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オブリビオン・プロレスの裏でうごめくグリモア覚醒作戦

#サイキックハーツ #マイ宿敵

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#サイキックハーツ
#マイ宿敵


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●サイキックハーツ世界。某県某市。
 その日、市民公園には臨時で格闘技のリングが設置されていた。
 6メートル四方。3本のロープで囲まれたリングの上では、筋骨隆々としたレスラーたちがぶつかり合っている。
 鍛えられた肉体から放たれる、派手な技の数々。唸る拳。飛び散る汗。観客たちは熱線に負けじとばかりに熱い声援を送った。
『ぬるいですわ!』
 そこへ、突如として飛び込んできた蒼い影。
 観客席をジャンプ一つで軽々と超えて、リングロープの上に着地したのはビキニスタイルの女戦士だ。
 予定のない乱入に、観客はざわめきレスラーも戸惑いを隠せない。
『貴方たち。多少は腕に覚えがあるようですけれど、その程度では児戯にもなりませんわ。私が真のプロレスというものを教えて差し上げますから、覚悟なさい!』
 女戦士はマイク片手に啖呵を切ると、レスラーたちへと襲いかかった。

●はるか遠方
 |それ《・・》は若い女エルフの姿をしていた。
 黒革のジャケットを着崩し、ビルの屋上から長い脚をブラブラさせている。
『つまらん話だ。せっかくこの姿で顕現できたというのに、肝心のグリモアが紛い物ではな』
 開いた手の平に浮かべたエネルギー体を、|それ《・・》はジトッと睨んでから握り潰す。
『未来予知は可能なのに、界渡りの力が使えんとはどういうわけか……』
 険しい顔で呟きながら、|それ《・・》の見つめる先では、女戦士がレスラー二人を相手に大立ち回りを繰り広げていた。
 戦況は拮抗している。
 わざと手を抜いているのだ。本気になれば一瞬で皆殺しにできるだろうに、あえて五分五分の戦いを演出している。
 本命の対戦相手が現れるまでの肩慣らし、あるいは観客を退屈させないための場繋ぎといったところか。
『我の趣味には相容れんが……しかし、猟兵どもをおびき出してくれるのであれば好都合』
 ククと喉を鳴らし、|それ《・・》は狡賢そうに目を細めた。
『猟兵――グリモアに導かれし者どもと邂逅し、観察し、闘争し。その果てに我が「疑似グリモア」を進化させる。せいぜい利用させてもらうぞ、プロレスラー』


「とある地方のプロレス興行を、オブリビオンが襲撃する未来が視えたわ」
 田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は、資料画像を壁に投影する。
 名前は『赤松・鶉』。
 襲撃した目的は、より強い戦士が助けに来るのを期待してのこと。おびき寄せた強者との勝負を、ショーとして披露するつもりなのだ。
「エンターティナーを自称してるから、一般人のレスラーや観客については心配無用。むしろ戦いを最後まで観てほしいから、殺さないよう気遣ってくれるわ。……裏を返せば、戦いを観てもらう必要があるから避難させてもらえないのが問題かもね」
 一般人が近くにいる状態で戦わなければならない。
 その一点だけは、考慮して作戦を立てる必要があるわけだ。
「私が予知した範囲は、こんなところ。……なん、だけど」
 いつもなら、ここらで説明を締めくくるのだが、今回のユウナは言葉を濁した。
「なんとなく、嫌な予感がするのよね。もしかしたら、第三者の介入があるかもしれない。心づもりだけは、しておいてね」
 もっとも、赤松・鶉はよそ見しながら勝てるほど甘い敵じゃないけど……と言い添えて、ユウナは猟兵たちを現地へと送り出すのだった。


黒姫小旅
 お久しぶりです、黒姫小旅でございます。
 此度はシンプル三連戦シナリオになります。特にギミックはなし。一般人の観客が大勢いますが、背景程度に考えて気楽に殴り合ってくださいませ。

●一章 ボス戦
 女子プロレスラーとの戦闘です。
 猟兵側の戦闘スタイルに注文を付けてくることはなく、あらゆる作戦・武器・ユーベルコードを馬鹿正直に正面から受け止め、プロレス技で叩き潰そうとします。
 都合上、観客を追い払うのと、えっちなのは不採用とさせていただきますのでご了承ください。

●二章 集団戦
 戦闘終了後、集団敵から襲撃されます。
 シチュエーションは、断章にて。

●三章 ボス戦
 最後の戦いです。
 断章にて描写します。
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第1章 ボス戦 『赤松・鶉』

POW   :    赤松・杏
ダークネスに変身する。レベルが3倍になり【黄金のオーラを纏う打撃系格闘術】で戦えるが、毎秒1%づつ「解除不能確率」が増加する。
SPD   :    蒼翼舞踏
【ラリアット等のプロレス式打撃技】で装甲を破り、【ホールドし上空高く舞い上がる力強い投げ技】でダウンさせ、【単純で強烈な、オーラを纏うヒップドロップ】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
WIZ   :    蒼翼天震
掴んだ対象を【蒼炎オーラ】属性の【受け身を許さない超高速スープレックス】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。

イラスト:tyone

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はユーフィ・バウムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リカルド・マスケラス
「別に猟兵として世界の為に戦ってくれるならダークネスだろうがオブリビオンだろうが歓迎っすけど、そうでないなら見過ごすわけにはいかないっすねー」
リングに飛んでくるの狐のお面

「力を貸すっすよ。自分を被って欲しいっすよ」
そう言ってレスラーの1人に装着してもらい、憑依
「さあ、ショータイムと行くっすかね」
【怪力】【グラップル】での組み合いや【ロープワーク】での【空中戦】を繰り広げる
「おっと!」
相手のUCのラリアットを受けたら自分から大きく飛んでロープ際まで移動。投げ技の為に追ってきたらリングロープを利用して相手を【束縛】し【猟兵絞狩刑】へと持ち込む
「ロープブレイクは無しっすよ」




 赤松・鶉は、一般人レスラー二人を相手に立ち回りながら上機嫌であった。
『ふふっ。いくらか、良い動きをするようになってきましたね。……ですが』
 ちゃんと食らいついてきてくれるレスラーには満足している様子だったが、チラ、とリング外を見遣ると笑みを消す。
『どうやら、前座の時間は終わりのようです』
「何を言って……ぐはっ!?」
 直後、これまでにない速度で振るわれた高速ラリアットが、レスラーの片割れを捉えた。
 強面の巨漢が宙を舞い、ロープを越えて落下する。意識はあるようだが、ダメージが大きくて立ち上がれそうにない。

 ――狐面のヒーローマスクが飛来したのは、ちょうどそのタイミングだった。

「力を貸すっすよ。自分を被って欲しいっすよ」
 そう語りかけるリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)に、もう一人のレスラーは初めこそ当惑したものの、己をまっすぐに見つめるリカルドと場外に落とされた仲間とを見比べて、狐面に手を伸ばす。
 装着。
 憑依完了。
『すばらしいですわ! どこからともなく現れた仮面を身に着け、パワーアップする。最高にエンターテイメントしていますわね』
「そりゃどうも。……じゃあ、ショータイムと行くっすかね」
『是非に!』
 赤松・鶉は恋人からデートに誘われたように顔を輝かせて、そして鮫のように笑った。
 腕を真横に伸ばして、ラリアットの構え。
 先ほどレスラーの仲間を場外までぶっ飛ばした技で、しかし迸る闘気は比較にならないほど大きい。
『まずは、ご挨拶代わりに――【蒼翼舞踏】!』
「おっと!?」
 蒼き剛腕が、大気を上下二分にぶち割って来襲した。
 肉や骨どころか魂魄すら圧し折られそうな一撃を、インパクトの瞬間、レスラーに憑依したリカルドは衝撃を殺すように自分から後ろに跳ぶ。トラックにはねられたような勢いを、リングロープが受け止めてたわんだ。
 前を見れば、赤松・鶉が追撃に迫る。
 背中には、伸びたロープの戻る感触が。まるで、王者に獲物を差し出すように。

 ――ここだ!

 後ろ手にロープを一本掴んで、怪力にあかせて輪っかを作る。
「あら?」
 コンボを繋げようと組みかかってきたところへ、輪っかを手枷に束縛した。流れるように両腕を絡めて関節を極めながら、逆立ちの姿勢になり、両脚を使って首を絞めにいく。
「ロープブレイクは無しっすよ。――【|猟兵絞狩刑《ハンティング・ストラングル》】!」
『ぐっ、ぎ……あああああ!!?』
 上下さかさまに抱き着くような姿勢で、思いっきりグラップルしてやれば、赤松・鶉はたまらず悲鳴を上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
あれ…確かユーフィの真の姿だよな

名前ユーフィじゃないのか…?
確かに凄く変わるけど…!

とはいえユーフィの真の姿なら…全霊を尽くして挑まなければいけないよな!!

重力闘法『迅雷』発動

【戦闘知識】
鶉の戦い方や動きの癖を分析

【見切り・第六感・残像・武器受け・オーラ防御】
重力を纏い残像を残しながら飛び回り鶉の攻撃は直感を利用して可能な限り回避
当たったら無事じゃ済まなさそうだし!

【属性攻撃・弾幕】
火炎弾を鶉を中心に叩き込み
【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
剣と太刀による連続斬撃から槍により串刺し

【重量攻撃・空中機動・貫通攻撃】
そして上空へと舞って
メテオブラスト発動
蒼き鷹よ!
今こそ大地に還れぇ!!


蒼月・碧
あれ?部長の姿が見えるんだけど、見間違えかな?
でも、間違うわけはないしね。

何はともあれ。
戦う必要があるなら、がんばるだけですよね。
それじゃ、やりましょうかっ!

降魔の光刃で闇色の刃を発現させてから構えます。
完全に近接間合いに入られると厄介だから…。

相手の攻撃にはオーラ防御で衝撃に備えますね。
捕まれないように避けつつ、箒飛行で高いところへ移動してから…。
箒を蹴って相手に向って急降下っ!
急降下しつつ、ユーベルコードを発動!
さぁ、一気に行かせてもらうよっ!!

攻撃後は、一撃離脱で間合いを取りますよ。
これが、ボクの…。ボク達の絆の技ですっ!
少しは楽しんでくれましたか?
ちょっとでも効いているといいんだけど。


幸・桃琴
かつて有力ダークネスを沢山倒したクラブ
「-Feather-」の赤松・鶉部長は
2019年から行方不明になっている

でもね、なんとなく桃は分かるよ
本当の部長はどこかで猟兵をやっている
だから目の前のオブリビオンは心おきなく倒すよ

本物でなくても部長だ、どーんとぶつかります!
功夫を生かした打撃を叩き込み、
反撃はきっと避けられないから思い切り悲鳴を上げて
でも心は折れずしっかり立ち上がって、投げていくね

きっと、攻めが一段落したら今度はこっちの番を渡してくれる
レスラーだもの、信頼があるよ!
倒されないよう負けん気を全開に戦うけど、
でも楽しく戦って
最後は、桃の全てを込めた《部活奥義:流星蹴り》!
これで、どうだぁーっ




「あれ……確かユーフィの真の姿だよな」
「部長の姿が見えるんだけど、見間違えかな?」
 グリモアによって現地へと転移したテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と蒼月・碧(碧星の残光・f43907)は、リング上の女戦士を見てパチクリと瞬きした。
 知人と酷似したその姿に戸惑いを禁じ得ないが、しかし同時に断言することもできる。
 ――あれはオブリビオン。本人とは似て非なる、世界の敵だ。
「見なくたって、桃にはわかるよ。本当の部長はどこかで猟兵をやっている。だから、目の前の偽物は心おきなく倒させてもらうよ」
 幸・桃琴(桃色退魔拳士・f26358)の宣言を皮切りとして三人がリングに上がると、オブリビオンは手放しで歓迎した。
『次なる挑戦者は、|私でない私《・・・・・》と縁があるようですね。だったらなおさら、出し惜しみなく――闇堕ちのパワー全開で参りますわ!』
 蒼炎の闘気が、黄金へと変化する。
 赤松・鶉あらため、ダークネス【赤松・杏】へと変身した女レスラーは、拳を固めて突撃した。
 最初に激突したのは、桃琴だ。
『はあああ!』
「どーん!」
 鍛え練られた打撃が互いの肉体に喰らいつき……果たして、のけぞったのは桃琴の方であった。
「くぁ……っ!?」
 リングロープへと叩きつけられ、跳ね返った勢いを使って掴みかかり投げ技を見舞うが、返されたのは拳槌打ち。ハンマーに見立てた拳のスイングに打ち倒されてバウンドした桃琴を、杏はサッカボールよろしく天に向けて蹴り上げた。
『さあさあ、止まらずに行きますわよ!』
「うわっ!?」
 立て続けに、今度は碧が強襲を受ける。
 飛び込みざまのクロスチョップがオーラ防御を斬り裂き、受けに構えた闇色のサイキックソードを弾き飛ばす。
「これは……厄介だね」
 痺れる両手を抱えて、碧が選んだのは逃げの一手だ。
 砕けたオーラ防御がキラキラと散る向こう側から、杏が組みつこうとしてくるのをバックステップで躱し、スレイヤーカードから魔法の箒を抜き放ってはるか上空へと飛翔する。
「やれやれ。近接の間合いじゃ、敵わないや」
 ひとまず空へと逃れて、碧は汗を拭う。
 その意見には、回避行動を取っていたもう一人の猟兵、テラも同意するところであった。
「これは……普通の強さじゃないな!」
 分析するという点において、この相手はかなり安易な部類だ。
 見栄えを意識した、無駄なくらいに華美な技。
 観客である一般人の動体視力でもついてこられるよう、速度に制限をかけている上、予備動作も大きい。
 歴戦の猟兵ならば見切れて当然。なのにどうしてか、『迅雷』でもって潜在能力を引き出したテラをしても、躱すだけでギリギリだった。
『はっはー! 逃げてばかりでは勝てませんわよ!』
「くそっ」
 ダークネス化したレスラーは乱神のごとく追い回され、テラは火炎弾の乱射や太刀・小剣の変則二刀から槍の一突きへのコンビネーションで反撃しつつ、重力をまとって上空へと逃避し――――ふと、気づいた。
 最初に蹴り飛ばされた桃琴。
 箒で飛行する碧。
 そしてテラの位置関係。
 地上の杏を中心として、正三角形の頂点に当たるような、理想的な配置だ。
「これ……偶然か」
「どうかな。案外、わざとやってくれたのかもよ?」
 テラの呟きに、碧はどこか苦笑気味に答える。
 桃琴も同じく、愉快そうに笑った。
「あははっ。本物でなくても部長だね。こっちの見せ場も作ってくれるって信じてたけど、期待以上だ」
 ズタボロにされながらも、心は折れていない。痛みも苦しみも、負けてなるかという意地すらも霞むほど、戦いが楽しくてたまらない。
「お膳立てしてくれたお礼。桃の全てを込めて、返すからね!」
 空中での体勢を、体術一つで制御する。
 流星の煌めきが彼女を包み込み、一条の光となって杏に蹴りかかった。
「じゃあボクも、一気に行かせてもらうよっ!」
 碧もまた、よく似たユーベルコードを白翼が装飾されたブーツ型エアシューズに宿すと、魔法の箒を蹴って急降下。
「おれの全霊を尽くして挑む!」
 そしてテラも、流星の力を宿して敵の頭上を取る。
「これで、どうだぁーっ。【|部活奥義:流星蹴り《スターゲイザー》】!」
 桃琴の、煌めき尽きるまで止まらぬ脚蹴が、
「これがボクの……。ボク達の絆の技ですっ。【|流星の蹴撃《スターゲイザー》】!」
 碧の、超音速の跳び蹴りが、
「蒼き鷹よ、今こそ大地に還れぇ! 【メテオ・ブラスト】!」
 テラの、単純で重い踵落としが、同時に放たれた。
 三者三色。
 超重力をまとった蹴りは、互いが互いに干渉し合って空間を螺旋状に歪める。さながら一個の神格が顕現するかのように視界が歪曲するのを、見上げた杏は呵々大笑した。
『ああ、なんてステキなんでしょう。|観客《オーディエンス》もスタンディングオベーション間違いありませんわ!』
 金色のオーラを凝縮して掲げた防御は、いとも容易く圧し潰された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

笹乃葉・きなこ
◎POW/アドリブとかご自由に

真の姿が敵になる世界なぁ
いいなぁ、戦いたい奴と命をかけた殺し合いが出来るってわけだべなぁ

ふーん…コイツ相手なら、真っ向勝負というじゃねぇかっ!

相手の攻撃は野生の感で避けられるなら避ける
攻撃は鎧無視攻撃と貫通攻撃のユーベルコードで、プロレス技の投げまくる。ホイップでも、バスターでも、スラムでも投げられるチャンスがあるなら積極的にぶん投げるっ!

相手から投げ返されたら、受け身を取りながら空中浮遊、空中戦の要領で相手を掴んでまた、鎧無視攻撃と貫通攻撃のユーベルコードで投げる!

どっちが先にへばるか体力勝負と行こうじゃねぇかっ!




「真の姿が敵になる世界なぁ」
 サイキックハーツ世界では、前例にない出来事が起こっているらしい。
 だが、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)にとっては些末なことで、むしろ喜ばしく感じている節すらあった。
「いいなぁ、戦いたい奴と命をかけた殺し合いが出来るってわけだべなぁ」
『良い闘志ですわね!』
 ウキウキとした様子でリングロープをくぐったきなこを、相手はダークネス【赤松・杏】へと変身して迎え入れる。黄金のオーラをまとった打撃主体のスタイルで、いざ真っ向勝負だ!
「ま、避けられるなら避けるけんどな!」
 右拳の大振りを、野生の勘で回避する。
 下げた頭のすぐ上を、殺気が髪をさらって通り過ぎていくの感じながら、そっと片手を添えてやる。
 小指が触れた。
 薬指。
 中指、人差し指と絡み付かせて、万力の握力で掴まえる。
「投げ地獄へご招待だべ!」
 ――ユーベルコード、【笹乃葉式我流投げ技地獄】。
 体重の乗ったパンチは、つまり捕まえてしまえば体重の支配権を掌握したのと同義だ。杏は踏ん張ることもできずに持ち上げられて、床へと叩きつけられる。
『が、はっ!?』
 バウンドして、その勢いをもらって再び叩き付け。びったんびったん、終わることなく天と地を行き来させられる様は、技名の通り無間地獄の責め苦のごとし、だ。
 勝負あり……かと思われた、その時。
 きなこは気づいた、杏の瞳が妖しく煌めいたことに。
 蹴!
 宙へと持ち上げられた一瞬の無重力タイム。きなこの掴む右腕を軸にして体をひねると、猫のような柔軟さで蹴りを放ったのだ。
『私だって、やられっぱなしじゃありませんわよ!』
「ぐっ……っへへ。上等だべ。どっちが先にへばるか体力勝負と行こうじゃねぇかっ!」
 きなこは口内に感じる血の味に笑みを浮かべて、空中で杏を掴み直した。
 投げと打撃の応酬は凄まじく、見守る観客たちをも熱狂させていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

皇・銀静
…どういうことだ?
赤松鶉…お前も猟兵になったのか…?いや…そんな話はまだ聞いていない

…だが…それでもお前が赤松鶉であるのなら
オブビリオン…敵として在るのであれば

良いだろう
嘗て闇堕ちした僕がお前とも雌雄を決した事もあった
http://tw4.jp/adventure/replay/?scenario_id=7711

【オーラ防御・リミットブレイク・切断】
UC発動
魔剣を使い全力でぶつかる

はっ!闇堕ち!嘗ては「運がよくなければ」なれない境地がこうも容易く!まるでブレイズゲートのようだな!

恐ろしい強さ
それでも引くという選択肢はない
己の魔剣を叩き込み生命を啜り…|鶉《杏》の攻撃も正面から受け止める

何度だって起ちあがる
拳を叩き込
黄金のオーラと己の邪気もぶつけ合い

鶉が倒れた後もリングを利用して上空からムーンサルトプレス

…僕も一応お前の倶楽部所属だからな…猟兵達は認識されないだろうが

プロレスも覚えがないわけじゃない
お前が知ってるかは知らないが

直ぐに反撃されるも投げ飛ばされるも立ち上
力尽きるまでぶつかり合う




 サイキックハーツ世界では、猟兵の真の姿を模したオブリビオンが出現することがあるという。
 逆説的に考えると、あのオブリビオンとして現れたのはオリジナルの赤松・鶉が猟兵に覚醒していることの証左となるのではないだろうか。
「そんな話はまだ聞いていないが……しかし、そうでないとすると、あの赤松鶉が骸の海に堕ちたということに……」
 皇・銀静(陰月・f43999)は前に立つ女戦士の来歴を掴みかねたが、あまり考え込んでもいられない。
 どんな背景があったとて、赤松・鶉なのは変わりなく。
 世界の敵であるオブリビオンなのも変わらないのだ。
「……良いだろう」
 思い返せば遠い昔、闇堕ちした己の許に彼女が駆け付け、雌雄を決したこともあった。
 あの時とは色々と事情が異なるが、逆の立場になった銀静が為すべきことは唯一にして単純明快。
「……【|四門開門・凶《シキョウモンカイモン》】!」
 ユーベルコードが発動し、生命を喰らう邪気が銀静の体を覆っていくだけにとどまらず、真の姿へと|超克《オーバーロード》を果たす。
 苛烈な闘争心の化身と呼ぶに相応しいその姿は、もはや人の枠組みを超えていた。
『なるほど、堕ちましたか』
「はっ! 嘗ては『運がよくなければ』なれない境地がこうも容易く! まるでブレイズゲートのようだな!」
『いい顔をなさってますわよ。|悪役《ヒール》の素質がおありですわ』
 埒外へと至った銀静を、鶉は賛美して自らも【赤松・杏】へと変身した。
 黄金に輝くオーラが、凶悪な邪気と対峙する。
『宴もたけなわ。そろそろクライマックスと参りましょう!』
「臨むところ!」
 同時に地を蹴り、リング中央でぶつかり合った。
 杏の鉄拳が、銀静の胸板を打ち抜く。
 呼気に血が混じるも歯を食いしばり、魔剣「Durandal MardyLord」で斬り返す。禍々しい覇気を放つ刃は女レスラーを袈裟懸けに両断するが、杏はオーラの出力で強引に傷を押さえて廻し蹴りで反撃する。
 ノーガード戦。
 互いに一歩も退かず、すべてを受け止めた上で相手を凌駕せんとする壮絶な戦いである。
「……恐ろしい強さだな」
 内心で、銀静は舌を巻いていた。
 杏は他の猟兵との連戦で、とっくに限界を超えているはずだ。なのにどうしたことか、ダウンするのは銀静ばかり。生命力奪取のユーベルコードで回復しながら立ち向かっているというのに、戦況はあまりにも一方的だ。
 痛い。
 苦しい。
 いっそ負けを認めてしまえば。
 常人ならばとうに楽な道を選んでいるところだが、銀静は決して諦めなかった。
 何度でも立ち上がり、ぶつかっていき、力が尽きるまで……――――ズルッ!?
 汗か疲労か、手中から魔剣が滑り落ちた。
 得物の喪失。
 落下する刃に、視線が釣られる。
「――勝機!」
 意図せぬトラブルが、ほんのわずか目を奪ったのを銀静は見逃さなかった。
 深く踏み込み、顎を打ち抜く。
 隙を突いた拳打は、確実に杏の脳を揺らした。
 不撓の女レスラーがついに土を舐めたことに、観客からどよめきが上がる。
『や、やりますわね。ですが、まだ……あ』
 大の字に倒れた杏はすぐに立ち上がろうとするが、銀静の行動を見て動きを止めた。
 敵に背中を向けて、リングのコーナーポストによじ登ると、バック転しながら跳躍。それは、プロレスの技だった。技名は月面水爆。またの名を――
『ムーンサルトプレス?』
「お前が知ってるかは知らないが、僕も一応お前の倶楽部所属だからな……。プロレスも、覚えがないわけじゃない」
 重力を感じさせない身軽さで宙を舞い、邪気をまとった全身を使って叩き潰す。大振りな攻撃は、避けようと思えば簡単だったろう。しかし杏は、
『ああ、なんて美しい』
 敢えて倒れ込んだまま受け止め、そして二度と立ち上がることはなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『竜種工作員』

POW   :    竜種解放
自身に【竜の翼を生やし】、【黒炎】をまとい、高速移動と【物理や特殊効果を焼却する黒炎】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    電脳魔術・ウロボロスレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【に現地改修された竜型ガジェット】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    電脳魔術・リアリティハッキング
自身が【対象の肉体や精神にハッキングして】いる間、レベルm半径内の対象全てに【肉体や精神の情報改変】によるダメージか【健全な状態への上書き】による治癒を与え続ける。

イラスト:うみにゃ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『お見事でした』
 倒れたレスラーオブリビオンは満足そうに、自らを討伐した猟兵たちを言祝いだ。
『最高の戦いを演じることができました。お礼ではありませんが、一言ご忠告を。……|観客《オーディエンス》に、胡乱な輩が紛れ込んでいます』
 骸の海へと消え行く彼女が、そう告げた瞬間。
『猟兵側の勝利を確認』
『契約に基づき、即時戦闘へと移行する』
『電脳魔術起動。オールグリーン』
 雨あられの歓声を送っていた客席の一部が、感情のスイッチを切ったかのように虚無の表情へと変化した。
『私のショーを観ていただけるなら何でも良い、と捨て置いていたのですが、どうやら貴方たちに用があるみたいですわね』
『――攻撃開始』
 直後、邪悪なドラゴンオーラが噴出した。
 変装を解いた『竜種工作員』は、逃げ出す一般人には目もくれず、猟兵たちだけに照準を合わせて次々と襲いかかってくる。
リカルド・マスケラス
電脳魔術、竜種。知り合いのグリモア猟兵をちょっと思い出すっすけど、他人の空似っすね
「何はともあれ、一般人を守る必要がないのは気が楽でいいっすね」

「さあ、数には数っすよ!」
憑依したレスラーにも避難してもらったら、【霧影分身術】で数を増やして【集団戦術】で戦うっすよ
「派手に行くっすよ!」
役割を分担し、敵の攻撃を【結界術】でガードし、こっちの攻撃は鎖鎌に【属性攻撃】を乗せての【なぎ払い】【2回攻撃】などで行う。更には【ロープワーク】【捕縛】で鎖分銅による拘束で補助するタイプも出したりして、レギオンごと工作員の撃破に向かう
「伊達に色々に世界を渡り歩いていないっすよ」

連携アドリブ歓迎っすよ




 リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)が憑依を解除すると、一時的な装着者となっていたレスラーは他のスタッフや観客たちとともに避難していく。
 彼らに対してオブリビオン『竜種工作員』はまったく関心を示すことなく、猟兵だけしか目に入っていないようだ。
「一般人を守る必要がないのは気が楽でいいっすね」
 呟くリカルドに、竜種工作員が攻撃を仕掛ける。
『……ユーベルコード発動、【電脳魔術・ウロボロスレギオン】』
 現地改修した竜型ガジェットが大挙をなしてリカルドを取り囲み、八つ裂きにしてくれようと――ガチンッ!?
 しかし、機械仕掛けの牙は獲物に触れることなく食い止められた。
『攻撃失敗』
『解析……結界術技能と推定』
「電脳魔術、竜種。知り合いをちょっと思い出すっすけど……他人の空似っすかね」
 独り言ちながら。
 振り返ったリカルドの姿が、霧に覆われていく。濃い霧の向こうから、嘲弄するような声が響いて。
「数には数っすよね」
「夢か現か幻か」
「とくとご覧あれっすよ」
 一つまた一つと増えていき、霧が晴れるとそこには、仮初の肉体に憑依したリカルドが155にも分身して並んでいた。
「ユーベルコード【|忍法・霧影分身術《ムエイブンシンジュツ》】。――さあ、派手に行くっすよ!」
 ジャラリ、と蛇がとぐろを巻くような音が鳴って、分身したリカルドは一斉に鎖分銅を放つ。
 展開された黒鉄の投網は、蜘蛛の巣のごとく緻密ながら巧みな連携によって互いに絡まることなく、敵だけを確実に捕らえて縛り上げていく。
 そうして戦場を手中に収めたところで、攻撃役の分身が属性を宿した手鎌を構えた。
 鎖が蜘蛛の巣ならば、鎌遣いは蜘蛛の牙だ。
 刃先を引っかけるようにしてガードを開き、無防備になった急所に返しの斬撃を見舞えば、素早い二連撃によってオブリビオンの血花が咲き乱れた。
「伊達に色々と世界を渡り歩いていないっすよ」
 敵を数体まとめて薙ぎ払い、リカルドは不敵に笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・銀静
単独行動

何だお前ら…鶉との逢瀬(?)との余韻をぶち壊すとか…僕にご丁寧に痛めつけられて灼滅されたい被虐趣味か?

まぁいい…それなら…須らく…砕け散れ
UC発動

敵に襲いかかり近接には拳を叩き込み蹴り飛ばし遠くには真空波を叩き込み虐殺の限りを尽くす

観客席にこっそりといる黄金の髪の少女
「…あは☆隠れて主を助けるのも神機の醍醐味だよ☆」
黄金の髪の少女がこっそりと絶対必中機構『槍の神』を同時発動…!UCの命中率を常時必中に変動させる…!

……?(命中率に首をかしげる)
…なんか異常に当たってる気がするが…まぁいい
考えるのは後にしよう

やれやれ…中々の美人だが…食い散らかす気分でもない
お前達はただ灼滅されてしまえ




 皇・銀静(陰月・f43999)はひどく立腹していた。
 せっかく懐かしい相手との逢瀬を交わして余韻に浸ってきたのに、無粋な連中が雪崩込んできたせいでぶち壊しである。
「何だお前ら……僕にご丁寧に痛めつけられて灼滅されたい被虐趣味か?」
 殺気を宿した眼で睥睨する銀静に、竜種工作員たちは警戒するように足を止めたが、機械的な無表情に怯えが浮かぶことはない。
『契約に基づき、戦闘データの収集を開始』
『ユーベルコード【竜種解放】発動』
 背中に竜の翼を生やし、黒き炎をまとう。
 敵意は明確。
 忠告は無視された。
 ならばよかろう、灼いて滅するまでだ。
「…………須らく……砕け散れ。【|裏白虎門開門《ウラビャッコモン》】」
 邪つ風が、吹き抜けた。

 ――曰く、『秒』の十分の一の速さを『絲』と呼び、さらに十分の一の速さを『忽』と呼ぶ、と。

 呼吸一つまたぐことなく『忽』の境地へと至った銀静は、阿修羅のごとく奮迅した。
 プロレスリングから敵群の只中へと飛び降りざまに蹴りを浴びせ、着地の勢いを拳に乗せて左右の敵首を打ち折ると、戦場に血煙を上げながら暴虐の限りを尽くす。超高速の連撃は、前もって仕込んだかのように無駄なく流暢でありながら、敵との間合いに応じて千変万化。拳脚を振るうたびに命を一つ叩き潰し、空振りと見えれば真空波を放って遠敵を穿つ。
 かくして100を数え、ようやく1秒経過。
 ユーベルコードを撃ちきり一呼吸を置いた銀静の後ろで、ぴったり百のオブリビオンが何もできないまま絶命した。
「……。……どうにも、上手くいきすぎた気がするな」
 銀静は訝しむように、己の拳を見下ろした。
【裏白虎門開門】は命中率が累進的に低下するのが欠点なのに、すべての攻撃が的中するのは異常と言える。
 まるで、何か見えざる力に導かれたような……
「……まぁいい。考えるのは後にしよう」
 今は戦闘に集中すべきだ。
 疑念を振り払い、次なる敵へと襲いかかる。
「……中々の美人もいるようだが……食い散らかす気分でもない。お前達はただ灼滅されてしまえ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》助太刀に馳せ参じてございます。
かの軍勢が障害なのでございますね。
では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう。


飯綱・杏子(サポート)
ジビエ|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の|食材《オブリビオン》を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす
どんなに癖のある|肉《ジビエ》でも濃い味付けにすれば食えない肉はないっす

悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす
あと|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

シナリオの傾向によっては、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす




「|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》、助太刀に馳せ参じてございます」
 アラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は優雅に一礼して、眼前に広がる竜種工作員の軍勢を見渡した。
 障害たる存在を確認。
 極楽浄土より持ち帰りし秘術、とくとご覧あれ。

 ――【極楽の香気】!

 ミコトの視線が戦場を舐めると、視認した竜種工作員の肉体からあらゆる傷や汚れがぬぐい去られた。疲労が抜け、消費したドラゴンオーラも回復する。
 人数に制限なく完全治療を施すユーベルコードだ。
 瞬く間に全盛を取り戻したオブリビオン部隊は、しかし喜ぶこともミコトの意図を訝しむこともできなかった。
『……ギ、ああああ』
『ぐぇ……ギャギャギャギャ』
『ヴヴ、ぅルルルル』
 彼らの口から漏れるのは、人ならざるモノの呻き声。
 強大な治癒の副作用が、工作員たちから理性を奪っていく。肉体の構造が組み変わり、直後には美しくもおぞましい『天上界の獣』がそこにあった。
「かの軍勢は、電脳魔術なるものを操るとうかがってございます。なれば、知恵なき獣に変えてしまえば、現実を改変する『はっきんぐ』とやらも不可能となりましょう」
 ミコトは一つ説法でも終えたように頷くと、ダイカタナを抜き放った。
 研ぎ澄まされた巨大刃が日差しを反射してギラリと光り、踏み込んで一閃すれば花火よろしく獣の首が空へと飛ぶ。
 完全回復したとはいえ、理性を失って烏合の衆と化したオブリビオンなどミコトの敵ではなく、竹林でも伐採するように斬り崩していった。


 ミコトが無双する戦場の逆サイドでは、別の猟兵がサポートに駆け付けていた。
「わーい、|ジビエ《オブリビオン》の喰べ放題っす!」
 と、歓声を上げるのは食道楽の悪魔、飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)だ。
 |猟理鋏《クッキングシザース》を分解した双剣スタイルで天上界の獣をぶった斬り、皮を剥いで、部位ごとに肉を斬り分けていく。
「【極楽の香気】っていうくらいだから、香りもいいんじゃないっすかね。まずはシンプルに塩だけで……いただきます!」
 これぞ『エクストリーム調理』アスリートということか。戦闘中であることを感じさせない手際で肉を焼き、一口で頬張るとモグモグごっくん。
「ッッか――――っ!! 美味いっす! 名前の通り、天国にも上る味っす!」
 お気に召したようだ。
 歓喜する杏子の体から、闘気が立ち上る。
 ユーベルコード【フードファイト・ワイルドモード】。喰らった肉の量と質に応じて力を増すそれは、食欲すらも増進させて杏子の背中を押した。
「さあ、ノって来たっすよ! 片っ端から喰い尽くしてやるっす!」
 双剣を構え直して、杏子は突貫。
 電動芝刈り機よろしく高速回転する刃撃で斬り刻んだ敵を、焼いて炒めて煮込んで揚げて、各種そろえた調味料を順番にかけては食べ比べていく。どれも美味しくて、戦闘力の強化と次なる料理への探求心が加速する。
 数えきれない大群も、杏子にとっては「様々な食べ方を試す機会が増えた」程度の意味しか持たず、狩る・喰らう・【フードファイト・ワイルドモード】でパワーアップのローテーションを繰り返して、オブリビオンを駆逐していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

岩社・サラ(サポート)
「敵性対象多数確認。状況了解しました。殲滅戦開始します」

傭兵としての戦闘技術と一族に伝わる土魔法を組み合わせて戦う冷静な性格の女性。
口調はですます調。必要以上に会話はしない。
依頼に関しては負傷を厭わず可能な限り全力を尽くすが、公序良俗に反する行為は行わない。
仲間との連携ができる場面では積極的に連携を行う。

行動
グレネードランチャーを使った範囲攻撃やカスタムカービンによる制圧射撃など複数目標を攻撃できる武装を装備して戦闘を行います。

戦闘時は戦闘知識に基づいて遮蔽物に身を隠す等、被弾を減らす工夫を行います。

ユーベルコードは多くの敵を巻き込むような形で使用。

書かれていない部分はおまかせします。




「敵性対象確認。残存兵力1割を下回れども、いまだ士気低下せず」
 戦場を眺めてみれば、すでに勝敗は決したも同然に見えるが、完全に脅威を排したとは言い難い。
 千里を行く者は九十九里を半ばとす、との言葉に沿うなら、最後の一里を埋めるためのダメ押しが必要であり、そのために馳せ参じたのが岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)であった。
「……状況了解しました」
 サラはスコープを下ろして観測に段落をつけると、魔石を握りしめて精神を集中させる。
 魔力を宿したコンクリートの欠片を媒介に、一族相伝の土魔法を増幅、強化。
「殲滅戦を開始せよ、【|召喚魔法「疲れ知らずの工兵」《サモンマジック・タイアレスエンジニア》】」
 ユーベルコードの発動によって召し喚ばれたるはゴーレムの軍団。片腕を工具にした土くれの人形たちは、術者の命じるままにオブリビオン『竜種工作員』へと殺到した。
 ハンマーの腕をしたゴーレムが殴り飛ばし、ノコギリの腕が斬り裂き、バールやマイナスドライバーが傷口を抉る。
 152にも上るゴーレム群は、他の猟兵によって数を減らされたオブリビオンではもはや敵わない戦力差を有していて、竜種工作員を一方的に突き崩していった。
『傀儡による襲撃。召喚術士によるものと推測』
『危険。これ以上の戦線維持は不可能』
『傀儡への反撃は効果が見られず。直接、術者を攻撃すべきと推奨』
 何体かの工作員が竜翼を広げてゴーレムを回避し、召喚主であるサラを捜索する。
 なるほど、本丸を狙うというのは悪くない手だ……が、お生憎。こんなこともあろうかと、ちゃんと隠密装備を持ってきている。
 擬装外套をまとって周囲の景色に溶け込んだサラを、敵は見つけることができないまま、一体また一体と撃ち落とされていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『刃を奪われし妖刀の影』

POW   :    示現流無刀「|蹴殺《けころ》」
【廻し蹴り落としの構え 】を構えて【雲耀雷撃の闘気】を纏い、発動前後が無防備となる代わりに、超威力・超高速・防護破壊の一撃を放つ。
SPD   :    田抜流「蛇の道」・「熊手薙ぎ」
【敵の死角に回り込む特殊な歩法からの攻撃 】が命中した敵を【熊が剛爪を振るうかのごとき諸手薙ぎ払い】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[熊が剛爪を振るうかのごとき諸手薙ぎ払い]で受け止め[敵の死角に回り込む特殊な歩法からの攻撃 ]で反撃する。
WIZ   :    田抜流心法「水月の位」+千里眼
【明鏡止水の心境 】と【「疑似グリモア」と化した両眼による未来視】を組み合わせた独自の技能「【絶対最適カウンター】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。

イラスト:傘魚

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠田抜・ユウナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちは、『竜種工作員』の撃退に成功した。
 オブリビオンは骸の海へと還り、そうでない一般人は避難して、市民公園は完全な無人と化している。
 ――そこへ、ゆったりと歩いてくる影が一つ。
『いいなぁ。強いなぁ。グリモアの導きを視ることができれば、それだけで構わんと思っていたのだがな。どうしてどうして、強者ぞろいで血が騒ぐ』
 外見は、若いエルフの女だ。
 両眼は黒炭に宿る熾火のごとく静かな熱を宿し、長い黒髪が風にたなびく。黒革ジャケットの背中に負った日本刀には、ゴテゴテと大量の封印が施されていた。
『一身上の都合で刃を抜けずにいることを、こんなに悔やんだことはないぞ。……まったく。「影」に過ぎんとはいえ、刀の化身としては情けない話だ』
 背負う刀の柄を掴もうとして、バチッと封印に弾かれた手を忌々しそうにプラプラ振る。
『……だが、まあコレも一興というもの』
 ニタァ、と。三日月のように口角が上がる。
『さあ、死合おうぞ猟兵!! 刹那の愉悦とともに、我が糧となれ!』
 右手を高く、左手は下に。
 天地上下の構えを取って、オブリビオン『刃を奪われし妖刀の影』は威圧殲滅の気魄を放った。
レイヴァ・エレウネラ
【通常攻撃無効】【鉄壁】(肉体)常時発動

強い敵と戦いたいって思いは私と一緒だね。
ボクも負けるつもりはないよ!

キミも格闘戦が得意なんだ!
私も至近距離からの格闘が得意だから…良いよ!得意距離で戦ってあげる!
そんなわけで、拳と蹴りで格闘戦をするよ。
基本は【怪力】と【グラップル】によってガンガン攻める!他にも相手からの攻撃に合わせて【カウンター】も狙えたら狙いたいね!
相手の攻撃は全ては防ぎきれないきけだろうけどタフネスで耐えきるよ!

最後は相手のボディーブローを食らうも耐え切り、【カウンター】のストレートパンチで怯んだところにUCを叩き込むよ!




「強い敵と戦いたいって思いは一緒だね。ボクも負けるつもりはないよ!」
 レイヴァ・エレウネラ(不敵で不思議な女神・f44350)は快活に宣言すると、濃密な覇気をまとって構えを取った。
 徒手空拳。
 両者ともに、人の形にて拳脚を武器とする、もっとも始原的なバトルスタイルである。
『――シィッ!』
 先手は相手からだった。
 すばやい踏み込みで間合いを超え、ムチがしなるような裏拳で顎を弾く。脳を揺らす打撃を、レイヴァは避けずに奥歯を食いしばって耐えると、クロスカウンターの正拳を見舞った。手応えアリ。
『呆れるほど頑丈な奴だ』
 追加で数発打ち合った後、女エルフはペッと唾を吐き捨てた。
『いいところに当てたはずだが、まるで通ったように見えん』
「ボクに通常攻撃は効かないからね」
『ククッ。なるほど。……だったら、普通でない攻撃ならどうかな?』
 不敵に笑うレイヴァに、女エルフは好ましげに喉を鳴らして、構えを変えた。
 単純明快な構えだ。
 右脚に全霊を込めた廻し蹴り落とし。狙いはわかりやすく、代わりにフェイントも駆け引きもすべてを削ぎ落した一意専心の気魄を宿しており、稲妻のごとき闘気がバリバリッと雷鳴を轟かせる。
「……すごいのが、来る!」
 ゾクリとするものを覚えながらも、レイヴァは退かない。耐久こそが本分とばかりに、ガードを固めて正面から受け止めようとする。

 蹴――――ッ殺!!!

 電光が見えた、と思った時には、すでに喰らっていた。
 体を真っ二つに裂かれたと錯覚するほどの衝撃。鉄壁の防御を固めたはずなのに、豆腐に包丁でも立てるように易々と破られた。何というスピード。何という防護破壊性能。何という攻撃力だ!
『受ける力は大したものだが、残念だったな。我がユーベルコードの前に単なる防御など……。……ぐっ!?』
 膝をつくレイヴァに、女エルフは興味を失ったように背を向けたが、ふと我が身に違和感を覚えた。
 見れば、胸に新たな打撃痕。闇の力を帯びたそれは、守りの力を霧散させている。
『あの刹那に、カウンターを……っ!?』
 そして、右脚には光を宿した打撃の痕があり、強制的に地面へと引きずり倒す。
「ユーベルコード、【|異界神冥打・凶星拳《イカイシンメイダ・キョウセイケン》】。……一矢報いれたなら、上出来かな」
 二種類の拳打を受けてダウンしたオブリビオンへとトドメの流星群が降り注ぐのを眺めながら、レイヴァは痛みを堪えて立ち上がるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

子豚・オーロラ(サポート)
人間の妖剣士×寵姫、22歳の女です。
普段の口調は「豚房流の女(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」、リラックス中は「子豚家の女(わたし、あなた、呼び捨て、ねぇ、ねぇん、でしょお、なのぉ?)」です。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

五刀流と一刀流を使い分け、相手のや依頼のタイプに合わせお色気行動と剣士としての真剣な動きを使い分けます

武人タイプには敵でも敬意を払いますが、騙し討ち等の戦術を嫌っているわけではありません

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「姓は子豚、名はオーロラ。爆乳剣士オーロラ参る!」
『はっ! どうせ死ぬ者の名など興味はない!』
 高らかに名乗り上げた子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)に、女エルフの姿をしたオブリビオンは野獣のごとく襲いかかった。
 礼など無用とばかりに先手必勝。引き裂くように爪を立てた諸手でもって薙ぎ払い……――――

 ぼぉ~ん!!

 ユーベルコードの熊手薙ぎは、ふくよかなる柔肉に受け止められた。
 元からたわわに実っていた乳房は、豚房流剣術奥義の一【|爆肉変態法《バクニクヘンタイホウ》】の効果でなおさら豊満に膨らみ、敵爪をしっとりと沈み込ませて衝撃を吸収する。
「あん!」
『こやつ……』
 食い込んだ五指によって乳房が歪み、嬌声を漏らすオーロラに、女エルフはこめかみをひくつかせた。
『ふざけた術を……ならば、田抜流歩法「蛇の道」』
 ヌルリ――と溶けるように、敵の姿がかき消える。
 正面に相対しながら死角へとすべり込む独特な足捌き。目で追えないのは元より承知の上で、だからオーロラはあえて追わずに思考を回転させる。
 死角となっている範囲はどこか?
 胸へと攻撃を当てた際の位置関係は?
 敵の体勢、重心の置き方。
 視線の向き。
 触れ合った乳房に伝わっていた感触。
 それらすべてを計算した上に、剣士としての勘を加えて、答えを導き出す。
「――そこよ!」
『ぐあっ!?』
 乳肉と同じく【爆肉変態法】で増幅された尻と太腿が躍動し、抜き放たれるは陰剣・菊一門。予想外の角度から振るわれた刃は、果たして、バックアタックを見舞おうとしていたオブリビオンを見事返り討ちにしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リカルド・マスケラス
(グリモアってそこまで便利アイテムって訳でもないんすけどね)
わざわざ言うことではないんで黙っておくっすけど
「なかなか不便な状態みたいっすけど、言い訳は聞かないっすよ」
動かす肉体として分身体を出し、鎖鎌を構えて大技の隙を与えないように鎖鎌と分銅の【2回攻撃】を繰り出し続ける。更には【属性攻撃】での雷撃や閃光などの目眩しも交え、UCの下準備
「おっと、これは痛いの食らっちゃったっすね」
相手のUCを受けていた瞬間に分身体を【微塵隠れの術】で自爆させる
「痛いの食らわせちゃったって言うべきだったっすかねー?」
いつの間にかすり替わって退避していた本体の仮面でそんなことを言っておくっすよ




(……疑似グリモア、ね)
 リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)は胸中にて肩を竦めた。
 かのオブリビオンが目的としているらしいが、グリモア猟兵たるリカルドに言わせれば、本物を得たところでそんなに便利な代物でもない。
(ま、わざわざ口に出すこともないっすけど)
 情報をやり取りする仲でもあるまいと、鎖鎌を構えて戦闘開始だ。
 鎖を生きた蛇のように操って、鎌で斬りつけ分銅を投擲して激しく攻め立てる。
 分銅・分銅!
 鎌・分銅!
 鎌・鎌!
 二段構えのコンボを意識した連撃に、リズムを乱すように目眩ましの閃光や殺傷の雷光を交えて息つく暇も与えない。
「なかなか不便な状態みたいっすけど、言い訳は聞かないっすよ」
『はっ! 心配せずとも、言い訳の余地なく殺してくれるわ!』
 苛烈な連撃にさらされながらも、オブリビオンは怯む様子もなく言い放った。
 転がっていた観客用の椅子を爪先で持ち上げると、器用に鎌刃を受け流し、分銅を叩き落とし、身代わりに雷撃を躱して、実ダメージのない閃光が放たれるタイミングに合わせて、廻し蹴り落としの構えを取る。
『チィ――――ェスト!!』
 裂帛の気合いとともに放たれた雲耀の蹴り。
 一撃必殺の剛脚は、目眩ましを受けながらも正確にリカルドの頭頂を捉えて、彼の体躯を稲妻を喰らった枯木のごとく真っ二つにぶっ裂いた……かと思いきや。
「おっと、これは痛いの食らっちゃったっすね」
 割れた狐面が左右に別れながら、ニタと笑って――ドカァン!! と、大爆発した。
『がっ……ァ!?』
「どっちかってと、痛いの食らわせちゃったって言うべきだったっすかねー?」
 爆風に飲み込まれたオブリビオンの背後から、無傷のリカルドが嘲弄する。
 ユーベルコード【忍法・微塵隠れの術】。閃光で目を眩ませた一瞬で、自爆を仕込んだ分身体と入れ替わっていたのだと、千里眼のクセに見抜くこともできなかったのか、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・銀静
何だお前…?確かたぬきとかいう奴の…ああ…奴のダークネスだったか

…判るぞお前の言ってる事は
ぶち殺し合いってのは相応に忘れる事が出来る

良い…だが…お前は敗北の愉悦を楽しみながら僕の糧になれ

魔剣と野太刀を地面に突刺
お前…本気を出せないのか
それならば…これらを使うのは寧ろ僕には屈辱だな
安心しろ…僕もこういうのはそれなりに自信はあるんでな
【戦闘知識】
敵の動きと戦い方を解析

【リミットブレイク】
UC発動

相手の軸足に対して回し蹴りを叩き込み
敵の蹴り技を受ける時は利き腕ではない方を破壊させ…此方は邪気を纏った拳を叩き込む!

同時に敵の生命力を奪い
ほら…楽しめよ
こういう殴り合いは嫌いじゃないだろ?

正面から全力激突




 その女エルフの姿に、皇・銀静(陰月・f43999)は見覚えがあった。
「何だお前……? 確かたぬきとかいう奴の……ああ……奴のダークネスだったか」
『ダークネス、な』
「む……違うのか?」
『さぁて?』
 含みのある反応に銀静は首を傾げるが、オブリビオンは取り合うこともなく一方的に殺気を放出した。
『親切に教えてやる義理もあるまい』
「……それもそうだな」
 あっさりと納得して、銀静は前に進み出る。
 持っていた魔剣と野太刀を地面に突き刺し、無手になって。
『どういうつもりだ?』
「本気を出せない相手に……これらを使うのは寧ろ僕には屈辱だからな。……安心しろ……こういうのにもそれなりに自信はある」
 訝しむ女エルフに淡々と返して、ユーベルコード【|四門開門・凶《シキョウモンカイモン》】を発動。邪気をまとうことで、これ以上の問答は無用であると示す。
 お互い、もう言葉はない。
 後は拳で語らうのみ。
『――【示現流無刀「|蹴殺《けころ》」】!!』
 先に動いたのはオブリビオンの方だった。
 選んだ技は、至極シンプルな廻し蹴り落とし。分かりやすい構えで、攻撃軌道も単純に上から下へと振り下ろすだけ。恐ろしいほどに明解で、戦慄するほどに研ぎ澄まされた神速の蹴りだ。
 ただ、直前にわずかな隙がある。
「フンッ!」
『っ!?』
 下段回し蹴りを、蹴りを放とうと片足立ちになった瞬間に合わせて叩き込んでやれば、グキリと支柱を折られた相手は無様に姿勢を崩して、
『なにくそ!』
 しかし、強引に蹴り抜いた。
 大地との繋がりを断たれて重心を失いながらも凄まじい威力で、受けた銀静は自身の骨が折れる音を聞く。
 嗚呼、痛い。
 強い!
 ……だが、片腕だけだ。
 死んだのは腕一本。しかも利き腕はいまだ健在とあらば、収支は大黒字である。
「……今度は、此方の番だ!」
 蹴った後の、ガラ空きになった胴体へと反撃の鉄拳を見舞った。
 肉を破り骨を砕く小気味よい感触とともに、女エルフの細身がくの字に曲がる。同時に流し込んだ邪気で臓腑を喰い漁りながら、渾身の力でぶっ飛ばした。
「ほら……味わえよ。お前が求めていた殴り合いの愉悦だぞ。……砂の味だがな」
 数度もバウンドした果てにぐったり倒れ伏したオブリビオンを、銀静は愉しそうに見下す。
 彼の口元に浮かぶ笑みは、敵のそれと同じ。殺し合いに没頭する狂戦士の悦びであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
…妙なものだ
ユウナと同じ姿の別人というものもな

…そして…貴様と戦うべきは我だけではない

UC発動
…宿縁邂逅…これもまた一つの形であろう
「不思議ですね…確かに…この者を倒さねばならないとあたくしの魂が叫んでおりますわ」

良かろう…ならばアンジェリーナよ…勇者として叛逆を示せ

【戦闘知識】
影のカウンターの性質を冷徹に把握
【属性攻撃】
巨大な火柱の破壊力強化
また己に炎耐性強化

【怪力・二回攻撃・切断・鎧無視攻撃】
之だけで倒せるとは思っておらん
卑怯とは言うまいな?
動きが止まった所で魔剣による連続斬撃を叩き込み

そのまま再度動きを封じて

…勇者よ
やるがいい

炎の雨を叩き込み蹂躙する!

エルフにとって炎は相性が悪かったか?


見嘉神・キキ
再び現れおったか、妖刀の影よ
先日はお主へ臨む仲間達の無事を祈る事しか出来なかったからのう
グリモアベースに閉じこもって仲間を死地へ送り込むばかりでは格好もつかぬ
故に、相手をしてもらうぞ

認識阻害の能力で疑似グリモアの未来予知を徹底的に阻んでくれる
燃え滾る我が灼熱の血を辺りいっぱいにばらまいて大きな炎の海を作り出し、視界の効かぬ炎の奥、拳が届かぬ位置からの幻獣弓による範囲攻撃を仕掛けるぞ
それでも相手は未来視を持つ遣い手じゃ、容易くこちらに迫ってこよう
じゃが構わん。認識阻害と炎に紛れ、狐が真に隠したかったのは、血の雫一滴
ただ一滴。それさえお主に付ける事が叶えば、それで仕舞いよ
今一度、骸の海に還るが良い




「来たれ、【|紅炎の姫『アンジェリーナ』《セカイヲマモリシホノオノユウシャ》】よ」
 ユーベルコードによって召喚されるは、紅蓮の魔石に着飾りし魔女。
 かつての戦いでバーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)はの軍門に下った古代の勇者は、相対するオブリビオンの容姿を――たがいに別人とはいえ宿敵の因果で結ばれていた女エルフの姿を目の当たりにして、不思議そうに呟いた。
『確かに……我が主の言う通り、この者を倒さねばならないとあたくしの魂が叫んでおりますわ』
「宿縁邂逅……これもまた一つの形であろう。良かろう……ならばアンジェリーナよ……勇者として叛逆を示せ」
『御意に』
 主命を受けて勇者がカン! と踵を踏み鳴らせば、魔石の煌めきが大地を揺らした。
『来たれ、煉獄を走る赤』
 直後、オブリビオンの足元にヒビが入ったかと思うと、地中深くより赤々と輝く灼熱の火柱が立ち上った。
『ふん?』
 噴出するドロドロの溶岩を、しかし敵は無人の野でも散歩するみたいに悠々と回避する。
 唸る地割れをヒョイとまたぐと、そのニ秒後に火柱が上がる。何気なく首を曲げると、溶岩の飛沫が掠めていく。炎の海に向かって歩いていくと、ギリギリで燃え尽きて道が開かれる。
 ――千里眼。
 疑似グリモアと同化した瞳は時を超えた見切りを可能とするのだ。
「む。……やはり、一筋縄ではいかんか」
「ならば、これならどうかの?」
 轟!
 と火柱とは異なる燃焼音がして。
 新たな炎が沸き起こり、オブリビオンを瞬く間に放置した。
「再び現れおったか、妖刀の影よ」
 炎を操るのは、人間の娘の姿をしたイフリート、見嘉神・キキ(昔日の夕暮れ・f44086)である。
 グリモア猟兵として彼女は、以前に同種が出現する事件を予知したことがあった。あの時は予知した者の義務として、仲間たちが戦場とグリモアベースを行き来するのを見守ることしかできず、歯がゆい想いをしたものだ。
「閉じこもって、仲間を送り出すばかりでは格好もつかぬのでな。相手をしてもらうぞ!」
 皆と同じ立場で、肩を並べて戦うと決意を込めて。
 力強く言い放つと、キキは己が血を火炎へと変じた。ファイアブラッドの体内を流れる灼熱の血は大海のごとく広がり、認識阻害の技能も乗せて千里眼の視界を覆い尽くそうと…………――ブォン!?
『そう来るのは、視えていたぞ!』
 血火をばら撒こうとした矢先を、女エルフは脱いだ黒革ジャケットで扇ぎ払った。カウンターの風圧で炎を退け突破。
 しかし、その程度は猟兵側も折り込み済みだ。
「初手で倒しきれるとは、こちらも思ってはおらん」
 回り込んでいたバーンが、魔剣「Durandal MardyLord」を叩きつけた。防御を許さぬ豪快で鋭い二連斬撃が閃き、後方からはキキが炎の一部を千切って形成した幻獣弓の射撃で牽制する。
『はっ! この程度!』
 更に輪をかけて、だがしかし。
 敵もさる者。千里眼を光らせてバーンの魔剣を受け流し、黄金の柄を踏み台にして彼の長身を飛び越えてのけた。
 空中に逃げたならそれ以上は躱せまい! とキキが狙い撃つも、そこまで見切っていた相手は最小限の動作で体をひねり、火矢は甲斐なく長い黒髪を貫いただけだ。
『今のは、惜しかったなぁ。髪が一房、焼かれたぞ』
 着地したオブリビオンがせせら笑う。
 怒涛の攻撃群を、すべて見透かし捌ききっていた。完璧に戦況を掌の上に納めているかのような、優越感に浸る妖刀の影に対して――

 ――狐が嗤った。

「触れたのならば、もう仕舞いよ」
 キキの放った火矢は、焼き射ることが目的ではない。ほんの一滴、燃焼させない血液を仕込んだそれが、女エルフの長髪にこびりついた時点で勝敗は決したのだ。
「今一度、骸の海に還るが良い――【|心火《シンカ》】!」
『なっ……ぐあああああああああ!!?』
 血液の付着、という前提を満たしたユーベルコードが発動。精神を焼き尽くす炎にすべての知覚を埋め尽くされたオブリビオンは、この世の終わりのような絶叫を上げて七転八倒した。
「勝機だな。……勇者よ、やるがいい!」
『天罰の火雨よ』
 地獄の責め苦に悶えるオブリビオンへ、バーンはダメ押しとばかりに紅炎の姫をけしかける。
 紅蓮の魔石が高く掲げられると、天から炎が驟雨のごとく降り注いだ。面を塗り潰すような集中砲火は避ける余地を与えず世界に仇なす者を蹂躙する。
『があああああ!? こ、これが猟兵。真なるグリモアが導きし……!』
 心と肉体の両面から灼熱の業火に焼かれたオブリビオンは、耐えられるはずもなく燃え尽きたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年08月27日


挿絵イラスト