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帝都櫻大戰⑦〜堕ち堕ちて、夢見る琥珀は

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第一戦線 #プレイング〆

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 物静かな雰囲気を纏うバーの中で、カウンターの向こうから猟兵達へと声がかかる。

「皆、新しい事件を予知したわ。──そう、“戦争”関連よ。」

 いつに無く神妙な面持ちでそう告げるのは、グリモア猟兵である天黒・氷海(ロストヴァンプ・f42561)だ。

「えっとねぇ……戦争については皆んな知ってるでしょうし説明は省くとして……今回の依頼について、ね。」

 カウンターの奥に立って、説明を始める。
 ただ、口調はそう堅いものではない。わかりやすさ重視というやつだ。

「今回は、サクラミラージュの千代田区にある世界最大の幻朧桜、そしてその周辺都市──その帝城に現れた影朧が、周辺の一帯を破壊しようと暴れているようね。」

 有名な場所だ。そして、今回の戦争で最も注目を集める場所になるだろう。
 なんせ、その幻朧桜の下には──災厄が眠っているのだから。
 故に、そんな場所を守護するこの一帯を破壊されるということは、単なる都市破壊や人命以上の被害が伴う。

「それだけなら話は単純なのだけれど……単純に強いのよ、そいつは。」

 これを見て、と示された場所には魔道具で空中にディスプレイが映し出されており、氷海が予知で見た光景が再現されている。
 そこには──白く、禍々しく、大きな鎌を振り回す作り物の天使が映っていた。

「こいつ、『琥珀の天使』って言うらしいけど──幻朧桜から絶えず舞い散る“花弁”により力を供給されているようなのよね。」

 トン、とカウンターテーブルに手を置いて、改めて言葉を話す。
 |この《依頼の》形をとるなら、明確にしておかなければならないこと。

「この花弁をどうにかして一時的にでもくい止めた上で、琥珀の天使を討伐する。それが、今回の依頼よ。」

 氷海はぐるりと猟兵達を見渡して、一人一人の瞳を覗く。

「物理的に塞いでしまうだとか、風を起こして花弁を吹き飛ばすだとか……いろいろやりようはあるけれど、まあそこのやり方は問わないわ。好きなようにやってちょうだいな。」

 文字通り、やりようは集まった猟兵の数だけあるのだろう。
 だが、ここの幻朧桜は世界最大規模──そう簡単に遮断できるものでもない。
 月並みだが……力を合わせ、協力する必要があるだろう。

「琥珀の天使自体は、弱くはないけど特段強くもないかしらね。もちろん、花弁の影響を考えなければ、の話になるけれど。」

 問題になるのは、やはり花弁なのだろう。
 花弁を払う間も、琥珀の天使からの攻撃は続くだろうことは容易に想像できる。

「手に持つ特徴的な鎌と、歪な翼と、髪を媒介にした特殊な光。…ま、貴方達ならどうにかしてくれるでしょう。油断は禁物……この言葉も要らないわね。」

 |雪の結晶《グリモア》が舞い、淡い光が満ちる。
 もうすぐ、出発の時間だ。

「じゃあ、最後にこれだけ。──天使の彫刻の成り損ないなんて、派手にぶっ壊してきなさいな。」


カスミ
 カスミです! サクラミラージュの戦争がついに始まりましたね!
 今回もガンガンシナリオを出していきたいと思っているので、シナリオ参加のほどお願いしますね!
 確か、今回の目標が🔵10000個でしたっけ。戦線ルールも引き続き続投のようですし、がっつり楽しんでいきましょう!
 それでは、説明に映らせていただきますね。

 帝都櫻大戦、戦争シナリオとなっております。
 なので、一章完結の短いシナリオとなっております。ご了承ください。


 第一章:「琥珀の天使」を倒せ!
 「幻朧桜」の花弁によって強化された影朧「琥珀の天使」を討伐しましょう!
 この相手を突破するには、絶えず舞い散る幻朧桜の花弁をどうにかして一時的に払って、相手の強化状態を解除する必要があります。
 うまく花弁を除去することができれば、普通に戦える程にまで弱体化するので、囲んでボコボコにしてやりましょう!

 プレイングボーナス:舞い散る花弁を払う。
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第1章 ボス戦 『琥珀の天使』

POW   :    裁きの一閃
【大鎌】が命中した対象を切断する。
SPD   :    夢見る琥珀
【煌めく琥珀の髪】から、戦場全体に「敵味方を識別する【美しい幻を見せる輝き】」を放ち、ダメージと【戦意喪失】の状態異常を与える。
WIZ   :    堕天してでも
【翼が砕けた状態】に変身し、武器「【大鎌】」の威力増強と、【砕けた翼】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。

イラスト:sin

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠紅林・すぐりです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山吹・夕凪
永久に舞い散る桜
慈悲と癒やしを以て、あらゆる魂を輪廻転生と導く
そんな優しい夢に思えた、この幻朧桜もどちらが真実なのか

それは、この戦の果てに掴める真実なのでしょうね
だからこそ、今は斬り進むのみ

風を操る術にて舞わせるは疾風
凍結攻撃を乗せて逆さに渦巻かせ、幻朧桜を退けていきましょう
さながら氷の冬花が、桜花を払うようにと

琥珀の髪より放たれる幻の輝きには、私も破邪を乗せた霊的防護を纏って一時的にでも凌ぎ、失った戦意は限界突破にて心を研ぎ澄まして応じましょう

如何に失おうと刃を構える私が辿り着くは明鏡止水、凪いだる心境

心眼で捉えて急所を見抜いた一点へと放つはUC

黒刃で装甲を削り、トドメは仲間へと託しましょう


空桐・清導
POW
アドリブ連携歓迎

「花弁を吹き飛ばせば良いんだな。
このブレイザインに任せて貰おう!」
戦場へと転送された瞬間にUC発動
「火焔砲と光焔砲のエネルギーを収束。
超圧縮された焔は反転し、ブラックホールと化す。」
周囲の花弁を急速に集まり、空に舞う花弁を集束
近づく琥珀の天使の攻撃は爆発的な高熱によって
近づいてくるだけで焼却される
仮に攻撃が届いても[オーラ防御]と[気合い]で耐える

「そして、焔を一気に解放する!
超必殺!アトミック・フレア・フルバースト!!」
戦場を軽くのみ込む爆熱の衝撃波が全ての花弁、琥珀の天使を焼き尽くす
それでも残っている天使も拘束されているから、
一気に攻勢に出て撃破する!


虹月・天柳
まぁ、強化の手法としては上手い遣り方か。……つまりは其れだけ厄介という事でもあるが。


戦場に入ってすぐにUCを発動。「ケートゥ」の心象風景を映した「無数の刀剣が突き立った廃神社」へと戦場を交換する。此れならば花弁による強化も受けられまい。
後は「ウト」の操る糸での【捕縛】【拘束】を試み飛翔と行動を阻害しながら、「ヴィトニール」の仕込み銃器での【零距離射撃】と俺の使う【爆破】術式で砕くとしよう。


アレクサンドロ・ロッソ
【アドリブ歓迎】
「花弁から力を供給している、か」
舞い散る花弁の中、偽りの天使が佇んでいる
花弁は際限なく舞い落ち、尽きる様子はない
持久戦は難しいだろう
「ならば──微塵に吹き飛ばすまでだ」
不用意に街などを壊さぬ程度に調整して魔力を放出する
魔力に触れた花弁が次々に爆ぜていく
爆発はまたたく間に連鎖し、偽りの天使を包み込み、砕かんと迫る


柳・依月
幻朧桜の花弁による強化か。
かくも美しい桜だが、その力が無辜の人々を傷つけるのならば黙ってはおけないな。
UC【血染めの傘舞】の雨によって、厄介な花弁は落とさせて貰おう。
それにこの雨は俺の呪詛が変化したもの……琥珀の天使とやらも普段のようには動けないだろうさ。
しかしまあ油断は禁物、だな。
【自動防御】【通常攻撃無効】で警戒しつつ、仕込み番傘の刀でその身を【切断】させてもらおうか。



 舞い散る花弁、満開に咲き乱るる幻朧の桜。
 最大規模のその桜は──城奥に聳え、全てを包み込んでいた。

 そう、今までは。

 桜が抱える宝物は、災厄そのものだった。

 それは今宵──猟兵達に牙を剥く。


 ──永久に舞い散る桜。

 あぁ、この桜は。

 ──慈悲と癒やしを以て、あらゆる魂を輪廻転生へと導く

 美しく、そして見る者を圧倒させる威容を誇り。

 ──そんな優しい夢に思えた、この幻朧桜もどちらが真実なのか

 そして──今は恐怖でこの場を包む、妖桜として。


「それは、この戦の果てに掴める真実なのでしょうね。」

 静かに息を吐き出して、山吹・夕凪(雪色の吐息・f43325)はそう呟く。
 涼やかで儚げな和の女性の風貌だが──抱える意志は、心の中で強く灯る。

「──だからこそ、今は斬り進むのみ。」

「あぁ──にしても、幻朧桜による強化、か。」

 それに言葉を重ねるのは、柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)だ。
 さした番傘を傾げ、降り注ぐ桜吹雪とその奥の──琥珀の天使を見上げる。

「かくも美しい桜だが、その力が無辜の人々を傷つけるのならば黙ってはおけないな。」 

 瞳に映るは、美しき花弁。
 だが、その実態は影朧を支えるもの。

 その美しさを振り撒く相手は、猟兵達ではないのだ。

「まぁ、強化の手法としては上手い遣り方か。 ……つまりは其れだけ厄介ということでもあるが。」

 虹月・天柳(人形憑かせの悪魔遣い・f30238)もまた幻朧桜を見上げ、だがその瞳に灯るのは感情的な色ではなく──冷たさの混じる静かな光。
 舞い散る花弁を指で摘めば、それはなんの変哲もないもののように思えるが……此れが敵を強化するひとつ。此れを破壊することが、自らが勝利する絶対条件である、と。

「花弁から力を供給している、か。」

 アレクサンドロ・ロッソ(豊穣と天候を司る半神半人・f43417)の黒い瞳は、この花弁に異常など見受けられないと告げている
 魔力を含んでいる様子も、魔術がかけられている様子もない。が──自らの常識に当て嵌める方が危険だろうと。

 花弁は際限なく舞い落ち、尽きる様子は見受けられない。
 持久戦という一手は打てない。

「ならば──微塵に吹き飛ばすまでだ。」

 魔力を集中させ、解き放とうとして──その瞬間、視界の端を駆け抜ける真紅の光。

「花弁を吹き飛ばせば良いんだな。 このブレイザインに任せてもらおう!」

 グリモアで転送された瞬間から自身の力を解き放ち、空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は桜が吹雪くそれとは比べ物にならぬ程に疾く駆ける。
 その目的は敵により近づく為と、味方を巻き込まぬ為。

「火焔砲と光焔砲のエネルギーを収束。
超圧縮された焔は反転し、ブラックホールと化す。」

 説明口調はお約束というやつである。そんなことより。
 空桐の──否、ブレイザインの胸部にふたつの光が輝く。
 そしてそれは混ざり合い、漆黒の光を生み出した。


 荒れる風と、急速に引き寄せられる花弁。
 琥珀の天使も巻き込まれるが、ちょうど良いと言わんばかりにその大鎌を振り上げる。

 が、刹那その体を焔が包む。
 ブレイザインの周囲は花弁が自然発火するほどに、際限なく温度が上昇している。
 燃える花弁は琥珀の天使に届く前に灰となり、纏う重力は琥珀の天使を逃さない。 

 流石に引き寄せ焼却する範囲に限りはあるが──そんなことは関係ない。

 本命の攻撃は──!

「そして、焔を一気に解放する!
超必殺ゥ! アトミック・フレア・フルバーストォォッ!!!」

 超必殺の名に恥じぬ威力。それは衝撃波がこの戦場を軽く飲み込むほどに大きく、そして天使すらもダメージを負うほどに強力だった。

 周辺にある構造物にもかなりのダメージが渡っただろうが、それを差し引いてもこの威力と範囲は一番槍として不足ない攻撃だ。

「全く、派手にやってくれるな。」

 アレクサンドロはダメージを負った天使と、殆どが焼き払われた花弁を見上げ呟く。
 ここまで派手に色々壊れてしまっては、多少範囲を広げても問題ないというものだろう。

 降り注ぐ花弁は一掃したが──当然大元の幻朧桜からは未だに大量の花弁が舞い落ちている。
 琥珀の天使もまた、花弁のある方向へ移動しようと、硬い翼を羽ばたかせて飛翔する。

「逃がすと思うか、今はただの影朧だろう?」

 アレクサンドロが集中させていた魔力を解き放ち、思考性のある連鎖爆発で偽りの天使を追い、包み、打ち砕かんと──

「爆ぜろ。」

 ドン、と一際大きい爆発が琥珀の天使を包み込み、その身を大きく吹き飛ばす。
 その際僅かに割れた琥珀が、月光を浴びてキラリと輝いて。

「想像より硬いな……なら、あと何発耐えられるか見てやろう。」


 爆発と爆発から少し離れた一角で──天柳は一つの力を行使する。

「此処に現すは魔性の心奥。満ち足りぬ昔時の情景」

 周囲の風景が徐々に変わりゆく。
 剥がれ落ちるように、侵食するように。
 現れるのは──幾本もの刀剣が大地へ突き立った、廃れた神社の姿。

 此れは、この場所は。
 天柳と契約した悪魔、『ケートゥ』の心象風景。

「此れならば、花弁による強化も受けられまい。」

 ──『ウト』。

 どこからか現れた少年型の人形が、琥珀の天使に向かって無数の糸を放ち、捕える。
 力を込めれば切られるが、それは承知の上。一瞬でも時間を稼ぐことができたならば。

 ──『ヴィトニール』。そして、俺も出ようか。

 そしてまた別の人形、今度は青年型だ。
 四肢に仕込まれた銃器を乱射しながら、的確にダメージを蓄積させていく。

 人の形に悪魔を降ろす術。それは生半可な技術ではなく、そして生半可な悪魔でもない。

 そして同時に前へと躍り出た天柳の爆破術式が琥珀の天使を捕える。

 周囲に響くは爆発と銃撃。

 その轟音の中で、微かにパキンと琥珀の欠ける音がした。

「漸く見えた。影朧としての“核”──硬い琥珀の殻に包まれた『魂』が。」

「ならば、私が路を切り開きましょう。」

 呟いた天柳に応えるように、刀を携え夕凪が駆け出した。
 勿論夕凪の心眼にも、核の存在は視えている。

 琥珀の髪が輝きを放ち、その光そのものによって無差別に攻撃を加えようとするが、それは夕凪には届かない。

 桜花がなければこんなもの。
 冬花は桜花の訪れを許すことはなく、冷たき流れで包みこむ。

 それでも全くの無影響ということはなく、光は確かに夕凪の心を蝕んだが──なんの、この程度。

 「さいわい」へと目指す路半ば、この程度の障壁に手こずっていい筈が無い。
 目的を見失わぬ強き心、そしてその意思は自身の心をより研ぎ澄まし、さながら一振りの刀のように。

 辿り着くは明鏡止水。夕凪の心境は白波ひとつすら見当たらぬ凪。

 心眼で動きを捉え、一歩踏み出すごとに、一歩近づくごとに、心の湖面が透明な蒼玉色へと澄んでいく。

 「思いて願い、求める心を澄み渡る剣として。」

 宵の桜など、剣気が纏う黒き白夜で染め上げ、その本来の色を映し出して見せよう。

 パリン、と澄んだ音が響く。
 それは、琥珀の天使がその核を、最大の弱点を、曝け出した合図となる。

「──業火の舞踏は終焉を告げる。血染めの傘舞、紅蓮の章。」

 ぽつり、と、まるでひとつの物語を語るように。
 ぽつり、と、依月の持つ番傘に一滴の雨が垂れる。

 それは瞬く間に広がり包む紅い雨となり、琥珀の天使に降り注ぐ。

「痛いか、それとも意識を保てないか? まぁ、そこに関係はないんだ。」

 番傘を抜き、隠された刀身を構える。
 一歩、また一歩ともはや動くことすらままならない琥珀の天使へと迫り。

「……紅き雨に打たれた天使は……──。さて、これにて終章。」

 その言葉が響き渡らぬうちに。

 剣閃はただ煌めいて、紅き雨を散らす。

 天使の核は微塵へ斬られ、端から崩れ去っていった。
 廃神社の景色は消えてゆき、元々の桜舞う城下へと戻る。

 ただそこにはかつての芸術が、名も知れぬ天使の琥珀人形だけが残る──

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月04日


挿絵イラスト