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ディセントケイヴ探検記~お嬢様による意地悪👙レイド!?

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●誰でもビキニになれるレイドです
「いよいよ夏も本格的になってきたってことで、水着に着替えて遊びに行きたくなるわよね~。まあ、ところ構わず……それこそ危ないダンジョンの、それもボスの前で水着になるなんてのは、さすがに危な過ぎだと思うけど」
 RPGには時に際どいデザインの装備が登場することもあるが、その大半はデザインに反した優秀な効果を持っている。だが、それらの効果も何もない、本当にただの水着では、さすがに戦うのも危険だとパトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)は猟兵達に告げ。
「そういうわけで、GGOで新しくバグが見つかったってわけ。ディセントケイヴって階層式ダンジョンの第四層に、バグったレイドボスが居座っているわ」
 パトリシアの話では、ディセントケイヴとは階層式の大穴で、下に向かえば向かう程に危険度も増して行く仕様だという。第四層ともなれば、そこは様々なレイドボスが配置される難易度の高いダンジョンになっており、中には廃人プレイヤー以外お断りのような高難易度レイドも存在するのだとか。
「で、そのレイドクエストなんだけど……バグったせいで、なんでか本来のレイドボスが、レイドへの参戦権を得るためのボスとして登場しちゃってるみたいなのよね」
 この時点で、バグはかなり深刻だ。中ボスだと思って挑んだら、いきなりラスボスが出てくるのである。しかも、こいつも盛大にバグっており、召喚される配下は何故か全員がビキニ姿の女性ばかりだという。
「『ワガママプリンセス』っていって、本当ならレイドボスっていうよりは、クエストボスみたいな感じの敵なのよね。でも、バグりにバグってるから、なんか色々混ざってカオスな感じになっているわ」
 これだけでも酷いのだが、このプリンセスが召喚する配下のビキニ女性軍団は、データ改竄の能力を持っている。彼女達の攻撃を食らうと、漏れなく防具が『いけない水着』という単なるビキニ水着にされてしまう。これはネタ装備の一種で、防御力皆無な単なる水着だ。こんなゴミ装備で高難易度レイドに挑めとか、それだけでも盛大なペナルティ!
 唯一の幸いは、プリンセス本人は直接的な戦闘力を持たないことか。しかし、彼女との戦いはあくまで前哨戦。彼女を倒すと、今度は暗黒のビキニアーマーを着た女性騎士が大量に現れ、真のボスへの行く手を阻む。しかも、彼女達の着ているのは全て呪われたビキニアーマーで、こちらを捕えて装備を強制的に同様の暗黒ビキニアーマーにしようとしてくるらしい。
「暗黒ビキニアーマーは、呪いの装備だからね。一度装着すると呪いを解くまで外せないし、おまけに猟兵やプレイヤーだけはステータスが爆下がりするわ。レイドボスを前に半永久的な強制デバフとか……もう悪意しか感じないわよ」
 それら、数々の艱難辛苦を乗り越えれば、ようやく真のレイドボス……ワガママプリンセスとの再戦となる。彼女のバグもまた深刻なレベルになっているようで、最初に戦ったプリンセスとは、別の意味で大幅なパワーアップを遂げてしまっているのだとか。
「もう、いっそのこと洞窟封印しちゃって、しばらく近づけないようにすればいい気もするんだけど……そんなことする前に、既に廃人プレイヤー達が、レイドに突撃しちゃってるのよね」
 彼らは腕の立つプレイヤーなので、滅多なことでやられはしない。が、しかし、バグにより強化された挙句、攻撃を食らうだけで強制的に装備解除や永続デバフを与えてくるような敵と連続して戦えば、さすがに敗北は免れない。
 バグプロトコル相手の戦いで敗北すれば、それは即ち|遺伝子番号《ジーンアカウント》の抹消を意味する。望まぬビキニ姿にさせられキャラロストした挙句、現実世界に戻ってきたら人権を全て剥奪されてしまうとか、あまりに悲惨過ぎる話である。
「あ、そうそう! ビキニ装備って、本来は女性専用みたいなんだけど……バグのせいで、男の人でも関係なく装備できるようになっているから気をつけてね!」
 要するに、男であっても関係なく、状況次第でビキニ姿にさせられるということだ。最後の最後に恐ろしいペナルティを告げつつ、パトリシアは猟兵達をディセントケイヴの第四層へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 夏なので水着依頼です。
 ただし、深刻なバグにより、男であってもビキニ姿にされる可能性あるので気をつけましょう。

●第一章(ボス戦)
 『ワガママプリンセス』との戦いになります。
 本人の戦闘力は皆無ですが、配下のビキニ女性軍団の攻撃を食らうと、装備が漏れなく『何の効果もないビキニ水着(防御力0、特殊効果なし)のみ』にされてしまうので気をつけてください。

●第二章(集団戦)
 『邪聖騎士団』との戦いになります。
 彼女達の着ているビキニアーマーは呪いの装備で、同様の装備を強制装着させようと襲い掛かってきます。

●第三章(ボス戦)
 真の姿(?)となったワガママプリンセスと再戦です。
 ただし、バグも深刻化しており、もはや会話のできる状態ではありません。
 召喚する配下も強化されており、攻撃を食らうと重度のバグ汚染に侵食されます。

●廃人プレイヤー達
 高難易度レイドの噂を聞きつけてやって来た廃人プレイヤー達です。
 彼らの戦闘力を以てすれば、プリンセスの呼び出す配下や、あるいは邪聖騎士団は敵ではありません。
 しかし、バグ攻撃を食らって水着や呪いの鎧を装備させられた場合は、その限りではありません。
 彼らの犠牲をいかに少なくするかで、🔴の数が変化します(死んでしまうと苦戦、失敗)。
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第1章 ボス戦 『ワガママプリンセス』

POW   :    さあっ!ワラワの下僕よ、此処に集うのじゃ!
レベル×1体の【ビキニメイド軍団】を召喚する。[ビキニメイド軍団]は【データ改竄】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    ゆけぃ下僕達よ!早くアヤツラを倒すのじゃ!
攻撃力に優れた【データ改竄属性の金棒を持つ虎柄ビキニ女鬼】、レベル×2体出現する【データ改竄魔法を扱うパレオビキニ魔女】、治癒力を持つ【フレアビキニナース】のいずれかを召喚し、使役する。
WIZ   :    受けてみよっ!これがワラワの下僕の力じゃ!
【ビキニアーマーを着た女騎士】の霊を召喚する。これは【接触した相手のデータを改竄する剣と盾】や【強力なデータ改竄魔法】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は札神・遊狐です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地獄のビキニレイド
 レイド戦の抽選権を賭けた戦いは、既に洞窟の中央にある広場で開始されていた。
 ここに集まったのは、誰も彼も腕に覚えのあるプレイヤー。それ故に、通常であれば相手が中ボスだろうと大ボスだろうと、負けることはなかったのだが。
「行け、ワラワの下僕よ! やつらを蹴散らすのじゃ!」
 ワガママプリンセスが使役するビキニ姿の女性達が、一斉にプレイヤー達に襲い掛かる。ベテランプレイヤー達の戦闘力を以てすれば、ビキニ軍団などあっという間に蹴散らしてしまえる……はずだったのだが。
「きゃぁっ! ちょっと、なによこれ!?」
「うげぇっ! なんか、俺の装備までビキニになってやがる!」
 男も女も関係なく、ビキニ軍団と接触した者達は、誰も彼も『いけない水着』を装備した姿にされてしまった。
 これぞ、ワガママプリンセスの配下達が持つ『データ改竄攻撃』である。接触しただけでデータを改竄されてしまうため、盾などで攻撃をガードしても、盾諸共にデータを書き換えられてしまうのが恐ろしい。武器も防具も全て奪われ、代わりに与えられるのは防御力皆無な水着だけ。こんな状況では、いかにベテランプレイヤーとはいえ、まともに戦うのは不可能だ。
「くそっ! なんなんだよ、この特殊攻撃! こんなの聞いてないぞ!」
「水着にされたやつは、そのまま下がれ! 武器も防具もないんじゃ、足手纏いだ!」
 必死に応戦するプレイヤー達だったが、その間にもビキニ水着化の被害者達はどんどん数を増やして行く。水着姿にされた状態で攻撃を食らったら、それこそ大ダメージは確実。場合によってはキャラロストし兼ねない大ピンチ!
 このままでは、彼らは遠からず全滅してしまうだろう。そんな目に遭わせないためにも、まずはビキニ軍団を蹴散らして、バグったワガママプリンセスを撃破しよう。
サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

一般プレイヤーを守るのが先決みたいだね
まぁ、こういうのは正攻法で相手したら苦戦は必須だろうし、なんとかしてこうか♪

相手がパレオビキニ魔女を複数体召喚した時に、あたしも【ミラード・クローゼット】でその服を着て現れて、紛れ込むよ
後は、バレないようにプレイヤーを守るために、糸を使って妨害して回ろう
ビキニ化攻撃には盾になる事も考えるけど……、初めからビキニを着てたらビキニ化を受けるのかはわからないよね?
まー、相手と同じものを着てるから効果は薄いんじゃないかな?あたしはこういう格好もいけるし♪
それに、この戦い方は衣服のステータスなんてほとんど関係ないし、問題ないよね!



●強力過ぎる水着バグ
 攻撃を食らっただけで、装備が単なる水着にされてしまうという酷過ぎるバグ。いかに歴戦のプレイヤーといえど、武器も奪われ防御力の補正もなくなれば、後はやられる他にない。
「水着にされたやつは、早く下がれ!」
「無防備な状態で戦うな! ロストするぞ!」
 未だ無事なプレイヤー達が被害を受けた者達を逃そうとしているが、どうにも上手く行っていないようだ。明確なリーダーが存在するクランクエストとは異なり、レイド戦は雑多なプレイヤーが数に任せて凄まじい体力を誇る敵を倒すタイプの戦い。当然、そこにはリーダーなど存在せず、それぞれが己の役割を果たしながら、最終的にボスを倒せればそれで良いというものである。
 だが、今回に限っては、リーダーの不在が悪い方向へ向いていた。おまけに、バグプロトコルの存在を知らない一般プレイヤー達は、ここでやられてもせいぜい重傷を負う程度で、敵を倒した際に参加者が1人でも残っていれば報酬がもらえると分かっているので、なかなか退こうとしないのだ。
(「一般プレイヤーを守るのが先決みたいだね。まぁ、こういうのは正攻法で相手したら苦戦は必須だろうし……」)
 まともに戦ったり、あるいは避難誘導をしたりしても意味はないと悟り、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は敵の召喚した軍勢に紛れることにした。
「ゆけぃ下僕達よ! 早くアヤツラを倒すのじゃ!」
 ワガママプリンセスが配下のパレオビキニ魔女を召喚したところで、サエもまたこっそりとユーベルコードを発動させる。敵の召喚した軍勢と同じ衣装になって紛れ込み、攻撃を妨害してやろうというのだ。
 敵が引っ掛かって転ぶように、サエは戦場に糸を張り巡らせた。だが、先に召喚されていた鬼女はともかく、遠距離攻撃を主体とするパレオビキニ魔女には効果が低い。なにしろ、彼女達は棒立ちで呪文を唱えるだけで、相手をビキニ姿にすることができるのだから。
「きゃぁっ! このままじゃ……」
 激しい魔法の応酬に追い詰められ、一人のプレイヤーがついにビキニ化攻撃を食らおうとしていた。さすがに見捨てるのも気が引けたので、サエは相手と攻撃の間に割って入り、自らの身を盾にすることでビキニ化攻撃を防いだのだが。
「……え? なにこれ、あたしのビキニのデザインが変わってるんだけど」
 気が付くと、サエの姿は先程よりも更に際どいデザインの、殆どポロリしそうなビキニ姿に変わっていた。
 データ改竄によるビキニ化は、対象の装備を漏れなく全て『いけない水着』というゴミ装備にしてしまうというものだ。元がビキニだからデータ改竄を受けないという理屈は通らない。元がビキニ水着であっても、それが『いけない水着』でない限り、問答無用で装備は『いけない水着』だけにされてしまうのだ。
「参ったわね、これ……。まあ、あたしはこういう格好もいけるからいいけどね♪」
 それでも、今回の戦いに影響は少ないと判断し、サエは直ぐに気を取り直す。魔女の攻撃はビキニ化の効果だけなので、直接ダメージは受けない仕様。ならば、自分が積極的に魔法から身を盾にしてプレイヤー達を庇い、その間にプレイヤー達に敵を攻撃してもらえば良いだけの話。
「こっちは、あたしに任せて! 今の内に、あのプリンセスを攻撃しちゃえ♪」
「助かる! よ~し、やってやるぜ!!」
 鬼娘達が糸に絡まり、魔法をサエが受け止めている間に、残るプレイヤー達がワガママプリンセスに一斉攻撃! 本人は大した戦闘力を持たないプリンセスは、散々に悪態を吐きながら、上級プレイヤー達の情け容赦ない攻撃によってボコボコにされたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

クローネちゃんの服が『いけない水着』になる分には困らないんだけど…他の人も巻き込まれているからね♪
とっとと解決するよ♪

普段からビキニアーマーを着ているし、羞恥心が無いからビキニ水着化しても全く気にしないよ♪
【コミュ力/言いくるめ/救助活動】でプレイヤー達を逃がしつつ、ワガママプリンセス達と戦うよ♪

UCは『クローネちゃんのアイスエルフ軍団★』★
武器・防具に頼りきらない戦い方がいいみたいだからね♪
【ブレス攻撃】や体術による【凍結攻撃】主体で攻めるよ♪
敵の攻撃は【鉄壁/硬化/オーラ防御/霊的防護/回復力/激痛耐性】で耐えるね♪
防具に頼らず、肉体そのものの防御力を上げる方向でいくよ♪
プレイヤーに攻撃が当たる場合はこちらが【かばう】よ♪



●そんな格好で大丈夫?
 攻撃を食らえば強制ビキニ! しかも、防御力皆無のゴミ装備にされるため、それは即ちGGOの高難度レイドでは死を意味する。
 ふざけた攻撃に見えて、なかなかどうして凶悪な攻撃だった。しかも、この攻撃はデータ改竄の類なので、当然のことながら状態異常を回復させる呪文や、あるいは各種耐性では防げない。レイド戦から離脱する、あるいはゲームからログアウトするなどで解除できそうなものだが、ここにいるのは生粋の廃人プレイヤーばかりなので、彼らの頭に撤退の二文字は存在しない。
「う〜ん……クローネちゃんの服が『いけない水着』になる分には困らないんだけど……他の人も巻き込まれているからね♪ とっとと解決するよ♪」
 さすがに、ここで死者が出るのは拙いと思ったのか、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は、自ら率先して前に出た。当然、そんなことをすれば、ワガママプリンセスの召喚したメイド軍団に囲まれてしまう。一般プレイヤーを庇うためとはいえ、これはなかなか危険な行為。
「さあっ! ワラワの下僕よ、此処に集うのじゃ!」
 戦闘能力のない自分を守らせるため、ワガママプリンセスがメイド軍団で人の壁を築き始めた。攻撃しようにも、これではメイドが邪魔で攻撃できない。しかも、彼女達は時にナイフや包丁といった刃物を投げつけ、こちらをビキニ化させようとしてくるのでやってられない。
「おっと、掠めちゃったね♪」
 攻撃をほんの少し掠めただけで、クローネの服装が『いけない水着』になってしまった。これで、素の防御力以外には、もはや頼れるものは何も無い。そんな状態で、更にクローネは無謀にも、攻撃されそうなプレイヤーを庇うため身を晒し。
「きゃぁぁぁ……な〜んてね♪ クローネちゃんは、こんな攻撃じゃ死なないんだよ☆」
 全身に包丁が突き刺さるも、クローネは殆どダメージを受けていないようだ。それもそのはず。彼女の正体はスライム状の不定形生物であり、人間の少女のような姿は、あくまで仮初のものでしかないからだ。
「え? な、なんなの、その身体……」
「変異魔法やスキルの類か? でも、そんな魔法、見たことも聞いたこともないぞ!?」
 海千山千の廃人プレイヤー達も驚いていたが、説明している暇はない。相手の攻撃を凌いだところで、ここから盛大に反撃開始だ。
「クールな子達を紹介するね♪ クローネちゃんのアイスエルフ軍団★」
 漆黒の肌を持ち、それでいて極北の冷気を携えた凍れるエルフの軍団を、クローネは一瞬にして150体以上も召喚した。これで、数の上でもワガママプリンセスの勢力を上回ることができる。ビキニ化攻撃は相変わらず脅威だが、しかしクローネには策があった。
「それじゃ、頼んだよ。近づかないように、遠くから攻撃してね♪」
 戦闘をアイスエルフ軍団に任せ、クローネはビキニ化させられたプレイヤー達を説得し、ここから撤退するように言い聞かせて回る。その間にも、アイスエルフ軍団とビキニメイド軍団の凄まじい総力戦が行われているのだが、戦況はアイスエルフ軍団の方が優勢だ。
 彼女達の吐き出す息は、凍える吹雪となってビキニメイド軍団に襲いかかる。元より、薄着な相手だけに効果は抜群。攻撃を食らってビキニ姿にされようと、アイスエルフ達は延々と凍結攻撃を仕掛けてくるため、ビキニメイド軍団は次々に体温を奪われ倒れてゆく。
「うぅ……お嬢様……申し訳ございません……」
「さ、寒いです……。あぁ……意識が……」
 最後は全員が氷像となって、そのまま消滅してしまった。こうなれば、ワガママプリンセスを守る壁はないも同然。未だ、ビキニ化されていないプレイヤー達は、ここぞとばかりにワガママプリンセスを集中攻撃!
「よくもやってくれたわね! これはお返しよ!」
「男がビキニじゃ締まらないからな! 俺も遠距離から攻撃させてもらうぜ!」
 主に、魔法と弓矢を主体とした攻撃が、ワガママプリンセスに降り注ぐ。ビキニメイド軍団がいなければ、彼女は攻撃手段も防御手段も持っていない雑魚だ。哀れ、数分と持たずに蜂の巣状態にされ、更には頭に深々と矢が突き刺さり、完全に落ち武者のような姿にされてしまっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
何とも妙なバグですねぇ。
とは言え、何とかしませんと。

『接触』でデータを改竄するなら『防具以外の何かで接触を遮断し隔離すればよい』でしょう。
【炳輦】を発動、『防御結界』を形成しますねぇ。
広さ的に飛行は難しいでしょうが、何らかの理由で『結界』も干渉を受ける様なら『結界』ごと瞬間移動することで退避も可能ですし、それなりの人数を運搬出来ますので「既にビキニ化された方」を内に包みガードすれば、被害も減らせますぅ。
後は『時空切断の嵐』に加え『FRS』『FSS』の[砲撃]、可能な方がいればプレイヤーの皆さんの『遠距離攻撃手段』も併せた[範囲攻撃]を仕掛け、軍団ごと姫様を叩きますねぇ。



●お触りはいけません!?
 接触しただけで、攻撃を盾などで防いでいるにも関わらず、防具がビキニにされてしまう。実質上の防具剥奪であり、なかなかどうして凶悪だ。
「何とも妙なバグですね……」
 ビキニ姿にされる点が微妙に思われたのか、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は苦笑しながら首を傾げていた。
 もっとも、バグというのは得てしてそういうものである。そもそもレイド戦の中ボスに、クエストボスの方が相応しそうな令嬢が現れている時点で意味不明だ。こんなダンジョンの奥に令嬢がいれば、瞬く間にモンスターによって蹂躙されてしまうと思うのだが、それはそれ。そういう意味不明な点の全てが、バグによるデータ異常なのである。
「さあっ! ワラワの下僕よ! 再び壁を築くのじゃ!」
 性懲りもなく、ワガママプリンセスはビキニメイド軍団を召喚し、自らを守るための盾にしようとしていた。このままでは、攻撃を仕掛けた他のプレイヤー達が反撃を食らい、その度にビキニ姿にされてしまう。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて典礼を捧げましょう」
 説明している時間はなかったので、るこるは素早く結界を展開し、プレイヤー達をメイド軍団の攻撃から守ることにした。これでもう、ナイフだろうと包丁だろうと、そう簡単には届かない。攻撃さえ受けなければビキニ姿にされることもないため、こちらから一方的に攻撃し放題だ。
「おい、見ろ! あの人が、なんかバリアみたいなの出してくれたぞ!」
「ナイスサポートだ! 助かるぜ!」
 結界の力で自分達が守られていることに気づいたプレイヤー達は、一斉に遠距離からメイド軍団を攻撃し始める。さすがは海千山千の廃人プレイヤー達。置かれた状況や仲間の動きを瞬時に理解し、最適な戦法を取るくらいのことはできるようで。
「これなら、もう安心そうですねぇ。それでは……」
 プレイヤー達の無事を確認し、るこるもワガママプリンセスの方へと向き直った。それに合わせ、彼女の操っている浮遊兵器達も一斉に狙いを定める。その体形故に肉弾戦はあまり得意でないるこるだが、彼女にはそれを補って遠距離から攻撃する手段が無数にある。
「一気に攻めますねぇ」
 浮遊兵器の全砲門一斉射撃に加え、るこる自身も時空切断の嵐を放ってビキニメイド軍団に一斉攻撃! 砲台はともかく、時空切断の嵐に至っては、メイド達の身体を斬り裂いても収まらず、その背後にいるプリンセスさえも斬り裂いて行く。
「ぎょぇぇぇぇぇ!! な、なんじゃ、これは!? なぜ、ワラワが攻撃を受けているのじゃ!?」
 物体を切断しても、なお迫りくる時空の切断。もはや、避ける術は存在しない。哀れ、高価な衣服もズタズタにされ、プリンセスは一気に体力を減らされてしまったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリエッタ・スノウ
今回はピコピコなじーじーおーの中でのお仕事だね。
標的を倒すだけじゃなくて一緒に戦ってるプレイヤーの援護が必要なんだね。

んっ、リリと違って防具が破壊されると困るよね。
【ストーム・バレット】で弾幕を展開して、近寄ってくるワガママ姫の下僕を近づけないようにするよ。
もし、プレイヤーさんが攻撃を受けそうになったらリリがディフェンスして守ってあげるね。

敵の攻撃をかばって受けたせいで防具が『いけない水着』になっちゃったね。
んっ、大丈夫。こっちの方が軽くて動きやすいくらいだよ。

※アドリブ連携大歓迎



●降臨、ビキニ|暗殺者《アサシン》!?
 イカれたバグからプレイヤーを守り、敵のボスも倒さねばならない。今回の任務はいつもと違うと、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)は自分の役割を復唱した。
「ん、今回は標的を倒すだけじゃなくて、一緒に戦ってるプレイヤーの援護が必要なんだね」
 むしろ、彼らがレイド戦を勝ち抜けるようお膳立てし、自分は一人も死者を出さないようにする方が大事である。いつもであれば敵を倒しておしまいなのだが、今回に限っては生存者数によって任務の評価が変わるということか。
「リリの攻撃は簡単には止まらないよ!」
 とりあえず、邪魔な雑魚を倒してしまおうと、リリエッタは二丁拳銃を撃ちまくった。ユーベルコードによる攻撃なので、弾切れの心配もない。ガトリングガンの如く撃ち出される魔力の弾丸の勢いは凄まじく、それだけで敵軍を圧倒し、ワガママプリンセスのビキニ軍団が次々に倒れ消滅して行く。
「えぇい、何をやっておる! 早くアヤツラを倒すのじゃ!」
 先程から全く思い通りに行かないことに業を似やしたワガママプリンセスは。虎柄ビキニの鬼女を召喚すると、一気にプレイヤー達を殲滅する作戦に出た。鬼女は一人だけだが、その分だけ攻撃力に優れており、あんなやつの攻撃をビキニ状態で食らえば即死である。
「ふんぬぅぅぅぅ!!」
 鬼女の振り下ろした金棒が、近くの岩を粉砕した。狙われていたプレイヤーは咄嗟に距離を取ろうとするも、運悪く足を捻って転んでしまった。
「うわぁぁぁぁ! 来るなぁぁぁぁ!!」
 必死に魔法で応戦するも、レベルがそこまで高くないプレイヤーだったのか、鬼女を倒すには至らない。このままでは彼が死んでしまうと、リリエッタはすかさず鬼女とプレイヤーの間に割って入り、金棒の攻撃を受け止めた。
「んっ、リリと違って防具が破壊されると困るよね」
「え!? あ、あぁ……そ、その……すまん、助かった!」
 一瞬、何が起きたのかわからないという表情をした後、プレイヤーはそそくさと逃げていった。
 まあ、それも無理のない話だ。自分よりも幼い少女が鬼女の攻撃を受け止めたかと思うと、その装備がビキニだけになってしまったのだから。
 特に、最後のビキニ姿が色々とヤバい。いけない水着は、その名の通りかなり際どいデザインをしたお色気装備。そんなものを、小学校1年生に等しい女児が強制的に着せられるとか、もはやセクハラを通り越して犯罪だ!
 もっとも、リリエッタはそんなことなど気にしておらず、早々に鬼女の脛を蹴り飛ばして転倒させると、金棒を奪い脳天を逆にカチ割ってしまった。
「んっ、大丈夫。こっちの方が軽くて動きやすいくらいだよ」
 水着の感覚を確かめるようにして、リリエッタは頭を抱えて悶絶する鬼女を更に殴る蹴る! 暗殺者として完璧に育て上げられた経験のある彼女の武器は銃だけに非ず。ビキニ化のバグで銃まで失い、文字通り水着しか装備品がなくなっても、彼女はその気になれば素手だけで敵を蹴り殺せるのである。
「よし、あのプリンセスを守っているやつはもういないぞ!」
「今までのお返しよ! 一気に叩いてやるわ!」
 鬼女がいなくなったことで、プレイヤー達にも俄然勇気が湧いてきた。どんな姿にされようと、彼らとて腐っても廃人プレイヤー。高レベルスキルや高レベル魔術から繰り出される攻撃は強烈で、ワガママプリンセスの体力をガリガリと削って行き。
「こ、こら! 止めぬか! ワラワは、一人では何の力も持たぬ女子なのじゃぞ! それをよってたかって攻撃するなど、貴様達には人の心があるのか!」
 ここに来て、ワガママプリンセスが盛大に正論をブッ込んできたが、もう遅い! 今までに溜めてきたヘイトが高過ぎて、誰も彼女の話など聞いてくれない。
「ん、リリも攻撃に参加するね。あの女をやっつければいいんだよね」
 最後はリリエッタも攻撃に参加し、ワガママプリンセスをボコボコに蹴り飛ばす。ついに、体力の限界を迎えたワガママプリンセスは、だんだんと影が薄くなって行き。
「おのれ……覚えておれよ! ワラワは、この程度ではやられぬ……必ず戻ってくるのじゃ!」
 何やら月並みな、それでいて意味深なセリフを吐いて、完全に消滅したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『邪聖騎士団』

POW   :    連携攻撃
【別の邪聖騎士団員】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    眷属召喚
【暗黒ビキニアーマー】からレベル×6体の【邪神の眷属】を召喚する。[邪神の眷属]は弱いが、破壊されるまで敵を自動追尾・自動攻撃する。
WIZ   :    勧誘斬撃
【呪いの騎士剣】が命中した敵に、「【暗黒ビキニアーマーを着たい】」という激しい衝動を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●呪いのビキニ騎士団!
 ワガママプリンセスを辛くも撃破し、猟兵達は廃人プレイヤー達と一緒に、ダンジョンの奥へと進んで行く。
 幸いなことに、今現在で死者はゼロだ。ビキニ姿にされたまま撤退した者はレイド参政権を得られず撤退したので、総戦力は減ってしまっているのだが。
「待ちなさい! それ以上、先には行かせないわ!」
「ここから先に進みたければ、私達を倒してから行くことね!」
 そんな彼らの前に現れたのは、漆黒のビキニアーマーを装着した女騎士の集団。ダンジョンの中に現れるにしては、なんと奇妙な敵である。
 やはり、このレイド戦は完全にバグっているのだろう。それでも、先のワガママプリンセスよりは弱いだろうと、何人かのプレイヤー達は先手必勝とばかりに攻撃を仕掛けて行くのだが。
「行け、我らが眷属よ!」
「なっ……! ビキニアーマーを召喚しただと!?」
 女騎士が召喚した|暗黒ビキニアーマー《邪神の眷属》が空を飛び、強引に装着させられてしまう者がいたり。
「そこだ! 覚悟!」
「させるか! お前の攻撃なんて、お見通……って、なんだ、この気持ち? なんだか、急にビキニアーマーを着たくてしかたがねぇぇぇぇ!!」
 呪いの剣による攻撃に触れてしまったせいで、ビキニアーマーのことで頭がいっぱいになってしまう者が現れたり。
「どうやら、こいつらも近距離戦特化みたいね。だったら、話は早い……って、なんでいつの間に囲まれてるのよ! ちょっと、止めなさ……きゃぁっ! なにすんよ!」
 女騎士が召喚した新たなる女騎士達の包囲網に手数で負け、強引に装備をひん剥かれた挙げ句、ビキニアーマーを装着させられてしまったり。
 データ改竄がダメならば、物理的にということか。それでも、アーマーならば水着よりはマシだろうと考える者が大半だったが、しかし甘かった。
「ぐっ……! な、なんだ、こりゃ……」
「身体が重い……。それに、魔力もどんどん吸われているわ……」
 彼らが装着させられたのは、呪われたビキニアーマーだったのである! 呪いのせいで各種ステータスは激減し、満足に魔法を使うこともできない。おまけに、呪われているせいで容易に脱ぐことさえ許されず、これでは満足に戦えない。
 道中に登場するザコ敵にしては、些か強力過ぎる相手だった。やはり、このレイド戦は完全にバグっている。しかし、今さら文句を言っても始まらない。
 呪いの装備を装着させられれば、その時点で戦力ダウンは必死である。再び迫りくるビキニ化の恐怖! それを乗り越え、目の前の女騎士を全て討ち倒し、真のボスが待つ部屋へ到達せよ!
サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

暗黒ビキニアーマーはステータスが下がるみたいだけど、邪聖騎士団の団員たち自体は暗黒ビキニアーマーを付けていても弱化してないみたい?
だったら、邪聖騎士団の一員になれればアーマーを制御できるのかな

手持ちの【書き換え身分証明書】を邪聖騎士団所属に変えつつ、入団希望って伝えよっか
相手の勧誘斬撃を【インビジブル・タトゥー】で受けて、騎士剣とアーマーを手に入れちゃお
なるべく派手に振舞って、プレイヤーさんたちがターゲットにならないように振舞っていけば、向こうの被害も防げるかな
多少の入団試験みたいなのは……、まあ頑張れば何とかなるよね♪



●邪悪な入団希望?
 呪われた装備さえも使いこなし、あまつさえ呪いの装備を強制的に装着させようとしてくる邪聖騎士団。力量だけなら廃人プレイヤー達が勝てない相手ではないが、しかし一度でも呪われたしまったが最後、その装備は自力では外せない。
 それだけでなく、様々なステータスが軒並み低下し、場合によっては戦闘の継続さえ不可能になる。特に、魔法を主体とした攻撃や回復を担っているプレイヤーにとっては深刻であり、呪いの力で魔力はゼロ! ただでさえ貧弱な腕力が更に低下し、もはや重たい拘束具を装着させられたお荷物プレイヤーにしかならなくなってしまうのだ。
 はっきり言って、これはなかなかに面倒な相手だった。呪いの装備が外せないとなると、仮にこの戦いに勝ったとしても、次に待つボス戦を呪われた状態で参加しなければならなくなる。当然、呪われた状態で勝てるような相手ではないため、アーマーを押し付けられることは敗北に等しい。
 この苦境をいかにして打破すべきか、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は考えた。あのアーマーは、邪聖騎士団の団員達が装着しているのと同じ物。それならば、何らかの方法で呪いに抗う方法があるはずである。
(「暗黒ビキニアーマーはステータスが下がるみたいだけど、邪聖騎士団の団員たち自体は暗黒ビキニアーマーを付けていても弱化してないみたい? だったら……」)
 手持ちの身分証を偽造して、サエは自分が邪聖騎士団の入団希望者であると彼女達に伝えた。まさか、プレイヤー側から利敵行為に出る者がいることは想定していなかったのか、これには邪聖騎士団の女剣士達も戸惑っていたが。
「ふん、入団希望か。ならば、まずはその身に我らが神の刻印を刻むがいい!」
 そう言うが早いか、女剣士は問答無用でサエに斬り掛かって来た。殺す気はないのだろうが、それでも剣の切っ先が掠めただけで、刺すような痛みが全身を襲う。 
「痛ぁぁぁぁっ!!」
 思わず声を上げたところで、サエは自分の感情が呪詛に支配されて行くことに気が付いた。
 ビキニアーマーを着たい! なんでもいいから、とにかく着たい! 暗黒ビキニアーマーを身に着けたいという衝動だけが暴走し、サエは女剣士から渡されたビキニアーマーを躊躇うことなく装着したのだが。
(「……あれ? 身体はなんともない?」)
 なんと、呪いの効果が全く発動しなかった。単に身分証を偽造しただけなのに、呪いが発動しないことなどあるのかと問われれば……それは、このGGO世界がゲームの世界だからこそ言えること。
 この世界において身分証の書き換えとは、即ち所属勢力の書き換えを意味する。今のサエはプレイヤー側から敵の側へと所属が移動しているため、呪いも発動しないのである。
「合格だな。さあ、貴様もこの剣を持ち、我らが敵を滅ぼすのだ!」
 女剣士から剣を受け取れば、サエはもう立派な邪聖騎士団の一員だった。これにて、呪いの問題は解決したので、後はこっそり後ろから暗殺でも仕掛けてやれば良いと思われたのだが……ここに来て、所属変更による別の問題が発生した。
「おい! あいつ、俺達を裏切りやがったぞ!」
「利敵行為とか、レイド戦じゃ地雷だろ!? ふざけんなよ!!」
 なんと、サエの行為を裏切りと勘違いしたプレイヤー達が、邪聖騎士団だけでなく彼女にも攻撃の矛先を向けて来たのだから堪らない。
「ちょっと、ちょっと!? 誤解だって!!」
「うるさい! レイド戦で俺達を裏切って、PKでもしようってんだろ!」
 どれだけサエが説明しようと、頭に血が上ったプレイヤー達は彼女の言葉を聞いてはくれなかった。ゲーム内の所属が邪聖騎士団になってしまったことで、プレイヤー側の攻撃呪文なども問答無用でサエを狙ってくるし、召喚された生物なども指示がなくともサエに襲い掛かって来る。アーマーの呪いを無効化できたのは幸いだが、このままではこちらが先にやられてしまう。
「被害が防げたのはいいけど……これじゃ、こっちが先に殺されちゃうわよ!!」
 結局、サエは混乱に乗じて逃げ回りながら、ドサクサに紛れて邪聖騎士団を後ろから斬り殺すのが精一杯だった。敵を騙すには味方からという言葉があるが……今回に限っては、彼女の変装は少しばかり質が高過ぎたようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
酷いバグが続きますねぇ。

どの程度解けるか不明ですが、『FLS』で『FQS』を召喚し『状態異常治癒』の機能で呪いを受けた方を治療しまして。
『FAS』の障壁と『FMS』のバリアで守りを固め、『刀』を抜き【剴畺】を発動しますねぇ。
【連携攻撃】の範囲は広くても、|女騎士さん達の目的《ビキニアーマーを着せる》上接敵が必要、『斬撃結界』の範囲内に入った対象を『万象切断』で鎧ごと斬り捨ててしまえば着せることは出来ませんし、PLさん達を『対象』から外せば『斬撃結界』内は安全圏に近い状態に出来ますぅ。
後は、範囲外の個体を『FRS』の[砲撃]と、PLさん達の遠距離攻撃も要請し叩きますねぇ。



●解呪という名の脱衣
 呪いのビキニアーマーを強引に装着させることで、今後の戦いさえも不利にせんと迫り来る邪聖騎士団。
 彼女達も、当然のことながらバグの産物である。そうでなければ、連戦が想定されるレイド戦で、こんな悪意のある敵を配置するはずもないのだから。
「酷いバグが続きますねぇ……」
 終わりを見せない悪質なバグに、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は思わず溜息を吐いた。
 ダンジョン内にお嬢様がいると思ったら、今度はビキニアーマーの騎士団が現れるとか、どこから突っ込んで良いか分からない。だが、ここでぼんやりしていたら、今度は自分が餌食になるだけ。数の暴力で蹂躙され、呪いのビキニアーマーを装着させられたら最後、自力では絶対に脱げなくなってしまうのだから。
「えぇと……まずは、アーマーの呪いを受けた方々を治療しないといけませんねぇ」
 各種浮遊兵装を呼び出して、るこるはまず、呪われてしまったプレイヤー達を救出することにした。
 呪いの装備が自力で外せない以上、第三者による治癒は必須。しかし、果たして状態異常を治癒する効果で、どこまで治療できるだろうか。
 呪いというのは、RPGにおいても他の状態異常とは一線を画す効果を持つ。毒や麻痺が呪文や薬で容易に解除でいるのとは違い、呪いは解除するための薬などがないことも多い。ゲームによっては特定の職業でしか使えない呪文か、あるいは教会などの神聖な施設による力でしか解呪できないこともある。
 これで上手く行かなければ、呪われたしまった者達は、残念ながらここでリタイアしてもらう他にないだろう。頼むから効果を発揮してくれと祈るようにして様子を見れば……やがて、時間こそ要したものの、なんとか呪いは解除できた。
「はぁ……はぁ……。た、助かった……?」
「冗談じゃないわよ。もう、二度とこんな鎧なんか……って、きゃぁぁぁぁっ!!」
 だが、解呪が済めば、それはそれで一難去ってまた一難。鎧が脱げたことで主に女性プレイヤー達が素っ裸になってしまい、今度はそれを見た男性プレイヤー達の何名かが鼻血を出して卒倒し、戦場は大混乱である。
「ああ、これはいけませんねぇ。本当は、皆さんにも協力してもらいたかったのですが……」
 残念ながら、こうなっては自分が戦うしかないと、るこるはバリアを展開して敵が踏み込んで来るのをしっかりとガード。どれだけ数を増やしたところで、接近されなければ強引にアーマーを装着させられることもないわけで。
「えぇい、なんだこれは!」
「光の盾とは小癪な小細工を!」
 必死になってバリアを破壊せんと剣を叩きつけてくる女剣士達であったが、その間にるこるは万象を斬る斬撃結界を展開して行く。この結界の内部にいる限り、るこるが選択した対象だけが、問答無用でズタズタに斬り裂かれてしまうのだ。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『剣王の加護』をお与え下さいませ」
 刀を掲げ、るこるの祈りが女神に届けば、それは万物を斬る力となって女剣士達に襲い掛かる。どれだけアーマーが堅牢であろうと関係ない。森羅万象さえも切断できる女神の力の前には、一切の防御が無意味である。
「ぐぅぅ……そ、そんな馬鹿な!」
「我らが神の加護より……そちらの神の力の方が強いというのか……」
 現実を受け入れられないまま、女剣士達は次々と崩れ落ちて行く。そこへ飛来するのは、体勢を立て直したプレイヤー達による一斉攻撃。装備品を破壊されてしまった者はインナーとして纏う衣服しか身に着けていない者もいたが、単なる水着や呪いの鎧を装備するよりはマシだろう。
「さっきは、よくもやってくれたわね! もう、お嫁に行けないじゃない!」
「男なのにビキニアーマーとか、黒歴史ものだろ! 忌むべき記憶と一緒に死ねぇ!」
 主に、呪いの被害に遭った者達による盛大な反撃を受け、女剣士達は吹っ飛んで行く。るこるも砲撃で応戦し、気が付けば周囲の敵の数は、かなり減らすことができていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリエッタ・スノウ
んっ、あいつらも装備変更してくるみたいだね。
リリが前衛を務めるから遠距離から攻撃をよろしくだよ。

さきほど奪った金棒をえいやっと投げ飛ばしした後、いけない水着幼女のままで邪聖騎士団の中に飛び込むね。
小柄な身体で敵集団を攪乱するように動き回りつつ、【リリ式猟犬乱舞】で流れるように攻撃を叩き込んでいくね。
んっ、弱点だらけだねとアーマーのない部分を叩いたり、飛んでくるビキニアーマーを叩き落としたりするね。

※アドリブ連携大歓迎



●ビキニアーマーの弱点
 猟兵達の介入により、徐々に数を減らして行く邪聖騎士団の女剣士達。だが、それでも装備を強引に変更された者達の全てが完全に復帰できたわけではなく、中には殆ど裸同然で放置されているプレイヤーもいる。
「うぅ……。呪いの鎧からは解放されたけど、肝心の法衣が破られちゃったわ」
「こっちは、まだ呪いが……。頼む……誰か脱がせてくれ……」
 防具を破壊されて素っ裸のままだったり、あるいは未だビキニアーマーの呪いから逃れられず、その場でヘタレている者がいたり。
 残念ながら、彼らはこの先の戦いに参加することはできないだろう。しかし、このまま見捨てるわけにもいかず、せめて退路だけでも確保してやらなければ一大事。
「んっ、あいつらも装備変更してくるみたいだね。リリが前衛を務めるから遠距離から攻撃をよろしくだよ」
 それだけ言って、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)は単身敵集団の中へと駆け出して行く。彼女は先の戦いで、既に防具が『いけない水着』にされてしまっている。要するに、素の防御力以外はゼロなのだ。おまけに武器までないとなれば、殆ど勝てる要素はないに等しかったのだが。
「……ヘンタイを殴るのに使えるかと思ったけど、重くて使い難いね」
 まずは、先の戦いで奪った金棒を女剣士に向かって投げつける。それを女剣士達が散会して避けたところで、リリエッタは一気に彼女達の懐へ飛び込んだ。
「これがリリのコンボだよ。見切られる前にガンガン行くよ」
 小柄な少女とは思えぬ程の重く、それでいて鋭い拳と蹴りの嵐が邪聖騎士団へと襲い掛かる。彼女達の防具はビキニアーマーなので、主に腹の部分を殴り放題の蹴り放題。対抗しようにも、リリエッタのスピードが速過ぎる上に、彼女の蹴りを食らうと全身が痺れてしまうため、女剣士達はただ翻弄されるだけである。
「ぐぅっ! こ、この……ちょこまかと!!」
 打撃でブチ抜かれた腹を押さえて剣を振るうも、その切っ先がリリエッタを捉えることはない。確かに、彼女達も軽装ではあるが、水着姿のリリエッタのスピードはそれさえも凌駕する。
 ビキニアーマーの長所とは、剣士でありながら素早い動きが可能なことだ。急所だけを鎧で覆い、他は敢えて無防備を晒すことで、スピードで相手を上回る。だが、そのスピードで勝てない場合は、単に防御力が低く露出度が高いだけの、中途半端な鎧にしかならない。
「んっ、弱点だらけだね」
 リリエッタの拳が、女剣士の顔面をブチ抜いた。このまま接近戦を続けていても不利だと悟った女剣士達はリリエッタから距離を取ると、邪神の眷属である暗黒ビキニアーマーを召喚して来たが、それも虚しい抵抗だった。
「新しい鎧を呼び出しても、リリの攻撃からは逃げられないよ」
 打撃のコンボから気弾の連打に切り替え、リリエッタは次々と暗黒ビキニアーマーを叩き落として行く。そちらが永遠に追尾するというのなら、こちらも永遠に追尾する気弾で迎え撃つまで。
「そんな丸出しの鎧じゃ意味ないよ。すくーる水着とかいうやつの方が、まだ防御力高いと思うよ」
 ビキニアーマーの弱点を的確に突きながら、リリエッタは倒れて行く剣士達に告げた。スクール水着の方が高いのは物理的な防御力ではなく、主に肌面積を覆う視覚的防御力の方な気もするが、それはそれ。
「す、すげぇ……。あの数を、たった一人で……」
「感心している場合じゃないでしょ! それよりも、今は早く新しい服を探しに行かないと!」
 戦線離脱を余儀なくされたプレイヤー達は、単身で邪聖騎士団相手に無双するリリエッタに、殆ど畏敬の念を抱いているようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

普段からビキニアーマーを着ている身としては、『いけない水着』からビキニアーマーになっても見た目上問題はないんだけど…効果がねぇ♪
|他の子《プレイヤー》達の弱体化は影響大きいし、対策は必須かな?

【大軍指揮/集団戦術/コミュ力/言いくるめ】でクローネちゃんがプレイヤー達を統率するよ★
レイド参加者数の減少やビキニアーマーによるステータス低下を戦術で補うね♪

UCは『ワタシの屍王ちゃん』★
【範囲攻撃】をしつつ、【体表の外骨格化と肉体の水晶化】でクローネちゃんと味方プレイヤーを強化してビキニアーマーによる弱体化をある程度対策するよ♪
敵の攻撃は【鉄壁/硬化/オーラ防御/回復力/激痛耐性】で耐えるね♪
先程同様防具に頼らず、肉体そのものの防御力を上げる方向でいくよ♪
プレイヤーに攻撃が当たる場合は可能な限りこちらが【かばう】よ♪



●強化骨格の代償!?
 呪いのビキニアーマーを装着させられれば、半永久的にステータスが爆下がり。おまけに自力では脱ぐこともできないとなれば、これは殆ど即死に等しいペナルティ。 
(「普段からビキニアーマーを着ている身としては、『いけない水着』からビキニアーマーになっても見た目上問題はないんだけど……効果がねぇ♪」)
 さすがに呪われるのは勘弁したいと、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は苦笑した。最悪、自分が呪われるのは構わないが、他のプレイヤー達まで呪われるのは色々と拙い。弱体化したところに攻撃を食らって死んだら目も当てられないし、それでなくとも戦力的には大幅ダウン。大量の足手纏いを連れた状態でクリアできるレイド戦でないことは、これまでの戦いでも証明済みだ。
「みんな~、ここはクローネちゃんに任せて~! ビキニにされても戦える方法を伝授しちゃうよ~★」
 バラバラに攻撃していても意味はないと、クローネはまずプレイヤー達に声を掛けて共闘を申し出る。通常、こういう戦場でリーダー気取りをすると嫌われるのだが、しかし先の戦いでクローネの活躍を目の当たりにしていたプレイヤー達の中には、その言葉を無条件で信じてくれる者もいた。
「あの人、さっき大量のエルフ軍団を従えていた人でしょ?」
「召喚スキルも使役スキルもハンパねぇよな! あの人の指示なら、大丈夫じゃないか?」
 クローネの言葉を信じたプレイヤー達は、クローネの指揮に従って陣形を組み始める。この手の集団戦では、指揮を執る者の有無によって結果が大きく左右される。
 邪聖騎士団も統率力では負けていなかったが、しかしやはりリーダーの有無は大きい。全体を見通し的確な指示を出してくれる者がいれば、それ以外の者は自分が最高のパフォーマンスを発揮することだけに集中できるからだ。
「くそっ! このままでは不利だ!」
「あの指揮官らしい女を先に殺るぞ! それが無理なら、弱い奴から殲滅だ!」
 徐々に追い込まれ始めた邪聖騎士団は、主にレベルが低く装備も貧弱なプレイヤーに狙いを定めて攻撃を仕掛け始めた。このまま彼女達が呪われてしまえば、戦力ダウンどころか戦死し兼ねない。
「おっと、そうはいかないよ……って、攻撃食らっちゃったね」
 咄嗟にプレイヤーを庇ったクローネだったが、女剣士の攻撃を食らったことで、彼女の脳内はビキニアーマーを装着したいという気持ちでいっぱいに! 言われるがままに差し出されたアーマーを装着したことで、呪いによって一気に力を奪われてしまった。
「よし、指揮官は無力化したぞ! ここから反撃だ!」
 途端に活気を取り戻す邪聖騎士団。だが、クローネは何故か不敵な笑みを浮かべ、戦場に屍の王を呼ぶ。
「う~ん……。身体の形を変えればすぐに抜けられるような気もするんだけど……まあ、しばらくはこのままでいいかな?」
 相手にハンディを与えたまま、クローネは屍王に水晶の嵐を発生させるよう命じた。その嵐は敵にダメージを与えるだけでなく、クローネや他のプレイヤー達の肉体を、骨や水晶へと変えて強化して行く。
「アンデッドを召喚した!? あの人、ネクロマンサーのスキルも使えるのか!?」
「マジで凄過ぎでしょ! ってか、なんか身体が鎧みたいなので覆われてるんだけど!?」
 骸骨のようなアーマーと、その隙間を覆う水晶の鎧。いや、この場合は表皮そのものが水晶と化している。理解不能な現象に、廃人プレイヤー達でさえ驚きを隠しきれなかったが、クローネの与えた効果はそれだけではない。
「うわっ! 鎧が弾けた!?」
「身体が鎧化して、ビキニアーマーのサイズが合わなくなったのか!」
 なんと、表皮が鎧化した者達の装着していた暗黒ビキニアーマーが、次々と弾け飛んで行くではないか!
 ビキニアーマーは露出度が高い分、アーマーの密着度もまた高い。しかし、表皮が鎧化したことでサイズが合わなくなり、物理的にアーマーが内部から破壊されてしまったのである。
「なんだか知らねぇが、これなら行けそうだぜ!」
「力が漲ってくるわ! このまま一気に殲滅よ!」
 呪いから解放され、新たな力を授けられたプレイヤー達の勢いは、もはや誰にも止められない! 水晶の嵐に怯んでいる邪聖騎士団へと総攻撃を仕掛け、次々に各個撃破して行く。
「これで勝利は確実だね。後は、プレイヤーさん達に任せておけばいいかな?」
 自分も骨と水晶の鎧を纏った状態で、クローネはプレイヤー達の活躍を見守っていた。しかし、全ての邪聖騎士団を倒し終えたところで、強化外骨格の思わぬ欠点に気が付いてしまった。
(「あ……! もしかしなくても……これって、クローネちゃんがユーベルコード解除したら、みんな全裸になっちゃうオチ!?」)
 暗黒ビキニアーマーを物理的に退けたのは良いが、当然のことながら強化を受けたプレイヤー達の大半は防具どころか服さえも装備していない。今は水晶と骨の外骨格になっているから目立たないが、ユーベルコードが解除されれば、問答無用で全裸に戻ってしまうのである。
 これは、しばらくの間はユーベルコードを解除しない方が良さそうだ。それでもキャラロストするよりはマシだろうと、クローネは邪聖騎士団を殲滅して行くプレイヤー達の姿を横目に、こっそり退散したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『バグルプリンセス』

POW   :    ※あっ!●ラワの★僕よ、此■に集う*じゃ!
レベル×1体の【オーク(上位種)やゴブリン(上位種) 】を召喚する。[オーク(上位種)やゴブリン(上位種) ]は【重度バグ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    ゆ※ぃ下●達よ!早く★ヤツラを■すの*ゃ!
攻撃力に優れた【重度バグ属性の淫魔(上位種) 】、レベル×2体出現する【重度バグ属性の触手(上位種)】、治癒力を持つ【重度バグ属性の妖精(上位種)】のいずれかを召喚し、使役する。
WIZ   :    受※てみよっ!こ●がワ★■の下僕*力じゃ!
【全身バグ塗れのドラゴンプロトコル 】の霊を召喚する。これは【敵対者や周辺一帯を重度バグで汚染する能力】や【各種武器術・体術・魔術等】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は札神・遊狐です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ワガママプリンセス、再び!?
 邪聖騎士団を全て退けたところで、ついに姿を現したレイドボス。それは、先の戦いで倒したワガママプリンセスであったが、しかし彼女は盛大にバグっていた。
「 ※あっ! ●ラワの★僕よ、此■に集う*じゃ! そして、●ラワの■を★滅す※のじゃ!」
 バグの影響で、既に彼女の言葉は一部が人間の発音できないものに変わっていた。それだけでなく、召喚される配下も誤った方向へとパワーアップを遂げ、色々な意味で危険度マシマシ。
「グヘヘヘヘ……女だ! 女がいるぞぉw」
「あらぁん、可愛い子達ねぇ💕 お姉さんが、遊んであげるわぁ💕」
 全身を重度のバグで汚染されたオークやゴブリン、果ては淫魔や触手生物といった、とてもお嬢様の配下とは思えない連中が次々と湧いてくる。当然のことながら、こいつらに攻撃されるとデータが改竄されてしまうので、まともに戦っても敗北は必至!
 ビキニ姿にされる程度であれば可愛い方で、データをイケない方向に改竄された結果、抵抗空しくオークやゴブリンの慰み者にされたり、全身性感帯にされて淫魔に弄ばれたり、あるいは触手によって強引に快楽堕ちさせられるのが関の山だろう。しかも、これだけでも厄介だというのに、バグったドラゴンプロトコルまで召喚されたのだから最悪だ。
「遘√?菴懊▲縺溘Ξ繧、繝峨け繧ィ繧ケ繝医?譛?蠑キ縺ァ縺呻シ√??隱ー縺ォ繧ゅけ繝ェ繧「縺ェ繧薙°縺輔○縺セ縺帙s?」
 バグりにバグり尽くしたドラゴンプロトコルは既に肉体さえ消滅し、もはや何を言っているのかも不明な霊体と化していた。そんな状態でも能力だけは行使できるようだが、こいつが力を解放した瞬間、周辺一帯が重度のバグ汚染による無差別データ改竄に見舞われるというのだから、やってられない。
「なんか……もしかしなくても、ヤバい感じ?」
「いや、どう考えてもバグってるだろ、これ!? 運営は何をやってんだよ!」
 あまりに異常な事態に廃人プレイヤー達もレイド戦がバグっていることに気がついたようだが、それで何ができるだろうか。ボス戦が始まってしまった以上、撤退することは許されない。ビキニや全裸になった者達は戦闘開始前に戦線離脱してしまったので、戦力的にもジリ貧だ。
 このままでは、完全にバグったプリンセスと彼女のバグった配下によって、プレイヤー達は成す術もなく蹂躙されてしまうだろう。彼らに惨めな死を迎えさせないためにも、もう少しだけ頑張る必要がありそうだ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
大分悪化しておりますねぇ。

戦い方の「性質」は同じですから、同様の敵味方の隔離で対処出来そうですが、上位個体召喚となる分突破の危険も高そうですぅ。
『FMS』のバリアを軸に『FLS』の空間歪曲障壁と『FGS』の重力結界を重複させ【獦矃】を発動、超強化と『即時修復』を付与しましょう。
多重の防壁の一つを破壊しても、次を破る前に破壊した品が『修復』される以上、突破は極めて困難ですぅ。
更に敵方の情報は把握出来る上、空間を連結させ弱点を直接狙えますので、PLさん達には内側からの遠距離攻撃で対応願うと共に『FRS』『FSS』による[砲撃]を『召喚主』という弱点の姫様に集中させますねぇ。



●近づきたくない連中
 重度化したバグにより、もはや人の言葉さえ発せなくなったプリンセス。そして、とてもお嬢様の配下とは思えない、凶悪なゴブリンやオーク達。
 はっきり言って、あまりお近づきにはなりたくない連中である。というか、こいつらの体臭は普通に強烈で、慣れていない者が至近距離で嗅いだが最後、吐瀉物を撒き散らしながら失神するかもしれない。
「……大分悪化しておりますねぇ」
 あまりにバグった部分が多過ぎて、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はどこから突っ込んで良いのかわからなかった。
 だが、バグっているからこそ、敵は厄介な相手であることもまた事実。オークやゴブリンに触れられれば、それだけでデータを改竄され、後は連中の好き放題にされてしまうからだ。
「グへへへへ! 女がたくさんいるなぁ♪」
「男は皆殺し! 女は孕み袋にしてやるぜぇ!」
 本能全開で突っ込んでくるゴブリンやオークは、上位個体ということもあり、下劣な性質に反してなかなか強い。廃人プレイヤー達の魔術や弓による攻撃を食らっても、多少の負傷など全く気にせず獲物目掛けて全力突進!
 このままでは、遠からずバグった敵集団により、プレイヤーが全滅させられてしまうだろう。こうなれば、もはや出し惜しみはなしだ。全ての祭器の力を全開にし、るこるはバリアと空間湾曲障壁、そして重力結界を重複させ、多数の防壁を展開し。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、冷厳なる狩人の瞳を此処に!」
 同時に、空間に修復能力を添加することで、バリアや結界を即時修復させて行く。
「グゲゲ……な、なんだ、こいつは!?」
「身体が潰れるぅ! それに、見えない壁があるぞぉ!?」
 超重力で足止めを食らったオークやゴブリンは、るこるの展開するバリアを打破れずに立ち往生。中にはバリアや結界そのものをバグらせて来る者もいたが、そのバグさえ即時修復されてしまうため、突破の決定打にはならないわけで。
「よし、今だ! あの下品な鬼どもをやっつけろ!」
「雑魚は黙って道を開けなさいっての!」
 動けなくなった敵の集団に、情け容赦なく降り注ぐ廃人プレイヤー達の攻撃の嵐。バリアの外に出るのは拙いと理解しているのか、彼らも遠距離攻撃に特化してくれているのは幸いだ。
「*をやっ◆おる! ●ラワに恥★かか▲るでな◆……ひゅでぶっ!?」
 配下連中の体たらくを見て叱咤するワガママプリンセスもといバグルプリンセスだったが、そんな彼女の顔面に、るこるの放った砲撃が炸裂する。どれだけバグに汚染されていても、基本的な性質は同じ。レイドボスでもあるプリンセス自身は、己の力だけで戦う術を持たないのだ。
「や、や◆ぬか! ●ラワが攻★できぬと●って……卑★じゃぞ!」
 自分のことを棚に上げて、プリンセスが糾弾してくるが、それはそれ。将を落とせば戦いが終わるというのであれば、将を優先して狙うのもまた立派な戦術なのだから。
「何を言っているのかわからないので、とりあえず倒されてくださいねぇ〜」
 満面の笑みを浮かべながら、るこるは更に砲撃を追加。哀れ、四方八方から撃ち抜かれた彼女は、早くも衣服がボロボロの黒焦げになってしまっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリエッタ・スノウ
んっ、また同じ敵が出てきたね。
今度は何言ってるか全然分かんないや。

リリも他のプレイヤーさんと一緒に突撃だよ。
あの回復している妖精がやっかいだね。タンク役のプレイヤーを足場にさせてもらって、ジャンプして上空にいた回復役を先につぶしたよ。
むぅ、けど、代わりにうにょうにょした奴らの中に落ちちゃったね。
触手が『いけない水着』の中にまで潜り込んでくるから、くすぐったいや。
でも、そんな軟弱な身体でリリに触れたら爆発しちゃうよ、とユーベルコードを発動するね。

※アドリブ連携大歓迎


サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

あたし自身が邪聖騎士団だからプレイヤーさんにも敵対されちゃうし、どうしたもんかな
裏から相手の手下を処理してプレイヤーさんを守るけど、根本的な解決はしないよね

突然プリンセスの近くにワープさせられたんだけど、レイドボス側のエネミー判定ってこと!?
って言うかバグのせいで私自身が淫魔に書き換えられちゃってるんだけど!
まぁ攻撃が高い状態ではあるし、あたし自身は別に淫魔扱いされても気にしないから、呼び出されて至近距離にいる状態で【終焉の凶音】で無差別攻撃すればプリンセスと手下たちだけを巻き込めるよね!
後はまぁ、バグのせいでボスに反逆してるって事で、そんな有益エネミーみたいな行動で頑張ろっ!



●バグって生じたイケない気持ち!?
 再びプレイヤー達の前に出現したプリンセスだったが、そのデータは盛大にバグっていた。それは彼女の台詞にも現れており、要所要所で雑音が混ざって、もはや人間の言葉としては意味を成さないものになっている。
「んっ、また同じ敵が出てきたね。今度は何言ってるか全然分かんないや」
 まあ、それでも構わないと、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)は他のプレイヤー達と一緒に敵の集団に突撃した。
「ゆ※ぃ下●達よ! 早く★ヤツラを■すの*ゃ!」
 既にプリンセスは配下の配置を終え、臨戦態勢を整えている。それぞれのプレイヤーに対して反撃の如く配下を召喚してくるので、鬱陶しいことこの上ない。
「怯むな! あいつら、数は多くても、所詮は淫魔だ!」
「床から変な触手とか生えてるけど、攻撃範囲内に入らなければオッケーだしね!」
 主に遠距離からの攻撃で攻めるプレイヤー達だったが、それらを触手を盾にする形で淫魔達は防いで行く。自分達に攻撃したければ、この触手の林に飛び込んで来いと言わんばかりに挑発するのも忘れない。
「……ハッ! そんな安い挑発、誰が乗るかよ!」
「そういうセコいことするなら、触手ごと焼払えばいいってね!」
 もっとも、そこはさすがの廃人プレイヤー達であり、見えてるフラグに突っ込んで自爆するようなアホはいなかった。
 だが、それにしても、これでは単なる消耗戦だ。触手を払って淫魔を攻撃しようにも、上空を浮遊している妖精達が触手や淫魔のダメージを回復させてしまう。そして、こいつらを排除しなければプリンセスへも攻撃が届かないため、正に完全な千日戦争!
(「う〜ん……あたし自身が邪聖騎士団だからプレイヤーさんにも敵対されちゃうし、どうしたもんかな?」)
 そんな中、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は戦況を好転させるための隙を狙っていたが、しかし彼女は現在、敵キャラクターとして認識されてしまっている。邪聖騎士団が全滅したことで彼女達の一員とは見做されなくなったが、今度はプリンセスが呼び出した淫魔軍団の一員と認識されてしまったのだ。
 おかげで、今の彼女は敵として、プリンセスの間近に配置されていた。いつの間にか、淫魔っぽい羽とか尻尾なんかも生えている。このままプリンセスを暗殺するには絶好の配置なのだが、それでも問題は山積みだ。
 レイドボスというのは、とにかく耐久力が高いのである。ここで迂闊に暗殺を仕掛けても、それで相手を倒しきれなければ自分が敵に囲まれてやられるだけ。おまけに、こちらはプレイヤー達からも敵と認識されているため、完全に四面楚歌状態に成り兼ねない。
 できることなら、配下ともども纏めてプリンセスまで攻撃するチャンスが欲しかった。せめて周囲の配下さえ倒しきれば、プリンセスを倒せなくともサエ自身が逃げ出すチャンスはいくらでも作れる。
 だが、そのためにはプリンセスの呼び出した妖精が厄介だ。こいつらがいるせいで、プレイヤー達の攻撃は配下へとまともに通っていない。この状態で範囲攻撃など繰り出したところで、討ち漏らしが出るのが関の山。最悪、自分もプレイヤー達も危険に晒してしまい兼ねないので、どうしても飛び出すタイミングが掴めない。
「くそっ! あの邪魔臭い妖精をなんとかしないと、このままじゃジリ貧だぞ!」
「ん、それならリリに任せて。あいつらを先に叩き落としちゃうよ」
 妖精の厄介さに気付いた屈強な戦士の肩を借りる形で、リリエッタが高々と飛翔する。そのまま空中で回転しながら蹴りを浴びせ、その反動で次の妖精に拳を食らわせ……敵を足場にしながら縦横無尽に空中戦を展開すれば、それに伴って敵の回復力も落ちて行く。
「すげぇ……。なんだ、あの子……S級ランクの武術家なのか!?」
「感心している場合じゃないでしょ! 今の内に攻撃よ!」
 敵の回復が途切れたところで、プレイヤー達の攻撃は一斉に触手の林へと向けられる。だが、最後の妖精を潰したところで、リリエッタは空中での足場を失い、そのまま触手の海に着地せざるを得ない状況になってしまった。
「むぅ……うにょうにょした奴らの中に落ちちゃったね」
 早々に排除してやろうと身構えるも、それよりも速く触手がリリエッタの四肢を捉えた。それだけでなく、触手は彼女の纏っていた『いけない水着』の中にまで入り込み、あちこちを弄って彼女のデータを改竄し始めた。
「んっ……なんかくすぐったいや……それに、ちょっと変な気分……。でも……」
 顔を紅潮させながらも、リリエッタの瞳が鋭く光る。次の瞬間、彼女の全身から膨大な魔力の奔流が解き放たれ、それらは一斉に触手の内部へと流れ込み。
「そんな軟弱な身体でリリに触れたら爆発しちゃうよ」
 そう、リリエッタが告げると同時に、彼女に触れていた全ての触手が弾けて飛んだ。爆発は周囲の触手にも連鎖して行き、触手の林にぽっかりと穴が開く。リリエッタの立っている場所を中心に、まるで波紋が広がるかの如く、触手が駆逐されて行く。
「はぁ……はぁ……。ん、おかしいね……この程度で……リリが疲れるはずないんだけど……」
 もっとも、触手によってデータを改竄されてしまった代償は大きく、リリエッタもまた内から湧き上がる衝動によって、大きく消耗させられていた。10歳にも満たない彼女は、それが快感であると気づいてはいなかったが、しかしそれだけに、腹の奥底から湧き上がる衝動をどのように処理していいか分からなかった。
「あら? あなた、まだな〜んにも知らないのね💕」
「うふふ……そういう初心な娘には、お姉さん達が手取り足取り教えてあげるわ💕」
 そんなリリエッタに迫り来るのは、彼女を快楽の海に落とそうと企む淫魔達。咄嗟に、ユーベルコードで応戦するリリエッタだが、やはり多勢に無勢。淫魔が自分に触れる度に爆散させて行くも、リリエッタも触れられる度におかしな気持ちになって行くため、どんどん戦いに集中できなくなって行く。
(「ん……凄い状態異常だね? これも呪い……なのかな?」)
 相変わらず、快感を快感と認識できていないようだが、それでもピンチなことには変わりない。あわや、このまま彼女は淫魔の餌食になってしまうのかと思われたが……新たなる淫魔がリリエッタを捕獲しようと前に出た瞬間、ここでサエがついに動いた。
「それ以上、この子に近寄らないでっ!」
 淫魔の姿をしていたので怪しまれなかったことを幸いに、サエは防犯ブザーを盛大に鳴らす。そこから発せられる爆音は鼓膜をブチ抜く衝撃波と化し、周囲の存在を無差別に吹き飛ばして破壊して行く。
「「「きゃぁぁぁぁぁっ! み、耳がぁぁぁぁぁっ!!」」」
 哀れ、妖精の回復を失った淫魔達は、そのまま鼓膜を破られ顔面の穴という穴から出血し、見るも無惨な最後を遂げた。その一方でリリエッタもまた吹っ飛ばされてしまったのだが、色々な意味でアブナイ状態になっている彼女からすれば、戦場の外へ放り出されたことは幸いだった。
「よし! 雑魚が全滅したぞ!」
「どうやら自滅したみたいだな! よ〜し、今がチャンスだぜ!」
 邪魔者がいなくなったとばかりに、プリンセスへ殺到するプレイヤー達の攻撃。未だ敵認定されている以上、その攻撃はサエも巻き込む形で放たれて来るのだが、こんなところでプリンセスと心中する趣味はない。
「やっぱりあたしも狙われてる感じ!? だったら……!」
「なっ……! ちょ★と*て! 貴様、配◆の分●で、★ラワを盾▲すると*うのか!?」
 咄嗟にプリンセスの後ろに隠れ、サエは攻撃をやり過ごす。そんなことをすれば、当然のことながらプレイヤー達の攻撃は、プリンセスに殺到する。
「エロ触手とか淫魔とか、お嬢様が召喚していいもんじゃないだろ!」
「そういうのは、ゴブリンのお姫様がやりなさいよね!」
 怒りを込めたプレイヤー達の攻撃が、バグルプリンセスに集中する。哀れ、彼女は散々にプレイヤー達の攻撃に晒されたせいで、自慢の体力もゴッソリと削られてしまったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風花・雪月
運営は何をやってんだよ――か
すまぬ、すっかり遅れてしまったようじゃ
まずはUCで管轄権を取得し、バグの活動を抑制しよう

クエストはクリアされるために存在する
本来ならばバグを取り除き修復してやりたいところじゃが、肉体も失うほどに汚染されてしまっては無理か
バグの影響が及ばぬよう《結界》と《狩衣》で防御しつつ、遠間から《五行》の火行で火炎を放つ
その力を削いだ後に《草履》の縮地で間合いを詰め、《扇子》に込めた力で《抹消》しよう

あのお姫様には|ドラゴンプロトコル《わしらが仲間》をああも汚染してくれた礼、しっかりしてやらねばなるまいな
しかとその身を焼いた後に復活などできぬよう1ビットも残さず消し去ってやろう



●悪質バグを一掃せよ!
 重度バグに汚染されたことで、もはや本来の姿とは程遠い存在になってしまったプリンセス。彼女の繰り出すゲテモノ軍団は、触れるだけでプレイヤー達のデータを有り得ない形に改竄して行く。
「うぅ……こ、こんな雑魚、いつもだったら一発で倒せるのに……」
「ちょっと! 離しなさいよ! キモいんだよー!!」
 ステータスを激減させられ、無駄に性的感度だ上昇させられた女性プレイヤー達は、軒並みゴブリンや触手の餌食になりかけている。それを守ろうとする男性プレイヤー達も、軒並み淫魔に骨抜きにされて、頭の中はピンク色な妄想で染め上げられてしまっているのでやってられない。
「*び◆終わ●じゃ! 全#纏め$始末◆てく●る*!」
 プレイヤー達が動けないのを知って、バグルプリンセスは配下のオークに指示を出す。彼らの怪力を以て、ステータスが激減したプレイヤー達を一網打尽にしようというのだろう。
「うわぁぁぁぁ! やられるぅぅぅぅ!!」
 鎧がビキニ水着になり、ステータスも軒並みレベル1にまで下げられたプレイヤーが思わず死を覚悟して叫んだが、しかしその攻撃は彼の脳天をブチ割ることはなかった。
「運営は何をやってんだよ……か。すまぬ、すっかり遅れてしまったようじゃ」
 気がつくと、オークの持っていた棍棒を、風花・雪月(龍型AI・f41951)が扇だけで受け止めていた。
「これほどにまで重度のバグ……もはや、修復は不可能じゃな」
 台詞さえも狂ってしまったプリンセスに、雪月は早々に見切りを付けて首を振る。彼女はドラゴンプロトコル。GGOの世界においてダンジョンを作る顕現を与えられた存在であり、それ故に多少のバグであれば修正も可能。
 だが、目の前のプリンセス……あれは、もうダメだ。バグプロトコルとは、この世界におけるオブリビオン。『骸の海より染み出した過去』という定義が他の世界と変わらないのであれば、彼らは既存のデータがバグったものではなく、既に抹消されたデータの残滓が重度のバグを伴って復活したものである。
 プログラム的には、もはやコンピュータウィルスに近いものだった。さすがに、そんな存在を修正する力は雪月とて持ち合わせていない。だが、それでも今この場で酷い目に遭わされているプレイヤー達を、助けてやることはできるはずだ。
「受※てみよっ! こ●がワ★■の下僕*力じゃ!」
 オークによるプレイヤー抹殺を阻止されたプリンセスは、ついに最強の配下を繰り出してきた。それは、雪月と同じドラゴンプロトコルでありながら、重度バグに汚染されプリンセスの配下になってしまった存在。龍と人の肉体が歪に混じり合った霊は、色々な意味でプリンセスよりもボスキャラに相応しい存在だったが。
「クエストはクリアされるために存在する。参加者を抹殺するために用意されたクエストなど、存在自体が間違っておる!」
 ほんの一瞬で、雪月は戦場を自らの管轄領域へと変化させた。これで、このダンジョンは一時的とはいえ、雪月の管轄に入ってしまった。そして、権限が彼女に移行した今、あらゆるバグやチートの類は違反とされる。
「お、おい……なんか、様子が変だぞ?」
「敵の攻撃が……当たらない?」
 バグを禁止するコードによってプリンセスの配下達が弱体化したことで、プレイヤー達も死なずに済んだようだ。相変わらずステータスは改竄されたままだが、それはそれ。このクエストがクリアされれば改竄されたデータも元に戻るはずなので、それまでの辛抱である。
「ふむ……これでバグを起こした雑魚どもは、もはや何もできぬな。ならば……」
 残るは元凶たるプリンセスのみ。まずは遠間から火術で攻める雪月だったが、それはあくまで牽制でしかない。
「ひ&っ! な、な◆をやっ●おる! 早#、ワラ&を守*ぬか!」
 自分が狙われていることを知ってプリンセスが配下達を集めようとするが、それも虚しい抵抗だった。なにしろ、雪月の管轄内ではあらゆるバグやチートが禁止されるだけでなく、強引にそれを行使しようとすれば、行動の成功率が激減するのだ。
 先程から、雑魚モンスターがプレイヤー達を急に攻撃できなくなった理由も、それである。当然、バグったドラゴンプロトコルのバグ汚染も成功しないし、力技で雪月を排除しようと攻撃しても、その攻撃は彼女に全く当たらない。
「お主には、|ドラゴンプロトコル《わしらが仲間》をああも汚染してくれた礼、しっかりしてやらねばなるまいな。しかとその身を焼いた後……復活などできぬよう1ビットも残さず消し去ってやろう」
 全身を炎に包まれたプリンセスへ、雪月の非情なる扇子の一撃が炸裂する。それが決定打になったのか、バグルプリンセスは悲鳴を上げながら崩壊を始め、最後は人としての原形さえ保てないまま、謎のモザイクと化し消滅して行く。
「……清掃完了じゃな。死者が出なかったのは、不幸中の幸いじゃったか」
 レイド戦終了の合図と共に雪月が振り返れば、そこには元に戻ったプレイヤー達の姿があった。改竄されたデータも本来の物に戻ったので、彼らがレベル1に戻されたままでなかったのは救いである。
「はぁ……それにしても、酷いレイドボスだったな」
「これだけ苦労したんだから、きっと報酬は凄いレアアイテムよね!」
 真実を何も知らない彼らは、レイド戦の勝利に湧いていた。なお、レイド戦は貢献度に応じて報酬が決まるのだが、それとは別に参加者全員に配布される確定報酬も存在する。
 目の前に出現した宝箱を各々が開ければ、その中にはレイド戦の報酬がぎっしりと詰まっていた。そして……確定報酬と思しきアイテムを手にしたところで、彼らの目は一様に点と化したのであった。

【レイド戦:バグルプリンセス確定報酬】
・奇跡のビキニ×1(装備しているだけで、毎ターンHPが自動回復)

 なんというか、今までの戦いが戦いだっただけに、因果な確定報酬である。なお、性能だけならばA級の装備であったが、他に同じ追加効果で見た目もマシな装備がたくさん存在するためか、ビキニは早々にプレイヤー達の間で『換金用の金策アイテム』として扱われることになったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年08月16日


挿絵イラスト