オリジン・シン/IVI/テイマー
●呪咒哭哭哭大内裏
十二剣神『原罪蛇メデューサ』は滅びない。
デウスエクスは不滅の存在。
地球より撃退できたとしても、その存在は滅びることはない。
故に『原罪蛇メディーサ』は一度敗北を喫しても、その敗北自体を恥じることはなかった。
敗北は勝利への過程に過ぎない。
「爻爻爻 私にとって勝利も敗北も意味を成さない」
そう、どちらも気に留めることはない。
彼女が日露としているのは愛し子を食らうこと。
知恵を与えたのは『おそれ』を抱かせるため。知性なくば、『おそれ』は生まれない。だから、彼女は愛したのだ。
だが、彼女は呪咒哭哭哭大内裏にて己以外が存在していることに気がつく。
それは唐突であった。
近づく気配すらなく、ただ刹那の内に彼女の前に『それ』は現れたのだ。
「訝訝訝 お前は何処から現れた なぜ此処に立ち入れる」
問いかける言葉に『それ』は答えた。
「私の名は『ドラゴンテイマー』。身中に剣を抱きし|『竜』《ドラゴン》を操る者……」
『ドラゴンテイマー』と名乗る男は、その身を包む紫のガスと赤き剣の腕を持つ存在であった。
六翼もつ姿は、ある種の重圧さえ放っていただろう。
「驚驚驚 私の|『剣』《ディバイド》を掌握したのか 絶対制御コードを手に入れたのか」
『原罪蛇メデューサが驚愕したのは、やはり『ドラゴンテイマー』が此処に存在してることであった。
すなわち、彼女の言葉を借りるならば絶対制御コードを『ドラゴンテイマー』は手に入れているということであったからだ。
眼の前の男『ドラゴンテイマー』は『原罪蛇メデューサ』に『おそれ』を抱いていない。
だからこそ彼女は『ドラゴンテイマー』を縊り殺すことなく、ただ彼の言葉を待っていた。
何か望みがあるはずだ。
もしくは要求めいたものが。
「『原罪蛇メデューサ』……知恵と生命を生み出すものよ、この私に従え。お前の『愛し子』は奪わぬし、それらを喰らう力も貸してやろう」
その言葉はあまりにも不遜であった。
だが、次の瞬間『原罪蛇メデューサ』は頷く。
意外にも決着は静かに、あっさりと着いた。
「諾諾諾 それなら自由はいらない 脳も要らない 必要なのは『おそれ』だけ」
そう、彼女の目的は至極シンプルだ。
故に『ドラゴンテイマー』に従うことは、別に彼女の目的を阻害するものではないのなら、他に理由は要らなかったのだ。
考えることも、拘束を嫌うこともない。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
それは喜びに震える声であった。
喰らうことができる。
『愛し子』たちを喰らうことできる。
ただそれだけで『原罪蛇メデューサ』は狂ったように笑うのだった――。
●ケルベロスディバイド
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の予知でケルベロスディバイドの世界に再び十二剣神『原罪蛇メデューサ』の脅威が迫っています」
彼女の言葉に猟兵たちは目を見開く。
そう、『原罪蛇メデューサ』は『おそれ』の感情を媒介にして地球に出現することのできる十二剣神である。
知性持つ地球人がいる限り、彼女は地球へとすぐさまに転移することができるのだ。
一度はこれを退けたが、しかし猟兵達はデウスエクスを滅ぼすことができない。
再び相まみえることがあるだろうと理解はしていたが、こうまで間を置かずに到来するとは思わあなかっただろう。
「ですが、それは最も悪い形で実現してしまいました。かつてキマイラフューチャーの大いなる戦い『バトルオブフラワーズ』にて現れた謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』に『原罪蛇メデューサ』は従っているのです」
加えて『ドラゴンテイマー』が使役する鉄のドラゴン『ダイウルゴス』の軍勢をも従えているのだ。
「『ドラゴン』はケルベロスディバイドにおいて『最強クラスのデウスエクス種族』として人びとに認識されています。『ダイウルゴス』は『原罪蛇メデューサ』の能力によって次々と地球に転移してくるでしょう」
後は言うまでもない。
こんな『おそれ』の象徴のようなデウスエクス種族が暴れ回れば、即座に『原罪蛇メデューサ』は『おそれ』を十分に得て手がつけられない強さになてしまう。
「これを止めねばなりません」
ナイアルテは、もはや『ダイウルゴス』の到来は避け得ぬことであると告げる。
「湾岸の決戦都市に現れる『ダイウルゴス』を現地の決戦配備を駆使し、迅速に撃破し『原罪蛇メデューサ』への『おそれ』のエネルギー供給を断ち切り、これを打ち倒す必要があるでしょう」
強敵との連戦。
加えて、この背後にいる謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』をも打倒しなければならないのだ。
厳しい戦いになることは承知の上である。
けれど、ナイアルテは猟兵達を送り出す。そうしなければならなからという理由はあるが、それ以上に彼女は猟兵たちならばと信じているの――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の事件は『ケルベロスディバイド』。この世界における湾岸都市に生きる人々の『おそれ』を媒介として転移してくるオブリビオン『ダイウルゴス』、そしてデウスエクス『原罪蛇メデューサ』、これらを操る謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』との連戦となるシナリオになります。
※『決戦配備』とは。
(https://tw6.jp/html/world/441_world25.htm)
に記されたものです。プレイングの冒頭に各々の単語を書き込むことで上記のプレイングボーナスを得ることができます。
このシナリオに登場する湾岸の決戦都市の決戦配備は『セラフィム』と呼ばれる自律人型戦術兵器です。様々なポジション効果を提供してくれますが、そこまで強くありません。
●第一章
ボス戦です。
如何にケルベロスディバイドの世界の人々が地球外からの侵略者に対して一致団結して立ち向かうのだとしても、僅かな『おそれ』まで拭うことはできません。
この『おそれ』に呼応してオブリビオン『ダイウルゴス』が『原罪蛇メデューサ』の能力によって転移してきます。
『ドラゴン』はこの世界に人々にとって『おそれ』の象徴とも言うべき存在です。
長く存在すればするほどに現地の『おそれ』は高まり、『原罪蛇メデューサ』に膨大なエネルギーを与えることになるでしょう。
迅速にこれに対処する必要があります。
●第二章
ボス戦です。
顕現するは『原罪蛇メデューサ』です。
前章にて得た『おそれ』によってパワーアップしていますが、脳すら『ドラゴンテイマー』に明け渡しているため、狂ったように人類を喰らうことだけを目的とし、無差別に知的生命体へと襲いかかってきます。
●第三章
ボス戦です。
『ドラゴンテイマー』との決戦です。
ですが、彼は予めしかけていた爆薬によって周囲一体の『決戦配備』のすべてを爆破してしまいます。
この章に限り『決戦配備』の要請ができません。
炎に包まれる決戦都市での戦いになります。
加えて彼はあまり多く語ることはありません。
それでは、地球に迫る最強の脅威。これに立ち向かう皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
第1章 ボス戦
『ダイウルゴス』
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POW : ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:棘ナツ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
警報が響き渡る。
湾岸の決戦都市。その上空を埋め尽くす鉄の天蓋の如き翼であった。
人々は空を見上げた。
そして、知ったのだ。あれなるものがなんであるのかを。
いや、元より知っている。
あの鋼鉄の翼。明滅する眼光。鋭き爪牙。
それは。
「ど、ドラゴンだぁぁぁ!!」
人々の恐怖の声が響き渡る。それはどうしようもないことであった。
ケルベロスディバイドにおいてドラゴンとは最強クラスのデウスエクス種族。故に人々の中にある『おそれ』は何をするでもなく、ただそこに存在するだけで膨れ上がっていく。
「緊急事態だ、『第九号』くん! 今すぐケルベロスと猟兵に連絡を!」
『すでに緊急通信で通達済みです。決戦配備、『セラフィム』の一斉起動開始』
「ええい、遅い! まさか最強のデウスエクス種族ドラゴンが来るとは……しかも一瞬だと!? これはまさか……『原罪蛇メデューサ』の転移能力か!」
亜麻色の髪の女性『エイル』博士が呻く。
サポートAI『第九号』によって『決戦配備』たる自律人型戦術兵器『セラフィム』たちが起動し、すぐさまにケルベロスや猟兵たちの要請に応えるために飛び出していく。
だが、それよりも早く湾岸の決戦都市の空に現れたドラゴン『ダイウルゴス』は、その力を発露し、市街地を破壊していくのだった――。
ジークリット・ヴォルフガング
●SPD
蛇は執念深いと言うが、こうも容易く再来されてはな
デウスエクスならばグラビティを叩き込まねば滅せれない物だが、生憎|この世界《ディバイド》では|元の世界《ブレイド》のようにグラビティが使えないのが不自由だが…捉え方次第では強敵に何度も剣を交えれる事が出来る
此度の黒幕が何番目の猟兵かは知らぬが、『おそれ』ず楽しませて貰おう
|決戦配備要請《ポジションオーダー》、ディフェンダー
路地と言う路地を防護壁で封鎖し、召喚されたダイウルゴス文明軍の群れをセラフィムの協力を得てこちらへと誘導
ざっと百を超える数だが、肩慣らしには丁度良いだろう
合体される前に『桜花除霊斬』で一気呵成に駆逐し、蛇の力を削ごう
「蛇は執念深いと言うが、こうも容易く再来されてはな」
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)は息を吐き出す。
十二剣神『原罪蛇メデューサ』は、地球に住まう人々の『おそれ』によって転移する力を有していた。
僅かな『おそれ』であっても配下を送り込むことは容易であり、膨れ上がった『おそれ』を得て『原罪蛇メデューサ』は強大になっていく。
恐るべき敵である。
しかし、一度退けたのだ。
「デウスエクスならば、グラビティを叩き込まねば滅せられないものだが」
ジークリットは己の経験が多く役に立たないことを理解する。
そう、ここは彼女のいた世界ではない。
ケルベロスディバイド。
彼女はケルベロスであるが、グラビティを使えない。
不自由であると感じたが、しかし、同時に彼女の頭の中は筋肉が詰まっていた。
グラビティというデウスエクスを殺すために必要なものが使えない。だが、撃退はできる。イコール何度でも強敵と剣を交えることができるということだ。
なら、それは彼女にとってネガティヴなことではなかったのだ。
むしろ喜ばしいことだった。
強敵と戦うことは彼女にとって喜びに等しいものであった。
「此度の黒幕が何番目の猟兵かは知らぬが、『おそれ』ず楽しませて貰おう。|決戦配備要請《ポジションオーダー》、ディフェンダー!」
彼女の言葉と共に飛来するのは湾岸の決戦都市の決戦配備、自律人型戦術兵器『セラフィム』たちであった。
鋼鉄の巨人たちは、その手にバリアフィールドを展開し路地という路地を封鎖させたのだ。
彼女の瞳に映るのは、最強クラスのデウスエクス、ドラゴン『ダイウルゴス』。
空を覆う巨大さとは裏腹に生み出されるは小型の『ダイウルゴス』文明軍であった。膨大な数の『ダイウルゴス』たちは一斉に人々を襲うだろう。
人々に『おそれ』を抱かせ、次に転移してくるであろう『原罪蛇メデューサ』のちからを増幅させるためである。
なら、とジークリットは人々を守るために決戦配備を要請したのだ。
『だがいいのかね。キミを守る盾がないが……』
通信の『エイル』博士の言葉にジークリットは笑う。
「不要! この身は剣であるが、我が身は人々を守る盾。そして牙!」
ジークリットの瞳がユーベルコードに輝く。
手にした斬霊刀から花吹雪が舞い散り、桜花浄霊斬の一撃が小型『ダイウルゴス』を切り捨てるのだ。
「肩慣らしには丁度良いだろう」
不敵に笑むジークリットは、切り捨てた『ダイウルゴス』に目もくれず、空にて渦巻く小型『ダイウルゴス』たちを見上げる。
『合体するつもりだ!』
「ふん、遅い! 一気呵成に駆逐する!」
さらに踏み込む。
合体して数字が増えていく『ダイウルゴス』から、彼女のユーベルコードは切り裂いていく。
確かに数は厄介だ。
だが、所詮は数に頼り切った群体に過ぎない。
ならばこそジークリットの瞳はユーベルコードに輝き続ける。
「奴らの狙いはわかっている。『おそれ』だ。なら、一体でも多く斬り捨てる!」
ジークリットは『原罪蛇メデューサ』の力を削ぎ落とすように人々の恐怖の象徴たるドラゴン『ダイウルゴス』へと斬撃を叩き込み続ける。
己一人では立ち行かぬ敵であることは承知の上である。
だが、戦うことはやめない。
自分が戦うのは強敵と相まみえるため。
決して『おそれ』を抱くことはない。
この勇猛果敢たる姿をこそ『おそれ』拭うための輝きとするために彼女は己が刃をふるい続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
日向・向日葵
◎POW/アドリブとかお任せ
◯ポジション→クラッシャー
もぉ!グラビティさえ使えればこんな奴らっ!使えないものに頼っても仕方ないか…
クラッシャーの砲撃支援などは、保険程度な考え
出来るかぎりダイウルゴス文明軍はユーベルコードを使用して、自分の武装をフルに活用して一斉発射、エネルギー弾、リミッター解除、限界突破を使用して撃ち落とす
接近したら鎧無視攻撃、切断、アンブッシュを使用した攻撃で切り捨てまくる
とにかく小型ダイウルゴスを斬って斬って斬りまくり、本体にアンブッシュで攻撃を忘れずに
デウスエクスは不滅の存在。
いくら撃退しても再び舞い戻るようにして地球に再来する。
それを知らしめるように十二剣神『原罪蛇メデューサ』は一度退けられて尚、己が配下を地球に送り込む。
その能力は恐るべきものであった。
『おそれ』
知的生命体であれば抱かずにはいられない感情をもって『原罪蛇メデューサ』は配下を地球に転移させる。
そればかりか『おそれ』自体が彼女のエネルギーとなって『おそれ』を集めれば集めるほどに彼女は強大な存在として地球に顕現するのだ。
「もぉ! グラビティさえ使えればこんな奴らっ!」
日向・向日葵(オラトリオの迷い人・f40855)は呻くように叫びながら、迫る小型『ダイウルゴス』の群れに対処しなければならなかった。
小型とは言え竜――ドラゴンである。
地球の人びとにとってドラゴンとは『最強クラスのデウスエクス』、すなわち恐怖の象徴とも言える存在だ。
目にすれば否が応でも『おそれ』を抱いてしまう。
仕方のないことだ。
そして彼女の言う通り、グラビティさえ使えたのならばデウスエクスであろうと滅ぼすことができる。
それがなぜか今できないのは猟兵としての力に覚醒したから、はたまた神隠しの影響か。どのような起因でグラビティが使えないのかはわからない。
けれど、この事態にやらねばならないことを彼女は理解していた。
「リミッター解除! アームドフォート展開!」
彼女はリボルバー銃を構える。
見据える敵は『ダイウルゴス』。
小型の『ダイウルゴス』たちが己に襲いかからんと迫っている。
「バレットタイム、ショータイム!」
ユーベルコードに輝く瞳。
瞬間、彼女のアームドフォートから放たれるエネルギー弾が乱舞し小型『ダイウルゴス』たちを撃ち落としていく。
嵐のようなエネルギー弾。
向日葵は、己のユーベルコードでもって周囲の時間の流れがゆっくりと流れるように知覚している。
どの方角から敵が迫るのか、どこにどれだけの数の敵がいるのか。
空間に存在する敵を正確に把握し、己がアームドフォートの砲身の狙いをつけるのだ。
「鬱陶しい!」
小型の『ダイウルゴス』の数は凄まじかった。
決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』も頑張っているが、やはり向日葵たち猟兵に遠く及ばない。
弱くはないが強くもない。
あまり当てにはできないな、と向日葵は判断しながらエネルギー弾の乱舞の中を走る。
手にした『幻無刀』の柄を握りしめ、一気に『ダイウルゴス』へと肉薄する。
小型『ダイウルゴス』という数に頼った戦い方で、こちらに意識を向けていないのだ。
「アンブッシュ! それだけ巨体なら!」
向日葵は宙を舞うようにしてオラトリオの翼を羽撃かせ、『ダイウルゴス』の首元へと己が日本刀の一撃を見舞う。
「硬い! でも……!」
それでも一打見舞うことができたのだ。
『ダイウルゴス』はデウスエクスではない。オブリビオンだ。この一合で理解した。
なら、滅ぼせないわけではない。
向日葵は、グラビティを使用できなくてもドラゴンたる『ダイウルゴス』が対処できる存在であると確信し、己が刃を持ってこれを切り裂くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ファルコ・アロー
性懲りも無くまーた来やがったんですか、あのクソデカ蛇女!
今回の子分はこれまた随分デカいトカゲやろーですねぇ。
爬虫類同士さぞかし気が合う事でしょーよ!
上等です!
まずはてめーから相手してやるですよ、このやろー!
一匹かと思ったら、どーもてめーの中には似たようなのがいっぱいいるみてーですね。
ボクの気配感知能力がお見通しですよ!
それならチェンジ・アクィラ!
悠長にぶつぶつお話してるみてーですけど、ボクの雷で全部邪魔してやるです!
そう、どんなにいっぱいいようとも全部です!
結論なんざ出させねーです!
小さいボクの放つ小さい矢だからって舐めんじゃねーですよ。
弾幕張れるくらい連射してやるですからね!
ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は憤慨していた。
というよりも辟易していた、というのが正しいだろう。
まだ半年にも至らぬ時しか流れていないというのに、十二剣神『原罪蛇メデューサ』は再び地球に現れようとしている。
彼女の能力は『おそれ』を媒介しての転移能力。
これによってどんなに僅かな『おそれ』であっても彼女は配下を地球に送り出すことができる。
かつての事件においても人びとの『おそれ』を煽るために見えぬ殺人者たるデウスエクスが暗躍していた。
これを阻んだのがファルコたち猟兵やケルベロスたちであったのだ。
「性懲りもなくまーた来やがったんですか、あのクソデカ蛇女!」
あまりにも口が悪すぎる。
けれど、これがファルコの性分であった。
しかも、今回は空を埋め尽くすような巨大な竜『ダイウルゴス』を『原罪蛇メデューサ』は送り込んできたのだ。
このケルベロスディバイド世界においてドラゴンとは『最強クラスのデウスエクス』――いわば、恐怖の象徴でもあるのだ。
故に人びとは恐怖を抑えられない。
増幅された『おそれ』はかつての事件の比ではないだろう。
しかし、ファルコはいつものように悪態をつく。
「今回の子分はこれまた随分とデカいトカゲやろーですねぇ。爬虫類同士さぞかし気が合うことでしょーよ!」
ドラゴンをデカいトカゲと称するのは、あまりにも豪胆が過ぎる。
ファルコを睥睨する巨躯、その重圧を身に感じながら彼女は不敵に笑む。
「そのメンチ、上等です! まずはてめーから相手してやるですよ、このやろー!」
「我等『ダイウルゴス』を前にして怯まぬ勇気は認めよう。だが、それすらも無意味だ。小さき者、貴様の命運は此処に潰えるが、しかし我らは」
「ぐだぐだとうるせーんですよ!」
ファルコの瞳がユーベルコードに輝く。
「アローアップ! チェェェェンジ! アクィラ!」
彼女の体が静電気を帯びる。
爆ぜるような音が彼女の周囲に響き渡り、その静電気は空気中の塵と塵とがぶつかり合うことによって生まれるエネルギーを介して、雷霆の矢となって『ダイウルゴス』へと放たれるのだ。
その矢は一瞬で『ダイウルゴス』の巨躯を灼くだろう。
しかし、その一撃は『ダイウルゴス』の龍鱗を焦がす程度でしかなかった。
あまりにも巨大すぎるのだ。
「無駄なことだ。我らは……」
「うっせーんですよ! てめーらの中にはどうやら似たようなのがいっぱいいるみてーですね! ボクの気配感知能力がお見通しですよ! どうせ、その悠長な構えは、中でぶつぶつとお話しているだけでしょーが!」
雷霆の矢は確かに『ダイウルゴス』の龍鱗を灼くばかりであった。
しかし、その矢は『ダイウルゴス』の行動を妨害する力。
移動することは許さない。
そして、その体内に存在している99体の竜たちによる会議は、尽くが雷霆の矢が放つ電撃によって阻害されているのだ。
その行動のすべてが会議によって決定されるのならば、ファルコの放つ雷霆の矢が如何に僅かに龍鱗を灼くものであったとしても、その行動を常に阻害し続けるものなのだ。
「どんなにいっぱいいようと全部意味ねーんですよ! 悠長に多数決とってからでないと行動に移せねーような、あすなろやろうどもには!」
己の放つ雷霆の矢をくれてやるのだというようにファルコは次々と己がユーベルコードによってう乱される一撃を叩き込み、飛ぶ。
この空は確かに彼女の故郷の空ではない。
けれど、誰かの空なのだ。
それを覆うことは許さない。
ファルコの小さな体躯は巨大な『ダイウルゴス』にも負けじと雷霆と共に飛ぶのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
【いつもここから】
あいも変わらずソウルでリングでボーン。時々コアに、たまには大統領。
かねて竜をおそれたまえ…という決め台詞がございますが。
違いましたっけ。まぁいいや。
ご無沙汰しておりますエイル博士。
昨年のハロウィンの時はお世話になりました。
さて、竜には「竜」をぶつけるとして、ポジションオーダーどうしましょうね。
ジャマーあたりにしますか。うまいことあの竜の攻撃を誘い出せますか。
そこへ竜型無人キャバリア、プラチナムドラグーンを量子複製して反撃します。文明侵略は立派な攻撃への意思。そしてもとよりプラチナムドラグーンは攻撃の意思を感知して反撃します。
イヴさんの大仕掛けまでの時間稼ぎと参りましょう。
イヴ・イングス
【いつもここから】
うーん、コアゲーマーの胸をくすぐるフレーズですねぇ。
(ジェイミィの言葉にしみじみと呟く)
あ、どうもどうも。ハロウィンでは店長がお世話になりました。
竜をぶつける? つまり私が飛鳥文化アタックからの派生技、「大化の改新」を披露すれば良いと? 得意技ですよ?
……失礼、座ってますね。
ポジションオーダーはディフェンダーで。今からちょっと乱数調整しますからその間よろしくです。
では。その場で足踏み3回、その後正拳突きを2回。これを5回繰り返して理想の乱数を引きます。
合体したダイウルゴスがプラチナムドラグーンに追い立てられこっちに来ますので、後は頭を思いっきり殴れば会心の一撃。確定一発です。
空を見上げる先にあるのは竜の巨体。
翼広げる姿は空を覆い尽くすようであり、また同時に宙を舞うのは小型『ダイウルゴス』の群れ。
終末を予感させるような光景に人は恐れを抱く。
どうしようもないことだ。
ドラゴンはデウスエクス種族の中においても最強クラスとも言われている。長らくケルベロスディバイド世界に生きる人びとにとって、ドラゴンとは恐怖の象徴だったのだ。
故に『おそれ』を抱く。
僅かな『おそれ』であっても十二剣神『原罪蛇メデューサ』は配下を送り込むことができる。
とは言え、このような巨竜を配下としている凄まじさは一層『おそれ』を増長させるものであったことだろう。
「あいも変わらずソウルでりングでボーン。時々コアに、たまには大統領。かねて竜をおそれたまえ……という決め台詞がございますが」
「うーん、コアゲーマーの胸をくすぐるフレーズですねぇ」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)の言葉にイヴ・イングス(RTA走者の受付嬢・Any%・f41801)はしみじみと頷く。
わかりみが深い。
まるでそういうようにイヴは深く深く頷いた。
それは互いにしかわからぬ符丁めいたものであったかもしれない。
少なくとも湾岸の決戦都市の管理者『エイル』博士はよくわかっていなかった。
『よくわからないんだけれども、あれに勝てる手立てがあるということでいいのかな!?』
「違いましたっけ。まぁいいや。ご無沙汰しております『エイル』博士」
『挨拶は後でいいよ。ハロウィン以来かい?』
「店長がお世話になりました」
イヴが通信に向かって頭を下げる。
迫る無数の小型『ダイウルゴス』の姿をジェイミィは捉える。
「では、決戦配備要請、ジャマーを」
「私はディフェンダーで」
『了解! だが、あまり過信はしてくれるなよ。相手は最強クラスのデウスエクス。役に立たない可能性がある』
「構いませんとも。決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』には、あの小型の『ダイウルゴス』を誘導していただきます」
「竜には竜をぶつけるといたしましょす。WARNING:INCOMING ENEMY ATTACK...QUANTUM COPY READY FOR LAUNCH」
ジェイミィの瞳がユーベルコードに輝く。
決戦配備の自律人型戦術兵器が小型『ダイウルゴス』を誘導するように飛翔し、時にはう叩き落されていく。
爆発が巻き起こる中、ジェイミィは見た。
己に対する敵意をむき出しにする小型『ダイウルゴス』を。
その敵意を感じた瞬間、現れるのは竜型無人キャバリア『プラチナムドラグーン』だった。
複製された『プラチナムドラグーン』たちがさらに小型『ダイウルゴス』たちの飛翔を妨げるようにして攻撃を加え、追い詰めていく。
そうなれば無論、追い詰められた小型『ダイウルゴス』たちに残された手段は一つしかない。そう、合体である。
小型であっても合体することによって小型『ダイウルゴス』は強大な力を得るに至るのだ。
「やはり状況を打開するために合体しましたか」
「店長、予想通りというわけですね。飛鳥文化アタックからの派生技、『大化の改新』を披露すれば良い。得意ですよ?」
『なにか専門用語が飛び交っているような気がするのだけれど、気のせいかな!?』
通信の先で『エイル』博士が困惑している。
「失礼。座って……いえ、今からちょっと乱数調整(シマスサセマスサセマセン)しますから、店長は今しばらく持ちこたえていただきたく」
イヴはその場で足踏みを三回。そして正拳突きを二回。
これをワンセットとして繰り返し、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「ここでこの行動を繰り返すことで乱数を固定します」
『乱数調整ってなに!?』
『エイル』博士の疑問も尤もである。
だが、イヴたち猟兵は生命の埒外。理外たる体現者。
『プラチナムドラグーン』に追い立てられた合体『ダイウルゴス』がイヴめがけて飛ぶ。
「いきましたよ、イヴさん!」
「おまかせを。どれだけ巨大化しようとも頭を思いっきり戦えば会心の一撃。確定一発です」
イヴの拳が繰り出される。
それは何の変哲もない正拳突きであった。
だが、乱数調整と言う名のユーベルコードによって|致命致死の一撃《クリティカル・ヒット》を手繰り寄せた、その一撃は合体した小型『ダイウルゴス』の頭部を打ち据え、まるでその結合を解くような亀裂を走らせ、これを見事に滅ぼすのだった。
「乱数調整楽勝でした――!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
うわー……他人のふりっていいますか、ツッコミに困るんですが。
なんといいますか、挫けるとか以前に、
「隣」ってそれ、メイドのポジションじゃないですよね?
『エイル』さん、九号さん、ほんとすみません。
それにステラさん。
いつまでもわたしが|練乳スイーツ《そんなもの》に、釣られ(ぱくっ)
も!?もごごごごごごごご!?(あれ!?条件反射的に!?)
くっ。あまりのシリアスさに、身体が屈してしまいました……。
しかたありません、ここはおとなしく戦いましょう。
ドラゴンと言えば、勇者の敵としては定番ですしね!
決戦配備でキャスターさんをお願いして、UCいっきまーす!
ライブステージからの演奏は、威力も倍増ですよ!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
|エイル様《主人様》の!! 香りがしまァァすっ!!!!
はい、メイドです!
エイル博士お久しぶりです
第九号様はエイル様の横を私にお譲り頂きますよう!
断られても挫けません!
何他人のふりをしてますかルクス様??
新作練乳スイーツは不要だと?
ほーれほれ、口を開けなさーい?
ドラゴンテイマーに興味はありませんが
エイル博士の『平和』を脅かすならば容赦はしません!
決戦配備はスナイパーを申請
ええ、弾丸の雨霰とて掻い潜ってみせましょう
【いかなる時もメイドたるもの】
|飛翔力《ジャンプ力》に優れたクールメイドにお任せください!
トドメはルクス様にお任せしつつ
私は至近距離から的確にダメージを与えていきましょう!
息を吸って、吸って。
「|『エイル』様《主人様》の!! 香りがしまァァすっ!!!!」
いつものと、ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は思っていたのでステラ・タタリクス(紫苑・f33899)から距離を取っていた。
有り体に言えば他人の振りってやつである。
「はい、メイドです!」
だが、ステラには関係なかった。
ルクスの微妙な顔などつゆ知らず。気にしないと言わんばかりに彼女は通信先の湾岸の決戦都市管理者『エイル』博士へとラブコールを続ける。
今、そんなことやっている場合かなぁ、とルクスは思ったが今は他人なので我かんせずという態度を突き通している。
「『エイル』博士お久しぶりです。『第九号』様は『エイル』様の横をお譲り頂ますよう!」
『唐突すぎない?』
「いえ! こればかりは断れれても挫けません!」
隣っていうか、それはメイドのポジションじゃないよなぁ、とルクスは思ったが口には出さなかった。出したら面倒なことになるのは明白だった。
『一体何が君をそこまでさせるんだい? いや、それよりも決戦配備は……』
「スナイパーを要請いたします。それと、そこで何他人のフリをしていますかルクス様。ちゃっちゃと決戦配備のオーダーを『エイル』博士にお伝えくださいませ」
「他人のふりっていいますか、ツッコミに困ってるんですが……いえ、ほんとすみません。『エイル』さん、『第九号』さん、ほんとにほんとにすいません」
「まったく何の心配をしているのですか。謝られるようなことを私、しておりませんが! それにこのような状況です。新作練乳スイーツは不要だと? ほーれほれ、口を開けなさーい?」
こいつら仲いいな、と『エイル』博士は思った。
「いつまでもわたしが|練乳スイーツ《そんなもの》に釣られ、も!? もごごごごごご!?」
ルクスはしれっとステラの差し出した練乳スイーツにぱくついていた。
見え見えの釣り針に引っかかる熊みたいであった。
あまりにも鮮やかな二コマ落ちである。
綺麗に落ちた。
出落ちもいいところである。
「くっ、あまりのシリアスさに、体が屈してしまいました……」
ルクスは話した。
「しかたりません、ここは大人しく戦いましょう!」
『何がしかたなかったのかな……』
「『エイル』博士、どうかおまかせください。正直、『ドラゴンテイマー』には全く興味がありませんが、『エイル』博士の『平和』を脅かすならば、このメイド容赦しません!」
いかなる時もメイドたるもの(ダレガヤベーメイドデスカ)、弾丸の雨だろうがドラゴンの群れだろうが容易く突破してみせるのだ。
飛翔するクールメイドがルクスを抱えて戦場の空を飛ぶ。
本当に見た目だけなら、バディもののシーンとしてバッチリなのだが、内情が内情なだけにどうにも。
「今の私はクールメイド。メイドはクールに主人様の障害を排除するもの。古来より決まっております。古事記にも書いてあります」
「それにドラゴンと言えば、勇者の敵としては定番ですしね! 囚われの姫を救う勇者! ええ、フラワー・オブ・スコットランド、いっきまーす!」
バグパイプをルクスは構える。
え、とステラは思った。
今自分が抱えているんですけど?
この至近距離で演奏する?
正気?
「決戦配備オーダー!『セラフィム』、オン・ステージ!」
吸い込んだ息をルクスはバグパイプに送り込む。
ユーベルコードによって増幅された音は、極大の音響衝撃波を解き放つ。そして、それは『セラフィム』によって増幅され、『ダイウルゴス』を打ち据える。
凄まじい威力。
巨体が吹き飛ぶようにして空に打ち上げられ、失墜するのだ。
ルクスは酸欠状態で、コヒュー、コヒューと息を切らす。
その隣でステラは鼓膜が死んでいた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
私の故郷世界では
ドラゴンとは災害が形をとった者だった
竜を恐れるはひとの本能というものかもしれないが
ならばこそひとの心に勇気を齎すような
勝利を掴んでみせる
ポジションはスナイパーを
私が前に出る。狙撃部隊は援護をお願いするよ
そう要請しつつ、投げた武器に乗って
飛ぶことで近づいていこう
さて勇気が出る戦いというのは
やはり体躯の違いを問わず正面から堂々と戦うこと
大六感と勝負勘を生かしつつ攻撃を武器受け、
反撃に覇気を込めた斬撃をねじ込む
そして相手の必殺の攻撃を覚悟を以て
鍛え上げた体そのもので受け
裁きの光を纏う鉄拳で竜の爪を割り、蹴りで肉体を砕く
これが、《黄金戦姫式格闘術》というものだ
さぁ、次の相手に向かおうか
竜。
それはあまりにも強大な存在である。
あらゆる世界において竜とは特別視される存在であったことだろう。
アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)の故郷であってもそうだった。
災害が形をもったものをドラゴンと呼ぶ。
『おそれ』を抱かずにいられない。
自然の脅威を前にして人はあまりにも無力だった。為す術なく流されていくしかないのかもしれない。
諦めにも似た感情であった。
だが、アンゼリカの胸に宿るのは『おそれ』以上のものであった。
「『おそれ』るのは人の本能というものなのかもしれないが、ならばこそ人の心に勇気を齎すような勝利を掴んで見せる」
己が手に、とアンゼリカは宙を掴む。
ユーベルコードの輝きを前にして『ダイウルゴス』は、その融合した99体の竜たちによる合議を開始する。
確かに敵は自身より矮小である。
しかし、これを覆し続ける存在であるとも知っていたのだ。
「個の力に劣りながらも、我らを退けてきたものたちがいる。オブリビオンとなった我らが身がそれを証明している」
「故に我らは決断を下す」
「ここは滅ぼすべきである」
「上等! 悪いがこのおねーさんの体は!」
アンゼリカの握りしめた光と共に彼女は叫ぶ。
「頑丈なのさ!」
振るわれる『ダイウルゴス』の一撃をアンゼリカは鍛え上げられた肉体で受け止める。
あれだけの体格差があるというのにアンゼリカは『ダイウルゴス』の一撃を受けて尚、拉げることはなかった。
あまりの質量差にアンゼリカが立っていた大地が砕けた。
だが、彼女は砕けない。
黄金戦姫アンゼリカは、黄金の輝き宿したまま見上げる。
「我が身には勇気がある。だが、この勇気を誰かに与えるためには!」
受け止めた『ダイウルゴス』の腕部をはねのけ、アンゼリカは悠然と一歩を前に進ませる。
体格差がどれほどのものかわからない。
それほどまでに『ダイウルゴス』は巨体である。
だが、臆することはない。
自らが鍛え上げてきた肉体がある。そして、胸には砕くことのできない勇気があるのだ。
「『おそれ』を踏み越えて踏み出す一歩を示す必要がある!」
裁きの光を纏う鉄拳の一撃が『ダイウルゴス』へと叩き込まれる。
吹き飛ぶ巨体に飛ぶ黄金の輝き。
煌めく彼女の髪の色がユーベルコードの光を受けて、一層輝く。
空中で身をかがめたアンゼリカは、己が渾身の力を足に込める。
何処まで言っても人は『おそれ』を抱いてしまう。
仕方のないことだ。
けれど、それでも人は『おそれ』さえ踏み越えることのできる勇気を持っているのだ。
アンゼリカは示す。
己の光が『おそれ』を拭うものであると。
「これが、黄金戦姫式格闘術(アンゼリカ・スペシャル)というものだ!」
蹴撃の一撃が『ダイウルゴス』の龍鱗を砕きながら、その身に言えぬ傷跡を刻み込み、失墜した大地にめり込ませるように叩き込まれたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
トラスト・レッドライダー
決戦配備:メディック
ドラゴンから人々を護り、少しでも安心させてほしい。
……でかいな。大きいというのは、脅威だ。
だが、『変身』
ダイウルゴスへメガスラスター【推力移動】
【肉体改造】亡国の主と融合、戦闘力増強。
合議している間に|高周波片手半剣《アンガーブレード》で部位【切断】
鱗をはぎ取り捕食。ダイウルゴスにとっての死神と化す。
人々は脅威を克服する為に、体を、知恵を、心を奮わせている。
ならば、彼らに希望を灯す焔となれ……!!
己が情熱を持って炉心を稼働させ【エネルギー充填】
殺傷力を増した、赤い長大なプラズマ刃を展開し【早業】で【なぎ払い】
龍燐を溶断し【焼却】内部のダイウルゴス達を燃やし、部位を切り離す。
『おそれ』とはどうしようもないものだ。
知的生命体であれば、それは当然のように備えた感情であるからだ。
感情が何の役に立つのかと問いかけるものがいるのならば、それは感情の揺らめきが齎す力を感じたことのないものであろう。
力とは何も敵対者を撃滅するためのものだけではない。
己の生命を危機から遠ざけるための力でもある。
『おそれ』とはすなわち生命の防衛本能。
正しく『おそれ』るからこそ、人は生命を脅威から遠ざけてきたのだ。
しかし、その『おそれ』を利用するものがいる。
十二剣神『原罪蛇メデューサ』である。彼女は『おそれ』抱くもののもとへと転移する。配下である『ダイウルゴス』は、『おそれ』を齎す。
地球の人びとにとてドラゴンとは恐怖の象徴であった。
「少しでも人々を安心させたい」
トラスト・レッドライダー(レプリカントのデスブリンガー・f43307)の胸に抱くのは、そのような思いだけだった。
確かに『ダイウルゴス』の巨体は脅威であった。
そこに在るだけで人びとの『おそれ』を増幅させていくことだろう。
厄介極まりない。
だからこそ、トラストの瞳がユーベルコードに輝く。
「……でかいな。大きいというのは、脅威だ。だが、『変身』」
煌めくユーベルコードとともにトラストはユミルの子『亡国の主』と融合を果たし、踏み込む。
大地を割る勢いで踏み出したトラストは、その巨躯と共に『ダイウルゴス』へと手にした高周波片手剣を叩き込む。
振動する刀身は龍鱗に弾かれても尚、これまで叩き込まれてきた猟兵たちの一撃をなぞるようにして切りつけられる。
もろくなっている龍鱗をトラストの高周波片手剣の刀身が切り裂く。
「我等が龍鱗が切り裂かれる」
「どういうことだ。我等の体は」
「簡単な話だ」
トラストは言う。
振るう手は止めない。
「人々は脅威を克服すうために、体を、知恵を、心を奮わせている」
「そんなことで我等が龍鱗が傷つけられる謂れなどない」
「無力なるものは、我等に『おそれ』るだけであろう」
「強者であるがゆえに。打倒されてオブリビオンとなった今でも、その強者であったころの驕りを棄てられぬというのならば!」
トラストは己の炉心に熱がこもるのを知る。
駆動する炉心よりエネルギーが充填され、片手剣が赤い長大なプラズマ刃を形成していく。
「この俺が人びとに希望を灯す焔となる……!」
それは、ドラゴンにとっての死神の刃身(デス・ブレード)であった。
プラズマ刃が振り下ろされる。
目にも止まらぬ斬撃を『ダイウルゴス』は躱すことはできなかった。いや、驕りがまだあったのだ。
如何に龍鱗砕かれようとも、それでもまだ己は耐えられるという自負があった。
これまでの多くの弱者との戦いが、彼を強者から敗者へと引きずり下ろしたのだ。
斬撃が『ダイウルゴス』の龍鱗砕いた箇所を燃やしながら、その身に痛烈なる痛手を与え、焼き切るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・ラーズグリーズ
ケルベロス、ノエル・ラーズグリーズ、『白銀』……出ます!!
決戦配備:ジャマーを要請後、何機かセントリーガン『ドヴェルグ』を配置しながら白銀で高速走行して
ひっかきまわし、『陽炎』での対空迎撃で応戦します!
確か向こうは何をするにも多数決だとかで「決定と行動そのものは遅い」筈、だから…対応される前に押し切るまで!ジャマーでの妨害に紛れて本命の【機械妖精部隊展開・妨害奇襲】!同時に白銀からも『迅雷』での砲撃を撃ち込みます!
ホント、漫画のテコ入れじゃないんだし、
十二剣神もどうにかできてないうちから新たな敵が出てくるのほんと止めて欲しいんだけど……!
というかまさか「全員は出てこない」とかはないよね…?
『頼んだよ、ケルベロス!』
湾岸の決戦都市の管理者『エイル』博士からの通信にノエル・ラーズグリーズ(楽園の追放者。・f40853)は頷く。
彼女の出撃に合わせるようにして決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』が先導するために飛び立つ。
決戦配備、ジャマーを要請していたおかげか、ノエルの出撃は滞りなく行われるだろう。
「ノエル・ラーズグリーズ、『白銀』……でます!!」
可変式魔導戦闘車両が戦場に飛び出す。
セントリーガンを配置した戦闘車両は高速で荒れ果てた戦場を突っ切るようにして『ダイウルゴス』へと迫る。
「ひっかきまわします!」
ノエルは猟兵やケルベロスたちが『ダイウルゴス』へと打撃を与えている状況を正しく認識していた。
敵は確かに強大。
ドラゴン。
デウスエクス種族の中でも最強クラスの存在である。
その力は、あの巨体を見ればわかる。ノエルの心にも『おそれ』は生まれるだろう。
それは仕方のないことだった。
それほどまでに地球に住まうものにとってドラゴンとは恐怖の象徴であり、代名詞そのものだったのだから。
セントリーガンの弾丸をばら撒きながら、光波迎撃機構「陽炎」から実体弾を加速された弾丸が弾幕のように飛ぶ。
敵の龍鱗を砕くには足りないだろう。
けれど、それでも猟兵たちのユーベルコードで『ダイウルゴス』の龍鱗はところどころ脱落しているのだ。
「数打てばあたるってものでしょう! それに……!」
敵は99体のドラゴンの融合体であるという。
その行動決定は、すべて合議制によって導き出されるもの。ならば、その行動の決定には僅かにラグが生まれる。
なら、その対応に即応させぬためにノエルは弾幕を張り巡らせながら『白銀』と共に戦場を引っ掻き回すのだ。
そのために決戦配備をジャマーに設定し、『セラフィム』による妨害を『ダイウルゴス』に課しているのだ。
だが、『セラフィム』は『ダイウルゴス』に対する決定打になり得ない。
その尾が、爪が振るわれる度に叩き落されていく。
『もう保たないぞ! 準備はできているのかい!』
「ホント、漫画のテコ入れじゃないんだし、十二剣神もどうにかできないうちから新たな敵が出てくるのほんとやめて欲しいんだけど……! いきます!」
ノエルの瞳がユーベルコードに輝く。
「機械妖精・タイプ“ブラックドッグ”展開!……全機、仕掛けて!!」
機械妖精部隊展開・妨害奇襲(コールメタルフェアリー・タイプブラックドッグ)によって召喚された、隠密型機械妖精こそがノエルの本命であった。
これまでの決戦配備と戦闘車両は、このための布石。
「押し切る!」
ノエルの指示と共に機械妖精たちが『ダイウルゴス』に取り付き、砕けた龍鱗の傷跡を抉っていく。
「これなら押し切れる……はず!」
ノエルはさらに戦闘車両から弾丸を打ち込み続ける。
波状攻撃に飽和攻撃。
敵に対応させる暇すら与えず、ノエルは間断なく『ダイウルゴス』を打ちのめすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
ポジション:スナイパー
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』 武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
霹靂に騎乗しての行動よな。
ほんに…執念深いのう…。しかし、それを放っておけるわけがないのよ!
あえて不利な行動をするならば、そこを突けるように。
スナイパーで、出来うる限り行動範囲を狭めて欲しいのよ。こちらは、追いつくでな!
そして、黒燭炎による薙ぎ払いである。おそれを払うかのような、な!
※
霹靂「クエッ」
おじーちゃんを乗せて、限界突破の飛行でしがみつく!負けない!おそれない!
「今よな」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』は、そう告げた。
猟兵とケルベロスによるユーベルコードの飽和攻撃を前に『ダイウルゴス』の巨体が傾いだのだ。
その瞬間を『侵す者』は見逃さなかった。
押し込むのならば今しかない。
敵は巨体にして強大。
加えて、デウスエクスの中に置いても最強クラスであるというのならば、決定的な判断を下すならば今しかないとしたのだ。
決戦配備、スナイパーによって自律人型戦術兵器『セラフィム』から熱線の一撃が集中的に叩き込まれる。
ユーベルコードに寄る傷によって龍鱗は砕けた。
そこに熱線が『ダイウルゴス』の身を穿つのだ。
「我等がこの程度で怯むと」
「思うてはおらぬよ。それに、ほんにその執念深さには頭が下がる思いよ……しかし、それを放っておけるわけがないのよ!」
『霹靂』を駆る『侵す者』は一瞬で『ダイウルゴス』との距離を詰める。
手にした黒い槍『黒燭炎』は焔を宿す。
「四領域・焔極開放(シリョウイキ・エンゴクカイホウ)……確かに竜たるお主等は強大な力よ。だがな。縁断ちて得た力……この一撃を受け止めきれまい!」
熱線迸る戦場に『侵す者』は、その瞳をユーベルコードに輝かせながら『ダイウルゴス』へと突っ込む。
『霹靂』のいななきが聞こえる。
頬を斬るような風と共に『侵す者』は手にした槍を掲げる。
眼の前には強大な存在。
圧倒的な体格差。
どうしようもないほどのものである。
自然界において巨大であるということは、すなわち強者である。
しかし、人がこれまでの歴史において己の体躯より巨大な存在を狩り尽くしてきたことは、純然たる事実である。
ならば、巨躯である者を狩り滅ぼすことのできる要因とはなにか。
いくつかの事柄が挙げられるだろう。
だが、『侵す者』は思う。
確かに得物を作り上げる知性があろう。
遠くに何かを飛ばすに特化した体躯があるだろう。
それ以上に必要なものがある。『おそれ』抱きながら、その『おそれ』事態を乗りこなすための情動。
これこそが己より巨躯なるものを狩り殺す要因。最大にして決定的な事柄である。
故に振るう槍の一撃は『ダイウルゴス』の眉間へと叩きつけられ、砕く。
「馬鹿な、我等の集合体がこうも容易く……!」
「いいや。容易くではない。多くの者たちの知恵と勇気というものが集まればなせたことよ。それを容易くなど言うではないわ」
『侵す者』は『おそれ』を払うように『ダイウルゴス』の体躯を貫き『霹靂』と共に飛翔する。
砕け散った巨体を見下ろす。
そして、知るだろう。
この『おそれ』を持って恐怖の象徴を送り出した者がやってくる、と。
惨禍。
否、恐怖の主。
十二剣神『原罪蛇メデューサ』である――。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『十二剣神『原罪蛇メデューサ』』
|
POW : 蛇蛇獄魔獄狡兎殺
【全身から染み出す「超次元の蛇」】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD : 朧朧蛇蝎奇霊夜行
自身が対象にとって未知の存在である限り、通常の行動に追加して「【広域感染型の金縛り】」「【鎮火できず永遠に追尾する鬼火】」の心霊現象を与える。
WIZ : 歓歓禍禍大虞呪咒
【底知れぬ恐怖をもたらす笑い声】を放ちダメージを与える。命中すると【「おそれ」】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
湾岸の決戦都市に襲来した恐怖の象徴たるドラゴン――『ダイウルゴス』は猟兵とケルベロスによって失墜した。
その屍が鳴動するようにして膨れ上がり、人びとに与えた『おそれ』が集約していく。
それはあまりにも膨大な『おそれ』であった
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
哄笑が響き渡る。
どこから。
そう、『ダイウルゴス』の骸、その腹部が膨れ上がり、内より蹴破るようにして現れたのは十二剣神『原罪蛇メデューサ』であった。
笑い声だけが響いている。
言葉などない。
ただただ、人びとの『おそれ』に呼応しているだけだ。
まるで狂っているようでもあった。
『な、なんだ……この異常な力は! 以前現れた時よりも……!』
湾岸の決戦都市の管理者『エイル』博士は、現れた『原罪蛇メデューサ』の齎す計測値を見やり目を見開く。
恐るべき数値であった。
狂ったように笑う『原罪蛇メデューサ』は、以前現れた時よりもさらなる力を持って猟兵とケルベロスの前に現れたのだ。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
笑い続けている。
一様に。
何も変わらず。
事実狂っているのだろう。すでに、その脳は彼女のものではない。
ただ『愛し子』達を喰らうためだけを目的とし、あらゆる知的生命体を喰らうためだけに己が力を発露する化け物そのものとして、地球に転移してきたのだ。
彼女の姿はさらなる『おそれ』を生み出す。
あらゆる知的生命体を食らわんとする狂気
それが今まさに人々に牙を剥かんとしていたのだった――。
ファルコ・アロー
よーやくお出ましですかクソデカ蛇女!
それも子分の腹の中からたぁやってくれるじゃねーですか!
おいこらてめーら!
軍人みてー仕事してんなら、ちょっと相手が思ったより強そうだからってびびってんじゃねーですよ!
決戦配備、クラッシャー!
行くですよやろーども、あのバカ笑いがこえーってんなら聞こえなくなる程撃ちまくれです!
もちろん先頭にはボクが立つです、こっちが怖がる訳にはいかねーですから。
フルバースト・マキシマムであの全裸蛇女を蜂の巣にしてやるですよ!
超次元だか何だか知らねーですけど、あの染み出す蛇だって一緒に吹き飛ばせるはずです。
それでも撃ち漏らしちまったらかばってやるです!
その分働けですよ、やろーども!
『ダイウルゴス』の骸より現れるは、十二剣神『原罪蛇メデューサ』。
しかし、その威容は以前現れたる時よりも強大であったし、狂気に染まりきっていた。いや、狂っていると言っていいだろう。
ただ眼の前の知的生命体を喰らうことだけしか頭にないかのように、『原罪蛇メデューサ』は笑い続ける。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
「ったく、よーやくお出ましかと思えば、ただ笑って喰らうことしか考えてねーとか、このクソデカ蛇女! 子分の腹の中からたぁやってくれるじゃねーですか!」
ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は、やはり憤慨していた。
決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』を通してファルコは決戦都市の管理者『エイル』博士を叱咤する。
「おいこら! こんな化け物みてーな連中とやり合おうっていのに、ちょっと相手が思ったより強そうだからってビビってんじゃねーですよ!」
『だがしかし、計測された数値を見たまえよ! これは……!』
「ええい、問答無用です! 決戦配備、クラッシャー! 自分の仕事をしろってんですよ! そしたら、ボクたちがあのクソデカ蛇女をぶっ飛ばしてやりますから!」
その言葉に『エイル』博士は気がついただろう。
そうだ、『おそれ』ている暇などないのだ。
戦い、人々を、地球を守るために己ができることはなにか。
そう、自律人型戦術兵器『セラフィム』でもって猟兵やケルベロスを助けることだ。
『すまない。目が覚めた思いだよ!』
「なら、やることやれってんです! 行くですよやろーども!」
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
「そのバカ笑いうるせーってんです!」
ファルコの言葉に従うように『セラフィム』たちが胸部砲口から熱線を解き放つ。
炸裂する熱線は、『原罪蛇メデューサ』から染み出す超次元の蛇たちを打ち据え、ファルコの飛ぶ空を切り開く。
「上等です! 後は任せるです! こっから先は!」
ファルコは恐れない。
どれだけ恐怖を煽る存在が眼の前にいるのだとしても、怯む理由は何一つなかった。
『エイル』博士にああいった手前もある。
だが、それ以上に『おそれ』強いる存在に負けてやる理由なんてないのだ。
故に彼女の瞳はユーベルコードに輝く。
「超次元だかなんだか知らねーですけど! そんなもん全部ぶっ飛ばしてやりゃーいんです! フルバースト・マキシマム!!」
方向と共にファルコは飛翔し、己の武装のすべてを解き放つ。
全武装による一斉射。
その火力は凄まじく、滲み出す超次元の蛇諸共『原罪蛇メデューサ』を打ち据える。
「蜂の巣にしてやるですよ!」
ファルコは己の持ちうる火力のすべてを『原罪蛇メデューサ』に叩き込み続ける。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
嘲笑うような声が響く。
だが、ファルコは止まらない。
『セラフィム』が撃ち落とされても、それでもファルコは己が武装を討ち続ける。
「退くことなんて考えるんじゃねーです! やろーども!」
その言葉に惹きつけられるようにして自律人型戦術兵器『セラフィム』のアイセンサーが煌めく。
『おそれ』など振り払え、塗りつぶせというように放たれる火線とファルコの武装の火が噴出し、超次元だろうとなんだろうと無理を通すようにユーベルコードの輝きが、戦場に明滅するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジークリット・ヴォルフガング
●POW
…蛇は神が創りし動物の中で最も賢い動物だった
蛇はその知恵でアダムを唆し、知恵の木より禁断の実を食させた
その後、蛇はどうなったかは様々な逸話が語らえるが、宛らの神に罰されて|神性《ちえ》を奪われて堕ちた怪物さながらな変貌っぷりだ
以前のような耳障りな甘言を聞かずに済むのは良いとして、知性なき今は神々を倒すに至ったテュポーンと言ったところか
だが、所詮『おそれ』を喰らう蛇は蛇にすぎず
その身は無限に蛇を生み出す怪物と化しても、脳を奪われて狂おうとも、根本は変わらない
|決戦配備要請《ポジションオーダー》、クラッシャー
超次元の蛇らを砲撃で殲滅させ、再び繰り出そうと再生しようとする瞬間に重力の剣を下す
ドラゴンが数多の世界にあって恐怖の象徴であるように、蛇もまた数多の世界において象徴とするものがあった。
「……蛇は神が創りし動物の中で最も賢い動物だった」
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)は見上げる先にある巨大なる
十二剣神『原罪蛇メデューサ』の威容を知る。
かつて転移してきた時よりも強大な力を持つように思えるのは、恐らく『ダイウルゴス』に寄る『おそれ』の収奪が以前よりも遥かに多く得られるものであったからだろう。
だがしかし、そこに知性の輝きは何一つない。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
「嘆かわしいとは言うまい。数多の神話においても蛇はその知恵で他者を唆し、知恵の樹より禁断の実を食させた」
『原罪蛇メデューサ』。
その名が示す通りなのかもしれない。
「その罰か。|神性《ちえ》を奪われて堕ちた怪物さながらの変貌っぷりだな」
とは言え、ジークリットは『原罪蛇メデューサ』の甘言を耳にしなくていいという点においては、その知性を明け渡した狂気だけの存在に遅れを取るつもりはなかったのだ。
己の手にした剣。
星座の重力を宿した剣、ゾディアックソードがユーベルコードに煌めいている。
「知性なき怪物は英雄にて討たれる。神話をなぞるのならば、『原罪蛇メデューサ』、貴様もその轍を踏むと知れ」
ジークリットは踏み出す。
決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』が胸部砲口から放つ熱線が砲撃となって彼女を道行きを照らす。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
笑うだけの『原罪蛇メデューサ』は、その全身から超次元の蛇たちを召喚し、壁とするようにして熱線を受け止める。
だが、その防戦一方たる姿にジークリットは己が手にしたゾディアックソードを振りかぶる。
熱線で『原罪蛇メデューサ』を傷つけることはできない。
ただ、ジークリットは『セラフィム』たちに時間を稼いでほしかっただけなのだ。
決戦配備、クラッシャー。
砲撃でありながら、壁。
『原罪蛇メデューサ』に少しでも知性が残っていたのならば、ジークリットの目論見は打破されていたことだろう。
だが、そこに知性はない。
ただ喰らうことだけしか頭にない怪物は、己に向けられる砲撃をただ防ぎ、受け止め、踏み潰そうとする反射しかない。
動物的反応だとジークリットは思っただろう。
人が自身よりも強大な存在に立ち向かえたのは知性があったからだ。知性が本能を凌駕し、恐怖を克服し、踏み越えてきたからこそ、今日の人類の発展があるのだ。
それは地球外からの侵略者デウスエクスにおいても同様である。
「所詮『おそれ』を喰らう蛇は蛇にすぎず。その身は無限に蛇を生み出す怪物と化しても、脳を奪われてくるおうとも、根本は変わらない」
ジークリットは『原罪蛇メデューサ』が知性を宿さぬ怪物であることを惜しく思う。
これは強敵ではない。
ただの怪物でしかない。
心躍ることもない。
故に、ジークリットは己がゾディアックソードを振り下ろす。
超重力の斬撃は、ゾディアックブレイク。
一閃が天に立ち上り、斬撃は『原罪蛇メデューサ』の身を深く刻むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
お前さんもデウスエクスを統べる
十二剣神の1人というなら
オブリビオンの危険性も知っておくべきだな
まぁ、聞こえてなさそうかね
ポジションはディフェンダーを要請
護りを頼み、突っ込んでいこうか!
相手の超次元の蛇を剣技で切り裂きながら
気合い十分に接近戦を続けよう
全身から染み出す「超次元の蛇」に捕まれば厄介
だが十分に絡み付いたところで《クラッシュ成功!》
ノーダメージで凌ぎ、防御力を維持したまま
怪力を以て蛇を引きちぎり、カウンターの攻撃を入れていく
平和を乱すならば、何度でも相対しよう
いずれ、お前さん達と肩を並べ戦う日が来ること
お姉さんはそれも少し期待してるのだがね
武器巨大化させての覇気全開の一撃で勝利を掴むぞ
深く刻まれた斬撃の痕を体躯に残そうとも十二剣神『原罪蛇メデューサ』は、狂ったように笑い続けていた。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
そこに理性はない。
あるのは狂気だけだった。
知的生命体を喰らうことだけ。
愛することを喰らうことと定義した彼女にとって、それだけが知性を失って尚求めることだったのだ。
故にアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)は、『原罪蛇メデューサ』の体から滲み出すようにして現れた超次元の蛇たちを前にして告げる。
「お前さんもデウスエクスを統べる十二剣神の一人というなら、オブリビオンの危険性を知っておくべきだな」
アンゼリカの言葉は脳さえ明け渡した『原罪蛇メデューサ』に届くことはなかっただろう。
それはアンゼリカも承知の上であった。
言葉さえ届かぬ狂気。
囚われるというよりも、それだけのために存在しているのが今の『原罪蛇メデューサ』。
ならば、後に残る手段はたった一つである。
「決戦配備要請! ディフェンダー!」
アンゼリカの言葉に飛来する自律人型戦術兵器『セラフィム』が構えた盾に超次元の蛇がぶち当たり阻まれる。
しかし、それも僅かばかりの時間しか稼ぐことはできなかった。
確かに超次元の蛇に捕まれば厄介そのものである。
「それは、砕く!」
『セラフィム』が超次元の蛇に噛み砕かれ、アンゼリカへと迫る。
その五体に絡みつき彼女の骨身を締め上げ、砕こうとする凄まじい力。
確かに強烈であった。
だが、アンゼリカの瞳がユーベルコードに輝く。
彼女の体は無敵。
無敵であるということは傷つかないということ。
超次元の蛇が如何に体躯に絡みつくのだとしても、その牙が突き立てられるのだとしても、尽くが彼女に傷をつけるに至ることはなかった。
彼女は信じている。
己の戦いの歴史の結実たる黄金の肉体を。
僅かにも揺らぐことのない自負こそが、彼女の武器だったのだ。
クラッシュ成功!(クラッシュセイコウ)
エンドブレイカーたる彼女の瞳が黄金に輝く。
超次元の蛇たちを引きちぎり、霧散させながら『原罪蛇メデューサ』へと迫る。
「お前さんが平和を乱すならば、何度でも相対しよう」
アンゼリカは己が斧剣の柄を握りしめる。尋常ならざる握力によって振り上げられた斧剣は、巨大化し、更に覇気を身より迸らせる。
強烈な暴風が吹き荒れるようにアンゼリカは踏み出す。
「いずれ、お前さん達と肩を並べ戦う日が来ること。お姉さんはそれも少し期待してるのだがね」
それが叶うかどうかはわからない。
けれど、アンゼリカは思う。
その未来を思う。
訪れないかも知れないということは訪れるかも知れないという裏返し。
ならば、アンゼリカは咆哮するのだ。
どんな悲劇だって打ち砕く。それがエンドブレイカー!
ふるった一撃は『原罪蛇メデューサ』の体躯を切り裂き、その狂った笑い声を吹き飛ばすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ユキト・エルクード
飽きもせず学習もせず乗り込んでくるとは、神ってのは随分と暇なんだな?
悪いが何度来ても結果は同じよ。 理不尽な終焉は何度でも踏み砕いてやる。
決戦配備はジャマーだ。
この間は色々もぎ取ってやったが、今回は趣向を変えて地上からまるっと消えて貰おうな。
相手の呪詛は『霊的防護』を纏いつつ機動力系の技能を駆使して躱しつつ、隙を見てバイオガスや戦闘ヘリの射撃支援に紛れて同時活用可能UC【刻影蝕】を起動し、奴を縛った後本命のUC【黄泉供犠】を叩き込む。
地上の無辜の民を食い荒らしに来た神とやらを、俺の影に潜む連中の馳走にしてやろう。
無駄に山ほど栄養を蓄えてきた悪党の肉は、さぞかし旨いだろうさ。
十二剣神『原罪蛇メデューサ』の再来。
それは地球を守るケルベロスや猟兵たちにとっては、予見されていたことだった。
デウスエクスは滅ぼせない。
オブリビオンではないからだ。猟兵であれば、これが意味するところを知るだろう。
だからこそデウスエクスの来襲には常に後手に回らざるを得ない。
予知で襲来を知っても、それでも滅ぼせないのであれば対処療法であるというほか無いだろう。
故に『原罪蛇メデューサ』は知的生命体を喰らうためだけに注力する。
如何なる盟約があったのかは知る由もない。
だが、確実に言えることが一つある。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
狂ったように笑う『原罪蛇メデューサ』には知性の欠片もなく、ただの狂気だけがそこにあった。
「飽きもせず学習もせず乗り込んでくるとは、神ってのは随分と暇なんだな?」
ユキト・エルクード(亡霊夜警・f38900)は憮然とした様子だった。
諦めが悪いとも言えた。
だが、だからといって地球を、人々の生命を食らわせるわけにはいかないのだ。
故に彼は湾岸の決戦都市から飛来する自律人型戦術兵器『セラフィム』が妨害のために『原罪蛇メデューサ』へと飛ぶ。
しかし、あまり効果はないだろう。
『原罪蛇メデューサ』の笑い声は、聞くものすべてに『おそれ』を生み出し、その『おそれ』をえて彼女は強大になっていくのだ。
「悪いが何度来ても結果は同じよ。理不尽な終焉は何度で踏み砕いてやる」
それがエンドブレイカーである。
諦めない限り終わりはこない。
無法の極地である。
エンドブレイカーである己が諦めなければ、『原罪蛇メデューサ』の齎す滅びは訪れない。
故に、彼女は彼女の求めるところを得られぬまま再び地球から叩き出される運命なのだ。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
「ただ笑うばかりではな!」
ユキトの瞳がユーベルコードに輝く。
影の獣の軍勢が飛び出す。
それは超重力を帯び、すべてを消滅させる。
例外はない。
ユキトは、『おそれ』を持って身を復元していく『原罪蛇メデューサ』の体躯を、己がユーベルコードで削り切ろうとするのだ。
拮抗している。
削り、復元し、それを繰り返す。
「地上の無辜の民を食い荒らしに来た神とやらは、俺の影に潜む連中の馳走にしてやろうというのだ」
疾駆する影の獣の軍勢。
もはや剥ぎ取る、もぎ取るという思考はない。
ただ削り取る。
この地球から丸ごと消えてもらう。
ユキトの瞳は『原罪蛇メデューサ』の笑い声さえはねのけるように輝いていた。
『おそれ』は人の本能だ。
それがなくば、人は生命に迫る危機すら回避できないだろう。
故に、それ自体は否定しない。
彼が否定するのは、ただ一つ。
「これまで無駄に山程栄養を蓄えてきた悪党よ。その肉は、俺の影に潜む獣たちにとっては、さぞかし旨いものであろうさ」
悪党。
人の生命を脅かすもの。
それを許さぬというようにユキトは己の影から獣達を放ち、膨れ上がった『おそれ』を減ずるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・ラーズグリーズ
あ、そういう出方なんだ……キャラに合ってるといえば合ってるんだけども
ってそうじゃなくて。…敵増援を確認!ノエル・ラーズグリーズ、交戦開始します!
あの敵相手に時間を掛けるのは愚策、ここは短期決戦を!
「決戦配備:クラッシャー」を要請します!
同時に『白銀』で駆け回りながらさっきの戦闘で配置して無事な『ドヴェルグ』を全機起動!さらに白銀からも『迅雷』『陽炎』での一斉砲火、おまけに指定マーカー弾を装填し【機械妖精部隊展開・殲壊火砲】を!
白銀の後部ハッチより大規模火砲と火炎操作能力を持つ砲撃・殲滅戦用の機械妖精“イフリート”隊を発進、マーカー弾着弾点へと砲兵部隊全機での集中砲火を撃ち込み続けます!
巨大な竜『ダイウルゴス』の骸、その腹を引き裂くようにして出現した十二剣神『原罪蛇メデューサ』の姿にノエル・ラーズグリーズ(楽園の追放者。・f40853)は、キャラに合っていると思った。
確かに少しは驚いた。
これは認めるところである。
けれど、それはある意味でテンプレートであるようにもノエルには思えたのだ。
有り体に言えば、新鮮味がない。
「って、そうじゃなくって」
ノエルは戦闘車両の中で頭を振る。
そう、今はそれどころではない。連戦に次ぐ連戦である。
敵はデウスエクスの頂点たる十二剣神の一柱。
ここで怯んでいては、地球は救えない。
「敵増援を確認! ノエル・ラーズグリーズ、交戦開始します!」
『決戦配備は!』
『エイル』博士の通信にノエルは頷く。
『原罪蛇メデューサ』は恐るべき敵だ。『おそれ』があるかぎり彼女は力を増幅させていく。故に、短期決戦。
時間を掛けるのは愚策の中の愚策。
故に選ぶはただひとつ。
「決戦配備、クラッシャーを要請します!」
その言葉に応えるように自律人型戦術兵器『セラフィム』たちが胸部砲口から熱線を『原罪蛇メデューサ』へと放つ。
凄まじい熱量がほとばしり、身より滲み出した超次元の蛇たちを焼き払っていく。
だが、それでも『原罪蛇メデューサ』は笑い続ける。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
知性感じさせぬ狂気に満ちた笑い声。
確かに恐ろしい。
けれど、ノエルはその恐怖を振り払うように戦闘車両で駆け回り『ダイウルゴス』との戦闘に置いて無事だったセントリーガンを全機起動する。
「一番から三番、八番から十一番までは無事なら!」
戦闘車両より放たれる弾丸が一斉に『原罪蛇メデューサ』に飛ぶ。
熱線と弾丸。
それらを持ってしてもようやく滲み出す超次元の蛇を留めるに至るのだ。
「もう一つおまけに! 指定マーカー弾装填!」
発射されるカラフルな爆煙を吹き出す榴弾が『原罪蛇メデューサ』の周囲を包み込む。
「機械妖精・タイプ“イフリート”砲兵隊準備……よし!」
彼女の言う通り、それはマーカーであった。
飛び出した機械妖精の砲兵部隊が戦闘車両の後部ハッチから飛び出し、火砲を構える。
飽和攻撃。
そう、『原罪蛇メデューサ』のちからの源は『おそれ』だ。
知的生命体であれば、抱かずにはいられない感情。
故にノエルは爆煙と火砲による苛烈なる砲火でもって、これを塗りつぶす。
「人の『おそれ』を得て強大になっていくっていうのなら、それを全部!」
自分のユーベルコードで塗りつぶす。
火砲で、爆煙で。
どんな手段を講じても塗りつぶす。
そう、『おそれ』は抱かざるを得ない感情。なかったことに出来ないし、完全にコントロールなんてできない。
だが、その『おそれ』故に人は知恵持って、これを克服するのだ。
ノエルはそれを示すように己が持てる火力のすべてでもって人々の視界を塗りつぶし、『おそれ』の根源たる『原罪蛇メデューサ』を覆い隠すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
トラスト・レッドライダー
原罪蛇メデューサ。
己が知性すら投げ打つ|それ《狂気》を、愛を呼ぶのなら……。
|『変身・十束征嵐』《チェンジ・ストーム・ハンド》
嵐神へと変じ【神罰】神格たるメデューサとその身から染み出た超次元の蛇を、同じく超次元嵐の暴風と雷、斬撃波を以て押し留め、蛇達を【なぎ払い】射線を切り開き、決戦配備:クラッシャー!
セラフィム!
セラフィムの砲撃を撃ち込ませ【早業】砲撃に気を取られている間隙に距離を詰め【怪力】全力を以て剣を振るい、メデューサを【切断】する
嵐神の斬撃波嵐撃、その全てを、メデューサへ叩き込もう…!!
……人々へ知恵を授けた事に、ありがとう、そしてすまない。
その狂愛を、受け入れる訳にはいかんのだ!!
喰らうことは愛すること。
愛したのは喰らうため。
『おそれ』を抱く知的生命体はすべてが十二剣神『原罪蛇メデューサ』の愛し子であった。
そう、彼女は何処まで言っても喰らうことしか考えていない。
脳さえ明け渡した今であっても、残されていたのはたった一つ。
愛すること。即ち、喰らうことであった。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
狂った笑い声をトラスト・レッドライダー(レプリカントのデスブリンガー・f43307)は聞いただろう。
「『原罪蛇メデューサ』。己が知性すらなげうつ|それ《狂気》を、愛と呼ぶのなら……」
その瞳がユーベルコードに輝く。
「十束征嵐(ストーム・ハンド)――神も魔も、等しく薙ぐ嵐を征せ」
変身。
ユミルの子たる『亡国の主』と融合し、現れるは『嵐神』。
吹き荒れるような力の奔流。
削られ、爆煙に打ちのめされて尚『原罪蛇メデューサ』は健在だった。
身寄り滲み出す超次元の蛇。
一斉にトラストが変じた『嵐神』へと襲いかかるようにして飛ぶ。
だが、それをトラストは同じ次元……即ち超次元の暴風と雷でもって吹き飛ばす。
荒れ狂う戦場の中に立つは二つの巨人。
かたや『おそれ』の権化。かたや嵐の権化。
「『セラフィム』!」
トラストの言葉に呼応するようにして暴風を切り裂くようにして自律人型戦術兵器『セラフィム』の胸部砲口から火線が迸る。
熱線の一撃が『原罪蛇メデューサ』の体躯を貫き、その肉を灼く。
しかし、『ダイウルゴス』が集めた『おそれ』は膨大そのものだった。
どれだけ熱線で焼き滅ぼしても尚、その身は復元していくのだ。
キリがない。
だが、無限ではないとトラストは理解していた。
故に己が暴風で持って超次元の蛇を吹き飛ばし、『セラフィム』の熱線で身を穿つのだ。
「どれだけお前が愛していたとしても」
喰らうことと同義であるのならば、トラストは許容できない。
命を奪って生きるのが生命である。
わからないでもない。己たちが喰らわれる側に回っただけのことなのかもしれない。
けれど、それでも明日を求める人々がいる。
己はそれに答えたいと思う。
そう思える知性が宿ったことこそ、『原罪蛇メデューサ』のもたらしたものであるのかもしれない。
「……人々へ知恵を授けたことに、ありがとう、そしてすまない」
知恵あるからこそ、トラストは思うのだ。
その愛は狂っている。
許容してはならない。受け入れてはならない。
「明日を求める人々のためには!」
踏み込み、超次元の嵐が具現化したような一撃を『原罪蛇メデューサ』へと叩き込む。
「お前の狂愛を受け入れるわけにはいかんのだ!!」
『おそれ』さえも巻き込んで打ち込まれた一撃は、明日という未来に立ちふさがる障壁を吹き飛ばすように炸裂し、『原罪蛇メデューサ』の胴を穿つのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
日向・向日葵
◎POW/アドリブとかお任せ
まぁ、悪趣味(ダイウルゴスのお腹から出てきたメデューサの感想)
…ふーん、純粋な力だけで求めた成れの果てか。
知能がないと知っただけでこんなにやりやすくなるなんてね
悔しいけどさっさと倒して、お引き取り願おうデウスエクスだし
鎧無視攻撃、一斉発射、切断、串刺し、リミッター解除、限界突破のユーベルコードでメデューサを一掃し、接近を許さないよ
攻撃を受ける前に全力をぶつけて叩き潰すイメージだよ
相手からの攻撃は、空中機動、受け流し、戦闘演算を利用して攻撃を受け流したり予測して回避するよ
そろそろ、ドラゴンテイマーとお目にかかれるかな?
「まぁ、悪趣味」
日向・向日葵(オラトリオの迷い人・f40855)は『ダイウルゴス』の腹を蹴破るようにして現れた十二剣神『原罪蛇メデューサ』の姿に思わずそう漏らしていた。
おぞましき姿である。
知性があるとは到底思えない。
それほどまでに彼女は狂っていた。
喰らうことと愛することを同義とするデウスエクスの頂点、その一柱。
彼女はそれだけができればよかったのだ。
喰らうこと。
愛したのは、喰らうため。
知性を与えたのは『おそれ』させるため。
それが彼女の舌に甘美なる味わいを齎すものであると知っているから。
故に彼女は笑う。
狂ったように、いや、事実狂っている。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
「どうしようもありませんね、これは。純粋な力だけで求めた成れの果てか」
知性を感じさせない。
ただ狂気だけがそこにある。だが、向日葵は思う。
なら、やりやすい、と。
知性なく力を振るうだけであるというのならば、知性でもって『おそれ』を克服してきた人類にとって『原罪蛇メデューサ』は猛獣と変わらない存在であった。
「悔しいけど、さっさと倒してお引き取り願おう」
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
迫る超次元の蛇を己が武装で切り裂く。
放たれるアームドフォートに搭載された火器が爆風を遊ばせる。
限界は越えている。リミッターは解除されている。
この攻勢でアームドフォートは使い物にならなくなるだろう。けれど、それでも構わない。眼の前にいるのは猛獣だ。
それもとびきり危険な。
だからこそ、己がすべてを打ち込む。
例え、超次元の蛇が迫るのだとしても、己に到達する前に火力で押しつぶすだけである。
「景気よくぅ……行ってみようかっ!」
余力を残すつもりなどない。
全武装の一斉射。
火線が戦場に線を引き、己と『原罪蛇メデューサ』との間を爆風で分かつ。
胴を穿たれた『原罪蛇メデューサ』は、その傷を癒そうとしていない。いや、癒せないのだ。
これまで猟兵とケルベロスのユーベルコードが確実に『原罪蛇メデューサ』の持つ『おそれ』を減じてきているのだ。
押し切れる。
向日葵は確信する。
けれど、同時にデウスエクスの、オブリビオンの策動がこれで終わりではないと。
この戦いの裏に控える存在。
「『ドラゴンテイマー』……そろそろお目にかかれるかな?」
竜さえ従え、十二剣神の一柱すらも手駒にする存在。
その力が恐るべきものであることは言うまでもない。
オーバーヒートを起こすように白煙を上げたアームドフォートが大地に落ちる。
向日葵は、己が全力を叩き込み、かしぐ巨体を見上げるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
【いつもここから】
あらー……これどう見ますイヴさん。
……ですよねぇ。多分アレおそれ食べすぎて啓蒙が上がりきっちゃったんでしょうねぇ。
多分今の我々、彼女には触手の化け物かなんかに見えてますよ。
……そうかそっちが最近のトレンドでしたか。
では……オーダーはジャマーを維持。
確かにあちらは未知の存在ですがあちらにとっても我々は未知の存在。
プラチナムドラグーンの特殊装甲であの攻撃を反射してみましょう。
プラチナムドラグーン、集合!
あ、ちなみにこちらの情報的不利に関してはもちろん解除させてもらいますよ。
何故ならばこちらには優秀な受付嬢兼システム屋さんがおります故。
イヴさん! 情報開示お願いします!
イヴ・イングス
【いつもここから】
いやーこれは…色々キメてしまわれましたねぇ…。
うーん、私の見立てだとこれはおそれの恵みを生でいっとる感じがしますねぇ。
脳みそがパチパチ弾けて幸せになってるのかと。
一応流れ弾に備えてオーダーはディフェンダーを維持してください。
ちょっと私アレをなんとかできる力を持ってまして。
電脳生命体の底力、見せてやりますとも!
イエスマイ店長! 万事お任せを!
Admin権限によりステータスオープン!!
幽霊の正体見たり枯れ尾花、と申しまして。
貴方の情報はもうばっちりまるっと……ネットの海に大放流してまーす!!
民衆のおそれも正体がわかれば激減!
あ、ほらエイルさん見てください。彼女の黒歴史がこんなに。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
胴を穿たれ、身を焼かれてもなお十二剣神『原罪蛇メデューサ』は狂ったように笑っていた。
『おそれ』を減ぜられ、身を復元する速度が落ちている。
確かに消耗していると見えるが、それでもまだ戦えるだけの力を有しているようだった。
強大そのものと呼べるにふさわしい力だった。
だが、彼女が失った知性はあまりにも大きな代償である。
「あらー……これどう見ますイヴさん」
「いやーこれは……色々キメてしまわれましたねぇ……」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)とイヴ・イングス(RTA走者の受付嬢・Any%・f41801)の二人は『原罪蛇メデューサ』の姿を認めて、互いに顔を見合わせていた。
「……ですよねぇ。多分アレ『おそれ』食べすぎて啓蒙が上がりきっちゃったんでしょうねぇ」
「うーん、私の見立てではこれは『おそれ』の恵みを生でいっとる感じがしますねぇ。脳みそがパチパチ弾けて幸せになってるのかと」
「多分、今の我々、彼女には触手の化け物かなんかに見えてますよ……そうか、そっちが最近のトレンドでしたが」
一体何の話をしているのか、恐らく猟兵以外のものにはわからなかっただろう。
猟兵であってもわからなかったかもしれない。
ともかく、二人は決戦配備の『セラフィム』の防壁に囲われながら対抗策を打ち出す。
「確かにあちらは我々にとっては未知の存在ですが、あちらにとっても我々は未知の存在。ならば、『プラチナムドラグーン』、集合! SPESIFIC A.I. REPRODUCT FRAME LAUNCH...CALL:DRAGNER」
ジェイミィのアイセンサーがユーベルコードに輝く。
『セラフィム』と共に飛び立った『プラチナムドラグーン』は、即座に『原罪蛇メデューサ』の放つユーベルコードを解析し始める。
反射するためには一度受け止める必要がある。
『原罪蛇メデューサ』は、未知なる鬼火と広域に渡る金縛りを放っている。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
狂ったように笑う『原罪蛇メデューサ』のことを理解はできないだろう。
なぜなら、理解しようにも、その頭にすでに脳はない。
すべてを明け渡しているからだ。
ただ喰らうことだけ。
それだけのために『原罪蛇メデューサ』は脳を『ドラゴンテイマー』に明け渡したのだ。
「確かに恐るべき存在なのでしょう。単一の目的のためだけに特化した存在。我々の言葉さえ遮る狂気。ですが、こちらには優秀な受付嬢兼システム屋さんがおります故!」
「ええ、電脳生命体の底力見せてやりますとも!」
イヴの瞳がユーベルコードに輝く。
『セラフィム』の防壁によって金縛りと鬼火を免れたイヴは、そのユーベルコードを『原罪蛇メデューサ』へと突きつける。
「イヴさん! 情報開示お願いします!」
「イエスマイ店長! 万事おまかせを! ステータスオープン!!」
イヴは『原罪蛇メデューサ』の情報を開示する。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。
そう、柳の下に佇む幽霊さえも、それが近づけば、解像度はあがる。
他愛のないものだと笑い飛ばすことがえきる。
故に、イヴは『原罪蛇メデューサ』がデウスエクスに変わりなく、ただこれまで襲来した存在よりもただ強いだけの存在であることを開示する。
『おそれ』が如何なるものかを理解できるのならば、それはもう『おそれ』ではない。
不可解は恐怖を生む。
だが、不理解は理解への架け橋であるのだ。
知性を宿した人に理性が宿るように、『原罪蛇メデューサ』は己が知性を手放したことを後悔すべきだったのだ。
「『おそれ』を知性で照らし、その暗闇を払ってきたからこそ人は繁栄してきたのです」
それが未来へとつながる可能性というものだ。
イヴの開示した情報は瞬く間に広がり、『原罪蛇メデューサ』の得た『おそれ』を霧散させ、その強大さを減じていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
うわ……。
ステラさん、ステラさん、あのひと服着てないですよ!
えっちぃのはいけないと思いま……って、あれ?
あれれれれ?
あのえっちぃ蛇もどきさんから、倒さないといけない匂いがします。
これってひょっとして勇者案件です!?
こんな時のためにとっておいた、
とっておきの練乳を使うときがきたみたいですね……。
ステラさん、はい練乳。あーんしてください!(口を開けて待つむーぶ)
えへへへへし、これでエネルギー補給は完璧です!
それにしても、戦う前に服着てもらえないでしょうか。
あのままだと地上波NGですよ?
絆創膏だけでもいいですから!
だ、だめですかー。
ならしかたありません。見える前に素早く倒さないとですね!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
ともあれ
原罪蛇メデューサ……また相まみえることがあろうとは
というか、エイル博士にプレッシャーかけるのやめていただけます?
『エイル博士』の場合、こういう圧には弱いと思いますので
『第九号』様、エイル様のガードを!(?)
それではルクス様、って
着眼点そこ!? いえ、えっちぃんですかね?アレ……?
やはり芸術面ではルクス様とご一緒出来なさそうです
と思ったら勇者が反応してるツッコミ忙しいんですが!!
はいはい、あーん
甘いですか? 美味しいですか?
お望みのままに栄養補給させまして頭もなでなでしておきましょう
よし戦闘!
ルクス様の行動を【アウクシリウム・グロウバス】で支援
ここはメイドにお任せください!
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は現れた十二剣神『原罪蛇メデューサ』の姿と重圧を覚えていた。
再び相まみえる。
それはデウスエクスの性質を考えれば当然の帰結であったかもしれない。
「ともあれ、というか」
ステラの関心事はそこではなかった。
再来、襲来、来襲。
そのいずれもが彼女には関係のないことだった。
彼女が腐心すべきことはただ一つ。
「『エイル』博士にプレッシャーをかけるのやめていただけます?」
ステラはどこまで行ってもステラであった。
そう、どんなに緊迫した事態であろうと、緊急事態であろうとも、彼女はぶれない。
頑固一徹ではない。
メイド一徹なのである。
「『エイル』博士の場合、こういう圧には弱いですよね。わかっておりますとも。なぜならメイドでございますから」
『確かに恐ろしいとは思うんだけれど、今別の恐ろしさみたいなものを私は今感じているよ』
「それはいけません!『第九号』様、『エイル』様のガードを!」
どう考えても、別の恐ろしさというのはステラのことなのだが、まあ言わぬが華だな、と『第九号』は演算したかもしれない。
要らんことを言わないのがAIの良いところである。
そんな謎のやり取りが行われている端でルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は手で顔を覆っていた。
「うわ……ステラさん、ステラさん、あの人服着てないですよ!」
ルクスは覆った掌、その指の隙間からチラ見していた。
しっ、見るんじゃありません!
本来のステラ的には、そういう行動を取るのが正しかったのかも知れないが、今のステラはメイドっていうか、メイドという名のなにか別のあれなのでメイドらしいムーヴにご期待できません状態である。
「着眼点そこ!? いえ、えっちぃんですかね? アレ……?」
ステラは思う。
だいぶ麻痺ってるような気がしないでもない。
「えっちぃのはいけないと思いま……あれ? あれれれ? あのえっちぃ蛇もどきさんから、倒さないと行けない臭いがします。これってひょっとして勇者案件です!?」
「まあ、いつだって勇者案件だと思いますが。ツッコミが忙しいので程々にしていただきたいです」
「そうですよ! これは練乳あーんしてください!」
口を開けてひな鳥の構え。
ステラは、練乳を手渡されて嘆息する。
「はいはい、あーん」
ノールックで練乳チューブをルクスの口に搾る。
なんていうか、手慣れたもんである。
というか、それでいいのか。
「えへへへへ、これでエネルギー補給は完璧です!」
いいんだ。
「甘いですか? 美味しいですか?」
なでなで。
ノールックなでなで。
というか、戦場でこんな悠長なことをしているのは二人だけだった。
他のみんなを見習って。
「こうでもしないと勇者が動かないではないですか。仕方のないことです」
「そうです! それに戦う前に服を着てもらいたいです! このままだと地上波NGですよ?」
センシティヴなので、地上波でもネットでも配信でもダメえす。
「絆創膏だけでもいいですから!」
「むしろ、それは逆に、というやつではないでしょうか」
「そ、そうですか? だ、だめですかー」
隠すことでエロスを覚えるのは古来より紡がれてきた人の性というやつである。
隠されることで余計に情欲を煽るのも人の性。
人の性って便利な言葉である。
こう言っておけば許されるという風潮さえあるような気がしないでもない。
「なら、しかたありません。見える前に素早く倒さないとですね!」
巨大音叉から放たれる調律波。
そして、メイドたるステラは、ルクスの援護に回る。
「はぁ……これもメイドの務め」
そうかなぁ、と『エイル』博士は思った。
けれど、まあ、一応は『原罪蛇メデューサ』と戦おうとしてくれているのだ。言うだけ野暮ってもんだろうと彼女は思い、二人の戦いを見守るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
いっけー!ポジクラで囮役の爆薬満載セラフィムくん!
やられたー!
やっぱこれその予算でミサイルでも撃った方が経済的じゃない?
●おそれとは
それにしても…んもーしつこいんだからー
おそれおそれって…ボクの方がよっぽど畏れられて敬われて崇められて愛されてるんだからね!
でも考えてみたらボクは信仰でパワーアップとかしないタイプ!
おそれとは諦めに非ず
恐れが生きる為の反応であるように人がそれに処するためのもの
そうつまりみんなはキミのことどっかいっちゃえーっ!って思ってるのさ
ねえみんなもそう思うでしょ!
とUC『神心』を発動!そのおそれを束ね次元の裂け目生み出す次元斬りでズッバーーーンッ!!
空中を飛ぶは自律人型戦術兵器『セラフィム』。
湾岸の決戦都市に配備されている決戦配備を齎す兵器である。その『セラフィム』が爆薬を満載したまま十二剣神『原罪蛇メデューサ』へと特攻を欠けたのだ。
囮、とも言える。
しかし、その爆発は『原罪蛇メデューサ』を傾がせることもなかった。
「うーん、やっぱりやられたー! ねえ、これその予算でミサイル撃った方が経済的じゃない?」
まったくもってそのとおりである。
正直に言って、その方がよほどいい。短期的に見れば、である。
人型戦術兵器の利点は多くない。
多くが戦闘機や戦車、艦船、ミサイルといった近代兵器が役割をこなすことができる。
開発費と言ったものを考えれば、安易で安価である。
メリット等ただ一つしかないのだ。
『言わんとしていることはわかっている。でも、これは長期的に見据えなければならない問題だとは思わないかね』
湾岸の決戦都市の『エイル』博士の言葉にロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は笑い飛ばした。
「おもわなーい! っていうか、言いたいことわかるけど、それで滅ぼされちゃったら本末転倒でしょー!」
言わんとしていることはわかる。
長期的に戦いを続けるのならば安易な手段と兵器に頼るべきではない。
どこかでブレイクスルーしなければ、この侵略戦争は終わらない。
なぜなら、この戦いに落とし所などないのだから。
「わかってるけど、それにしても、んもー……しつこいんだからー」
ロニの体を縛る金縛りと迫る鬼火。
『原罪蛇メデューサ』の笑い声が響き渡る。
「おそれおそれって……ボクの方がよっぽど畏れられて敬われて崇められて愛されてるんだからね!」
ロニは胸を張る。
でもまあ、ロニは信仰でパワーアップとかしないタイプの神様である。
「だからこんなこともできちゃうのさ!」
ユーベルコードに輝くロニの瞳。
神心(ゴッドウィル)は、そのキラメキによって全世界の生命の意識と無意識に呼びかける。
「おそれとは諦めに非ず。恐れが生きるための反応であるように人がそれに処するためのもの。そうつまりみんなはキミのことどっかにいっちゃえーっ! って思ってるのさ」
その言葉は『原罪蛇メデューサ』には届かないだろう。
なぜなら、彼女の脳はすでに明け渡されている。
彼女は考えない。
彼女は悩まない。
彼女は改めない。
そう、如何なる言葉も彼女には届かない。
ただ、笑うだけである。
狂ったように、笑い、喰らうことだけのために手を伸ばすのだ。
「みんなもそう思ってる。だから!」
ロニは『おそれ』を手繰り寄せ、胴を穿たれた『原罪蛇メデューサ』へと、次元の裂け目を生み出すような手刀の一撃を叩き込む。
次元を切り裂く手刀は荒唐無稽そのものであったことだろう。
けれど、それは人の希望や、夢、業の集約であった。
その前には『おそれ』は意味をなさない。
斬撃となった手刀は、確かに『原罪蛇メデューサ』の体躯を袈裟懸けに切り裂くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
決戦配備:スナイパー
引き続き『侵す者』にて
武器:灰遠雷
霹靂に乗っておるが…まあまたデカいのよなぁ、あやつ。
しかし、以前より油断ならぬ相手であるか。
さて、スナイパー配備は、あの笑い声が聞こえる範囲を狭めるためよ。聞こえないのなら、被害は少なくなるしの。
わしはまあ…四天霊障で音遮断しておるし、霹靂がずっと鳴いておるし。
攻撃は、灰遠雷による雷+炎属性射撃攻撃よ!これで傷つかば、【おそれ】とは違う呪いがあやつに襲いかかろうな。
スナイパーの攻撃がいいところに当たったりするであろ。
※
霹靂「クエエッ!」(大音量)
負けずに鳴く。怖くないもん!
かしぐ巨体があった。
十二剣神『原罪蛇メデューサ』。
その威容はかつて在りし姿よりも強大であった。しかし、猟兵たちのユーベルコードで『おそれ』は減ぜられ、胴は穿たれ、体躯は切り裂かれている。
揺らめくようにして巨体がまだ存在している。
揺れているのは、笑っているからだ。
彼女は心の底から笑っている。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
狂ったように笑っている。
脳さえ明け渡して尚、笑っているのだ。
彼女にあるのは、ただ一つ。
愛し子を喰らうことだけだ。愛することと喰らうことは同義。
それだけなのだ。
「以前より油断ならぬな。ああなっても尚、喰らうことを求めるか」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』は、自律人型戦術兵器『セラフィム』の砲火の中にあってなお、笑う姿に頷く。
ただ一つのことだけのために知性すらなげうつ存在。
その力は恐るべきものであった。
胴穿たれても、身切り裂かれても、それでも愛すると言う名の行為、喰らうことをやめられない姿に、油断することはなかった。
放たれた『セラフィム』たちからの砲火。
それが『原罪蛇メデューサ』の笑い声を塗りつぶしていく。
「クエッ!」
ヒポグリフの『霹靂』がいななく。
あの笑い声に負けじと咆哮しているのだろう。
「よいな。怖くないと言うか」
「クエッ!」
ならば良い、と『侵す者』は己の一撃を『原罪蛇メデューサ』へと叩き込む。
それは僅かに『原罪蛇メデューサ』の体躯を傷つけるものであった。
しかし、その傷跡は『おそれ』で復元されない。
『おそれ』が減ぜられているから、ではない。
それがユーベルコードであるからだ。
癒えぬ傷跡を付与することによって『原罪蛇メデューサ』は連鎖する呪いに絡め取られたのだ。
かしぐ体が大地に手をつく。
瞬間、そこに砲火が飛ぶ。あらゆる行動が『原罪蛇メデューサ』を追い詰めていくのだ。
それは決して逃れ得ぬ網目に囚われたようなものであり、もがけばもがくほどに、その身を滅びへと導くのだ。
「デウスエクスゆえに滅びることはないのであろうが……それでも」
『侵す者』は見る。
もがくように伸ばした天にあるのは生命ではない。
そこに彼女の求めるものはない。
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍!!」
狂った笑い声は、最後まで狂気を拭うことはなかった。
あるのは、空間の裂け目に消えていく巨体のみ。
デウスエクスは不滅の存在。
この撃退は打倒ではない。
ただの場当たり的な対処でしかないのだ。けれど、脅威は去ったのだ。
胸をなでおろす人々がいるだろう。
だが、戦いはこれで終わりではないのだ。
そう、連戦に次ぐ連戦。ならば、これで終わりなど有りえない――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「そうだ。終わりではない。六番目の猟兵」
その言葉が響いた瞬間、猟兵とケルベロスたちの周囲にあった自律人型戦術兵器『セラフィム』が爆発する。
爆風が猟兵たちの身に降り注ぎ、その身に傷を作るだろう。
それだけではなかった。
『格納庫で爆発!? 一体何が……!』
『博士、決戦配備、自律人型戦術兵器『セラフィム』全機大破。出撃できません』
サポートAI『第九号』の言葉に『エイル』博士が呻く。
この湾岸の決戦都市の決戦配備すべてが爆発して損失してしまったというのだ。
即ち、これでは猟兵達をサポートすることができないのだ。
決戦都市のあちこちで爆発による爆煙が上がり、炎が噴出している。
それを為したのが、声の主『ドラゴンテイマー』である。
「『飛ぶ蛇』は必ず堕天する。これは必定。故に炎の破滅の魁は、己が主題、命題を失ってただの鉄塊へと変わり果てたか。哀れなものだ。これが第三十五世代の『セラフィム』の末路とはな。意志生み出すこともなく、自我保たず、十分なサイキックエナジーを得ることもできず、ただ滅びゆくだけのものなど」
『ドラゴンテイマー』は興味など微塵もないと言うように破壊された『セラフィム』の残骸の上に立つ。
「脱線したな。『原罪蛇メデューサ』は、愛を喰らうことと定義した。それは他の何者にも譲らぬものであると。その愛で世界を滅ぼすのならば、私が与するに相応しい」
彼は身より凄まじい重圧を発する。
そして、猟兵達を見下ろす。
空に広がる翼はまさしく竜翼。
身にまとう紫のガスは、常に彼の周りにありて漂い続ける。
赤い剣の刀身が妖しくきらめき、その力の発露を待ちわびるようだった。
「お前たちは世界の危機となれば駆けつける。そういうスタンスであるということは理解した。そうであるのならば」
生命の埒外たる猟兵。
その六番目を滅ぼす。
『ドラゴンテイマー』は多くを語らず、その力を振るう。
戦いは終わっていない。己たちが敗北すれば当然、世界は滅ぼされるだろう。
故に猟兵達は、傷つきながらも、その瞳をユーベルコードに輝かせるのだった――。
ジークリット・ヴォルフガング
●POW
【ケルライダー】
此度の黒幕、ドラゴンテイマーか
その名の通りに元来は竜使いだろうが、蛇使いに身を落とすとは聞いて呆れる
しかし、私の世界と同じであれば未だ姿を見せぬ十二剣神の一柱にドラゴンが居るかもしれぬ
奴と迎合させれば水を得た魚となる『おそれ』があるならば、ここで一旦骸の海へ再びお帰り願おう
赤き剣と刃を交えるが、勝負平行線を辿り決着は付かず
|決戦配備《セラフィム》を封じた事で勝ったつもりだろうが…生憎、私には頼れる|仲間《サーヴァント》が居るのでな?
遅かったな、シルバーブリット
勝負は一旦仕切り直し、距離を取ったダイウルゴスの群れをシースユニットを展開した『フォートレスキャノン』で駆逐だ
真・シルバーブリット
●POW
【ケルライダー】
金のボディに勇気を乗せて、灯せ平和の前照灯!
ブレイブケルベロス、シルバーブリット!只今到着完了!!
遅かったな…って言ってもね、ジーク
スタンバってたら予め仕掛けられた爆薬で爆発した建物とか瓦礫が散乱する道を何とか走破してきたんだよ
何とか時間通り着いたら、真面目モードで斬り合っている現場に遭遇だもん
ここで言い争ってもしょうがないし、ダイウルゴスの群れが押し寄せてきてるんだから乗った乗った
ジークが僕たちを取り囲んでいるダイウルゴスの群れを剣で追い払っている間に、出来るだけ距離を取るように走るよ
後は人型モードに変形して、僕もジークに合わせた【ファイナルキャノン】でWキャノンだよ
身にまとう紫のガスが妖しく立ち込める。
体が重たくなったような気がした。
身に降り注ぐ重圧。それは眼の前の存在『ドラゴンテイマー』より発せられているものであることをジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)は自覚しただろう。
「此度の黒幕『ドラゴンテイマー』か」
その名の由来をジークリットは、そのままの意味での竜を使う者であろうと理解した。
だからこそ、『原罪蛇メデューサ』を手駒とした彼を一笑に付す。
「蛇使いに身を落とすとは聞いて呆れる」
「どう捉えてもらっても構わん。私は『持ち帰る』だけだ。そして、彼女の愛が世界を滅ぼすというのならば、それだけで私が与する理由に値する。それだけだ」
彼の言葉にジークリットは警戒する。
もしも、と仮定の話をするのは憚られるが、しかし懸念はあるのだ。
十二剣神はすべてが詳らかにされているわけではない。
ならば、未だ姿を見せぬ十二剣神の中に『竜』がいるかもしれない。
『ドラゴンテイマー』と『竜』の十二剣神がいる『おそれ』があるのならば、まさしく水を得た魚となるだろう。
「ならば、ここで一旦骸の海へお帰り願おうか」
「そのつもりはない」
振るわれる赤き剣。
その刀身と火花散らして鍔迫り合うは、ジークリットのゾディアックソードだった。
体に痛みが走る。
彼女たち猟兵は決戦配備を用いていた。故に『ドラゴンテイマー』の仕掛けた爆発の煽りを受けてしまっていたのだ。
「|決戦配備《セラフィム》を封じたことで勝ったつもりか?」
「いいや。あれなるものは私の興味のうちにはない。あのような鉄塊なぞ、今更『持ち帰る』価値などない。すでにあれは」
吹き荒れる嵐のように赤き刀身から『ダイウルゴス』の群れが解き放たれ、ジークリットの体を吹き飛ばす。
血潮が舞う。
地面を転がりながらジークリットは飛び退り、膝をつく。
面を上げる彼女が浮かべたのは苦悶の表情ではなく、不敵なる笑みだった。
「そうか。だが、生憎私には頼れる|仲間《サーヴァント》がいるのでな!」
その言葉を引き継ぐように声が響く。
「金のボディに勇気を乗せて、灯せ平和の前照灯! ブレイブケルベロス、シルバーブリット! 只今到着完了!」
さんざめく光を受けて煌めくは黄金のボディ。
真・シルバーブリット(ブレイブケルベロス・f41263)は、その体躯をもってジークリットの救援に駆けつけたのだ。
「遅かったな、シルバーブリット」
「遅かったな……って言ってもね、ジーク」
スタンバっていたら、『ドラゴンテイマー』のし掛けた爆薬で爆発した建造物の瓦礫などで道を走破する羽目になったのだ。
これをなんとか突破して駆けつけたというのに、随分な物言いである。
「まあ、いいよ。ここで言い争ってもしょうがないし!」
シルバーブリットは見ただろう。
『ドラゴンテイマー』の刀身から放たれる無数のダイウルゴスの群れを。
圧倒的すぎる物量。
ただの一振りだけであれだけの竜が飛ぶのだ。
またあの光景を見れば人々は『おそれ』を抱いてしまうだろう。
そんなことさせてはならない。
己には勇気が乗っている。
なら、黄金のボディは、それを示すべきなのだ。
「さあ、乗った乗った!」
シルバーブリットがライドキャリバーの姿へと返信し、ジークリットを乗せる。
「仕切り直し、ということか」
「そういうこと! いくよ、合体攻撃だ!」
シルバーブリットが迫る『ダイウルゴス』の群れから逃れるようにして疾駆する。
回転するタイヤが路面を切りつけ、瓦礫を蹴って空中に飛ぶ。
煌めく黄金のボディが人型へと変形し、ジークリットを背に乗せる。
「任せておけ。アームドフォート展開!」
「胸部砲口ファイナルキャノン!」
互いの瞳がユーベルコードに輝く。
狙うは『ドラゴンテイマー』。しかし、その射線を遮るようにして『ダイウルゴス』の群れが塞ぐ。
「その程度で防げるものか! フォートレスキャノン!」
ジークリットのアームドフォートから放たれた光条の一撃が『ダイウルゴス』の群れを焼き払い、そして、シルバーブリットの胸部が極大の輝きを放つ。
「いくよ! これで!!」
ジークリットの砲撃に穿たれた『ダイウルゴス』の壁へと叩き込まれるは、巨大電撃弾の一撃。
重ねられた一撃は『ドラゴンテイマー』を飲み込み、そのすさまじい爆発を戦場に巻き起こす。
「う~ん……ジーク、ごめ~ん……おーばー、ヒート……」
「構わないさ。よくやってくれた」
ジークリットは空中から失墜する己が頼もしくサーヴァントの黄金のボディを撫で、白煙上げるほどの威力を絞り出した仲間をねぎらうのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルカ・スィエラ
……援軍に来たらいきなり目の前で「セラフィム」が爆散した訳なんだけど…「エイル」といい、別の世界のものと解っていても、なんというか、複雑な気分ね
アルカレクスで出撃、敵ドラゴンの群れに対して『ドラグカプト』全基での砲撃、加えて手首から先をドリル化した『ストライクスマッシャー』を本体へ叩き込む!どうせ大きさなんて当てにならない、遠慮は無用!
攻撃にはEフィールドで対抗し、ひたすらに正面からの打ち合いに持ち込む!
……けど本命は別よ。……UC【機界新生】!!
こっちの手数はいくらあってもいいぐらいの敵よ、周囲に「セラフィム」や防衛機構の残骸が転がっているというなら、無理やりにでも起こして働いてもらうわ!
猟兵としての戦いの場は世界の垣根を越えるものである。
例え、主戦場とする世界が違えどもオブリビオンはまるで意に介さない。
『ドラゴンテイマー』はかつては『キマイラフューチャー』にて現れたオブリビオンである。そして、彼が手駒とする竜『ダイウルゴス』は『アックス&ウィザーズ』の帝竜の一体でもあった。
数多の世界にて確認された存在。
彼もまた『はじまりの猟兵』が語るところの二番目から五番目の猟兵のいずれなのだろうか。
『ドラゴンテイマー』は語らない。
だが、ケルベロスディバイド世界の湾岸の決戦都市において彼の策動は実を結ぶ。
決戦配備は、この世界における侵略者デウスエクスに対抗するために作り上げられたものだ。その中でもこのこの湾岸の決戦都市の決戦配備は、そのすべてが自律人型戦術兵器『セラフィム』によって行われている。
これを『ドラゴンテイマー』は一つ残らず破壊してみせたのだ。
「……援軍に着てみれば、いきなり眼の前で『セラフィム』が爆散しただなんて……」
アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は『アルカレクス・ドラグソリス』と共に戦場に降り立つ。
「……『エイル』といい、別の世界のものとわかっていても、なんというか、複雑な気分ね」
彼女に取って『セラフィム』とは時にオブリビオンマシンでもあったのだ。
それがこの世界では人々を守る決戦配備としての役割を持っている。皮肉なことである。けれど、アルカは眼の前に迫る無数の『大型ダイウルゴス』の群れに集中しなければならなかった。
「大きい……!」
「六番目の猟兵。まさしく生命の埒外だな。とは言え、その力……」
『ドラゴンテイマー』は、召喚した『大型ダイウルゴス』を次々と合体させていく。
逆鱗に刻まれた数字が瞬く間に百を超えていく。
退治するだけでわかる。
それがどれだけ強大な力を持つのかを。
「くっ……『ドラグカプト』!『ストライクスマッシャー』!」
アルカの駆る『アルカレクス・ドラグソリス』が踏み込み、『大型ダイウルゴス』と激突する。
『ドラゴンテイマー』を狙ったのだ。
だが、その攻撃横入りするように『大型ダイウルゴス』は、その身でもって一撃を受け止め『アルカレクス・ドラグソリス』を弾き飛ばす。
「邪魔をして!」
「面倒な力を持っているな。機械細胞か。自己進化、自己修復、自己保存。なるほど。即ち、それを制御するための猟兵というファクターか」
「どれだけ巨大であろうと!」
真正面から『大型ダイウルゴス』と『アルカレクス・ドラグソリス』が撃ち合う。
エネルギーフィールドが砕け、龍鱗が砕け散る。
互いの一撃は、互いの装甲や身を削り合うものであったが、しかし『ドラゴンテイマー』には届かない。
「確かに強大な力だが、届かないな」
「いいえ、届くわよ!」
アルカの瞳がユーベルコードに輝く。
「機界新生(メタル・ドミネーション)!! ……――『セラフィム』!!」
放たれるは金属細胞。
それらが周囲に破壊された自律人型戦術兵器『セラフィム』へと降り注ぎ、その破壊を修復していく。
「いくら手数はあってもいい! 無理矢理にでも起こす!」
金属細胞が機体を修復し、アルカの周囲にあった『セラフィム』たちのアイセンサーが煌めく。
立ち上がり、胸部砲口から熱線を放つ『セラフィム』たち。
だが、アルカは気がついただろう。
「……弱い!?」
胸部砲口の熱線一つとってもクロムキャバリア世界で見た『セラフィム』とは出力が違いすぎる。
クロムキャバリアでみた『セラフィム』の一撃はもっと強烈だった。
「でも!」
アルカは『アルカレクス・ドラグソリス』と共に踏み込む。
逆鱗に数字が描かれているというのならば、その一点をつくのは容易い。
「砕け、散れ!!」
放たれた『ストライクスマッシャー』の一撃が『大型ダイウルゴス』の逆鱗を貫き、その巨体を霧散させたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・ラーズグリーズ
……そういう「基地を狙ってくる」展開も確かにお約束だけども…!
うー、本当なら支援に回るとこなんだけど、そうも言ってられない…!
……決戦配備が使えないっていうのなら…!|自前で《・・・》用意すればいいだけ……!
『白銀』各種兵装、『ドヴェルグ』全機、並びに『機械妖精』部隊セットアップ!
(すぅぅ――)……【戦闘配備:攻守強化】!!
機械妖精部隊を追加展開、殲滅戦用の「イフリート」の火砲支援と防衛戦用の「スプリガン」の「光の防壁」での防御でこっちの攻防を強化して、残ってる『ドヴェルグ』と『白銀』の全火力で押し通るっ!
兵站と看取りを司る「ヴァルキュリア」を……舐める、なぁぁぁ!!!
お約束というものがある。
物語の展開上における一種の制約とも言うべきものか。はたまたご都合主義というか。
ともかく、『そういう』ことに対してノエル・ラーズグリーズ(楽園の追放者。・f40853)は人一倍耐性というものがあったのだ。
故に湾岸の決戦都市の決戦配備に仕込みを行って爆散させた『ドラゴンテイマー』のやり方を彼女はお約束、とさえ呟いたのだ。
「確かにお約束だけども……!」
仕込まれた爆薬のせいで決戦配備は要請できない。
本当ならば、こういう時こそノエルは支援に回ることで役割を果たすし、実力を発揮する猟兵であったのかもしれない。
いや、ただ引きこもっていたいだけなのでは? という疑惑がないわけではない。
が、しかしノエルの瞳がユーベルコードに輝く。
「機械妖精『タイプ:イフリート』と『タイプ:スプリガン』の部隊を展開……!」
ノエルは展開した機械妖精部隊を戦闘車両から射出する。
そう、決戦配備が使えないというのならば|自前で《・・・》容易すればいいだけの話なのだ。
彼女にはそれができる。
「無駄だ」
『ドラゴンテイマー』の身にまとう紫のガスが周囲にあった無機物を『ダイウルゴス』へと変換していく。
無数の竜の群れがノエルの乗る戦闘車両へと迫る。
「各種兵装展開!『ドヴェルグ』全機、並びに機械妖精部隊セットアップ……」
息を吸い込む。
敵は依然、最強のデウスエクス種族ドラゴンを操る。
ドラゴンは地球に生きるものたちにとって恐怖の象徴。
ノエルにとっても恐ろしいものであったことだろう。
けれど、彼女は怯まない。怯んでいるのならば、その瞳にユーベルコードの輝きはない。
「戦闘配備:攻守強化(コンバットシフト・バスターフォース)!!」
空に展開する機械妖精たちが一斉に火砲でもって迫る『ダイウルゴス』を打ち据える。
雨のように降り注ぐ砲撃。
『ダイウルゴス』が如何に『ドラゴンテイマー』から次々と無機物から生み出されるのだとしても、生み出すより早く打ちのめせばいいだけの話なのだ。
「だが、その程度の弾幕で群体たる『ダイウルゴス』が」
「押し通るっ!」
光の障壁を構えた『スプリガン』が一斉に戦線を押し上げる。
火砲による支援。
敵が如何に数を誇るのだとしても、生成するのにどうしても無機物が必要となるのならば、その領域を押し上げて制限すればいい。
「兵站と看取りを司る『ヴァルキュリア』を……舐める、なぁぁぁ!!1」
ノエルは『ドラゴンテイマー』に叫ぶ。
どれだけの軍勢があろうと、どれだけの力の差があろうと、ノエルは「お家」たる戦闘車両という楽園を守るのだ。
ここが己の最後の兵站。
彼女の叫びに応えるように機械妖精たちが乱舞し、迫る『ダイウルゴス』の群れを吹き飛ばしていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
日向・向日葵
☆POW/アドリブとかお任せ
ドラゴンテイマーが出てきたかっ!
そんじゃぁー変わらず、一掃しますかっ!
右腕が厄介だね
刀で受け流して、居合の鎧無視攻撃で切断を狙ってみようかなっ!
切断しても再生されるなら、今後は狙わないよ
…ちょっと無駄なことしちゃって、ショックかなぁ
攻撃が当たったとしても、黒竜ダイウルゴスの群れ事ユーベルコードで一掃しちゃうか
戦いは数って言うしね!
一斉射撃、鎧無視攻撃のユーベルコードで畳みかけるよ
やっぱり小賢しい戦い方より、直接一気にぶっ潰すのがやりやすいね
逃さないようにリミッター解除の空中機動で追いかけながら何回もぶち込んであげるよ
ほら、食らっておきなよっ!
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』。
彼と猟兵たちの遭遇はこれが初めてではなかった。
その行動は一貫して『持ち帰る』ことにある。
多くは語らない。謎めいた原動。
「デウスエクスの引き起こす事件であっても世界の破滅が迫るのならば世界を越えてやってくるのが六番目の猟兵か」
彼の言葉に日向・向日葵(オラトリオの迷い人・f40855)は問答無用とばかりに踏み込む。
「どんな言葉を弄しようとも変わらず、一掃しますかっ!」
己が刀のと『ドラゴンテイマー』の腕と一体化している赤き剣の刀身が激突して火花が散る。
刃の向こう側にある『ドラゴンテイマー』の瞳は興味の色がなかった。
ただ迫るから受け止めたと言わんばかりであった。
居合の一閃だった。
その一撃でもって『ドラゴンテイマー』の腕を切断しようと試みたが受け止められてしまった。
一手、無駄なことをしたかもしれないと向日葵は心落ちする。
だが、そんな感情に引きずられている暇はない。
眼の前にて受け止めた赤い剣から黒き竜たちが出現するのだ。
圧倒的な数。
濁流のように向日葵に襲いかかるは『ダイウルゴス』であった。
「竜……!?」
「戦いは数が物言う場合もあるだろう。どれだけ個としての力を磨き上げても、数の暴力の前には屈するしかない」
「確かにねっ! 戦いは数って言うのも同感っ!」
故に向日葵は己の武装のすべてを展開する。
「小賢しい戦い方はあんまり好みじゃあないんだよねっ、だから!」
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
アームドフォートは先程までの戦いにてリミッターを解除して限界を超えた。
なら残された武装を構える。
リボルバー銃のリミッターを解除し、空中を飛ぶ。
それに釣られるようにして『ダイウルゴス』の群れが向日葵を追いかける。まさに群体であった。
一つの目的に多数が邁進する。
無論、言うまでもなく目標は向日葵だった。
限界を越えて溜め込まれたエネルギーがリボルバー銃の銃口に讃えられていく。
リミッターが設けられているのは、その武装が出力に耐えられなくなって破損してしまうからだ。
けれど、向日葵は構わなかった。
ここで限界を超えて己が出力を叩き込まねば、『ドラゴンテイマー』の手繰る『ダイウルゴス』は再び人々を恐怖のどん底に叩き込むだろう。
決戦配備も『ドラゴンテイマー』によって破壊されている。
この湾岸の決戦都市の体力というものを考えた時、ここで出し惜しみはできない。
「景気よくぅ……ほらっ、食らっておきなよっ!」
引き金を引く。
リミッターを解除されたリボルバー銃より放たれる一撃は、弾倉が回転する度に『ダイウルゴス』に叩き込まれ、この群体を滅ぼしていく。
「これが、最後の一発ぅ!」
弾倉が回転をやめる。
リミッターを解除して限界を越えたエネルギーの奔流がリボルバー銃の銃身を破裂させる。
それでも、最後の一発は『ドラゴンテイマー』を上空から襲い、爆発を巻き起こすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ファルコ・アロー
突然出て来て何してくれてんですかおっさん!
ポエムみてーな物言いで浸ってやがんじゃねーですよ!
てめーの言い草からすると、あの蛇女の親分が出張って来たってトコですか。
けっ、上司でも社長でもCEOでも連れてきやがれってんです。
総辞職に追い込んでやるですよ!
まぁでもコイツがつえーのは分かるです。
それならROCKET DIVE!ボクの最大戦速での体当たりで勝負です!
敵の赤い剣は片腕で受けてそのまま腕を自分で切断してしまえば、ボク本人は追撃をかわしやすい気がするです。
その瞬間にグラップルで組み付いて、諸共に地面かなんかにぶつけてやるですよ!
さっきやってけられたトカゲの再利用なんざしてんじゃねーですよ!
爆発の閃光の中から『ドラゴンテイマー』は悠然と踏み出す。
身を灼く爆発を受けてなお、健在であるのは恐るべきことであった。
しかし、消耗しているのもまた事実。
傷が与えられていない、ということはない。
「体感している。我が身を持ってして。六番目の猟兵。その力を」
「突然でてきて何してくれやがるんですか、おっさん! ポエム見てーな物言いで浸ってんじゃねーですよ!」
矢のようにファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は己が拳を『ドラゴンテイマー』に叩き込む。
しかし、その一撃は赤い剣に受け止められていた。
「詩的、か。そうだな。これは感傷の一つなのかもしれん。再び私がグリモアを手にする、その時までの道程の」
「そういうのだっていってんです! てめーの言い草からすると、あの蛇女の親分ってことでいんですよね! よくなくっても、どうせ似たようなもんでしょうが!」
「手駒の一つである、ということは否定しない」
「だったらぁ!」
ファルコの瞳がユーベルコードに輝く。
己の推進力を乗せた拳の一撃を『ドラゴンテイマー』は赤い刀身で受け止めていた。
砕けることなく、また一歩も退くことなく。
彼が強敵であることはわかっていた。
本能で理解していたと言ってもいいだろう。
斬撃がファルコの腕部を切り裂く。いや、違う。彼女は己が腕の接続を切って捨てたのだ。
そして、ファルコは赤い刀身を蹴るようにして反転する。
睥睨する。
見上げる『ドラゴンテイマー』の瞳がユーベルコードに輝いた瞬間、その赤い刀身から溢れるのは『ダイウルゴス』の群れであった。
「けっ、またトカゲを出してきやがったですね! 下っ端じゃあなくって、上司でも社長でもCEOでも連れて着やがれってんです! 総辞職に追い込んでやるですよ!」
ファルコもまた瞳をユーベルコードに輝かせる。
己が推進力を持って空へと飛び立つ。
それを追って『ダイウルゴス』が迫っている。
けれど、彼女は構わなかった。
ロケット噴射によって上空から一直線に『ドラゴンテイマー』へと飛ぶ。
如何に『ダイウルゴス』がドラゴンであっても生物である。
羽ばたくことで推力を得ているのならば、その本来の性能は旋回性能。
だが、ファルコは違う。
一直線に飛ぶ。ただそれだけなのだ。故に彼女の真骨頂は、その名が示す通り|『矢』《アロー》のように飛ぶこと。
「ROCKET DIVE! いくですよ! ぶち抜くッ!」
ファルコは閃光のように『ドラゴンテイマー』へと飛び込み、片腕で組み付きながら大地に叩きつける。
「さっきやっつけられたトカゲなんかに、ボクが追いつかれるわけねえんですよ!」
叩きつけた『ドラゴンテイマー』に振り上げた拳が落とされる。
それは衝撃と共に『ドラゴンテイマー』の体躯を地面にめり込ませ、大地に轍を刻むように彼を吹き飛ばすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
【Bradyback's Works】
なんと勿体ない。気に入っていたんですが、セラフィム。
…イヴさん、今から「新型セラフィム開発RTA」を始めます。
空間書き換えの用意を。
そして、エイル博士。我々の手で新たなセラフィムをこの場で作ります。
そのためには貴方の「|発注《オーダー》」が必要です。
受注できましたら、早速開発に着手。
旧設計データを元に、セラフィムの残骸に加えキャバリアパーツを使用し迅速に新たなセラフィムをロールアウト!
UCで開発した新型セラフィムは性能が従来よりも強化。
大型ダイウルゴスにも有効打が期待できます!
破壊は悪手でしたね。
我々エンジニアは何度壊されようと新型を作り続けるのですから。
イヴ・イングス
【Bradyback's Works】
店長。ここに壊された機械がある。
であれば、我々メカ屋さんの出番ではないですか?
OK、やりましょう! Admin権限でクエストエリア展開!
「新型セラフィム開発RTA」、はぁじまぁるよー!
おっと、ドラゴンテイマーさん、新型セラフィムの開発を行わずに攻撃するのはレギュレーション違反ですよ!
制御OSとAIパイロットはこちらで開発します!
早業のプログラミングで完成した新型セラフィムに組み込み、クエストエリアを解除!
私の手掛けたAIパイロットは敵の攻撃を全て回避し、最適な反撃手段を実行しますよ!
我々は通りすがりのメカ屋さんですよ。
壊れたメカは作り直せばよいのです。
湾岸の決戦都市の決戦配備は自律人型戦術兵器『セラフィム』であった。
しかし、それはすべて『ドラゴンテイマー』の仕込みによって爆散し、使い物にならなくなっていた。
猟兵とケルベロスたちは『ドラゴンテイマー』に決戦配備なしに挑まなくてはならなかったのだ。
「なんと勿体ない。気に入っていたんですが『セラフィム』」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)は、残骸を見つめる。
確かに技術体系的には初見なる部分もある。
だが、性能は言うほど高くないように思えた。少なくともまだキャバリアの方が戦術兵器として有用であるように思えただろう。
相違と利点は、唯一つ。
無人で自律行動が可能という点であろう。
とは言っても、その命令を受けて行動ができる程度のものでしかない。
「店長、悲嘆にくれている暇はございませんよ。此処に壊された機械がある。であれば、我々メカ屋さんがやるべきことは」
イヴ・イングス(RTA走者の受付嬢・Any%・f41801)はジェイミィに告げる。
そう、やるべきことはただ一つ。
彼女はジェイミィの言葉を待っていた。
「……イヴさん、今から『新型セラフィム開発RTA』を開始します。空間書き換えの用意を」
「承りました。クエストエリア展開!『新型セラフィム開発RTA』はぁじまぁるよー!」
イヴの瞳がユーベルコードに輝く。
ここはケルベロスディバイドの世界でありながら、イヴのユーベルコードは仮想世界ゴッドゲームオンランのクエストエリアへと世界を交換されるのだ。
そして、イヴの権限によってさらなる法則が付与される。
それは『リアルタイムアタック』の法則である。
「何をしている」
『ドラゴンテイマー』の声にイヴは笑む。
「おっと、『ドラゴンテイマー』さん、新型セラフィムの開発を行わずに攻撃するのはレギュレーション違反ですよ!」
「世界そのものを書き換える……いや、置き換えたか。テクスチャではなく、空間そのものを等価交換……仮想世界ゆえの力技だな」
「ええ、ですから貴方の行動はすべてが違反行為! 私達のRTAが終わるまで、そこで指を加えて待っているがよろしいでしょう! 店長、こちらは制御OSとAIパイロットを受け持ちますので!」
イヴの言葉にジェイミィは頷く。
「お任せしました! そして、『エイル』博士。我々の手で新たな『セラフィム』をこの場で造ります。そのためには貴方の『|発注《オーダー》』が必要です」
オーダメイドというものは、発注者ありきなのだ。
故にジェイミィは『エイル』博士に乞うのだ。
『この都市を……いや、世界を守るための『セラフィム』を頼む!』
「受注いたしました。それでは、参りましょうか!」
ジェイミィは『セラフィム』の残骸という旧設計データを元にキャバリアのパーツを使用し、新たなる『セラフィム』を組み上げていく。
それは先祖返りのようなものであったことだろう。
ロールアウトされた鈍色の体高5m級の戦術兵器。
人型であり、同時に性能が向上しているように思える。
パワーだけでいうのならば『セラフィム』を越えているだろう。そして、ジェイミィはイヴから転送されてきた制御OSとAIパイロットデータを組み込んでいく。
「クエストエリア解除までのカウントを開始します!」
「『ドラゴンテイマー』、破壊は悪手でしたね」
「そうだろうか。君のやったことは『セラフィム』の先祖返りだ。だが、確かに……」
「なんと言われようと、我々エンジニアは何度壊されても新型を作り続けるのです」
それこそが己達であると言うようにジェイミィはイヴのイベントクエストエリアが解除され、降り立つ『セラフィム』を見やる。
鈍色の装甲は赤と青の斑に染まる。
「ロールアウト! さあ、いきましょう。私の手掛けたAIパイロットは最適化されていますからね!」
イヴの言葉に従うように生み出された『セラフィム』が戦場に飛び出す。
『ダイウルゴス』の群れを躱し、これを切り裂く。
そして、『ドラゴンテイマー』へと肉薄し、プラズマブレイドの一閃を『ドラゴンテイマー』に叩き込むのだ。
赤い刀身に受け止められた一撃であったが、しかし出力が上がっているのか『ドラゴンテイマー』の足元の大地が砕ける。
「くっ……」
「あなたは先祖返りと言いましたが、しかし、私達の手が入っているのです。どんなものだって生まれ変わりましょう!」
「ええ、我々は通りすがりのメカ屋さんですよ。壊れたメカは作り直せばいいのです。もっと先へ。いつだって向上を目指すからこそ、技術は進歩していくのですから」
ジェイミィとイヴは己たちの仕事の成果である『セラフィム』が『ドラゴンテイマー』をプラズマブレイドの迸る出力と共に打ちのめす姿を見やり、互いの手を合わせるようにハイタッチする。
それは、生誕への祝福めいた柏手であった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
世界の危機を救いに来る者を滅ぼす……。
それは勇者への挑戦状ということですね!
そして、それも大事なのですが、
なによりあなたは『エイル』さんをいじめました。
お友だちをいじめるなら、わたしも本気ですよ!
って、あれ?
ステラさんも『エイル』さんをいじめてます!?
飛ぶ蛇とか堕天とかはいいとして、ステラさんが|年齢のこと《35歳》なんていうから、
『エイル』さんのハイライトなくなっちゃってるじゃないですか!
え、アレ倒せばなんとかなる、的な感じですか?
ドロップ品プレゼントするとか?
なんかどんどんやべーストーカーじみ……あ、最初からですね!
でもアレを倒さないとなのは同意です!
UCでサポートしますよー!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
来ましたか、ドラゴンテイマー!
……って、セラフィムの第35世代!?
セラフィムはエイル様と共に成長する兵器……つまり!
エイル博士の年齢は35歳!?
アッハイスミマセンちょっとメイド暴走しました
普通に考えて世界の数?
いえ、まだ矛盾がありますね
というか、飛ぶ蛇って何
堕天……ということはノイン様の関係ですか?え?第九号様??
とりあえずルクス様
アレ倒しましょう
何かドロップするかもしれません
誰がやべーメイドですか
世界の危機……いえ、エイル様の危機ならば
どこであろうと駆け付けましょう!
それがメイドたるものの運命ならば!
【トニトゥルス・ルークス・グラディウス】!
この一撃は世界すら斬り裂く一撃です!
『ドラゴンテイマー』はプラズマの光に焼かれながら、その赤き刀身持つ刃から輝きを放つ。
再造された『セラフィム』を吹き飛ばしながら彼は立ち上がる。
身に刻まれた傷跡は確かな消耗を示すものであったことだろう。
「『ドラゴンテイマー』! 答えていただきましょうか、『セラフィム』の第三十五世代……! それは!」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)の言葉に『ドラゴンテイマー』は興味の薄れたような表情を浮かべていた。
「それを知ってなんだというのだ。私にはもう興味もない。性能の円熟を迎えて衰退していくことしかできず、末路の一歩手前でもがくことも忘れ、ただ自己の存在が忘れ去られていく……過去になるモノに何の意味がある」
「成長があるから、衰退があると! ならば……ん、んん?『セラフィム』は『エイル』様とともに成長する兵器……つまり『エイル』博士の年齢は35歳!?」
『なんでだい!』
ステラの言葉に『エイル』博士のツッコミが飛ぶ。
「アッハイスミマセン。ちょっとメイド暴走しました」
暴走しているのはいつものことである。
だが、ステラは頭の中で訝しむ。
三十五は何を示すのか。普通に考えて世界の数。
いや矛盾しているように思えた。いや、それよりも『飛ぶ蛇』とは何なのか。
「そもそも『堕天』とは。『ノイン』様関係なのですか? え?『第九号』様?」
『私にはわかりません』
にべにもない返答である。
「『セラフィム』の名が『バイスタンダー』と名を変えたのが、なぜなのか。わかるだろう。名前とは即ち本質を示すものであり、隠すものでもある。私にはどうでもいいことだ。世界の危機に駆けつける者たちよ。私がグリモアを手にする障害になるというのならば、滅ぼすまで」
『ドラゴンテイマー』の言葉にルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)が反応する。
「それは勇者への挑戦状ということですね! そして、それも大事なのですが、なによりあなたは『エイル』さんをいじめました。お友達をいじめるなら、わたしも本気ですよ!」
ルクスは意志みなぎる瞳をユーベルコードに輝かせる。
いや、ステラも『エイル』博士を年齢いじりしていた。
それはいじめというヤツではないだろうか・
いやまあ、『飛ぶ蛇』だとか『堕天』だとかそういうのはよくわからないので、パスするとしてステラが年齢のことなんて言っていじるのだから、それはもういじめというやつである。
「ステラさん、ぎるてぃ!」
「言ってる場合ですか! これは愛ある弄りですよ!」
「ハイライトなくしてる子がいるんですよ!」
「それはいつものルクス様でございましょう。それよりも、アレを倒しましょう。なにかドロップするかもしれません」
「ゲーム脳が過ぎません? しかも絶対ドロップしたのを『エイル』博士にプレゼントする気まんまんじゃないですか! どんどんやべーメイドストーカーじみて……いや、最初からですね!」
「チクチク言葉やめていただけまえんか? 誰がやべーメイドですか。ストーカーは心外です!」
彼女たちのやり取りを切り裂くようにして『ドラゴンテイマー』の放った『ダイウルゴス』が迫る。
最早問答は望めないだろう。
だからこそステラは己が瞳をユーベルコードに輝かせ、その手に迸る雷の剣を構える。
「世界の危機……いえ、『エイル』様の危機ならば、どこであろうと駆けつけましょう! それがメイドたるものの運命ならば!」
「やっぱりやべーメイドストーカーじゃないですか! でも、アレを倒さないといけないのは同意です! 音楽の可能性は無限大です! だから!」
「それ、私にとっては弱体化するやつでは」
「そんなことないですよね? ステラさんわたしの演奏聞きたいですよね? ね?」
ルクスのコンサート会場と化した戦場に彼女の旋律が響き渡る。
今まさにステラは試されているような気がした。
聞きたがらないと弱体化。聞きたいと思うと強化。
「……ええい! この一撃は世界すら切り裂く一撃です! トニトゥルス・ルークス・グラディウス!!」
「あー! ごまかしましたー!!」
そんな声と共にほとばしった極大たる雷光の剣が『ドラゴンテイマー』へと叩きつけられた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
この凄まじい力は、オブリビオンとしても別格かな
だが人々を護る闘いである以上
お姉さんは必ず勝つともさ!
覇気を込めた武器をなぎ払うことで
炎を吹き飛ばし、一般人に避難を呼びかけながら
私自身は炎が消えクリアになった視界を生かし
ドラゴンテイマーに接近戦を挑もう
注意を惹くことで、DIVIDEの者、一般人より注意を反らす
以後は勝負勘を生かし、致命打を避け剣での勝負を続けるよ
自慢の強靭な肉体は黒竜の群れとて耐えるが
人々に恐れを抱かせはしない
武器受け、鉄壁の防御を見せ技の発動を防ぎ
――ここだ
第六感を全開に赤き剣にカウンターを合わせる形で
全身全霊の《真・断罪閃光剣》の一刀で仕留める!
悲劇は砕かれ
人々に笑顔が戻るね
雷光の巨剣が『ドラゴンテイマー』の体を打ち据える。
迸る光は、その威力の高さを知らしめるものであっただろう。しかし、その爆煙立ち上る最中にありながら『ドラゴンテイマー』は立ち上がる。
身にまとう紫のガス。
右腕が変じたような赤い剣。
いずれもが健在であり、その瞳にはユーベルコードの輝き宿っていた。
「やはり私がグリモアを再び手にするのを阻むか、六番目の猟兵」
その言葉、その所作、その重圧。
いずれもがアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)の体躯に伸し掛るようでもあった。
凄まじい力。
オブリビオンとして別格であるとさえアンゼリカには感じられたことだろう。
「だが!」
これは護るための戦いである。
誰かを打ちのめすための戦いではなく、人々の明日を護るための戦いなのだ。ならば、己は負けない。
必ず勝たねばならない。
故に、彼女は伸し掛る重圧をはねのけるように踏み出し、己の手にした斧剣を振りかぶる。
「お姉さんは必ず勝つともさ!」
「裂帛。そう言えるだけの気合を感じるが」
赤い刀身が斧剣と打ち合って火花を散らし、衝撃波が荒ぶ。
そのさなかを『ダイウルゴス』が群れ成してアンゼリカを吹き飛ばす。
己が体躯に裂傷が走る。
消耗して尚、この力。侮ることをしていたわけではないが、それでも凄まじいというほかない。致命打を避けられたのはアンゼリカのこれまでの戦いの経験があればこそであったことだろう。
「人々に恐れを抱かせはしない」
「そのために戦うのか。世界の危機のためではなく」
「そうだ。人々を護るために戦う。世界のために戦うのが猟兵だが、しかし、お姉さんはな!!」
斧剣を携え、アンゼリカは己が金色の髪を血潮に染めながらも立ち続ける。
己が五体は黄金。
輝きを失わぬのは、己がこれまで築き上げてきたものがあるからこそ。
峻烈なる裁きの光が迸る。
「鉄壁か。だが」
「いいや――ここだ」
アンゼリカは己に振り下ろされる『ドラゴンテイマー』の斬撃を見た。
赤い軌跡。
されど、その一撃は凡百のものではない。
だからこそアンゼリカは前に進むことを選んだ。後退でもなく、身を翻すでもなく、ただ愚直に邁進することを選んだのだ。
渾身たる力を込めた一歩は、その光を発露ささせる。
「裁きの光よ、我が身に集いて剣となり全てを切り裂け!」
放たれた一閃は天に届かんとする光だった。
悲劇は砕かねばならない。
そうしなければならない。
理不尽が目の前に迫るのならば、これを振りほどかねばならない。
アンゼリカはそうしてきたのだ。
真・断罪閃光剣(シン・ジャッジメントセイバー)の一撃が『ドラゴンテイマー』の体を切り裂く。
「なぜだ」
問いかける言葉にアンゼリカは無論、というように笑む。
「悲劇は砕かれ、人々の笑顔が戻る。そのためにお姉さんは戦う! 戦う理由など、それで十分――!」
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
んもー
やっぱり予算の使い方間違ってるんじゃないのこれー
その予算で箱モノでも建てようよ
遊園地とかレジャーランドとかわくわくアニマルの動物園とか!
えー?大事でしょ!わくわくアニマル動物園!
●黙して語らずなんて
今どき流行らないんだよね!
そういまは発信の時代!思うこと感じたことは書き込んで放流して共有してイイネ!をもらってなんぼだよ!
黙ってたってキミの狙いはボクの【第六感】が御存じさ!
とレッド・ソード・ライトを第六感に任せて回避してUC『神撃』でドーーーーンッ!!
ダンマリきめこむくせに自分語りはするなんて一番友達付き合いしずらいタイプなんだよねー
ねえキミそう言われたことない?
「んもーやっぱり予算の使い方間違ってるんじゃないのこれー!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は決戦配備の自律人型戦術兵器『セラフィム』に仕込まれていた爆発のあおりをうけて、ぺっぺと粉塵を口から吐き出しながら叫んでいた。
すぐやられる。
敵に利用される。
その上予算はいっぱい食う。
はっきり言って、こんなの作っている場合じゃないとロニは思ったのだ。
「その予算で箱モノでも建てようよ。遊園地とかレジャーランドとかワクワクアニマルの動物園とか!」
とは言え、そんな平和なものは常に宇宙からの侵略者の来襲にさらされているケルベロスディバイド世界にはあまり存在しえないものであったかもしれない。
ロニの語るところのものを作るより、兵器を作った方がまだ建設的であるとさえ言えた。
『よくわからないのだが、それって』
「えー! わくわくアニマル動物園! 大事だよ! 可愛らしい動物たち! ふれあい! 心の癒やし! そういうのが大切だってば!」
『はぁ……』
『エイル』博士はいまいちピンときていない様子だった。
そんなやり取りがありながら『ドラゴンテイマー』は特に口を挟むことなく、その赤い刀身の剣で持ってロニに迫る。
間一髪でロニはその一撃を躱す。
「おっと! 黙して語らずなんて今どき流行らないんだよね!」
「そうか。だが、お前たちに語るべきことはない」
「今は発信の時代だよ!思うこと感じたことは書き込んで放流して共有してイイネ! をもらってなんぼだよ!」
「ネガティヴも、もれなく生み出すものであると思うが」
「それはそれ、これはこれ! 言うでしょ、好きの反対は嫌いじゃななくって、無関心だって! 無反応が一番効くんだってば!」
神撃(ゴッドブロー)の一撃をロニは『ドラゴンテイマー』へと叩き込む。
炸裂する一撃は、神々しさを感じさせるものであったし、その衝撃波『ドラゴンテイマー』を吹き飛ばすものであった。
受け止めた一撃に赤い刀身に亀裂が走る。
砕けぬはずの剣にヒビが走る事自体が異常なのだ。
「……」
「ダンマイは決め込むくせに自分語りはするなんて、一番友達付き合いしづらいタイプなんだよねー」
ロニは拳を振って赤くなった部分に息を吹きかける。
はっきり言って『ドラゴンテイマー』とは相容れない。友達になれないタイプだ。
「ねえキミ、そう言われたことはない?」
答えは返ってこないだろう。
ロニはわかっていた。
だからこそ、踏み出す。
「なら、拳で語り合うしかないよね! 言葉以外のコミュニケーションといったら、次はボディーランゲージだもの!」
笑ってロニは拳を繰り出す。
打ち返される斬撃。
互いのユーベルコードのきらめきが、戦場に衝撃を生み出し、吹き荒れる風となって互いの肉体へと傷を生み出すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
引き続き『侵す者』にて
武器:黒燭炎
むむ、決戦配備を爆破するとはな。戦い方を知っておるやつよ…。
霹靂、下がっておれ。いつものやつを頼む。
さて、UC(攻撃力)使ってな。馬県認識は、霹靂と陰海月がやっておるし。
ここをこれ以上、壊させるわけにはいかんでな!
攻撃を受けたとして、まあ四悪霊の意志は統一されとるから…強化にしかならんのよ。
『セラフィム』が何なのか、わしは深く考えん!(不向き)
だからこそ、やるべきことは簡単よ。此奴を、黒燭炎で薙いで、石突て突いて、穂先で貫くまで!
※
霹靂「クエー…」
影にとぷんと下がる。おじーちゃん…
決戦配備の破壊。
それが仕込みであったというのならば『ドラゴンテイマー』は思う以上に策略家としての側面を持ち合わせているものであった。
「戦い方を知っておるやつよ……」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』は理解する。
敵は手練れである以上に恐るべき存在である、と。
己が騎乗するヒポグリフ『霹靂』を下がらせ、己を認識すること補助を任せる。
傷を負わずに倒せる相手ではない。
故に、その瞳がユーベルコードに輝く。
「諦め、という言葉は誰しもに許された旅路の果て、その結末だとは思わないか」
赤い刀身が煌めく。
『ドラゴンテイマー』の言葉に『侵す者』は頭を振る。
諦観。
それこそが歩みを止める最大の障害であるというのならば、確かにその通りだったのかもしれない。
言い訳とも取れる。
何かを果たそうと、成そうとして進むことができるのが人間であれば、その歩みを止めるのもまた人間なのだ。
すべての人の成そうとすることが成し得るもの、実現可能なものであったというのならば、それはあまりにも短絡的な考え方であった。
「だとしても、ここをこれ以上壊させるわけにはいかんでな!」
『侵す者』は、四悪霊・『戒』(シアクリョウ・イマシメ)としての力を発露する。
己が体を満たすは呪詛。
湧き出すかのような呪詛を封じてきた体は一撃を受ける度に再構築されていく。
『霹靂』に命じたのは、己という存在の認識を保たせるためであった。
「『セラフィム』が何なのか、わしは深く考えん! もとより不向きよ!」
だからこそ、と『侵す者』は己が一撃を『ドラゴンテイマー』に叩き込む。
迫る『ダイウルゴス』があろうとなかろうと、関係ない。
己の身が切り裂かれ、引き裂かれ、散り散りにされても己を己と認識する者がいるのならば、それだけで『侵す者』という存在は世界に縫い留められる。
そう、他者こそが己という存在の楔なのだ。
「故に、やるべきことは簡単よ!」
我が身に宿した武を振るう。
斬撃、刺突、薙ぎ払う。
並み居る『ダイウルゴス』をしりぞけながら『侵す者』は『ドラゴンテイマー』へと迫る。
「単純にして明快。これなる戦こそが、わしの花道よ!」
渾身の力をもって放たれた槍の一撃が『ドラゴンテイマー』の腹部を貫く。
大地に縫い留めるようにして放たれた一撃は、彼に撤退を許さない。
「ここで貴様は滅ぼす!」
「新たなる災禍をもたらさぬためにか」
「その通りよ。その力、ドラゴン、竜、恐怖の象徴として他者に強いる力なぞ!」
ここで食い止める。
我が身に溢れるは呪詛なれど、守らねばならぬことは決まっている。
己たちが決めたのだ。
それを為すために『侵す者』は投げはなった槍にて縫い留められた『ドラゴンテイマー』へと霊障みなぎる拳の一撃を叩き込むのだった――。
大成功
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トラスト・レッドライダー
小枝子(f29924)と連携。
ダイウルゴスもメデューサも、囮にしたのか。
……してやられたな。
だが、これまで戦ってきた彼らがそうであるように、
俺も、諦めるつもりはない…!!
『魂の代わりに、赤き血潮の代わりに、心を燃やせ!!』
爆発でダメージを負った亡国の主から降り、
『レッドライダー・オーバーハート』を発動。
己が|炉心《【情熱】》を最大稼働させ、超戦闘力を発揮!
ダイダラ!小枝子、君も来たか!!
ならば、留めよう!!
ダイダラに迫るダイウルゴスへハイグレイドで【誘導弾制圧射撃】
更に【怪力】でプラズマの赤き刃を振るいダイウルゴスを【なぎ払い】
|【限界突破】《オーバーロード》
【残像】を伴う機動力で振るわれる赤き剣刃を躱し、
【早業】ドラゴンテイマーへ電撃放つ警棒を【投擲】時間を稼ぐ!
オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
【追撃】小枝子が起こした対消滅爆発の閃光の中、
彼女の念動力の後押しを受けドラゴンテイマーへ【切り込み】
防護・抵抗ごと【叩き割り】プラズマの赤き刃で切り裂き、
2倍ダメージを叩き込む!
朱鷺透・小枝子
トラスト殿(f43307)と連携
途中参戦。ダイダラ操縦。
畏れを感じる。敵がいる。あれはオブリビオンだ!
奴が使役しているのはオブリビオンだ!!
ならばする事は一つだ!!!
『敵を壊す!!唯それだけを為せ!!!』
黒輪光展開!
反物質投射装置『ダイダラ砲』展開!
【エネルギー充填】己が【闘争心】を、
この戦場が生んだ怨念を、|畏れ《【呪詛】》を、
黒輪光を通し霊物質化、ダイダラ砲に注ぎ込み急速充填!
なぎ払え、だぁああああいだああああああああらあぁああああああああ!!!!!!!
反物質投射【吹き飛ばし】
戦場を埋め尽くすダイウルゴスへ反物質を叩きつけ壊し、
そうして生じる、戦場を覆い尽くす極大対消滅爆発、
注ぎ込んだ呪詛により敵だけを壊すその爆発で以て!
残るダイウルゴス、そしてドラゴンテイマーのみを巻き込み【範囲攻撃】
ドラゴンテイマーの【体勢を崩す】
たたき切れぇええええええええ!!!!!!!
【第六感】人工魔眼を稼働させ【念動力】でトラスト殿の背を押し上げ、
【継戦能力】爆発の中、ドラゴンテイマーへと切り込ませる!!!
やらなければならないことがある。
それはひどく単純明快なことだった。
敵を滅ぼす。
だが同時に理解すべきことであったのは、それは滅ぼすべき敵にもまた当てはまるものであったのだ。
湾岸の決戦都市はひどく傷ついていた。
炎があちらこちらから噴出しているのは、『ドラゴンテイマー』によって仕掛けられた爆薬が炸裂したからであろう。
深く、深く傷ついた決戦都市は例え、この戦いに勝利を収めても敗北していないだけ、という状況に追い込まれるだろう。
そう、デウスエクスは不滅なる存在。
完全に滅ぼすことは未だできない。
「『ダイウルゴス』も『原罪蛇メデューサ』も、囮か」
本命は、とトラスト・レッドライダー(レプリカントのデスブリンガー・f43307)は爆発に巻き込まれた『亡国の主』から飛び出す。
猶予はない。
ためらっている暇もない。
そう、己の五体はまだ動く。
ならば、してやられたとしても、己は動かねばならない。
「これまで戦ってきた者たちがいる。彼らがそうであったように、俺も、諦めつもりはない……!!」
トラストの中に流れるは血潮。
その赤き血潮は熱を持つ。
「魂の代わりに、赤き血潮の代わりに、心を燃やせ」
ユーベルコードの輝きと共に彼のレプリカントとしての炉心に火が灯る。
これは灯火だ。
明日を望む者たちがいるのならば、必ず彼らの元に届く輝き。
レッドライダー・オーバーハート。
赤き刀身を手に一つ。
己が身を燃やすような熱でもって戦場を疾駆する。
迫るは『ダイウルゴス』。無数の竜の群れであろうがなんであろうが関係なかった。
「この程度で俺を止められると思うなよ!!」
「だったら何だと言う。身一つかなぐり捨てたところで、私に到達できるとでも?」
『ドラゴンテイマー』の言葉通りであった。
凄まじいまでの力の差。
数多の猟兵たちが追い込んで尚、『ドラゴンテイマー』は力を発露している。
『ダイウルゴス』たちはトラストへと濁流のように迫り、その赤き刃で切り裂いてキリがないと言わんばかりだった。
しかし、トラストは絶望していなかった。
諦観に塗れることもしなかった。
「薙ぎ払え、だぁああああああああああああああああああああいだああああああああああああああらあぁああああああああああああああ!!!!」
咆哮が戦場を霧崎、放たれた砲撃の一撃が『ダイウルゴス』の群れを薙ぎ払う。
それは威容な光景であった。
巨大な……異形。
まるで山と見紛うような姿。
鋼鉄の巨人と呼ぶには、あまりにも巨大すぎた。
宙より転移してきた巨人は、大地を激震させて降り立つ。
「『ダイダラ』! 小枝子、キミも来たか!!」
トラストは見上げる。
そこにある異形の巨人『ダイダラ』に座す朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)へと呼びかける。
「敵を壊す!! 唯それだけを為せ!!!」
小枝子の言葉は簡潔極まりない。
だが、トラストにとっては好ましいものでもあった。
「そうだ。そうだな。そのとおりだ。ならば、俺は留めよう!」
トラストはミサイルランチャーを構え、迫る『ダイウルゴス』へと投射する。
炸裂する爆風が『ダイウルゴス』を吹き飛ばし、その崩した体勢を逃さぬとトラストの赤い刃がプラズマの輝きと共に龍鱗を切り裂くのだ。
だが、まだ足りない。
己の胸に宿した炉心が言う。
まだ限界ではない。いいや、体は限界だと言う。軋む体。だが、心が否定するのだ。
まだ。まだ、まだ、まだ。まだ!!
「オオオオオオオオオオオ!!!!」
咆哮と共に己の駆体の限界を越える。
「どれだけ叫ぼうとも、力の差は埋まらない。そういうものだからだ」
『ドラゴンテイマー』の赤き剣の斬撃がトラストへと迫る。
だが、それをトラストは全力で踏み込むことで躱し、電撃放つ警棒を投げ放つ。
それを『ドラゴンテイマー』は容易く剣で切り払う。
やはり強い。
「なぜ、敵わぬと知りながら踏み出す。いや、力量差程度で立ち止まる猟兵はいないんか」
「そのとおりだ! 故に!」
二人の男が互いの攻勢でもって争う最中、山の如き鋼鉄の巨人に座す小枝子の瞳が明滅する。
燃えるように白煙を上げながら、己が身に宿した呪詛を持って黒輪光から霊物質化し、巨人の炉心へと注ぎ込む。
「畏れを感じさせる。敵がいる。あれはオブリビオンだ! やつが使役しているのはオブリビオンだ! ならばすることは一つだ!!!」
壊す。
敵を壊す。唯それだけを(フォーカスコア)するためだけに己が身はあるのだ。
『ダイダラ』の砲口から放たれるは、無限に溢れる呪詛を込めた一撃。
反物質投射に寄る一撃は『ダイウルゴス』をも巻き込みながら、爆風と共にすべてを吹き飛ばす。
えぐれる大地。
衝撃が嵐のような風を生み出し、『ドラゴンテイマー』の体勢を傾がせる。
「たたき切れぇえええええええ!!!!」
小枝子は爆風の中、『ダイダラ』の腕部でもってトラストの体躯、その背中を押す。
閃光が走り、何も見えない。
だが、それでも彼女は見ていた。
感じていたのだ。
彼の炉心に燃える赤き炎を。その熱を。己が人口魔眼に宿る力は、白煙を上げるほどの熱を持ち、それでもなお見えていたのだ。
「その災齎す力は! 明日には不要! 故に!」
叩き斬る。
トラストは赤き刃を構え、『ドラゴンテイマー』へと切り込む。
どんな防護であろうと抵抗であろうと叩き割る。
プラズマ迸る斬撃は、小枝子のもたらした爆発の衝撃を受けて加速し、その切っ先を『ドラゴンテイマー』へと叩き込む。
「……一時の滅びだ。必定の滅びを越えた先にこそ、私は求めるものを手にする未来に指掛けるのだ」
「人の求める明日こそが!」
「だぁまれぇええええええ!!!」
二人の念動力と刃の一撃がめり込んだ『ドラゴンテイマー』の身を引き裂くようにして振り抜かれ、その身が霧散していく。
強烈な光は、破壊の痕だけを決戦都市に遺し、天に一条の光を立ち上らせる。
まるでそれは、マーカーであった。
次なる戦いを呼び込むような光。
だが、見上げる者たちは、それに『おそれ』を成さないだろう。
なぜなら、そこには知性がある。
あらゆる暗闇を、恐怖を振り払う智の剣が――。
大成功
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