廃病院への招待状:恐怖のバスツアー
●恐怖のバスツアー
真夏の暑さが厳しいある日、空は青く澄み渡り、蝉の声が絶え間なく響いていた。そんな中、元気な声が響き渡る。
「はーい、みなさんこっちですよぅ!」
かわいらしい女性が手を振りながらエスパーたちをバスへと案内していた。彼女の無邪気な笑顔に誘われ、彼らは期待に満ちた顔でバスに乗り込んでいく。
「海&温泉ツアー、楽しみだな」
そんな会話がバス内で交わされる中、バスは発車し、ゆっくりと山の中へと進んでいった。
「ん?海じゃないの?山を越えるのかな?」
乗客の一人が疑問の声を上げ、バス内は少しざわつき始めたその時だった。
「エンドレス・ノット!」
という声が響き渡った。
──と同時に、乗客たちは一瞬で細切れにされ、血の匂いがバス内に漂い、静寂が広がった。
「さぁ、もうすぐ到着しますよ~」
女性は無邪気な笑顔を浮かべながら、静まり返ったバス内でそう告げた。
彼女は竜種工作員の一人だったのだ。そして、彼女だけでなく、ツアー客の中にも幾人かの竜種工作員が紛れていた。
バスは徐々に近づいていく。
廃病院へと──。
●グリモアベースにて
「……それでね、その病院でバラバラになった遺体を洗浄して、ジグソーパズルのように組み直して遊ぶんだって……」
部屋の明かりは消えておりロウソクの火が不気味に揺らめく中、ニャーゴ・ヘブンリーレイン(黒猫の独り立ち・f02274)が低い声でそう語った。
ここはグリモアベース。グリモア猟兵が予知した内容を猟兵たちに伝えて事件解決を依頼する場なのだが、なぜか怪談大会っぽくなっていた。
「こわっ。殺人鬼が考える事って分かんないね」
ニャーゴはロウソクの火を消し、部屋の明かりをつけた。
怖いと言っているがニャーゴの表情は相変わらずのポーカーフェイスだった。
「夏だからってホラーな予知を見ちゃったよ。だからみんなにはこの事件を事前に防いでほしいんだ」
そしてニャーゴは集まった猟兵たちに説明する。
「まずは、被害に合うエスパーたちをバスに乗せないようにしないとね。それで添乗員や乗客の格好をしている『竜種工作員』たちを倒して欲しいんだ。これでこのツアー自体は無くなるけど、でも元凶を倒さないとまた同じことが起こるかもしれないから、みんなには殺人鬼『エンドレス・ノット』のアジトである廃病院へ向かって欲しい」
と、ここで猟兵から質問があがる。“そのバスに乗ればエンドレス・ノットと簡単に遭遇出来るのではないか?”と。
「うーん、確かにそうなんだけど、エンドレス・ノットは超高速で移動するから、密室での戦いは特に危険なんだ。近接範囲攻撃も得意みたいだし……それに、アジトである廃病院も放置しておけないんだ。『死体洗い』っていう文字通りバラバラになった死体を洗うアルバイトのオブリビオンたちもいるんだ。そういう都市伝説ってやつ聞いた事があるけど本当にいるんだね。こわっ。もちろん、これも倒して欲しい」
怖いと言っているがやはり相変わらずの表情をしている。ニャーゴは説明を続ける。
「で、最後にエンドレス・ノットを倒して欲しいんだ。バスの中よりは戦いやすいと思うんだけど、超高速移動や近接範囲攻撃には十分気を付けてね。それじゃあ、みんなよろしくね」
ニャーゴは猟兵たちを送り出すのであった。
御和真 るぅ
御和真 るぅ(みわま るぅ)です。
今回はサイキックハーツの世界でのお話。
バスツアーで起こる事件を未然に防いで欲しいです。
第1章:集団戦『竜種工作員』
バスツアーの添乗員や乗客の格好をしていますので倒してバスツアーを止めてください。
第2章:集団戦『死体洗い』
廃病院内での戦いです。
第3章:ボス戦『エンドレス・ノット』
【危険度★】超高速移動する密室殺人鬼です。廃病院での戦闘となりますが、外に誘導しても構いません。高速移動や範囲攻撃が得意なので広い場所で戦えるように誘導出来ると戦いやすいかなと思います。
それでは、よろしくお願いします!
第1章 集団戦
『竜種工作員』
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POW : 竜種解放
自身に【竜の翼を生やし】、【黒炎】をまとい、高速移動と【物理や特殊効果を焼却する黒炎】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 電脳魔術・ウロボロスレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【に現地改修された竜型ガジェット】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : 電脳魔術・リアリティハッキング
自身が【対象の肉体や精神にハッキングして】いる間、レベルm半径内の対象全てに【肉体や精神の情報改変】によるダメージか【健全な状態への上書き】による治癒を与え続ける。
イラスト:うみにゃ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
勝沼・澪
バスの中で大量殺人がしたいのか、人の死体でジグソーパズルを組みたいのか、目的がはっきりしないねぇ? まあ、とりあえずはツアーを頓挫させればいいか。
【DSKノーズ】であちら側の潜入犯を見破り、フォースセイバーなり液状化させた体なりでぶん殴る。翼をはためかせて暴れてる様を見たら普通のエスパーなら尻尾を巻いて逃げるだろう、逃げないなら……まあ、足手まといにならない程度に動いてもらえると助かる。
あと必ず1人は生け捕りにしてバスは壊さないでおこう。相手の本陣にいくには道案内と足が必要だからねぇ。
バスに乗るエスパーたちの楽しげな声が響く中、勝沼・澪(デモノイドヒューマンのダークヒーロー・f44220)は、少し離れた場所でその様子をじっと見つめていた。
「バスの中で大量殺人がしたいのか、人の死体でジグソーパズルを組みたいのか、目的がはっきりしないねぇ?」
グリモア猟兵も言っていたが、殺人鬼の意図は澪にも理解しがたい。
「まあ、とりあえずはツアーを頓挫させればいいか」
澪は思考を切り替えてユーベルコード『|DSKノーズ《デモノイド・サーチング・カルマ・ノーズ》』を発動させる。嗅覚により『悪』を嗅ぎ分けることが出来る彼女には、誰がエスパーで、どれが竜種工作員なのかすぐに分かった。
「業の臭いがするねぇ、他人の血を浴びに浴びた罪の臭いが」
彼女はその言葉と同時にフォースセイバーを構え、楽しそうに会話していた1人の女性に……斬りかかった!
「えへへ~。ツアー楽し……ぐぇっ!」
女性は一瞬で黙り込み、驚いた顔で澪を見つめる。
「これは楽しいバスツアーじゃないよ。早く逃げて」
澪はすぐに周囲のエスパーたちに避難を促す。澪の真剣な表情と言葉に、エスパーたちは焦りながらも、何とか避難を始めた。
「こいつ、猟兵!?」
殴られた女性の背中から竜の翼が生え、黒炎がその身に纏いだした。竜種工作員がその正体を現した瞬間、まだ避難していないエスパーたちも危機感を覚える。だが、先ほどの澪の華麗な一撃をみたエスパーの1人は落ち着いて避難を開始する。
「もしかして|灼熱者《スレイヤー》の人?ん、今は猟兵って言うんだっけ?でも助かった!あとは頼むよ!」
エスパーたちは澪に期待を寄せ、次々に避難を始めた。
「|灼熱者《スレイヤー》……」
その言葉が澪の胸に深く響き、彼女の決意が一層固まった。
「今度こそ、私もヒーローになるんだ……!」
澪は内なる闘志を燃やし、1体、また1体の竜種工作員たちをフォースセイバーで斬り付けていく。しかし、1体の竜種工作員は液状化した自身の身体で締め付けた。
「1人は生け捕りにしないとね。敵の本陣に行くのに道案内は必要だからねぇ」
「い、生け捕りぃ……!?」
澪の冷静なまなざしが、竜種工作員たちの絶望感をさらに際立たせた。
大成功
🔵🔵🔵
荒谷・つかさ(サポート)
前提として、必要であれば他の猟兵やNPCとも積極的に連携します。
シナリオの失敗に繋がるような行為や、例え成功のためでも公序良俗に反する行いはしません。
基本的に極まった「怪力」を武器に、体一つで行動します。
必要であれば武器も使いますが、基本は素手(拳)です。
戦闘狂かつ脳筋で、強敵との正面からの殴り合いを好みます。
非戦闘時も力仕事や力ずくでの問題解決を得意とします。人助けには協力的です。
涼しい顔で非常識的な筋力を行使し、それを当然で驚くことは無いというように振る舞うタイプです。
ユーベルコードの指定はありません。「成功」できるようであればどれを使用しても大丈夫です。不使用でのリプレイも歓迎です。
仰木・弥鶴(サポート)
日常などで一般人に接する場合は
穏やかな言動で情報収集や避難を呼びかけ
興味を惹かれることがあれば面白がって真剣に取り組みます
冒険や戦闘において
足場が悪い場所ではディバインデバイスの空中浮遊を
目印や破壊が目的ならカラーボールを使って対処できます
集団敵やボス敵に対する戦闘行為については
ハンドガンやピンマイク、ナイフなど状況にあった武器を使用して
設定されたユーべルコードが有効に使えるように全力を尽くします
「慌てなくていいからね。落ち着いて。大丈夫だよ」
穏やかな口調でエスパーたちを安心させながら避難誘導を促す仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)。その声に安心したエスパーたちは、次々と指定された避難ルートに従い始めた。
新たな猟兵の登場に危機感を覚えた竜種工作員は、己に宿る竜の力を解放する。背中から竜の翼が生え、全身を黒炎が包み込んだ。
荒谷・つかさ(|逸鬼闘閃《Irregular》・f02032)は、それに対抗すべくユーベルコード『|心魂剣《ソウルハート・キャリバー》』を発動する。
「私の身体を、おまえたちに貸してあげる……我らが心、我らが魂。刃金と成て、その怨念を断つ」
と呟きながら、彼女の全身が剣状のオーラで覆われる。霊たちと一体化したつかさは、その戦闘力を大幅に増強した。
竜種工作員は黒炎でつかさの剣状のオーラを焼却しようとするが、彼女の圧倒的な怪力に屈し、次々と倒れていく。黒炎にもひるむことなく、己の拳のみで勇敢に竜種工作員を攻撃し続けた。
「それじゃあ俺は後方から援護するよ」
つかさの背後から弥鶴がハンドガンを構え、竜種工作員たちを的確に撃ち始めた。しかし、その行動に気付いた敵の一体が弥鶴に向けて電脳魔術・リアリティハッキングを仕掛ける。この技は対象の肉体や精神にハッキングしダメージを与えるものだった。
「ん?何かな……?俺の精神に入り込もうとしている……?」
弥鶴は自身に異変が起きていることに気付く。
「仰木さん、大丈夫!?……アイツね!」
仲間の異変を察知したつかさが、瞬時に飛翔し、ハッキングを試みた敵をぶん殴った。霊たちと一体化した彼女のスピードは今やすさまじいものとなっていた。(なんと本気を出せば約1時間半で地球を一周できるとか……)
「ありがとう。……まったく、俺にハッキングしようだなんてね……おつかれさま」
つかさに感謝を伝え、弥鶴はユーベルコード『|Hikari router《ヒカリ・ルーター》』を発動させた。体内で飼い慣らしていた白燐蟲たちが解き放たれ、誘導の光をともし始める。
その光が示す先は———
「そろそろお家に帰る時間だよ」
穏やかに告げる弥鶴に、竜種工作員は動揺を隠せない。
「お、お家って……か、帰れるわけないでしょ!こんな、何も成果がない状態で帰れるわけが!アタシたちがあの人にバラバラにされちゃ……イタっ!?」
竜種工作員は白燐蟲の光が示す帰路を拒絶した。しかし、転移を拒否した瞬間、彼女の全身に鋭い痛みが走る。白燐蟲たちが彼女に纏わりつき、身体を蝕んでいく。
帰ればバラバラ、拒否すれば激痛が待っている。竜種工作員たちは、もはや成すすべもなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
御茶清水・文敬
アドリブ連携歓迎
俺は清水のバス運転手だが、バスツアーを利用して殺戮など断じて許せん。
よってお前達をこの玉露ビームで制裁する!
UC《これが俺達の必殺技だ!》で分身し、4人を玉露ビーム担当で残りの1人はもう一つのUC《これが俺達の専用通行帯アタックだ!》の運転担当にする。
ああ勿論その血濡れになる予定のバスではなく【文敬専用路線バス】に乗せて避難してもらうんだがな。
文敬A「行くぞ、私達4人で放つ超・玉露ビームだ!喰らえ!」
B「濃縮した熱々の緑茶は痛いぞ!」
C「炎もガジェットも手が出まい!」
D「避難はあちらの私が運転するバスに!」
E「こちらです!」
バス専用通行帯を出している、運転手で無ければ追えまい。
「俺は清水のバス運転手だが、バスツアーを利用して殺戮など断じて許せん!」
殺人ツアーバスの前に現れたのは御茶清水・文敬(清水の玉露マン・f43819)だった。多数の竜種工作員が残っているが、彼は決して物おじしない。
なぜなら——
「俺は1人じゃない!!」
文敬の叫びと共に煙幕が広がり、その中から次々と姿を現す4人の文敬。
「「「「「俺たちは、緑茶戦隊玉露マン!」」」」」
5人の文敬が一斉に叫び、空気を震わせる。その場にいる竜種工作員たちは、その迫力に一瞬ひるんだかと思いきや、全員がぽかーんとした顔で5人の文敬を見つめていた。
「……え? 何これ?」とでも言いたげな表情で、一瞬だけ戦いを忘れてしまったかのようだった。
そんな竜種工作員たちに目もくれず、2人の文敬が手際よくエスパーたちの避難誘導を行う。
「避難はあちらの私が運転するバスに!」
「こちらです!」
エスパーたちも何が起こったのか分からなかったが、言われるままに文敬が用意した“文敬専用路線バス”に乗り込む。運転担当文敬がバスを発車させた後、竜種工作員たちは我にかえった。
「で……電脳魔術・ウロボロスレギオン!」
竜種工作員は慌てて小型竜型ガジェットを召喚する。その数は1000体を超えていた。
「行くぞ、私たち4人で放つ超・玉露ビームだ!喰らえ!」
4人の文敬が一斉に放った緑色のビームが合わさり、強力なエネルギーが一筋の光線となって竜型ガジェットの群れに向かって一直線に突き進んだ。
「ガジェットたちも手が出まい!」
ビームは次々と竜型ガジェットを貫き、爆発を引き起こす。小型竜たちはその圧倒的な威力の前に、一撃で消滅していった。
「次はお前たちだな!」
文敬たちは間髪入れずに竜種工作員に超・玉露ビームを放つ。
「きゃあ!!あっつぅ!!いたっ!!」
「濃縮した熱々の緑茶は痛いぞ!」
超・玉露ビームは本当に熱々の玉露だったのだ……!
「すげぇ!あの人オレたちと同じエスパーなんだ!カッコいい!」
一方、文敬専用路線バス内。設置されたモニターでエスパーたちは4人の文敬たちが戦っている姿を見て興奮していた。
「お茶もおいしい!運転手さん、ありがとう!」
バスの中では運転担当文敬によるおいしい玉露も振る舞われていた。
「ツアーは無くなっちゃったけど、すごいヒーローに出会えたから良かったかな」
エスパーたちに忘れられない夏の思い出ができたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ルドルフ・ヴァルザック(サポート)
「フゥーハハハ!(こ、この場は笑ってごまかすしか……)」
◆口調
・一人称は我輩、二人称はキサマ
・傲岸不遜にして大言壮語
◆性質・特技
・楽天家で虚栄心が強く、旗色次第で敵前逃亡も辞さない臆病な性格
・報復が怖いので他人を貶める発言は決してしない
◆行動傾向
・己の威信を世に広めるべく、無根拠の自信を頼りに戦地を渡り歩く無責任騎士(混沌/悪)
・何をやらせてもダメなヘタレ冒険者だが、類まれな「幸運」に恵まれている。矢が自ら彼を避け、剣先が届く前に毀れ、災難は紆余曲折で免れる
・臆病な性質も見方次第では生存本能と言えなくも……ないよね?
・コミックリリーフ役にお困りならば、彼が引き受けます(但し公序良俗の範囲内で)
「フゥーハハハ!善良な市民を欺く愚かな悪党たちよ!覚悟するがいい!」
高らかに笑い声をあげながら登場したのは、ルドルフ・ヴァルザック(自称・竜を屠る者・f35115)だ。
だが、彼の内心は穏やかではなかった。敵が多かったり強かったりしたらどうしよう。もちろん、その時は逃げるつもりだった。
しかし、彼は戦場を見まわして安堵した。
(よ、良かった!敵の数が少ないぞ!先の猟兵たちが始末してくれたか!)
彼が来る前に他の猟兵たちによってエスパーの避難は完了し、敵もほぼ壊滅状態にされていた。
良いタイミングで到着できたのは類まれな“幸運”のおかげだろう。
しかし、ルドルフの高笑いを聞いた竜種工作員たちは一斉に黒炎を身に纏い、彼を睨みつけた。
「……お前たちさえ……お前たちさえ来なければッ!!」
炎が激しく燃え上がり、ルドルフに向けて黒炎が放たれた。
ドゴォオオン!
ルドルフは間一髪で黒炎を避けたが、黒炎が命中した木がメリメリと音を立てて倒れ、その迫力に驚いて身をすくめた。
「ひぃっ!」
思わず声がうわずった。
(こ、ここはやっぱり逃げるしかないか!?そう!これは逃走じゃない!戦略的撤退だ、うん!……うん?)
竜種工作員たちの様子が変だ。皆、息を切らしているのだ。
(もしかすると、あの炎の技は自身の体力を激しく消耗する系のヤツか!)
その推測が正しければ今が好機。ルドルフはその堂々たる態度を崩さず、力強く宣言した。
「フフ……フゥーハハハ!我こそは、ルドルフ・フォオオオン↑↑↑↑=ヴァールザック!!!」
自慢の鎗『ランツェ・デル・フライハイト』を構えたルドルフは、自身の名を高らかに叫びながら振り回した。(“フォン”の強調具合がすさまじい。だって高貴なる騎士だもの。ここは強調しておかねば。)
「な、なに?なんか大技でも使ってくるの……?」
竜種工作員たちは息を上げながらルドルフを見つめた。
「竜を屠る、自由のや——」
「……や?」
ゲホッ、ゲホッ!
戦場に響き渡ったのはルドルフの咳だった。
「ゲホッ!喉に……ゲホッ!唾……ゲホッ!……入っちゃ……ゲホッ、ゴホッ!!」
おっさんがむせている。その状況に竜種工作員たちはポカーンとしていた。
「い、今よ!」
竜種工作員たちが一斉に黒炎をルドルフ目がけて放った。
「ま、まずい!」
ルドルフは再び黒炎の攻撃を避けようとしたが、足を滑らせて転んでしまった。
その瞬間、鎗が手から離れ空中で回転しながら飛んでいった。
「我輩のランツェ・デル・フライハイトーー!!」
ルドルフは悲痛な叫びを上げた……が。
「え!?」
「え?」
グサッ!!
なんと、その鎗が1体の竜種工作員の胸を貫いた。ガクッと崩れ落ちる工作員を見た他の竜種工作員たちは、“こいつ、強い……!?”とザワつき、焦り始めた。
「な、なんか分からんが今がチャンス!」
ルドルフは戦闘用の麻雀牌をとにかく投げまくり、隙をついて鎗を回収し、竜種工作員たちを薙ぎ払っていった——
倒れた竜種工作員たちを前にルドルフは誇らしげに立ち、ランツェ・デル・フライハイトを掲げた。
「フゥーハハハ!これぞ、我が力……!」
そう言いながらも、内心では「ま、まぁ、なんとかなったな……」と胸を撫で下ろしていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『死体洗い』
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POW : デッキブラシ
【デッキブラシ】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD : ホルマリン液注入
自身が淹れた【毒々しい色の液体】を飲んだ対象を【ホルマリン】で包み、24時間の自動回復能力と【斬撃】耐性を与える。
WIZ : 死体運搬
対象の周りにレベル×1体の【知性のないアンデッド】を召喚する。[知性のないアンデッド]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
イラスト:竹口 輪吉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちは1体生け捕りにしておいた竜種工作員に道案内をさせ、殺人鬼のアジトである廃病院へとたどり着いた。
この病院には、バラバラになった死体を洗うアルバイトのオブリビオン、『死体洗い』と呼ばれる者たちが潜んでいると言われている。都市伝説に過ぎないと思われていたこの話が、まさか現実になっているとは誰もが信じられないだろうが、本当に実在していたのだった。
死体洗いたちは死体の到着を待っているが、今日は、いやもう二度と死体は届かない。
死体洗いなんて仕事は今日で廃業にしてやろう。
瑠璃・やどり(サポート)
『いっくよー!』
人狼の白虎拳士 × 降魔拳伝承者
普段の口調は「快活(私、~君、なの、よ、なんだね、なの?)」
考えるより行動するタイプ。
元気に戦場を駆け回り、ハンマー「双喜」を振り回して攻撃。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。アドリブ・連携歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ナーダ・セッツァー(サポート)
顔を隠し、喪服に身を包み、兄弟と半分に分けたロザリオを身につける。
兄弟と同じ装丁の仕込み杖を持ち、隠すのは槍。
オラトリオの翼は出さない。
髪に咲く花は山荷葉。
弱者を救済し、悪を裁く。
全ては亡き我が神のため。
憐れなるモノに神の御加護を。
その為ならばこの身が、手が紅く染まろうと悔いはない。
尊大な口調だが他人を下に見ている訳では無い。
他人には他人の価値がある。
だが我が神を侮辱するのは万死に値する。
神のみもとに逝くがいい。
戦闘は仕込み杖(槍)での肉弾戦、又は硝子のような山荷葉の花を風に舞わせて切り刻む。
回復?殺られる前に殺れば必要ないな。
おかしい。
今日運ばれるはずのバラバラ死体が来ない。死体洗いたちがそんなことを考えていると、病室の扉が開いた。
「やっほー!!」
この薄暗い廃病院には似つかわしくない明るい声。扉から覗かせているのは、ふさふさの大きな尻尾。ピョンと姿を現したのは、かわいらしい人狼の女の子、瑠璃・やどり(チャイナウルフガール・f03550)だった。
「死体を弄ぶとは、我が神への侮辱。万死に値する」
その後ろから静かに告げたのはナーダ・セッツァー(地に満たせ神の威光・f35750)。
彼女は顔を隠し、喪服に身を包んでいる。
死体洗いたちは予想外の事態に、デッキブラシを構え臨戦態勢に入った。やどりとナーダの周りに、数百体のアンデッドが召喚された。
「わぁ!いっぱいだねぇ!それじゃあ……」
明るい声でアンデッドを見まわし、打出の小槌風の大きなハンマー『双喜』を大きく振りかぶった。
「な!か!よ!く!しよーねーっ!」
彼女は力強く振り下ろしたハンマーを次々にアンデッドたちに叩きつけた。すると、二人の周りを囲んでいたアンデッドたちは道を開けるように退き始めた。
ユーベルコード『脳!天!直!撃!』は、打撃が命中した対象を数分間、やどりに対して友好的な態度をとるのだ。
開いた道から、ナーダがすかさず死体洗いたちへと間合いを詰め、仕込み杖『裁きの雷』から鋭い槍を繰り出した。
「神のみもとに逝くがいい」
その一言と共に、ナーダの槍が死体洗いの胸元に深々と突き刺さった。死体洗いは痛みによろめきつつも、すぐに体勢を立て直そうとする。しかし、その動きを見逃さなかったナーダは、冷酷なまでに正確に槍を引き抜き、再度死体洗いの胸に突き刺した。
死体洗いの身体から力が抜け、手に握っていたデッキブラシが音を立てて床に落ちた。そして、その場に崩れ落ち動かなくなった。
「私もいっくよー!」
アンデッドたちを倒したやどりが、元気に病室内を駆け回る。一体の死体洗いが倒れたことによって、他の死体洗いたちも攻撃態勢に入ったが、やどりはそれを気にすることもなく双喜を振り回し続けた。
ナーダも今度は、自身の髪に咲く硝子のような山荷葉の花を風に乗せ、死体洗いたちを次々と切り裂いていく。
「さぁ、まだまだ終わらないよ!」
「神の裁きは、これからだ……」
やどりの明るい声が病室に響き、ナーダの静かな声が冷たくそう告げた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
御茶清水・文敬
アドリブ連携歓迎。
よし、廃病院に着いたな。お前達は別の仕事を探しに骸の海に還ると良い。
UC《これが俺達の玉露の波動だ!》で沸いてきた奴ら諸共、聖なる清水の緑茶パワーで還らせてやろう。
近寄らない、あるいは極端に近い敵が残っていた場合は【バス運転手の手袋】から熱々な玉露の【属性攻撃】を放って対処する。破ッ!(ドピュン!)
……お前はただのバス運転手だって?
否!その正体は悪を滅し正義を救い茶柱を立てる分身ご当地ヒーロー、緑茶戦隊玉露マンだ!!
覚えておくがいい。清水の緑茶が美味いという事もな。
(と言って【玉露入りのお茶】を猛アピールして背を向けるのだった)
「よし、廃病院に着いたな」
病室に現れたのは清水のバス運転手、御茶清水・文敬(清水の玉露マン・f43819)だった。彼は周囲を見渡し、静かに言葉を放つ。
「お前たちは別の仕事を探しに骸の海に還ると良い。まぁ、バスを殺戮の道具に使う奴らの仲間が真っ当な職に就けるとは思えないがな」
その言葉に死体洗いたちは警戒を強め、そして反論した。
「では誰が死体を洗うというんだ?しかもバラバラになった死体をだ。俺たちはそんな汚れ仕事を引き受けているんだ。お前にはできないだろう?」
まさかこの場で死体洗いが自分たちの仕事に誇りを感じているとは思わなかった。
「バラバラにしているのはお前らだろう!お客様の命を常に預かるバス運転手の俺が許さん!」
文敬が言い返すと死体洗いは彼を鼻で笑った。
「それにやはりこの仕事は割りが良い。バス運転手はどうだ?勤務時間は長いわ、休日は少ないわ、給料は?」
「……お前、骸の海でブラックなバス会社にでも勤めていたのか?」
思わずツッコミを入れてしまう。
「ま、ただのバス運転手にこの仕事の良さは分からんだろうな」
その言葉に文敬の眉がピクリと動いた。
「……ただのバス運転手だって?否!」
文敬は着用している運転用の手袋から緑の波動を放つ。
「その正体は悪を滅し正義を救い茶柱を立てる分身ご当地ヒーロー、緑茶戦隊玉露マンだ!!」
波動がドピュン!という音をたて、死体洗いに命中した。
「あつっ!」
説明しよう。玉露マンは気を込めることによって熱々の玉露を放てるのだ。すごい。
「ヒーロー!?こ、こいつも猟兵ってやつか!」
本当にただのバス運転手だと思っていたのだろうか。死体洗いたちは慌ててデッキブラシを握りしめ、アンデッドたちを召喚する。
アンデッドに囲まれた文敬は、しかし落ち着いた様子で応じる。
「沸いてきた奴ら諸共、聖なる清水の緑茶パワーで還らせてやろう。受けるがいい、玉露の裁きを!破ッ!」
文敬の周囲に|玉露の波動《ギョクロ・ウェーブ》が広がり、アンデッドたちは波動に呑まれて跡形もなく消えていく。波動の範囲内にいる死体洗いも避ける間もなくダメージを受けた。
「ぎゃあ、あつい!なんであいつは平気なんだよ!?」
文敬は一息つき、周囲に広がる玉露の香りを深く吸い込んだ。
この波動は敵にはダメージを与えるが、文敬にとっては癒しである。
「玉露の良さは、まずその香りだ。湯気と共に広がる豊かな香りは心を落ち着かせ、集中力を高め……(中略)覚えておくがいい!清水の緑茶が美味いという事をな」
玉露の香りが広がる中、熱く語りだす文敬。死体洗いたちはその熱々の玉露にやられて倒れていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です
かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかけるような行為はしません
不明な点はお任せします
勝沼・澪
はい、案内ご苦労。本来なら君もダークネスの一体として処さねばならないところだが……ここまで案内してもらった礼として今は見逃してやろう。また事件を起こしたら、もしくは背を向けた私達に襲い掛かろうとするなら……その時は一切容赦しないがね?
さてジグソーパズルの仕上げをする業者に業務停止命令を執行するとしよう。
相手が振り回すデッキブラシを【DSEリキッド】で液状化した体でわざと受け止めて分解。逆に持ち手を伝ってこちらの攻撃の導線にしてしまおう。
おやおや、発狂して自ら殴りかかってきてもただの自殺行為にしかならぬよ? この体は有機物無機物関係ないからねぇ?
●
猟兵たちが死体洗いと激闘を繰り広げる中、廃病院の外では、あるやり取りが行われていた。
「澪さん、あなたが竜種工作員を生け捕りにしてくれたおかげでスムーズに廃病院まで来ることができました。ありがとうございます」
鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は、勝沼・澪(デモノイドヒューマンのダークヒーロー・f44220)に感謝の意を示した。
「ん、当然のことをしたまでだよ」
澪は軽く返事をしながら、竜種工作員に視線を向ける。一体を生け捕りにし廃病院までの道案内をさせるという提案は彼女のものであった。
「はい、案内ご苦労。本来なら君もダークネスの一体として処さねばならないところだが……」
竜種工作員は澪の言葉にビクビクと怯えていた。
「ここまで案内してもらった礼として今は見逃してやろう。また事件を起こしたり、私たちに背を向けて襲い掛かるようなことがあれば、その時は一切容赦しないがね?」
「ひ、ひゃい!もうこんなことしません!これからは真っ当なバスガイドとして生きていきます!本当にごめんなさい!ありがとうございます!ありがとうございます!!」
竜種工作員はペコペコと頭を下げ、一目散に逃げ出した。その姿を見て影華は呆気に取られた。
「……彼女、本当にバスガイドとして生きるつもりなんですね」
「気に入ったのかもね」
と澪は肩をすくめて言う。
「さて、ジグソーパズルの仕上げをする業者に業務停止命令を執行しようか」
二人は死体洗いが待つ病室へと進んだ。
●
病室に到着すると影華は即座にイグニッションカードを掲げた。
「――|起動《イグニッション》!」
その一声と共に装備が展開され、影華のユーベルコード『呪いの魔眼(女皇降臨)』が発動する。
「彼の力を以て世界に命ず――私に従え。その手を止めろ。アンデッドを召喚することを禁ずる」
病室内は彼女が操る黒燐蟲の魔力で満たされ、影華の視界に映るすべてが彼女に従わざるを得ない法則に支配される。
死体洗いはアンデッドを召喚しようとするが、その手が止まった。
「身体が言うことをきかない!?なぜアンデッドを召喚できないんだ!?」
「な、なんだ、この黒い空間は!?む、蟲の集合か!?ひ、ひぇえ、キm……」
死体洗いの一人が恐怖に怯えた瞬間、影華は冷ややかな視線を送る。
「……言ってはいけないことを言ったね」
彼女の手には、魔剣『黒の葬華』が握られていた。
「処すよ?」
その一言と共に、死体洗いは影華に斬り捨てられた。
●
「邪魔者が次から次へと……!」
死体洗いがデッキブラシを手に澪へと突撃する。ブラシが澪に命中し、手ごたえを感じるかと思ったその瞬間、何かがおかしいと感じる。
ブラシが澪の身体から離れず、徐々に溶けていくのだ。
「おやおや、発狂して自ら殴りかかってくるとは愚かな……」
澪はユーベルコード『|DSE《デモノイド・ストーキング・エネミー》リキッド』を発動させ、液状化した身体で“わざと”攻撃を受け止めていた。
この液体は強酸性のものである。強酸性の液体はデッキブラシを溶かし、持ち手から死体洗いの身体へと浸食していく。
「ぎぇえええ!!」
死体洗いの身体は強酸性の液体により、徐々に溶解されていく。
「フフ……この身体は、有機物も無機物も問わず、すべてを取り込むのだよ」
澪の冷ややかな声が響く中、死体洗いは跡形もなく消え去った。
●
その光景を見た他の死体洗いたちが澪から逃げようとするが、既に手遅れだった。
「私はどこにだって現れるのだよ?」
澪は液状化した身体をさらに広げ、強酸性の液体が次々と死体洗いたちに襲いかかる。
「やめてくれ!ぎゃあああ!!」
影華も残っている死体洗いたちを次々と斬り倒しながら冷たく言い放つ。
「死者を散々弄んだ報いを受ける時が来たのよ」
澪と影華の二人の攻撃は止まることなく、ついに最後の死体洗いが倒れた。
「業務停止命令執行完了っと。さて、次はおかしな趣味の殺人鬼を片付けようか」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『エンドレス・ノット』
|
POW : エンドレスエッジ
自分の体を【装甲に仕込んだ刃を展開しながら回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【大量出血】の状態異常を与える。
SPD : 無限刃
【腕または足装甲に仕込んだカミソリ刃】を手または足で射出する。任意の箇所でレベル×1個に分裂でき、そこからレベルm半径内に降り注ぐ。
WIZ : 超高速密室殺人
【超高速殺人装甲】を纏いレベル×100km/hで疾走する。疾走中は攻撃力・回避力・受けるダメージが4倍になる。
イラスト:させぼのまり
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちは事件の元凶である殺人鬼を討つため、3階建ての廃病院の中を探索していた。
猟兵たちは最上階の奥にある院長室の扉を開けた。
部屋はこじんまりとしていた。机と古びた書棚が並び、壁にはいくつかの額縁が掛かっている。奥には小さな窓が一つだけ。
そして、“ソレ”は悠然と座っていた
「待っていたよ。キミたちだね。私の趣味の邪魔をするのは」
声の主は密室殺人鬼『エンドレス・ノット』。
「まぁ、バスガイドも死体洗いもまた雇えば良いさ。どうだい?キミたち腕が立つし、やってみないかい?……ハハッ、やはりダメかい。それじゃあ、代わりにパズルのピースになってもらわないとね。せっかくここまで会いに来てくれたんだしね」
この狭い院長室こそエンドレス・ノットにとっては絶好の戦場。彼の得意とする超高速移動や範囲攻撃は閉ざされた空間の中で最大の威力を発揮するだろう。
この空間で彼に挑むのか、あるいは……。
どうする、猟兵たち?
御茶清水・文敬
アドリブ連携歓迎
そんな趣味捨ててしまえば良い!!(断言)
閉ざされた空間には別の対処方法を用意した。
UC《これが俺達の必殺技だ!》を発動して5人に分身した状態で突入と同時に攻撃をするが、うち4人が攻撃を担当し、UC《見よ!これが文敬専用路線バスV2だ!》を使い、1人を病院の外に待機させてある。
【文敬専用路線バス】は現在UCの力で飛翔モードだ!4人の私達が玉露ビームを撃って視線を逸らしている内に窓から【限界突破】を100Lvにして砲撃開始!
砲撃が当たればもう貴様は動けまい。そこに玉露ビームをおかわりだ!
B「この勝負!」
C「我々が!」
D「勝たせてもらう!」
E(運転中)「骸の海で罪を詫びるがいい!!」
●
「そんな趣味、捨ててしまえば良い!」
あらかじめ、ユーベルコード『|これが俺達の必殺技だ!《ギョクロ・ビーム》』で分身しておいた御茶清水・文敬(清水の玉露マン・f43819)は、エンドレス・ノットを前に言い放った。
文敬は、バスツアーを阻止し死体洗いを倒してきた。すべてはエンドレス・ノットを打倒するために……!
「愚かだね……いや、密室で私と戦う覚悟を決めた点は評価しようか。だが、分身体ともどもバラバラにしてあげるよ。一気に“四人分”のピースが手に入るわけだ、悪くないね」
そう言い終えると同時に、エンドレス・ノットは身体に仕込んでいた無数のカミソリ刃を空中に放ち、四方八方へと飛び散らせた。鋭い刃が部屋中を埋め尽くし、文敬たちに襲いかかる。
「くっ……! みんな耐えろ!私たちはひとりじゃないんだ!」
文敬は分身たちに声をかけ、攻撃をかわしつつ反撃のタイミングを見計らった。
●
その頃、実はもう一人の文敬が病院の外に待機していた。
「待っていろ、みんな! 今、行くぞ!」
文敬は自身の路線バスに搭乗し、手元のコントロールパネルを操作していた。
「飛翔モード切替完了! バスカタパルト展開!文敬専用路線バスV2発進!」
巨大なバスが専用のカタパルトにセットされ、地面を滑走するように加速。ゴォォォッと音を立てながら、まるで飛行機のように大空へと舞い上がった。
説明しよう! 文敬専用路線バスはV2モードへと変形することで、飛翔形態となって空を飛ぶことができるのだ!すごいぞ、僕らの緑茶戦隊玉露マン!
その代わり、バス会社への申告が滅茶苦茶面倒くさいので事後処理を思うと頭が痛くなる。
だが、今はそれどころではないのだ!
「やるしかないだろ!これで終わらせる! 緑茶砲、チャージ開始!」
●
四人の文敬は降り注ぐカミソリ刃をかわしながら、エンドレス・ノットに向けて玉露ビームを放っていた。しかし、エンドレス・ノットはその超高速移動でたやすく攻撃をかわしている。
「おやおや、舐められたものだね」
エンドレス・ノットは余裕の笑みを浮かべながら、さらに加速していく。やはりこの密室では彼のスピードが圧倒的だ。
だが、文敬は部屋の奥の小さな窓を見つめ、口元にかすかな笑みを浮かべた。
バリィィィィィン!!
突然、窓ガラスが粉々に砕け散り、そこから巨大な光が飛び込んできた。
それは文敬専用路線バスV2から放たれた超特大の緑茶砲だ!
「な……!」
エンドレス・ノットは驚愕し、必死に回避しようと試みるが、部屋全体を覆う砲撃の前に逃げ場はない。不意打ちの一撃が彼を直撃し、動きを封じた。
「動けなくなった貴様など、もはや脅威ではない!」
文敬は高らかに宣言し、分身たちと一斉に玉露ビームを放つ。
「この勝負!」
「我々が!」
「勝たせてもらう!」
「骸の海で罪を詫びるがいい!」
緑茶戦隊玉露マンたちの声が室内に響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
アイナ・ラティエル(サポート)
『くよくよしててもしょうがないし元気に前向いてこ!』
☆アリス適合者のプリンセス×アリスナイト
☆普段「キラキラ星:ボク、~くん、~ちゃん、だね、だよ、~かい?」
☆機嫌が良い(テンションが高い)「煌めく一等星:自分の愛称、キミ、だね♪、だよ!、だよね☆、なのかな?」
☆心を強くて優しい凛としたお姫様と周りを見捨てずに挫けない騎士を常に目指してる。
☆UCは指定した物をどれでも使用。
☆怪我には気を付けてながらも積極的に行動。
☆他の猟兵に迷惑をかける行為せず、公序良俗に反する行動も無し。
あとはおまかせ。
★アドリブや連携は大歓迎
しばらく動けなかったエンドレス・ノットが徐々にその身体を起こし、再び動き出した。
(この部屋はエンドレス・ノットにとって絶好の戦場。このままじゃボクたちが不利だ。この部屋から出さないと!)
アイナ・ラティエル(星の国のアリス・f19388)は決意を固めると、ユーベルコード『|星空の夢幻迷宮《ラビリンス・オブ・ザ・スターリースカイ》』を発動させた。
「ボクは星の国のアリス——今ここに星瞬く世界を!」
その声と共に院長室の中に星空が広がり、無数の鏡がまるで壁のように立ち並んだ。部屋は一瞬で複雑な迷路へと姿を変えたのだ。この鏡の壁は高い硬度を持ち、通常の手段では破壊できない。
「さあ、不思議な不思議な無限迷宮だよ。出口はどこかな?」
アイナの声が部屋全体に響き渡りエンドレス・ノットへと告げる。エンドレス・ノットがアイナに辿り着くためには、この迷路を進んでいくしかない。
「部屋を迷路にして時間でも稼ぐつもりかい?無駄だよ!」
エンドレス・ノットは鼻で笑い、迷路の中を疾風のごとく駆け回り始めた。行き止まりにぶつかっても、すぐに反転して別の道を探し出す。その速度はすさまじく、迷路の複雑さなどエンドレス・ノットにとっては大した障害にはならないようだった。
「見つけたよ!」
ついに、エンドレス・ノットはアイナと目を合わせた。
「わ!もう来ちゃった!逃げなきゃ!」
アイナはエンドレス・ノットのあまりの速さに驚きながら逆方向へと走り出した。だが、エンドレス・ノットは余裕の笑みを浮かべたまま、すぐに追いかけてくる。
「無駄だって言っているだろう!……ん?」
その時、エンドレス・ノットは異変に気付いた。目の前の景色が変わっていたのだ。
アイナが迷路を利用して巧みにエンドレス・ノットを院長室の外、病院の3階フロアへと誘導していたのだ。
「やった!うまくおびき出せた!ここならさっきの部屋より戦いやすいよね!」
アイナは、ニコッと笑みを浮かべながら3階フロアを見渡す。院長室よりも広く、エンドレス・ノットの動きを捉えやすい場所だ。
「クソがッ!……おっと、取り乱してしまった。まあいいよ、ハンデと行こうじゃないか。別に密室じゃないと戦えないわけじゃない」
エンドレス・ノットは一瞬苛立ちを見せたものの、すぐに冷静さを取り戻した。
(もしかしてちょっと怒ってる……?実は短気なのかな?)
アイナはエンドレス・ノットの隠された本性を垣間見たように感じた。
成功
🔵🔵🔴
神崎・伽耶(サポート)
『あたしに名案があるわ!』(明るくニヤリ)
アドリブ連携OK。
普段の口調は姉御肌(あたし、キミ、だ、だね、だろう)。
テンションが上がると、~や!、?が増加します。
通常は、後先考えず反射的に行動します。
身体張ることを厭わないので、いつも少しだけ薄汚れています。
年下や人外(?)には少しだけ優しく、フォローしたり庇ったりします。
行動原理は好奇心、攻撃よりは防御が得意で、遊撃的なポジションを好みます。
機動力、観察力を生かし、バフやデバフを多用した、トリッキーな攻めを得意とします。
常識のある奇人変人ムーヴで描いていただけると大変喜びます。
いっそNPCだと思っていただいてもヨシ!
よろしくお願いします。
(エンドレス・ノットはプライドが高くて、熱くなると前が見えなくなるタイプね。よーし!名案が思い付いたわ!)
神崎・伽耶(トラブルシーカー・ギリギリス・f12535)は『エブリロードバイク』に跨がりながらニヤリと笑みを浮かべた。
「エンドレス・ノット!あたしのスピードについてこれる?」
伽耶は挑発的に指を突き付け、バイクのエンジンを轟かせた。
エンドレス・ノットはその挑発を無視しようとしたが、プライドがそれを許さない。
「バカにしているのかい?さすがに腹が立ってきたな」
エンドレストットは怒りを抑えきれず伽耶を追いかけ始めた。
屋内でバイクを走らせるのは決して簡単ではない。狭い廊下、家具や機器が並ぶ部屋……どこを走っても障害物だらけで高度なテクニックが要求される。
だが、そういう状況こそ伽耶は燃えるのだ。
「スリル満点!最高じゃない!ね!キミもそう思うでしょ、エンドレス・ノット!」
エンドレス・ノットを挑発するように彼女は振り返って叫んだ。
「逃げる事しか出来ないやつが……!!」
その言葉と同時に背後からカミソリの刃が次々と飛んでくる。エンドレス・ノットは走りながらも正確に攻撃を仕掛けてくる。
「ひぃ!」
伽耶は何とかそれを避けながら、3階フロアを猛スピードで駆け巡る。事務室、機械室、病室——機械類やベッド、点滴スタンドにぶつかりながらもチェイスは続いた。
「くそっ、ちょこまかと!」
(よしよし、もっと近づいてきなさい!)
エンドレス・ノットも速度を上げ、伽耶との距離は縮まりつつあった。
だが、伽耶には計画があった。
「いっくよーーー!!」
掛け声とともに、彼女は3階フロアの大きな窓に向かって一直線に突っ込んだ。
パリィィィン!!
窓ガラスが割れる音が響き渡り、伽耶と彼女のバイクはそのまま外へと飛び出し宙を舞う。
「ひゃっほう!たまらないわ、このスリル!」
一方、エンドレス・ノットはその状況に気づいた時にはすでに遅かった。
「……!」
彼もまた割れた窓から外へと飛び出してしまった。車と同じでエンドレス・ノットも急には止まれない。勢いを止めることができずそのまま空中へと投げ出される。
エンドレス・ノットは冷静に考えれば窓が見えた時点で止まるべきだった。だが、彼のプライドの高さと、熱くなると前が見えなくなる性格がそれを妨げた。伽耶の挑発にまんまと乗せられてしまったのだ。
伽耶はそのまま地上へと無傷で着地する。彼女のユーベルコード『|Dream Road《ドリーム・ロード》』が発動している限り、激突ダメージは彼女には通じない。
だが、エンドレス・ノットにその能力はない。
ドォンッ!!
地面に叩きつけられたエンドレス・ノットの身体が地響きを立て、静寂に包まれた病院の外にこだました。
成功
🔵🔵🔴
ガシーン・ドドキング(サポート)
(連携・アドリブ歓迎・NG無し)
どんな物にも合体出来るネオガッタイシステム(未完成)を持っている、それが俺様だ!目指すはあの日アニメで見たスーパーロボット!
戦闘時は前線に出て大体は愛機の近接型最新キャバリアスラッシュ・アインを使っているが、場合によっては近くの物や相手の機体にネオガッタイもするぞ!
他にもキングトップラン号のように便利なマシンも用意してある!
ただし未完成だから合体機構に関しては他のロボットヘッド達に劣るところがあることには気を付けてくれ!
「くそっ、くそっ……猟兵どもがぁ……!!」
エンドレス・ノットは地面に叩きつけられながらも執念で身体を起こした。いら立ちがその顔に浮かび、かつての冷静さはもはや消え失せている。
「俺が外で戦えないとでも思っているのか!?くそがっ!」
しかし、その怒りの叫びをかき消すように轟音が大地を揺らした。
「羽ばたけ!!俺様の不死鳥!!」
空から信じられない速さで突っ込んできたのは、ガレオンと合体した全長8メートルの巨大なガシーン・ドドキング(ネオガッタイヘッド!機械ならなんでも合体できるぜ!・f40528)だった。
「なんだ、あの巨大な機体は……あれも猟兵だと!?しかし、デカイ分、当てやすいはずだ……!」
エンドレス・ノットはすぐさま、身体に仕込んだ刃を展開し、回転しながらガシーンに向けて攻撃を仕掛ける。しかし、広々とした外ではその技の効果が発揮されない。確かに相手は巨大だが、そのスピードは驚異的だ。攻撃は空を切り、ただ風を巻き起こすだけだった。
「外じゃ、全然当たんねぇな!」
ガシーンは挑発的に笑いながらホムラ砲を放ち、エンドレス・ノットを追い詰める。
「くそっ……!」
エンドレス・ノットは拳を強く握りしめた。この広い空間では自分の攻撃が通じないことは明らかだ。さらに、他の猟兵がこの場に到着すれば、状況はさらに悪化するかもしれない。ここで戦い続けるのは賢明ではない。
「……仕方ない、今はプライドを捨てるべきか……!」
エンドレス・ノットは小さく呟くと、病院内へと疾走した。狭い場所なら自分が優位に立てるはずだ。かつての彼なら、この判断を屈辱と感じていたに違いない。しかし、今は違う。負けては意味が無いのだ。
ガシーンはそんなエンドレス・ノットを追いかけなかった。巨体だから病院に入れないわけではない。それでも、ガシーンは余裕の笑みを浮かべながら病院の方をじっと見つめている。
「よし、うまくいったな。“彼女”の言う通りだったぜ。あいつ、本当に病院に逃げ込みやがった!」
満足げに頷くガシーンは、病院の中へと消えていくエンドレス・ノットを見送りながら、軽く手を振った。
「さて、あとは任せたぜ!」
病院に向けてそう言い放ち、ガシーンは次なる一撃を放つ“彼女”にすべてを託した。
成功
🔵🔵🔴
勝沼・澪
傷つきに傷ついて、そろそろ流石に頭も冷めてきた頃だろう。きっと自分が優位に立てる閉所へ蜻蛉返りするはずだ。……だが狭いところなら私にも利がある。
【DSEリキッド】で全身を強酸性の液状にして、エンドレス・ノットが好みそうな場所の隙間に隠れる。そして自分から入ってきて、扉を閉めて、自ら退路を絶ってしまったところに襲いかかるとしよう。
どれだけ回転しようと仕込み刃が含まれていようと、液体はいくら切ってもくっつき直す。この体に大量出血などあってないようなもの。
心が折れるのと刃が全部溶けて丸腰になるのと、どっちの方が先に来るだろうねぇ?
エンドレス・ノットは、傷ついた身体を引きずるようにして病院の1階奥にある倉庫へと駆け込んだ。猟兵たちが自分を追ってくるのは時間の問題だろうが、まずはここで体力を回復しなければならない。屈辱ではあったが、扉に鍵をかけて少しでも時間を稼ぐ。
だが、ひと息ついたその時だった。
「傷つきに傷ついて、そろそろ流石に頭も冷めてきたかい?」
どこからか女性の声が響いた。
エンドレス・ノットは一瞬息を呑み、すぐに息を殺して身を潜める。だが、それは無意味だった。
「私はどこにだって現れるのだよ?」
声と共にロッカーから液体が滲み出してくるのが目に入った。
「な、なんだ、これは!?」
瞬間、エンドレス・ノットにその液体が襲い掛かる。
「ぐわっ!……ッ!」
それは強酸性の液体。仕込んでいた刃物が次々と溶けていくのがわかる。声にならない痛みが彼を襲った。
「狭いところなら、私にも利があるのだよ。まさか、キミだけが有利だと思っていたのかい?」
液体はゆっくりとヒトの形へと変化していった。それは、ユーベルコード『|DSE《デモノイド・ストーキング・エネミー》リキッド』を発動させ、強酸性の液体へと変異していた勝沼・澪(デモノイドヒューマンのダークヒーロー・f44220)だった。
彼女はエンドレス・ノットが“優位に立てる閉所へ蜻蛉返りするはずだ”ということを見抜き、彼が選びそうな狭い空間で潜伏していたのだ。
「……ああ、そうかい。なら、フェアな勝負をしようじゃないか。ここなら確実に当てられる!」
エンドレス・ノットは残された刃物を手に、身体を回転させて澪に襲い掛かる。
ブシャッ!
液体が散る音が響く。
「ハハッ!君もここからは逃げられないだろ、お互い様だね……!?」
エンドレス・ノットは、飛び散った液体が澪の血だと思った。しかし、それは違った。
「この身体は大量出血などあってないようなものなのだよ」
それは液体に変異した澪自身だった。いくら切っても液体はすぐに再び一つにまとまる。そして、澪に触れたエンドレス・ノットの刃物は次々と溶けていく。
「心が折れるのと、君の刃が全部溶けて丸腰になるのと、どっちの方が先に来るだろうねぇ?」
「や、やめろ……!」
「キミのくだらない趣味のせいで、多くのエスパーたちが命を落とすところだった」
「わ、わかった!もうやめ……」
「もう遅いよ」
強酸性の液体がエンドレス・ノットを包み込む。断末魔の叫びが倉庫に響き渡り、やがてその身体は無数の刃と共に、完全に溶けていった———
「終わったね。さ、あの工作員がちゃんとバスガイドをしているか確認しに行こうか」
澪は軽やかにそう言いながら、病院を後にした。
こうして猟兵たちの活躍により、くだらない趣味を持つ殺人鬼が引き起こすはずだった恐怖は未然に防がれたのであった。
大成功
🔵🔵🔵