帝都櫻大戰⑲〜廉貞百鬼夜行
――平安結界の外側に広がる「死の大地」に大量の幻朧桜が咲き乱れると同時、その存在は降り立った。
「私はサンサーラ。かつては神王とも呼ばれていた。私はオブリビオンも摂理のひとつと考え、殺す事ができなかった。私は彼等が命と出逢わなければよかろうと考え、ひたすらに広大無辺の仏国土サンサーラディーヴァを広げていった……だがそれは誤りだった――時は無限に過去を生み続け、遂には私の力も翳りを迎えたのだ」
つまりは、オブリビオン化……エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』は嘆息しながらユーベルコードを展開する。
「そして今、私はもっと大きな誤りを犯そうとしている――オブリビオンと化した今、私のユーベルコードは『骸の海を無限に広げる能力』と化した。命が尽きるまで、時が絶える事はない。私は、無限の力を手にしてしまったのだ」
全ては終わる、と言わんばかりに……諦観に濡れながら。
――しかし、六番目の猟兵達は紡いだのだ。
「!……妖の群れが、あの男に頭を垂れてゆく……汝、何者であるか?」
「我が名は妖狐七星将『廉貞』。骸の海こそ我が配下たる将等の天敵成れば、万全なる備え無く徒に動く事許されぬ。然れど、此地に或るは我唯一人なれば障り無し。滅びの地を喰尽す数多の妖物どもよ、我が意の前に平伏せよ。此処に集いて、その牙と矜持を示し、万象を骸とする災厄の防人となれ」
「成程。普段の世界では、配下がオブリビオン化される事を恐れて交戦をなるべく避けていたが、汝ひとりならその恐れも無い……故に、妖達をその武威で平伏させ、私を共通の敵に仕立てたのであるな――確かに、その考えは間違いでは無い。私が勝利したならば、この世界は人間・妖の区別なく、骸の海に沈むからだ」
ここに、妖狐七星将『廉貞』は現れる。
全てを覆す戦いを、六番目の猟兵達と共に――
「無粋は言いません……『廉貞』と共闘し、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』をアヤカシエンパイアから退去させて下さい」
静謐に、桐藤・紫詠(黄泉詩の皇族・f42817)は六番目の猟兵達に依頼の内容を告げる。
恐るべき敵『幻朧帝イティハーサ』は配下にしたエンシェント・レヰスを十二の世界に嗾け、同時多発攻撃を仕掛けようとした。
しかし、六番目の猟兵の協力者達が暗殺を生き抜いた東方親分『山本五郎左衛門』の号令によってそれぞれの適正に応じて駆け付けて援軍に現れたのだ。
「今回は妖狐七星将『廉貞』と共に――アヤカシエンパイアで『神王サンサーラ』と戦って貰います」
彼女は極めて強大なオブリビオンだが、そのあまりの強大さが枷であり突破口となる――サンサーラは「完全に無傷の状態」でない限りこの世界への顕現を維持することができないのだ。
「広がり続ける骸の海を乗り越え、何とかして彼に一撃でも与えられれば、神王サンサーラは一旦撤退します」
しかしそれでも、サンサーラを取り巻く無限の「骸の海」から大量のオブリビオンが具現化……圧倒的な数と質量で猟兵を戦場から押し流そうとするのだが――
「妖狐七星将『廉貞』が単身馳せ参じた事で、死の大地にうごめく多数の妖どもはたちまち完全に支配下に置いた『百鬼夜行』となり、サンサーラに抗う大軍勢を瞬く間に作り上げました」
その手腕を持ってすれば、サンサーラにキズを負わせる事も可能だろう……六番目の猟兵達よ、この『軌跡』を無駄にするな――
黒代朝希
奇跡は起こらないし、必要ない。
在るのは、軌跡である。
プレイングボーナス:廉貞に従う妖達の能力を戦闘に利用する/廉貞と協力して戦う。
が存在します。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『神王サンサーラ』
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POW : サンサーラディーヴァ
自身の【眼前】を【広大無辺の仏国土】化して攻撃し、ダメージと【神王サンサーラへの到達不能】の状態異常を与える。
SPD : サンサーラノヴァ
【かざした両掌の間】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【五感封じ】の状態異常を与える【神王光】を放つ。
WIZ : 強制転生光
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【サンサーラの光】を放つ。発動後は中止不能。
イラスト:ぽんち
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
山吹・夕凪
まさに仏神が如き存在
限りなく広がり、果てのない空の有り様ですね
が、それでもなお私は貴方を斬ってみせます
世界を、命を救う
それが貴方の本来の望みであるのでしょうから
私もまた妖刀を従えて操る、妖に縁ありしもの
ならばと、廉貞に従う妖達の力を、妖刀である黒刀『涙切』を触媒とし受け入れ、一時的に借りて限界突破
膨大なる妖気を、黒々とした涙のよう刀身に湛えます
死の大地の力、過去の残滓
されど、未来を斬り拓く黒刃として振るいます
五感を封じる神王光には抗わず
私がサンサーラを捉えるは心眼にて
気の流れ、気配から姿と動きを見切りUC
速度を奪い、私を加速させる夜闇の如き妖刃
いずれ心眼にて急所を見抜き、貴方に終わりを響かせる
「まさに仏神が如き存在……限りなく広がり、果てのない空の有り様ですね」
それでも、挑む――全ては無意味ではないから。
山吹・夕凪(雪色の吐息・f43325)は知っている――『さいわい』は、どのような場所にも芽吹くものだと信じているから。
「が、それでもなお私は貴方を斬ってみせます。世界を、命を救う――それが貴方の本来の望みであるのでしょうから」
「六番目の猟兵――出来るものなら」
瞬間、かざした両掌の間から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、五感封じの状態異常を与える神王光――『サンサーラノヴァ』が放射。
しかし夕凪もまた妖刀を従えて操る、妖に縁ありしもの――それ以上に。
「成程……ユーベルコード以上の心眼か……『サンサーラノヴァ』とは相性が良いだろう」
「死の大地の力、過去の残滓――されど、未来を斬り拓く黒刃として振るいます」
廉貞に従う妖達の力を妖刀である黒刀『涙切』を触媒とし受け入れ、一時的に借りて限界を突破。
膨大なる妖気を、黒々とした涙のよう刀身に湛えていく――
「私がサンサーラを捉えるは心眼……気の流れ、気配から姿と動きを把握する」
「その域の心眼、最早聴覚や視覚、触覚という概念が欠落しても無意味であろうな」
速度を奪い、夕凪を加速させる夜闇の如き妖刃――
「我が百鬼夜行と我が武威。其れを以て助太刀致す」
そこに廉貞が加勢――無限に広がっていく『骸の海』そのものを二人で切り拓きながら、生命体を代表する者共は『神王サンサーラ』に挑む。
大成功
🔵🔵🔵
フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携歓迎です。
世界が骸の海に沈むなんて…
妖の皆さんを守るため、わたしも全力で戦います!
「わたしの歌を…聴いて!」
シュッツエンゲルにモーントシャインを纏い、1m間隔で配置することで強制転生光に対抗。消滅したエンゲルの場所には次のエンゲルを移動させて幾層の防御結界を形成します。
「この曲が、みんなに届きますように…」
インストルメントを両手で構え、イーリスをマイクスタンドにセットし、【夜想曲嬰ハ長調】を奏でます。
廉貞さんに従う妖の皆さんや、参戦した猟兵たちの力が最大限に発揮できるように、わたしの歌と演奏で皆さんの戦闘力をアップさせますね。
「みんなの力をあわせて、絶対にこの世界を守りましょう!」
「世界が骸の海に沈むなんて……アヤカシエンパイアの皆さんを守るため、わたしも全力で戦います!」
義によって助太刀したのはフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)。
シュッツエンゲル――自在に宙を舞う数十枚のマルチドローンプレートにモーントシャイン……月明りのように見るものを優しく包み込むオーラを纏い、1m間隔で配置することで強制転生光に彼女は対抗していく。
「わたしの歌を……聴いて!」
消滅したエンゲルの場所には次のエンゲルを移動させる事で幾層の防御結界を形成。
キーボードとギターが一体化したオリジナルデバイス『インストルメント』を構え、フィーナはユーベルコード『|夜想曲嬰ハ長調《ノクターン・イン・シー・シャープ・メジャー》』を発動。
集団戦において、音楽系の六番目の猟兵が使う手段の王道……自身の音楽を聴いた者全員への強化を施す事だ。
「あ、廉貞さんに妖の皆さん! 何かあったら言って下さい!……あ、廉貞さんは分かりやすい言葉でお願いします」
「……素晴らしい夜想曲です。私と私が支配した妖どもの力とポテンシャルが底上げされているのを感じます」
噛み砕いた言葉でフィーナに感想を伝える廉貞。
武威を以て『神王サンサーラ』のユーベルコード『強制転生光』を遠距離から破壊しながら、フィーナを彼は護衛していく。
「……このままあのユーベルコードを近距離で撃墜する事の無いよう、私と妖どもの後ろで強化の演奏を続けて下さい」
「はい! 任せて下さい!――みんなの力をあわせて、絶対にこの世界を守りましょう!」
「……心の底から同意する」
と、素の口調でフィーナに笑みを見せながら、廉貞は迫り来る『強制転生光』を近づかれる前に爆散させるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
廉貞さんならこれ使っても大丈夫そうね。SANチェックは余裕でクリアしてくれるでしょう。
|憑装《降霊》|幼年期の夢に見た魅惑尽きせぬ領域《ヨグ=ソトース》。今の私は|時空間を超越する窮極的かつ永遠の“少女”《ヨグ=ソトース》。
始まりも終わりもなく、かつてあり、いまあり、将来あると人間が考えるものはすべて、同時に存在する、即ち私はどこにでも遍在する。そう例えば神王様の耳元とかね。ふふ、中止不能な消滅攻撃もここまで来てしまえば自滅攻撃よね。
ああ、私は遍在するからこの肉体が消滅しても、別の肉体で復活するから問題ないわよ?
「廉貞さんならこれ使っても大丈夫そうね。SANチェックは余裕でクリアしてくれるでしょう」
「その気配、全にして一つのもの、門にして鍵、戸口に潜む者、原初の言葉の外的表れ――」
「そう、つまり――」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)が召喚したのはそう形容される時空間を司る究極存在――降霊し憑装するは、|幼年期の夢に見た魅惑尽きせぬ領域《ヨグ=ソトース》。
ユーベルコード『|混沌の触媒《ケイオスマジック》』により、今のアリスはかの神性に匹敵する魔性へと変貌している。
「始まりも終わりもなく、かつてあり、いまあり、将来あると人間が考えるものはすべて、同時に存在する、即ち私はどこにでも遍在する――そう例えば神王様の耳元とかね」
「成程、理解した……ならば、未だに理解の外にあろうとも、その理解から無限に広げていく事も可能であろう」
その言葉と同時、サンサーラは骸の海を広げてアリスを引き剥がす。
しかし骸の海に飲み込まれたアリスは平気そうに廉貞の隣にいつの間にかいる。
廉貞自身も、少し動揺した程度の様だ。
「ああ、私は遍在するからこの肉体が消滅しても、別の肉体で復活するから問題ないわよ?」
「時空間を超越する窮極的そのものと化した以上、個の連続性の断絶は個の存続の断絶とはなり得ぬという事か」
そして理解も早いようで、すぐさまアリスの特性を把握した彼は的確な『百鬼夜行』の運用を開始。
「さて、再び肉薄できれば――中止不能な消滅攻撃も、自滅攻撃よね」
「……もしやしたら、もしやするかもしれぬのか――?」
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【心情】
ゆっくり花見が出来るかと思ったが、そんなことはなさそうだな
『廉貞』なら『かつての戦い』の頃から付き合いのある戦友だ
今回も頼みにさせてもらうぜ
【戦闘】
こいつは「神々しい」って表現だけじゃ足りてねえ
神王って名前の通りだぜ
普通なら目の前に立っただけで、戦いにもならねえだろうな
「神王様、悪いがあんた相手に時間稼ぎする気はねえ。ぶった倒させてもらうぜ!」
「行くぜ、『廉貞』! イグニッション!」
あえて五感を封じることで「第六感」「心眼」を高める
「リミッター解除」「天候操作」でUCを使用し、廉貞に従う妖達の回復を行いつつ、神王に攻撃
目が見えなかろうと、何を倒せばいいかははっきりとわかるんだよ、俺は
「ゆっくり花見が出来るかと思ったが、そんなことはなさそうだな……『廉貞』なら『かつての戦い』の頃から付き合いのある戦友だ。今回も頼みにさせてもらうぜ」
「――征こう」
短くも信頼の籠った廉貞の言葉に対し、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は深く頷いて共に『神王サンサーラ』と対決。
「こいつは「神々しい」って表現だけじゃ足りてねえ……神王って名前の通りだぜ」
かつて対峙したどの存在よりも……神聖さで言えば『神王サンサーラ』は遥かに凌駕し得る。
だが、それでも二人の男の笑みを掻き消すには至らない――いや、寧ろ闘争心は余計に燃え上がるというものだ。
「普通なら目の前に立っただけで、戦いにもならねえだろうな」
「だからこそ、我が名を示すに値するというものよ」
「ああ――神王様、悪いがあんた相手に時間稼ぎする気はねえ。ぶった倒させてもらうぜ!」
「――やって見せよ!」
天地を開闢するが如き輝きと共に、サンサーラはユーベルコード『サンサーラノヴァ』を発動。
――五感封じの状態異常を与える神王光が灯されるが……
「行くぜ、『廉貞』! イグニッション!」
「――百鬼夜行!」
二人は止まらない……五感を封じられ様とも――いいや、そんな程度では彼らを止める事等出来はしない。
その光景に、流石の神王も驚いた様だ。
「これは……」
「これが生命の可能性、かつて『二つの三日月』を討った証」
「目が見えなかろうと、何を倒せばいいかははっきりとわかるんだよ、俺は……俺達は」
その驚いた隙を、二人は見逃さなかった。
――猛攻の末に……神王の頬に、かすり傷が出来る。
掌でそれを触れた後……
「……感謝する」
礼の言葉と同時、サンサーラはアヤカシエンパイアから撤退するのであった。
大成功
🔵🔵🔵