●華やかな歌姫の来訪の裏で
獣人戦線、イングランド。
少数種族のサメ達が暮らす静かな町は、俄かに沸き立っていた。
この町出身の歌姫が数年ぶりに帰郷し、コンサートを行うという。先日の世界大戦でクロックワーク・ヴィクトリアも打撃を受けて侵略の手が緩んだ事も大きいのだろう。
どれ程の歌声を聞けるのか、サメ達は海岸のコンサート会場を飾り付けていく。
少しでもよく歌声が響くように、遠くにまで届くように。願い、汗をかく彼らを悪しきオブリビオンが冷ややかに見つめていた。
グリモアベース。
「さて、獣人戦線での予知が見えたんだけど力を貸してくれないかな?」
水辺の装いのクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は、集まった猟兵達にそう切り出した。
「イングランドのコーンウォール……南西部のサメ達が多く住む町に幻朧帝国のエージェントが逢魔弾道弾を設置しようとしてるんだ。そのままにすると町全体が逢魔が辻に変わっちゃって大変なことになるから設置される前に現地でエージェントを探し出して撃破してほしいんだ」
そうクーナは説明して、今回見えた敵エージェントの情報を語る。
「『政治宣伝芸能人『プロパガンダ・スタァ』』って戦禍階梯のウサギのオブリビオンだね。元芸能人なんだとか。普段は護衛部隊を引き連れて各地の戦況を悪化させてるみたいだけど、今回は潜入工作って事で基本的には町に単独で潜入してるみたい。まあ単独でも十分強いし戦闘になったら付近に潜んでいた護衛部隊が合流してくるだろうから油断はしないでね」
そう説明したクーナはグリモアを手にして、転送の準備を開始する。
「あと、今回の町では歌姫のコンサートが行われるみたいだよ。この町出身のサメの歌姫で、コンサート中かその直後が一番住人達が油断し易いタイミングになると思う。エージェントが動くのも多分その辺りになるから、コンサート会場の周辺を注意深く見てれば敵を見つけてさっさと仕掛けるのもやり易いかも。まあ、具体的にどう探して倒すかはお任せするね」
それじゃ頑張ろう、そうクーナは締め括るとグリモアの力でイングランドのサメ達の町へ猟兵達を転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
サメ獣人の歌声ってどんな感じなんでしょうね。
第一章はサメ獣人が多く住む海辺の街で、コンサートを行う歌姫の周囲を中心に警戒して幻朧帝国のエージェントを探し出してください。
ちなみに歌姫はサメで、この町出身で久しぶりに帰ってきたためコンサートに気合入っているようです。
第二章は『逢魔弾道弾』を設置しようとやってくる『政治宣伝芸能人『プロパガンダ・スタァ』』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『歌姫来訪』
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POW : 熱くなって盛り上がる
SPD : アーティストにサインをもらう
WIZ : いっそ自分もステージに上がる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なのでバレないよう振る舞います)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキり散らかして墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・統制機構の効率化された食事やGGOのアイテム合成で簡単に作れる食事に慣れてるせいか手料理への美味しいもの判定はガバガバ
・GGO以外の世界は色々珍しがり興味を持って見てくれる
猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●サメ観るウサギ
故郷に錦を飾る――その概念は100年以上戦争が続く獣人戦線でも存在しており、久しぶりに故郷へと帰ってきたサメの歌姫はステージにその歌声を響かせている。
「サメだねえ……」
一見すればウサギの戦禍階梯のように見えなくもない、ゲームプレイヤーの印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は、華やかなステージ衣装で身を飾る歌姫を観客席から興味深げに眺め呟いた。
戦禍階梯の住人はざっと見た限りでは見当たらない。要するに観客も歌姫もほぼ全員の見た目はサメである。
戦禍階梯には戦場生まれがなりやすい事を考えると、この町自体は戦場からは離れているという事なのかもしれないけれども。
(「それにしてもエージェントってのはどこにいるのかな?」)
このコンサートが行われる町を逢魔弾道弾で破壊せんとするオブリビオン、通常の警備はいるようだがエージェントに対応するには少々物足りないようにラビニアには思える。
だから慎重な彼女は万全を期してユーベルコード【ザナドゥシティの部下達】を起動、
「さあ、おいでよ! 僕の部下達!」
彼女が所持する|空飛ぶ金貨《クリーピングコイン》がヤクザやニンジャの集団に変身し、密やかに人の減った町の中へと散開していく。
サイバーザナドゥの世界観に似たゲームの部下である彼らとラビニアは五感共有している。彼らに任せれば、コンサート中に町でエージェントが動いたとしても時間稼ぎぐらいは出来るだろう。
程なくしてニンジャが調達してきた寿司をラビニアに差し出してくる。
(「いつも思うけど、どこから寿司を見つけてくるんだろ……あ、糧食の寿司だねこれ」)
疑問を抱きながらも美味しく頂きつつ、響き渡るサメの歌声に浸るラビニアであった。
成功
🔵🔵🔴
アレフ・フール
UC常時…なのだが
「ふぐっ…ひぐっ…ふぇぇぇぇ…!」(口を押えてガチ泣き愚者さん
いやお前何で泣いてるんだ…!?
「こ、この世界で別のワシが倒されたフィードバックが…ふぐぅ…!」
え?フィードバックあるの!?
「いや…本来ないのだが…あ、あの野郎…悍ましい物を食わせおってぇ!!」(甘くて美味しいプリンパフェ食べてる
と、とりあえず歌姫を応援しつつエージェントの探索だ!
「うむ…美女の歌姫を見るのも癒しになろう…!」
という訳で歌姫を応援しつつ妖しい動きをしている人がいないかもさり気に観察
愚者と一緒にぴかぴか光る棒も利用して応援をするぞ
歌姫のモチベーションを維持させるのもまた必要な事柄だし善い歌故な。
●コンサートは華やかに
コンサートは盛り上がりつつ、時折休憩を挟み夜の部へと移っていく。
日中から長時間歌っているステージの歌姫の歌声は更に熱を帯びて、観客の住人達を魅了していく。
そんなコンサート会場にやってきたアレフ・フール(愚者・f40806)というドワーフ、彼は常時発動中のユーベルコード【憤怒の愚者・共闘】によりその身に宿す『憤怒の獄炎』を協力的なオブリビオン『憤怒の愚者』に変身させているのだが。
『ふぐっ……ひぐっ……ふぇぇぇぇ……!』
何故か憤怒の愚者は蹲り、口を抑えてぽろぽろと涙を零している――ガチ泣きである。
「いやお前何で泣いてるんだ……!?」
『こ、この世界で別のワシが倒されたフィードバックが……ふぐぅ……!』
「え? フィードバックあるの!?」
アレフも初めて聞く話に驚きを隠さないが、それにしてもこれ程の反応を見せるとは、彼の言葉が真実ならどれほどに絶望的な倒され方をしたのだろう。
『いや……本来ないのだが……あ、あの野郎……悍ましい物を食わせおってぇ!!』
怨嗟の言葉を発せる程度には回復した愚者はアレフの持ってきたプリンパフェーーコンサートだからこの町の人々も腕によりをかけて準備した店で提供されていたそれで、|悍ましい味わい《チョコ的な絶望》を忘れる為に口直しする。|糧食《レーション》素材の乳製品や卵を使っていないらしいのにも拘らず、味わいは冷たく甘くてあの恐ろしい味の記憶がちょっと彼方へ薄れていったように表情が和らいだ。
「と、とりあえず歌姫を応援しつつエージェントを探索するぞ!」
『うむ……美女の歌姫を見るのも癒しになろう……!』
ようやくアレフが本題に戻し、復活した憤怒の愚者も立ち上がって共に怪しい動きをしている観客を探りにかかる。
熱気溢れるサメ達の視線はステージのサメの歌姫に注がれている。だからこそ別の方へと向いている怪しい者は比較的目立ちやすい。
自分達も不審者になってしまわぬよう、他のサメ達も持っている微弱な魔力を通す事で発光するらしい、ピカピカ光る棒を振りつつアレフと憤怒の愚者は歌姫を応援していく。
応援止まない故郷の人々の姿に、歌姫のモチベーションは下がらぬどころか寧ろ上がっていく。
「善い歌だな……」
必要でもあり、自分がいいと思ったからアレフの応援にも熱が籠る。応援する二人にサメの歌姫は手を振って応えてくれて。
そしてアレフと憤怒の愚者が思うままに応援しながらさり気なく周囲を警戒していると、視界の端に妙な人影が見えた。
ステージはまだまだ続くのに、あの細身のウサギらしき男は舞台袖から舞台の下へと降りて、そのまま一人町の方へと向かっていく――追いかけるべきだろう。
後方から響く歌姫の声を背に、アレフと憤怒の愚者は場の空気を乱さぬよう、静かに男を追跡していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『政治宣伝芸能人『プロパガンダ・スタァ』』
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POW : |愛国者《パトリオット》
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【ゾンビ化戦闘用ドラッグ 】を与える。
SPD : |護国の兵士《イージス》
【溢れるカリスマ 】を宿し戦場全体に「【祖国のために戦い抜こう!】」と命じる。従う人数に応じ自身の戦闘力を上昇、逆らう者は【護衛部隊の火砲支援】で攻擊。
WIZ : |国歌斉唱《ナショナル・アンセム》
「【自国の国家 】」を歌唱中、自身及び歌が聞こえる範囲内の全員の【非戦闘行為】の成功率を10分の1にする。
イラスト:田口 マサチヨ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「グエン・ティホァ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●芸能人工作員を阻止せよ
サメの歌姫の美しく迫力のある歌声が微かに聞こえる町の広場へ、オブリビオンの政治宣伝芸能人『プロパガンダ・スタァ』は任務の為に一人やってきていた。
『簡単な任務だったな』
歌姫の付き添いスタッフに変装してやってきて、わざわざ部下を潜伏させて事にあたったが、ここまでくればもう成功したも同然だ。
逢魔弾道弾を設置し起爆、逢魔が辻へと変えられた故郷を見るサメ達はどのような顔をするのだろう。
邪悪な笑みを浮かべ逢魔弾道弾の設置を開始しようとしたそこに、猟兵達が駆けつける。
警戒にあたっていたニンジャ、そしてオブリビオンがステージを離れたタイミングで追跡を開始した猟兵達はこの悪しき破壊工作を見過ごしはしない。
『まさか気づかれてしまうとは……だがここまで来たんだ、後は強引に押し通すだけさ!』
パチンと指を鳴らし合図をすれば、潜んでいたオブリビオンの配下が近づいてくる気配を感じる。
迫る悪意の超大国の工作員に対し、猟兵達は迎え撃ち撃破するために行動を開始するのだった。
河崎・統治(サポート)
絡み、アドリブ歓迎
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開し装着。
味方と連携しつつ周囲を警戒、【地形の利用】をしつつ【索敵】【偵察】して進む。暗所では暗視ゴーグルを使用する。
敵と遭遇したらアサルトウェポン、アームガトリングと21式複合兵装ユニット2型の【誘導弾】と【砲撃】【レーザー射撃】による【弾幕】【制圧射撃】で攻撃しつつ接近し、白兵戦の間合いまで接近した所で水月を抜刀し【切り込み】【切断】で攻撃する。
可能なら装甲の隙間や関節を狙い【鎧無視攻撃】【鎧砕き】を仕掛ける。
敵の攻撃は【推力移動】【見切り】で回避するか【武器受け】【オーラ防御】で防御する。
使用UCは状況に合わせて変更。
●悪しきオブリビオンを吹き飛ばせ
「|起動《イグニッション》!」
イグニッションカードを掲げた河崎・統治(帰って来た能力者・f03854)が叫べば、瞬時に装備が展開され装着される。
武者鎧風の動力甲冑を纏った彼は、装着した軍用暗視ゴーグルで深くなってきた夜闇を見通す。
――やってくる種族は様々、全員何らかの武装をしているオブリビオンの兵士。
『さあ、幻朧帝国の為に戦おう!』
そうエージェントが高らかに叫び、その言葉に同意した配下達に何やらカプセルのようなものを与えて飲ませる。
その戦闘力を増強させるドラッグを投与された配下達は一心不乱に統治へ襲い掛かり、手にした銃火器を発砲する。
その攻撃を見切りながらアームガトリングと背部装着の21式複合兵装ユニット2型からの銃弾やミサイルで応戦する統治、だがエージェントに煽られた配下達は体を吹き飛ばされても痛みなど感じていないかのように前進し統治へと銃口を向けてくる。
生半可な攻撃では止めることはできない、纏うオーラと兵装で銃弾を防ぎつつ即座に判断した統治はユーベルコード【フェニックスキャノン】を起動して、背負った大型回転動力をフル稼働させ不死鳥のオーラを放つ。
「遠慮はいらん。受け取れよ!」
紅蓮のオーラが向かってくる配下共を包み、消えない魔炎が燃え上がる。大型回転動力炉により威力が増大している火炎はあっという間に配下達を焼却し、その全身を焼き尽くす。
燃え上がる配下達を背部兵装のレーザー射撃、そしてアサルトウェポンの銃弾の弾幕で蹴散らしながら統治はプロパガンダ・スタァへと肉薄、同時に『水月』を抜刀、水面に映る月のように美しい刃が閃く。
エージェントはウサギの俊敏さで即座に距離を取るも、刃を完全に躱し切ることはできず胴体を斬り裂かれ、更に追撃の不死鳥のオーラに体の一部を焼かれた。
まだ傷はそれほど深くない。完全に撃破するには攻撃を重ねねばならないだろう。
改めて向かってくるエージェントの配下達に銃撃で応戦しつつ、統治は次の攻め時を窺うのだった。
成功
🔵🔵🔴
マグラ・ユメノミヤ(サポート)
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
◆口調
・一人称は私、二人称は貴方。持って回ったような物言いで、敵にさえ敬語を用いるものの内容は悪辣
◆癖・習性
・コワモテに反してぬいぐるみや人形を好む
・苦痛を受ける度に気分が高まる性癖
◆行動傾向
・妻と部下をオブリビオンに殺された経験から生命の埒外に到達した悲しみの猟兵。胸中に渦巻くのは、復讐心と愛する者を護れなかった罪悪感……
・見えざる魔力のからくり糸で、凶器を仕込んだ球体関節人形を自在に操ってあらゆる試練に挑む。ダークセイヴァーを出自とするだけあって、そのスタイルは冷徹で老獪
・死霊術士であることから、魔導にもいちおう通暁している
●人形を操り先を見通し
『故郷の為にこんな猟兵達に負ける訳にはいかない! 祖国の為に戦い抜こう!!』
どこか爽やかにカリスマを溢れ出させて命じるプロパガンダ・スタァの言葉に従い、彼の護衛部隊が火砲支援で猟兵を攻撃する。
カリスマに当てられたオブリビオン達の戦闘能力は向上している。マグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)という人形遣いの猟兵でもまともに喰らえば少々厳しい状況に追い込まれるだろう。
だが彼は全く動揺する様子もなく、
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
そう呟いて不可視の魔力の糸を張り巡らせ、球体関節人形『処刑人形ルーチェ』を操り幻朧帝国のエージェントへと向かわせる。
その上で放たれる火砲支援の数々をまるで先読みしているかのように掠り傷一つ負う事なく回避し続ける。
「|経糸《たてのいと》は殺意、|緯糸《よこのいと》は憎悪――あなたの邪気は、手指に取るように分かりますぞ」
ユーベルコード【意図読む糸】――周囲に魔力の糸を張り巡らせ、その振動を読み取るマグラを捉えることはそう容易い事ではない。
『何をしている! 連携して逃げ道を……』
プロパガンダ・スタァが声を張り上げるが、その時既にルーチェは彼の間近へと迫っていて、内部に仕込んだ処刑器具の刃をオブリビオンへと振るう。
鮮血が散り、オブリビオンの端正な顔と胴体に刃の傷が刻まれていく。
人形の間合いから逃れるが、その隙にマグラが標的を切り替え処刑人形の刃が護衛部隊を次々に斬り裂き仕留めていく。
激戦はまだまだ続く――。
成功
🔵🔵🔴
シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。
◆戦闘
射撃(愛用は詠唱銃だが、様々な銃器を使い分けている)と魔術による広範囲攻撃が主。
魔力の操作に長け、射撃の腕も確か。
作戦次第では、闇色の武器を召喚(UC【異界の剣の召喚】)して前衛を務めることもある。
◆特技
・情報収集
・機械の扱いにも魔術知識にも精通している
◆UDC『ツキ』
闇色の狼の姿をしており、魂や魔力の匂いを嗅ぎ分けての追跡や索敵が得意。
戦闘は鋭い牙や爪で敵を引き裂き、喰らう。
◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方
●竜巻操るUDC憑き
暴れ回る処刑人形から距離を取る幻朧帝国のエージェントに更に追撃が迫る。
飛来するのは竜巻、決して自然現象ではないそれは正確にオブリビオンへと迫ってくる。
『竜巻か!? 術者はどこにいる!?』
直撃を躱しつつ周囲を見回すプロパガンダ・スタァだが、彼の視界に竜巻を操っているらしき猟兵はいない。
(「……気づかれていないようですね」)
狼狽する敵を見遣り、その竜巻を放ったシン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)という青年は白銀の銃身の自動詠唱銃『judicium』を構えつつ心の中で呟いた。
整った身なり、という点で言えば彼もプロパガンダ・スタァに劣らぬが、その印象は華やかなオブリビオンに対して理知的で落ち着いた雰囲気である。
けれど彼の姿はオブリビオンおよびその配下たちには知覚されていない。既に起動しているユーベルコード【シルフィード・クローク】で自身を竜巻で覆った彼は視聴嗅覚での感知を遮断している。
溢れるカリスマで護衛部隊への火砲支援を命じようと、狙うべき標的の位置が分からねばどうにもならない。
放たれる竜巻の攻撃を凌ぐプロパガンダ・スタァの背に突如激痛が走る。
敵の背後に回り込んでいたシンが放った弾丸が、竜巻に紛れエージェントを撃ち抜いたのだ。
痛みに体勢が崩れたそのタイミングで襲い掛かる竜巻、見目麗しきオブリビオンは抵抗する間もなく身を切り刻まれつつ夜の空へと打ち上げられた。
成功
🔵🔵🔴
天玲寺・夢彩(サポート)
夢彩は桜の精で學徒兵の悪魔召喚士!
口調:桜吹雪/自分の名前、キミ、よ、だもん、だよう、~かな?
機嫌が悪いと:暴風/私、呼び捨て、だね、だよ、~的な?
名前で呼ぶ時は「さん」とか「くん」みたいに呼ぶよ。
UCや技能はその時に使えそうな物を使用だよう。
道徳違反はしないもん。あとはお任せ!
[基本]
一言でいうなら春の大嵐。見た目年齢はほぼ変わってない。
天真爛漫なムードメーカーで無自覚トラブルメーカー(ギャグ仕様)。
※空気はよめる。
[真の姿]
よりエレメンタルな精霊。お姉さんな雰囲気、でもやっぱり性格は極端に変わらない。
奇想天外な事も楽しんじゃう位にはメンタルは凄くタフ。
《連携アドリブok.ギャグ系は大歓迎》
●吹き荒れる春の大嵐
『クソッ! 早く僕を守れ!』
空に打ち上げられたプロパガンダ・スタァが命じれば、先に薬品を投与され紅蓮に薙ぎ払われなかった生き残りの配下達が彼を守らんと即座に駆け付けようとする。
今の状況では追撃が来れば躱せない――この隙を猟兵達が見逃すはずがないだろうと即座に判断した故の命令だったが、それは少しばかり遅かった。
「バーッンとぶつけちゃうよー!」
春がやってきたかのような明るい声が響き、空中のプロパガンダ・スタァへと天玲寺・夢彩(春の大嵐少女・f22531)が配下達を足場にして襲い掛かる。
携えた桜色の『桜霊刀』に巨大な桜吹雪を纏う桜の精は既にユーベルコード【桜嵐】を起動、清らかなる桜の花弁の斬撃はまともに受ければ大ダメージは免れないだろう。
『急げ! 全ての力を絞り出せ!』
命令するエージェントの言葉に従うように配下達が急加速――投与されたゾンビ化ドラッグにより痛覚を感じぬようになった彼らは自身の体が崩壊する程の力を振り絞り、プロパガンダ・スタァの盾になるべく夢彩の前へと飛び出した。
だが、そんな抵抗も春の嵐の前には一たまりもない。
彼女の振るう桜霊刀の斬撃は、巨岩も頑丈で重い扉もどんなモノでも壊してしまうような一撃なのだから。
エージェントの配下達、そしてその後方のエージェント本人を、巨大桜吹雪の一撃が丸ごと呑み込んだ。
無理な体勢で跳躍した配下は当然、空中で体勢を立て直せぬプロパガンダ・スタァは致命的な一撃を受けて、吹き飛ばされ近くの民家へと叩きつけられた。
『く、くそ……僕はこんな所で……』
よろめきながら降ってくる桜の花弁を振り払いつつプロパガンダ・スタァは立ち上がる。
配下達を盾にした影響で、致命的な箇所へのダメージは避けられなかったがダメージそのものは幾分か軽減されたのだろう。
だがまだ猟兵達の追撃は続く。もはやエージェントの命運は風前の灯火であった。
成功
🔵🔵🔴
アレフ・フール
UC継続中
スタァとやらが強引に通すとはらしくはないが仕方が無いか
もう貴様にはそうするしかないのだからな
「ふん…美女であれば食らってやりたい所ではあったが野郎であれば叩き潰すのみよ!」
お前は何を言っておるのだ…判らんでもないがな
「そうだろうそうだろう?」
まぁ今は…貴様を叩き潰すだけよ
全知超克を発動
【戦闘知識】
敵の動きと能力を正確に把握
敵UCを把握
「「………」」
よし殴ろう
「うむ、殴ろう」
【グラップル・重量攻撃・属性攻撃・砲撃】
炎を纏って剣で切り刻みぶん殴り砲撃を叩き込みぼっこんぼっこんにする
いやわしが言うのもなんだがこの場で非戦闘行為なんぞするわけないだろうが!?
「ツッコミ待ちか貴様!?」
●高らかに歌えども
桜の精のユーベルコードの余波で空から降り注ぐ桜の花弁を見上げながら、吹き飛ばされたプロパガンダ・スタァへと近づくのは小柄なドワーフの二つの影。
「スタァとやらが強引に通すとはらしくはないが……仕方が無いか」
もう貴様にはそうするしかないのだからな、とエージェントに言い放つのはコンサート会場から向かってきたアレフ・フール(愚者・f40806)。
『ふん……美女であれば食らってやりたい所ではあったが、野郎であれば叩き潰すのみよ!』
「お前は何を言っておるのだ……」
彼のユーベルコード【憤怒の愚者・共闘】により憤怒の獄炎が変身した憤怒の愚者の言葉にそう言いつつも、判らんでもないがなと付け加えるアレフ。
『そうだろうそうだろう?』
どこかおかしげに憤怒の愚者は同意し笑って。
「まぁ今は……貴様を叩き潰すだけよ」
幻朧帝国のエージェントへと視線を向け魔剣『力の叫び』を構えるアレフ、もはや敵に逃げ場はない。
「わしがもち得ていた嘗ての叡智……今ここで示さん……!」
ユーベルコード【全知超克】を起動するアレフ、それに対しエージェントは護衛部隊に命令を下す。
『くっ……適宜応戦しつつあの男を狙え!』
その言葉を告げてすぐ、オブリビオンは歌を歌い始める。
歌詞からすると幻朧帝国を称える国歌なのだろう。高らかに歌い上げる彼の歌声に鼓舞されるかのように、生き残っていた護衛部隊はアレフと憤怒の愚者へと火砲を向け、攻撃を開始するのだが。
「……よし殴ろう」
『うむ、殴ろう』
一致する二人の意見、同時にプロパガンダ・スタァへと疾走を開始する。
『早く僕を守れ! もっと砲火支援を!!』
国歌を歌い上げながら生き残りの護衛部隊、そして配下共に命令し二人に抵抗せんとするプロパガンダ・スタァ。
だが、憤怒の獄炎を燃え上がらせた二人は、出現させた砲撃兵装『喧嘩をする者』で護衛部隊へと砲撃を放ち吹き飛ばすと、魔剣に炎を纏わせ敵エージェントへとあっという間に迫る。
これだけ容易に守りを突破する事が出来たのはアレフのユーベルコードにより得た敵の能力についての知識、それから増強した戦闘力と憤怒の愚者との連携の確かさもあっただろう。
『バカな……どうしてここまであっさり僕の部下達が蹴散らされる……?』
アレフと憤怒の愚者が恐れなく敵エージェントに切り込んでいけるのには理由がある。
ユーベルコードで引き出されたアレフの知識で見出したプロパガンダ・スタァが使っている力は『非戦闘行為』の成功率を激減させるというもの。
つまり、
「いやわしが言うのもなんだがこの場で非戦闘行為なんぞするわけないだろうが!?」
『ツッコミ待ちか貴様!?』
アレフと憤怒の愚者のツッコミがハモる。
――実際ここがコンサート会場ど真ん中などで、観客を避難させなければならないとかそんな状況であるならば、避難行動の成功率を激減させて被害を激増させるような厄介な力なのだろう。
或いは敵前逃亡という非戦闘行為をさせぬように部下達を死地から逃げられぬと諦めさせ背水で前へ前へと突破させるか。
だが今回の場合、一般人はコンサート会場へ向かっていて周囲にはおらず、ここにいるのは戦意十分な猟兵だけ。そして配下が直接強化される訳でもないから戦力増強も大して見込めない。
つまり、状況が最悪という他ない。
『……こんな負け方は嫌だー!!』
プロパガンダ・スタァの嘆きが人気のないサメの町に空しく木霊し、アレフと憤怒の愚者が容赦なく振るう獄炎の刃と砲撃がぼっこんぼっこんにオブリビオン達を叩きのめし、跡形もなく消滅させたのだった。
かくしてサメの歌姫のコンサートは平穏無事に守られた。
そして戦いの後始末を終えた猟兵達は、海の方から聞こえてくるサメの歌声を遠くに聴きつつ、グリモアベースへと無事帰還したのだった。
大成功
🔵🔵🔵