帝都櫻大戰⑫〜WarCry for Try
その日、ビルシャス帝国首都ビルサラオンは未曾有の災厄に襲われた。
「プラントより溢れる桜の増殖、尚も継続中!」
「市街に所属不明のキャバリア出現! 市民を攻撃しています!」
突如プラントより謎の植物――帝国では見られぬ『桜』という樹木らしい――が溢れ出し、周囲一帯を侵食し始め。
時同じくして、何処からともなく現れた奇怪なキャバリアが無差別攻撃を開始。ビルサラオン皇城には、それらに関連する被害報告や状況報告が秒刻みで次々に届く。
「落ち着きなさい! まずは市民の安全を確保、然る後に敵性キャバリアの迎撃を……!」
皇帝リル・ビルシャスをはじめ、政務に携わる者達は状況へ対処するべく矢継ぎ早に指示を飛ばすが、事態はあまりに錯綜しすぎ、その指示は末端まで届ききらぬ。このままでは、ビルサラオンは混沌とした状況のまま滅びゆく――そんな可能性すら見え得る危機的状況。
リルも其を悟り、己の力が足りぬと唇を噛む。皇城を、絶望が支配し始めた、まさにその時。
『諦めてはならん』
突如、皇城へ届いた通信。発信源はいつの間にか皇城前に現れていた所属不明のキャバリア。モニタに映る発信者の姿は、紛いなく金属でありながら精悍さの感じられる男性のもの。その顔の左眼周りが、その意志を示すが如く炎に燃えている。
『私の名はアダム・カドモン。貴国の、そしてこの世界の危地を食い止めるべく、遠き異界より馳せ参じた者だ』
この世界に彼の名とその意味を知る者は居らぬ。だが誰もがその声音から悟る。彼の示した、その意志の確かなるを。
『遠からず、猟兵――これまで幾度も貴国の危地を救ってきただろう者達が来る筈だ。その時まで諦めることなく耐え、抗うのだ』
彼は語る。力無き者ならば、逃げ隠れ祈るが抗いとなるだろう。だが、皆には力がある筈だ、と。この世界に生きる者ならば誰もが知る『力』が。
『私が先陣を切る。諸君もその意志あらば続いて欲しい。そして猟兵達来たらば共に戦い、皆の力でかの禍を払うのだ!』
その呼びかけを以て通信は切れ、皇城前のキャバリアが動き出す。携えた巨大剣で以て、襲い来たキャバリアを一刀のもとに斬り捨てる。己の意志を行動で示すかの如く。
「――そう、でしたね」
数秒、モニタを見つめていたリルは頷く。そうだ。己が諦めてどうする。この国のすべてを背負うべき皇帝たる己が。
「――お姉様」
「――ええ」
隣に控えていた近衛兵団長セリスへ呼びかける。彼女の返答と合わせ、常ならば二人きりの時にしか為されぬ遣り取りは、その覚悟故。
「近衛兵団を率いて、カドモン氏と共に敵性キャバリアの排除を。市民の安全確保は国防軍に一任するから」
命を発すれば、セリスは短く応えてその場を退出。去り際、気遣わしげな視線をリルへと残して。
「皆も、各々の権限で為せることを。市民保護の目的に違わぬ限り、責任は私が持ちます」
残る官僚達や国防軍の兵達にもそう伝え、各々が各自の役割を果たすべく動きだすのを見届け。リルは一つ息を吐く。誰もが戦うべきこの状況なれば、その全てを知り、全てを負う。それが皇帝たる己の戦いと判ずるが故に。
●
「オブリビオンと化して蘇った『|超古代種族《エンシェント・レヰス》』。彼らの力は想像を絶するものだった」
グリモア猟兵、ルクレツィア・アストリュード(終極フラガラッハ・f30398)は語る。蘇った彼らはサクラミラージュに留まらず、実に12もの世界に対して攻撃を開始したという事実を。これ程の事態、最早猟兵達だけの手には余る程とも思えたが。
「けれど、皆のおかげでその死を免れた山本五郎左衛門親分が、キャンピーくんの力も借りて、色んな世界から援軍を呼び集めてくれた」
カクリヨの妖怪親分達だけではない。シルバーレインの妖狐七星将、デビルキングワールドの強大な悪魔達、更にはアスリートアースの新生フィールド・オブ・ナインまで。他にも猟兵達に匹敵する強き者達が、侵略を受けた世界で其に抗うべく戦いを繰り広げているというのだ。
「けれど、勝利を収めるにはやはり皆の力が必要不可欠。どうか、力を貸して欲しい」
彼らは皆強大な存在なれど、彼らだけでは脅威を払うには至らぬ。ルクレツィアの呼びかけるに、頷く猟兵達。
「皆に行って欲しいのはクロムキャバリア。此処には『イザナミ』っていう|超古代種族《エンシェント・レヰス》の一人が現れて、各地の小国家を攻撃している」
彼女はその身を蝕む『冥府の蛆獣』の力で、かの世界のキャバリア達をオブリビオンマシンとして蘇らせ、更なる破壊を齎さんとしているのだという。
「ボクが予知を見た街――ビルシャス帝国の首都ビルサラオンも、既に大混乱の最中。あまりに急な事態で、軍も充分に動けない状態だった――けど」
なれど、此の地にも山本親分の依頼で救援に赴いた者がいるという。それは。
「ケルベロスディバイドの特務機関|DIVIDE《ディバイド》の長官アダム・カドモン。彼が、街の皆に抗戦を呼びかけながら、自分もキャバリアで戦っている」
元の世界では実に20年もの間、猟兵でさえ一筋縄にはいかぬデウスエクス相手の抗戦を率いてきた人物だ。その言葉とその在り方は、絶望的な禍に立ち向かう意志を人々に齎すことだろう。
「皆には、彼と一緒に街の人達のパニックを落ち着かせてもらいつつ、襲ってきたオブリビオンマシンを排除して貰いたい」
カドモン長官の実力は高いが、彼一人ではやはり限度がある。事態の収拾には猟兵達の力が必要不可欠だ。
「敵のオブリビオンマシンは『喚造機・マッシャー』。死者の怨念とか恐怖とかをキャバリアの残骸に塗り込んだっていう……何ともこの状況らしい機体」
捨て置けば、犠牲になった市民やキャバリアを材料として更なる怨念を撒き散らすだろう忌むべき機体だ。確実に殲滅せねばなるまい。
「後、ビルシャスの近衛兵団も一緒に戦ってくれるから、彼らとも共闘すればより戦いやすくなるかも」
此方の実力は猟兵には及ばないが、皆一廉の軍人である。うまく連携することでより多くの戦果を挙げることが叶うだろう。
「この戦いが長引けば、クロムキャバリアもきっと危険だから。これを救えるのは、皆だけ」
だから、どうか頼む、と。願うようなルクレツィアの言葉を受けて、猟兵達は征く。
狂い咲く桜花と怨念の機兵に満ちた、ビルサラオンの街へと。
五条新一郎
誰もが生きる為に戦っている。
五条です。
帝都櫻大戦、第二戦線はよもやの多世界を跨ぐ大規模な戦いとなりました。
此方のシナリオでは、クロムキャバリアはビルシャス帝国首都ビルサラオンでの戦いをお届けして参ります。
ケルベロスディバイドよりの救援者と共に、かの街の救援を宜しくお願いします。
●目的
ビルサラオン市民の混乱を鎮める。
オブリビオンマシン『喚造機・マッシャー』の殲滅。
●戦場
クロムキャバリア、ビルシャス帝国領首都ビルサラオン。
王城とプラントを中心に放射状に広がる大通りを中心とした、中世と近未来の入り混じる街並みの都市。
現在はプラントから溢れだした幻朧桜が都市全体を侵食してます。
●味方戦力
『アダム・カドモン』
ケルベロスディバイドの特務機関|DIVIDE《ディバイド》長官。
何故か極めて高いキャバリアの操縦技術を有しており、単騎でも問題なく戦えます。
武装は主に巨大剣。その他大小の火器も扱います。
『ビルシャス近衛兵団』
カドモン長官の呼びかけに応え出撃したキャバリア部隊。
団長のセリス・フルーレを筆頭に、猟兵には及ばずとも高い練度の兵達が揃ってます。
武装はライフル・実体ブレード・ロケット砲。
●プレイングについて
OP公開と同時にプレイング受付を開始します。
「アダム・カドモンと協力して民衆を落ち着かせる/アダム・カドモンや近衛兵団のキャバリアと連携して戦う」ことでプレイングボーナスがつきます。
それでは、皆様の|運命《さだめ》を受けたプレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『喚造機・マッシャー』
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POW : 鋳造
【呪殺追尾光線砲台】に変形し、自身の【遺骸を鋳潰し、抽出し、溜め込んだ殺意】を代償に、自身の【三つ目砲台の呪殺力とホーミング性能】を強化する。
SPD : 鍛造
自身の【遺骸を鋳潰し、抽出し、溜め込んだ憤怒】を【代償に、三つ目の貫通熱線砲台】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
WIZ : 製造
【遺骸を鋳潰し、抽出し、溜め込んだ狂気】を籠めた【三つ目から発狂オブリビオンマシン化光線】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【正気】と【キャバリア】のみを攻撃する。
イラスト:100
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フレスベルク・メリアグレース
助太刀します、リル様、アダム・カドモン閣下!
ノインツェーンに乗り込み、ビルシャス勢力と合流
レールガンを掃射しながらオブリビオンマシンを一掃し、二人の傍へ
そして無線をオープン回線で
――全ては炎の代わりに桜に包まれる
それは、赦されるべき事でしょうか――否でしょう!
あの暴走衛星が地上を掃射し尽くす事と、『|炎の破滅《カタストロフ》』と何一つ変わりはしません!
ですが、安心して下さい
リル様の『ビルシャス近衛兵団』と閣下と共に、貴方達は守り抜きます!
UCを発動――正しく『|炎の破滅《カタストロフ》』の亜種である今回の事象を否定する歌を紡ぎ、オブリビオンマシンと桜を抑え込んで閣下や皆様を支援していきます
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
よりによって首都が狙われましたかぁ。
到着と同時に『FAS』で飛行、『FLS』で|全『祭器』《未装備含む》召喚後、空間歪曲を形成しまして。
リル殿下を筆頭に、この地の方々には私をご存知の方もいる筈ですので、目立つ上空から「もう大丈夫」と呼びかけ【獵妝】を発動、巨大化しますねぇ。
機体の性質に関わらず、敵機が『キャバリア』である以上『無敵化』の対象、攻撃の影響は受けず、此方の攻撃は『無双級』の効果を発揮しますぅ。
アダムさんや騎士団の支援用に『無敵化』が付与された『FMS』のバリアを『遮蔽』として設置、『FGS』の重力波で敵方の動きを押さえつつ、各攻撃用の『祭器』で叩きますねぇ。
桜花狂い咲くビルサラオン市街に、鋼鉄の激突音と砲火の爆裂音が響き渡る。
『これ以上の狼藉は許さんぞ、オブリビオンマシン!』
『総員、一斉射撃! 敵を押し返すのよ!』
抗うはビルシャス近衛兵団、その先頭に立つアダム・カドモン搭乗のキャバリアが巨剣を振るい敵を薙ぎ払えば、続く近衛兵団長セリスの号令に応えたキャバリア達がビームライフルを斉射、迫り来る敵機を撃ち抜き次々と破壊に至らしめる。
「凄い……近衛兵さん達、どんどんあのキャバリアをやっつけてる」
「でも、まだあんなにいっぱい……大丈夫かな……」
其を破壊された建物の影から見守る子供達は、そんな彼らの奮戦ぶりへ頼もしげに視線を注ぐが。一方で表情には不安が滲む。敵は未だ数多く、こうして彼らが戦っている領域は広いビルサラオンの一角に過ぎない。果たして彼らだけで間に合うのか――
だが、其処に轟く幾重もの砲撃音。地上から、上空から降り注いだ無数の砲弾が、異形のキャバリアを粉砕してゆく。
何事か。地上の砲撃の源を追えば、其処には白金の神々しき機兵。上空を見上げれば、其処にはオーラの翼で空を舞う女性の姿。
『――来たか、猟兵達よ』
『ええ、それに……あの人達は……!』
其を認めたアダムに応えるセリスの声音は明るい。あの機兵の乗り手、そして上空の女性は、まさに彼女にとって恩人と言うべき者達であるが故に。
『フルーレ団長! アダム・カドモン閣下! 助太刀に参りました!』
外部スピーカーから凛と響く乗り手――フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)の声音と共に、白金の|伝説級神機《サイキックキャバリア》『ノインツェーン』が二人の乗るキャバリアのもとへと歩み寄る。
「よりにもよって首都が狙われるとは……大変なことですぅ」
『フレスベルク殿にるこる殿……救援、有難く思います』
同時に、上空に在った女性――夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が高度を下げてくる。其を認めたセリスが安堵と共に感謝の言を漏らすに、フレスベルクも応える。
『ええ。わたくし達が来たからには、ビルサラオンを破滅などさせません。――カドモン長官』
続いてアダムへと呼びかけると、自機の無線をオープン回線へ接続。其はアダムによってより広く、ビルサラオン全域へと彼女の声が届くよう出力を高めてゆく。
『――皆様。ビルサラオンの都に住まう皆様。どうか、わたくしの声をお聞きください』
そうして語り始める言葉は、静かながらも力強く。侵食を続ける幻朧桜、襲いくるキャバリア群を前に絶望しかけていた人々の耳へと届く。
『全ては、炎の代わりに桜に包まれる。それは果たして、赦されるべき事でしょうか――』
告げる問いは、その答えを改めて確かめるが如く。即ち『否、否でしょう!』と。
『あの暴走衛星が地上を掃射し尽くすことと――『|炎の破滅《カタストロフ》』と何一つ変わりはしません!』
クロムキャバリアの人々が常に怯えているだろう、あの破壊衛星の暴威。其を思い起こさせるが如き言に、上空を見上げた人々も少なからず。そして、彼らは見る。
「もう大丈夫ですぅ。私達が、あのキャバリアも、桜の樹も、何とか致しますのでぇ」
再び上空に上がったるこるの姿を――四年前のターヴィン事件以来、ビルシャスを揺るがす大事件の多くを解決してきた女性の姿を。ノインツェーンの威容と共に、其は人々の心に安堵を齎す。彼女が在るなら、きっと大丈夫、と。
『ええ、安心してください』
るこるの言を継ぎ、フレスベルクが続ける。己らの意志を、其処に示す為に。
『ビルシャス近衛兵団と、アダム・カドモン閣下と。そしてわたくし達が、貴方達を守り抜きます!』
そう言い切り通信を終えれば、小さく歓声じみた声が聞こえる。人々がフレスベルクの意志を受け、安堵と喜びを覚えたと示すが如き声。
『さあ、参りましょう。今の言葉、確と証明しなければ』
「ええ、それでは参りましょうねぇ」
語る間に、前方からはオブリビオンマシンの増援が現れ来る。其を迎え撃つ意志をフレスベルクは示し、るこるは是と応えると共に、その手に陶器の薬瓶めいた瓶を取り出して。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その狩人の様相をここに」
一気に呷ると共にユーベルコードが発動。その身は一瞬にして、キャバリア並の巨人姿へと変身を遂げた。
「――それでは、いきますよぉ!」
力強く声を発すれば、火を噴くは彼女同様に巨大化した祭器群。其は凄まじき衝撃力と共に爆裂し、向かい来る喚造機を文字通りに粉砕してゆく。
『凄まじい威力だな。では敵の制圧を開始するとしよう!』
『はい! 総員前進! 敵キャバリアを包囲粉砕するのよ!』
其を見届けるが早いか、アダムとセリスと彼女率いる近衛兵団が前進を開始。辛うじて生き残った機体を次々に破壊し、瞬く間に敵数を減らしてゆく。
『―――――♪』
更に続くフレスベルクは歌を歌う。歌うは|炎の破滅《カタストロフ》の否定、そしてその元凶泣き世界への祈り。此度は炎でなく花なれど、脅威を示すものならば共に退けられるべきもの。
直後、周囲の幻朧桜が枯れてゆく。カタストロフを齎さんとするものを全て否定するフレスベルクのユーベルコードだ。
残るキャバリアも、その装甲を剥がし落とされすっかり衰弱した風となっており、アダムや近衛兵団の攻撃で容易く破壊されてゆく。
苦し紛れの反撃を繰り出す喚造機だが、其は全てるこるの展開したバリアに防がれ。るこる自身を狙った攻撃も、彼女を傷つけるに至らない。其はキャバリアに類する絶対的性能を獲得するユーベルコードの賜物。今のるこるは、対キャバリアに限り絶対的な戦闘力を有しているのだ。
そして今一度展開された浮遊砲台や爆撃機構による一斉砲撃が、異形のキャバリアを粉々に吹き飛ばしていったのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・日明
【アドリブ連携歓迎】
【指定UC】発動、組織の鎮圧部隊と医療班を可能な限り手配
これより我ら組織は特務機関DIVIDE、及びビルシャス近衛兵団と連携。
市民の治療と鎮静、そしてオブリビオンマシンの殲滅を開始します!
僕は最前線を維持します。
『オルトロス』に騎乗し戦闘。
怨念による操作の為どこまで通用するかは不明ですが【ハッキング/ジャミング】で敵の行動と探知を阻害しつつ
【情報収集】で最適位置を割り出し【武器改造】で爆弾化した『アストラル・ビットVer.C』を仕込む。
威嚇で【砲撃】と同時に敵の攻撃を【弾道計算】
指定位置に入り込み、その上で奴らの弾が爆弾にぶつかるように誘導。
一網打尽にしてやりましょう。
夜刀神・鏡介
サクラミラージュの問題を他所に持ち出す形になるのは少々心苦しいが……そうも言ってられない状況なのも確か
せめてこの戦いに勝つ事で、彼らの行いに報いる事にしよう
まずは街のパニックを落ち着かせる所からだが……この状況下だ
言葉で落ち着かせるよりも、行動を見せた方が分かりやすい筈
神刀の封印を解除。ひとまず誰かのキャバリアの掌にでも乗せて貰って、敵に接近
十分に近付いたら俺を思い切り放り投げて貰い。念の為に牽制射撃でもしてもらおうか
尤も敵機が歩兵一人を警戒するとは思わないが
ともあれ空中で力を溜めて――準備ができたら更に空を蹴って一気に加速
澪式・絶技【無畏】の一撃で敵を叩き切る
安心しろ、勝ってみせるさ
ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○
私も猟兵である前にケルベロスだ。長官の下で剣を振るわせてもらおう
巨神キャリブルヌスに[騎乗]してUCを発動
味方の機体にビットを纏わせ戦闘力を高めつつ、[結界術]によって戦場全体を包み込むことでこの場は既に制したも同然であることをアピールし、民衆を落ち着かせるための足掛かりとする
あとは敵機を斬るだけだ
UCによる幾億の刃と自身が[念動力]で振るう複数の刀剣による[範囲攻撃]で、長官や味方機と連携した[集団戦術]で敵を駆逐していく
敵の発狂光線はそのただならぬ[気配を察知]し、[霊的防護]を備えた[破魔]の結界で遮断しよう
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
藍色の空に響く歌声号、発進なのでっす!
長官さん達が攻撃を防いでくれている内に、愛用の飛空艇に市民を回収なのでっす!
藍ちゃんくん達が来たからにはもう大丈夫なのでっす!
ステージでもある船から響く藍ちゃんくんの歌声は皆様の恐怖を癒やし、その原因であるマッシャーを攻撃するのでっす!
それにでっすねー。
癒やすのはマッシャーに塗り込まれた怨念や恐怖もなのでっすよー?
あなたがたの墓標はそこではないのでっす。
力にしている怨念や恐怖がマッシャーから解放されれば、弱体化待ったなしかと。
長官さん、兵団の皆様方、今なのでっす!
藍ちゃんくんも元凶であるマッシャーに追撃なのでっすよー!
ビルサラオン市街にて奮戦を続けるアダム・カドモンとビルシャス近衛兵団。彼らがオブリビオンマシンの一群を全滅させた直後、その周辺の風景に突然の変化が現れる。
『周辺空間に異変! 無数の剣と微細な金属粒子が市内広範囲に出現しています!』
『敵の新たな攻撃……? 総員、進軍を中断して周辺状況の注視を』
周囲に突如現れた、数十本はあろうかというキャバリアサイズの刀剣類と、白い煌めきを纏う金属物質。尋常ならざる事態を前に、近衛兵団長セリスは警戒を促すが。
『――いや、警戒の必要はない。この変化、猟兵達によるものだ』
己らにとっては無害なものである、とアダムは判ずる。その判断の正しきを示すかの如く、味方との識別信号を伴って、二機のキャバリアが歩み寄ってきた。
『ケルベロス、ハル・エーヴィヒカイト。長官の下で剣を振るわせて貰う為に馳せ参じた』
重厚なる意匠の機神『キャリブルヌス』からハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)の声。元々ケルベロスディバイドに於いてケルベロスとして活動する身なれば、属す組織の長のもとへ参ずるもおかしい話ではない。故にこその参戦である。
『我ら組織は特務機関DIVIDE及びビルシャス近衛兵団と連携、市民の治療と鎮静、ならびにオブリビオンマシンの殲滅を行います』
黒い騎士めいた意匠のキャバリア『オルトロス』からの終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)の言が続く。彼の属す組織の者達が、既に市民の救助及び治療活動に入っているという。
「せめてこの戦いに勝つことで、皆の奮戦に報いたいと思う」
オルトロスの掌の上、何処か恐縮げな様子で夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)が語る。本来|己の故郷《サクラミラージュ》の問題であるのが他世界へ持ち出されたことに、心苦しさを感じているようだ。
『藍ちゃんくんでっすよー!!』
元気の良い声は上空からの通信。|殲禍炎剣《ホーリーグレイル》の咎めを受けぬ程度の高度に浮かぶ|飛空艇《ガレオン》『藍色の空に響く歌声号』の紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)からのもの。
『市民の皆々様は此方に回収中でっす! 此方は大丈夫でっすよー!』
曰く、日明の組織の者達とも強力しビルサラオンの市民達を避難させているとのこと。ならば後方は彼らに任せても大丈夫だろうか。頷く長官。
『ところで、この剣は貴方達の?』
『ああ。私が展開したものだ』
セリスの疑問にハルが応える。戦場全域に剣の領域を展開し、幾億の微細な白刃を舞わすユーベルコード。己の領域を展開することで、以てその一帯を己の制圧下であるかの如く示す手段。事実、遠目にオブリビオンマシンが微白刃に斬り刻まれる様が見える。
『故に心配は無用。残る敵も、直ぐに斬り倒してみせよう』
周囲に在る市民らに聞こえるよう、声音にも力を籠めて語ってみせる。以て市民の不安を払拭し、落ち着きを促す為に。
「ああ。やはり敵を迅速に殲滅するのが、事態の収拾には一番分かりやすいだろう」
鏡介も頷くと共に、その手に神刀を抜く。溢れる神気が四肢に纏わり、その力を高めゆく。
『ええ。僕も援護します。行きましょう、カドモン長官』
『そうだな、では行くぞ!』
日明に水を向けられたアダムが頷くに、皆へ号令を発し。以て戦闘再開である。
「乗って頂けるのはこのくらいでっしょうかー?」
一方の藍。|飛空艇《ガレオン》の船内が随分と窮屈になってきたことに気付く。流石にこれ以上の積載は飛行に支障が出そうだ。
「ではでは、改めて藍ちゃんくんオンステーッジなのでっす!」
ならばと船首に立ち、これよりライヴを開始する旨を人々へと伝える。この|飛空艇《ガレオン》は、彼のための移動式ステージでもあるが故に。
「~~~♪」
そして歌いだすは穏やかで優しい曲調の歌。人々の心に安らかであれと祈り願う、心を込めた歌。船内にある者も地上に留まっている者も、その心安らぐを感じていようか。
だが、その歌が齎した影響は、そればかりに留まらない。地上を見れば、|飛空艇《ガレオン》へ向けて攻撃せんと砲門を向けるオブリビオンマシン、その動きが目に見えて悪くなっている。
(藍ちゃんくんの歌が癒すのは、市民の皆様だけではないのでっす)
己の狙い通りの展開に手応えを感じ、藍は頷く。その歌はかの喚造機に――正確には其へ塗り込まれた怨念や恐怖といった感情へ向けても贈られたものだ。
(あなたがたの墓標は、そこではないのでっす)
そのような場所では恨み辛みに苛まれるばかりだから、と。紡ぎ続ける歌声は手を差し伸べるが如く。
やがて徐々に動きを鈍らせてゆくオブリビオンマシン。そのまま、動きを止めて消滅へと至ってしまう個体も幾つか。藍の癒しの歌声は、怨念じみた存在に対しても効果を発揮するのだ。
未だ動く個体も、一部の魂を浄化されてしまっている以上、相応の弱体化はされているだろう。なれば其処を追撃してもらうだけだ。地上で戦う、アダム・カドモンと近衛兵団、そして猟兵達に。
『降りそそげ破邪の光塵、|白蓮雪華《びゃくれんせっか》』
ハルの詠唱と共に吹き荒れる微白刃の嵐が、喚造機の装甲を斬り刻みその内の機関にまで傷を負わす。そのまま致命部位を破壊されて消滅に至るものも少なからず。
『よし、今だ! 斬り倒すぞ!』
其処へ近衛兵団のキャバリアが斬りかかってゆく。反撃も侭ならぬまま、マッシャーは破壊され骸の海へと還っていった。
『――! させん!』
其を見届けたハルは、直後にただならぬ気配を察知。キャリブルヌスが手を掲げると、今し方突撃した近衛兵団の周囲に結界が展開。飛来した光線を防ぎ止める。
『やはり電子的なジャミングはあまり効果が無いようですね』
「仕方ないだろう。奴らは怨念で動いている機体のようだしな」
敵の攻撃の妨害が充分できていないことに、申し訳なさげな表情の日明。鏡介のフォローする通り、マッシャーは機体に塗り込まれた怨念で動くオブリビオンマシン。故に電子的手段でのジャミングは充分な効果を発揮できないのだ。
「それより好機だ、宜しく頼む」
『良いんですね? それなら――』
続く鏡介からの促しにも、少々戸惑い気味な声を漏らす日明ではあるが。他ならぬ彼自身が求めたことならばと、然程の間を置かず実行へと移す。
『――行きますよ!』
マッシャーを目掛け、鏡介を思い切り投擲。伴う衝撃を凌ぎながら、敵機目掛けて飛翔する鏡介、神刀を上段へと構える。
「我が太刀は悉くを打ち砕く――」
神刀に神気が纏われる。ある種の魔性をも伴うその神気は凝縮され圧縮され、その濃度を加速度的に高めてゆく。やがて目標たる敵を目前とすれば、空を蹴って更に加速して。
「――澪式・絶技【無畏】!」
肉薄すると同時に神刀を振り下ろせば、解放された神気が巨大な剣閃を形成し、マッシャーを貫いて。まるで巨大な太刀に断たれたかのように、かの喚造機を一刀のもとに両断してみせた。
爆発し崩壊するオブリビオンマシンを背に着地する鏡介。その周囲、別のマッシャー達がその異形の砲を構え、鏡介へと狙いをつける。技の反動ですぐには動けぬ彼を撃ち抜かんと、砲口より光線を放つが。
『失礼ながら、一網打尽にさせて貰いますよ』
日明の宣言と同時、攻撃を実行せんとしたマッシャー達の目前で爆発。光線が、日明によっていつの間にか設置されていた浮遊爆弾に命中し誘爆したのだ。そのまま他の爆弾にも次々誘爆、連鎖的に巻き起こった爆発の中に、喚造機群は沈んでいく。緻密な弾道計算と行動予測の為せる技だ。
そんな猟兵達の連携により、オブリビオンマシンは急速にその数を減らしてゆく。ビルサラオンの混乱もまた、徐々に収束しようとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミスト・ペルメオス
・SPD
彼がアダム・カドモン長官……。不思議だな、気分が高揚する。
──行くぞ、ブラックバード!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
鎧装騎兵として敵オブリビオンマシンの撃滅に当たる。
装備を介して念動力を活用。機体をフルコントロール。
殲禍災剣による制限を受けつつも戦場を飛び回って戦闘を行う。
とはいえ。ここは首都のただ中。
無闇に飛び回ることも火力を撒き散らすことも避けるべきだろう。
中途半端に目立つことを承知で、一定の高度を維持して飛び回りつつ……
念動力を最大限に活用。【シュラウド・ジャンプドライブ】を幾度となく行使し、その特性を利用した攻防を行う。
例えばゲートを介することで、十分離れた敵に距離と相対位置を飛び越えて射撃や近接攻撃を叩き込む。
例えば敵の砲撃を一方のゲートで受け止め、もう一方のゲートにより無関係な方向に逸らす。──あるいはゲートを敵の直下に展開することで“撃ち返す”。
これを上手く応用すれば友軍の射撃を敵に直接叩き込むことも、あるいは友軍に向けられた敵の砲撃を遮断することも出来るだろうか。
結城・有栖
まさか他の世界にまで侵略が及ぶとは…。
「トラウムもやる気満々みたいダヨー。
私達も急いで助けに行こうカ」
了解です、オオカミさん。
今回はトラウムに乗って出撃し、シュトルムで地上を低空で飛んで移動です。
まずはUCで蒼星の書用の栞型パーツを創造して装着です。
込める幻想は星に属性を付与する魔法、技能は【属性攻撃】に特化。
そして、蒼星の書から、雷を付与した流星の魔法を放って敵に【先制攻撃】です。
雷で感電させて電子機器を破壊し、動きを麻痺させます。
援軍に来ましたよ。敵の動きは抑えるので、お味方は追撃をお願いします。
敵の攻撃は【野生の勘で見切り】、ファントムの幻影で【残像】を生成し、囮に使って回避。
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※愛機搭乗
や、陛下にセリスさん、アタシも往診に来たよっ
カドもん長官(意図的表記)もサポート感謝♪
プラントがプランターとか洒落にならないしね
オペ48番【MD・ライジング】開始
長官やセリスさん達も含めた味方全員に向け
解呪破邪術式と対OM防御破砕術式の模造品を
後は『対怨念属性付与術式』も景気良く展開っ
コレは〈応用力/医術〉で心療ミームエージェントに成型
民衆にも広く配布して〈精神の余裕〉を♪
さあ外来種の駆除と伐採頑張ろうかっ
アタシは術式維持で動けないけど…
※呪縛
だから皇城を護る攻防一体の盾になるよ
巨大化【サルース・B】に自律飛翔で敵機を薙ぎ払わせ
【サトゥルヌス】でUC原資の抽出怨念ごと分解♪
猟兵達とアダム・カドモン、ビルシャス近衛兵団の奮起により、ビルサラオン市街のオブリビオンマシンはその半数以上が殲滅された。当該領域の掃討を猟兵達に任せ、アダムと近衛兵団は逆方面へ進攻するべく皇城へ一時帰還していた。補給と、新たに到着した猟兵達との合流のためだ。
「や、陛下にセリスさん。アタシも往診に来たよっ」
蒼き魔改造キャバリア『ナインス・ライン』の足元、その搭乗者たるリーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)が、近衛兵団長のセリスと、城門前へと降りてきた皇帝リルへと気さくな様子で挨拶する。以前ビルサラオンにて起きたオブリビオンマシン事件を解決して以来の関係ゆえ、その気安さを咎める者はいない。
「リーゼロッテ様も、救援感謝致します」
「ええ、実に心強い援軍です」
リルとセリス、双方の応えからも、二人が彼女の能力に強い信頼を向けていることが伺える。
「カドもん長官も、サポート感謝♪」
「ああ。猟兵諸君の力添えができているならば幸いだ」
アダムに対しても、己らの援護に回ってくれていることへの謝意を。対するアダム、若干違和感を覚えつつも頷く。具体的にはイントネーションへ。
(彼がアダム・カドモン長官……)
一方、ナインス・ラインの隣、二回りほど大きな人型機械――スペースシップワールド製機械鎧『ブラックバードIII』のコクピットでは、ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)がアダムの様子に興味を示している様子であった。
(……不思議だな、気分が高揚する)
その理由は理解及ばねど、心中に湧き上がる感覚。何処かで彼に会っただろうか。
(細かいことは後だ。まずは、為すべきことを)
そのようなことよりも優先すべき事項がある。思考を打ち切り、機体コクピットモニタへ視線を移す。
そんなミストの乗るブラックバードIIIの傍らには、魔女を思わせる意匠のサイキックキャバリアの姿。結城・有栖(狼の旅人・f34711)の乗機『トラウム』だ。
『ン、トラウムもやる気満々みたいだネ』
『そのようです。これなら充分に戦えるかと』
コクピットからは有栖と、彼女と一体化せしオウガ『オオカミさん』の会話が聞こえる。此方も理由は不明ながら、機体の好調を感じ取っているようであった。
『それにしても、まさか他の世界まで侵略の手が及ぶとは……』
『とんでもない敵だネ』
その一方で、クロムキャバリアにまで|超古代種族《エンシェント・レヰス》の侵略が及んでいる状況に驚きを隠せないようだ。
『ええ。一刻も早く打ち倒して、街の人達の安全を確保しませんと』
ミストは其れに同意を示しつつも、かの存在により呼び起こされたオブリビオンマシンの撃滅へ意識が向いている様子。
『そうだね、じゃあ早速――』
ナインス・ラインに乗り込んだリーゼロッテが応えて何やら詠唱を始めれば。ナインス・ラインから何やら魔術的な文様からなる非実体の帯が生じ。其が撫でるように絡みついた機体の四肢へ、同様の紋様を刻んでゆく。
『これは一体……?』
其を認め、不思議そうな声を発するアダム。リーゼロッテの応えて曰く。
『ソイツは解呪破邪術式と対オブリビオンマシン防御破砕術式を纏めて呪文化して貼り付けたモノさ』
応えるリーゼロッテ。即ち此度の敵たるオブリビオンマシンへの特攻効果、とということらしい。
更にナインス・ラインからは新たな反応を。その足元に、何体もの人型っぽいモノが現れる。何処か看護師にも似た者達。
『で、コイツは同じような術式を人型に成形した心療ミームエージェント。主に精神のケアがお仕事だよ』
これを市民達のもとへ送り込めば、彼らのメンタルケアに大きな効果が期待できる、とのこと。
『さて、プラントがプランターとか洒落にならないし、外来種の駆除と伐採頑張ろうかっ』
一通りの準備を終え、リーゼロッテが呼びかける――が、直後に彼女は申し訳なさそうな顔になる。
『――アタシは術式維持のために動けないんだけど』
どうやら、術式の維持に相応のリソースを割かねばならぬらしい。代わりに皇城は守るから頼む、との言に。
『了解です。これ以上の侵略はさせません』
『急いで皆を助けてあげないとネ』
『行きましょう、オオカミさん、ミストさん。それに近衛兵団の皆さんも』
是の応えを返す両者とオオカミさん。有栖が近衛兵団と話を向ければ。
『ああ、この力があれば思いきりやっちまうとも!』
『皆の背中は守ってやるよ!』
返ってくるのは気合い充分といった風な声。ならば後は。
『よし。それでは皆、行くぞ!』
アダム・カドモンの呼びかけと共に、近衛兵団と猟兵達のキャバリア群とが皇城を出て、プラント方面へと歩みだしていった。
ビルサラオン市街上空、|殲禍炎剣《ホーリーグレイル》の反応せぬ程度の高度。トラウムとブラックバードIIIは低空飛翔にて索敵を行う。
『敵オブリビオンマシン群を発見』
念動力を以て機体を操りつつ、ミストが有栖へと呼びかける。このまま仕掛けるか、と。
『此方も確認しました。このまま仕掛けてしまいましょう』
風のオーラを纏うトラウムから、有栖の肯定の返事が返る。と同時、傍らの二冊の魔導書型浮遊砲台から、流れ星めいた魔力弾が射出され。地上のオブリビオンマシン――喚造機の群れを撃ち抜いた。
同時に、ブラックバードもその手のエネルギーアサルトライフルを連射し始める。光線は目の前に展開したサイキック・エナジーのゲートへ呑み込まれ――直後、マッシャーの頭上から、エネルギー弾が猛烈な勢いで降り注ぎ。機体を鋭く抉ってゆく。サイキック・エナジーのゲートを介して、空間跳躍射撃を叩き込んだのだ。
完全な不意打ちを受け、数機が何もできぬまま破壊されてゆく喚造機群だが。残った機体は至って整然と反撃を開始。機体上部の白塗りの仮面めいた孔から、禍々しき光線を立て続けに斉射。それらがトラウムとブラックバードへと襲い掛かる。
『残念ですが、其方は残像ですよ』
だが其へ対抗するかのようにトラウムは瞬時に分身――したかのように無数の残像を形成。迫る呪殺光線は悉く分身に引き寄せられ、何の効果も齎せず 消えてゆく。
ブラックバードは、先程攻撃に使用したエナジー・ゲートを迫る光線目掛け展開。吸い込まれていった呪殺光線は、マッシャーの足元から噴出するかのように撃ち上げられ、その機体を貫き、撃ち崩してゆく。
『此方アダム・カドモン。敵戦力を確認した』
『一気にやらせて貰いましょうか!』
其処へアダムと、セリス率いる近衛兵団が後着。猟兵達が先制攻撃を浴びせた相手へ、一斉攻撃を開始する。既に半壊状態にまで追い込まれていた喚造機群は、為す術なく破壊されていった。
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斯くの如き猟兵達の活躍もあり、 ビルシャス帝国首都ビルサラオンにて巻き起こった幻朧桜大繁殖とオブリビオンマシン大発生事件は、その規模の割に大きな被害を出すことなく収束した。
オブリビオンマシンの全滅から程なくして、幻朧桜も全てが消失。恐らく、此度の事件の元凶たるイザナミが打ち倒されたが故であろう。
なれど猟兵達の戦はまだ続く。果たして、彼らを次に待ち受ける敵は一体何者であるだろうか。
大成功
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