神零號……そう簡単に斃れる訳には、いかんのだ……!」
「そういう意地は味方の時に言って欲しかったなあ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪華・風月
普段は帝都桜學府所属、剣の道を究めんと修行中の雪華・風月です
何卒よろしくお願いします

はい、良く分かりませんが貴方が苦しんでると言うなら影朧救済機関として貴方を柳緑花紅にて粉砕します

アイスエイジクイーンさんは氷河期魔法でどんどん冷やして下さい!
柳緑花紅の霊力を攻撃力に…『焼却』
『ダッシュ』で駆け、軌道を『見切り』… 零式噴進飛翔拳を柳緑花紅で『受け流す』…
凍れば焼却、また凍ると繰り返せば…

硬いものであろうと脆くなり粉砕される…
貴方が8億の魂の世界ならわたしとアイスエイジクイーンさんで2つの世界です…




「帝都桜學府所属、剣の道を修行中の雪華・風月(若輩侍少女・f22820)です。何卒宜しくお願いします」
「まあ! これから成すワルに相応しい素晴らしい挨拶ですわ! わたくしはアイスエイジクイーンと申します!」
「はい。――苦しんでいるのは、あの方ですか」
 風月はそっと、護国鉄神零號へと視線を向ける。ええ、とアイスエイジクイーンは頷いて。
 判りました、と風月は刀――柳緑花紅を構えた。
「絶晶は構いませんの?」
「はい、この身一つで問題ありません。アイスエイジクイーンさんは氷河期魔法で、場をどんどん冷やして下さい! ……征きます! 影朧救済機関の一員として……貴方を粉砕します!」
 風月は駆け出す。妖刀が目を覚まし。赤い霊力が己に纏わりつく。霊力を柳緑花紅に込め、炎と変えて風月は護国鉄神零號へと突撃した。
「勇気ある娘よ……だが、我が内の八億の魂は……!」
 がしゃん。と腕を構える護国鉄神零號。放たれた|零式噴進飛翔拳《ロケットパンチ》の軌道を見切り、柳緑花紅でぎりぎりの処で受け流す。
「……片腕が、限界かもしれませんが……!」
 風月は熱を纏った刀で其の腕に斬り付ける。じわり、と護国鉄神零號の腕に灼熱が灯り、しかし、アイスエイジクイーンの氷河期魔法で直ぐに冷やされる。
 斬りつけて熱し、そして環境で冷える。其れを繰り返せばどうなるか? 護国鉄神零號は八億の魂を抱えた|鉄の塊《・・・》なれば――

「……! 我の、腕が……!」

 ぼろぼろ、ばぎん。
 凄まじい音を立てて、護国鉄神零號の片手がぼろぼろになっていく。そう、熱疲労という奴だ。
「貴方が八億の魂の世界なら――わたしとアイスエイジクイーンさんは二人で二つの世界……例え数で劣ろうと、魂の強さで負けはしません!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

キアナ・ファム
■WIZ
(絶品のレプリカを眺め)
まるでアタイの世界のメイガス、みたいだな
アタイはメイガス乗りじゃないが、要は
「自分の手足がでっかくなったように扱え」
と言うことだよな?
(「絶品」の調整をしながら)

あとアタイの得物も氷剣(アイスレイピア)だからな
アイスエイジクイーンとの相性は問題は無い、はず

とはいっても、やっぱり慣れた「道具」ではないからな。
深追いは拙い
ここはクイーンをメインに立ち回ろう

まずは慣れぬ地だから、[拠点防御・地形の利用]は怠らない
(敵の砲撃は受けてしまっては大変だからな)

【UC】で釘付けにしてやるのさ!
追加攻撃までは難しいにしても、これだけでも仲間やクイーンの助けにはなるはずだぜ!




「へえ、これが絶晶かい」
 キアナ・ファム(世界を駆ける(自称)妖精騎士・f38897)はレプリカをしげしげと見詰める。
「まるでアタイの世界のメイガス、みたいだな」
「メイガス? あなた方の世界にも絶晶のようなものがありますの?」
「ああ。だがアタイはメイガス乗りじゃない……けど、要は“自分の手足がでっかくなったように扱え”って事だよな?」
「おおまかに言えばそうですわね! 己の第二の手足としてお使いくださいまし! あとは――習うより慣れろ、ですわ!」
 成る程、と頷いて、キアナは絶晶に飛び乗る。得物であるアイスレイピアを構え、護国鉄神零號へと発進した。
「お、おお……猟兵……命ある者よ……!」
 護国鉄神零號はこれまでの猟兵の奮戦ゆえだろう、片手を喪っていた。負傷によるものか、八億の魂が暴れているのか、其の口からまともな会話らしきものが出て来ることはない。
 キアナは素早く、雪山状になっている場所の陰に隠れる。其の瞬間、護国鉄神零號が発光した。
「おおおおおおお――!!!」
 護国英霊波導砲! 凄まじい勢いで放たれた砲はキアナが隠れていた雪山の上部を粉砕し、アイスエイジクイーンが構えた数重の氷の壁を融かし尽くし、雪と氷の国を、一瞬ではあるが熱で満たした。
「うげえ、すごい威力。あんなのバカスカ撃たれたらたまったもんじゃないな」
「わたくしにお任せ下さいな! 要は――あの砲が撃たれた発射口を一瞬でも氷漬けにすれば宜しいのでしょう!」
 おう、こちとらデビルキングワールドの西のラスボス、アイスエイジクイーンさんやぞ。
 其の氷河期が渦を巻く。放たれたすさまじい凍気はばきばきと雪を凍らせて、護国鉄神零號の装備武器をみるみるうちに凍らせていく。
「……この者……強い……! この者がサポートに甘んじる猟兵とは一体……!」
「一体? 簡単な事ですわ! 我らの上に立つデビルキングワールドの王! 其れが――猟兵の皆さまですのよ!」
 キアナは雪のブッシュから素早く飛び出すと、アイスレイピアで護国鉄神零號の装備武器を斬り付ける。
 抜けない氷柱が突き刺さり、装備が次々と使用不可能になっていく。護国鉄神零號は腕を振るい、これ以上はさせられないとキアナを拒んだ。キアナは初めて絶晶に乗ったとは思えぬ素早さで其れを回避する。
「――アタイには此処までしか出来ないが……これで後は楽になるかな?」
「お見事ですわ~! 勿論楽になりましょう! そしてこの吹雪で……わたくしの氷河期魔法も絶好調……いえ! 超好調になりましてよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

五十川・静華
アドリブ/連携可
「アイスエイジクイーン様、お借りいたします!」
絶晶レプリカに乗り込み、足元をスケート靴のようにカスタマイズ。
UC発動で地面を限界までツルツルに滑る凍結床に変換し、自分に有利なよう地形を変化させる。
「ここは私の舞台、さあ踊りましょう!」
踊るような軽業(+精神の余裕)で機関砲を回避。自身に攻撃を引き付けている(パフォーマンス)間にアイスエイジクイーンが氷河期魔法で鉄神を攻撃。鉄神や小鉄神は足元が滑って移動も回避も困難な状態に。
小鉄神は静華が結晶輪やスケート靴(踏みつけ+足払い)で攻撃。
「アイスエイジクイーン様、後でこれ(今乗っている絶晶レプリカ)譲っていただけませんかね?」




「アイスエイジクイーン様! 絶晶、お借りします!」
 五十川・静華(雪女の「フィギュアスケート」アスリート・f42400)はそう言うやいなや、素早く絶晶のレプリカに乗り込むと、足元をスケート靴のようにカスタマイズする。
「これで――さあ、現れて! 氷の銀盤! 私の戦場!」
 絶晶のスケート靴で足元をしたたかに叩けば、アイスエイジクイーン、そして護国鉄神零號をも巻き込んで周囲の雪が全て氷へと変化していく。
「……環境の書き換え、だと……!?」
「雪と氷の国で有利になれるのは、アイスエイジクイーン様だけではないという事です。――さあ、此処は私の舞台! 踊りましょう、護国鉄神零號様!」
 カスタムした絶晶で、静華は|滑《おど》り出す。
 だが、と負けていられる護国鉄神零號ではない。蛇のような機関砲を構えると、静華に向かって連射し始めた。

 ――くるり、くる。
 ――ひらり、ひら。

 其れはまさに氷上を舞うかの如く、静華は機関砲から放たれる弾丸を躱していく。そして其の後方にいるアイスエイジクイーンとて、何もせず見守るだけの存在ではないのだ。
「お喰らいなさい!」
 氷河期魔法。凄まじい吹雪が吹き荒れて、護国鉄神零號を、生まれ来る小鉄神を凍り付かせる。ころん、と機能停止して転がった小鉄神を、静華の絶晶がぺいっと脚で払った。
「ぬっ……ぐう……!」
 護国鉄神零號の負傷は甚大だ。これまでの猟兵の奮戦の賜物だが、其れでも内蔵した八億の魂は暴れて止まってはくれない。
 戦意を抑えられず、しかし凍り付いた身体では動く事もままならず、護国鉄神零號は膝を突いた。
「――これで下手に動いて攻撃する事は難しくなるでしょう……ところでアイスエイジクイーン様」
「なんでしょう?」
「こちら……今乗っているレプリカ、譲って頂けませんか?」
「まあ。まあ、まあ、まあ! 宜しくてよ! ただ――」
「ただ?」
「修理はご自分でして下さいましね?」
 蒼き麗人は柔らかく言うと、ぱちん、とウインクして見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミュー・ティフィア
8億の魂を背負った世界そのもの……重いですね、とても。
だからこそそういう存在が悪い事に利用されようとしているなら助けないと!
ということでアイスエイジクイーン!この鎧借りますね!あと氷河期魔法で援護お願いします!

絶晶のレプリカに乗り込んだら守りは完璧。真正面からのぶつかり合いに勝てるくらい頑丈ですもんね!

それでも波動砲の直撃に耐えられるかはわからないから第六感と戦闘知識、事前に慌てて調べた戦争当時の絶晶の性能知識を総動員して相手の波動砲を躱します!

絆歌・歌姫の言霊を歌ったら光と闇の波動と氷河期魔法の攻撃を受けている護国鉄神零號に一気に接近!相手の攻撃を掻い潜って絶晶の全力の一撃を叩き込みます!




「八億の魂を背負った“世界そのもの”……」
 重いですね、とミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)は呟く。勿論物理的な重さではない。護国鉄神零號は其れだけの想いを背負って――しかし其れを歪められている。其の悔しさはいかほどばかりだろう。
 だから助けたい、とミューは思った。目の前に『助けて』があるのなら、伸ばされた手があるのなら、其れを無視することは|猟兵《ミュー》には出来ない!
「アイスエイジクイーン、この鎧借りますね! あと氷河期魔法で援護お願いします!」
「ええ、任せて下さいまし! 猟兵様のなさりたいようになさって大丈夫ですわ! これでもわたくし、悪魔銀行員としての経験で臨機応変には強いんですのよ!」
 絶晶のレプリカは冷たく、しかしとても心強かった。真正面から護国鉄神零號にぶつかっても大丈夫、そんな安心感を感じる。
 ばちばち、とあちこちを破損している護国鉄神零號から火花が弾け飛ぶ。
「この期に及んで砲、ですか……!」
 流石に波導砲を喰らって絶晶が無事でいられるかは自信がない。ミューはアイスエイジクイーンが万が一にも巻き込まれないよう、大きく護国鉄神零號の右側に回り込む。其れを追うように光は移動し、やがてひかりとしての形を成して――
「……避け……ろ……!」
「!」
 其の護国鉄神零號の一声が合図となった。装備武器から波導砲が放たれて、ミューが“さっきまでいた”場所へと収束、光が弾けて明滅する。
「猟兵様!」
「大丈夫です! 零號さんが……助けてくれました!」
「では其れに応えなければいけませんわね! 雪よ、氷よ、我が声に応えよ!」
 氷河期が来る。
 氷がうねり、雪がざわめく。装備武器に張り付いた吹雪の雪が、たちまちに凍り付いて波導砲の二射目を阻害する。
「悔しい事に……余りもちませんわ! お早く!」
「はい! ――……♪ いつか、悲しみの夜が明けたら ♪」
 吹雪の轟音の中に、ミューの透き通った歌声が混じって空へ昇る。其れは“絆歌・歌姫の言霊”。其の歌声は因果を無視し、光と闇を齎す。
「……これは……! 力がマシマシですわ~!?」
 アイスエイジクイーンと紡いだ絆。其の分だけ、彼女の戦闘力を強化して。
 そうして絶晶に乗りこんだ|歌姫《ミュー》は駆ける。

「もう大丈夫です。大丈夫。私が、私たちが! 貴方を|斃し《たすけ》に来ました!!」

 光と闇を絶唱の腕部に収束させて、護国鉄神零號に叩き込む!
 装備していた鉄火器が、其の一撃で――或いはこれまでの奮戦もあるのだろう――ひび割れ、砕け散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
アイスエイジクイーン殿!御力をお借りします!!

絶晶レプリカに乗り込み【操縦】、『機械大剣』発動!
夜剣大蛇を変形させ機械大剣とし絶晶で掴み【怪力】で振るう!
あらゆる物質よりも硬い剣で護国英霊波導砲を【切断】
また刀身で【武器受け】し、【早業】アイスエイジクイーン殿と共闘し護国鉄神零號へ接近、機械大剣のドリル刃を【闘争心】で高速回転させ叩きつける!!

護国鉄神零號!
その身、その魂、オブリビオンの楔から開放する為壊す!!
夜剣!!狂い猛ろぉおおおおおお!!!!!

【毒使い】神の名を冠するモノを殺す【呪詛】毒液を放ちながらドリル機械大剣で【急所突き】、護国鉄神零號の内部へ呪詛毒を注ぎ込み、機能停止へ陥らせる!




 朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)は死人である。だから寒さを感じない筈なのだが、彼女は其れに気付く事が出来ない。
 目の前にいる敵を斃さなければと、思考が一杯になってしまうのだ。斃さなければ――斃さなければ! 其れが例え、どれだけ善良な意思を持っていても! 邪悪を成すならば、完膚なきまでに壊さなければ!
「アイスエイジクイーン殿! 御力をお借りします!」
 絶晶のレプリカに飛び乗った小枝子は、直ぐ傍にキャバリア『夜剣大蛇』を顕現させる。神への憎悪を練り上げて作られた其れを、機械の大剣へと変えて小枝子は掴む。
「|超古代種族《エンシェント・レヰス》……お前が神に連なるものなら……この剣はお前にこそ相応しい!」
「避けろ、命あるものよ……!」
 護国鉄神零號のあちこちが発光している。其の鋼鉄の身体に降り積もる雪があっという間に流水に変わり、ぼたぼたと積雪の上に落ちた。
 放たれるは護国英霊波導砲。其の熱戦を――

 ――小枝子は、|斬った《・・・》。

「……」
 アイスエイジクイーンも。
 護国鉄神零號も。
 驚愕で黙していた。例え其れが弱体化していたとしても、砲を斬るなどという荒業を其の目にすれば当然であろう。
「この剣はあらゆる物質よりも硬い。ならば砲を斬れるのも道理! アイスエイジクイーン殿!」
「え? ……あっ、はい!」
 小枝子はアイスエイジクイーンと共に、砲の中を絶晶でひた走る。
 アイスエイジクイーンとて負けてはいない。氷河期魔法によって迫りくる硝煙弾雨を駆け抜けて、一気に護国鉄神零號へと接近する!
「護国鉄神零號! 其の身、其の魂、オブリビオンの楔から解放する為に壊す!! 夜剣!! 狂い猛ろぉおおおおおお!!!」
 血を吐くような気合裂帛の声とともに、機械大剣のドリル刃を高速回転させ、護国鉄神零號へと叩き付ける!
 其の刃は鉄を削り、装備を穿ち、エンシェント・レヰスたる鉄神の脇腹に穴を開けた。ばぢばぢと火花が飛び散り、護国鉄神零號が苦悶の声を漏らす。
「……感謝、する……心あるものよ……! あと少し、あと少しでこの八億の魂も……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミア・ミュラー
ん、あなたがどんなに、大きくても。サクラミラージュとこの世界を守るためなら、止めてみせるよ。
アイスエイジクイーンさん、来てくれて、ありがとう。わたしは初めまして、だけど。あなたの絶晶を頼りにさせて、もらうね。
絶晶があれば、わたしでも機関砲を少しの間耐えられると、思う。その間は動けないけど、北風の杖をこっそり飛ばしておけば、横から機関砲を凍らせて、攻撃を止めてもらえる、はず。杖もきっと、この国ならいつもより力が出るんじゃ、ないかな。
ちょっとでも機関砲が止まればこっちも動けるから、反撃しよう。【プリンセス・ブースト】でダッシュで近づいて、そのままの勢いで絶晶体当たりをどーんと、決めちゃうよ。




「ん。あなたがどんなに、大きくても。サクラミラージュとこの世界を守るためなら、止めてみせるよ」
 ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)はアリスラビリンスの出身だ。だからこそ、記憶を失くしたミアにとっては、このアリスラビリンスこそが故郷といえるだろう。愉快な仲間に助けられた。オウガに追われた。そして猟兵に助けられ、己も猟兵となった。
 だから。
「――アイスエイジクイーンさん、来てくれて、ありがとう。わたしはあなたとは初めまして、だけど。あなたの絶晶を頼りにさせて、もらうね」
「まあ、初めまして! いかにもアイスエイジクイーンですわ! 恐縮なさらないで、わたくしの絶晶があれば鬼に金棒に違いありません!」
「――うん」
 ミアはちょっと嬉しそうに頷いて、絶晶へと乗り込む。うん、これなら機関砲を少しの間は耐えられそう。
 護国鉄神零號を見据えると、既に蛇のような砲身は露出していた。其処から放たれる機関砲! ――ちちち。と鼠の鳴くような音がして、絶晶が機関砲を受け止める。
「……よし、予測通り」
 何秒斉射されるかは判らないが、この調子なら何とか受け止めきれそう。そう思ったミアの懐から、何かがぴょんと飛び出して飛んで行った。
「あ」
 ミアは其れを知っている。だが――止めることはしなかった。だって、あの子は“此処でならとっても強い筈”だもの。
「ぬうう……! 命ある者よ、心ある者よ……! 我が護る八億の魂が歪められぬよう、どうか……!」
 一方で護国鉄神零號の心境も変化していた。世界そのものと言って良い己を、猟兵は此処まで圧倒している。ならば、救われるのではないか。この八億の魂が歪められる前に、己を骸の海へ還してくれるのではないか。そんな期待が僅かに芽生え始めていた。
 声に滲んだ“殺してくれ”を、ミアは聞き逃さない。大丈夫、と頷いて、機関砲が斉射をやめた瞬間に絶晶で走り出した。

 ――ひゅる……

 北風が逆巻く。
 先程ミアの懐から飛び出していった“北風の杖”が、護国鉄神零號の機関砲を凍らせる。熱された砲身はじゅわじゅわと音を立てて氷と拮抗していたが、其の時間こそ反撃するに十分だ。
 眩い虹色の光を纏って、ミアは疾駆する。そうして其のまま――絶晶のレプリカで護国鉄神零號に体当たりした!
「どーん」
「ぬおっ……!?」
 鉄神がよろめく。真正面から戦い得る絶晶の助走付き全力体当たりを喰らい、足元を積雪に取られて膝を突く。
「そのまま、動かないでね」
 後はきっと、後続の猟兵たちがやってくれるだろう。ミアは北風の杖を回収し、少しだけ柔らかい声音でそう言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
アイスエイジクイーンさんも
地形適応がばっちりで絶好調ですね

頼りにさせていただきまして――
私も行きますよ、ブライト・ナイト!

クイーンさんの
氷河期魔法で動きを鈍らせてもらい、
その間に距離を詰め、
BX-Aブリッツ・ファウストで
ビームを拳に纏い肉弾戦を行います!

功夫を生かした打撃は、生身の時と同じですよっ!
ロケットパンチが撃たれてもオーラ防御で凌ぎ、
間合いの内に入り込みます!

貴方には八億の魂があるのかもしれません
ですが、猟兵の助けを待つ人は限りなく多い
けして止まる訳にはいかないのです、からぁぁっ!

気を吐きながら攻撃を見切り、
鎧砕きの打撃で動きを止めたら今こそ必殺の一撃を
《翠光の翼》で粉砕を狙いますね!




「ふふっ」
「……? なんですの?」
 不意にユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)が笑みを漏らしたので、アイスエイジクイーンは不思議そうに彼女を見下ろす。いえ、とユーフィは笑みを浮かべたまま彼女を見上げて。
「アイスエイジクイーンさんも、地形適応がばっちりで絶好調だなって思ったんです」
「それもそうですわね! 雪と氷! まさに氷河期魔法を扱うわたくしに相応しいフィールドと言えるでしょう! 其の点はわたくし達を此処へ運んで下さったキャンピーくんには感謝をしなければいけませんわね!」
「ふふっ、そうですね。では頼りにさせて頂きまして――私も行きます! ブライト・ナイト!」
 ユーフィが呼び掛けると、白く輝く機体、輝闘機『ブライト・ナイト』が目を覚ます。其のアイセンサーに光を宿し、ユーフィと共に護国鉄神零號へと接敵する!
「いきますわよ! もうそろそろ相手も限界の筈……おーっほっほっほ! これがわたくし、アイスエイジクイーンの力と思い知りあそばせ!」
 雪が逆巻き、氷が渦を巻く。ユーフィの進路を援護するようにアイスエイジクイーンは氷の槍を放ち、立ち上がろうとする護国鉄神零號の脚部に槍を撃ち込んだ。
「たぁあああっ!」
 ユーフィとブライト・ナイトが其の後に続いて飛び込む!
 ――BX-Aブリッツ・ファウスト。
 両手に嵌めるナックル型の武器、更に其処にビームを発生させて攻撃力を上乗せ。護国鉄神零號に接近戦を申し込んだ。
 対して護国鉄神零號は姿勢を崩している上に、片腕は粉砕されている。ならばと防御を捨て、ブライト・ナイトをしたたかに殴り付けた。
「っ……! 負けません!」
「やってみせよ……! 命ある者よ……!」
 ぎしぎしぎり、と厭な音がする。たわんだ鋼鉄が唸り、護国鉄神零號が構えた。
「ユーフィ様! ロケットパンチですわ!」
「はい……!!」
 ブライト・ナイトは兎も角として、ユーフィがロケットパンチを喰らってしまってはひとたまりもない。オーラの防禦を張ったユーフィ、其の前に氷で出来た盾が幾つも形成された。アイスエイジクイーンの援護だ。
「――貴方には、八億の魂があるのかもしれません」
 ロケットパンチが放たれる! 其の衝撃で雪が舞い、ブライト・ナイトが直撃を受けて大きく揺らいだ。見なくても判る、至近でこの攻撃を喰らえばブライト・ナイトとて無事では済まないだろう。其れでも――其れでも!
「ですが、猟兵の助けを待つ人は限りなく多い! 私たちは、決して止まる訳にはいかないんです!!」

 ――そしてその中に、あなた達も含まれている。

 ユーフィはロケットパンチが放たれた後の好きを狙い、鎧砕きの打撃を加える。幾人もの猟兵が残してきた瑕が、またびしり、と広がった。
 そして相手は姿勢を崩している――これこそ好機!
「行きましょう、ブライト・ナイト! これが私達の……必殺の一撃です!!」
 光の翼が雪と氷の国に舞う。薄暗いこの国に一層眩しく映る其の光は、護国鉄神零號の腕を薙ぎ――遂に其の両腕を破壊せしめたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

南六条・ヴィクトリア三世
おーっほっほっほっほ!!
ごきげんようアイスエイジさん!
※アイスエイジクイーンとは完全に悪友の関係(「#アイスエイジクイーン・トリロジー」等参照のこと)

護国鉄神零號何するものぞ!
アイスエイジさん、例のものを!
これぞ! わたくしとアイスエイジさんで共同開発していた「絶晶・トリニティセレブリティカスタム」ですわ!
(※2023年南瓜行列イラスト・及びシナリオ「8thKING WAR①?~アイスエイジ・フォーミュラ」参照)
そう、我らこそトリニティセレブリティパーティ!!
アイスエイジさん、行きますわよ!!
社長魂と女王魂(覇気)を込めた拳でロケットパンチを打ち返し!
お顔の形が変わるまで2人でぶん殴りますわ!




「おーっほっほっほっほ! ごきげんようアイスエイジさん!」
「ハッ……! まあ、この笑い……! ごきげんようヴィクトリアさん!」
 アイスエイジクイーンが振り返った先、其処にいるのはUAI(何の略かは各自参照されたし)社の現職社長、南六条・ヴィクトリア三世(株式会社UAI最高経営責任者(現職)・f30664)である。ちなみにアイスエイジクイーンとは高飛車同士気が合ってしまったのか、友人……というよりは共に猟兵を振り回す悪友たちという感じだ。
「まあ、来るのが少し遅くなってしまったかしら?」
「いいえ。真打は最後に現れる……でしょう?」
「まあそうとも言いますわね」
 ぱちん! と持っていた扇子を閉じ、ヴィクトリア三世は自信ありげに満身創痍の護国鉄神零號を見た。
「ではわたくし達の手で、引導を渡して差し上げましょう! アイスエイジさん、例のものを!」
「ええ、判っておりますわ!」
 アイスエイジクイーンは数多量産したレプリカ……其の中からとっておきをヴィクトリア三世へと渡す。右手は赤く、左手は青い巨腕――其れは誰かさんを髣髴とさせる……そう、例えば筆者の推しとか……!
「これぞ! わたくしとアイスエイジさんで共同開発していた“絶晶・トリニティセレブリティカスタム”ですわ! そう、我らこそトリニティセレブリティパーティ……護国鉄神零號何するものぞ! アイスエイジさん、行きますわよ!」
「ええ、ヴィクトリアさんがご一緒なら百万人力ですわ!」

 ――わたくしたち3人は!

 ヴィクトリア三世が先行する。
 まずは両腕を失った護国鉄神零號へと絶晶・トリニティセレブリティカスタムでの一撃を見舞い。

 ――生まれた場所は違えども!

 更に其処にアイスエイジクイーンが畳み掛ける。とげとげしい氷をいつの間にか纏わせた絶晶(オリジナル)の拳で護国鉄神零號の鋼鉄をへし曲げ。

 ――同志の契りを結んだ身!

「「我ら、トリニティセレブリティ(一人除く)!!!」」

 殴る。
 殴る。
 殴る。
 殴る、殴る殴る殴る、殴る殴る殴る殴る殴る!!
 其れは鎮魂を込めて。其れは哀愁を込めて。其れは悲憤を込めて。そして何より――プライドを込めて!

 そうして二人の猛攻が終わった頃には、最早護国鉄神零號は消滅を待つばかりの存在になっていた。
 絶晶・トリニティセレブリティカスタムから降り立ったヴィクトリア三世は、扇子を開いて口元を隠し、問う。
「……何か言い残す事はありまして?」
「……」
 ばち、ばち。と火花が舞い散る。足先から少しずつ青黒い塵へと変わりゆく護国鉄神零號は、ああ、と吐息のような声を漏らした。
「一つだけ――」
「……聞きましょう」
「……感謝を……」
 其れきり。
 護国鉄神零號はその活動を終え、爆散するように青黒い霧が雪と氷の国に舞った。
「……終わりましたわね」
「少し物悲しい最期でしたわね……望まずオブリビオンとなった故でしょうか」
「そうですわね……さて! では次の“仕事場”に行かなくては」
「あら、ヴィクトリアさんはお忙しい事ですわね。……では、また終わったらいつもの店でいかがかしら?」
「良いですわね。其れを楽しみに、この戰を終わらせて参りますわ!」
 悪友二人。
 互いがこの戦で命を落とすなどとは微塵も思っていない。二人でらしくなく、くすり、と笑った其の笑みにこそ、信頼は宿っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月13日


挿絵イラスト