●
サイバーザナドゥでも屈指の賑わいを見せる繁華街がある。
漆黒の鏡面に鮮やかなゲーミング光を映す摩天楼、その中でも一際高く聳える「デッレ・ボッケ・モンゲタワー」は、夏になると楽園の様相を成し、全ての階層を水着で往来できるようになる。
一階の飲食街にはじまり、中階のアクティビティ空間から、最上階のナイトプールまで。
ビル全体が夏らしく華やかなゲーミング光を纏う中、特に屋上のラグジュアリーなナイトプールでは、迫上がり装置から登場する出場者をド派手なゲーミング光で輝かせる「水着コンテスト」も行われ、その為にこのビルは夏になると「水着コンテス塔」と呼ばれるようになったらしい。
そして今年も、またひとり――。
天頂にあるという楽園を目指し、塔に挑む者がいた。
●
「偶にはのんびり、遊びに出掛けては如何だろう」
特に予知があった訳では無い。
ただ、遊びに行こうと呼び掛けるは枢囹院・帷(夜帷の白薔薇・f00445)。
つい戦い続けてしまう君達の事だから、ろくに休暇を取ってはいないだろうと微笑を湛えた彼女は、この機会に美味しいものを飲み食いし、遊興を愉しみ、楽しい夏の思い出を作りに行こうと誘う。
「私が案内するのは、大人も満足できる“ワイルドルート”だ」
どぎついゲーミング光の煌くサイバー居酒屋でアルコールを愉しみ!
どぎついゲーミング光の煌くサイバーカジノでギャンブルを愉しみ!
そして最上階のナイトプールで水着コンテストを愉しむ!
サイバーザナドゥならではの刺激的な夜を楽しむ事が出来るだろうと微笑した帷は、ぱちんと弾指するやグリモアを召喚して云った。
「戦闘では見る事の出来ない君達の表情が見られると思ったら、良い思い出になりそうだ」
吃々と咲む花顏は、間もなく光に搔き消えた。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さり、ありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ゆうかり)こあらと申します。
こちらは、食事を愉しみ、遊戯を愉しみ、ナイトプールでハジけて、時々喧嘩なんかもして。そんなサイバーザナドゥでの楽しい暮らしを再現する『ナイトシティの夜を楽しむ』シナリオ(難易度:普通)です。
●シナリオの舞台
サイバーザナドゥの中心街。一際高く聳え立つ摩天楼は、夏に『水着コンテス塔』と呼ばれるようになります。
下層に飲食系テナントが入っており、中層に娯楽スペース、そして最上階にプールがあります。
繁華街あるあるな乱暴者やナンパな通行人には、一発食らわせてやりましょう。
●シナリオ情報
第一章『サイバー居酒屋の夕暮れ』(日常)
ゲーミング焼き鳥やゲーミング焼酎など、深海生物や菌類にルーツを持つ発光成分を含んだメニューが中心で、どれもゲーミング光を放っています。たぶんおいしいとおもいます。
第二章『サイバー遊技場』(日常)
ゲーミング発光するルーレットやスロット、ポーカー等をして遊びます。
イカサマをするには布面積が足りないかもしれません。正々堂々と賭けましょう。
第三章『二次会パーリナイ!』(日常)
摩天楼の最上階は水着コンテスト会場となっています。
ちょっぴりオトナなナイトプールで、空中ドローンがゲーミング花火を演出しています。
コンテストにエントリーした人は、ド派手なBGMが流れる中、「全方位ギラギラ☆ゲーミングお立ち台」から登場します。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。呼び名があると助かります。
全章を通じて水着が着用できます。文章での指定や、省略記号として【🏝イラストのID】をご記入頂ければ参照致します。
お話相手や遊び相手として帷を指定できます。
状況によりサポートさん方のご支援を頂いて物語を進めて参ります。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 日常
『サイバー居酒屋の夕暮れ』
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POW : 好きなメニューを好きなように飲み食いする
SPD : 店主や他の客のオススメを頼む
WIZ : 他の客との世間話を楽しむ
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シモーヌ・イルネージュ(サポート)
ひと仕事終わった後のくつろぎは最高だな。
魂の休息は必要だよ。
何でもまずは試してみる派。
体を使ったことならば、最初はともかく、最後には何とかする勘の良さはある。
食の好き嫌いは無し。むしろ珍しいもの大歓迎。食べてみなけりゃわからない。
それが例えまずくてもいいネタにはなるだろ、という考え。
作った奴は〆るけどね。
肉サイコー!
あと甘いの全然いける。いいね!
好きなだけ酒を煽り、酔いに任せて喧嘩する。
サイバーザナドゥの荒くれ者は時に顰蹙を買うものだが、元気があって宜しいと、繁華街ならではの喧噪を耳に店へやってきたシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は、ちょうど一仕事終えた所。
魂の休息は必要だと、ギラギラとネオンの光るカウンター席に座った佳人は、肘を迫り出すや小気味佳い|眼光《まなざし》を店主に注いだ。
「やぁ、マスターもギラギラに光ってるね。オススメを訊いても?」
「眩しいくらい男前だろ? あんたを惚れさす料理を出そうじゃないか」
「へェ、そりゃ樂しみだ」
食の好き嫌いは無し。寧ろ珍しいものは大歡迎なシモーヌだ。
たとえ不味くても、それはそれで良い|経験《ネタ》になる(だがシメる)とは中々の胆力の持ち主だが、そんな冒険者気質の彼女に差し出されたのは、ゲーミングねぎまとゲーミング瓶コーラ。
どちらも存在感ばっちり、約1680万色の燦然を溢れさすメニューに瞳を丸くした佳人は、味でも驚かせて貰おうと先ずはねぎまをぱくり。
而して次の瞬間。
合成肉とは思えぬ良質な味に、音がするほど睫を瞬いた。
「元々肉は好きなんだけど、肉と遜色ないし……美味しい!!」
「だろ? ウチの看板商品さ」
何をどうしてそうなったか、ゲーミング光を抱いている爲に視覺に囚われてしまいそうになるが、味覺が慥かな者なら技術の粋を集めた肉の旨味がよく分かる。
「いいね、パンチ力ある!」
矢張り肉は正義。肉最高。
深く味わうよう頷きながら咀嚼したシモーヌは、蓋を開けるやシュワッとゲーミング泡を発するコーラを流し込み、極上の|微咲《えみ》を湛えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。
自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
プロデューサーより
偶にはゆっくり休息を、と送り出された筈が、靜養先でもカメラを回すのは契約書の所爲。
番組の命綱である|視聽者《フォロワー》の皆様に、オフの自然な表情を見て貰おうというプロデューサーの意向に從って、特別企画『鬱るな! 鬱詐偽さんの夏休み』の撮影に水着コンテス塔を訪れた音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は、目下、|度強《どギツ》いネオン光を迸らせるサイバー居酒屋で、これまた度強いゲーミング焼き鳥を手に配信を始めた。
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん。ただいま參上……」
毎度の恥ずかしい科白を言ったなら、もうオフじゃない気がするが。うう、仕方ない。
お決まりの挨拶に「待ってました!」と反應した視聽者たちが、洪水の如く「8」や「👏」のコメントを流し込む中、おずおずと食レポに掛かる。温かな聲援はまだ擽ったい樣子。
「で、コレがお店の一番のオススメ……というか発色らしいのだけど、焼き鳥。すごい光ってる」
持ち前の不運でオイシイ場面を呼び込む事に定評のある鬱詐偽さんだが、今回はマジで美味しいやつ。
徹底管理の下で造られた合成鶏肉に生物由來の発光成分が練り込まれているのだと、先に店主に伺った説明を添えた鬱詐偽さんが、銀灰色の髪を耳に掛けながら焼き鳥に嚙り付く。ぱくっ。
「……合成肉ってどんなかと思ったけど……光ってる以外は鶏肉と變わらないわ……」
おいしい、と何度か睫を瞬き、傍らのゲーミング焼酎をぐいっと呑む。
美酒に花唇を濡らした彼女は、溜息交じりに感嘆を零して、
「深海生物に菌類……暗い処にあるものが、こんなに輝くなんて……不思議ね……」
――なんて。
特大のブーメランを投げていると、ファンはほっこりして配信を見守るのだった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
🏝46232
室内照明といえばオイルランプや蝋燭、くらいの生活をしているので、こうまでド派手な光の乱舞はただそれだけでお祭りのようで楽しいですね!
グリードオーシャンの水着コンテス島といい、何処の世界でも水着コンテストは大人気ですね!
オススメらしい焼酎と焼き鳥を注文して……発酵食品ならぬ発光食品!?
菌類由来の蛍光物質(?)が、ゲーミングライトの光線で励起(?)して……? な、なるほどー?
酔っ払いの説明したがりおじさんから説明されるも、ダークセイヴァー基準の科学知識ではさっぱり
合っているか分からないそれっぽい説明を聞きながらお酒をごくごく、おつまみもぐもぐ
あ、見た目の割に、普通においしいですね!
「……ま、まぶ……!」
紅のアンダーリム眼鏡の奧、黃金の瞳が|幻惑《まぶ》しそうに眇められる。
|油灯火《ランプ》や蝋燭の|燈光《あかり》で育ったオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)には、絢爛なる約1680万色のネオン光、その亂舞を見るだにお祭り気分に胸が高鳴るが、喧噪を行き交う通行人には彼女こそ眩しかろう。
サイケな色彩を浴びる肌膚も雪の如き白さながら、その蠱惑的な肢体を飾るビキニも純白で、項頸や柳腰に添えられた蝶々結びが何とも繊細でいじらしく、ついお手伝いしたくなると親切心(?)溢れる荒くれ共が連なっていく。オリヴィア列車は本日も滿車です。
「グリードオーシャンの水着コンテス島といい、何処の世界でも水着コンテストは大人気ですね!」
而して大變な盛況だと感嘆しながら飲食店街を歩いた麗人は、一際ド派手なゲーミング光を焚く居酒屋に誘われると、店一番のオススメだというメニューを注文する事にした。
「ハイおまちどうさん。お姉さんの十字架(が埋まるほどの谷間)、立派だねぇ」
「ありがとうございますっ! そして、これが……ゲーミング焼き鳥ですね!?」
どどんっと出てきた「ゲーミングはさみ」「ゲーミングせせり」に驚愕する。タレまで輝いとる。
食事のお供にと頼んだ「ゲーミング焼酎」はグラスも中身も煌いており、オリヴィアが大きな瞳をぱちぱち瞬いて光の正体を觀察すれば、美人とお喋りしたい酔っ払いオジサンが隣にどっかと掛けてきた。
「これな、生物の発光体を使とんねん」
「!? 発酵食品ならぬ発光食品!?」
「おん。菌類由來の蛍光物質が光に照らされて、こう、ペカーっとな」
「ゲーミングライトの光線で励起(?)して……? な、なるほどー?」
説明したがり距離詰めたがりのオジサンにコクコクと頷きはするものの、ダークセイヴァー基準の科学知識ではサッパリ理解らないオリヴィア。
合っているか分からない、だが實にそれっぽい説明を聞きながらグラスを傾けた佳人は、ライムの馨が鼻腔を拔けるフルーティーな焼酎に瞠目すると、ごくごく飲み始めた。
「あ、見た目の割に、普通においしいですね!」
「せやろ。おつまみ奢ったるから食べり」
「ありがとうございますっ。いただきますっ」
促されるまま、蕪に添えられた「ゲーミング炙り明太子」も大葉ごとモグモグ。
いっぱい食べる彼女が可愛らしいか、美味を頬張るオリヴィアの周辺には、オジサン達がニッコリ笑顏を揃えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
下原・知恵(サポート)
「話は聴かせてもらった。つまり……ここは|戦場《ジャングル》だな!」
◆口調
・一人称は俺、二人称はお前
・ハードボイルド調
◆癖・性質
・公正と平等を重んじ、己を厳しく律する理想主義者
・自分の現況を何かにつけてジャングルとこじつけたがる
◆行動傾向
・己を顧みず同志の安全と任務遂行を優先する(秩序/中立)
・UDC由来の人工心臓が巨大ゴリラの変身能力をもたらす
・ジャングルでの戦闘経験から過酷な環境を耐え抜く屈強な精神力と意表を突くゲリラ戦術を体得している
・とりあえず筋力で解決を試みる。力こそパワー
・手軽に効率よく栄養補給できるバナナは下原の必需品
・生真面目がたたり、意図せずとぼけた言動や態度をとることがある
夏になると、このビルは水着のコンテスト会場となる。
而して集められた剛の者が、一同に最上階を目指すと云う。
「話は聽かせてもらった。つまり……ここは|戰場《ジャングル》だな!」
――いや、違う。
否々、ある意味合ってる?
|塔《ビル》全体に漾う夏の熱気を肌膚に掠めた下原・知恵(ゴリラのゲリラ・f35109)は、処々に煌く約1680万色の燦然をサングラスに隔てつつ、ネオン看板の文字を追う。ゲーミング光が眩しいから着けてるんじゃあない。俺の|眼光《まなざし》が眩しすぎるから着けてるのさ、なんて――何とも渋いナイスガイだが、大眞面目に居酒屋に奇襲を仕掛けるのが玉に瑕。
「先ずは腹拵えだ。マスター、|力《パワー》になるものを頼みたい」
「うわっ、いつの間に!? いらっしゃい、くらい言わせてくれよ」
ヌッと現れた知恵に心臓を跳ね上げた店主は、胸を撫で下ろしながら先ずはお通しをスッ。
間もなく油の撥ねる音が、馥郁たる馨りと共に広がったのだが――果してカウンター越しに差し出された其は、グラサンの奧に祕める黑瞳を幾許か見開かせたか知れない。
「……これは?」
「ゲーミング・ピサン・ゴレン。揚げバナナさ」
「バナナを揚げたのか」
これは発光成分を混ぜた米粉と薄力粉を衣に、スティック状にした靑バナナを揚げた料理。
さっぱりとしたフルーティなロックワインと合うのだと、次いで渡されるゲーミング・グラスと共に受け取った知恵は、我が生命線たるバナナには一際恩義を抱いている爲、特に抵抗なく食べてみる。飲んでみる。
「揚げ物と酒、年齢的に|もたれそう《・・・・・》と思ったが……中々ライトだ」
とても夏らしく爽やかな組み合わせに、髭をたくわえた美唇は小気味よく弧を描いて。
景気付けにピッタリだと、グイとグラスが傾けられた。
成功
🔵🔵🔴
アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》ことアラタマちゃんなのです。
極楽浄土でいろいろ経験してきましたが、それでも世界は広く多いのです。
即身仏ゆえに感情が表に出てきづらいのですが、本当はとても感動しているのです。
極楽浄土で使われていた「かたかな」という文字は未だに苦手なのですが、どうぞよろしくなのです。
電腦空間に跋扈した脅威『ヤマラージャ・アイビー』の撃滅に尽力したのは、つい先日の事。
かのプログラムも、その前に会敵した自律思考AIも。ロクにアイテムを落とさなかった無念は未だ記憶に新しいが、そのサイバーザナドゥに時を置かずして來ようとは合縁奇縁。
而して此度は|試練《くえすと》で無し、偶には休息は|如何《いかが》と誘われたアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は、目下、約1680万色の光が躍るサイバー飲食店街を漫歩きつつ、お祭りのような賑わいを興味深く眺めていた。
「……|歡樂の都《ざなどぅ》とは云ったもの。この喧噪も物騷も、きっと何気ない日々の平和の|證左《あかし》なのです」
酔っ払いや荒くれ者達と擦れ違いながら、ゲーミング光を抱く焼鳥店に入る。
香ばしい匂いを辿ってテーブル席に座ったミコトは、間もなく出される「ゲーミングお冷や」に二・三度睫を瞬くと、それから次々と運ばれる「ゲーミング焼き鳥」に暫し時を止めた。
「おまちどうさん! 右からゲーむね、ゲーもも、ゲーぼんじりだ!」
「……淨土にもこのような耀きは見なかったのです」
「淨土? |現世《いま》を樂しまにゃ損よ! ハイこれ、くぐらせて」
「なんと、タレまで|後光《げえみんぐ》を帯びているのです」
ミコトの云う淨土とは、究極のゲーム[GOD.GAME//ONLINE]。
ここで少女は樣々な修行を経てレア物ハンターに、いや即身仏と成った訳だが、その類稀なる経験を以てしても世界の広さを感じよう。
恐る恐るながら串までゲーミングな焼き鳥を口に運べば、意外にも味は普通、というか中々の美味で――。
「! 幻想的な光の搖蕩に雜じる頽廢、これこそが旨味の素なのです」
「!? 美味しいって事でいいね!?」
即身仏故に表情には現れにくいものの、大いに感動するミコト。
その證に少女はペロリと一本食べ終わると、次いで二本、三本と、小さな花唇をゲーミング光(タレ)に濡らすのだった。
成功
🔵🔵🔴
カイム・クローバー
…目がチカチカする。それが最初の感想さ。
初めてキマイラフューチャーを訪れた時の事を思い出した。
猟兵じゃなけりゃ一生|縁のない世界《ダークセイヴァーの住人》だ。そういう意味じゃ貴重な経験だったし、慣れた今じゃ遊ぶだけの余裕もある…はずだったんだがね。
ドギツイ色の焼き鳥の串に手を伸ばし。
あぁ――大事な事を聞き忘れていた。コレ、機械化されてない人間が口に入れても安心な代物なんだよな?
とりあえず一口。
お、意外と悪くねェじゃねぇか―――他所のテーブル、喧嘩の余波で飛んで来たゲーミング酒の入った瓶やら食い物やらが俺のテーブルを荒らして行く。
注文していた食い物や酒は吹っ飛んで、マトモに食えるのは手に持った串一本という有様。オマケにコートはゲーミング色に変わり、髪にもゲーミング色のタレがべっとりと付いて。
余りに悲惨な現状に怒る気にもなれない。
見やれば一部機械化ボディに水着という出で立ちの酔っ払いの喧嘩。
絡むならぶっ飛ばすが、そうじゃないなら――なぁ、店員さん。
この吹っ飛んだ分って金払わなきゃ駄目かい?
極度に文明が発達した世界は、技術の粋を集めて燿く代わり頽廢を帯びがちだ。
初めてキマイラフューチャーを訪れた時も、その|絢爛《まぶ》しさに瞳を眇めたものだが、サイバーザナドゥも中々だと約1680万色の燦然を浴びたカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、鴇色の佳唇に溜息を置いた。
「……目がチカチカする。猟兵じゃなけりゃ一生|縁のない世界《ダークセイヴァーの住人》だったな」
世界が勝手に己を選んだ訳だが、中々貴重な経験を呉れる。
今じゃ多少の奇拔も慣れたものだと、機械と電腦に造られた|歡樂の街《ザナドゥ》を漫歩いたカイムは、つと目に留まったサイバー居酒屋へ。酔っ払いと荒くれ者に混じって酒を味わう事にした。
「――まるで食べ物の色をしてないと思うのは俺だけかね」
白銀に煌く睫を半ば伏せ、|度強《どギツ》い発色の焼き鳥を手に取る。
UDC組織の面子には不良と云われるものの、|相應《それなり》に常識は持ち合せている|意《つもり》だが……と、こちらもド派手に発光するハイボールを瞥たカイムは、交睫ひとつして視線をカウンターへ。イカみたいに発光する店員に烱瞳を注ぐ。
「あぁ――大事な事を聞き忘れていた」
「? なんだい、ウチは営業許可取ってンべ?」
「そりゃ良かった。それでコレは、機械化されてない人間が口に入れても安心な代物なんだよな?」
「きくまでもなかろうよ。絶対安全の品質保証だべ」
脇からドヤ顏で言って寄越す店主に薄目する。
腹を下したら|とっちめる《・・・・・》と決めて焼き鳥を口に運んだカイムは、咀嚼して幾許――鶏肉と遜色ない食感と風味に僅かに瞠目すると、ゆっくり口角を持ち上げた。
「お、意外と悪くねェ」
「だろ? 第一印象が悪いほど好きになるのは女と變わんねぇべ」
「はは。言えてら」
店員との会話とて居酒屋の愉しみのひとつと、笑顏を結んだ二人の間にゲーミング酒瓶が過ったのはそれから間もなく。
眞後ろのテーブル席で酔っ払いが激論を交わしているのは気付いていたが、角を挟んだカウンターでも荒くれ共がヒートアップし、投げつけた串が此方にまで飛んでくる。ゲーミングテーブルに突き刺さる。
「、お盛んな事で」
大衆酒場など何処もこんなものと、先ずは肩を竦めて。
通夜よりマシだとゲーミングハイボールに花唇を濡らしたカイムは、「ゲーミング皮タレ」が飛び交い、「ゲーミングなんこつ」に頭を小突かれ、我が銀髪が約1680万色に煌めく……否、ベトつくタレに濡れるのには流石に溜息しよう。
気付けば注文した品々は投げられたグラスに吹っ飛んでおり、代わりに「ゲーミング・ゴマだれチーズ手羽先」が居座って、それが卓から零れてコートを汚して――これで雜なゲーミング・カイムの出來上がり。
「……。……餘りに悲惨すぎて怒る気にもなれねぇな」
時にハイボールに「ゲーミング砂肝」がダイブすれば、マトモに食えるのは手に持った串一本。
随分と希少価値を上げたモノだと瞶めるカイムの直ぐ隣には、逞しい肉体の一部を|機械化義体《サイバーザナドゥ》に換裝した男達が、水着姿で相撲さながらの取っ組み合いをしており、この一本まで持っていかれそうになるから地獄だ。
「おっと、これだけは食べるとして。――なぁ、店員さん」
「おや御愛想かい?」
「まぁね。因にこの吹っ飛んだ分、払わなきゃ駄目かい?」
大男が席に突っ込んでくる間際、ヒラリと躱して席を立ったカイムが財布を出す。
彼が食べたのは焼き鳥一本と、ハイボールを二口ほど舐めただけだが――、
「んだね。請求額は注文書に記した通りだ」
モラル無きサイバーザナドゥでは、金が万事を解決する。逆に言えば、金でしか事は収まらぬ。
ちゃっかりテーブル料金やお通し代まで加算した店員は、最後に一言、
「せめて顏を拭うおしぼりも付けてやんよ」
と、親切丁寧なサービス(有料)を保証してやるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『サイバー遊技場』
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POW : とにかく全力で遊びまくる
SPD : 自分の得意な分野で勝負する
WIZ : 策を巡らせ、一瞬の勝負を狙う
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
サイバーザナドゥ屈指の高層ビル「|デッレ《すごい》・|ボッケ《すごい》・|モンゲ《すごい》タワー」。
夏には「水着コンテス塔」と呼ばれるビルの中層は、複数の階にわたって複合アミューズメントスペースとなっており、大勢の挑戰者を集めている。
但し40階にある「サイバーカジノ」は、18歳以上の者に入場を限った遊興施設。
ここでは所持金をコインに替えてギャンブルを愉しみ、約1680万色に輝くド派手なスロットマシンや、約1680万色に輝くドギついルーレット、そして執拗なまでに輝かしい約1680万色のトランプを使ったブラックジャックやポーカー、バカラ等、代表的なカジノゲームを樂しむ事が出來る。
歡喜の聲が上がる一方、折々に絶叫が耳を劈くのもこのフロアならでは。
天國を見るつもりが地獄に突き堕とされた者など、餘りに叫んでは警備員に連れていかれたりもするのだが、そこそこに賭け事を愉しむのが大人というもの。
バニーガールがニコニコと迎える中、猟兵もまた一攫千金を狙って燦然の中に躍り出るのだった。
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)
隠れ里に住む一族の戰士として、里を拓いた開祖の姿を模す事は大變な譽れだ。
それ故、伝統のビキニアーマーを纏う事はイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)にとって誇りであり、露出に関して特に気に留める事は無かったが、周囲は大いに色めき立った。
「なんと! カジノに伝統的な女戰士が現れるとは……!」
「おぉ、フロアが一瞬でゲーム色に染まるとは素晴らしい」
イネスが甲冑の響きを連れて登場した瞬間、カジノフロアが王道RPGの世界になる。
本人にはちょっと良く理解らない感覺だが、カジノと輕鎧を纏った女戰士との相性は拔群、「實にそれっぽい」と聽いたのは間もなくの事。
而して此処も生死を分つ戰場、駆け引きの巧みな者が勝者となると聽けば、戰士の血が疼くというもの。
機械より人間の手を読む方が得意だと「ゲーミング・トロピカル・ポーカー」の卓に腰掛けたイネスは、いざ勝負! ……の前に、肘を迫り出して云った。
「お互いイカサマは無し。戰鬪と同樣、正々堂々と勝負する。これがルールよ」
と、ディーラーめがけて小気味佳くウインクする。
琥珀色に艶めく睫は長く、パチンと音がするほど瞬いたなら、対面に立つディーラーのハートはズキューン!
凛と澄まし顏をしていた彼は、「ハイヨロコンデー」と鼻の下を伸ばしてトランプをシャッフルし始める。
これで眞剱勝負が出來ると花唇に弧を描いた佳人は、我が手元に配られるゲーミング・トランプに烱瞳を煌々、ディーラーとの一対一に挑むのだった。
成功
🔵🔵🔴
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
他の猟兵に迷惑はかけないよ♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★
UCは状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★
後はMS様におまかせするね♪
よろしくおねがいします★
カジノが成功者に齎す「富」には興味なくとも、期待とリスクの間にある「興奮」は悪くない。
而して多くの者達が其を求めて來ているのだろうと、処々に衝き上がる歡喜と絶叫に緋瞳を巡らせながらフロアを歩いたクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は、自らも愉しむべく「ゲーミング・ザナディアン・ルーレット」へ。重厚な音を立てて回る其に興味を萌す。
「こういうのは樂しんだもの勝ちだよね♪」
折角の休暇にて、遊興に招かれたのなら遊ばなくては損々♪ 刹那的な享樂もばっちこい♪
その場のノリを愉しむのが得意な佳人は、賭けの開始を告ぐ鐘の音に爪先を結ぶと、大いに賑わう中に麗姿を滑らせた。
「クローネちゃんは色で賭けよっかな♪」
盤に記された赫と黑に近しいものを感じたか、全き直感で赤色の数字に賭ける。自身の瞳の色だ。
配当は二倍だと隣の男が説明を寄越すが、その實、確率や控除率を気にするクローネでは無かろう。
唯だより強い興奮をと多額のチップをベットした彼女は、その高さに周囲を賑わせると、間もなく回転する円盤に佳聲を躍らせた。
「赤に入るといいな♪」
麗人に魅了されたか判然らないが、回転盤を走った球は赤のポケットへ。
おぉ、という響めきの後に倍になって戻るチップを迎えたクローネは、塊麗の微笑をひとつ。
「無一文になって身包み剥がされても面白かったけどね★」
と、本気か冗談か分からない一言で場を盛り上げるのだった。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です。よろしく
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
シルバーレイン世界の技術レベル程度ならハイテク機器も扱えますが
それ以上だとキャバリアの制御AI『E.N.M.A』に頼ります
大体の事は「大人の対応」を心掛け、
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、自分がそういう系の見た目なのは自覚してますが
露骨にえっちな展開は断固NG
なお、コメディ色が強い等のネタ依頼の場合は
なんとなく空気を読み
姉の『鈴乃宮・光華』の演技で語尾を「にゃ」にする等全体的にきゃる~ん☆とした言動に変わります
「……わ、とっても煌びやかなフロアにゃ! 樂しそうにゃ~」
騷々しい光と音の中にも玲瓏と澄み渡るソプラノ。
佳聲の主は慥かに鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)なのだが、ゆるゆる、ふわふわとした語調は姉の光華そのもの。
サイバーカジノで遊ぶと云うなら、何となく彼女の方が愉しめそうと思ったか。親愛なる家族の記憶を辿って「鈴乃宮・光華」を演じた影華は、嘗ての彼女が然うであったように自由の心の赴く儘、フロアに渦巻く熱気の層を風のように擦り拔けていく。然う、シルフィードのように。
「あは、キラキラして可愛いにゃ。これで遊ぼうかにゃ?」
天眞爛漫な佳人の目を引いたのは、ゲーミング・スロットマシン。
約1680万色の燦然を纏いつつも何処かレトロな筐体を見た影華、いや光華は、眼鏡越しに赫緋の眸を輝かせると、早速コインを投入してレバーをがっちゃんこ。勢いよく回り出すリールを注視する。
「サクランボ、かわいいにゃ……これがいいにゃ☆」
浪人時代に視力が一気に落ちたものの、動体視力は拔群。
高速回転するリールの中でも、チェリーはベルと違って目押しで絵柄を揃えないと払い出しを受ける事が出來ないのだが、これを簡單にやってのけるのが銀誓館学園所属の能力者、そして猟兵。
「ポチポチッとして……――ふふっ、揃ったにゃ~」
役に拘る訳でなく、ゲームを樂しむ爲に絵柄を揃える。
可愛いからと狙いを定めた佳人は、いつの間にかメダルをざくざく。その凄まじい稼ぎっぷりで周囲の客の度肝を拔くのだった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
🏝198759
賭け事はあまりしないのですが……折角ですし少しだけ遊んでみましょうか
スロットマシンの椅子に座って回転するリールを観察
これの絵柄を合わせれば勝ちですね? …………ポチ、ポチ、ポチ
|ジャックポット《7 7 7》
マシンからドバドバと吐き出されるコインの濁流
普段から秒間775回斬撃やマッハ13で飛行しながら戦闘とかしているので、フェイントもないただ回転するだけの機械の絵柄を【見切る】のは造作もなし
コインは……お菓子にでも交換して、お土産にしましょうか
過分な勝利は妬み嫉みを買うもの
狼藉者は【獣絞縛鎖】で絞め上げて、警備員さんに引き渡しましょう
倒柱戯や賽転などの「賭け遊び」は、儲けになると分かるや否や、詐欺師や酩酊、放埒と結びつきやすいと聖俗で論陣を張られたが、認められては聖靈降臨祭で愉しまれるなど、割と聖職者にも近しかったりする。
而してオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)も屡ば目にしていたとはいえ、自ら賭ける事はしない方であったが、この昂揚に隔絶を置こうとも思わない。
「……折角ですし、少しだけ遊んでみましょうか」
ビルの館内全域が水着で往來できる気安さと、先客が死に物狂いで彼女を招いた事もあったろう。
美女に頗る友好的な|機械化義体《サイバーザナドゥ》のメンズに大歡迎されたオリヴィアは、宛ら大學病院の総回診みたいな大名行列を勝手に作られつつ、ゲーミング光の眩しいカジノフロアを見て回った。
「おや、この眩しく回る車輪は……?」
「ルーレットだぁよ。色や数字に賭けるんだぁね」
「ふむふむ……!」
ギラッギラに輝く円盤に聖女が双眸を細める傍ら、ガイドをくれる男達。
その實、彼等は回転盤より佳人の透き通るように美しい背中や首頸、豊滿を一生懸命に支えるビキニ紐をガン視しているのだが、スロットマシンの前で足を止めた彼女が振り返った瞬間にドッキーン!
「スイカにサクランボと、こちらは可愛らしい絵が描かれてありますね」
「えっそっそうさね! もう瑞々しいったらありゃしない!」
肩越しに注がれる流眄に腦殺されるメンズ。
見返りオリヴィアに一秒で天国に逝ってしまいそうになるが、彼等はちゃんとルールを教えてくれる。
「絵柄を……特にこの『7』が揃うと勝ちですね? 成程、これなら――」
絢爛な光を焚きながらレバー式というレトロな筐体の前、高速で回転するリールを觀察する。
初心者ならではの一本指で、ポチ、ポチ、ポチとボタンを押した麗人は、次の瞬間、大音量を叫ぶマシンに瞳を瞬いた。
「あの、まさか壞」
「|ジャックポット《7 7 7》だ!!」
「? ジャック……?」
「大當たりって事だぁよ!!」
一発目で大當たり!! ゴッド・ブレス・ユー!!!
痛快なミラクルをやってのけた彼女の周囲では、男達が快哉を叫んで興奮しているが、猟兵として最前線を駆けるオリヴィアには造作も無いこと。
常は秒間775回斬撃を繰り出し、マッハ13で飛行しながら臨機応變に戰っているので、フェイントも搦め手も無い、ただ回転するだけの機械の絵柄を見切るのは「奇跡」に非ず。
タイミングよくボタンを押しただけなのだが、メンズは大喝采、マシンもドバドバとコインを吐き出して何だか笑っているように見えるのだから、オリヴィアは|和々《にこにこ》と咲んで賛辞を受け取る。
「コインは……お菓子にでも交換して、お土産にしましょうか」
而して大注目を浴びたオリヴィアは説明を呉れた者達に御礼を言って交換所に向かうのだが、過分な勝利が妬み嫉みを買うものとは知っている。
「――獸欲成敗!!」
背後から忍び寄る「ホルターネック外し魔」を魅惑の肢体で締め上げたオリヴィアは、「キュン」と云って気絶する外道を警備員に引渡し、フロアを後にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カイム・クローバー
|人情《おしぼり》が身に染みるね。
普段なら手を拭くだけだってのに、今日はトコトンまでコイツに付き合って貰おうって気になるぜ。
あぁ――食った後の串も持って帰ってくりゃ良かったか。
Hey、この卓は空いてるかい?
BJの卓だ。機械化のお客様方に紛れて。
財布の中身は全額コイン。空の財布は――俺が負けたら持って行きゃいい。
ゲームは|all in《全賭け》さ。
当然。他のお客様方を退屈させちゃいけない。
――卓に座ってる機械化のお客様方とディーラーは全員グルでイカサマをしてる小悪党。
何度かディーラーとお客様に勝たせて貰って、仕上げに俺の身ぐるみ剥ごうってトコで、ディーラーがカードを配る前。
これで負ければ一文無し。だから願掛けをさせてくれ、と頼もう。
イケメンの俺が触れれば幸運の女神サマも振り向くかも知れないだろ?
何て言うと客とディーラーは下卑た笑いで大爆笑。中には機械化の眼から液体まで流す奴がいる。器用なモンだと感心する。
触れてUC。クローバーのJでBJだ。
ほら、俺の幸運もこのツラも捨てたモンじゃないだろ?
機械と電腦に埋もれた殺伐の街で、人の温かさ(有料)に觸れられたのは運が良い。
心臓や腦まで機械に換える者が多い中、心は何處から生じるのかと暫し哲學に浸ったカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、化粧室の鏡の前で汚れを落とすと、我が分影と見合って云った。
「|人情《おしぼり》が身に染みるぜ。普段なら手を拭くだけだってのに、今日は存分に付き合って貰おうって気になる」
これより向かう処は、どうもドレスコードに煩い。
此たび館内を水着で往來できるのは不正防止の觀点から歡迎されるとして、頬にゲーミングタレを輝かせた男など門前払いだろうと身裝を整えた彼は、40階、扉に立つバニーガールの前で思い出したように云った。
「あぁ――食った後の串も持ってくりゃ良かったか」
「ふふふ、串って?」
「お守りさ」
擦れ違いざまウインクを置いた色男が向かう先は、兩替所。ここで財布の中身を全てコインに替える。
よほど天國までの距離を知らぬか地獄を見たいか知らぬが、この男の底が知れぬとは、「21」――即ちブラックジャックに向かうからに他無い。
カジノで愉しむ賭事の中でも、21はディーラーよりプレーヤーが有利となるゲームと確率論で証明されており、カウンティングによって数學的に有利にプレー出來るからなのだが――果して。
「Hey、空いてるかい? 俺も儲けさせてくれ」
軀の殆どを機械化したイカつい男達が集まる卓に身を滑らせる。
周囲より賑わっているように見えたのは、實は|虚構《フェイク》で、卓に座ったメンバーは勿論、ディーラーまでもが|共謀《グル》となり、カイムのようなカモが來るのを待っていたのである。
卓としては最悪を引き当てたカイムだが、地獄に堕ちる直前までは天國を見させてくれるもので、初回から数回のゲームで勝たせて貰えば、矢張り気が大きくなろう。
「やぁ悪いね。勘が冴え渡っているようだ」
「随分と羽振りが良くなってきたが、さぁ次はどうするね」
「當然、|all in《全賭け》さ。最高の時を共にしてくれる|紳士樣方《ジェントルメン》を退屈させちゃいけない」
勝ちが続くとベットを少なくし、或いはゲームを降りる小者も多いが、この男は「|本物《crazy》」。
我が全財産が卓にあると掌に示したカイムは、「俺が負けたら持って行きゃいい」と空の財布をヒラつかせて觀客を集めるのだから、ここが仕掛け時だろう。
カードを配る直前、ディーラーが鋭く片眉を持ち上げた瞬間、彼もまた勝負時と思ったか。カイムは芝居じみた表情で更に場を盛り上げた。
「これで負ければ一文無し。運命の一枚に願掛けをさせてくれ」
「おや、弱気になって」
「まぁね。唯だイケメンの俺が触れれば、幸運の女神サマも振り向くかも知れないだろ?」
途端に大爆笑が起きたのは、連中が未來を知るから。
ディーラーは失笑を隱さず、下卑た笑いを重ねる者の中には機械の義眼を濡らす者まで居たが、カイムは「器用なモンだ」と眺めただけ。
この時、綺麗に拭われた指先でカードを捲れば、喫驚と驚愕の視線が集まる中で塊麗の微笑が勝利を告げた。
「――ほら、ブラックジャックだ」
「何ッ!? そんな、そんな事は……!!」
「俺の幸運も、このツラも。中々捨てたモンじゃないだろ?」
イカサマだ! と卓に着いた全員が立ち上がるが、然う、その通り。
幸運の女神を『クローバーのJ』に創造して寄り添わせたカイムは、騷然となる卓から颯爽と立つと、
「女神どころか全員が振り向いた」
と、人集りの中心で笑って見せるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『二次会パーリナイ!』
|
POW : 思いっきり夜更かししてあれこれ楽しむ
SPD : 面白そうな店やイベントに顔を出してみる
WIZ : 飲み物と会話を楽しみながらのんびり過ごす
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
此度「水着コンテス塔」と呼称を變えた高層ビルは、65階にその会場を設けている。
開放的な屋外空間には扇形のゲーミングナイトプールがあって、約1680万色に光るムービングライトで彩られる水面が非日常的な空間を演出する中、耳に聽こえるDJパフォーマンスが開放的な気分にさせてくれる。
上質なデッキチェアの竝ぶプールサイドバーでは、ビールをはじめ、マルガリータやブルーハワイといった常夏カクテル、フレッシュなフルーツドリンク等を味わえるが、それらのゲーミング飲料を手に人々が愉しむのが――水着コンテスト!!
「さぁさぁ皆さん、その素敵な水着姿を披露していってね!!」
入場者にそう言って回る猫型スタッフロボに説明を求めれば、彼は胸を張って答えよう。
クルリと舞台の方を向いた猫ロボは、手をクイクイッと裝置の動きを眞似してみせた。
「目玉は上下左右前後の全方位から光を浴びてせり上がるお立ち台!! 目立つんだよね~!!」
エントリーした者は、舞台下部から噴水のイルミネーションと共にシュワッと水飛沫を連れて現れる。
約1680万色のゲーミングライトがこれでもかと人物を照らし、周囲の者がヒューヒューと歡聲を上げて「イイネ」を浴びせる、實にはっちゃけたイベントなのだそう。
因みに、骸の雨降るサイバーシティは夜穹に星は鏤めぬものの、これでもかと花火を打ち上げており、五輪閉会式のフィナーレくらいの燦然と感動を8時間程ぶっ通す。光も音も常に全力、強弱とかワビサビとかは無いのがサイザナスタイルだ。
「キミも可愛い水着だね! エントリーしてみたらどう?」
猫ロボが背後に回り、舞台にまでグイグイ連れて行く。押し込もうとする。
勿論、斷ることも出來ようが……折角なら參加してみては如何だろう?
イネス・オルティス
🏝199463
イネスの水着はどれも細長の一枚布を身体に巻いただけの一族伝統御やり方のもの
まあ、こっちに危害が加わらないなら別に何でもいいけれど
で、何かやれって? しょうがないわね【薄衣甲冑跳躍術】で
周りの人たちの上を跳んでみましょうか……
だから何って感じだけど、とりあえず盛り上がったみたいね
私自身にとっては興味薄い催しだけど、
参加したからには、ある程度盛り上げないとさすがに悪いものね
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのため無意識に周りを誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません
気高き戰士の貴女にもう一つ、別なる戰場を紹介させて欲しい――。
カジノディーラーとの一対一を制したイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)が案内されたのは、最上階の屋外空間に設けられた「水着コンテスト」会場。
既に多くの參加者がド派手なお立ち台で自慢の水着を披露しており、その熱気は慥かに戰場のものと遜色無く、会場は異樣な興奮に包まれていた。
「……。……既視感あるわね」
流石は歷戰の女戰士。
樣々な世界で開催されるこの饗宴、今年はアスリートアースで參加してきたばかりだと吐息を置いたイネスは、早速更衣室へ。輕鎧に次ぐ一族伝統の衣裝、細長い一枚布を巻いて舞台に上がる。
觀客が「おおぉ!」と歡喜驚嘆の聲を上げたのは間もなくの事。
上下左右前後から照射される光線の中央、約1680万色に光るゲーミングライトが照り上げるイネスの水着姿の美しきこと麗しきこと!
雜味の無い藍染の一枚布は、|情感《サンジピリテ》と|肉感《サンジュアリテ》に溢れる肢体にピッタリと巻き付き、更に大胆な|角度《カット》と|交差《クロス》によって佳人の玉膚を輝かせ、觀る者を0.0001秒で魅了する。
\ウヒョウ、最高!!/
\何かやってくれー!!/
\こっち向いてくれー!!/
「あちこちからリクエストが飛んで、仕方ないわね……それなら会場を滿遍なく跳んでみようかしら……」
イネス自身には興味の薄い祭宴だが、參加したからには盛り上げないと居心地が悪い。
觀客に應えるのも競演者の役儀かと息を置いた彼女は、爪先を蹴るや宙に駆け上がって【|薄衣甲冑跳躍術《ビキニージャンプ》】!
リボンを結わえた鍔広の帽子を片手に抑えつつ、バーガンディの巻髮を豊かに搖らして会場中を跳び渡れば、その躍動的な麗姿を間近に見た者は大興奮! 最高の角度と臨場感で拝むイネスに腦殺される。
蓋し彼女に一同の電腦を灼き殺す|心算《つもり》は毛頭無く――、
「まあ、こっちに危害が加わらないなら別に何でも良いし、跳んだ処で『だから何?』って感じだけど……とりあえず盛り上がったなら良かったわ」
これで新たな戰場を教えてくれたディーラーの顏を立てられたか、と。
シュワッと噴き上がる水飛沫に濡れた花唇は、一抹の安堵を零すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リン・ベルナット
何やら面白そうな予感!よーし、頑張るよ!
お祭りとかイベントがあるなら積極的に参加したいなっておもってるよ!皆でワイワイ楽しめるイベントって面白いもんね!
特に体を動かせるようなのは大好きだし、そういうのだと嬉しいな!
UCを使った準備運動で体をほぐしたら、目一杯に体を動かして楽しんじゃうよ!
スポーツでもそうでないのでも運動神経は良いほうだし、華麗にこなしちゃうね!
勿論、体を動かさないタイプのイベントもどんと来い!だよ!
美味しいものを食べたり何かを見に行くっていうのも楽しいもんね!
温泉とかでリラックスしたりまったり休むっていうのも面白いかも?
いろんなのがあって楽しみ!よろしくね!
水着コンテス塔の最上階に設けられた「全方位ギラギラ☆ゲーミングお立ち台」は、その名の通り、舞台下から迫上がるお立ち台に登った參加者を、上下・左右・前後の全方位から約1680万色のゲーミングライトで照らし出す、ド派手な演出裝置だ。
扨て次はどんな|感動《トキメキ》があるかな? ――なんて。
会場に集まった觀客は、キャッチーな音樂に合わせて動くスポットライトが舞台中央に光を集めた瞬間に拍手するが、而して迫り上ったお立ち台に人影は無し。おや、という響めきが一同を注視させる。
段取りを間違ったか? ――否。
一瞬の沈默こそ最高の演出になったとは、会場に結ばれる輕やかな跫音が証明した。
「――いくよ!」
驒ッと爪先を蹴るなり走り出す爽涼の風ひとつ。
会場を左右に分ける中央のストレートラインを颯爽と駆けてきたリン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)は、熱気昂ぶる觀客の頬を風に掠めると、舞台の手前で|大跳躍《フライ・ハイ》ッ! 長いポニーテールを躍らせて|前方倒立回転《ハンドスプリング》ッ、華麗にお立ち台に飛び乗った――!!
「何やら面白そうな予感がして! 來てみたよ!!」
マイクを通して広がる大瑠璃の|囀聲《こえ》の淸々しいこと!
会場に近いナイトプールの水辺で【|念入りな準備運動《ケアフル・ウォームアップ》】を行っていた彼女は、目一杯に身体を動かしてアクロバティックな登場。振り返りざまポーズを取った瞬間に噴水のイルミネーションが噴き出し、虹の雫を抱いて輝く。
「お祭りとかイベントは好きだし、|競演会《コンテスト》なら猶のこと頑張りたいよね!」
元気いっぱいなリンの笑顏に、一同が「おおー!」と力強く叫ぶ。
自身のイメージカラーである赤と白の縦縞ビキニの可愛らしさは勿論、普段はアスリートとして水泳トレーニングをしているのか、競泳水着の日焼け跡がくっきり現れているのが魅力的。
既に優れた運動神経を披露したリンだが、健康的な肌膚の艶やかさと、走り込んで造られた美脚、そして見る者を釘付けにする豊滿は、ビッカビカに輝く光によって陰影を露わに、肉体の美しさを際立たせた。
「さぁ皆も樂しんでいこ!」
この後はプールサイドバーで咽喉を潤して、ナイトプールでまったり休んで。
めいっぱい愉しむのだと綻ぶ花顏に、觀客は是を示すよう拳を突き上げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
今や65階の水着コンテスト会場は大盛り上がり!
次々と登場するカリスマ達に魅了された觀客は、ここでマイクに広がる温和な佳聲に耳目を集める。
重低音のビートやDJパフォーマンスを擦り拔けるソプラノは、木陰を通る緑風のように心地良かった。
「エントリーナンバーは何番になるのでしょうかぁ~。ともあれ、宜しくお願いしますねぇ~」
穩やかな音色と語調で耳を癒すは、冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)。
おっとりとした花顏に柔かい|微咲《えみ》を湛えた彼女は、兎のワンポイントが愛らしいワンピース水着の上、櫻紋を鏤めたグラデーションコートをひらり。お立ち台の上で輕やかに回って見せると、空気を集めた裾から瑞々しい脚を覗かせる。
優雅な動きにつられて躍る、ふわふわロップイヤーと赤茶の|編髮《おさげ》も可愛らしいが、卯月と一緒にくるりんと一回転した兎たちにも心奪われよう。
「ぶちくんとたれちゃんもご一緒に~、はぁ~い、よく出來ましたぁ~」
戰鬪時にはコンビで杵となり佳人を助ける二匹は、今日も今日とて頼もしいこと!
小さな尻尾を見せて会場を笑顏で滿たす愛兎に麗眸を細めた卯月は、スッと腕を伸ばして抱き寄せた。
「折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。この後は少し寄り道していきましょうねぇ~」
プールに、バーに、打ち上げ花火に。
高いお立ち台から見える景色が愉しそうだと笑んだなら、二匹もスンスンと鼻を動かし、その是を示すような動きにまた笑顏が集まるのだった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
🏝198759
暑い季節には水辺で遊ぶのが一番ですね!
しかし水着コンテス塔……キマイラフューチャーやグリードオーシャンの水着コンテス島とそっくりですね
一種の収斂進化というものでしょうか
ともあれ、楽しいお祭りなら大歓迎です!
舞台の上でポージングを決めて……ポールを使ったダンスも披露しましょう!
【情熱の艶舞】! アルコールの酔いすら吹き飛ばすほど激しく鮮烈な【ダンス】【パフォーマンス】!
きっと皆さんも踊りたくなる筈! わーい!
約1680万色の光彩といいDJパフォーマンスといい、ビルの最上階にも至れば賑わいは最高潮!
ビッカビカのゲーミング光を浴びる人々もギラギラと|活力《バイタリティ》に滿ちている、と一帯に溢れる笑聲に微笑を湛えたオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、自身も涼に誘われてナイトプールへ、ちゃぷりと美脚を浸す。暑い季節には水辺で遊ぶのが一番!
水面に搖れるネオン光を何度か掬い上げた彼女は、軈てその光源たる舞台へと視線を結ぼう。
麗瞳に映るは、全方位ギラギラ☆ゲーミングお立ち台――このビルが夏に「水着コンテス塔」と呼ばれるようになったイベントが盛大に行われている。
「この既視感……キマイラフューチャーやグリードオーシャンの水着コンテス島とそっくりですね。これも一種の収斂進化というものでしょうか」
流石は各世界の水着コンテスト覇者、一家言ある。
どの世界も暑い夏を全力で樂しもうという気持ちは變わらぬかと花唇に弧を描いたオリヴィアは、|矗然《すっく》と立ち上がって受付所へ。年に一度のお祭りを盛り上げるべく動き出した。
\Sr. Livvy!! Sr. Livvy!! Sr. Liiiivvy!!/
\Glamorous Liv!! Glamorous Liv!!/
オリヴィアの登場を煽るは、オリヴィア列車やオリヴィア総回診に群がったファン達。ついてきてた!
この塔を登るまでに獲得した「リヴィーズ」の野太い聲援とBGM、そして上下左右前後から照射されるスポットライトに迎えられたオリヴィアは、輝くような笑顏でS字ポーズ! シュワッと噴き出る水飛沫を背に、純白にして悪魔的にエッチなビキニ姿、そして悪魔的にエッチなボディラインを際立たせた。
「皆さん、この夜をめいっぱい樂しんでいきましょう!」
うおおおおお、と地鳴りのような歡聲が会場を搖らす中、佳人は繊手をスルッと傍のポールへ。
逆上がりするように登る手際は勿論、滑らかに脚を動かしてインサイドレッグハング――「|天使《Angel》」なるポーズを決めれば、リヴィーズを中心に感動と喝采が広がっていく。
「樂しいダンスを披露すれば、きっと皆さんも踊りたくなる筈です! わーい!」
其はアルコールの酩酊すら吹き飛ばすほど鮮烈な【|情熱の艶舞《パッション・ステップ》】!!
觀客は胸の鼓動と共に手拍子を速め、身を低く剔るような角度から太腿を拝み! 鼻血を噴き! その名の通り情熱の赤に染まる!!
「さぁご一緒に! わーいっ!!」
畢竟、これは「オリヴィア酔い」。
美女の樂しげな佳聲が澄み渡る中、会場は「ええもん見させてもろた」と涙すら浮べつつ|艶舞《ポールダンス》に酔い痴れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにない相手に対しても無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。
美人がいたらお近づきになりたいと思ってはいますが自分からは絶対に行けません。なんかの間違いで話しかけられたら好意を持たれてるものと勘違いして舞い上がります(たぶん失敗するんじゃないかと)。
恋人持ちは爆破しようとします。臆病なので本当にしちゃったら大問題になるならできませんが。この場合でもなるべく男の方だけを爆破するようにはします。
そういうのがないなら動こうともせず食っちゃ寝食っちゃ寝しているのではないかと。
オブリビオンが全員リア充なのは疑う餘地も無いが、その肝心のオブリビオンが居ない。
なのにリア充だらけとは何事かと、約1680万色の燦然を水面に搖らすナイトプールを見た不破・静武(人間の非モテの味方・f37639)は、兩の|拳固《こぶし》をメキリと握り込めた。
「これは……クリスマスのイルミネーション街道、バレンタインデーの空中庭園と共に、夏のナイトプールも『リア充無限湧きどころ』として危険区域に認定しておかなくてはなるまい……!」
水着姿でカクテルを飲むなんて陽キャ、パリピ、リア充の極致!
否應にも昂る嫉妬の炎は、赫々と燃えてそこらへんのカップル(の男の方だけ)を爆破・消毒しに掛かるが、根が臆病だし本当にしちゃったら大問題になるからやらない。
そんな良識を持ち合せるあたりで「年齢=彼女イナイ歴」という非モテの金メダルを作ってしまったか理解らないが、内心では擦れ違う男という男に厄払いの豆をぶつけてプールサイドを歩いた静武は、ドリンクを給仕してくれる猫ロボからゲーミング・エナドリを貰って「水着コンテスト」会場へ。
「水着コンテスト……! これもリア充のオーラに滿ち溢れてるけど、ゆる……す!!」
頑張る女の子は悪くないしね。可愛いしね。
特に応援などはしないが、グラマラスな美女が莞爾と手を振れば、舞い上がって手を振り返すなどしてコンテストの空気を味わった静武は、とりあえず飲み食いして打ち上げ花火も觀る。
ここで気になる女性に一声でも掛けたなら、恋人は出來ずともリア充の少し手前くらいの世界を見られたか知れないが、
「マジのオブリビオンの気配が無くて良かった良かった」
と安堵して帰るあたり、独身記録はまだまだ伸びそうだった。
成功
🔵🔵🔴
カイム・クローバー
🏝199360
――だから、言ってやった。
女神どころか全員が振り向いた、ってよ。
バーでブルーハワイ片手にマスターに告げ。
大盛り上がりの会場の喧騒。近付いて来た猫ロボの頭を軽く叩いて。
俺がエントリーしたら優勝が決まっちまう。
後、可愛いじゃなくイケてるって言ってくれ。
仕事中の猫ロボにも飲むか?なんて。ブルーハワイを飲み干す。
そう、アレはBJでお灸をすえて、その後。
ポーカーに挑んだ。
チップのall in。サマ無し一発勝負。
向こうも真剣さ。何せ賭けたのは結構な額だ。最悪、アッチはデカい損額を覚悟する必要があったし、連中から見たら、俺は幸運の女神に愛された男だっただろう。
配られるカード。ヒットとステイ。自信たっぷりの表情を浮かべてやった。
it's showtime。配られたカードをオープンしたその結果――。
信じられるか?全損だぜ?
身ぐるみと財布も剥がされて、残ったのはこの|人情《おしぼり》だけさ。
水着が許されていなけりゃ、今頃、変質者扱いだ。
支払い?……ま、何とかするさ。
ニコリネか帷を眼で探しつつ
アップテンポなクラブ音樂に合わせ、約1680万色の光を躍らせるナイトプール。
処々にフローティングライトを浮かべる水面は、夜穹で大輪を広げる花火の色彩も映して幻想的に、そこに脚を浸した者を非日常的な世界に誘おう。
そんな夢幻に抱かれ、更に上質な酒精に酔えば人は饒舌になるもの。
――いや、否。
殊にカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)という男の能辨は、酒杯の質に左右されるものでは無かった。
「――だから、言ってやった。女神どころか全員が振り向いた、ってよ」
深海めいたグラデーションを滲ませるグラスを片手に、先の大勝負を語る。
甘いラムの馨り、涼しげなブルーキュラソーに濡れた佳唇は滑らかに言の葉を紡ぎ、博打好きなバーのマスターを笑わせていた。
「蟻|地獄《・・》に嵌った蟻が嚙みつくなんて痛快だな」
「連中が|極樂《・・》に行く前で良かった」
「はは、そりゃいい!」
蟻地獄は極樂蜻蛉になるんだっけと、カウンター越しに笑聲が交わって。
他愛ない会話を愉しむのは何処の|酒場《バー》も同じか、ゲーミング光に煽られた若者達が賑々しく行き交う中、ここだけは大人の時間が流れている。
プールを挟んだ向こうでは、水着コンテストが大盛り上がりとなっており、その喧騷を縫って現れた猫型サーブロボも飛び入り參加を促してくる。
「わ、可愛い水着だね! キミも舞台に上がったらどう?」
「俺がエントリーしたら優勝が決まっちまうぜ」
それじゃ|些末《つまら》ないだろう? と、猫ロボの頭を輕く叩くカイム。
丁度マスターが機械の腕でシェイクしたカクテルを、ロボが運ぶトレイに乗せてやった彼は、「それと」と注文を添えた。
「こういうのは“可愛い”じゃなく“イケてる”って言うんだ」
「イケてる? まって|學習《おぼ》える!」
涼しげな靑のラッシュシャツは前を開けて靭やかな筋肉を覗かせ、胸元には幻獸の羽根を搖らして。
周囲が幾千幾万の光を躍らせるからこそ、落ち着いたブルーで纏めた水着姿が精彩を増すか、ブロンズの肌膚の補色に近いシンプルな色彩は、カイムという極上の素材で存在感を際立たせる。
成程これが「イケてる」かと、猫ロボがAIカメラを巡らせる中、彼は飛び切りのブルーを差し出して、
「飲むか?」
「お仕事中だし! |猫《ぼく》飲めないし!」
「そりゃ残念」
「揶揄ってるんでしょー? 分かるんだからねー!」
プリプリとした表情を見せる猫ロボの前、小気味よい微笑を置いてグラスを飲み干したカイムは、おかわりを促すマスターに片眉を持ち上げた。
「それで、たんまり儲けたんだろう? もう一杯飲んでいきなよ」
「――物語には続きがある」
カウンターに肘を乗り出す彼を手で制する。
然う、小悪党共をブラックジャックでお灸を据えたカイムは、その後ポーカーに挑んでいたのだ。
「チップのall in。サマ無し一発勝負さ」
先の賑わいを聽いていた相手は眞剱も眞剱。
何せカイムは結構な額を賭けたし、幸運の女神に愛された男と勝負するなら、最悪の場合、相当な損額を負う覚悟も要ったろう。
「マジかよお前さん。ここで次に挑むなんてイカレてるぜ」
更なる博徒伝説にマスターが息を呑む中、カイムは猶も語る。
話術に優れた彼の周囲には、自ずと聞き手が集まろう。サイバーシティに現れた吟遊詩人は、先の博打をドラマティックに紡いでいく。
「配られるカード。ヒットとステイ。自信たっぷりの表情を浮かべてやった」
「くぅー、シビれるぜ」
「It's showtime! 配られたカードをオープンした、その結果――」
「ど、どうなった……!?」
「信じられるか? 全損だぜ?」
身包み剥がされた! 空の財布さえ取られた!
残ったのは「人情」だけだと、唯だ一枚の「おしぼり」が卓に出されるのを見たマスターと聽衆はガッカリ!!
めいっぱい膨らんだ緊張の風船を、「はぁ~」という溜息に萎ませる。
「水着が許されていなけりゃ、今頃、変質者扱いだぜ」
成程、これが“タネ明かし”という訳か。
やけに水着が似合ってると、皆々がカイムの肩を搖らして冗談を言い合う中、マスターだけは訝しげな視線を結ぶ。
|酒《ここ》の支払いは出來るのか、と――探るような瞳がカイムの全身を撫でるが、彼が悪運の尽きぬ男とは、その眞隣に座った帷が證左しよう。
「やぁカイム。樂しく飲んでいるかな」
「ああ、お陰様で。だがそろそろ引き上げようと思っているんだが――」
「少し付き合ってくれないか? コンテストの盛況に乗じて花を売り捌いた友達が居てね」
便乗した者に便乗しないかと、悪戯な微笑を注がれた男が斷る筈も無し。
帷に是の笑顏を挟んだカイムは、カウンター越しに流眄をひとつ。
「マルガリータを、ふたつ」
と、追加のオーダーを入れるのだった。
大成功
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